JP2000000978A - インクジェット記録装置用弾性部材、インクタンク及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置用弾性部材、インクタンク及びインクジェット記録装置

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JP2000000978A
JP2000000978A JP13333298A JP13333298A JP2000000978A JP 2000000978 A JP2000000978 A JP 2000000978A JP 13333298 A JP13333298 A JP 13333298A JP 13333298 A JP13333298 A JP 13333298A JP 2000000978 A JP2000000978 A JP 2000000978A
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ink
elastic member
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jet recording
copolymer
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JP13333298A
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English (en)
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Naruhiko Mashita
成彦 真下
Tadashi Utsunomiya
忠 宇都宮
Yoshihide Fukahori
美英 深堀
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、インク室に充填されたインクを記録ヘ
ッド部に供給するインクタンク弁、あるいはインク供給
口に設けられ、かつ該インク供給口からインクが洩れる
のを防止するシール部材、インクジェット記録装置本体
部に設けられ、記録ヘッドからインクが洩れるのを防止
するシール部材などとして好適なインクジェット記録装
置用弾性部材並びにそれを用いたインクタンク及びイン
クジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 ビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックの少なくとも一つからなる共重合
体を含む材料から構成されたインクジェット記録装置用
弾性部材、並びにこの弾性部材を用いてなるインクタン
ク及びインクジェット記録装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置用弾性部材、インクタンク及びインクジェット記
録装置に関し、さらに詳しくは、記録ヘッドにインクを
供給して記録媒体に印字を記録するインクジェット記録
装置などで用いられるインクタンクにおいて、インクタ
ンク弁やインクタンクのシール部材などとして使用さ
れ、また、インクジェット記録装置本体部において、記
録ヘッドからインクが洩れるのを防止するシール部材な
どとして使用され、二色成形法による射出成形が可能
で、かつ耐久性に優れた材料からなる弾性部材、並びに
このものを用いたインクタンク及びインクジェット記録
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置において
は、インクが充填されるインク室と、記録ヘッド部にイ
ンクを供給するインク供給部とを有するインクタンクが
装着されている。そして、このインクタンクの形式とし
ては、例えばキャリッジに対し固定的に取付けられた記
録ヘッドに対して、装置内をはい回されたチューブを介
してインクを供給するように構成され、装置に対して着
脱自在なもの、あるいは記録ヘッドと一体的に構成さ
れ、キャリッジに対して着脱自在なものなどがある。前
者のインクタンクにおいては、記録ヘッドに対して水頭
差を設けることでインクを供給する形態をとっており、
一方、後者においては、インクタンク側に負圧発生源を
備えることで、記録ヘッドにインクを供給する形態をと
っている。近年、装置の小型化やメインテナンスの容易
性などの面から、後者の形態のインクタンクを採用する
装置が多く提案されている。このようなインクタンクに
は、記録時に記録ヘッドから吐出されるインク量に見合
ったインクを良好に供給できるとともに、非記録時にお
いては吐出口からのインクの洩れなどがないことが要求
される。
【0003】このような要求を満たすインクタンクとし
ては、例えば記録ヘッドとインクタンクとが一体化さ
れ、キャリッジに対して着脱自在とされたカートリッジ
であって、インクタンク内に吸収体(発泡体)が充填さ
れているものがある。このように、インクタンク内に吸
収体を充填することで、記録ヘッドのインク吐出部で安
定したインクのメニスカスを維持することができ、ま
た、この吸収体の毛細管力によってインクタンク内でイ
ンクが保持されている。この場合、インクタンク内ほぼ
全体に吸収体が充填されていることが必要であり、吸収
体が最大保持可能なインク量よりもやや少ないインク量
を吸収体に保持させておくことにより、毛細管力を利用
して内部負圧を発生させている。したがって、記録ヘッ
ド及びインクタンクに振動などの機械的衝撃や温度変化
などの熱的衝撃などが付与された場合でも、記録ヘッド
