JP2000019732A - 感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法 - Google Patents

感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法

Info

Publication number
JP2000019732A
JP2000019732A JP10182641A JP18264198A JP2000019732A JP 2000019732 A JP2000019732 A JP 2000019732A JP 10182641 A JP10182641 A JP 10182641A JP 18264198 A JP18264198 A JP 18264198A JP 2000019732 A JP2000019732 A JP 2000019732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
group
resist
copolymer
photosensitive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10182641A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouji Asakawa
川 鋼 児 浅
Naoko Kihara
原 尚 子 木
Toru Gokochi
透 後河内
Takashi Okino
野 剛 史 沖
Naomi Shinoda
田 直 美 信
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10182641A priority Critical patent/JP2000019732A/ja
Publication of JP2000019732A publication Critical patent/JP2000019732A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過性に優れ、ドライエッチング耐性に優
れ、酸触媒による反応効率が高く、かつアルカリ溶解
性、基板との密着性に優れる感光性組成物と、表面粗さ
の小さい、優れたパターン形状が得られるパターン形成
方法の提供。 【解決手段】 脂環式骨格またはナフタレン骨格を有す
るビニル単量体、および/または(メタ)アクリル酸エ
ステル単量体をリビング重合させることにより得られ
る、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw
/Mnで与えられる分子量分布が1.0〜1.4の共重
合体と、光酸発生剤とを含んでなる感光性組成物と、そ
れを用いた感光性材料を短波長の光で露光して現像する
パターン形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、特に
大規模集積回路(LSI)、ハードディスクドライブ等
の薄膜磁気ヘッド、および液晶ディスプレーの微細加工
に用いられる感光性組成物、およびこれをもちいたパタ
ーン形成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体集積回路装置、および
ハードディスクドライブ等の薄膜磁気ヘッド、液晶ディ
スプレーをはじめとする各種の微細加工を必要とする電
子部品の分野では、リソグラフィー技術による微細加工
技術が施されており、感光材料としてフォトレジストが
広く採用されている。特に最近では、電子機器の多様
化、多機能化、高密度化に伴い、レジストパターンの微
細化が要求されている。微細パターンの形成能力の向上
の一つの施策として露光光源の短波長化が挙げられる
が、このために例えばArFエキシマレーザー(193
nm)やYAGレーザーの5倍高調波(213nm)を
露光光源に用いた微細パターン形成技術が開発されてき
ている。
【0003】しかし、このような極短波長の光に対して
は、多くの物質は吸光度が大きすぎ、レジストパターン
を解像することができない。具体的には、従来のレジス
ト材料は、この波長領域の光が、1/30μm程度の深
さまでしか透過しないため、特殊な組成のレジスト材料
が要求されてきている。このため、上記光源に対して高
感度、高解像性を有し、かつ微細加工のためのエッチン
グ耐性を有するレジスト材料の開発が望まれている。
【0004】このようなレジスト材料としては、例え
ば、特開平4−39965号公報などに示されるよう
な、脂肪族炭化水素を骨格に有する重合性化合物と、ア
ルカリ可溶性を有する重合性化合物の共重合体からなる
レジストが挙げられる。このレジストは、光透明性に優
れ、かつ、ドライエッチング耐性を有するという利点が
あるが、本発明者らの知る限り、アルカリ溶解性が不充
分であった。これは、全くアルカリ溶解性を示さない脂
環式化合物と、強力にアルカリ溶解性を示すカルボン酸
含有化合物という両極端な物性を有する重合性化合物を
共重合したものであることに起因するものと考えられ
る。このために、現像の際、溶解しやすい部分だけ溶解
して溶解が不均一となりやすく、再現性が低い、あるい
は未露光部での部分溶解によるクラック、表面あれが生
じやすい、基盤界面への現像液のしみこみが生じてパタ
ーンが倒壊しやすいという問題も引き起こすようであ
る。さらには共重合体が相分離をおこしやすく、また溶
媒への溶解性が不均一で、塗布性が悪く、塗布溶媒の選
択に制約もある。
【0005】また、特願平5−4953号明細書に示さ
れているような、共役した複合芳香族環からなることを
特徴とするレジストが報告されている。かかるレジスト
は、ドライエッチング耐性が現在知り得るレジスト材料
の中で最も優れ、アルカリ溶解性や、溶媒への溶解性、
基板への密着性は、従来のフェノール樹脂のそれと同程
度である。しかし、上述のような波長領域の光に対する
透明性は、前者より劣るために、高い精度でパターンを
形成することが困難である。
【0006】これらに対応してその露光光源に対して高
い光透過性を示し、かつ微細加工のための優れたアルカ
リ溶解性を有するレジスト材料の開発が望まれてきてい
る。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、短波長の紫外線に対して高い光透
過性を示し、かつ優れたアルカリ溶解性、かつ基板との
密着性、さらにはドライエッチング耐性を示すレジスト
組成物を提供しようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものである。その課題とするところは、
極短波長の紫外線、特にArFエキシマレーザーに対し
て、高感度、高解像性を有し、かつパターン形成のプロ
セスを通じて安定性の高い、レジスト材料として好適な
感光性組成物を提供することである。
【0009】アクリル樹脂系のレジストをラジカル重合
すると、0.15μmL/Sのパターンが得られること
が分かっている。また、特開平9−325498号公報
に開示したように主鎖に脂肪族の環状炭化水素を導入す
ることにより、良好な耐ドライエッチング性を得てい
る。
【0010】これらのレジスト材料はラジカル重合によ
り得られている。ラジカル重合では、重合開始剤の量や
重合温度を制御することによって、分子量を制御するこ
とができる。これにより、微細なパターンを解像するこ
とが可能になる。しかしながら、ラジカル重合では分子
量分布を制御することは困難である。このため、得られ
た樹脂はポアッソン分布を示し、広い分子量分布を示す
場合が多い。全く同じ組成を持つ重合体であっても、分
子量が異なると現像液にたいする溶解性が異なることは
理論的にも解明されている(詳細後記)。このため分子
量分布が広いと、現像液に対する溶解性が異なる樹脂が
混ざっていることになり、溶解が不均一となりやすい。
【0011】そこで我々は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)法により分子量により分離
し、分子量分布の狭い樹脂を得た。この結果、分子量の
そろった樹脂をもちいると、基板との界面で垂直なパタ
ーンが得られ、レジスト表面の荒れも減少することが分
かった。このように分子量をそろえるとパターン形状が
改善されることが判明した。
【0012】しかしながら、ラジカル重合で得られた樹
脂をGPCなどで分離することは、複雑な操作が必要で
あり、さらには収率が10%以下と非常に低い場合が多
い。
【0013】
【課題を解決するための手段】[発明の概要] <要旨>本発明の感光性組成物は、脂環式骨格またはナ
フタレン骨格を有するビニル単量体、および/または
(メタ)アクリル酸エステルをリビング重合させること
により得られる、重量平均分子量Mwと数平均分子量M
nとの比Mw/Mnで与えられる分子量分布が1.0〜
1.4の共重合体と、光酸発生剤とを含んでなること、
を特徴とするものである。
【0014】また、本発明のパターン形成方法は、下記
の工程を含んでなることを特徴とするものである。 (1)脂環式骨格またはナフタレン骨格を有するビニル
単量体、および/または(メタ)アクリル酸エステル単
量体をリビング重合させることにより得られる、重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnで与
えられる分子量分布が1.0〜1.4の共重合体と、光
酸発生剤とを含んでなることを特徴とする感光性組成物
を基板上に塗布した感光性材料を準備する工程、(2)
前記感光性材料を波長が220nm以下の化学放射線を
用いて像様に露光する工程、および(3)露光済みの感
