JP2000006325A - 耐摩耗性を有する化粧材 - Google Patents

耐摩耗性を有する化粧材

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JP2000006325A
JP2000006325A JP18823198A JP18823198A JP2000006325A JP 2000006325 A JP2000006325 A JP 2000006325A JP 18823198 A JP18823198 A JP 18823198A JP 18823198 A JP18823198 A JP 18823198A JP 2000006325 A JP2000006325 A JP 2000006325A
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resin
spherical particles
particles
abrasion
resin layer
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JP18823198A
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Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐摩耗性を有し、製造時に塗工装置の
ロールやドクターナイフ等を摩耗せず、柔軟な基材から
構成することが可能であり、他の物は摩耗させにくく、
しかも表面が艶消しの意匠性に優れた化粧材を提供す
る。 【解決手段】 架橋性樹脂からなるバインダー4と、少
なくとも該架橋性樹脂よりも高硬度の球状粒子5と、不
定形粒子6とを含有する塗工組成物から形成された耐摩
耗性樹脂層3が、基材2の表面に設けられ、上記耐摩耗
性樹脂層3の平均膜厚をt(μm)とし、球状粒子5の
平均粒径をd1(μm)とし、不定形粒子6の平均粒径
d2(μm)とした場合、下記の(1)式及び(2)式
を満足するようにして耐摩耗性を有する化粧材1とし
た。 【数1】 0.3t≦d1≦2.0t ・・・・・・(1) 【数2】 d2<d1 ・・・・・・(2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の床面、壁面、
天井等の内装、家具ならびに各種キャビネットなどの表
面装飾用材料として用いられる化粧材に関し、特に表面
の耐摩耗性が要求される用途に使用される化粧材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物の内装や家具、キャビ
ネット等の表面の装飾用の材料として、メラミン化粧
板、ダップ化粧板、ポリエステル化粧板、プリント合
板、塩化ビニル化粧板等の各種化粧材が用いられてい
る。このような化粧材の表面の耐摩耗性を改良するため
に種々の試みがなされている。
【0003】本出願人は、優れた耐摩耗性を有し、表面
樹脂層を形成する際に塗工装置のロールやドクターナイ
フ等を摩耗せず、更に柔軟な基材を有する表面樹脂層の
耐摩耗性が改良された化粧材も形成可能である、耐摩耗
性を有するが他の物は摩耗させにくい化粧材として、架
橋性樹脂からなるバインダーと架橋性樹脂よりも高硬度
の球状粒子とを含有する化粧材を提案している(特許公
報第2740948号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特許公報
記載の化粧材は耐摩耗性に優れるものの、表面の耐摩耗
性樹脂層に球状粒子のみを添加しただけでは、表面の艶
を変化させることができず意匠が単調であるという問題
があった。尚、表面樹脂層に従来から公知の艶消剤を添
加すれば、艶消の表面が得られるものの、艶消剤は一般
に不定形の無機粒子であるため、単純に添加しただけで
は、他の物品を摩耗させたり耐摩耗性等の特性に悪影響
を与える虞れがあった。
【0005】本発明は上記従来技術の欠点を解決するた
めになされたものであり、より優れた耐摩耗性を有し、
表面樹脂層を形成する際に塗工装置のロールやドクター
ナイフ等を摩耗せず、柔軟な基材から構成することが可
能であり、耐摩耗性等の特性を低下させずに、表面の艶
の調整が可能であり意匠性に優れた化粧材を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)架橋性
樹脂からなるバインダーと、少なくとも該架橋性樹脂よ
りも高硬度の球状粒子と、不定形粒子とを含有する塗工
組成物から形成された耐摩耗性樹脂層が、基材の表面に
設けられ、耐摩耗性樹脂層の平均膜厚をt(μm)と
し、球状粒子の平均粒径をd1(μm)とし、不定形粒
子の平均粒径d2(μm)とした場合、下記の(1)式
及び(2)式を満足することを特徴とする耐摩耗性を有
する化粧材、
【数3】 0.3t≦d1≦2.0t ・・・・・・(1)
【数4】 d2<d1 ・・・・・・(2) (2)球状粒子が球形のα−アルミナである上記(1)
記載の耐摩耗性を有する化粧材、(3)架橋性樹脂から
なるバインダーが電離放射線硬化性樹脂からなる上記
(1)又は(2)記載の耐摩耗性を有する化粧材、
(4)耐摩耗性樹脂層の表面が離型性を有する上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の耐摩耗性を有する化
粧材、を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基き詳細に説
明する。図1は本発明の耐摩耗性を有する化粧材の一例
を示す縦断面図である。図1に示すように本発明の耐摩
耗性を有する化粧材(以下、単に化粧材と略記すること
もある)1は、基材2の表面に、耐摩耗性樹脂層3が設
けられて構成される。耐摩耗性樹脂層3は化粧材1の最
表面に位置し、表面を保護し化粧材1に耐摩耗性を与え
ると共に、表面の艶を調整する為に設けられている。
尚、図1に示すように、化粧材1は、基材2の表面に全
面ベタのベタ印刷層7aと該ベタ印刷層7aの上に柄印