の吐出部やインクタンクの大気連通部からのインクの洩
出が少なく、安定したインクの保持を行うことができ
る。
【0004】しかしながら、インクタンク内全体に吸収
体を充填した方式は、インクの消費に伴って吸収体の負
圧が大きくなり、記録ヘッドに供給されずにインクタン
ク内に残るインク量が多く、使用効率が悪いという問題
を有している。このような問題を解決するために、例え
ばインクタンクの下部に通孔を備えた壁により、インク
溜めと空洞とに分離し、この通孔にアンブレラチェック
バルブを移動可能に設けて、記録ヘッドのインク圧が低
下した時点で、バルブを開弁してタンク溜めのインクを
空洞に排出させて記録ヘッドに供給するように構成した
インクジェット記録ヘッド用のインクカートリッジが提
案されている(特開昭62−231759号公報)。こ
れによれば、カートリッジ内に吸収体を収容する必要が
なくなるため、タンク内の実質的インク収容量を大きく
することが可能となるが、一般的にアンブレラチェック
バルブは、記録ヘッドのインクの供給を精密に調整する
には、そのオフセット量が大きすぎ、インク供給量に変
動を来して印字品質の低下を招くという大きな問題があ
る。
【0005】一方、アンブレラチェックバルブが閉弁し
た状態では、インク溜部と記録ヘッドとが完全に遮断さ
れるため、環境温度の変化で空洞のインクが2〜5%程
度体積膨張した場合には、空洞の圧力が上昇して、記録
ヘッドとの接続口のシールを破損してインクが漏洩した
り、また記録ヘッドに装着されている状態では、この圧
力がそのまま記録ヘッドに作用して、記録ヘッドとイン
クタンクとの間での負圧を維持できなくなって、記録ヘ
ッドからインクの漏洩が生じるという問題がある。さら
に、このアンブレラチェックバルブは、記録ヘッドへの
安定なインク供給を行うために維持すべき数十mm水柱
程度の圧力差では閉弁力が弱いため、キャリッジの移動
によるインクの揺動に応動して開弁するおそがあり、印
字の安定性に劣るという問題がある。そこで、このよう
なアンブレラチェックバルブを装着したインクタンクが
もつ問題を解決するために、例えばインク室とインク供
給部とを分割する位置に設けられ、かつ該インク室とイ
ンク供給部との圧力差により移動し、インク室に充填さ
れたインクを記録ヘッド部に供給するインクタンク弁の
使用が試みられている(特開平8−174860号公
報)。
【0006】このようなインクタンク弁を装着すること
により、記録ヘッドとの間の微小な差圧に確実に応動
し、かつキャリッジの移動によるインクの揺動に左右さ
れることなく、記録ヘッドとの間で印字に適した負圧を
維持して記録ヘッドに確実にインクを供給でき、さらに
は温度変化によるインク供給口からのインクの漏洩や、
記録ヘッドからのインクの漏洩を防止することができ
る。このインクタンク弁においては、通常、弾性材料が
用いられており、また、例えばプラスチック基材に弾性
材料を接着したものなどが用いられている。そして、従
来、この弾性材料としては、一般に熱硬化性ゴムが使用
されていた。しかしながら、この熱硬化性ゴムでは、プ
ラスチックとの二色成形法による射出成形が困難であ
り、上記弁を作製するのに製造コストが高くつく上、低
硬度化した材料で所望形状の部材を成形,加硫するのが
困難であるという問題があった。一方、取替え用インク
タンクには、従来インク供給口に、ポリウレタンフォー
ムなどのフォーム状の弾性部材を取り付けることによ
り、インクが洩れるのを防止しているが、長期間使用し
ているとインクが保持できない場合があり、耐久性に優
れた弾性部材が求められていた。また、インクジェット
記録装置において、記録装置が未動作の場合、記録ヘッ
ドはインクジェット記録装置本体部の端で待機させる
が、このような待機の際に記録ヘッドからインクが洩れ
ることを防止するため、上記記録装置本体部に設けた凹
部に沿って配置されたシール部材上に記録ヘッドを収容
している。通常この部材としては熱硬化性ゴムが使用さ
れているが、この熱硬化性ゴムは上記と同様の問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、インクジェット記録装置において、特にイン
ク室とインク供給部とを分割する位置に設けられ、かつ
該インク室とインク供給部との圧力差により移動し、イ
ンク室に充填されたインクを記録ヘッド部に供給するイ
ンクタンク弁、あるいはインク供給口に設けられ、かつ
該インク供給口からインクが洩れるのを防止するシール
部材などとして好適に用いられ、また、インクジェット
記録装置本体部に設けられ、記録ヘッドからインクが洩
れることや記録ヘッドが乾燥することを防止するシール
部材などとして好適に用いられ、しかもプラスチックと
の二色成形法による射出成形が可能で、かつ低硬度化し
た材料による成形,加硫が可能である上、良好な耐溶剤
性を有し、耐久性に優れた材料からなるインクジェット
記録装置用弾性部材、並びにこの弾性部材を用いたイン
クタンク及びインクジェット記録装置を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のブロッ
ク共重合体からなる熱可塑性エラストマーを含む材料か
ら構成された弾性部材により、その目的を達成しうるこ
とを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成し
たもである。すなわち、本発明は、インクを供給して記
録媒体に印字を記録するインクジェット記録装置に使用
される弾性部材であって、ビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つから
