WO2024038762A1

WO2024038762A1 - 車載用アンテナ装置

Info

Publication number: WO2024038762A1
Application number: PCT/JP2023/028219
Authority: WO
Inventors: 富夫安部; 亮太玉井; 修鈴木; 陽子飯塚
Original assignee: 株式会社ヨコオ
Priority date: 2022-08-15
Filing date: 2023-08-02
Publication date: 2024-02-22

Abstract

車載用アンテナ装置の構成を簡単にする。　本発明に係る車載用アンテナ装置は、アンテナ素子部のグランド板として用いられる金属部と、前記金属部を保持する樹脂部と、を備え、前記金属部は、前記金属部と前記樹脂部とが重なる第１方向に垂直な第１平面部を含み、前記樹脂部は、前記第１平面部の一方の面と反対側の面である他方の面を覆わずに、前記第１平面部の前記一方の面を覆い、前記樹脂部と前記金属部とは、一体成形で構成される。

Description

車載用アンテナ装置

　本発明は、車載用アンテナ装置に関する。

　従来、特許文献１のように、樹脂ベースと金属ベースを含む車載用アンテナ装置が提案されている。

特開２０１２－２０４９９６号公報

　しかしながら、ダイカストで形成された金属ベースの表面に塗装などの表面処理を施す必要があった。

　したがって本発明の目的の一例は、車載用アンテナ装置の構成を簡単にすることである。

　本発明に係る車載用アンテナ装置は、アンテナ素子部のグランド板として用いられる金属部と、前記金属部を保持する樹脂部と、を備え、前記金属部は、前記金属部と前記樹脂部とが重なる第１方向に垂直な第１平面部を含み、前記樹脂部は、前記第１平面部の一方の面と反対側の面である他方の面を覆わずに、前記第１平面部の前記一方の面を覆い、前記樹脂部と前記金属部とは、一体成形で構成される。

　本発明に係る車載用アンテナ装置は、アンテナ素子部と、板状の金属部と前記金属部の一方の面を覆う樹脂部とからなるベース部と、を備え、前記金属部は、前記一方の面と反対側の面である他方の面が前記樹脂部によって覆われずに前記アンテナ素子部のグランド板として機能し、前記一方の面側の前記樹脂部の領域と前記他方の面側の前記樹脂部によって覆われない前記金属部の領域とは、略同等の面積である。

　以上のように本発明によれば、車載用アンテナ装置の構成を簡単にすることが出来る。

本実施形態の車載用アンテナ装置の上方で且つ前方から見た斜視図で、ケースとベース部との組立体と、アウターカバーとが取り付けられる前の状態を示す。本実施形態における、ケースと基板部とパッドとベース部が組み立てられる前の状態を示す、上方から見た斜視図である。本実施形態における、ケースと基板部とパッドとベース部が組み立てられる前の状態を示す、下方から見た斜視図である。本実施形態における、金属部と樹脂部とパッドを組み立てた状態の斜視図である。本実施形態における、コネクタと第２基板の前側端部がある領域の断面斜視図である。

　以下、本実施形態について、図を用いて説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。

　（車載用アンテナ装置１）
　本実施形態の車載用アンテナ装置１は、ルーフなど車両の上面に取り付けられる。例えば、図１～図３に示すように、車載用アンテナ装置１は、アンテナ素子部２０、ベース部５０を備える。さらに本実施形態の車載用アンテナ装置１は、アウターカバー３、ケース５、パッド７、基板部４５、コネクタ４７を備える。

　なお、以下では方向を説明するために、車載用アンテナ装置１が取り付けられる車両の前後方向をｘ方向、ｘ方向と垂直な左右方向をｙ方向、ｘ方向とｙ方向に垂直な略鉛直方向をｚ方向と定義して説明する。ｚ方向（第１方向）は、後述する金属部５２と樹脂部５５とが重なる方向である。また、図１において、ｘｙｚ軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。

　請求の範囲に記載する「第１方向」は、本実施形態のｚ方向に相当する。請求の範囲に記載する「平面部」は、本実施形態の第２平面部５５ａに相当する。

　本実施形態では、後述するように金属部５２と樹脂部５５は一体成形で構成されるため、樹脂部５５が形成された時点で、金属部５２は樹脂部５５に取り付けられている。しかしながら、説明のため、図２と図３の斜視図では、金属部５２と樹脂部５５が離れた状態を示す。

