JP2000012194A - セラミックヒータの製造方法 - Google Patents

セラミックヒータの製造方法

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JP2000012194A
JP2000012194A JP10182882A JP18288298A JP2000012194A JP 2000012194 A JP2000012194 A JP 2000012194A JP 10182882 A JP10182882 A JP 10182882A JP 18288298 A JP18288298 A JP 18288298A JP 2000012194 A JP2000012194 A JP 2000012194A
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electrode layer
temperature
heater electrode
heat treatment
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Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータ電極層の抵抗値の基板内ばらつきが小
さくて、半導体ウェハを均一に加熱できるセラミックヒ
ータを提供すること。 【解決手段】 一炭化一タングステン粒子を含む導電性
ペーストP1 を用いて、窒化アルミニウム製のグリーン
シートにヒータ電極層5を形成する。次いで、グリーン
シートの熱処理工程を行う。この工程では、不活性ガス
雰囲気下にて一炭化二タングステンの生成温度よりも低
い温度域でグリーンシートを加熱する。その後、グリー
ンシートを完全に焼結させる本焼成工程を行い、セラミ
ックヒータ1を完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電チャック等に
用いられるセラミックヒータの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおいては、シリコ
ン等からなる半導体ウェハを固定した状態でエッチング
やスパッタリング等の工程が行われる。そして、かかる
場合にはチャック装置と呼ばれる固定手段が用いられ
る。チャック装置の例としては、従来より、半導体ウェ
ハを把持具で機械的に把持するものや、半導体ウェハを
真空引きにより吸着するものが知られている。しかしな
がら、機械式チャックには半導体ウェハにおいて把持具
が当接している箇所に傷が付きやすいという欠点があ
り、真空チャックには真空環境下での使用に適さないと
いう欠点がある。このため、近年では静電気の力を利用
して半導体ウェハを吸着することにより、上記の欠点を
解消せんとした静電チャックが提案されるに至ってい
る。
【0003】静電チャックを構成する基板の材料として
は、以前まではポリイミド等の樹脂が用いられていた。
しかしながら、近年では耐熱性の向上のためにアルミナ
等のセラミックス焼結体が用いられるようになってきて
いる。
【0004】セラミックス焼結体のなかでも、例えば窒
化アルミニウム焼結体を選択すれば、耐熱性のさらなる
向上ばかりでなく、熱伝導性や耐プラズマ性に優れた静
電チャックが実現可能であるとして大きな期待が寄せら
れている。ここで、窒化アルミニウム製の静電チャック
を製造する際の手順を簡単に説明する。
【0005】まず、窒化アルミニウム粒子を含むスラリ
ーを調製するとともに、そのスラリーを用いてグリーン
シートをシート成形する。得られたグリーンシートに必
要に応じてスルーホール形成用孔を透設した後、タング
ステン(W)粒子を含む導電性ペーストを印刷・充填す
る。その結果、グリーンシートにはヒータ電極層及びス
ルーホール内導体層が形成される。印刷・充填工程を経
た複数枚のグリーンシートを積層して一体化した後、そ
のグリーンシート積層体を700℃以下の温度で所定時
間加熱処理して脱脂する。次に、脱脂工程を経たグリー
ンシート積層体を、窒素等の不活性ガス雰囲気下にて1
400℃〜1600℃まで加熱することにより仮焼成を
行う。その後、仮焼成されたグリーンシート積層体を1
700℃以上の温度でホットプレスにより本焼成して完
全に焼結させる。この後、外形加工、面出し、コーティ
ング、ピンのろう付け等の諸工程を経て、所望の静電チ
ャックが完成するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、タングステ
ン(W)にはいくつかの炭化物(WC:一炭化一タング
ステン,W2 C:一炭化二タングステン等)が存在し、
一般にこれらの化合物はタングステン単体に比べて比抵
抗の値が大きいことが知られている。即ち、Wの比抵抗
は6×10-6Ωcmであるのに対し、WCの比抵抗は1
9×10-6Ωcm、W2 Cの比抵抗は53×10-6Ωc
mだからである。
【0007】しかし、グリーンシート積層体が仮焼成時
に1400℃〜1600℃という温度に遭遇すると、シ
ート内にてバインダ等として含まれる炭素分や仮焼雰囲
