WO2024111017A1 - スワッピング式シェアドバッテリ充電設備 - Google Patents

Abstract

バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させる。本発明のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリを収容して充電することが可能な複数のスロットを有し、使用されたシェアドバッテリの空きスロットへの受け入れと、充電されたシェアドバッテリのスロットからの取出し許可とを、対として実施する。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力の受け入れ及びプラグイン式車両用共用型急速充電設備との通信が可能であるように、急速充電規格に準拠してプラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続される急速充電規格受電部と、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から、急速充電規格受電部を介して供給された電力で、スロットに収容された前記シェアドバッテリを、バッテリシェアリングサービスに供されるように充電することにより、バッテリスワッピングを可能とする、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部とを備える。

Description

スワッピング式シェアドバッテリ充電設備

　本発明は、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備に関する。

　近年、自動車と同じように、自動二輪車等の鞍乗型車両においても、電動二輪車及びハイブリッド電動二輪車等の、電力により走行する電動の鞍乗型車両の開発が進んでいる。電動の鞍乗型車両として、着脱可能なバッテリを有するよう構成された鞍乗型車両も考えられている。電動の鞍乗型車両のバッテリを着脱可能にすることにより、充電量の少なくなった電動の鞍乗型車両のバッテリを取り外し、充電済みのバッテリと交換して電動の鞍乗型車両に取り付けることができる。

　交換可能なバッテリを複数のユーザが共有するシェアドバッテリ（ｓｈａｒｅｄ　ｂａｔｔｅｒｙ）として使用する、バッテリシェアリングサービスが提案されている（例えば非特許文献１）。バッテリシェアリングサービスのサービス提供元（管理者）は、複数のユーザがシェアするシェアドバッテリを提供する。バッテリシェアリングサービスでは、例えば、ユーザの一人がシェアドバッテリを使用する場合に、そのユーザはサービス提供元から充電されたシェアドバッテリを借りる。使用されて充電量が減少したシェアドバッテリは、使用したユーザによりサービス提供元に返却される。サービス提供元に返却されたシェアドバッテリは再度充電されてそのユーザまたは他のユーザに貸し出される。このようなシェアドバッテリを収容してストックし、収容時に充電を行うことができるシェアドバッテリ充電設備が提案されている（例えば特許文献１）。

　特許文献１に記載のシェアドバッテリ充電設備は、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリを収容して充電することが可能な複数のスロットを有している。シェアドバッテリ充電設備では、使用されたシェアドバッテリの空きスロットへの受け入れと、充電されたシェアドバッテリのスロットからの取出し許可とを、対として実施することができるように構成される。これにより、シェアドバッテリ充電設備では、放電されたユーザの使用済みシェアドバッテリと、シェアドバッテリ充電設備に収容された充電済みシェアドバッテリとを交換するバッテリスワッピング（ｂａｔｔｅｒｙ　ｓｗａｐｐｉｎｇ）が可能になる。シェアドバッテリ充電設備には、商用電源から充電用の電力が供給される。
　このようなバッテリスワッピングを可能にするスワッピング式シェアドバッテリ充電設備で充電可能なシェアドバッテリは、電動の鞍乗型車両に限られず、例えば小型電気自動車等のビークル、さらには様々な電気装置に使用されてもよい。シェアドバッテリ充電設備では、ユーザの放電されたシェアドバッテリと、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備にて充電されたシェアドバッテリとが手軽に交換でき、ユーザ自身がシェアドバッテリを充電する時間も抑制できる。

出願公開第２０２２－０１６９８３号公報

株式会社Ｇａｃｈａｃｏ（ガチャコ），"バッテリをガチャっと交換。Ｇａｃｈａｃｏ"，［online］，２０２２年３月３０日、ＥＮＥＯＳグループ，［２０２２年９月７日検索］，インターネット　＜URL:https://gachaco.co.jp/＞

　このようなスワッピング式シェアドバッテリ充電設備が普及することにより、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備のインフラを創出できる。従って、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備の普及が求められる。
　本発明の目的は、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることである。

　自動車の電動化の波により、ガソリンスタンドや駐車場等のパブリックスペースで自動車を急速充電可能なプラグイン式車両用共用型急速充電設備を設置した急速充電ステーションが増加傾向にある。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、バッテリとバッテリ充電用の受電部とが設けられたプラグイン式電動車両に、直接急速充電を行うことができるように構成される。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、国際標準の急速充電規格に準拠したプラグイン式電動車両と通信して電力を供給することにより、プラグイン式電動車両の急速充電を行うことができる。

　本発明者は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備を利用して、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備を普及させることを検討した。具体的には、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備に、急速充電規格受電部とスワッピング式シェアドバッテリ充電制御部とを設ける。急速充電規格受電部は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力の受け入れ及びプラグイン式車両用共用型急速充電設備との通信が可能であるように、急速充電規格に準拠してプラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続される。スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から、急速充電規格受電部を介して供給された電力で、スロットに収容されたシェアドバッテリを、バッテリシェアリングサービスに供されるように充電する。これにより、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、バッテリスワッピングを可能とする。

　スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続され、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から供給された電力で、スロットに収容されたシェアドバッテリを充電することができる。つまり、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備が出力する電力を利用してスロットに収容されたシェアドバッテリを充電することができる。この場合、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、シェアドバッテリの充電のための大電力の商用電源と接続されなくてもシェアドバッテリを充電することができる。従って、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備が既に設置されている場所であれば、例えば大電力の商用電源といったシェアドバッテリの充電のための独自の商用電源の引込工事をしなくても設置することができる。この結果、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、例えば、シェアドバッテリの充電のための独自の商用電源の引込工事を行なう場合と比べて、容易に設置することができる。

　また、プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、プラグイン式車両が充電時に駐車する駐車スペースに近接して設けられることが可能である。例えば、上記の通り構成したスワッピング式シェアドバッテリ充電設備が、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の周囲に設けられる場合、例えば、バッテリスワッピングに供されるシェアドバッテリを搭載又は運搬している車両は、このシェアドバッテリのスワッピング時に上記の駐車スペースを利用できる。

　従って、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備を上記のように構成することにより、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。即ち、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、シェアドバッテリの充電設備をより広く普及させるための新たな手段を提供することが可能である。

　以上の目的を達成するために、本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、次の構成を備える。
　（１）　バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリを収容して充電することが可能な複数のスロットを有し、使用されたシェアドバッテリの空きスロットへの受け入れと、充電されたシェアドバッテリのスロットからの取出し許可とを、対として実施することにより、バッテリスワッピングを可能とするように構成されたスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の特徴を有する：
　プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力の受け入れ及び前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備との通信が可能であるように、急速充電規格に準拠して前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続される急速充電規格受電部と、
　前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から、前記急速充電規格受電部を介して供給された電力で、前記スロットに収容された前記シェアドバッテリを、前記バッテリシェアリングサービスに供されるように充電することにより、前記バッテリスワッピングを可能とする、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部と
を備える。

　（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、急速充電規格受電部とスワッピング式シェアドバッテリ充電制御部とを備える。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリを収容して充電することが可能な複数のスロットを有する。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、使用されたシェアドバッテリの空きスロットへの受け入れと、充電されたシェアドバッテリのスロットからの取出し許可とを、対として実施する。これにより、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、バッテリスワッピングを可能とするように構成される。
　急速充電規格受電部は、共用型プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力の受け入れ及びプラグイン式車両用共用型急速充電設備との通信が可能であるように、急速充電規格に準拠してプラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続される。
　スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から、急速充電規格受電部を介して供給された電力で、スロットに収容されたシェアドバッテリを、バッテリシェアリングサービスに供されるように充電する。これにより、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、バッテリスワッピングを可能とする。