　（アウターカバー３）
　アウターカバー３は、電波透過性を有する合成樹脂製である。アウターカバー３は、例えば、ｘ方向前側がｘ方向後側よりも低くなるように傾斜し、両側面が内側に湾曲したシャークフィン形状を有する。アウターカバー３は、下面が開口し、ケース５、アンテナ素子部２０などを、ｚ方向上方から覆う。アウターカバー３は、スナップフィットなどの取付方法によって、ベース部５０に取り付けられる。アウターカバー３と車両のルーフの間などには、アウターパッド（不図示）が設けられる。なお、図１以外は、アウターカバー３の図示を省略している。また、車載用アンテナ装置１は、アウターカバー３が省略され、ケース５が露出する形態であってもよい。

　また、車両のルーフのｚ方向上方に***した領域の内側に、ケース５などが設けられてもよい。この場合、アウターカバー３は省略され、ベース部５０などが、車両のインナーパネルなどに取り付けられる。また、車両のルーフにｚ方向下方に凹む凹部が形成され、当該凹部に、ケース５などが設けられてもよい。この場合、アウターカバー３は省略され、ベース部５０などが、当該凹部に取り付けられる。当該凹部の上部は、樹脂、ガラスなどで覆われる。

　（ケース５）
　ケース５は、電波透過性を有する合成樹脂製である。ケース５は、下面が開口する。ケース５は、第２アンテナ２２などを覆う。ケース５とベース部５０とで囲まれた領域（収容空間）には、アンテナ素子部２０、基板部４５などが収容される。ただし、アンテナ素子部２０の一部（第１アンテナ２１）は、アウターカバー３の内側であって、且つケース５の外側に配置され、ケース５に保持される。また、アンテナ素子２０の一部（第１アンテナ２１）は、ケース５の内側に配置されてもよく、この場合、アンテナ素子２０の一部（第１アンテナ２１）は、ケース５に保持されてもよいし、第１基板４５ａなどケース５とは別の部材に保持されてもよい。

　（パッド７）
　パッド７は、エラストマー（Elastomer）やゴムなどで形成された囲繞形状の弾性部材である。パッド７は、ベース部５０の金属部５２の第１壁部５２ｂを囲み、ベース部５０の樹脂部５５の第２壁部５５ｂに配置される。パッド７は、ケース５の下端周縁部とベース部５０の樹脂部５５の第２壁部５５ｂに挟み込まれる。パッド７は、ケース５とベース部５０の間の空間への水の浸入を防止する。

　（アンテナ素子部２０）
　アンテナ素子部２０は、アンテナエレメントを構成する。アンテナ素子部２０は、第１アンテナ２１、第２アンテナ２２、第３アンテナ２３を有する。

　（第１アンテナ２１）
　第１アンテナ２１は、例えば、ＡＭ／ＦＭラジオ放送用のアンテナである。第１アンテナ２１は、第１１エレメント２１ａ、第１２エレメント２１ｂを有する。第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂは、例えば、容量装荷素子である。第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂは、錫めっき鋼板、ステンレスなどで構成された導体板を加工して形成される。第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂは、ｘ方向から見て下方が離れ上方が近づくように傾斜する。第１１エレメント２１ａは、ｘ方向から見て、斜め右上方向に膨らむ緩やかな凸形状を有する。第１２エレメント２１ｂは、ｘ方向から見て、斜め左上方向に膨らむ緩やかな凸形状を有する。

　第１１エレメント２１ａは、ケース５の外側の右側面に取り付けられる。第１２エレメント２１ｂは、ケース５の外側の左側面に取り付けられる。ケース５の内部に配置された接続ターミナル（不図示）を介して、第１１エレメント２１ａと第１２エレメント２１ｂが電気的に接続される。ケース５が樹脂部５５に取り付けられた時に、当該接続ターミナルは、第２基板４５ｂに接続する。これにより、第１アンテナ２１が第２基板４５ｂと電気的に接続される。

　（第２アンテナ２２）
　第２アンテナ２２は、例えば、移動体通信用のアンテナである。第２アンテナ２２は、第１１エレメント２１ａと、第１２エレメント２１ｂとがｙ方向で挟む位置に設けられる。第２アンテナ２２は、ｙ方向に垂直な面を有する。第２アンテナ２２のｙ方向に垂直な面は、第２基板４５ｂに保持される。第２アンテナ２２の下端は、第１基板４５ａに取り付けられる。