気中の二酸化炭素などに導電性ペースト中のWが反応
し、W2 Cの生成につながってしまう。そして、このよ
うな炭化反応に起因するW2 Cの生成は、ヒータ電極層
の抵抗値の増大をもたらす。しかも、前述した炭化反応
の進行度合いは、一般的に基板の外周領域と中心領域と
で異なる。そして、このようなグリーンシートにおける
不均一な炭化反応は、ヒータ電極層の抵抗値の基板内ば
らつきをもたらす要因となる。
【0008】さらに、グリーンシート積層体の本焼成時
においては、窒化アルミニウムの焼結に伴って酸化反応
(別の言い方をすると脱炭素反応)が起こる。すると、
酸素との反応によってW2 C中の炭素分が一酸化炭素
(CO)ガスと化して、いったん炭化したW中における
炭素原子の割合が低下するような変化が起こる。ただ
し、このような酸化反応の進行度合いも基板の外周領域
と中心領域とで異なるため、これがヒータ電極層の抵抗
値の基板内ばらつきをいっそう助長させる要因になりう
る。
【0009】そのため、窒化アルミニウム製の焼結体か
らなる基板にヒータ電極層を形成した静電チャックを製
造した場合、ヒータ電極層に通電したとしても、正確に
温度制御することは難しいものと予想されていた。従っ
て、窒化アルミニウムという優れた材料を用いているに
もかかわらず、半導体ウェハを均一に加熱することがで
きず、高品質の半導体の製造が期待できないと考えられ
ていた。
【0010】本発明は上記の課題を解決するためなされ
たものであり、その第1の目的は、ヒータ電極層の抵抗
値の基板内ばらつきが小さくて、半導体ウェハを均一に
加熱することができるセラミックヒータを製造する方法
を提供することにある。
【0011】本発明の第2の目的は、さらにヒータ電極
層の抵抗値が小さいセラミックヒータを製造する方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、窒化アルミニウム製
の焼結体からなる基板にヒータ電極層が形成されたセラ
ミックヒータを製造する方法において、一炭化一タング
ステン粒子を含む導電性ペーストを用いて、窒化アルミ
ニウム製のグリーンシートに前記ヒータ電極層を形成
し、次いで前記グリーンシートを非酸化性雰囲気下にて
本焼成時よりも低い温度域で加熱する熱処理工程を行っ
た後、前記グリーンシートを完全に焼結させる本焼成工
程を行うことを特徴とするセラミックヒータの製造方法
をその要旨とする。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記熱処理工程は、一炭化二タングステンが生成す
る温度よりも低い温度域で行われることとした。請求項
3に記載の発明は、請求項1において、前記熱処理工程
は、250℃〜1220℃の範囲内で行われることとし
た。
【0014】以下、本発明の「作用」を説明する。ま
ず、請求項1に記載の発明の作用について説明する。こ
の発明では、いくつかあるタングステン炭化物のなかで
最も比抵抗の小さい一炭化一タングステン(WC)粒子
を含む導電性ペーストをあらかじめ用いて、グリーンシ
ートにヒータ電極層を形成している。このような導電性
ペーストを用いて熱処理工程を行えば、粒子中に炭素分
を全く含まない従来の導電性ペーストに比較して、グリ
ーンシートにおける不均一な炭化反応が起こりにくい。
この後、グリーンシートは非酸化性雰囲気下にて本焼成
時よりも低い温度域で加熱され、シート中に含まれる有
機物が分解・除去される。その結果、本焼成を行うのに
適した状態のグリーンシートが得られ、これを本焼成す
ることによりヒータ電極層の抵抗値の基板内ばらつきが
小さい窒化アルミニウム製の焼結体を得ることができ
る。そして、このようにして製造されたセラミックヒー
タによれば、ヒータ電極層への通電によりセラミックヒ
ータの表面における温度制御を正確に行うことができる
ようになる。従って、半導体ウェハを均一に加熱するこ
とが可能となり、高品質の半導体の製造にとって好適な
ものとなる。また、本発明の製造方法によれば、仮焼成
時における不活性ガスの供給量を大幅に減らすことがで
き、経済的である。
【0015】また、本発明のセラミックヒータは窒化ア
ルミニウム製の基板からなるものであるため、格段に耐
熱性に優れかつ、耐久性や耐プラズマ性にも優れてい
る。さらに、窒化アルミニウム製の基板は熱伝導率が大
きくて均熱性にも優れるため、高品質の半導体の製造に
適している。しかも、窒化アルミニウムは熱膨張係数が
小さいことからパーティクルを発生させにくく、半導体
の製造時に汚染を引き起こす心配もない。
【0016】請求項2に記載の発明によると、ヒータ電
極層が形成されたグリーンシートの熱処理工程を、一炭
化二タングステン(W2 C)の生成温度よりも低い温度
域で行うことで、WCがそれよりも比抵抗の大きなW2
Cに変化することが防止される。よって、ヒータ電極層
の抵抗値の基板内ばらつきが小さくなるばかりでなく、
さらにその抵抗値自体を小さく維持することができる。
【0017】次に請求項3に記載の発明の作用について
説明する。図2のグラフは、各種タングステン炭化物ご
