WO2023286743A1 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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WO2023286743A1
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透 村澤
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日本精機株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K35/00Instruments specially adapted for vehicles; Arrangement of instruments in or on vehicles
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays

Definitions

  • the shape of the virtual image display surface PS is distorted in the front-rear direction due to the influence of the curved surfaces of the windshield 2 and other optical systems (for example, the curved mirror 171 shown in FIG. 3B). , along with this, the displayed image (virtual image) is also distorted.
  • FIG. 3A is a diagram showing the principle configuration of a 3D display device
  • FIG. 3B is a diagram showing an example of image display by the 3DHUD.
  • the virtual image display surfaces PS1 and PS2 are curved under the influence of the curved shape of the projection target member (windshield) 2, which is the largest factor in image distortion.
  • the image is distorted in the longitudinal direction (depth direction) of the vehicle.
  • the curved surface display portion 210 has a bent shape (cross-sectional shape that has been bent) by approximating the arcuate curved shape of the windshield 2 . have. Therefore, the influence of the curvature of the windshield 2 is canceled out, and the difference in optical path length of each light beam is sufficiently reduced.
  • the viewer's weighting is set so as to satisfy the relationship S10>S20>S30.
  • curved display unit for example, various display devices such as a micro LED display device, a liquid crystal display device formed on a flexible substrate, an organic EL display device, and the like can be used.
  • a curved display with a fixed shape can also be used.
  • SYMBOLS 1... Vehicle (self-vehicle), 2... Projected member (reflecting translucent member, windshield, etc.), 101, 103... HUD device (display device in a broad sense), 170... Control unit , 180... Image generation unit 185... Warping processing unit 210... Curved surface display unit (flexible display unit as a preferred example) 211... Display surface (surface) 220...

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Abstract

本発明は、アイボックスの範囲を車両の幅方向に広げたときに、被投影部材(例えばウインドシールド等)の形状に起因して生じる画像の歪みを抑制することを目的とする。 本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、車両に搭載され、画像を表示する、柔軟性のある変形可能な曲面表示部(210)と、曲面表示部(210)に表示される画像の表示光を、車両に設けられる被投影部材(2)に投影する光学系と、を有し、曲面表示部(210)は、車両の幅方向に沿って隣接して設けられる複数の表示領域(R10,R20,R30)を有し、各表示領域に対応する各画像の表示光の、各表示領域に対応する各アイボックス(EB10,EB20,EB30)までの光路長の差が抑制されるように、曲面表示部(210)の形状が、被投影部材(2)の空間における湾曲形状に対応して変形されている。

Description

ヘッドアップディスプレイ装置
 本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置等に関する。
 特許文献1には、車両用投影表示装置において、表示光を出射する表示デバイスとしてフレキシブル表示デバイスを使用し、そのフレキシブル表示デバイスの面を湾曲させることで、像面湾曲の収差を補正することが開示されている。
特開2015-230329号公報(明細書の[0015]、図3、図4等)
 本発明者の検討によって、以下の課題が明らかとなった。ヘッドアップディスプレイ装置において、例えば、車両の幅方向(左右方向)に沿って位置する(言い換えれば着席している)複数の視認者(運転者や、その運転者以外の同乗者)を対象として画像(虚像)を表示しようとすると、アイボックスの範囲は車両の幅方向(左右方向)に拡張される。
 アイボックスの範囲が広がると、それに伴い、車両に備わる被投影部材(ウインドシールド等)における表示光を反射する範囲も広がり、被投影部材の湾曲の程度が大きい部分も、表示光の反射に用いられる可能性が高まる。
 この場合、その大きな湾曲に起因して、表示画像の歪みが増大し、視認者に違和感を生じさせる可能性が増大する。
 なお、事前歪み処理の一種であるワーピング処理を実施し、電気的な画像補正によって、画像の歪みを軽減することも考えられるが、上記のように、アイボックスの範囲が広範囲化すると、画像処理の負担が増え、また、画像の歪みの程度も大きくなる傾向があるため、この点でも画像処理の負担が増えることが懸念される。
 特許文献1には、このような、アイボックスの範囲が車両の幅方向(左右方向)に拡張される場合における課題については言及されておらず、その対策についても記載がない。
 本発明の目的の1つは、アイボックスの範囲を車両の幅方向に広げたときに、例えば被投影部材(ウインドシールド等)の形状に起因して生じる画像の歪みを抑制することである。
