JP2000002568A - 空気流量測定装置 - Google Patents

空気流量測定装置

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JP2000002568A
JP2000002568A JP10169818A JP16981898A JP2000002568A JP 2000002568 A JP2000002568 A JP 2000002568A JP 10169818 A JP10169818 A JP 10169818A JP 16981898 A JP16981898 A JP 16981898A JP 2000002568 A JP2000002568 A JP 2000002568A
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resistor
temperature
air
heating resistor
air flow
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JP10169818A
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Hiroyuki Abe
博幸 阿部
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Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱抵抗体と感温抵抗体以外に余分な機構を
要せず、長期間にわたって塵埃の堆積が抑えられ、常に
高精度の流量検出が得られるようにした発熱抵抗体式の
空気流量測定装置を提供すること。 【解決手段】 空気通路8内に発熱抵抗体1と感温抵抗
体2を備えた発熱抵抗体式の空気流量測定装置におい
て、空気の流れFの方向の前方に感温抵抗体2を、そし
て後方に発熱抵抗体1を、それぞれ配置し、このとき、
これら感温抵抗体2と発熱抵抗体1が同一流線LC 上に
並んで平行に配置されるようにしたもの。 【効果】 耐汚損性の改善、及び精度向上に寄与する効
果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱抵抗体式の流
量計測装置に係り、特に内燃機関の吸入空気流量計測用
として好適な空気流量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発熱抵抗体式の流量測定装置では、一般
に計測すべき流体の通路に流量検出素子となる発熱抵抗
体と、温度検出素子となる感温抵抗体の2個の抵抗体を
設置する必要がある。そこで、従来の発熱抵抗体式流量
測定装置では、図12に示すように、空気通路A内の計
測すべき空気の流通方向Fに対して発熱抵抗体1を前方
に、感温抵抗体2は後方に配置し、且つ、このとき、こ
れら発熱抵抗体1と感温抵抗体2は、空気流通方向Fの
中心の流線LC の両側にある異なった流線LA 、LB
に位置するようにして、空気通路6の中に設置してい
た。この図12で、3は発熱抵抗体1の支持ピン、4は
感温抵抗体2の支持ピン、5は吸入空気通路部材を表わ
す。なお、Dは各抵抗体に形成された塵埃などの堆積物
を表わすが、詳しい説明は後述する。
【0003】このような発熱抵抗体式流量測定装置の従
来技術としては、例えば特開平1−43884号公報の
開示を挙げることができる。なお、この公報に開示の装
置では、内燃機関の吸入空気が流入する主通路から吸入
空気の一部が流入する副通路を分岐させ、この副通路内
に発熱抵抗体と感温抵抗体を設けるようにした、いわゆ
るバイパス方式になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、発熱
抵抗体に生じる塵埃の堆積についての配慮がされておら
ず、使用中での計測精度低下の問題があった。一般に、
大気中から空気を取り込んだ場合、その中には粉塵や埃
の存在がほとんど不可避であり、特に路上を走行する自
動車では、内燃機関の吸入空気への塵埃の混入が著し
い。
【0005】発熱抵抗体式の流量測定装置では、その検
出素子となる発熱抵抗体が、計測すべき空気流中に直接