刷層7bを形成し、これらの絵柄層7の上に耐摩耗性樹
脂層3を設けて構成してもよい。また特に図示しない
が、基材2と該基材の表面に設けられた耐摩耗性樹脂層
3とからのみ構成することもできる。
【0008】本発明において耐摩耗性樹脂層3は、架橋
性樹脂からなるバインダー4と、少なくとも該架橋性樹
脂よりも高硬度の球状粒子5と、不定形粒子6とを含有
する塗工組成物から形成されている。球状粒子5は、耐
摩耗性樹脂層3に耐摩耗性を付与する為に添加され、
又、不定形粒子6は、該層表面の艶を調整する為に添加
されている。
【0009】球状粒子5は、真球状、あるいは球を偏平
にした楕円球状ならびに該真球や楕円球状に近い形状等
のように、表面が滑らかな曲面で囲まれていればよい。
球状粒子5は、特に粒子表面に突起や角のない、いわゆ
るカッティングエッジのない球状が好ましい。球状粒子
は同じ材質の不定形の粒子と比較して、表面樹脂層それ
自身の耐摩耗性を大きく向上させると共に、塗工装置を
摩耗させず、塗膜の硬化後もこれと接する他の物を摩耗
させず、更に塗膜の透明度も高くなるという特徴があ
り、カッティングエッジがない場合特にその効果が大き
い。
【0010】球状粒子5が耐摩耗性樹脂層3に含有され
る量は、硬化後の架橋性樹脂からなるバインダー成分1
00重量部に対し5〜20重量部となるように塗工組成
物を調整するのが好ましい。球状粒子5の添加量が少な
い場合、耐摩耗性向上等の球状粒子の添加による効果が
充分発揮できない虞れがあり、一方、球状粒子5の添加
量が多くなりすぎると、架橋性樹脂のバインダーとして
の効果が損なわれ、塗膜の可撓性が低下する虞れや、塗
工組成物の作業性が低下する等の弊害が出て来る。
【0011】球状粒子5の材質は架橋性樹脂よりも高硬
度であればよく、無機粒子及び有機樹脂粒子のいずれも
用いることができる。球状粒子5の架橋性樹脂との硬度
の差は、硬度はモース硬度、ビッカース硬度等の方法で
計測され、例えばモース硬度で表した場合1以上あるの
が好ましい。又、球状粒子5の硬度は、ヌープ硬度が1
300kg/mm2 以上が好ましく、更に好ましくは、
ヌープ硬度が1800kg/mm2 以上である。
【0012】尚、ここで言うヌープ硬度とは、ヌープ圧
子を用いて測定される微小押し込み硬さで、試験前に菱
形の圧痕をつけたときの荷重を、永久凹みの長い方の対
角線の長さより求めた凹みの投影面積で除した商で表さ
れる値である。この試験方法は、ASTM C−849
に記載されている。
【0013】球状粒子5の材質は、具体的には、α−ア
ルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ダイヤモンド、
黒鉛等の無機粒子、及び、架橋アクリル等の合成樹脂ビ
ーズ等の有機樹脂粒子が挙げられる。又、上記のα−ア
ルミナとしては溶融アルミナ、バイヤー法アルミナ等が
あり、又上記以外の無機粒子として、ジルコニア、チタ
ニア、あるいはこれらや溶融アルミナ、バイヤー法アル
ミナ等との共融混合物が挙げられる。これらの無機粒子
の形状を球形にする方法としては、粉砕した不定形の上
記無機化合物を融点以上の高温炉中に投入し溶融させ、
表面張力を利用して球状にする方法や、上記無機物を融
点以上の高温で溶融したものを霧状に吹き出して球状に
する方法等が挙げられる。
【0014】特に好ましい球状粒子5は、非常に硬度が
高く耐摩耗性に対する効果が大きいことと球形状のもの
が比較的容易に得やすい等の理由から、球形のα−アル
ミナを挙げることができる。球形のα−アルミナは、特
開平2−55269号公報に記載されているように、ア
ルミナ水和物、ハロゲン化合物、硼素化合物等の鉱化剤
あるいは結晶剤を、電融アルミナあるいは焼結アルミナ
の粉砕品に少量添加し、1400℃以上の温度で2時間
以上熱処理することで、アルミナ中のカッティングエッ
ジが減少し同時に形状が球形化したものが得られる。こ
のような球形状のアルミナは、昭和電工(株)より「球
状アルミナ(Spherical Alumina)A
S−10、AS−20、AS−30、AS−40、AS
−50」として各種の平均粒子径のものが市販されてい
る。
【0015】球状粒子5はその粒子表面を処理すること
ができる。例えばステアリン酸等の脂肪酸で処理するこ
とで分散性が向上する。又、表面をシランカップリング
剤で処理することで、バインダーとして使用する架橋性
樹脂との間の密着性や塗工組成物中での粒子の分散性が
向上する。シランカップリング剤としては、分子中にビ
ニルやメタクリル等のラジカル重合性不飽和結合を有す
るアルコキシシランや、分子中にエポキシ、アミノ、メ
ルカプト等の官能基を有するアルコキシシランが挙げら
れる。シランカップリング剤は、球状粒子と共に使用す
る架橋性樹脂の種類に応じて、例えば(メタ)アクリレ
ートで等の電離放射線硬化性樹脂の場合にはラジカル重
合性不飽和結合を有するアルコキシシランを用い、二液
硬化型のウレタン樹脂の場合にはエポキシ基やアミノ基
を有するアルコキシシランを用いるように、ラジカル重
合性不飽和結合や官能基の種類等を選択することが好ま
しい。ラジカル重合性不飽和結合を有するアルコキシシ
ランは具体的には、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジメチルエ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、ビニル
トリエトキシシランなどの分子中にラジカル重合性不飽
和結合を有するアルコキシシランや、分子中にエポキ
シ、アミノ、メルカプト等の官能基を有するアルコキシ
シラン等がある。
【0016】球状粒子5の表面をシランカップリング剤
で処理する方法は特に制限はなく、公知の方法が使用で
きる。例えば、乾式法として球状粒子を激しくかくはん
しながら所定量のシランカップリング剤を吹きつける方
法や、湿式法としてトルエン等の溶剤中に球状粒子を分
散させた後に、所定量のシランカップリング剤を加え反
応させる方法が挙げられる。球状粒子に対するシランカ
ップリング剤の処理量(所要量)としては、球状粒子の