光性材料をアルカリ現像液で現像する工程。
【0015】<効果>本発明によれば、光透過性に優
れ、ドライエッチング耐性に優れ、酸触媒による反応効
率が高く、かつアルカリ溶解性、基板との密着性に優れ
る感光性組成物が提供される。
【0016】また、本発明のパターン形成方法によれ
ば、表面粗さの小さい、優れたパターン形状のパターン
が形成される。
【0017】[発明の具体的な説明]本発明の感光性組
成物に含有される重合体は、脂環式骨格またはナフタレ
ン骨格を有するビニル単量体、および/または(メタ)
アクリル酸エステルをリビング重合させることにより得
られる、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比
Mw/Mnで与えられる分子量分布が1.0〜1.4の
共重合体である。
【0018】この共重合体は、下記一般式(1)〜
(3)で示される単量体のうちの少なくとも1種を成分
として含有し、リビング重合させることにより得られる
ものであることが好ましい。
【化2】 ここで、R1、R11、R12、およびR21は、それぞれ、
水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロ
ゲンからなる群から選ばれる基であり、それぞれ同一で
も異なっていてもよい。具体的には水素、メチル基、エ
チル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素、フッ素、シア
ノ基、およびその他が挙げられる。R2、R13、および
22は、水素、メチル基、エチル基などの炭素数1〜1
5のアルキル基、シクロオレフィン基、環内に酸素を含
むシクロオレフィン、環状エーテル基であり、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。具体的には、水素、メチ
ル基、エチル基、シクロヘキシル基、1−イソプロピル
−4−メチルシクロヘキシル基、フラニル基、ピラニル
基、アダマンチル基、およびその他が挙げられる。
【0019】また、R2、R13、およびR22は、それぞ
れ独立に水酸基、カルボキシル基、およびその他で置換
されていてもよい。
【0020】(2)式のZは単純および/または有橋の
脂環式骨格であり、例えばシクロヘキシル骨格、ノルボ
ルニル骨格、イソボルニル骨格、アダマンチル骨格、メ
ンチル骨格、トリシクロデカニル骨格、ビシクロペンタ
ン骨格、およびその他である。
【0021】シクロオレフィン基としては、より具体的
には、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキ
サン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環やこれら
に橋かけ炭化水素鎖が導入されたもの、スピロヘプタ
ン、スピロオクタンなどのスピロ環、ノルボルネン環、
アダマンタン環、ボルネン環、メンチル環、メンタン
環、などのテルペン環、ツジャン、サピネン、ツジョ
ン、カラン、カレン、ピナン、ノルピナン、ボルナン、
フェンカン、トリシクレン、コレステリック環などのス
テロイド、タンジュウサン、ジギタロイド類、ショウノ
ウ環、イソショウノウ環、セスキテルペン環、サントン
環、ジテルペン環、トリテルペン環、ステロイドサポニ
ン類などが例示される。
【0022】このとき、具体的には、脂環式骨格を有す
る重合性化合物、酸によってアルカリ溶解性が変化する
重合性化合物、及びアルカリ可溶性基を有する重合性化
合物、ヒドロキシアルキルエステルを側鎖に持つアクリ
ル重合性化合物を組み合わせた重合体などが本発明の感
光性組成物のアルカリ可溶性樹脂として用いられる。
【0023】また、本発明において重量平均分子量Mw
光散乱法X線小角散乱法によって、Mnは浸透圧法、沸
点上昇法、粘度法などによって測定することができる。
より簡便にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法(GPC)によって、ポリスチレン換算のMwとMn
を測定することができる。本願明細書においては、特に
断らない限りGPCによる測定値を記載している。
【0024】これらの構造の重合体はラジカル重合によ
り得ることができるが、本発明のごとくリビング重合に
より得られる分子量分布の狭い重合体を用いることで、
表面荒れのない基板との接触面において裾引きの少ない
良好なパターンを得られることがわかった。
【0025】ラジカル重合法は重合法としては簡単な方
法であり、レジスト樹脂を重合する方法として広く用い
られている。しかし、分子量の制御が難しく、一般に広
い分子量分布を持つ。もう1つの欠点は、ラジカルの寿
命によって反応が決まるため、ラジカルが発生してから
比較的短時間で反応が終了してしまうため、単量体の立
体障害を受けやすいことがあげられる。特に本願で問題
にしているアクリル樹脂や主鎖脂環樹脂、ナフタレン含
有樹脂はいずれも単量体が非常に嵩高く、特に分子量の
制御が難しいことは良く知られている。本発明者もこの
点でかなり努力をしたが、アクリル樹脂や主鎖脂環樹
脂、ナフタレン含有樹脂では、全く同一組成にも係わら
ず分子量と分子量分布の影響のため、なかなか再現性が
とれないことが多かった。これを解決するためには、重
合反応の活性点を長時間に渡って生かすことのできる1
つの反応が一瞬で終わらないリビング重合をもちいると
効果的であることを見出した。これに対し、ベンゼン環
などは、空間に占める割合が小さいため、これまでのレ
ジスト樹脂の代表であったノボラック樹脂やPHS樹脂
はラジカル重合によっても分子量および分子量分布の制
御が、それほど困難ではなかった。
【0026】即ち、上記重合体を得るためにリビング重
合を行うと、分子量分布の狭いMw/Mnが1.0〜
1.4程度の樹脂が得られる。このとき、リビングアニ
オン重合法の重合開始剤としてブチルリチウム、ジフェ
ニルヘキシルリチウム、フルオレニルリチウム、1,1
−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、αメチル
スチレンリチウムなどのアルキルリチウム類、ナトリウ
ムベンゾフェノンケチル、ナトリウムナフタレン、αメ
チルスチレンナトリウム、ビフェニルナトリウム、フル
オレニルナトリウム、ベンジルナトリウムなどのアルカ
リ金属試薬類、ベンジルナトリウムとジベンゾ−18−
クラウンエーテルの錯体など、クミルセシウム、フルオ
レセシウムなどの有機セシウム類、ナトリウムやカリウ
ムのアルコキシドあるいはアミド類、ナトリウム−セシ
ウムのクラウンエーテル錯体、ブチルマグネシウムブロ
ミド、フェニルマグネシウムブロミド、ナフチルマグネ
シウムブロミド、ビニルベンジルマグネシウムクロリ
ド、シクロヘキシルマグネシウムブロミドなどのグリニ
ャール試薬類、ポリフィリンのアルミニウム錯体類が挙
げられる。
【0027】重合溶媒としては、テトラヒドロフラン、
テトラヒドロビランなどの環状エーテル類、n−ヘキサ
ン、ジメトキシエタン、シクロヘキサン、ジオキサンな
どの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族化合物、塩化メチレン、クロロホルムなどの
ハロゲン化アルキルなどが挙げられる。
【0028】このような重合体において、官能基を側鎖
に持つアクリル重合性化合物は、重合に供する単量体の
20〜80mol%程度であることが望ましい。20m
ol%以下だとドライエッチング耐性が低下し、80m
ol%以上ではアルカリ現像液に対し溶解性の変化が不
充分となり、パターン形成ができなくなることがあるの
で注意が必要である。しかしながら、一般の脂環式骨格
を有する重合性化合物と組み合わせるは場合は、ドライ
エッチング耐性に支障のない程度に、アクリル重合性化
合物を20mol%以下にしてもよい。
【0029】本発明の感光性組成物において、ArFエ
キシマーレーザーの波長である193nmの透明性が優
れていることが好ましく、具体的には、この重合体の1
93nmの吸光度が、1ミクロンあたり2以下であるこ
とが好ましい。
【0030】ここで、この重合体の193nmの吸光度
を小さくするためには、以下に示すような酸性置換基と
脂環式化合物の組み合わせによる重合性化合物を使用す
ることが望ましい。プロパノンオキシムやプロパナール
オキシム基、ヒドロキシイミノペンタノン、デメチルグ
リオキシムのような、ケトンオキシム構造を含むアルキ
ル基、サクシンイミドやピロリジンジオンのようなジカ
ルボン酸イミドおよび、N−ヒドロキシサクシンイミド
構造を含むアルキル基、シクロペンテン1,3ジオンや
アセチルアセトン、3メチル−2,4ペンタンジオンの
ようなジカルボニルメチレン構造を含む置換基、カルボ
キシル基、スルファミド構造を有する置換基、多置換ス
ルフォニルメタン構造を含むアルキル基、ヘキサンチオ
ールなどのチオールを含むアルキル基、ヒドロキシシク
ロペンテノンのようなエノール構造を含むアルコール、
フルフリルアルコール構造を含む置換基、アミック酸構
造を含むアルキル基等が挙げられる。ここで、吸光度を
低くするためには、置換基として単環の芳香族基を含ま
ないことが好ましい。
【0031】しかしながら、このような化合物は、有機
溶媒に対する溶解性が良くなく、またアルカリ現像液に
対する溶解性は非常に悪い。アルカリ現像液に対する溶
解性を高めようとすると、基板との密着性が低下し、パ
ターンの剥がれが起ってしまうことがある。また、分子
量分布のため溶解速度が各々の高分子鎖によって異な
り、均一に溶けないため、良好なパターン形状が得られ
ないこともある。