さらされているため、それに塵埃が付着し易く、上記し
た図12に示すように、発熱抵抗体1と感温抵抗体2の
表面に、時間の経過とともに徐々に塵埃などの堆積物D
が形成されてしまい、この結果、流量測定特性が変化
し、計測精度が低下してしまうのである。
【0006】特に、従来技術では、発熱抵抗体1から空
気流Aへの熱の伝達が、空気流Aが発熱抵抗体1に最初
に接触する正面方向の極く僅かな部分からの熱伝達に大
きく依存しているため、この部分、すなわち空気の流通
方向Fに向かっている正面部分に、図12に示すよう
に、堆積物Dが生成されると、たとえそれが僅かであっ
ても発熱抵抗体1から空気流Aへの熱伝達量が大きく変
化してしまい、空気流量測定誤差の著しい増大をもたら
してしまう。
【0007】なお、この塵埃などの堆積物Dは、図示の
ように感温抵抗体2にも生じるが、この感温抵抗体2の
機能は空気の温度検知にあるので、堆積物Dが形成され
ても影響はほとんど無く、問題になることもほとんどな
い。
【0008】ところで、この塵埃の堆積の問題について
対処した従来技術としては、発熱抵抗体と感温抵抗体の
表面にコーティングを施し、塵埃を滑り易くする方法が
あった。しかし、この従来技術では、それほど塵埃の堆
積を抑えることができず、不十分であった。
【0009】一方、この問題に対処した従来技術として
は、発熱抵抗体の前方に障害物を配置する方法があっ
た。発熱抵抗体の前方に障害物を設置すると、空気流は
最初に障害物に接触し、このとき、障害物を基点として
流れの方向に対して垂直な方向に流線が分岐し、分岐し
た空気流はそのまま下流に流れるようになる。
【0010】そこで、この空気流が分岐した部分に発熱
抵抗体を配置してやれば、発熱抵抗体の前面に対する直
接的な空気流の接触は無くなり、小さいカルマン渦が接
触するだけとなる。しかして、この場合には、発熱抵抗
体の前面に対して斜め方向から空気が接触する状態にな
るので、塵埃は発熱抵抗体の表面で滑ってしまい、堆積
が抑えられるのである。
【0011】しかしながら、この従来技術では、発熱抵
抗体を保持するピンと感温抵抗体を保持するピンの他
に、更に障害物を保持するピンも必要になり、部品点数
の増加による設置スペースの増大を招き、装置のコンパ
クト化が阻害され、エンジンルーム内での取り付け自由
度が低下してまう。そして、このことは、特に、上記し
た副通路方式に適用した場合に著しく、副通路が狭いた
め、ほとんど適用できなくなってしまう。
【0012】また、溶接などによるピンに対する組付け
に際しても、2個の抵抗体の他に、更に障害物の取付も
必要になるので、各部の寸法関係を維持した状態での組
立作業が極めて困難になり、大きなコスト上昇が避けら
れない。
【0013】本発明の目的は、発熱抵抗体と感温抵抗体
以外に余分な機構を要せず、長期間にわたって塵埃の堆
積が抑えられ、常に高精度の流量検出が得られるように
した発熱抵抗体式の空気流量測定装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、流量を計測
すべき空気が通流される通路の中に、該通路内での空気
の流通方向の前後に並んで配置した発熱抵抗体と感温抵
抗体を備えた発熱抵抗式の空気流量測定装置において、
前記発熱抵抗体と前記感温抵抗体が、前記感温抵抗体が
前記通路内の空気の流れの前方に位置し、前記発熱抵抗
体が前記通路内の空気の流れの後方に位置するようにし
て、前記空気の流れの同一流線上に揃えて平行に配置さ
れ、前記発熱抵抗体に対する塵埃の堆積を防止するため
の障害物としての働きが、前記感温抵抗体により得られ
るようにして達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による空気流量測定
装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図3と図4は、本発明をバイパス式の空気流量測定装置
に適用した場合の一実施形態を模式的に示した図で、6
は流量測定装置のボディ、7は主空気通路、8は副空気
通路部材、9は副空気通路(バイパス通路)、10は駆動
回路(流量検出回路)であり、その他、発熱抵抗体1、感
