JP2000012187A - 点火プラグ組立体、点火プラグおよびプラグ固定具 - Google Patents

点火プラグ組立体、点火プラグおよびプラグ固定具

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JP2000012187A
JP2000012187A JP10169421A JP16942198A JP2000012187A JP 2000012187 A JP2000012187 A JP 2000012187A JP 10169421 A JP10169421 A JP 10169421A JP 16942198 A JP16942198 A JP 16942198A JP 2000012187 A JP2000012187 A JP 2000012187A
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fixing
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spark plug
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Mamoru Musasa
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シリンダーヘッドに取付容易で、熱引きの良
好な点火プラグ組立体、及び点火プラグ、プラグ固定具
を提供する。 【解決手段】 点火プラグ120は、軸方向に延びる中
心電極101の径方向周囲を取り囲み、中心電極を固定
する絶縁体102の径方向周囲を取り囲み、絶縁体を固
定する主体金具と、外側電極108と、を有する。主体
金具は、カシメ部106Aを含む基端側本体部及び先端
側端部にプラグ座面107sを備える先端側本体部を有
する本体部のプラグ座面107sから軸方向先端側に延
びる先端部とを有し、外側電極108は、先端部の先端
面に固着される主体金具の先端部は外周面105は略円
筒形状で、主体金具は銅合金で、プラグ取付孔142に
挿入容易で、熱引きが良好で、プラグ座面の装着された
ガスケット109を通じてシリンダーヘッドや、カシメ
部106Aを通じてプラグ固定具130に放熱できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダーヘッド
に点火プラグを組み付ける際に、プラグ取付孔に点火プ
ラグをねじ込む必要のない点火プラグ組立体、および点
火プラグ組立体を構成する点火プラグ及びプラグ固定具
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火に用いる点火プラグ、例
えば、図13に示す1極フラットシートタイプの点火プ
ラグ20は、図中上下方向に延びる中心電極1と、その
周囲を取り囲む絶縁体2と、その図中下部を保持する主
体金具3とを有する。主体金具3は、プラグ座面7sが
その先端側に形成された先端側本体部7および基端側本
体部6を有する本体部4、このプラグ座面7sから図中
下方に延びる先端部5を備える。また、プラグ座面7s
には、リング状のガスケット9が装着されている。さら
に、基体側本体部6はカシメ部6A、六角部6B、およ
び先端側に位置する第2カシメ部6Cを備え、先端部5
の外周には、雄ネジ(例えばM14S)5nが形成され
ている。また、この先端部5の先端面5aには、外側電
極8が固着部8aで固着されている。この外側電極8
は、固着部8aにおいて、リング状の先端面5aに固着
され、その先端は、リングの中心に向かって延び、略L
字状に曲げられて中心電極1と所定の放電ギャップを形
成するようにされている。
【0003】この点火プラグ20を、図14に示すよう
に、エンジン50のシリンダーヘッド40に組み付け
る。即ち、図15に示すように、プラグ取付孔42の先
端対応部45に形成した雌ネジ45mに締結するため、
点火プラグ20をプラグ取付孔42に挿入し、その後、
プラグレンチ(図示しない)で、所定のトルクになるま
でプラグ取付孔42に締め込む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
DOHCエンジンなど、シリンダーヘッド40の燃焼室
面41bに大面積の吸入、排気バルブ51,52を形成
することが多く、シリンダーヘッド(以下、単にヘッド
ともいう)40の厚さ(図中上下方向の寸法)が大きく
なる傾向にある(図14参照)。このため、点火プラグ
(以下、単にプラグとも言う)20のプラグ取付孔42
が深くなり、プラグ20をプラグ取付孔42の奥底でネ
ジ締めすることが多くなっている。このため、プラグ2
0をプラグ取付孔42内に差し込んだり、プラグ取付孔
42の奥底にまでプラグレンチを差し込んで締め付ける
など、プラグ20の組み付け作業が困難となっていた。
【0005】また、プラグ20を、先端対応部45に形
成された雌ネジ45mの中心軸に沿って、その周りに正
しく回転させた場合には、問題なく両者を締結できる。
しかし、プラグ20が先端対応部45の中心軸から傾い
た状態で回転させた場合には、雄ネジ5nと先端対応部
45の雌ネジ45mとが正しく噛み合わずに、いわゆる
カジリ状態となる。このため、雄ネジ5nまたは先端対
応部45の雌ネジ45mが損傷し、極端な場合には、燃
焼室内部の高温ガスが上部にまで吹き抜け、主体金属3
の先端部5が高温になり、プレイグニッションを生じた
り、外側電極8等の溶損を生じたりすることがある。特
に、プラグ取付孔42が深い場合には、予めプラグ20
を手で回転させて先端対応部45の雌ネジmにプラグ2
0の雄ネジ5nを螺挿しておいてから、プラグレンチで
プラグ20のネジ締めを行うことが困難であるので、こ
のような不具合が生じやすい。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであって、シリンダーヘッドに取付容易で、しか
