JP2000010218A - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents

放射線画像情報読取装置

Info

Publication number
JP2000010218A
JP2000010218A JP10179924A JP17992498A JP2000010218A JP 2000010218 A JP2000010218 A JP 2000010218A JP 10179924 A JP10179924 A JP 10179924A JP 17992498 A JP17992498 A JP 17992498A JP 2000010218 A JP2000010218 A JP 2000010218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
sheet
image information
light
line sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10179924A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Isoda
勇治 礒田
Kenji Takahashi
健治 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP10179924A priority Critical patent/JP2000010218A/ja
Publication of JP2000010218A publication Critical patent/JP2000010218A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線画像情報読取装置において、光電変換
素子のサイズを変えずに、得られる画像情報の分解能を
向上させる。 【解決手段】 搬送ベルト40によるシート50とラインセ
ンサ20との相対的な移動方向が、光電変換素子21の配列
方向Xに対して斜め方向であるとともに、シート50上
の、各光電変換素子21による光電変換の対象領域の一部
が、少なくとも隣接する移動位置間において重複せしめ
られるように、移動位置を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像情報読取
装置に関し、詳細には蓄積性蛍光体シートから発光する
輝尽発光光をラインセンサにより読み取る放射線画像情
報読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線を照射するとこの放射線エネルギ
ーの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光等の励
起光を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて
輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用し
て、支持体上に蓄積性蛍光体を積層してなるシート状の
蓄積性蛍光体シートに人体等の被写体の放射線画像情報
を一旦蓄積記録したものに、レーザ光等の励起光を画素
ごとに偏向走査して各画素から順次輝尽発光光を生じせ
しめ、得られた輝尽発光光を光電読取手段により光電的
に順次読み取って画像信号を得、一方この画像信号読取
り後の蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して、このシ
ートに残留する放射線エネルギーを放出せしめる放射線
画像記録再生システムが広く実用に供されている。
【0003】このシステムにより得られた画像信号には
観察読影に適した階調処理や周波数処理等の画像処理が
施され、これらの処理が施された後の画像信号は診断用
可視像としてフイルムに記録され、または高精細のCR
Tに表示されて医師等による診断等に供される。一方、
上記消去光が照射された残留放射線エネルギーが放出さ
れた蓄積性蛍光体シートは再度放射線画像情報の蓄積記
録が可能となり、繰り返し使用可能とされる。
【0004】ここで、上述した放射線画像記録再生シス
テムに用いられる放射線画像情報読取装置においては、
輝尽発光光の読取り時間の短縮化、装置のコンパクト化
およびコスト低減の観点から、励起光源として、シート
に対して線状に励起光を照射する、蛍光灯、冷陰極蛍光
灯、LEDアレイまたはブロードエリアレーザ等のライ
ン光源を使用し、光電読取手段として、ライン光源によ
り励起光が照射されたシートの線状の部分の長さ方向に
沿って多数の光電変換素子が配列されたラインセンサを
使用するとともに、上記ライン光源およびラインセンサ
をシートに対して相対的に、上記線状の部分の長さ方向
に略直交する方向に移動する走査手段を備えた構成が提
案されている(特開昭60−111568号、同60−236354号、
特開平1−101540号等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ラインセンサ
は上述したように多数の光電変換素子により構成されて
おり、このようなラインセンサを用いた放射線画像情報
読取装置によれば、読み取られた画像情報の分解能は、
このセンサを構成する光電変換素子の数に規定される。
この光電変換素子は物理的な大きさを有しているため、
一定の大きさのラインセンサを構成する素子数には限界
があり、分解能を際限なく高めることはできない。
【0006】しかし、医用の診断用画像については、よ
り高い分解能が求められており、診断性能の高い画像を
提供するためにも、この要望に応える必要がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、光電変換素子のサイズを変えずに、得られる画像
情報の分解能を向上させることを可能にした放射線画像
情報読取装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線画像情報
読取装置は、走査手段により、ラインセンサおよびライ
ン光源と蓄積性蛍光体シートとを、ラインセンサの光電
変換素子が配列された配列方向に対して相対的に斜め方
向に移動(副走査)させて、シートの各領域からの輝尽
発光光を、ラインセンサにより少なくとも2つの異なる
移動位置で検出することによって、光電変換素子の検出
領域よりも狭い領域ごとの信号を得るものである。
【0009】すなわち、本発明の第1の放射線画像情報
読取装置は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍
光体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光源
と、前記シートの線状に照射された部分から発光された
輝尽発光光を受光して光電変換を行う、多数の光電変換
素子が線状に配列されたラインセンサと、前記ライン光
源および前記ラインセンサと前記シートとを相対的に移
動させる走査手段と、前記走査手段による移動位置ごと
に、前記ラインセンサを構成する前記各光電変換素子の