温抵抗体2、ピン3、4などは、図12の従来技術と同
じである。
【0016】ピン3、4はテンレスなどの耐蝕性の材料
で作られ、発熱抵抗体1と感温抵抗体2をを副空気通路
9内に保持し、且つ、駆動回路10に対する電気的接続
路を確保する働きをするもので、このため、これらのピ
ン3、4は、それぞれ発熱抵抗体1と感温抵抗体2から
駆動回路10にまで伸ばされている。
【0017】ボディ6は、例えば内燃機関の吸入空気通
路の一部を構成するもので、金属、又は合成樹脂で作ら
れ、全吸入空気流量が流入する主空気通路7と、吸入空
気流量の一部が流入する副空気通路9を形成し、且つ、
駆動回路10を保持しする働きをする。
【0018】副空気通路部材8は、主として合成樹脂で
作られ、主空気通路7から一部の空気をバイパスして流
し込み、再び主空気通路7に戻る副空気通路9を形成す
る働きをするもので、この副空気通路9内に発熱抵抗体
1と感温抵抗体2が設置されている。
【0019】次に、この発熱抵抗体1と感温抵抗体2を
用いた空気流量測定装置の動作原理について簡単に説明
する。発熱抵抗体1は、空気温度を計測する感温抵抗体
1と常に一定の温度差に保たれるように、駆動回路10
内のフィードバック回路により常時加熱され、定温度制
御されている。この発熱抵抗体1は空気流の中に設置さ
れ、その空気流に接している表面部分が放熱面、つまり
熱伝達面となり、このときの熱伝達量は、空気流の速度
の関数になる。
【0020】そこで、この熱伝達により空気流に奪われ
る熱量を、発熱抵抗体1の加熱に必要な電力として捉
え、電気的信号に変換することにより空気流量を計測す
るのである。このとき、感温抵抗体2は、空気の温度を
電気抵抗の変化として捉え、温度補償を行ない、質量流
量による空気流量が正確に計測できるようにする。
【0021】図5は発熱抵抗体1と感温抵抗体2の一実
施形態例で、まず、外径が0.3〜0.9mmφで、長
さが2〜3mm程度の、アルミナ等の安価な汎用無機材
からなる小さな円筒状部材11を用い、この円筒状部材
11の両端から孔の中に直径0.2mmφ程度の金属線
を挿入し、接合材13により溶着固定してリード線12
とする。
【0022】このリード線12としては、白金線、白金
合金線、或いは非貴金属材料の線材の表面に貴金属材料
をクラッドした線が使用されることが多く、接合材13
としては、ガラス系の無機物が使用される場合が多い。
【0023】次に、白金などの細い線を用意し、その端
部を一方のリード線12に溶接し、これを基点にして円
筒状部材11の表面にヘリカル(蔓巻き)状に巻回し、所
定の抵抗値になったところで他方のリード線12に溶接
し、所定の抵抗値をもった抵抗体部分14とする。最後
に、この抵抗体部分14を保護するため、ガラスなどの
コーティング15を施して発熱抵抗体1又は感温抵抗体
2とするのである。
【0024】図6は発熱抵抗体1と感温抵抗体2の他の
一実施形態例で、図5の実施形態における白金細線を巻
回した抵抗部分14に代えて、円筒状部材11の端面と
円周面に、リード線12の一部も含めて白金などの薄膜
を形成し、この薄膜の表面をヘリカル状にレーザートリ
ミングすることにより、所定の抵抗値を有する抵抗体部
分16としたものであり、他の構成は図5の実施形態と
同じである。
【0025】図7は、空気流量測定装置の具体的な使用
態様の一例を模式的に示した図で、自動車用内燃機関の
空気流量測定装置に適用した場合を示してあり、内燃機
関のエアクリーナ17とエアクリーナダクト18の間に
空気流量測定装置のボディ6を配置したものである。エ
アクリーナ20の空気取り入れ口から流入した空気Aは
エアクリーナエレメント17Eにより清浄化され、空気
流量測定装置のボディ6に流入する。そして、空気Aの
一部の流れが副空気通路8に流れ込み、発熱抵抗体1及
び感温抵抗体2を通過することにより空気流量が計測さ
れ、流量が計測された空気がエアクリーナダクト21を
介して内燃機関のシリンダに吸入されることになる。
【0026】この結果、駆動回路10から内燃機関の制
御装置に空気流量を計測した信号が供給され、この流量
計測信号と、回転数センサなどの他のセンサからの信号
に基いて、制御装置のマイクロコンピュータが燃料供給