も、熱引きの良好な点火プラグおよびこれを固定するプ
ラグ固定具からなる点火プラグ組立体、および点火プラ
グ、プラグ固定具を提供すること目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】しかし
て、その解決手段は、軸方向に延びる中心電極と、上記
中心電極の径方向周囲を取り囲んで、上記中心電極を固
定する絶縁体と、上記絶縁体の径方向周囲を取り囲ん
で、上記絶縁体を固定する主体金具であって、先端側端
部にプラグ座面を備える本体部とこの本体部のプラグ座
面から軸方向先端側に延びる先端部とを有する主体金具
と、を有し、上記主体金具の先端部は外周面略円筒形状
とされ、上記主体金具は銅合金またはアルミニウム合金
からなる点火プラグと、上記点火プラグを、内燃機関の
シリンダーヘッドに形成されたプラグ取付孔内に、固定
するためのプラグ固定具と、を備える点火プラグ組立体
である。
【0008】上記構成を有する本発明の点火プラグ組立
体は、主体金具の先端部が雄ネジの形成されていない外
周面略円筒形状とされているので、プラグの取付におい
て、プラグ取付孔に挿入して、プラグ固定具で固定すれ
ばよく、プラグ取付孔の奥底に挿入した点火プラグを、
プラグレンチ等を用いてプラグ取付孔の雌ねじ部に螺挿
しなくても良い。従って、取付が容易になり、プラグの
雄ねじが雌ネジとかみ合わないのにも拘わらず、回転さ
せることによって発生する、いわゆるカジリ等によるネ
ジ部の損傷等の心配もない。なお、先端部を外周面略円
筒形状としたために、従来であれば、先端部の雄ネジか
らシリンダーヘッドに逃がすことのできた熱が、滞留し
て、先端部の先端面や外側電極等が高温になる可能性が
ある。しかし、本発明の点火プラグ組立体では、主体金
具が銅合金やアルミニウム合金からなるので、熱引きが
良く、熱をプラグ座面やプラグ固定具を経由してヘッド
に放散できるから、先端部の先端面や中心電極、あるい
は外側電極等が高温になることがない。従って、プレイ
グニッションや電極の溶損等のおそれがない。また、プ
ラグをプラグ取付孔に取り付けるに当たり、その軸の周
りのどの位置に回転させても取り付けることができるか
ら、プラグの外側電極固着部の位置と着火可能な混合気
の流れ(スワール)との位置関係を考慮して、スワール
の上流側に外側電極固着部が位置しないように、容易に
プラグを位置決めすることができる。この場合には、ス
ワールが外側電極固着部に妨げられないので、薄い混合
気でも着火することができるから、燃費を良くすること
ができる
【0009】ここで、銅合金としては、純銅と同程度の
熱伝導率をもつもので、引張強さの高いものが良く、例
えば、リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅等が挙げら
れる。同様に、アルミニウム合金としては、アルミニウ
ムと同程度の熱伝導率を持つもので、強度の高いものが
良く、例えば、ジュラルミン、超ジュラルミン等が挙げ
られる。
【0010】さらに、上記点火プラグ組立体において、
前記点火プラグのプラグ座面が軸に直交する平面とさ
れ、銅またはアルミニウムからなる中実ガスケットを備
えることを特徴とする点火プラグ組立体とすると良い。
熱伝導率の高い中実ガスケットでシールするので、熱を
良く伝え、しかも、プラグ座面とガスケット、ガスケッ
トとシリンダーヘッドとがそれぞれ比較的広い面積で接
触するため、特に熱を放散しやすいからである。またさ
らに、上記点火プラグ組立体において、前記点火プラグ
のプラグ座面がテーパ面とされていることを特徴とする
点火プラグ組立体とすると良い。プラグ座面がテーパ面
とされ、このテーパ面でシールするので、シリンダーヘ
ッドと、直接、しかも、比較的広い面積で接触するよう
にされるため、特にプラグ座面からシリンダーヘッドに
効率よく熱を放散しやすいからである。
【0011】さらに、上記点火プラグ組立体において、
前記点火プラグは、主体金具の基端側端部に、前記絶縁
体をカシメ固定するカシメ部を備え、前記プラグ固定具
は、前記シリンダーヘッドに上記点火プラグを固定する
際に、上記主体金具のカシメ部を先端方向に押圧する押
圧面を備えることを特徴とする点火プラグ組立体とする
とよい。カシメ部によって絶縁体をカシメ固定するよう
にした点火プラグでは、爆発行程において、絶縁体が軸
方向基端側に抜ける方向に圧力が掛かるため、カシメ部
にカシメが緩む方向の力が掛かる。本発明では、主体金
具を銅合金やアルミニウム合金によって形成したので、
熱引きは良好であるが、比較的柔らかい。このため、カ
シメ部を有する場合には、カシメが緩む方向の力に対し
て、変形を生じてカシメが緩む可能性がある。これに対
して、本発明では、プラグ固定具の押圧面で、カシメ部
を押圧するので、プラグの固定と共にカシメ部の緩みを
も防止することができる。なお、カシメの手法として
は、いずれの手法によっても良く、例えば、機械カシメ
や熱カシメが挙げられる。
【0012】さらに、点火プラグ組立体において、前記
プラグ固定具の押圧面は、前記カシメ部を周方向に全周
にわたり押圧するリング状押圧面であることを特徴とす
る点火プラグ組立体とすると良い。このような点火プラ
グ組立体では、プラグ固定具にリング状押圧面を備える
ので、点火プラグの固定の際に、周方向に均一にカシメ
部を押圧して点火プラグを押圧できる。従って、カシメ
部を全周にわたって押圧できるので、確実にカシメ部の
緩み変形を防止できる。しかも、周方向に均一にプラグ
を押圧できるので、確実にシールをすることができる。
【0013】さらに、点火プラグ組立体において、前記
プラグ固定具は、前記シリンダーヘッドのヘッド上面に
固着されるための取付孔を備えることを特徴とする点火
プラグ組立体とするとよい。本発明の点火プラグ組立体
では、プラグ固定具に取付孔を備えるので、プラグ固定
