JP2000017319A - アーク炉操業方法 - Google Patents

アーク炉操業方法

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JP2000017319A
JP2000017319A JP18000098A JP18000098A JP2000017319A JP 2000017319 A JP2000017319 A JP 2000017319A JP 18000098 A JP18000098 A JP 18000098A JP 18000098 A JP18000098 A JP 18000098A JP 2000017319 A JP2000017319 A JP 2000017319A
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melting chamber
chamber
iron scrap
melting
molten steel
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解室と直結する予熱室を備えたアーク炉に
おいて、鉄スクラップと溶銑とを併用して溶解する際
に、効率良く溶解して電力使用量を削減する。 【解決手段】 溶解室2と、溶解室に直結し、溶解室で
発生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室3と、
を具備したアーク炉1での操業方法であって、溶銑を溶
解室に直接装入すると共に、鉄スクラップ15が予熱室
と溶解室とに連続して存在する状態を保つように、鉄ス
クラップを連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、
溶解室の鉄スクラップ及び溶銑をアーク19にて加熱し
て鉄スクラップを溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート
分の溶鋼17が溜まった時点で、鉄スクラップが予熱室
と溶解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄源として鉄スク
ラップと溶銑とを併用して溶解し、溶鋼を製造するアー
ク炉での操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼用アーク炉では、アーク熱にて鉄ス
クラップ等の鉄源を加熱・溶解し、精錬して溶鋼を製造
するが、多くの電力を消費するため、溶解中にアーク炉
の溶解室から発生する高温の排ガスを利用して鉄スクラ
ップを予熱し、予熱した鉄スクラップを溶解することで
電力使用量を削減する方法が多数提案されている。
【0003】例えば、特開平7−180975号公報
(以下、「先行技術1」と記す)には、開閉可能な火格
子を装着したシャフト型の予熱室を、溶解室の上方に鉄
スクラップ導入路を介して接続して設け、火格子で保持
した鉄スクラップを排ガスにより予熱し、予熱した鉄ス
クラップを鉄スクラップ導入路に設けたプッシャーにて
溶解室内に装入する設備が開示されている。しかし、先
行技術1では、火格子及びプッシャーといった鉄スクラ
ップの保持・搬送用装置が必要であり、このため、溶解
室からの排ガスで予熱する際、予熱温度に限界があり、
効率的な予熱ができない。何故なら、高温の排ガスで予
熱すれば予熱効率が向上するが、上記の保持・搬送用装
置の熱変形や融着等の設備トラブルが発生するため、排
ガス温度を上げることができないからである。
【0004】又、特公平6−46145号公報(以下、
「先行技術2」と記す)には、溶解室に直結してシャフ
ト型の予熱室を設け、溶解室内と予熱室内とに1ヒート
分の鉄スクラップを溶解毎に装入し、装入した鉄スクラ
ップを排ガスで予熱しつつ、溶解する設備が開示されて
いる。先行技術2では、予熱室が溶解室に直結されてい
るので、先行技術1のような保持・搬送用装置を必要と
せず、そのため、熱による保持・搬送用装置の設備トラ
ブルを懸念することなく、排ガス温度を上昇させて鉄ス
クラップの予熱温度を上げることができる。しかし先行
技術2では、1ヒート分の溶鋼量を溶解する毎に予熱室
内の鉄スクラップを全て溶解し、予熱室内に鉄スクラッ
プが残らない状態で溶鋼を出鋼するため、次ヒートの最
初に溶解される鉄スクラップの予熱ができず、排ガスの