量を演算し、内燃機関を制御する。そしてこのとき、こ
の発熱抵抗体式の空気流量測定装置によれば、直接、質
量流量が計測できるという特長があり、この結果、多く
の内燃機関制御システムに採用されている。
【0027】ここで、図3と図4の実施形態に戻り、本
発明が特徴とする構成について説明する。これらの図
3、図4の実施形態では、図1で詳細に示してあるよう
に、発熱抵抗体1と感温抵抗体2が、何れも流量を計測
すべき空気Aの流通方向Fに沿った同一の流線LC 上に
揃って設置してあり、しかも、このとき、感温抵抗体2
が発熱抵抗体1の前に設置してある。この図1は、発熱
抵抗体1と感温抵抗体2の設置状態を詳細に示すため
に、図3の副空気通路8の一部を拡大して示したもの
で、この図を、従来技術を表わす図12と対比してみれ
ば、両者の違いを明瞭に知ることができる。
【0028】次に、図2は、感温抵抗体2として、その
直径が、発熱抵抗体1の直径よりも小さいものを用いた
場合の本発明の一実施形態を示したもので、この実施形
態でも、発熱抵抗体1と感温抵抗体2が、何れも流量を
計測すべき空気Aの流通方向Fに沿った同一の流線LC
上に揃って設置してあり、しかも、このとき、感温抵抗
体2が発熱抵抗体1の前に設置してあることが特徴とな
っている。
【0029】以下、本発明の構成による特有の動作につ
いて、説明する。この実施形態のような発熱抵抗体式の
空気流量測定装置では、その発熱抵抗体1と感温抵抗体
2は、必ず流量を計測すべき空気の中にさらされる。一
方、特に内燃機関の吸入空気には、たとえ図7に示すよ
うに、エアクリーナ17を介したとしても、或る程度以
下の微細な塵埃の除去は事実上不可能で、微細な塵埃の
混入が常時避けられず、このため、発熱抵抗体1と感温
抵抗体2の表面には、内燃機関の運転時間の経過と共に
徐々に塵埃が堆積されてしまう。
【0030】ここで、このときの塵埃が堆積する仕組み
(メカニズム)について説明する。発熱抵抗体1(感温抵
抗体2も同じ)に空気流が接触(衝突と表現した方が的確
かもしれない)した際、塵埃は、発熱抵抗体1の表面に
含まれた長さ方向の直線部分で、流線LC に沿って最前
部にある直線部分から、すなわち、図1で点Pを通って
流線LC と垂直になって発熱抵抗体1の表面に含まれた
直線部分から堆積し始める。
【0031】これは、塵埃を含んだ空気流が発熱抵抗体
1又は感温抵抗体2に接触した際、塵埃が充分に微細で
あると、これらの表面と塵埃との間にファンデルワーズ
力が作用し、空気中の塵埃を引き寄せる作用が発生する
ためと考えられている。
【0032】このように、塵埃が発熱抵抗体1又は感温
抵抗体2の表面に引き寄せられたとき、発熱抵抗体1又
は感温抵抗体2の上記直線上の部分は、微視的には平面
となり、この平面部から塵埃が堆積し始める。対して、
発熱抵抗体1又は感温抵抗体2の側面から後方に向かう
部分では、表面に引き寄せられた塵埃は、この部分の表
面が円周状に収縮してゆく状態になっているため、表面
で滑ってしまって、発熱抵抗体1又は感温抵抗体2には
付着し難く、このため、図12の従来技術で示したよう
に、空気流に逆らって前方に向かう形で堆積物Dが生成
されてしまうのである。
【0033】本発明では、図1と図2の実施形態に示し
たように、発熱抵抗体1の前方に感温抵抗体2を配置す
ることにより、上記した障害物を用いた従来技術の利点
を生かしつつコンパクトな構造にでき、バイパス式の空
気流量測定装置にも容易に適用し得るようにしたもので
ある。
【0034】図1及び図2に戻り、まず、図1の実施形
態では、副空気通路8内で、同一の空気流線LC 上に前
後して配置される発熱抵抗体1と感温抵抗体2が、同一
寸法の抵抗素子で構成されている。この場合、前方の感
温抵抗体2と後方の発熱抵抗体1の間隔が近すぎると、
感温抵抗体2により分岐し、膨らんだ空気流がそのまま
で発熱抵抗体1に達してしまい、そのまま通過してしま
うようになってしまうため、発熱抵抗体1に接触する空
気流が不安定となる。
【0035】反対に、離れすぎると、障害物による空気
流の分岐効果が得られ無くなって、塵埃の堆積を抑える
ことができなくなってしまう。発熱抵抗体1の直径をd