　（第３アンテナ２３）
　第３アンテナ２３は、例えば、ＳＸＭ（Sirius XM）用のアンテナである。第３アンテナ２３は、第２アンテナ２２よりもｘ方向前方に設けられる。第３アンテナ２３は、第１基板４５ａに取り付けられる。第３アンテナ２３の上部には、無給電素子２３ａが配置される。無給電素子２３ａは、例えば、ケース５の内壁に取り付けられる。

　（基板部４５）
　基板部４５は、第１基板４５ａと第２基板４５ｂを有する。第１基板４５ａは、ｚ方向に垂直な面を有する。第１基板４５ａには、第１アンテナ２１、第２アンテナ２２、第３アンテナ２３に関連する回路が実装される。第１基板４５ａは、第２アンテナ２２、第３アンテナ２３、第２基板４５ｂを保持する。第１基板４５ａは、ベース部５０の金属部５２を介して、ベース部５０の樹脂部５５にネジ止め等の取付手段によって固定される。

　第２基板４５ｂは、ｙ方向に垂直な面を有する。第２基板４５ｂには、第１アンテナ２１に関連する回路が実装される。第２基板４５ｂは、第１基板４５ａに保持される。また、第２基板４５ｂは、基板保持部４６を介して、ケース５に保持される。基板保持部４６は、第２基板４５ｂに取り付けられ、ケース５が樹脂部５５に取り付けられた時に、ケース５に接続する。

　（コネクタ４７）
　コネクタ４７は、第１基板４５ａの下面に実装される。コネクタ４７は、金属部５２の第１１孔５２ａ１及び樹脂部５５の第２１孔５５ａ１を貫通し、ｚ方向下方に突出する。コネクタ４７は、オーディオ機器などの車両の電気機器（不図示）から延びるケーブル（不図示）と電気的に接続される。

　ベース部５０は、金属部５２と樹脂部５５とを有する。

　（金属部５２）
　金属部５２は、１枚の幅広の板状の金属部材（板金部材）で構成され、車載用アンテナ装置１のアンテナ素子部２０を構成するアンテナエレメントの少なくとも１つのグランド板として用いられる。金属部５２は、例えば、樹脂部５５の上であって、パッド７が配置される領域の内側に収まるように構成される。金属部５２は、第１平面部５２ａと第１壁部５２ｂを有する。プレス加工などにより、金属部５２の第１平面部５２ａと第１壁部５２ｂとが形成される。

　（第１平面部５２ａ）
　第１平面部５２ａは、ｚ方向に垂直な面を有する。第１平面部５２ａは、第１１孔５２ａ１と第１２孔５２ａ２と第１３孔５２ａ３を有する。

　第１１孔５２ａ１には、コネクタ４７が貫通する。第１２孔５２ａ２には、ナット６３の筒部及びボルトの軸部が貫通する。第１３孔５２ａ３には、樹脂部５５の第２平面部５５ａの突起５５ａ３が貫通する。

　（第１壁部５２ｂ）
　第１壁部５２ｂは、第１平面部５２ａの周縁に形成され、第１平面部５２ａの周縁を囲む。第１壁部５２ｂは、第１平面部５２ａの周縁からｚ方向上方に延びる。

　第１壁部５２ｂは、一部の領域が階段状に形成される。具体的には、図４に示すように、第１平面部５２ａの周縁からｚ方向上方に延びる下段領域５２ｂ１と、下段領域５２ｂ１の上端から外側に延びる平坦領域５２ｂ２と、平坦領域５２ｂ２の周縁からｚ方向上方に延びる上段領域５２ｂ３とで、第１壁部５２ｂが形成される。平坦領域５２ｂ２には、第１基板４５ａと樹脂部５５のネジ止め用の孔が形成される。

　第１平面部５２ａの第１壁部５２ｂで囲まれた領域には、ビード５２ｃが形成される。ビード５２ｃは、第１平面部５２ａからｚ方向上方若しくはｚ方向下方に突出する。ｚ方向上方に突出するビード５２ｃは、第１基板４５ａの下面に取り付けられた電気部材（アンプ、回路、コネクタ４７など）を囲む、若しくは当該電気部材を水平方向から挟む。例えば、ｚ方向上方に突出するビード５２ｃの略Ｕ字形状を有する領域は、コネクタ４７をｙ方向で挟む。ｚ方向上方に突出するビード５２ｃは、第１壁部５２ｂの下段領域５２ｂ１と繋がって形成されてもよい。