有効利用という点では未だ十分とはいえない。
【0005】一方、最近のアーク炉による製造品種の高
級鋼化に伴い、鉄スクラップから混入するCu、Sn、
Cr等の不純物を希釈するために、溶銑を鉄スクラップ
と共に鉄源として使用する操業が開示されている。例え
ば、特開昭57−47815号公報(以下、「先行技術
3」と記す)には、鉄スクラップの溶解中若しくは溶解
後、溶銑をアーク炉内に装入する方法が開示されてお
り、又、特開平8−109408号公報(以下、「先行
技術4」と記す)には、鉄スクラップを30〜40%溶
解した時点で、溶銑配合率を30〜85%として、炉頂
から溶銑を装入する方法が開示されている。先行技術3
及び先行技術4によれば、溶銑の有する潜熱及び顕熱に
より効率良く溶解可能としているが、溶解室の排ガスを
利用して鉄スクラップを予熱し、より効率良く溶解する
ことについては開示していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の先行技術2に示
すように、溶解室と直結する予熱室を備えたアーク炉に
おいて、その予熱方法は未だ十分とは言えず、予熱効率
を改善する余地があり、又、溶解室と直結する予熱室を
備えたアーク炉において、鉄スクラップと溶銑とを併用
した効率的な操業方法は、未だ開示されていない。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、その目的とするところは、溶解室と直結する予熱
室を備えたアーク炉において、鉄スクラップと溶銑とを
併用して溶解する際に、効率良く溶解して電力使用量を
削減することができる操業方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるアーク
炉操業方法は、溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発
生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、を具
備したアーク炉での操業方法であって、溶銑を溶解室に
直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室と
に連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを
連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄
スクラップ及び溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップ
を溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜ま
った時点で、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続し
て存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とするもの
である。
【0009】第2の発明によるアーク炉操業方法は、第
1の発明において、溶解室内に酸素を吹き込むことを特
徴とするものである。
【0010】第3の発明によるアーク炉操業方法は、第
2の発明において、溶解室内に補助熱源として炭材を吹
き込むことを特徴とするものである。
【0011】第4の発明によるアーク炉操業方法は、第
2の発明又は第3の発明において、酸素の吹き込み量を
溶鋼トン当たり25Nm3 以上とすることを特徴とする
ものである。
【0012】第5の発明によるアーク炉操業方法は、第
1の発明乃至第4の発明の何れかにおいて、溶解中及び
出鋼中に、予熱室と溶解室とに連続して存在する鉄スク
ラップを1ヒート分の50wt%以上とすることを特徴
とするものである。
【0013】本発明においては、溶銑を溶解室へ直接装
入して使用する。そのため、溶銑の有する潜熱及び顕熱
により鉄スクラップは昇温され、鉄スクラップを少ない
電力使用量で迅速に溶解することが可能となる。又、溶
銑は炭素を3〜5wt%含有しているので、溶解室内に
酸素を吹き込み、溶銑中炭素を酸素で燃焼させること
で、炭素の燃焼熱が電力エネルギーの代替になると同時
に、発生する高温のCOガスが鉄スクラップを予熱する
ので、電力原単位の低減と溶解の迅速性とが一層促進さ