【0032】レジストとして用いている樹脂の分子量を
低分子量化させると解像性が向上することが分かってい
るが、分子量を小さくし過ぎるとレジストとしての強度
などに問題がでてくると予想される。また、分子量の分
布も大きな要因になっていることも分かっている。ここ
で分子量の分布があったときに、どのような溶解挙動を
とるか理論的に検討してみると以下の通りである。
【0033】まず、樹脂の溶解を予想するには、混合の
自由エネルギーを考えなければならない。高分子系と溶
液の混合の自由エネルギーは、次のように予想される。 ΔG1/RT=(1/N)φ1nφ+(1−φ)1n(1−φ) +χφ(1−φ) (1) ここでNは重合度(分子量に比例する)、φは樹脂の分
率(この場合現像液中なのでかなり小さいφ<0.0
1)、およびχは樹脂と現像液に相互作用パラメーター
(大きいと溶けにくくなる)、である。
【0034】(1)式より、χの大きさが大きいほど溶
解性がなくなる。レジストでは熱力学的には、このχが
露光、露光後の加熱処理(以下PEBという)のプロセ
ス間によって引き起こされた化学変化によって小さくな
るため、現像液にとけやすくなる。
【0035】このとき、分子量が違うとNが変わるた
め、(1)式の第1項が変化する。具体的には分子量が
大きくなると、第1項が小さくなり、第1項は常に負で
あるため、系の混合の自由エネルギーΔG1は大きくな
る。ΔG1は0より大きいと溶解しなくなるため、高分
子成分は溶解せず、低分子成分のみ溶解することが予想
される。
【0036】このような結果、分子量分布が広い樹脂で
は、レジストの不均一な溶解が起こる可能性が高い。こ
のため、分子量分布の狭い単分散の樹脂が望まれる。
【0037】さて、以下のような考察からフェノールや
アルコールなどをベースとする重合体より、カルボン酸
を含む重合体の方が単分散にする効果が高い。
【0038】(1)式においては、重合体を単一系とし
て考えたが、重合体を単量体2種類以上の共重合体とし
て考えると、(1)式と同様の考え方ができ、重合体内
での自由エネルギーを考えることができる。 ΔG2/RT=(1/N1)φ1nφ+(1/N2)(1−φ) 1n(1−φ)+χ12φ(1−φ) (2)
【0039】単量体1、2の各成分間のχ12と溶解度パ
ラメーターの関係は以下のようにあらわせる。 χ12=(v*/RT)|δ1−δ22*はモル体積、δ1は共重合体中の単量体成分1の溶解
度パラメーターである。
【0040】一般に化学増幅型レジストは、2種類以上
の単量体成分を共重合体にして用いている。溶解度パラ
メーターは、一般に非極性のものは小さく、極性の高い
ものは大きい。例えば、化学増幅型レジストでよく用い
られるPHSは10(cal0.5/cm1.5)程度で
あり、これをt−ブチルで保護したものは8.5程度の
値を示す。
【0041】これに対し、ArF用レジストとして有望
なアクリル樹脂や主鎖脂環樹脂などの樹脂では、ポリア
クリル酸が12、ポリメタクリル酸が11.2、ポリノ
ルボルネンカルボン酸が12の値を示す。これをt−ブ
チルで保護すると8〜9程度の値になる。
【0042】これより、ArF用レジストのアクリル樹
脂や主鎖脂環樹脂の方が、KrFで主流のPHSに比較
し、保護されている部分と保護されてない部分の溶解度
パラメーター差が大きいことがわかる。さらに(2)式
にこの結果を当てはめてみると、分子量が異なると保護
されている部分と保護されてない部分の組成比が全く同
じであっても((2)式において、N1:N2の比は同じ
であるが、N1+N2が異なる場合)、系の自由エネルギ
ーが異なることがわかる。これはすなわち、現像液に対
する溶解性が異なることを示している。分子量分布が広
いということは、違う自由エネルギーのものを沢山包括
しているということであり、アクリル樹脂や主鎖脂環樹
脂ではPHS樹脂に比べ分子量分布の影響を受けやす
く、分子量分布を小さくした方が系が安定であることが
わかる。 ArF用レジスト KrF用レジスト 樹脂 アクリル樹脂や主鎖脂環樹脂 PHS 未保護の部分のδ 11〜12 10 保護された部分のδ 8〜9 8〜9 δの差 大きい 小さい 分子量による自由エ 大きい 小さい ネルギーの差 分子量分布の影響 大きい 小さい
【0043】この結果、現像時の表面荒れが狭分子量化
で低減されることが予想される。また、この効果もAr
F用樹脂の方が高いことがわかる。
【0044】エッチング時も分子量の影響は現れ、狭分
子量化した樹脂の方が表面荒れが少ない。また、ArF
用レジストが主流となる世代では高解像力化のためレジ
スト膜厚はさらに薄くなることが予想され、表面荒れの
影響がデバイス性能に与える影響が大きくなるため、A
rF用レジストにおいて狭分散化によるエッチング時の
表面荒れ防止効果は極めて大きい。
【0045】さらに分子量の効果を考察するため、以下
のように単純化した系を考察する。分子量分布を考える
ため、簡単化して分子量が2倍の重合体の場合、 ΔG3=(1/2N)φ1nφ+(1−φ)1n(1−φ) +χφ(1−φ) (3) となる。ここで注意しなければならないのは、第1項は
常に負であるから、 ΔG1<ΔG3 (4) となる点である。
【0046】ここで酸によってある一定の割合で保護基
が分解すると仮定する。この分解率は分子量に依存しな
いと考えられる。(1)式(3)式では、保護基が分解
することによりχのみが変化し小さくなる。酸による分
解率が分子量に依存しなければ、(1)式(3)式のχ
の変化量は同じである。
【0047】樹脂の溶解はΔGが負になると始まるた
め、溶解した部分はΔG<0であり、溶解しないでパタ
ーンとして残る部分はΔG>0である。よって、分子量
分布がない系であれば、ΔG=0がレジストパターンの
輪郭となる。しかし、分子量分布がある時、レジストパ
ターンの輪郭は、 ΔG1<0<ΔG3 (5) の状態になり、ΔG1のみが負、つまり低分子量のもの
だけ溶解することになる。さらに分子量分布が広くなる
と ΔG1<<0<<ΔG3 (6) になり、数十nmオーダーの不均一な溶解が始まる。こ
のため微細なパターンの形成が難しくなる。このため、
熱力学的には分子量分布が広くなることは、決してパタ
ーン形成に良いことではないことがわかる。
【0048】しかし、溶解や現像には樹脂の高分子同士
の絡み合い(分子量の2乗)によるレプテーション(す
り抜け)時間や、現像液への拡散(回転半径の2乗、つ
まり分子量の1.2乗)などの動力学的要素がからんで
くるため、低分子量成分をいれると、一定の溶解速度が
保証される。
【0049】これより、リビング重合で重合させた狭分
子量の樹脂を2種類以上を混合し、遠紫外線の照射によ
り酸が発生する感光剤から発生させた酸により現像液に
対する溶解性が変化する化合物もしくは基を含む感光性
組成物が好ましいことがわかる。
【0050】ここで熱力学的不均一をさけ、かつ動力学
的要素である低分子を加えるには、 ΔG1=0=ΔG2 となる組成にすれば良いわけである。これは(1)式に
比べ(3)式のχを小さくすることにより達成される。
このため、保護率の高いもしくは脂環などが多い低分子
量成分と、保護率の低い高分子量成分を組み合わせるの
が良いことがわかる。
【0051】これより、リビング重合で重合した樹脂を
2種類以上混合したとき、低分子量の樹脂の方が高分子
量の樹脂より溶解抑止基もしくは耐ドライエッチング基
の含有率が大きいことを特徴とし、遠紫外線の照射によ
り酸が発生する感光剤から発生した酸により現像液に対
する溶解性が変化する化合物もしくは基を含む感光性組
成物が好ましいことがわかる。
【0052】上述のようなアルカリ可溶性の重合体は、
重合体単独では感光性を有さない。そのため、例えば、
化学放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、光
酸発生剤と称する)などの感光剤および/または、溶解
抑止剤を配合することにより感光性組成物とする。芳香
環を全く含有しない光酸発生剤(例えばCMS−10
5、DAM−301、NDI−105やEPI−105
(みどり化学製))、溶解抑止剤(アダマンタン−te
rt−ブチルエステルやコール酸tert−ブチルエス
テルの結合したものなど)との組み合わせとして感光性
組成物とすることが可能であるが、この場合、耐熱性が
低下するなどの欠点があり、芳香族化合物である光酸発
生剤がより望ましい。
【0053】本発明に用いることができる光酸発生剤と
しては、下記のものを挙げることができる。 (イ)トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフ
ェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ト
リフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、ジフ
ェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニ
ウムビレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデ
シルベンゼンスルホネート、ビス(4−tert−ブチ
ルフェニル)ヨードニウムトリフレート、ビス(4−t
ert−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼ
ンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニ
ル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−
tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオ
ロアンチモネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメ
チルスルホニウムトルエンスルホネート、1−(ナフチ
ルアセトメチル)チオラニウムトリフレート、シクロヘ
キシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウ
ムトリフレート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロ
ヘキシル)スルホニウムトリフレート、ジメチル(2−
オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフレート、S
−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリ
フルオロメタンスルホン酸、Se−(トリフルオロメチ
ル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホ
ン酸、I−ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタン
スルホン酸等のヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホス
ホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジウム塩等のオニウ
ム塩、(ロ)1,2−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホニルクロリド、2,3,4,4−テトラヒドロベンゾ
フェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−
スルホン酸エステル等の1,3−ジケト−2−ジアゾ化
合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン
化合物等のジアゾケトン化合物、(ハ)1,1−ビス
(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタ
ン、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−S−トリア
ジン、ナフチル−ビス−(トリクロロメチル)−S−ト
リアジン等のハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロ
アルキル基含有ヘテロ環状化合物等のハロゲン含有化合
物、および(ニ)4−トリスフェナシルスルホン、メシ
チルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)
メタン等のβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン
等のスルホン化合物。
【0054】この際、これらの添加物が単環の芳香環を
有する化合物の場合、透明性が著しく減少するので多く
配合するのは好ましくない。他方、芳香族が、共役した
多環芳香族化合物の場合、透明性が向上し、より好まし
いものとなる。
【0055】なお、共役した複合芳香環とは、複数の芳
香環が、共役した状態にある定まった分子構造を有する
ことを示す。ここで共役とは、2重結合がひとつおきに
平面に近い状態に整列した状態を言う。
【0056】この例としてナフタレン環、アントラセン
環、フェナントレン環、ビレン環、ナフタセン環、クリ
セン環、3,4ベンゾフェナントレン環、ペリレン環、
ペンタセン環、ビセン環があげられる。またピロール
環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール
環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、イン
ダゾール環、クロメン環、キノリンジンノリン環、フタ
ラジン環、キナゾリン環、ジベンゾフラン環、カルバゾ
ール環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナン
トロリン環、フェナジン環、チアントレン環、インドリ
ジン環、ナフチリジン環、プリン環、ブテリジン環、フ
ルオレン環などがこれに相当する。なかでも特に該芳香
環がナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環
のうちから選択されたものである場合、透明性およびド
ライエッチング耐性が高いので望ましい。これらの骨格
はレジストを形成する酸発生剤や溶解抑止剤の主鎖骨格
や側鎖骨格に導入することができる。
【0057】具体的には光酸発生剤としては、ナフタレ
ン骨格やジベンゾチオフェン骨格を有するオニウム塩や
スルフォネート、スルフォニル、スルファミド化合物な
どを挙げることができる。より具体的な例としては、N
AT−105、NDS−105などのナフレタン環を有
するスルフォニウム塩、NDI−106などのナフタレ
ン含有塩素化トリアジン、ナフタリジルトリフレートな
どのスルフォン酸イミド(以上みどり化学)、ジベンゾ
チオフェン誘導体のオニウム塩(ダイキン化学)、ナフ
タレンバイスルフォンなどの化合物が挙げられる。これ
らの化合物のアルカリ溶解性樹脂への添加量は、少なく
とも0.1%以上20%未満であることが望ましい。前
記感光性組成物への光酸発生剤の添加量が0.1%未満
であると感度低下をひきおこすことがあり、逆に20%
以上であると塗膜性能が著しく低下することがあるので
注意が必要である。
【0058】本発明の重合性化合物は、光酸発生剤より
発生した酸を触媒として分解するため、溶解抑止基を有
する化合物もしくは溶解抑止剤の添加は必須ではない。
しかし、露光部と未露光部の溶解速度の差を大きくする
ため、溶解抑止基を有する化合物もしくは溶解抑止剤の
添加をすることもできる。このような化合物としては、
例えば米国特許第4491628号および460310
1号各明細書、特開昭63−27829号公報等に記さ
れた化合物を用いることができる。これらのうち、芳香
環が、縮合多環式芳香環のものであることが好ましい。
あるいは縮合多環芳香環骨格にカルボン酸やフェノール
性水酸基を有する化合物のヒドロキシ末端の一部または
全部を酸で分解可能な保護基で置換したもので有れば使
用できる。例えばその保護基はtert−ブチルエステ
ルやtert−ブチルカーボネート、テトラヒドロピラ
ニル基、アセタール基等があげられる。かかる化合物を
より具体的に例示すれば、ナフタレンやアントラセン
の、ポリヒドロキシ化合物のtert−ブチルカーボネ
ート、ナフトールフタレインのtert−ブチルカーボ
ネート、キナザリンやキニザリン、ナフトールノボラッ
ク樹脂のtetr−ブチルカーボネート、などが例示さ
れる。
【0059】これらの化合物の感光性組成物への添加量
は、少なくとも3重量%以上40重量%未満が望まし
い。これらの化合物の前記感光性組成物への添加量が3
重量%未満であると解像性低下をひきおこすことがあ
り、逆に40重量%以上であると塗膜性能あるいは溶解
速度が著しく低下することがあるので注意が必要であ
る。通常10〜30重量%の間がより望ましい。なお、
かかる化合物がアルカリ可溶性高分子化合物である場
合、上述のアルカリ可溶性樹脂を兼ねることも可能であ
る。
【0060】酸によって分解しえる置換基の例として
は、下記のものを挙げることができる。 (イ)エステル類、例えばt−ブチルエステル、イソプ
ロピルエステル、エチルエステル、メチルエステル、ベ
ンジルエステル、テトラヒドロピラニルエステル、テト
ラヒドロフラニルエステル、メトキシエトキシメチルエ
ステル、2−トリメチルシリルエトキシメチルエステ
ル、3−オキソシクロヘキシルエステル、イソボルニル
エステル、およびその他、(ロ)エーテル類、例えばテ
トラヒドロピラニルエーテル、t−ブトキシカルボニル
エーテル、t−ブトキシメチルエーテル、4−ペンテニ
ロキシメチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテ
ル、テトラヒドロチオピラニルエーテル、3−ブロモテ
トラヒドロピラニルエーテル、1−メトキシシクロヘキ
シルエーテル、4−メトキシテトラヒドロピラニルエー
テル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルエーテ
ル、1,4−ジオキサン−2−イルエーテル、テトラヒ
ドロフラニルエーテル、テトラヒドロチオフラニルエー
テル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒ
ドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾ
フラン−2−イルエーテル、t−ブチルエーテル、およ
びその他、(ハ)アルコキシカルボネート類、例えばt
−ブトキシカルボネート、メトキシカルボネート、エト
キシカルボネート、およびその他、(ニ)シリルエーテ
ル類、例えばトリメチルシリルエーテル、トリエチルシ
リルエーテル、トリフェニルシリルエーテル、トリイソ
プロピルシリルエーテル、ジメチルイソプロピルシリル
エーテル、ジエチルイソプロピルシリルエーテル、ジメ
チルセキシルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリ
ルエーテル、ジ−t−ブチルシリルエーテル、1,3−
1′,1′,3′,3′−テトライソプロピルジシロキ
サニリデンエーテル、テトラ−t−ブトキシジシロキサ