 本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
 以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
 第1の態様において、表示制御装置は、
 車両に搭載され、
 画像を表示する、柔軟性のある変形可能な曲面表示部と、
 前記曲面表示部に表示される前記画像の表示光を、前記車両に設けられる被投影部材に投影する光学系と、
 を有し、
 前記曲面表示部は、
 前記車両の幅方向に沿って設けられる複数の表示領域を有し、
 各表示領域に対応する各画像の表示光の、各表示領域に対応する各アイボックスまでの光路長の差が抑制されるように、前記被投影部材の空間における湾曲形状に対応して湾曲された形状を有する。
 本態様によれば、各表示領域から被投影部材(ウインドシールド等)を経由して各表示領域に対応したアイボックスに至るまでの光路長の差が抑制される。各表示領域に対応して、車両の前方において、車両の幅方向に各画像が隣接して表示されるとき、各画像に正対する(言い換えれば各画像を正面から見る)視認者(運転者や同乗者)には、その各画像は、像距離方向(言い換えれば車両の前後方向、あるいは奥行き方向)の歪みが軽減されて、違和感の少ない画像として感得され得る。
 表示しようとする画像の数だけヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を個別に用意すると、車載表示システムが大規模化し、コストも増大する。これに対して、第1の態様によれば、各表示領域は、曲面表示部として集約されて(好ましくは一体的に)形成されている。
 「曲面表示部」は、画面が曲面である表示部である。ここで「画面」は、一例であるが、画素を構成する発光素子(LED等)が形成されている基板や基材の表面(言い換えれば、発光素子の搭載面)に相当すると解釈可能である。また、「曲面表示部」は、「湾曲表示部」と称することもできる。
 上記のとおり、「各表示領域に対応する各画像の表示光の、各表示領域に対応する各アイボックスまでの光路長の差が抑制されるように、曲面表示部が、被投影部材の空間における湾曲形状に対応して湾曲されている」という新規な構造を有している。曲面表示部の形状を、例えば歪みの最大の要因となる被投影部材の空間的な形状に近似させることで、上記のとおり、各表示領域から各アイボックスまでの光路長を揃えることが可能となる。
 なお、「湾曲」という用語については、広く解釈するのが好ましい。例えば、「表示部(例えば板状パネル)の肉厚を(曲面内で)部分的に変化させて、曲面形状が微調整されていること」等も含むように解釈することができる。
 また、曲面表示部は、例えば、「可撓性等を有し、変形可能なフレキシブル表示部」とすることができる。但し、これに限定されるものではない。「変形は不可(言い換えれば形状は固定)であるが、所望の湾曲形状を有する表示部」であってもよい。基板等の材質は問わない。
 このような複数の表示領域を集約的に配置してなる1つのHUD装置を、例えばウインドシールドの近くに配置することで、車両の幅方向(左右方向)の広範囲にわたって、種々の画像を表示でき、適正な画像による情報提供等が可能となり、簡単な構成で、かつ専有面積を抑えて、かつローコストで新規なHUD装置を実現することが可能である。
 第1の態様に従属する第2の態様において、
 前記曲面表示部は、
 曲面の表面をもつ共通基板の前記表面に、複数の表示素子を備える素子構造体が設けられ、前記素子構造体が複数の領域に電気的に区分され、各区分によって、前記複数の表示領域の各々が形成されている、
 又は、
 曲面の表面をもつ共通基板の前記表面に、複数の表示素子を備える複数の素子構造体が設けられ、前記各素子構造体によって、前記複数の表示領域の各々が形成されている、
 又は、
 曲面の表面をもつ基板の前記表面に、複数の表示素子を備える素子構造体が設けられた基板構造体が複数、隣接して配置され、かつ、隣接する各基板構造体同士が連結部で連結されて一体化され、前記各基板構造体によって、前記複数の表示領域の各々が形成されていてもよい。
 第2の態様では、複数の表示領域を有する曲面表示部の構成を例示している。例えば、曲げることが可能な共通基板(共通基材)に、複数の表示素子(例えばマイクロLED素子や電極)が形成されている素子構造体を設け、その素子構造体を電気的に区分(分離)し、その1つの区分を1つの表示領域とする、という構成であってもよい。
 また、共通基板(共通基材)に、複数の素子構造体を隣接して設け、各素子構造体を1つの表示領域とする、という構成であってもよい。
 また、素子構造体のみならず、その下地となる基板(基材)も個別化し(言い換えれば、上記の共通基板は個別基板に置換される)、一対の基板(基材)及び素子構造体で1つの基板構造体を構成し、この基板構造体を隣接して配置し、連結部(連結具)で連結して一体化し、その一体化された構造のうちの1つの基板構造体を1つの表示領域(1つの表示器、1つのディスプレイ等)とする、という構成であってもよい。
 いずれも、被投影部材(ウインドシールド)の形状に近似した曲面を有し、かつ複数の表示領域を備える機械的な構造体を用いて、画像の歪み補正を、比較的簡易に実現することができる。コスト面でも有利となる。
 第1又は第2の態様に従属する第3の態様において、
 前記複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成されており、
 前記第1~第mの表示領域に対応して、前記車両の前方において、前記車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、
 前記第1~第mの各画像に正対する位置に、第1~第mの視認者が位置し得る場合において、
 前記第1の表示領域の形状は、前記第1の視認者から見た前記第1の画像の歪みの抑制を優先して決定されており、前記第2の表示領域の形状は、前記第2の視認者から見た前記第2の画像の歪みの抑制を優先して決定されており、
 以下同様に、前記第mの表示領域の形状は、前記第mの視認者から見た前記第mの画像の歪みの抑制を優先して決定されている構成を採用してもよい。
 第3の態様では、複数の画像が表示され、視認者となり得るものが複数いる場合において、曲面表示部の曲がり形状の最適化に際しては、各画像を正面から見る視認者を優先して、その視認者から見た画像の歪みが最小化(低減)されるように設計する点を明確化している。
 各画像に正対する位置の視認者(各画像を正面から見る視認者)にとって、正面から見ているのに、その画像が歪んでいたのでは、違和感が増大して表示品質の低下が顕在化する場合もあり得る。また、各画像に正対する位置の視認者は、その画像を見る機会が最も多いと考えられる。このような点を考慮した設計を実施するものである。なお、「正対」という用語は、「対向する」、「向き合う、向かい合う」等と言い換えることもできる。
 第1又は第2の態様に従属する第4の態様において、
 前記複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成されており、
 前記第1~第mの表示領域に対応して、前記車両の前方において、前記車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、
 前記第1~第mの各画像に正対する位置に、第1~第mの視認者が位置し得る場合において、
 前記第1~第mの表示領域の各々の形状については、
 第1~第mの各画像に正対する視認者を最も重視して重み付けし、次に、前記正対する視認者の隣に位置する視認者を重視して重み付けし、以下、前記正対する視認者から遠くに位置する視認者ほど、重要度を低下させて重み付けし、正対する視認者の左右の隣に位置する各視認者の重要度は同じにして重み付けし、各重み付けに応じて、曲がり形状が調整されていてもよい。