出力信号を読み取る読取手段とを備えた放射線画像情報
読取装置において、前記走査手段による前記相対的な移
動方向が、前記光電変換素子の配列方向に対して斜め方
向であるとともに、前記シート上の、前記各光電変換素
子による前記光電変換の対象領域の一部が、少なくとも
隣接する前記移動位置間において重複せしめられるよう
に、前記移動位置が設定されていることを特徴とするも
のである。
【0010】ここで、ライン光源とは、シート面に対し
て1次元状の励起光を照射するものであれば、蛍光灯、
冷陰極蛍光灯、LEDアレイ等のように光源自体がライ
ン状のものだけでなく、ブロードエリアレーザ(ブロー
ドエリア半導体レーザに限るものではない)やEL(Ele
ctroluminescence )素子等も含むものである。なお好ま
しくは、LEDアレイまたはブロードエリアレーザを適
用し、これらの光源から出射された励起光が、シート面
上において線状の励起光とされるように、この線状の長
さ方向(長軸方向)に直交する方向(短軸方向)への励
起光の拡がりを抑制するシリンドリカルレンズ、スリッ
ト、セルフォックレンズ(ロッドレンズ)アレイ、蛍光
導光シート、光ファイバ束、ホットミラー、コールドミ
ラー等またはこれらの組合せなどからなる励起光導光手
段をさらに用いた構成を採用するのが望ましい。蛍光導
光シートは、蓄積性蛍光体シートの最適な2次励起波長
が600nm前後であるときは、蛍光体の付活剤がEu3+(発
光中心)であり硝子または高分子の媒体であるものが望
ましい。
【0011】また上記ライン光源から出射される励起光
は、連続的に出射されるものであってもよいし、出射と
停止を繰り返すパルス状に出射されるパルス光であって
もよいが、ノイズ低減の観点から、高出力のパルス光で
あることが望ましい。
【0012】ライン光源から出射された線状の励起光に
よる、蓄積性蛍光体シート上における長軸方向の照射領
域の長さは、蓄積性蛍光体シートの画像有効領域の一辺
よりも長いことが必要である。
【0013】シートの線状に照射された部分から発光さ
れた輝尽発光光とは、励起光が照射された面側から発光
された輝尽発光光だけでなく、励起光が照射された面の
裏側の面から発光された輝尽発光光をも含む意味であ
り、シートの表面(励起光が照射された面)または裏面
(励起光が照射された面の裏側の面)のうちいずれか一
方からの輝尽発光光のみを検出するときは、その検出面
側にのみラインセンサを配設し、シートの両面からの輝
尽発光光をいずれも検出するときは、両面にそれぞれラ
インセンサを配設した構成とすればよい。なお両面から
検出するものであっても、順次片面ずつ検出するときは
一方の面側にのみラインセンサを設けた構成でよい。
【0014】このようにシートの両面から輝尽発光光を
検出する構成の放射線画像情報読取装置においては、シ
ートの、励起光が入射した面とは反対の面側に輝尽発光
光が透過するように、シートの支持体等を、輝尽発光光
透過性のものとすることが必要である。また、シート
を、放射線エネルギ特性が互いに異なる2つの画像情報
に基づく2つの輝尽発光光を表裏面から各別に発光しう
る、放射線エネルギーサブトラクション用の蓄積性蛍光
体シートとしてもよい。
【0015】シートの片面からの情報のみを読み取るか
両面からの情報を読み取るかに拘わらず、シートとし
て、その輝尽発光光の発光領域が、シートの厚さ方向に
延びる励起光反射性隔壁部材により、多数の微小房に細
分区画されたもの(いわゆる異方化された蓄積性蛍光体
シート;特開昭59−202100号、同62−36599 号、特開平
2−129600号等)を使用することもでき、光電変換によ
って得られた画像信号に基づく画像の鮮鋭度を高めるこ
とができる。
【0016】ラインセンサとしては、アモルファスシリ
コンセンサ、CCDセンサ、バックイルミネータ付きの
CCD、MOSイメージセンサ等を適用することがで
き、その長さはシートの画像有効領域の一辺よりも長く
ことが必要である。
【0017】多数の光電変換素子が線状に配列されたと
は、多数の光電変換素子が上記長軸方向に、一直線状に
整列して配列されたことのみに限られた意味ではなく、
全体として長軸方向に延びる配列であれば、ジグザグ状
に配列された千鳥状配列のものも含む意である。
【0018】ラインセンサを構成する光電変換素子の各
々の受光面の大きさは、10〜4000μmとするのが適切で
あり、特に 100〜500μmとするのが好ましく、ライン
センサの長さ方向における光電変換素子の配列数は1000
以上であることが望ましい。
【0019】また、シートとラインセンサとの間に、物
体面と像面とが1対1に対応する結像系で構成されてい
るセルフォックレンズ(登録商標;以下省略)アレイや
ロッドレンズアレイ等の屈折率分布形レンズアレイ、シ
リンドリカルレンズ、スリット、光ファイバ束、ホット
ミラー、コールドミラー等、またはこれらの組合せなど
からなる輝尽発光光導光手段をさらに設けてもよい。
【0020】さらに、シートとラインセンサとの間の輝
尽発光光の光路上に、輝尽発光光を透過させるが励起光
を透過させない励起光カットフィルタ(シャープカット
フィルタ、バンドパスフィルタ)を設けて、ラインセン
サに励起光が入射するのを防止するのが好ましい。
【0021】ライン光源およびラインセンサとシートと
を相対的に移動させるとは、ライン光源およびラインセ
ンサを、シートに対して移動させてもよいし、その逆で
あってもよく、さらに両者のいずれも移動させるもので
あってもよいことを意味する。なおライン光源およびラ
インセンサを移動するときは、これらを一体的に移動す
るものである。
【0022】移動位置とは、ラインセンサによる光電検
出が行われるときの位置であり、移動中に瞬間的に通過
する位置を意味するものではない。
【0023】また走査手段による移動方向である、光電
変換素子の配列方向に対して斜め方向とは、光電変換素
子の配列方向(千鳥状配列のときはラインセンサ全体と
して延びる方向)とこの配列方向に直交する方向との間
の角度範囲であって、配列方向に一致する方向および直
交する方向に一致する方向を除外した方向を意味する。
また、この斜め方向への移動は、シート全面を読み取る
期間中常に一定の斜め方向に移動するものであってもよ
いし、ジグザグ状に方向を切り返す移動であってもよ
い。
【0024】シート状の光電変換対象領域とは、光電変
換素子の各々が輝尽発光光を光電検出するシート上の領
域を意味し、対象領域の一部が重複とは、全部が重複す
るものを含まない意である。
【0025】なお、本発明の第1の放射線画像情報読取
装置におけるラインセンサは、上述した、光電変換素子
が単列で配列されたものに限るものではなく、このよう
な光電変換素子の列が、光電変換素子の配列方向に対し
て直交する方向(短軸方向)に、複数配列されたもので
あってもよい。この場合、複数の光電変換素子は、長軸
方向および短軸方向のいずれの方向についても一直線状
に並ぶマトリックス状の配列であるものであってもよい
し、長軸方向には一直線状に並ぶが短軸方向はジグザグ
状に並ぶ配列や、短軸方向には一直線状に並ぶが長軸方
向はジグザグ状に並ぶ配列、両軸方向ともにジグザグ状
に並ぶ配列など種々の配列態様のものを採用することが
