JP2000011364A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2000011364A
JP2000011364A JP10177329A JP17732998A JP2000011364A JP 2000011364 A JP2000011364 A JP 2000011364A JP 10177329 A JP10177329 A JP 10177329A JP 17732998 A JP17732998 A JP 17732998A JP 2000011364 A JP2000011364 A JP 2000011364A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
recording medium
magnetic recording
magnetic
medium according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10177329A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Ono
雅章 小野
Masaya Onishi
雅也 大西
Sunao Harada
直 原田
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Akira Ishikawa
彰 石川
Kazutoshi Otsuka
和俊 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Toray Industries Inc
Original Assignee
Kao Corp
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp, Toray Industries Inc filed Critical Kao Corp
Priority to JP10177329A priority Critical patent/JP2000011364A/ja
Publication of JP2000011364A publication Critical patent/JP2000011364A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面性が良く走行性やヘッドタッチの良好な
薄手の塗布型磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 粒子を含有するフィラー面Aと平均粒子
径が前記粒子の平均粒子径以上である粒子を含有するフ
ィラー面Bを持つ、厚さ2〜5.5μmのポリエステル
系プラスチックフィルムの両面に、金属、半金属及び合
金並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた金属材
料からなる強化膜が形成されている支持体の少なくとも
一面上に強磁性粉末を結合剤に分散させてなる磁性層を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造及び物
性を有する支持体を用いてなる薄手の塗布型磁気記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録は高密度記録化(同じ面
積により多くの情報を記録する)及び高容量化(同じ体
積により多くの情報を記録する)の方向にあり、高密度
記録化のためには高周波数特性の優れた磁気記録媒体が
要望されている。従来は磁性粉を適当なバインダーに分
散させて支持体上に塗布したいわゆる塗布型の磁気記録
媒体が主流であり、高密度記録に対する要求を満たすた
めに磁性粉末の微粒子化、高充填化、また磁性層表面を
平滑化する等種々の改善がなされている。
【0003】一方、高容量化する方法として、磁気記録
媒体の支持体を薄膜化することが考えれられる。通常、
磁気記録媒体の支持体としては、ポリエチレンテレフタ
レート(以下、PET)、ポリエチレン−2,6−ナフ
タリンジカルボキシレート(以下、PEN)等のポリエ
ステル系プラスチックをはじめとする非磁性支持体が用
いられ、その厚さは例えばVHS型のビデオテープでは
16μm程度、8mmビデオテープでは9μm程度であ
るが、高容量化(小型・長時間)を達成するために、よ
り一層支持体の薄膜化を進める必要がある。薄膜化され
たテープを用いる場合には、今までの厚いテープとの互
換性(媒体に対するヘッドの当たりや走行性など)を得
ることが望まれ、この観点から、支持体として剛性の高
いポリアミドフィルムが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリア
ミドフィルムは現在市販されている量が従来のポリエス
テルフィルムと比べて格段に少なく、ポリアミドフィル
ムによる薄手の磁気記録媒体の量的拡大には制約が多
い。また、PETやPENをそのまま用いると、剛性が
低いので、ヘッドタッチ(磁気ヘッドと媒体の接触状態
を言う)が悪くなり、走行不良や大幅な出力の低下を招
くなどの点から、媒体の薄膜化には限界があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、薄手の磁気記録媒体に適した支持体を得る
ために鋭意研究した結果、特定の構造を有するポリエス
テル系プラスチックフィルムを用い、更に該フィルムの
両面に金属系の強化膜を設けたものを支持体とすること
により、この支持体に塗布型磁性層を形成した場合に
は、ポリアミドフィルムを支持体に用いた場合と同等の
剛性を有し、且つ表面性が良好な塗布型の磁気記録媒体
が得られ、出力特性に優れることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、粒子を含有するフィラ
ー面Aと平均粒子径が前記粒子の平均粒子径以上である
粒子を含有するフィラー面Bを持つ、厚さ2〜5.5μ
mのポリエステル系プラスチックフィルムの両面に、金
属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物か
ら選ばれた金属材料からなる強化膜が形成されている支
持体の少なくとも一面上に強磁性粉末を結合剤に分散さ
せてなる磁性層が形成されていることを特徴とする磁気
記録媒体を提供するものである。以下に本発明の磁気記
録媒体について説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】<支持体>本発明の磁気記録媒体
に用いられる支持体は、ポリエステル系プラスチックか
らなるフィルムと該フィルムの両面に設けられた金属系
の強化膜からなる。
【0008】ここで、ポリエステルとしては、PET、
PEN、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−
1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレン−p−オキシベンゾエートなどが挙げられ
る。特にPET、PENが好ましい。また、これらのポ
リエステルはホモポリエステルであってもコポリエステ
ルであってもよい。
【0009】また、本発明の支持体に用いられるポリエ
ステル系フィルムは、厚さが2〜5.5μm、好ましく
は2.5〜5.5μm、更に好ましくは3.5〜5.5
μmである。本発明の支持体は特定のフィラー面Aとフ
ィラー面Bを有するポリエステル系フィルムに金属系の
強化膜を形成するものである。フィルムの曲げ剛性は、
フィルムのヤング率、フィルムの厚さにより算出可能で
あり、更にフィルムの両面に何らかの層を形成する場合
は、フィルムの曲げ剛性と形成する層の厚さとヤング率
並びにフィルムの厚さから得られるパラメーターとを加
味して算出される。このとき、最も外側に剛性の高い層
を形成すること、更にはフィルムの両側の最も外側に剛
性の高い層を形成することにより、高い曲げ剛性が得ら
れる。曲げ応力がフィルムに加わるとフィルムの一面側
は縮み他面側は伸びることになり、フィルムの伸び縮み
を阻止することが曲げ剛性の向上につながる。よって、
本発明の支持体としてフィルムの両面に硬い膜を形成さ
せる意味がある。一般に金属は酸化物の方が硬度が高く
なるので、強化膜の表面部を酸化することにより、本発
明の効果は更に向上する。更に、厚さ2〜5.5μmの
薄いポリエステル系フィルムを用いる場合でも、フィル
ムの両側に剛性の高い金属系の強化膜を形成し、その
際、強化膜の厚さやヤング率を調節することにより、ポ
リアミドフィルムに匹敵する曲げ剛性の支持体を得るこ
とができる。本発明はこのような知見によるものである
が、ポリエステル系フィルムの厚さが5.5μmを超え
ると、強化膜による曲げ剛性の向上効果は少なくなる。
これは、一般にフィルムの曲げ剛性は厚さの3乗に比例
することから、フィルムの厚さが増えるとフィルムの剛
性そのものが向上し、強化膜による剛性の向上率が相対
的に減少するからである。また、厚さが2μm未満のポ
リエステル系フィルムは、基本的にフィルム自体の曲げ
剛性が低すぎるため、強化膜による剛性の向上が加味さ
れても十分な剛性が発現するには至らない。本発明にお
ける強化膜による剛性の向上効果は厚さ3.5〜5.5
μmのフィルムにおいて特に顕著である。
【0010】また、前記の通り、本発明の支持体に用い