れる。更に、溶解室内に炭材を吹き込み、炭材を酸素に
より燃焼させることで、炭材は溶銑中炭素と同一の作用
効果を発揮して電力原単位の低減に寄与する。
【0014】酸素の吹き込み量は、溶鋼トン当たり25
Nm3 以上とすることが好ましい。図3は、下記実施例
に示したアーク炉において、溶銑配合率(使用する鉄源
中の溶銑の重量割合)を20%として、酸素吹き込み量
を溶解開始から出鋼までの間に溶解室内で滞留する溶鋼
トン当たり15〜40Nm3 に変更して試験した時の電
力原単位の推移を示す図であるが、図3に示すように、
酸素の吹き込み量を溶鋼トン当たり25Nm3 以上とす
ることで、電力原単位を安定して200kWh/t以下
に削減することができるからである。
【0015】一方、予熱室内で予熱された鉄スクラップ
は、溶解室内での鉄スクラップの溶解量に見合って、自
然落下して溶解室に装入されるので、予熱室から溶解室
への鉄スクラップの搬送用装置が不要であり、予熱温度
を上昇させることができる。そして、鉄スクラップが予
熱室と溶解室とに連続して存在する状態を保つように予
熱室への鉄スクラップの装入を継続しながら溶解室内の
鉄スクラップを溶解し、又、鉄スクラップが予熱室と溶
解室とに連続して存在する状態で溶鋼を出鋼するので、
次ヒートに用いる鉄スクラップが全て予熱され、極めて
高い予熱効率で溶解することができる。特に、溶解中及
び出鋼中に、予熱室と溶解室とに連続して存在する鉄ス
クラップを1ヒート分の50wt%以上とすることで、
鉄スクラップの予熱時間が確保され、高い予熱効率を得
ることができる。
【0016】尚、本発明の1ヒート分の溶鋼とは、連続
鋳造等の鋳造作業に用いる取鍋等の溶鋼保持搬送容器の
1つの容器に収容される溶鋼量であり、これは鋳造作業
を実施する建物のクレーン等の吊り上げ荷重から決まる
量である。又、本発明で使用する溶銑は、高炉や溶融還
元炉、又はキュポラ等で製造されるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態の1例を示すアー
ク炉設備の縦断面概略図であり、図1は溶解途中の状態
を示す図であり、図2は溶解室への溶銑装入時を示す図
である。
【0018】これらの図において、内部を耐火物で構築
され、底部に炉底電極6を備えた溶解室2の上部には、
シャフト型の予熱室3と水冷構造の炉壁4とが配置さ
れ、この予熱室3で覆われない炉壁4の上部開口部は、
開閉自在な水冷構造の炉蓋5で覆われている。この炉蓋
5を貫通して、溶解室2内へ上下移動可能な黒鉛製の上
部電極7が設けられ、直流式アーク炉1の基部が構成さ
れている。炉底電極6と上部電極7とは直流電源(図示
せず)に連結し、炉底電極6と上部電極7との間でアー
ク19を発生させる。
【0019】予熱室3の上方には、走行台車24に吊り
下げられた底開き型の供給用バケット13が設けられ、
この供給用バケット13から、予熱室3の上部に設けた
開閉自在な供給口20を介して鉄スクラップ15が予熱
室3内に装入される。そして、予熱室3の上端に設けら
れたダクト21は集塵機(図示せず)に連結し、溶解室
2で発生する高温の排ガスは、予熱室3及びダクト21
を順に通って吸引され、予熱室3内の鉄スクラップ15
は予熱される。そして、予熱された鉄スクラップ15
は、溶解室2内で溶解される鉄スクラップ15の量に見
合って、溶解室2内に自由落下し、溶解室2へ装入され
る。
【0020】炉蓋5を貫通して、溶解室2内を上下移動
可能な酸素吹き込みランス8と炭材吹き込みランス9と
が設けられ、酸素吹き込みランス8からは酸素が溶解室
2内に吹き込まれ、炭材吹き込みランス9からは空気や
窒素等を搬送用ガスとしてコークス、チャー、石炭、木
炭、黒鉛等の等の炭材が溶解室2内に吹き込まれる。
又、溶解室2の予熱室3を設置した部位の反対側には、
その炉底に、扉22で出口側を押さえ付けられて内部に
詰め砂又はマッド剤が充填された出鋼口11と、その側
壁に、扉23で出口側を押さえ付けられて内部に詰め砂
又はマッド剤が充填された出滓口12とが設けられてい
る。この出鋼口11の鉛直上方に対応する部位の炉蓋5
には、バーナー10が取り付けられている。バーナー1
0は、重油、灯油、微粉炭、プロパンガス、天然ガス等
の化石燃料を、空気又は酸素若しくは酸素富化空気によ
り溶解室2内で燃焼させる。
【0021】溶解室2の上方にはクレーン(図示せず)