ン−1,3−ジイリデンエーテル、およびその他、
(ホ)シリルエステル類、例えばトリメチルシリルエス
テル、トリエチルシリルエステル、イソプロピルジメチ
ルシリルエステル、ジ−t−ブチルメチルシリルエステ
ル、(ヘ)非環状アセタールまたは非環状ケタール類、
例えばメチレンアセタール、エチリデンアセタール、メ
トキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセター
ル、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、I
−t−ブチルエチリデンケタール、イソプロピリデンケ
タール(アセトナイド)、およびその他(ト)環状アセ
タールまたは環状ケタール類、シクロペンチリデンケタ
ール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデ
ンケタール、ジメチルアセタール、ジメチルケタール、
ビス−2,2,2−トリクロロエチルアセタール、ビス
−2,2,2−トリクロロエチルケタール、ダイアセチ
ルアセタール、ダイアセチルケタール、1,3−ジオキ
サン、5−メチレン−1,3−ジオキサン、5,5−ジ
ブロモ−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、
4−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン、4,3′−
ブテニル−1,3−ダイオキソラン、4,5−ジメトキ
シメチル−1,3−ダイオキソラン、およびその他、
(チ)オルソエステル類、例えばジメトキシメチレンオ
ルソエステル、1−メトキシエチリデンオルソエステ
ル、1−エトキシエチリデンオルソエステル、1,2−
ジメトキシエチリデンオルソエステル、1−N,N−ジ
メチルアミノエチリデンオルソエステル、2−オキサシ
クロペンチリデンオルソエステル、およびその他、
(リ)シリルケテンアセタール類、例えばトリメチルシ
リルシリルケテンアセタール、トリエチルシリルケテン
アセタール、t−ブチルジメチリシリルケテンアセター
ル、およびその他、(ヌ)シアノヒドリン類、例えばO
−トリメチルシリルシアノヒドリン、O−1−エトキシ
エチルシアノヒドリン、O−テトラヒドロピラニルシア
ノヒドリン、およびその他、ならびに(ル)オキサゾー
ル類、例えばオキサゾール、2−アルキル1,3−オキ
サゾリン、4−アルキル−5−オキソ−1,3−オキサ
ゾリン、5−アルキル−4−オキソ−1,3−ジオキソ
ラン、およびその他。
【0061】より好ましくは、t−ブチルメタクリレー
ト、t−ブチル−3−ナフチル−2−プロペノエートや
トリメチルシリルメタクリレートやテトラヒドロピラニ
ルメタクリレートのようなt−ブチルエステル、トリメ
チルシリルエステル、テトラヒドロピラニルエステルを
側鎖に有するアクリル系あるいはビニル系化合物の共重
合体に、光酸発生剤、必要に応じて溶解抑止剤を添加し
た感光性組成物が例示される。
【0062】感光性組成物が溶解抑止剤を含んでなる場
合には、樹脂成分に溶解抑止基を必ずしも導入する必要
はない。また、樹脂成分の共重合組成としてアルカリ溶
解性を与えるメタクリル酸などのアルカリ可溶基を有す
るビニル系化合物が共重合させることもできる。
【0063】また、溶解抑止基とアルカリ可溶性基を同
時に含有する3元共重合以上の重合体は、樹脂1成分で
アルカリ可溶性と溶解抑止性との2つの機能を与え得る
ことができる。この場合、重合体中における溶解抑止基
の割合は、10〜80mol%程度とすることが好まし
い。10mol%未満であると、溶解抑止機能が発現し
ないことがあり、未露光部も溶解してしまいパターンの
解像ができないことがある。一方、80mol%を超え
ると密着性が極端に悪化し、パターンの形成が困難にな
り、また、感光性組成物が疎水性が強くなりすぎ、現像
液がはじいてしまいパターン形成ができないことがあ
る。
【0064】本発明の感光性組成物は、アルカリ可溶性
樹脂と、酸の作用により溶解性が変化する化合物、およ
び、化学放射線の照射によって酸を発生する化合物を溶
媒に溶解させ、この溶液をろ過して調整することにより
調整される。ここで用いる溶媒として、例えば、(イ)
ケトン系溶媒、例えばアセトン、シクロヘキサノン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびそ
の他、(ロ)セロソルブ系溶媒、例えばメチルセロソル
ブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブアセテート、およびその他、ならびに(ハ)エ
ステル系溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソアミル、γ−ブチルラクトン、3−メトキシプロピオ
ン酸メチル、およびその他、を挙げることができる。さ
らに、感光性組成物によっては、溶解性を向上させるた
め、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアルデヒ
ド、N−メチルピロリジン等を用いてもよい。
【0065】さらに、近年低毒性溶媒への代替溶媒とし
て注目されている、メチルプロピオン酸メチルなどのプ
ロピオン酸誘導体、乳酸エチルなどの乳酸エステル類、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートな
どの溶媒も用いることができる。
【0066】前述の溶媒は、単独で使用しても、または
混合物の形で使用してもよい。また、これらの溶媒はキ
シレン、トルエン、イソプロピルアルコール等の脂肪族
アルコールを適量含んでもよい。
【0067】なお、本発明の感光性組成物には、前記し
た成分に加えて、必要に応じて、塗膜改質剤としての界
面活性剤、密着促進剤、塩基性物質、エポキシ樹脂、重
合体(例えばポリメチルメタクリレート、ポリメチルア
クリレート、プロピレンオキシド−エチレンオキシド共
重合体、ポリスチレン、およびその他)、または反射防
止剤としての染料を配合してもよい。
【0068】次に、ポジ型レジストの例に挙げて、本発
明の感光性組成物を用いたレジストパターンの形成方法
について説明する。
【0069】まず、上記溶媒に溶解された感光性組成物
を、回転塗布法またはディッピング法によって基板上に
塗布した後、200℃以下、より好ましくは70〜12
0℃、で乾燥してレジスト膜を形成する。ここで用いる
基板としては、例えば、シリコンウェハ、表面に各種の
絶縁膜や電極、配線が形成されたシリコンウェハ、ブラ
ンクマスク、GaAs、AlGaAsなどのIII−V
族化合物半導体ウェハ等を挙げることができる。また、
クロムまたは酸化クロム蒸着マスク、アルミ蒸着基板、
IBPSGコート基板、PSGコート基板、SOGコー
ト基板、カーボン膜スパッタ基板等を使用してもよい。
【0070】次いで、所定のマスクパターンを介して前
記レジスト膜に化学放射線を照射してパターン露光を行
う。このパターン露光に用いられる光源としては、ここ
で化学放射線としては、例えば、低圧水銀ランプのi
線、h線、g線、キセノンランプ光、KrFやArF等
のエキシマレーザー光のような深紫外線などの各種紫外
線、X線、電子線、ガンマ線、中性子線、イオンビーム
等が使用され得るが、ArFのエキシマレーザーを用い
た露光に、本発明の効果が最も発揮される。
【0071】続いて、パターン露光後のレジスト膜を、
熱板上や加熱炉中での加熱あるいは赤外線照射などによ
り、約50〜180℃、好ましくは約60〜120℃、
で熱処理(ベーク)を適宜施す。熱処理にかかるベーク
によって、レジスト膜の露光部では、露光により発生し
た酸が触媒として働き、酸により分解する置換基を有す
る化合物と反応する。当該温度が50℃未満であると、
光酸発生剤により生じた酸を、酸により武運会する置換
基を有する化合物と十分に反応できない恐れがあり、1
80℃を超えると、レジスト膜の露光部分および未露光
部分にわたって、過度の分解や硬化が発生する恐れがあ
る。
【0072】こうして、酸により分解する置換基を有す
る化合物は、その置換基が分解してアルカリ可溶性の化
合物に変化する。なお、場合によっては、室温において
も十分な長期間放置することにより、前記の露光後ベー
クと同様の効果が得られることがある。
【0073】次いで、ベーク後のレジスト膜をアルカリ
溶液を用いて浸漬法、スプレー法などにしたがって現像
処理することで、レジスト膜の露光部を選択的に溶解除
去し、所望のパターンを得る。ここで、現像液として用
いるアルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナ
トリウム等の水溶液のような無機アルカリ水溶液、テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、トリメチル
ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液など
の有機アルカリ水溶液、これらにアルコール類、界面活
性剤を添加したものを挙げることができる。現像処理後
の基板およびレジスト膜(レジストパターン)に対して
は、通常、水などを用いてリンス処理を施し、さらに乾
燥させる。
【0074】なお、上述したような工程以外の他の工程
が付加されていても何等差し支えない。例えば、レジス
ト膜の下地として平坦化形成工程、レジスト膜と基板や
下地との密着性向上のための前処理工程、基板からの反
射光を防ぎ良好なレジストパターンを得るための、反射
防止膜を施す工程、レジスト膜の現像後に現像液を水で
除去するリンス工程、ドライエッチング前の再照射工程
