WO2024116454A1

WO2024116454A1 - 無線通信システムおよび中継装置

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Publication number: WO2024116454A1
Application number: PCT/JP2023/025019
Authority: WO
Inventors: 翔丸長澤; 泰之福本; 眞治赤松; 渕義金
Original assignee: 株式会社パトライト
Priority date: 2022-11-28
Filing date: 2023-07-05
Publication date: 2024-06-06

Abstract

無線通信システムは、無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置と、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置とを含む無線通信システムを含む。前記送信装置は、送信装置制御部を含む。前記受信装置は、受信装置制御部を含む。前記送信装置制御部および前記受信装置制御部は、前記検索により検知した前記中継装置に、前記送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を送信するステップ、および前記検索により検知した前記中継装置に、前記受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を送信するステップの少なくとも一方を実行する。

Description

無線通信システムおよび中継装置

　この発明は、無線通信システムおよび中継装置に関する。

　配置場所が遠く離れた送信機と受信機との間の無線通信を、それらの間の通信経路の途中に配置された中継機によって中継することが知られている。特許文献１は、互いに遠く離れた親機と子機との無線通信を中継機によって中継する場合の、中継ルートの設定方法を開示している。

特開２００６－０７４２８１号公報

　特許文献１に記載の設定方法では、無線通信先として互いを予め登録している親機および子機の双方に中継機を登録することで、中継機による中継通信の開始が許容される。親機および子機への中継機の登録は、２ステップで行われる。具体的には、最初のステップにおいて、中継機を親機に登録する。このステップでは、作業者が、親機および中継機の周波数チャンネルを設定して親機および中継機の双方を登録モードにした上で、中継機の通信状態を確認しながら中継機を親機に登録する。そして、次のステップにおいて、親機に登録済みの中継機に対し、親機側から子機に対するアクセスを中継機に指示し、指示された中継機が子機に対してアクセスする。これにより、中継機が子機に登録される。親機からのアクセス指示に応じて中継機が子機にアクセスするので、中継機がアクセス可能な子機を、親機に登録済みの子機のみに制限できる。これにより、中継機の中継先の間違いが防止される。

　しかし、特許文献１に記載の手法では、親機（受信装置）および子機（送信装置）に対する中継機（中継装置）の登録操作を個別に行う必要がある。加えて、個々の登録操作が煩雑である。そのため、中継装置による無線通信の中継を簡単な操作で開始することができなかった。

　そこで、この発明の一つの目的は、受信装置および送信装置の無線通信の中継装置による中継を、中継誤りを回避しながら簡単な操作で開始できる無線通信システムを提供することである。

　また、この発明の他の目的は、受信装置と送信装置との無線通信の中継を、中継誤りを回避しながら簡単な操作で開始できる中継装置を提供することである。

　この明細書において、「中継装置」は、通信機の一種である中継通信機（以下、「中継機」という場合がある）を含む。「受信装置」は、通信機の一種である受信機を含む。「受信装置」は、受信機に無線通信先として登録された中継通信機であって、「中継装置」に対して、受信機と同等の受信機能の役割を果たす中継受信機を含む。中継受信機は、受信機に無線通信先として登録されたものに限られず、他の中継受信機に無線通信先として登録されたものを含む趣旨である。「送信装置」は、通信機の一種である送信機を含む。「送信装置」は、送信機に無線通信先として登録された中継通信機であって、「中継装置」に対して、送信機と同等の送信機能の役割を果たす中継送信機を含む。中継送信機は、送信機に無線通信先として登録されたものに限られず、他の中継送信機に無線通信先として登録されたものを含む趣旨である。「中継装置」は、無線通信先として互いを予め登録している「中継装置」と「送信装置」との無線通信を中継する。

　この発明の一実施形態では、無線通信システムは、送信機から受信機へ向けて伝達対象の情報を送信するように構成されており、送信機と受信機との間の通信経路（無線通信経路）に一つ以上の中継機を備えている。この場合、通信経路上で、ある中継機（この中継機が「中継装置」に相当）に対して上流側（すなわち、送信機側）に隣接する他の通信機（他の中継機または送信機）が「送信装置」であり、当該中継機に対して下流側（すなわち受信機側）に隣接する他の通信機（他の中継機または受信機）が「受信装置」である。「送信装置」が他の中継機である場合に、当該他の中継機を「中継送信機」という場合がある。また、「受信装置」が他の中継機である場合に、当該他の中継機を「中継受信機」という場合がある。

　この発明の一実施形態は、無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置と、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置と、を含む無線通信システムを提供する。前記送信装置は、ペアリングモード中において中継装置を検索する第１中継装置検索ステップを実行する送信装置制御部を含む。そして、前記受信装置は、ペアリングモード中において中継装置を検索する第２中継装置検索ステップを実行する受信装置制御部を含む。そして、前記送信装置制御部および前記受信装置制御部は、前記検索により検知した前記中継装置に、前記送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を送信するステップ、および前記検索により検知した前記中継装置に、前記受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を送信するステップの少なくとも一方を実行する。そして、前記中継装置は、ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置から、当該受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を受け取る受信装置検索ステップと、前記ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置から、当該送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を受け取る送信装置検索ステップとを実行する、中継装置制御部を含む。そして、前記受信装置制御部、前記送信装置制御部および前記中継装置制御部の一つは、前記中継装置が前記ペアリングモードから、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継通信モードに移行するか否かを、前記受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報および前記送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報の少なくとも一方に基づいて判定する判定ステップを実行する。

　この構成によれば、受信装置の受信装置制御部、送信装置の送信装置制御部および中継装置の中継装置制御部の一つは、送信装置の接続先の接続先受信装置アドレス情報、および受信装置の接続先の接続先送信装置アドレス情報の少なくとも一方に基づいて、ペアリングモードから中継通信モードに移行するか否かを判定する。接続先受信装置アドレスおよび接続先送信装置アドレスの少なくとも一方に基づいて中継通信モードに移行するか否かを判定するので、ペアリングモードから中継通信モードに移行する場合には、検索により検知した受信装置および送信装置が無線通信先として互いを予め登録していることが担保される。そのため、中継誤りを回避できる。

　また、受信装置の検索、送信装置の検索および中継通信モードに移行するか否かの判定は、ペアリングモード中の一連の処理であるので、複数回に分けて登録作業を行う場合と比較して、簡単な操作で中継通信を開始できる。

　ゆえに、受信装置および送信装置の無線通信の中継装置による中継を、中継誤りを回避しながら簡単な操作で開始できる。したがって、中継装置を含む無線通信システムを容易に構築することができる。

　この発明の一実施形態では、前記中継装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記中継通信モードに移行するか否かを、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置アドレス情報と前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先受信装置アドレス情報との照合、および前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置アドレス情報と前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先送信装置アドレス情報との照合の少なくとも一方に基づいて判定する。

　この構成によれば、受信装置から受け取った受信装置アドレス情報と、送信装置から受け取った接続先受信装置アドレス情報とが一致すること、および送信装置から受け取った送信装置アドレス情報と、受信装置から受け取った接続先送信装置アドレス情報とが一致することの一方または両方を含む移行条件が成立したときは、中継装置は、ペアリングモードから中継通信モードに移行する。一方、その移行条件が成立しないときには、中継通信モードに移行しない。

　この発明の一実施形態では、前記中継装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置アドレス情報と、前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先受信装置アドレス情報とが一致し、かつ前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置アドレス情報と、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先送信装置アドレス情報とが一致したときに前記中継通信モードに移行すると判定する。そして、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置アドレス情報と、前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先受信装置アドレス情報とが一致せず、または、前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置アドレス情報と、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先送信装置アドレス情報とが一致しないときに、前記中継通信モードに移行しないと判定する。

　この構成によれば、検索により検知した受信装置と検索により検知した送信装置とが無線通信先として互いを予め登録している場合には、検知した受信装置から受け取った受信装置アドレス情報が、検知した送信装置から受け取った接続先受信装置アドレス情報に一致する。そのため、検知した受信装置および送信装置が、無線通信先として互いを予め登録していることを担保した状態で、中継通信モードに移行できる。

　同様に、検索により検知した受信装置と検索により検知した送信装置とが無線通信先として互いを予め登録している場合には、検知した送信装置から受け取った送信装置アドレス情報が、検知した受信装置から受け取った接続先送信装置アドレス情報に一致する。そのため、検知した受信装置および送信装置が、無線通信先として互いを予め登録していることを担保した状態で、中継通信モードに移行できる。

　受信装置アドレス情報と接続先受信装置アドレス情報との一致、および送信装置アドレス情報と接続先送信装置アドレス情報との一致は、一方だけを中継通信モードへの移行条件としてもよいが、それらの双方を中継通信モードへの移行条件とすれば、受信装置および送信装置が無線通信先として互いを予め登録されていることを二重に担保できる。これらにより、中継装置による中継誤りを回避できる。

　ゆえに、受信装置および送信装置の無線通信の中継装置による中継を、中継誤りを回避しながら、より一層簡単な操作で開始することが可能である。

　この発明の一実施形態では、前記受信装置接続情報および前記送信装置接続情報は、それぞれ前記受信装置および前記送信装置に付与されているグループ識別情報を含む。そして、前記中継装置制御部は、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置接続情報に含まれるグループ識別情報が前記中継装置に付与されているグループ識別情報に一致しないとき、または前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置接続情報に含まれるグループ識別情報が前記中継装置に付与されているグループ識別情報に一致しないときに、前記判定ステップにおいて前記中継通信モードに移行しないと判定する。

　この構成によれば、無線通信すべき受信装置、送信装置および中継装置に、同一のグループ識別情報（グループＩＤ）を予め付与しておく。検索により検知した受信装置および送信装置から受け取ったグループＩＤのいずれもが、中継装置に付与されているグループＩＤに一致することを必要条件として中継通信モードに移行する。そのため、無線通信させることを意図していない受信装置、送信装置および中継装置によって無線通信が開始されることを回避できる。

　この発明の一実施形態では、前記中継装置制御部は、前記受信装置検索ステップにおいて、検索により検知した前記受信装置に、前記送信装置検索ステップにより検知した前記送信装置から受け取った送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報および前記接続先受信装置アドレス情報の一方または両方を送信するステップを実行する。そして、前記受信装置制御部は、前記第２中継装置検索ステップにより検知した前記中継装置から、前記送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報および前記接続先受信装置アドレス情報の両方または一方を受け取るステップを実行する。そして、前記受信装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記中継装置が前記ペアリングモードから前記中継通信モードに移行するか否かを、前記受信装置の前記受信装置アドレス情報と、前記送信装置接続情報に含まれている前記接続先受信装置アドレス情報との照合、および前記受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報と、前記送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報との照合の少なくとも一方に基づいて判定する。

　この発明の一実施形態では、前記中継装置制御部は、前記送信装置検索ステップにおいて、検索により検知した前記送信装置に、前記受信装置検索ステップにより検知した前記受信装置から受け取った受信装置接続情報に含まれている前記受信装置アドレス情報および前記接続先送信装置アドレス情報の一方または両方を送信するステップを実行する。そして、前記送信装置制御部は、前記第１中継装置検索ステップにより検知した前記中継装置から、前記受信装置接続情報に含まれている前記受信装置アドレス情報および前記接続先送信装置アドレス情報の一方または両方を受け取るステップを実行する。そして、前記送信装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記中継装置が前記ペアリングモードから前記中継通信モードに移行するか否かを、前記送信装置の前記送信装置アドレス情報と、前記受信装置接続情報に含まれている前記接続先送信装置アドレス情報との照合、および前記送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報と、前記受信装置接続情報に含まれている前記受信装置アドレス情報との照合の少なくとも一方に基づいて判定する。

　この発明の一実施形態では、前記中継装置の電源オン時において、通信を中継すべき受信装置および送信装置の一方または両方が未登録のとき、前記中継装置は前記ペアリングモードとなる。

　この構成によれば、通信を中継すべき受信装置および送信装置の一方または両方が未登録の場合、電源オン後の中継装置は、ペアリングモードとなる。すなわち、この場合には、電源オンの操作をすれば他の操作を行わなくても、ペアリングモードになる。ペアリングモードに移行するための別途の操作が必要ないので、受信装置および送信装置の無線通信の中継装置による中継を、より一層少ない操作で開始できる。

　この発明の一実施形態では、前記受信装置は、前記送信装置との間の無線通信の不良が発生したときに、前記ペアリングモードとなる。そして、前記送信装置は、前記受信装置との間の無線通信の不良が発生したときに、前記ペアリングモードとなる。

　この発明の一実施形態では、前記送信装置が、送信機または他の中継機である。

　この発明の一実施形態では、前記受信装置が、受信機または他の中継機である。

　前記送信機が、生産装置に接続されていてもよい。

　前記受信機が、報知装置に接続されていてもよい。

　この発明の一実施形態は、無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置に接続されて、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置であって、ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置から、当該受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を受け取る受信装置検索ステップと、前記ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置から、当該送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を受け取る送信装置検索ステップと、前記ペアリングモードから、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継通信モードに移行するか否かを、前記検知した前記受信装置から受け取った前記受信装置アドレス情報、前記検知した前記送信装置から受け取った前記接続先受信装置アドレス情報、前記検知した前記送信装置から受け取った前記送信装置アドレス情報、および前記検知した前記受信装置から受け取った前記接続先送信装置アドレス情報に基づいて判定する判定ステップとを実行する、制御部を含む、中継装置を提供する。

　また、この発明の一実施形態は、無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置に接続されて、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置であって、ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置から、当該送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報を含む送信装置接続情報を受け取る送信装置検索ステップと、前記ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置に、前記検索により検知した前記送信装置から受け取った前記送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報を送信する受信装置検索ステップとを実行する、制御部を含む、中継装置を提供する。

　また、この発明の一実施形態は、無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置に接続されて、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置であって、ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置から、当該受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報を含む受信装置接続情報を受け取る受信装置検索ステップと、前記ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置に、前記検索により検知した前記受信装置から受け取った前記受信装置接続情報に含まれていた前記受信装置アドレス情報を送信する送信装置検索ステップとを実行する、制御部を含む、中継装置を提供する。

図１Ａおよび図１Ｂは、この発明の第１実施形態に係る無線通信システムを、生産システムに適用した場合の構成を示す概念図である。図２Ａは、受信機、送信機および中継機を含む無線通信システムの電気的構成例を示すブロック図である。図２Ｂは、受信機、送信機および中継機を含む無線通信システムの電気的構成例を示すブロック図である。図３は、前記受信機の情報メモリの記憶内容を示すブロック図である。図４は、前記送信機の情報メモリの記憶内容を示すブロック図である。図５は、前記中継機の情報メモリの記憶内容を示すブロック図である。図６は、１つの前記中継機によって前記受信機と前記送信機との中継通信を開始する場合の手順を示す流れ図である。図７は、受信機－送信機ペアリング（図６のステップＳ２）を説明するための図である。図８は、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）を説明するための図である。図９は、前記受信機の第１受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１０は、前記送信機の第１送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１１は、前記中継機の電源オン後の流れを説明するための流れ図である。図１２は、前記中継機の中継機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１３Ａは、前記送信機の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１３Ｂは、前記送信機の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１４は、前記中継機の第１中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８１）の流れを説明するための流れ図である。図１５Ａは、前記受信機の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１５Ｂは、前記受信機の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図１６は、前記中継機の第２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）の流れを説明するための流れ図である。図１７は、前記中継機の判定登録処理（図１２のステップＳ８３）の流れを説明するための流れ図である。図１８は、前記中継機と前記送信機との間の経路に他の中継機を新たに配置する場合の手順を示す流れ図である。図１９は、前記中継機と前記送信機との間の前記経路に前記他の中継機を新たに配置する場合の受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図１８のステップＳ１６３）を説明するための図である。図２０は、前記受信機と中継送信機との間の経路に他の中継機を新たに配置する場合の手順を示す流れ図である。図２１は、前記受信機と前記中継送信機との間の前記経路に前記他の中継機を新たに配置する場合の受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図２０のステップＳ１７３）を説明するための図である。図２２は、前記中継機の制御モードの移り変わりを説明するための流れ図である。図２３は、この発明の第２実施形態に係る無線通信システムに含まれる受信機の情報メモリの記憶内容を示すブロック図である。図２４は、前記無線通信システムにおいて実行される、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを説明するための図である。図２５は、前記無線通信システムに含まれる受信機の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図２６は、前記第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図２７は、前記無線通信システムに含まれる中継機の第２中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。図２８は、前記第２中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。図２９は、この発明の第３実施形態に係る無線通信システムに含まれる送信機の情報メモリの記憶内容を示すブロック図である。図３０は、前記無線通信システムにおいて実行される、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを説明するための図である。図３１は、前記無線通信システムに含まれる送信機の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図３２は、前記第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図３３は、前記無線通信システムに含まれる中継機の第１中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。図３４は、前記第１中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。