が設置されており、上部電極7、酸素吹き込みランス
8、炭材吹き込みランス9、及びバーナー10が予め取
り外された炉蓋5を開放して、クレーンにて搬送された
供給用取鍋14から溶銑16を溶解室2内に装入する構
造になっている。
【0022】この直流式アーク炉1における操業は、先
ず、供給用バケット13より予熱室3内に鉄スクラップ
15を装入する。予熱室3内に装入された鉄スクラップ
15は、溶解室2内にも装入され、やがて予熱室3内を
充填する。次いで、図2に示すように、炉蓋5を開放し
て溶銑16を収容する供給用取鍋14をクレーンにて溶
解室2の直上に搬送し、供給用取鍋14から溶解室2内
に溶銑16を装入する。装入完了後、炉蓋5を閉め、上
部電極7を溶解室2内に下降させる。又、生石灰、蛍石
等のフラックスを炉壁4に設けた供給口(図示せず)か
ら溶解室2内に装入する。尚、溶解室2内へ鉄スクラッ
プ15を均一に装入するため、炉蓋5を開けた状態で、
予熱室3と反対側の溶解室2内に鉄スクラップ15を装
入することもできる。
【0023】次いで、炉底電極6と上部電極7との間に
直流電流を給電しつつ上部電極7を昇降させ、溶銑16
と上部電極7との間、又は、装入された鉄スクラップ1
5と上部電極7との間でアーク19を発生させ、アーク
熱により鉄スクラップ15を溶解する。同時に、フラッ
クスを溶解して溶融スラグ18を生成させる。溶融スラ
グ18は、生成される溶鋼17の酸化を防止すると共に
溶鋼17を保温する。溶融スラグ18の量が多すぎる場
合には、操業中でも出滓口12から、排滓することがで
きる。
【0024】通電後、酸素吹き込みランス8及び炭材吹
き込みランス9の溶解室2内への挿入が可能となった
ら、図1に示すように、酸素吹き込みランス8及び炭材
吹き込みランス9から、酸素及び炭材を溶解室2内の溶
銑16又は溶融スラグ18中に吹き込むことが好まし
い。
【0025】溶銑16中の炭素は酸素と反応して脱炭さ
れ、溶鋼17が生成されると共に、反応生成物のCOガ
スが溶融スラグ18をフォーミングさせ、アーク19が
溶融スラグ18に包まれるので、アーク19の着熱効率
が上昇する。又、大量に発生する高温のCOガスと、こ
のCOガスが燃焼して生成するCO2 ガスとが、予熱室
3内の鉄スクラップ15を効率良く予熱する。酸素吹き
込み量は、溶解開始から出鋼までの間に溶解室2内で滞
留する溶鋼17のトン当たり25Nm3 (以下、「Nm
3 /t」と記す)以上とすることが好ましい。
【0026】溶解室2内に吹き込まれ、溶鋼17中に溶
解した炭材又は溶融スラグ18中に懸濁した炭材は、酸
素とが反応して燃焼熱を発生し、補助熱源として作用し
て電力使用量を節約すると同時に、溶銑16中の炭素と
同様、アーク19の着熱効率を上昇させると共に、鉄ス
クラップ15の予熱効率を向上させる。この炭材の吹き
込み量は、酸素吹き込み量に対応して決める。即ち、溶
銑16に含まれる炭素量と吹き込まれる炭材との合計炭
素量が、吹き込まれる酸素の化学等量に等しい程度の炭
材を吹き込むこととする。吹き込まれる炭材が少なくて
前記合計炭素量が酸素吹き込み量に比べて少ないと、溶
鋼17が過剰に酸化するので好ましくない。尚、酸素吹
き込み量を、出鋼時の溶鋼17の炭素濃度が目的値とな
るように調整することで、溶鋼17の炭素濃度の調整を
行なうことができる。
【0027】又、溶解室2内の鉄スクラップ15の溶解
に伴い、予熱室3内の鉄スクラップ15は溶解室2内で
溶解された量に見合って溶解室2内に自由落下して減少
するので、この減少分を補うために供給用バケット13
から予熱室3へ鉄スクラップ15を装入する。この鉄ス
クラップ15の予熱室3内への装入は、鉄スクラップ1
5が予熱室3と溶解室2とに連続して存在する状態を保
つように、連続的又は断続的に行う。その際に、予熱室
3と溶解室2とに連続して存在する鉄スクラップ15の
量を、1ヒート分の鉄スクラップ15の50wt%以上
とすることが好ましい。
【0028】このようにして鉄スクラップ15及び溶銑
16を加熱して鉄スクラップ15を溶解し、溶解室2内
に少なくとも1ヒート分の溶鋼17を溜めると共に、溶
鋼17の炭素濃度を測定し、必要により酸素吹き込みラ
ンス8からの酸素吹き込み量と、炭材吹き込みランス9
からの炭材吹き込み量とを調整して溶鋼17の炭素濃度
を調整する。次いで、傾動装置(図示せず)により溶解
室2を傾動して出鋼口11から溶鋼保持搬送容器(図示