 第4の態様では、第1~第mの画像が表示され、各画像に対応して視認者となり得る者がm人いる場合において、曲面表示部の曲がり形状(湾曲形状)の最適化に際しては、各画像を正面から見る視認者だけでなく、他の視認者も考慮して形状を決定する。但し、各視認者の重要度に差を設ける。言い換えれば、重要度を重み付けし、その重み付けを総合的に考慮して、曲面表示部の曲がり形状が調整されている。
 画像に正対する視認者を最も重視して重み付けすることで、画像を正面から見た場合の表示品質を確保する。
 画像を斜めから見る視認者については、正対する視認者に近いものは重要度を高く、遠くなるほど低くして重み付けする。
 また、正対する視認者から離れた位置の視認者には、ある程度、大きな歪みが生じるのは仕方のないことであるため、より近い位置の視認者について重み付けを重くして、斜めから見た場合でも、極力、画像の品質を確保するようにする。
 本態様では、画像を、斜めから見た場合でも、画像の歪みが低減されるように、曲面表示部の形状(曲がり形状、湾曲形状)が調整されている。よって、どの視認者にとっても画像の歪みが低減される。このことは、各視認者の違和感を少なくすることに役立つ。結果的に、表示品質の向上にもつながる。
 第1の態様に従属する第5の態様において、
 前記複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成され、
 前記第1~第mの表示領域に対応して、前記車両の前方において、前記車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、
 前記第1~第mの画像のうち、前記被投影部材の形状に起因する歪みを受けにくい画像に対応する表示領域は、湾曲のない、平面の表面を備える表示領域としてもよい。
 第5の態様では、曲面の表面を有する表示領域と、平面の表面を有する表示領域とが混在する構成を採用する。1つの表示領域を1つの表示器とする場合には、曲がった断面形状の表示器と平板状の断面形状の表示器とが混在しているとみることができる。
 複数の表示領域を、例えば、画像の平坦性を確保し易い表示領域と、そうでない表示領域とに区分し、平坦性を確保し易い表示領域には、平板状の表示器を使用することで、コストを低下させることができる。また、平板状のディスプレイは機械的応力が少なく、機械的に安定しているため、組み立て等の誤差を低減しつつ、比較的大きなサイズのフレキシブル基板を安定的に製造することもできる。
 第1乃至第5の何れか1つの態様に従属する第6の態様において、
 前記車両の高さ方向から見た平面視において、
 前記複数の表示領域は、
 前記車両の前部における、前記車両の幅方向の中央部において、
 前記車両の幅方向の中心を通って、前記車両の前後方向に延びる中心線に対して、左右対称に配置されていてもよい。
 第6の態様では、曲面表示部における複数の表示領域は、車両の前部の中央部において、車両の幅を二分する中心線に対して線対称に配置される。これによって、被投影部材(ウインドシールド等)の、車両の幅方向(左右方向)の広範な領域を、表示光の反射(及び透過)領域として有効活用できる。また、左右に対称の配置とすることで、曲がった断面形状をもつ曲面表示部において、応力がバランスされ、機械的な安定性を高く保つことができる。
 第1乃至第6の何れか1つの態様に従属する第7の態様において、
 前記曲面表示部に表示される前記画像に対して、前記被投影部材の形状に起因する歪みを軽減する事前歪み処理であるワーピング処理を実施するワーピング処理部を有し、
 前記ワーピング処理部は、前記曲面表示部の形状の変形では除去できない、前記画像の歪みを抑制する処理を実施するようにしてもよい。
 第7の態様によれば、曲面表示部の形状の変形では除去できない、画像の歪みを抑制するように事前歪み処理を実施することで、画像の歪みがさらに低減される。また、曲面表示部210の湾曲形状によって、画像の歪みはかなり低減されているため、ワーピング処理の負担は軽減され、ワーピング処理の実行が容易化されるという利点もある。
 当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
図1(A)は、右ハンドル車に2名が乗車している場合におけるHUD装置の配置例を示す図、図1(B)は、左ハンドル車に3名が乗車している場合におけるHUD装置の配置例を示す図である。 図2(A)は、図1(A)に対応する画像(虚像)表示例を示す図、図2(B)は、図1(B)に対応する画像(虚像)表示例を示す図である。 図3(A)は、3D表示装置の原理的構成を示す図、図3(B)は、3DHUDによる画像表示の例を示す図である。 図4(A)~(G)は、曲面表示部の製造方法の例を示す図である。 図5(A)は、視認者が2人の場合における、本発明を使用しない場合の表示例(比較例)を示し、図5(B)は、本発明(正対する視認者から見た画像の歪みを低減する例)を使用した場合の表示例を示し、図5(C)~(E)は、曲面表示部の構造例を示す図である。 図6(A)は、視認者が3人の場合における、本発明(正対する視認者から見た画像の歪みを低減する例)を使用した場合の表示例を示し、図6(B)~(D)は、曲面表示部の構造例を示す図である。 図7は、視認者が3人の場合における、本発明(正対する視認者、及び他の視認者の各々から見た画像の歪みを低減する例)を使用した場合の表示例を示す図である。 図8は、曲がりを有する表示領域(湾曲表示器)と、平板状の表示領域(平板表示器)とを混在させた構成の曲面表示部による表示例を示す図である。 図9(A)は、HUD装置の構成の一例を示す図、図9(B)は、HUD装置の構成の他の例を示す図である。
 以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
 (第1の実施形態)
 図1(A)は、右ハンドル車に2名が乗車している場合におけるHUD装置の配置例を示す図、図1(B)は、左ハンドル車に3名が乗車している場合におけるHUD装置の配置例を示す図である。
 以下の説明では、主として「曲面表示部」という表現を使用する。「曲面表示部」は、画面が曲面である表示部である。ここで「画面」は、一例であるが、画素を構成する発光素子(LED等)が形成されている基板や基材の表面(言い換えれば、発光素子の搭載面)に相当すると解釈可能である。また、「曲面表示部」は、「湾曲表示部」と称することもできる。
 また、「湾曲」という用語については、広く解釈するのが好ましい。例えば、「表示部(例えば板状パネル)の肉厚を(曲面内で)部分的に変化させて、曲面形状が微調整されていること」等も含むように解釈することができる。
 また、曲面表示部は、例えば、「可撓性等を有し、変形可能なフレキシブル表示部」とすることができる。但し、これに限定されるものではない。「変形は不可(言い換えれば形状は固定)であるが、所望の湾曲形状を有する表示部」であってもよい。基板等の材質は問わない。
 図1(A)において、X方向は車両1の幅方向(あるいは左右方向)、Y方向は車両1の高さ方向、Z方向は車両1の前方(広義には前後方向)を示す。前方(前後方向)は、奥行き方向、あるいは、画像(虚像)が表示される距離に関係することから像距離方向とも称される。
 図示されるように、車両1は、ステアリングホイール8が右側にある、前列2人掛けの乗用車である。図1(A)では、運転席6に運転者S1が着座し、その隣の助手席に同乗者S2が着座している。後部座席11には、同乗者はいない状態である。
 車両1のウインドシールド2側の部分である前方部分の、車両1の幅方向(左右方向)における中央部において、HUD装置101が、例えばインスツルメントパネル(不図示)の内部に配置されている。
 このHUD装置101は、曲面表示部(図1(A)では不図示、図5(B)~(E)の符号210)を有し、この曲面表示部は、車両1の幅方向(左右方向)に沿って配置された複数(ここでは2つ)の表示領域R1、R2を有する。なお、「表示領域」という用語は、「表示部分」、「表示手段」、「表示パネル」、「表示器」、「ディスプレイ」等と言い換えることも可能である。
 好ましくは、この表示領域R1、R2は、車両1の高さ方向から見た平面視において(言い換えれば、図1において)、車両1の幅方向(左右方向)の中心(中央の一点)を通って、車両1の前後方向に延びる中心線Qに対して、左右対称に配置される。なお、「車両1の幅方向の中心の位置」は、設計上の種々の要因を考慮して、柔軟に解釈するのが好ましい。