できる。
【0026】なお、短軸方向または長軸方向のいずれか
について光電変換素子がジグザグ状に並ぶ配列のライン
センサを採用したときの本発明の第1の放射線画像情報
読取装置における走査手段による移動方向は、この短軸
方向または長軸方向についての光電変換素子の配列方向
(斜め方向)とは異なる斜め方向とするのが望ましい。
【0027】上述した短軸方向にも複数の光電変換素子
を配列した構成のラインセンサを採用した場合であっ
て、転送レートによる影響が生じる程に光電変換素子の
数を増大させた構成においては、各光電変換素子に対応
するメモリ素子を設けて、各光電変換素子に蓄積した電
荷を一旦各メモリ素子に記憶させ、次の電荷蓄積期間中
に、各メモリ素子から電荷を読み出すことで、電荷の転
送時間増大による電荷蓄積時間の短縮化を回避する構成
とすればよい。
【0028】なお、以上の各説明のうち該当するものに
ついては、以下の本発明の第2の放射線画像情報読取装
置についても同様である。
【0029】本発明の第2の放射線画像情報読取装置
は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シー
トの一部に励起光を線状に照射するライン光源と、前記
シートの線状に照射された部分から発光された輝尽発光
光を受光して光電変換を行う、多数の光電変換素子が線
状に配列されたラインセンサと、前記ライン光源および
前記ラインセンサと前記シートとを相対的に移動させる
走査手段と、前記走査手段による移動位置ごとに、前記
ラインセンサを構成する前記各光電変換素子の出力信号
を読み取る読取手段とを備えた放射線画像情報読取装置
において、前記ラインセンサを構成する前記光電変換素
子の列が、該光電変換素子の配列方向に対して直交する
方向に複数配列されたものであって、該直交する方向に
おける光電変換素子の配列が一直線上からずれたもので
あり、前記シート上の、前記各光電変換素子による前記
光電変換の対象領域の一部が、少なくとも隣接する前記
移動位置間において重複せしめられるように、前記移動
位置が設定されていることを特徴とするものである。
【0030】すなわち本発明の第2の放射線画像情報読
取装置は、光電変換素子の列が光電変換素子の配列方向
に対して直交する方向(短軸方向)に複数配列されたも
のであって、しかも光電変換素子が長軸方向には一直線
状に並ぶが短軸方向にはジグザグ状に並ぶラインセンサ
を使用したものである。
【0031】直交する方向における光電変換素子の配列
が一直線上からずれたものとは、光電変換素子の列が隣
接する列間で、光電変換素子が一直線状に並ばず、した
がって上述したように、短軸方向について光電変換素子
がラインセンサのジグザグ状に並ぶものとなっているこ
とを意味するものである。
【0032】このような構成の放射線画像情報読取装置
においては、本発明の第1の放射線画像情報読取装置と
は異なり、走査手段による移動方向は、斜め方向である
必要はなく、ラインセンサの短軸方向に一致させるのが
望ましい。
【0033】移動方向を短軸方向としたときは、ライン
光源から出射された線状の励起光による、蓄積性蛍光体
シート上における長軸方向の照射領域の長さおよびライ
ンセンサの長軸方向の長さは、蓄積性蛍光体シートの画
像有効領域の一辺と同等の長さであればよいため、長い
センサに比べてコストを抑制することができるからであ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の放射線画像情報読取装置によれ
ば、シートの各領域から発光する輝尽発光光を、ライン
センサにより少なくとも2つの異なる移動位置で検出す
ることによって、この2つの移動位置でそれぞれ検出さ
れた2つの信号に基づいて、光電変換素子の検出領域よ
りも狭い領域ごとの信号を得ることができ、光電変換素
子のサイズを変えずに、得られる画像情報の分解能を高
めることができる。
【0035】すなわち、本発明の第1の放射線画像情報
読取装置によれば、走査手段によるライン光源およびラ
インセンサとシートと相対的な移動方向が、ラインセン
サの光電変換素子配列方向に対して斜め方向であるとと
もに、シート上の、各光電変換素子による前記光電変換
の対象領域の一部が、少なくとも隣接する移動位置間に
おいて重複せしめられるように移動位置が設定されてい
るため、光電変換素子の検出領域よりも狭いシート上の
任意の領域から発光した輝尽発光光は、ある移動位置に
おけるいずれかの光電変換素子により検出されるととも
に、この移動位置に隣接する次の移動位置におけるいず
れかの光電変換素子によっても検出される。したがっ
て、この検出された例えば2つの光電検出素子の出力に
基づいて加算演算等(単純加算、重み付け加算またはそ
の他の演算処理)の演算処理を施すことにより、当該シ
ート上の任意の狭い領域の信号情報を求めることがで
き、上記走査手段によるシートの全面の走査により、こ
れと同様にシート上の全ての各領域について信号情報を
得ることができる。そして信号情報が得られたシート上
の各領域は、光電変換素子が移動位置間で重複した領
域、すなわち各光電変換素子の検出領域よりも狭い領域
であるため、光電変換素子のサイズを変えずに、得られ
る画像情報の分解能を高めることができる。
【0036】また、本発明の第1の放射線画像情報読取
装置におけるラインセンサにおいて、光電変換素子を複
数列としたものによれば、個々の光電変換素子の受光幅
(ラインセンサの短軸方向の幅を意味する)が輝尽発光
光の光線幅より短くとも、ラインセンサ全体として、輝
尽発光光の線幅の略全幅に亘って受光することができる
ため受光効率を高めることができる。
【0037】本発明の第2の放射線画像情報読取装置に
よれば、ラインセンサを構成する光電変換素子の列が、
この光電変換素子の配列方向に対して直交する方向(短
軸方向)に複数配列されたものであって、短軸方向にお
ける光電変換素子の配列が一直線上からずれたものであ
り、シート上の、各光電変換素子による前記光電変換の
対象領域の一部が、少なくとも隣接する移動位置間にお
いて重複せしめられるように移動位置が設定されている
ため、光電変換素子の検出領域よりも狭いシート上の任
意の領域から発光した輝尽発光光は、ある移動位置にお
けるいずれかの光電変換素子により検出されるととも
に、この移動位置に隣接する次の移動位置におけるいず
れかの光電変換素子によっても検出される。したがっ
て、この検出された例えば2つの光電検出素子の出力に
基づいて加算演算等(単純加算、重み付け加算またはそ
の他の演算処理)の演算処理を施すことにより、当該シ
ート上の任意の狭い領域の信号情報を求めることがで
き、上記走査手段によるシートの全面の走査により、こ
れと同様にシート上の全ての各領域について信号情報を
得ることができる。そして信号情報が得られたシート上
の各領域は、光電変換素子が移動位置間で重複した領
域、すなわち各光電変換素子の検出領域よりも狭い領域
であるため、光電変換素子のサイズを変えずに、得られ
る画像情報の分解能を高めることができる。
【0038】しかも、光電変換素子列が複数列であるラ
インセンサを適用していることにより、個々の光電変換