せず)に溶鋼17を出鋼する。この場合、溶鋼17中に
鉄スクラップ15が埋没して共存しているので、溶鋼温
度は1550℃程度になり、大きな溶鋼過熱度を得るこ
とができない。そのため、出鋼口11の閉塞等の溶鋼温
度の低下に伴うトラブルを防止するため、出鋼時にバー
ナー10で溶鋼17を加熱することが好ましい。
【0029】そして出鋼後、必要により溶鋼17を取鍋
精錬炉等にて昇温して精錬した後、連続鋳造機等で鋳造
する。溶鋼17を出鋼し、更に溶融スラグ18を排滓し
た後、溶解室2を傾動装置にて水平に戻し、出鋼口11
及び出滓口12内に詰め砂又はマッド材を充填し、次い
で、溶銑16を溶解室2へ再度装入して操業を継続す
る。次回のヒートは予熱された鉄スクラップ15で溶解
を開始することができる。尚、出鋼時に、数トン〜数十
トンの溶鋼17を溶解室2内に残留させて、次回ヒート
の溶解を再開しても良い。こうすることで初期の溶解が
促進され、溶解効率が向上する。
【0030】このようにして、鉄スクラップ15と溶銑
16とを加熱・溶解することで、溶銑16の有する潜熱
及び顕熱により鉄スクラップ15が昇温されることと、
操業の最初のヒートで溶解する鉄スクラップ15は予熱
されないが、その後のヒートで溶解される鉄スクラップ
15は全て予熱されて予熱効率の極めて高い状態で操業
可能となることにより、生産性の向上と電力原単位の低
減とが可能になる。
【0031】尚、上記説明では、溶銑16を1ヒートの
溶解開始前に溶解室2内に装入しているが、溶銑16の
溶解室2への装入時期は上記に限るものではなく、溶解
途中であっても良い。但し、溶銑中の炭素を脱炭する必
要があるため、溶解の中期までに装入完了することが好
ましい。又、溶銑16の装入方法も上記に限るものでは
なく、炉壁4を貫通する樋を設けて樋から装入しても良
い。樋にて装入すれば炉蓋5を開閉する必要がなく、生
産性の向上及び電力原単位の低減が更に達成される。
又、上記説明では、直流式アーク炉1の場合について説
明したが、交流式アーク炉でも全く支障なく本発明を適
用することができる。
【0032】
【実施例】図1に示す直流式アーク炉における実施例を
以下に説明する。アーク炉は、溶解室が炉径7.2m、
高さ4m、予熱室が幅3m、長さ5m、高さ7m、炉容
量が180トンである。先ず、予熱室に70トンの常温
の鉄スクラップを装入し、次いで、溶解室に40トンの
溶銑(炭素濃度;4.5wt%)と、50トンの常温の
鉄スクラップとを装入して直径30インチの黒鉛製上部
電極を用い、最大750V、130KAの電源容量によ
り溶解を開始した。又、通電直後、生石灰と蛍石とを添
加すると共に、酸素吹き込みランスから酸素を6000
Nm3 /hr、炭材吹き込みランスからコークスを36
kg/minとして溶解室内に吹き込んだ。生石灰及び
蛍石は加熱されて溶融スラグとなり、そして、酸素とコ
ークスの吹き込みにより、溶融スラグはフォーミングし
て上部電極の先端は溶融スラグ中に埋没した。この時の
電圧を550Vに設定した。
【0033】その後、予熱室内の鉄スクラップが溶解に
つれて下降したら、供給用バケットにて鉄スクラップを
予熱室に装入し、予熱室内の鉄スクラップ高さを一定の
高さに保持しながら溶解を続け、そして、溶解室内に1
80トンの溶鋼が生成した時点で、約60トンの溶鋼を
溶解室に残し1ヒート分の120トンの溶鋼を取鍋に出
鋼した。出鋼時、重油バーナーにより溶鋼を加熱した。
出鋼時の溶鋼の炭素濃度は0.1wt%で、溶鋼温度は
1560℃であった。出鋼後、40トンの溶銑を溶解室
に再度装入し、次いで、酸素とコークスの吹き込みを再
開し、再び溶鋼量が180トンになったら120トン出
鋼することを繰り返し実施した。出鋼後の溶鋼は取鍋精
錬炉にて精錬して1620℃に昇温した後、連続鋳造機
により鋳造した。取鍋精錬炉での電力使用量は、平均し
て60kWh/tであった。
【0034】その結果、溶銑配合率;33%、酸素吹き
込み量;33Nm3 /t、及びコークス吹き込み量;1
2kg/tの条件で、出鋼から出鋼までの平均時間が4
0分、電力原単位が80kWh/tで溶解することがで
きた。アーク炉と取鍋精錬炉とでの電力の総使用量は1
40kWh/tであった。
【0035】又、比較のために図1に示すアーク炉にお
いて、予熱室に70トンの常温の鉄スクラップを装入
し、次いで、溶解室に40トンの溶銑(炭素濃度;4.