られるポリエステル系フィルムは、フィラー面Aとフィ
ラー面Bとを有する。フィラー面とは、フィルムに内在
する粒子により表面突起が形成される面を言う。
【0011】本発明に用いられるポリエステル系フィル
ムは、単層でも使用可能であるし、2層以上の積層フィ
ルムを用いてもよい。
【0012】フィラー面に用いられる粒子は炭酸カルシ
ウム、シリカ、アルミナ、ポリスチレン等が例示される
がこれらに限定されない。この粒子の平均粒子径はフィ
ラー面A側は好ましくは50〜1000nmであり、よ
り好ましくは70〜900nmである。フィラー面B側
は好ましくは50〜2000nmであり、より好ましく
は90〜1800nmである。フィラー面B側の粒子の
平均粒子径はフィラー面A側の粒子の平均粒子径以上で
ある。粒子の添加量はA面側では好ましくはフィラー面
を構成するポリエステル層の0.01〜1.0重量%、
より好ましくは0.02〜0.8重量%であり、B面側
では好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましく
は0.08〜0.8重量%である。このような粒子を添
加することにより、フィラー面に強化膜が設けられた本
発明の支持体に適度な表面突起が形成されるため、塗布
工程での支持体の適度な易滑性が付与され、また最終製
品での易滑性や表面性が良好となる。
【0013】上記平均粒子径は下記の方法により測定さ
れたものである。即ち、電顕試験台上に粒子粉体を、こ
の粒子ができるだけ重ならないように散在せしめ、電子
顕微鏡(好ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率10
0万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子の面積
円相当径を求め、この数平均値をもって平均粒子径とす
る。
【0014】なお、この平均粒子径をフィルムから求め
る場合下記の手法等により求められる。フィルムフィラ
ー面をイオンエッチングしフィラー面の微粒子をフィル
ム表面から暴露し電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕
微鏡)により倍率1万倍程度で観測し、少なくとも10
0個の粒子の面積円相当径を求め、この数平均値をもっ
て平均粒子径とする。
【0015】ポリエステル系フィルムの幅方向(磁気テ
ープとしたときの長手方向に直交する方向)のヤング率
は8000MPa以上が好ましく、更に好ましくは80
00〜11800MPaである。幅方向のヤング率が8
000MPa未満であると、本ポリエステル系フィルム
から作成された支持体より作成された磁気記録媒体のビ
デオテープレコーダー、データーストリーマー装置内で
の記録、再生時、ヘッドの走行、テープ走行規制ガイド
との接触等によるテープエッジダメージが発生する場合
がある。
【0016】本支持体に用いられるポリエステル系フィ
ルムの長手方向(磁気テープとしたときの長手方向)の
ヤング率は、6000MPa以下が好ましく、更に好ま
しくは3900〜5500MPaである。長手方向のヤ
ング率が6000MPaを越えると、本ポリエステル系
フィルムから作成された支持体の長手方向の剛性が高く
なることがあり、本支持体より作成した磁気記録媒体の
従来の磁気記録媒体との互換性がとれなくなる場合があ
るので、長手方向のヤング率は6000MPa以下が好
ましい。
【0017】上記ポリエステル系フィルムのヤング率
は、引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線にお
けるスタート点の立ち上がり勾配からASTM D−8
82−67に準じて測定され、単位はMPaで表す。こ
のときのサンプル幅、実効長さは10mm、100mm
とし、引張速度は100mm/minとした。
【0018】このようなフィラー面Aとフィラー面Bと
を有するポリエステル系フィルムは、以下の方法で得る
ことができる。
【0019】溶融、成形、2軸延伸、熱固定からなる通
常のプラスチックフィルム製造工程において、共押出し
技術の使用により、平均粒子径50〜1000nmの粒
子を0.01〜1.0重量%含有させたポリエステル原
料(A)と、平均粒子径50〜2000nmの粒子を
0.05〜1.0重量%含有させたポリエステル原料
(B)を用いたA/B積層フィルムを押出し、縦方向に
90〜150℃で2.5〜7.0倍延伸し、横方向に9
0〜150℃で3.0〜7.0倍延伸した後、150〜
220℃の温度で熱固定を行いつつ1.1倍以上、横に
延伸する。このようにして原料A側表面にフィラー面
A、原料B側表面にフィラー面Bを形成させることがで
きる。共押出しを行わず、単層のポリエステル系フィル
ムを用いても良いし、A層、B層の間に更に層を設け、
3層以上の積層構造を有するポリエステル系フィルムを
用いても良い。
【0020】本発明に用いるポリエステル系フィルムの
フィラーA面の表面粗さRa値は3〜30nmであるの
が好ましく、より好ましくは4〜25nmである。フィ
ラーB面の表面粗さRa値は3〜50nmであるのが好
ましく、より好ましくは4〜60nmである。フィラー
面A、BのRa値はポリエステル層A、B内の粒子種
類、添加量の調整により調整することができる。
【0021】なお、この表面粗さRa値はJIS B
0601で規定する中心線平均粗さに相当する中心線平
均粗さであり、触針式表面粗さ計によりフィルムの長手
方向に測定することにより求める。触針半径は2〜5μ
m、カットオフ値は0.25mm、評価長さは5mm程
度とする。
【0022】通常、本発明の支持体では、当該フィルム
のフィラー面A側に磁性層が形成され、フィラー面B側
にはバックコート層が形成されることが好ましい。特に
後述するように、バックコート層を金属薄膜型のバック
コートとした場合においては、走行性、耐久性の点から
フィラー面B側にバックコート層を形成することが好ま
しい。
【0023】また、フィルムの両面に形成される強化膜
は、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複
合物から選ばれた金属材料からなる。具体的には、A
l、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Co、Fe、Mn
などの金属、Si、Ge、As、Sc、Sbなどの半金
属が挙げられる。これらの金属及び半金属の合金として
は、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co
−Ni、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−
Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−S
m、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−S
b、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−C
r、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr等が挙げられ
る。また、これらの金属、半金属及び合金の酸化物は、
例えば蒸着時に酸素ガスを導入することで容易に得られ
る。また、これらの金属、半金属及び合金の複合物とし
ては、Fe−Si−O、Si−C、Si−N、Cu−A
l−O、Si−N−O、Si−C−Oなどが挙げられ
る。
【0024】強化膜の形成方法は問わないが、真空蒸着
法が一般的であり、その他にもスパッタ法やイオンプレ
ーティング法などを用いることができる。
【0025】強化膜の厚さは、20〜500nmが好ま
しく、より好ましくは50〜300nmである。また、
強化膜は単層でも多層でも何れでも良い。
【0026】本発明では、特に、強化膜が、金属、半金
属及び合金から選ばれた金属材料の酸化物を含み、該強
化膜中の酸素濃度の分布が該強化膜の表面近傍で大きい
ことが好ましく、更に、強化膜中の酸素濃度の分布が該
強化膜の表面近傍と該強化膜と前記フィルムの界面近傍
で大きいことが、フィルムの剛性の面で好ましい。この
ような酸素分布を有する強化膜は、成膜時又は成膜後、
表面を酸化性ガスで強制的に酸化処理することにより作
製することができる。また、強化膜中の酸素濃度分布の
測定は、オージェ電子分光分析の深さ方向の分析により
行うことができる。ただし、強化膜の最表面やフィルム
との界面付近は異物の混入などの影響により、オージェ
プロファイルの形状を正確に求めることは困難であり、
本発明においてこれらの部分の酸素濃度の変化は排除さ
れる。
【0027】ここで、「酸素濃度が大きい」とは、相対
的にその他の部分よりも酸素濃度が大きいことであり、
特に濃度の変動が10原子%以上ある場合を含む。
【0028】本発明において、強化膜はポリエステル系
フィルムの両面に形成されるが、両面とも同一の金属材
料で形成することが生産性の面から望ましく、特に本発
明では両面の強化膜をCoとその酸化物から形成するこ
とが好ましい。
【0029】本発明は上記特定の支持体を用いてなる塗
布型の磁気記録媒体に関するものである。特に微細突起
を有し表面性の良好なフィラー面A上に形成された強化