 言い換えれば、曲面表示部における複数(ここでは2つ)の表示領域R1、R2は、車両1の前部の中央部において、車両の幅を2分する中心線Qに対して線対称に配置される。これによって、被投影部材(ここではウインドシールド2)の、車両1の幅方向(左右方向)の広範な領域を、画像の表示光の反射(及び透過)領域として有効活用できる。また、左右に対称の配置とすることで、曲がった断面形状をもつ曲面表示部において、応力がバランスされ、機械的な安定性を高く保つことができる。
 各表示領域R1、R2から出射(投影)される表示光は、被投影部材(反射透過部材:ここではウインドシールド2)で一部が反射されて、運転者S1や同乗者S2の視点(眼)に到達する。図中、画像の表示光が、矢印にて示されている。
 なお、表示領域R1が表示する画像(ここでは虚像)は、運転者S1、同乗者S2のいずれもが見ることは可能である。但し、好ましい例では、その画像は、主として運転者S1が見ることを想定して表示される。表示領域R1によって表示される画像については、運転者S1が主たる視認者であり、同乗者S2は、従たる視認者である。
 一方、表示領域R2が表示する画像(虚像)は、同乗者S2が主たる視認者であり、運転者S1が従たる視認者である。
 図1(B)においても、図1(A)の説明が、ほぼ同様に適用され得る。但し、図1(B)では、車両1は、前列3人掛けの左ハンドル車である。左側の運転席16には運転者S10が着座し、中央の座席18には第1の同乗者(単に同乗者ということがある)S20が着座し、右側の座席20には第2の同乗者(単に同乗者ということがある)S30が着座している。後部座席21には、同乗者がいない状態である。
 また、図1(B)では、HUD装置103に含まれる曲面表示部(図6(A)~(D)における符号210)は、3つの表示領域R10、R20、R30を有する。
 好ましい例において、表示領域R10が表示する画像(虚像)の主たる視認者は運転者S10であり、他の2人の同乗者S20、S30は従たる視認者である。
 また、表示領域R20が表示する画像(虚像)の主たる視認者は、中央の同乗者S20であり、他の2人(運転者S10、右端の同乗者S30)は従たる視認者である。
 また、表示領域R30が表示する画像(虚像)の主たる視認者は右端の同乗者S30であり、他の2人(中央の同乗者S20、運転者S10)は従たる視認者である。
 なお、車両1の前列の同乗者の数は、2人及び3人に限定されるものではない。一般には、m人(mは2以上の自然数、mは通常は2~4の範囲である)と表現することができる。
 次に、図2を参照する。図2(A)は、図1(A)に対応する画像(虚像)表示例を示す図、図2(B)は、図1(B)に対応する画像(虚像)表示例を示す図である。
 図2(A)において、手前側にアイボックスEBが設定され、奥側に、2つの表示領域(図1(A)の符号R1、R2)に対応する、仮想的な虚像表示面PSが設定される。なお、視認者の視点(眼)がアイボックスEBの範囲内に位置する場合に、画像(虚像)を視認可能である。なお、アイボックスEBは立体的なものであるが、説明の便宜上、平面的に描かれている。
 虚像表示面PSは、表示領域R1に対応する虚像表示面PS1と、表示領域R2に対応する虚像表示面PS2と、を有する。虚像表示面PS1に表示される画像(虚像)に正対する(言い換えれば、その画像(虚像)を正面から見る)視認者は、運転者(図1(A)の符号S1)である。
 なお、「正対」という用語は、「対向する」、「向き合う、向かい合う」等と言い換えることもできる。
 また、虚像表示面PS2に表示される画像(虚像)に正対する(言い換えれば、その画像(虚像)を正面から見る)視認者は、同乗者(図1(A)の符号S2)である。
 図2(B)では、アイボックスEBは、運転者S10用のアイボックスEB10、同乗者用のアイボックスEB20及びEB30を有する。虚像表示面PSは、3つの表示領域R10~R30の各々に対応する虚像表示面PS10、PS20、PS30を有する。虚像表示面PS10に表示される画像に正対する(言い換えれば、その画像(虚像)を正面から見る)視認者は、運転者S10(図1(B)参照)である。同様に、虚像表示面PS20に表示される画像に正対する(言い換えれば、その画像(虚像)を正面から見る)視認者は、同乗者S20(図2(B)では、「同乗者1」と記載されている)である。同様に、虚像表示面PS30に表示される画像に正対する(言い換えれば、その画像(虚像)を正面から見る)視認者は、同乗者S30(図2(B)では、「同乗者2」と記載されている)である。
 虚像表示面PSは、図2(A)、(B)に示されるように、平面であるのが理想的であり、平面であれば、表示される画像(虚像)は、前後方向(奥行方向)に歪むことがなく、高い表示品質を確保することができる。
 但し、実際には、ウインドシールド2、及び、他の光学系(例えば図3(B)に示される曲面ミラー171等)の曲面の影響を受けて、虚像表示面PSの形状は前後方向に歪み、これに伴い、表示画像(虚像)も歪むことになる。
 この歪みを抑制するために、本発明では、曲面表示部の曲げ形状を最適化するという手法を採用する。なお、さらに、ワーピング処理を併用することもできる。具体例については後述する。
 以下、HUD装置の表示原理や構成例等について、順を追って説明する。なお、以下の説明は一例であり、その説明に用いられる構成等に限定されるものではなく、種々、置換、変形、応用等が可能である。
 図3を参照する。図3(A)は、3D表示装置の原理的構成を示す図、図3(B)は、3DHUDによる画像表示の例を示す図である。
 図3(A)において、表示領域を備え、かつ湾曲変形が可能な曲面表示部210(ここでは、説明の便宜上、曲面表示部210は平板状に描いている)の表示面211に、右眼用の画像(視差画像)QR、左眼用の画像(視差画像)QLが表示される。なお、「視差画像」とは、左右の眼が異なる位置にあることによって生じる視差(各眼が知覚する画像の差)が再現されている画像である。
 曲面表示部210の光出射側を前方とするとき、曲面表示部210の前方に光学部材(図3(A)の例では符号RSを付して示している)が配置される。光学部材RSは光線分離部材として機能し、左上側に示されるように、具体的にはレンチキュラレンズ220、あるいは、パララックスバリア(視差バリア)225により構成することができる(但し、これらは例示であり、これらに限定されるものではない)。
 また、パララックスバリア(視差バリア)は、例えば幅の細い短冊状(矩形形状)の遮蔽物225a~225nを、隙間(スリット)SLを設けつつ横方向に所定ピッチで配置したものであり、同じ画像であっても、遮蔽物によって、その画像の表示光の一部を遮蔽することで、左右の各眼用の、異なる映像の表示光(指向性のある表示光)を発生させるものであり、光線を左右の各眼用に分離する点ではレンチキュラレンズと共通する。但し、光を遮断するため映像がやや暗くなることがあり、この点ではレンチキュラレンズの方が有利となる。
 光学部材として、現在の3Dディスプレイの分野で主流技術といわれるレンチキュラレンズ、又はパララックスバリア(視差バリア)を使用することで、表示される映像品質を安定に維持することができる。
 光線分離機能を有する光学部材RSで分離された光(画像を再現する各眼用の再現光E(L1)、E(R1))が、光の結像点に位置する両眼AL、ARに入光したとすると、人には、輻輳(光の交差)が生じている箇所にて、見かけ上の立体像IM(具体的には、図2(A)で示したM(V1)、M(V2)等)が見える。言い換えれば、このことは、立体像IMが、3Dディスプレイによって生成された、とみることもできる。なお、図3(A)の例では、輻輳角はθcである。
 次に、図3(B)を参照する。図3(B)では、視認者(車両の運転者等)の前にアイボックスEBが設定されており、アイポイントEP(C)は、アイボックスEBの中央に位置する。ウインドシールド2の前方に、左右の各眼に対応する仮想的な結像面PS(L)、PS(R)を設定したとすると、その重なりの領域の中央に虚像V(C)が位置する。虚像V(C)の輻輳角はθdであり、虚像V(C)は、視認者(ユーザー)には立体的な像として認識されることになる。
