JP2000017183A - ロタキサン構造を有する色素、ラベル化剤、およびラベル化方法 - Google Patents

ロタキサン構造を有する色素、ラベル化剤、およびラベル化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロタキサン型色素を提供する。 【解決手段】 本発明に係るロタキサン型色素は、シク
ロデキストリン環を貫通する鎖状基の両末端部分に色素
分子を結合したロタキサン構造を有し、優れた水溶性を
有し、かつ相違する複数の色素を有することが可能なも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロデキストリ
ンを有するロタキサン型の構造を有する新規な色素、お
よびそれを用いるラベル化剤、さらにそれを用いるラベ
ル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学を始めバイオサイエンスの分
野において種々の物質の検出方法、または特定の物質の
ラベル化方法として、色素による方法(特に蛍光色素に
よる蛍光分析方法)は最も汎用される分析方法の1つで
ある。かかる目的で、種々の性質を有する色素(特に蛍
光色素)によるラベル化剤が開発され使用されている。
【0003】しかしながら、(1)従来公知の色素、また
はそれを用いたラベル化剤は水溶性の点で十分でないと
いう問題があった。さらに、(2)近年の強い要望である
マルチカラー化への対応可能な多波長型の色素によるラ
ベル化剤、およびそれを用いたラベル化方法がないとい
う問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた水溶
性を示し、かつマルチカラー化も可能な色素を提供する
ことを目的とする。さらに、係る色素を含むラベル化
剤、および該ラベル化剤によるラベル化方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の見られる問題点を解決するべく鋭意研究し、非水溶
性、若しくは難水溶性である色素を、水溶性のシクロデ
キストリンと組合せたロタキサン構造とすることによ
り、水溶性の点で優れ、かつマルチカラー化への対応も
可能な多波長型の色素を得ることができることを見出し
た。また、かかるロタキサン構造を有する色素を含むラ
ベル化剤を得ることができることを見いだした。さらに
該ラベル化剤を用いるラベル化方法を開発した。
【0006】特に、該色素が蛍光色素である場合に、優
れた水溶性を有し、かつマルチカラー化への対応も可能
な多波長型の蛍光色素、この蛍光色素を含むラベル化
剤、さらにこのラベル化剤を用いるラベル化方法となる
ことを見出し、本発明を完成させたものである。
【0007】すなわち、本発明に係るロタキサン型色素
の構造は、色素分子を、(1)シクロデキストリンと組合
せ、かつ(2)該シクロデキストリン環に貫通する鎖状基
の少なくとも一端部で連結する構造を基本とするもので
ある。従って、係るシクロデキストリン-ロタキサン構
造を有する色素は、シクロデキストリンを有することか
ら優れた水溶性を有する。また、前記シクロデキストリ
ン環に貫通する鎖状基の両端部で色素分子を連結する構
造を有することが可能であり、この場合、同じ種類の色
素のもののみならず相違する種類の色素を結合すること
も可能となる。
【0008】また、本発明に係る色素は、色素分子自体
の有する種々の官能基、又は種々の反応性基の導入によ
り、水溶液中で種々の物質をラベル化するラベル化剤と
することができる。また、本発明に係る色素は、その色
素が蛍光性を有するもの、及び蛍光性を有しないものの
両方を含むものである。
【0009】より詳しくは、本発明にかかる色素は、鎖
状基の少なくとも一端に色素が結合し、かつ前記鎖状基
がシクロデキストリン環を貫通するロタキサン型である
ことを特徴とする色素である。
【0010】さらに、本発明にかかる色素は、次式1で
表されるロタキサン型色素である。
【0011】
【化3】
【0012】(ここで、FL1およびFL2は色素を表
し、nは8〜12の整数を表し、mは6〜8の整数を表
す。XはOH、Cl、Br、I、NH2、NCO、NH
CO(CH23CO2Hのいずれか1つを表す。) また、本発明にかかる色素は、次式2で表されるロタキ
サン型色素である。
【0013】
【化4】
【0014】(ここで、FL3は色素を表し、kは6〜
8の整数を表し、lは8〜12の整数を表す。
【0015】さらに、本発明にかかる色素は、特に前記
色素が蛍光色素であることを特徴とするロタキサン型色
素である。
【0016】また、本発明にかかるラベル化剤は、前記
記載の色素を用いることを特徴とするラベル化剤であ
る。
【0017】さらには、本発明にかかるラベル化方法
は、前記記載のラベル化剤を用いることを特徴とするラ
ベル化方法である。
【0018】以下実施の態様に基づいて本発明をより詳
細に説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るロタキサン型色素の
1つの基本構造は図1(a)に模式的に示されているよう
に、CDを貫通する鎖状基の両末端部分に色素分子(図
中では色素1及び2と表される)を結合したロタキサン
構造を特徴とする。
【0020】また、他の基本構造は、図1(b)に模式
的に示されているように、CDを貫通する鎖状基の一端
部分に色素分子(図中では色素3と表される)、及び他
の一端には反応性基が結合したロタキサン構造を特徴と
する。
【0021】上記色素1、2および3は、その分子サイ
ズが十分に大きく、シクロデキストリン環からはずれる
ことは不可能である。また、該鎖状基はシクロデキスト
リン環を貫通しているが、該鎖状基の種類によりシクロ
デキストリン内で比較的分子運動が可能である。
【0022】本発明に係るロタキサン型色素は、含まれ
る色素分子(図中では色素1〜3)が、たとえ非水溶
性、又は難溶性であっても、シクロデキストリン環の大
きな親水性の寄与により、十分な水溶性を示すものとな
る。かつ通常のラベル化反応、又はその後の種々の測定
条件下でも極めて安定に存在することが可能となるもの
である。
【0023】以下、本発明に係るロタキサン型色素をさ
らに詳しく説明する。 1.シクロデキストリン(以下CDと略する) (1) 本発明に係るロタキサン型色素に使用するCDの種
類には特に制限はない。CDの内部の疎水空間が以下に
説明する鎖状基を貫通させるに十分なサイズを有するも
のであればよい。具体的には、鎖状基の種類に依存する
が、メチレン鎖の場合にはグルコースの数が6以上であ
ることが好ましい。
【0024】係る本発明に使用可能なCDは、種々のシ
クロデキストリン類として市販されているものを入手し
て使用できる。すなわちグルコースの数により、α−シ
クロデキストリン、β−シクロデキストリン、またはγ
−シクロデキストリンが高純度で入手可能である。従っ
て、これら、またはこれらに類似している構造を有する
シクロデキストリン誘導体は本発明のCDとして好適に
使用可能である。具体的には、α−シクロデキストリ
ン、β−シクロデキストリン、またはγ−シクロデキス
トリン、さらには分岐のある構造を有するグルコシルー
α−シクロデキストリン、グルコシルーβ−シクロデキ
ストリン、グルコシルーγ−シクロデキストリン、マル
トシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シ
クロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリ
ン等、またはアルキル化されたシクロデキストリン誘導
体であ6−O−メチル−α−シクロデキストリン、6−
O−メチル−β−シクロデキストリン、6−O−メチル
−γ−シクロデキストリン、2、6−ジ−O−メチル−
α−シクロデキストリン、2、6−ジ−O−メチル−β
−シクロデキストリン、2、6−ジ−O−メチル−γ−
シクロデキストリン、2、3、6−トリ−O−メチル−
α−シクロデキストリン、2、6−ジ−O−エチル−α
−シクロデキストリン、2,3,6−トリ−O−エチル
−α−シクロデキストリン、およびそれに相当するβ−
シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリン等、
またはヒドロキシアルキル化されたシクロデキストリン
である2−ヒドロキシエチル−α−シクロデキストリ