素子の受光幅(ラインセンサの短軸方向の幅を意味す
る)が輝尽発光光の光線幅より短くとも、ラインセンサ
全体として、輝尽発光光の線幅の略全幅に亘って受光す
ることができるため受光効率を高めることができる。
【0039】なお、ラインセンサの短軸方向における光
電変換素子の配列が一直線上からずれたものであるた
め、走査手段による移動の方向を、ラインセンサの短軸
方向に一致させても上記狭い領域の信号情報を得ること
ができ、本発明の第1の放射線画像情報読取装置におけ
る走査手段のように、ラインセンサの長軸方向に対して
斜め方向に移動を行う必要がない点において有利であ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放射線画像情報読
取装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明
する。
【0041】図1(1)は本発明の第1の放射線画像情
報読取装置の一実施形態を示す斜視図、同図(2)は
(1)に示した放射線画像情報読取装置のI−I線断面
を示す断面図、図2は図1に示した読取装置のラインセ
ンサ20およびシート50と移動方向との関係を示す要部平
面図である。
【0042】図示の放射線画像情報読取装置は、放射線
画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート(以下、
シートという)50を載置して矢印Y′方向に搬送する搬
送ベルト40、線幅略 100μmで発振波長が 600〜700 nm
の線状のレーザ光Lをシート50表面に略平行に発するブ
ロードエリア半導体レーザ(以下、BLDという)11、
BLD11から出射された線状のレーザ光Lを集光するコ
リメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトー
リックレンズの組合せからなる光学系12、シート50表面
に対して45度の角度だけ傾けて配された、レーザ光Lを
反射し後述する輝尽発光光Mを透過するように設定され
たダイクロイックミラー14、ダイクロイックミラー14に
より反射された線状のレーザ光Lを、シート50上に矢印
X方向(シートの辺縁に平行)に沿って延びる線状(線
幅略 100μm)に集光するとともに、線状のレーザ光L
が集光されてシート50から発せられる、蓄積記録された
放射線画像情報に応じた輝尽発光光Mを平行光束とする
屈折率分布形レンズアレイ(多数の屈折率分布形レンズ
が配列されてなるレンズであり、以下、第1のセルフォ
ックレンズアレイという)15、およびこの第1のセルフ
ォックレンズアレイ15により平行光束とされ、ダイクロ
イックミラー14を透過した輝尽発光光Mを、後述するラ
インセンサ20を構成する各光電変換素子21の受光面に集
光させる第2のセルフォックレンズアレイ16、第2のセ
ルフォックレンズアレイ16を透過した輝尽発光光Mに僅
かに混在する、シート50表面で反射したレーザ光Lをカ
ットし輝尽発光光Mを透過される励起光カットフィルタ
17、励起光カットフィルタ17を透過した輝尽発光光Mを
受光して光電変換する多数の光電変換素子21が配列され
たラインセンサー20、およびラインセンサー20を構成す
る各光電変換素子21から出力された信号を読み取って所
定の演算処理を施す画像情報読取手段30を備えた構成で
ある。
【0043】ここで搬送ベルト40の進行方向Y′は図2
に示すように、シート50の辺縁およびラインセンサ20の
長軸方向Xに直交する方向Y(以下、ラインセンサ20の
短軸方向Yという)に対して角度α(0°<α<90°)
だけ傾いた斜め方向に設定されている。この結果、搬送
ベルト40上に載置されたシート50とラインセンサ20と
の、ベルト40の移動に伴う相対的位置関係は、図3に示
すように変化する。図において、実線で示したラインセ
ンサ20は、シート50からの輝尽発光光Mを検出開始する
位置であり、2点鎖線で示したラインセンサ20はシート
50からの輝尽発光光Mを検出完了する位置である。な
お、図1に示した画像情報読取装置は、ラインセンサ20
およびライン光源11等のレーザ光照射系および輝尽発光
光検出系は図示しない不動の筐体に固設されたものであ
り、一方シート50は搬送ベルト40とともに矢印Y′方向
に移動するため、図3は、シート50を固定したときのラ
インセンサ20の相対的な移動を示すものである。以下の
説明においても随時、ラインセンサ20の矢印−Y′方向
(矢印Y′方向の反対向きとする)への相対的な移動を
適用して説明する。
【0044】第1のセルフォックレンズアレイ15は、ダ
イクロイックミラー14上において、シート50上の輝尽発
光光Mの発光域を1対1の大きさで結像する像面とする
作用をなし、第2のセルフォックレンズアレイ16は、光
電変換素子21の受光面において、ダイクロイックミラー
14上における輝尽発光光Mの像を1対1の大きさで結像
する像面とする作用をなす。
【0045】また、コリメータレンズとトーリックレン
ズからなる光学系12は、BLD11からのレーザ光Lをダ
イクロイックミラー14上に所望の照射域に拡大する。
【0046】ラインセンサー20は詳しくは、図2に示す
ように、矢印X方向に沿って多数(例えば1000個以上)
の光電変換素子21が配列されて構成されている。また、
ラインセンサー20を構成するこれら多数の光電変換素子
21はそれぞれ、縦 100μm×横 100μm程度の大きさの
受光面を有しており、この大きさは、シート50の表面に
おける縦λy(= 100μm)×横λx(= 100μm)の
大きさ部分から発光する輝尽発光光Mを受光する大きさ
である。なお、光電変換素子21としては具体的には、ア
モルファスシリコンセンサ、CCDセンサまたはMOS
イメージセンサなどを適用することができる。
【0047】ここで、ラインセンサー20は、搬送ベルト
40によるシートの所定の搬送位置(移動位置)ごとに、
光電変換処理を行って読取り手段30にその情報が出力さ
れる。この光電変換処理が行われる移動位置は以下のよ
うに設定されている。
【0048】すなわち、シート50上の、各光電変換素子
21による光電変換の対象領域(縦λy×横λx)の面積
比4/9の領域(縦2λy/3,横2λx/3)が、隣
接する移動位置間において重複せしめられるように、移
動位置が設定されている。なお、各光電変換素子21によ
る光電変換の対象領域の面積比1/9の領域(縦λy/
3,横λx/3)は、さらに隣接する移動位置間におい
ても重複する。
【0049】画像情報読取手段30はこのようにして読み
取られた各移動位置における、各光電変換素子21の信号
に基づいて、上述した重複領域ごとの信号情報を算出す
るものである。
【0050】次に本実施形態の放射線画像情報読取装置
の作用について、図4を用いて説明する。
【0051】まず、搬送ベルト40が矢印Y方向に移動す
ることにより、この搬送ベルト40上に載置された、放射
線画像情報が蓄積記録されたシート50が矢印Y′方向に
搬送される。このときのシート50の搬送速度はベルト40
の移動速度に等しい。またこの移動速度による移動位置
間の移動に要する時間に対するラインセンサ20の光電変