等を適宜ほどこすことができる。
【0075】本発明の感光性組成物は、アルカリ溶解性
が極めて良好であるので、これをもちいたレジストパタ
ーンにはクラックや表面あれが生じることなく、パター
ンが倒壊することもない。しかも、高い再現性をもって
パターンを形成することができる。得られるパターン
は、極めて解像性が良好であり、例えば、このレジスト
パターンをエッチングマスクとしたドライエッチング
で、露出した基板等に0.15μm程度の微細なパター
ンを忠実に転写することができる。
【0076】本発明のレジスト組成物を用いたパターン
形成を具体的に述べると以下の通りである。
【0077】
【実施例】重合例−1 メンチルアクリレート0.043mol、テトラヒドロ
ピラニルメタクリレート0.057molを混合した。
アルゴン雰囲気下で液体窒素温度で3回凍結脱気をおこ
なった。これを単量体原液とした。
【0078】反応は窒素雰囲気下、シュレンク管中で行
ない、試薬の移動は注射器を用いて行なった。トルエン
およびTHFはナトリウム上で還流したのち、窒素雰囲
気下で蒸留した。単量体は活性化した塩基性アルミナカ
ラムおよび活性化したモレキュラーシーブのカラムを通
して精製した。
【0079】2,6−ジ−t−ブチルフェノール(Al
drich社、99+%)(8.87g、40.2mm
ol)を25mlの乾燥トルエンに溶かした。これに攪
拌しながら、Al(i−Bu)3のトルエン溶液(Al
drich社、1M)(8.03g、40.4mmo
l)を注射器を用いて加えた。反応系を約50℃に加熱
した。ブタンガスの発生が認められた。溶液の体積を5
0mlとし、0.8M溶媒として重合反応に用いた。
【0080】t−BuLiのペンタン溶液(Aldri
ch社、1.7M)は、使用前にジフェニル酢酸のTH
F溶液を用いて滴定し、濃度を決定した。反応容器は真
空下フレーミングにより乾燥した。所定量のトルエン溶
液をトルエン(40ml)と混合し、−5℃に冷却し
た。これに所定量のt−BuLiペンタン溶液を加え、
数分間反応させて錯体を形成させた。単量体溶液を系の
温度が上がらない程度の速さで加えた。単量体を加える
と重合系は黄色を呈するが、重合が完結するとこの色は
消えた。メタノールを加えることにより重合反応を停止
し、生成物をヘキサンに沈殿させて回収して、ガラスフ
ィルターで濾過し、固形分を60℃で1日間真空乾燥さ
せた。
【0081】ここで得られた重合体10gをテトラヒド
ロフランに40g溶解させ、少量の塩酸を加え2.5g
の水を加え60℃で4〜5時間攪拌した。この反応液を
ヘキサンに落とし再沈させた。ガラスフィルターで濾過
し、固形分を60℃で1日間真空乾燥させた。これによ
りテトラヒドロフランを除去したベース樹脂を得た。
【0082】重量平均分子量は、ポリスチレン換算で1
5000であった。Mw/Mnは1.1であった。
【0083】上記で得られた重合体5gを、テトラヒド
ロフラン20gに再び溶解させ、重合体内のカルボン酸
の1.2モル倍のジヒドロフランを加え、少量の塩酸を
滴下し少し発熱したのち、温度が上がらないようにし3
時間室温で反応させた。そののち、1晩放置し充分平衡
状態になったのち、ヘキサンに再沈し、ガラスフィルタ
ーで濾過し、固形分を60℃で3日間真空乾燥させた。
【0084】得られた重合体をd化クロロホルムに少量
溶解し、NMRにて組成比を調べたところ、メンチルア
クリレート43mol%、テトラヒドロピラニルメタク
リレート34mol%、メタクリル酸23mol%であ
った。
【0085】重合例−2 t−BuLiのペンタン溶液の量を1.2倍にした以外
は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得た。重量平均分
子量は、ポリスチレン換算で11000であった。Mw
/Mnは1.1であった。NMRにて組成比を調べたと
ころ、メンチルアクリレート43mol%、テトラヒド
ロピラニルメタクリレート34mol%、メタクリル酸
23mol%であった。
【0086】重合例−3 t−BuLiのペンタン溶液の量を1.2倍にし、重合
体内のカルボン酸の1.5モル倍のジヒドロフランを加
えた以外は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得た。重
量平均分子量は、ポリスチレン換算で11000であっ
た。Mw/Mnは1.1であった。NMRにて組成比を
調べたところ、メンチルアクリレート43mol%、テ
トラヒドロピラニルメタクリレート39mol%、メタ
クリル酸18mol%であった。
【0087】重合例−4 単量体組成をメンチルアクリレート0.048mol、
テトラヒドロピラニルメタクリレート0.052mol
にし、t−BuLiのペンタン溶液の量を1.2倍にし
た以外は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得た。重量
平均分子量は、ポリスチレン換算で11000であっ
た。Mw/Mnは1.1であった。組成比はメンチルア
クリレート48mol%、テトラヒドロピラニルメタク
リレート34mol%およびメタクリル酸18mol%
であった。
【0088】重合例−5 単量体組成をアダマンチルアクリレート0.038mo
l、テトラヒドロピラニルメタクリレート0.062m
olにした以外は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得
た。重量平均分子量は、ポリスチレン換算で14000
であった。Mw/Mnは1.1であった。組成はアダマ
ンチルアクリレート38mol%、テトラヒドロピラニ
ルメタクリレート34mol%およびメタクリル酸28
mol%であった。
【0089】重合例−6 単量体組成をメンチルアクリレート0.033mol、
t−ブチルメタクリレート0.034mol、テトラヒ
ドロピラニルメタクリレート0.033molにした以
外は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得た。重量平均
分子量は、ポリスチレン換算で14000であった。M
w/Mnは1.1であった。組成はメンチルアクリレー
ト33mol%、t−ブチルメタクリレート34mol
%およびメタクリル酸33mol%であった。
【0090】重合例−7 単量体組成をビニルナフタレン0.025mol、メン
チルアクリレート0.020mol、テトラヒドロピラ
ニルメタクリレート0.055molにした以外は、重
合例−1と同様の方法で樹脂を得た。分子量は、ポリス
チレン換算で16000であった。Mw/Mnは1.1
であった。組成はビニルナフレタン25mol%、メン
チルアクリレート20mol%、テトラヒドロピラニル
メタクリレート33mol%およびメタクリル酸22m
ol%であった。
【0091】重合例−8 単量体組成をテトラヒドロピラニルシクロヘキセン−3
−カルボン酸0.060molおよびテトラヒドロピラ
ニルメタクリレート0.040molにした以外は、重
合例−1と同様の方法でベース樹脂を得た。重量平均分
子量は、ポリスチレン換算で12000であった。Mw
/Mnは1.15であった。ベース樹脂の単量体単位に
対し、当モルのジヒドロピランを滴下した以外は重合例
−1と同様の方法でレジスト用樹脂を得た。テトラヒド
ロピラニルは、42mol%導入されていた。
【0092】重合例−9 単量体をシクロヘキセン−3−テトラヒドロピラニルカ
ルボン酸0.1molにし当モルのジヒドロピランを滴
下した以外は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得た。
重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8000であっ
た。Mw/Mnは1.15であった。テトラヒドロピラ
ニルは、46mol%導入されていた。
【0093】重合例−10 単量体を5−ノルボルネン−2−テトラヒドロピラニル
カルボン酸0.1molにし、当モルのジヒドロピラン
を滴下した以外は、重合例−1と同様の方法で樹脂を得
た。重量平均分子量は、ポリスチレン換算で7000で
あった。Mw/Mnは1.2であった。テトラヒドロピ
ラニルは、45mol%導入されていた。
【0094】重合例−11 単量体を5−イソボルネン−2−テトラヒドロピラニル
カルボン酸0.045molにし、当モルのジヒドロピ
ランを滴下した以外は、重合例−1と同様の方法で樹脂
を得た。重量平均分子量は、ポリスチレン換算で600
0であった。Mw/Mnは1.2であった。テトラヒド
ロピラニルは、42mol%導入されていた。
【化3】
【0095】比較重合例−1 メンチルアクリレート0.043mol、テトラヒドロ
ピラニルメタクリレート0.034molおよびメタク
リル酸0.023molをテトラヒドロフラン(TH
F)20gに溶解し、アゾビスブチロニトリル(AIB
N)0.0125molを重合開始剤として加えた。ア
ルゴン雰囲気下で液体窒素温度で3回凍結脱気をおこな
った。これをアルゴン雰囲気下において、60℃で30
時間反応させた。反応液にメタノールを2ml加え反応
を停止した。ヘキサン250gを攪拌しながら、反応液
を1滴づつ落とし再沈をおこなった。ガラスフィルター
で濾過し、固形分を60℃で3日間真空乾燥させた。分
子量は、ポリスチレン換算で15000であった。Mw
/Mnは1.7であった。
【0096】上述の重合例で得られた樹脂および比較重
合体に対して、次のような光酸発生剤をそれぞれ配合し
て露光実験をおこなった。
【0097】実施例−1 [分子量分布の効果]重合例−1で得られた樹脂、1.