膜の上に磁性層を塗布形成することにより、高い表面性
を有ししかもヘッドとの滑り係数が低い磁性層が得られ
る。また表面に突起を有するフィラー面B上に形成され
た強化膜側に塗布型又は金属薄膜型のバックコート層を
形成することにより、適度な易滑性を付与できる。媒体
をこのような構成とすることにより、媒体の剛性を適正
化し、ヘッドタッチが良好で走行性も良好となり、出力
特性やジッター特性等に優れた塗布型磁性層を有する磁
気記録媒体が得られる。
【0030】<磁性層>次に、本発明の磁気記録媒体の
磁性層について説明する。該磁性層は、強磁性粉末、結
合剤及び溶剤を主成分とする磁性塗料を用いて塗布形成
される。
【0031】上記強磁性粉末としては、例えばγ−Fe
23、FeOx (4/3≦x<3/2)、Co被着γ−
Fe23、Co被着FeOx (4/3≦x<3/2)な
どの強磁性酸化鉄系粉末、鉄を主体とする強磁性金属粉
末及び強磁性六方晶系フェライト粉末などが挙げられる
が、高密度記録を達成するには、鉄を主体とする強磁性
金属粉末、強磁性六方晶フェライト粉末が好ましい。
【0032】上記強磁性金属粉末としては、金属分が5
0重量%以上であり、該金属分の60%以上が鉄である
強磁性金属粉末が挙げられる。該強磁性金属粉末の具体
例としては、例えば、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−
Al、Fe−Ni−Al、Fe−Co−Ni、Fe−N
i−Al−Zn、Fe−Al−Siなどが挙げられる。
鉄を主体とする強磁性金属粉末では、その形状は針状又
は紡錘状であることが好ましい。そしてその長軸長は、
好ましくは0.05〜0.25μm、更に好ましくは
0.05〜0.2μmである。また、好ましい針状比は
3〜20、好ましいX線粒径は13〜25nmであり、
好ましいBET比表面積は30〜80m2/gである。
【0033】また、上記強磁性六方晶系フェライト粉末
としては、微小平板状のバリウムフェライト及びストロ
ンチウムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がT
i、Co、Ni、Zn、Vなどの原子で置換された強磁
性粉末などが挙げられる。該強磁性六方晶系フェライト
粉末は、好ましい板径が0.02〜0.09μmであ
り、好ましい板状比が2〜7であり、好ましいBET比
表面積は30〜70m2/gである。
【0034】上記強磁性粉末の保磁力は120〜240
kA/m(1508〜3015Oe)であることが好ま
しく、特に130〜200kA/m(1634〜251
3Oe)が好ましい。上記範囲内であれば全波長領域で
のRF出力が過不足なく得られ、しかもオーバーライト
特性も良好となる。
【0035】また、上記強磁性金属粉末の飽和磁化は1
00〜180Am2 /kg(100〜180emu/
g)であることが好ましく、特に110〜160Am2
/kg(110〜160emu/g)であることが好ま
しい。一方、上記強磁性六方晶系フェライト粉末の飽和
磁化は30〜70Am2 /kg(30〜70emu/
g)であることが好ましく、特に45〜70Am2 /k
g(45〜70emu/g)であることが好ましい。上
記範囲内であれば十分な再生出力が得られる。
【0036】また、上記強磁性粉末には、必要に応じて
希土類元素や遷移金属元素を含有させることができる。
具体的には、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、
Mn、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、S
n、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、
Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nb、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Yb、Lu、B、Pが挙げられ
る。
【0037】なお、本発明においては上記強磁性粉末の
分散性などを向上させるために、該強磁性粉末に表面処
理を施しても良い。上記表面処理は「Characterization
ofPowder Surfaces 」(T.J.Wiseman ら著,Academic
Press,1976)に記載されている方法などと同様の方法
により行うことができ、例えば上記強磁性粉末の表面を
無機質酸化物で被覆する方法が挙げられている。この際
用いることができる無機質酸化物としては、Al
23 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、S
23 、ZnOなどが挙げられ、使用に際してはこれ
らを単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
なお、上記表面処理は上記の方法以外にシランカップリ
ング処理、チタンカップリング処理及びアルミニウムカ
ップリング処理などの有機処理によっても行うことがで
きる。
【0038】上記磁性層に含まれる上記結合剤は、磁気
記録媒体に用いられる公知のものなら特に制限なく用い
ることができる。例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及
び反応型樹脂ならびにこれらの混合物等が挙げられる。
【0039】具体的には、塩化ビニルの共重合体及びそ
の変成物、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステル
の共重合物、アクリロニトリルの共重合体(ゴム系の樹
脂)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、繊維素系樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることが
できる。
【0040】上記結合剤の数平均分子量は2,000〜
200,000であることが好ましい。
【0041】分散性を向上させるため、上記結合剤に、
水酸基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又は
その塩、リン酸基又はその塩、ニトロ基又は硝酸エステ
ル基、アセチル基、硫酸エステル基又はその塩、エポキ
シ基、ニトリル基、カルボニル基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アルキルアンモニウム塩基、スルホベタイ
ン、カルボベタイン等のベタイン構造等の分極性の官能
基(いわゆる、極性基)を含有させてもよい。
【0042】上記磁性層の形成に用いられる磁性塗料に
含有される溶剤としては、ケトン系の溶剤、エステル系
の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の溶剤及
び塩素化炭化水素系の溶剤などが挙げられ、具体的には
特開昭57−162128号公報の第3頁右下欄17行
〜第4頁左下欄10行などの記載されている溶剤を用い
ることができる。上記溶剤の使用量は、上記強磁性粉末
100重量部に対して80〜500重量部とすることが
好ましく、100〜350重量部とすることがさらに好
ましい。
【0043】また、上記磁性層の形成に用いられる磁性
塗料には、分散剤、潤滑剤、研磨材、帯電防止剤、防錆
剤、防黴剤などの通常の磁気記録媒体に用いられる添加
剤を必要に応じて添加することができる。上記添加剤と
して具体的には、特開昭57−162128号公報の第
2頁左下欄6行〜第2頁右下欄10行及び第3頁左下欄
6行〜第3頁右上欄18行などに記載されている種々の
添加剤を挙げることができる。
【0044】上記磁性層の厚みは0.03〜3μmであ
ることが好ましく、0.05〜2μmであることが更に
好ましく、0.05〜1μmであることが特に好まし
い。磁性層の厚みが当該範囲内であると高記録密度化が
容易となり、しかも高密度化の設計も容易となる。
【0045】<中間層>また、必要に応じて、磁性層と
支持体との間に無機粉末及び/又は有機粉末を結合剤に
分散させて形成される中間層を設けることができる。該
中間層は磁性を有する層であっても、非磁性の層であっ
てもよい。上記中間層が磁性を有する層である場合に
は、該中間層は磁性粉末を含有する磁性の層(以下、磁
性中間層という)であり、磁性粉末、結合剤及び溶剤を
主成分とする磁性塗料を用いて形成される。一方、上記
中間層が非磁性の層である場合には、該中間層は非磁性
粉末を含有する層(以下、非磁性中間層という)であ
り、非磁性粉末、結合剤及び溶剤を主成分とする非磁性
塗料を用いて形成される。
【0046】上記磁性中間層の形成に用いられる磁性塗
料に含有される磁性体粉末としては強磁性粉末が好まし
く用いられる。上記強磁性粉末としては酸化鉄系磁性粉
末、鉄を主体とする強磁性金属粉末、強磁性六方晶系フ
ェライト粉末などが挙げられる。上記強磁性粉末として
は、上記磁性層の形成に用いられる磁性塗料に含有され
る酸化鉄系磁性粉末、強磁性金属粉末、強磁性六方晶フ
ェライト粉末と同様のものが用いられる。該強磁性粉末
の保磁力、飽和磁化、形状、BET比表面積などの物性
も、上記磁性層の形成に用いられる強磁性金属粉末及び
強磁性六方晶フェライト粉末の物性と同様である。
【0047】また、磁性中間層の形成に用いられる磁性