とのC−W特性を示している。このグラフによれば、約
1220℃を超える温度域になると、急激に炭化反応が
進行する結果、W2 Cが安定的に生成されるようになる
ことがわかる。その点、請求項3に記載の発明では、熱
処理工程を250℃〜1220℃という好適な温度範囲
内で行っている。
【0018】従って、請求項1,2に記載の発明の作用
に加え、導電性ペースト中におけるW2 Cの生成を回避
しつつ、確実にグリーンシートの脱脂またはネック焼結
(さらにはその両方)を達成することができる。その結
果、グリーンシート仮焼体に好適なハンドリング性が付
与される。また、1220℃以下の温度であれば、熱処
理工程に要するトータル時間も比較的短くて済むため、
従来に比べて生産性の向上を図ることも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態の静電チャック1及びその製造方法を図1〜図6に
基づき詳細に説明する。
【0020】図1には、本実施形態の静電チャック1が
示されている。この静電チャック1を構成している多層
基板2は、円盤状をした窒化アルミニウム製の焼結体か
らなる。多層基板2の内層には、第1のチャック電極層
3、第2のチャック電極層4及びヒータ電極層5が形成
されている。第1のチャック電極層3は、多層基板2に
おいて最もチャック側面S1 (図1においては上側面)
に位置している。第2のチャック電極層4は第1のチャ
ック電極層3の下層に位置し、ヒータ電極層5はさらに
その下層に位置している。
【0021】第1のチャック電極層3は、櫛歯状に形成
された正極部3aと、同じく櫛歯状に形成された負極部
3bとからなる。正極部3aと負極部3bとは交互に配
置されている。第2のチャック電極層4も、同様に櫛歯
状に形成された正極部4a及び負極部4bとからなる。
正極部4aと負極部4bとは交互に配置されている。な
お、正極部3a,4a同士、負極部3b,4b同士は、
多層基板2の厚さ方向に重なり合った状態で配置されて
いる。このようなチャック電極層3,4には、図示しな
い直流電源から図示しない配線を介して直流電流が通電
される。その結果生じる静電チャック力により、静電チ
ャック1のチャック側面S1 に半導体ウェハとしてのシ
リコンウェハW1 が吸着されるようになっている。
【0022】導電性ペーストP1 を用いて形成されるヒ
ータ電極層5は、複数かつ略円弧状であって、多層基板
2において同心円上に形成されている。各々のヒータ電
極層5の端部には、非チャック側面S2 との層間接続を
図るためにスルーホール6,7(詳細にはスルーホール
内導体層)が接続されている。正極側のスルーホール6
の端面には、配線を介して直流電源8のプラス側が接続
されている。負極側のスルーホール7の端面には、同じ
く配線を介して直流電源8のマイナス側が接続されてい
る。これら一対のスルーホール6,7を介してヒータ電
極層5への通電を行うと、ヒータ電極層5が発熱して、
静電チャック1全体の温度が上昇する。その結果、チャ
ック側面S1 にチャックされているシリコンウェハW1
が加熱されるようになっている。スパッタリング装置用
である本実施形態の静電チャック1は、通電により50
0℃程度の温度まで加熱される。これがCVD用である
場合には、通電により800℃程度の温度まで加熱され
る。
【0023】次に、本実施形態の静電チャック1を製造
する手順について説明する。まず、グリーンシートの作
製について述べる。グリーンシートは、窒化アルミニウ
ム粉末を主成分として含むスラリーをドクターブレード
法にてシート成形することにより作製される。得られた
グリーンシートの所定位置には、必要に応じて、ドリル
加工あるいは打ち抜き加工等によりスルーホール形成用
孔が形成される。穴あけ加工を経たグリーンシートに
は、以下に示すようなWC粒子を含む導電性ペーストP
1 が印刷される。
【0024】ここで、本実施形態で用いられる導電性ペ
ーストP1 について述べる。この導電性ペーストP1
は、導電性粒子としてWC粒子、分散溶媒、分散剤等を
含むものである。
【0025】前記WC粒子としては平均粒径が0.5μ
m〜10μm程度のものが使用される。平均粒径が0.
5μm未満では単位重量当たりの粒子表面積が増大し、
これら微細粒子をゾル化させるための分散溶媒がより多
く必要となる。そのため、ペーストの高濃度化が図れな
くなるおそれがあるからである。一方、平均粒径が10
μmを超えると、スルーホール形成用孔内への充填性が
悪くなるとともに、導電性粒子間の接点が少なくなる。
そのため、スルーホール内導体層の電気抵抗を増大させ
るおそれがある。
【0026】前記分散溶媒としては、α−テルピネオー
ルやグリコール等が挙げられる。これらの物質は、単独
で使用されてもよいほか、二種以上混合して使用されて
もよい。分散溶媒の配合割合は、WC粒子100重量部
に対し、2〜10重量部の範囲が好適である。この配合
割合が2重量部未満であると、WC粒子を均一に分散し
てゾル状ペーストを得ることが難しくなるおそれがある
からである。逆に、この配合割合が10重量部を超える
