JP2000017587A - ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤInfo
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- D07B1/0613—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the rope configuration
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- D07B5/00—Making ropes or cables from special materials or of particular form
- D07B5/10—Making ropes or cables from special materials or of particular form from strands of non-circular cross-section
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- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コード径の拡大によることなく、大きな曲げ
変形に起因した破断に対する耐久性を高めたコードを提
供する。 【解決手段】 複数本のスチールフィラメントを撚り合
わせたコアストランドの周囲に、複数本のスチールフィ
ラメントを撚り合わせたシースストランドの５〜８本
を、撚り合わせて成るスチールコードであって、各シー
スストランドは、その最外層を構成するフィラメントが
楕円に内接する、扁平の断面形状を有し、かつ該楕円の
短軸の延長上にコアストランドが位置する、向きに配置
され、さらにシースストランドの本数、コアストランド
の径、そしてシースストランドにおける楕円の長軸およ
び同短軸に関する、所定式を満足させる。
変形に起因した破断に対する耐久性を高めたコードを提
供する。 【解決手段】 複数本のスチールフィラメントを撚り合
わせたコアストランドの周囲に、複数本のスチールフィ
ラメントを撚り合わせたシースストランドの５〜８本
を、撚り合わせて成るスチールコードであって、各シー
スストランドは、その最外層を構成するフィラメントが
楕円に内接する、扁平の断面形状を有し、かつ該楕円の
短軸の延長上にコアストランドが位置する、向きに配置
され、さらにシースストランドの本数、コアストランド
の径、そしてシースストランドにおける楕円の長軸およ
び同短軸に関する、所定式を満足させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りタイヤ
や工業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用される
スチールコードおよびこのスチールコードからなるベル
トにてカーカスを補強した空気入りラジアルタイヤに関
する。
や工業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用される
スチールコードおよびこのスチールコードからなるベル
トにてカーカスを補強した空気入りラジアルタイヤに関
する。
【０００２】
【従来の技術】スチールコードで補強したゴム物品とし
てよく知られている空気入りタイヤ、中でも建設車両用
タイヤでは、不整地路や荒れ地などの悪路を走行中に、
タイヤが大きな突起や岩石等に乗り上げた際、突起や岩
石等と当たる部分が局部的に大きく変形するため、特に
ベルトのコードに大きな入力が加わりコード破断に到る
場合がある。
てよく知られている空気入りタイヤ、中でも建設車両用
タイヤでは、不整地路や荒れ地などの悪路を走行中に、
タイヤが大きな突起や岩石等に乗り上げた際、突起や岩
石等と当たる部分が局部的に大きく変形するため、特に
ベルトのコードに大きな入力が加わりコード破断に到る
場合がある。
【０００３】そのため、建設車両用タイヤのベルトに
は、ベルトコードとして一般的に用いられる、（３＋
９）＋１構造や（３＋９＋15）＋１構造のスチールコー
ドよりも太径で破断に到る荷重、つまり切断荷重の大き
い、図１および図２に例示する複撚りコードが用いられ
ている。
は、ベルトコードとして一般的に用いられる、（３＋
９）＋１構造や（３＋９＋15）＋１構造のスチールコー
ドよりも太径で破断に到る荷重、つまり切断荷重の大き
い、図１および図２に例示する複撚りコードが用いられ
ている。
【０００４】これらのコードを用いるとベルトの強度は
確かに向上するが、路面突起の形状またはタイヤへの負
荷荷重によっては、依然としてコード破断が発生する場
合があり、タイヤの寿命を縮める原因になっていた。
確かに向上するが、路面突起の形状またはタイヤへの負
荷荷重によっては、依然としてコード破断が発生する場
合があり、タイヤの寿命を縮める原因になっていた。