換素子21による蓄積、光電変換および転送に要する時間
は充分速く設定されている。
【0052】一方、BLD11が、線幅略 100μmの線状
のレーザ光Lを、シート50表面に対して略平行に出射
し、このレーザ光Lは、その光路上に設けられたコリメ
ータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12に
より平行ビームとされ、ダイクロイックミラー14により
反射されてシート50表面に対して垂直に入射する方向に
進行され、第1のセルフォックレンズ15により、シート
50が搬送される搬送ベルト40上に、矢印X方向に沿って
延びる線状(線幅dL 略 100μm)に集光される。
【0053】搬送ベルト40の矢印Y′方向への移動が進
んでシート50の先端部が、線状のレーザ光Lが集光され
た位置まで到達すると、レーザ光Lが集光されたシート
50の集光域(線幅dL 略 100μm)からは、レーザ光L
の励起エネルギにより、蓄積記録されている放射線画像
情報に応じた輝尽発光光Mが発光される。このときのシ
ート50の位置(移動位置)をZ1とする(図4(1)参
照)。
【0054】シート50から発光した、矢印X方向に延び
る線状の輝尽発光光Mは、第1のセルフォックレンズ15
により平行光束とされ、ダイクロイックミラー14を透過
し、第2のセルフォックレンズアレイ16により、ライン
センサ20を構成する各光電変換素子21(矢印X方向に沿
って順番にX1,X2,X3,…,Xi,…という)の
受光面に集光される。この際、第2のセルフォックレン
ズアレイ16を透過した輝尽発光光Mに僅かに混在する、
シート50表面で反射したレーザ光Lが、励起光カットフ
ィルタ17によりカットされる。
【0055】そしてフィルタ17を通過した輝尽発光光M
は、ラインセンサ20を構成する多数の各光電変換素子21
(Xi(i=1,2,3,…))により受光され、光電
変換により各画像信号Q1i(移動位置Z1における光
電変換素子21(Xi)に対応する画像信号Qを意味す
る)に変換される。光電変換して得られたこれらの画像
信号Q1iは画像情報読取手段30に入力され、画像情報
読取手段30は、この各光電変換素子21(Xi)から入力
された信号Q1iをそれぞれ入力された光電変換素子21
(Xi)および移動位置Z1に対応付けて記憶する。
【0056】さらにシート50の搬送が進み、ラインセン
サ20が相対的にシート50の移動位置Z2(図4(1)参
照)に到達すると、前述の移動位置Z1においてなされ
た作用と同様の作用により、各光電変換素子21(Xi)
による輝尽発光光Mの光電検出がなされ、画像情報読取
手段30に、各光電変換素子21(Xi)から対応する画像
信号Q2iが入力され、画像情報読取手段30は、この各
光電変換素子21(Xi)から入力された信号Q2iをそ
れぞれ入力された光電変換素子21(Xi)および移動位
置Z2に対応付けてさらに記憶する。
【0057】以上と同様の作用を、レーザ光Lによるシ
ート50の全面の照射が完了するまでの各移動位置Z3,
Z4,…,Zn,…において行うことにより、画像情報
読取手段30には、各移動位置Zn(n=1,2,3,
…)ごとの、各光電変換素子21(Xi)に対応した画像
信号Qniが記憶される。
【0058】ここで、シート50上の、1つの光電変換素
子21の光電変換対象領域(大きさ:縦λy,横λx)よ
りも小さい領域R(大きさ:縦λy/3,横λx/3)
についての信号QRを求める作用について説明する。
【0059】例えば図4(2)に示すように、シート50
上の領域R1は、移動位置Z1における光電変換素子21
(X3)と、移動位置Z2における光電変換素子21(X
3)と、移動位置Z3における光電変換素子21(X3)
とにより重複して光電変換の対象となった領域である。
したがって、この領域R1についての信号QR1は、各
移動位置Z1において光電変換素子21(X3)により検
出された信号Q13と移動位置Z2において光電変換素
子21(X3)から入力された信号Q23と移動位置Z3
において光電変換素子21(X3)から入力された信号Q
33との和により示されるものとなる。
【0060】そこで、画像情報読取手段30は、移動位置
Z1において光電変換素子21(X3)から入力された信
号Q13と移動位置Z2において光電変換素子21(X
3)から入力された信号Q23と移動位置Z3において
光電変換素子21(X3)から入力された信号Q33とを
加算演算し、領域R1についての信号QR1を算出す
る。なお画像情報読取手段30によるこの単純加算に代え
て、適切な加算比を以て加算演算する処理等、適切な種
々の演算処理を適用してもよい。
【0061】同様に、図4(3)に示すように、シート
50上の領域R2は、移動位置Z1における光電変換素子
21(X3)と、移動位置Z2における光電変換素子21
(X3)と、移動位置Z3における光電変換素子21(X
2)とにより重複して光電変換の対象となった領域であ
る。したがって、この領域R2についての信号QR2
は、各移動位置Z1において光電変換素子21(X3)に
より検出された信号Q13と移動位置Z2において光電
変換素子21(X3)から入力された信号Q23と移動位
置Z3において光電変換素子21(X3)から入力された
信号Q32との和により示されるものとなる。
【0062】そこで、画像情報読取手段30は、移動位置
Z1において光電変換素子21(X3)から入力された信
号Q13と移動位置Z2において光電変換素子21(X
3)から入力された信号Q23と移動位置Z3において
光電変換素子21(X2)から入力された信号Q32とを
加算演算し、領域R2についての信号QR2を算出す
る。
【0063】同様に図4(4)に示す領域R3は、移動
位置Z1における光電変換素子21(X3)と、移動位置
Z2における光電変換素子21(X2)と、移動位置Z3
における光電変換素子21(X2)とにより重複して光電
変換の対象となった領域であることから、画像情報読取
手段30は、移動位置Z1において光電変換素子21(X
3)から入力された信号Q13と移動位置Z2において
光電変換素子21(X2)から入力された信号Q22と移
動位置Z3において光電変換素子21(X2)から入力さ
れた信号Q32とを加算演算し、領域R3についての信
号QR3を算出する。
【0064】以上の作用により、本実施形態の画像情報
読取装置によれば、シート上の、光電変換対象領域(大
きさ:縦λy,横λx)よりも小さい全ての領域R(大
きさ:縦λy/3,横λx/3)について信号QRを算
出することができるため、光電変換素子のサイズを変え
ることなく、得られる画像情報の分解能を高めることが
できる。
【0065】なお、本実施形態の放射線画像情報読取装
置の搬送ベルトは、シートの移動方向を常に一定方向
(矢印Y′方向)としたものであるが、本発明の第1の
放射線画像情報読取装置はこの実施形態のものに限るも
のではなく、シートとラインセンサおよびライン光源と
の相対的な移動方向を、例えば図5(1)に示すよう
に、シートのほぼ中間部付近でラインセンサの短軸につ
いての対称方向に切り返すものであってもよいし、同図
(2)に示すように、シートのほぼ中間部付近でライン
