JP2000008150A - 溶融金属めっき鋼板の製造装置 - Google Patents

溶融金属めっき鋼板の製造装置

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JP2000008150A
JP2000008150A JP10193705A JP19370598A JP2000008150A JP 2000008150 A JP2000008150 A JP 2000008150A JP 10193705 A JP10193705 A JP 10193705A JP 19370598 A JP19370598 A JP 19370598A JP 2000008150 A JP2000008150 A JP 2000008150A
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molten metal
bath
steel sheet
metal
hot dip
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Munehiro Ishioka
宗浩 石岡
Yasuyoshi Morikawa
容任 森川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板を通過させる溶融金属浴からの溶融金属
の流下を操業上問題のないレベルで長時間に亘って防止
することができる溶融金属の製造装置を提供すること。 【解決手段】 めっき装置6は、めっき金属インゴット
を溶かす溶解浴16から溶融金属Lが供給される溶融金
属供給浴11と、供給浴11の上方に設けられ、鋼板1
に付着した過剰の溶融金属を気体により払拭するガスワ
イピング装置14と、その下方に設けられた流下溶融金
属受け浴12と、鋼板1の移動方向に垂直に移動し、溶
融金属供給浴12に至る前の鋼板を挟み込んで押さえる
一対の押さえロール5と、流下溶融金属受け浴12内に
設置され、押さえロール5と連動して移動可能な流下溶
融金属受け部材20とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属めっき鋼
板を連続的に製造する装置に関し、特に溶融亜鉛めっき
鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板も含む。以下同じ。)
を製造する空中ポットに好適な溶融金属めっき鋼板の製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、亜鉛、アルミニウムや、その合
金などの溶融金属めっき鋼板は、従来、一般的に以下の
ように製造されている。すなわち、冷間圧延後の薄鋼板
に対し前処理工程で表面の洗浄を施し、無酸化性あるい
は還元性の雰囲気に保たれた焼鈍炉内において表面酸化
膜を除去し、焼鈍を行い、次いで冷却して溶融金属浴温
度とほぼ同程度まで冷却して溶融金属浴中に侵入させ
る。その後、鋼板を浴から引き上げ、鋼板表面に付着し
た過剰の溶融金属をガスワイパーで払拭している。
【0003】従来の溶融金属めっき鋼板の製造に用いら
れる装置の溶融金属浴周辺部分を図4に示す。鋼板31
は非酸化性雰囲気に保たれたスナウト34から溶融金属
浴32に引き込まれ、シンクロール33およびサポート
ロール35を経て鉛直方向に引き上げられ、ガスワイパ
ー36で過剰の溶融金属が払拭される。
【0004】しかしながら、このような従来型の装置で
は、浴中でドロス等の不純物が発生し、これらが浴中ロ
ールに付着して鋼板に押し疵を形成したり、鋼板に付着
して加工時に表面欠陥を引き起こす。このような欠陥を
防止するため、浴中ロールを取り出して手入れを行った
り、ドロスが浴中で浮遊しないように整流板を浴底部に
設置するなどの対応が施されている。さらに浴中ロール
には、溶融金属による溶損により回転不良等が発生し、
これによりめっき欠陥を引き起こす。これに対応して、
定期的に浴中ロールを交換したり、ロール表面にセラミ
ックス等を溶射する処理が施されている。
【0005】このように、従来の製造装置で溶融金属め
っき鋼板の製造を行うと、品質や操作性が悪くなる欠点
があった。
【0006】また、溶融金属浴は浴中機器を設置するた
めに極めて大きい。そのため数種の溶融金属めっき鋼板
を同一ラインで製造する場合、品種切り替え時の浴入れ
替えには多大の時間、費用、労力を必要としている。