【０００５】ここで、コード破断を回避する手段とし
て、ベルトにおけるコードの打ち込み数、つまりベルト
トリート単位幅当たりに存在するスチールコードの本数
を、増加することが、有効である。しかし、コード間距
離が狭くなって、ゴムと接着していないコード端面間の
距離も当然に狭くなる結果、ベルト端でコードとの剥離
面が容易につながり、ここを起点としたセパレーション
に発展する問題がある。
て、ベルトにおけるコードの打ち込み数、つまりベルト
トリート単位幅当たりに存在するスチールコードの本数
を、増加することが、有効である。しかし、コード間距
離が狭くなって、ゴムと接着していないコード端面間の
距離も当然に狭くなる結果、ベルト端でコードとの剥離
面が容易につながり、ここを起点としたセパレーション
に発展する問題がある。
【０００６】また、コードを構成する個々のフィラメン
トを太くすることによって、コードを太くしてコード強
力を高めることが可能である。しかし、コードの径が大
きくなると、コード相互の間隔が狭くなるため、上記の
ベルト端を起点としたセパレーションを招来する上、ト
リートの厚みが厚くなってゴム量が増加する結果、走行
中の発熱量も増加してベルト耐久性が劣化することにな
る。
トを太くすることによって、コードを太くしてコード強
力を高めることが可能である。しかし、コードの径が大
きくなると、コード相互の間隔が狭くなるため、上記の
ベルト端を起点としたセパレーションを招来する上、ト
リートの厚みが厚くなってゴム量が増加する結果、走行
中の発熱量も増加してベルト耐久性が劣化することにな
る。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、この種のタ
イヤの特にベルトでは、コードとコードとの間隔を狭く
したり、トリートの厚みを厚くすることは不利であるか
ら、ベルトに適用するコードそのものの強力を高めるこ
とが重要になる。
イヤの特にベルトでは、コードとコードとの間隔を狭く
したり、トリートの厚みを厚くすることは不利であるか
ら、ベルトに適用するコードそのものの強力を高めるこ
とが重要になる。
【０００８】ここに、コードの強力を高めたコード構造
として、複撚り構造において、ストランド間の隙間に径
の細いストランドを撚り入れた、いわゆるニューオリン
トン構造が知られているが、数種の異なるストランドを
事前に撚っておく必要があるため、生産性が大幅に悪化
する不利がある。
として、複撚り構造において、ストランド間の隙間に径
の細いストランドを撚り入れた、いわゆるニューオリン
トン構造が知られているが、数種の異なるストランドを
事前に撚っておく必要があるため、生産性が大幅に悪化
する不利がある。
【０００９】また、特開平８−81889 号公報に提案され
ている、扁平のストランドを撚り合わせた複撚りコード
は、トリートを薄くできる利点を有するが、コード内で
のフィラメントの配置が規制されていないために、コー
ド強力の十分な向上を期待することができない。
ている、扁平のストランドを撚り合わせた複撚りコード
は、トリートを薄くできる利点を有するが、コード内で
のフィラメントの配置が規制されていないために、コー
ド強力の十分な向上を期待することができない。
【００１０】そこで、この発明の目的は、コード径の拡
大によることなく、大きな曲げ変形に起因した破断に対
する耐久性を高めたコードを提供すること、そしてこの
コードの適用によって、悪路走行における耐久性を向上
したタイヤを提供することにある。
大によることなく、大きな曲げ変形に起因した破断に対
する耐久性を高めたコードを提供すること、そしてこの
コードの適用によって、悪路走行における耐久性を向上
したタイヤを提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨構成は、
次のとおりである。 (1) 複数本のスチールフィラメントを撚り合わせたコア
ストランドの周囲に、複数本のスチールフィラメントを
撚り合わせたシースストランドの５〜８本を、撚り合わ
せて成るスチールコードであって、各シースストランド
は、その最外層を構成するフィラメントが楕円に内接す
る、扁平の断面形状を有し、かつ該楕円の短軸の延長上
にコアストランドが位置する、向きに配置され、さらに
シースストランドの本数をｎ、コアストランドの径を
Ｃ、そしてシースストランドにおける楕円の長軸をａお
よび同短軸をｂ、としたとき、下記式を満足することを
特徴とするゴム物品補強用スチールコード。 記
次のとおりである。 (1) 複数本のスチールフィラメントを撚り合わせたコア
ストランドの周囲に、複数本のスチールフィラメントを
撚り合わせたシースストランドの５〜８本を、撚り合わ
せて成るスチールコードであって、各シースストランド
は、その最外層を構成するフィラメントが楕円に内接す
る、扁平の断面形状を有し、かつ該楕円の短軸の延長上
にコアストランドが位置する、向きに配置され、さらに
シースストランドの本数をｎ、コアストランドの径を
