JP2000017054A - 潜伏性触媒並びに該触媒を配合してなる熱硬化性樹脂組成物及びエポキシ樹脂成形材料並びに半導体装置 - Google Patents

潜伏性触媒並びに該触媒を配合してなる熱硬化性樹脂組成物及びエポキシ樹脂成形材料並びに半導体装置

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JP2000017054A JP10344122A JP34412298A JP2000017054A JP 2000017054 A JP2000017054 A JP 2000017054A JP 10344122 A JP10344122 A JP 10344122A JP 34412298 A JP34412298 A JP 34412298A JP 2000017054 A JP2000017054 A JP 2000017054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】きわめて優れた耐湿信頼性、硬化性、常温にお
ける貯蔵安定性を有する潜伏性触媒とそれを含有する熱
硬化性樹脂組成物、および、該潜伏性触媒を配合してな
る耐湿信頼性、常温保存性、成形性に優れた挿入実装、
表面実装対応の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料並び
にこれを用いた半導体装置を提供する。 【解決手段】一般式(1)で表されるテトラ置換ホスホ
ニウムテトラ置換ボレートのホウ素原子に結合している
置換基に由来するプロトン供与体が水中で示す導電率が
低いものでは、きわめて優れた耐湿信頼性を発現し、こ
れらからなる潜伏性触媒並びに該触媒を配合してなる熱
硬化性樹脂組成物及びエポキシ樹脂成形材料並びに半導
体装置。 【化1】 (但し、式中、R1〜R4は、1価の有機基であり、X1
〜X4の少なくとも1つは少なくとも1つは、プロトン
供与体がプロトンを1個放出してなる基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はきわめて優れた耐湿
信頼性、硬化性、常温における貯蔵安定性を有する潜伏
性触媒とそれを含有する熱硬化性樹脂組成物および該潜
伏性触媒を配合してなる耐湿信頼性、常温保存性、成形
性に優れた挿入実装、表面実装対応の半導体封止用エポ
キシ樹脂成形材料並びにこれを用いた半導体装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂には、取り扱い簡略化の目
的から常温での貯蔵安定性が求められており、これまで
に種々の潜伏性触媒の開発がなされている。潜伏性触媒
とは、適切な温度以上で触媒活性を示すために優れた硬
化性と優れた常温での貯蔵安定性を有する触媒のことで
ある。例えば、特開平8−295721号公報において
は、ホウ素上の置換基を特定の構造としたテトラ置換ホ
スホニウムテトラ置換ボレートが、優れた硬化性と常温
での保存安定性を両立することが開示されている。テト
ラ置換ホスホニウムテトラ置換ボレートは、アニオン部
とカチオン部のイオン結合が解離して触媒活性を示すた
め、結合が解離する温度を変化させることで触媒活性を
示す温度を変えることができる。ホウ素上の置換基を特
定の構造にするとこのイオン結合は適度な強さとなり、
常温では活性を示さず、硬化温度でイオン結合が解離
し、速やかに活性を示す。よって優れた硬化性と優れた
貯蔵安定性、すなわち潜伏性を発現するのである。この
ような潜伏性触媒が重要な役割を担っている分野にI
C、LSIなど半導体の封止用エポキシ樹脂成形材料が
ある。
【0003】従来から用いられている触媒としてはイミ
ダゾール、ジアザビシクロアルケン類、トリアリールホ
スフィンなどがあるが、これらの触媒は、比較的低温で
も作用するため、これらを用いた成形材料は常温保存性
が悪く、そのため常温で保存すると、成形時の流動性の
低下から充填不良が発生したり、ICチップの金ワイヤ
ーが断線し導通不良が発生するなどの問題点が生じる。
このため半導体封止用エポキシ樹脂成形材料(以下封止
材と略す)は、輸送、保存には冷蔵が必須となってい
た。
【0004】さらには近年ICの耐湿信頼性の要求性能
はますます厳しくなりつつある。例えば特開平7−24
2683号公報には、リン原子にフェノキシ基等が結合
した、すなわちP−O−C結合を形成した、テトラ置換
ホスホニウムテトラ置換ボレートが示され、封止材の常
温保存特性を発現する触媒として有効であることが開示
されているが、これらのテトラ置換ホスホニウムテトラ
置換ボレートは、容易に加水分解されリン酸が生成し、
耐湿信頼性が著しく低下するおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、きわめて優
れた耐湿信頼性、硬化性、常温における貯蔵安定性を有
する潜伏性触媒とそれを含有する熱硬化性樹脂組成物、
および、該潜伏性触媒を配合してなる耐湿信頼性、常温
保存性、成形性に優れた挿入実装、表面実装対応の半導
体封止用エポキシ樹脂成形材料並びにこれを用いた半導
体装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、先に本発明者らが
出願した特開平8−295721号公報に記載されたテ
トラ置換ホスホニウムテトラ置換ボレートのホウ素原子
に結合している置換基の構造と、耐湿信頼性について検
討した結果、ホウ素原子に結合している置換基に由来す
るプロトン供与体が水中で示す、ある種の電気的活性が
耐湿信頼性と密接に関係することを見出した。すなわ
ち、後に詳細に述べるプロトン供与体の抽出水の導電率
が低いものでは、きわめて優れた耐湿信頼性を発現する
ことが判明し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち本発明は、以下のものを提供す
る。 (1)一般式(1)で表されるホスホニウムボレートか
らなる潜伏性触媒並びに該触媒 を配合してなる熱硬化性樹脂組成物、
【化1】 (ただし、一般式(1)中のR1、R2、R3及びR4は、
芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価
の脂肪族基であり、かつリン原子とR1、R2、R3及び
4がP−C結合を形成するものであり、それらは互い
に同一であっても異なっていてもよい。X1、X2、X3
およびX4のうちの少なくとも1つは、分子外に放出し
うるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体が
プロトンを1個放出してなる基であり、それ以外は芳香
環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂
肪族基であって、それらは互いに同一であっても異なっ
ていてもよい。このプロトン供与体は、各々のプロトン
供与体1gを純水50gと混合しそれをプレッシャーク
ッカー容器中で125℃、20時間プレッシャークッカ
ー処理して得られる抽出水の導電率の値が1000μS
/cm以下となるものである。)
【0008】(2)一般式(2)で表されるホスホニウ
ムボレートからなる潜伏性触媒並びに該触媒を配合して
なる熱硬化性樹脂組成物、
【化2】 (ただし、一般式(2)中のR5、R6、R7及びR8は、
芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価
の脂肪族基であり、かつリン原子とR5、R6、R7及び
8がP−C結合を形成するものであり、それらは互い
に同一であっても異なっていてもよい。式中Z1は、置
換基Y1およびY2と結合する有機基である。式中Z
2は、置換基Y3およびY4と結合する有機基である。 Y
1およびY2は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを
放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y1および
2がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するも
のである。Y3およびY4は1価のプロトン供与性置換基
がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換
基Y3およびY4がホウ素原子と結合してキレート構造を
形成するものである。 Z1、Z2は互いに同一でも異な
っていてもよく、 Y1、Y2、Y3、Y4は互いに同一で
も異なっていてもよい。さらにホウ素の配位子Y11
2および Y324がプロトンを放出する以前のプロト
ン供与体、 HY112HならびにHY324Hは、
これら各々のプロトン供与体1gを純水50gと混合し
それをプレッシャークッカー容器中で125℃、20時間
プレッシャークッカー処理して得られる抽出水の導電率
の値が1000μS/cm以下となるものである。)
【0009】(3)一般式(3)で表されるホスホニウ
ムボレートからなる潜伏性触媒並びに該触媒を配合して
なる熱硬化性樹脂組成物、
【化3】 (ただし、一般式(3)中のR9、R10、R11及びR12