　以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。

　図１Ａおよび図１Ｂは、この発明の第１実施形態に係る無線通信システム１を、生産システム１０に適用した場合の構成を示す概念図である。生産システム１０は、生産装置１１と、生産装置１１に対応付けられた報知装置１２とを含む。生産装置１１は、工場１３に配置されていてもよい。報知装置１２は、工場１３とは別の事務所１４に配置されていてもよい。工場１３と事務所１４とは、同じ建物内に配置されていてもよい。この場合、工場１３と事務所１４とは、同じフロアにあってもよいし、別のフロアにあってもよい。工場１３と事務所１４とは、別の建物内に配置されていてもよい。この場合、工場１３が配置された建物と、事務所１４が配置された建物とが、同一の敷地にあってもよい。

　生産装置１１は、センサ１５、機器１６等を備えている。機器１６は、スイッチ、リレー等を含む。

　報知装置１２は、回転灯、信号灯、音声報知機、警告ブザーおよび警告表示器（たとえば文字ボード）のうち少なくとも一つを含む。図１Ａおよび図１Ｂの例では、報知装置１２が、信号灯を含む場合を例に挙げている。

　無線通信システム１は、互いに無線通信する受信機２および送信機３を含む。受信機２と送信機３との無線通信の通信方式は、たとえばIEEE802.15.1（Bluetooth（登録商標）、以下「ブルートゥース（登録商標）」という）である。受信機２は、報知装置１２に接続されている。図１Ａおよび図１Ｂの例では、１つの報知装置１２に１つの受信機２が対応付けられているが、複数の報知装置１２に１つの受信機２が対応付けられていてもよい。

　送信機３は、生産装置１１に接続されている。送信機３には、センサ１５や機器１６からの信号が、複数（たとえば６つ）の入力接点を介して送信機３に与えられてもよい。センサ１５や機器１６からの信号が、直接ではなく、異常盤（図示しない）等を介して生産装置１１に入力されてもよい。送信機３による生産装置１１の監視は、無人により行われていてもよい。図１Ａおよび図１Ｂの例では、１つの生産装置１１に１つの送信機３が対応付けられているが、複数の生産装置１１に１つの送信機３が対応付けられていてもよい。

　無線通信システム１は、受信機２と送信機３との無線通信を中継する中継機４をさらに含む。報知装置１２と生産装置１１との距離が長かったり、報知装置１２と生産装置１１との間に他の建物や壁があったりする場合には、報知装置１２に接続される受信機２と、生産装置１１に接続される送信機３との無線通信が、良好でない場合がある。とくに、ブルートゥース（登録商標）は近距離無線通信であり、通信可能距離が長くない。このような場合であっても、受信機２と送信機３との間の経路に中継機４を配置することで、受信機２と送信機３との無線通信を良好に行うことができる。受信機２と送信機３との間の経路に配置される中継機４の台数は、図１Ａに示すように１つであってもよいし、図１Ｂに示すように複数（図１Ｂの例では、３つ）であってもよい。中継機４の台数は、２つであってもよいし、４つ以上であってもよい。報知装置１２と生産装置１１との距離や、報知装置１２と生産装置１１との間の障害物（建物や壁）の状況に基づいて、受信機２と送信機３との無線通信を中継する中継機４の台数が決定される。

　生産装置１１の状態（正常または異常）に応じて、センサ１５や機器１６から送信機３に信号が入力される。この信号を受け取った送信機３は、入力された信号に対応する無線データを、受信機２に向けて送信する。この無線データを受け取った受信機２は、報知装置１２に信号を付与する。これにより、報知装置１２が、生産装置１１の状態を認識できる。そして、報知装置１２は、回転灯や信号灯を駆動したり、音声報知機により音声報知をしたり、警告ブザーを鳴らしたり、表示器に異常を表示したり等して、生産装置１１の状態を報知する。それにより、報知装置１２の周囲の事務員に、生産装置１１の状態が知らせられる。生産装置１１から送信機３に信号が与えられる場合として、生産装置１１における異常の発生（故障発生、部品欠品発生、部品欠品予告等）だけでなく、管理者や担当者を呼び出す場合が含まれてもよい。正常である場合にも、「正常」を表す信号が周期的に送られて、その信号に基づいて報知されてもよい。

　図２Ａおよび図２Ｂは、受信機２、中継機４および送信機３の電気的構成例を示すブロック図である。受信機２、中継機４および送信機３は、ネットワークＮに接続される。ネットワークＮは、ブルートゥース（登録商標）に従うネットワークである。図２Ａおよび図２Ｂには、中継機４が１つの場合の電気的構成例が図示されている。

　図２Ａを参照して、受信機２は、たとえばポータブル型の無線通信端末である。受信機２は、床面等の載置面に直接的または間接的に自立可能である。受信機２には、無線通信すべき通信機が登録されており、登録された通信機のうち１つの通信機と無線通信して、その通信機から無線データを受け取る。受信機２は、受信用の通信機である。むろん、後述する受信機－送信機ペアリング（図７参照）および受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図８参照）の際には、受信機２の接続情報（ペアリング情報）を送信するのはいうまでもない。

　受信機２には、受信機２と無線通信すべき１つの送信装置と、受信機２と無線通信すべき１つの中継機とが登録されている。たとえば、受信機２と送信機３との間の経路の途中に中継機４がない場合には、受信機２には、無線通信すべき送信装置として送信機３が登録されており、無線通信すべき中継機は受信機２に登録されていない。この場合、受信機２は、送信機３と無線通信して、送信機３から無線データを受け取る。

　また、図１Ａに示すように、受信機２と送信機３との間の経路の途中に１つの中継機４が配置されている場合には、受信機２には、無線通信すべき送信装置として送信機３が登録されており、無線通信すべき中継機として中継機４が登録されている。この場合、受信機２は、中継機４と無線通信して、中継機４から無線データを受け取る。

　また、図１Ｂに示すように、受信機２と送信機３との間の経路の途中に複数の中継機４が配置されている場合には、受信機２には、無線通信すべき中継機として最も受信機２寄りに配置された中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ｂ）が登録され、無線通信すべき送信装置として、受信機２から見て２つ目に配置された中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ａ）が登録されている。この場合、受信機２は、中継機４Ｂと無線通信して、中継機４Ｂから無線データを受け取る。

　図２Ａを参照して、受信機２は、アンテナ２１と、第１通信部２２Ａと、制御部（受信装置制御部）２３と、情報メモリ２４と、インターフェイス部２５と、バッテリー２６と、電源スイッチ２７と、クリアスイッチ２８と、記憶部２９と、状態表示部３０（図１Ａを併せて参照）とを備えている。アンテナ２１は、無線データの送受信および接続情報の送受信に用いられる。アンテナ２１は、送信アンテナと受信アンテナとを個別に備えてもよく、共用であってもよい。第１通信部２２Ａは、ブルートゥース（登録商標）規格に準拠した無線通信を行うブルートゥース（登録商標）通信モジュールを有している。

　制御部２３は、中央処理装置（ＣＰＵ）およびメモリを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。制御部２３のメモリには、制御部２３の中央処理装置が実行するプログラムおよび演算のためのデータを含む情報が記憶される。通信部２２は、アンテナ２１が受信する無線データに対して増幅処理およびフィルタ処理等を行い、無線データをベースバンド信号に変換して制御部２３に出力する。インターフェイス部２５は、複数（たとえば６つ）の出力接点を介して、報知装置１２の複数（たとえば６つ）の出力線に接続されている。電源スイッチ２７は、受信機２の電源をオンオフするために操作されるスイッチである。クリアスイッチ２８は、情報メモリ２４の記憶内容をクリアするために操作されるスイッチである。記憶部２９には、様々な情報が記憶されている。

　制御部２３は、複数の制御モードを有している。複数の制御モードは、第１受信機ペアリングモード、第２受信機ペアリングモードおよび無線通信モードの３つのモードである。第１受信機ペアリングモードは、無線通信すべき送信機を検索し、登録するためのペアリングモードである。第２受信機ペアリングモードは、無線通信すべき通信機との通信品質の低下発生時に他の通信機を検索し、登録するためのペアリングモードである。無線通信モードは、登録された通信機のうち１つの通信機との無線通信を行うモードである。受信機２に電源が投入されている状態では、受信機２が、これら３つの制御モードのうちいずれか一つの制御モードにある。

　記憶部２９には、第１通信品質低下フラグ２９Ａが記憶されている。第１通信品質低下フラグ２９Ａは、受信機２と、受信機２と無線通信している通信機との間の無線通信の品質が低下しているか否かを表すフラグである。無線通信の品質が低下している否かは、通信部２２が通信時に保持している通信の強度（たとえばＬＱＩ(Link Quality Indicator)値）に基づいて判断される。通信の強度が閾値よりも低い場合には、第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになる。一方、通信の強度が閾値以上である場合には、第１通信品質低下フラグ２９Ａがオフである。

　状態表示部３０は、複数色を選択的に表示することにより、受信機２の通信状態を表示する。この実施形態では、受信機２の通信状態を表す状態表示部３０の表示色は、緑色、黄色および赤色である。受信機２と通信機との間で無線通信が高い強度で行われている場合（第１通信品質低下フラグ２９Ａがオフである場合）の表示色は、緑色である。受信機２と通信機との間の無線通信が行われているものの、通信強度が低い場合（第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンである場合）の表示色は、黄色である。受信機２と通信機との間の無線通信が行われていない状態の表示色は、赤色である。

　図２Ａの例では、受信機２は、無線データの受信だけでなく無線データの送信も可能な構成を有している。具体的には、受信機２は、第２通信部２２Ｂをさらに備えている。第２通信部２２Ｂは、後述する中継機４の第２通信部４２Ｂと同等の構成である。また、記憶部２９には、第２通信品質低下フラグ２９Ｂが記憶されている。第２通信品質低下フラグ４９Ｂは、後述する中継機４の第２通信品質低下フラグ４９Ｂと同等の構成である。受信機２は、図示を省略する切換えスイッチを備えている。この切換えスイッチのオン状態では、第２通信部２２Ｂの機能が有効化される。そして、制御部２３は、無線通信すべき送信装置として登録されている通信機（送信機３、中継機４、中継機４Ｂ等）から受け取った無線データを、他の通信機に送ることが可能になる。この場合、受信機２が受信機能だけでなく送信機能も発揮するから、受信機２を、２つの通信機の無線通信を中継通信機として機能させることができる。

　一方、切換えスイッチのオフ状態では、第２通信部２２Ｂの機能が無効化され、制御部２３は、登録されている他の通信機に無線データを送ることはできない。すなわち、受信機２は、受信機能だけを発揮する。

　受信機２が、無線データの送信も可能な構成でなく、受信専用の通信機であってもよい。

　図２Ａを参照して、送信機３は、たとえばポータブル型の無線通信端末である。送信機３は、床面等の載置面に直接的または間接的に自立可能である。送信機３には、無線通信すべき通信機が登録されており、登録された通信機のうち１つの通信機と無線通信して、その通信機に無線データを送る。送信機３は、この実施形態では、送信専用の通信機である。むろん、後述する受信機－送信機ペアリング（図７参照）および受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図８参照）の際には、他の通信機の接続情報を受信するのはいうまでもない。

　送信機３には、送信機３と無線通信すべき１つの受信装置と、送信機３と無線通信すべき１つの中継機とが登録されている。たとえば、受信機２と送信機３との間の経路の途中に中継機４がない場合には、送信機３には、無線通信すべき受信装置として受信機２が登録されており、無線通信すべき中継機は送信機３に登録されていない。この場合、送信機３は、受信機２と無線通信して、受信機２に無線データを送る。

　また、図１Ａに示すように、受信機２と送信機３との間の経路の途中に１つの中継機４が配置されている場合には、送信機３には、無線通信すべき受信装置として受信機２が登録されており、無線通信すべき中継機として中継機４が登録されている。この場合、送信機３は、中継機４と無線通信して、中継機４に無線データを送る。

　また、図１Ｂに示すように、受信機２と送信機３との間の経路の途中に複数の中継機４が配置されている場合には、送信機３には、無線通信すべき中継機として最も送信機３寄りに配置された中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ｃ）が登録され、無線通信すべき受信装置として、送信機３から見て２つ目に配置された中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ａ）が登録されている。この場合、送信機３は、中継機４Ｃと無線通信して、中継機４Ｃに無線データを送る。

　図２Ａを参照して、送信機３は、アンテナ３１と、通信部３２と、制御部３３（送信装置制御部）と、情報メモリ３４と、インターフェイス部３５と、バッテリー３６と、電源スイッチ３７と、クリアスイッチ３８と、記憶部３９と、状態表示部４０（図１Ａを併せて参照）とを備えている。アンテナ３１は、無線データの送信および接続情報（ペアリング情報）の送受信に用いられる。通信部３２は、ブルートゥース（登録商標）規格に準拠した無線通信を行うブルートゥース（登録商標）通信モジュールを有している。制御部３３は、中央処理装置（ＣＰＵ）およびメモリを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。制御部３３のメモリには、中央処理装置が実行するプログラムおよび演算のためのデータを含む情報が記憶される。通信部３２は、制御部３３から出力されるベースバンド信号を無線データに変換し、増幅処理等を行ってアンテナ３１から送信させる。インターフェイス部３５は、複数（たとえば６つ）の入力接点を介して、生産装置１１の複数（たとえば６つ）の入力線に接続されている。電源スイッチ３７は、送信機３の電源をオンオフするために操作されるスイッチである。クリアスイッチ３８は、情報メモリ３４の記憶内容をクリアするために操作されるスイッチである。記憶部３９には、様々な情報が記憶されている。

　制御部３３は、複数の制御モードを有している。複数の制御モードは、第１送信機ペアリングモード、第２送信機ペアリングモードおよび無線通信モードの３つのモードである。第１送信機ペアリングモードは、無線通信すべき受信機を検索し、登録するためのペアリングモードである。第２送信機ペアリングモードは、無線通信すべき通信機との通信の品質低下時に他の通信機を検索し、登録するためのペアリングモードである。無線通信モードは、登録された通信機のうち１つの通信機との無線通信を行うモードである。送信機３に電源が投入されている状態では、送信機３が、これら３つの制御モードのうちいずれか一つの制御モードにある。

　記憶部３９には、通信品質低下フラグ３９Ａが記憶されている。通信品質低下フラグ３９Ａは、送信機３と、送信機３と無線通信している通信機との無線通信の品質が低下しているか否かを表すフラグである。無線通信の通信品質が低下している否かは、通信部３２が通信時に保持している通信の強度（たとえばＬＱＩ値）に基づいて判断される。通信の強度が閾値よりも低い場合には、通信品質低下フラグ３９Ａがオンになる。一方、通信の強度が閾値以上である場合には、通信品質低下フラグ３９Ａがオフである。

　状態表示部４０は、複数色を選択的に表示することにより、送信機３の通信状態を表示する。この実施形態では、送信機３の通信状態を表す状態表示部４０の表示色は、緑色、黄色および赤色である。送信機３と通信機との間で無線通信が高い強度で行われている場合（通信品質低下フラグ３９Ａがオフである場合）の表示色は、緑色である。送信機３と通信機との間の無線通信が行われているものの、通信強度が低い場合（通信品質低下フラグ３９Ａがオンである場合）の表示色は、黄色である。送信機３と通信機との間の無線通信が行われていない状態の表示色は、赤色である。

　送信機３が送信専用の通信機であるとして説明したが、送信機３が、無線データの送信だけでなく、無線データの受信も可能な構成であってもよい。

　図２Ｂを参照して、中継機４は、たとえばポータブル型の無線通信端末である。中継機４は、床面等の載置面に直接的または間接的に自立可能である。中継機４には、無線通信（中継通信）すべき通信機が登録されており、登録された通信機のうち２つの通信機と無線通信して、そのうちの一方の通信機から無線データを受け取り、受け取った無線データを他方に送る。すなわち、中継機４は、登録された２つの通信機の無線通信を中継する。

　中継装置としての中継機４には、中継機４と無線通信すべき１つの受信装置と、中継機４と無線通信すべき１つの送信装置とが登録されている。たとえば、図１Ａに示すように、受信機２と送信機３との間の経路の途中に１つの中継機４が配置されている場合には、中継機４には、無線通信すべき受信装置として受信機２が登録されており、無線通信すべき送信装置として送信機３が登録されている。中継装置としての中継機４は、受信機２および送信機３と無線通信して、送信機３から無線データを受け取り、受信機２に送る。

　また、図１Ｂに示すように、受信機２と送信機３との間の経路の途中に複数の中継機４が配置されている場合を考える。たとえば複数の中継機４のうち最も受信機２寄りに配置された中継機４Ｂについて考える。この中継機４Ｂには、無線通信すべき受信装置として受信機２が登録されており、無線通信すべき送信装置として他の中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ａ）が登録されている。中継装置としての中継機４Ｂは、受信機２および中継機４Ａと無線通信して、中継機４Ａから無線データを受け取り、受信機２に送る。

　また、複数の中継機４のうち最も送信機３寄りに配置された中継機４Ｃについて考える。この中継機４Ｃには、無線通信すべき受信装置として他の中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ａ）が登録されており、無線通信すべき送信装置として送信機３が登録されている。中継装置としての中継機４Ｃは、中継機４Ａおよび送信機３と無線通信して、送信機３から無線データを受け取り、中継機４Ａに送る。