塗料に含有される磁性粉末には必要に応じて希土類元素
や遷移金属元素を含有させることができる。また、上記
磁性層の強磁性金属粉末と同様の表面処理を該磁性粉末
に施しても良い。
【0048】磁性中間層の形成に用いられる磁性塗料に
含有される溶剤としても、上記磁性層の形成に用いられ
る磁性塗料に含有される溶剤と同様のものが用いられ
る。上記溶剤の使用量は上記磁性粉末100重量部に対
して80〜500重量部とすることが好ましく、特に1
00〜350重量部とすることが好ましい。
【0049】また、上記磁性中間層の形成に用いられる
磁性塗料には必要に応じて、上記磁性層の形成に用いら
れる磁性塗料に添加される添加剤を添加することができ
る。また、上記磁性中間層の形成に用いられる磁性塗料
には、後述する非磁性中間層の形成に用いられる非磁性
塗料に含有される非磁性粉末を添加することもできる。
【0050】次に非磁性中間層について説明する。非磁
性中間層の形成に用いられる非磁性塗料に含有される非
磁性粉末としては、例えば、カーボンブラック、グラフ
ァイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、二酸化マグネシウム、二硫化タ
ングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化
錫、二酸化珪素、非磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化
珪素、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、
非磁性の酸化鉄、ザクロ石、ケイ石、窒化珪素、炭化モ
リブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタ
ン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末などが挙げ
られる。これらの中でも非磁性の酸化鉄、酸化チタン、
カーボンブラック、アルミナ、酸化珪素、窒化ホウ素な
どが好ましく用いられる。これら非磁性粉末は単独で用
いても、二種以上を混合して用いてもよい。
【0051】上記非磁性粉末の形状は、球状、板状、針
状、無定形のいずれでもよく、また、その大きさは球
状、板状、無定形のものにおいては5〜200nmであ
ることが好ましく、また、針状のものは長軸長が20〜
200nmで針状比が3〜20であることが好ましい。
【0052】尚、本発明においては上記非磁性粉末の分
散性などを向上させるために、該非磁性粉末に上記磁性
層の形成に用いられる磁性塗料に含有される強磁性粉末
と同様の表面処理を施すことができる。
【0053】上記非磁性中間層の形成に用いられる非磁
性塗料に含有される溶剤としては、上記磁性層の形成に
用いられる磁性塗料に含有される溶剤と同様のものが用
いられる。上記溶剤の使用量は上記非磁性粉末100重
量部に対して80〜500重量部とすることが好まし
く、特に100〜350重量部とすることが好ましい。
また、上記非磁性中間層の形成に用いられる非磁性塗料
には必要に応じて上記磁性層の形成に用いられる磁性塗
料に添加される添加剤を添加することができる。
【0054】上記中間層(磁性、非磁性)の厚みは0.
2〜3μmであることが好ましく、特に0.5〜2μm
であることが好ましい。該中間層の厚みが当該範囲であ
れば磁気記録媒体にしわやたわみが発生しにくく、かつ
高記録容量が容易となる。
【0055】<バックコート層>更に、本発明において
は、支持体上にバックコート層を形成することができ
る。バックコート層は、カーボンブラックやバインダー
を主成分とする厚さ0.2〜1.0μm程度の塗布型の
バックコート層でもよいし、蒸着法、直流スパッタ法、
交流スパッタ法、高周波スパッタ法、直流マグネトロン
スパッタ法、高周波マグネトロンスパッタ法、イオンビ
ームスパッタ法などの乾式メッキ手段により、真空中で
金属又は半金属を支持体に付着させて形成された金属薄
膜型のバックコート層でもよい。
【0056】前者の塗布型のバックコート層は従来の方
法に従い、バックコート塗料から形成することができ
る。該バックコート塗料としては上記磁性層の形成に使
用される磁性塗料と同様の結合剤、硬化剤、無機粉等を
適量配合したものが使用される。該バックコート層の厚
みは0.05〜1.0μmが好ましく、特に0.1〜
0.8μmであることが走行耐久性と高記録容量に両立
の点から好ましい。
【0057】後者の金属薄膜型のバックコート層の場
合、バックコート層として付着する金属としては、いろ
いろ考えられるが、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、A
g、Coなど及びこれらの合金が用いられ、Al、Co
やCu−Al合金が好適である。また、バックコート層
を形成する半金属としては、Si、Ge、As、Sc、
Sbなどが用いられ、Siが好適である。更に蒸着時に
前記金属又は半金属に酸化反応、炭化反応等をさせた酸
化膜、炭化膜などのようにセラミックス化したものも好
適である。また、更に添加物をドープし、導電率を向上
させることは好ましい。金属薄膜型のバックコート層の
厚さは、0.05〜1.0μm程度である。かかるバッ
クコート層は、本発明に用いられる支持体の強化膜自体
からなるか又は本発明に用いられる支持体の強化膜上に
形成された少なくとも1層の金属薄膜からなることが好
ましい。特に支持体の強化膜をバックコート層とするこ
とが好ましい。
【0058】また、必要に応じて、金属薄膜型のバック
コート層上に厚さが1〜50nmの保護層を設けること
もできる。保護層を構成する材料として、Al等の金属
の酸化物、窒化物、あるいは炭化物などの他、SiC
等、及びそれを含む化合物などが考えられる。また、特
に、炭素膜、中でもダイヤモンドライクカーボンが好ま
しい。ダイヤモンドライクカーボンよりなる保護層はフ
ィジカルベーパーデポジション(PVD)法又はケミカ
ルベーパーデポジション(CVD)法により形成され
る。特に、ECRプラズマCVD装置により形成され
る。即ち、真空槽内に配設された支持体上の磁性層に対
してECRプラズマCVD装置を作動させ、磁性層に炭
化水素系ガスのプラズマを吹き付ける。これにより、磁
性層表面に保護層(ダイヤモンドライクカーボン層)が
形成される。
【0059】更に、必要に応じては、該保護層上に適当
な潤滑剤からなる潤滑剤層を形成することが走行性の面
から好ましい。特にパーフルオロポリエーテル等のフッ
素系の潤滑剤が好ましく、潤滑剤層の厚さは0.5〜1
0nm程度である。潤滑剤としては、例えば-[C(R)F-CF
2-O]p-(但し、R はF,CF3, CH3などの基) 、特にHOOC-CF
2(OC2F4)p(OCF2)q-OCF2COOH ,F-(CF2CF2CF2O)n-CF2CF2
COOH 等のカルボキシル基変性パーフルオロポリエーテ
ル、HOCH2-CF2(OC2F4)p(OCF2)q-OCF2-CH2OH,HO-(C2H4O)
m-CH2-(OC2F4)p(OCF2)q-OCH2-(OCH2CH2)n-OH, F-(CF2CF
2CF2O)n-CF2CF2CH2OH 等のアルコール変性パーフルオロ
ポリエーテルが挙げられる。分子量は500〜5000
0のものが好ましい。具体的には、モンテカチーニ社の
商品名「FOMBLIN Z DIAC」や「FOMB
LIN Z DOL」、ダイキン工業社の商品名「デム
ナムSA」等がある。特に耐久性の面ではフッ素系アル
キル基とアルキル基の両方を持つ潤滑剤の使用が好まし
い。また、これらの潤滑剤を混合して使用することも好
ましい。
【0060】本発明の磁気記録媒体は、上記実施形態に
制限されず、上述した実施形態及びその他の変更形態も
可能である。例えば、本発明の磁気記録媒体の層構造
は、磁性層と一層の中間層との重層構造に限られず、磁
性層と非磁性支持体との間に非磁性中間層及び磁性中間
層を適宜組み合わせた二層以上の中間層が形成されてい
てもよい。また、本発明の磁気記録媒体には、支持体、
中間層、磁性層及びバックコート層以外に、更に、支持
体と中間層又はバックコート層との間にプライマー層を
設けたり、長波長信号を使用するハードシステムに対応
してサーボ信号等を記録するための他の磁性層及びその
他の層を設けてもよい。
【0061】但し、上記塗布型又は金属薄膜型のバック
コート層、上記磁性層及び必要に応じて設けられる中間
層の厚みの合計は、上記支持体の厚みの70%以下であ
ることが好ましい。これらの層の厚みの合計が当該範囲
であると、後述する実施例から明らかなように、薄く且
つ幅方向に比較的高い範囲のヤング率を有する上記支持
体を使用した磁気テープを、ロールへ巻き取る場合に、
たわみやしわの発生が抑制される。上記範囲は60%以
下、特に40%以下であることが好ましい。なお、これ
らの層の厚みの合計の下限については別段制限はない
が、実用的な範囲としては支持体の厚みの10%程度で
ある。
【0062】更に、本発明の磁気記録媒体の全厚は、
3.5〜9μmが好ましく、4〜8.5μmが更に好ま
しい。この厚みの範囲において、支持体、塗布磁性層及
びバックコート層のバランスがとれ、カッピング等の発
生もなく、表面性が良くヘッドタッチの良好な薄手の塗
布型の磁気記録媒体が提供できる。