Ｃ、そしてシースストランドにおける楕円の長軸をａお
よび同短軸をｂ、としたとき、下記式を満足することを
特徴とするゴム物品補強用スチールコード。 記
【数２】
【００１２】(2) 上記(1) において、シースストランド
は、楕円の短軸のほぼ延長上にコードの軸心が位置する
ことを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。
は、楕円の短軸のほぼ延長上にコードの軸心が位置する
ことを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。
【００１３】(3) １対のビード部間でトロイド状に延び
るカーカスを骨格とし、このカーカス上に、少なくとも
１層のベルトをそなえる空気入りラジアルタイヤにおい
て、該ベルトに、上記(1) または(2) に記載のスチール
コードを適用して成ることを特徴とする空気入りラジア
ルタイヤ。
るカーカスを骨格とし、このカーカス上に、少なくとも
１層のベルトをそなえる空気入りラジアルタイヤにおい
て、該ベルトに、上記(1) または(2) に記載のスチール
コードを適用して成ることを特徴とする空気入りラジア
ルタイヤ。
【００１４】
【発明の実施の形態】さて、図３に、この発明に従っ
て、タイヤのベルトなどに適用する、スチールコードの
断面を、撚り構造（３＋９）＋６×（２＋８）について
示す。該スチールコードは、３本のスチールフィラメン
トのまわりに９本のスチールフィラメントを撚り合わせ
た、コアストランド１を中心として、その周囲に、２本
のスチールフィラメントのまわりに８本のスチールフィ
ラメントを撚り合わせた、シースストランド２の６本を
撚り合わせてなる。
て、タイヤのベルトなどに適用する、スチールコードの
断面を、撚り構造（３＋９）＋６×（２＋８）について
示す。該スチールコードは、３本のスチールフィラメン
トのまわりに９本のスチールフィラメントを撚り合わせ
た、コアストランド１を中心として、その周囲に、２本
のスチールフィラメントのまわりに８本のスチールフィ
ラメントを撚り合わせた、シースストランド２の６本を
撚り合わせてなる。
【００１５】なお、シースストランドの構造は、その他
にも、３＋10，１×５，３＋10＋15および２＋８＋13構
造等が適しているが、特に限定するものではなく、適宜
の選択が可能である。一方、コアストランドには、１＋
６，３＋９，３＋９＋15または１＋６＋12構造等が適合
する。
にも、３＋10，１×５，３＋10＋15および２＋８＋13構
造等が適しているが、特に限定するものではなく、適宜
の選択が可能である。一方、コアストランドには、１＋
６，３＋９，３＋９＋15または１＋６＋12構造等が適合
する。
【００１６】ここで、各シースストランド２は、その最
外層を構成するフィラメント３が楕円に内接する、扁平
の断面形状を有すること、そして、その楕円における短
軸の延長上にコアストランド１が位置する、向きに配置
すること、が肝要である。すなわち、図４に示すよう
に、シースストランド２における楕円の長軸をａおよび
短軸をｂとしたとき、同図(a) に示す、短軸ｂの延長線
Ｌがコアストランド１の外接円に接する場合を含めて、
同延長線Ｌが同図(b) や同図(c) に示すようにコアスト
ランド１の外接円内にあればよい。とりわけ、図６(b)
に示すように、短軸ｂの延長線Ｌがコードの軸心、図示
例ではコアストランド１の軸心をほぼ通る、シーススト
ランド２の配置とすることが、推奨される。
外層を構成するフィラメント３が楕円に内接する、扁平
の断面形状を有すること、そして、その楕円における短
軸の延長上にコアストランド１が位置する、向きに配置
すること、が肝要である。すなわち、図４に示すよう
に、シースストランド２における楕円の長軸をａおよび
短軸をｂとしたとき、同図(a) に示す、短軸ｂの延長線
Ｌがコアストランド１の外接円に接する場合を含めて、
同延長線Ｌが同図(b) や同図(c) に示すようにコアスト
ランド１の外接円内にあればよい。とりわけ、図６(b)
に示すように、短軸ｂの延長線Ｌがコードの軸心、図示
例ではコアストランド１の軸心をほぼ通る、シーススト
ランド２の配置とすることが、推奨される。
【００１７】なぜなら、シースストランド２を扁平にし
た上で、その楕円の短軸をコアストランドに向けて配置
することによって、図１および図２に示した在来のコー
ドにおけるストランド間での隙間ＸおよびＹ等は減少さ
れて、コードの単位面積当たりに、より多くのフィラメ
ントが効率良く配置される結果、高いコード強力が得ら
れるからである。また、シースストランド２を扁平にす
ることによって、コアストランドとの接触点数が増加
し、局所的な応力集中が避けられるために、強力が向上
する効果も有する。一方、シースストランドの本数や撚
り構造は、従来に従うもので構わないため、生産性が阻
害されることはない。
た上で、その楕円の短軸をコアストランドに向けて配置