センサの長軸方向への変位を初期位置に戻して再度同一
の斜め方向へ移動させるものであってもよい。さらに図
6(1)および(2)に示すように、これら移動方向の
切換えの頻度を高くしてもよく、このように移動方向を
切り換えることにより、ラインセンサの長軸方向の長さ
を、シートの一辺の長さより極端に長くする必要が無
く、装置全体の小型化および部品コストの低減を図るこ
とができる。
【0066】また、上述した実施形態の放射線画像情報
読取装置は、レーザ光Lの光路と輝尽発光光Mの光路と
が一部において重複するような構成を採用して、装置の
一層のコンパクト化を図るものとしたが、このような構
成に限るものではなく、例えば図7に示すように、レー
ザ光Lの光路と輝尽発光光Mの光路とが全く重複しない
構成を適用することもできる。
【0067】さらにまた、支持体が輝尽発光光透過性の
材料により形成された蓄積性蛍光体シートを用いること
によって、図8に示すように、BLD11とラインセンサ
20とを互いにシート50の異なる面側に配して、レーザ光
Lが入射したシート面の反対側の面から出射する輝尽発
光光Mを受光するようにした透過光集光型の構成を採用
することもできる。
【0068】また支持体が輝尽発光光Mを透過しうる材
料で形成された蓄積性蛍光体シートを用い、図9に示す
ように、シート50の両面にそれぞれラインセンサ20およ
び20′を配設した構成を採用することにより、シート50
の各面からそれぞれ信号情報を検出するようにしてもよ
い。このように両面から各別に検出された信号情報を、
表裏面の位置を対応させて適切な加算比率で重み付け加
算処理することにより、よりS/Nの向上した画像を再
生しうる信号情報を得ることができる。
【0069】さらに、シートを、放射線エネルギ特性が
互いに異なる2つの画像情報に基づく2つの輝尽発光光
を表裏面から各別に発光しうる、放射線エネルギーサブ
トラクション用の蓄積性蛍光体シートを用いることによ
り、エネルギ状態の互いに異なる2つの、エネルギーサ
ブトラクション用の信号情報を得ることもできる。この
ようなシート50としては、図10(1)の断面図に示す、
シート50の表面側の蓄積性蛍光体層54と裏面側の蓄積性
蛍光体層54′とが、互いに放射線エネルギ吸収特性の異
なる材料により形成されたもの、または同図(2)に示
す、同一の材料により形成された表面側の蓄積性蛍光体
層54と裏面側の蓄積性蛍光体層54との間に、放射線エネ
ルギ分離フィルタ55が介在せしめられたシート50などを
適用することができる。
【0070】また図11(1)に示す、支持体層52に蓄積
性蛍光体層54が積層されて、この蓄積性蛍光体層54中の
蓄積性蛍光体53が、シート50の厚さ方向に延びる励起光
反射性隔壁部材51により多数の微小房Cに細分区画され
た構造のシート50(いわゆる異方化シート)を用いるこ
ともできる。このシート50はその断面が同図(2)また
は(3)に示す構造を有するものであり、同図(2)に
示すものは、蓄積性蛍光体53が充填された微小房Cが励
起光反射性隔壁部材51と支持体層52とによりその表面を
除く周囲を囲まれた構造であり、同図(3)に示すもの
は、蓄積性蛍光体53が充填された微小房Cが励起光反射
性隔壁部材51のみによりその表面を除く周囲が囲まれて
構造である。励起光反射性隔壁部材51は、レーザ光Lを
反射してその透過を抑制しうる材料により形成された部
材であり、シート面の広がる方向にレーザ光Lが拡散す
るのを抑制しているため、ラインセンサによる集光効率
が向上し、かつ光電変換によって得られた信号に基づく
画像の鮮鋭度を高めることができる。
【0071】図12は本発明の第1の放射線画像情報読取
装置に用いられるラインセンサの他の実施形態を示す平
面図である。このラインセンサ20′は、長軸方向(矢印
X方向)に沿って多数の光電変換素子21が配列されると
ともに、この長軸方向に延びた光電変換素子21の列が、
ラインセンサ20′の短軸方向(矢印Y方向)に3列(光
電変換素子の列20A,20B,20C)連設されて構成され
たものであって、光電変換素子21は、長軸方向および短
軸方向のいずれの方向についても一直線状に並ぶマトリ
ックス状の配列とされている。
【0072】このように短軸方向にも複数の光電変換素
子21が配列された構成のラインセンサ20′を用いた放射
線画像情報読取装置によれば、前述した実施形態の放射
線画像情報読取装置の効果と同様の効果を得ることがで
きるとともに、個々の光電変換素子21の受光幅(ライン
センサ20′の短軸方向の幅を意味する)が輝尽発光光の
光線幅(図12において、輝尽発光光の強度分布図に示さ
れる分布幅)より短い場合にも、ラインセンサ20′全体
として、輝尽発光光の光線幅の略全幅に亘って受光する
ことができるため受光効率を一層高めることができる。
したがって例えば光電変換素子列20Bの受光幅とほぼ等
しい光線幅dL のレーザ光L(図13(1)参照)がシー
ト50に入射した後に、シート50の内部で拡散して光線幅
L よりも幅の広い領域(幅dM )を励起し、光電変換
素子列20Bの受光幅よりも広い光線幅dM の輝尽発光光
M(同図(3)に強度分布を示す)が発光した場合(同
図(2)参照)にも、光線幅が広い輝尽発光光Mを効率
よく受光することができる。
【0073】なお、このように短軸方向にも複数の光電
変換素子21が配列された構成のラインセンサ20′として
は、図14に示す、光電変換素子21がラインセンサ20′の
短軸方向には一直線状に並ぶが長軸方向はジグザグ状に
並ぶ配列のものや、図15に示す、光電変換素子21がライ
ンセンサ20′の長軸方向には一直線状に並ぶが短軸方向
はジグザグ状に並ぶ配列のものを採用することもでき
る。
【0074】ここで図15に示す、光電変換素子21がライ
ンセンサ20′の長軸方向には一直線状に並ぶが短軸方向
はジグザグ状に並ぶ配列のラインセンサ20′は、本発明
の第2の放射線画像情報読取装置にも用いられるライン
センサである。
【0075】図16は本発明の第2の放射線画像情報読取
装置の一実施形態を示す図である。図示の放射線画像情
報読取装置は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性
蛍光体シート50を載置して矢印Y方向に搬送する搬送ベ
ルト40′、線幅略 100μmで発振波長が 600〜700 nmの
線状のレーザ光Lをシート50表面に略平行に発するBL
D11、BLD11から出射された線状のレーザ光Lを集光
するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げ
るトーリックレンズの組合せからなる光学系12、シート
50表面に対して45度の角度だけ傾けて配された、レーザ
光Lを反射し後述する輝尽発光光Mを透過するように設
定されたダイクロイックミラー14、ダイクロイックミラ
ー14により反射された線状のレーザ光Lを、シート50上
に矢印X方向(シートの辺縁に平行)に沿って延びる線
状(線幅略 100μm)に集光するとともに、線状のレー
ザ光Lが集光されてシート50から発せられる、蓄積記録
された放射線画像情報に応じた輝尽発光光Mを平行光束
とする第1のセルフォックレンズアレイ15、およびこの