　（樹脂部５５）
　樹脂部５５は、金属部５２を保持する。金属部５２は、第１基板４５ａを保持する。金属部５２をｚ方向で挟む位置関係で、第１基板４５ａは、樹脂部５５にネジ止め等の取付手段によって固定される。樹脂部５５は、第２平面部５５ａと第２壁部５５ｂと突出部５５ｃを有する。

　（第２平面部５５ａ）
　第２平面部５５ａは、ｚ方向に垂直な面を有する。第２平面部５５ａは、第１平面部５２ａと第１壁部５２ｂのｚ方向下方に位置する。第２平面部５５ａは、第２１孔５５ａ１と第２２孔５５ａ２と突起５５ａ３を有する。

　第２１孔５５ａ１は、第１１孔５２ａ１のｚ方向下方に位置する。第２１孔５５ａ１には、コネクタ４７が貫通する。第２２孔５５ａ２は、第１２孔５２ａ２のｚ方向下方に位置する。第２２孔５５ａ２には、ナット６３の筒部及びボルトの軸部が貫通する。突起５５ａ３は、第１３孔５２ａ３のｚ方向下方に位置し、第２平面部５５ａからｚ方向上方に突出する。第１３孔５２ａ３と突起５５ａ３は、複数セット設けられる。本実施形態では、第１３孔５２ａ３と突起５５ａ３が８セット設けられる。

　（第２壁部５５ｂ）
　第２壁部５５ｂは、第２平面部５５ａの周縁に形成され、第２平面部５５ａの周縁を囲む。第２壁部５５ｂは、第２平面部５５ａの周縁からｚ方向上方に延びる。

　（突出部５５ｃ）
　突出部５５ｃは、第２壁部５５ｂよりも更に外側に形成され、上部が第２壁部５５ｂよりもｚ方向上方に突出する、すなわち、ケース５に近づく方向に突出する。図５に示すように、金属部５２の第１壁部５２ｂと、樹脂部５５の突出部５５ｃの間にパッド７が位置する。本実施形態では、ｘ方向前端とｘ方向後端とｙ方向右端で且つｘ方向中央とｙ方向左端で且つｘ方向中央の４カ所であって、ケース５とネジ止めする領域に突出部５５ｃが形成される。

　金型成形などにより、樹脂部５５の第２平面部５５ａと第２壁部５５ｂと突出部５５ｃが形成される。第２壁部５５ｂのｚ方向の厚さは、第２平面部５５ａのｚ方向の厚さよりも大きい。突出部５５ｃのｚ方向の厚さは、第２壁部５５ｂのｚ方向の厚さよりも大きい。

　樹脂部５５は、金属部５２の第１壁部５２ｂの第１平面部５２ａに近い領域の一部と、金属部５２の第１平面部５２ａの下面（一方の面）を覆う。樹脂部５５は、金属部５２の第１平面部５２ａの上面（他方の面）を覆わない。

　すなわち、金属部５２は、上面が樹脂部５５によって覆われずにアンテナ素子部２０のグランド板として機能する。

　また、一方の面側の樹脂部５５の領域（第２平面部５５ａなどの上面）と、他方の面側の樹脂部５５によって覆われない金属部５２の領域（第１平面部５２ａなどの上面）とは、略同等の面積である。当該略同等の面積は、一方の面側の樹脂部５５の領域と他方の面側の樹脂部５５によって覆われない金属部５２の領域とが完全に同一の形態、及び、本実施形態のように、第２壁部５５ｂの水平方向の幅だけ、樹脂部５５の方が金属部５２よりも若干大きくなる形態を含む。

　本実施形態では、第２壁部５５ｂの水平方向の幅だけ、樹脂部５５の方が、金属部５２よりも若干大きくなるが、樹脂部５５と略同等の大きさの金属部５２を設けることにより、金属部５２の他方の面（上面）が幅広の領域を有することになる。

　すなわち、本実施形態では、アンテナベースの強度を高めるために、金属部５２と樹脂部５５の周縁に設けた壁部（第１壁部５２ｂ、第２壁部５５ｂ）の存在により生じる若干の面積の違いは、略同等の面積を有するものとする。