なる共重合体を含む材料から構成されていることを特徴
とするインクジェット記録装置用弾性部材を提供するも
のである。また、本発明は、インクが充填されるインク
室と、記録ヘッド部にインクを供給するインク供給部と
を有するインクタンクにおいて、前記弾性部材を用いた
ことを特徴とするインクタンクを提供するものである。
さらに、本発明は、前記弾性部材を用いたことを特徴と
するインクジェット記録装置をも提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の弾性部材においては、そ
の材料として、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体
とする重合体ブロックの少なくとも一つからなる共重合
体の熱可塑性エラストマーを含有するもの(以下、熱可
塑性材料と称する。)が用いられる。前記熱可塑性エラ
ストマーとしては、例えば ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共
重合体とのブロック共重合体を水添して得られる結晶性
ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム
共重合体とのブロック共重合体、 ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合
体、及びポリイソプレンとポリスチレンとのブロック共
重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共
重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレ
ンとポリスチレンとのジブロック共重合体、スチレン−
エチレン/ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体
(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチ
レンのトリブロック共重合(SEPS)など、中でも、
スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重
合体又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブ
ロック共重合体、などを挙げることができる。
【0010】これらの中で、特にに挙げられた、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくと
も一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クの少なくとも一つからなるブロック共重合体を水添し
て得られる水添ブロック共重合体であって、その数平均
分子量が30000以上であるものが、インクタンク用
弾性部材として用いたときの耐久性の点で好ましい。ま
たその上限は特に制限はないが、通常は400000程
度である。すなわち、ビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックの少なくとも一つ(1セグメント)と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なく
とも一つからなるブロック共重合体を水添して得られる
ものが好ましいが、ビニル芳香族化合物を主体とする重
合体ブロックの少なくとも二つと、共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックの少なくとも一つとを有する
ブロック共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体等)を水添して得られる水添ブロ
ック共重合体が更に好ましい。
【0011】また、この水添ブロック共重合体に類似し
た水添ブロック共重合体として、カルボン酸基若しくは
無水マレイン酸基又はこれらの誘導体基を含有する分子
単位が結合した変性ビニル芳香族化合物を主体とする重
合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなるブ
ロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重合
体も好ましい。上記ブロック共重合体の非晶質スチレン
ブロックの含有量は、10〜70重量%、好ましくは1
5〜60重量%の範囲のものが望ましい。また、非晶質
スチレンブロック部のガラス転移温度(Tg)は、60
℃以上、好ましくは80℃以上であるものが望ましい。
また、両末端の非晶質スチレンブロックを連結する部分
の重合体としては、やはり非晶質のものが好ましく、例
えば、エチレン−ブチレン共重合体、ブタジエン重合
体、イソプレン重合体等を挙げることができ、これらの
ブロックあるいはランダム共重合体であってもよい。な
お、これらの各種熱可塑性エラストマーは主に単独で用
いられるが、二種以上をブレンドして用いてもよい。
【0012】本発明の弾性部材に用いられる熱可塑性材
料においては、前記熱可塑性エラストマーを低硬度化す
る目的で、所望により軟化剤を配合することができる。
この軟化剤としては特に制限はなく、従来プラスチック
やゴムの軟化剤として慣用されているものの中から、任
意のものを選択して用いることができるが、数平均分子
量が20000未満の低分子物質が好ましく、物性的に
は、100℃における粘度が5×105 センチポイズ以