具をシリンダーヘッドに固着するのに、ヘッド上面で固
着作業ができ、プラグおよびプラグ固定具の固定あるい
は取り外しが容易になる。具体的には、取付孔を通した
ボルトによって、プラグ固定具をヘッド上面に固着する
と良い。
【0014】他の解決手段は、軸方向に延びる中心電極
と、上記中心電極の径方向周囲を取り囲んで、上記中心
電極を固定する絶縁体と、上記絶縁体の径方向周囲を取
り囲んで、上記絶縁体を固定する主体金具であって、先
端側端部にプラグ座面を備える本体部とこの本体部のプ
ラグ座面から軸方向先端側に延びる先端部とを有する主
体金具と、を有する点火プラグであって、上記主体金具
の先端部は外周面略円筒形状とされ、上記主体金具は銅
合金またはアルミニウム合金からなることを特徴とする
点火プラグである。
【0015】上記構成を有する本発明の点火プラグは、
主体金具の先端部が外周面略円筒形状とされているの
で、プラグの取付において、プラグ取付孔に挿入して、
プラグ固定具で固定すればよく、プラグ取付孔の奥底に
挿入した点火プラグを、プラグレンチ等を用いてプラグ
取付孔の雌ねじ部に螺挿する必要がない。従って、取付
が容易になり、プラグの雄ねじが雌ネジとかみ合わない
のにも拘わらず、回転させることによって、いわゆるカ
ジリ等によるネジ部の損傷等の心配もない。なお、先端
部を外周面略円筒形状としたために、従来であれば、先
端部の雄ネジからシリンダーヘッドに逃がすことのでき
た熱が、滞留して、先端部の先端面や外側電極等が高温
になる可能性がある。しかし、本発明の点火プラグ組立
体では、主体金具が銅合金やアルミニウム合金からなる
ので、熱引きが良く、熱をプラグ座面やプラグ固定具を
経由してヘッドに放散できるから、先端部の先端面や中
心電極、あるいは、外側電極等が高温になることがな
い。従って、プレイグニッションや電極の溶損等のおそ
れがない。
【0016】さらに、他の解決手段は、先端側端部にプ
ラグ座面を備え、基端側端部に絶縁体をカシメ固定する
カシメ部を備える本体部と、上記本体部のプラグ座面か
ら軸方向先端側に延び、外周略円筒形状の先端部と、を
備える主体金具を有する点火プラグを、内燃機関のシリ
ンダーヘッドに形成されたプラグ取付孔内に、固定する
ためのプラグ固定具であって、上記シリンダーヘッドに
上記点火プラグを固定する際に、上記主体金具のカシメ
部を先端方向に押圧する押圧面を備えることを特徴とす
るプラグ固定具である。
【0017】カシメ部によって絶縁体を固定するように
した点火プラグでは、爆発行程において、絶縁体が軸方
向基端側に抜ける方向に圧力が掛かるため、カシメ部に
カシメが緩む方向の力が掛かる。これに対して、上記構
成を有する本発明のプラグ固定具は、押圧面で、プラグ
のカシメ部を押圧するので、プラグの固定と共にカシメ
部の緩みをも防止することができ、さらに信頼性の高い
固定が可能となる。
【0018】ここで、前記プラグ固定具において、前記
シリンダーヘッドのヘッド上面に固着されるための取付
孔を備えることを特徴とするプラグ固定具とすると良
い。このプラグ固定具では、プラグ固定具をシリンダー
ヘッドに固着するのに、プラグ上面で固着作業ができる
ため、従来のプラグを締結する場合のように、プラグ取
付孔の内部にプラグレンチを差し込んでプラグのネジ締
めをする必要が無く、プラグおよびプラグ固定具の固定
あるいは取り外しが容易にできる。具体的には、取付孔
を通したボルトによって、プラグ固定具をヘッド上面に
固着すると良い。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施形態1、2)本発明の第1
の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、
本実施形態にかかる点火プラグ120の部分破断断面図
である。点火プラグ120は、外側電極108が1つの
み形成された、いわゆる1極タイプで、主体金具103
の本体部104と先端部105との間に設けられた平面
を構成するプラグ座面107sによってシールを行うい
わゆるフラットシートタイプのものである。
【0020】このプラグ120は、図中上下方向(軸方
向)に延びる中心電極101と、この周囲を取り囲む絶
縁体(絶縁碍子)102と、その図中下部を保持する主
体金具103とを有する。この主体金具103は、銅−
亜鉛合金(JIS-C2801)からなり、図中上方の基端側本
体部106と図中下方の先端側本体部107とを備える
本体部104、および先端側本体部107よりも径小
で、その端部のプラグ座面107sから軸方向先端側
(図中下方)に延びる先端部105とを有する。この先
端部105は、通常の点火プラグと異なり、雄ネジが形
成されておらず、外周面105bが略円筒状にされてい
る。この先端部105の先端面105aには、外側電極
108が固着部108aで固着されている。この外側電
極108の先端は、図1(b)に示すように、リング状
の先端面105aの中心に向かって延び、図1(a)に
示すように、略L字状に曲げられて中心電極101と所
定の放電ギャップを形成するようにされている。また、
プラグ座面107sには、鋼板を折り曲げて形成したい
わゆるS字ガスケットと呼ばれるリング状のガスケット
109が装着され、基端(図中上端)には、中心電極1
01に接続された接続端子111が配置されている。
【0021】さらに、基端側本体部106は、やや径大
とされた基端側本体中央部106Bと、それよりも基端
側(図中上方)に位置し、内向き略R状にカシメられ、
絶縁体102が上方に抜けるのを防止するカシメ部10
6A、同様に基端側本体中央部106Bよりも先端側に
位置し、絶縁体102を固定する第2カシメ部106C
を備える。絶縁体102と基端側本体部106との間に
滑石粉末等の無機粉末112を充填し、これをシールす
る2つのパッキン113と共にこの2つのカシメ部10
6A,Cでカシメることにより、絶縁体102と主体金
