JP2000016641A - プリンタのロール紙支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品の互換性を失うことなく内径の異なるロ
ール紙を支持し、且つ、ロール紙の振れを防止する。 【解決手段】 ロール紙２の内周面２ａを少なくとも二
箇所で支える複数の支え部１５，１６を有するロール紙
支持手段１４を支持壁１３に設け、ロール紙２の内径が
異なっても内周面２ａを支え部１５，１６により支える
ようにする。また、ロール紙２の内周面２ａの少なくと
も二箇所を支え部１５，１６で支えることで、ロール紙
２が引き出されるときにおけるロール紙２の振れを抑制
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタのロール
紙支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ラベルプリンタ等において使用
される記録紙は、長尺紙をロール状に巻回したロール紙
を用いている。このようなプリンタにおいて、垂直なプ
レートに一本のロール紙支持軸を立設し、このロール紙
支持軸によりロール紙の内周面を嵌合状態で支持するよ
うにしたロール紙支持装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】最近はロール紙の補給
頻度を少なくする等のために巻径の大きなロール紙が出
回るようになってきている。この巻径の変化により内径
も大きくなる場合がある。しかし、従来のロール紙支持
軸は小さな内径のロール紙に合わせて製作されているの
で、内径の大きなロール紙を装着すると、ロール紙の内
周とロール紙支持軸との間に大きな空間が生じ、ロール
紙支持軸の外周において線接触状態でしかロール紙を支
持することができなくなる。したがって、ロール紙を印
字部側に間欠的に引き出す度に、ロール紙支持軸上でロ
ール紙全体が引き出し方向及びその反対方向に振れてし
まう。この結果、ロール紙を引き出すためのモータにか
かる負荷が増大し、ロール紙の搬送長さが一定しなくな
り、この結果印字品質が悪くなる等の問題がある。

【０００４】このことを避けるために、使用するロール
紙の内径寸法に応じてロール紙支持軸を直径の異なるも
のに交換するようにしたプリンタもあるが、部品の互換
性を失うことになり、生産管理上不利である。

【０００５】本発明は、部品の互換性を失うことなく内
径の異なるロール紙を支持し、且つ、ロール紙の振れを
防止し得るプリンタのロール紙支持装置を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
内径が異なる複数のロール紙のうち選択されたロール紙
の一端に対向する支持壁と、前記ロール紙の内周面を少
なくとも二箇所で支える複数の支え部を有し前記支持壁
に設けられたロール紙支持手段と、前記支持壁と反対側
の前記ロール紙の他端を押えるロール紙押えと、を備え
る。

【０００７】したがって、ロール紙は内径が異なっても
内周面がロール紙支持手段の支え部により支えられる。
また、ロール紙は内周面の少なくとも二箇所が支え部に
より支えられるため、ロール紙が引き出されるときの支
え部上での振れが抑制される。

【０００８】請求項２記載の発明は、内径が異なる複数
のロール紙のうち選択されたロール紙の一端に対向する
支持壁と、前記支持壁から略水平方向に突出して設けら
れ、前記ロール紙の内径部分が遊嵌されるロール紙支持
軸と、前記ロール紙支持軸に形成され、前記ロール紙の
内周面の周方向に沿った二箇所で当接することによりこ
のロール紙を吊り下げ状態に支持する２個の当接部と、
前記支持壁と反対側の前記ロール紙の他端を押えるロー
ル紙押えと、を備える。

【０００９】したがって、内径の異なる各種のロール紙
をロール紙支持軸に遊嵌させたとき、ロール紙の内周面
の周方向に沿った二箇所にロール紙支持軸の２個の当接
部が当接し、ロール紙を吊り下げ状態で支持される。そ
して、２個の当接部がロール紙の内周面の周方向に沿っ
た二箇所に当接してロール紙が支持されることにより、
ロール紙が引き出されるときにこのロール紙がロール紙
支持軸の周りで振れることが抑制される。また、当接部
がロール紙支持軸の外周部に形成されているため、構造
が簡単になる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図１
ないし図３に基づいて説明する。本実施の形態ではラベ
ルプリンタのロール紙支持装置を例として説明するが、
本発明は他のプリンタのロール紙支持装置にも適用でき
るものである。