下、特に、1×105 センチポイズ以下であるものが好
ましい。また、分子量の観点からは、数平均分子量は2
0000未満、特に10000以下、とりわけ5000
以下であるものが好ましい。このような軟化剤として
は、通常、室温で液体または液状のものが好適に用いら
れる。また、親水性,疎水性のいずれの軟化剤も使用で
きる。このような性状を有する軟化剤としては、例えば
鉱物油系,植物油系,合成系などの各種ゴム用又は樹脂
用軟化剤の中から適宜選択することができる。ここで、
鉱物油系としては、ナフテン系,パラフィン系などのプ
ロセス油が挙げられ、植物油系としては、ひまし油,綿
実油,あまに油,なたね油,大豆油,パーム油,梛子
油,落花生油,木ろう,パインオイル,オリーブ油など
が挙げられる。なかでも、非芳香族系オイル、特に鉱物
油系のパラフィン系オイル,ナフテン系オイル又は合成
系のポリイソブチレン系オイルから選択される一種又は
二種以上であって、その数平均分子量が450〜500
0であるものが好ましい。
【0013】なお、これらの軟化剤は一種を単独で用い
てもよく、互いの相溶性が良好であれば二種以上を混合
して用いてもよい。これらの軟化剤の配合量は特に制限
はないが、前記熱可塑性エラストマー100重量部に対
し、通常1〜1000重量部、好ましくは1〜500重
量部の範囲で選ばれる。この量が1重量部未満では充分
な低硬度化が達成できず熱可塑性材料の柔軟性が不充分
となるおそれがあり、また1000重量部を超えると軟
化剤がブリードしやすくなり、かつ熱可塑性材料の機械
的強度が低下する原因となる。なお、この軟化剤の配合
量は、熱可塑性エラストマーの分子量及び該エラストマ
ーに添加される他の成分の種類に応じて、上記範囲で適
宜選定することが好ましい。本発明の弾性部材に用いら
れる熱可塑性材料においては、それを構成する高分子有
機材料は、三次元連続の網状骨格構造を有することが好
ましく、形成される三次元連続の網状骨格構造は、その
骨格の平均径が50μm以下、好ましくは30μm以
下、セル(網目)の平均径は、500μm以下、好まし
くは300μm以下であり、高分子有機材料の体積分率
を〔高分子有機材料の体積/(高分子有機材料の体積+
軟化剤の体積)〕×100(%)と定義したとき、高分
子有機材料の体積分率が50%以下、特に33%以下で
あるのが好ましい。
【0014】また、多量の軟化剤とより少ない量の高分
子有機材料を含む熱可塑性材料を得るために、用いる軟
化剤と高分子有機材料の各々の溶解度パラメーター値δ
=(ΔE/V)1/2 (ΔE=モル蒸発エネルギー,V=
モル体積)の差が3.0以下、好ましくは2.5以下となる
ように、両材料を選択することが好ましい。この差が3.
0を超えると両材料の相溶性の点から、軟化剤が多量に
保持されにくく、得られる熱可塑性材料の低硬度化の障
害となり、また、軟化剤のブリードが発生しやすくなる
ため好ましくない。また、本発明に係る熱可塑性材料に
は、材料の圧縮永久歪みを改善するなどの目的で、所望
によりポリフェニレンエーテル樹脂を配合することがで
きる。ここで用いられるポリフェニレンエーテル樹脂
は、下記一般式で表される繰り返し単位からなる単独重
合体又は該繰り返し単位を含む共重合体である。
【0015】
【化1】
【0016】(式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれ
ぞれ独立に、水素原子,ハロゲン原子又は炭化水素基を
表す。) このポリフェニレンエーテル樹脂は公知のものを用いる
ことができ、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2−メチル−6
−エチル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ(2,
6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル),ポリ
(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエー
テル),ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン
エーテル)などが挙げられ、また、2,6−ジメチルフ
ェノールと1価のフェノール類(例えば、2,3,6−
トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノ
ール)との共重合体の如きポリフェニレンエーテル共重
合体も用いることができる。なかでも、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)や2,6−ジ
メチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
との共重合体が好ましく、さらに、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0017】ポリフェニレンエーテル樹脂の配合量は、
熱可塑性材料100重量部に対して10〜250重量部
の範囲で好適に選択することができる。この配合量が2
50重量部を超えると熱可塑性エラストマーの硬度が高
くなるおそれがあり、10重量部未満では配合して得ら
れる圧縮永久歪みの改善効果が不十分であるため、いず
れも好ましくない。また、本発明に係る熱可塑性材料
は、クレー,珪藻土,シリカ,タルク,硫酸バリウム,
炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,金属酸化物,マイ