具103(基端側本体部106)とが一体化している。
これにより、爆発行程において絶縁体102が受ける圧
力に抗して、図中上方に絶縁体102が抜けないように
している。
【0022】ついで、本実施形態にかかるシリンダーヘ
ッド140について、図2を参照しつつ説明する。シリ
ンダーヘッド140のヘッド本体141は、ヘッド上面
141aおよび燃焼室面141bの間を貫通するプラグ
取付孔142を備え、さらにこの周囲のヘッド上面14
1aに、上記したプラグ取付具130をネジ止めするた
めのネジ孔147a〜147dが形成されている。上記
プラグ取付孔142は、前記した点火プラグ120がす
っぽり挿入できる深さとされ、ヘッド上面141aか
ら、順に径小となる3段の丸孔から構成されている。
【0023】このうち、ヘッド上面141a側の挿入部
143は、ヘッド上面141aから燃焼室面141bの
近くにまで達する深く掘られた円孔であり、上記点火プ
ラグ120の最も径大な先端側本体部107よりも径大
とされているので、後述するように、プラグ120が容
易に挿入できるようになっている。なお、本例では挿入
部143を円筒形状としたが、ヘッド上面141aに向
けて徐々に径大となるようにしても良い。また、燃焼室
面141b側の先端対応部145は、上記点火プラグ1
20を挿入したときに、その先端部105が遊嵌状に挿
入される部分である。また、挿入部143と先端対応部
145の中間に位置する先端側本体対応部144は、点
火プラグ120を挿入したときに、その先端側本体部1
07が遊嵌状に挿入される部分である。ここで、先端側
本体対応部144と先端対応部145の境界部に当たる
シール面144aは、後述するように、プラグ120の
ガスケット109が当接して、シールを行う面となる。
さらに、シリンダーヘッド本体143内には、冷却水を
流通させるための流通孔148が形成されている。
【0024】ついで、本実施形態にかかるプラグ固定具
130について、図3を参照しつつ説明する。プラグ固
定具130の固定具本体131は、金属製で、プラグ固
定具130を上述したシリンダーヘッド140に固着す
るためのフランジ部133と、略円筒形状の筒状部13
2とからなる。フランジ部133には、図3(a)に示
すように、上記シリンダーヘッド140のネジ孔147
a〜147dにそれぞれ対応した位置に、取付孔137
a〜137dが形成されている。また、筒状部132
は、その外周面132bが、上記シリンダーヘッド14
0の挿入部143よりもやや径小の円筒形状とされてい
る。しかも、その先端(図中下端)の先端部132A
が、内側に折り曲げられ、その内側端部は、プラグ12
0の基端側絶縁体102aが挿入可能な円孔とされ、そ
の先端側角部に、プラグ120のカシメ部106Aの形
状に適合する、略1/4円弧状の凹面とされたリング状
の押圧面132aを備える。後述するように、この押圧
面132aで、上記プラグ120の基端側本体部106
のカシメ部106Aを押圧する。
【0025】さらに、図3(b)に示すように、この筒
状部132の内部には、耐熱性ゴムからなり、プラグ1
20の基端側を挿入したときに、絶縁体102を把持す
る絶縁体保持部材134、接続端子111と弾性的に接
続する弾性端子135が形成されている。さらに、詳細
は図示しないが、フランジ部133を貫通するケーブル
138を通じて送られてくる低電圧の1次コイル電流に
より、高電圧を発生する点火トランス136をも内蔵し
ている。点火トランス136で発生した高電圧は、弾性
端子135から直接点火プラグ120の接続端子に印加
される。このため、高耐電圧のケーブル(ハイテンショ
ンケーブル)が不要で、ノイズの発生が少なくなる。
【0026】特に、本実施形態では、点火トランス13
6が、金属製の固定具本体131に囲まれているので、
シールドされてノイズが外部に漏れにくいため、さらに
ノイズ発生を少なくできる。また、点火トランス136
を内蔵しているので、後述するようにプラグ固定具13
0によって、プラグ120をプラグ取付孔142に固定
すると同時に、点火トランス136をもプラグ取付孔1
42内に配置することができ、しかもプラグ120と点
火トランス136を含む点火回路との接続も完了させる
ことができる。なお、本実施形態では、点火トランス1
36のみを内蔵したが、点火トランスに加えて、トラン
ジスタ等のスイッチング素子やコンデンサなどの点火回
路の一部または全部を内蔵するようにしても良い。
【0027】ついで、図4に示すように、シリンダーヘ
ッド140にプラグ120およびプラグ固定具130か
らなる点火プラグ組立体100を組み付ける。なお、シ
リンダーヘッド140は、公知の手法によりエンジンブ
ロックに締結されているものとする。まず、シリンダー
ヘッド140のプラグ取付孔142内に、プラグ120
を挿入する。これにより、ガスケット109がシール面
144aに当接する。
【0028】さらに、前記したプラグ固定具130を用
いて、プラグ120を固定する。まず、プラグ固定具1
30の筒状部132をプラグ取付孔142(挿入部14
3)に挿入する。筒状部132の外周面132bは、挿
入部143よりやや径小とされているので、遊嵌状に挿
入でき、筒状部132の押圧面132aが、プラグ12
0のカシメ部106Aに当接する。このとき、筒状部1
32の内部では、プラグ120の基端側絶縁体102a
が、絶縁体保持部材134の中心部に挿入されて把持さ
れ、接続端子111は、弾性端子135と接続される。
【0029】ついで、プラグ固定具130のフランジ部
133の向きを合わせて、取付孔137a〜137dが
ネジ孔147a〜147dに適合するように位置決め
し、ボルトBLa〜BLdを用いてプラグ固定具130
をシリンダーヘッド140のヘッド上面141aに固着
する。これにより、筒状部132を介して、その押圧面
132aによってプラグ120のカシメ部106Aが押