【0007】このような問題点に対処するために、底部
に開口部のある浴に溶融金属を保持し、開口部下方から
鋼板を通過させてめっきを行う技術、いわゆる空中ポッ
トが開発されている。例えば、特開昭63−10914
8号公報には、循環による空中ポットが開示され、鋼板
導入部に静圧を印加することが記載されている。また、
特開昭63−303045号公報には、溶融金属を電磁
力により保持し、鋼板通過位置において気体を噴射する
空中ポットが開示されている。さらに、特開平1−13
9744号公報には、一対の回転ドラム間に溶融金属を
供給する方法が開示されている。さらにまた、特開平4
−36447号公報には、溶融金属めっき浴底部に鋼板
との間を0.05〜1mmに保持するシール板を設置し
た装置が、特開平9−53164号公報には、シール板
設置めっき浴下部に圧力室を設ける装置がそれぞれ開示
されている。
【0008】上記空中ポットで問題となるのは、溶融金
属をいかに保持して浴底部開口部から流下させないかと
いうことであり、これまでに開示された技術の多くもそ
の点に着目したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開昭63−109148号公報や特開昭63−303
045号公報のように気体の圧力や電磁力により溶融金
属の流下を防止する技術は、浴面の高さや流下溶融金属
の複雑な流動状態等に応じて気体圧力や電磁力を制御す
る必要があり、これら従来技術ではその十分な制御方法
が得られていないだけでなく、制御範囲も限定されてい
る。また、気体を噴射して溶融金属の流下を防止する方
法では、溶融金属の飛散や気泡巻込みに起因しためっき
不良といった問題点もある。
【0010】さらに、特開平4−36447号公報や特
開平9−53164号公報に開示されているようなシー
ル板を設ける技術は、鋼板とシール板との間を0.05
〜1mmに保持する必要があるが、実際には鋼板がシー
ル板と接触し鋼板表面が疵つくといった問題点がある。
さらにまた、特開平1−139744号公報に開示され
た回転ドラム間に溶融金属を供給する方法は、鋼板と接
していないロール端部での流下が問題となる。
【0011】このように、上記従来技術はいずれも、溶
融金属の流下を操業上問題のないレベルで長時間に亘っ
て防止することが困難である。
【0012】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、鋼板を通過させる溶融金属浴からの溶融金属
の流下を操業上問題のないレベルで長時間に亘って防止
することができる溶融金属の製造装置を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、金属のインゴットを投入して溶解を行う
溶解浴から溶融金属が供給され鋼板を下から上に向かっ
て通過させる溶融金属供給浴と、溶融金属供給浴を通過
することにより溶融金属が表面に付着した鋼板を上方に
引き上げた際に、過剰の溶融金属を気体により払拭する
装置と、前記溶融金属供給浴の下側に設けられ、溶融金
属供給浴から流下する溶融金属を受ける流下溶融金属受
け浴と、鋼板の移動方向に垂直に移動し、前記溶融金属
供給浴に至る前の鋼板を挟み込んで押さえる一対の押さ
えロールと、前記流下溶融金属受け浴内に設置され、前
記一対の押さえロールと連動して鋼板の移動方向に垂直
に移動可能な流下溶融金属受け部材とを具備することを
特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造装置を提供する。
【0014】また、本発明は、上記装置において、さら
に、流下溶融金属受け浴と前記溶解浴とを連結する溶融
金属流動経路を具備することを特徴とする溶融金属めっ
き鋼板の製造装置を提供する。
【0015】さらに、本発明は、上記いずれかの装置に
おいて、さらに、前記流下溶融金属受け浴下側に、前記
押さえロールと連動して鋼板の移動方向に垂直に移動可
能な、非酸化性の気体を供給して鋼板通過開口部から該
気体を鋼板に吹き付ける装置を具備することを特徴とす
る溶融金属めっき鋼板の製造装置を提供する。
【0016】さらにまた、本発明は、上記いずれかの装
置において、さらに、前記流下溶融金属受け浴の内部で
かつ鋼板通過開口部位置に鋼板を挟み込むように設けら
れた一対の回転ロールと、該回転ロール上の溶融金属を
掻き取るブレードとを具備することを特徴とする溶融金
