JP2000020078A - 選曲履歴を表示する通信カラオケ演奏端末 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 個人別の選曲履歴に基く持ち歌リストの表示
サービスを簡便にスムーズに利用してもらえるようにし
た通信カラオケ演奏端末を提供する。 【解決手段】 所定の入力手段２７により利用者それぞ
れの個人ＩＤを取得し、通信回線Ｎを介して接続するホ
スト装置から前記個人ＩＤに対応する選曲履歴とこれに
付帯する声紋データとをダウンロードして所定のデータ
記憶手段７に格納し、マイク１１から採取したある利用
者の入力音声から声紋データを抽出し、この声紋データ
と符合する声紋データを前記データ記憶手段７の記憶デ
ータ中から検索し、符合した声紋データに対応づけられ
ている選曲履歴をディスプレイ１９に表示し、その選曲
履歴の表示に対して特定の楽曲を指定する利用者入力を
受け付けて演奏予約の処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、通信カラオケ演
奏端末に関し、特に、利用者それぞれのＩＤをキーとし
て選曲履歴を自動作成するとともに、その選曲履歴に基
づいて利用者それぞれの持ち歌リストを表示して選曲時
に活用してもらうための付加サービス機能を有する通信
カラオケ演奏端末に関する。

【０００２】

【従来の技術】通信カラオケシステムでは、つぎのよう
な付加サービス機能が知られている。利用者のそれぞれ
に個人ＩＤを割り当てる。利用者が来店したときに何ら
かの方法（後述）により端末がその利用者の個人ＩＤを
取得する。リモコンなどで利用者が選曲して歌唱する
と、その利用者の選曲履歴が端末の記憶部に自動作成さ
れる。端末に作成された利用者それぞれの選曲履歴のデ
ータファイルは、ホスト装置との適当な通信機会にホス
ト装置に転送される。ホスト装置は、広域に存在する多
数の端末から選曲履歴を集信し、個人ＩＤをキーとして
集中管理する。これにより、同一の利用者が異なる店、
異なる端末で歌った履歴も、ホスト装置における１つの
選曲履歴として集約される。

【０００３】前記の選曲履歴はつぎのように活用され
る。端末が個人ＩＤを認知したときに、その個人ＩＤを
ホスト装置に送って該当する選曲履歴を端末に取り寄せ
る。その利用者が端末に対して持ち歌リストの表示を要
求したときに、端末はその利用者の選曲履歴をディスプ
レイに表示し、その選曲履歴の表示に対して特定の楽曲
を指定する利用者入力を受け付けて演奏予約を行う。こ
の機能によれば、利用者それぞれが、自分の唱える歌の
リストを簡便に表示させ、その中から唱いたい歌を簡便
に選択してリクエストできる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述した個人ＩＤの取
得方法としては、キーボードに直接利用者の個人ＩＤを
入力させたり、固有のＩＤが記録されたＩＤカードを利
用者ごとに配布してこれをサービスの利用機会毎にカー
ドリーダにセットさせるといった方法がある。しかしな
がら、これらの方法では前記の持ち歌リストの表示サー
ビスを利用する度にいちいち個人ＩＤを入力したりカー
ドリーダにＩＤカードをセットしなくてはならないので
面倒であり、これでは目次本から選曲して曲番号をキー
ボード入力するのとあまり変わりない。

【０００５】また、最近では個人ＩＤが登録されたパー
ソナルリモコンを利用者に配布して、このパーソナルリ
モコンから発信される個人ＩＤを受信して利用者を特定
するようにしているものがある。これを用いれば、利用
者は個人ＩＤを機械に認知させる操作を意識しなくて済
むので、これと持ち歌リストの表示サービスとをリンク
させればきわめて便利である。しかしながら、パーソナ
ルリモコンは高価であるため、全ての利用者にパーソナ
ルリモコンを所有してもらうことは非現実的であり、常
連客などの特定の利用者にしか利用してもらえないのが
実状である。また、パーソナルリモコンを所有する利用
者であっても、それを忘れて来た場合には、持ち歌リス
トの表示サービスを受けられないという問題もある。