ン、2−ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリ
ン、3−ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリ
ン、2、3−ジヒドロキシプロピル−α−シクロデキス
トリン、2,3,6−トリ−O−アシル(C2〜C1
8)−α−シクロデキストリン、O−カルボキシルメチ
ル−O−エチル−α−シクロデキストリン、α−シクロ
デキストリンスルフェート、およびα−シクロデキスト
リンホスフェート等およびそれらに相当するβ−シクロ
デキストリンおよびγ−シクロデキストリン等が好まし
く使用可能である(上釜兼人、第12回シクロデキスト
リンシンポジウム講演要旨集、1(1993))。
【0025】また、種々の分子量のシクロデキストリン
オリゴマー、ポリマーが市販されており、それらを使用
することが可能である。
【0026】(2) 本発明に係るロタキサン型色素が有す
るCDの数には特に制限はない。図2(a)〜(c)には、本
発明において好ましく使用できるCDの態様例を示し
た。図中(a)の態様は、鎖状基に直列に2個以上のCD
が貫通する態様を示すものである。また、(b)には係る
2個以上のCDが結合されている態様を示す。さらに、
2以上のCDは必ずしも同じ種類のものである必要はな
い。
【0027】複数のCDを含む場合、鎖状基(さらにそ
の両端部に色素分子を有する)を複数有する態様も可能
となり、その一例を図2の(c)に示した。
【0028】(3) 活性基を導入したシクロデキストリン 本発明に係るロタキサン型色素を用いて、特定の物質を
ラベル化するための活性基(反応性基、又は反応性官能
基)として、CDの有する水酸基が好ましく利用できる
が、本発明はさらに、適当な活性基をCDに導入したも
のも含む。具体的には、CDの1つ又は2以上の水酸基
を、カルボキシル基、ハロゲン基、アミノ基、イソシア
ネート基等に変換することは容易である。
【0029】また、該反応基を鎖状基の一端に結合して
用いることも可能であり、図1(b)にその例を示した。
【0030】2.鎖状基 (1) 本発明に係るロタキサン型色素の有する鎖状基は、
その両端部分に色素分子を結合し得るものであり、かつ
CDの内部空間を貫通可能なものであれば特に限定され
ない。使用するCDのサイズから、分子モデル、分子計
算等に基づき内部空間のサイズは推定可能であり、推定
されたサイズから使用可能な鎖状基の種類及び長さを推
定することは容易である。さらに、鎖状基か、色素分子
を結合するための両端基以外の部分は化学的に安定であ
ることが好ましく、係る要請からも鎖状基の種類の選択
は容易となる。具体的には、メチレン鎖、ポリエーテル
鎖、ポリアミン鎖、ポリエステル鎖、ポリアミド鎖等、
又はそれらを2以上含む鎖状基が挙げられる。特に長さ
を容易に調節可能とし、かつ化学的に安定であり、分子
サイズも十分小さいポリメチレン鎖の使用が好ましい。
【0031】(2) 上記説明した鎖状基は、その両端部分
に色素分子を結合し得るものであるが、その結合方法に
は特に制限はなく、使用される色素分子と結合可能であ
ればよい。以下に説明するように、本発明において好ま
しく使用可能な色素分子であって、他の物質と結合する
ための種々の官能基を有するものが種々市販され、また
公知の方法を用いても合成可能である。従って、係る官
能基と結合反応し得る基を鎖状基両端部に導入すること
は容易である。この際、通常公知の有機化学反応を選択
することは容易である。具体的には、以下に示す組合せ
が好ましく選択される。 色素分子の官能基 鎖状基端部結合基 ----------------------------------------------------- イソシアネート基 アミノ基、水酸基 カルボキシル基 アミノ基、水酸基 活性エステル基 アミノ基、水酸基 アミノ基 カルボキシル基 ヒドラジノ基 カルボキシル基 ヒドラジノ基 カルボニル基 ヨードアセトアミド基 チオール基 マレイミド基 チオール基 ------------------------------------------------------ また、鎖状基の両端部に結合する色素分子の種類はかな
らずしも同じである必要はない。異なる色素分子を結合
する場合は、その結合方法に基づいて、上記の組合せの
いくつかを選択することは容易である。
【0032】さらに、CDの内部空間のサイズにより鎖
状基の長さを選択することは容易である。具体的には、
メチレン鎖の場合、α、β、γCDに対してはヘキサメ
チレン鎖以上であることが好ましい。また、メチレン鎖
以外の鎖状基である場合も、メチレン鎖に換算して、1
つのCD環の貫通に対してヘキサメチレン鎖以上(より
好ましくはオクタメチレン鎖以上)の長さとなるように
選択することが可能である。また、2つ以上のCD環を
貫通する態様においては、それぞれのCD環を貫通する
長さ以上になるように選択することは容易である。
【0033】3.色素分子 本発明に係るロタキサン型色素に使用される色素分子
は、本ロタキサン型色素で特定の物質を染色したり、又
は特定の被検出物をラベル化して、該ラベル化された被
検出物の吸光度(又は反射光)あるいは蛍光を測定する
ことにより被検出物の存在を判別するものであり、特に
限定されることはない。本ロタキサン型色素を用いる態
様により種々の性質を有する色素分子が選択可能であ
る。例えば、公知の染料や顔料に使用される種々の色素
分子、又は生体内でトレーサーとして使用される種々の
色素分子が含まれる。
【0034】さらに、該色素分子が蛍光性である色素分
子も含まれる。また、本発明に係るロタキサン型色素は
CDを含むことにより水溶性が向上することから該色素
分子自体が必ずしも水溶性であることは必要ない。従っ
て従来公知の水溶性色素分子のみならず、非水溶性、難
水溶性である色素分子も、上で説明したように適当な結
合基が導入可能であれば好ましく使用可能である。
【0035】水溶性蛍光色素としては例えば、フルオレ
ッセン系、ローダミン系のものが使用可能であり、具体
的にはカルボキシフルオレッセン(FAM)、カルボキシ
テトラメチルローダミン(TAMRA)が挙げられる。また
非水溶性蛍光色素としては、具体的にはピレン等が挙げ
られる。
【0036】また、蛍光色素分子の場合、その励起波
長、蛍光波長の選択についても特に限定されない。蛍光
強度を上げるためには同じ蛍光色素分子を使用すればよ
い。また、複数の蛍光を利用するために、相違する複数
の蛍光色素分子を使用する場合には、それぞれの蛍光色
素分子の励起波長、蛍光波長が重ならないように、その
組合せを適宜選択することが容易である。さらには、相
違する蛍光色素間の蛍光エネルギー移動現象を利用する
場合には、公知のエネルギードナー蛍光色素分子と、エ
ネルギーアクセプター蛍光色素分子として使用すればよ
い。同一のエネルギードナー蛍光色素分子と相違するエ
ネルギーアクセプター蛍光色素分子との組合せにより同
一励起波長による蛍光波長の多色化合物が可能である。 4.合成方法 本発明に係るロタキサン型色素の合成方法は、特に制限
はなく通常公知のロタキサン合成に使用される有機化学
合成手段が使用可能である。一般的には、(i)CD、色
素分子、及び鎖状基のそれぞれを適当な溶媒中で混合し
てロタキサン構造をとると同時に該色素分子と該鎖状基
の結合反応をさせる方法がある。この方法によれば、溶
媒としては極性非水溶媒である、ジメチルスルホキシド
(DMSO)や、ジメチルホルムアミド(DMF)等が好ましく使
用可能である。また、結合反応基に種類により反応温
度、時間等の条件を最適化することは容易である。ま
た、(ii)CDと鎖状基のみをまず適当な溶媒中で混合し
て包接体を得、又は単離し、その後、得られる包接体と
色素分子を反応結合する方法がある。この方法は、1種
類の色素を有する本発明に係る色素を合成する目的に特
に好ましい。
【0037】以下に上記合成方法(ii)についてさらに好
ましい方法を具体的に説明する。鎖状基とCDとのロタ
キサンの合成の条件は、特に水と有機溶媒の2相を用い
て行うことが好ましい。ここで有機溶媒としては該鎖状
基を溶解し、かつ水と十分分離するものが使用可能であ
り、例えばエチルエーテルが挙げられる。該有機溶媒中
に鎖状基を溶解し(好ましくは飽和させる)、またCD
を水中に溶解しておく(好ましくは飽和させる)。該2
つの相を適当な温度(30〜50℃の範囲が好ましい)で激
しく撹拌する。係る撹拌により、鎖状基とCDとの包接