は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または
1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR9、R10、R
11及びR12がP−C結合を形成するものであり、それら
は互いに同一であっても異なっていてもよい。式中Z3
は、置換基Y5およびY6と結合する有機基である。Y5
およびY6は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを
放出してなる基であり、互いに同一でも異なっていても
よく、同一分子内の置換基Y5およびY6がホウ素原子と
結合してキレート構造を形成するものである。 X5およ
びX6は、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1
個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる
基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基
または1価の脂肪族基であって、それらは互いに同一で
あっても異なっていてもよい。ホウ素の配位子Y53
6がプロトンを放出する以前のプロトン供与体HY53
6H、ならびにX5およびX6が分子外に放出しうるプ
ロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロト
ンを1個放出してなる基である場合のプロトン供与体H
5およびHX6は、これら各々のプロトン供与体1gを
純水50gと混合しそれをプレッシャークッカー容器中
で125℃、20時間プレッシャークッカー処理して得ら
れる抽出水の導電率の値が1000μS/cm以下となるもので
ある。)
【0010】(4)リン原子に4つの基が結合している
1価のカチオン部と、ホウ素原子に4つの基が結合して
いる1価のアニオン部からなるホスホニウムボレートを
繰り返し単位として、ホウ素原子に結合する4個の基の
うち少なくとも1個を介してこの繰り返し単位が2個以
上連なった構造をもつ潜伏性触媒(以下このタイプの潜
伏性触媒を分子間反応型潜伏性触媒と略記することがあ
る)並びに該触媒を配合してなる熱硬化性樹脂組成物。
(ただし、繰り返し単位を連結する基は1つのプロトン
供与体が2個以上のプロトンを放出してなる基であり、
それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。リ
ン原子に結合する基は、芳香環もしくは複素環を有する
1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原
子と各基がP−C結合を形成するものであり、それらは
互いに同一であっても異なっていてもよい。ホウ素原子
に結合する基のうち、繰り返し単位の連結に関与しない
ものは、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個
有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる
基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の有機
基、または1価の脂肪族基であって、それらは互いに同
一であっても異なっていてもよい。ホウ素原子に結合す
る基に由来するプロトン供与体は、各々のプロトン供与
体1gを純水50gと混合しそれをプレッシャークッカ
ー容器中で125℃、20時間プレッシャークッカー処理
して得られる抽出水の導電率の値が1000μS/cm以下とな
るものである。)
【0011】(5)(A)エポキシ樹脂、(B)フェノ
ール樹脂、(C)(1)〜(4)にて定義された潜伏性
触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種である潜伏
性触媒 (D)無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂のエ
ポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当
量比が0.5〜2であり、無機充填材(D)の配合量が、
全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部
あたり200〜2400重量部であることを特徴とするエポキ
シ樹脂成形材料およびこれを用いた半導体装置。
【0012】
【発明の実施の形態】一般式(1)中のR1、R2
3、R4ならびに一般式(2)中のR5、R6、R7、R8
ならびに一般式(3)中のR9、R10、R11、R12なら
びに前記項目(4)記載の分子間反応型潜伏性触媒のリ
ン原子に結合する基は、芳香環もしくは複素環を有する
1価の有機基または1価の脂肪族基であり、かつリン原
子と各基がP−C結合を形成するものであり、それらは
互いに同一であっても異なっていてもよい。このような
ホスホニウム基としては、テトラフェニルホスホニウム
基、テトラトリルホスホニウム基、テトラエチルフェニ
ルホスホニウム基、テトラメトキシフェニルホスホニウ
ム基、テトラナフチルホスホニウム基、テトラベンジル
ホスホニウム基、エチルトリフェニルホスホニウム基、
n−ブチルトリフェニルホスホニウム基、2−ヒドロキ
シエチルトリフェニルホスホニウム基、トリメチルフェ
ニルホスホニウム基、メチルジエチルフェニルホスホニ
ウム基、メチルジアリルフェニルホスホニウム基、テト
ラ-n-ブチルホスホニウム基などを例示できるが、これ
らに限定されるものではない。
【0013】ホウ素上の基ならびに配位子に由来するプ
ロトン供与体は、各々のプロトン供与体1gを純水50g
と混合し、それをプレッシャークッカー容器中で125
℃、20時間プレッシャークッカー処理して得られる抽
出水の導電率の値が1000μS/cm以下となるものである。
ここでいうホウ素上の基ならびに配位子とは、一般式
(1)中のX1、X2、X3、X4、一般式(3)中の
5、X6、分子間反応型ホスホニウムボレートの繰り返
し単位の連結に関与しない基のうち、プロトン供与体が
プロトンを放出してなる基、一般式(2)中のY11
2、 Y324、一般式(3)中のY536ならびに分
子間反応型潜伏性触媒の繰り返し単位の連結に関与する
基を指す。さらに、ホウ素上の各基ならびに各配位子は
次の様な構造上の特徴を有する。
【0014】一般式(1)中のX1、X2、X3およびX4
のうち、少なくとも1つは、分子外に放出しうるプロト
ンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロトンを1
個放出してなる基であり、それ以外は芳香環若しくは複
素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基であっ
て、それらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。一般式(3)中のX5、X6ならびに分子間反応型潜
伏性触媒の繰り返し単位の連結に関与しない基は、分子
外に放出しうるプロトンを少なくとも1個有するプロト
ン供与体がプロトンを1個放出してなる基、または芳香
環若しくは複素環を有する1価の有機基、または脂肪族
基であって、それらは互いに同一であっても異なってい
てもよい。このような一般式(1)中のX1、X2
3、X4、一般式(3)中のX5、X6ならびに分子間反
応型ホスホニウムボレートの繰り返し単位の連結に関与
しない基に由来するプロトン供与体は、抽出水の導電率
の値が1000μS/cm以下となるものであり、かつ
プロトンを供与できる化合物であれば、限定されるもの
ではないが、カルボン酸類やフェノール系化合物などの
有機酸、イソシアヌル酸、ベンゾトリアゾールのほか、
アルコール類も含まれる。ここで、本発明におけるフェ
ノール系化合物とは芳香環に結合した水素のうち少なく
とも1つが水酸基に置換したものを意味し、ナフタレン
やその他縮合多環芳香族に水酸基が置換しているものも
含まれる。
【0015】カルボン酸類としては、互いに隣接した位
置に2つのカルボキシル基またはカルボキシル基および
フェノール性水酸基が存在しない芳香族カルボン酸類が
好ましく、例として、安息香酸、m-ヒドロキシ安息香
酸、1-ナフトエ酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などが
挙げられる。この場合芳香族カルボン酸類とは、 m-ヒ
ドロキシ安息香酸などのカルボキシル基以外の置換基を
有するものも含まれるが、置換または無置換の安息香
酸、置換または無置換のナフトエ酸が特に好ましい。フ
ェノール系化合物としては、フェノール、ナフトール、
p-フェニルフェノール、レゾルシン、1,6-ジヒドロキシ
ナフタレン、ビスフェノールAなどが例示されるが、置
換または無置換のフェノール、置換または無置換のナフ
トールが特に好ましい。アルコール類としては、例えば
メタノール、ブタノール、2-プロペン-1-オールなどを
挙げることができる。また、同一のホウ素原子に異種の
プロトン供与体、例えばカルボン酸とアルコール類、フ