圧され、ガスケット109とプラグ座面107sおよび
シール面144aとの間で、それぞれシールができる。
特に、押圧面132aが、リング状に形成されているの
で、カシメ部106A、従って、点火プラグ120を周
方向にわたって均一に押圧できるので、ガスケット10
9とプラグ座面107sおよびシール面144aとの間
のシールも均一にできる。
【0030】また、以上から容易に理解できるように、
シリンダーヘッド140にプラグ120を組み付けるに
当たって、プラグ120は、プラグ取付孔142に挿入
するだけで足り、プラグ120の固定は、プラグ固定具
130をシリンダーヘッド140に固着することで行え
る。従って、プラグ取付孔内に、プラグレンチを差し込
んでプラグをねじ込む作業が不要である。また、プラグ
120に雄ネジが形成されていないので、プラグを手で
回転させて、ネジを仮に締めておく必要もなく、また、
ネジがカジリによって損傷することもない。さらに、爆
発行程において、絶縁体102が軸方向基端側(図中上
方)に抜ける方向に圧力が掛かるので、カシメ部106
Aには絶縁体102を介してカシメが緩む方向の力が掛
かる。これに対して、本実施形態では、カシメ部106
Aをプラグ固定具130の押圧面132aで押圧するこ
とになるので、カシメ部106Aの緩みをも防止するこ
とができる。特に、リング状の押圧面132aで、カシ
メ部106Aを周方向にわたって均一に押圧するので、
全周にわたって確実にカシメ部106Aの緩みを防止で
きる。さらに、本実施形態においては、プラグ固定具1
30をその取付孔137を用いて、シリンダーヘッド1
40のヘッド上面141aに取り付けたので、ヘッド上
面141aで固着作業ができ、特に容易に作業ができ
る。
【0031】ここで、適当な圧力で押圧できるように、
プラグ120やプラグ取付孔142の寸法を考慮して、
筒状部132の長さ(高さ)を調整しておくと良い。ま
た、ガスケット109に、つぶれ代のある、いわゆるS
字ガスケットと呼ばれる板材を折り曲げて形成したガス
ケットを用いたので、プラグ120やプラグ取付孔14
2の寸法誤差等があっても、つぶれ代によりこの誤差を
吸収して、確実にシールすることができる。なお、図4
(b)に示すように、シリンダーヘッド140の先端対
応部145とプラグ120の先端部外周面105bとの
間には、微小な隙間fが存在する。先端対応部145に
遊嵌状に先端部105を挿入できるようにしたためであ
る。
【0032】このようにして、シリンダーヘッド140
を備えるエンジン150に、プラグ120を組み付けた
状態において、エンジン150を駆動すると(図5参
照)、外側電極108、中心電極101や先端部105
が加熱され、その温度が上昇する。従来のプラグ(図1
3参照)では、先端部5に形成した雄ネジ5nとシリン
ダーヘッド40の雌ネジ45m(図14参照)とが密着
しているため(図15参照)、先端部5から先端対応部
45を通じて熱が放散されていた。しかし、本実施形態
では、上述したように、先端対応部145と先端部外周
面105bとの間には、微小な隙間fが存在する。この
ため、先端部外周面105bから熱を放散し難い。しか
し、本実施形態のプラグ120に用いた主体金具103
は、熱伝導率の高い銅−亜鉛合金(熱伝導率α=100
W/m・K)からなるので、通常用いる炭素鋼(α=5
0W/m・K)に比して、熱引きが良好である。このた
め、外側電極108、中心電極101、あるいは直接先
端部105に流入した熱は、速やかに図中上方に移動
し、先端部105からガスケット109を経由し、シー
ル面144aからシリンダーヘッド本体141に放散さ
れ、また、基端側本体部106を経由して、押圧面13
2aからプラグ固定具130の筒状部132に放散され
る。従って、本実施形態のプラグ120では、外側電極
108や中心電極101あるいは、先端部105の温度
が過度に上昇して、プレイグニッションを生じたり、外
側電極108や中心電極101等の溶損を生じることが
ない。
【0033】ここで、前記した従来形状のプラグ、およ
び本実施形態のプラグ120、さらに、主体金具の材質
のみアルミニウム合金(JIS-A2017、α=100W/m
・K)としたもの(実施形態2)、さらに、従来と同様
の炭素鋼としたもの(参考例)を製作し、耐熱性を比較
した。具体的には、従来のプラグとしてBKR5ES
(NGKプラグ品番)を用いてシリンダーヘッドに螺挿
し、一方、それに相当する寸法の主体金具を用いて製作
した各点火プラグは、上記プラグ固定具130で固定し
た。耐熱性評価には、プレイグニッション法を用い、1
600cc、直列4気筒のエンジンにそれぞれのプラグ
を組み付けて5500rpm全開で駆動し、正規の点火
時期より2度ずつ過進角させて2分間保持することを順
に繰り返し、プレイグニッションの生じる進角を測定す
ることでおこなった。試料は各々N=3ヶである。結果
を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】上記表1から容易に理解できるように、熱
伝導率αの高い銅合金やアルミニウム合金を用いた上記
実施形態1,2では、雄ネジが先端部105に形成され
ていなくとも、雄ネジが形成された従来のプラグと遜色
のない耐熱性を有することが判る。さらに、本実施形態
のプラグ固定具130は、プラグ120を固定する際
に、カシメ部106Aを押圧面132aで押圧してい
る。従って、カシメ部106Aのカシメが緩む方向(図
中上方向)に絶縁体102から応力を受けるが、この押
圧面132aからの押圧で、カシメ部106Aの緩みを
も防止できる。特に、上記実施形態1,2では、比較的
変形しやすい銅合金やアルミニウム合金を主体金具に用
いているので、従来の炭素鋼を用いた場合に比して、カ
シメ部106Aが緩みやすいが、このようにすることで
カシメ部106Aの緩みを確実に防止できるので、点火