属めっき鋼板の製造装置を提供する。
【0017】本発明においては、溶融金属供給浴に至る
前の鋼板を挟み込んで押さえる一対の押さえロールと連
動して鋼板移動方向に垂直に移動する流下溶融金属受け
部材を流下溶融金属受け浴内に設置したので、鋼板の厚
さが変化した場合においても、流下溶融金属受け浴に流
下してきた溶融金属を押さえ部材により確実に受け止め
ることができるので、より確実に溶融金属の流下を防止
することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る溶融金
属めっき鋼板の製造装置(空中ポット)を含むめっき設
備の概略断面図である。鋼板1は、焼鈍炉2内で焼鈍、
冷却された後、デフレクターロール3で鉛直方向に搬送
され、サポートロール4で形状矯正が行われ、その後一
対の押さえロール5を介してめっき装置(空中ポット)
6に搬送される。一対の押さえロール5は、鋼板の振動
を抑え、パスラインを決めるために設けられる。この押
さえロール5は、鋼板移動方向に垂直な方向に移動可能
な構造となっており、かつ鋼板を挟み込むように荷重を
作用させて常に鋼板1に接触するようになっている。し
たがって、鋼板1の厚さが変化した場合にはその厚さに
応じてパスライン中心から左右対称に移動することがで
きる。なお、上記サポートロール4は必須なものではな
いが、鋼板矯正の点からはサポートロール4を設置する
ことが望ましい。
【0019】めっき装置6は、めっき金属インゴットを
溶かす溶解浴16から溶融金属Lが供給される溶融金属
供給浴11と、供給浴11の上方に設けられ、鋼板1に
付着した過剰の溶融金属を気体により払拭するガスワイ
ピング装置14と、供給浴11の底部の鋼板通過開口部
11aに設置されたシール機構13と、その下方に設け
られた流下溶融金属受け浴12と、受け浴12と溶解浴
16とを連結する溶融金属流動経路19とを備えてい
る。
【0020】溶解浴16からの溶融金属Lは、ポンプ等
の溶融金属移送装置17により供給流路18を介して溶
融金属供給浴11に供給される。一方、上記溶融金属流
動経路19を通って流下溶融金属受け浴12に流下した
溶融金属Lが溶解浴16に戻される。
【0021】上記シール機構13は、シール方式が特に
限定されるものではなく、従来のシール板のようなもの
でよく、電磁力を利用したような大がかりな機構である
必要はない。また、開口部11aは鋼板との接触がない
ように数mm以上の開口幅であることが望ましい。した
がって、溶融金属供給浴11の溶融金属は、開口部11
aから流下することになる。すなわち、従来のシール技
術では溶融金属の流下は避けられないことから、本発明
では溶融金属の流下を前提としており、流下した溶融金
属を受け止めるために流下溶融金属受け浴12を溶融金
属供給浴11の下方に設けている。なお、シール機構1
3は設けたほうが好ましいが、必須なものではない。
【0022】流下金属受け浴12は、溶融金属供給浴1
1に密接して連結する構造を有し、その中に鋼板1を挟
むように一対の流下金属受け部材20が配設されてい
る。この流下金属受け部材20は、図2に示すように、
押さえロール5と連結部材21で連結されており、押さ
えロール5と連動して鋼板1の移動方向に垂直に移動可
能な構造となっている。このような構造により開口部1
1aから流下した溶融金属が受け止められ、その底部に
設けられた鋼板通過開口部12aからの溶融金属の流下
が防止される。
【0023】このように構成されるめっき設備において
は、焼鈍炉2内で焼鈍、冷却され、デフレクターロール
3で鉛直方向に搬送された鋼板1が、サポートロール4
および押さえロール5を介して、めっき装置(空中ポッ
ト)6に搬送される。
【0024】めっき装置6においては、溶解浴16から
供給流路18を介して溶融金属が溶融金属供給浴11に
供給される。一方、鋼板1は流下溶融金属受け浴12の
底部の開口部12aからその中へ供給され、開口部11
aを通って溶融金属供給浴11に供給される。鋼板1が
溶融金属供給浴11を下から上へ通過する間にその表面
に溶融金属が付着される。その後、溶融金属供給浴11
から引き上げられた鋼板1は、ガスワイピング装置14
により過剰の溶融金属を払拭される。
【0025】この場合に、溶融金属供給浴11の鋼板通
過開口部11aは鋼板との接触がないような開口幅であ
ることから溶融金属供給浴11の溶融金属は、開口部1
1aから流下する。開口部11aから流下した溶融金属