第1のセルフォックレンズアレイ15により平行光束とさ
れ、ダイクロイックミラー14を透過した輝尽発光光M
を、後述するラインセンサ20を構成する各光電変換素子
21の受光面に集光させる第2のセルフォックレンズアレ
イ16、第2のセルフォックレンズアレイ16を透過した輝
尽発光光Mに僅かに混在する、シート50表面で反射した
レーザ光Lをカットし輝尽発光光Mを透過される励起光
カットフィルタ17、励起光カットフィルタ17を透過した
輝尽発光光Mを受光して光電変換する多数の光電変換素
子21が配列されたラインセンサー20′、およびラインセ
ンサー20′を構成する各光電変換素子21から出力された
信号を読み取って所定の演算処理を施す画像情報読取手
段30を備えた構成である。
【0076】ここで搬送ベルト40′の進行方向Yは、シ
ート50の辺縁およびラインセンサ20の長軸方向Xに直交
する方向Yである。
【0077】またラインセンサ20′は図15に示したよう
に、光電変換素子21がラインセンサ20′の長軸方向Xに
は一直線状に並ぶが、光電変換素子列20A,20B,20C
がそれぞれ長軸方向Xに、各光電変換素子21の長軸方向
Xの幅λxの1/3だけ(λx/3)ずれて連設されて
いるため、センサ20′の短軸方向は光電変換素子21が一
直線状には並ばずにジグザグ状に並ぶ配列で構成されて
いる。
【0078】そして各光電変換素子21による光電変換の
対象領域の一部が、隣接する移動位置間およびさらに隣
接する移動位置間において重複せしめられるように、移
動位置が設定されているため、搬送ベルト40′の進行方
向Yがラインセンサ20′の短軸方向に一致していても、
各光電変換素子21とシート50との相対的な移動位置の関
係は図4に示したものと同様のものとなり、図1に示し
た実施形態の画像情報読取装置と同様に、シート上の、
光電変換対象領域(大きさ:縦λy,横λx)よりも小
さい全ての領域R(大きさ:縦λy/3,横λx/3)
について信号QRを算出することができ、光電変換素子
のサイズを変えることなく、得られる画像情報の分解能
を高めることができる。
【0079】なお、本実施形態の放射線画像情報読取装
置においては、搬送ベルト40′の進行方向Yがラインセ
ンサ20′の短軸方向に一致するものに限るものではな
く、光電変換素子21による光電変換の対象領域の一部の
みが、少なくとも隣接する移動位置間において重複せし
められるように移動位置を設定すれば、短軸方向以外の
他の方向としてもよいが、短軸方向に一致するものとし
たときは、ラインセンサ20′の長さは、シートの画像有
効領域の一辺と同等の長さであればよいため、より長い
センサを必要とする斜め方向へ移動させる実施形態のも
のに比べてコストを抑制することができる点で有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の放射線画像情報読取装置の一実
施形態を示す構成図
【図2】ラインセンサ20およびシート50と移動方向との
関係を示す要部平面図
【図3】シート50とラインセンサ20との、ベルト40の移
動に伴う相対的位置関係を示す図
【図4】図1に示した放射線画像情報読取装置の作用を
説明する図
【図5】シートとラインセンサおよびライン光源との相
対的な移動方向の他の態様を示す図(その1)
【図6】シートとラインセンサおよびライン光源との相
対的な移動方向の他の態様を示す図(その2)
【図7】BLDとラインセンサとの配置が異なる他の実
施形態を示す図(その1)
【図8】BLDとラインセンサとの配置が異なる他の実
施形態を示す図(その2)
【図9】BLDとラインセンサとの配置が異なる他の実
施形態を示す図(その3:両面読取り)
【図10】放射線エネルギーサブトラクション用のシー
トを示す断面図
【図11】いわゆる異方化されたシートを示す図
【図12】本発明の第1の放射線画像情報読取装置に用
いられるラインセンサの他の実施形態を示す平面図(そ
の1)
【図13】レーザ光の光線幅と輝尽発光光の光線幅との
関係を示す図
【図14】本発明の第1の放射線画像情報読取装置に用
いられるラインセンサの他の実施形態を示す平面図(そ
の2)
【図15】本発明の第2の放射線画像情報読取装置に用
いられるラインセンサの実施形態を示す平面図
【図16】本発明の第2の放射線画像情報読取装置の実
施形態を示す構成図
【符号の説明】
11 ブロードエリア半導体レーザ(BLD) 12 コリメータレンズとトーリックレンズからなる光
学系 14 ダイクロイックミラー 15,16 セルフォックレンズアレイ 17 励起光カットフィルタ 20 ラインセンサ 21 光電変換素子 30 画像情報読取手段 40 搬送ベルト 50 蓄積性蛍光体シート L レーザ光 M 輝尽発光光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H013 AC03 AC11 5C072 AA01 CA02 CA04 CA06 DA02 DA03 DA06 DA09 DA21 DA23 EA05 HA02 RA10 VA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性
    蛍光体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光
    源と、前記シートの線状に照射された部分から発光され
    た輝尽発光光を受光して光電変換を行う、多数の光電変
    換素子が線状に配列されたラインセンサと、前記ライン
    光源および前記ラインセンサと前記シートとを相対的に
    移動させる走査手段と、前記走査手段による移動位置ご
    とに、前記ラインセンサを構成する前記各光電変換素子
    の出力信号を読み取る読取手段とを備えた放射線画像情
    報読取装置において、 前記走査手段による前記相対的な移動方向が、前記光電
    変換素子の配列方向に対して斜め方向であるとともに、 前記シート上の、前記各光電変換素子による前記光電変
    換の対象領域の一部が、少なくとも隣接する前記移動位
    置間において重複せしめられるように、前記移動位置が
    設定されていることを特徴とする放射線画像情報読取装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ラインセンサを構成する前記光電変
    換素子の列が、該光電変換素子の配列方向に対して直交
    する方向に、複数配列されたものであることを特徴とす
    る請求項1記載の放射線画像情報読取装置。
  3. 【請求項3】 放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性
    蛍光体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光
    源と、前記シートの線状に照射された部分から発光され
    た輝尽発光光を受光して光電変換を行う、多数の光電変
    換素子が線状に配列されたラインセンサと、前記ライン
    光源および前記ラインセンサと前記シートとを相対的に