　他方の面側の樹脂部５５によって覆われない金属部５２の領域は、ｘ方向の幅とｙ方向の幅の両方を樹脂部５５の幅と略同等とする。このため、樹脂部５５に対して、ｘ方向とｙ方向の少なくとも一方の幅が狭い金属部５２が樹脂部５５の上に配置される形態と比べて、金属部５２の上部（他方の面の側）に配置する基板部４５、アンテナ素子部２０のアンテナエレメントなどのレイアウトの自由度を高める（車載用アンテナ装置１の構成を簡単にする）ことが可能になる。また、金属部５２と略同等の面積で樹脂部５５が構成されるので、樹脂部５５が大型化せず、車載用アンテナ装置１が不必要に大型化することを避けることが出来る。

　言い換えると、当該若干の面積の違いが、車載用アンテナ装置１の大型化を避けつつ、金属部５２の領域を幅広にして、基板部４５、アンテナ素子部２０のアンテナエレメントなどのレイアウトの自由度を高めることを阻害しない構成であれば、一方の面側の樹脂部５５の領域と、他方の面側の樹脂部５５によって覆われない金属部５２の領域とが、略同等の面積であると言える。

　樹脂部５５の第２平面部５５ａの下面であって、車両のルーフの取り付け孔（不図示）と対向する領域には、ｚ方向下方に突出し、当該取り付け孔を通る回り止め部５５ｄが設けられる。回り止め部５５ｄは、樹脂部５５の下面と一体的に形成される。回り止め部５５ｄは、車両のルーフの取り付け孔の角領域と接し、ボルトの回転により、ベース部５０が回転するのを防止する。

　（金属部５２と樹脂部５５の一体成形）
　金属部５２と樹脂部５５とは、インサート成形などで、一体的に成形される。例えば、樹脂部５５の金型の内部に、ナット６３が溶接固定された状態の金属部５２を装填した後に、当該金型に樹脂を注入して、金属部５２と樹脂部５５の一体成形が行われる。この場合、金属部５２の第１平面部５２ａのビード５２ｃの形状に沿って、樹脂部５５の第２平面部５５ａの上面の凹凸が形成される。

　（ナット６３）
　ナット６３は、車両のルーフと車載用アンテナ装置１の締結のために用いられる。ナット６３は、略円筒形状の筒部と、フランジ部を有する。ナット６３のフランジ部は、ナット６３の筒部の上部に形成される。ナット６３の筒部は、第１平面部５２ａの第１２孔５２ａ２に挿入されと、第２平面部５５ａの第２２孔５５ａ２の内側に位置する。ナット６３のフランジ部は、第１平面部５２ａの上面に溶接で固定される。ナット６３は、フランジ部だけでなく、筒部の内壁にもねじ切りが施されることが望ましい。ねじ切り領域を多くすることで、ボルトとの締結を強く行うことが可能になる。

　（防水部材６５）
　樹脂部５５の第２平面部５５ａの下面であって、回り止め部５５ｄの周囲には、シールなどの防水部材６５が取り付けられる。防水部材６５は、エラストマー（Elastomer）、ゴム、ウレタンフォームなどで形成された囲繞形状の弾性部材である。防水部材６５により、樹脂部５５と車両のルーフの間であって、車両のルーフの取り付け孔が設けられた領域の周囲が水密防止される。

　樹脂部５５の第２平面部５５ａの下面であって、車両のルーフの取り付け孔と対向する領域には、仮止め具（不図示）が取り付けられる。当該仮止め具は、ボルトを締結する前段階で、車両のルーフに掛け止め（仮止め）するために用いられる。当該仮止め具の下には、爪付きワッシャー（不図示）、ボルト（不図示）が取り付けられる。当該爪付きワッシャーは、ボルトを締結する際に変形し、車両のルーフの下面と樹脂部５５の第２平面部５５ａの下面に接する。ボルトは、ナット６３に螺合される。

　（金属部５２をグランド板として用いることの効果）
　板金部品で構成される金属部５２をアンテナ素子部２０のグランド板として用いることで、亜鉛ダイキャストなどで構成された金属ベースをアンテナ素子部２０のグランド板として用いる形態に比べて、低コスト且つ軽量化を実現しやすい。