【0063】また、本発明の磁気記録媒体は、8mmビ
デオテープやDATテープ、DDSテープ、DVCテー
プ、DLTテープ等の磁気テープとして適用することも
できるが、今後開発される薄手の磁気記録媒体としても
好適である。
【0064】
【実施例】以下実施例にて本発明を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0065】実施例1 (1)支持体の製造 下記の方法で、フィラー面Aとフィラー面Bを有する厚
さ4.9μmのPETフィルムを得た。
【0066】実質的に不活性粒子を含有しないPETに
平均粒子径90nmのシリカを0.15重量%含有させ
た原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないPETに
平均粒子径300nmの炭酸カルシウムを0.20重量
%含有させた原料Bとを厚み比5:1の割合で共押出し
し、ロール延伸法で110℃で3.0倍に縦延伸した。
【0067】その後、ステンターにて横方向に105℃
で3.3倍に延伸し、更に215℃で1.56倍に横延
伸しながら熱処理し、中間スプールに巻き、スリッター
で小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻取り、
フィラー面A(原料Aよりなる面)とフィラー面B(原
料Bよりなる面)を有する厚さ4.9μmのロール状ポ
リエステルフィルムを得た。
【0068】本ポリエステルフィルムはフィラー面Aの
Ra値は5nmであった。フィラー面BのRa値は20
nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4200
MPa/9000MPaであった。
【0069】次いで、このPETフィルムの両面に、図
1の装置を用いて、それぞれ厚さ120nmのCo強化
膜を成膜し、強化膜が形成された支持体を製造した。こ
の時の蒸着条件は、最大入射角60°、フィルム走行速
度1.5m/分、電子銃パワー16kW、ノズル14a
からの酸素ガス流量10SCCM、ノズル14cからの
酸素ガス流量60SCCMであった。なお、図1は真空
蒸着装置の概略図であり、図1において、1は支持体、
10は冷却キャンロール、11はルツボ、12はCo、
13は防着板、14a、14b、14cは酸素ガスノズ
ル、15は電子銃、16は真空チャンバである。本例で
は酸素ガスノズル14bは使用しなかった。
【0070】得られた支持体のフィラー面A側の強化膜
の元素分布をオージェ電子分光法により分析した結果を
図3に示す。ここで、オージェ電子分光法は、電子銃条
件として電子銃加速電圧10kV、エミッション電流1
0nA、倍率2000倍であり、エッチング条件とし
て、エッチングガスがアルゴンガスで、加速電圧3k
V、イオン電流300nAであり、この条件下で25秒
間毎にエッチングして行った(以下同じ)。図3から、
この支持体のフィラー面A側の強化膜は、その表面近傍
と、強化膜とPETフィルムの界面近傍で酸素濃度が高
いことがわかる。
【0071】(2)磁気テープの製造 上記で得られた支持体フィルムのフィラー面A側の強化
膜上に、下記配合の磁性塗料(ア)を最終厚みが0.9
μmとなるようにライン速度100m/分にて塗工し、
塗膜が未乾燥のうちに640kA/m(8kOe)の磁
場強度のソレノイドを通過させた後、乾燥させた。イン
ラインカレンダーにて、ロール温度:95℃、線圧:
3.5kN/cmのカレンダー条件下でカレンダー処理
を施し、次いで、乾燥厚みが0.5μmとなるよう下記
配合のバックコート塗料(イ)を支持体フィルムのフィ
ラー面側の強化膜上に塗布した後、乾燥して巻き取っ
た。この後、50℃にて12時間エージング処理し、8
mm巾にスリットした後、表面をバーニッシュ処理して
不織布でクリーニングを行い、磁気テープを得た。この
磁気テープを8mm用カセットに装填し、評価用のカセ
ットとした。尚、上記磁気テープにおける磁性層の磁気
特性を振動式磁力計(印加磁場800kA/m(10k
Oe))で測定したところ、保磁力は158kA/m
(1985Oe)、飽和磁束密度は0.37T(370
0ガウス)、角型比は0.89であった。
【0072】 <磁性塗料アの配合> ・鉄を主体とする針状強磁性金属粉末 100重量部 〔Fe:Co:Ni:Al:Y:Ca=70:24:1:2:2:1(重量比)〕 〔長軸長:0.09μm、軸比:6、保磁力:153kA/m(1922Oe) 、飽和磁化:146Am2 /kg(146emu/g)、BET比表面積:53 m2 /g、X線粒径:15nm〕 ・アルミナ(研磨材、平均粒子径:0.18μm) 8重量部 ・カーボンブラック 0.5重量部 (帯電防止剤、平均一次粒子径:0.018μm) ・塩化ビニル共重合体(結合剤) 10重量部 (平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量 :8×10-5当量/g) ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 7重量部 (数平均分子量:25000,スルホン酸基含有量:1.2×10-4当量/g、 ガラス転移点:45℃) ・パルミチン酸(潤滑剤) 1.5重量部 ・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) 2.5重量部 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 5重量部 〔日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL(商品名)〕 ・メチルエチルケトン 120重量部 ・トルエン 80重量部 ・シクロヘキサノン 40重量部 <バックコート塗料イの配合> ・カーボンブラック 40重量部 (帯電防止剤、平均一次粒子径0.018μm) ・ニッポラン2301(結合剤) 50重量部 〔商品名、日本ポリウレタン工業(株)のポリウレタン〕 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 4重量部 〔武田薬品工業(株)製、商品名(D−250N)〕 ・ニトロセルロース 20重量部 ・ステアリン酸 1重量部 ・メチルエチルケトン 140重量部 ・トルエン 140重量部 ・シクロヘキサノン 140重量部 (3)性能評価 上記で得られた8mmビデオカセットについて、出力、
走行性(ジッタ)及びヘッドタッチの指標としてエンベ
ロープを以下の方法で評価した。走行性は走行に伴う電
磁変換特性の変化を表すジッタを指標とした。その結果
を表1に示す。
【0073】・出力 8mmVTRを改造したデッキを用いて、表1の周波数
での出力を測定し、本比較例1を基準(0dB)とする
相対評価とした。
【0074】・ジッタ ジッタは、市販の8mmVTRを改造し、これにジッタ
メーターを接続して測定した。
【0075】・エンベロープ エンベロープは、アドバンテスト社のTR4171型ス
ペクトラアナライザを用い、RBW=10kHz、VB
W=30kHz、周波数スパン=0MHz、スイープタ
イム=40ms、アベレージ=16回の条件で得られた
出力波形(エンベロープ)をオシロスコープで測定し、
図2に示すように、出力波形の最大値Bと最小値Aから
欠け量として下記のように算出した。欠け量(dB)=2
0log(A/B)欠け量の小さいもの程ヘッドタッチ
が良好である。
【0076】実施例2 実施例1において、フィラー面AのRa値が4nmであ
る以外は、同様の厚さ4.9μm、ヤング率は長手方向
/幅方向で4200MPa/9000MPaのPETフ
ィルムを用いて実施例1と同様に8mmビデオカセット
を製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果
を表1に示す。なお、ここで用いたPETフィルムは、
実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに含ま
れる平均粒子径90nmのシリカの含有量を0.10重
量%とした以外は実施例1と同様にして製造されたもの
である。
【0077】実施例3 実施例1において、フィラー面BのRa値が40nmで
ある以外は、同様の厚さ4.9μm、ヤング率は長手方
向/幅方向で4200MPa/9000MPaのPET
フィルムを用いて実施例1と同様に8mmビデオカセッ
トを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結
果を表1に示す。なお、ここで用いたPETフィルム
は、実施例1のPETフィルム製造において、原料Bに
含まれる炭酸カルシウムの含有量を0.60重量%とし
た以外は実施例1と同様にして製造されたものである。
【0078】実施例4 実施例1において、PETフィルムに代えて厚さ4.2
μmのPENフィルムを用いた以外は実施例1と同様に
して8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の性
能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで
用いたPENフィルムは、フィラー面AのRa値は4n
mであった。フィラー面BのRa値は17nmであっ
た。ヤング率は長手方向/幅方向で5500MPa/1
1000MPaであった。また、このPENフィルムは