比表面積100に対してシランカップリング剤の最小被
覆面積が10以上となる処理量が好ましい。球状粒子の
最小被覆面積が球状粒子の比表面積100に対して10
未満の場合はあまり効果がない。
【0017】球状粒子5の粒子径は、通常5〜100μ
m(平均粒径)のものが好ましく使用可能である。球状
粒子5の平均粒径が5μm未満になると皮膜が不透明に
なる虞れがあり、一方、平均粒径が100μmを超える
と、皮膜の表面平滑性が低下する虞れがある。球状粒子
5の粒子径が小さくなると、耐摩耗性は低下する。一
方、球状粒子5の粒子径が大きくなると耐摩耗性が向上
するが、あまり大きくなりすぎると、塗工の際の均一な
塗工が困難になってしまう。耐摩耗性樹脂層3の厚みと
球状粒子5の粒子径との関係は以下の通りである。
【0018】耐摩耗性樹脂層3の平均膜厚をt(mm)
とし、球状粒子5の平均粒径をd1(mm)とした場
合、下記の(1)式を満足するように球状粒子を選択す
る。球状粒子5の平均粒径d1が2.0tを超えると、
耐摩耗性樹脂層3の表面に球状粒子5が大きくはみ出
し、該層の外観が低下する虞れがある。一方球状粒子5
の平均粒径d(mm)が0.3t未満の場合には充分な
耐摩耗性が得られない虞れがある。
【数5】 0.3t≦d1≦2.0t ・・・・・・・・・(1)
【0019】不定形粒子6は、表面の艶を調整する為に
添加される。不定形粒子6の添加により艶消表面が容易
に得られ、意匠性の高い化粧材が得られる。不定形粒子
6は下記(2)式を満足するように、球状粒子5より粒
子径(平均粒径)が小さいことが必要である。不定形粒
子6の粒径が球状粒子よりも大きくなると、耐摩耗性樹
脂層の塗工組成物を塗工する際、グラビアロールやドク
ターブレード等の塗工装置を摩耗させたりする虞れがあ
り、又、化粧材とした場合に表面の耐摩耗性樹脂層の手
触り感が荒くなり、化粧材と接触する他の物品を摩耗す
ることになってしまう。
【数6】d2<d1 ・・・・・・(2) 不定形粒子6は、平均粒径が0.1〜50μmが好まし
く、更に好ましくは、0.5〜25μmである。不定形
粒子6の平均粒径が0.1μm未満では、艶消効果がな
く、50μmを超えると表面のザラツキが大となるおそ
れがある。
【0020】不定形粒子6の材質は、モース硬度が1以
上の無機粒子が用いられる。具体的には、上記球状粒子
として例示した材料が挙げられ、形状を不定形状に形成
された無機粒子等である。好ましい不定形粒子は、シリ
カである。また、不定形粒子6の添加量は、耐摩耗性樹
脂層3の所望の艶に応じて適宜含有せしめることができ
るが、好ましい添加量は耐摩耗性樹脂層3中の含有量と
して、3〜30重量%となるようにするのが好ましい。
【0021】耐摩耗性樹脂層3には、離型剤を添加して
表面に離型性を持たせることができる。離型剤として
は、シリコン、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ワックス等が挙げられるが、特に耐摩耗性樹脂
層のバインダー樹脂として電離放射線硬化性樹脂を用い
た場合には、例えばメタクリレート変性シリコーン等の
電離放射線の照射により電離放射線硬化性樹脂と反応す
る官能基を導入したものが好ましく用いられる。また、
離型剤の添加量は、0.1重量%〜10重量%が好まし
い。耐摩耗性樹脂層3に離型剤を添加して離型性を持た
せると、表面に対する汚れが付着しにくくなり、耐久性
が更に向上する。
【0022】本発明において用いられる基材2の材質と
しては、紙、プラスチック、金属箔、板等が用いられ、
形状としては例えば紙、プラスチックシート、不織布等
のシート状のもの、あるいは金属板、木質板、プラスチ
ック板などの板状のもの等のいずれを用いることもでき
るが、柔軟性を有するシート状のものを用いるのが、製
造工程においてシート状物のロールを基材として使用し
化粧材の連続生産が可能であるため好ましい。通常、基
材2は、シート状のものを使用する場合は、厚さ5〜2
00μmのものが好ましく用いられる。また、基材2は
表面に凹凸を有するものや、立体形状を有するものなど
を使用することも可能である。
【0023】基材2として用いられる紙は、具体的には
薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石
膏ボード紙、紙にポリ塩化ビニル樹脂をゾル塗工又はド
ライラミネートしたいわゆるビニル壁紙原反、上質紙、
コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメン
ト紙、パラフィン紙、和紙等が挙げられる。又、紙類似
シートも基材として用いることができる。上記の紙類似
シートとは、硝子繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、
アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維、
ポリエステル、ビニロン等の有機樹脂等を用いた織布又
は不織布等が挙げれる。
【0024】また基材2として用いられるプラスチック
シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ビニロン等
のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート−イ
ソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリメタ
アクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系
樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、三酢
酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイ
ミド等の合成樹脂フィルム、又はシートの単層体又は積
層体が挙げられる。また、金属箔として用いられる金属
は、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、銅等が挙げられ