　（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続され、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から供給された電力で、スロットに収容されたシェアドバッテリを充電することができる。つまり、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備が出力する電力を利用してスロットに収容されたシェアドバッテリを充電することができる。このため、（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、シェアドバッテリの充電のための大電力の商用電源と接続されなくてもシェアドバッテリを充電することができる。従って、（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備が既に設置されている場所であれば、例えば大電力の商用電源といったシェアドバッテリの充電のための商用電源の引込工事をしなくても設置することができる。従って、（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、例えば、シェアドバッテリの充電のための独自の商用電源の引込工事を行なう場合と比べて、容易に設置することができる。

　また、（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続される急速充電規格受電部を備えており、プラグイン式車両が充電時に駐車する駐車スペースに近接して設置されることが可能である。例えば、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の周囲に（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備が設置される場合、例えば、バッテリスワッピングに供されるシェアドバッテリを搭載又は運搬する車両が、このシェアドバッテリのスワッピングの時に上記の駐車スペースを利用できる。

　従って、（１）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備によれば、バッテリシェアサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の構成を採用できる。
　（２）　（１）に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、前記急速充電規格受電部を介して前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備と通信することにより、前記急速充電規格受電部を介して、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記シェアドバッテリを充電するための電力を受け入れる制御を行うように構成されている。

　（２）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備では、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部が、急速充電規格受電部を介して、プラグイン式車両用共用型急速充電設備と通信する。これにより、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、急速充電規格受電部を介してプラグイン式車両用共用型急速充電設備からシェアドバッテリを充電するための電力の供給を受け入れる制御を行う。従って、（２）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、より多くの種類の既存のプラグイン式車両用共用型急速充電設備を利用することができる。これにより、（２）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備をより普及させることができる。

　本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の構成を採用できる。
　（３）　（１）又は（２）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記急速充電規格受電部は、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備に設けられ且つ前記急速充電規格に準拠した充電プラグの取り外し及び取り付けが可能であるように構成され、
前記取り外しとは、前記充電プラグがプラグイン式電動車両への急速充電に用いられる時に当該プラグイン式電動車両へ接続されるために前記急速充電規格受電部から取り外されることをいい、
前記取り付けとは、前記充電プラグが前記プラグイン式電動車両への急速充電に用いられない時に、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備と前記急速充電規格受電部とが電気的に接続されるように前記急速充電規格受電部に取り付けられることをいう。

　（３）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備では、急速充電規格受電部は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の充電プラグの取り外し及び取り付けが可能であるように構成されている。プラグイン式電動車両が充電される時は、充電プラグがスワッピング式シェアドバッテリ充電設備の急速充電規格受電部から取り外されてプラグイン式電動車両に接続される。これに対し、プラグイン式電動車両が充電されない時は、充電プラグがスワッピング式シェアドバッテリ充電設備の急速充電規格受電部に取り付けられる。つまり、充電プラグがスワッピング式シェアドバッテリ充電設備に戻される。従って、プラグイン式電動車両の充電は、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備を介さずプラグイン式車両用共用型急速充電設備単独で実施でき、プラグイン式電動車両が充電されない時は、シェアドバッテリが充電される。従って、プラグイン式電動車両の充電を行わない時間が有効に活用される。従って、（３）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、既存のプラグイン式車両用共用型急速充電設備を活かし、プラグイン式電動車両に加え、シェアドバッテリも充電することが可能となる。これにより、（３）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の構成を採用できる。
　（４）　（１）又は（２）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記急速充電規格受電部は、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備に設けられ且つ前記急速充電規格に準拠した充電プラグが接続されるように構成され、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式電動車両に接続可能であり且つ前記急速充電規格に準拠した拡張充電プラグを更に備える。

　（４）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、拡張充電プラグを備える。拡張充電プラグは、プラグイン式電動車両に接続可能である。拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続された時に、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から急速充電規格受電部を介して供給される電力は、拡張充電プラグを通じてプラグイン式電動車両に供給される。これに対し、プラグイン式電動車両が充電されない時、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から供給される電力は、充電プラグと接続された急速充電規格受電部を介してシェアドバッテリに供給される。プラグイン式電動車両が充電される時は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の電力が使用でき、プラグイン式電動車両が充電されない時は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の電力をシェアドバッテリの充電に使用できる。従って、プラグイン式電動車両の充電を行わない時間が有効に活用される。従って、（４）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、既存のプラグイン式車両用共用型急速充電設備を活かし、プラグイン式電動車両に加え、シェアドバッテリも充電することが可能となる。これにより、（４）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。なお、（１）又は（２）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、（３）又は（４）の構成を有するように構成されてもよい。

　本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の構成を採用できる。
　（５）　（４）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記急速充電規格受電部は、前記充電プラグが、ユーザによる当該充電プラグの取り外しが防止又は抑制可能な態様で接続されるように構成されている。

　（５）　充電プラグは、ユーザによる充電プラグの取り外しが防止又は抑制可能であるように構成されている。従って、ユーザに、プラグイン式電動車両への充電に充電プラグを用いるのではなく、拡張充電プラグを用いるように促すことが可能になる。これにより、（５）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備をより効果的に普及させることができる。なお、ユーザによる当該充電プラグの取り外しが防止又は抑制可能な態様としては、特に限定されず、例えば、以下の態様が挙げられる。
　充電プラグの急速充電規格受電部からの取り外しを禁止するための機構（例えば、ロック機構）が設けられた態様、
　充電プラグが接続される急速充電規格受電部がユーザから視認されない又は視認され難い位置に設けられた態様、及び、
　急速充電規格受電部と充電プラグとの接続部分がユーザからアクセスされない又はアクセスされ難いように覆うための部材（カバー部材）が設けられた態様。

　本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の構成を採用できる。
　（６）　（４）又は（５）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、前記拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続された時に、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記急速充電規格受電部を介して供給される電力を、前記シェアドバッテリを介さず前記拡張充電プラグを通じて前記プラグイン式電動車両に供給するように構成されている。

　（６）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備によれば、プラグイン式電動車両への充電は、シェアドバッテリを介さずに実施される。比較的簡単な構成により、バッテリスワッピングと、プラグイン式電動車両への充電とが、同一設備で実現可能となる。より効率良くシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　本発明の一つの観点によれば、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の構成を採用できる。
　（７）　（４）から（６）の何れか１つのスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、前記拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続された時に、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記急速充電規格受電部を介して前記シェアドバッテリを介さず供給される電力に加えて、前記シェアドバッテリから放電される電力を、前記拡張充電プラグを介して、前記プラグイン式電動車両に供給するように構成されている。

　（７）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備では、拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続された時に、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から供給される電力に加えて、シェアドバッテリから放電される電力がプラグイン式電動車両に供給される。従って、（７）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力とシェアドバッテリからの電力との双方の電力を、プラグイン式電動車両に同時に供給できる。これにより、（７）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備が供給する電力よりも大きい電力を、プラグイン式電動車両に供給することができる。その結果、（７）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式電動車両に対し、プラグイン式車両用共用型急速充電設備による急速充電レートよりも高いレートで急速充電を行うことができる。これにより、（７）のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　本発明の一つの観点によれば、バッテリシェアリングサービスシステムは、以下の構成を採用できる。
　（８）バッテリシェアリングサービスシステムであって、
　前記バッテリシェアリングサービスシステムは、
　（１）から（７）の何れか１つのスワッピング式シェアドバッテリ充電設備と、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備と通信可能なバッテリシェアリングサービス管理サーバとを備え、
　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備の前記スロットから取出された前記シェアドバッテリである提供バッテリを示す管理データ、及び前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記急速充電規格受電部を介して前記提供バッテリに充電された電力量に応じた電力量データを、前記バッテリシェアリングサービス管理サーバに送信し、
　前記バッテリシェアリングサービス管理サーバは、前記提供バッテリの前記管理データを前記電力量データに対応付けて記憶する。