ェノール化合物とイソシアヌル酸が結合していてもよ
い。
【0016】一般式(2)中のZ1は、置換基Y1および
2と結合する有機基である。 Y1およびY2は1価のプ
ロトン供与性置換基がプロトンを放出してなる基であ
り、同一分子内の置換基Y1およびY2がホウ素原子と結
合してキレート構造を形成するものである。Z2は、置
換基Y3およびY4と結合する有機基である。 Y3および
4は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出して
なる基であり、同一分子内の置換基Y3およびY4がホウ
素原子と結合してキレート構造を形成するものである。
1、Z2は互いに同一でも異なっていてもよく、 Y1
2、Y3、Y4は互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(3)中のZ3は、置換基Y5およびY6と結合す
る有機基である。 Y5およびY6は1価のプロトン供与性
置換基がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内
の置換基Y5およびY6がホウ素原子と結合してキレート
構造を形成するものである。分子間反応型潜伏性触媒の
繰り返し単位を連結する基は、一つのプロトン供与体が
2個以上のプロトンを放出してなる基であり、それらは
互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0017】このような一般式(2)中のY112
324、一般式(3)中の Y536ならびに分子
間反応型潜伏性触媒の繰り返し単位を連結する基に由来
するプロトン供与体の例としては、カルボン酸類やフェ
ノール系化合物などの有機酸のほか多価アルコール類な
ども含まれる。このようなカルボン酸類やフェノール系
化合物としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基
からなる群より選ばれる置換基を2個以上有しかつ互い
に隣接した位置に2つのカルボキシル基またはカルボキ
シル基およびフェノール性水酸基が存在しない芳香族カ
ルボン酸類またはフェノール系化合物が好ましく、例と
して、m-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ-1-ナフト
エ酸、イソフタル酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、カ
テコール、レゾルシン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、
2,2'-ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、2,2'-メチレンビス-4-メチルフェノールなどが挙げ
られるが、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタ
レン、ビスフェノール類、ビフェノール類が中でも特に
好ましい。多価アルコールとしては、1,2-シクロヘキサ
ンジオール、1,2-プロパンジオールなどを例示できる。
また、同一のホウ素原子に異種のプロトン供与体、例え
ばカルボン酸とアルコール類が結合していてもよい。
【0018】前記項目(4)における分子間反応型潜伏
性触媒は、カチオン側のホスホニウム基のリン原子のモ
ル数とアニオン側のボレートのホウ素原子のモル数が等
しい多分子型ホスホニウムボレートである。カチオン側
はホスホニウムであって、その置換基が、芳香環もしく
は複素環を有する1価の有機基または1価の脂肪族基で
あり、かつリン原子と各置換基がP−C結合を形成する
ホスホニウムからなり、そのすべてのホスホニウム基が
アニオン側ホウ素アニオン(ボレート)とイオン対を形
成している。アニオン側は、ホウ素上の4つの基のうち
少なくとも1つは2価以上のプロトン供与体の共役塩基
を介して1個以上の他のホウ素と結合し、アニオン側で
分子間反応した繰り返し単位2個以上の連なった構造を
もつ。繰り返し単位の個数は特に制限はなく、連結に寄
与した2価以上のプロトン供与体の共役塩基は同一でも
異なっていてもよい。繰り返し単位の連結に関与しない
ホウ素上の基は、分子外に放出しうるプロトンを少なく
とも1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出し
てなる基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の
有機基、または1価の脂肪族基であって、それらは互い
に同一であっても異なっていてもよい。繰り返し単位と
は1対のテトラ置換ホスホニウムテトラ置換ボレートを
意味する。
【0019】本発明におけるプレッシャークッカー容器
とは、内側がテフロン製、外側がステンレス製の2重構
造になっている、内容積約70ccの容器であり、プレッシ
ャークッカー処理時に優れた密閉性を示すため内容物の
加圧状態が保持でき、プレッシャークッカー処理時に内
側のテフロン容器から不純物の溶出がほとんどないもの
のことである。本発明に使用する純水の導電率は5μS
/cm以下とする。
【0020】また、本発明における抽出水の導電率とは
125℃、20時間のプレッシャークッカー処理の後、プレ
ッシャークッカー容器の内容物を取り出しそれを遠心分
離して得られる水層の電気伝導度を、導電率メーター
((株)堀場製作所製 ES-14型)にて測定して得られ
る値である。
【0021】本発明における一般式(1)、一般式
(2)、一般式(3)で表される潜伏性触媒及び前記項
目(4)記載の分子間反応型潜伏性触媒からなる潜伏性
触媒は、耐湿信頼性評価時にホウ素上の基ならびに配位
子が水と接触してプロトン供与体を徐々に発生する可能
性がある。そして、このプロトン供与体が、耐湿信頼性
評価時に樹脂封止された電気・電子部品に悪影響を及ぼ
す懸念もあるが、本発明における潜伏性触媒から発生し
得るプロトン供与体、すなわち上記条件にて得られる抽
出水導電率の値が1000μS/cm以下であるプロトン供与体
はそのような悪影響を及ぼすことがなく、本発明におけ
る潜伏性触媒はきわめて優れた耐湿信頼性を有すること
が、本発明者らにより見いだされた。
【0022】このように、抽出水導電率の値が一定値以
下のプロトン供与体が、耐湿信頼性に悪影響を及ぼさな
い理由の詳細は不明だが、抽出水の導電率値は、一般に
プロトン供与体の水への溶解性、pKa、解離したプロト
ン供与体の水中での移動度により決まる値であり、耐湿
信頼性評価時のプロトン供与体の挙動を反映するもので
あり、この値が大きいということは内部の電気・電子部
品に何らかの化学的作用を及ぼしやすいことを意味する
と言うこともできる。本発明者らは、上記条件で得られ
るプロトン供与体の抽出水の導電率と耐湿信頼性の相関
を検討した結果、導電率が1000μS/cm以下であればきわ
めて優れた耐湿信頼性を発現することを見いだし、さら
には良好な耐湿信頼性を発現するプロトン供与体を見い
だすに至った。
【0023】本発明の潜伏性触媒を熱硬化性樹脂に添加
する場合の添加量の合計は、熱硬化性樹脂100重量部に
対して0.4〜20重量部が好ましい。0.4重量部未満だと
少なすぎて十分な触媒作用を発揮できず、20重量部を
超えると流動性が低下するなどの不具合がおこることも
ある。
【0024】本発明の熱硬化性樹脂組成物における熱硬
化性樹脂としては、エポキシ樹脂及びマレイミド樹脂以
外にも、反応性モノマーがシアネート類、イソシアネー
ト類、アクリレート類である樹脂、並びにアルケニル及
びアルキニル樹脂がそれらに含まれるが、本発明におい
て、熱硬化性樹脂という語は、本発明の潜伏性触媒の使
用によって熱硬化が促進されうるすべての樹脂系を意味
するものと解釈されるべきである。中でも最も好ましい
熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂及びマレイミド樹脂である
が、前記種々の熱硬化性樹脂を単一で用いても、複数の
ものを併用しても何ら差し支えない。以下、エポキシ樹
脂、マレイミド樹脂について具体的な例示をする。
【0025】本発明におけるエポキシ樹脂としては、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グ
リシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ
樹脂、ナフトール等とカルボニル化合物の縮合により合
成される樹脂のグリシジルエーテル化合物、スチルベン
型エポキシ樹脂、4,4'-ビス(1,2-エポキシエチル)ジフ
ェニルエーテル、4,4'-ビス(1,2-エポキシエチル)ビフ
ェニル、ジシクロペンタジエンとフェノール類を反応さ
せ得られるフェノール樹脂のグリシジルエーテル化合
物、さらには単核のレゾルシンやカテコールなどのグリ
シジルエーテル化物などをあげることができ、これらは
単独若しくは2種以上の併用も可能である。
【0026】本発明においては、エポキシ基と反応し、
硬化反応を生じることができる任意の硬化剤を必要に応
じて使用することができる。具体的には、有機ジ及びポ