 この立体的な虚像V(C)は、以下のようにして表示(形成)される。すなわち、図3(A)に示した3Dディスプレイにより生成された仮想的な立体像IMの、左右の各眼用の再現光e(L1)、e(R1)を、HUD装置の光学系に含まれる曲面ミラー(凹面鏡等)171にて反射させ(反射の回数は少なくとも1回)、これによって、表示光E(L1)、E(R1)としてウインドシールド2に投射(投影)し、その反射光が視認者の両眼に至り、ウインドシールド2の前方に像を結ぶことによって、虚像V(C)が表示(形成)されることになる。
 次に、図4を参照する。図4(A)~(G)は、曲面表示部の製造方法の例を示す図である。曲面表示部は、多数の表示素子を含む。ここでは、表示素子として、マイクロLEDを用いることとする(但し、これに限定されるものではない)。
 マイクロLEDを用いた表示デバイスでは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の画素(サブピクセル)が、例えばカラーフィルターを備えるLED(発光ダイオード)によって構成される。マイクロLEDを用いたディスプレイは、色鮮やかな表示が可能であり、また、光の利用効率が高く、低消費電力であり、かつ高輝度の表示にも対応可能である。
 マイクロLEDデバイスは、多数の画素を高集積化できるメリットもあり、本発明には好ましいものである。但し、これに限定されるものではない。マイクロLEDデバイスに代えて、例えば、可撓性を有するフレキシブル基板を用いた液晶表示デバイスや、フレキシブル基板を用いた有機ELデバイス等を用いることも可能である。
 図4(A)、(B)は、直説法と呼ばれる曲面表示部(フレキシブル表示パネル、フレキシブルディスプレイ等と言い換えることもできる)の製造方法を示している。図4(A)に示されるように、保持基板500上に、仮接着材501を介して、例えば可撓性のあるプラスチック基板502が形成される。このプラスチック基板502には、マイクロLED素子503と、このマイクロLED素子503を発光させるための電極504、505が形成されている。
 保持基板500を除去することによって、図4(B)に示されるような曲面表示部(フレキシブル表示パネル、フレキシブルディスプレイ)210を得ることができる。図4(B)では、フレキシブル基板502を平板状に描いているが、これを適宜、曲げ加工して曲面をもつ形状とすることで、湾曲変形した曲面表示部を得ることができる。
 図4(C)、(D)は、剥離法と呼ばれる製造方法を示している。図4(C)に示されるように、保持基板500上に、例えばプラスチック製のフィルム基板510を形成する。このプラスチック製のフィルム基板510上には、マイクロLED素子503、電極504、505が形成されている。プラスチック製のフィルム基板510を保持基板500から剥離することによって、図4(D)に示される曲面表示部(フレキシブル表示パネル、フレキシブルディスプレイ)210が得られる。
 図4(E)~(G)は転写法と呼ばれる製造方法を示す。図4(E)に示されるように、保持基板(例えば無機基板)500上に剥離層506を介してマイクロLED素子503、及び電極504、505が形成されている。
 図4(F)では、転写用のプラスチック基板507(表面に接着層508が形成されている)が、図4(E)の構造上に載置され、上側から押し付けられる。
 図4(G)では、転写用のプラスチック基板507を剥離する。このとき、転写用のプラスチック基板507上の接着層508に、マイクロLED素子503及び電極504、505が転写される。これによって、曲面表示部(フレキシブル表示パネル、フレキシブルディスプレイ)210が得られる。
 なお、曲面表示部として、変形可能なフレキシブル表示部を用いる場合、例えば、曲げ加工によって、画面の曲面形状、曲がりの程度等を、微調整することが可能であり、設計の自由度が高いといった利点がある。
 次に、図5を参照する。図5(A)は、視認者が2人の場合における、本発明を使用しない場合の表示例(比較例)を示し、図5(B)は、本発明(正対する視認者から見た画像の歪みを低減する例)を使用した場合の表示例を示し、図5(C)~(E)は、曲面表示部の構造例を示す図である。なお、図5(B)は、先に示した図1(A)に対応する。
 図5(A)の比較例において、3D表示装置(立体ディスプレイ)230は、先に図4(B)、(D)、(G)にて例示した曲面表示部(ここではフレキシブル表示パネル、フレキシブルディスプレイとする)210を有しているが、その形状(例えば断面形状)は平板状であり、湾曲変形されていない。なお、先に図3に示したように、3D表示装置は、レンチキュラレンズ等の光学系を有するが、図5においては、説明の便宜上、光学系は省略している。
 また、曲面表示部210は、第1の表示領域(表示部分、表示器)R1と、第2の表示領域(表示部分、表示器)R2と、を有する。第1の表示領域R1から出射される画像の表示光は、被投影部材(ウインドシールド)2で、その一部が反射され、運転者S1、及び同乗者S2の視点(眼)に到達する。また、第2の表示領域R2から出射される画像の表示光は、被投影部材(ウインドシールド)2で、その一部が反射され、同乗者S2及び運転者S1の視点(眼)に到達する。この結果として、第1の表示領域R1に対応する画像(虚像)が、車両1の前方の虚像表示面(結像面)PS1上に表示(結像)され、第2の表示領域R2に対応する画像(虚像)が、車両1の前方の虚像表示面(結像面)PS2上に表示(結像)される。
 虚像表示面PS1に表示される画像(虚像)の主たる視認者は運転者S1であり、虚像表示面PS2に表示される画像(虚像)の主たる視認者は同乗者S2である。図中、EB1は、運転者用のアイボックスを示し、EB2は、同乗者用のアイボックスを示す。
 図5(A)の比較例では、虚像表示面PS1、PS2は、画像の歪みの最大の要因である被投影部材(ウインドシールド)2の湾曲形状の影響を受けて湾曲しており、このために、車両の前後方向(奥行き方向)に画像が歪む。
 この原因は、表示光の光路長に差が生じることにある。例えば、第1の表示領域R1の一点から、周囲のあらゆる方向に光が出射され、その内の1つの光線が、被投影部材(ウインドシールド)2の所定高さ位置の点(第1の点)で反射されて、運転者S1の視点(一点)に到達するものとする。
 同様に、ウインドシールド2における、同じ高さで、かつ車両の幅方向(左右方向)に所定距離シフトされた第2の点で反射されて、運転者S1の視点(一点)に到達する光線を考える。
 以下、同様に、ウインドシールド2の同じ高さで、かつ左右方向に少しずつシフトされた第3、第4・・・第n(nは5以上の自然数)の点で反射されて、運転者S1の視点((一点)に到達する光線を考える。
 図5(A)では、曲面表示部210は平板状であり、一方、ウインドシールド2は弓形に湾曲していることから、ウインドシールド2上の、横方向の位置が異なる各反射点を経由する表示光の光路長は、ウインドシールド2の湾曲の影響により異なる。この結果、各光線に対応する画像の結像点の位置(車両の前後方向の位置)が異なり、よって、図5(A)の上側に示されるように、第1の虚像表示面PS1は湾曲する。第2の虚像表示面PS2についても同様である。
 これに対して、本発明を適用した図5(B)の例では、曲面表示部210は、ウインドシールド2の弓形の湾曲形状に近似させて、曲げられた形状(曲げ加工された断面形状)を有している。このため、ウインドシールド2の湾曲の影響は相殺され、上記の各光線の光路長の差は十分に縮小される。
 この結果、各光線に対応する画像の結像点の位置(車両の前後方向の位置)が異なり、よって、図5(B)の上側に示されるように、第1の虚像表示面PS1は平坦化(略平坦化)される。第2の虚像表示面PS2についても同様である。よって、表示画像が、車両の前後方向(奥行き方向)に歪むことが十分に抑制され、画像の表示品質が改善される。