る。
【0025】また、基材2として用いられる板は、木材
単板、木材合板、パーチクルボード、MDF(中密度繊
維板)等の木質板、石膏板、石膏スラグ板等の石膏系
板、珪酸カルシウム板、石綿スレート板、軽量発泡コン
クリート板、中空押出セメント板等のセメント板、パル
プセメント板、石綿セメント板、木片セメント板等の繊
維セメント板、陶器、磁気、せっ器、土器、硝子、琺瑯
等のセラミックス板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化
ビニルゾル塗工鋼板、アルミニウム板、銅板等の金属
板、ポリオレフィン樹脂板、アクリル樹脂板、ABS
板、ポリカーボネート板等の熱可塑性樹脂板、フェノー
ル樹脂板、尿素樹脂板、不飽和ポリエステル樹脂板、ポ
リウレタン樹脂板、エポキシ樹脂板、メラミン樹脂板等
の熱硬化性樹脂板、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の樹脂を、硝
子繊維不織布、布帛、紙、その他の各種繊維質基材に含
浸硬化して複合化したいわゆるFRP板等の樹脂板が挙
げられる。
【0026】基材2は上記各種基材の2種以上を接着
剤、熱融着等の公知の手段により積層した複合基材を用
いてもよい。
【0027】本発明において、耐摩耗性樹脂層3を基材
2の表面に形成するためのバインダーとして用いる架橋
性樹脂4は、電離放射線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂
(常温硬化型樹脂、二液反応硬化型樹脂を含む)等の従
来公知の化粧材の架橋性樹脂として用いられる樹脂が利
用できる。架橋性樹脂としては電離放射線硬化性樹脂
が、硬化速度が速く作業性も良好であり、しかも柔軟性
や硬度等の樹脂の物性の調節も容易であり、柔軟な基材
を用いた場合にはシート状の化粧材を効率良く連続生産
可能であるため好ましい。また、上記の架橋性樹脂の選
択は化粧材の用途に応じて適宜選択することができる。
該架橋性樹脂は、未架橋状態で球状粒子を分散させて塗
工した後、架橋させ、硬化させて塗膜は完成される。
【0028】架橋性樹脂は、その架橋密度が高くなるほ
ど耐摩耗性は向上するが、柔軟性は低下する。そのため
架橋性樹脂の架橋密度は、化粧材の用途等によって耐摩
耗性と柔軟性に応じて、基材の種類等と合わせて適宜、
選定するのが好ましい。架橋密度は例えば下記(3)式
に示す平均架橋間分子量で表すことができる。平均架橋
間分子量は100〜1000の範囲で用いることがで
き、好ましくは100〜700、更に柔軟性の点から
は、300〜700が好ましい
【0029】
【数7】 平均架橋間分子量=全体の分子量/架橋点の数 ・・・・・(3) 但し、全体の分子量は、Σ(各成分の配合モル数×各成
分の分子量)であり、架橋点の数は、Σ[{(各成分の
官能基数−1)×2}×各成分のモル数]である。
【0030】架橋性樹脂として用いる電離放射線硬化性
樹脂は、具体的には、分子中に重合性不飽和結合また
は、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及
び/又はモノマーを適宜混合した、電離放射線により硬
化可能な組成物が用いられる。尚、ここで電離放射線と
は、電磁波または荷電粒子線のうち分子を重合或いは架
橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫
外線または電子線が用いられる。
【0031】上記プレポリマー、オリゴマーの例として
は不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不
飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポ
リエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレー
ト、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオ
ールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレ
ート、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0032】ウレタンアクリレートとしては、例えばポ
リエーテルジオールとジイソシアネートとを反応させて
得られる、下記一般式〔化1〕で表されるポリエーテル
系ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
【化1】CH2 =C(R1 )−COOCH2 CH2 −O
CONH−X−NHCOO−〔−CH(R2 )−(CH
2 n −O−〕m −CONH−X−NHCOO−CH2
CH2 OCOC(R1 )=CH2 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素またはメチル基であ
り、Xはジイソシアネート残基、nは1〜3の整数、m
は6〜60の整数である。)
【0033】上記のポリエーテル系ウレタン(メタ)ア
クリレートに使用されるジイソシアネートとしては、例
えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート等が挙げられる。上記のポリエーテルジ
オールとしては、分子量が500〜3000のポリオキ
シプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられ
る。
【0034】以下、ウレタンアクリレートの製造例を示
す。滴下ロート、温度計、還流冷却管及び攪拌棒を備え
たガラス製反応容器中に、分子量1000のポリテトラ
メラレングリコール1000部と、イソホロンジイソシ
アネート444部とを仕込み、120℃で3時間反応さ
せた後、80℃以下に冷却し、2−ヒドロキシエチルア
クリレートを232重量部加え、80℃でイソシアネー
ト基が消失するまで反応させて、ウレタンアクリレート