プラグ120およびプラグ固定具130からなる点火プ
ラグ組立体100の信頼性をさらに向上させることがで
きる。
【0036】なお、上記実施形態1,2においては、プ
ラグ固定具130の筒状部122内に、点火トランス1
26をも備えた例を示したが、点火トランスを備えない
ものとしても良いことは明らかである。なお、上記実施
形態では、シリンダーヘッド140のプラグ取付孔14
2内に、先にプラグ120を挿入してから、プラグ固定
具130でプラグ120を固定したが、図6に示すよう
に、プラグ120とプラグ固定具130とを先に組み合
わせて点火プラグ組立体100とし、その後プラグ取付
孔142に挿入、固定しても良い。
【0037】(実施形態3)ついで、第3の実施形態に
ついて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態におい
ては、上記実施形態1で説明した点火プラグ120(図
1参照)を用いるが、プラグ固定具およびシリンダーヘ
ッドの構造が異なるため、異なる部分を中心に説明す
る。本実施形態のプラグ固定具330について、図7を
参照しつつ説明する。プラグ固定具330の固定具本体
331は、金属製で、平面視(図7(a))六角形のフ
ランジ部333と、筒状部332と、を有する。このフ
ランジ部333の中央には、前記プラグ120の基端側
絶縁体102a(及び接続端子111)が遊嵌状に挿通
できる径とされた絶縁体挿通孔334が形成され、フラ
ンジ部下面333bとの角部は、全周にわたり、プラグ
120のカシメ部106Aの形状に適合した、略1/4
円弧状の凹面とされたリング状の押圧面335とされて
いる。後述するように、この押圧面335で、上記プラ
グ120の基端側本体部106のカシメ部106Aを押
圧する。また、筒状部332の外周面には雄ネジ332
bが形成され、内周面332cは、プラグ120の基端
側本体中央部106Bが遊嵌状に挿入できる径とされて
いる。
【0038】ついで、本実施形態にかかるシリンダーヘ
ッド340について、図8を参照しつつ説明する。シリ
ンダーヘッド340のヘッド本体341は、ヘッド上面
341aおよび燃焼室面341bの間を貫通するプラグ
取付孔342を備える。上記プラグ取付孔342は、上
記実施形態1のヘッド140と異なり、前記した点火プ
ラグ120を挿入したときに若干ヘッド上面341aか
ら飛び出る程度の深さとされ、ヘッド上面341aか
ら、順に径小となる3段の丸孔から構成されている。
【0039】このうち、ヘッド上面341a側の挿入部
343は、上記プラグ固定具330のフランジ部333
が遊嵌状に挿入でき、さらに、このフランジ部333を
軸(図中上下方向)の周りに回転させるためのレンチを
も挿入できる径とされている。このため、後述するよう
に、プラグ固定具330のフランジ部333をレンチで
容易に回転させ得る。また、燃焼室面341b側の先端
対応部345は、前記点火プラグ120を挿入したとき
に、その先端部105が遊嵌状に挿入される部分であ
る。また、挿入部343と先端対応部345の中間に位
置する本体対応部344は、点火プラグ120を挿入し
たときに、その先端側本体部107および基端側本体部
106の大半が遊嵌状に挿入される部分である。ここ
で、本体対応部344と先端対応部345の境界部に当
たるシール面344aは、後述するように、プラグ12
0のガスケット109が当接して、シールを行う面とな
る。さらに、この本体対応部のうちヘッド上面341a
側周囲壁面には、上記プラグ固定具330の筒状部33
2に形成された雄ネジ332bに適合した雌ネジ344
bが形成されている。さらに、シリンダーヘッド本体3
43内には、冷却水を流通させるための流通孔348が
形成されている。
【0040】ついで、図9に示すように、シリンダーヘ
ッド340にプラグ120およびプラグ固定具330か
らなる点火プラグ組立体300を組み付ける。なお、シ
リンダーヘッド340は、公知の手法によりエンジンブ
ロックに締結されているものとする。まず、シリンダー
ヘッド340のプラグ取付孔342内に、プラグ120
を挿入する。これにより、ガスケット109がシール面
344aに当接する。
【0041】さらに、前記したプラグ固定具330を用
いて、プラグ120を固定する。即ち、プラグ固定具3
30の筒状部132をプラグ取付孔342(本体対応部
344)に、レンチを用いて螺挿する。フランジ部33
3に形成した絶縁体挿通孔334は、基端側絶縁体10
2aよりやや径大とされているので、プラグ取付孔34
2に挿入してあったプラグ120の基端側絶縁体102
aを遊嵌状に挿入できる。その後、筒状部332の雄ネ
ジ332bが、本体対応部344の雌ネジ344bに螺
挿されて行くと、プラグ120のカシメ部106Aとプ
ラグ固定具330の押圧面335とが当接して押圧さ
れ、ガスケット109とプラグ座面107sおよびシー
ル面344aとの間でそれぞれシールができる。特に、
押圧面335が、リング状に形成されているので、カシ
メ部106A、従って、点火プラグ120を周方向にわ
たって均一に押圧できるので、ガスケット109とプラ
グ座面107sおよびシール面144aとの間のシール
も均一にできる。
【0042】また、シリンダーヘッド340にプラグ1
20を組み付けるのに、プラグ120は、プラグ取付孔
342に挿入するだけで足り、プラグ120の固定は、
プラグ固定具330をシリンダーヘッド340に固着す
ることで行える。従って、プラグ取付孔内に、プラグレ
ンチを差し込んでプラグ120をねじ込む作業が不要で
ある。また、プラグ120に雄ネジが形成されていない
ので、プラグを手で回転させて、ネジを仮に締めておく
必要もなく、また、ネジがカジリによって損傷すること
もない。さらに、本実施形態でも、カシメ部106Aを
プラグ固定具330の押圧面335で押圧するので、カ
シメ部106Aの緩みをも防止できる。特に、リング状