1、感温抵抗体2の直径をd2、間隔をLとすると、 L≧(d1+d2)/2 と定義するのが好適である。
【0036】次に、図2の実施形態では、感温抵抗体2
の直径が、発熱抵抗体1の直径よりも小さくしてある。
これは、障害物の機能を兼ねた感温抵抗体2の寸法を小
さくすることにより、障害物による塵埃の堆積を抑制す
る機能を損なわずに、発熱抵抗体1が空気流に接触する
面積、すなわち空気流に対する有効伝熱面積を増大し、
伝熱促進が促されるようにするためであり、従って、こ
の実施形態は、より一層の精度向上を図るのに有効であ
る。
【0037】ここで、発熱抵抗体1の直径をd1、感温
抵抗体2の直径をd2、直径比をαとすると、 α=d1/d2>1 と定義することが好適である。
【0038】また、副空気通路8内の吸入空気の同一流
線LC 上に配置される感温抵抗体2と発熱抵抗体1にお
いて、感温抵抗体2の中心線を規準とした際、発熱抵抗
体1の流線LC からの位置のばらつきは±1mm以内に
することが好ましい。
【0039】次に、本発明により得られた塵埃の堆積抑
制結果について、従来技術と比較しながら説明する。い
ま、従来技術による流量測定装置に、ある割合で塵埃を
含んだ空気を所定時間通流させたとき、発熱抵抗体1と
感温抵抗体2に生じる塵埃の堆積物Dを観察し、スケッ
チした結果が図12に示すようになったとき、図2に示
した本発明の一実施形態による流量測定装置に、同じく
空気を通流させたときには、発熱抵抗体1と感温抵抗体
2に生じる塵埃の堆積物Dは、図8に示すようになっ
た。
【0040】図12に示した従来技術では、発熱抵抗体
1と感温抵抗体2の双方に塵埃の堆積物Dが形成されし
ている。しかして、本発明の実施形態では、図8に示す
ように、感温抵抗体2には塵埃の堆積物Dが形成されて
いるが、発熱抵抗体1には塵埃が堆積することはなく、
明らかに塵埃の堆積が抑制できることが判る。既に説明
したように、感温抵抗体2は吸気温度補償用であり、塵
埃が堆積しても空気温度の測定にはほとんど影響を受け
ないので、空気流量測定精度を悪化させる虞れはない。
【0041】次に、図9は、図12に示した従来技術に
よる空気流量測定装置の特性(耐塵埃性)測定結果と、図
2に示した本発明の実施形態による空気流量測定装置の
特性測定結果を、それぞれ特性X(一点鎖線)と特性Y
(実線)で示したもので、各特性X、Yは、通流させた空
気量に対する誤差の大きさを表わしている。
【0042】この図9から明らかなように、従来技術で
は、通流させた空気量の増加につれ堆積物Dの形成が進
むので、誤差は大きく変化してしまう。例えば、図示の
場合では、特性Yに示すように、空気通過量の増加に伴
ってプラスの誤差からマイナスの誤差に著しく大きく変
化してしまうので、常に誤差を最小値に抑えることはで
きない。
【0043】これに対して、本発明の実施形態では、空
気の通過量が増加していっても、誤差にはほとんど変化
が現れず、特性Xに示すように、ほぼ一定値に保たれ、
従って、本発明の実施形態によれば、塵埃による発熱抵
抗体1への堆積物Dの形成が確実に抑えられていること
が判り、この結果、常に最小の誤差に抑えることができ
る。
【0044】次に、本発明によれば、更に別の観点から
も、空気流量測定精度の向上が得られるものであり、以
下、この点について説明する。通常、空気流は、そのレ
イノルズ数が4000以下では層流となり、以上では乱
流となる。そして、層流と乱流とが入り混じった状態は
遷移域と呼ぶ。そして、この遷移域では、空気の流れが
安定しにくいため、空気流がばらついてノイズが増大す
るので、空気流量測定精度が悪化する。
【0045】本発明では、図1と図2の実施形態に示し
たように、同一流線LC 上の前方に感温抵抗体2を配置
し、発熱抵抗体1を後方に揃えて配置することにより、
感温抵抗体2が発熱抵抗体1に対する障害物として働く
ようにしてあり、この結果、以下に説明するように、発
熱抵抗体1の近傍で空気流が遷移域になるのが抑えら
れ、低空気流量から高空気流量に至るまでの領域で、常
に強制的に乱流状態とすることができ、従って、空気流
量測定精度の悪化が抑えられるばかりか、その向上が得
られる。
【0046】発熱抵抗体1の前方に配置された感温抵抗