　また、受信機２と送信機３との間に配置される中継機４の台数が３つ以上の場合において、２つの中継機４の間に挟まれて配置された中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ａ）について考える。この中継機４Ａには、無線通信すべき受信装置として他の中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ｂ）が登録されており、無線通信すべき送信装置として他の中継機４（図１Ｂに示す中継機４Ｃ）が登録されている。中継装置としての中継機４Ａは、中継機４Ｂおよび中継機４Ｃと無線通信して、中継機４Ｃから無線データを受け取り、中継機４Ｂに送る。つまり、中継機４Ａから見て、中継機４Ｂは、受信機２と同等の機能を有する中継受信機である。また、中継機４Ａから見て、中継機４Ｃは、受信機２と同等の機能を有する中継送信機である。

　図２Ｂを参照して、中継機４は、アンテナ４１と、第１通信部４２Ａと、第２通信部４２Ｂと、制御部４３（中継装置制御部、受信装置制御部、送信装置制御部）と、情報メモリ４４と、インターフェイス部４５と、バッテリー４６と、電源スイッチ４７と、クリアスイッチ４８と、記憶部４９と、状態表示部５０（図１Ａを併せて参照）とを備えている。アンテナ４１は、無線データの送受信および接続情報（ペアリング情報）の送受信に用いられる。第１通信部４２Ａは、無線通信すべき２つの通信機のうち、中継機４に対して受信機２側に接続された通信機（中継機４から無線データを受け取る通信機）との無線通信を行う。第２通信部４２Ｂは、無線通信すべき２つの通信機のうち、中継機４に対して送信機３側に接続された通信機（中継機４に無線データを送る通信機）との無線通信を行う。第１通信部４２Ａおよび第２通信部４２Ｂは、ブルートゥース（登録商標）規格に準拠した無線通信を行うブルートゥース（登録商標）通信モジュールを有している。

　制御部４３は、中央処理装置（ＣＰＵ）およびメモリを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。制御部４３のメモリには、中央処理装置が実行するプログラムおよび演算のためのデータを含む情報が記憶される。第１通信部４２Ａは、制御部４３から出力されるベースバンド信号を無線データに変換し、増幅処理等を行ってアンテナ４１から送信させる。また、第２通信部４２Ｂは、アンテナ４１が受信する無線データに対して増幅処理およびフィルタ処理等を行い、無線データをベースバンド信号に変換して制御部４３に出力する。インターフェイス部４５は、受信機２のインターフェイス部２５と同等の構成である。電源スイッチ４７は、中継機４の電源をオンオフするために操作されるスイッチである。クリアスイッチ４８は、情報メモリ４４の記憶内容をクリアするために操作されるスイッチである。記憶部４９には、様々な情報が記憶されている。

　記憶部４９には、第１通信品質低下フラグ４９Ａおよび第２通信品質低下フラグ４９Ｂが記憶されている。第１通信品質低下フラグ４９Ａは、中継機４と、中継機４に対して受信機２側に接続された通信機（受信機２、他の中継機４）との間の無線通信の品質が低下しているか否かを表すフラグである。無線通信の品質が低下している否かは、第１通信部４２Ａが通信時に保持している通信の強度（たとえばＬＱＩ値）に基づいて判断される。通信の強度が閾値よりも低い場合には、第１通信品質低下フラグ４９Ａがオンになる。一方、通信の強度が閾値以上である場合には、第１通信品質低下フラグ４９Ａがオフである。

　第２通信品質低下フラグ４９Ｂは、中継機４と、中継機４に対して送信機３側に接続された通信機（受信機２、他の中継機４）との間の無線通信の品質が低下しているか否かを表すフラグである。無線通信の品質が低下している否かは、第２通信部４２Ｂが通信時に保持している通信の強度（たとえばＬＱＩ値）に基づいて判断される。通信の強度が閾値よりも低い場合には、第２通信品質低下フラグ４９Ｂがオンになる。一方、通信の強度が閾値以上である場合には、第２通信品質低下フラグ４９Ｂがオフである。

　状態表示部５０は、複数色を選択的に表示することにより、中継機４の通信状態を表示する。この実施形態では、中継機４の通信状態を表す状態表示部５０の表示色は、緑色、黄色および赤色である。中継機４と通信機との間で無線通信が高い強度で行われている場合（第１通信品質低下フラグ４９Ａおよび第２通信品質低下フラグ４９Ｂがオフである場合）の表示色は、緑色である。中継機４と通信機との間の無線通信が行われているものの、通信強度が低い場合（第１通信品質低下フラグ４９Ａまたは第２通信品質低下フラグ４９Ｂがオンである場合）の表示色は、黄色である。中継機４と通信機との間の無線通信が行われていない状態の表示色は、赤色である。

　制御部４３は、複数の制御モードを有している。複数の制御モードは、中継機ペアリングモードと、中継通信モードと、第２受信機ペアリングモードと、第２送信機ペアリングモードとを含む。中継機４の第２受信機ペアリングモードは、受信機２の第２受信機ペアリングモードと同等のモードである。中継機４の第２送信機ペアリングモードは、送信機３の第２受信機ペアリングモードと同等のモードである。電源が投入されている状態では、中継機４が、これら４つの制御モードのうちいずれか一つの制御モードにある。

　中継機４は、図示を省略する切換えスイッチを備えている。この切換えスイッチのオン状態では、第２通信部４２Ｂの機能が有効化されている。一方、切換えスイッチのオフ状態では、第２通信部４２Ｂの機能が無効化され、制御部４３は、登録されている他の通信機に無線データを送ることはできない。この状態においては、中継機４は、受信機能だけを発揮する。

　中継機４と受信機２とが、同じ種類の通信機によって構成されていてもよい。この場合、切換えスイッチをオフ状態に設定することにより、この通信機が受信機２として機能する。切換えスイッチをオン状態に設定することにより、この通信機が中継機４として機能する。

　図３は、受信機２の情報メモリ２４の記憶内容を示すブロック図である。受信機２の情報メモリ２４には、受信機２の接続情報を記憶するための記憶領域が９つ形成されている。これら９つの記憶領域を、それぞれエリアＥ１１、エリアＥ１２、エリアＥ１３、エリアＥ１４、エリアＥ１５、エリアＥ１６、エリアＥ１７、エリアＥ１８およびエリアＥ１９とする。

　エリアＥ１１には、受信機２（自機）のアドレス情報（受信装置アドレス情報）が記憶されている。エリアＥ１２には、受信機２（自機）に付与されているグループＩＤ（グループ識別情報）が記憶されている。エリアＥ１３には、受信機２（自機）の通信種別が記憶されており、この場合、受信機２であることを示す「受信」が通信種別として記憶されている。エリアＥ１４には、受信機２と無線通信すべき送信装置（受信機２に接続先として登録済みの送信装置（送信機３または中継機４））のアドレス情報（接続先送信装置アドレス情報）が記憶されている。エリアＥ１５には、受信機２と無線通信すべき中継機（中継機４）のアドレス情報が記憶されている。

　エリアＥ１６には、検索により検知された通信機のアドレス情報が仮に記憶される。エリアＥ１６は、情報を仮に記憶しておくための仮記憶領域であり、受信機２および送信機３の無線通信中、ならびに受信機２、送信機３および中継機４による無線通信中には、エリアＥ１６に情報は記憶されない。

　エリアＥ１７～Ｅ１９は、情報が記憶されることのないブランクエリアであってもよい。

　受信機２の初期状態では、情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１３には情報が記憶されているが、情報メモリ２４のエリアＥ１４～Ｅ１９には情報が記憶されていない。また、制御部２３により、エリアＥ１４～Ｅ１９の情報を書き換える（追加、変更、削除等）ことができるようになっている。受信機２の電源オフによっては、エリアＥ１４～Ｅ１９に記憶されている情報がクリアされない。所定のクリア操作、たとえば、クリアスイッチ２８を操作しながら受信機２が電源オンされることにより、エリアＥ１４～Ｅ１９に記憶されている情報がクリアされる。

　図４は、送信機３の情報メモリ３４の記憶内容を示すブロック図である。送信機３の情報メモリ３４には、送信機３の接続情報を記憶するための記憶領域が９つ形成されている。これら９つの記憶領域を、それぞれエリアＥ２１、エリアＥ２２、エリアＥ２３、エリアＥ２４、エリアＥ２５、エリアＥ２６、エリアＥ２７、エリアＥ２８およびエリアＥ２９とする。

　エリアＥ２１には、送信機３（自機）のアドレス情報（送信装置アドレス情報）が記憶されている。エリアＥ２２には、送信機３（自機）に付与されているグループＩＤが記憶されている。エリアＥ２３には、送信機３（自機）の通信種別が記憶されており、この場合、送信機３であることを示す「送信」が通信種別として記憶されている。エリアＥ２４には、送信機３と無線通信すべき受信装置（送信機３に接続先として登録済みの受信装置（受信機２または中継機４））のアドレス情報（接続先受信装置アドレス情報）が記憶されている。エリアＥ２５には、送信機３と無線通信すべき中継機（中継機４）のアドレス情報が記憶されている。

　エリアＥ２６には、検索により検知された通信機のアドレス情報が仮に記憶される。エリアＥ２６は、情報を仮に記憶しておくための仮記憶領域であり、受信機２および送信機３の無線通信中ならびに、受信機２、送信機３および中継機４による無線通信中には、エリアＥ２６に情報は記憶されない。

　エリアＥ２７～Ｅ２９は、情報が記憶されることのないブランクエリアであってもよい。

　送信機３の初期状態では、情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２３には情報が記憶されているが、情報メモリ３４のエリアＥ２４～Ｅ２９には情報が記憶されていない。また、制御部３３により、エリアＥ２４～Ｅ２９の情報を書き換える（追加、変更、削除等）ことができるようになっている。送信機３の電源オフによっては、エリアＥ２４～Ｅ２９に記憶されている情報がクリアされない。所定のクリア操作、たとえば、クリアスイッチ３８を操作しながら送信機３が電源オンされることにより、エリアＥ２４～Ｅ２９に記憶されている情報がクリアされる。

　図５は、中継機４の情報メモリ４４の記憶内容を示すブロック図である。中継機４の情報メモリ４４には、中継機４の接続情報を記憶するための記憶領域が９つ形成されている。これら９つの記憶領域を、それぞれエリアＥ３１、エリアＥ３２、エリアＥ３３、エリアＥ３４、エリアＥ３５、エリアＥ３６、エリアＥ３７、エリアＥ３８およびエリアＥ３９とする。

　エリアＥ３１には、中継機４（自機）のアドレス情報が記憶されている。エリアＥ３２には、中継機４（自機）に付与されているグループＩＤが記憶されている。エリアＥ３３には、中継機４（自機）の通信種別が記憶されている。この場合、中継機４であることを示す「中継」が記憶されている。中継機４の通信種別は、「中継」、「中継受信」および「中継送信」の３つのうちの一つである。中継機４の通信種別は、初期状態では「中継」である。中継機４が第２中継機受信モード中にあるときには、中継機４の通信種別は「中継受信」である。中継機４が第２中継機送信モード中にあるときには、中継機４の通信種別は「中継送信」である。中継機４がそれ以外のモードにあるときには、中継機４の通信種別は「中継」である。エリアＥ３４，Ｅ３５には、中継機４が接続される２つの通信機（送信装置および受信装置）のアドレス情報がそれぞれ記憶されている。エリアＥ３４には、中継機４と無線通信すべき送信装置（送信機３または中継機４）のアドレス情報が記憶され、エリアＥ３５には、中継機４と無線通信すべき受信装置（受信機２または中継機４）のアドレス情報が記憶されている。

　エリアＥ３６には、検索（後述する第２中継機ペアリング処理における検索（図１６のステップＳ１４２））により検知された通信機のアドレス情報が仮に記憶される。エリアＥ３７には、第２中継機ペアリング処理における検索により検知された通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が仮に記憶される。この通信機が送信装置である場合、この通信機に接続先として登録済みの通信機は、受信装置（受信機２または中継機４）である。

　エリアＥ３８には、検索（後述する第１中継機ペアリング処理における検索（図１４のステップＳ１１２））により検知された通信機のアドレス情報が仮に記憶される。エリアＥ３９には、第１中継機ペアリング処理における検索により検知された通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が仮に記憶される。この通信機が受信装置（受信機または中継受信機）である場合、この通信機に接続先として登録済みの通信機は、送信装置（送信機３または中継機４）である。エリアＥ３６～エリアＥ３９の４つの領域は、情報を仮に記憶しておくための仮記憶領域である。受信機２、送信機３および中継機４による無線通信中には、エリアＥ３６～Ｅ３９に情報は記憶されない。

　中継機４の初期状態では、情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３には情報が記憶されているが、情報メモリ４４のエリアＥ３４～Ｅ３９には情報が記憶されていない。また、制御部４３により、エリアＥ３５～Ｅ３９の情報を書き換える（追加、変更、削除等）ことができるようになっている。中継機４の電源オフによっては、エリアＥ３４～Ｅ３９に記憶されている情報がクリアされない。所定のクリア操作、たとえば、クリアスイッチ４８を操作しながら中継機４が電源オンされることにより、エリアＥ３４～Ｅ３９に記憶されている情報がクリアされる。

　グループＩＤは、受信機２、中継機４および送信機３に付与される識別情報である。無線通信すべき受信機２、中継機４および送信機３には、予め、同一のグループＩＤが付与される。この実施形態では、無線通信させることを意図していない受信機２、中継機４および送信機３には、同じグループＩＤが付与されていない。具体的には、たとえば、ある機器ベンダーの無線通信システム１に「TYPE：AAA」の機器種がある場合、この機器種について、互いに無線通信させるべき、受信機２、中継機４および送信機３のグループごとに、「AAA-G1」、「AAA-G2」、「AAA-G3」等の異なるグループＩＤが付されている。「AAA-G1」、「AAA-G2」および「AAA-G3」は、互いに異なるグループＩＤである。

　通信種別は、通信機の種類毎に付与される識別情報である。前記の５つの通信種別（「受信」、「送信」、「中継」、「中継受信」および「中継送信」）は、番号、記号、コード等の形で、情報メモリ２４，３４，４４のエリアＥ１３，Ｅ２３，Ｅ３３に記憶されてもよい。

　以下、図１Ａのように、受信機２と送信機３との無線通信を１つの中継機４によって中継する場合について説明する。受信機２と送信機３との間の経路に中継装置としての１つの中継機４を配置して、受信機２、１つの中継機４および送信機３によって無線通信を行う。

　図６は、１つの中継機４によって受信機２と送信機３との中継通信を開始する場合の手順を示す流れ図である。図７は、受信機－送信機ペアリング（図６のステップＳ２）を説明するための図である。図８は、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）を説明するための図である。

　作業者は、互いに同じグループＩＤが付与された受信機２および送信機３を、互いに無線通信可能な距離に接近させて（図６のステップＳ１）、無線通信すべき受信機２と送信機３とを、無線通信先として互いに登録する（図６のステップＳ２）。この登録には、ペアリングが用いられる。受信機２および送信機３の電源オン時に、それぞれ無線通信すべき送信装置および受信装置が未登録である場合、受信機２および送信機３は、それぞれ第１受信機ペアリングモードおよび第１送信機ペアリングモードになる。図７に示すように、受信機２および送信機３がそれぞれ第１受信機ペアリングモード中および第１送信機ペアリングモード中の状態で、受信機２と送信機３との間で接続情報が互いに送受信（ペアリング）される（図６のステップＳ２：受信機－送信機ペアリング）。ただし、互いのグループＩＤが一致することが、接続情報交換の条件である。

　具体的には、受信機２の電源スイッチ２７が操作されて受信機２が電源オンされた状態において、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１４（図３参照）にアドレス情報が記憶されていない場合、すなわち、無線通信すべき送信装置が受信機２に登録されていない場合、受信機２は、第１受信機ペアリングモードになる。また、送信機３の電源スイッチ３７が操作されて送信機３が電源オンされた状態において、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２４（図４参照）に記憶されているアドレス情報がない場合、すなわち、無線通信すべき受信装置が送信機３に登録されていない場合に、送信機３は、第１送信機ペアリングモードになる。一方、受信機２に無線通信すべき送信装置が既に登録されている場合には、受信機２は無線通信モードになり、登録済みの送信装置（送信機または中継機）との間で無線通信を開始する。同様に、送信機３に無線通信すべき受信装置が既に登録されている場合には、送信機３は無線通信モードになり、登録済みの受信装置（受信機または中継機）との間で無線通信を開始する。

　受信機－送信機ペアリングにより、受信機２および送信機３が無線通信すべき通信機として互いに登録される。その後、受信機２および送信機３が、それぞれ第１受信機ペアリングモードおよび第１送信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。これにより、受信機２および送信機３の無線通信が開始される。