カ,グラファイト,水酸化アルミニウムなどのりん片状
無機系添加剤、各種の金属粉,木片,ガラス粉,セラミ
ックス粉,粒状あるいは粉末ポリマー等の粒状あるいは
粉末状固体充填剤,その他の各種の天然または人工の短
繊維,長繊維(例えば、ワラ,毛,ガラスファイバー,
金属ファイバー、その他各種のポリマーファイバー等)
などを配合することができる。
【0018】また、中空フィラー、例えば、ガラスバル
ーン,シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフ
ッ化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデン共重合体などか
らなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化
を図ることができる。更に軽量化などの各種物性の改善
のために、各種発泡剤を混入することも可能であり、ま
た、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能であ
る。本発明に係る熱可塑性材料には、前記成分のほか、
諸特性の改良のため、公知の樹脂成分などの添加剤を併
用することができる。樹脂成分としては、例えば、ポリ
オレフィン樹脂やポリスチレン樹脂などを単独使用ある
いは併用することができる。これらを添加することによ
り本発明に係る熱可塑性材料の加工性、耐熱性の向上を
図ることができる。ポリオレフィン樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン,アイソタクティックポリプロピレ
ン,プロピレンと他の少量のα−オレフィンとの共重合
体(例えば、プロピレン−エチレン共重合体,プロピレ
ン/4−メチル−1−ペンテン共重合体)、ポリ(4−
メチル−1−ペンテン)、ポリブテン−1などを挙げる
ことができる。ポリオレフィン樹脂としてアイソタクテ
ィックポリプロピレン又はその共重合体を用いる場合、
そのMFR(JIS K7210)が0.1〜50g/1
0分、特に0.5〜30g/10分の範囲のものが好適に
使用できる。
【0019】また、ポリスチレン樹脂としては、公知の
製造方法で得られたものであれば、ラジカル重合法、イ
オン重合法のいずれで得られたものも好適に使用でき
る。ポリスチレン樹脂の数平均分子量は、好ましくは5
000〜500000、より好ましくは10000〜2
00000の範囲から選択でき、分子量分布〔重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)〕は5以下のものが好ましい。このポリスチレン
樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン単位含
有量60重量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共
重合体、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレ
ン、ポリp−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、これ
らは一種または二種以上を併用してもよい。さらに、こ
れらポリマーを構成するモノマーの混合物を重合して得
られる共重合体も用いることができる。また、前記ポリ
オレフィン樹脂とポリスチレン樹脂とを併用することも
できる。本発明に係る熱可塑性材料にこれらの樹脂を添
加する場合、ポリオレフィン樹脂単独を添加する場合に
比較してポリスチレン樹脂を併用すると、得られる材料
の硬度が高くなる傾向にある。したがって、これらの配
合比率を選択することにより、得られる熱可塑性材料の
硬度を調整することもできる。この場合、ポリオレフィ
ン樹脂/ポリスチレン樹脂の比率は95/5〜5/95
(重量比)の範囲から選択することが好ましい。
【0020】これらの樹脂成分を併用する場合、本発明
の効果を損なわない範囲において使用すべきであり、配
合量は熱可塑性エラストマー100重量部に対して、0
〜100重量部程度であることが好ましく、例えばポリ
オレフィン樹脂の場合は、特に0.1〜50重量部がより
好ましい。樹脂成分の配合量が100重量部を超えると
得られる熱可塑性材料の硬度が高くなり過ぎるため好ま
しくない。なお、樹脂成分としてポリオレフィン樹脂を
使用する場合、共重合体(熱可塑性エラストマー)10
0重量部に対して、特に前述の軟化剤を1〜500重量
部の範囲で配合することがより好ましい。また、他の添
加剤として、必要に応じて、難燃剤,抗菌剤,ヒンダー
ドアミン系光安定剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤,着色
剤,シリコーンオイル,シリコーンポリマー,クマロン
樹脂,クマロン−インデン樹脂,フェノールテルペン樹
脂,石油系炭化水素,ロジン誘導体などの各種粘着付与
剤(タッキファイヤー)、レオストマーB(商品名:理
研ビニル社製)などの各種接着剤性エラストマー、ハイ
ブラー(商品名:クラレ社製、ビニル−ポリイソプレン
ブロックの両末端にポリスチレンブロックが連結したブ
ロック共重合体)、ノーレックス(商品名:日本ゼオン
社製、ノルボルネンを開環重合して得られるポリノルボ
ルネン)などの他の熱可塑性エラストマー又は樹脂など
を併用することができる。
【0021】上記シリコーンポリマーは、重量平均分子
量が10000以上、好ましくは100000以上であ
るものが望ましい。上記シリコーンポリマーは、組成物