5wt%)と、10トンの常温の鉄スクラップとを装入
して溶解を開始し、溶鋼が生成しても鉄スクラップを追
加装入することなく溶解を続けて120トンの溶鋼を
得、この溶鋼を1600℃に昇温した後、出鋼する操業
(比較例)も実施した。尚、比較例での酸素吹き込み量
及びコークス吹き込み量は上記の実施例と同一であり、
又、取鍋精錬炉での電力原単位は30kWh/tであっ
た。表1に、実施例及び比較例における操業条件及び操
業結果を示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示すように、比較例では、アーク炉
での電力原単位が240kWh/t、アーク炉と取鍋精
錬炉とでの電力の総使用量が270kWh/tであり、
又、出鋼から出鋼までの時間は平均して60分であっ
た。このように本発明による実施例では、比較例に比べ
て電力総使用量で130kWh/tの削減が可能である
と共に、出鋼から出鋼までの時間を20分短縮すること
ができた。
【0038】図4は、酸素吹き込み量を33Nm3 /t
の一定条件として、溶銑配合率を20〜45%に変更し
た実施例でのアーク炉における電力原単位を示す。図4
に示すように、溶銑配合率の増加と共に電力原単位は削
減し、溶銑配合率を約50%以上にすれば、電力を使用
せずに、溶銑中炭素の燃焼熱のみでアーク炉操業を行な
うことが可能であることが分かった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、溶銑の有する熱及び炭
素を有効に活用することができると共に、最初のヒート
以外で溶解する鉄スクラップの全てを予熱できるので、
アーク炉における生産性の向上と電力原単位の大幅な低
減とが可能になり、工業的効果は格別である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示すアーク炉設備
の縦断面概略図である。
【図2】本発明の実施の形態の1例を示すアーク炉設備
の縦断面概略図である。
【図3】電力原単位に及ぼす酸素吹き込み量の影響を調
査した結果を示す図である。
【図4】電力原単位に及ぼす溶銑配合率の影響を調査し
た結果を示す図である。
【符号の説明】
1 アーク炉 2 溶解室 3 予熱室 4 炉壁 5 炉蓋 6 炉底電極 7 上部電極 8 酸素吹き込みランス 9 炭材吹き込みランス 10 バーナー 11 出鋼口 12 出滓口 13 供給用バケット 14 供給用取鍋 15 鉄スクラップ 16 溶銑 17 溶鋼 18 溶融スラグ 19 アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K001 FA11 GA16 4K014 CB01 CC04 CD02 CD11 CD15 CD18 4K045 AA04 BA02 RA06 RA09 RB02 RB08 RB16 RB22 4K063 AA04 BA02 CA01 CA08 GA02 GA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解室と、溶解室に直結し、溶解室で発
    生する排ガスが導入されるシャフト型の予熱室と、を具
    備したアーク炉での操業方法であって、溶銑を溶解室に
    直接装入すると共に、鉄スクラップが予熱室と溶解室と
    に連続して存在する状態を保つように、鉄スクラップを
    連続的又は断続的に予熱室へ装入しながら、溶解室の鉄
    スクラップ及び溶銑をアークにて加熱して鉄スクラップ
    を溶解し、溶解室に少なくとも1ヒート分の溶鋼が溜ま
    った時点で、鉄スクラップが予熱室と溶解室とに連続し
    て存在する状態で溶鋼を出鋼することを特徴とするアー
    ク炉操業方法。
  2. 【請求項2】 溶解室内に酸素を吹き込むことを特徴と
    する請求項1に記載のアーク炉操業方法。
  3. 【請求項3】 溶解室内に補助熱源として炭材を吹き込
    むことを特徴とする請求項2に記載のアーク炉操業方
    法。
  4. 【請求項4】 酸素の吹き込み量を溶鋼トン当たり25
    Nm3 以上とすることを特徴とする請求項2又は請求項
    3に記載のアーク炉操業方法。
  5. 【請求項5】 溶解中及び出鋼中に、予熱室と溶解室と
    に連続して存在する鉄スクラップを1ヒート分の50w
    t%以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4
    の何れか1つに記載のアーク炉操業方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100431865B1 (ko) * 2000-11-27 2004-05-20 주식회사 포스코 용선을 사용하는 전기로 조업방법
JP2009102697A (ja) * 2007-10-24 2009-05-14 Jfe Steel Corp 溶鋼の製造方法
JP2010265485A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Jfe Steel Corp アーク炉の操業方法
JP2011111625A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Jfe Steel Corp 鉄スクラップを利用した製鋼方法
KR101443352B1 (ko) * 2013-04-30 2014-09-22 현대제철 주식회사 용선 정련 방법

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