と、ペーストP1 中におけるWC粒子の含有率が低下
し、乾燥後におけるスルーホール内導体層の電気抵抗を
増大させるおそれがあるからである。
【0027】前記分散剤としては、例えば脂肪族アミン
塩、芳香族アミン塩、複素環アミン塩、アルキルアミ
ン、ポリアルキレンポリアミン誘導体等のアニオン系分
散剤や、エステル型、エステルエーテル型、エーテル
型、含窒素型等のノニオン系分散剤が挙げられる。これ
らの物質は、単独で使用されてもよいほか、二種以上混
合して使用されてもよい。前記導電性粒子との親和性が
よくないカチオン系分散剤は分散剤としては適当ではな
いため、このようなものを使用するとWC粒子の分散性
をかえって悪くするおそれがある。また、分散剤は前記
分散溶媒に溶解可能である必要がある。そして、分散剤
を配合にすることにより、全体として低粘度化される。
【0028】以上のようなWC粒子、分散溶媒、分散剤
等を均一に混合してなる混合物は、三本ロール混合機等
で混練されることにより、所定の粘度及び密度の範囲に
調製された導電性ペーストP1 となる。
【0029】引き続いて行われるペースト印刷工程で
は、まず穴あけ工程を経たグリーンシートを一枚ずつ印
刷装置にセットして、印刷面にメタルマスクを配置す
る。この状態で上記の導電性ペーストP1 を印刷により
充填し、スルーホール形成用孔内にスルーホール内導体
層があるスルーホール6,7を形成する。次いで、スル
ーホール印刷がなされたグリーンシートを今度はスクリ
ーン印刷機にセットし、印刷面にスクリーンマスクを配
置する。この状態で上記の導電性ペーストP1 をパター
ン印刷することにより、グリーンシート表面にチャック
電極層3,4やヒータ電極層5を形成する。なお、導電
性ペーストP1 はスルーホール印刷用のものとパターン
印刷用のものとで同じ組成・密度でもよいほか、若干異
なる組成・密度であっても構わない。
【0030】次に、ペースト印刷工程を経た複数枚のグ
リーンシートを位置決めして重ね合わせ、この状態で所
定圧力にて真空プレスを行う。その結果、各グリーンシ
ートが一体化し、グリーンシート積層体が形成される。
そして、得られたグリーンシート積層体を、常圧下にて
数十℃〜百数十℃の温度で所定時間加熱することにより
乾燥させる。もっとも、乾燥工程は積層工程の実施前に
行われてもよい。
【0031】乾燥工程を経たグリーンシート積層体は、
本焼成工程の前にあらかじめ下記のような熱処理工程に
付される。本実施形態における熱処理工程とは、非酸化
性雰囲気下にて本焼成時よりも低い温度域でグリーンシ
ート積層体を加熱することを行うものである。
【0032】非酸化性雰囲気下にて加熱をする理由は、
酸化性雰囲気下にて加熱を行った場合、窒化アルミニウ
ムやWCが雰囲気中の酸素と反応してしまう不都合があ
るからである。本実施形態では、窒素やハロゲンガス等
のような不活性ガス雰囲気下、または真空下にて加熱が
行われる。
【0033】本焼成時の温度とは通常は1700℃以上
の温度を指す。よって、ここではその温度よりも低い温
度域、より具体的にはW2 Cが安定して生成する温度よ
りも低い温度域(1220℃以下の温度域)で加熱が行
われる必要がある。1220℃を超える温度域では、急
激に炭化反応が進行する結果、W2 Cが安定的に生成さ
れてしまうので、これを回避するためである(図2参
照)。
【0034】また、熱処理工程は、少なくとも250℃
以上の温度にて行われることが望ましい。250℃未満
の温度で処理を行った場合、グリーンシート積層体を充
分に脱脂することできず、残炭量の低減につながらない
からである。
【0035】従って、本実施形態では熱処理工程を25
0℃〜1220℃という好適な温度範囲内で行うことと
している。その場合における熱処理工程としては、温度
キープを一回のみ行う一段階処理のほか、温度キープを
複数回行う多段階処理(二段階処理、三段階処理など)
を採用することができる。
【0036】例えば、二段階処理を採用した場合、25
0℃〜700℃の範囲内で所定時間の温度キープを行う
脱脂過程と、前記脱脂過程に引き続いて900℃〜12
20℃の範囲内で所定時間の温度キープを行う仮焼成過
程とを行うことがよい。
【0037】一段階処理を採用した場合、少なくとも9
00℃〜1220℃の範囲内のみで所定時間の温度キー
プを行う仮焼成過程を行うことがよい。なお、脱脂過程
おける加熱温度は250℃〜700℃、より好ましくは
300℃〜600℃、さらに好ましくは350℃〜50
0℃である。仮焼成過程の加熱温度は900℃〜122
0℃、より好ましくは1000℃〜1200℃、さらに
好ましくは1100℃〜1200℃である。仮焼成過程
の加熱温度が低すぎると、窒化アルミニウムがネック焼
結できず、脆弱なグリーンシート仮焼体が得られる結果
となる。よって、本焼成用の焼成炉に移送する際にグリ
ーンシート仮焼体が変形したり崩れたりする等、ハンド
リング性が悪くなり、歩留まりを低下させる原因とな
る。逆に、仮焼成過程の加熱温度が高すぎると、ネック
焼結に関する問題が解消される反面、W2 Cが安定生成
温度域に入る確率が高くなる。