体は水相に主に溶解するので水相へ移動することとな
り、水相中には、上記包接体とCDの混合物が存在する
こととなる。この場合、得られた包接体の水中での溶解
度がCD自体よりも低い場合、水相から沈殿となってそ
の一部が析出することがある。特に該水相にCDが飽和
している場合に該沈殿が生じることが多い。また、必要
ならば、該水相を冷却することにより該沈殿を得る事が
容易となる。
【0038】上記得られた沈殿中に包接体の他にCDが
実質的に含まれない場合には、濾過により簡単に単離す
ることが可能となる。この場合、さらにエーテルで得ら
れた沈殿を洗浄することにより、混在する鎖状基を除く
ことが可能となる。
【0039】また、上記得られた沈殿中に包接体の他C
Dが混合されている場合には、適当な分離手段が必要と
なり、種々のクロマトグラフの手法が使用可能である。
具体的には、分子の大きさにより分離する方法であるゲ
ル濾過方法(GPC)が好ましく使用可能である。具体的に
は、α-CDとdonとの包接体とα-CDとの分離には、
セファディックスG10を選択することができる。GPC条件
についても通常の条件が好ましく使用可能である。分離
のモニターについてはTLC、HPLC等が使用可能である。
鎖状基がCD環よりはずれる平衡を最小にするために、
溶出溶媒としては水を使用することが好ましい。係る分
離手段により、少量含まれる鎖状基も除かれることとな
る。
【0040】得られた包接体に、色素分子を反応結合さ
せるには、通常公知の有機化学反応が使用可能である。
この場合、相違する色素分子を反応結合させることも可
能であり、係る条件の選択は容易である。
【0041】反応のモニター、又は反応生成物の同定及
び確認は、通常の分離手段により分離精製した後、通常
の有機化学分析手法を用いることにより可能である。具
体的には、TLCやHPLCによる反応の進行のモニター、赤
外線吸収スペクトルや核磁気共鳴吸収スペクトル、吸収
スペクトル、蛍光スペクトル等の測定、質量分析方法等
が使用可能である。
【0042】溶液中での存在を確認するには、特定の条
件下におけるHPLCで得られるピークの保持時間を比較す
ることが好ましい。若しくは核磁気共鳴吸収スペクト
ル、吸収スペクトル、蛍光スペクトル等の比較が好まし
い。
【0043】固体状態での存在を確認するには、赤外線
吸収スペクトルの特定領域(例えば2000〜500cm-1)の
吸収ピークを比較することが好ましい。若しくは、質量
分析方法(例えばTOFMS)による分子ピークの比較が好
ましい。また、図3には、前記色素を結合した鎖状基を
CDと反応させて包接体を形成させた後に結合基を反応
させて、本発明の色素の他の基本構造を合成する方法を
示した。結合基はラベル化したい種々の物質の有する化
学反応性基に基づいて選択することは容易である。具体
的には、アミノ酸、オリゴペプチド、タンパク質等のア
ミノ基がラベル化に利用可能な場合にはスクシンイミジ
ル基等が挙げられる。また、チオール基が利用可能な場
合には、マレイミド基、アルキルハライド基等(ヨード
アセトアミドをふくむ)が挙げられる。その他、カルボ
キシル基やカルボニル基にはヒドラジノ基、ヒドラジド
基、フェノール性水酸基には活性エステル等が挙げられ
る。
【0044】さらに、図4には、CDに反応基を導入す
る一例を示した。水酸基からアミノ基を経て、末端にカ
ルボキシル基を有する反応基を導入できる。
【0045】6.ラベル化方法 本発明に係るロタキサン型色素は、シクロデキストリ
ン、色素分子、及び鎖状基のいずれかにラベル化反応用
反応基の導入が可能である。従って、ラベル化するべき
化合物の有する官能基に基づき種々のラベル化反応用反
応基の導入が可能となる。具体的には、シクロデキスト
リンの水酸基、又はそれから出発する誘導体であるハロ
ゲン化物、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられ
る。かかる反応基は通常公知の方法により導入可能であ
る。さらに、色素分子においても種々の官能基の導入が
可能である。具体的には、カルボキシル基、アミノ基、
イソシアネート基、活性エステル基等が挙げられる。か
かる反応基は通常公知の方法により導入可能である。ま
た、鎖状基にも種々の官能基の導入が可能である。具体
的には、水酸基、ハロゲン化物、アミノ基、カルボキシ
ル基、活性エステル基、イソシアネート基等が挙げられ
る。かかる反応基は通常公知の有機合成方法により導入
可能である。
【0046】上で説明した官能基を導入した本発明に係
るロタキサン型色素は水溶液中で温和な条件で効率的に
ラベル化可能となる。係る反応条件の選択はラベル化反
応により異なるが、容易に最適化可能である。
【0047】本発明に係るロタキサン型色素によるラベ
ル化法によりラベル化される物質に特に限定はなく、水
溶液中に存在する多種類の生体物質をラベル化可能であ
る。ラベル化される物質は本発明に係る試薬と反応する
ための官能基を少なくとも1つ有することが好ましい。
ただし、ラベル化される物質は本発明に係る試薬と反応
するための官能基を有しない場合は、適当な前処理によ
り係る官能基を導入することが可能である。この目的
で、通常公知の化学反応を利用することは容易である。
さらにラベル化される物質の該官能基に応じて、上で説
明したように、本発明に係るラベル化試薬の結合基を選
択することは容易である。具体的には、ラベル化される
べき物質として、アミノ酸、糖、ペプチド、核酸、タン
パク質等が上げられる。係る場合、本発明に係るラベル
化試薬反応との結合反応は通常公知の有機化学的手法に
より容易に選択可能である。例えばアミノ酸、又はペプ
チドの場合はアミノ基が利用可能であり、色素分子また
はシクロデキストリンにイソシアネート、又は活性エス
テル基を導入することにより容易に結合反応が可能とな
る。
【0048】7.検出方法 本発明に係るロタキサン型色素をラベル化剤として用い
る場合において、該色素を検出する方法には特に制限は
なく、使用した色素分子に応じて最適の検出方法を選択
可能である。例えば、使用した色素分子の吸収に基づく
検出法、又は蛍光性であれば蛍光スペクトルの測定等が
挙げられる。特に使用した色素分子が蛍光性である場
合、以下詳細に説明するように従来公知の高感度検出法
や、特異的検出法が応用可能である。
【0049】(1) 本発明に係るロタキサン型色素が1種
類の蛍光色素分子を有する場合 本発明に係る色素でラベル化された物質は、該蛍光色素
に基づく蛍光を発し、この蛍光を検出することによりラ
ベル化された物質を検出可能となる。上で説明したよう
に、本発明に係る色素は、1種類の蛍光色素を複数結合
することが可能である。係る場合、得られる蛍光強度は
蛍光分子の数により大きくすることが可能であり、検出
感度を向上することが可能となる。
【0050】(2) 本発明に係る色素が2種類以上の蛍光
色素分子を有する場合 この場合には、上で説明した通常の蛍光色素分子のそれ
ぞれの蛍光スペクトルを検出することが可能であるのみ
ならず、該蛍光色素分子間の種々の相互作用に基づく検
出方法が可能となる。例えば、2種類の蛍光色素分子が
エネルギードナー蛍光色素とエネルギーアクセプター蛍
光色素であり、それらの間の蛍光エネルギー移動現象を
利用して検出する方法が挙げられる。さらに、2種類以
上の相違する蛍光色素分子が1つのエネルギードナー蛍
光色素と他の複数のエネルギーアクセプター蛍光色素で
ありそれらの間の蛍光エネルギー移動現象を利用して検
出する方法も可能である。この場合には、単一のエネル
ギードナー蛍光色素の励起により複数のエネルギーアル
セプター蛍光色素からの蛍光発光を検出可能となる。
【0051】8.応用例 本発明に係るロタキサン型色素を用いることで、本来非
水溶性、又は難水溶性とされている色素分子が、シクロ
デキストリンの存在により水溶性となる。このことは、
従来の非水溶性、又は難水溶性色素分子を水溶液中で好
ましく使用可能とするものであり、非水溶媒(有機溶
媒)を使用する必要をなくすものである。
【0052】具体的には、従来有機溶媒中で使用されて
いた塗料、若しくは染料を、水溶液中で使用可能とする
ものが挙げられる。また、色素レーザー用、あるいは探
傷用の色素を水溶液で用いることを可能とすることが挙
げられる。さらに、診断、検査、若しくは医療の目的
で、生体内(水溶液)で使用可能な種々のマーカーへの
応用が挙げられる。
【0053】また、複数の本発明に係るロタキサン型色
素を含むラベル化剤を用いることでマルチカラーラベル