　無線通信の開始後、作業者は、送信機３を受信機２から引き離す（図６のステップＳ３）。そして、送信機３を受信機２から引き離すことにより、受信機２と送信機３との間の無線通信の品質が低下すると、受信機２および送信機３は、それぞれ第２受信機ペアリングモードおよび第２送信機ペアリングモードになる。受信機２および送信機３をいずれもペアリングモードに移行させるために、作業者は、送信機３を、送信機３が受信機２との間で無線通信の品質が低下するような位置に配置する。

　また、作業者は、受信機２および送信機３と同じグループＩＤが付与された中継機４を、受信機２と送信機３との間の通信経路の途中部で、かつ受信機２および送信機３の双方と良好に通信可能な位置に配置する（図６のステップＳ４）。そして、中継機４の電源をオンする。中継機４の電源オン時に、無線通信すべき送信装置および送信装置の一方または両方が未登録の場合、中継機４は中継機ペアリングモードになる。

　図８に示すように、受信機２および送信機３のそれぞれが第２受信機ペアリングモード中および第２送信機ペアリングモード中にあり、かつ中継機４が中継機ペアリングモード中の状態で、受信機２と中継機４との間、および中継機４と送信機３との間で接続情報が互いに送受信（ペアリング）される（図６のステップＳ５：受信装置－中継機－送信装置ペアリング）。この場合、図８に示すように、まず、中継機４と送信機３との間で接続情報が互いに送受信され、次いで、受信機２と中継機４との間で接続情報が互いに送受信される。ただし、グループＩＤが一致することが、接続情報交換の条件である。こうして接続情報の交換を終えると、中継機４による受信機２と送信機３との無線通信の中継が開始される。つまり、受信機２、１つの中継機４および送信機３による無線通信が開始される（図６のステップＳ６）。

　なお、前述の説明では、受信機－送信機ペアリングにおいて受信機２および送信機３を近づけ、かつ送信機３を受信機２から引き離した後に受信装置－中継機－送信装置ペアリングさせる場合を例に挙げて説明したが、逆に、送信機３と受信機２を近づけて受信機－送信機ペアリングさせ、その後、受信機２を送信機３から引き離した後に受信装置－中継機－送信装置ペアリングさせるようにしてもよい。また、送信機３および受信機２の双方を互いに近づけて受信機－送信機ペアリングさせ、かつ互いを離反させた後に受信装置－中継機－送信装置ペアリングさせるようにしてもよい。

　次に、受信機－送信機ペアリング（図６のステップＳ２）を実現するための、受信機２の第１受信機ペアリングモードおよび送信機３の第１送信機ペアリングモードについて、それぞれ説明する。

　図９は、受信機２の第１受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。第１受信機ペアリングモード中において、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき送信機を検索する（ステップＳ３１）。この検索により、受信機２と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機、中継機等）を検知すると（ステップＳ３２でＹＥＳ）、受信機２の制御部２３は、その検知した通信機に、受信機２自身の接続情報を送信する（ステップＳ３３）。受信機２から送信される接続情報は、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１３に記憶されている情報、すなわち、受信機２自身のアドレス情報、受信機２自身に付与されているグループＩＤおよび受信機２自身の通信種別である。受信機２は、通信種別として「受信」を送る。

　受信機２の制御部２３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（ステップＳ３４）。受信機２が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、検知した通信機に付与されているグループＩＤおよび検索により検知した通信機の通信種別である。

　そして、受信機２の制御部２３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致し（ステップＳ３５でＹＥＳ）、かつ検知した通信機から受け取った通信種別が「送信」である場合（ステップＳ３６でＹＥＳ）、検知した通信機のアドレス情報を、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１４に記憶する（ステップＳ３７）。これにより、検知した通信機が、受信機２と無線通信すべき送信装置として受信機２に登録される。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（ステップＳ３５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「送信」以外である場合（ステップＳ３６でＮＯ）には、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき送信機を再検索する（ステップＳ３１）。

　図１０は、送信機３の第１送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。第１送信機ペアリングモード中において、送信機３の制御部３３は、無線通信すべき受信機を検索する（ステップＳ４１）。この検索によって、送信機３と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機、中継機等）を検知すると（ステップＳ４２でＹＥＳ）、送信機３の制御部３３は、その検知した通信機に、送信機３自身の接続情報を送信する（ステップＳ４３）。送信機３から送信される接続情報は、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２３に記憶されている情報、すなわち、送信機３自身のアドレス情報、送信機３自身に付与されているグループＩＤおよび送信機３自身の通信種別である。送信機３は、通信種別として「送信」を送る。

　送信機３の制御部３３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（ステップＳ４４）。送信機３が受け取る接続情報は、検索により検知した通信機のアドレス情報、検索により検知した通信機に付与されているグループＩＤおよび検索により検知した通信機の通信種別である。

　そして、送信機３の制御部３３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致し（ステップＳ４５でＹＥＳ）、かつ検知した通信機から受け取った通信種別が「受信」である場合（ステップＳ４６でＹＥＳ）、検知した通信機のアドレス情報を、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２４に記憶する（ステップＳ４７）。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき先の受信機として送信機３に登録される。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（ステップＳ４５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「受信」以外である場合（ステップＳ４６でＮＯ）には、送信機３の制御部３３は、無線通信すべき受信機を再検索する（ステップＳ４１）。

　図７に示すように、互いに通信可能な位置に配置された同じグループＩＤの受信機２および送信機３がそれぞれ第１受信機ペアリングモードおよび第１送信機ペアリングモードになると、受信機２および送信機３がお互いに相手を検知する。そして、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１３に記憶されている情報と、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２３に記憶されている情報とが、互いに送受信される（図９のステップＳ３３，Ｓ３４、図１０のステップＳ４３，Ｓ４４）。受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１４に、受信機２と無線通信すべき送信装置としてのアドレス情報として、送信機３のアドレス情報が記憶され、かつ送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２４に受信機２のアドレス情報が記憶される。

　これにより、無線通信すべき通信機として、受信機２および送信機３が互いに登録される。第１受信機ペアリングモードおよび第１送信機ペアリングモードの終了後、受信機２および送信機３が無線通信モードに移行する。受信機２および送信機３は、第１受信機ペアリングモードおよび第１送信機ペアリングモードによって取得した送信機３のアドレス情報および受信機２のアドレス情報に基づいて、互いに通信する。これにより、受信機２および送信機３の無線通信が開始される。

　次に、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）について説明する。前述のように、受信機－送信機ペアリング（図６のステップＳ２）の後、受信機２と送信機３とを互いに引き離して（図６のステップＳ３）、受信機２と送信機３との間の無線通信の品質を低下させる。無線通信すべき通信機として互いを登録している状態において、受信機２と送信機３との間の無線通信の品質が低下すると、受信機２の制御部２３の第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになり、送信機３の制御部３３の通信品質低下フラグ３９Ａがオンになる。受信機２の第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになると、受信機２は、第２受信機ペアリングモードになる。送信機３の通信品質低下フラグ３９Ａがオンになると、送信機３は、第２送信機ペアリングモードになる。

　また、作業者は、中継装置としての中継機４を受信機２および送信機３の双方と良好に通信可能な位置に配置して（図６のステップＳ４）、中継機４の電源をオンする。図１１は、中継機４の電源オン後の流れを説明するための流れ図である。図１２は、中継機４の中継機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するためのブロック図である。

　中継機４の電源スイッチ４７が操作されることにより、中継機４が電源オンされる（図１１のステップＳ７１）。中継機４の電源オン時において、中継機４と無線通信すべき受信装置および送信装置の一方または両方が未登録の場合（図１１のステップＳ７２でＮＯ）には、中継機４は、中継機ペアリングモードになる（図１１のステップＳ７３）。具体的には、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３４およびエリアＥ３５の両方または一方にアドレス情報が記憶されていない場合に、中継機４は、中継機ペアリングモードになる。

　一方、中継機４と無線通信すべき受信装置および送信装置が中継機４に登録されている場合（ステップＳ７２でＹＥＳ）には、中継機４は、中継通信モードになる（ステップＳ７４）。そして、中継機４は、登録している受信装置および送信装置との間で中継通信を開始する。

　中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、第１中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８１）と、第２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）と、判定登録処理（図１２のステップＳ８３）とを実行する。第１中継機ペアリング処理（Ｓ８１）は、第２送信機ペアリングモード中の送信装置（送信機または中継送信機）との間で情報を送受信するための処理である。第２中継機ペアリング処理（Ｓ８２）は、第２受信機ペアリングモード中の受信装置（受信機または中継受信機）との間で情報を送受信するための処理である。判定登録処理（Ｓ８３）は、中継機ペアリングモードを終了して、中継通信モードに移行するか否かを決定するための処理である。第１中継機ペアリング処理（Ｓ８１）および第２中継機ペアリング処理（Ｓ８２）に実行の先後はいずれでもよく、並行して行われてもよい。

　中継機ペアリングモードの終了後には、中継機４は中継通信モードになり（図１１のステップＳ７４）。中継機４は、中継機ペアリングモードによってペアリングされた受信機２および送信機３との無線通信を中継し、これにより、受信機２、中継機４および送信機３により無線通信が開始される。

　まず、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）を実現するための、送信機３の第２送信機ペアリングモードおよび中継機４の第１２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）についてそれぞれ説明する。

　図１３Ａおよび図１３Ｂは、送信機３の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。第２送信機ペアリングモード中において、送信機３の制御部３３は、無線通信すべき中継機（中継装置）を検索する（第１中継装置検索ステップ、図１３ＡのステップＳ１２１）。この場合、送信機３と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機または中継機）があると（図１３ＡのステップＳ１２２でＹＥＳ）、送信機３は、この通信機を検知し、その通信機に、送信機３自身の接続情報（送信装置接続情報）を送信する（図１３ＡのステップＳ１２３）。送信機３から送信される接続情報は、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２４に記憶されている情報、すなわち、送信機３自身のアドレス情報、送信機３自身に付与されているグループＩＤ、送信機３自身の通信種別および送信機３に接続先として登録済みの受信装置のアドレス情報である。送信機３は、通信種別として「送信」を送る。

　送信機３の制御部３３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図１３ＡのステップＳ１２４）。送信機３が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、その通信機に付与されているグループＩＤおよびその通信機の通信種別である。

　そして、送信機３の制御部３３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致し（図１３ＡのステップＳ１２５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「中継」である場合（図１３ＡのステップＳ１２６でＹＥＳ）、その通信機のアドレス情報を、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２６に仮に記憶する。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき中継機として、送信機３に仮登録される（図１３ＡのステップＳ１２７）。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図１３ＡのステップＳ１２５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」以外である場合（図１３ＡのステップＳ１２６でＮＯ）には、送信機３の制御部３３は、無線接続すべき中継機４を再検索する（図１３ＡのステップＳ１２１）。第２送信機ペアリングモードにおける以降の処理については、後述する。

　図１４は、中継機４の第１中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８１）の流れを説明するための流れ図である。第１中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、無線接続すべき送信装置を検索する（送信装置検索ステップ、ステップＳ１４１）。この検索によって、中継機４と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機または中継機）を検知すると（ステップＳ１４２でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機に、中継機４自身の接続情報（エリアＥ３１～Ｅ３３に記憶されている情報）を送信する（ステップＳ１４３）。中継機４は、通信種別として「中継」を送る。

　中継機４の制御部４３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（ステップＳ１４４）。中継機４が受け取る接続情報は、次に述べる図１６のステップＳ１１４において制御部４３が受け取る接続情報と同じである。

　そして、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致し（ステップＳ１４５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「送信」または「中継送信」である場合（ステップＳ１４６でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機を、無線通信すべき送信装置として中継機４に仮登録する（ステップＳ１４７）。具体的には、検知した通信機のアドレス情報およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が、それぞれ、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３６，Ｅ３７に記憶される。これにより、第１中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８１）が終了する。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（ステップＳ１４５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「送信」および「中継送信」以外である場合（ステップＳ１４６でＮＯ）には、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４にアドレス情報を記憶することなく、無線通信すべき送信装置を再検索する（ステップＳ１４１）。

　次に、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）を実現するための、受信機２の第２受信機ペアリングモードおよび中継機４の第２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）についてそれぞれ説明する。

　図１５Ａおよび図１５Ｂは、受信機２の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。第２受信機ペアリングモード中において、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき中継機（中継装置）を検索する（第２中継装置検索ステップ、図１５ＡのステップＳ９１）。この場合、受信機２と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機または中継機）があると（図１５ＡのステップＳ９２でＹＥＳ）、受信機２は、この通信機を検索により検知する。ペアリングモード中の通信機を検索により検知すると、受信機２の制御部２３は、検索により検知した通信機に、受信機２自身の接続情報（受信装置接続情報）を送信する（図１５ＡのステップＳ９３）。受信機２から送信される接続情報は、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１４に記憶されている情報、すなわち、受信機２自身のアドレス情報、受信機２自身に付与されているグループＩＤ、受信機２自身の通信種別および受信機２に接続先として登録済みの送信装置のアドレス情報である。このとき、受信機２は、通信種別として「受信」を送る。

　受信機２の制御部２３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図１５ＡのステップＳ９４）。受信機２が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、検知した通信機に付与されているグループＩＤおよび検知した通信機の通信種別である。

　そして、受信機２の制御部２３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致し（図１５ＡのステップＳ９５でＹＥＳ）、かつ検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」である場合（図１５ＡのステップＳ９６でＹＥＳ）、検知した通信機のアドレス情報を、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１６に仮に記憶する。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき中継機として、受信機２に仮登録される（図１５ＡのステップＳ９７）。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図１５ＡのステップＳ９５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」以外である場合（図１５ＡのステップＳ９６でＮＯ）には、受信機２の制御部２３は、無線接続すべき中継機４を再検索する（図１５ＡのステップＳ９１）。第２受信機ペアリングモードにおける以降の処理については、後述する。

　図１６は、中継機４の第２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）の流れを説明するための流れ図である。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき受信装置（受信機または中継受信機）を検索する（受信装置検索ステップ、ステップＳ１１１）。この場合、中継機４と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機または中継機）があると（ステップＳ１１２でＹＥＳ）、中継機４は、この通信機を検知する。ペアリングモード中の通信機を検知すると、中継機４の制御部４３は、検知した通信機に、中継機４自身の接続情報を送信する（ステップＳ１１３）。中継機４から送信される接続情報は、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３に記憶されている情報、すなわち、中継機４自身のアドレス情報、中継機４自身に付与されているグループＩＤおよび中継機４自身の通信種別である。中継機４は、通信種別として「中継」を送る。

　中継機４の制御部４３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（ステップＳ１１４）。中継機４が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、その通信機に付与されているグループＩＤ、その通信機の通信種別およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報である。

　そして、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致し（ステップＳ１１５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「受信」または「中継受信」である場合（ステップＳ１１６でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機を、無線通信すべき受信装置として中継機４に仮登録する（ステップＳ１１７）。具体的には、その通信機のアドレス情報、およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が、それぞれ、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３８，Ｅ３９に記憶される。これにより、第２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）が終了する。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（ステップＳ１１５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「受信」および「中継受信」以外である場合（ステップＳ１１６でＮＯ）には、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４にアドレス情報を記憶することなく、無線通信すべき受信装置を再検索する（ステップＳ１１１）。

　次に、中継機４の中継機ペアリングモード中において実行される判定登録処理（図１２のステップＳ８３）について説明する。図１７は、中継機４の判定登録処理（図１２のステップＳ８３）の流れを説明するための流れ図である。

　判定登録処理において、中継機４の制御部４３は、第１中継機ペアリング処理のステップＳ１４４（図１４参照）において通信機（受信装置）から受け取った通信機（受信装置）のアドレス情報と、第２中継機ペアリング処理のステップＳ１１４（図１６参照）において通信機（受信装置）から受け取った通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機（受信装置）のアドレス情報とが、一致しているか否かを調べる（照合する。ステップＳ１５１）。具体的には、情報メモリ４４のエリアＥ３８，Ｅ３７に記憶されているアドレス情報が、互いに同じであるか否かを調べる（判定ステップ）。

　また、判定登録処理において、中継機４の制御部４３は、第２中継機ペアリング処理のステップＳ１１４（図１６参照）において通信機（送信装置）から受け取った通信機（送信装置）のアドレス情報と、第１中継機ペアリング処理のステップＳ１４４（図１４参照）において通信機（受信装置）から受け取った、通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機（送信装置）のアドレス情報とが、一致しているか否かを調べる（照合する。ステップＳ１５２）。具体的には、情報メモリ４４のエリアＥ３６，Ｅ３９に記憶されているアドレス情報が、互いに同じであるか否かを調べる（判定ステップ）。