実施例1のPETフィルム製造において、原料をPET
からPENと変更し、縦延伸温度、倍率を135℃で
5.0倍とし、横延伸温度、倍率を135℃、6.0倍
とし、更に160℃で1.2倍に横に延伸し、200℃
で熱処理と変更した以外は実施例1と同様にして製造さ
れたものである。
【0079】実施例5 実施例1において、蒸着装置の酸素ガスノズル14aか
らの酸素ガスの導入をせずに両面の強化膜を形成し、そ
の他は実施例1と同様にして、8mmビデオカセットを
製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を
表1に示す。なお、得られた支持体のフィラー面A側の
強化膜の元素分布をオージェ電子分光法により分析した
結果を図4に示す。図4から、この支持体のフィラー面
A側の強化膜は、その表面近傍で酸素濃度が高いことが
わかる。
【0080】実施例6 実施例1において、支持体に強化膜を形成する際に全く
酸素ガスを導入をせず、その他は実施例1と同様にし
て、8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の性
能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られ
た支持体のフィラー面A側の強化膜の元素分布をオージ
ェ電子分光法により分析した結果を図5に示す。図5か
ら、この支持体のフィラー面A側の強化膜は、酸素濃度
がほぼ一定であることがわかる(表面近傍がわずかに酸
素濃度が高いのは自然酸化によるものである)。
【0081】実施例7 (1) 支持体の製造 実施例1の製造法において、共押出しフィルムの厚さを
0.8倍、押出し速度を1.2倍とし、他は同様にし
て、フィラー面Aとフィラー面Bを有する厚さ3.5μ
mのPETフィルムを得た。本ポリエステルフィルムの
フィラー面AのRa値は5nmであった。フィラー面B
のRa値は20nmであった。ヤング率は長手方向/幅
方向で4300MPa/9200MPaであった。
【0082】次いで、このPETフィルムの両面に、図
1の装置を用いて、フィラー面Aに厚さ100nmのS
iOx 強化膜を成膜し、フィラー面Bに厚さ150nm
のSiOx 強化膜を成膜し、強化膜が形成された支持体
を製造した。この時の蒸着条件は、最大入射角40°、
電子銃パワー18kW、ノズル14aからの酸素ガス流
量20SCCM、ノズル14cからの酸素ガス流量30
SCCMであり、フィルム走行速度はフィラー面Aで3
m/分、フィラー面Bで4.5m/分であった。
【0083】(2)磁気テープの製造および性能評価 上記で得られた支持体フィルムを再度図1の装置にセッ
トし、支持体のフィラー面A側のSiOx 強化膜上に実
施例1と同様に磁性層を形成した。その他も実施例1と
同様にして8mmビデオカセットを製造し、実施例1同
様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0084】実施例8 実施例7において、SiOx 強化膜の形成の際に蒸着装
置の酸素ガスノズル14bのみから酸素ガスを導入(流
量50SCCM)して両面の強化膜を形成し、その他は
実施例7と同様にして、8mmビデオカセットを製造
し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1
に示す。なお、得られた支持体のフィラー面A側の強化
膜の元素分布をオージェ電子分光法により分析した結果
を図6に示す。図6に示されるように、この支持体のフ
ィラー面A側の強化膜中の酸素濃度は、その表面近傍は
自然酸化によりやや高くなり、深さ方向に向かうにつれ
て一旦酸素濃度が減少するが徐々に増加し、再度ゆるや
かに減少している。
【0085】実施例9 実施例7において、支持体のフィラー面Aに形成するS
iOx 強化膜をNi−O強化膜に代えた以外は実施例7
と同様にして、8mmビデオカセットを製造し、実施例
1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。な
お、Ni−O強化膜を形成する際の蒸着条件は、最大入
射角50°、電子銃パワー12kW、フィルム走行速度
1.2m/分、ノズル14aからの酸素ガス流量20S
CCM、ノズル14cからの酸素ガス流量40SCCM
であった。
【0086】実施例10 実施例7において、PETフィルムに代えて厚さ2.5
μmのPENフィルムを用いた以外は実施例7と同様に
して8mmビデオカセットを製造し、実施例7同様の性
能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで
用いたPENフィルムは、フィラー面AのRa値は4n
mであった。フィラー面BのRa値は17nmであっ
た。ヤング率は長手方向/幅方向で6000MPa/1
1000MPaであった。また、このPENフィルムは
実施例4のPENフィルム製造において、共押出しフィ
ルムの厚さを0.7倍、押出し速度を1.2倍とし、他
は同様にして得た。
【0087】実施例11 実施例7において、厚さ5.5μmのPETフィルムを
用いた以外は実施例1と同様にして8mmビデオカセッ
トを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結
果を表1に示す。なお、ここで用いたPETフィルム
は、フィラー面AのRa値は5nmであった。フィラー
面BのRa値は18nmであった。ヤング率は長手方向
/幅方向で4300MPa/9100MPaであった。
また、ここで用いられたPETフィルムは実施例1のP
ETフィルム製造において、共押出しフィルムの厚さを
1.2倍とし、他は同様にして得た。
【0088】実施例12 実施例9において、フィラー面A側のNi−O強化膜と
フィラー面B側のSiOx 強化膜の厚さをそれぞれ2倍
にした(フィルム走行速度を半分にした)以外は実施例
1と同様にして、8mmビデオカセットを製造し、実施
例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0089】実施例13 実施例9において、フィラー面A側のNi−O強化膜と
フィラー面B側のSiOx 強化膜の厚さをそれぞれ半分
にした(フィルム走行速度を2倍にした)以外は実施例
1と同様にして、8mmビデオカセットを製造し、実施
例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0090】実施例14 図1の装置を用いて、実施例1で得られたポリエステル
フィルムのフィラー面Aに厚さ180nmのCo強化膜
を成膜し、一方フィラー面Bには厚さ180nmのCo
強化膜を成膜した。その後実施例1と同様に8mmビデ
オカセットを製造し、実施例1同様の性能評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0091】実施例15 実施例1のPETフィルム製造において、215℃での
横延伸倍率を1.24倍と変更した以外は実施例1と同
様にして得た厚さ4.9μmのPETフィルムを用い、
8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の性能評
価を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで用い
たPETフィルムは、フィラー面AのRa値が5nmで
あった。フィラー面BのRa値は25nmであった。ヤ
ング率は長手方向/幅方向で4300MPa/7500
MPaであった。
【0092】実施例16 実施例4のPENフィルム製造において、縦延伸倍率を
5.8倍と変更した以外は実施例4と同様にして厚さ
4.2μmのPENフィルムを用い、8mmビデオカセ
ットを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その
結果を表1に示す。なお、ここで用いたPENフィルム
は、フィラー面AのRa値が4nmであった。フィラー
面BのRa値は16nmであった。ヤング率は長手方向
/幅方向で6500MPa/11000MPaであっ
た。
【0093】実施例17 実施例1のPETフィルム製造において、原料B内の炭
酸カルシウムの平均粒子径を90nmとした。その他は
実施例1と同様にして厚さ4.9μmのポリエステルフ
ィルムを得た以外は実施例1と同様にして8mmビデオ
カセットを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。
その結果を表1に示す。なお、ここで用いたPETフィ
ルムは、フィラー面AのRa値は5nmであった。フィ
ラー面BのRa値は10nmであった。ヤング率は長手
方向/幅方向で4300MPa/9100MPaであっ
た。
【0094】実施例18 実施例1のPETフィルム製造において、原料B内の炭
酸カルシウムの平均粒子径を1200nmとした。その
他は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのポリエステ
ルフィルムを得た以外は実施例1と同様にして8mmビ
デオカセットを製造し、実施例1同様の性能評価を行っ
た。その結果を表1に示す。なお、ここで用いたPET
フィルムは、フィラー面AのRa値は5nmであった。
フィラー面BのRa値は70nmであった。ヤング率は