　（８）のバッテリシェアリングサービスシステムは、（１）～（７）の何れか１つのスワッピング式シェアドバッテリ充電設備と、バッテリシェアリングサービス管理サーバを備える。バッテリシェアリングサービス管理サーバは、（１）～（７）の何れか１つのスワッピング式シェアドバッテリ充電設備と通信可能である。（８）のバッテリシェアリングサービスシステムでは、バッテリシェアリングサービスのユーザがスワッピング式シェアドバッテリ充電設備のスロットからシェアドバッテリを取り出す。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、取り出されたシェアドバッテリである提供バッテリを示す管理データ、及び提供バッテリに充電された電力量に応じた電力量データをバッテリシェアリングサービス管理サーバに送信する。ここで、提供バッテリに充電される電力は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備からスワッピング式シェアドバッテリ充電設備の急速充電規格受電部を介して供給される。また、提供バッテリの管理データとしては、特に限定されず、例えば、提供バッテリを充電したスワッピング式シェアドバッテリ充電設備及びスロットの識別データ、提供バッテリの識別データ、若しくは、提供バッテリの取出しを許可したユーザの識別データ、又は、これらのいずれか２種以上の識別データの組合せである。また、電力量データは、例えば電力量を表わすデータ、又は電力量に対する料金を表わすデータであってもよい。バッテリシェアリングサービス管理サーバは、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備から受信した提供バッテリの管理データを電力量データに対応付けて記憶する。バッテリシェアリングサービス管理サーバは、例えば、バッテリシェアリングサービスのユーザに対する課金を管理する機能を担う課金管理サーバであってもよい。

　（８）のバッテリシェアリングサービスシステムのバッテリシェアリングサービス管理サーバは、提供バッテリの管理データを電力量データに対応付けて記憶する。これにより、例えば、バッテリシェアリングサービスの提供元は、バッテリシェアリングサービス管理サーバに記憶された管理データ及び電力量データを基に、バッテリシェアリングサービスの充電料金を計算できる。このように、（８）のバッテリシェアリングサービスシステムによれば、バッテリシェアリングサービスに関するユーザの支払いが、プラグイン式車両用共用型急速充電設備又はそのサービスに対して行われずに、バッテリシェアリングサービスに対して実施可能とすることができるように、提供バッテリの管理データが電力量データに対応付けて記憶される。言い換えると、（８）のバッテリシェアリングサービスシステムによれば、バッテリシェアリングサービスに関するユーザへの課金が、プラグイン式車両用共用型急速充電設備又はそのサービスから独立して、バッテリシェアリングサービスにおいて実施可能であるように、提供バッテリの管理データが電力量データに対応付けて記憶される。その結果、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備がプラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続されることにより、装置としての物理的な接続を有する一方で、バッテリシェアリングサービスに関するユーザへの課金については、バッテリシェアリングサービスシステムと、プラグイン式車両用共用型急速充電設備又はそのサービスとを分離可能とすることができる。従って、（８）のバッテリシェアリングサービスシステムによれば、バッテリシェアリングサービスのユーザに対する効率的な管理、例えば、課金などの管理が可能となり、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　本明細書にて使用される専門用語は特定の実施例のみを定義する目的であって発明を制限する意図を有しない。本明細書にて使用される用語「及び／又は」は一つの、又は複数の関連した列挙された構成物のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える（including）」「含む、備える（comprising）」又は「有する（having）」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び／又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び／又はそれらのグループのうちの１つ又は複数を含むことができる。本明細書中で使用される場合、用語「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」及び／又はそれらの等価物は広く使用され、直接的及び間接的な取り付け、接続及び結合の両方を包含する。更に、「接続された」及び「結合された」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されず、直接的又は間接的な電気的接続又は結合を含むことができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語（技術用語および科学用語を含む）は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。本発明の説明においては、多数の技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の１つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせを全て繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び請求項の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。

　本明細書では、新しいスワッピング式シェアドバッテリ充電設備について説明する。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細無しに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。

　バッテリシェアリングとは、複数のユーザが、バッテリをシェアして使用する仕組みである。個人がそれぞれバッテリを所有する態様はバッテリシェアリングに該当しない。バッテリシェアリングサービスは、複数のユーザがシェアするバッテリを提供するサービスである。バッテリシェアリングサービスに供されるバッテリをシェアドバッテリという。バッテリシェアリングサービスでは、例えば、ユーザの一人がシェアドバッテリを使用する場合に、そのユーザはサービス提供元から充電されたシェアドバッテリを借りる。使用により放電した、即ち、充電量が減少したシェアドバッテリは、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備のスロットへの挿入によってサービス提供元に返却される。サービス提供元に返却されたシェアドバッテリは再度充電されてそのユーザまたは他のユーザに貸し出される。
　バッテリシェアリングサービスの例として、例えば株式会社Ｇａｃｈａｃｏによる「Ｇａｃｈａｃｏ」がある。その他、バッテリシェアリングサービスの例として、例えばＧｏｇｏｒｏ　Ｉｎｃ．による「Ｇｏｇｏｒｏ（登録商標）」がある。

　シェアドバッテリは、電気装置に着脱可能に取り付けられる、充電可能なバッテリである。電気装置に取り付けられたシェアドバッテリは、放電することで電気装置が動作する。シェアドバッテリは、それぞれ同一の標準規格で製造され、様々な電気装置に使用できるように構成される汎用的なバッテリである。シェアドバッテリは、一般的に販売されている乾電池等の交換可能であるが充電不可能な電池とは異なる。例えば電気装置に取り付けられたシェアドバッテリの充電量が少なくなった時、ユーザは、充電量の少ないシェアドバッテリを充電されたシェアドバッテリに交換することができる。この時、ユーザは、充電量の少ないシェアドバッテリを電気装置から取り外すことができる。電気装置には充電されたシェアドバッテリが取り付けられる。これにより、充電されたシェアドバッテリが用意されていれば、シェアドバッテリの充電量が少なくなったとしても、交換により充電されたバッテリが取り付けられるため、シェアドバッテリが取り付けられた状態の電気装置を充電する時間を削減することができる。

　電気装置は、電気で動作する装置である。電気装置は、例えば、ビークル、即ちＥＶ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ）である。ＥＶは、ＢＥＶ（Ｂａｔｔｅｒｙ－ｐｏｗｅｒｅｄ　Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ）であってもよく、内燃機関を有するＨＥＶ（Ｈｙｂｒｉｄ　Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ）であってもよい。電気装置は、例えば、ＰＨＥＶ（Ｐｌｕｇ－ｉｎ　Ｈｙｂｒｉｄ　Ｅｌｅｃｔｒｉｃ　Ｖｅｈｉｃｌｅ）である。
　ビークルの種類としては、例えば、電動の鞍乗型車両が挙げられる。電動の鞍乗型車両としては、例えば、電動二輪車、電動三輪車が挙げられる。また、電動の鞍乗型車両は、踏力での走行が可能な自転車を含んでいてもよく、そのような自転車を含まなくてもよい。ここでいう自転車が備える電気装置は、踏力が入力されていない状態で自転車を走行させることが可能な駆動力を出力できるように構成されていてもよく、踏力での走行をアシストするために駆動力を出力できるように構成されていてもよい。加えて、ビークルは、特に上記の例に限定されず、電気自動車、電動トラック、電動バス、電動船舶、電動ドローン又は電動航空機でもよい。
　また、電気装置は、特にビークルに限定されず、例えば、ポンプ装置、電気オーブン、又は工作機械といった、使用時に移動させない装置でもよい。この場合、使用済みのシェアドバッテリは、電気装置から取り出され、例えばビークルによってスワッピング式シェアドバッテリ充電設備まで運搬され、充電済みのシェアドバッテリと交換される。