することによって、図１および図２に示した在来のコー
ドにおけるストランド間での隙間ＸおよびＹ等は減少さ
れて、コードの単位面積当たりに、より多くのフィラメ
ントが効率良く配置される結果、高いコード強力が得ら
れるからである。また、シースストランド２を扁平にす
ることによって、コアストランドとの接触点数が増加
し、局所的な応力集中が避けられるために、強力が向上
する効果も有する。一方、シースストランドの本数や撚
り構造は、従来に従うもので構わないため、生産性が阻
害されることはない。
【００１８】さらに、コアストランドの周囲に、５〜８
から選ばれるｎ本のシースストランドを撚り合わせた際
に、シースストランドにおける楕円の長軸ａおよび同短
軸ｂと、コアストランドの径Ｃとが、次式を満足する関
係にあることが肝要である。
から選ばれるｎ本のシースストランドを撚り合わせた際
に、シースストランドにおける楕円の長軸ａおよび同短
軸ｂと、コアストランドの径Ｃとが、次式を満足する関
係にあることが肝要である。
【数３】
【００１９】なぜなら、
【数４】 が0.8 未満では、シースストランド間の隙間が大きくな
り、この隙間を小さくして強力を向上する、この発明で
所期した目的を達成することが難しくなるからである。
一方、
り、この隙間を小さくして強力を向上する、この発明で
所期した目的を達成することが難しくなるからである。
一方、
【数５】 が1.15をこえると、シースストランドの入る隙間が狭く
なり、例え図５に示すように、隣接シースストランド間
のフィラメント相互の落ち込みを考慮しても、コードを
製造することが難しくなる。
なり、例え図５に示すように、隣接シースストランド間
のフィラメント相互の落ち込みを考慮しても、コードを
製造することが難しくなる。
【００２０】なお、シースストランドの本数ｎを５〜８
としたのは、ｎが４以下になると、図１および２に示し
た隙間ＸやＹを減少することが難しくなり、一方ｎが９
以上になると、コードの生産性が阻害されるからであ
る。
としたのは、ｎが４以下になると、図１および２に示し
た隙間ＸやＹを減少することが難しくなり、一方ｎが９
以上になると、コードの生産性が阻害されるからであ
る。
【００２１】ちなみに、
【数６】 が１のとき、図３に示した、コアストランドの周囲にお
いて、シースストランドの外接楕円同士が接する、最適
配置となる。
いて、シースストランドの外接楕円同士が接する、最適
配置となる。
【００２２】また、シースストランドの長軸ａと短軸ｂ
との比ｂ／ａ、いわゆる扁平率が、0.5 〜0.95の範囲に
あることが、有利である。すなわち、ｂ／ａを0.5 未満
にするには、フィラメントへの過度の型付けが必要であ
るために製造上不利であり、一方ｂ／ａが0.95をこえる
とシースストランドの断面形状が円に近くなり、所期し
た効果を得ることが難しくなる。
との比ｂ／ａ、いわゆる扁平率が、0.5 〜0.95の範囲に
あることが、有利である。すなわち、ｂ／ａを0.5 未満
にするには、フィラメントへの過度の型付けが必要であ
るために製造上不利であり、一方ｂ／ａが0.95をこえる
とシースストランドの断面形状が円に近くなり、所期し
た効果を得ることが難しくなる。
【００２３】なお、この発明に従うコードは、予め扁平
に成形したシースストランドを、その短軸が常にコアス
トランドに向いて延びる配置にて、コアストランドの周
囲に巻き付けるか、または通常の円形断面のシーススト
ランドを緩く撚って成形したのち、そのシースストラン
ドをコアストランドの周囲に巻き付けてから、コード全
体を潰してシースストランドを扁平化することによっ
て、製造することができる。その際、シースストランド
２のまわりに、ラップフィラメントをらせん巻きして、
コードの束ねを強化することも可能である。
に成形したシースストランドを、その短軸が常にコアス
トランドに向いて延びる配置にて、コアストランドの周
囲に巻き付けるか、または通常の円形断面のシーススト
ランドを緩く撚って成形したのち、そのシースストラン
ドをコアストランドの周囲に巻き付けてから、コード全
体を潰してシースストランドを扁平化することによっ
て、製造することができる。その際、シースストランド
２のまわりに、ラップフィラメントをらせん巻きして、
コードの束ねを強化することも可能である。
【００２４】ここに、上記したコードは、その複数本を
互いに並行に揃えてゴムシートに埋設してなるプライ
を、タイヤのベルトに適用して、カーカスの補強に供す
るもので、タイヤの構造としては、在来の建設車両用の
空気入りタイヤに則るものでよく、例えば、図６に示
す、ベルト構造が有利に適合する。ここで、同図におい
て、符号４がビードコア、５がこのビードコア４にタイ
ヤの内側から外側に巻き回したカーカス、６がこのカー
カス５上に配置する４〜６層構造、図示例で６層のベル
トおよび７はこのベルト上に配置するトレッドである。
互いに並行に揃えてゴムシートに埋設してなるプライ
を、タイヤのベルトに適用して、カーカスの補強に供す