を用いた成形品の表面粘着性を改善する。該シリコーン
ポリマーは、取扱い性を良くするために、汎用の熱可塑
性ポリマー、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポ
リスチレンなどに高濃度で配合されたものを用いること
ができる。特に、ポリプロピレンとの配合品が作業性,
物性ともに良好である。このような材料は、例えば東レ
ダウコーニングシリコーン(株)より市販されている、
シリコーンコンセントレートBY27シリーズ汎用タイ
プとして容易に入手できるものを使用してもよい。シリ
コーンポリマーを配合することにより、成形体の表面状
況を改善することができるのであるが、シリコーンポリ
マーと、ビニル芳香族化合物ブロックと共役ジエン系化
合物ブロックからなる共重合体との混和性は、必ずしも
良好ではない。これは、各々のポリマーの化学的な組成
が、著しく異なっていることからも容易に想像できる。
従って、配合物の内容、成形体の成形条件によっては、
シリコーンポリマーの分離が生じる可能性がある。その
際、ビニル芳香族化合物ブロックと共役ジエン系化合物
ブロックからなる共重合体に対して比較的混和性の良好
なポリマー、例えばポリオレフィン樹脂に、シリコーン
ポリマーを化学的に結合させたグラフトポリマーを使用
することにより、その状態を改善することができる。こ
のような材料としては、例えば、東レダウコーニングシ
リコーン(株)よりBY27シリーズグラフトタイプと
して市販されているもの等を使用してもよい。
【0022】本発明に係る熱可塑性材料の製造方法は、
特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
例えば、前記の各成分及び所望により用いられる添加剤
成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機,二軸押出機,
ロール,バンバリーミキサー,プラベンダー,ニーダ
ー,高剪断型ミキサーなどを用いて溶融混練りし、さら
に、所望により有機パーオキサイドなどの架橋剤、架橋
助剤などを添加したり、又は、これら必要な成分を同時
に混合し、加熱溶融混練りすることにより、容易に製造
することができる。また、高分子有機材料と軟化剤とを
混練りした熱可塑性材料を予め用意し、この材料を、こ
こに用いたものと同種か若しくは種類の異なる一種以上
の高分子有機材料に更に混ぜ合わせて製造することもで
きる。さらに、本発明に係る熱可塑性材料においては、
有機パーオキサイドなどの架橋剤,架橋助剤などを添加
して架橋することも可能である。
【0023】ここで、部分架橋のために添加し得る架橋
剤としては、有機パーオキサイドが好適に挙げられ、具
体的には、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサン;2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサン;t−
ブチルパーオキシベンゾエート;ジクミルパーオキサイ
ド;t−ブチルクミルパーオキサイド;ジイソプロピル
ベンゾハイドロパーオキサイド;1,3−ビス−(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)−ベンゼン;ベンゾイ
ルパーオキサイド;1,1−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙
げられ、また、有用な架橋助剤としては、例えば、ジビ
ニルベンゼン,トリメチロールプロパントリアクリレー
ト,エチレンジメタクリレート,ジアリルフタレート,
キノンジオキシム,フェニレンビスマレイミド,ポリエ
チレングリコールジメタクリレート,不飽和シラン化合
物などが挙げられる。これら有機パーオキサイド及び架
橋助剤は、配合材料全体を100重量部としたとき、0.
1〜5重量部の範囲で、任意に使用して架橋度を調整す
ることができる。これらの有機パーオキサイド及び架橋
助剤は、必要に応じてそれぞれ二種以上を併用すること
もできる。なお、架橋助剤として不飽和シラン化合物を
使用した場合には、さらにシラノール縮合触媒の存在下
で水分と接触させて架橋を進行させることができる。
【0024】本発明の弾性部材は、前記の熱可塑性材料
から構成されるものであって、インクが充填されるイン
ク室と、記録ヘッド部にインクを供給するインク供給部
とを有するインクタンクに用いられる。この弾性部材
は、前記インクタンクにおいて、弾性部材を必要とする
パーツであれば、特に制限はなく、いかなるパーツにも
使用することができるが、例えば、インク室とインク供
給部とを分割する位置に設けられ、かつ該インク室とイ
ンク供給部との圧力差により移動し、インク室に充填さ
れたインクを記録ヘッド部に供給するインクタンク弁と
して、あるいはインクタンクのインク供給口に設けら
れ、かつ該インク供給口からインクが洩れるのを防止す
るインクタンクのシール部材として使用するのが、特に
好ましい。これらの弾性部材に、前記したSEBS,S
EPSなどの熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性材料
を使用することにより、以下に示す効果を奏する。前記
インクタンク弁は、通常プラスチック基材の表面に弾性
材料が一体的に形成された構造を有しており、このよう
な構造の成形物を作製する場合には、工程が簡単で、製
造コストの低い二色成形法による射出成形が有利であ
る。該弾性材料として従来用いられている熱硬化性ゴム