　バッテリスワッピングとは、ユーザの有するシェアドバッテリと、サービス提供元が有するシェアドバッテリとを交換することを言う。バッテリスワッピングは、より詳細には、ユーザの使用により放電されたシェアドバッテリのサービス提供元による回収（受入れ）と、サービス提供元が有する充電されたバッテリのユーザへの提供とを対で実施することを言う。バッテリスワッピングを行うことにより、ユーザはシェアドバッテリの充電時間を待たずに充電されたシェアドバッテリを入手することが可能となる。
　バッテリスワッピングの手順は、例えば、放電されたシェアドバッテリの回収が先で、充電されたバッテリの提供が後である。ただし、手順は特に限定されず、例えば、充電されたバッテリの提供が先で、放電されたシェアドバッテリの回収が後でもよい。
　スワッピング式シェアドバッテリ充電設備とは、バッテリスワッピングを可能にするシェアドバッテリ充電設備である。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備では、ユーザにより返却されたシェアドバッテリが充電される。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、例えばバッテリシェアリングサービスのサービス提供元が所有する。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、例えば共用のバッテリ充電設備として使用される。自家用または家庭用等の個人で所有されるバッテリ充電器は、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備に該当しない。スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、例えばシェアドバッテリを収容する複数のスロットを有する。各スロットに収容されたシェアドバッテリは、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備により充電される。シェアドバッテリのユーザは、例えば充電されたシェアドバッテリをスワッピング式シェアドバッテリ充電設備のスロットから取り出し、使用して充電量の減少したシェアドバッテリをスロットに挿入する。

　プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、プラグイン式電動車両の急速充電を行うために、プラグイン式電動車両に電力を供給するように構成される。プラグインとは、共用の急速充電を行う急速充電設備から電動車両等の電気装置を直接充電することである。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、充電ケーブルを介して充電プラグが接続されている。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、充電ケーブル及び充電プラグを介してプラグイン式電動車両を直接充電する。例えば家庭用電源はプラグイン式電動車両の充電を行うことができるが、プラグイン式車両用共用型急速充電設備に該当しない。

　プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、例えば急速充電ステーションに設置される。急速充電ステーションとは、プラグイン式電動車両の急速充電を行うためのパブリックスペースである。急速充電ステーションは、例えば、道路沿い、高速道路のＳＡやＰＡ、ショッピング施設、及び自動車販売店等に設置されている。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、例えば、マンションの駐車場、屋外駐車場、事務所等に設置された、複数の人が共同で使用することができる場所に設置されてもよい。例えば個人の住宅等のパーソナルスペースに設置された家庭用電源及び個人用の充電設備は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備に該当しない。急速充電ステーションは、充電対象の車両が停車する駐車スペースを有する。駐車スペースの一部には、プラグイン式車両用共用型急速充電設備が設置される。急速充電ステーションでは、プラグイン式車両用共用型急速充電設備により、駐車スペースに停車したプラグイン式電動車両の充電を行う。

　プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、特定の急速充電規格に準拠している。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、準拠している急速充電規格に適合するプラグイン式電動車両の充電を行うことができる。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、プラグイン式電動車両に充電プラグが接続された時、プラグイン式電動車両と通信して、プラグイン式電動車両に電力を供給する。この時、プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、必ずしも急速充電のための大電流をプラグイン式電動車両に提供しなくともよい。プラグイン式車両用共用型急速充電設備は、充電プラグが接続されたプラグイン式電動車両と通信して、プラグイン式電動車両の状態、自己の状態等を考慮して状況に合わせた充電を行う。

　急速充電規格とは、例えば国際電気標準会議（ＩＥＣ）において決定された急速充電可能な充電規格である。急速充電規格は、例えば充電方式（例えばＤＣｏｒＡＣ）、充電電圧及び電流、通信方式、充電プラグ及び受電部（レセプタクル）の形状等が規定される。急速充電規格の具体例としては、ＣＨＡｄｅＭＯ（登録商標）、ＧＢ／Ｔ、及びＣＣＳ等である。急速充電規格のうち、電力規格は充電方式（例えばＤＣｏｒＡＣ）、充電電圧及び電流の規定であり、通信規格は通信方式（例えばＣＡＮ通信）の規定である。プラグイン式車両用共用型急速充電設備において規定される急速充電規格に準拠するとは、急速充電規格において規定される規格の全てを備えている必要はない。例えば、当該通信規格によりプラグイン式車両用共用型急速充電設備と通信することができ、当該電力規格に適合した電力を受電することができる場合、充電プラグと急速充電規格受電部とで充電プラグ及びレセプタクル形状等が一致していなくてもよい。この場合、変換アダプタを介して充電プラグと急速充電規格受電部とが接続できれば、通信可能であり電力供給可能である。

　充電プラグは、プラグイン式電動車両の受電部及びスワッピング式シェアドバッテリ充電設備の急速充電規格受電部に電気的に接続される。充電プラグは、変換アダプタを介して又は介さずにプラグイン式電動車両の受電部又は急速充電規格受電部に接続される。プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力は、充電ケーブル及び充電プラグを介してプラグイン式電動車両に供給される。

　プラグイン式電動車両は、駆動モータを駆動するためのバッテリを搭載し、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の充電プラグが車体に直接接続されることにより搭載したバッテリが充電される車両である。プラグイン式電動車両は、特定の急速充電規格を有し、自己の有する急速充電規格に準拠したプラグイン式車両用共用型急速充電設備により充電される。プラグイン式電動車両は、例えば電気自動車である。外部充電可能バッテリ搭載車両は、例えばプラグインハイブリッド自動車（ＰＨＥＶ）であってもよい。また、プラグイン式電動車両は、電動二輪車、プラグインハイブリッド自動二輪車等の電動式の鞍乗型車両であってもよい。プラグイン式電動車両の車体は、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の充電プラグが電気的に接続される受電部を備えている。プラグイン式電動車両は、充電プラグ及び受電部を介してプラグイン式車両用共用型急速充電設備と通信することにより、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から電力を受け、充電される。

　急速充電規格受電部とは、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の電力が供給される入り口となる部分である。急速充電規格受電部は、急速充電規格に準拠した電力線及び通信線が電気的に接続されるように構成される。電力線及び通信線の何れか一方のみが接続される場合、急速充電規格受電部には該当しない。急速充電規格受電部は、例えばレセプタクル、インレット、又は充電ポートとも称される。急速充電規格受電部は、例えば充電プラグが嵌合するように形成されている。急速充電規格受電部は、これに限られず、変換アダプタを介して充電プラグと接続されるように構成されてもよい。即ち、プラグイン式車両用共用型急速充電設備の電力線及び通信線と接続できるように構成されていれば物理的な形状は問わない。急速充電規格受電部がスワッピング式シェアドバッテリ充電設備に設けられた場合は、急速充電規格受電部には例えばプラグイン式車両用共用型急速充電設備の充電プラグが接続される。プラグイン式車両用共用型急速充電設備の電力は、急速充電規格受電部を介してスワッピング式シェアドバッテリ充電設備に供給される。

　拡張充電プラグとは、プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力を、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備を介してプラグイン式電動車両に供給するために、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備に設けられる充電プラグである。拡張充電プラグは、プラグイン式電動車両に電気的に接続されるように構成される。拡張充電プラグは、プラグイン式車両用共用型急速充電スタンドに接続された充電プラグとは異なる。拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続されると、プラグイン式電動車両はスワッピング式シェアドバッテリ充電設備を介してプラグイン式車両用共用型急速充電設備と通信して、プラグイン式車両用共用型急速充電設備から電力の供給を受ける。

　本発明によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリのシェアドバッテリ充電ステーションを普及させることができる。

本発明の一実施形態に係るシェアドバッテリ充電設備の構成を示す図である。 図１のシェアドバッテリ充電設備の電気的な構成の例を示す図である。 図１のシェアドバッテリ充電設備の実施例の概要を示す図である。 図３の実施例（ｉｉ）における、車両用急速充電設備からシェアドバッテリ充電設備及びプラグイン式電動車両への電流の流れを示すブロック図である。 本発明の実施例の適用例に係るバッテリシェアリングサービスシステムを説明する図である。