リアミン類としてジエチレントリアミン及びトリエチレ
ンテトラミンのような直鎖脂肪族アミン、N-アミノエチ
ルピペラジン及びビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン
のような脂肪族アミン、m-キシレンジアミン及びジアミ
ノジフェニルメタンのような芳香族アミン、ジシアンジ
アミドやグアニジン類、各種ポリアミドや変成ポリアミ
ンが挙げられる。酸無水物の例としては、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸等
がある。また、フェノール類の例としては、フェノール
類とアルデヒドまたはケトン類の共縮反応物であるフェ
ノール樹脂やビスフェノール類、フェノール類とジメト
キシパラキシレンの共縮反応物であるフェノールアラル
キル樹脂が含まれ、単核のレゾルシン、カテコールなど
も硬化反応を生じるならば使用できるが、「フェノー
ル」の定義が一般に芳香環に結合する水素原子が水酸基
で置換された化合物であることから、ナフトールなどの
縮合多環芳香族由来の水酸基含有化合物とカルボニル化
合物の共縮反応物なども含まれる。
【0027】本発明におけるマレイミド樹脂としては、
例えば、 N,N'-m-フェニレンビスマレイミド、 N,N'-m-
トルイレンビスマレイミド、N,N'-4,4'-ビフェニレンビ
スマレイミド、N,N'-4,4'-[3,3'-ジメチルビフェニレ
ン]ビスマレイミド、 N,N'-4,4'-[3,3'-ジメチルジフ
ェニルメタン]ビスマレイミド、 N,N'-4,4'-ジフェニ
ルメタンビスマレイミド、 N,N'-4,4'-ジフェニルエー
テルビスマレイミド、N,N'-4,4'-ジフェニルスルホンビ
スマレイミド、2,2-ビス-(4-(4-マレイミドフェノキ
シ)フェニル)プロパン、2,2-ビス-(4-(4-マレイミ
ドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,
2-ビス-(4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)ス
ルホンなどのマレイミド類、またはこれらのマレイミド
類をアミン類とマイケル付加により反応させたものやマ
レイミド類の二重結合と不飽和基含有化合物の不飽和結
合を付加反応させたものなどを挙げることができ、単独
もしくは2種以上の併用も可能である。また、これらは
必要に応じてアルケニルフェノールを含有させることが
できる。
【0028】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応
じてアルミナ、溶融シリカ、結晶シリカ、クレー、タル
ク等の無機充填剤やガラスクロス等の各種補強剤、離型
剤、難燃剤、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、界
面活性剤、従来公知の硬化触媒等の添加剤を配合するこ
ともできる。
【0029】本発明のエポキシ樹脂成形材料において、
成分(C)の本発明の潜伏性触媒の他に含まれる成分
(A)のエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキ
シ基を有するモノマー、オリゴマー、およびポリマー全
般を言う。例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型
エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エ
ポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロ
ペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が例示さ
れ、これらは単独でも混合して用いてもよい。これらの
エポキシ樹脂の内では、融点が50〜150℃の結晶性
エポキシ樹脂が好ましい。このような結晶性エポキシ樹
脂は、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベ
ン骨格等の剛直な構造を主鎖に有し、比較的低分子であ
るために、結晶性を示すものである。結晶性エポキシ樹
脂は、常温では結晶化している固体であるが、融点以上
の温度域では急速に融解して低粘度の液状に変化するも
のである。結晶性エポキシ樹脂の融点は、示差走査熱量
計を用いて、常温から昇温速度5℃/分で昇温した時の
結晶融解の吸熱ピークの頂点の温度を示す。
【0030】これらの条件を満たす結晶性エポキシ樹脂
としては、特に、一般式(4)及び一般式(5)から選
ばれる一種以上、又は一般式(6)で表されるスチルベ
ン型エポキシ樹脂と一般式(7)で表されるスチルベン
型エポキシ樹脂との混合物が好ましい。
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】一般式(4)で表されるビフェニル型エポ
キシ樹脂の置換基R13、及び一般式(5)で表されるビ
スフェノール型エポキシ樹脂の置換基R14は、水素原
子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、フェ
ニル基、およびハロゲンの中から選択される基又は原子
であり、互いに同じであっても異なっていてもよく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、塩素原子、臭素原子等が
挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0036】一般式(6)、及び一般式(7)で表され
るスチルベン型エポキシ樹脂の置換基R15〜R26は、水
素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、
およびハロゲンの中から選択される基又は原子であり、
互いに同一であっても異なっていてもよく、例えば、水
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
アミル基、ヘキシル基(各異性体を含む)、シクロヘキ
シル基、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特に、エポ
キシ樹脂の溶融粘度の低さから、メチル基、エチル基、
プロピル基、又はブチル基が好ましい。
【0037】このタイプのエポキシ樹脂は、一般式
(6)のスチルベン型エポキシ樹脂と一般式(7)のス
チルベン型エポキシ樹脂との混合物であり、一般式
(6)のスチルベン型エポキシ樹脂、及び一般式(7)
のスチルベン型エポキシ樹脂には、共に置換基の種類等
により種々の構造のものがあり、一般式(6)及び一般
式(7)の各々のスチルベン型エポキシ樹脂は、一種類
の構造のものでも、二種類以上の構造のものの混合物で
もかまわない。
【0038】一般式(6)のスチルベン型エポキシ樹脂
と一般式(7)のスチルベン型エポキシ樹脂との混合
は、両方の化合物を混合することにより融点が低くなれ
ばよく、混合方法については特に限定しない。例えば、
スチルベン型エポキシ樹脂の原料であるスチルベン型フ
ェノール類をグリシジルエーテル化する前に混合してお
いたり、両方のスチルベン型エポキシ樹脂を溶融混合す
る方法等があるが、いずれの場合においても融点は50
〜150℃となるように調整する。
【0039】一般式(6)のスチルベン型エポキシ樹脂
としては、入手のし易さ、性能、原料価格の点から、5
−ターシャリブチル−4,4’−ジヒドロキシ−2,
3’,5’−トリメチルスチルベン、3−ターシャリブ
チル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリ
メチルスチルベンのグリシジルエーテル化物が特に好ま
しい。
【0040】一般式(7)のスチルベン型エポキシ樹脂
としては、性能、原料価格の点から、4,4’−ジヒド
ロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジターシャリ
ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジターシャリブチル−5,5’
−ジメチルスチルベンのグリシジルエーテル化物が特に
好ましい。
【0041】本発明のエポキシ樹脂成形材料中の成分
(B)に用いられるフェノール樹脂は、1分子中に2個
以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマ
ー、及びポリマー全般を言う。例えば、フェノールノボ
ラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、パラキシリレ
ン変性フェノール樹脂、パラキシリレン・メタキシリレ
ン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等が挙げら
れ、これらは単独又は混合して用いてもよい。これらの
フェノール樹脂は、分子量、軟化点、水酸基当量等に制
限なく使用することができる。これらのフェノール樹脂
のうちでは、分子内の水酸基が少ないために成型品の吸
水率が小さく、分子が適度の屈曲性を有するために硬化