 次に、曲面表示部における各表示領域の構成例について説明する。図5(C)において、曲面表示部210は、曲面の表面をもつ共通基板Aの表面に、複数の表示素子(先に図4に示したマイクロLED素子503や電極504、505を含む)を備える素子構造体Bが設けられ、その素子構造体Bが複数の領域に電気的に区分され、各区分によって、複数の表示領域の各々(R1、R2)が形成されている構成を有する。言い換えれば、曲げることが可能な共通基板(共通基材)Aに、複数の表示素子(例えばマイクロLED素子や電極)が形成されている素子構造体Bを設け、その素子構造体Bを電気的に区分(分離)し、その1つの区分を1つの表示領域R1又はR2とする、という構成である。
 ここで、共通基板Aは、先に示した図4(B)のプラスチック基板502、図4(D)のプラスチック製のフィルム基板510、図4(G)のプラスチック基板507及び接着層508に相当し、これらを大規模化したものを、総称して「共通基板」と称している。
 また、素子構造体Bは、先に示した図4(B)、(D)、(E)における、マイクロLED素子503及び電極504、505に相当し、これらを複数(具体的には大規模に)集積したものを、「素子構造体」と称している。
 また、図5(D)では、曲面の表面をもつ共通基板Aの表面に、複数の表示素子を備える複数の素子構造体(ここでは、2つの、個別化された素子構造体B’、B’)が設けられ、各素子構造体B’によって、複数の表示領域の各々(R1、R2)が形成されている構成を有する。
 また、図5(E)では、曲面の表面をもつ基板(個別化された基板)A’の表面に、複数の表示素子を備える素子構造体(個別化された素子構造体)B’が設けられた基板構造体Cが複数(ここでは2個)、隣接して配置され、かつ、隣接する各基板構造体C同士が連結部(連結具610、620の少なくとも一方を有する)で連結されて一体化され、各基板構造体Cによって、複数の表示領域の各々(R1、R2)が形成されている構成を有する。
 何れの例においても、被投影部材(ウインドシールド)2の形状に近似した曲面を有し、かつ複数の表示領域を備える機械的な構造体によって、画像の歪みを抑制可能である。また、フレキシブル表示部を使用した場合には、機械的な加工技術を用いて、自由な曲げ形状(湾曲形状)を、比較的簡易に実現することができる。コスト面でも有利となる。
 次に、図6を参照する。図6(A)は、視認者が3人の場合における、本発明(正対する視認者から見た画像の歪みを低減する例)を使用した場合の表示例を示し、図6(B)~(D)は、曲面表示部の構造例を示す図である。図6の例は、先に示した図1(B)の例に対応する。
 曲面表示部210の構造は、基本的には図5の例と同様であるが、図6の例では、3人の視認者S10~S30に対応して、曲面表示部210には3つの表示領域R10、R20、R30が形成されている。また、虚像表示面(結像面)PSには、第1~第3の虚像表示面PS1~PS3が設けられる。
 図5(B)の例にて説明した内容は、図6(A)の例にも、適宜、適用され得る。ここでは再度の説明を省略する。
 図6(A)の例によれば、ウインドシールド2の湾曲の影響が相殺され、第1~第3の各虚像表示面PS1~PS3は平坦面(略平坦面)となる。よって、前後方向(奥行き方向)における画像(虚像)の歪みが抑制され、表示品質が改善される。
 図6(B)~(D)は、先に説明した図5(C)~(E)に対応する。図5(C)~(E)の例にて説明した内容は、図6(B)~(D)の例にも、適宜、適用され得る。ここでは再度の説明を省略する。なお、図6(D)の例では、曲面表示部210が3つの表示領域R10~R30を有していることに対応して、左端の表示領域R10と中央の表示領域R20の連結には、連結部(連結具)610a及び620aの少なくとも一方が使用される。同様に、中央の表示領域R20と右端の表示領域R30の連結には、連結部(連結具)610b及び620bの少なくとも一方が使用される。
 何れの例においても、被投影部材(ウインドシールド)2の形状に近似した曲面を有し、かつ複数の表示領域を備える機械的な構造体によって、画像の歪みを抑制可能である。また、フレキシブル表示部を使用した場合には、機械的な加工技術を用いて、自由な曲げ形状(湾曲形状)を、機械的な加工技術を用いて、比較的簡易に実現することができる。コスト面でも有利となる。
 以上説明した図5及び図6のHUD装置は、車両1に搭載され、画像を表示する、柔軟性のある変形可能な曲面表示部210と、曲面表示部210に表示される画像の表示光を、車両に設けられる被投影部材(ウインドシールド等)2に投影する光学系(図3(B)の曲面ミラー171等)と、を有し、曲面表示部210は、車両1の幅方向に沿って設けられる複数の表示領域(R1及びR2、R10~R30)を有し、各表示領域に対応する各画像の表示光の、各表示領域に対応する各アイボックス(EB1及びEB2、EB10~EB30)までの光路長の差が抑制されるように、曲面表示部210の形状が、被投影部材(ウインドシールド等)2の空間における湾曲形状(例えば平面視で弓形の形状)に対応して湾曲(あるいは変形)されている、という構成を有する。
 このHUD装置(広義には表示装置)によれば、各表示領域から被投影部材(ウインドシールド等)を経由して各表示領域に対応した各アイボックスに至るまでの光路長の差が抑制される。各表示領域に対応して、車両の前方において、車両の幅方向に各画像が隣接して表示されるとき、各画像に正対する(言い換えれば各画像を正面から見る)視認者(運転者や同乗者)には、その各画像は、像距離方向(言い換えれば車両の前後方向、あるいは奥行き方向)の歪みが軽減されて、違和感の少ない画像として感得され得る。
 表示しようとする画像の数だけHUD装置を個別に用意すると、車載表示システムが大規模化し、コストも増大する。これに対して、上記の実施形態によれば、各表示領域は、曲面表示部として集約されて(好ましくは一体的に)形成されている。
 曲面表示部は、上記のとおり、「各表示領域に対応する各画像の表示光の、各表示領域に対応する各アイボックスまでの光路長の差が抑制されるように、曲面表示部の形状が、被投影部材の空間における湾曲形状に対応して変形されている」という新規な構造を有している。曲面表示部の曲がる特性を活用し、その形状を、例えば歪みの最大の要因となる被投影部材の空間的な形状に近似させることで、上記のとおり、各表示領域から各アイボックスまでの光路長を揃えることが可能となる。
 このような複数の表示領域を集約的に配置してなる1つのHUD装置を、例えばウインドシールド2の近くに配置することで、車両の幅方向(左右方向)の広範囲にわたって、種々の画像を表示でき、適正な画像による情報提供等が可能となり、簡単な構成で、かつ専有面積を抑えて、かつローコストで新規なHUD装置を実現することが可能である。
 また、複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数、通常はmは2~4程度である)の表示領域が形成されており、第1~第mの表示領域に対応して、車両の前方において、車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、第1~第mの各画像に正対する位置に、第1~第mの視認者が位置し得る場合において、第1の表示領域の形状は、第1の視認者から見た第1の画像の歪みの抑制を優先して決定されており、第2の表示領域の形状は、第2の視認者から見た第2の画像の歪みの抑制を優先して決定されており、以下同様に、第mの表示領域の形状は、第mの視認者から見た第mの画像の歪みの抑制を優先して決定されている構成を採用することができる。
 言い換えれば、複数の画像が表示され、視認者となり得るものが複数いる場合において、曲面表示部の曲がり形状(湾曲形状)の最適化に際しては、各画像を正面から見る視認者を優先して、その視認者から見た画像の歪みが最小化(低減)されるように設計することができる。
 各画像に正対する位置の視認者(各画像を正面から見る視認者)にとって、正面から見ているのに、その画像が歪んでいたのでは、違和感が増大して表示品質の低下が顕在化する場合もあり得る。また、各画像に正対する位置の視認者は、その画像を見る機会が最も多いと考えられる。このような点を考慮した設計を実施することで、表示画像の品質を改善することが可能である。
 (第2の実施形態)