　以下、本発明を、図面を参照しつつ説明する。

　［実施形態］
　図１は、本発明の一実施形態に係るシェアドバッテリ充電設備１の構成を示す図である。図１のパート（ａ）に示すシェアドバッテリ充電設備１は、複数のスロット１３を有する。複数のスロット１３は、シェアドバッテリ１４を収容して充電することが可能に構成される。シェアドバッテリ１４は、バッテリシェアリングサービスに供せられるバッテリである。
　シェアドバッテリ１４は、バッテリシェアリングサービスのユーザにより、例えば電動二輪車３等の電気装置に着脱可能に取り付けられる。充電されたシェアドバッテリ１４が取り付けられた電動二輪車３は、走行が可能となる。
　シェアドバッテリ充電設備１は、例えば、使用されたシェアドバッテリ１４－１の空きスロット１３－１への受け入れ（図１のパート（ａ）の（Ａ））と、充電されたシェアドバッテリ１４－２のスロット１３－２からの取出し許可（図１のパート（ａ）の（Ｂ））とを、対として実施する。これにより、シェアドバッテリ充電設備１は、バッテリスワッピングを可能とするような、スワッピング式シェアドバッテリ充電設備として構成される。
　なお、スロット１３－１及び１３－２は、それぞれスロット１３のうちの１つであり、シェアドバッテリ１４－１及び１４－２は、それぞれシェアドバッテリ１４のうちの１つである。

　図１のパート（ａ）のシェアドバッテリ充電設備１は、急速充電規格受電部１１とスワッピング式シェアドバッテリ充電制御部１２とを備える。
　急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２と電気的に接続される。急速充電規格受電部１１は、急速充電規格に準拠している。急速充電規格に準拠することにより、急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２からの電力の受け入れ及び車両用急速充電設備２との通信が可能となる。
　スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部１２は、車両用急速充電設備２から、急速充電規格受電部１１を介して供給された電力で、スロット１３に収容されたシェアドバッテリ１４を、バッテリシェアリングサービスに供されるように充電する。スロットに収容され、バッテリシェアリングサービスに供せられるように充電されたシェアドバッテリ１４は、スロット１３から取出し可能となる。以降、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部１２を、単にシェアドバッテリ充電制御部１２とも称する。

　シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２と電気的に接続され、車両用急速充電設備２から供給された電力で、スロット１３に収容されたシェアドバッテリ１４を充電することができる。つまり、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２が出力する電力を利用してスロット１３に収容されたシェアドバッテリ１４を充電することができる。このため、シェアドバッテリ充電設備１は、シェアドバッテリ１４の充電のための大電力の商用電源と接続されなくてもシェアドバッテリ１４を充電することができる。従って、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２が既に設置されている場所であれば、例えば大電力の商用電源といったシェアドバッテリの充電のための商用電源の引込工事をしなくても設置することができる。従って、シェアドバッテリ充電設備１は、例えば、シェアドバッテリ１４の充電のための独自の電力線の引込工事を行なう場合と比べて、容易に設置することができる。

　車両用急速充電設備２は、プラグイン式電動車両４の急速充電を行うための共用のスペースである急速充電ステーション５に設置され、複数のユーザに共用で使用される、プラグイン式車両用共用型急速充電設備である。車両用急速充電設備２自体は、プラグイン式電動車両４の急速充電を行うための構造を有している（図１のパート（ｂ）参照）。なお、本実施形態における車両用急速充電設備２によるプラグイン式電動車両４の急速充電については、後述する実施例で詳細に説明する。

　シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２と電気的に接続される。シェアドバッテリ充電設備１は、例えば充電時にプラグイン式電動車両４を駐車するための急速充電ステーション５の駐車スペースに近接して設置される。例えば、車両用急速充電設備２の周囲にシェアドバッテリ充電設備１が設置される場合、例えば、バッテリスワッピングに供されるシェアドバッテリを搭載している電動二輪車３や、バッテリスワッピングに供されるシェアドバッテリを運搬する車両も、このシェアドバッテリ１４－１，１４－２のスワッピングの時に駐車スペースを利用できる。

　従って、シェアドバッテリ充電設備１によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリ１４の充電設備を普及させることができる。
　また、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２と電気的に接続される急速充電規格受電部１１を備えるため、車両用急速充電設備２の高電圧及び高電流の電力の供給を受けることが可能である。一方で、シェアドバッテリ１４が充電される場合に必要な電力は、一般的に電圧及び電流が共に低く設定されている。従って、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２の電力を活用することができる。

　図２は、図１のシェアドバッテリ充電設備１の電気的な構成の例を示す図である。図２及び図２以降の図面について、図１と同一の構成については同一の符号を付し、一部の構成は省略し、新たな構成については新しい符号を付する。シェアドバッテリ充電設備１の構成の例について、図２を参照して詳細に説明する。
　シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２の充電プラグ２２と接続される構造を有する。充電プラグ２２は、充電ケーブル２３により車両用急速充電設備２の本体部２４と接続される。充電ケーブル２３及び充電プラグ２２には、電力線２２１及び通信線２２２が内蔵される。シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２の電力線２２１が接続される接続部１１１と通信線２２２が接続される接続部１１２を有する。急速充電規格受電部１１とシェアドバッテリ充電制御部１２とは、電力線１２１及び通信線１２２により接続される。本実施形態において、急速充電規格受電部１１は充電プラグ２２を受け入れるレセプタクル形状に構成される。図２に示すシェアドバッテリ充電設備１において、急速充電規格受電部１１は、原則１つのみ設けられるが、急速充電規格受電部１１の数は特に限定されず、複数でもよい。

　シェアドバッテリ充電設備１は、シェアドバッテリ充電部１５を備える。スロット１３は、シェアドバッテリ充電部１５に配置される。シェアドバッテリ充電部１５は、電力線１５１及び通信線１５２によりシェアドバッテリ充電制御部１２と接続される。電力線１５１は、シェアドバッテリ充電制御部１２とシェアドバッテリ充電部１５とを、ＤＣ／ＤＣコンバータ１５３を介して接続している。シェアドバッテリ充電部１５は、車両用急速充電設備２から供給された電力により、スロット１３に収容されたシェアドバッテリ１４をそれぞれ充電する。

　シェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ充電制御部１２は、急速充電規格受電部１１を介して車両用急速充電設備２と通信する。これにより、シェアドバッテリ充電制御部１２は、急速充電規格受電部１１を介して、車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ１４を充電するための電力の供給を受け入れる制御を行うように構成されている。具体的には、シェアドバッテリ充電制御部１２は、通信線２２２及び１２２を介して車両用急速充電設備２と通信する。シェアドバッテリ充電制御部１２と車両用急速充電設備２が通信することにより、車両用急速充電設備２は電力線２２１を介してシェアドバッテリ充電設備１に電力を供給する。シェアドバッテリ充電設備１に供給された電力は、急速充電規格受電部１１から電力線１２１、シェアドバッテリ充電制御部１２及び電力線１５１を介してシェアドバッテリ充電部１５に供給され、スロット１３に収容されたシェアドバッテリ１４をそれぞれ充電する。

　シェアドバッテリ充電設備１では、シェアドバッテリ充電制御部１２が、急速充電規格の通信規格により、車両用急速充電設備２と通信する。シェアドバッテリ充電制御部１２は、車両用急速充電設備２から急速充電規格の電力規格に応じた電力の供給を受ける制御を行う。このため、シェアドバッテリ充電設備１は、既存の車両用急速充電設備又は新設される車両用急速充電設備を容易に利用することができる。これにより、シェアドバッテリ充電設備１によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　なお、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２から電力の供給を受けるが、更に商用電源１８０から直接に電力の供給を受けることができる電源部を有してもよい（破線部）。この場合に追加される構成は、商用電源用プラグ１８１及びＡＣ／ＤＣコンバータ１８２である。商用電源用プラグ１８１は、ＡＣ／ＤＣコンバータ１８２を介してシェアドバッテリ充電部１５に電気的に接続される（破線部）。これらは、例えば、車両用急速充電設備２の故障等に起因してシェアドバッテリ充電設備１が車両用急速充電設備２から電力の供給を受けることができない場合に、シェアドバッテリ１４のスワッピングのための最低限の動作を実施するために用いられる。