化が可能となる。すなわち複数の被ラベル化物(例え
ば、複数種類のタンパク質)を別々にラベル化すること
が可能である。
【0054】例えば、同一のエネルギードナー蛍光色素
(例えば図1において色素1を共通とする)を有し、か
つ相違するエネルギーアクセプター蛍光色素(例えば図
1において色素2、3、4等とする)を有する複数の蛍
光ラベル化剤により、相当する複数の被ラベル化物をそ
れぞれラベル化することにより、係る被ラベル化物が混
在する試料中に存在するそれぞれの被ラベル化物をモニ
ターすることができるものである。この際、色素1の励
起光(単一の励起光)を照射することにより、被ラベル
化物からはその存在量に応じてそれぞれのエネルギーア
クセプター蛍光色素の蛍光波長(すなわち色素2、3、
4等の蛍光波長)の蛍光が別々に測定可能となる。以上
のことから、具体的には、DNAシーケンシング用色素へ
の利用が可能である。励起光が1種類でいろいろな波長
を出せる特徴を生かして、DNAシーケンシングに使う4
色の蛍光色素を合成することができる。また、細胞の多
重染色したものを効率よく検出できる。単一波長で励起
でも複数波長励起でも、ドナー色素、アクセプター色素
を変化させることで、使用できる色素の組み合わせの範
囲が広がる。加えて、ストークシフトが大きくなること
から、バックグラウンドの低い鮮明な画像が期待でき
る。抗体標識用色素としてフルオロイムノアッセイへの
応用も可能である。測定対象の物質に応じて蛍光波長の
異なる色素を結合させた抗体を調製することで、血液等
の試料中の測定対象物質群を一度に分析できる。単一励
起波長で、フォトダイオードやCCDにて一度に蛍光測定
することで、安価な装置で高感度な分析が出来る。
【0055】なお、本明細書中においては、カルボキシ
テトラメチルローダミンをTAMRA、カルボキシフルオレ
ッセンをFAM、ジアミノドデカンをdonとするものとす
る。また、(TAMRA)2-don-CDロタキサン(又は(TAMRA)-
don-(TAMRA)-CDロタキサン)は、蛍光色素が共にTAMRA
であり、鎖状基がdonであり、かつシクロデキストリン
によりロタキサン構造(図5(a))を有しているものと
する。また(TAMRA)-don-(TAMRA)は、蛍光色素が共にTAM
RAであり、これらを鎖状基donで結合したものとする
(図5(b))。また、(FAM)2-don-CDロタキサン(又は
(FAM)-don-(FAM)-CDロタキサン)は、蛍光色素が共にFA
Mであり、鎖状基がdonであり、かつシクロデキストリン
によりロタキサン構造(図6(a))を有しているものと
する。また、(FAM)-don-(FAM)は、蛍光色素が共にFAMで
あり、これらを鎖状基donで結合したものとする(図6
(b))。また、(FAM)-don-(TAMRA)-CDロタキサンは、蛍
光色素がTAMRAとFAMであり、鎖状基がdonであり、かつ
シクロデキストリンによりロタキサン構造(図7(a))
を有しているものとする。さらに(FAM)-don-(TAMRA)
は、蛍光色素がTAMRA及びFAMであり、これらを鎖状基do
nで結合したものとする(図7(b))。
【0056】また、(FAM)-don-(Cy5)-CDロタキサンは、
蛍光色素がFAMとCy5であり、鎖状基がdonであり、かつ
シクロデキストリンによりロタキサン構造(図8(a))
を有しているものとする。さらに(FAM)-don-(Cy5)は、
蛍光色素がFAM及びCy5であり、これらを鎖状基donで結
合したものとする(図8(b))。
【0057】また、(FAM)-don-(TAMRA)-CDcoohロタキサ
ンは、前記(FAM)-don-CD-(TAMRA)ロタキサン蛍光色素の
CDに反応基が結合してカルボキシル基を有する構造(図
9)を有しているものとする。
【0058】以下実施例に即してさらに詳しく説明す
る。
【0059】
【実施例】(実施例1)(TAMRA)2-don-CDロタキサンの
合成(その1) αシクロデキスリン(以下α-CDとする)を飽和させ
たジメチルスルホキシド(DMSO)溶液100μlに、1,12-ジ
アミノドデカン(don)3mg(15μmol)を40℃で撹拌し溶
解した。50μlのDMFに溶解した5-カルボキシテトラメチ
ルローダミン−スクシンイミジルエステル(5-TAMRA,SE)
25mg(47μmol)を加え、40℃で一晩撹拌した。反応液を
以下の条件で高速液体クロマトグラフ(以下HPLCとい
う)で分析し、保持時間12.2分が目的物質であることを
確認した。以下の条件で分取用HPLCにて分取・精製を行
った。目的成分である(TAMRA)2-don-CDロタキサンを溶
出した分画から減圧で溶媒を除いた後、残った水溶液を
凍結乾燥で乾燥して紫色粉末を得た(収率8%)。 分析用HPLC機器及び分析条件: 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所製 紫外可視検出 L-7420 546nm 日立製作所製 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発光5
90nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM 酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM
酢酸アンモニウム)100% のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析: 装置:島津製作所レーザーイオン化時間飛行型質量分析
装置(MALDI-IV)(以下TOF-MSと略し、特に記載しない限
り同装置を使用) マトリックス:DHBA(gentisic acid) [M+1]+:2001 吸収スペクトル(メタノール):543nm(図12) 蛍光スペクトル(メタノール):励起543nm、蛍光578nm IRスペクトル(KBr):図10 (実施例2)(TAMRA)2-don-CDロタキサンの合成(その
2) (包接体の合成単離、確認)室温でdonをジエチルエー
テルに溶解し、飽和溶液を調製した。同様にα-CDの飽
和水溶液を調製した。それぞれの飽和溶液0.5mlをサン
プルチューブにとり、密栓して40〜50℃で一晩撹拌し
た。室温にもどした後、水相のみをピペットで分離し
た。得られた水相中には白い沈殿が生じており、この白
い沈殿は、IRスペクトル等の分析結果から、目的の包
接体(donとαCDのロタキサン)であることが確認され
た。
【0060】上記反応後の水相を数回サンプルチューブ
中でエーテルにより洗浄してdonを除き、以下説明する
ように、ゲルパーミエイションカラム(GPC)により包接
体の分離精製を試みた。
【0061】すなわち、上記得られた水溶液を、以下に
説明するセファデックスG10GPCカラムにアプライし、水
で溶出した。最初の溶出したフラクションには目的の包
接体が含まれていたが、さらにα-CDが混合していた。T
LC(順相シリカゲル、クロロホルム-メタノール10:1))
でモニターしながら、遊離のdonを実質的に含まない分
画を集め、得られた分画を濃縮した。 ((TAMRA)2-don-CDロタキサンの合成)上で得られた包
接体の水溶液に、5-カルボキシテトラメチルローダミン
スクシンイミジルエステル(5-TAMRA,SE)を5mg、DMF溶
液1mlに加え、室温で一晩撹拌した。得られた反応液を
Chromatorex NH-DM3050を用いたカラムにより、(TAMRA)
2-don-CDロタキサン、(TAMRA)-don-CD、α-CDの3種の
化合物を分離した。分画成分を減圧濃縮してアセトニト
リルを除き、残留物を凍結乾燥した(収率30%)。 包接化合物と未包接CDとの分離条件: カラム:セファデックスG10 10mmx70mm モニター:TLC(シリカゲル、展開溶媒クロロホルム:
メタノール10:1)で包接化合物は原点付近。 (TAMRA)2-don-CDロタキサンの分離条件: カラム:Chromatorex NH-DM3050 20mmx250mm(富士シ
リシア化学製) 溶離液:70%アセトニトリル モニター:TLC(メルク社製 HPTLC-NH-F254、展開溶媒7
0%アセトニトリル) (実施例3)(TAMRA)-don-(TAMRA)の合成 1,12-ジアミノドデカン(don)3mg(15μmol)をメタノー
ル100μlに40℃で撹拌して溶解させた。50μlのDMFに