　（金属部５２と樹脂部５５とを一体成形で構成することの効果）
　金属部５２の第１平面部５２ａの下面（一方の面）が樹脂部５５によって覆われる。このため、金属部５２と樹脂部５５とが一体成形で構成されない形態と比べて、車載用アンテナ装置１の外部から金属部５２へ水が浸入する可能性が低くなり、金属部５２に塗装などの表面処理を施さずとも、金属部５２の腐食を抑えることが可能になる。表面処理を施さない分だけ、車載用アンテナ装置１の構成を簡単にできる。

　（樹脂部５５が第１平面部５２ａの上面を覆わないことの効果）
　樹脂部５５が第１平面部５２ａの上面（他方の面）を覆う形態に比べて、第１平面部５２ａの上部に第１基板４５ａなどの基板を直接配置し、当該基板と金属部５２との間の電気的な接続を行いやすく出来る。

　（ビード５２ｃを形成することの効果）
　板金部品で構成される金属部５２の第１平面部５２ａの周縁から離れた中央領域の強度を高めることが出来る。

　（ビード５２ｃで電気部材を挟むことの効果）
　ビード５２ｃで挟まれることにより、ビード５２ｃで挟まれた電気部材（コネクタ４７など）のシールド性を高めることが出来る。

　（第１壁部５２ｂを形成することの効果）
　板金部品で構成される金属部５２の第１平面部５２ａの周縁の強度を高めることが出来る。

　（樹脂部５５が第１壁部５２ｂの一部を覆うことの効果）
　金属部５２の第１壁部５２ｂの腐食を抑えることが可能になる。

　（第１壁部を階段状に形成することの効果）
　金属部５２の第１平面部５２ａの周縁の強度を高めることが出来る。

　（孔（第１３孔５２ａ３）と突起５５ａ３を複数セット設けることの効果）
　熱膨張係数の差などに起因して金属部５２と樹脂部５５との間にズレが生じて、金属部５２と樹脂部５５とが外れることを抑制出来る。

　（第２平面部５５ａを第２壁部５５ｂよりも薄くすることの効果）
　第１平面部５２ａと第２平面部５５ａが重なる領域の厚さを薄くすることで、車載用アンテナ装置１の高さを抑える、若しくは、車載用アンテナ装置１に収容出来る領域を大きくすることが出来る。

　（突出部５５ｃと金属部５２の間にパッド７を位置させることの効果）
　ケース５と第２壁部５５ｂとに挟まれたパッド７が、突出部５５ｃがある側若しくは金属部５２がある側にずれるのを抑制出来る。

　（アウターカバー３とケース５の形状の応用例）
　本実施形態では、アウターカバー３がシャークフィン形状を有し、ケース５がアウターカバー３の内壁に沿った形状を有する例を説明した。しかしながら、アウターカバー３及びケース５は、これらの形状に限定するものではない。例えば、アウターカバー３及びケース５が略直方体形状を有してもよい。

　（アンテナ素子部２０の応用例）
　本実施形態では、アンテナ素子部２０が、ＡＭ／ＦＭラジオ放送用の第１アンテナ２１、移動体通信用の第２アンテナ２２、ＳＸＭ用の第３アンテナ２３を有する例を説明した。しかしながら、アンテナ素子部２０は、これらの用途のアンテナに限るものではない。例えば、第１アンテナ２１は、ＤＡＢ用のアンテナなど、直線偏波に対応するアンテナであればよい。第２アンテナ２２は、テレマティクス用や電話用のアンテナなど、直線偏波に対応するアンテナであってもよい。例えば、ＩＴＳ、ＤＴＶ、Ｖ２Ｘ、ＭＩＭＯ、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、キーレスエントリ、スマートエントリなどが挙げられる。第３アンテナ２３は、衛星用アンテナとして、円偏波に対応するアンテナであればよい。また、アンテナ素子部２０が、位置情報取得用の平面アンテナだけを有する形態であってもよい。

　（第１壁部５２ｂの応用例）
　本実施形態では、第１壁部５２ｂが、第１平面部５２ａの周縁からｚ方向上方に延びる例を説明した。しかしながら、第１壁部５２ｂは、第１平面部５２ａの周縁からｚ方向下方に延びてもよい。