　これらの２組のアドレス情報がいずれも一致している場合（ステップＳ１５１でＹＥＳ、かつステップＳ１５２でＹＥＳ）には、中継機４の制御部４３は、検索により検知した通信機の中継機４への登録を、仮登録から正式登録に切り換える（ステップＳ１５３，Ｓ１５４）。具体的には、中継機４の制御部４３は、エリアＥ３８に記憶されている通信機（受信装置）のアドレス情報をエリアＥ３５に記憶する。エリアＥ３８およびエリアＥ３９に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、中継機４に仮登録されていた通信機が、無線通信すべき受信装置として中継機４に正式に登録される（ステップＳ１５３）。また、中継機４の制御部４３は、エリアＥ３６に記憶されている通信機（送信装置）のアドレス情報をエリアＥ３４に記憶する。エリアＥ３６およびエリアＥ３７に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、中継機４に仮登録されていた通信機が、無線通信すべき送信装置として中継機４に正式に登録される（ステップＳ１５４）。

　そして、中継機４の制御部４３は、検知された通信機（受信装置）および通信機（送信装置）の双方に、接続通知として接続成功通知を送信する（ステップＳ１５５）。その後、判定登録処理（図１２のステップＳ８３）が終了する。これにより、中継機４の中継機ペアリングモードが終了する。

　一方、前記の２組のアドレス情報の組合せの一方または両方が一致していない場合（ステップＳ１５１でＮＯまたはステップＳ１５２でＮＯ）は、中継機４の制御部４３は、エリアＥ３６～Ｅ３９に記憶されていた情報をクリアし（ステップＳ１５６）、かつ検知された通信機（受信装置）および通信機（送信装置）の双方に、接続通知として接続失敗通知を送信する（ステップＳ１５７）。これにより、判定登録処理（図１２のステップＳ８３）が終了する。

　次に、接続通知を受け取った受信機２で行われる処理について、図１５Ｂを参照して説明する。受信機２の制御部２３は、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続失敗通知である場合には（図１５ＢのステップＳ９８でＹＥＳ、ステップＳ９９でＮＯ）、受信機２の制御部２３は、情報メモリ２４のエリアＥ１６に記憶されている情報をクリアし、受信機２から通信機（中継機）の仮登録を消す（図１５ＢのステップＳ１００）。その後、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき中継機を再検索する（図１５ＡのステップＳ９１）。

　一方、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続成功通知である場合（図１５ＢのステップＳ９８でＹＥＳ、ステップＳ９９でＹＥＳ）には、受信機２への通信機（中継機）の仮登録が正式登録に切り換えられる。具体的には、受信機２の制御部２３は、エリアＥ１６に記憶されていた中継機４のアドレス情報をエリアＥ１５に記憶する。エリアＥ１６に記憶されていた情報はクリアしてもよい。これにより、第２受信機ペアリングモードが終了し、受信機２は、第２受信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。

　次に、接続通知を受け取った送信機３で行われる処理について、図１３Ｂを参照して説明する。送信機３の制御部３３は、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続失敗通知である場合には（図１３ＢのステップＳ１２８でＹＥＳ、ステップＳ１２９でＮＯ）、送信機３の制御部３３は、情報メモリ３４のエリアＥ２６に記憶されている情報をクリアし、送信機３から通信機（中継機）の仮登録を消す（図１３ＢのステップＳ１３０）。その後、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき中継機４を再検索する（図１３ＡのステップＳ１２１）。

　一方、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続成功通知である場合（図１３ＢのステップＳ１２８でＹＥＳ、ステップＳ１２９でＹＥＳ）には、受信機２への通信機（中継機）の仮登録が正式登録に切り換えられる。具体的には、送信機３の制御部３３は、エリアＥ２６に記憶されていた中継機４のアドレス情報をエリアＥ２５に記憶する。エリアＥ２６に記憶されていた情報はクリアしてもよい。これにより、第２送信機ペアリングモードが終了し、送信機３は、第２送信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。

　図８に示すように、互いに通信可能な位置に配置された受信機２および中継機４がそれぞれ第２受信機ペアリングモードおよび中継機ペアリングモードになると、受信機２および中継機４がお互いを検知する。受信機２および中継機４には、同じグループＩＤが付与されている。受信機２および中継機４の種別情報は、それぞれ「受信」および「中継」である。そして、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１４に記憶されている情報と、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３に記憶されている情報とが、互いに送受信される（図１５ＡのステップＳ９３，Ｓ９４、図１６のステップＳ１１３，Ｓ１１４）。

　また、図８に示すように、互いに通信可能な位置に配置された中継機４および送信機３がそれぞれ中継機ペアリングモードおよび第２送信機ペアリングモードになると、中継機４および送信機３がお互いを検知する。中継機４および送信機３には、同じグループＩＤが付与されている。中継機４および送信機３の種別情報は、それぞれ「中継」および「送信」である。そして、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３に記憶されている情報と、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２４に記憶されている情報とが、互いに送受信される（図１３ＡのステップＳ１２３，Ｓ１２４、図１４のステップＳ１４３，Ｓ１４４）。

　そして、検知した通信機（受信装置）から受け取った通信機（受信装置）のアドレス情報と、検知した通信機（送信装置）から受け取った通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機（受信装置）のアドレス情報とが一致し、かつ、検知した通信機（送信装置）から受け取った通信機（送信装置）のアドレス情報と、検知した通信機（受信装置）から受け取った通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機（送信装置）のアドレス情報とが一致しているときに、無線通信すべき通信機として受信機２および中継機４が互いに登録され、かつ無線通信すべき通信機として中継機４および送信機３が互いに登録される（図１７のステップＳ１５１～Ｓ１５４）。

　第２受信機ペアリングモードおよび第２送信機ペアリングモードの終了後、受信機２および送信機３は、それぞれ、無線通信モードに移行する。また、中継機ペアリングモードの終了後、中継機４は中継通信モードに移行する。受信機２、中継機４および送信機３は、第２受信機ペアリングモード、中継機ペアリングモードおよび第２送信機ペアリングモードによって取得した、無線通信すべき通信機のアドレス情報に基づいて、互いに通信を開始する。これにより、受信機２、中継機４および送信機３の間で無線通信が開始される。

　２つの通信機（受信装置および送信装置）が無線通信先として互いを登録済みであれば、それらの間の無線通信を中継すべき中継機が一方の通信機から受け取る通信機のアドレス情報と、他方の通信機から受け取る、接続先として登録済みの通信機のアドレス情報とが一致する。同様に、他方の通信機から受け取る通信機のアドレス情報と、一方の通信機から受け取る、接続先として登録済みの通信機のアドレス情報とが一致する。

　そして、これらアドレス情報の１つの対だけでなく、２つの対の一致を、中継通信モードへの移行の判定要件とするので、２つの通信機（受信装置および送信装置）が無線通信先として互いを予め登録されていることを二重に担保できる。そのため、無線通信させることを意図していない送信装置および受信装置を中継機４が中継してしまうというような中継誤りを、回避できる。

　また、無線通信すべき受信機２、送信機３および中継機４に、同一のグループＩＤが予め付与されている。そして、中継機ペアリングモードにおいて、検索により検知した２つの通信機から受け取ったグループＩＤが中継機４に付与されているグループＩＤに一致している場合に、中継機４は中継通信モードに移行する。これにより、無線通信させることを意図していない受信機２、送信機３および中継機４によって無線通信が開始されることを回避できる。

　また、この実施形態において、アドレス情報の１つの対の一致を中継通信モードへの移行の判定要件としてもよい。具体的には、図１７のステップＳ１５１，Ｓ１５２の２組のアドレス情報のうち１組の一致のみで、中継装置としての中継機４が中継通信モードに移行してもよい。アドレス情報の１つの対の一致のみでも、中継誤りをほぼ確実に回避できる。

　ところで、報知装置１２と生産装置１１との距離が長い場合や、報知装置１２と生産装置１１との間の障害物（建物や壁）の状況によっては、受信機２と送信機３との間に一つの中継機４を介在させるのみでは、受信機２、送信機３および中継機４の無線通信を良好に行えない場合がある。この場合の対応として、図１Ｂのように、受信機２と送信機３との無線通信を複数の中継機４によって中継させる。受信機２と送信機３との無線通信を複数の中継機４によって中継するために、受信機２と送信機３との間の経路に配置される中継機４の台数を１つずつ増やす必要がある。配置される中継機４の台数を増やす手法として、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）により受信機２、中継機４および送信機３の三者間の無線通信が実現した後に、受信機２、中継機４および送信機３のうち、受信機２と中継機４と経路の間、または中継機４と送信機３との経路の間に、中継機４を新たに配置する手法が考えられる。

　図１８は、中継機４と送信機３との間の経路に他の中継機４（中継機４Ｄ）を新たに配置する場合の手順を示す流れ図である。図１９は、中継機４と送信機３との間の経路に他の中継機４を新たに配置する場合の受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図１８のステップＳ１６３）を説明するための図である。

　受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）により、受信機２、中継機４および送信機３の三者間の無線通信が実現した後、作業者は、送信機３を、受信機２および中継機４から引き離す（図１８のステップＳ１６１）。送信機３を中継機４から引き離すことにより、中継機４と送信機３との間の無線通信の品質が低下する。中継機４との間で無線通信の品質が低下した送信機３は、第２送信機ペアリングモードに移行する。一方、送信機３との間で無線通信の品質が低下した中継機４は、第２受信機ペアリングモードに移行する。作業者は、送信機３を、中継機４との間で無線通信の品質が低下するような位置に配置し、これにより、送信機３および中継機４が、それぞれ第２送信機ペアリングモードおよび第２受信機ペアリングモードに移行する。

　そして、作業者は、中継機４と送信機３との間に、他の中継機４を新たに配置する（図１８のステップＳ１６２）。以下、新たに配置する他の中継機４を「中継機４Ｄ」と呼ぶ場合がある。中継装置である中継機４Ｄは、中継機４と送信機３との無線通信を中継する。以下、中継機４Ｄから見て、無線通信先の中継機４（つまり、第２受信機ペアリングモードに移行している中継機４）を、「中継受信機４Ｅ」と呼ぶ場合がある。

　中継機４Ｄは、中継受信機（受信装置）４Ｅと同じ種類の中継機４である。中継機４Ｄには、中継受信機４Ｅと同じグループＩＤが付与されている。中継機４Ｄのアドレス情報が中継受信機４Ｅのアドレス情報と異なるのは言うまでもない。

　中継機４Ｄは、中継受信機４Ｅおよび送信機３の双方と良好に通信可能な位置に配置される。そして、作業者は、中継機４Ｄの電源をオンする。中継機４Ｄの電源オン時に、無線通信すべき送信装置および無線通信すべき送信装置の一方または両方が中継機４Ｄに未登録の場合、中継機４Ｄは中継機ペアリングモードになる。

　図１９に示すように、中継受信機４Ｅおよび送信機３が、それぞれ第２受信機ペアリングモード中および第２送信機ペアリングモード中であり、かつ中継機４Ｄが中継機ペアリングモード中である状態において、中継受信機４Ｅと中継機４Ｄとの間、および中継機４Ｄと送信機３との間で接続情報が互いに送受信される（図１８のステップＳ１６３：受信装置－中継機－送信装置ペアリング）。この場合、図１９に示すように、まず、中継機４と送信機３との間で接続情報が互いに送受信され、次いで、中継受信機４Ｅと中継機４Ｄとの間で接続情報が互いに送受信される。これにより、中継機４Ｄが、中継受信機４Ｅおよび送信機３に、無線通信すべき中継機として登録される。また、中継受信機４Ｅおよび送信機３が、それぞれ無線通信すべき受信装置および送信装置として、中継機４Ｄに登録される。その後、中継機４Ｄおよび中継受信機４Ｅが中継通信モードに戻り、かつ送信機３が無線通信モードに戻ることにより、２つの中継機４および送信機３の無線通信が開始される（図１８のステップＳ１６４）。

　図２０は、受信機２と中継機４との間の経路に中継機４Ｄを新たに配置する場合の手順を示す流れ図である。図２１は、受信機２と中継機４との間の経路に中継機４Ｄを新たに配置する場合の受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図２０のステップＳ１７３）を説明するための図である。

　受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５）により、受信機２、中継機４および送信機３の三者間の無線通信が実現した後、作業者は、受信機２を、送信機３および中継機４から引き離す（図２０のステップＳ１７１）。受信機２を中継機４から引き離すことにより、受信機２と中継機４との間の無線通信の品質が低下する。中継機４との間で無線通信の品質が低下した受信機２は、第２受信機ペアリングモードに移行する。一方、受信機２との間で無線通信の品質が低下した中継機４は、第２送信機ペアリングモードに移行する。作業者は、受信機２を、中継機４との間で無線通信の品質が低下するような位置に配置し、これにより、受信機２および中継機４が、それぞれ第２受信機ペアリングモードおよび第２送信機ペアリングモードに移行する。

　そして、作業者は、受信機２と中継機４との間に、中継機４Ｄを新たに配置する（図２０のステップＳ１７２）。中継機４Ｄは、受信機２と中継機４との無線通信を中継する。以下、中継機４Ｄから見て、無線通信先の中継機４（つまり、第２送信機ペアリングモードに移行している中継機４）を、「中継送信機４Ｆ」と呼ぶ場合がある。

　中継機４Ｄは、受信機２および中継送信機（送信装置）４Ｆの双方と良好に通信可能な位置に配置される。そして、作業者は、中継機４Ｄの電源をオンする。中継機４Ｄの電源オン時に、無線通信すべき送信装置および無線通信すべき送信装置の一方または両方が中継機４Ｄに未登録の場合、中継機４Ｄは中継機ペアリングモードになる。

　図２１に示すように、受信機２および中継送信機４Ｆが、それぞれ第２受信機ペアリングモード中および第２送信機ペアリングモード中であり、かつ中継機４Ｄが中継機ペアリングモード中である状態において、受信機２と中継機４Ｄとの間、および中継機４Ｄと中継送信機４Ｆとの間で接続情報が互いに送受信される（図２０のステップＳ１７３：受信装置－中継機－送信装置ペアリング）。この場合、図２１に示すように、まず、中継機４Ｄと中継送信機４Ｆとの間で接続情報が互いに送受信され、次いで、受信機２と中継機４Ｄとの間で接続情報が互いに送受信される。これにより、中継機４Ｄが、受信機２および中継送信機４Ｆに、無線通信すべき中継機として登録される。また、受信機２および中継送信機４Ｆが、それぞれ無線通信すべき受信装置および送信装置として、中継機４Ｄに登録される。その後、中継機４Ｄおよび中継送信機４Ｆが中継通信モードに戻り、かつ受信機２が無線通信モードに戻ることにより、２つの中継機４および送信機３の無線通信が開始される（図２０のステップＳ１７４）。

　図２２は、中継機４の制御モードの移り変わりを説明するための流れ図である。

　前述のように、制御部４３は、中継機ペアリングモード、中継通信モード、第２受信機ペアリングモードおよび第２送信機ペアリングモードという、４つの制御モードを有している。

　中継機４が受信装置と送信装置とを中継通信している状態において、中継機４と、無線通信先の通信機（受信装置、送信装置）との間の無線通信の品質が低下すると、中継機４の制御部４３の第１通信品質低下フラグ４９Ａおよび第２通信品質低下フラグ４９Ｂの両方および一方がオンになる（ステップＳ１８１，Ｓ１８２）。中継機４が第１通信品質低下フラグ４９Ａおよび第２通信品質低下フラグ４９Ｂという２つのフラグを有しているので、中継機４の制御部４３は、無線通信先の通信機（受信装置、送信装置）との間で無線通信の品質が低下していることだけでなく、受信装置との無線通信および送信装置との無線通信のいずれにおいて品質が低下しているかを特定できる。

　第２通信品質低下フラグ４９Ｂがオンになっている場合（ステップＳ１８１でＮＯ、ステップＳ１８２でＹＥＳ）、中継機４は、送信装置との間の無線通信の品質が低下しているとして、第２受信機ペアリングモード（ステップＳ１８３）に移行する。中継機４の第２受信機ペアリングモード中において、中継機４の通信種別は「中継受信」である。

　前述のように、中継機４の第２受信機ペアリングモードは、受信機２の第２受信機ペアリングモード（図１３Ａおよび図１３Ｂ参照）と同等のモードである。中継機４の第２受信機ペアリングモード中は、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１５に代えて、それぞれ情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３５が用いられる。

　一方、第１通信品質低下フラグ４９Ａがオンになっている場合（ステップＳ１８１でＹＥＳ）、中継機４は、受信装置との間の無線通信の品質が低下しているとして、第２送信機ペアリングモードに移行する（ステップＳ１８５）。

　前述のように、中継機４の第２送信機ペアリングモードは、送信機３の第２送信機ペアリングモード（図１３Ａおよび図１３Ｂ参照）と同等のモードである。中継機４の第２送信機ペアリングモード中は、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２１，Ｅ２２，Ｅ２３，Ｅ２４，Ｅ２５に代えて、それぞれ中継機４の情報メモリ４４のＥ３１，Ｅ３２，Ｅ３３，Ｅ３５，Ｅ３４が用いられる。