溶解させた5-カルボキシテトラメチルローダミン-スク
シンイミジルエステル(5-TAMRA,SE)25mg(47μmol)を
加え、40℃で一晩撹拌した。得られた反応液をHPLCで分
取し、精製した。目的成分である(TAMRA)-don-(TAMRA)
を溶出した分画から減圧で溶媒を除いた後、残った水溶
液を凍結乾燥し紫色粉末を得た。 分析用HPLC機器及び分析条件: 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光590nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析: 装置:島津製作所レーザーイオン化時間飛行型質量分析
装置(MALDI-IV) マトリックス:DHBA(gentisic acid) [M+1]+:1028 吸収スペクトル(メタノール):543nm(図12) 蛍光スペクトル(メタノール):励起543nm、蛍光578nm IRスペクトル(KBr):図11 (実施例4) FAM-donの合成 1,12-ジアミノドデカン(don)84.5mg(420μmol)をメタ
ノール1.8mlに完全に溶解させた。5-カルボキシフルオ
レッセン-スクシンイミジルエステル(5-FAM,SE)10mg
(20μmol)をDMF400μlに溶解したものを少量ずつ滴下
し、滴下終了後40℃で一晩撹拌した。反応液をHPLCで分
析して、18.0分が目的物質であることを確認し、分取用
HPLCにて分取・精製をした。目的成分、(FAM)-donを溶出
した分画から減圧で溶媒を除いた後、残った水溶液を凍
結乾燥して橙色粉末を得た(7.6mg)。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発
光520nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 保持時間:FAM-don 18.5分 分取用HPLC機器及び分取条件: 装置:東ソー製 検出:紫外可視検出器 UV-8020 495nm カラム:AsahipackODP-90 21F 21.4mmx300mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)45%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)55%から水(10mM酢酸アンモ
ニウム)5%/メタノール(10mM酢酸アンモニ ウム)メ
タノール(10mM酢酸アンモニウム)95%のグラジエント 流速:5ml/min 質量分析: マトリックス:DHBA(gentisic acid) [M+1]+:559 吸収スペクトル(メタノール):499nm(図17) 蛍光スペクトル(メタノール):励起499nm、蛍光525nm IRスペクトル(KBr):図13 (実施例5)(FAM)-don-(TAMRA)-CDロタキサンの合成 得られた(FAM)-don7.6mg(13.6μmol)をα-シクロデキス
トリン(α-CD)飽和DMSO溶液1.4mlに溶解させ、40℃で2
日間撹拌し、CDに包接させた。5-カルボキシテトラメチ
ルローダミン-スクシンイミジルエステル(5-TAMRA,SE)1
0mg(18.9μmol)をDMF400μlに溶解させたものを加え、
更に一日撹拌した。反応液をHPLCで分析して、6.4分が
目的物質と未反応のTAMRAであることが確認できたの
で、分取用HPLCで分取・精製した。目的物質、(FAM)-don
-(TAMRA)-CDロタキサンを溶出した分画を濃縮し、ゲル
濾過カラムを用いて、HPLCにて目的物質と未反応TAMRA
とを分離した。保持時間9.0分が目的物質であることを
確認し、分取用HPLCにて分取精製した。溶出した分画か
ら減圧で溶媒を除き、残った水溶液を凍結乾燥して紫色
粉末を得た。得られた物質の蛍光スペクトルより(図1
6)、ドナー色素(フルオレッセイン)の吸収極大波長
(499nm)で励起すると、アクセプター色素(ローダミ
ン)の蛍光が確認されたことから、分子内蛍光エネルギ
ー移動が起こっていることがわかる。 分析用HPLC機器及び分析条件: 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発
光520nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速: 0.6ml/min 保持時間:(FAM)-don-(TAMRA)-CDロタキサン及びTAMRA
6.4分 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発光580nm カラム:YMC-pack Diol-60 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50% 流速:1.0ml/min 保持時間:(FAM)-don-(TAMRA)-CDロタキサン 9.0分 分取用HPLC機器及び分取条件: 装置:東ソーHPLCシステム 検出:紫外可視検出器 UV-8020 546nm カラム:AsahipackODP-90 21F 21.4mmx300mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)45%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)55%から水(10mM酢酸アンモ
ニウム)5%/メタノール(10mM酢酸アンモニ ウム)95%
のグラジエント 流速:5ml/min 装置:東ソーHPLCシステム 検出:紫外可視検出器 UV-8020 546nm カラム:YMC-Pack Diol-60 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50% 流速:6ml/min 質量分析: マトリックス:DHBA(gentisic acid) [M+1]+:1943 吸収スペクトル(メタノール):499nm、548nm(図1
7) 蛍光スペクトル(メタノール):励起499nm、蛍光573nm
(図16) IRスペクトル(KBr):図14 (実施例6)(FAM)-don-(TAMRA)の合成 得られた(FAM)-donの7.6mg(13.6μmol)をメタノール400
μlに溶解し、5-カルボキシテトラメチルローダミン-
スクシンイミジルエステル(5-TAMRA,SE)を10mg(18.9μm
ol)をDMSO400μlに溶解させたものを加え、40℃で1日
撹拌した。反応液をHPLCで分析して、24.5分が目的物質
であることを確認し、分取用HPLCで分取した。目的物質
(FAM)-don-(TAMRA)を溶出した分画から減圧で溶媒を除
き、残った水溶液を凍結乾燥し、紫色粉末を得た。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発
光580nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 保持時間:(FAM)-don-(TAMRA) 24.5分 質量分析: マトリックス:DHBA(gentisic acid) [M+1]+:970 吸収スペクトル(メタノール):500nm、542nm(図1
7) 発光スペクトル(メタノール):励起500nm、発光569nm
(図16) IRスペクトル(KBr):図15 (実施例7)フェネチルアミンのラベル化反応 100pmolの(TAMRA)2-don-CDロタキサンをメタノール20μ
lに溶解し、1Mフェネチルアミンメタノール溶液を25μl
加え、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カル
ボジイミド(EDC)を50μg、ジメチルアミノピリジン500
μgとともに、40℃で1日撹拌した。反応液をHPLCで分
析し、21.5分がロタキサン色素標識フェネチルアミンで
あることを確認した。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光600nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析: マトリックス:DHBA(gentisic acid) [M+1]+:2205 (実施例8)(FAM)-don-(Cy5)-CDロタキサンの合成 (FAM)-don 7.6mg(13.6μmol)をαーシクロデキストリ