【０００６】一方、特開平９−１４６５６３号公報に
は、声紋により利用者を特定するようにしたカラオケ装
置が記載されている。このカラオケ装置では、声紋デー
タをキーとして利用者の個人情報をデータベースに管理
しており、サービスを利用しようとする利用者の声紋デ
ータを抽出し、この声紋データにより利用者の個人情報
を検索するしくみになっている。これによれば、利用者
にいちいち個人ＩＤを入力させたりＩＤをカードセット
させたりしなくて済む上、パーソナルリモコンなどの機
器も必要ない。

【０００７】しかしながら、この公報に記載された方法
を、通信カラオケシステムにおける前述した選曲履歴の
集中管理システムに適用する場合、つぎのような重大な
問題を生じる。すなわち、通信カラオケシステムにおけ
るホスト装置が取り扱う利用者の数は数百万人に昇る場
合があり、現状の技術では、数百万人の声紋データと入
力された声紋データとを比較することで正確に１人を同
定する処理を実用的な速度で行うことはできない。

【０００８】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、通信カラオケシステムにおける個人別の選曲履
歴に基く持ち歌リストの表示サービスを簡便にスムーズ
に利用してもらえるようにした通信カラオケ演奏端末を
提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の第１の請求項に記載の発明は、通信カラオケ
演奏端末であって、所定の入力手段により利用者それぞ
れの個人ＩＤを取得する手段と、通信回線を介して接続
するホスト装置から前記個人ＩＤに対応する選曲履歴と
これに付帯する声紋データとをダウンロードして所定の
データ記憶手段に格納する手段と、マイクから採取した
ある利用者の入力音声から声紋データを抽出する手段
と、この声紋データと符合する声紋データを前記データ
記憶手段の記憶データ中から検索する手段と、符合した
声紋データに対応づけられている選曲履歴をディスプレ
イに表示する手段と、その選曲履歴の表示に対して特定
の楽曲を指定する利用者入力を受け付けて演奏予約の処
理を行う手段とを備えることとする。

【００１０】また、本発明の第２の請求項に記載の発明
あっては、前記通信カラオケ演奏端末にマイクから利用
者の音声データを採取してこの入力音声から声紋データ
を抽出し、この声紋データを当該利用者の前記選曲履歴
に付帯させる機能を設けることとする。

【００１１】また、本発明の第３の請求項に記載の発明
にあっては、前記通信カラオケ演奏端末が、ある利用者
がリクエスト曲を歌唱した際にマイクから前記利用者の
声紋データを抽出しこの声紋データと前記データ記憶手
段の各選曲履歴に付帯する声紋データとを比較して前記
利用者を特定する手段と、前記リクエスト曲の楽曲ＩＤ
を前記利用者の前記選曲履歴に追記する手段と、適時な
通信の機会に前記選曲履歴をホスト装置にアップロード
する手段とを備えることとする。

【００１２】また、本発明の第４の請求項に記載の発明
にあっては、前記通信カラオケ演奏端末において、前記
声紋データの代わりに指紋データを用いることとする。

【００１３】

【発明の実施の形態】＝＝＝通信カラオケ演奏端末の概
略構成＝＝＝図１に本発明の一実施例による通信カラオ
ケ演奏端末の概略構成を示している。

【００１４】＜カラオケ本体装置＞カラオケ本体装置３
は、メインコンピュータ５、ハードディスク装置（ＨＤ
Ｄ）７、操作パネル・リモコン受信器などの利用者イン
タフェース９、マイク１１、音声制御装置１３、スピー
カ１５、映像制御装置１７、ディスプレイ１９、ＤＶＤ
装置２１、通信制御装置２３、ＲＳ−２３２Ｃインタフ
ェース２５、ＩＤカードリーダ２７、声紋抽出装置２９
を含んで構成される。