るもので、タイヤの構造としては、在来の建設車両用の
空気入りタイヤに則るものでよく、例えば、図６に示
す、ベルト構造が有利に適合する。ここで、同図におい
て、符号４がビードコア、５がこのビードコア４にタイ
ヤの内側から外側に巻き回したカーカス、６がこのカー
カス５上に配置する４〜６層構造、図示例で６層のベル
トおよび７はこのベルト上に配置するトレッドである。
【００２５】
【実施例】円形断面のシースストランドを緩く撚って成
形したのち、そのシースストランドをコアストランドの
周囲に巻き付けてから、コード全体を潰してシーススト
ランドを扁平化して、表１〜３に示す仕様のコードを製
作し、各コードについて、JIS Ｇ3510に準じて、切断荷
重を測定した。なお、コードは、Ｃ含有量が0.80〜0.85
wt％の同一鋼材によるスチールフィラメントを用いて、
またシースストランドの撚り角は全てのコードで80.5°
とした。また、コード径は、表１に示すコードで1.8 m
m、同様に表２で2.5 mmおよび表３で3.7 mmと、同じに
した。切断荷重の測定結果を、表１〜３に併記するよう
に、この発明のコードでは、いずれにおいても、同じコ
ード径であっても切断荷重は大きくなり、コード強力が
大きく向上していることがわかる。
形したのち、そのシースストランドをコアストランドの
周囲に巻き付けてから、コード全体を潰してシーススト
ランドを扁平化して、表１〜３に示す仕様のコードを製
作し、各コードについて、JIS Ｇ3510に準じて、切断荷
重を測定した。なお、コードは、Ｃ含有量が0.80〜0.85
wt％の同一鋼材によるスチールフィラメントを用いて、
またシースストランドの撚り角は全てのコードで80.5°
とした。また、コード径は、表１に示すコードで1.8 m
m、同様に表２で2.5 mmおよび表３で3.7 mmと、同じに
した。切断荷重の測定結果を、表１〜３に併記するよう
に、この発明のコードでは、いずれにおいても、同じコ
ード径であっても切断荷重は大きくなり、コード強力が
大きく向上していることがわかる。
【００２６】
【表１】
【００２７】
【表２】
【００２８】
【表３】
【００２９】次に、図６に示した、サイズ36.00 Ｒ51の
建設車両用タイヤのベルトに、カーカス側から順に、第
１および２ベルトに発明コードを10.2本／50mmの打ち込
み数にて、同第３および４ベルトに発明コードを6.5 本
／50mmの打ち込み数で適用してタイヤを試作した。な
お、第５および６ベルトには、カットを受けた際の腐食
の進展を抑制するため、高伸長性コードを用いた。
建設車両用タイヤのベルトに、カーカス側から順に、第
１および２ベルトに発明コードを10.2本／50mmの打ち込
み数にて、同第３および４ベルトに発明コードを6.5 本
／50mmの打ち込み数で適用してタイヤを試作した。な
お、第５および６ベルトには、カットを受けた際の腐食
の進展を抑制するため、高伸長性コードを用いた。
【００３０】また、比較として、同様のタイヤを、その
ベルトの第１および２ベルトに比較コード２を10.2本／
50mmの打ち込み数にて、第３および４ベルトに比較コー
ド３を6.5 本／50mmの打ち込み数で適用したタイヤも試
作した。この比較タイヤも、第５および６ベルトには、
カットを受けた際の腐食の進展を抑制するため、高伸長
性コードを用いた。
ベルトの第１および２ベルトに比較コード２を10.2本／
50mmの打ち込み数にて、第３および４ベルトに比較コー
ド３を6.5 本／50mmの打ち込み数で適用したタイヤも試
作した。この比較タイヤも、第５および６ベルトには、
カットを受けた際の腐食の進展を抑制するため、高伸長
性コードを用いた。
【００３１】かくして得られたタイヤを標準リムに組み
込み、最大付加能力に対応する空気圧に調整したのち、
同一鉱山に速度40km／ｈにて稼働するダンプに装着し、
約1000時間の走行後にタイヤを取り外して、タイヤを解
剖して、コードのカットによって破断した箇所の数を測
定した。その結果を表４に示す。カット数は当然の事な
がら少ない方が良い。
込み、最大付加能力に対応する空気圧に調整したのち、
同一鉱山に速度40km／ｈにて稼働するダンプに装着し、
約1000時間の走行後にタイヤを取り外して、タイヤを解
剖して、コードのカットによって破断した箇所の数を測
定した。その結果を表４に示す。カット数は当然の事な
がら少ない方が良い。
【００３２】
【表４】
【００３３】表４が示す結果から、発明コードを第１〜
４ベルトに用いると、耐久性が向上することは明らかで
あり、また発明コードを第１，２ベルトまたは第３，４
ベルトのみに用いても、十分な効果が得られていること
がわかる。
４ベルトに用いると、耐久性が向上することは明らかで
あり、また発明コードを第１，２ベルトまたは第３，４
ベルトのみに用いても、十分な効果が得られていること
がわかる。
【００３４】
【発明の効果】この発明によれば、コード径の拡大によ
ることなくコードの耐破断性を向上することができるた