では、プラスチックとの二色成形が困難であったが、本
発明のように、SEBS,SEPSなどの熱可塑性エラ
ストマーを含む材料を用いることにより、二色成形が可
能となり、低いコストでインクタンク弁を作製すること
ができる。
【0025】また、従来の熱硬化性ゴムでは、低硬度化
した材料で所望形状の部材を成形,加硫するのが困難で
あったが、本発明のように、SEBS,SEPSなどの
熱可塑性エラストマーを含む材料を用いることにより、
これが可能となり、適度の弾性を有し、かつ機械物性に
優れた成形体が得られる。さらに、本発明で用いる熱可
塑性材料においては、SEBS,SEPSなどの熱可塑
性エラストマーを低硬度化する際に使用するオイル成分
として、パラフィン系オイルなど、インクに対して極性
の大きく異なる液体を使用することができ、しかも、そ
れらのオイルは、SEBS,SEPSなどの熱可塑性エ
ラストマーの凝集ドメインであるスチレンブロックに対
して相溶しにくく、エラストマーの強度などの物性に対
して、影響が少ない。また、SEBS,SEPSなどの
熱可塑性エラストマーを使用すると、インクなどの溶媒
による膨潤などの変化が小さく、耐久性に優れるインク
タンク弁やインクタンクのシール部材、記録ヘッドから
インクが洩れるのを防止するシール部材などを与えるこ
とができる。なお、本発明のシール部材は、インク供給
口に設置するほか、インク供給部と記録ヘッドを連結す
る結合部等にも使用することができる。本発明はまた、
前記のSEBS,SEPSなどの熱可塑性エラストマー
を含む材料から構成された弾性部材、特に好ましくはイ
ンクタンク弁及び/又はインクタンクのシール部材を用
いたインクタンクをも提供する。本発明のインクタンク
は、該弾性部材を用いたものであればよく、特に制限さ
れず、インクをポリウレタンなどの発泡体で保持したも
のであってもよく、このような発泡体を充填していない
ものであってもよい。
【0026】また、前記インクタンク弁やインクタンク
のシール部材の形状としては、特に制限はなく、従来イ
ンクタンクに使用されているものと同じ形状のものを挙
げることができる。それらの製造方法については、例え
ばインクタンクのシール部材の場合は、射出成形や押出
成形など、従来公知の成形方法を採用することができ
る。一方、インクタンク弁の場合は、例えば基材となる
プラスチックを金型内に溶融射出成形し、次いでその上
に本発明に係る熱可塑性材料を溶融射出成形してプラス
チック成形物の表面に、該熱可塑性材料を積層して一体
化させる二色成形法を採用することができる。あるい
は、まず、プラスチックを金型内に溶融射出成形したの
ち、その成形物を他の金型にインサートし、その表面
に、本発明に係る熱可塑性材料を溶融射出成形して、プ
ラスチック成形物の表面に、該熱可塑性材料を積層して
一体化させるインサート成形法を採用することができ
る。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、以下の実施例,比較例及び参考
例における物性評価は、下記の方法により行った。 (1)材料の硬度 JIS K6301(A型)に準拠した。 (2)軟化剤のブリード量 直径25mm,厚さ2mmのサンプルを鉄板に挟み、サ
ンプルの厚みが1mmになるまで圧縮し、70℃で48
時間放置した後、サンプルの重量を測定して圧縮前のサ
ンプルの重量から減じた値を軟化剤のブリード量とし、
それを重量百分率(%)で表示した。なお、共重合体の
溶解度パラメーター(SP値)の測定は常法にて行い、
数平均分子量の測定は、ゲルパーミエイションクロマト
グラフィ〔GPC:東ソー製,GMH−XL(2本直
列)〕により行い、示差屈折率(RI)を用いて、単分
散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行っ
た。
【0028】実施例1〜5,比較例及び参考例1,2 (1)熱可塑性材料(インクタンク用弾性部材原料)の
調製 第1表に示した配合からなる各成分を充分に混練して熱
可塑性材料のサンプルを調製し、物性の評価を行った。
その結果、第1表から明らかなように、実施例1〜5の
材料ではブリードは殆ど観測できなかったが、比較例の
材料ではブリード量が多く、参考例1,2の材料でも多
少のブリードが観測された。
【0029】(2)インクタンク弁の作成 次に、上記(1)で得られた熱可塑性材料を用い、金型
温度80℃,樹脂温度190℃の製造条件にて、インク
タンク弁を作成した。このようにして得られた弁を、イ
ンクタンクのインク室とインク供給部とを分割する位置
に装着して、インク供給試験及び長時間(120℃,1
000時間)の耐久試験を行った。その結果を第1表に
示した。ここで○印はブリードによるインクへの汚染が
全くなく、また弁として充分に機能していることを示
す。一方×印はブリードによるインクへの汚染があるこ
とを示し、−は測定不能であることを示す。その結果、
実施例1〜5ではどちらの特性(インク供給性能及び耐
久性)も満足できたが、比較例の材料は、ポリプロピレ
ン樹脂への接着性が悪く、弁として使用することができ
ず、参考例1,2の材料でも耐久試験の際にブリードに
よるインクへの汚染が観測されることがあった。
【0030】(3)インクタンクのシール部材の作成 次に、上記(1)で得られた熱可塑性材料を用い、金型
温度80℃,樹脂温度170℃の製造条件にて、インク
タンクのシール部材を作成した。このようにして得られ
たシール部材を、インク供給部端部に装着して、長時間
(120℃,1000時間)の耐久試験を行った。その
結果を第1表に示した。ここで○印はブリードによるイ