0gに、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムト
リフルオロメタンスルホン酸(以下TPS・OTfとい
う)を0.05g加え、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート(PGMEA)4.2gに溶解さ
せ、レジスト溶液を得た。(レジスト1)
【0098】同様に比較重合例−1で得られた樹脂、
1.0gに、光酸発生剤としてTPS・OTfを0.0
5g加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート(PGMEA)4.2gに溶解させ、レジスト
溶液を得た。(レジスト2)得られた2種のレジスト溶
液を、スピンコート法により3000回転/分で30秒
間でシリコンウェハー上に回転塗布した。その後、ホッ
トプレート上で120℃で90秒間露光前ベークを行っ
た。レジストの厚みは、0.5μmであった。これに、
ArFエキシマレーザー光(波長193nm)で露光を
行い、ライン&スペースをパターニングした。露光装置
はニコン社製ArF露光装置(NA=0.55、σ=
0.7)を用いた。
【0099】これを100℃で180秒間露光後ベーク
を行った後、0.04Nテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド水溶液中で25℃で60秒間現像した。これに
より、レジスト膜の露光部分が選択的に溶解・除去され
てポジ型のパターンが形成された。得られたパターンの
断面図は図1に示すとおりであった。両レジストとも、
0.15μmのライン&スペースが解像された。
【0100】
【0101】これより、本発明の感光性組成物は、感度
低下をおこしていないことがわかる。このとき、レジス
トの形状は、本発明のレジストは比較例に比べてレジス
トの壁面がより垂直になっており、形状が向上してい
た。
【0102】実施例−2 [2種類の分子量分布が狭い樹脂の混合の効果]重合例
−1で得られた樹脂、1.0gに、光酸発生剤としてT
PS・OTfを0.05g加え、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート(PGMEA)4.2g
に溶解させ、レジスト溶液を得た。(レジスト1)
【0103】レジスト1の組成を重合例−1で得られた
樹脂、0.5gと重合例−2で得られた樹脂、0.5g
を混合したものに変更した以外は、レジスト1と同様の
方法で、レジスト溶液を得た。(レジスト3)
【0104】レジスト1の組成を重合例−1で得られた
樹脂、0.5gと重合例−3で得られた樹脂、0.5g
を混合したものに変更した以外は、レジスト1と同様の
方法で、レジスト溶液を得た。(レジスト4)
【0105】レジスト1の組成を重合例−1で得られた
樹脂、0.5gと重合例−5で得られた樹脂、0.5g
を混合したものに変更した以外は、レジスト1と同様の
方法で、レジスト溶液を得た。(レジスト5)
【0106】これらのレジストを実施例1と同様の方法
で塗布、露光前ベーク、露光、露光後ベーク、現像を行
い、ポジ型のパターンが形成された。
【0107】また、各サンプルの耐ドライエッチング性
を測定をおこなった。測定条件は、エッチングガスCF
4、30sccm、0.1mtorr、150Wであ
る。得られた結果は表2にまとめた通りであった。
【0108】 表2 レジスト6 レジスト7 レジスト8 レジスト9 解像性 0.15μm 0.15μm 0.14μm 0.15μm 感度 4.4mJ 4.0mJ 4.7mJ 4.8mJエッチング速度 1.0 1.0 0.97 0.92
【0109】このように、2種類の分子量分布の狭いの
樹脂を混ぜると、組成が同じで分子量が低いものを混合
すると感度が上昇し、分子量が低くかつ溶解抑止基の分
律の高いものを混合すると解像性能が向上し、分子量が
低くかつ耐ドライエッチング基の分律の高いものを混合
すると耐ドライエッチング性が向上することがわかる。
【0110】実施例−3 重合例−5〜11で得られた樹脂、1.0gに、光酸発
生剤としてTPS・OTfを0.05g加え、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGME
A)4.2gに溶解させ、レジスト溶液を得た。
【0111】 表3 レジスト 樹 脂 感度mJ 解 像 度 その他 μmL/S レジスト6 重合例−5 7.0 0.15 レジスト7 重合例−6 12.5 0.17 PEB140℃ レジスト8 重合例−7 17.8 0.15 レジスト9 重合例−8 12.0 0.15 レジスト10 重合例−9 11.2 0.15 レジスト11 重合例−10 21.4 0.16 レジスト12 重合例−11 19.8 0.15
【0112】これにより、アクリル樹脂に限らずArF
レジストの狭分子量化によって、レジストパターンを形
成できることが分かる。
【0113】ポリヒドロキシスチレンとの比較 リビングアニオン重合法で合成したKrF用レジスト
(ポリヒドロキシスチレンを23%t−ブトキシカルボ
ニル化した樹脂、Mw=6000、Mw/Mn=1.