【００１５】ハードディスク装置７にはタイトル情報・
歌手名などからなる楽曲情報と、伴奏音楽データ、歌詞
描出データがそれぞれ楽曲ＩＤ別に整理されて格納され
ている楽曲データベースＤＢｇがある。また、カラオケ
本体装置は通信制御装置２３によりホスト装置から送ら
れてくる新譜の伴奏音楽データや歌詞描出データを受信
して、適宜楽曲データベースＤＢｇに追記する。メイン
コンピュータ５は、利用者インタフェース９もしくはＲ
Ｓ−２３２Ｃインタフェース２５から入力されたリクエ
スト曲の楽曲ＩＤを受け付けて、この楽曲ＩＤに対応す
る伴奏音楽データをハードディスク装置７から読み出
す。音声制御装置１３は読み出した伴奏音楽データに基
づいてカラオケ伴奏音楽を生成するとともにこの伴奏音
楽にマイク１１からの入力音声を合成してスピーカ１５
に出力する。また、映像制御装置１７は前記楽曲ＩＤに
対応する歌詞描出データに基づいて前記伴奏音楽に同期
させた歌詞映像を生成するとともにＤＶＤ装置２１で再
生される背景映像を合成し、これをディスプレイ１９に
表示する。ＩＤカードリーダ２７は、利用者がセットし
た磁気記録方式のＩＤカードから個人ＩＤを読み取る。
また、声紋抽出装置２９は、マイク１１に入力された利
用者の入力音声を採取して、これにベクトル量子化・Ｈ
ＭＭ（隠れマルコフモデル）などを施すことで声紋デー
タを抽出し、この声紋データをメインコンピュータ５に
伝達する。

【００１６】＜選曲装置＞選曲装置３１はごく一般的な
携帯型のパーソナルコンピュータであって、プロセッサ
３３、キーボード・マウス・リモコン受信部などを含ん
で構成される利用者インタフェース３５、映像制御装置
３６、ＬＣＤ３７（液晶ディスプレイ）、ハードディス
ク装置（ＨＤＤ）３９、ＲＳ−２３２Ｃインタフェース
４１を備える。

【００１７】ハードディスク装置３９には、前記楽曲デ
ータベースＤＢｇに登録されている楽曲情報が楽曲ＩＤ
別に整理して格納されている曲目データベースＤＢｋが
ある。メインコンピュータ５とプロセッサ３３とはＲＳ
−２３２Ｃインタフェース２５、４１を介して双方向通
信可能に接続し、前記楽曲データベースＤＢｇの内容に
変更が生じた場合にはメインコンピュータ５からプロセ
ッサ３３に変更情報が通知され、プロセッサ３３はその
変更情報に基づいて曲目データベースＤＢｋの内容を変
更する。これにより、楽曲データベースＤＢｇの内容と
曲目データベースＤＢｋの内容との整合性が常時確保さ
れる。

【００１８】プロセッサ３３は、利用者インタフェース
３５から伝達されてくる操作入力に応答し、曲目データ
ベースＤＢｋから五十音順・歌手別・ジャンル別などの
様々な切り口で抽出した楽曲名の一覧をＬＣＤ３７上に
表示して、利用者との間の対話処理によりこの中から利
用者にリクエスト曲を選択させる。選択されたリクエス
ト曲の楽曲ＩＤは、プロセッサ３３によりメインコンピ
ュータ５に伝達される。