反応における反応性も良く、また低粘度化も可能である
ということから、特にフェノールアラルキル樹脂が好ま
しい。
【0042】本発明のエポキシ樹脂成形材料に用いられ
る全エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフ
ェノール性水酸基の当量比は、0.5〜2で、好ましく
は0.7〜1.5である。0.5〜2の範囲を外れる
と、硬化性、耐湿性等が低下するので好ましくない。
【0043】本発明のエポキシ樹脂成形材料に用いられ
る無機充填材の種類については特に制限はなく、一般に
封止材料に用いられているものを使用することができ
る。例えば、溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉
末、結晶シリカ粉末、2次凝集シリカ粉末、アルミナ、
チタンホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレ
ー、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シリカ粉末
が好ましい。形状は限りなく真球状であることが好まし
く、又、粒子の大きさの異なるものを混合することによ
り充填量を多くすることができる。
【0044】この無機充填材の配合量は、全エポキシ樹
脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部あたり20
0〜2400重量部である。200重量部未満だと、無
機充填材による補強効果が充分に発現しないおそれがあ
り、2400重量部を越えると、樹脂組成物の流動性が
低下し成形時に充填不良等が生じるおそれがあるので好
ましくない。特に、無機充填材の配合量が、全エポキシ
樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部あたり2
50〜1400重量部であれば、樹脂組成物の硬化物の
吸湿率が低くなり、半田クラックの発生を防止すること
ができ、更に溶融時の樹脂組成物の粘度が低くなるた
め、半導体装置内部の金線変形を引き起こすおそれがな
く、より好ましい。又、無機充填材は、予め充分混合し
ておくことが好ましい。
【0045】本発明のエポキシ樹脂成形材料は、(A)
〜(D)成分の他、必要に応じてγ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボン
ブラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチ
モン、リン化合物等の難燃剤、シリコーンオイル、シリ
コーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
でき、また本発明の潜伏性触媒の特性を損なわない範囲
で、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、2−メチルイミダゾー
ル等の他の公知の触媒と併用しても何ら問題はない。
【0046】本発明のエポキシ樹脂成形材料は、(A)
〜(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用い
て常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練し、冷
却後粉砕して得られる。本発明のエポキシ樹脂成形材料
を用いて、半導体等の電子部品を封止し、半導体装置を
製造するには、トランスファーモールド、コンプレッシ
ョンモールド、インジェクションモールド等の成形方法
で硬化成形すればよい。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0048】1.潜伏性触媒並びに該触媒を配合してな
る熱硬化性樹脂組成物に関わる実施例化合物1〜4、お
よび7〜14 実施例、および比較例に触媒(硬化促進剤)として用い
た化合物1〜4、および化合物7〜14の構造を以下に
化学構造式により表す。
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】
【化17】
【0059】
【化18】
【0060】
【化19】
【0061】化合物5および6 化合物5および6は、請求項4に対応する分子間反応型
潜伏性触媒である。すなわちカチオン側のホスホニウム
基のリン原子のモル数とアニオン側のボレートのホウ素
原子のモル数が等しい多分子型ホスホニウムボレートで
ある。
【0062】a)化合物5 カチオン側はテトラフェニルホスホニウム基でそのすべ
てのホスホニウム基がアニオン側ホウ素アニオンとイオ
ン対を形成している。アニオン側は、ホウ素上の4つの
基すべてがイソフタル酸の共役塩基(イソフタレート)
の2個のカルボキシレートの一方で置換され、さらにも
う一方のカルボキシレートを介して他分子のホウ素と結
合した繰り返し構造をもつものである。この場合、ホウ
素原子とイソフタレートは平均してモル比1:2で反応
している構造となる。
【0063】b)化合物6 カチオン側はテトラフェニルホスホニウム基でそのすべ
てのホスホニウム基がアニオン側ホウ素アニオンとイオ
ン対を形成している。アニオン側は、ホウ素上の4つの
基がすべてビスフェノールAの共役塩基の2個のフェノ
キシドの一方で置換され、もう一方のフェノキシドは平
均して2個が他分子のホウ素と結合した繰り返し構造を
もつものである。この場合、ホウ素原子とビスフェノー
ルAは平均してモル比1:3で反応している構造とな
る。
【0064】ホウ素上の基および配位子に由来するプロ
トン供与体の名称と、このプロトン供与体1gを純水50g
と混合しそれをプレッシャークッカー容器中で125℃、2
0時間プレッシャークッカー処理して得られる抽出水の
導電率の値をまとめて表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】化合物13に対応するプロトン供与体は、
分子内に1個のカルボキシル基とその隣接位に1個の水酸
基を有する芳香族カルボン酸であり、化合物14に対応
するプロトン供与体は分子内の互いに隣接する位置に2
個のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸である。
【0067】(1)エポキシ/(マレイミド)/フェノ
ール樹脂硬化系での評価 各種触媒を熱硬化性樹脂組成物中に表2のように配合し
て、以下に示す要領で流動性、硬化性、貯蔵安定性、耐
湿信頼性の評価を行った。
【0068】
【表2】
【0069】以下、具体的な評価方法を述べる。 (i)スパイラルフロー EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の
金型を用い、金型温度175℃、注入圧力70kg/c
m2、硬化時間2分で測定する。スパイラルフローは流
動性のパラメーターであり、値が大きいほど流動性が良
好である。 (ii)硬化トルク キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSR
キュラストメーターPS型)を用い、175℃、90秒
後のトルクを求める。キュラストメーターにおけるトル
クは硬化性のパラメータであり、値の大きい方が硬化性
は良好である。 (iii)スパイラルフロー残存率 試料を25℃にて30日間保存した後スパイラルフロー
を再測定し、試料調製直後の初期スパイラルフローに対
する百分率として下記の式のように表す。このスパイラ
ルフロー残存率が大きい値を示すものほど、保存性は良
好である。 スパイラルフロー残存率(%)=(保存後のスパイラル
フロー値/初期スパイラルフロー値)×100 (iv)耐湿信頼性評価 各種成分を配合、混練して得た樹脂組成物を用いて16ピ
ン・DIPを封止し、それに所定の時間125℃、相対湿度10
0%の水蒸気中で電圧を20V印加した後、断線不良を調べ
た。評価したハ゜ッケ―シ゛のうちの半数に不良が生じるまで
の時間をPCBT不良時間とした。なお評価時間は最長
で500時間とし、その時点で不良数が半数未満であった
ものについては、不良時間を500時間以上と表記した。
この時間が長いほど耐湿信頼性がよい。
【0070】実施例1 オルトクレゾールノボラック型エポキシ(日本化薬
(株)製、EOCN-1020-65)67重量部(以下重量部を部と
略す)、フェノールノボラック樹脂(住友デュレズ
(株)製、PR-51470)33部、触媒として化合物1を4.3
部、更に溶融シリカ300部、カルナバワックス2部を配合
し、90℃で8分間ロール混練して、成形材料を得た。こ
の成形材料のスパイラルフローは70cm、硬化トルクは78
kgf・cmであった。25℃、30日後のスパイラルフロー残
存率は99%であった。また、PCBT不良時間は500時間以
上であった。
【0071】実施例2 ビフェノール型グリシジルエーテルエポキシ(油化シェ
ルエポキシ(株)製、YX-4000H)52部、パラキシレン型
フェノール樹脂(三井東圧化学(株)製、XL-225)を48
部、触媒として化合物2を2.9部、更に溶融シリカを800
部、カルナバワックスを3部配合し、90℃で8分間ロール