【0038】また、熱処理工程の開始時における昇温速
度は1℃/分以下、より好ましくは0.1℃/分〜1℃
/分、さらに好ましくは0.2℃/分〜0.8℃/分で
あることがよい。その理由は、かかる昇温速度が速すぎ
ると、一段階処理を採用したときに充分な脱脂が達成さ
れなくなるおそれがあるからである。逆に、昇温速度が
遅すぎると、熱処理工程に要するトータル時間が長くな
り、生産性の低下を来たす原因につながるからである。
【0039】その後、熱処理工程を経て得られたグリー
ンシート仮焼体をるつぼ内に入れるとともに、必要に応
じてその周囲をセッターで包囲する。この状態のるつぼ
を焼成炉内にセットし、常法に従い1700℃以上の温
度にて所定時間かつ所定圧力でのホットプレス焼成を実
施する。その結果、窒化アルミニウム及び導電性ペース
トP1 が完全に同時焼結し、ヒータ電極層5等を備える
窒化アルミニウム製の多層基板2が形成される。
【0040】この後、研削機等を用いて多層基板2の外
形加工及び面出し加工を行うとともに、常法に従ってコ
ーティング及びI/Oピンのろう付け等の諸工程を実施
する。その結果、図1に示されるような所望の静電チャ
ック1が完成する。
【0041】以下に本実施形態の実施例及び比較例を紹
介する。
【0042】
【実施例及び比較例】[実施例1]まず、実施例1の試
験サンプルの作製手順について説明する。グリーンシー
ト作製用のスラリーとして、平均粒径が約1.0μmの
窒化アルミニウム粉末に対して、焼結助剤としての酸化
イットリウム粉末、アクリル系バインダ、分散剤及び可
塑剤を配合し、均一に混練してスラリーとした。そし
て、このスラリーをドクターブレード法にてシート成形
することにより、グリーンシートを作製した。グリーン
シートの所定位置には、打ち抜き加工によりスルーホー
ル形成用孔(内径1.0mm〜3.0mm)を透設し
た。
【0043】平均粒径が2.5μmかつ比抵抗が53×
10-6ΩcmであるWC粒子5000gに、ジエチレン
グリコールに50重量%のアクリルバインダを配合した
混合溶媒を200g、分散剤を5.0g配合してなる混
合物を作製した。この混合物を三本ロール混合機を使用
して23℃にて1時間混練し、粘度が100000cps
〜150000cps の導電性ペーストP1 を調製した。
【0044】穴あけ工程を経たグリーンシートに対し、
スルーホール形成用孔及びその周辺部のみを露出させる
メタルマスクを配置し、このメタルマスクの上から導電
性ペーストP1 をローラー印刷した。
【0045】ローラー印刷によるスルーホール印刷の
後、スクリーンマスクを配置した状態で同導電性ペース
トP1 を用いたスクリーン印刷を行うことにより、グリ
ーンシートの表面にチャック電極層3,4及びヒータ電
極層5を形成した。次いで、印刷工程を経たグリーンシ
ートを、常圧下にて窒素を吹き付けながら50℃で1時
間予備乾燥した。
【0046】次に、ペースト印刷工程を経た複数枚のグ
リーンシートを位置決めして重ね合わせ、この状態で所
定圧力にて真空プレスを行うことにより、グリーンシー
ト積層体を形成した。
【0047】このようにして得られたグリーンシート積
層体を、窒素雰囲気下にて二段階処理による熱処理工程
を行った。具体的には、開始時における昇温速度を0.
8℃/分程度に設定して、仮焼成炉によりグリーンシー
ト積層体を700℃まで加熱し、その温度で約1時間温
度キープした(脱脂過程)。次いで、脱脂されたグリー
ンシート積層体を昇温速度を1.0℃/分程度でさらに
1200℃まで加熱し、その温度で約10時間温度キー
プした(仮焼成過程)。その後、脱脂及びネック焼結が
施されたグリーンシート積層体(即ちグリーンシート仮
焼体)を常温付近の温度まで冷却した。
【0048】仮焼成炉からグリーンシート仮焼体を取り
出した後、今度はそれを黒鉛製のるつぼ内に収容し、か
つ本焼成用のホットプレス焼成炉内にセットした。そし
て、窒素雰囲気下にて100kg/cm2〜300kg/cm2の加
圧条件でホットプレス焼成を行った。このようなホット
プレスによる本焼成では、10℃/分〜20℃/分の昇
温速度で1700℃〜1900℃まで昇温し、その焼成
温度にて1時間〜5時間保持することとした。
【0049】本焼成の終了後にるつぼから焼結体、即ち
窒化アルミニウム製の多層基板2を取り出して外形加工
及び面出し加工を行うとともに、コーティング及びI/
Oピンのろう付け等の諸工程を実施し、静電チャック1
を完成させた。
【0050】そして、完成した実施例1における静電チ
ャック1の試験サンプルの特性評価を行うため、基板内
の複数の位置(具体的には16箇所)におけるヒータ電
極層5の抵抗値を測定し、その平均値を求めた。また、
最大抵抗値及び最小抵抗値の測定結果に基づき、ヒータ
電極層5の抵抗値ばらつき(最大抵抗値を最小抵抗値で
割った値×100と定義する。)を求めた。そのデータ
を図3のグラフにて黒丸●で示す。同グラフにおいて、
基板内位置とは円盤状の多層基板2における任意の直径
を16等分したときの各々の分割位置を指している。
【0051】その結果によると、最大抵抗値は約0.5