の押圧面335で、カシメ部106Aを周方向にわたり
均一に押圧するので、全周にわたって確実にカシメ部1
06Aの緩みを防止できる。なお、本実施形態において
も、点火プラグ120の主体金具103の材質を、銅−
亜鉛合金としたので、熱引きが良く、速やかに、ガスケ
ット109を経由して、シール面344aからシリンダ
ーヘッド340に、あるいは、カシメ部106Aを経由
して、押圧面335からプラグ固定具330に熱を放散
できる。従って、外側電極108や中心電極101等の
温度上昇が防止でき、プレイグニッションや電極の溶損
が防止できる。
【0043】(実施形態4)ついで、第4の実施の形態
について、図10を参照しつつ説明する。本実施形態
は、上記実施形態1〜3と、プラグのみ異なるだけであ
るので異なる点のみ説明する。上記実施形態1,2,3
では、プラグ座面として、軸に直交する平面をもつプラ
グ座面107sをもつプラグ120において、ガスケッ
ト109として、鋼板を折り曲げて構成したいわゆるS
字ガスケットを用いたが、本実施形態のプラグ420で
は、前記プラグ120のうち、ガスケット109に代え
て、銅またはアルミニウムからなる中実ガスケット(O
リング)409を用いる。このような中実ガスケットを
用いた場合には、例えば実施形態1に示したようにプラ
グ固定具130で押圧したときに、つぶれ代が無いため
に寸法精度その他を考慮する必要がある。しかし、ガス
ケット409自身の熱伝導率が主体金具103、従って
プラグ座面107sと略同一となり、しかも両者間の接
触面積も多くなるため、プラグ座面107sを経由し
て、熱が伝わりやすい。さらに、シール面144aとの
接触面積も大きく取れるので、主体金具103の先端部
105から伝わってきた熱を効率よく、シール面144
aからシリンダーヘッド140に放散させることができ
る。従って、このようなガスケット409を用いた場合
には、さらに、外側電極108や中心電極101等の温
度上昇が防止され、プレイグニッションや電極等の溶損
が防止できる。
【0044】(実施形態5)ついで、第5の実施の形態
について、図11を参照しつつ説明する。上記実施形態
1〜4では、プラグ座面として、軸に直交する平面をも
つプラグ座面107sをもち、ガスケット109、40
9でシールするフラットシートタイプのプラグを用い
た。これに対し、本実施形態では、プラグ座面507s
をテーパ面とした、コニカルシートタイプのプラグを用
いる。コニカルシートタイプの点火プラグ520を用い
た場合には、先端側本体部507下端のテーパ面とされ
たプラグ座面507sと、同じくテーパ面とされたシー
ル面544aとが、直接、かつ比較的広い面積で密着す
る。したがって、先端部105から伝わってきた熱を、
プラグ座面507sを経由して、シール面544aから
シリンダーヘッド540に放散することができるので、
さらに外側電極108等の温度上昇を抑止でき、プレイ
グニッションや電極等の溶損が防止できる。
【0045】以上において、本発明を各実施形態に即し
て説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して
適用できることはいうまでもない。上記実施形態では、
点火プラグに、1極のものを用いたが多極であっても良
いことは明らかである。また、沿面放電等によって着火
させるため、外側電極を形成しないものにも適用でき
る。また、上記実施形態では、点火プラグ120のカシ
メ部106Aをプラグ固定具の押圧面(132a,33
5)で押圧したが、カシメ部106Aの強度が十分で有
れば、プラグ固定具に押圧面を形成しなくても良いこと
は明らかである。このような場合には、他の部位を押圧
するようにすれば良く、例えば、先端側本体部107の
上面107aを押圧するようにしても良い。この場合に
は、プラグ座面107sに近い位置で押圧できるので、
より安定して押圧できる利点がある。
【0046】また、容易に理解できるように、上記実施
形態におけるプラグ120等は、その軸を中心としてそ
の周方向に回転させたいずれの状態でも取りうる。従っ
て、外側電極108の固着部108aの位置(周方向角
度)を適当に決めることができる。ところで、着火可能
な混合気の流れ(スワールM2)のうち、外側電極10
8と中心電極101との間の放電領域を通るスワール
を、固着部108aが妨げる場合、つまり、放電領域を
通るスワールの流線のうち、放電領域よりも上流側に固
着部108aが位置する場合には、着火しにくくなり、
空燃比(A/F値)の低い状態での駆動しかできないた
め、燃費が悪化する。また、各エンジン毎、あるいは気
筒毎に固着部108aの位置が異なる場合には、駆動で
きるA/F値にバラツキが発生する。しかるに、上記実
施形態では、プラグ120等を軸周りに回転させて、固
着部108aを所望の位置に位置させることができるの
であるから、適宜、固着部108aの位置をスワールを
妨げない位置(例えば、図5に示すように、固着部10
8aをスワールM2の下流の位置)に調整することがで
き、燃費を向上させることができる。また、これにより
気筒間あるいはエンジン間でバラツキのないエンジンと
することができる。
【0047】さらに、常に固着部108aが所定の位置
に来るように、プラグの周方向の回転を拘束することも
考えられる。例えば、図12に示すように、プラグ62
0の先端側本体部107には、突起607tが形成さ
れ、シリンダーヘッド640のプラグ取付孔642のう
ち先端側本体対応部644の内周面には、キー溝644
kが形成されている。このため、プラグ620は、その
軸Oの周りに回転させると、1箇所でのみ、シリンダー
ヘッド640と嵌合する。さらに、このプラグ620に
おいては、同品番のいずれのプラグについても、この突
起607tと外側電極固着部108aとは、軸Oから見
て、ちょうど反対方向に(図12では、突起607tが