ン(α-CD)飽和水溶液400μlに溶解させ、40℃で2日間
撹拌し、CDに包接させた。Cy5-OSu(アマシャム社製)5
mg(6.6μmol)をDMF200μlに溶解させたものを加え、
更に1日撹拌した。反応液をゲル濾過カラムにて、分子
量別に分画した。最初に溶出した成分が(FAM)-don-(Cy
5)-CDロタキサンと(FAM)-don-(Cy5)の混合物であること
から、さらに逆相カラムにてその2成分を分離した。5.3
分、20.6分の2ピークが現れ、5.3分が(FAM)-don-(Cy5)-
CDロタキサン、20.6分が(FAM)-don-(Cy5)であった。5.3
分成分を分画し、凍結乾燥させた。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発
光670nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析:マトリックス DHBA 吸収・蛍光スペクトル測定 50% MeOH中 励起波長 495nm IRスペクトル分析(フィルム法) IR Cards Type 61 Polyethylene 19mm Aperture (3M社
製) 分析結果: HPLC:保持時間 5.3分 TOF-MS:[M+1]+ : 2175 吸収スペクトル:図20 蛍光スペクトル:図21 IRスペクトル:図18 (実施例9)(FAM)-don-(Cy5)の合成 (FAM)-don 7.6mg(13.6μmol)をDMF400μlに溶解さ
せ、40℃で2日間撹拌し、Cy5-OSu(アマシャム社製)5m
g(6.6μmol)をDMF200μlに溶解させたものを加え、更
に1日撹拌した。反応液をゲル濾過カラムにて、分子量
別に分画した。最初に溶出した成分が(FAM)-don-(Cy5)-
CDロタキサンと(FAM)-don-(Cy5)の混合物であることか
ら、さらに逆相カラムにてその2成分を分離した。5.3
分、20.6分の2ピークが現れ、5.3分が(FAM)-don-(Cy5)-
CDロタキサン、20.6分が(FAM)-don-(Cy5)であった。20.
6分成分を分画し、凍結乾燥させた。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発
光670nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析:マトリックス DHBA 吸収・蛍光スペクトル測定 50% MeOH中 励起波長 495nm IRスペクトル分析(フィルム法) IR Cards Type 61 Polyethylene 19mm Aperture (3M社
製) 分析結果: HPLC:保持時間 20.6分 Massスペクトル:[M+1]+ : 1199 吸収スペクトル:図20 蛍光スペクトル:図21 IRスペクトル:図19 (実施例10) Ts-α-CDの合成 窒素雰囲気下、ピリジン500ml、α-CD 62g(66mmol)を
取り、室温で撹拌しながら、pートルエンスルホン酸塩
酸塩39.4g(210mmol)を数回に分けて、そのまま室温で
終夜撹拌後、減圧下で溶媒を留去し、シロップ状の粗反
応生成物を得た。この粗反応生成物にはHPLC分析で4本
のピークが認められ、最初のピークは過剰のpートルエ
ンスルホン酸、最後のピークは未反応のα-CDに対応す
る。この粗反応生成物を分取用HPLCで精製した。主生成
物にあたるピーク3に対応する成分が溶出した分画から
減圧でアセトニトリルを除いた後、残った水溶液を凍結
乾燥してmono-(6-tosyl-6-deoxy)-α-cyclodextrin(Ts
-α-CD)の白色粉末13.8g(収率27%)を得た。 分析用HPLC: 装置:島津製作所 LC-64 検出:示差屈折検出器 RID-64 カラム:Kaseisorb LC-NH2 Super、6mmφ×250mm 溶離液:60%アセトニトリル 流速:1.0ml/min 分取用HPLC: カラム: 40mmφ×1000mm 充填剤:フジ化学(株) NH-DU 3050 溶離液:60%アセトニトリル 流速:30ml/min (実施例11) N3-α-CDの合成 Ts-α-CD 0.34g(0.45mmol)、アジ化ナトリウム0.32g
(4.9mmol)を水10mlに溶解し撹拌しながら80℃に加熱
し4時間撹拌後、原料のTs-α-CDのスポットが消えたこ
とを確認し反応を終了した。溶媒を留去し、アセトン沈
殿によりN3-α-CD0.06g(収率16%)を得た。 TLC分析条件 TLC : MERCK.HPTLC-Fertigplatten NH2 展開溶媒 : 60%アセトニトリル 検出 :ジフェニルアミン/アニリン/リン酸/アセトン
2:2:15:100 Rf値 : 0.49 (実施例12) NH2-α-CDの合成 N3-α-CD 0.50g(0.52mmol)を水20mlに溶解させ、パラ
ジウムカーボン40mgを添加し室温で水素ガス3時間を通
気した。反応液はニンヒドリン発色で陽性になった。触
媒を減圧濾過で除去、濾液を減圧濃縮し、アセトン沈殿
によりNH2-α-CD 0.41g(収率80.8%)を得た。 TLC分析条件 TLC : MERCK.HPTLC-Fertigplatten NH2 展開溶媒 : 60%アセトニトリル 検出 :ジフェニルアミン/アニリン/リン酸/アセトン
2:2:15:100 Rf値 : 0.43 TLC:MERCK. Kieselgel 60 F254 検出:ニンヒドリン発色 質量分析条件 マトリックス:DHBA(Gentisic acid) [M-1+Na]+ : 994 (実施例13)グルタル酸モノt-ブチルエステルの合成 ジクロロメタン70mlにグルタル酸無水物5.0g(44mmo
l)、ジメチルアミノピリジン5.4g(44mmol)を溶解さ
せ、0℃に冷却しながらt-ブチルアルコール3.3g(44mmo
l)を添加した。そのまま室温で一晩撹拌した後、大部
分の塩化メチレンを回収し、水100mlを加えた。水相を
クエン酸で酸性にし酢酸エチルで抽出した。有機相を飽
和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒
を留去してt-ブチルエステル3.3gを得た。(収率:40
%) (実施例14)モノ-t-ブチルグルタル酸スクシンイミジ
ルカーボネートの合成 グルタル酸モノt-ブチルエステル3.2g(17mmol)、N-ヒ
ドロキシコハク酸2.9g(25mmol)、ジメチルアミノピリ
ジン0.2g(1.7mmol)、NーエチルーNユー(N,Nージメチ
ルー3ーアミノプロピル)ーカルボジイミド塩酸塩4.9g
(26mmol)をジクロロメタン80mlに溶解させ室温で一晩
撹拌した。通常の後処理を行い目的物白色結晶2.2gを得
た。(収率:46%) (実施例15)αシクロデキストリングルタルアミド(C
Dcooh)の合成 DMF40mlに溶解したNH2-α-CD 2.17g(2mmol)にグルタ
ル酸t-ブチル-スクシンイミジルエステル0.68g(2.4mmo
l)を加え、室温で2日間撹拌した。反応液をそのまま60
%アセトニトリルを溶出液としたアミノプロピル化シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーによる精製し、目的物
0.31gを得た。これを1N塩酸5mlに溶解し、室温で一晩撹
拌した後、凍結乾燥にて目的物105mgを得た。(収率:1
1.3%) 分取条件: カラム: 40mmφ×1000mm 充填剤:フジ化学(株) NH-DU 3050 溶離液:60%アセトニトリル (実施例16)(FAM)-don-(TAMRA)-CDcoohロタキサンの
合成 (FAM)-don 7.8mg(13.6μmol)とCDcooh 0.15g(70μmo
l)をpH9.0リン酸緩衝液 1.2ml中、室温で一晩撹拌し
た。5-TAMRA,SE 5mg(6.6μmol)をDMF200μlに溶解さ
せたものを加え、更に1日撹拌した。反応液をゲル濾過
カラムにて、分子量別に分画した。最初に溶出した成分
が(FAM)-don-(TAMRA)-CDcoohロタキサンであることがMa
ssスペクトル分析からも確認できた。溶出した成分の溶
媒を留去し、乾燥させて赤色粉末を得た。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 495nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起495nm、発