　（車載用アンテナ装置１を取り付ける対象の応用例）
　本実施形態では、車両のルーフ上面に取り付けられる車載用アンテナ装置１を説明した。しかし、車載用アンテナ装置１はルーフ以外の車両の部位、例えば、車室内、スポイラー、バンパーなどの部位に設置されてもよい。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

　本明細書によれば、以下の態様が提供される。
　（態様１）
　態様１は、アンテナ素子部のグランド板として用いられる金属部と、前記金属部を保持する樹脂部と、を備え、前記金属部は、前記金属部と前記樹脂部とが重なる第１方向に垂直な第１平面部を含み、前記樹脂部は、前記第１平面部の一方の面と反対側の面である他方の面を覆わずに、前記第１平面部の前記一方の面を覆い、前記樹脂部と前記金属部とは、一体成形で構成される。

　上述の態様によれば、金属部の第１平面部の一方の面が樹脂部によって覆われる。このため、金属部と樹脂部とが一体成形で構成されない形態と比べて、車載用アンテナ装置の外部から金属部へ水が浸入する可能性が低くなり、金属部に塗装などの表面処理を施さずとも、金属部の腐食を抑えることが可能になる。表面処理を施さない分だけ、車載用アンテナ装置の構成を簡単にできる。樹脂部が第１平面部の他方の面を覆う形態に比べて、第１平面部に基板を直接配置し、当該基板と金属部との間の電気的な接続を行いやすく出来る。

　（態様２）
　態様２では、前記金属部は、前記一方の面若しくは他方の面から突出するビードを含む。

　上述の態様によれば、金属部の第１平面部の周縁から離れた中央領域の強度を高めることが出来る。

　（態様３）
　態様３では、車載用アンテナ装置は、前記金属部に保持される第１基板を更に備え、前記他方の面は、前記第１基板に近づく方向に突出するビードを含み、前記ビードは、前記他方の面と対向する側の前記第１基板の面に取り付けられた電気部材の少なくとも一部を囲む若しくは水平方向から挟む。

　上述の態様によれば、ビードで挟まれた電気部材のシールド性を高めることが出来る。

　（態様４）
　態様４では、前記金属部は、第１壁部を含み、前記第１壁部は、前記他方の面の周縁に形成され、前記樹脂部は、前記第１壁部の少なくとも一部を覆う。

　上述の態様によれば、金属部の第１平面部の周縁の強度を高めることが出来る。金属部の第１壁部の腐食を抑えることが可能になる。

　（態様５）
　態様５では、前記第１壁部は、少なくとも一部の領域が階段状に形成される。

　上述の態様によれば、金属部の第１平面の周縁の強度を高めることが出来る。

　（態様６）
　態様６では、前記樹脂部は、前記一方の面と接する平面部を含み、前記金属部は、前記平面部の突起が通る孔を含み、前記樹脂部の前記突起は、前記金属部の一体成形により形成され、前記金属部の前記孔と、前記平面部の前記突起は、複数セット設けられる。

　上述の態様によれば、熱膨張係数の差などに起因して金属部と樹脂部との間にズレが生じて、金属部と樹脂部とが外れるのを抑制出来る。

　（態様７）
　態様７では、前記樹脂部は、第２壁部を含み、前記第２壁部は、前記平面部の周縁に形成され、前記第２壁部の厚さは、前記平面部の厚さよりも大きい。

　上述の態様によれば、第１平面部と第２平面部が重なる領域の厚さを薄くすることで、車載用アンテナ装置の高さを抑える、若しくは、車載用アンテナ装置に収容出来る領域を大きくすることが出来る。

　（態様８）
　態様８では、車載用アンテナ装置は、前記他方の面を覆い、前記アンテナ素子部のアンテナエレメントの少なくとも一部を覆う及び／又は保持するケースと、前記ケースと前記樹脂部の間に配置された弾性部材と、を更に備え、前記樹脂部は、突出部を含み、前記突出部は、前記第２壁部よりも、前記ケースに近づく方向に突出し、前記弾性部材は、前記突出部と前記金属部に間に位置し、前記第２壁部と前記ケースに挟まれる。

　上述の態様によれば、ケースと第２壁部とに挟まれた弾性部材が、突出部がある側若しくは金属プレートがある側にずれるのを抑制出来る。

　（態様９）
　態様９は、アンテナ素子部と、板状の金属部と前記金属部の一方の面を覆う樹脂部とからなるベース部と、を備え、前記金属部は、前記一方の面と反対側の面である他方の面が前記樹脂部によって覆われずに前記アンテナ素子部のグランド板として機能し、前記一方の面側の前記樹脂部の領域と前記他方の面側の前記樹脂部によって覆われない前記金属部の領域とは、略同等の面積である。