　中継受信機４Ｅ、中継機４Ｄおよび送信機３の受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図１９参照）において、中継受信機４Ｅは、中継機ペアリングモード（ステップＳ１８３）中の中継機４Ｄとの間で、接続情報を互いに送受信する。前述のように、中継機４の第２受信機ペアリングモード中において、情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１５のそれぞれに代えて、情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３５が用いられるので、中継受信機４Ｅは、エリアＥ３１～Ｅ３４に記憶されている情報を中継機４Ｄに送信し、中継機４Ｄの情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３に記憶されている情報を中継機４Ｄから受け取る（図１３ＡのステップＳ９３，Ｓ９４）。このとき、中継機４Ｄは、中継機ペアリングモードにおいて、中継受信機４Ｅの情報メモリ４４のエリアＥ３１，Ｅ３４に記憶されていたアドレス情報を、それぞれ中継機４Ｄの情報メモリ４４のエリアＥ３６，Ｅ３７に記憶する。

　そして、これらのアドレス情報に基づいて、中継機４Ｄの中継機ペアリングモードの判定登録処理（図１２のステップＳ８３）において、中継通信モードに移行するか否かが判定される（図１７のステップＳ１５１，Ｓ１５２）。中継通信モードに移行すると判定された場合には、中継受信機４Ｅが、無線通信すべき受信装置として中継機４Ｄに登録される。そして、中継機４Ｄは中継通信モードに移行する。

　また、中継機４Ｄから接続成功通知を受け取った中継受信機４Ｅの制御部４３は、中継機４Ｄのアドレス情報を、中継機４ＤのエリアＥ３５に記憶する。これにより、中継機４Ｄが、無線通信すべき中継機として中継受信機４Ｅに登録される。

　一方、受信機２、中継機４Ｄおよび中継送信機４Ｆの受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図２１参照）において、中継送信機４Ｆは、中継機ペアリングモード（ステップＳ１８３）中の中継機４Ｄとの間で、接続情報を互いに送受信する。前述のように、中継機４の第２送信機ペアリングモード中において、情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２５のそれぞれに代えて、情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３５が用いられるので、中継送信機４Ｆは、エリアＥ３１～Ｅ３１およびエリアＥ３５に記憶されている情報を中継機４Ｄに送信し、中継機４Ｄの情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３に記憶されている情報を中継機４Ｄから受け取る（図１３ＡのステップＳ１２３，Ｓ１２４）。このとき、中継機４Ｄは、中継機ペアリングモードにおいて、中継送信機４Ｆの情報メモリ４４のエリアＥ３１，Ｅ３５に記憶されていたアドレス情報を、それぞれ中継送信機４Ｆの情報メモリ４４のエリアＥ３６，Ｅ３７に記憶する。

　そして、これらのアドレス情報に基づいて、中継機４Ｄの中継機ペアリングモードの判定登録処理（図１２のステップＳ８３）において、中継通信モードに移行するか否かが判定される（図１７のステップＳ１５１，Ｓ１５２）。中継通信モードに移行すると判定された場合には、中継送信機４Ｆが、無線通信すべき送信装置として中継機４Ｄに登録される。そして、中継機４Ｄは中継通信モードに移行する。

　また、中継機４Ｄから接続成功通知を受け取った中継送信機４Ｆの制御部４３は、中継機４Ｄのアドレス情報を、中継機４ＤのエリアＥ３５に記憶する。これにより、中継機４Ｄが、無線通信すべき中継機として中継送信機４Ｆに登録される。

　受信機２と送信機３との間に中継機４を２つ介在させるのみでは、受信機２、送信機３および中継機４の無線通信を良好に行えない場合には、さらに中継機４の台数を１つずつ増やすことにより対応する。図１８および図１９で示す手法または図２０および図２１で示す手法によって、受信機２と送信機３との間の経路に配置される中継機４の台数を増やすことができる。

　以上により、この実施形態によれば、作業者が、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）および送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）の双方と良好に通信可能な位置に中継機４を配置して、中継機４の電源をオンする。中継機４の電源オンの操作により、中継機４が中継機ペアリングモードになる。中継機ペアリングモード中の中継機４と、第２受信機ペアリングモード中の受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）との間で、中継機４のアドレス情報および受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）のアドレス情報を含む接続情報の受け渡しが行われる。また、中継機ペアリングモード中の中継機４と、第２送信機ペアリングモード中の送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との間で、中継機４のアドレス情報および送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）のアドレス情報を含む接続情報の受け渡しが行われる。

　そして、中継機４の制御部２３は、受信装置および送信装置から受け取った前記の４つの４つのアドレス情報に基づいて、ペアリングモードから中継通信モードに移行するか否かを判定する。中継通信モードに移行すると判定されたときには、無線通信すべき通信機として、中継機４および受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）が互いに登録され、かつ、無線通信すべき通信機として、中継機４および送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）が互いに登録される。これにより、中継機４による受信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）と送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との無線通信の中継を開始することができる。

　以上により、中継機４の電源をオンするという簡単な操作により、中継機４による受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）と送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との無線通信の中継を開始することができる。しかも、中継機４において、受信装置の検索、送信装置の検索および中継通信モードに移行するか否かの判定を、１つのペアリングモードにおいて行えるので、複数回に分けて登録作業を行う場合と比較して、簡単な操作で中継通信を開始できる。

　そして、前述のように、検索により検知された通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機（受信装置）のアドレス情報、および検索により検知された通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機（送信装置）のアドレス情報が接続情報（ペアリング情報、鍵情報）に含まれるので、中継機が中継機ペアリングモードから中継通信モードに移行する場合には、検索により検知した２つの通信機（受信装置および送信装置）が無線通信先として互いを予め登録していることが担保されている。ゆえに、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）と送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との無線通信の中継機４による中継を、中継誤りを回避しながら簡単な操作で開始できる。

　図２３は、この発明の第２実施形態に係る無線通信システム２０１に含まれる受信機２の情報メモリ２４の記憶内容を示すブロック図である。図２４は、無線通信システム２０１において実行される、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを説明するための図である。図２５および図２６は、無線通信システム２０１に含まれる受信機２の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図２７および図２８は、無線通信システム２０１に含まれる中継機４の第２中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。

　図２３～図２８において、前述の図１～図２２に示された構成と同等の構成については、図１等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。無線通信システム２０１が、第１実施形態に係る無線通信システム１と主に異なる点は、中継装置（中継機４または中継機４Ｄ）が中継通信モードに移行するか否かを、中継装置ではなく、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）が判定する点にある。

　図２３に示すように、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１８には、検索により検知された通信機（中継装置）から受け取った、送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）のアドレス情報が仮に記憶される。受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１９は、検索により検知された通信機（中継装置）から受け取った、送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）に接続先として登録済みの受信装置のアドレス情報（接続先受信装置アドレス情報）が仮に記憶される。この実施形態では、エリアＥ１８，Ｅ１９は、情報を仮に記憶しておくための仮記憶領域である。

　図２４に示すように、受信装置－中継機－送信装置ペアリングでは、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）および送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）が、それぞれ第２受信機ペアリングモード中および第２送信機ペアリングモード中であり、かつ中継機（中継機４または中継機４Ｄ）が中継機ペアリングモード中である状態において、受信装置と中継機との間、および中継機と送信装置との間で接続情報が互いに送受信される（図６のステップＳ５：受信装置－中継機－送信装置ペアリング、図１８のステップＳ１６３：受信装置－中継機－送信装置ペアリング、図２０のステップＳ１７３：受信装置－中継機－送信装置ペアリング）。この場合、図２４に示すように、まず、中継機と送信装置との間で接続情報が互いに送受信され、次いで、受信装置と中継機との間で接続情報が互いに送受信される。

　第２実施形態の無線通信システム２０１の受信装置－中継機－送信装置ペアリングについて、受信装置、中継機および送信装置がそれぞれ受信機２、中継機４および送信機３である場合を例に挙げて詳細に説明する。前述のように、無線通信すべき通信機として互いを登録している状態において、受信機２と送信機３との間の無線通信の品質が低下すると、送信機３の制御部３３の通信品質低下フラグ３９Ａがオンになり、受信機２の制御部２３の第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになる。送信機３の通信品質低下フラグ３９Ａがオンになると、送信機３は、第２送信機ペアリングモードになる。受信機２の第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになると、受信機２は、第２受信機ペアリングモードになる。この状態において、作業者は、中継装置としての中継機４を受信機２および送信機３の双方と良好に通信可能な位置に配置し、中継機４の電源をオンすると、中継機４と無線通信すべき受信装置および送信装置の一方または両方が未登録の場合に、中継機４は、中継機ペアリングモードになる。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、第２送信機ペアリングモード中の送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との間で情報を送受信するための第１中継機ペアリング処理と、第２受信機ペアリングモード中の受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）との間で情報を送受信するための第２中継機ペアリング処理とを実行する。

　まず、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを実現するための、送信機３の第２送信機ペアリングモードおよび中継機４の第１中継機ペアリング処理についてそれぞれ説明する。

　送信機３の第２送信機ペアリングモードは、第１実施形態の場合と同じである。そのため、送信機３の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを、図１３Ａおよび図１３Ｂを参照しながら説明する。

　第２送信機ペアリングモード中において、送信機３の制御部３３は、無線通信すべき中継機（中継装置）を検索する（第１中継装置検索ステップ、図１３ＡのステップＳ１２１）。この場合、送信機３の制御部３３は、送信機３と通信可能な範囲にある通信機を検知し、その通信機に、送信機３自身の接続情報（送信装置接続情報）を送信する（図１３ＡのステップＳ１２２，Ｓ１２３）。送信機３から送信される接続情報は、送信機３自身のアドレス情報、送信機３自身に付与されているグループＩＤ、送信機３自身の通信種別および送信機３に接続先として登録済みの受信装置のアドレス情報である。

　送信機３の制御部３３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図１３ＡのステップＳ１２４）。送信機３の制御部３３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致し（図１３ＡのステップＳ１２５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「中継」である場合（図１３ＡのステップＳ１２６でＹＥＳ）、その通信機のアドレス情報を、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２６に仮に記憶する。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき中継機として、送信機３に仮登録される（図１３ＡのステップＳ１２７）。検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図１３ＡのステップＳ１２５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」以外である場合（図１３ＡのステップＳ１２６でＮＯ）には、送信機３の制御部３３は、無線接続すべき中継機４を再検索する（図１３ＡのステップＳ１２１）。第２送信機ペアリングモードにおける以降の処理については、後述する。

　中継機４の第１中継機ペアリング処理は、第１実施形態の場合と同じである。そのため、中継機４の第１中継機ペアリング処理における処理の流れを、図１４を参照しながら説明する。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、無線接続すべき送信装置を検索する（送信装置検索ステップ、図１４のステップＳ１４１）。この場合、中継機４の制御部４３は、中継機４と通信可能な範囲にあるペアリングモード中の通信機を検知し、その通信機に、中継機４自身の接続情報を送信する（図１４のステップＳ１４２，Ｓ１４３）。

　中継機４の制御部４３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図１４のステップＳ１４４）。中継機４が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、その通信機に付与されているグループＩＤ、その通信機の通信種別およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報である。検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致し（図１４のステップＳ１４５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「送信」または「中継送信」である場合（図１４のステップＳ１４６でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機を、無線通信すべき送信装置として中継機４に仮登録する（図１４のステップＳ１４７）。具体的には、検知した通信機のアドレス情報およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が、それぞれ、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３６，Ｅ３７に記憶される。これにより、第１中継機ペアリング処理が終了する。検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図１４のステップＳ１４５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「送信」および「中継送信」以外である場合（図１４のステップＳ１４６でＮＯ）には、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき送信装置を再検索する（図１４のステップＳ１４１）。

　次に、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを実現するための、受信機２の第２受信機ペアリングモードおよび中継機４の第２中継機ペアリング処理についてそれぞれ説明する。

　図２５および図２６は、この発明の第２実施形態に係る無線通信システム２０１に含まれる受信機２の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。第２受信機ペアリングモード中において、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき中継機（中継装置）を検索する（第２中継装置検索ステップ、図２５のステップＳ２０１）。この場合、受信機２と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機または中継機）があると（図２５のステップＳ２０２でＹＥＳ）、受信機２は、この通信機を検索により検知する。ペアリングモード中の通信機を検索により検知すると、受信機２の制御部２３は、検索により検知した通信機に、受信機２自身の接続情報（受信装置接続情報）を送信する（図２５のステップＳ２０３）。受信機２から送信される接続情報は、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１１～Ｅ１３に記憶されている情報、すなわち、受信機２自身のアドレス情報、受信機２自身に付与されているグループＩＤおよび受信機２自身の通信種別である。このとき、受信機２は、通信種別として「受信」を送る。

　受信機２の制御部２３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図２５のステップＳ２０４）。受信機２が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、検知した通信機に付与されているグループＩＤ、検知した通信機の通信種別である。また、第２実施形態では、受信機２が受け取る接続情報は、図１４のステップＳ１４４において、中継機４の制御部４３が受け取った、検知した通信機（送信装置）のアドレス情報、および検知した通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機（受信装置）のアドレス情報を含む。

　そして、受信機２の制御部２３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致し（図２５のステップＳ２０５でＹＥＳ）、かつ検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」である場合（図２５のステップＳ２０６でＹＥＳ）、検知した通信機のアドレス情報、検知した通信機から受け取った、送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）のアドレス情報、および検知した通信機から受け取った、送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）に接続先として登録済みの受信装置のアドレス情報を、それぞれ受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ１６、エリアＥ１８およびエリアＥ１９に仮に記憶する。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき中継機として、受信機２に仮登録される（図２５のステップＳ２０７）。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図２５のステップＳ２０５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」以外である場合（図２５のステップＳ２０６でＮＯ）には、受信機２の制御部２３は、無線接続すべき中継機４を再検索する（図２５のステップＳ２０１）。第２送信機ペアリングモードにおける以降の処理については、後述する。

　図２７および図２８は、この発明の第２実施形態に係る無線通信システムに含まれる中継機４の第２中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき受信装置（受信機または中継受信機）を検索する（受信装置検索ステップ、図２７のステップＳ２２１）。この場合、中継機４と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（受信機、送信機または中継機）があると（図２７のステップＳ２２２でＹＥＳ）、中継機４は、この通信機を検知する。ペアリングモード中の通信機を検知すると、中継機４の制御部４３は、検知した通信機に、中継機４自身の接続情報を送信する（図２７のステップＳ２２３）。中継機４から送信される接続情報は、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３，Ｅ３６，Ｅ３７に記憶されている情報、すなわち、中継機４自身のアドレス情報、中継機４自身に付与されているグループＩＤ、中継機４自身の通信種別、中継機４の制御部４３が受け取った、送信機３のアドレス情報、および中継機４の制御部４３が受け取った、送信機３に接続先として登録済みの受信装置のアドレス情報である。

　中継機４の制御部４３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図２７のステップＳ２２４）。中継機４が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、その通信機に付与されているグループＩＤ、その通信機の通信種別およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報である。

　そして、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致し（図２７のステップＳ２２５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「受信」または「中継受信」である場合（ステップＳ２２６でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機を、無線通信すべき受信装置として中継機４に仮登録する（図２７のステップＳ２２７）。具体的には、その通信機のアドレス情報、およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が、それぞれ、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３８，Ｅ３９に記憶される。これにより、第２中継機ペアリング処理が終了する。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（ステップＳ２２５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「受信」および「中継受信」以外である場合（ステップＳ２２６でＮＯ）には、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４にアドレス情報を記憶することなく、無線通信すべき受信装置を再検索する（ステップＳ２２１）。

　第２中継機ペアリング処理における以降の処理については、後述する。

　図２６に戻り、受信機２の制御部２３は、自機のアドレス情報と、図２５のステップＳ２０４において通信機（中継機）から受け取った、通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機（受信装置）のアドレス情報とが一致しているか否かを調べる（照合する。図２６のステップＳ２０８）。具体的には、受信機２の制御部２３は、情報メモリ２４のエリアＥ１１，Ｅ１９に記憶されているアドレス情報が、互いに同じであるか否かを調べる（判定ステップ）。

　また、受信機２の制御部２３は、図２５のステップＳ２０４において通信機（中継装置）から受け取った通信機（送信装置）のアドレス情報と、自機に接続先として登録済みの通信機（送信装置）のアドレス情報とが、一致しているか否かを調べる（照合する。図２６のステップＳ２０９）。具体的には、受信機２の制御部２３は、情報メモリ２４のエリアＥ１４，Ｅ１８に記憶されているアドレス情報が、互いに同じであるか否かを調べる（判定ステップ）。

　これらの２組のアドレス情報がいずれも一致している場合（図２６のステップＳ２０８でＹＥＳ、かつステップＳ２０９でＹＥＳ）には、受信機２の制御部２３は、接続成功通知を中継機４に送信する（図２６のステップＳ２１１）。具体的には、情報メモリ２４のエリアＥ１８およびエリアＥ１９に記憶されていた情報をクリアし（図２６のステップＳ２１０）、かつ検知された通信機（中継機）に、接続通知として接続成功通知を送信する（図２６のステップＳ２１１）。

　そして、受信機２への通信機（中継機）の仮登録が正式登録に切り換えられる。具体的には、受信機２の制御部２３は、情報メモリ２４のエリアＥ１６に記憶されていた中継機４のアドレス情報をエリアＥ１５に記憶する。エリアＥ１６に記憶されていた情報はクリアしてもよい。これにより、第２受信機ペアリングモードが終了し、受信機２は、第２受信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。