 次に、図7を参照する。図7(A)は、視認者が3人の場合における、本発明(正対する視認者、及び他の視認者の各々から見た画像の歪みを低減する例)を使用した場合の表示例を示し、図7(B)は、視認者の重み付けについて説明するための図である。
 図7の構成は、先に説明した図6(A)の構成と、基本的には同じである。構成についての再度の説明は省略する。
 但し、図7の例では、曲面表示部210の曲がり形状が、図6(A)における曲面表示部210の曲がり形状とは異なっている。
 この形状の相違は、曲がり形状の最適化設計において、考慮するべき視認者の相違によって生じる。
 先に説明した図6(A)の例では、画像に正対する視認者が優先的に位置付けられ、複数の視認者について、その重要度を重み付けで表現したとすると、例えば、正対する視認者に、主要な(あるいは、大部分の)重み付けが割り当てられる。
 これに対して、図7の例では、画像を見る可能性のある複数の視認者の各々を考慮し、画像に正対する視認者を重視するが、他の視認者についても、相応の重み付けを付与して、他の視認者が見る場合も考慮して画像の品質を向上させる。よって、図7の例では、画像を見る可能性のある視認者の各々について、表示品質の向上が図られる。
 言い換えれば、曲面表示部210の曲がり形状の最適化に際しては、各画像を正面から見る視認者だけでなく、他の視認者も考慮して形状を決定し、このとき、各視認者の重要度に差を設ける。言い換えれば、重要度を重み付けし、その重み付けを総合的に考慮して、曲面表示部の曲がり形状(湾曲形状)が調整される。言い換えれば、上記のとおり決定された視認者に関する重み付けを用いて、曲面表示部の曲面形状を設定する設計手法(設計方法)が採用されている。
 画像に正対する視認者を最も重視して重み付けすることで、画像を正面から見た場合の表示品質を確保することができる。
 また、画像を斜めから見る視認者については、正対する視認者に近いものは重要度を高く、遠くなるほど低くして重み付けする。正対する視認者から離れた位置の視認者には、ある程度、大きな歪みが生じるのは仕方のないことであるため、より近い位置の視認者について重み付けを重くして、斜めから見た場合でも、極力、画像の品質を確保するように配慮する。
 図7の下側に示されるように、左端の表示領域R10における曲がり形状の最適化については、視認者の重み付けを、S10>S20>S30の関係となるように設定する。
 また、中央の表示領域R20の曲がり形状の最適化に際しては、視認者の重み付けを、S20>S10=S30の関係になるように設定する。
 また、右端の表示領域R30の曲がり形状の最適化に際しては、視認者の重み付けを、S30>S20>S10の関係になるように設定する。
 このような重み付けを考慮して、各表示領域R10~R30の湾曲形状の調整を実施することで、画像を、斜めから見た場合でも、画像の歪みの低減効果を享受することができる。言い換えれば、どの視認者にとっても画像の歪みが低減される。このことは、各視認者の違和感を少なくすることに役立つ。結果的に、表示品質の向上にもつながる。
 また、図7の例では、3人の視認者S10~S30がいることを想定して、曲面表示部210の曲がり形状を最適化するが、視認者の人数は、これに限定されない。広義には、m人(mは2以上の自然数、mは通常は2~4の範囲である)の視認者を想定し得る。この場合、図7に示される構成は、次のように表現することができる。複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成されており、第1~第mの表示領域に対応して、車両の前方において、車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、第1~第mの各画像に正対する位置に、第1~第mの視認者が位置し得る場合において、第1~第mの表示領域の各々の形状については、第1~第mの各画像に正対する視認者を最も重視して重み付けし、次に、正対する視認者の隣に位置する視認者を重視して重み付けし、以下、正対する視認者から遠くに位置する視認者ほど、重要度を低下させて重み付けし、正対する視認者の左右の隣に位置する各視認者の重要度は同じにして重み付けし、各重み付けに応じて、曲がり形状が調整されていてもよい。
 このように、第1~第mの画像が表示され、各画像に対応して視認者となり得る者がm人いる場合において、曲面表示部の曲がり形状の最適化に際しては、各画像を正面から見る視認者だけでなく、他の視認者も考慮して形状を決定する。但し、各視認者の重要度に差を設ける。言い換えれば、重要度を重み付けし、その重み付けを総合的に考慮して、曲面表示部の曲がり形状が調整される。
 (第3の実施形態)
 次に、図8を参照する。図8は、曲がりを有する表示領域(湾曲表示器)と、平板状の表示領域(平板表示器)とを混在させた構成の曲面表示部による表示例を示す図である。
 図8の例では、曲面表示部210において、中央の表示領域R20’については、平面の表面を有する表示領域としている。左端の表示領域R10、右端の表示領域R30については、先に示した図6(A)と同様に、曲面の表面を有する表示領域としている。言い換えれば、曲がりを有する表示領域(湾曲表示器)R10、R30と、平板状の表示領域(平板表示器)R20’が混在する構成が採用されている。中央の表示領域R20’に対応する虚像表示面PS20’の形状は、若干、歪むが、その程度は軽微であり、表示品質は許容範囲に収まる。
 この構成によれば、画像(表示画像)の平坦性を確保し易い表示領域は、平面の表面を有する表示領域とすることができる。精密な曲げ加工が不要であり、よって、コストを低下させることができる。また、平板状のディスプレイは機械的応力が少なく、機械的に安定しているため、組み立て等の誤差を低減しつつ、比較的大きなサイズのフレキシブル基板を安定的に製造することもできる。
 図8の例では、表示領域の数は3個であるが、これに限定されるものではない。より広義には、m個(mは2以上の自然数であり、通常は、mは2~4の範囲である)の表示領域が存在する構成が想定され得る。この場合は、図8の構成は、以下のように表現することができる。
 複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成され、第1~第mの表示領域に対応して、車両の前方において、車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、第1~第mの画像のうち、被投影部材の形状に起因する歪みを受けにくい画像に対応する表示領域については、湾曲のない、平面の表面を備える表示領域としてもよい。
 上述のとおり、曲面の表面を有する表示領域と、平面の表面を有する表示領域とが混在する構成を採用するものである。1つの表示領域を1つの表示器とする場合には、曲がった断面形状の表示器と平板状の断面形状の表示器とが混在しているとみることができる。
 複数の表示領域を、例えば、画像の平坦性を確保し易い表示領域と、そうでない表示領域とに区分し、平坦性を確保し易い表示領域には、平板状の表示器を使用することで、コストを低下させることができる。また、平板状のディスプレイは機械的応力が少なく、機械的に安定しているため、組み立て等の誤差を低減しつつ、比較的大きなサイズのフレキシブル基板を安定的に製造することもできる。
 (第4の実施形態)
 次に、図9を参照する。図9(A)は、HUD装置の構成の一例を示す図、図9(B)は、HUD装置の構成の他の例を示す図である。
 図9(A)の例では、HUD装置の表示制御を実施する制御部(具体的には少なくとも1つのプロセッサ)170と、表示画像データを生成する画像生成部180と、3D表示装置230と、光学系(例えば、図3(B)の曲面ミラー171等を含む)190と、を有する。
 3D表示装置230は、曲面表示部210を有する。この曲面表示部210は、ここでは3つの表示領域R10、R20、R30を有する。なお、先に図3(A)で説明したように、3D表示装置230は、レンチキュラレンズ等の光学部材を有するが、図9では記載していない。