光580nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析:マトリックス DHBA IRスペクトル分析(フィルム法):IR Cards Type 61 P
olyethylene 19mm Aperture (3M社製) 分析結果: HPLC:保持時間 5.3分 Massスペクトル:[M+1]+ : 2059 IRスペクトル:図22 (実施例17)フェネチルアミンのラベル化 (FAM)-don-(TAMRA)-CDcoohロタキサン 3.0nmolをDMF 90
μlに溶解させ、10mMフェネチルアミン DMF溶液 6μl
(30nmol:色素の10倍量)、10mMジシクロヘキシルカル
ボジイミド DMF溶液 6μlを加え、暗所にて40℃で2日間
撹拌させた。HPLCより、39.3分に新たなピークが出現
し、マススペクトルよりロタキサン標識されたフェネチ
ルアミンであることが確認された。 分析用HPLC機器及び分析条件: 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7424 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起 495nm 発
光 580nm カラム:Asahipak ODP-50 4E 4.6mm×250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)20%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)80%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%グラジエント 流速:0.6m.l/min 質量分析:マトリックス DHBA 分析結果: HPLC:保持時間 39.3分 TOF-MS:[M]+:2062 (実施例18)各色素のおける蛍光寿命測定 ドナーとして用いているFAM単独の蛍光寿命は9.4nsであ
り、エネルギー移動が関与しない場合の寿命である。こ
れをアクセプター色素が存在する系では、B-1、B-2では
FAMの蛍光寿命が約0.3ns、C-1、C-2では約0.2nsとな
り、いずれも95%以上の効率でエネルギー移動が起きて
いることがわかる。このことは、アクセプター色素の立
ち上がり(表中で(r)を記したもの)があることから
も確認できる。アクセプター色素の成分が2成分なの
は、エネルギー移動により励起されるための立ち上がり
成分と、アクセプター色素自体の蛍光寿命成分があるた
めである。
【0062】A-1とA-2、B-1とB-2、C-1とC-2を比較して
も、ロタキサン化することによるアクセプター色素消光
等の問題は全くみられない。よってロタキサン化するこ
とにより、蛍光発光に問題を及ぼすことなく、水溶性が
高く、マルチカラーか可能な色素を得ることが可能とな
る。 (実施例19)TAMRA-donの合成 1,12-ジアミノドデカン(don)84.5mg(420μmol)をメ
タノール1.8mlに完全に溶解させた。5-カルボキシテト
ラメチルローダミン−スクシンイミジルエステル(5-TA
MRA,SE)10mg(20μmol)をDMF400μlに溶解させたもの
を少量ずつ滴下し、滴下後40℃で一晩撹拌した。反応液
をHPLCで分析して、23.3分が目的物質であることを確認
し、分取用HPLCにて分取・精製をした。目的成分、TAMR
A-donを溶出した分画から減圧で溶媒を除いた後、残っ
た水溶液を凍結乾燥で乾燥して赤色粉末8.4mg(収率 60
%)を得た。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光630nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50%からメタノール(10mM酢
酸アンモニウム)100%のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析条件 試料:10μM 50% メタノール溶液を調整 マトリックス: DHBA 分析結果: HPLC:保持時間 23.3分 TOF-MS:[M+1]+ : 613 (実施例20)TAMRA-don-CD-MLの合成 0.05M αCD水溶液 0.6ml、0.05M αCD DMF溶液 2.4mlの
混合溶液に、上記方法で得られたTAMRA-don 10.9mg(1
7.8μmol)を溶解させ、暗所にて室温で2日間撹拌させ
て、TAMRA-donをCDに包接させる。包接後、DMF 200μl
にGMBS(同仁化学社製)50mg(178μmol)を溶解させた
ものを加えて、更に室温で1日間撹拌する。HPLCにより
低分子の未反応物を除去し、凍結乾燥にて乾燥させた。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光630nm カラム:YMC-Pack Diol-60 溶離液:水(10mM酢酸アンモニウム)50%/メタノール
(10mM酢酸アンモニウム)50% 流速:1.0ml/min 分離結果: 保持時間:13.8分 (実施例21)TAMRA-don-CD-MLによるGSHのラベル化 SH化合物として、低分子ペプチドである還元性グルタチ
オン(GSH)を選択し、標識化反応を行った(GSH:Glu-
Cys-Gly) GSH 50nmolをpH 7.5リン酸緩衝液 25μlに溶解させ、TA
MRA-don-CD-ML 100nmolを20%アセトニトリル 100μlに
溶解させたものを上記溶液に加えた。暗所にて、室温で
一晩撹拌した。HPLC分析より、5.7分に新たなピークが
現れ、その成分についてMassスペクトル分析すると、色
素標識化されたGSHであることが確認された。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光630nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:40%アセトニトリル(0.1%TFA)から80%アセ
トニトリル(0.1%TFA)のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析条件 試料:10μM 50%アセトニトリル溶液を調整 マトリックス: CHCA 分析結果: HPLC:保持時間 5.7分 TOF-MS:[M]+ : 2059 (実施例22)生理活性ペプチド(Gly-Cys-Glu-Tyr-Ty
r-Lys-Lys)のラベル化 ペプチド 150nmolをpH 7.5リン酸緩衝液 25μlに溶解さ
せ、TAMRA-don-CD-ML75μmolを20%アセトニトリル 125
μlに溶解させたものを上記溶液に加えた。暗所にて、
室温で一晩撹拌した。HPLC分析より、6.6分に新たなピ
ークが現れ、その成分についてMassスペクトル分析する
と、色素標識化されたペプチドであることが確認され
た。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光630nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:20%アセトニトリル(0.1%TFA)から80%アセ
トニトリル(0.1%TFA)のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析条件 試料:10μM 50%アセトニトリル溶液を調整 マトリックス: CHCA 分析結果: HPLC:保持時間 6.6分 TOF-MS:[M+Matrix]+ : 2830 (実施例23)生理活性ペプチド(Gly-Cys-Asp-Arg-Va
l-Tyr-Ile-His-Pro-Phe(C-Ang))のラベル化 ペプチド 250nmolをpH 7.5リン酸緩衝液25μlに溶解さ
せ、TAMRA-don-CD-ML 125μmolを20%アセトニトリル12
5μlに溶解させたものを上記溶液に加えた。暗所にて、
室温で一晩撹拌した。HPLC分析より、6.0分に新たなピ
ークが現れ、その成分についてMassスペクトル分析する
と、色素標識化されたペプチドであることが確認され