【００１１】まず、図１にラベルプリンタＰの全体の構
造を示す。図中、１は箱型のプリンタ本体である。この
プリンタ本体１は、ロール紙２を収納するロール紙収納
室３と印字機構室４とに仕切られている。本実施の形態
におけるロール紙２はラベルを発行するためのラベル用
紙であるが、ラベルプリンタ以外のプリンタの場合には
ラベル用紙以外のロール紙を用いる。印字機構室４に
は、ヘッド支持フレーム５とプラテン支持フレーム６と
ロール紙２を巻き取る巻取軸７とが設けられている。プ
ラテン支持フレーム６にはプラテン８が回転自在に設け
られている。ヘッド支持フレーム５には、サーマルヘッ
ド９と、このサーマルヘッド９をプラテン８に対して接
離させるためのベッド回動用アーム１０と、ロール紙２
を検出するセンサ１１とが設けられている。

【００１２】次に、ロール紙収納室３に設けたロール紙
支持装置１２の構成について説明する。ロール紙収納室
３の奥側には支持壁１３が固定的に設けられ、この支持
壁１３にロール紙支持手段１４が設けられている。この
ロール紙支持手段１４は、ロール紙２の内周面２ａをこ
の内周面２ａの周方向に沿った二箇所で支える二つの支
え部１５，１６を有し、これらの支え部１５，１６の離
反距離は、ロール紙２の最小の内径と同等以下に定めら
れている。本実施の形態における支え部１５，１６は、
それぞれ支持壁１３に独立的に立設した軸を用いてい
る。したがって、この例における支え部１５，１６の離
反距離とは、支え部（軸）１５，１６の中心距離をｐ、
支え部１５，１６の外径をＤ、ロール紙２の最小の内径
をｄとすると、ｐ＋Ｄ≦ｄに定められている。さらに、
支持壁１３にはロール紙２を支持壁１３側に押えるロー
ル紙押え１７を着脱自在に支持する支持筒１８が立設さ
れている。

【００１３】次に、ロール紙支持手段１４及びロール紙
押え１７の取付構造を図２に基づいて説明する。ロール
紙支持手段１４の支え部（軸）１５，１６は一端に小径
のねじ１９を有し、これらの支え部１５，１６はねじ１
９を支持壁１３に通した後にこのねじ１９に支持壁１３
の裏側からナット２０を螺合することにより固定されて
いる。支持筒１８は支持壁１３側の一端に底部を有し、
その底部がねじ２１により支持壁１３に固定されてい
る。ロール紙押え１７は弾性を有するワイヤ等をＵ字形
に折曲することにより形成され、両端には脚部２２が折
曲形成されている。これらの脚部２２は支持筒１８の外
周に形成された溝２３の間隔よりも狭い間隔で形成され
ているので、脚部２２を互いに離反する方向に変形させ
て溝２３に係合することによりロール紙押え１７を支持
筒１８に固定することができる。

【００１４】このような構成において、ロール紙２をロ
ール紙収納室３にセットするときは、支持筒１８からロ
ール紙押え１７を外し、ロール紙２の内周面２ａを二本
の支え部１５，１６で支え、支持筒１８にロール紙押え
１７をセットする。この状態でロール紙２は支持壁１３
とロール紙押え１７とにより紙幅方向の動きが阻止され
る。そして、ヘッド回動用アーム１０を操作してプラテ
ン８からサーマルヘッド９を離し、両者の間に引き出し
たロール紙２を通した後にプラテン８上のロール紙２に
サーマルヘッド９を圧接し、ロール紙２の先端を巻取軸
７に止着する。印字動作に伴うロール紙２の引き出しは
巻取軸７を駆動することにより行う。

【００１５】ロール紙２は種類があり、種類によって内
径が異なることについては既に述べたが、支え部１５，
１６の離反距離は、ロール紙２の最小の内径と同等以下
に定められているので、内径の大小に関係なくロール紙
２を支え部１５，１６により支持することができる。す
なわち、図３に示した仮想線の円はロール紙２の最小の
内径である。これで明らかなように、ロール紙２の内周
面を二本の支え部１５，１６により支持することができ
る。最小の内径より大きな内径のロール紙２も同様であ
る。