右端に位置し、固着部108aが左端に位置している)
位置する関係にしてある。このようにすれば、固着部1
08aの位置は、常に所定位置に規制されるため、エン
ジン毎や気筒毎に固着部108aの位置がばらつくこと
もない。さらに、スワールとの関係を適宜設定すれば、
高いA/F値(薄い混合気)でエンジンを駆動すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる1極フラットシートタイプ
の点火プラグの形状を示す部分破断断面図および底面図
である。
【図2】実施形態1にかかるシリンダーヘッドのプラグ
取付孔近傍の形状を示す平面図および断面図である。
【図3】実施形態1にかかるプラグ固定具の形状を示す
平面図および断面図である。
【図4】実施形態1にかかり、図1に示す点火プラグ
を、図2に示すシリンダーヘッドのプラグ取付孔内に挿
入し、図3に示すプラグ固定具で、プラグ取付孔内に固
定した状態を示す説明図である。
【図5】実施形態1にかかり、エンジン(内燃機関)に
点火プラグを組み付けた状態を示す部分破断断面図であ
る。
【図6】図1に示す点火プラグを、図3に示すプラグ固
定具に装着した点火プラグ組立体を示す部分拡大断面図
である。
【図7】実施形態3にかかるプラグ固定具の形状を示す
平面図および断面図である。
【図8】実施形態3にかかるシリンダーヘッドのプラグ
取付孔近傍の形状を示す平面図および断面図である。
【図9】実施形態3にかかり、図1に示す点火プラグ
を、図8に示すシリンダーヘッドのプラグ取付孔内に挿
入し、図7に示すプラグ固定具で、プラグ取付孔内に固
定した状態を示す説明図である。
【図10】実施形態4にかかる1極フラットシートタイ
プの点火プラグの形状を示す部分破断断面図および底面
図である。
【図11】実施形態5にかかり、コニカルシートタイプ
の点火プラグを用いた状態を示す説明図である。
【図12】他の実施形態にかかり、点火プラグの主体金
具に突起を、シリンダーヘッドのプラグ取付孔にキー溝
を形成し、外側電極固着部の位置を規制した状態を示す
説明図である。
【図13】従来の点火プラグの形状を示す部分破断断面
図である。
【図14】従来のエンジン(内燃機関)に点火プラグを
組み付けた状態を示す部分破断断面図である。
【図15】従来のシリンダーヘッドのプラグ取付孔近傍
の形状を示す説明図および部分拡大断面図である。
【符号の説明】
100,300 点火プラグ組立体 120 点火プラグ 101 中心電極 102 絶縁体 103 主体金具 104 本体部 105 先端部 106 基端側本体部 106A カシメ部 107 先端側本体部 107s、407s プラグ座面 108 外側電極 109 ガスケット 130,330 プラグ固定具 132,332 筒状部 132a,335 押圧面 133,333 フランジ部 137 取付孔 140,340 シリンダーヘッド 142,342 プラグ取付孔 144a,344a,444a シール面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延びる中心電極と、上記中心電
    極の径方向周囲を取り囲んで、上記中心電極を固定する
    絶縁体と、上記絶縁体の径方向周囲を取り囲んで、上記
    絶縁体を固定する主体金具であって、先端側端部にプラ
    グ座面を備える本体部とこの本体部のプラグ座面から軸
    方向先端側に延びる先端部とを有する主体金具と、を有
    し、 上記主体金具の先端部は外周面略円筒形状とされ、 上記主体金具は銅合金またはアルミニウム合金からなる
    点火プラグと、 上記点火プラグを、内燃機関のシリンダーヘッドに形成
    されたプラグ取付孔内に、固定するためのプラグ固定具
    と、を備える点火プラグ組立体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の点火プラグ組立体であ
    って、 前記点火プラグは、主体金具の基端側端部に、前記絶縁
    体をカシメ固定するカシメ部を備え、 前記プラグ固定具は、前記シリンダーヘッドに上記点火
    プラグを固定する際に、上記主体金具のカシメ部を先端
    方向に押圧する押圧面を備えることを特徴とする点火プ
    ラグ組立体。
  3. 【請求項3】 軸方向に延びる中心電極と、上記中心電
    極の径方向周囲を取り囲んで、上記中心電極を固定する
    絶縁体と、上記絶縁体の径方向周囲を取り囲んで、上記
    絶縁体を固定する主体金具であって、先端側端部にプラ
    グ座面を備える本体部とこの本体部のプラグ座面から軸
    方向先端側に延びる先端部とを有する主体金具と、を有
    する点火プラグであって、 上記主体金具の先端部は外周面略円筒形状とされ、上記
    主体金具は銅合金またはアルミニウム合金からなること
    を特徴とする点火プラグ。
  4. 【請求項4】 先端側端部にプラグ座面を備え、基端側
    端部に絶縁体をカシメ固定するカシメ部を備える本体部
    と、上記本体部のプラグ座面から軸方向先端側に延び、
    外周略円筒形状の先端部と、を備える主体金具を有する
    点火プラグを、内燃機関のシリンダーヘッドに形成され
    たプラグ取付孔内に、固定するためのプラグ固定具であ
    って、 上記シリンダーヘッドに上記点火プラグを固定する際
    に、上記主体金具のカシメ部を先端方向に押圧する押圧
    面を備えることを特徴とするプラグ固定具。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のプラグ固定具であっ
    て、 前記シリンダーヘッドのヘッド上面に固着されるための
    取付孔を備えることを特徴とするプラグ固定具。
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