 図9(B)の例では、さらに、曲面表示部210に表示される画像に対して、被投影部材の形状に起因する歪みを軽減する事前歪み処理であるワーピング処理を実施するワーピング処理部185が設けられている。より具体的には、ワーピング処理は、光学系(主として被投影部材)の曲面形状に起因して生じる画像(虚像)の歪みとは逆特性の歪みを、事前に、表示部(表示領域)に表示される画像(原画像)に対して与える処理ということができる。
 ワーピング処理部185は、例えば、制御部170の制御の下で、曲面表示部210の形状の変形(湾曲加工)では除去できない、画像の歪みを抑制する処理を実施する。
 曲面表示部の形状の変形では除去できない、画像の歪みを抑制するように事前歪み処理を実施することで、画像の歪みがさらに低減される。また、曲面表示部210の湾曲加工によって、画像の歪みはかなり低減されているため、ワーピング処理の負担は軽減されるという利点もある。言い換えれば、ワーピング処理の実現が容易化される。
 以上説明したように、本発明によれば、アイボックスの範囲を車両の幅方向に広げたときに、例えば被投影部材(ウインドシールド等)の形状に起因して生じる画像の歪みを抑制することができる。
 本発明は、左右の各眼に同じ画像の表示光を入射させる単眼式、左右の各眼に、視差をもつ画像を入射させる視差式のいずれのHUD装置においても使用可能である。
 また、曲面表示部としては、例えば、マイクロLED表示装置、可撓性のある基板に形成された液晶表示装置、有機EL表示装置等、種々のディスプレイ装置を使用することができる。また、形状は固定である曲面ディスプレイを採用することもできる。
 また、本明細書において、車両という用語は、広義に、乗り物としても解釈し得るものである。また、ナビゲーションに関する用語(例えば標識等)についても、例えば、車両の運行に役立つ広義のナビゲーション情報という観点等も考慮し、広義に解釈するものとする。また、HUD装置には、シミュレータ(例えば、航空機のシミュレータやゲーム装置としてのシミュレータ等)として使用されるものも含まれるものとする。
 本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
1・・・車両(自車両)、2・・・被投影部材(反射透光部材、ウインドシールド等)、101、103・・・HUD装置(広義には表示装置)、170・・・制御部、180・・・画像生成部、185・・・ワーピング処理部、210・・・曲面表示部(好ましい例としてはフレキシブル表示部)、211・・・表示面(表面)、220・・・レンチキュラレンズ、225・・・パララックスバリア、230・・・3D表示装置、502、507・・・プラスチック基板、510・・・プラスチックフィルム基板、508・・・接着層、R1、R2、R10、R20、R30・・・表示領域、EB(EB1、EB2、EB10、EB20、EB30)・・・アイボックス、S1、S2、S10、S20、S30・・・視認者、PS(PS1、PS2、PS10、PS20、PS30、PS20’)・・・虚像表示面(結像面)

Claims (7)

  1.  車両に搭載され、
     画像を表示する、画面が曲面である曲面表示部と、
     前記曲面表示部に表示される前記画像の表示光を、前記車両に設けられる被投影部材に投影する光学系と、
     を有し、
     前記曲面表示部は、
     前記車両の幅方向に沿って設けられる複数の表示領域を有し、
     前記曲面表示部は、各表示領域に対応する各画像の表示光の、各表示領域に対応する各アイボックスまでの光路長の差が抑制されるように、前記被投影部材の空間における湾曲形状に対応して湾曲された形状を有する、
     ヘッドアップディスプレイ装置。
  2.  前記曲面表示部は、
     曲面の表面をもつ共通基板の前記表面に、複数の表示素子を備える素子構造体が設けられ、前記素子構造体が複数の領域に電気的に区分され、各区分によって、前記複数の表示領域の各々が形成されている、
     又は、
     曲面の表面をもつ共通基板の前記表面に、複数の表示素子を備える複数の素子構造体が設けられ、前記各素子構造体によって、前記複数の表示領域の各々が形成されている、
     又は、
     曲面の表面をもつ基板の前記表面に、複数の表示素子を備える素子構造体が設けられた基板構造体が複数、隣接して配置され、かつ、隣接する各基板構造体同士が連結部で連結されて一体化され、前記各基板構造体によって、前記複数の表示領域の各々が形成されている、
     請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3.  前記複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成されており、
     前記第1~第mの表示領域に対応して、前記車両の前方において、前記車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、
     前記第1~第mの各画像に正対する位置に、第1~第mの視認者が位置し得る場合において、
     前記第1の表示領域の形状は、前記第1の視認者から見た前記第1の画像の歪みの抑制を優先して決定されており、
     前記第2の表示領域の形状は、前記第2の視認者から見た前記第2の画像の歪みの抑制を優先して決定されており、
     以下同様に、前記第mの表示領域の形状は、前記第mの視認者から見た前記第mの画像の歪みの抑制を優先して決定されている、
     請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4.  前記複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成されており、
     前記第1~第mの表示領域に対応して、前記車両の前方において、前記車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、
     前記第1~第mの各画像に正対する位置に、第1~第mの視認者が位置し得る場合において、
     前記第1~第mの表示領域の各々の形状については、
     第1~第mの各画像に正対する視認者を最も重視して重み付けし、次に、前記正対する視認者の隣に位置する視認者を重視して重み付けし、以下、前記正対する視認者から遠くに位置する視認者ほど、重要度を低下させて重み付けし、正対する視認者の左右の隣に位置する各視認者の重要度は同じにして重み付けし、各重み付けに応じて、曲がり形状が調整されている、
     請求項1又は2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  5.  前記複数の表示領域として、第1~第m(mは2以上の自然数)の表示領域が形成され、
     前記第1~第mの表示領域に対応して、前記車両の前方において、前記車両の幅方向に沿って第1~第mの画像が表示され、
     前記第1~第mの画像のうち、前記被投影部材の形状に起因する歪みを受けにくい画像に対応する表示領域は、湾曲のない、平面の表面を備える表示領域である。
     請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  6.  前記車両の高さ方向から見た平面視において、
     前記複数の表示領域は、
     前記車両の前部における、前記車両の幅方向の中央部において、
     前記車両の幅方向の中心を通って、前記車両の前後方向に延びる中心線に対して、左右対称に配置されている、
     請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  7.  前記曲面表示部に表示される前記画像に対して、前記被投影部材の形状に起因する歪みを軽減する事前歪み処理であるワーピング処理を実施するワーピング処理部を有し、
     前記ワーピング処理部は、前記曲面表示部の形状の変形では除去できない、前記画像の歪みを抑制する処理を実施する、
     請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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