【００１６】したがって、内径の大きなロール紙２を用
いる場合でも、そのロール紙２の内周面２ａの二箇所を
支え部１５，１６で支えることができるので、ロール紙
２が間欠的に引き出されるときに、支え部１５，１６上
のロール紙２がロール紙２の引き出し方向及びその反対
方向に振れることはない。これにより、巻取軸７を駆動
するモータに余分な負荷がかかることがなく、ロール紙
２を一定の速度で安定して引き出すことができ、ロール
紙２に対する印字品質を向上させることができる。

【００１７】本実施の形態では、ロール紙押え１７を支
持するために支持筒１８を用いているので、使用するロ
ール紙２のなかで、内径が最大のロール紙２を用いたと
きに、図３に実線で示すように、内周面２ａのＡ，Ｂ，
Ｃの三箇所を支持筒１８と支え部１５，１６とで支える
ように支え部１５，１６の離反距離を設定してある。ロ
ール紙収納室３は通常閉塞状態に維持するために、支持
壁１３とは反対側にカバー（図示せず）を備えている
が、このカバーにロール紙押えを設ける場合には支持筒
１８は不要である。

【００１８】なお、支え部１５，１６は独立した軸を用
いているが、これらの支え部１５，１６の支持壁１３と
は反対側の端部を連続した形でロール紙支持手段を形成
してもよい。

【００１９】ついで、本発明の第二の実施の形態を図４
及び図５に基づいて説明する。なお、図１ないし図３に
おいて説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明
も省略する。このラベルプリンタＰのロール紙収納室３
の奥側に設けられた支持壁１３には、ロール紙支持軸２
４が３本のねじ２５により固定され、水平方向に突出し
ている。このロール紙支持軸２４は、上部側の水平面部
２４ａと下部側の円弧面部２４ｂとからなる断面形状略
半月状に形成されており、その外径寸法は、ラベルプリ
ンタＰで使用されるロール紙２のうち最小内径のものが
遊嵌される値に形成されている。

【００２０】ロール紙支持軸２４における水平面部２４
ａと円弧面部２４ｂとの交差部分が２個の当接部２６
ａ，２６ｂとされており、ロール紙支持軸２４にロール
紙２の内径部分を遊嵌させたときにこれらの当接部２６
ａ，２６ｂがロール紙２の内周面２ａにおける周方向に
沿った二箇所に当接する。当接部２６ａ，２６ｂがロー
ル紙２の内周面２ａにおける周方向に沿った二箇所に当
接することにより、ロール紙２は吊り下げ状態で支持さ
れる。

【００２１】ロール紙支持軸２４の円弧面部２４ｂに
は、ロール紙押え１７の脚部２２が係合される溝２７が
形成されている。

【００２２】このような構成において、図５は、実線で
示した内径寸法の大きいロール紙２の内径部分と、仮想
線で示した内径寸法の小さいロール紙２の内径部分とを
ロール紙支持軸２４に遊嵌させた状態を示している。ど
ちらのロール紙２を遊嵌させた場合にも、２個の当接部
２６ａ，２６ｂがロール紙２の内周面２ａの周方向に沿
った二箇所に当接し、これらのロール紙２が吊り下げ状
態で支持される。そして、ロール紙２がその内周面２ａ
を周方向に沿った二箇所で支持されることにより、この
ロール紙２に対してロール状態から引き出す方向に力が
作用したときに、ロール紙２がロール紙支持軸２４の周
りに揺れ動くことが抑制される。

【００２３】したがって、プラテン８を駆動させてロー
ル紙２をロール状態から引き出すときに、ロール紙２が
引き出し方向及びその反対方向に振れることがない。こ
れにより、巻取軸７を駆動するモータに余分な負荷がか
かることがなく、ロール紙２を一定の速度で安定して引
き出すことができ、ロール紙２に対する印字品質を向上
させることができる。