が得られた。
【0035】電離放射線硬化性樹脂に用いるモノマーの
例としては、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン
系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブ
トキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシ
ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル
酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メメタク
リル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アク
リル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)メチル、ア
クリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等
の不飽和置酸の置換アミノアルコールエステル類、アク
リルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸ア
ミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレン
グリコールジアクリレート、プロピレングリコールジア
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合
物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有す
るポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチ
オプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コール等が挙げられる。
【0036】通常、以上の化合物を必要に応じて1種も
しくは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性
樹脂に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリ
マーまたはポリチオールを5重量%以上、前記モノマー
及びまたはポリチオールを95重量%以下とするのが好
ましい。
【0037】モノマーの選定にさいしては、硬化物の可
撓性が要求される場合は塗工適性上支障のない範囲でモ
ノマーの量を少なめにしたり、1官能または2官能アク
リレートモノマーを用い、比較的低架橋密度の構造とす
る。また、硬化物の耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性等が要
求される場合には、塗工適性上支障のない範囲でモノマ
ーの量を多めにしたり、3官能以上のアクリレートモノ
マーを用いることで高架橋密度の構造とすることができ
る。尚、1、2官能モノマーと3官能以上のモノマーを
混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整することもでき
る。
【0038】以上のような1官能性アクリレートモノマ
ーとしては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシ
ルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙
げられる。又、2官能アクリレートとしてはエチレング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート等が、また3官能以上のアクリレートとし
ては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(テトラ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0039】更に、電離放射線硬化性樹脂には、硬化物
の可撓性、表面硬度等の物性を調整するための電離放射
線非硬化性樹脂を添加することができる。尚、該電離放
射線非硬化性樹脂としてはウレタン系、繊維素系、ポリ
エステル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いられ、特に
繊維素系、ウレタン系、ブチラール系が可撓性の点から
好ましい。
【0040】又、以上の如き組成の電離放射線硬化性樹
脂を硬化させるために紫外線を照射する場合には、光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシ
ムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩、メタロセン、又、光重合促進剤(増感剤)
としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルホスフィン等を、更に混合して用いることがで
きる。
【0041】架橋性樹脂として用いられる熱硬化性樹脂
は、具体的には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリル
フタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(2液型ポ
リウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド
樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロ
キサン樹脂等がある。これらに必要に応じて架橋剤、重
合開始剤等の硬化剤、重合促進剤等を添加して用いる。
上記の硬化剤として通常、イソシアネート又は有機スル
ホン酸塩が不飽和ポリエステル系樹脂やポリウレタン系
樹脂に、アミンがエポキシ樹脂に、メチルエチルケトン
パーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル
等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル等によく使用
される。
【0042】上記のイソシアネートとしては、2価以上
の脂肪族又は芳香族イソシアネートを使用できるが、熱
変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ま
しい。具体的なイソシアネートとしてトリレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0043】上記2液型ポリウレタンとしては、その分
子構造中に水酸基を平均して2個以上有するポリオール
化合物からなる第1液と、ポリイソシアネート化合物か
らなる第2液とを、水酸基とイソシアネート基の当量比
が0.7〜1.5になるように配合したものが挙げられ
る。
【0044】上記エポキシ樹脂としては、その分子構造
中にエポキシ基を平均2個以上有するエポキシ樹脂とエ
ポキシ基と反応する活性水素を1分子中に3個以上有す
るモノ−、またはポリ−アミンとをエポキシ樹脂のエポ
キシ当量とモノ、またはポリアミンの活性水素当量の比
が、0.7〜1.5になるように配合したものが挙げら
れる。
【0045】耐摩耗性樹脂層3の塗工組成物には、バイ
ンダー樹脂、球状粒子、及び不定形粒子以外の成分とし
て、染料や顔料等の着色剤、その他のCaCO3 、Ba
SO4 、ナイロン樹脂ビーズ等の充填剤、消泡剤、レベ
リング剤、チクソトロピー性付与剤などの塗料、インキ
に通常添加される添加剤を加えることができる。
【0046】又、上記の耐摩耗性樹脂層3の塗工組成物
には、粘度を調整するために、架橋性樹脂の成分を溶解
可能であり、常圧における沸点が70℃〜150℃の溶
剤を、組成物中に30重量%以下の範囲で用いることが
できる。溶剤の添加量が30重量%以下の範囲であれ
ば、乾燥がスムーズであり、生産スピードの大きな低下
がない。
【0047】上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通
常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトンメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ア
ミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピル
エーテルなどのエーテル類およびこれらの2種以上の混
合物が挙げられる。
【0048】次に、上記の塗工組成物を用いて基材2の
表面に耐摩耗性樹脂層3を形成する方法について説明す
る。耐摩耗性樹脂層3は、基材2の表面に塗工組成物
を直接塗工する直接コーティング法、又は、剥離性の
基材表面に耐摩耗性樹脂層を予め形成した後、該層を基
材2の表面に転写する、転写コーティング法が用いられ
る。一般に基材2の材質として、塗工組成物が浸透しな
いものを使用した場合には上記の及びの何方を用い
てもよいが、塗工組成物を浸透させる基材2を使用した
場合や、表面に凹凸のある基材、ならびに、塗膜厚みの
均一性を出す場合、電離放射線の強度を均一にして均一
な耐摩耗性を形成したい場合には、上記の転写コーテ
ィング法が用いるのが好ましい。
【0049】上記の直接コーティング法は、グラビア
コート、グラビアリバースコート、グラビアオフセット
コート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロ
ールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコ
ート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバ
ーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコー
ト、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる
が、好ましいのはグラビアコートである。
【0050】転写コーティング法は、下記の(a)〜
(d)に示す、一旦、薄いシート(フィルム)基材に塗
膜を形成し架橋硬化せしめ、しかる後基材の表面に被覆
する方法であり、塗工組成物の塗膜を基材と共に立体物
に接着するラミネート法(a、b)、一旦離型性支持体
シート上に塗膜と必要に応じて接着材層を形成し塗膜を
架橋硬化させてなる転写シートを、その塗膜側を立体物
に接着後、支持体シートのみ剥離する転写法(c)等の
手段を利用することができる。尚、薄いシート基材に、
耐摩耗性樹脂層を形成する方法は上記の直接コーティン
グ法と同じ各種のコーティング手段を用いることができ
る。 (a)特公平2−42080号公報、特公平4−199
24号公報等に開示されるような射出成形同時転写法。
或いは特公昭50−19132号公報に開示されるよう
な射出成形同時ラミネート法。 (b)特開平4−288214号公報、特開平5−57
786号公報に開示されるような真空成形同時転写法。
或いは特公昭56−45768号公報に開示されるよう
な真空成形同時ラミネート法。 (c)特公昭59−51900号公報、特公昭61−5
895号公報、特公平3−2666号公報等に開示され
るように、ラッピング同時転写法、又はラッピング同時
ラミネート法。 (d)実公大15−31122号公報等に開示されてい
るVカット加工同時ラミネート法、或いは特公昭56−
7866号公報等に開示されているVカット加工同時転
写法。
【0051】又、上記の転写コーティング法の一つと
して、例えば架橋性樹脂として電離放射線硬化性樹脂を
用いる場合には、下記の(A)〜(D)の工程を順次行
う方法を用いることもできる(特開平2−26673号
公報等記載)。 (A)非吸収性且つ離型性の合成樹脂シートに、未硬化
液状の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工する工程。 (B)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布面が基材