【００１９】＝＝＝システムの利用形態＝＝＝ つぎに、以上に説明した通信カラオケ演奏端末の利用形
態を図２に示す処理フローとともに詳細に説明する。

【００２０】＜選曲履歴ファイルの作成と声紋データの
登録＞メインコンピュータ５はそれぞれの利用者が当該
端末の利用を開始する前に、ＩＤカードリーダ２７にＩ
Ｄカードをセットするよう要求し、利用者がセットした
ＩＤカードから個人ＩＤを読み取って（１１０）、この
個人ＩＤに対応する選曲履歴ファイルがホスト装置に存
在するかどうかを調べる（１２０）。選曲履歴ファイル
がホスト装置に存在した場合には、この選曲履歴ファイ
ルをホスト装置からダウンロードし、これをハードディ
スク装置７に格納する（１３０）。また、選曲履歴ファ
イルがホスト装置に存在しなければ、この個人ＩＤに対
応づけた選曲履歴ファイルをハードディスク装置７に新
規に作成する（１４０）とともに、その個人ＩＤを入力
した利用者に対してマイク１１に向かって発声するよう
要求し、その入力音声から声紋データを抽出して（１５
０）これをハードディスク装置７の当該利用者の選曲履
歴ファイルに登録する（１６０）。

【００２１】＜持ち歌表示モード＞持ち歌表示モードは
選曲装置３１が備えるリクエスト曲の検索機能の一つで
ある。持ち歌表示モードによる検索機能は、利用者が選
曲装置３１の利用者インタフェース３５に対して所定の
操作を行った場合に開始される。持ち歌表示モードの開
始時に、選曲装置３１は利用者にマイク１１に向かって
発声するよう要求する（２１０）。メインコンピュータ
５はマイク１１から利用者の音声を採取してこの入力音
声から声紋データを抽出し（２２０）、この声紋データ
とハードディスク装置７上の各選曲履歴ファイル中の声
紋データとを比較して、当該利用者の選曲履歴ファイル
を特定し、これをプロセッサ３３に送出する（２３
０）。プロセッサ３３は、この選曲履歴ファイルに記録
されている選曲履歴の一覧をＬＣＤ３７に表示して利用
者にこの中からリクエスト曲を選択させる（２４０）。
リクエスト曲が選択されると選曲装置３１はそのリクエ
スト曲の楽曲ＩＤをメインコンピュータ５に伝達する
（２５０）。メインコンピュータ５は伝達されてきた楽
曲ＩＤを取得してこれを予約リストに登録する。

【００２２】＜選曲履歴ファイルの更新およびホスト装
置への転送＞メインコンピュータ５はリクエスト曲が演
奏される度にそのリクエスト曲を歌唱している利用者の
音声から声紋データを抽出し、この声紋データとハード
ディスク装置７上の各選曲履歴ファイル中の声紋データ
とを比較して、当該利用者の選曲履歴ファイルを特定す
る（３１０）。そして、特定した選曲履歴ファイルに前
記リクエスト曲の楽曲ＩＤを追記する（３２０）。

【００２３】ハードディスク装置７上の選曲履歴ファイ
ルは、適時な通信の機会にホスト装置に転送される。こ
れにより、ホスト装置には常に最新の選曲履歴ファイル
が用意される（３３０）。

【００２４】＝＝＝その他の構成＝＝＝ ところで、前述した実施例では、カラオケ本体装置にの
みマイクと声紋抽出装置を設けているが、選曲装置にも
マイクと声紋抽出装置を設けておけば、ある利用者の歌
唱中に他の利用者が選曲操作を行うことができるので便
利である。

【００２５】また、カラオケ本体装置と選曲装置とを独
立したハードウエアで構成しているが、これらを一つの
ハードウエア内に一体的に構成してもよい。

【００２６】また、磁気記録方式のＩＤカードを用いて
いるが、ＩＣカードなどの他の媒体を用いてもよい。ま
た、キーボードなどから個人ＩＤを直接入力するように
してもよい。また、パーソナルリモコンを用いてもよ
い。