混練して、成形材料を得た。この成形材料のスパイラル
フローは90cm、硬化トルクは83kgf・cmであった。25
℃、30日後のスパイラルフロー残存率は93%であった。
また、PCBT不良時間は500時間以上であった。
【0072】実施例3〜11、比較例1および比較例2 表2に示した組成に従って各成分を配合し、実施例1、
実施例2と同様の方法で成形材料の作製、評価を行っ
た。その結果を表2にまとめて示す。ただし実施例5お
よび9では、樹脂成分として、表2に示す組成に従って
EOCN-1020-65、PR-51470の他に、さらに2,2-ビス-(4-
(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン(三菱
油化(株)製ビスマレイミド、MB-8000)を70部配合
し、実施例1と同様の方法で成形材料の作製、評価を行
った。
【0073】実施例1〜11のPCBT不良時間はいずれも
500時間以上であった。一方、比較例1、2のPCBT不良
時間はいずれも、500時間よりずっと短い。このことか
ら、本発明における潜伏性触媒を含有した熱硬化性樹脂
組成物はきわめて優れた耐湿信頼性を示すことが明らか
である。また実施例1〜11、比較例1および2の硬化
トルクならびにフロー残存率から、本発明における潜伏
性触媒は優れた硬化性と常温での貯蔵安定性を示すこと
が明らかである。
【0074】(2)エポキシ/アミン硬化系での評価 実施例12 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
製EP-1001)95部、ジアミノジフェニルメタン
4部、ジシアンジアミド 1部、化合物13.3部を
N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン
1:1混合溶剤100部に溶解し、ワニスを調製した。
このワニスを用いて100μガラスクロスに含浸後、1
50℃、4分乾燥しプリプレグを得た。このプリプレグ
16枚を重ねて、その外側に厚さ35μの銅箔を重ね、
2枚のステンレス板にはさんで170℃、40kg/c
m2で50分プレスして厚さ1.6mmの両面銅張板を
得た。得られた両面銅張板は必要に応じ、エッチングを
施し動的粘弾性測定装置にて5℃/minの昇温速度で
ガラス転移温度を測定した。またプリプレグ保存性の評
価は、プリプレグから樹脂分を落とし、初期ゲルタイム
(GTと略す)を170℃で測定、次に40℃、35%
RH、7日保存後のGTを測定し、下記式で算出した。
ゲルタイム残存率の値が大きいほど保存性がよい。 ゲルタイム残存率(%)=(40℃、35%RH、7日
後GT(秒)/初期GT(秒))×100
【0075】実施例13〜17および比較例3 表3に示した組成に従って各成分を配合し、実施例12
と同様の方法でサンプルの作製、評価を行った。その結
果を表3にまとめて示す。
【0076】
【表3】
【0077】(3)マレイミド系での評価 実施例18 ケイアイ化成製のBMI−80(2,2-ビス-(4-(4
-マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン) 10
0部、化合物1 3.1部をクロロホルム、N,N−ジメ
チルホルムアミド1:1混合溶剤 100部に溶解し、
ワニス作製後すばやく減圧乾燥により溶剤を除去し、固
形分を得た。この固形分の175℃の初期ゲルタイムと
40℃、3日保存後のゲルタイムを測定し、ゲルタイム
残存率を下記式で算出した。ゲルタイム残存率の値が大
きいほど保存性がよい。 ゲルタイム残存率(%)=(40℃、3日後GT(秒)
/初期GT(秒))×100
【0078】実施例19〜23および比較例4 表4に示した組成に従って各成分を配合し、実施例18
と同様の方法でサンプルの作製、評価を行った。その結
果を表4にまとめて示す。
【0079】
【表4】
【0080】2.エポキシ樹脂成形材料並びに半導体装
置に関わる実施例 実施例24 式(8)のビフェニル型エポキシ樹脂を主成分とする樹
脂(エポキシ当量185、融点105℃)51重量部、
式(9)のフェノール樹脂(水酸基当量167、軟化点
73℃)49重量部、化合物1を6.0重量部、溶融球
状シリカ(平均粒径15μm)500重量部、カーボン
ブラック2重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂2重量部、カルナバワックス2重量部を混合し、熱
ロールを用いて、95℃で8分間混練して冷却後粉砕
し、樹脂成形材料を得た。得られた樹脂成形材料を以下
の方法で評価した。結果を表5に示す。
【0081】
【化20】
【0082】
【化21】
【0083】
【表5】
【0084】評価方法 (i)スパイラルフロー:EMMI−I−66に準じた
スパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175
℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定し
た。スパイラルフローは流動性のパラメータであり、数
値が大きい方が流動性が良好である。単位はcm。 (ii)ショアD硬度:金型温度175℃、注入圧力70
kg/cm2、硬化時間2分で成形し、型開き10秒後
に測定したショアD硬度の値を硬化性とする。ショアD
硬度は硬化性の指標であり、数値が大きい方が硬化性が
良好である。 (iii)30℃保存性:30℃で1週間保存した後、ス
パイラルフローを測定し、調製直後のスパイラルフロー
に対する百分率として表す。単位は%。 (iv)耐湿信頼性:金型温度175℃、圧力70kg/
cm2、硬化時間2分で16pDIPを樹脂成形材料で
封止した後、175℃、8時間で後硬化を行った。12
5℃、相対湿度100%の水蒸気中で20Vの電圧を印
可した後、断線不良を調べた。15個のパッケージのう
ちの8個以上に不良が出るまでの時間を不良時間とし
た。単位は時間。なお、測定時間は最長で500時間と
し、その時点で不良パッケージ数が8個未満であったも
のは、不良時間は500時間以上と示した。不良時間が
長いほど、耐湿信頼性に優れる。
【0085】実施例25〜31および比較例5〜7 表5および表6の配合に従い、実施例24と同様にして
樹脂成形材料を調製し評価した。結果を表5および表6
に示す。
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】なお、実施例25に使用した結晶性エポキ
シ樹脂Aは、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン
を主成分とする樹脂60重量%と4,4’−ビス(2,
3−エポキシプロポキシ)−5−ターシャリブチル−
2,3’,5’−トリメチルスチルベンを主成分とする
樹脂40重量%との混合物である(エポキシ当量20
9、融点120℃)。実施例26に使用したオルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂は、エポキシ当量20
0、軟化点65℃(日本化薬(株)・製EOCN−10
20−65)である。実施例26に使用したフェノール
ノボラック樹脂は、水酸基当量104、軟化点105℃
である。
【0089】触媒(硬化促進剤)としてトリフェニルホ
スフィンを用いると、耐湿信頼性における不良時間は良
好なものの、30℃保存性が低下した。(比較例5参
照) 硬化促進剤として、対応するプロトン供与体の抽出水の
導電率が1000μS/cmを越える化合物13及び化
合物14を用いると、耐湿信頼性が低下した。 (比較例6および7参照)
【0090】
【発明の効果】以上の実施例から明白な如く、本発明の
潜伏性触媒並びに該触媒を配合してなる熱硬化性樹脂組
成物は優れた耐湿信頼性、硬化性、常温における貯蔵安
定性を有し、さらに該触媒を用いた半導体封止用エポキ
シ樹脂成形材料は常温保存特性、及び成形性にきわめて
優れ、これを用いた半導体装置は、挿入実装及び表面実
装対応の装置として耐湿信頼性に優れ有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 郷 義幸 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 永田 寛 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 小林 稔 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BH02W CC04X CD02W CD04W CD05W CD06W CD08W CD12W CD13W CE00X DE138 DE148 DJ018 DJ038 DJ048 DL008 EL137 EN047 EN077 ER027 ET007 EU137 EW176 FD018 FD147 FD156 GQ05 4J034 HA01 KB02 KD14 RA07 4J036 AA01 AD07 AD08 AD10 DA10 FA01 FA05 FB06 FB07 GA23 JA07 4J043 PA02 QC07 QC08 RA08 SA06 SB01 TA73 TB01 UA122 UA132 UA152 UB012 UB022 UB062 UB122 UB132 UB302 UB402 ZA11 ZA12 ZA46 ZB50