8Ω、最小抵抗値は約0.45Ω、平均値は約0.51
Ω、抵抗値ばらつきは約129%であった。また、基板
内位置における外周領域と中心領域とを比較しても、ヒ
ータ電極層5の抵抗値に顕著な差異がみられなかった。
【0052】次に、ヒータ電極層5の部分における成分
を分析すべく、X線解析装置(理学電機社製)を用いて
X線解析を行った。その結果を図4のグラフに示す。X
線解析の条件はグラフに記載した通りである。○はWC
の存在に対応して出現するピーク、△はW2 Cの存在に
対応して出現するピーク、×は窒化アルミニウム(Al
N)の存在に対応して出現するピークである。
【0053】図4のグラフによると、WCの存在に対応
して出現する大きなピークが3箇所に見られ、かつAl
Nの存在に対応して出現する大きなピークが5箇所に見
られる。その反面、W2 Cの存在に対応して出現するピ
ークは殆ど見られず、仮にあったとしてもその大きさは
WC,AlNのピークに比べて無視できる程度に小さか
った。以上の結果から、実施例1の試験サンプルにおけ
るヒータ電極層5は、W2 Cを殆ど含まず、ほぼWCか
らなるものであることが実証された。 [実施例2]実施例2における静電チャック1の試験サ
ンプルは、平均粒径が0.9μmであるWC粒子を用い
て導電性ペーストP1 を作製した点を除き、基本的に実
施例1と同一の材料・方法により作製されたものであ
る。
【0054】上記の特性評価試験を実施例2について行
ったところ、最大抵抗値、最小抵抗値、平均抵抗値及び
抵抗値ばらつきに関し、実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。また、基板内位置における外周領域と中心領域
とを比べても、ヒータ電極層5の抵抗値に顕著な差異は
みられなかった。
【0055】図5には、X線解析を用いた成分分析の調
査結果が示されている。図5のグラフによると、その大
きさは若干相違してはいるものの、図4のグラフと同じ
箇所に大きなピークが見られることがわかる。つまり、
WCの存在に対応して出現する大きなピークが3箇所、
AlNの存在に対応して出現する大きなピークが5箇所
ある。その反面、W2 Cの存在に対応して出現するピー
クは殆ど見られず、仮にあったとしてもその大きさはW
C,AlNのピークに比べて無視できる程度に小さかっ
た。以上の結果から、実施例2の試験サンプルにおける
ヒータ電極層5も、W2 Cを殆ど含まず、ほぼWCから
なるものであることが実証された。なお、実施例1,2
の結果からして、導電性ペーストP1 の粒径の違いによ
る影響は殆どないものと考えられた。 [実施例3]実施例3における静電チャック1の試験サ
ンプルは、熱処理工程を一段階処理とした点を除き、基
本的に実施例1と同一の材料・方法により作製されたも
のである。ここでの熱処理工程は、具体的には、開始時
における昇温速度を0.8℃/分程度に設定して、仮焼
成炉によりグリーンシート積層体を1200℃まで加熱
し、その温度で約15時間温度キープするものとした。
その後、脱脂及びネック焼結が施されたグリーンシート
積層体(即ちグリーンシート仮焼体)を常温付近の温度
まで冷却した。
【0056】上記の特性評価試験及び成分分析調査を実
施例3についても行ったところ、前記実施例1,2とほ
ぼ同様の好適な結果が得られた。 [実施例4]実施例4における静電チャック1の試験サ
ンプルは、本実施形態において特徴的な熱処理工程を行
うことなく、その代わりに従来の脱脂及び仮焼成を行っ
た後に本焼成を行うことで作製されたものである。それ
以外の事項については、基本的に実施例1に準拠した。
なお、脱脂を700℃で1時間行い、それに続く仮焼成
を1460℃で10時間行うこととした。
【0057】完成した実施例4における静電チャック1
の試験サンプルにつき、実施例1と同じ特性評価を行っ
た。そのデータを図3のグラフにて黒三角▲で示す。そ
の結果、ヒータ電極層5の抵抗値の平均値は約0.97
Ω、最大抵抗値は約1.37Ω、最小抵抗値は約0.7
2Ωであり、全体的に高抵抗化する傾向にあった。
【0058】また、抵抗値ばらつきは約190%であっ
たため、実施例1(129%)には劣るものの、200
%以内に収まる好適な値と言いうる結果であった。な
お、基板内位置における外周領域と中心領域とを比較す
ると、外周領域に近づくほどヒータ電極層5の抵抗値が
高くなる傾向が確認された。 [比較例]比較例における静電チャックの試験サンプル
は、基本的には実施例3に準拠しており、しかも炭化物
粒子を含まない従来のタングステンペーストを導電性ペ
ーストとして用いて作製されたものである。
【0059】完成した比較例における静電チャックの試
験サンプルにつき、実施例1と同じ特性評価試験を行っ
た。そのデータを図3のグラフにて白抜き四角□で示
す。その結果、ヒータ電極層の平均抵抗値は0.8Ω〜
0.9Ω程度であった。即ち、平均抵抗値は実施例4と
同程度であり、実施例1〜3より大きな値を示した。
【0060】また、最大抵抗値は約1.5Ω、最小抵抗
値は約0.1Ωであったため、抵抗値ばらつきは約15
00%という極めて大きい値を示した。なお、基板内位