は流下溶融金属受け浴12の溶融金属受け部材20に供
給され、左右に分かれるように流れる。左右に分かれた
溶融金属は溶融金属受け部材20に沿って流れ、流下金
属受け浴12内に流下する。
【0026】このように、流下溶融金属受け部材20に
より左右に分かれた溶融金属を流下溶融金属受浴12で
受け止めるので、溶融金属が流下溶融金属受け浴12か
ら下方に流下するのを防止することができる。
【0027】この場合に、受け浴12の下方に、鋼板移
動方向に垂直な方向に移動可能な押さえロール5が設け
られており、溶融金属受け部材20がこの押さえロール
5に連動して鋼板移動方向に垂直方向に移動可能である
から、鋼板の厚さが変化した場合においても、受け部材
20と鋼板1との距離を等しく保つことができる。した
がって、鋼板1の厚さが変化した場合においても、流下
溶融金属受け浴に流下してきた溶融金属を押さえ部材2
0により確実に受け止めることができるので、より確実
に溶融金属の流下を防止することができる。
【0028】さらに、流下溶融金属受け浴12の溶融金
属が、めっき金属のインゴットを投入して溶解を行う溶
解浴16に流入可能なように溶融金属流動経路19で連
結してあるため、流下した溶融金属を再度溶融金属供給
浴11に供給することができ、経済的である。
【0029】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図3は、本発明の他の実施形態に係る溶融金属め
っき鋼板の製造装置を示す概略断面図である。この実施
形態では、流下溶融金属受け浴12の下側に非酸化性の
気体を供給して鋼板が通過する開口部からその気体を鋼
板1に吹き付ける気体噴射装置15を有している。この
気体噴射装置15への気体供給は配管22を介して行わ
れる。また、この気体噴射装置15は押さえロール5と
連結部材21’により連結されており、さらに流下溶融
金属受け部材20と連続して設けられている。
【0030】このように気体噴射装置15を設置するこ
とにより、流下溶融金属受け浴12で受け止める溶融金
属の量を増やすことができる。すなわち、受け浴12の
下側に配置された気体噴射装置15から流下している溶
融金属に非酸化性気体を吹き付けることにより、受け浴
12から流下する溶融金属をなくす、あるいは少なくす
ることができる。また、気体噴射装置15を押さえロー
ル5と連動して移動するので、鋼板1の厚さが変化した
場合においても気体噴射装置15と鋼板1との距離を初
期に設定した距離に保つことが可能であり、溶融金属の
流下を一層確実に防止することができる。
【0031】この気体の噴射に必要な流量は、従来の空
中ポットにおいて完全に流下防止を行うために必要な気
体流量よりも少なくてよく、さらに溶融金属供給浴11
の溶融金属に直接気体を噴き付けないため、従来問題で
あった気体の巻き込みも生じない。また、気体噴き付け
により溶融金属を飛散させても受け浴12が供給浴11
と密接して連結する構造であるため、溶融金属が系外に
飛散することはなく、受け浴12内の雰囲気温度がめっ
き金属の融点以上に保持されていれば飛散した溶融金属
が受け浴12の壁面に固着するおそれはない。
【0032】噴射ガスとして非酸化性気体を使用するの
は、鋼板の酸化を防ぎ、めっき不良を起こさないためで
ある。また、鋼板の温度低下を防ぐ観点からは、浴温度
と同程度の温度の高温気体を用いることが望ましい。非
酸化性気体としては特に限定されるものではないが、例
えば脱水した不活性ガスや焼鈍炉2内のガスを用いるこ
とができる。
【0033】次に、本発明のさらに他の実施形態につい
て説明する。図4は、本発明のさらに他の実施形態に係
る溶融金属めっき鋼板の製造装置を示す概略断面図であ
る。この実施形態では、流下溶融金属受け浴12の内部
で鋼板通過開口部位置に鋼板1を挟み込むように設けら
れた一対の回転ロール23と、この回転ロール23上の
溶融金属を掻き取るブレード24とを有している。
【0034】流下金属受け浴12の内部に設けられた一
対の回転ロール23は、そこに供給された溶融金属が流
下金属受け浴12の底部の鋼板通過開口部12aから下
方へ流下させることを防止する機能を有している。この
回転ロール23は、駆動型でもよいが、鋼板振動を抑制
することができることからアイドリング型のほうが望ま
しい。回転ロール23はともに鋼板接触部で下から上に
回転するようになっている。なお、回転ロール23の表