長手方向/幅方向で4300MPa/9100MPaで
あった。
【0095】実施例19 実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに含ま
れるシリカの粒子径を25nmとした以外は実施例1と
同様にして厚さ4.9μmのPETフィルムを用い、8
mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の性能評価
を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで用いた
PETフィルムは、フィラー面AのRa値は4nmであ
った。フィラー面BのRa値は20nmであった。ヤン
グ率は長手方向/幅方向で4300MPa/9100M
Paであった。
【0096】実施例20 実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに粒子
径800nmのシリカを0.01重量%追加した以外は
実施例1と同様にして厚さ4.9μmのPETフィルム
を用い、8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様
の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、こ
こで用いたPETフィルムは、フィラー面AのRa値は
25nmであった。フィラー面BのRa値は21nmで
あった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa
/9100MPaであった。
【0097】実施例21 実施例1のフィラー面B側の強化膜上に厚さ50nmの
SiOx 膜を成膜しこれをバックコート層とし、次いで
該SiOx 膜上にCVD法によりダイヤモンドライクカ
ーボンからなる厚さ10nmの保護膜を形成した。ま
た、保護膜にはフッ素系潤滑剤〔商品名:AM2001
(ダイキン工業社製)〕を厚さが2nmとなるように付
着させ、潤滑層を形成した。それ以外は実施例1と同様
にして8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の
性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0098】実施例22 実施例1のフィラー面B側の強化膜(Co膜)の厚さを
210nmとしこれをバックコート層とし、次いで該C
o膜上にCVD法によりダイヤモンドライクカーボンか
らなる厚さ15nmの保護膜を形成した。また、保護膜
にはフッ素系潤滑剤〔商品名:AM2001(ダイキン
工業社製)〕を厚さが2nmとなるように付着させ、潤
滑層を形成した。それ以外は実施例1と同様にして8m
mビデオカセットを製造し、実施例1同様の性能評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0099】比較例1 実施例1において、フィラー面が形成されていないPE
Tフィルムを用い、このPETフィルムに実施例1と同
様にして強化膜を形成し、支持体とした。その他は実施
例1と同様にして、8mmビデオカセットを製造し、実
施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示
す。なお、ここで用いたPETフィルムの表面は両面と
もRa値が2nmであった。ヤング率は長手方向/幅方
向で4200MPa/9000MPaであった。
【0100】比較例2 実施例1において、支持体のフィラー面BにCo強化膜
を形成せず、代わりに実施例1のバックコート塗料
(イ)を塗布して厚さ0.5μm(乾燥厚)の塗布型の
バックコート層を形成した。その他は実施例1と同様に
して、8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の
性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0101】比較例3 実施例7において、支持体のフィラー面BにSiOx
化膜を形成せず、代わりに実施例1のバックコート塗料
(イ)を塗布して厚さ0.5μm(乾燥厚)の塗布型の
バックコート層を形成した。その他は実施例1と同様に
して、8mmビデオカセットを製造し、実施例1同様の
性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0102】比較例4 実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに粒子
径1200nmのシリカを0.02重量%追加し、原料
B内の炭酸カルシウムの平均粒子径を40nmとした以
外は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのPETフィ
ルムを用い、8mmビデオカセットを製造し、実施例1
同様に性能評価を行った。その結果を表1に示す。な
お、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面AのR
a値は35nmであった。フィラー面BのRa値は2n
mであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4200M
Pa/9000MPaであった。
【0103】
【表1】
【0104】*1:表1の出力値は1MHz、10MH
z、15MHzの各周波数における実施例1の測定値を
基準(0dB)としたときの相対値(dB単位)であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の強化膜を形成するため
の装置の例を示す略図
【図2】実施例におけるエンベロープ欠け量を算出する
ためのモデル図
【図3】実施例1の支持体のフィラー面A側の強化膜の
オージェ分光分析のチャート
【図4】実施例5の支持体のフィラー面A側の強化膜の
オージェ分光分析のチャート
【図5】実施例6の支持体のフィラー面A側の強化膜の
オージェ分光分析のチャート
【図6】実施例8の支持体のフィラー面A側の強化膜の
オージェ分光分析のチャート
【符号の説明】
1…支持体 10…冷却キャンロール 11…ルツボ 12…Co 15…電子銃 16…真空チャンバ
フロントページの続き (72)発明者 大西 雅也 滋賀県大津市園山一丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 原田 直 滋賀県大津市園山一丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 北折 典之 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 石川 彰 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 大塚 和俊 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 5D006 BA01 CA01 CA05 CB01 CB06 CB07 CC01 CC03 CC04 DA00 EA03 FA00 FA05 5D112 AA01 AA02 AA03 AA08 AA11 AA22 BA01 BA08 BD03 FA02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を含有するフィラー面Aと平均粒子
    径が前記粒子の平均粒子径以上である粒子を含有するフ
    ィラー面Bを持つ、厚さ2〜5.5μmのポリエステル
    系プラスチックフィルムの両面に、金属、半金属及び合
    金並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた金属材
    料からなる強化膜が形成されている支持体の少なくとも
    一面上に強磁性粉末を結合剤に分散させてなる磁性層が
    形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記支持体のフィラー面A側に磁性層が
    形成されてなる請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記フィラー面Aの粒子の平均粒子径が
    50〜1000nm、フィラー面Bの粒子の平均粒子径
    が50〜2000nmであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記フィラー面Aの表面粗さRa値が3
    〜30nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    か1項記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステル系フィルムの幅方向の
    ヤング率が8000MPa以上であることを特徴とする
    請求項1〜4の何れか1項記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記フィラー面Bの表面粗さRa値が3
    〜50nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れ