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるホスホニウムボ
    レートからなる潜伏性触媒。 【化1】 (ただし、一般式(1)中のR1、R2、R3及びR4は、
    芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価
    の脂肪族基であり、かつリン原子とR1、R2、R3及び
    4がP−C結合を形成するものであり、それらは互い
    に同一であっても異なっていてもよい。X1、X2、X3
    およびX4のうちの少なくとも1つは、分子外に放出し
    うるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体が
    プロトンを1個放出してなる基であり、それ以外は芳香
    環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価の脂
    肪族基であって、それらは互いに同一であっても異なっ
    ていてもよい。このプロトン供与体は、各々のプロトン
    供与体1gを純水50gと混合しそれをプレッシャーク
    ッカー容器中で125℃、20時間プレッシャークッカ
    ー処理して得られる抽出水の導電率の値が1000μS
    /cm以下となるものである。)
  2. 【請求項2】 一般式(2)で表されるホスホニウムボ
    レートからなる潜伏性触媒。 【化2】 (ただし、一般式(2)中のR5、R6、R7及びR8は、
    芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価
    の脂肪族基であり、かつリン原子とR5、R6、R7及び
    8がP−C結合を形成するものであり、それらは互い
    に同一であっても異なっていてもよい。式中Z1は、置
    換基Y1およびY2と結合する有機基である。式中Z
    2は、置換基Y3およびY4と結合する有機基である。 Y
    1およびY2は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを
    放出してなる基であり、同一分子内の置換基Y1および
    2がホウ素原子と結合してキレート構造を形成するも
    のである。Y3およびY4は1価のプロトン供与性置換基
    がプロトンを放出してなる基であり、同一分子内の置換
    基Y3およびY4がホウ素原子と結合してキレート構造を
    形成するものである。 Z1、Z2は互いに同一でも異な
    っていてもよく、 Y1、Y2、Y3、Y4は互いに同一で
    も異なっていてもよい。さらにホウ素の配位子Y11
    2および Y324がプロトンを放出する以前のプロト
    ン供与体、 HY112HならびにHY324Hは、
    これら各々のプロトン供与体1gを純水50gと混合し
    それをプレッシャークッカー容器中で125℃、20時間
    プレッシャークッカー処理して得られる抽出水の導電率
    の値が1000μS/cm以下となるものである。)
  3. 【請求項3】 一般式(3)で表されるホスホニウムボ
    レートからなる潜伏性触媒。 【化3】 (ただし、一般式(3)中のR9、R10、R11及びR12
    は、芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または
    1価の脂肪族基であり、かつリン原子とR9、R10、R
    11及びR12がP−C結合を形成するものであり、それら
    は互いに同一であっても異なっていてもよい。式中Z3
    は、置換基Y5およびY6と結合する有機基である。Y5
    およびY6は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを
    放出してなる基であり、互いに同一でも異なっていても
    よく、同一分子内の置換基Y5およびY6がホウ素原子と
    結合してキレート構造を形成するものである。 X5およ
    びX6は、分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1
    個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出してなる
    基、または芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基
    または1価の脂肪族基であって、それらは互いに同一で
    あっても異なっていてもよい。ホウ素の配位子Y53
    6がプロトンを放出する以前のプロトン供与体HY53
    6H、ならびにX5およびX6が分子外に放出しうるプ
    ロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体がプロト
    ンを1個放出してなる基である場合のプロトン供与体H
    5およびHX6は、これら各々のプロトン供与体1gを
    純水50gと混合しそれをプレッシャークッカー容器中
    で125℃、20時間プレッシャークッカー処理して得ら
    れる抽出水の導電率の値が1000μS/cm以下となるもので
    ある。)
  4. 【請求項4】 リン原子に4つの基が結合している1価
    のカチオン部と、ホウ素原子に4つの基が結合している
    1価のアニオン部からなるホスホニウムボレートを繰り
    返し単位として、ホウ素原子に結合する4個の基のうち
    少なくとも1個を介してこの繰り返し単位が2個以上連
    なった構造をもつ潜伏性触媒。(ただし、繰り返し単位
    を連結する基は1つのプロトン供与体が2個以上のプロ
    トンを放出してなる基であり、それらは互いに同一であ
    っても異なっていてもよい。リン原子に結合する基は、
    芳香環もしくは複素環を有する1価の有機基または1価
    の脂肪族基であり、かつリン原子と各基がP−C結合を
    形成するものであり、それらは互いに同一であっても異
    なっていてもよい。ホウ素原子に結合する基のうち、繰
    り返し単位の連結に関与しないものは、分子外に放出し
    うるプロトンを少なくとも1個有するプロトン供与体が
    プロトンを1個放出してなる基、または芳香環もしくは
    複素環を有する1価の有機基、または1価の脂肪族基で
    あって、それらは互いに同一であっても異なっていても
    よい。ホウ素原子に結合する基に由来するプロトン供与
    体は、各々のプロトン供与体1gを純水50gと混合し
    それをプレッシャークッカー容器中で125℃、20時間
    プレッシャークッカー処理して得られる抽出水の導電率
    の値が1000μS/cm以下となるものである。)
  5. 【請求項5】 請求項1の分子外に放出しうるプロトン
    を少なくとも1個有するプロトン供与体が芳香族カルボ
    ン酸類またはフェノール系化合物である、請求項1記載
    の潜伏性触媒。
  6. 【請求項6】 請求項2のHY112HまたはHY3
    24H で表されるプロトン供与体が芳香族カルボン酸
    類またはフェノール系化合物である、請求項2記載の潜
    伏性触媒。
  7. 【請求項7】 請求項3のHX5またはHX6(ただし
    5またはX6が分子外に放出しうるプロトンを少なくと
    も1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出して
    なる基である場合)もしくはHY536Hで表される
    プロトン供与体が芳香族カルボン酸類またはフェノール
    系化合物である、請求項3記載の潜伏性触媒。
  8. 【請求項8】 請求項4における繰り返し単位の連結に
    関与しないプロトン供与体もしくは繰り返し単位の連結
    に関与するプロトン供与体が芳香族カルボン酸類または
    フェノール系化合物である、請求項4記載の潜伏性触
    媒。
  9. 【請求項9】 請求項1の分子外に放出しうるプロトン
    を少なくとも1個有するプロトン供与体がカルボキシル
    基及びフェノール性水酸基からなる群より選ばれる置換
    基を少なくとも1個有しかつ互いに隣接した位置に2つ
    のカルボキシル基またはカルボキシル基およびフェノー
    ル性水酸基が存在しない芳香族カルボン酸類またはフェ
    ノール系化合物である請求項1記載の潜伏性触媒。
  10. 【請求項10】 請求項3のHX5またはHX6(ただし
    5またはX6が分子外に放出しうるプロトンを少なくと
    も1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出して
    なる基である場合)で表されるプロトン供与体がカルボ