面に溶融金属が固着しないように回転ロール23を加熱
してめっき金属の融点以上にロール表面温度を保つこと
が望ましい。
【0035】回転ロール23は鋼板1の上方への移動に
伴って鋼板接触部で下から上に回転するため、回転ロー
ル23に供給された溶融金属はその上面で左右に分かれ
るように流れる。左右に分かれた溶融金属は、ブレード
24で掻き取られ、流下金属受け浴12内に流下する。
【0036】このように、回転ロール23で溶融金属を
左右に分け、その溶融金属をブレード24で掻き取るの
で、流下金属受け部材20に至る溶融金属はわずかであ
り、したがって流下金属受け浴12から下方に流下する
ことを一層効果的に防止することができる。
【0037】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることなく種々変形可能である。例えば、流下金属受け
部材の形状は図示の形状に限る必要はなく、溶融金属を
左右に分けることができれば形状は問わず、例えばロー
ルであってもよい。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。こ
こでは、図1に概略を示したような装置に図4に示した
ロール23および掻き取りブレード24を設けたものを
用いて、低融点金属(ウッドメタル、融点:70℃、大
阪アサヒメタル工場製U−アロイ70)のシール性を検
証した。
【0039】鋼板1(幅200mm)デフレクターロー
ル3、サポートロール4を介して押さえロール5(ロー
ル径50mm)からめっき装置(空中ポット)6に導入
した。流下溶融金属受け浴12における鋼板通過開口部
12aと鋼板1との間隔は1mmになるように調整し
た。受け浴12内には鋼板の移動によって回転するアイ
ドリング型の鋼製ロール(直径100mm)23を鋼板
1を挟み込むように一対配置した。この回転ロール23
にテフロン製のブレード24を押し当てて溶融金属を掻
き取るようにした。また、回転ロール23の下方に押さ
えロール5と連動して移動可能な流下金属受け部材20
を設けた。
【0040】受け浴12の上には10mm×250mm
の鋼板開口部を有するめっき金属供給浴11を上記受け
浴12と密接するように連結した。また、受け浴12と
溶解浴16とは内径50mmの配管19で連結し、受け
浴12に溜まったウッドメタルを溶解浴16に導くよう
にした。めっき金属は、ポンプ17により周囲に電熱ヒ
ータを取り付けて溶融金属の温度を100℃に保った溶
解浴16から0.35m3/minの割合で供給浴11
に移送した。この供給浴内には浴面高さを一定(50m
m)に保つオーバーフロー堰を設けた。
【0041】鋼板1を40m/minから160m/m
inの速度で上方に引き上げて受け浴12の鋼板通過開
口部12aからのウッドメタルの流下状況を観察した。
その結果、どの条件においても鋼板と空中ポットとの接
触は認められず、通板性に問題はなかった。また、各種
の鋼板引き上げ速度と鋼板厚におけるウッドメタルの流
下状態を把握した。その結果を図5に示す。図5中、○
印は流下が認められない状態を示し、△印は時々若干の
流下した状態を示し、×印は流下量は若干であるが連続
的に認められた状態を示す。
【0042】鋼板厚み1.0mm以下の場合には、どの
速度においても受け浴12の鋼板通過開口部12aから
ウッドメタルの流下は認められず、本装置により溶融金
属の流下防止が可能なことが確認された。鋼板厚みが厚
くなった場合には、鋼板1と接していない回転ロール2
1の端部からの流下が認められた。
【0043】次に、図3に概略を示すような装置に図4
に示したロール23および掻き取りブレード24を設け
たものを用いて、同様なシール性の検証を実施した。気
体噴射装置15には2mm×250mmの吐出口を設け
て窒素ガスを吐出させ、受け浴12からのガス排出は溶
解浴16との連結管から行った。上記実施例において最
もウッドメタルの流下が多かった鋼板厚2.5mm、鋼
板引上げ速度40m/minの場合において、片側の気
体噴射装置15から窒素ガスを0.8Nm3/min以
上吐出させることによりウッドメタルの流下を防止する
ことができた。このように気体噴射装置15がない場合
にロール端部から認められたウッドメタルの流下はどの
場合にも認められなかった。これにより本装置の有効性
が確認された。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鋼板を通過させる溶融金属浴からの溶融金属の流下を操