体2は、空気流に対する障害物として働き、ここで空気
流が層流状態になっていたときでも、感温抵抗体2との
接触により乱流にされ、そのまま後方にある発熱抵抗体
1に接触する。一方、空気流が感温抵抗体2に接触した
とき、乱流になっていた場合には、そのまま後方に流れ
てゆくので、やはり乱流のまま発熱抵抗体1に接触す
る。
【0047】従って、この実施形態によれば、空気流が
遷移域になる虞れがなく、発熱抵抗体1には、常に乱流
状態にある空気流だけが接触することになり、この結
果、空気流量測定精度が安定し、精度向上が得られるの
である。
【0048】次に、本発明により得られる空気流量測定
精度向上について、更に具体的に説明する。まず、図1
1は、図12に示した従来技術における発熱抵抗体1と
感温抵抗体2の近傍における空気の流れを示したもの
で、この場合、感温抵抗体2と発熱抵抗体1の後方に
は、いずれも障害物が無い。
【0049】この結果、空気流がそれぞれ感温抵抗体2
と発熱抵抗体1に接触して、それぞれ両側に分流した
後、直ちに合流されるようになるが、この場合には、図
示のように、双子渦と呼称される2対の渦20が発生し
易く、この双子渦20は、一旦生成されると、空気流が
層流の場合には、発熱抵抗体1の後方まで対流しつづけ
るため、発熱抵抗体1の後方部分では、空気に対する熱
伝達はほとんど行われなくなってしまい、発熱抵抗体1
の前方の部分21だけで空気に対する熱伝達が行なわれ
るだけになってしまう。
【0050】従って、従来技術では、この双子渦20の
発生により、発熱抵抗体1の空気流に対する熱伝達部分
が極く一部の部分21に限定されてしまうことになり、
検出感度が充分に得られなくなって、精度保持が困難に
なってしまうことになる。
【0051】次に、図10は、図2に示した本発明の一
実施形態の場合で、このときは、空気流は、まず障害物
を兼ねた感温抵抗体2に接触する。この場合、感温抵抗
体2の後方の同一流線LC に発熱抵抗体1があるため、
感温抵抗体2で分流された空気流は直ちに合流せず、分
流されたまま流れるので、双子渦が発生することなく、
代りに小さなカルマン渦22が発生し、この状態で発熱
抵抗体1に接触し、カルマン渦22を伴ったままで後方
に流れ込むようになる。
【0052】カルマン渦22は、空気流が一定の状態に
あるときは充分に安定であり、発熱抵抗体1の熱伝達に
ばらつきをもたらす虞れ無く、むしろ双子渦の発生を抑
えるように働く。
【0053】また、このように、感温抵抗体2により分
流された結果、空気流は広がった状態で発熱抵抗体1に
接触するため、図示のように、発熱抵抗体1の全周を覆
うような流線を描いて発熱抵抗体1の後方にも流れ込む
ため、発熱抵抗体1のほぼ全周が空気流に対する伝熱面
23として得られる。
【0054】従って、空気流に対する伝熱促進が促さ
れ、安定した空気との熱伝達のやりとりを行うことがで
き、この結果、高い検出感度が容易に与えられ、高精度
の流量計測を確実に得ることができる。
【0055】なお、このような空気流中に配置された物
体に対して、その前方に障害物を配置することによる伝
熱促進の向上機能に関しては、日本機械学会学会論文集
50−454、51−467、52−473、61−5
86(防衛大:五十嵐教授の論文)に詳細に報告されてお
り、従って、上記本発明の実施形態による効果は、充分
に実証されているものである。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、検出素子に対する塵埃
の堆積を確実に抑えることができるので、吸入空気流量
測定精度の経時変化の虞れがなく、検出誤差を常に最小
値に保つことができ、信頼性に優れた高精度の空気流量
測定装置を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気流量測定装置の一実施形態に
おける感温抵抗体と発熱抵抗体の配置状態を示す説明図
である。
【図2】本発明による空気流量測定装置の他の一実施形
態における感温抵抗体と発熱抵抗体の配置状態を示す説
明図である。
【図3】本発明による空気流量測定装置の一実施形態を
示す断面図である。
【図4】本発明による空気流量測定装置の一実施形態を