【００２７】また、確実に認証を行うため、個人ＩＤを
入力させると同時にパスワードも入力させるようにして
もよい。

【００２８】また、既に退席した利用者の選曲履歴ファ
イルは適宜ホスト装置に転送し、通信カラオケ演奏端末
が利用されていない時などの適時なタイミングでハード
ディスク装置から消去するようにする。このようにすれ
ば、比較すべき声紋データが増大して利用者の特定処理
が遅延するのを防ぐことができる。

【００２９】また、本発明は、例えば声紋抽出装置に代
えて指紋抽出装置を備えるなどの単純な変更により、声
紋データ以外の指紋データや掌形データ（手のひら）、
指関節データなどを用いた場合など他の認証手段を用い
た場合にも容易に応用することができる。

【００３０】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、カラオケの利用開始時に何らかの手段により利用者
から一度だけ個人ＩＤを取得し、この個人ＩＤに対応す
る声紋データをホスト装置からダウンロードしてデータ
記憶手段に格納しておく。ある利用者が持ち歌リスト表
示のサービスを利用しようとする際に適宜利用者の入力
音声を採取してこの入力音声から声紋データを抽出し、
この声紋データをキーとして記憶手段に格納されている
いくつかの選曲履歴ファイルの中から該当者のファイル
を選出する。そのため、この処理においては、一台の通
信カラオケ演奏端末を今利用しているごく少数の利用者
のみの声紋データと入力声紋データとを比較すればよ
い。従って、単純な声紋抽出アルゴリズムを採用した簡
単なシステムで十分に高い識別精度で迅速に利用者を特
定することができ、個人別の選曲履歴に基く持ち歌リス
トの表示サービスを簡便にスムーズに利用してもらうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による通信カラオケ演奏端末
の概略構成を示す図である。

【図２】本発明の一実施例による通信カラオケ演奏端末
の処理フローを示す図である。

【符号の説明】

３ カラオケ本体装置 １１ マイク ２７ ＩＤカードリーダ ２９ 声紋抽出装置 ３１ 選曲装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 直孝 東京都品川区北品川５−５−26 株式会社 第一興商内 (72)発明者 桜井 伸司 東京都品川区北品川５−５−26 株式会社 第一興商内 Ｆターム(参考） 5D015 AA03 HH03 KK01 5D108 BC11 BC17 BG07 BG08

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の入力手段により利用者それぞれの
   個人ＩＤを取得する手段と、通信回線を介して接続する
   ホスト装置から前記個人ＩＤに対応する選曲履歴とこれ
   に付帯する声紋データとをダウンロードして所定のデー
   タ記憶手段に格納する手段と、マイクから採取したある
   利用者の入力音声から声紋データを抽出する手段と、こ
   の声紋データと符合する声紋データを前記データ記憶手
   段の記憶データ中から検索する手段と、符合した声紋デ
   ータに対応づけられている選曲履歴をディスプレイに表
   示する手段と、その選曲履歴の表示に対して特定の楽曲
   を指定する利用者入力を受け付けて演奏予約の処理を行
   う手段とを備えることを特徴とする通信カラオケ演奏端
   末。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の通信カラオケ演奏端末
   であって、マイクから利用者の音声データを採取してこ
   の入力音声から声紋データを抽出し、この声紋データを
   当該利用者の前記選曲履歴に付帯させる機能を有するこ
   とを特徴とする。
3. 【請求項３】 請求項１または２のいずれかに記載の通
   信カラオケ演奏端末であって、ある利用者がリクエスト
   曲を歌唱した際にマイクから前記利用者の声紋データを
   抽出しこの声紋データと前記データ記憶手段の各選曲履
   歴に付帯する声紋データとを比較して前記利用者を特定
   する手段と、前記リクエスト曲の楽曲ＩＤを前記利用者
   の前記選曲履歴に追記する手段と、適時な通信の機会に
   前記選曲履歴をホスト装置に転送する手段とを備えるこ
   とを特徴とする。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載の通信カ
   ラオケ演奏端末であって、前記声紋データの代わりに指
   紋データを用いることを特徴とする。