と接するようにラミネートする工程。 (C)前記電離放射線硬化性樹脂組成物の塗膜に電離放
射線を照射して架橋、硬化させる工程。 (D)合成樹脂シートを剥離除去する工程。 上記の工程において、電離放射線硬化性樹脂として溶剤
で希釈されたものを使用する場合には、工程(A)と
(B)との間に溶剤を乾燥する工程を行う。上記の方法
によれば、基材として紙のような浸透性の高い材質の場
合であっても、樹脂が基材の裏側に抜ける、いわゆる
「うらぬけ」を確実に防止して、基材表面に良好な耐摩
耗性樹脂層を容易に形成可能である。
【0052】架橋性樹脂として電離放射線硬化性樹脂を
用いた場合の、該樹脂を硬化させるために用いられる電
離放射線照射装置は、紫外線を照射する場合、超高圧水
銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラ
ックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源が用
いられ、又、電子線を照射する場合には、コックロフト
ワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア
変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波
型等の各種電子線加速器等を用いる。
【0053】電子線の照射量は、通常100〜1000
keV、好ましくは100〜300keVのエネルギー
を持つ電子を0.1〜30Mrad程度の照射量で照射
する。照射量が0.1Mrad未満の場合、硬化が不十
分となる虞れがあり、又、照射量が30Mradを超え
ると、硬化した塗膜或いは基材が損傷を受ける虞れが出
てくる。又、紫外線により硬化させる場合の照射量は、
好ましくは50〜1000mJ/cm2 である。紫外線
の照射量が50mJ/cmを未満では硬化が不十分とな
る虞れがあり、又、照射量が1000mJ/cm2 を超
えると、硬化した塗膜が黄変化する虞れがある。
【0054】又、架橋性樹脂として熱硬化性樹脂を使用
した場合には、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進するため
に、塗工組成物を塗工後加熱しても良い。この加熱時間
は例えば、イソシアネート硬化型不飽和ポリエステル系
樹脂、又はポリウレタン樹脂の場合は、通常40〜60
℃で1〜5日程度、又ポリシロキサン樹脂の場合は、通
常80〜150℃で1〜300分程度である。
【0055】ベタ印刷層7a、柄印刷層7b等の絵柄層
7は、ベヒクルに必要に応じて、公知の顔料、染料等の
着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化
剤等を適宜混合した印刷用インキにて印刷形成する。
【0056】上記ベヒクルとしては熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の中から必要な物
性、印刷適性等に応じて適宜選択したものを使用する。
また、顔料としては、通常使用される有機系または無機
系の顔料が使用できる。希釈溶剤としてはベヒクルの樹
脂、顔料等の着色剤、その他添加物の溶解、分散能力が
あり、また適度な乾燥性を有する液体溶剤が使用され
る。一般には溶解度パラメータがベヒクルと近似する液
体溶剤を選定するのが溶解性の点から好ましい。
【0057】柄印刷層7bは、パターン状(例えば木
目、布目、図形、文字等の絵柄模様)に設けられ、基材
2の全面に設けても良いし、部分的に設けてもよい。柄
印刷層7bを部分的に設けるのは例えば絵柄の一部(例
えば木目柄の照り部分)を特に強調させたい場合等であ
る。また、ベタ印刷層7aは、ベタ状の絵柄模様におい
て全体的にパール感や干渉的外観を現出させる場合等に
設けることができる。
【0058】図2は本発明の化粧材の他の実施例を示す
縦断面図である。図2に示すように本発明の化粧材1は
基材2の表面に表面樹脂層8を設け、その表面に模様状
凹部を形成し、該表面樹脂層8の表面の凹部に通常の着
色インキをワイピング充填しワイピングインキ層9を設
け、その最表面に耐摩耗性樹脂層3を形成することもで
きる。また、図示しないが、基材2の表面に直接、部分
的に凹部及びワイピングインキ層を設けてもよい。
【0059】図2に示す態様は、耐摩耗性樹脂層を形成
する塗工組成物をワイピングインキの表面保護層として
用いた場合の例である。図2に示す化粧材1においてワ
イピング充填した着色インキのワイピングインキ層9を
形成するには以下に示す方法が用いられる。表面樹脂層
8に公知のエンボス方法にて模様状の凹凸が設けられた
基材2の全面に、着色インキを含む塗工組成物を塗工し
た後、その塗工物の塗工された表面樹脂層8の上を、ド
クターブレード、エアーナイフ或いはスポンジ等を表面
材とするローラー等で拭き取り凸部の塗工組成物を除去
して、凹部のみに着色インキ樹脂層が形成される。この
ワイピング加工は、着色した塗工組成物を用いること
で、特に絵柄を木目として絵柄と凹部を同調させ、木目
の導管部の外観を良好に再現することができる。尚、こ
の場合には表面樹脂層8は透明樹脂を用いる。
【0060】本発明の耐摩耗性を有する化粧材は、種々
の用途に適し、例えば建築物、車両船舶、家具、楽器、
キャビネット類等の表面の装飾、包装材料の装飾用とし
て有用である。特に本発明の化粧材は耐摩耗性の要求さ
れる分野に最適である。本発明の化粧材を上記の用途に
使用する場合には、上記の各種被装飾物の表面に、前記
の転写コーティング法の説明部分に記載した(a)〜
(d)の各種の手段等を利用して積層することができ
る。
【0061】
【実施例】実施例1 基材としてアクリル樹脂ラテックス含浸紙(60g/m
2 )の表面に、グラビア印刷機を用いて着色ベタ層(ア
クリル硝化綿混合系インキ)、絵柄層(硝化綿アルキッ
ド混合系インキ)を順次印刷して形成し、該絵柄層の上
からグラビアコーターを用いて下記塗料を塗工し(塗工