置における外周領域と中心領域とを比較すると、外周領
域に近づくほどヒータ電極層5の抵抗値が小さくなる傾
向が確認された。
【0061】図6には、X線解析を用いた成分分析の調
査結果が示されている。同グラフによると、比較例は実
施例1,4とは明らかに成分が異なることがわかる。即
ち、WCの存在に対応して出現する大きなピークが3箇
所あることに加え、W2 Cの存在に対応して出現する大
きなピークが4箇所あるからである。
【0062】以上の結果から、比較例の試験サンプルに
おけるヒータ電極層は、WCのみならず多くのW2 Cを
含むことが明らかとなった。 [結論]以上の結果を総合すると、本実施形態の各実施
例によれば下記のような効果を得ることができる。
【0063】(1)実施例1,2,3,4では、WC粒
子を含む導電性ペーストP1 をあらかじめ用いて、グリ
ーンシートにヒータ電極層5を形成していることを特徴
とする。従って、熱処理工程を行ったとしてもグリーン
シートにおける不均一な炭化反応が起こりにくい。よっ
て、これを本焼成すればヒータ電極層5の抵抗値の基板
内ばらつきが小さい窒化アルミニウム製の焼結体、即ち
多層基板2を得ることができる。従って、製造される静
電チャック1は、ヒータ電極層5への通電により極めて
正確に表面温度制御を行いうるものとなる。従って、シ
リコンウェハW1 を均一に加熱することが可能となり、
高品質の半導体の製造にとって好適なものとなる。
【0064】また、上記の製造方法によれば、仮焼成時
における窒素ガスの供給量を半減することができる。従
って、脱酸素を図るために大量の窒素ガスの供給が不可
欠であった従来に比べ、極めて経済的となる。
【0065】(2)さらに実施例1,2,3では、グリ
ーンシート積層体の熱処理工程を、W2 Cの生成温度よ
りも低い温度域、つまり1220℃以下の温度で行うこ
とを特徴としている。このため、WCがそれよりも比抵
抗の大きなW2 Cに変化することが確実に防止される。
よって、ヒータ電極層5の抵抗値の基板内ばらつきが小
さくなるばかりでなく、さらにその抵抗値自体を小さく
維持することができる。勿論、このことは正確な表面温
度制御の実現、ひいては高品質半導体の製造にとってプ
ラスに働く。
【0066】(3)実施例1,2,3では、1200℃
で所定時間の温度キープを行うことを特徴としているた
め、熱処理工程においてグリーンシート積層体を確実に
ネック焼結させることができる。よって、グリーンシー
ト仮焼体に好適なハンドリング性を付与することがで
き、結果的に歩留まりの向上にもつながる。なお、熱処
理工程の温度は250℃以上であることから、確実にグ
リーンシートの脱脂及びネック焼結の両方を達成するこ
とができる。また、1200℃という温度は、通常なさ
れる仮焼成の温度よりも200℃以上低い温度である。
よって、熱処理工程に要するトータル時間は、脱脂と仮
焼成とを合わせたトータル時間に比べて短くて済み、従
来に比べて生産性の向上が図られる。勿論、熱エネルギ
ーの付与が少ない量で足りることから、経済的であると
いえる。
【0067】(4)実施例1,2,3,4の静電チャッ
ク1は、窒化アルミニウム製の多層基板2からなる。従
って、基板材料を樹脂製とした場合やアルミナ製とした
場合に比べて格段に耐熱性に優れており、500℃以上
の高温にも耐えることができる。また、窒化アルミニウ
ム製の多層基板2は樹脂やアルミナ等に比べて熱伝導率
が大きいため、シリコンウェハW1 を均一にムラなく加
熱でき、高品質の半導体を得ることができる。さらに、
窒化アルミニウムは樹脂やアルミナ等に比べて熱膨張係
数が小さくてシリコンの熱膨張係数に近いため、ヒート
サイクルに遭遇してもパーティクルを発生させにくい。
従って、半導体の製造時にシリコンウェハW1 を汚染す
ることもなく、これにより歩留まり向上及び高品質化が
図られる。
【0068】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 本発明のセラミックヒータは、使用温度が−50℃
〜250℃である実施形態のようなエッチング装置用の
静電チャック1にのみ具体化されるに止まらない。即
ち、使用温度が150℃〜250℃のアッシング装置
用、使用温度が室温〜500℃のスパッタリング装置
用、使用温度が400℃〜1000℃のCVD装置用と
しても具体化されることも可能である。特に、多層基板
2の内層にRF電極層を形成しておけば、プラズマCV
D装置用に好適な静電チャック1とすることができる。
【0069】・ チャック電極層3,4を1層のみ形成
した構成や、チャック電極層3,4を3層以上形成した
構成を採用することも許容される。次に、特許請求の範
囲に記載された技術的思想のほか、前述した実施形態に
よって把握される技術的思想を、必要に応じその効果と
ともに以下に列挙する。
【0070】(1) 請求項1において、前記熱処理工
程は、250℃〜700℃の範囲内で温度キープを行う
脱脂過程と、前記脱脂過程に引き続いて900℃〜12
20℃の範囲内で温度キープを行う仮焼成過程とからな
る二段階処理であること。