1)(樹脂A)と、ラジカル重合で重合した樹脂(ポリ
ヒドロキシスチレンを23%t−ブトキシカルボニル化
した樹脂、Mw=5700、Mw/Mn=1.9)(樹
脂B)をPGMEAに20%溶解し、得られた2種の溶
液を、スピンコート法により3000回転/分で30秒
間でシリコンウェハー上に回転塗布した。その後、ホッ
トプレート上で120℃で90秒間ベークを行った。
0.21Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液中で25℃で60秒間浸し表面を侵食した。
【0114】同様に重合例−1と比較重合例−1で得た
樹脂を同様な工程を行い、これらの表面状態を、原子間
力顕微鏡(AFM)で表面荒れを観察した。 表4 樹 脂 分子量分布 相関長 樹脂A(PHS) 1.1 1.0nm 樹脂B(PHS) 1.9 2.5nm 重合例−1(アクリル) 1.1 1.0nm 比較重合例−1(アクリル) 1.7 5.0nm
【0115】相関長は凹凸の発生確率が指数関数に従う
と考えた時の凹凸の度合いをあらわし、大きいほど凹凸
が大きい。アクリル系は狭分散化による効果が高いこと
がわかる。これは、本願中で指摘したように、エネルギ
ー状態がアクリルの方が不安定であることに起因する。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、光透過性に優れ、ドラ
イエッチング耐性に優れ、酸触媒による反応効率が高
く、かつアルカリ溶解性、基板との密着性に優れる感光
性組成物が提供されること、ならびに本発明のパターン
形成方法によれば、表面粗さの小さい、優れたパターン
形状のパターンが形成されることは[発明の概要]の項
に前記したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレジスト(a)、および比較例の
レジスト(b)によるパターンの断面模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 後河内 透 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 沖 野 剛 史 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 信 田 直 美 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA03 AA04 AA09 AA14 AB16 AB17 AB20 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 CB08 CB14 CB16 CB41 CB51 CB52 CB56 CC20 EA04 FA10 FA17 4J002 BC011 BG041 BG051 BK001 EN136 EQ016 EU046 EU186 EV046 EV166 EV216 EV236 EV246 EV296 EW176 FD156 FD206 GP03 4J011 QB01 SA79 SA83 SA84 SA87 UA01 VA02 WA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環式骨格またはナフタレン骨格を有する
    ビニル単量体、および/または(メタ)アクリル酸エス
    テル単量体をリビング重合させることにより得られる、
    重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/M
    nで与えられる分子量分布が1.0〜1.4の共重合体
    と、光酸発生剤とを含んでなることを特徴とする感光性
    組成物。
  2. 【請求項2】共重合体が、下記一般式(1)〜(3)で
    示されるもののうちの少なくとも1種を単量体として、
    リビング重合させたものである、請求項1に記載の感光
    性組成物。 【化1】 ここで、R1、R11、R12、およびR21は、それぞれ、
    水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロ
    ゲンからなる群から選ばれる基であり、それぞれ同一で
    も異なっていてもよく、R2、R13、およびR22は、水
    素、メチル基、エチル基などの炭素数1〜15のアルキ
    ル基、シクロオレフィン基、環内に酸素を含むシクロオ
    レフィン、環状エーテル基であり、それぞれ同一でも異
    なっていてもよく、Zは脂環式骨格を表す。
  3. 【請求項3】(1)共重合体が、酸によって共重合体の
    現像液に対する溶解性を変化させる基を有する、または
    (2)酸によって現像液に対する溶解性が変化する化合
    物をさらに含んでなる、請求項1または2に記載の感光
    性組成物。
  4. 【請求項4】脂環式骨格を有するビニル単量体またはナ
    フタレン骨格を有するビニル単量体、および/または
    (メタ)アクリル酸エステルをリビング重合させること
    により得られる、重量平均分子量Mwと数平均分子量M
    nとの比Mw/Mnで与えられる分子量分布が1.0〜
    1.4の共重合体を2種類以上含んでなる、請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 【請求項5】2種類以上の共重合体のうち、より低分子
    量の共重合体がより高分子量の共重合体より溶解抑止基
    もしくは耐ドライエッチング基の含有率が大きい、請求
    項4に記載の感光性組成物。
  6. 【請求項6】下記の工程を含んでなることを特徴とす
    る、パターン形成方法。 (1)脂環式骨格またはナフタレン骨格を有するビニル
    単量体、および/または(メタ)アクリル酸エステル単
    量体をリビング重合させることにより得られる、重量平
    均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnで与
    えられる分子量分布が1.0〜1.4の共重合体と、光
    酸発生剤とを含んでなることを特徴とする感光性組成物
    を基板上に塗布した感光性材料を準備する工程、(2)
    前記感光性材料を波長が220nm以下の化学放射線を
    用いて像様に露光する工程、および(3)露光済みの感
    光性材料をアルカリ現像液で現像する工程。
JP10182641A 1998-06-29 1998-06-29 感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法 Pending JP2000019732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10182641A JP2000019732A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10182641A JP2000019732A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000019732A true JP2000019732A (ja) 2000-01-21

Family

ID=16121860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10182641A Pending JP2000019732A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000019732A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002107933A (ja) * 2000-09-27 2002-04-10 Shin Etsu Chem Co Ltd レジスト材料
JP2003107708A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sumitomo Chem Co Ltd 化学増幅型ポジ型レジスト組成物
US7314700B2 (en) 2002-12-05 2008-01-01 International Business Machines Corporation High sensitivity resist compositions for electron-based lithography
US7316889B2 (en) 2001-12-03 2008-01-08 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
WO2008143095A1 (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Nissan Chemical Industries, Ltd. 感光性樹脂及びマイクロレンズの製造方法
JP2009086684A (ja) * 2000-09-12 2009-04-23 Fujifilm Corp ポジ型レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法
US7544460B2 (en) 2003-07-09 2009-06-09 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Resist composition, multilayer body, and method for forming resist pattern

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086684A (ja) * 2000-09-12 2009-04-23 Fujifilm Corp ポジ型レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法
JP2002107933A (ja) * 2000-09-27 2002-04-10 Shin Etsu Chem Co Ltd レジスト材料
JP2003107708A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Sumitomo Chem Co Ltd 化学増幅型ポジ型レジスト組成物
JP4595275B2 (ja) * 2001-09-28 2010-12-08 住友化学株式会社 化学増幅型ポジ型レジスト組成物
US7435530B2 (en) 2001-12-03 2008-10-14 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7316889B2 (en) 2001-12-03 2008-01-08 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7326515B2 (en) 2001-12-03 2008-02-05 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7390612B2 (en) 2001-12-03 2008-06-24 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7316888B2 (en) 2001-12-03 2008-01-08 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7323287B2 (en) 2001-12-03 2008-01-29 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7501221B2 (en) 2001-12-03 2009-03-10 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Positive type resist composition and resist pattern formation method using same
US7314700B2 (en) 2002-12-05 2008-01-01 International Business Machines Corporation High sensitivity resist compositions for electron-based lithography
US7544460B2 (en) 2003-07-09 2009-06-09 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. Resist composition, multilayer body, and method for forming resist pattern
WO2008143095A1 (ja) * 2007-05-17 2008-11-27 Nissan Chemical Industries, Ltd. 感光性樹脂及びマイクロレンズの製造方法
JP5093525B2 (ja) * 2007-05-17 2012-12-12 日産化学工業株式会社 感光性樹脂及びマイクロレンズの製造方法
JP2012247801A (ja) * 2007-05-17 2012-12-13 Nissan Chem Ind Ltd ポジ型レジスト組成物
EP2674815A1 (en) * 2007-05-17 2013-12-18 Nissan Chemical Industries, Ltd. Photosensitive resin and process for producing microlens
US8940470B2 (en) 2007-05-17 2015-01-27 Nissan Chemical Industries, Inc. Photosensitive resin and process for producing microlens

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ito Chemical amplification resists for microlithography
US6280897B1 (en) Photosensitive composition, method for forming pattern using the same, and method for manufacturing electronic parts
JP3431481B2 (ja) 感光性組成物、およびこれを用いたパターン形成方法ならびに電子部品の製造方法
JP3433017B2 (ja) 感光性組成物
JP3763693B2 (ja) 感光性組成物及びパターン形成方法
US7101654B2 (en) Norbornene-type monomers and polymers containing pendent lactone or sultone groups
JPH0990637A (ja) レジスト組成物及びレジストパターンの形成方法
JPH08250416A (ja) 陰画調レジスト像の作製方法
JPH10319595A (ja) レジスト組成物及びレジストパターン形成方法
KR100202762B1 (ko) 알카리 현상을 위한 레지스트
US5863699A (en) Photo-sensitive composition
JP2000330287A (ja) レジスト用樹脂、レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法
JP2719748B2 (ja) 新規なオニウム塩及びそれを用いたポジ型レジスト材料
JPH103169A (ja) 感光性組成物
JPH08262702A (ja) 200nm未満の波長をもつ紫外放射線のための湿式化学現像可能な、エッチ安定なフォトレジスト
JP2000019732A (ja) 感光性組成物用重合体およびこれをもちいたパターン形成方法
JP3840052B2 (ja) レジスト用樹脂
JP4212515B2 (ja) レジスト樹脂用モノマー
JP2000239538A (ja) 新規ポリマーおよび該ポリマーを含むフォトレジスト組成物
JPH10142801A (ja) ポジティブフォトレジスト製造用重合体及びこれを含有する化学増幅型ポジティブフォトレジスト組成物
JP3586048B2 (ja) アルカリ現像用レジスト
JPH09325498A (ja) 感光性組成物
JP2000098614A (ja) ポジ型感光性組成物
JP2002131914A (ja) ポジ型感光性樹脂組成物
US9057951B2 (en) Chemically amplified photoresist composition and process for its use