　［実施例］
　シェアドバッテリ充電設備１の実施例について説明する。図３は、図１のシェアドバッテリ充電設備１の実施例の概要を示す図である。
　図３の実施例では、シェアドバッテリ充電設備１は下記２つの実施例（ｉ）又は（ｉｉ）で構成することが可能である。図３のパート（ａ）では、実施例（ｉ）の構成を、図３のパート（ｂ）では、実施例（ｉｉ）の構成を示す。
・実施例（ｉ）　シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２に設けられ且つ急速充電規格に準拠した充電プラグ２２の取り外し及び取り付けが可能であるように構成される。取り外しとは、充電プラグ２２がプラグイン式電動車両４への急速充電に用いられる時にプラグイン式電動車両４へ接続されるために急速充電規格受電部１１から取り外されることを言う。また、取り付けとは、充電プラグ２２がプラグイン式電動車両４への急速充電に用いられない時に、車両用急速充電設備２と急速充電規格受電部１１とが電気的に接続されるように急速充電規格受電部１１に取り付けられることをいう。
・実施例（ｉｉ）　シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２に設けられ且つ急速充電規格に準拠した充電プラグ２２が接続されるように構成される。シェアドバッテリ充電設備１は、拡張充電プラグ１６を更に備える。拡張充電プラグ１６は、プラグイン式電動車両４に接続可能であり且つ急速充電規格に準拠している。
　なお、シェアドバッテリ充電設備１は、実施例（ｉ）又は（ｉｉ）双方の構成を有するように構成されてもよい。

　図３のパート（ａ）に示す通り、実施例（ｉ）では、シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１は、車両用急速充電設備２の充電プラグ２２が取り外し及び取り付け可能であるように構成されている。プラグイン式電動車両４が充電される時は、充電プラグ２２がシェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１から外されてプラグイン式電動車両４に接続される。これに対し、プラグイン式電動車両４が充電されない時は、充電プラグ２２がシェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１に接続される。つまり、充電プラグ２２がシェアドバッテリ充電設備１に戻される。従って、プラグイン式電動車両４の充電は、シェアドバッテリ充電設備１を介さず車両用急速充電設備２単独で実施でき、プラグイン式電動車両４が充電されない時は、シェアドバッテリ１４が充電される。

　なお、車両用急速充電設備２は、急速充電ステーション５に駐車しているプラグイン式電動車両４の充電を行っている間は、シェアドバッテリ充電設備１でシェアドバッテリ１４の充電をすることはできない。しかし、シェアドバッテリ充電設備１でのシェアドバッテリ１４のバッテリスワッピングの動作（充電されたシェアドバッテリ１４の取出し許可、及び放電されたシェアドバッテリ１４の収容）は実施可能である。その場合、交換指示の通信、表示等の電力として、例えば、シェアドバッテリ充電設備１に収容したシェアドバッテリ１４の電力を使用することができる。

　車両用急速充電設備２は、プラグイン式電動車両４の充電を行わない非車両充電時に充電プラグ２２を保持する充電プラグホールド２５を有している。本実施例では、例えば充電プラグホールド２５による充電プラグ２２の保持を阻止するように、例えば充電プラグホールド２５に充電プラグホールドカバー２６が取り付けられる。このように車両用急速充電設備２を構成することにより、プラグイン式電動車両４についての非車両充電時には、隣接するシェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１にのみ充電プラグ２２を接続できるようにすることができる。これにより、プラグイン式電動車両４の充電終了時に、ユーザが車両用急速充電設備２の充電プラグ２２を充電プラグホールド２５に戻してしまうことで、長時間に渡りシェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ１４の充電ができなくなることを抑制することができる。

　本実施例では、シェアドバッテリ充電設備１は、既存の車両用急速充電設備２から出力される電力を利用してシェアドバッテリ１４を充電している。シェアドバッテリ１４の充電は、車両用急速充電設備２がプラグイン式電動車両４を充電しない非車両充電時に実施されるため、車両用急速充電設備２の出力を効率的に利用できる。車両用急速充電設備２によるプラグイン式電動車両４の充電の頻度は、例えば昼間の時間帯にピークを迎え、夜間にはオフピークとなることが多い。このため、本実施例によれば、夜間の時間帯にシェアドバッテリ充電設備１への電力供給を集中して行うことが可能となる。夜間の電力を利用することで充電コストが低減でき、またオフピーク時間帯における長時間の充電が可能であるため、低コスト且つ効率的にシェアドバッテリの充電を行うことができる。従って、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２がプラグイン式電動車両４の充電を行わない時間を有効に活用できる。従って、シェアドバッテリ充電設備１は、既存の車両用急速充電設備２を活かし、プラグイン式電動車両４に加え、シェアドバッテリ１４も充電することが可能となる。これにより、シェアドバッテリ充電設備１によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリ１４の充電設備を普及させることができる。

　なお、実施例（ｉ）において、車両用急速充電設備２は、充電プラグ２２及び充電ケーブル２３をそれぞれ複数組有していてもよい。図３のパート（ａ）では、２組目の充電プラグ２２－１及び充電ケーブル２３－１が破線で示される。本構成では、プラグイン式電動車両４を充電する場合、充電プラグ２２は、シェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１に接続された状態のまま、充電プラグ２２－１をプラグイン式電動車両４に接続する。そうすると、車両用急速充電設備２は、プラグイン式電動車両４及びシェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ１４の双方を同時に充電できる。従って、車両用急速充電設備２は、シェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ１４の充電ができなくなることを抑制することができる。なお、車両用急速充電設備２の充電プラグ２２－１は、プラグイン式電動車両４の充電を行わない非車両充電時には、充電プラグホールド２５－１（破線部）に保持される。

　図３のパート（ｂ）に示す通り、実施例（ｉｉ）では、シェアドバッテリ充電設備１は拡張充電プラグ１６を有する。拡張充電プラグ１６は、急速充電ステーション５に駐車しているプラグイン式電動車両４の充電を行うために設けられる。シェアドバッテリ充電制御部１２は、拡張充電プラグ１６がプラグイン式電動車両４に接続された時に、車両用急速充電設備２から急速充電規格受電部１１を介して供給される電力を、シェアドバッテリ１４を介さず拡張充電プラグ１６を介してプラグイン式電動車両４に供給する。ここで、実施例（ｉｉ）における、車両充電時及び非車両充電時の車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ充電設備１及びプラグイン式電動車両４への電流の流れを説明する。図４は、実施例（ｉｉ）における、車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ充電設備１及びプラグイン式電動車両４への電流の流れを示すブロック図である。

　先ず、図４のパート（ａ）を参照して、車両用急速充電設備２の車両充電時について説明する。シェアドバッテリ充電設備１は、拡張充電プラグ１６を用いて、急速充電ステーション５に駐車しているプラグイン式電動車両４の充電を行うことができる。急速充電ステーション５のユーザは、プラグイン式電動車両４を充電するために、拡張充電プラグ１６をプラグイン式電動車両４に接続する。拡張充電プラグ１６がプラグイン式電動車両４に接続されると、プラグイン式電動車両４は、シェアドバッテリ充電制御部１２及び車両用急速充電設備２と通信を行う。通信は、通信線２２２、１２２及び拡張充電プラグ１６に接続された通信線１６２により行う。通信の結果、車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ充電設備１を介してプラグイン式電動車両４に電力が供給される。車両用急速充電設備２から供給される電力は、シェアドバッテリ１４を介さずプラグイン式電動車両４に供給される。具体的には、電流が、電力線２２１、１２１及び拡張充電プラグ１６に接続された電力線１６１、並びにシェアドバッテリ充電制御部１２を通って供給される（ルートＸ）。これにより、車両用急速充電設備２は、シェアドバッテリ充電設備１を介していても、シェアドバッテリ１４に電力を供給することなく、プラグイン式電動車両４を充電することができる。従って、車両用急速充電設備２は、プラグイン式電動車両４に直接充電プラグ２２を接続した場合と等しい電力でプラグイン式電動車両４を充電することができる。