    キシル基及びフェノール性水酸基からなる群より選ばれ
    る置換基を少なくとも1個有しかつ互いに隣接した位置
    に2つのカルボキシル基またはカルボキシル基およびフ
    ェノール性水酸基が存在しない芳香族カルボン酸類また
    はフェノール系化合物である請求項3記載の潜伏性触
    媒。
  11. 【請求項11】 請求項4における繰り返し単位の連結
    に関与しないプロトン供与体がカルボキシル基及びフェ
    ノール性水酸基からなる群より選ばれる置換基を少なく
    とも1個有しかつ互いに隣接した位置に2つのカルボキ
    シル基またはカルボキシル基およびフェノール性水酸基
    が存在しない芳香族カルボン酸類またはフェノール系化
    合物である請求項4記載の潜伏性触媒。
  12. 【請求項12】 請求項2のHY112HまたはHY3
    24H で表されるプロトン供与体がカルボキシル基
    及びフェノール性水酸基からなる群より選ばれる置換基
    を2個以上有しかつ互いに隣接した位置に2つのカルボ
    キシル基またはカルボキシル基およびフェノール性水酸
    基が存在しない芳香族カルボン酸類またはフェノール系
    化合物である請求項2記載の潜伏性触媒。
  13. 【請求項13】 請求項3のHY536Hで表される
    プロトン供与体がカルボキシル基及びフェノール性水酸
    基からなる群より選ばれる置換基を2個以上有しかつ互
    いに隣接した位置に2つのカルボキシル基またはカルボ
    キシル基およびフェノール性水酸基が存在しない芳香族
    カルボン酸類またはフェノール系化合物である請求項3
    記載の潜伏性触媒。
  14. 【請求項14】 請求項4の繰り返し単位の連結に関与
    するプロトン供与体がカルボキシル基及びフェノール性
    水酸基からなる群より選ばれる置換基を2個以上有しか
    つ互いに隣接した位置に2つのカルボキシル基またはカ
    ルボキシル基およびフェノール性水酸基が存在しない芳
    香族カルボン酸類またはフェノール系化合物である請求
    項4記載の潜伏性触媒。
  15. 【請求項15】 請求項1の分子外に放出しうるプロト
    ンを少なくとも1個有するプロトン供与体が置換または
    無置換の安息香酸、置換または無置換のナフトエ酸、置
    換または無置換のフェノールならびに置換または無置換
    のナフトールからなる群より選ばれるプロトン供与体で
    ある請求項1記載の潜伏性触媒。
  16. 【請求項16】 請求項3のHX5またはHX6(ただし
    5またはX6が分子外に放出しうるプロトンを少なくと
    も1個有するプロトン供与体がプロトンを1個放出して
    なる基である場合)で表されるプロトン供与体が置換ま
    たは無置換の安息香酸、置換または無置換のナフトエ
    酸、置換または無置換のフェノールならびに置換または
    無置換のナフトールからなる群より選ばれるプロトン供
    与体である請求項3記載の潜伏性触媒。
  17. 【請求項17】 請求項4における繰り返し単位の連結
    に関与しないプロトン供与体が置換または無置換の安息
    香酸、置換または無置換のナフトエ酸、置換または無置
    換のフェノールならびに置換または無置換のナフトール
    からなる群より選ばれるプロトン供与体である請求項4
    記載の潜伏性触媒。
  18. 【請求項18】 請求項2のHY112HまたはHY3
    24H で表されるプロトン供与体がジヒドロキシベ
    ンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノール類、
    又はビフェノール類である請求項2記載の潜伏性触媒。
  19. 【請求項19】 請求項3のHY536Hで表される
    プロトン供与体がジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシ
    ナフタレン、ビスフェノール類、又はビフェノール類で
    ある請求項3記載の潜伏性触媒。
  20. 【請求項20】 請求項4の繰り返し単位の連結に関与
    するプロトン供与体がジヒドロキシベンゼン、ジヒドロ
    キシナフタレン、ビスフェノール類、又はビフェノール
    類である請求項4記載の潜伏性触媒。
  21. 【請求項21】 請求項1、2、3及び4記載の潜伏性
    触媒からなる群より選ばれる潜伏性触媒を合計で0.4〜
    20重量部、熱硬化性樹脂100重量部に対して含有する
    ことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂及びマ
    レイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項21記載の熱硬化性樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノー
    ル樹脂、(C)請求項1〜20のいずれか1項に記載の
    潜伏性触媒および(D)無機充填材を必須成分とし、全
    エポキシ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノ
    ール性水酸基の当量比が0.5〜2であり、無機充填材
    (D)の配合量が、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂
    の合計量100重量部あたり200〜2400重量部であることを
    特徴とするエポキシ樹脂成形材料。
  24. 【請求項24】 エポキシ樹脂(A)が、融点50〜1
    50℃の結晶性エポキシ樹脂である請求項23記載のエ
    ポキシ樹脂成形材料。
  25. 【請求項25】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ
    樹脂が、一般式(4)および一般式(5)のエポキシ樹
    脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項
    24記載のエポキシ樹脂成形材料。 【化4】 (式中、R13は水素、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状
    アルキル基、フェニル基、およびハロゲンの中から選択
    される基または原子であり、互いに同一であっても異な
    っていてもよい。) 【化5】 (式中、R14は水素、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状
    アルキル基、フェニル基、およびハロゲンの中から選択
    される基または原子であり、互いに同一であっても異な
    っていてもよい。)
  26. 【請求項26】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ
    樹脂が、一般式(6)で表されるスチルベン型エポキシ
    樹脂と一般式(7)で表されるスチルベン型エポキシ樹
    脂との混合物である請求項24記載のエポキシ樹脂成形
    材料。 【化6】 (式中、R15〜R22は、それぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、およびハロ
    ゲンの中から選択される基または原子を示す。ただし、
    炭素−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は
    互いに異なる。) 【化7】 (式中、R23〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、およびハロ
    ゲンの中から選択される基または原子を示す。ただし、
    炭素−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は
    互いに同じである。)
  27. 【請求項27】 フェノール樹脂(B)が、フェノール
    アラルキル樹脂である請求項23、24、25又は26
    記載のエポキシ樹脂成形材料。
  28. 【請求項28】 請求項23、24、25、26又は2
    7記載のエポキシ樹脂成形材料を用いて封止したことを
    特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002348356A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2007238781A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Sumitomo Bakelite Co Ltd 液状封止樹脂組成物、及びそれを用いた半導体装置
JP5888230B2 (ja) * 2010-03-10 2016-03-16 味の素株式会社 樹脂組成物

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