め、このコードをタイヤのベルトに適用することによっ
て、特に荒れ地での耐久性を向上させた、建設車両用タ
イヤに好適のタイヤを提供し得る。
ることなくコードの耐破断性を向上することができるた
め、このコードをタイヤのベルトに適用することによっ
て、特に荒れ地での耐久性を向上させた、建設車両用タ
イヤに好適のタイヤを提供し得る。
【図１】在来のコードを示す断面図である。
【図２】在来のコードを示す断面図である。
【図３】この発明のコードを示す断面図である。
【図４】この発明のコードにおけるシースストランドの
配置を示す断面図である。
配置を示す断面図である。
【図５】コード製造時におけるシースストランドの挙動
を示す図である。
を示す図である。
【図６】この発明に好適のタイヤ構造を示す断面図であ
る。
る。
１ コアストランド ２ シースストランド ３ フィラメント ４ ビードコア ５ カーカス ６ ベルト ７ トレッド
Claims (3)
- 【請求項１】 複数本のスチールフィラメントを撚り合
わせたコアストランドの周囲に、複数本のスチールフィ
ラメントを撚り合わせたシースストランドの５〜８本
を、撚り合わせて成るスチールコードであって、各シー
スストランドは、その最外層を構成するフィラメントが
楕円に内接する、扁平の断面形状を有し、かつ該楕円の
短軸の延長上にコアストランドが位置する、向きに配置
され、さらにシースストランドの本数をｎ、コアストラ
ンドの径をＣ、そしてシースストランドにおける楕円の
長軸をａおよび同短軸をｂ、としたとき、下記式を満足
することを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。 記 【数１】 - 【請求項２】 請求項１において、シースストランド
は、楕円の短軸のほぼ延長上にコードの軸心が位置する
ことを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。 - 【請求項３】 １対のビード部間でトロイド状に延びる
カーカスを骨格とし、このカーカス上に、少なくとも１
層のベルトをそなえる空気入りラジアルタイヤにおい
て、該ベルトに、請求項１または２に記載のスチールコ
ードを適用して成ることを特徴とする空気入りラジアル
タイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10182208A JP2000017587A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10182208A JP2000017587A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000017587A true JP2000017587A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16114255
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10182208A Withdrawn JP2000017587A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ゴム物品補強用スチールコードおよび空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000017587A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009114594A (ja) * | 2007-11-09 | 2009-05-28 | Bridgestone Corp | ゴム物品補強用スチールコードおよびタイヤ |
| EP2952627A4 (en) * | 2013-02-21 | 2016-10-05 | Sumitomo Rubber Ind | STEEL ROPE AND FLEXIBLE TRACE WITH IT |
| CN106574438A (zh) * | 2014-07-28 | 2017-04-19 | 株式会社普利司通 | 用于增强橡胶制品的钢帘线 |
| US10906353B2 (en) | 2014-07-28 | 2021-02-02 | Bridgestone Corporation | Steel cord for reinforcing rubber article |
| WO2024045308A1 (zh) * | 2022-08-31 | 2024-03-07 | 江苏兴达钢帘线股份有限公司 | 一种钢丝帘线、其生产方法及轮胎 |
-
1998
- 1998-06-29 JP JP10182208A patent/JP2000017587A/ja not_active Withdrawn
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