　次に、図４のパート（ｂ）を参照して、車両用急速充電設備２の非車両充電時について説明する。車両用急速充電設備２の非車両充電時は、拡張充電プラグ１６は何にも接続されていない状態となる。この状態では、シェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ充電制御部１２は、車両用急速充電設備２及びシェアドバッテリ充電部１５と通信を行う。通信は、通信線２２２、１２２及び１５２により行う。通信の結果、車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ１４に電力が供給される。具体的には、電流が、電力線２２１、１２１及び１５１、並びにシェアドバッテリ充電制御部１２を通って供給される（ルートＹ）。従って、プラグイン式電動車両４を充電しない時（非車両充電時）は、車両用急速充電設備２からの電力をシェアドバッテリ充電設備１に収容されたシェアドバッテリ１４の充電に使用することができる。そのため、実施例（ｉｉ）でも、実施例（ｉ）と同様に、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２の隙間時間を効率的に利用できる。夜間の充電についても、実施例（ｉ）と同様に効率的である。
　これにより、実施例（ｉｉ）では、比較的簡単な構成により、バッテリスワッピングと、プラグイン式電動車両４への充電とが、同一設備で実現可能となる。

　実施例（ｉｉ）では、シェアドバッテリ充電設備１は、プラグイン式電動車両４に対して、更に増強した電力で充電を行うことができる。図４のパート（ｃ）を参照して、車両用急速充電設備２の車両充電時における第２の例について説明する。シェアドバッテリ充電設備１は、拡張充電プラグ１６がプラグイン式電動車両４に接続された時に、車両用急速充電設備２から急速充電規格受電部１１を介して供給される電力に加えて、シェアドバッテリ１４から放電される電力を、拡張充電プラグ１６を介してプラグイン式電動車両４に供給するように構成される。具体的には、拡張充電プラグ１６がプラグイン式電動車両４に接続されると、プラグイン式電動車両４は、車両用急速充電設備２及びシェアドバッテリ充電制御部１２と通信を行う。通信は、通信線２２２、１２２及び通信線１６２により行う。また、シェアドバッテリ充電制御部１２は、シェアドバッテリ充電部１５と通信線１５２を介して通信を行う。通信の結果、車両用急速充電設備２から電力線２２１、１２１及び１６１、並びにシェアドバッテリ充電制御部１２を通ってプラグイン式電動車両４に電流が供給される（ルートＺ１）。また、シェアドバッテリ充電部１５のシェアドバッテリ１４から電力線１５１及び１６１、並びにシェアドバッテリ充電制御部１２を通ってプラグイン式電動車両４に電流が供給される（ルートＺ２）。
　これにより、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２からの電力とシェアドバッテリ１４からの電力との双方の電力を、プラグイン式電動車両４に同時に供給できる。その結果、シェアドバッテリ充電設備１は、車両用急速充電設備２が供給する電力よりも大きな電力を、プラグイン式電動車両４に供給することができる。また、車両用急速充電設備２から供給される電力が小さい場合も、シェアドバッテリ充電設備１は、プラグイン式電動車両４に対し、車両用急速充電設備２のみの場合よりも高いレートで急速充電を行うことができる。プラグイン式電動車両４の充電に対するメリットにより、シェアドバッテリ充電設備１によれば、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリ１４の充電設備を普及させることができる。

　実施例（ｉｉ）では、急速充電規格受電部１１は、充電プラグ２２が、ユーザによる充電プラグ２２の取り外しが防止又は抑制可能な態様で接続されるように構成されていてもよい。例えば、急速充電規格受電部１１は、充電プラグ２２の急速充電規格受電部１１からの取り外しを禁止するためのロック機構が設けられた態様に構成されてもよい。このように構成されることにより、実施例（ｉｉ）では、ユーザに、プラグイン式電動車両４への充電に充電プラグ２２を用いるのではなく、拡張充電プラグ１６を用いるように促すことが可能になる。これにより、シェアドバッテリ充電設備１は、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリ１４の充電設備をより効果的に普及させることができる。

　また、拡張充電プラグ１６は２つ以上備えられていてもよい。この時、拡張充電プラグ１６は、異なる急速充電規格を有するように構成できる。例えば第１の拡張充電プラグ１６は、四輪自動車専用の第１の急速充電規格に準拠し、第２の拡張充電プラグは、シェアドバッテリ１４を使用しない、電動の鞍乗型車両専用の第２の急速充電規格に準拠する構成であってもよい。

　［適用例］
　本発明の実施形態の実施例の適用例について説明する。図５は、本発明の実施例の適用例に係るバッテリシェアリングサービスシステム（１０００－１及び１０００－２）を説明する図である。ここで、図５のパート（ａ）は、図３のパート（ａ）の実施例（ｉ）の適用例に係るバッテリシェアリングサービスシステム１０００－１を説明する図である。また、図５のパート（ｂ）は、図３のパート（ｂ）の実施例（ｉｉ）の適用例に係るバッテリシェアリングサービスシステム１０００－２を説明する図である。

　図５のパート（ａ）を参照して、バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１について説明する。バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１は、シェアドバッテリ充電設備１と、バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１とを備える。バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１は、シェアドバッテリ充電設備１とネットワーク６００を介して通信可能である。バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１及びシェアドバッテリ充電設備１は、バッテリシェアリングサービスのサービス提供元１００により管理される。
　バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１では、バッテリシェアリングサービスのユーザ３００がシェアドバッテリ充電設備１のスロット１３からシェアドバッテリ１４を取り出す。取り出されたシェアドバッテリ１４を提供バッテリ１４－ｎとする。この時、シェアドバッテリ充電設備１は、提供バッテリ１４－ｎを示す管理データＤ１、及び提供バッテリ１４－ｎに充電された電力量に応じた電力量データＤ２をバッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１に送信する。なお、提供バッテリ１４－ｎに充電される電力は、車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ充電設備１の急速充電規格受電部１１を介して供給される。また、提供バッテリ１４－ｎの管理データとしては、例えば、提供バッテリ１４－ｎを充電したシェアドバッテリ充電設備１及びスロット１３の識別データ、提供バッテリ１４－ｎの識別データ、もしくは、提供バッテリ１４－ｎの取出しを許可したユーザの識別データ、又は、これらのいずれか２種以上の識別データの組合せである。バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１は、シェアドバッテリ充電設備１から受信した提供バッテリ１４－ｎの管理データＤ１を電力量データＤ２に対応付けて記憶する。

　次に、図５のパート（ｂ）を参照して、バッテリシェアリングサービスシステム１０００－２について説明する。バッテリシェアリングサービスシステム１０００－２は、拡張充電プラグ１６を介して車両用急速充電設備２の電力によりプラグイン式電動車両４を充電することができる。この時、シェアドバッテリ充電設備１は、上述のバッテリシェアリングサービスシステム１０００－１の管理データＤ１及び電力量データＤ２に加えて、下記の電力量データＤ３及びＤ４を、バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１に送信する。
・電力量データＤ３：車両用急速充電設備２からシェアドバッテリ充電設備１に供給された電力量に応じた電力量データ。
・電力量データＤ４：シェアドバッテリ１４からプラグイン式電動車両４に充電された電力量に応じた電力量データ（シェアドバッテリ充電設備１のシェアドバッテリ１４からの電力をプラグイン式電動車両４の充電に追加した場合（図４のパート（ｃ）参照）。
　バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１は、シェアドバッテリ充電設備１から取得した電力量データＤ３及びＤ４を記憶する。この時、プラグイン式電動車両４の所有者の識別データがあれば、プラグイン式電動車両４の所有者の識別データを、取得した電力量データＤ３及びＤ４と対応付けて記憶してもよい。