【００２４】また、当接部２６ａ，２６ｂをロール紙支
持軸２４に一体に形成したことにより、構造が簡単にな
るとともに部品点数も増加せず、製造コストが安くな
る。

【００２５】

【発明の効果】請求項１記載の発明は、内径が異なる複
数のロール紙のうち選択されたロール紙の一端に対向す
る支持壁と、ロール紙の内周面を少なくとも二箇所で支
える複数の支え部を有し支持壁に設けられたロール紙支
持手段と、支持壁と反対側のロール紙の他端を押えるロ
ール紙押えとを備えるので、ロール紙の内径が異なって
も内周面をロール紙支持手段の支え部により支えること
ができる。また、ロール紙は内周面の少なくとも二箇所
が支え部により支えられるため、ロール紙が引き出され
るときにこのロール紙が振れることがなく、これによ
り、ロール紙を引き出すためのモータに余分な負荷がか
かることがなく、ロール紙を一定の速度で安定して引き
出すことができ、ロール紙に対する印字品質を向上させ
ることができる。

【００２６】請求項２記載の発明は、内径が異なる複数
のロール紙のうち選択されたロール紙の一端に対向する
支持壁と、支持壁から略水平方向に突出して設けられて
ロール紙の内径部分が遊嵌されるロール紙支持軸と、ロ
ール紙支持軸に形成されてロール紙の内周面の周方向に
沿った二箇所で当接することによりこのロール紙を吊り
下げ状態に支持する２個の当接部と、支持壁と反対側の
ロール紙の他端を押えるロール紙押えとを備えるので、
内径の異なる各種のロール紙をロール紙支持軸に遊嵌さ
せたとき、ロール紙の内周面の周方向に沿った二箇所に
ロール紙支持軸の２個の当接部が当接し、ロール紙を吊
り下げ状態で支持することができる。そして、２個の当
接部がロール紙の内周面の周方向に沿った二箇所に当接
してロール紙を支持することにより、ロール紙が引き出
されるときにこのロール紙がロール紙支持軸の周りで振
れることがなく、ロール紙を一定の速度で安定して引き
出すことができ、ロール紙２に対する印字品質を向上さ
せることができる。さらに、当接部がロール紙支持軸の
外周部に形成されているため、簡単な構造とすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施の形態におけるラベルプリ
ンタの全体の構造を示す正面図である。

【図２】ロール紙支持手段及びロール紙押えの取付構造
を示す分解斜視図である。

【図３】内径が異なるロール紙を支え部により支える状
態を正面から見て示す説明図である。

【図４】本発明の第二の実施の形態のラベルプリンタに
おけるロール紙支持軸及びロール紙押えの取付構造を示
す分解斜視図である。

【図５】内径が異なるロール紙を当接部により支える状
態を正面から見て示す説明図である。

【符号の説明】

２ ロール紙 ２ａ 内周面 １３ 支持壁 １４ ロール紙支持手段 １５，１６ 支え部 １７ ロール紙押え ２４ ロール紙支持軸 ２６ａ，２６ｂ 当接部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内径が異なる複数のロール紙のうち選択
   されたロール紙の一端に対向する支持壁と、 前記ロール紙の内周面を少なくとも二箇所で支える複数
   の支え部を有し前記支持壁に設けられたロール紙支持手
   段と、 前記支持壁と反対側の前記ロール紙の他端を押えるロー
   ル紙押えと、を備えるプリンタのロール紙支持装置。
2. 【請求項２】 内径が異なる複数のロール紙のうち選択
   されたロール紙の一端に対向する支持壁と、 前記支持壁から略水平方向に突出して設けられ、前記ロ
   ール紙の内径部分が遊嵌されるロール紙支持軸と、 前記ロール紙支持軸に形成され、前記ロール紙の内周面
   の周方向に沿った二箇所で当接することによりこのロー
   ル紙を吊り下げ状態に支持する２個の当接部と、 前記支持壁と反対側の前記ロール紙の他端を押えるロー
   ル紙押えと、を備えるプリンタのロール紙支持装置。