ンクへの汚染が全くないと同時に、インク漏れが全くな
いことを示す。一方×印はブリードによるインクへの汚
染があることを示し、−は測定不能であることを示す。
その結果、実施例1〜5ではインク漏れ等は観測され
ず、良好な耐久性が得られたが、比較例の材料はポリプ
ロピレン樹脂への接着性が悪く、シール部材として使用
することができず、参考例1,2の材料でも耐久試験の
際にブリードによるインクへの汚染が観測されることが
あった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例配合原料の説明 ポリマーA:数平均分子量10万のSEPSポリマー,
SP値8.5 ポリマーB:数平均分子量7万のSEPSポリマー,S
P値8.5 ポリマーC:数平均分子量5万のSEBSポリマー,S
P値8.5 軟化剤A:パラフィン系オイル〔出光興産(株)製,商
品名:PW380〕(数平均分子量750,SP値7.
8) 添加剤A:ポリプロピレン樹脂 添加剤B:シリコーンポリマーとポリプロピレン樹脂が
等量混合されたもの 添加剤C:ポリプロピレン樹脂にグラフトされたシリコ
ーンポリマー 添加剤D:カーボンブラック 添加剤E:硫黄 添加剤F:ポリフェニレンエーテル樹脂
【0034】
【発明の効果】本発明のインクタンク用弾性部材は、プ
ラスチックとの二色成形法による射出成形が可能で、か
つ低硬度化した材料による成形,加硫が可能である上、
良好な耐溶剤性を有し、耐久性に優れるものであって、
特にインク室とインク供給部とを分割する位置に設けら
れ、かつ該インク室とインク供給部との圧力差により移
動し、インク室に充填されたインクを記録ヘッド部に供
給するインクタンク弁、あるいはインク供給口に設けら
れ、かつ該インク供給口からインクが洩れるのを防止す
るシール部材、更にはインクジェット記録装置本体部に
設けられ、記録ヘッドからインクが洩れるのを防止する
シール部材などとして、好適である。また、インク供給
部と記録ヘッドを連結する結合部等のシール部材として
も有効に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 KC05 KC10 KC24 4J002 AE053 BB032 BB122 BB142 BB152 BC032 BP011 FD023 GS00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを供給して記録媒体に印字を記録
    するインクジェット記録装置に使用される弾性部材であ
    って、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
    の少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体とする重
    合体ブロックの少なくとも一つからなる共重合体を含む
    材料から構成されていることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置用弾性部材。
  2. 【請求項2】 材料が、共重合体100重量部に対し
    て、ポリオレフィン樹脂0.1〜50重量部及び軟化剤1
    〜500重量部を配合した組成物から構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置
    用弾性部材。
  3. 【請求項3】 共重合体の数平均分子量が30000以
    上であることを特徴とする請求項1又は2記載のインク
    ジェット記録装置用弾性部材。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン樹脂が、シリコーンポリ
    マーと化学的に結合したものであることを特徴とする請
    求項2又は3記載のインクジェット記録装置用弾性部
    材。
  5. 【請求項5】 インク室とインク供給部とを分割する位
    置に設けられ、かつ該インク室とインク供給部との圧力
    差により移動し、インク室に充填されたインクを記録ヘ
    ッド部に供給するインクタンク弁として用いられる請求
    項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置用
    弾性部材。
  6. 【請求項6】 インクタンクのインク供給口に設けら
    れ、かつ該インク供給口からインクが洩れるのを防止す
    るインクタンクのシール部材として用いられる請求項1
    〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置用弾性
    部材。
  7. 【請求項7】 インクジェット記録装置本体部に設けら
    れ、かつシール部材として用いられる請求項1〜4のい
    ずれかに記載のインクジェット記録装置用弾性部材。
  8. 【請求項8】 インクが充填されるインク室と、記録ヘ
    ッド部にインクを供給するインク供給部とを有するイン
    クタンクにおいて、請求項1〜6のいずれかに記載の弾
    性部材を用いたことを特徴とするインクタンク。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の弾性部
    材を用いたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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