量:25g/m2 dry)電子線照射装置を用いて電子
線を照射(175kv、5Mrad)して塗膜を架橋・
硬化させて耐摩耗性表面樹脂層を設けて化粧材を得た。
【0062】 〔耐摩耗性樹脂層塗工組成物〕 ・ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート 50重量部 ・トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート 20重量部 ・球状アルミナ(平均粒径25μm) 20重量部 ・不定形シリカ(平均粒径:1.8μm) 8重量部 ・微粉末シリカ(平均粒径:0.1μm) 1重量部 ・両末端メタクリレート変性シリコーン 1重量部
【0063】比較例1 実施例1の耐摩耗性樹脂層塗工組成物において不定形シ
リカ及び両末端メタクリレート変形シリコーンを除いた
塗工組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧
材を得た。
【0064】実施例1及び比較例1で得られた化粧材に
ついて、表面の艶を観察し、耐セロテープ剥離性試験
(10回剥離試験)、及び耐摩耗性試験を行った。結果
を表1に示す。表1に示すように、実施例1の化粧材
は、比較例1の化粧材と比較して、耐摩耗性等が同等で
あり、耐セロテープ剥離性試験の結果が良好で、艶消状
態も良好であった。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、架橋性樹
脂からなるバインダーと、少なくとも該架橋性樹脂より
も高硬度の球状粒子と、不定形粒子とを含有する塗工組
成物から形成された耐摩耗性樹脂層が、基材の表面に設
けられ、耐摩耗性樹脂層の平均膜厚をt(mm)とし、
球状粒子の平均粒径をd1(μm)とし、不定形粒子の
平均粒径d2とした場合、下記の(1)式及び(2)式
を満足する構成を採用したことにより、
【数8】 0.3t≦d1≦2.0t ・・・・・・(1)
【数9】d2<d1 ・・・・・・(2) 艶消意匠を有していながら優れた耐摩耗性を有すると共
に、化粧材製造時に塗工装置のグラビアロールやドクタ
ーブレード等を摩耗させたり、化粧材とした場合に該化
粧材と接触する他の物品を摩耗させたり手触感が低下す
ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の1実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の化粧材の他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 耐摩耗性を有する化粧材 2 基材 3 耐摩耗性樹脂層 4 架橋性樹脂からなるバインダー 5 球状粒子 6 不定形粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/32 C09D 5/32 E04F 13/18 E04F 13/18 A Fターム(参考) 2E110 AA47 AB03 AB04 AB05 BA02 BA11 BB04 GA13X GA23W GA24X GA32X GA33X GA42X GA43W GB02X GB05W GB06X GB07X GB12X GB16X GB17X GB19X GB23X GB28X GB32X GB35W GB35X GB43X GB44W GB44X GB45X GB46X GB47X GB48X GB52X GB62X GB63X 4D075 BB46Z BB47Z CA02 CA07 DA06 DB02 DB22 DB31 DB61 DC38 EA02 EA21 EB22 EB45 EC02 EC53 4F100 AB10A AK01A AK25 AR00C AS00A AT00B BA02 BA03 BA07 BA10B BA10C CC00A DE01A DG10 EJ05A EJ53 EJ82 GB07 GB81 HB00 HB31 JB14A JK09A JK12A JK15 JL14C JM01 YY00A 4J002 BF051 BG023 BG071 CC031 CC161 CC181 CC191 CD001 CF211 CH052 CK021 CK041 DA017 DE097 DE117 DE147 DJ017 DJ018 EA046 EH076 EN116 EP016 EV066 FA087 FB107 FB137 FB147 FB157 FD013 FD017 FD018 FD142 FD146 GH02 4J038 DB371 DD191 EA011 FA251 FA261 FA271 FA281 HA216 KA20 NA11 PA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋性樹脂からなるバインダーと、少な
    くとも該架橋性樹脂よりも高硬度の球状粒子と、不定形
    粒子とを含有する塗工組成物から形成された耐摩耗性樹
    脂層が、基材の表面に設けられ、耐摩耗性樹脂層の平均
    膜厚をt(μm)とし、球状粒子の平均粒径をd1(μ
    m)とし、不定形粒子の平均粒径d2(μm)とした場
    合、下記の(1)式及び(2)式を満足することを特徴
    とする耐摩耗性を有する化粧材。 【数1】 0.3t≦d1≦2.0t ・・・・・・(1) 【数2】 d2<d1 ・・・・・・(2)
  2. 【請求項2】 球状粒子が球形のα−アルミナである請
    求項1記載の耐摩耗性を有する化粧材。
  3. 【請求項3】 架橋性樹脂からなるバインダーが電離放
    射線硬化性樹脂からなる請求項1又は2記載の耐摩耗性
    を有する化粧材。
  4. 【請求項4】 耐摩耗性樹脂層の表面が離型性を有する
    請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗性を有する化粧
    材。
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