    移動させる走査手段と、前記走査手段による移動位置ご
    とに、前記ラインセンサを構成する前記各光電変換素子
    の出力信号を読み取る読取手段とを備えた放射線画像情
    報読取装置において、 前記ラインセンサを構成する前記光電変換素子の列が、
    該光電変換素子の配列方向に対して直交する方向に複数
    配列されたものであって、該直交する方向における光電
    変換素子の配列が一直線上からずれたものであり、 前記シート上の、前記各光電変換素子による前記光電変
    換の対象領域の一部が、少なくとも隣接する前記移動位
    置間において重複せしめられるように、前記移動位置が
    設定されていることを特徴とする放射線画像情報読取装
    置。
  4. 【請求項4】 前記シートが、放射線エネルギ特性が互
    いに異なる2つの画像情報に基づく2つの輝尽発光光を
    表裏面から各別に発光しうる、放射線エネルギーサブト
    ラクション用の蓄積性蛍光体シートであることを特徴と
    する請求項1から3のうちいずれか1項に記載の放射線
    画像情報読取装置。
  5. 【請求項5】 前記シートの輝尽発光光の発光領域が、
    該シートの厚さ方向に延びる励起光反射性隔壁部材によ
    り、多数の微小房に細分区画されたものであることを特
    徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の放
    射線画像情報読取装置。
JP10179924A 1998-06-26 1998-06-26 放射線画像情報読取装置 Withdrawn JP2000010218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10179924A JP2000010218A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 放射線画像情報読取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10179924A JP2000010218A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 放射線画像情報読取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000010218A true JP2000010218A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16074313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10179924A Withdrawn JP2000010218A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 放射線画像情報読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000010218A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6800870B2 (en) 2000-12-20 2004-10-05 Michel Sayag Light stimulating and collecting methods and apparatus for storage-phosphor image plates

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6800870B2 (en) 2000-12-20 2004-10-05 Michel Sayag Light stimulating and collecting methods and apparatus for storage-phosphor image plates
US7589341B2 (en) 2000-12-20 2009-09-15 Michel Sayag Light stimulating and collecting methods and apparatus for storage-phosphor image plates

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002077548A (ja) 放射線画像情報読取装置の信号補正方法
JP2000066316A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2000002955A (ja) 放射線画像情報読取装置
US6649918B2 (en) Apparatus for reading radiation image information
JP2001356437A (ja) 放射線画像読取方法および装置
JP2000010218A (ja) 放射線画像情報読取装置
US6677605B2 (en) Radiation image data reading apparatus
JP2001350228A (ja) 放射線画像読取装置
JP2000330228A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2002232640A (ja) ラインセンサおよびそれを用いた放射線画像情報読取装置
JP3413774B2 (ja) 放射線画像情報読取装置
JP3360813B2 (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2001337405A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP4287033B2 (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2002014433A (ja) 放射線画像情報読取方法および装置
JP2000039682A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2003255224A (ja) 結像光学系
JP2000010217A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2002072387A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2557261B2 (ja) 読取装置
JP2002040197A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2000338617A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2003248170A (ja) 結像光学系
JP2002072389A (ja) 放射線画像情報記録読取装置
JP2002072379A (ja) 放射線画像情報読取装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906