    か1項記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記ポリエステル系フィルムの長手方向
    のヤング率が6000MPa以下であることを特徴とす
    る請求項1〜6の何れか1項記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記強化膜が、金属、半金属及び合金か
    ら選ばれた金属材料の酸化物を含み、該強化膜中の酸素
    濃度が該強化膜の表面近傍で大きい請求項1〜7の何れ
    か1項記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記強化膜が、金属、半金属及び合金か
    ら選ばれた金属材料の酸化物を含み、該強化膜中の酸素
    濃度が該強化膜の表面近傍と該強化膜と前記フィルムの
    界面近傍で大きい請求項1〜8の何れか1項記載の磁気
    記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記金属材料がコバルトを主体とする
    強磁性金属とその酸化物である請求項1〜9の何れか1
    項記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記両面の強化膜が同一の金属材料か
    らなる請求項1〜10の何れか1項記載の磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 前記強化膜が真空中の斜め蒸着により
    形成されたものである請求項1〜11の何れか1項記載
    の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記支持体のフィラー面B側にバック
    コート層を有し、該バックコート層が、前記支持体の強
    化膜自体からなるか又は前記支持体の強化膜上に形成さ
    れた少なくとも1層の金属薄膜からなる請求項1〜12
    の何れか1項記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記バックコート層が前記支持体に形
    成された前記強化膜からなる請求項13記載の磁気記録
    媒体。
  15. 【請求項15】 前記バックコート層がコバルトを主体
    とする強磁性金属とその酸化物からなる請求項13又は
    14記載の磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】 前記バックコート層上に潤滑層が形成
    されている請求項13〜15の何れか1項記載の磁気記
    録媒体。
  17. 【請求項17】 媒体の全厚が4〜8.5μmである請
    求項1〜16の何れか1項記載の磁気記録媒体。
JP10177329A 1998-06-24 1998-06-24 磁気記録媒体 Pending JP2000011364A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177329A JP2000011364A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10177329A JP2000011364A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000011364A true JP2000011364A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16029081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10177329A Pending JP2000011364A (ja) 1998-06-24 1998-06-24 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000011364A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006277920A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用支持体および磁気記録媒体
WO2007111098A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及びその製造方法
WO2017195866A1 (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 ソニー株式会社 磁気記録媒体、積層体およびフレキシブルデバイス
DE112017002425T5 (de) 2016-05-11 2019-01-31 Sony Corporation Magnetisches Aufzeichnungsmedium, Laminatkörper und flexible Vorrichtung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006277920A (ja) * 2005-03-02 2006-10-12 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用支持体および磁気記録媒体
WO2007111098A1 (ja) 2006-03-24 2007-10-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 透明バリア性シート及びその製造方法
WO2017195866A1 (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 ソニー株式会社 磁気記録媒体、積層体およびフレキシブルデバイス
DE112017002416T5 (de) 2016-05-11 2019-01-24 Sony Corporation Magnetaufzeichnungsmedium, laminat und flexible vorrichtung
DE112017002425T5 (de) 2016-05-11 2019-01-31 Sony Corporation Magnetisches Aufzeichnungsmedium, Laminatkörper und flexible Vorrichtung
JPWO2017195866A1 (ja) * 2016-05-11 2019-03-14 ソニー株式会社 磁気記録媒体、積層体およびフレキシブルデバイス
US10872633B2 (en) 2016-05-11 2020-12-22 Sony Corporation Magnetic recording medium, laminate, and flexible device
JP7031579B2 (ja) 2016-05-11 2022-03-08 ソニーグループ株式会社 磁気記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6753548B1 (ja) 磁気記録媒体およびカートリッジ
JP6597775B2 (ja) 磁気記録媒体
JP6610823B1 (ja) 磁気記録媒体
US11749304B2 (en) Magnetic recording medium having controlled dimensional variation
WO2018199105A1 (ja) 磁気記録媒体
JP2020166915A (ja) 磁気記録媒体
WO2018203468A1 (ja) 磁気記録媒体
JP2999446B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録・再生システム
JP2000011364A (ja) 磁気記録媒体
JP7367706B2 (ja) 磁気記録テープ及び磁気記録テープカートリッジ
JP2020166923A (ja) 磁気記録媒体
JPH11134639A (ja) 磁気記録媒体
WO2022158314A1 (ja) 磁気記録媒体、磁気記録再生装置および磁気記録媒体カートリッジ
JP6883227B2 (ja) 磁気記録媒体
JP7247858B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3691941B2 (ja) 磁気記録媒体及びその支持体
JP4219444B2 (ja) 磁気記録媒体及びその支持体
JP2020166922A (ja) 磁気記録媒体
JP2005339648A (ja) 磁気記録媒体
JP2006134370A (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JP2000011362A (ja) 磁気記録媒体
JPH10334452A (ja) 磁気記録媒体
JPH10293918A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2005149688A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2005100535A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041019