　上述の態様によれば、板状の金属部をアンテナ素子部のグランド板として用いることで、亜鉛ダイキャストなどで構成された金属ベースをアンテナ素子部のグランド板として用いる形態に比べて、低コスト且つ軽量化を実現しやすい。また、少なくとも、金属部の他方の面は幅広の領域を有するため、金属部の他方の面の側に配置される基板部などのレイアウトの自由度が向上する（車載用アンテナ装置の構成を簡単にできる）。

　１　車載用アンテナ装置
　３　アウターカバー
　５　ケース
　７　パッド
　２０　アンテナ素子部
　４５　基板部
　５０　ベース部
　５２　金属部
　５２ａ　第１平面部
　５２ａ１　第１１孔
　５２ａ２　第１２孔
　５２ａ３　第１３孔
　５２ｂ　第１壁部
　５２ｂ１　下段領域
　５２ｂ２　平坦領域
　５２ｂ３　上段領域
　５２ｃ　ビード
　５５　樹脂部
　５５ａ　第２平面部
　５５ａ３　突起
　５５ｂ　第２壁部
　５５ｃ　突出部

Claims

　アンテナ素子部のグランド板として用いられる金属部と、
　前記金属部を保持する樹脂部と、を備え、
　前記金属部は、前記金属部と前記樹脂部とが重なる第１方向に垂直な第１平面部を含み、
　前記樹脂部は、前記第１平面部の一方の面と反対側の面である他方の面を覆わずに、前記第１平面部の前記一方の面を覆い、
　前記樹脂部と前記金属部とは、一体成形で構成される、車載用アンテナ装置。
　前記金属部は、前記一方の面若しくは他方の面から突出するビードを含む、請求項１に記載の車載用アンテナ装置。
　前記金属部に保持される第１基板を更に備え、
　前記他方の面は、前記第１基板に近づく方向に突出するビードを含み、
　前記ビードは、前記他方の面と対向する側の前記第１基板の面に取り付けられた電気部材の少なくとも一部を囲む若しくは水平方向から挟む、請求項１に記載の車載用アンテナ装置。
　前記金属部は、第１壁部を含み、
　前記第１壁部は、前記他方の面の周縁に形成され、
　前記樹脂部は、前記第１壁部の少なくとも一部を覆う、請求項１に記載の車載用アンテナ装置。
　前記第１壁部は、少なくとも一部の領域が階段状に形成される、請求項４に記載の車載用アンテナ装置。
　前記樹脂部は、前記一方の面と接する平面部を含み、
　前記金属部は、前記平面部の突起が通る孔を含み、
　前記樹脂部の前記突起は、前記金属部の一体成形により形成され、
　前記金属部の前記孔と、前記平面部の前記突起は、複数セット設けられる、請求項１に記載の車載用アンテナ装置。
　前記樹脂部は、第２壁部を含み、
　前記第２壁部は、前記平面部の周縁に形成され、
　前記第２壁部の厚さは、前記平面部の厚さよりも大きい、請求項６に記載の車載用アンテナ装置。
　前記他方の面を覆い、前記アンテナ素子部のアンテナエレメントの少なくとも一部を覆う及び／又は保持するケースと、
　前記ケースと前記樹脂部の間に配置された弾性部材と、を更に備え、
　前記樹脂部は、突出部を含み、
　前記突出部は、前記第２壁部よりも、前記ケースに近づく方向に突出し、
　前記弾性部材は、前記突出部と前記金属部に間に位置し、前記第２壁部と前記ケースに挟まれる、請求項７に記載の車載用アンテナ装置。
　アンテナ素子部と、
　板状の金属部と前記金属部の一方の面を覆う樹脂部とからなるベース部と、を備え、
　前記金属部は、前記一方の面と反対側の面である他方の面が前記樹脂部によって覆われずに前記アンテナ素子部のグランド板として機能し、
　前記一方の面側の前記樹脂部の領域と前記他方の面側の前記樹脂部によって覆われない前記金属部の領域とは、略同等の面積である、
　車載用アンテナ装置。