　一方、前記の２組のアドレス情報の組合せの一方または両方が一致していない場合（図２６のステップＳ２０８でＮＯまたはステップＳ２０９でＮＯ）は、中継機４の制御部４３は、情報メモリ２４のエリアＥ１６、エリアＥ１８およびエリアＥ１９に記憶されていた情報をクリアし（図２６のステップＳ２１２）、かつ検知された通信機（中継機）に、接続通知として接続失敗通知を送信する（図２６のステップＳ２１３）。

　次に、接続通知を受け取った中継機４で行われる処理について、図２８を参照して説明する。中継機４の制御部４３は、検知された受信機２から受け取った接続通知が接続失敗通知である場合には（図２８のステップＳ２２８でＹＥＳ、ステップＳ２２９でＮＯ）、中継機４の制御部４３は、検知された通信機（送信装置）に、接続通知として接続失敗通知を送信する（図２８のステップＳ２３２）。また、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４のエリアＥ３６～Ｅ３９に記憶されている情報をクリアし、中継機４から通信機（送信装置および受信装置）の仮登録を消す（図２８のステップＳ２３３）。その後、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき中継機を再検索する（図２７のステップＳ２２１）。

　一方、検知された受信機２から受け取った接続通知が接続成功通知である場合には（図２８のステップＳ２２８でＹＥＳ、ステップＳ２２９でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、検索により検知した通信機の中継機４への登録を、仮登録から正式登録に切り換える（図２８のステップＳ２３１）。具体的には、中継機４の制御部４３は、検知された通信機（送信装置）に、接続通知として接続成功通知を送信する（図２８のステップＳ２３０）。また、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４のエリアＥ３８に記憶されている通信機（受信装置）のアドレス情報をエリアＥ３５に記憶する。エリアＥ３８およびエリアＥ３９に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、中継機４に仮登録されていた通信機が、無線通信すべき受信装置として中継機４に正式に登録される（図２８のステップＳ２３１）。また、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４のエリアＥ３６に記憶されている通信機（送信装置）のアドレス情報をエリアＥ３４に記憶する。エリアＥ３６およびエリアＥ３７に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、中継機４に仮登録されていた通信機が、無線通信すべき送信装置として中継機４に正式に登録される。これにより、中継機４の中継機ペアリングモードが終了する。

　一方、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続成功通知である場合（図１３ＢのステップＳ１２８でＹＥＳ、ステップＳ１２９でＹＥＳ）には、受信機２への通信機（中継機）の仮登録が正式登録に切り換えられる。具体的には、送信機３の制御部３３は、エリアＥ２６に記憶されていた中継機４のアドレス情報をエリアＥ２５に記憶する。エリアＥ２６に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、第２送信機ペアリングモードが終了し、送信機３は、第２送信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。

　以上により第２実施形態によれば、２つの通信機（送信装置および受信装置）が無線通信先として互いを登録済みであれば、一方の通信機（受信装置）のアドレス情報と、２つの通信機の間の無線通信を中継すべき中継機を介して一方の通信機（受信装置）が受け取る、他方の通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報とが一致する。同様に、２つの通信機（送信装置および受信装置）が無線通信先として互いを登録済みであれば、一方の通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報と、２つの通信機の間の無線通信を中継すべき中継機を介して一方の通信機（受信装置）が受け取る、他方の通信機（送信装置）のアドレス情報とが一致する。

　また、この実施形態において、アドレス情報の１つの対の一致を中継通信モードへの移行の判定要件としてもよい。具体的には、図２６のステップＳ２０８，Ｓ２０９の２組のアドレス情報のうち１組の一致のみで、中継装置としての中継機４が中継通信モードに移行してもよい。アドレス情報の１つの対の一致のみでも、中継誤りをほぼ確実に回避できる。

　図２９は、この発明の第３実施形態に係る無線通信システム３０１に含まれる送信機３の情報メモリ３４の記憶内容を示すブロック図である。図３０は、無線通信システム３０１において実行される、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを説明するための図である。図３１および図３２は、無線通信システム３０１に含まれる送信機３の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。図３３および図３４は、無線通信システム３０１に含まれる中継機４の第１中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。

　図２９～図３４において、前述の図１～図２２に示された構成と同等の構成については、図１等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。無線通信システム３０１が、第１実施形態に係る無線通信システム１と主に異なる点は、中継装置（中継機４または中継機４Ｄ）が中継通信モードに移行するか否かを、中継装置ではなく、送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）が判定する点にある。

　図２９に示すように、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２８には、検索により検知された通信機（中継装置）から受け取った、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）のアドレス情報が仮に記憶される。送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２９は、検索により検知された通信機（中継装置）から受け取った、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）に接続先として登録済みの送信装置のアドレス情報（接続先送信装置アドレス情報）が仮に記憶される。この実施形態では、エリアＥ２８，Ｅ２９は、情報を仮に記憶しておくための仮記憶領域である。

　図３０に示すように、受信装置－中継機－送信装置ペアリングでは、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）および送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）が、それぞれ第２受信機ペアリングモード中および第２送信機ペアリングモード中であり、かつ中継機（中継機４または中継機４Ｄ）が中継機ペアリングモード中である状態において、受信装置と中継機との間、および中継機と送信装置との間で接続情報が互いに送受信される（図６のステップＳ５：受信装置－中継機－送信装置ペアリング、図１８のステップＳ１６３：受信装置－中継機－送信装置ペアリング、図２０のステップＳ１７３：受信装置－中継機－送信装置ペアリング）。この実施形態では、第１実施形態および第２実施形態の場合と異なり、先に中継機と受信装置との間で接続情報が互いに送受信され、次いで、送信装置と中継機との間で接続情報が互いに送受信される。

　第３実施形態の無線通信システム３０１の受信装置－中継機－送信装置ペアリングについて、受信装置、中継機および送信装置がそれぞれ受信機２、中継機４および送信機３である場合を例に挙げて詳細に説明する。前述のように、無線通信すべき通信機として互いを登録している状態において、受信機２と送信機３との間の無線通信の品質が低下すると、送信機３の制御部３３の通信品質低下フラグ３９Ａがオンになり、受信機２の制御部２３の第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになる。送信機３の通信品質低下フラグ３９Ａがオンになると、送信機３は、第２送信機ペアリングモードになる。受信機２の第１通信品質低下フラグ２９Ａがオンになると、受信機２は、第２受信機ペアリングモードになる。この状態において、作業者は、中継装置としての中継機４を受信機２および送信機３の双方と良好に通信可能な位置に配置し、中継機４の電源をオンすると、中継機４と無線通信すべき受信装置および送信装置の一方または両方が未登録の場合に、中継機４は、中継機ペアリングモードになる。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、第２受信機ペアリングモード中の受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）との間で情報を送受信するための第２中継機ペアリング処理と、第２送信機ペアリングモード中の送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との間で情報を送受信するための第１中継機ペアリング処理とを実行する。

　まず、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを実現するための、受信機２の第２受信機ペアリングモードおよび中継機４の第２中継機ペアリング処理についてそれぞれ説明する。

　受信機２の第２受信機ペアリングモードは、第１実施形態の場合と同じである。そのため、受信機２の第２受信機ペアリングモードにおける処理の流れを、図１５Ａおよび図１５Ｂを参照しながら説明する。

　第２受信機ペアリングモード中において、受信機２の制御部２３は、無線通信すべき中継機（中継装置）を検索する（第２中継装置検索ステップ、図１５ＡのステップＳ９１）。この場合、受信機２の制御部２３は、受信機２と通信可能な範囲にある通信機を検知し、その通信機に、受信機２自身の接続情報（受信装置接続情報）を送信する（図１５ＡのステップＳ９２，Ｓ９３）。受信機２から送信される接続情報は、受信機２自身のアドレス情報、受信機２自身に付与されているグループＩＤ、受信機２自身の通信種別および受信機２に接続先として登録済みの送信装置のアドレス情報である。

　受信機２の制御部２３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図１５ＡのステップＳ９４）。受信機２の制御部２３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致し（図１５ＡのステップＳ９５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「中継」である場合（図１５ＡのステップＳ９６でＹＥＳ）、その通信機のアドレス情報を、受信機２の情報メモリ２４のエリアＥ２６に仮に記憶する。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき中継機として、受信機２に仮登録される（図１５ＡのステップＳ９７）。検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、受信機２自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図１５ＡのステップＳ９５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」以外である場合（図１５ＡのステップＳ９６でＮＯ）には、受信機２の制御部２３は、無線接続すべき中継機４を再検索する（図１５ＡのステップＳ９１）。第２受信機ペアリングモードにおける以降の処理については、後述する。

　中継機４の第２中継機ペアリング処理は、第１実施形態の場合と同じである。そのため、中継機４の第２中継機ペアリング処理における処理の流れを、図１６を参照しながら説明する。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、無線接続すべき受信装置（受信機または中継受信機）を検索する（受信装置検索ステップ、図１６のステップＳ１１１）。この場合、中継機４の制御部４３は、中継機４と通信可能な範囲にあるペアリングモード中の通信機を検知し、その通信機に、中継機４自身の接続情報を送信する（図１６のステップＳ１１２，Ｓ１１３）。

　中継機４の制御部４３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図１６のステップＳ１１４）。中継機４が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、その通信機に付与されているグループＩＤ、その通信機の通信種別およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報である。検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致し（図１６のステップＳ１１５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「受信」または「中継受信」である場合（図１６のステップＳ１１６でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機を、無線通信すべき受信装置として中継機４に仮登録する（図１６のステップＳ１１７）。具体的には、検知した通信機のアドレス情報およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が、それぞれ、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３８，Ｅ３９に記憶される。これにより、第２中継機ペアリング処理が終了する。検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図１６のステップＳ１１５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「送信」および「中継送信」以外である場合（図１６のステップＳ１１６でＮＯ）には、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき受信装置を再検索する（図１６のステップＳ１１１）。

　次に、受信装置－中継機－送信装置ペアリングを実現するための、送信機３の第２送信機ペアリングモードおよび中継機４の第１中継機ペアリング処理についてそれぞれ説明する。中継機４の第１中継機ペアリング処理は、第１実施形態の場合と同様、第２受信機ペアリングモード中の送信装置（送信機３または中継送信機４Ｆ）との間で情報を送受信するための処理である。

　図３１および図３２は、この発明の第３実施形態に係る無線通信システム３０１に含まれる送信機３の第２送信機ペアリングモードにおける処理の流れを説明するための流れ図である。第２送信機ペアリングモード中において、送信機３の制御部３３は、無線通信すべき中継機（中継装置）を検索する（第１中継装置検索ステップ、図３１のステップＳ３０１）。この場合、送信機３と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（送信機、受信機または中継機）があると（図３１のステップＳ３０２でＹＥＳ）、送信機３は、この通信機を検索により検知する。ペアリングモード中の通信機を検索により検知すると、送信機３の制御部３３は、検索により検知した通信機に、送信機３自身の接続情報（送信装置接続情報）を送信する（図３１のステップＳ３０３）。送信機３から送信される接続情報は、送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２１～Ｅ２３に記憶されている情報、すなわち、送信機３自身のアドレス情報、送信機３自身に付与されているグループＩＤおよび送信機３自身の通信種別である。このとき、送信機３は、通信種別として「送信」を送る。

　送信機３の制御部３３は、検索した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図３１のステップＳ３０４）。送信機３が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、検知した通信機に付与されているグループＩＤ、検知した通信機の通信種別である。また、第３実施形態では、送信機３が受け取る接続情報は、図１６のステップＳ１１４において、中継機４の制御部４３が受け取った、検知した通信機（受信装置）のアドレス情報、および検知した通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機（送信装置）のアドレス情報を含む。

　そして、送信機３の制御部３３は、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致し（図３１のステップＳ３０５でＹＥＳ）、かつ検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」である場合（図３１のステップＳ３０６でＹＥＳ）、検知した通信機のアドレス情報、検知した通信機から受け取った、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）のアドレス情報、および検知した通信機から受け取った、受信装置（受信機２または中継受信機４Ｅ）に接続先として登録済みの送信装置のアドレス情報を、それぞれ送信機３の情報メモリ３４のエリアＥ２６、エリアＥ２８およびエリアＥ２９に仮に記憶する。これにより、検知した通信機が、無線通信すべき中継機として、送信機３に仮登録される（図３１のステップＳ３０７）。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、送信機３自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（図３１のステップＳ３０５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「中継」以外である場合（図３１のステップＳ３０６でＮＯ）には、送信機３の制御部３３は、無線接続すべき中継機４を再検索する（図３１のステップＳ３０１）。第２受信機ペアリングモードにおける以降の処理については、後述する。

　図３３および図３４は、この発明の第３実施形態に係る無線通信システムに含まれる中継機４の第１中継機ペアリング処理の流れを説明するための流れ図である。中継機ペアリングモード中において、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき送信装置（送信機または中継送信機）を検索する（送信装置検索ステップ、図３３のステップＳ３２１）。この場合、中継機４と通信可能な範囲に、ペアリングモード中の通信機（送信機、受信機または中継機）があると（図３３のステップＳ３２２でＹＥＳ）、中継機４は、この通信機を検知する。ペアリングモード中の通信機を検知すると、中継機４の制御部４３は、検知した通信機に、中継機４自身の接続情報を送信する（図３３のステップＳ３２３）。中継機４から送信される接続情報は、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３１～Ｅ３３，Ｅ３８，Ｅ３９に記憶されている情報、すなわち、中継機４自身のアドレス情報、中継機４自身に付与されているグループＩＤ、中継機４自身の通信種別、中継機４の制御部４３が受け取った、受信機２のアドレス情報、および中継機４の制御部４３が受け取った、受信機２に接続先として登録済みの送信装置のアドレス情報である。

　中継機４の制御部４３は、検知した通信機から当該通信機の接続情報を受け取る（図３３のステップＳ３２４）。中継機４が受け取る接続情報は、検知した通信機のアドレス情報、その通信機に付与されているグループＩＤ、その通信機の通信種別およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報である。

　そして、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致し（図３３のステップＳ３２５でＹＥＳ）、かつその通信機から受け取った通信種別が「送信」または「中継送信」である場合（ステップＳ３２６でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、その通信機を、無線通信すべき送信装置として中継機４に仮登録する（図３３のステップＳ３２７）。具体的には、その通信機のアドレス情報、およびその通信機に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報が、それぞれ、中継機４の情報メモリ４４のエリアＥ３６，Ｅ３７に記憶される。これにより、第１中継機ペアリング処理が終了する。

　一方、検知した通信機から受け取ったグループＩＤが、中継機４自身に付与されているグループＩＤと一致しない場合（ステップＳ３２５でＮＯ）、および検知した通信機から受け取った通信種別が「受信」および「中継受信」以外である場合（ステップＳ３２６でＮＯ）には、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４にアドレス情報を記憶することなく、無線通信すべき送信装置を再検索する（ステップＳ３２１）。

　第１中継機ペアリング処理における以降の処理については、後述する。

　図３２に戻り、送信機３の制御部３３は、自機のアドレス情報と、図３１のステップＳ３０４において通信機（中継機）から受け取った、通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機（送信装置）のアドレス情報とが一致しているか否かを調べる（照合する。図３２のステップＳ３０８）。具体的には、送信機３の制御部３３は、情報メモリ３４のエリアＥ２１，Ｅ２９に記憶されているアドレス情報が、互いに同じであるか否かを調べる（判定ステップ）。

　また、送信機３の制御部３３は、図３１のステップＳ３０４において通信機（中継装置）から受け取った通信機（受信装置）のアドレス情報と、自機に接続先として登録済みの通信機（受信装置）のアドレス情報とが、一致しているか否かを調べる（照合する。図３２のステップＳ３０９）。具体的には、送信機３の制御部３３は、情報メモリ３４のエリアＥ２４，Ｅ２８に記憶されているアドレス情報が、互いに同じであるか否かを調べる（判定ステップ）。

　これらの２組のアドレス情報がいずれも一致している場合（図３２のステップＳ３０８でＹＥＳ、かつステップＳ３０９でＹＥＳ）には、送信機３の制御部３３は、接続成功通知を中継機４に送信する（図３２のステップＳ３１１）。具体的には、情報メモリ３４のエリアＥ２８およびエリアＥ２９に記憶されていた情報をクリアし（図３２のステップＳ３１０）、かつ検知された通信機（中継機）に、接続通知として接続成功通知を送信する（図３２のステップＳ３１１）。

　そして、送信機３への通信機（中継機）の仮登録が正式登録に切り換えられる。具体的には、送信機３の制御部３３は、情報メモリ３４のエリアＥ２６に記憶されていた中継機４のアドレス情報をエリアＥ２５に記憶する。エリアＥ２６に記憶されていた情報はクリアしてもよい。これにより、第２送信機ペアリングモードが終了し、送信機３は、第２送信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。