業上問題のないレベルで長時間に亘って防止することが
できる。したがって、浴中機器に起因した欠陥やドロス
欠陥などの解消、長時間安定操業の達成、さらに異種品
種との切替えが容易に行えるなど、いわゆる空中ポット
方式のめっき装置の長所を享受することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る溶融金属めっき鋼板
の製造装置を含むめっき設備を示す概略断面図。
【図2】図1の流下溶融金属受け浴を拡大して示す断面
図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る溶融金属めっき鋼
板の製造装置を示す概略断面図。
【図4】本発明のさらに他の実施形態に係る溶融金属め
っき鋼板の製造装置を示す概略断面図。
【図5】本発明の実施例の効果を説明するための図。
【図6】従来のめっき装置を示す概略断面図。
【符号の説明】
1……鋼板 2……焼鈍炉 3……デフレクターロール 4……サポートロール 5……押さえロール 6……溶融金属めっき鋼板の製造装置 11……溶融金属供給浴 12……流下溶融金属受け浴 13……シール機構 14……ガスワイピング装置 15……気体噴射装置 16……溶解浴 17……溶融金属移送装置 18……供給流路 19……溶融金属流動経路 20……流下溶融金属受け部材 21,21’……連結部材 23……回転ロール 24……掻き取りブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K027 AA02 AA22 AB28 AB42 AC33 AC52 AC73 AD05 AD08 AD17 AD18 AD22 AE06 AE08 AE15 AE33 AE36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属のインゴットを投入して溶解を行う
    溶解浴から溶融金属が供給され鋼板を下から上に向かっ
    て通過させる溶融金属供給浴と、 溶融金属供給浴を通過することにより溶融金属が表面に
    付着した鋼板を上方に引き上げた際に、過剰の溶融金属
    を気体により払拭する装置と、 前記溶融金属供給浴の下側に設けられ、溶融金属供給浴
    から流下する溶融金属を受ける流下溶融金属受け浴と、 鋼板の移動方向に垂直に移動し、前記溶融金属供給浴に
    至る前の鋼板を挟み込んで押さえる一対の押さえロール
    と、 前記流下溶融金属受け浴内に設置され、前記一対の押さ
    えロールと連動して鋼板の移動方向に垂直に移動可能な
    流下溶融金属受け部材とを具備することを特徴とする溶
    融金属めっき鋼板の製造装置。
  2. 【請求項2】 さらに、流下溶融金属受け浴と前記溶解
    浴とを連結する溶融金属流動経路を具備することを特徴
    とする請求項1に記載の溶融金属めっき鋼板の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記流下溶融金属受け浴下側
    に、前記押さえロールと連動して鋼板の移動方向に垂直
    に移動可能な、非酸化性の気体を供給して鋼板通過開口
    部から該気体を鋼板に吹き付ける装置を具備することを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融金属め
    っき鋼板の製造装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記流下溶融金属受け浴の内部
    でかつ鋼板通過開口部位置に鋼板を挟み込むように設け
    られた一対の回転ロールと、該回転ロール上の溶融金属
    を掻き取るブレードとを具備することを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の溶融金属め
    っき鋼板の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240082A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Mitsubishi-Hitachi Metals Machinery Inc 溶融めっき設備

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