た。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光630nm カラム:AsahipackODP-50 4E 4.6mmx250mm 溶離液:40%アセトニトリル(0.1%TFA)から80%アセ
トニトリル(0.1%TFA)のグラジエント 流速:0.6ml/min 質量分析条件 試料:10μM 50%アセトニトリル溶液を調整 マトリックス: CHCA 分析結果: HPLC:保持時間 6.0分 TOF-MS:[M+Matrix]+ : 3151 (実施例24)BSAのラベル化 高分子蛋白質である牛血清アルブミン(BSA)を標識化
した。BSA1分子に対し色素1分子が結合したものをMas
sスペクトル等で確認した。
【0063】TAMRA-don-CD-ML 50nmolをpH7.5 リン酸緩
衝液 400μl、DMF 50μlの混合溶液に溶解させ、1% BSA
水溶液(pH7.5 リン酸緩衝液+5mM EDTA)99μl(色素の
30倍量)を加え、4℃にて一晩放置した。Sephadex G-25
により高分子量成分と低分子量成分(未結合の色素)を
分離した。分画した高分子量成分についてHPLC分析する
と、7.8分にピークが現れ、その成分についてMassスペ
クトル分析すると色素標識されたBSAの分子量と一致し
た。 分析用HPLC機器及び分析条件 装置:東ソーHPLCシステム 検出:日立製作所 紫外可視検出器 L-7420 546nm 日立製作所 蛍光検出器 L-7480 励起546nm、発
光630nm カラム:TSKgel G3000SWXL 溶離液:50mMリン酸緩衝液+0.3M NaCl 流速:1.0ml/min 質量分析条件 マトリックス:SA(Sinapinic acid) 分析結果: HPLC:保持時間 8.6分 TOF-MS:[M]+ : 67315
【0064】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110>LAboratory of Molecular Biophotonics <120>A Dye having a rotaxane structure, labeling a
gent using the dye, and a method for labeling <160>1 <210>1 <211>10 <212>PRT <213>Artificial Sequence <220> <223>Biologically active peptide <400>1
【0065】
【発明の効果】本発明に係るロタキサン型色素は、シク
ロデキストリン環を貫通する鎖状基の両末端部分に色素
分子を結合したロタキサン構造を有することから、優れ
た水溶性を有し、かつ相違する複数の色素を有すること
が可能なものである。
【0066】さらに、本発明に係るロタキサン型色素
の、色素分子、CD、又は鎖状基に含まれる種々のラベ
ル化反応用結合基により、種々の物質を、水溶液条件下
でラベル化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るロタキサン型色素の2つ
の基本構造((a)と(b))を模式的に示す図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明に係るロタキサン型の
いくつかの構造を示す図である。
【図3】図3は本発明に係るロタキサン型色素の1つの
基本構造を合成する場合の一例を示す図である。
【図4】図4は本発明に係るロタキサン型色素の1つの
CDに反応基を導入する場合の一例を示す図である。
【図5】図5(a)は、本発明に係るロタキサン型色素の
実施例に示す、(TAMRA)-don-(TAMRA)-CDロタキサンの構
造を示す図である。図5(b)は、本発明に係るロタキサ
ン型色素の実施例に示す、(TAMRA)-don-(TAMRA)の構造
を示す図である。
【図6】図6(a)は、本発明に係るロタキサン型色素の
(FAM)-don-(FAM)-CDロタキサンの構造を示す図である。
図6(b)は、本発明に係るロタキサン型色素の(FAM)-don
-(FAM)の構造を示す図である。
【図7】図7(a)は、本発明に係るロタキサン型色素の
実施例に示す、(FAM)-don-(TAMRA)-CDロタキサンの構造
を示す図である。図7(b)は、本発明に係るロタキサン
型色素の実施例に示す、(FAM)-don-(TAMRA)の構造を示
す図である。
【図8】図8(a)は、本発明に係るロタキサン型色素の
実施例に示す、(FAM)-don-(Cy5)-CDロタキサンの構造を
示す図である。図8(b)は、本発明に係るロタキサン型
色素の実施例に示す、(FAM)-don-(Cy5)の構造を示す図
である。
【図9】図9は、本発明に係るロタキサン型色素の実施
例に示す、(FAM)-don-(TAMRA)-CDcoohロタキサンの構造
を示す図である。
【図10】図10は、(TAMRA)-don-(TAMRA)-CDロタキサ
ン、α-CDの赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図11】図11は、(TAMRA)-don-(TAMRA)の赤外線吸
収スペクトルを示す図である。
【図12】図12は、(TAMRA)-don-(TAMRA)-CDロタキサ
ン、(TAMRA)-don-(TAMRA)の吸収スペクトルを示す図で
ある。(濃度1.0×10-6M)
【図13】図13は(FAM)-donの赤外線吸収スペクトル
を示す図である。
【図14】図14は、(FAM)-don-(TAMRA)-CDロタキサ
ン、およびα-CDの赤外線吸収スペクトルを示す図で
ある。
【図15】図15は、(FAM)-don-(TAMRA)の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図16】図16は、励起499nmにおける、(FAM)-don-
(TAMRA)-CDロタキサン、(FAM)-don-(TAMRA)の蛍光スペ
クトルを示す図である(濃度1.0x10-7M)。
【図17】図17は、(FAM)-don-(TAMRA)CD-ロタキサ
ン、(FAM)-don-(TAMRA)、及び(FAM)-don、(TAMRA)-don
のメタノール:水(1:1)中での吸収スペクトルを示
す図である。
【図18】図18は、(FAM)-don-(Cy5)-CDロタキサンの
赤外線吸収スペクトルを示す図である。
【図19】図19は、(FAM)-don-(Cy5)の赤外線吸収ス
ペクトルを示す図である。
【図20】図20は、(FAM)-don-(Cy5)-CDロタキサン、
(FAM)-don-(Cy5)のメタノール:水(1:1)中での吸収
スペクトルを示す図である。(濃度1.0×10-6M)
【図21】図21は、(FAM)-don-(Cy5)-CDロタキサン、
(FAM)-don-(Cy5)のメタノール:水(1:1)中での蛍光
スペクトルを示す図である。
【図22】図22は、(FAM)-don-(TAMRA)-CDcoohロタキ
サンの赤外線吸収スペクトルを示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鎖状基の少なくとも一端に色素が結合
    し、かつ前記鎖状基がシクロデキストリン環を貫通する
    ロタキサン型色素。
  2. 【請求項2】 次式1で表されるロタキサン型色素。 【化1】 (ここで、FL1およびFL2は色素を表し、nは8〜
    12の整数を表し、mは6〜8の整数を表す。XはO
    H、Cl、Br、I、NH2、NCO、NHCO(C
    23CO2Hのいずれか1つを表す)
  3. 【請求項3】 次式2で表されるロタキサン型色素。 【化2】 (ここで、FL3は色素を表し、kは6〜8の整数を表
    し、lは8〜12の整数を表す。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の色
    素が蛍光色素であることを特徴とするロタキサン型色
    素。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずか1項に記載の色素
    を用いることを特徴とするラベル化剤。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のラベル化剤を用いるこ
    とを特徴とするラベル化方法。
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