【0071】(2) 請求項1において、前記熱処理工
程は、900℃〜1220℃の範囲内のみで温度キープ
を行う一段階処理であること。 (3) 請求項1〜3、技術的思想1,2のいずれか1
つにおいて、前記熱処理工程の開始時における昇温速度
は1℃/分以下であること。従って、この技術的思想3
に記載の発明によれば、一段階処理を採用したときでも
充分な脱脂を達成することができる。
【0072】(4) 請求項1〜3、技術的思想1〜3
のいずれか1つにおいて、前記本焼成工程はホットプレ
ス焼成にて行われること。 (5) 窒化アルミニウム製の焼結体からなる基板にヒ
ータ電極層が形成された静電チャックであって、一炭化
一タングステン粒子を含む導電性ペーストを用いて、窒
化アルミニウム製のグリーンシートに前記ヒータ電極層
を形成し、次いで前記グリーンシートを非酸化性雰囲気
下にて本焼成時よりも低い温度域で加熱する熱処理工程
を行った後、前記グリーンシートを完全に焼結させる本
焼成工程を行うことによって製造されたセラミックヒー
タ。従って、この技術的思想5に記載の発明によれば、
ヒータ電極層の抵抗値の基板内ばらつきが小さくて、半
導体ウェハを均一に加熱できるセラミックヒータとする
ことができる。
【0073】(6) 窒化アルミニウム製の焼結体から
なる基板にヒータ電極層が形成された静電チャックであ
って、前記基板内における前記ヒータ電極層の抵抗値ば
らつき(最大抵抗値を最小抵抗値で割った値×100)
が、200%以下(好ましくは160%以下、より好ま
しくは130%以下)であるセラミックヒータ。従っ
て、この技術的思想6に記載の発明によれば、半導体ウ
ェハをよりいっそう均一に加熱できるセラミックヒータ
とすることができる。
【0074】(7) 窒化アルミニウム製の焼結体から
なる基板にヒータ電極層が形成された静電チャックであ
って、前記ヒータ電極層の平均抵抗値が0.8Ω以下
(好ましくは0.7Ω以下、より好ましくは0.6Ω以
下)であるセラミックヒータ。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、ヒータ電極層の抵抗値の基板内ばら
つきが小さくて、半導体ウェハを均一に加熱することが
できるセラミックヒータを製造することができる。
【0076】請求項2に記載の発明によれば、上記の効
果に加え、さらにヒータ電極層の抵抗値が小さいセラミ
ックヒータを製造することができる。請求項3に記載の
発明によれば、上記の効果に加え、さらにヒータ電極層
の抵抗値が小さいセラミックヒータを確実に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態の静電チャックの
概略断面図。
【図2】各種タングステン炭化物において、温度とC−
Wの比率との関係を示すグラフ。
【図3】実施例1,4及び比較例において、ヒータ電極
層の基板内ばらつきの様子を示すグラフ。
【図4】実施例1のサンプルにおけるヒータ電極層の成
分分析データを示すグラフ。
【図5】実施例2のサンプルにおけるヒータ電極層の成
分分析データを示すグラフ。
【図6】比較例のサンプルにおけるヒータ電極層の成分
分析データを示すグラフ。
【符号の説明】
1…静電チャック、2…基板としての多層基板、5…ヒ
ータ電極層、P1 …導電性ペースト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA34 BB06 BB13 BC04 BC16 BC23 BC29 CA02 CA14 CA22 CA34 CA39 HA01 HA10 JA01 3K092 PP20 QA06 QB02 QB20 QB47 QB74 QB75 QB76 QC02 QC28 QC49 QC62 RF02 RF11 RF17 RF26 UB03 UB04 VV19 VV22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム製の焼結体からなる基板
    にヒータ電極層が形成されたセラミックヒータを製造す
    る方法において、 一炭化一タングステン粒子を含む導電性ペーストを用い
    て、窒化アルミニウム製のグリーンシートに前記ヒータ
    電極層を形成し、次いで前記グリーンシートを非酸化性
    雰囲気下にて本焼成時よりも低い温度域で加熱する熱処
    理工程を行った後、前記グリーンシートを完全に焼結さ
    せる本焼成工程を行うことを特徴とするセラミックヒー
    タの製造方法。
  2. 【請求項2】前記熱処理工程は、一炭化二タングステン
    が生成する温度よりも低い温度域で行われることを特徴
    とする請求項1に記載のセラミックヒータの製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱処理工程は、250℃〜1220℃
    の範囲内で行われることを特徴とする請求項1に記載の
    セラミックヒータの製造方法。
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