示す正面図である。
【図5】本発明による空気流量測定装置の一実施形態で
使用する発熱抵抗体と感温抵抗体の一例を示す断面図で
ある。
【図6】本発明による空気流量測定装置の一実施形態で
使用する発熱抵抗体と感温抵抗体の他の一例を示す断面
図である。
【図7】本発明による空気流量測定装置の一実施形態の
実装状態を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による塵埃の堆積状態を示
す説明図である。
【図9】本発明の実施形態の特性を従来技術の特性と比
較して示した特性図である。
【図10】本発明の一実施形態における空気流の状態を
示す説明図である。
【図11】従来技術における空気流の状態を示す説明図
である。
【図12】従来技術における塵埃の堆積状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 発熱抵抗体 2 感温抵抗体 3、4 ピン(支持用) 6 ボディ 7 主空気通路 8 副空気通路 9 副空気通路部材 10 駆動回路(流量検出回路) 11 円筒状部材(パイプ) 12 リード線 13 接合材 14 抵抗体部分 15 コーティング 16 抵抗体部分 17 エアクリーナ 18 エアクリーナダクト 20 双子渦 21 従来技術での発熱抵抗体の熱伝達面 22 カルマン渦 23 本発明の実施形態での発熱抵抗体の熱伝達面 D 堆積物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流量を計測すべき空気が通流される通路
    の中に、該通路内での空気の流通方向の前後に配置した
    発熱抵抗体と感温抵抗体を備えた発熱抵抗式の空気流量
    測定装置において、 前記発熱抵抗体と前記感温抵抗体が、前記感温抵抗体が
    前記通路内の空気の流れの前方に位置し、前記発熱抵抗
    体が前記通路内の空気の流れの後方に位置するようにし
    て、前記空気の流れの同一流線上に揃えて平行に配置し
    たことを特徴とする空気流量測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記発熱抵抗体と前記感温抵抗体を配置した通路が、流
    量を計測すべき空気が通流される主空気通路の中に形成
    されている副空気通路で構成されていることを特徴とす
    る空気流量測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記発熱抵抗体の直径をd1、前記感温抵抗体の直径を
    d2としたとき、これら発熱抵抗体と感温抵抗体との間
    隔Lについて、 L≧(d1+d2)/2 の関係が成立するように構成したことを特徴とする空気
    流量測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記発熱抵抗体の直径をd1とし、前記感温抵抗体の直
    径をd2としたとき、これら発熱抵抗体と感温抵抗体の
    直径の比αについて、 α=d1/d2>1 の関係が成立するように構成したことを特徴とする空気
    流量測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項1及び3において、同一流線上に
    配置される感温抵抗体と発熱抵抗体において前記感温抵
    抗体を規準とした際、発熱抵抗体の高さ方向の位置ばら
    つきを±1mm以内にした構造を特徴とする空気流量測
    定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014520A (ja) * 2001-07-04 2003-01-15 Denso Corp エアフロメータ組付け形エアクリーナの調整方法、およびエアフロメータ組付け形エアクリーナ
JP2009198248A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Denso Corp 熱式空気流量計

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