　また、バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１（図５のパート（ａ））及び１０００－２（図５のパート（ｂ））のバッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１は、急速充電サービス管理サーバ２０１とネットワーク６００を介して通信可能である。また、急速充電サービス管理サーバ２０１は、車両用急速充電設備２とネットワーク６００を介して通信可能である。急速充電サービス管理サーバ２０１及び車両用急速充電設備２は、急速充電サービスのサービス提供元２００により管理される。
　バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１は、上記電力量データＤ２～Ｄ４（図５のパート（ａ）の実施例（ｉ）はＤ２のみ、図５のパート（ｂ）の実施例（ｉｉ）はＤ２～Ｄ４）及びシェアドバッテリ充電設備１を示す管理データＤ５を急速充電サービス管理サーバ２０１に送信する。なお、管理データＤ５は、管理データＤ１のうちの一部である。急速充電サービス管理サーバ２０１は、電力量データＤ２～Ｄ４をシェアドバッテリ充電設備１の管理データＤ５に対応付けて記憶する。

　バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１及び１０００－２では、バッテリシェアリングサービスのサービス提供元１００は、バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１に記憶されたデータをもとに、料金計算を行うことができる。また、急速充電サービスのサービス提供元２００は、急速充電サービス管理サーバ２０１に記憶されたデータをもとに、料金計算を行うことができる。バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１及び１０００－２によれば、車両用共用型急速充電設備２とは独立してバッテリシェアリングサービスのユーザに対する課金の管理を行なうことができる。
　なお、バッテリシェアリングサービス管理サーバ１０１で計算した料金は、ネットワーク６００を介してバッテリシェアリングサービスのユーザ３００が所有する携帯情報端末３０１及びプラグイン式電動車両４の所有者４００が所有する携帯情報端末４０１に送信することができる。また、急速充電サービス管理サーバ２０１で計算した料金は、ネットワーク６００を介してプラグイン式電動車両４の所有者４００が所有する携帯情報端末４０１に送信することができる。携帯情報端末３０１及び４０１は、例えばスマートフォンである。

　このように、バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１及び１０００－２によれば、バッテリシェアリングサービスに関するユーザの支払いが、車両用急速充電設備２又はそのサービスに対して行われずに、バッテリシェアリングサービスに対して実施可能とすることができるように、提供バッテリ１４－ｎの管理データが電力量データに対応付けて記憶される。言い換えると、バッテリシェアリングサービスシステム１０００－１及び１０００－２によれば、バッテリシェアリングサービスに関するユーザへの課金が、車両用急速充電設備２又はそのサービスから独立して、バッテリシェアリングサービスにおいて実施可能であるように、提供バッテリ１４－ｎの管理データが電力量データに対応付けて記憶される。その結果、シェアドバッテリ充電設備１が車両用急速充電設備２と電気的に接続されることにより、装置としての物理的な接続を有する一方で、バッテリシェアリングサービスに関するユーザへの課金については、バッテリシェアリングサービスシステムと、車両用急速充電設備２又はそのサービスとを分離可能とすることができる。このため、バッテリシェアリングサービスのユーザに対する効率的な管理が可能となり、バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリの充電設備を普及させることができる。

　１　シェアドバッテリ充電設備
　２　車両用急速充電設備
　３　電動二輪車
　４　プラグイン式電動車両
　５　急速充電ステーション
　１１　急速充電規格受電部
　１２　スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部（シェアドバッテリ充電制御部）
　１３　スロット
　１４　シェアドバッテリ
　１５　シェアドバッテリ充電部
　１６　拡張充電プラグ
　２２　充電プラグ
　２３　充電ケーブル
　２４　本体部
　１２１、１５１、１６１、２２１　電力線
　１２２、１５２、１６２、２２２　通信線
　１５３　ＤＣ／ＤＣコンバータ
　１００　バッテリシェアリングサービスのサービス提供元
　１０１　バッテリシェアリングサービス管理サーバ
　２００　急速充電サービスのサービス提供元
　２０１　急速充電サービス管理サーバ
　３００　バッテリシェアリングサービスのユーザ
　４００　プラグイン式電動車両の所有者
　３０１、４０１　携帯情報端末

Claims (8)

1. バッテリシェアリングサービスに供せられるシェアドバッテリを収容して充電することが可能な複数のスロットを有し、使用されたシェアドバッテリの空きスロットへの受け入れと、充電されたシェアドバッテリのスロットからの取出し許可とを、対として実施することにより、バッテリスワッピングを可能とするように構成されたスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、以下の特徴を有する：
   　プラグイン式車両用共用型急速充電設備からの電力の受け入れ及び前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備との通信が可能であるように、急速充電規格に準拠して前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備と電気的に接続される急速充電規格受電部と、
   　前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から、前記急速充電規格受電部を介して供給された電力で、前記スロットに収容された前記シェアドバッテリを、前記バッテリシェアリングサービスに供されるように充電することにより、前記バッテリスワッピングを可能とする、スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部と
   を備える。
2. 　請求項１に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、
   前記急速充電規格受電部を介して前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備と通信することにより、前記急速充電規格受電部を介して、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記シェアドバッテリを充電するための電力を受け入れる制御を行う
   ように構成されている。
3. 　請求項１又は２に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   　前記急速充電規格受電部は、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備に設けられ且つ前記急速充電規格に準拠した充電プラグの取り外し及び取り付けが可能であるように構成され、
   前記取り外しとは、前記充電プラグがプラグイン式電動車両への急速充電に用いられる時に当該プラグイン式電動車両へ接続されるために前記急速充電規格受電部から取り外されることをいい、
   前記取り付けとは、前記充電プラグが前記プラグイン式電動車両への急速充電に用いられない時に、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備と前記急速充電規格受電部とが電気的に接続されるように前記急速充電規格受電部に取り付けられることをいう。
4. 　請求項１又は２に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   前記急速充電規格受電部は、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備に設けられ且つ前記急速充電規格に準拠した充電プラグが接続されるように構成され、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、プラグイン式電動車両に接続可能であり且つ前記急速充電規格に準拠した拡張充電プラグを更に備える。
5. 　請求項４に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   　前記急速充電規格受電部は、前記充電プラグが、ユーザによる当該充電プラグの取り外しが防止又は抑制可能な態様で接続されるように構成されている。
6. 　請求項４又は５に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、前記拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続された時に、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記急速充電規格受電部を介して供給される電力を、前記シェアドバッテリを介さず前記拡張充電プラグを通じて前記プラグイン式電動車両に供給するように構成されている。
7. 　請求項４から６の何れか１項に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備であって、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電制御部は、前記拡張充電プラグがプラグイン式電動車両に接続された時に、前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記急速充電規格受電部を介して前記シェアドバッテリを介さず供給される電力に加えて、前記シェアドバッテリから放電される電力を、前記拡張充電プラグを介して、前記プラグイン式電動車両に供給するように構成されている。
8. 　バッテリシェアリングサービスシステムであって、
   　前記バッテリシェアリングサービスシステムは、
   　請求項１から７の何れか１項に記載のスワッピング式シェアドバッテリ充電設備と、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備と通信可能なバッテリシェアリングサービス管理サーバとを備え、
   　前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備は、前記スワッピング式シェアドバッテリ充電設備の前記スロットから取出された前記シェアドバッテリである提供バッテリを示す管理データ、及び前記プラグイン式車両用共用型急速充電設備から前記急速充電規格受電部を介して前記提供バッテリに充電された電力量に応じた電力量データを、前記バッテリシェアリングサービス管理サーバに送信し、
   　前記バッテリシェアリングサービス管理サーバは、前記提供バッテリの前記管理データを前記電力量データに対応付けて記憶する。

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