　一方、前記の２組のアドレス情報の組合せの一方または両方が一致していない場合（図３２のステップＳ３０８でＮＯまたはステップＳ３０９でＮＯ）は、中継機４の制御部４３は、情報メモリ３４のエリアＥ２６、エリアＥ２８およびエリアＥ２９に記憶されていた情報をクリアし（図３２のステップＳ３１２）、かつ検知された通信機（中継機）に、接続通知として接続失敗通知を送信する（図３２のステップＳ３１３）。

　次に、接続通知を受け取った中継機４で行われる処理について、図３４を参照して説明する。中継機４の制御部４３は、検知された送信機３から受け取った接続通知が接続失敗通知である場合には（図３４のステップＳ３２８でＹＥＳ、ステップＳ３２９でＮＯ）、中継機４の制御部４３は、検知された通信機（受信装置）に、接続通知として接続失敗通知を送信する（図３４のステップＳ３３２）。また、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４のエリアＥ３６～Ｅ３９に記憶されている情報をクリアし、中継機４から通信機（受信装置および送信装置）の仮登録を消す（図３４のステップＳ３３３）。その後、中継機４の制御部４３は、無線通信すべき中継機を再検索する（図３３のステップＳ３２１）。

　一方、検知された送信機３から受け取った接続通知が接続成功通知である場合には（図３４のステップＳ３２８でＹＥＳ、ステップＳ３２９でＹＥＳ）、中継機４の制御部４３は、検索により検知した通信機の中継機４への登録を、仮登録から正式登録に切り換える（図３４のステップＳ３３１）。具体的には、中継機４の制御部４３は、検知された通信機（受信装置）に、接続通知として接続成功通知を送信する（図３４のステップＳ３３０）。また、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４のエリアＥ３６に記憶されている通信機（送信装置）のアドレス情報をエリアＥ３４に記憶する。エリアＥ３６およびエリアＥ３７に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、中継機４に仮登録されていた通信機が、無線通信すべき送信装置として中継機４に正式に登録される（図３４のステップＳ３３１）。また、中継機４の制御部４３は、情報メモリ４４のエリアＥ３８に記憶されている通信機（送信装置）のアドレス情報をエリアＥ３５に記憶する。エリアＥ３８およびエリアＥ３９に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、中継機４に仮登録されていた通信機が、無線通信すべき送信装置として中継機４に正式に登録される。これにより、中継機４の中継機ペアリングモードが終了する。

　次に、接続通知を受け取った受信機２で行われる処理について、図１５Ｂを参照して説明する。受信機２の制御部２３は、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続失敗通知である場合には（図１５ＢのステップＳ９８でＹＥＳ、ステップＳ９９でＮＯ）、受信機２の制御部２３は、情報メモリ３４のエリアＥ２６に記憶されている情報をクリアし、受信機２から通信機（中継機）の仮登録を消す（図１５ＢのステップＳ１００）。その後、送信機３の制御部３３は、無線通信すべき中継機４を再検索する（図１５ＡのステップＳ９１）。

　一方、検知された中継機４から受け取った接続通知が接続成功通知である場合（図１５ＢのステップＳ９８でＹＥＳ、ステップＳ９９でＹＥＳ）には、送信機３への通信機（中継機）の仮登録が正式登録に切り換えられる。具体的には、受信機２の制御部２３は、エリアＥ１６に記憶されていた中継機４のアドレス情報をエリアＥ１５に記憶する。エリアＥ１６に記憶されていた情報はクリアされてもよい。これにより、第２受信機ペアリングモードが終了し、受信機２は、第２受信機ペアリングモードから無線通信モードに移行する。

　第２送信機ペアリングモードおよび第２受信機ペアリングモードの終了後、送信機３および受信機２は、それぞれ、無線通信モードに移行する。また、中継機ペアリングモードの終了後、中継機４は中継通信モードに移行する。送信機３、中継機４および受信機２は、第２送信機ペアリングモード、中継機ペアリングモードおよび第２受信機ペアリングモードによって取得した、無線通信すべき通信機のアドレス情報に基づいて、互いに通信を開始する。これにより、送信機３、中継機４および受信機２の間で無線通信が開始される。

　以上により第３実施形態によれば、２つの通信機（送信装置および受信装置）が無線通信先として互いを登録済みであれば、一方の通信機（送信装置）のアドレス情報と、２つの通信機の間の無線通信を中継すべき中継機を介して一方の通信機（送信装置）が受け取る、他方の通信機（受信装置）に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報とが一致する。同様に、２つの通信機（送信装置および受信装置）が無線通信先として互いを登録済みであれば、一方の通信機（送信装置）に接続先として登録済みの通信機のアドレス情報と、２つの通信機の間の無線通信を中継すべき中継機を介して一方の通信機（送信装置）が受け取る、他方の通信機（受信装置）のアドレス情報とが一致する。

　そして、これらアドレス情報の１つの対だけでなく、２つの対の一致を、中継通信モードへの移行の判定要件とするので、２つの通信機（送信装置および受信装置）が無線通信先として互いを予め登録されていることを二重に担保できる。そのため、無線通信させることを意図していない受信装置および送信装置を中継機４が中継してしまうというような中継誤りを、回避できる。

　また、無線通信すべき送信機３、受信機２および中継機４に、同一のグループＩＤが予め付与されている。そして、中継機ペアリングモードにおいて、検索により検知した２つの通信機から受け取ったグループＩＤが中継機４に付与されているグループＩＤに一致している場合に、中継機４は中継通信モードに移行する。これにより、無線通信させることを意図していない送信機３、受信機２および中継機４によって無線通信が開始されることを回避できる。

　また、この実施形態において、アドレス情報の１つの対の一致を中継通信モードへの移行の判定要件としてもよい。具体的には、図３２のステップＳ３０８，Ｓ３０９の２組のアドレス情報のうち１組の一致のみで、中継装置としての中継機４が中継通信モードに移行してもよい。アドレス情報の１つの対の一致のみでも、中継誤りをほぼ確実に回避できる。

　以上、この発明の３つの実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。

　たとえば、中継機４の通信種別を、「中継」、「中継受信」および「中継送信」の３種類として説明したが、３種類ではなく、「中継受信」および「中継送信」の２種類としてもよい。

　この場合、電源オン後の中継機４の通信種別の初期状態は、たとえば「中継受信」である。中継機４の第２受信機ペアリングモードの第２中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８２）において、中継機４の通信種別が「中継送信」に切り換わる。中継機４の第２受信機ペアリングモードの第１中継機ペアリング処理（図１２のステップＳ８１）において、中継機４の通信種別が「中継受信」に切り換わる。中継機４が第２受信機ペアリングモードに移行すると、通信種別が「中継受信」に切り換わる。中継機４が第２送信機ペアリングモードに移行すると、通信種別が「中継送信」に切り換わる。

　また、無線通信する受信機２、中継機４および送信機３に付与されるグループＩＤが、機器ベンダーの特定の機器に共通に付与されるＩＤ、たとえば「AAA」であってもよい。この場合、同じ機器ベンダーの特定の機器に共通に付与されるＩＤである「AAB」とは区別される。また、グループＩＤが、機器ベンダーの名称等を示すものであってもよい。この場合、同じ機器ベンダーの機器には、共通のグループＩＤが付与される。

　また、グループＩＤが、機器ベンダーの特定の機器に共通に付与されたり、同じ機器ベンダーの機器に共通に付与されたりする場合には、通信機の検索（図１４のステップＳ１４１、図１６のステップＳ１１１、図２７のステップＳ２２１および図３３のステップＳ３２１）においてグループＩＤが一致する通信機のみを、中継機４の制御部４３が検索により検知するようにしてもよい。

　また、受信装置－中継機－送信装置ペアリング（図６のステップＳ５、図１８のステップＳ１６３、図２０のステップＳ１７３等）において、交換する接続情報にグループＩＤが含まれていなくてもよい。すなわち、互いのグループＩＤが一致することを、受信装置－中継機－送信装置ペアリングにおいて、接続情報交換の条件としなくてもよい。

　一方、受信機－送信機ペアリング（図６のステップＳ２）では、交換する接続情報にグループＩＤが含まれていることが望ましい。すなわち、互いのグループＩＤが一致することを、受信機－送信機ペアリング（図６のステップＳ２）において、接続情報交換の条件とすることが好ましい。１つの受信機２が複数の送信機３との同時に接続されたり、複数の受信機２と１つの送信機３との同時に接続されたりすることを確実に回避するためである。

　また、情報メモリ２４，３４，４４において、情報を仮に記憶しておくための情報仮記憶領域（図３および図２３のエリアＥ１６，Ｅ１８，Ｅ１９、図４および図２９のエリアＥ２６，Ｅ２８，Ｅ２９、ならびに図５のエリアＥ３６～Ｅ３９）を廃止してもよい。この場合、仮記憶領域に仮記憶されていた情報は、記憶用の記憶領域（図３および図２３のエリアＥ１１～Ｅ１５、図４および図２９のエリアＥ２１～Ｅ２５、ならびに図５のＥ１３１～Ｅ３５）のうち対応する記憶領域に直接書き込まれ、その後、必要に応じてクリアされてもよい。

　また、無線通信システム１，２０１，３０１を、生産システム１０に適用した場合について説明したが、無線通信システム１，２０１，３０１を、それ以外のシステムに適用することもできる。

　その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。

　本出願は、２０２２年１１月２８日に日本国特許庁に提出された特願２０２２－１８８９６８号に対応しており、この出願の全開示はここに引用により組み込まれる。

１　　　　：無線通信システム
２　　　　：受信機
３　　　　：送信機
４　　　　：中継機（中継装置）
４Ｄ　　　：中継機（中継装置）
４Ｅ　　　：中継受信機（受信装置）
４Ｆ　　　：中継送信機（送信装置）
１１　　　：生産装置
１２　　　：報知装置
２３　　　：制御部（受信装置制御部）
３３　　　：制御部（送信装置制御部）
４３　　　：制御部（中継装置制御部、受信装置制御部、送信装置制御部）
２０１　　：無線通信システム
３０１　　：無線通信システム

Claims

　無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置と、
　前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置と、を含む無線通信システムであって、
　前記送信装置は、ペアリングモード中において中継装置を検索する第１中継装置検索ステップを実行する送信装置制御部を含み、
　前記受信装置は、ペアリングモード中において中継装置を検索する第２中継装置検索ステップを実行する受信装置制御部を含み、
　前記送信装置制御部および前記受信装置制御部は、前記検索により検知した前記中継装置に、前記送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を送信するステップ、および前記検索により検知した前記中継装置に、前記受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を送信するステップの少なくとも一方を実行し、
　前記中継装置は、
　ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置から、当該受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を受け取る受信装置検索ステップと、
　前記ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置から、当該送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を受け取る送信装置検索ステップとを実行する、中継装置制御部を含み、
　前記受信装置制御部、前記送信装置制御部および前記中継装置制御部の一つは、前記中継装置が前記ペアリングモードから、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継通信モードに移行するか否かを、前記受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報および前記送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報の少なくとも一方に基づいて判定する判定ステップを実行する、無線通信システム。
　前記中継装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記中継通信モードに移行するか否かを、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置アドレス情報と前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先受信装置アドレス情報との照合、および前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置アドレス情報と前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先送信装置アドレス情報との照合の少なくとも一方に基づいて判定する、請求項１に記載の無線通信システム。
　前記中継装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置アドレス情報と、前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先受信装置アドレス情報とが一致し、かつ前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置アドレス情報と、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先送信装置アドレス情報とが一致したときに前記中継通信モードに移行すると判定し、
　前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置アドレス情報と、前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先受信装置アドレス情報とが一致せず、または、前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置アドレス情報と、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記接続先送信装置アドレス情報とが一致しないときに、前記中継通信モードに移行しないと判定する、請求項２に記載の無線通信システム。
　前記受信装置接続情報および前記送信装置接続情報は、それぞれ前記受信装置および前記送信装置に付与されているグループ識別情報を含み、
　前記中継装置制御部は、前記検知した前記受信装置から前記中継装置が受け取った前記受信装置接続情報に含まれるグループ識別情報が前記中継装置に付与されているグループ識別情報に一致しないとき、または前記検知した前記送信装置から前記中継装置が受け取った前記送信装置接続情報に含まれるグループ識別情報が前記中継装置に付与されているグループ識別情報に一致しないときに、前記判定ステップにおいて前記中継通信モードに移行しないと判定する、請求項３に記載の無線通信システム。
　前記中継装置制御部は、
　前記受信装置検索ステップにおいて、検索により検知した前記受信装置に、前記送信装置検索ステップにより検知した前記送信装置から受け取った送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報および前記接続先受信装置アドレス情報の一方または両方を送信するステップを実行し、
　前記受信装置制御部は、前記第２中継装置検索ステップにより検知した前記中継装置から、前記送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報および前記接続先受信装置アドレス情報の両方または一方を受け取るステップを実行し、
　前記受信装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記中継装置が前記ペアリングモードから前記中継通信モードに移行するか否かを、前記受信装置の前記受信装置アドレス情報と、前記送信装置接続情報に含まれている前記接続先受信装置アドレス情報との照合、および前記受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報と、前記送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報との照合の少なくとも一方に基づいて判定する、請求項１に記載の無線通信システム。
　前記中継装置制御部は、
　前記送信装置検索ステップにおいて、検索により検知した前記送信装置に、前記受信装置検索ステップにより検知した前記受信装置から受け取った受信装置接続情報に含まれている前記受信装置アドレス情報および前記接続先送信装置アドレス情報の一方または両方を送信するステップを実行し、
　前記送信装置制御部は、前記第１中継装置検索ステップにより検知した前記中継装置から、前記受信装置接続情報に含まれている前記受信装置アドレス情報および前記接続先送信装置アドレス情報の一方または両方を受け取るステップを実行し、
　前記送信装置制御部は、前記判定ステップにおいて、前記中継装置が前記ペアリングモードから前記中継通信モードに移行するか否かを、前記送信装置の前記送信装置アドレス情報と、前記受信装置接続情報に含まれている前記接続先送信装置アドレス情報との照合、および前記送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報と、前記受信装置接続情報に含まれている前記受信装置アドレス情報との照合の少なくとも一方に基づいて判定する、請求項１に記載の無線通信システム。
　前記中継装置の電源オン時において、通信を中継すべき受信装置および送信装置の一方または両方が未登録のとき、前記中継装置は前記ペアリングモードとなる、請求項１～６のいずれか一項に記載の無線通信システム。
　前記受信装置は、前記送信装置との間の無線通信の不良が発生したときに、前記ペアリングモードとなり、
　前記送信装置は、前記受信装置との間の無線通信の不良が発生したときに、前記ペアリングモードとなる、請求項１～７のいずれか一項に記載の無線通信システム。
　前記送信装置が、送信機または他の中継機である、請求項１～８のいずれか一項に記載の無線通信システム。
　前記受信装置が、受信機または他の中継機である、請求項１～９のいずれか一項に記載の無線通信システム。
　前記送信機が、生産装置に接続されている、請求項９に記載の無線通信システム。
　前記受信機が、報知装置に接続されている、請求項１０に記載の無線通信システム。
　無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置に接続されて、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置であって、
　ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置から、当該受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報と当該受信装置に接続先として登録済みの前記送信装置のアドレス情報である接続先送信装置アドレス情報とを含む受信装置接続情報を受け取る受信装置検索ステップと、
　前記ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置から、当該送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報と当該送信装置に接続先として登録済みの前記受信装置のアドレス情報である接続先受信装置アドレス情報とを含む送信装置接続情報を受け取る送信装置検索ステップと、
　前記ペアリングモードから、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継通信モードに移行するか否かを、前記検知した前記受信装置から受け取った前記受信装置アドレス情報、前記検知した前記送信装置から受け取った前記接続先受信装置アドレス情報、前記検知した前記送信装置から受け取った前記送信装置アドレス情報、および前記検知した前記受信装置から受け取った前記接続先送信装置アドレス情報に基づいて判定する判定ステップとを実行する、制御部を含む、中継装置。
　無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置に接続されて、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置であって、
　ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置から、当該送信装置のアドレス情報である送信装置アドレス情報を含む送信装置接続情報を受け取る送信装置検索ステップと、
　前記ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置に、前記検索により検知した前記送信装置から受け取った前記送信装置接続情報に含まれている前記送信装置アドレス情報を送信する受信装置検索ステップとを実行する、制御部を含む、中継装置。
　無線通信先として互いを予め登録している送信装置および受信装置に接続されて、前記受信装置と前記送信装置との無線通信を中継する中継装置であって、
　ペアリングモード中において、受信装置を検索し、前記検索により検知した前記受信装置から、当該受信装置のアドレス情報である受信装置アドレス情報を含む受信装置接続情報を受け取る受信装置検索ステップと、
　前記ペアリングモード中において、送信装置を検索し、前記検索により検知した前記送信装置に、前記検索により検知した前記受信装置から受け取った前記受信装置接続情報に含まれていた前記受信装置アドレス情報を送信する送信装置検索ステップとを実行する、制御部を含む、中継装置。