WO2021230187A1

WO2021230187A1 - 洗濯機

Info

Publication number: WO2021230187A1
Application number: PCT/JP2021/017659
Authority: WO
Inventors: 宏和大江
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2020-05-13
Filing date: 2021-05-10
Publication date: 2021-11-18
Also published as: CN113668195A; JPWO2021230187A1

Abstract

洗濯機は、洗濯機本体に対して、前方に引き出し可能な洗剤投入ケースを有している。洗剤投入ケースは、樹脂製のケース本体と、ケース本体の前面に両面テープもしくは接着剤を用いて貼付されるガラス板とを有している。ケース本体は、ガラス板が貼付されるガラス貼付面において枠状リブが形成されており、ガラス板は、枠状リブの内側に嵌め込まれ、その周囲が枠状リブで囲われている。

Description

洗濯機

　本発明の一態様は、洗剤投入ケースを有する洗濯機に関する。本願は、２０２０年５月１３日に日本で出願された特願２０２０－８４５１６号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　特許文献１には、洗剤投入ケースにおける操作性およびデザイン性の向上を図ったドラム式洗濯機が開示されている。特許文献１のドラム式洗濯機では、洗濯機本体の前部枠体から前方に引き出し自在な洗剤投入ケースを設け、ユーザが洗剤投入ケースを引き出すための取っ手部を、洗濯機の上面側において上方が開口するように設けている。

　特許文献１の洗濯機では、洗濯機本体の前面上部において、洗剤投入ケースと操作パネルとが正面から見て左右方向に並んで配置されている。すなわち、洗剤投入ケースが閉じられた状態では、洗剤投入ケースおよび操作パネルの前面が同一面に存在する。さらに、洗剤投入ケースの取っ手部を洗濯機の前面側でなく上面側に設けたことで、洗濯機の前面における分割ラインを減らし、デザイン性の向上が図れるとされている。

特開２０１１－３６３号公報

　洗濯機の操作パネルに関しては、タッチパネルを用いることで、操作パネルの前面をガラス面とすることができ、よりデザイン性を高めることができる。一方で、洗剤投入ケースに関しては、加工性および耐薬性に優れた樹脂製であることが多い。このため、洗剤投入ケースの前面にガラス板を接着剤などで貼付し、デザイン性を高めることも考えられるが、デザイン性向上のためにガラス板を大きくすると、ガラス板の端縁や裏面の一部が露出しやすくなり、ユーザがその露出部分に指を掛ける、露出部分から洗剤投入ケースのケース本体（樹脂製）とガラス板との間に水や洗剤が侵入する、などによって、ガラス板の接着性が低下し、ガラス板の剥がれや落下の恐れがある。

　本発明の一態様は、上記課題に鑑みてなされたものであり、洗濯機本体の前面における洗剤投入ケースのデザイン性を向上させ、かつ安全性にも優れた洗濯機を提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、本発明の一態様の洗濯機は、洗濯機本体に対して、前方に引き出し可能な洗剤投入ケースを有する洗濯機であって、前記洗剤投入ケースは、樹脂製のケース本体と、前記ケース本体の前面に両面テープもしくは接着剤を用いて貼付されるケース用ガラス板とを有しており、前記ケース本体は、前記ケース用ガラス板が貼付されるガラス貼付面においてケース用枠状リブが形成されており、前記ケース用ガラス板は、前記ケース用枠状リブの内側に嵌め込まれ、前記ケース用ガラス板の周囲が前記ケース用枠状リブで囲われていることを特徴としている。

　上記の構成によれば、ケース用ガラス板は、ケース本体の前面に対して両面テープや接着剤を用いて貼付され、その周囲がケース用枠状リブで囲われる。これにより、ケース用ガラス板の裏面が露出しにくくなり、ユーザがケース用ガラス板の裏面に指を掛けて引っ張ることでガラス貼付面が剥離されることが防止できる。また、ケース用ガラス板の周縁部（特に上縁部）からの水や洗剤の侵入が、ケース用枠状リブによって阻害される。その結果、両面テープや接着剤の接着性低下を抑制でき、ケース用ガラス板の剥がれや落下を防止することができる。

　また、上記洗濯機では、前記ケース本体の前面が、上部側が下部側に比べて後方に下がっているような傾斜面とされており、前記ケース用ガラス板の少なくとも下端縁において、前記ケース用枠状リブに対向する面が水平面または後方へ上がる傾斜面となるようにカットされている構成とすることができる。

　上記の構成によれば、ケース用ガラス板の下端縁の端面が水平面または後方へ上がる傾斜面を有することで、ユーザ側におけるガラス主面を最大化することができ、洗濯機のデザイン性を向上させることができる。

　また、上記洗濯機では、前記ケース本体の前面には、両面テープの貼付領域もしくは接着剤の塗布領域の少なくとも上方および側方において、ガラス貼付面に侵入した水や洗剤を外部に排出するための溝部が形成されている構成とすることができる。

　上記の構成によれば、ガラス貼付面に水や洗剤が侵入したとしても、侵入した水や洗剤を溝部に沿って流し、外部に排出することで、両面テープの貼付領域もしくは接着剤の塗布領域に到達することを防止できる。その結果、水や洗剤の侵入による両面テープや接着剤の接着性低下を、確実に防止することができる。

　また、上記洗濯機では、前記溝部は、前記洗剤投入ケースの内部側に開放されている構成とすることができる。

　上記の構成によれば、溝部に沿って排出される水や洗剤を、洗剤投入ケースの内部側に向けて排出することができ、洗濯機の前面側に漏れ出すことを防止できる。

　また、上記洗濯機では、前記洗剤投入ケースの横に、タッチパネルからなる操作パネルが設けられており、前記操作パネルの前面にはパネル用ガラス板が取り付けられ、前記パネル用ガラス板の少なくとも前記ケース用ガラス板に隣接する側の端縁にパネル用枠状リブが設けられている構成とすることができる。

　上記の構成によれば、パネル用ガラス板の端縁や裏面がパネル用枠状リブによって保護されるので、洗剤投入ケースが前方に引き出されたときの隙間にユーザの指などが入り込んで、パネル用ガラス板が前方に引っ張られることを防止できる。したがって、パネル用ガラス板がずれたり破損したりすることを防止できる。

　また、上記洗濯機では、前記ケース用枠状リブの後面側に斜面もしくは凹部が設けられ、前記パネル用枠状リブには前記ケース用枠状リブの前記斜面もしくは前記凹部と対向する斜面もしくは凸部が設けられており、前記ケース用枠状リブおよび前記パネル用枠状リブは、前記斜面同士もしくは前記凹部と前記凸部とを互いに対向させることにより、当該洗濯機の正面側から見て、前記ケース用枠状リブおよび前記パネル用枠状リブの一部が互いに重なり合うような配置とされている構成とすることができる。

　上記の構成によれば、洗濯機の正面側から見て、ケース用枠状リブおよびパネル用枠状リブの一部が互いに重なり合うような配置とすることで、ケース用ガラス板とパネル用ガラス板との隙間を狭くすることができる。これにより、ケース用ガラス板およびパネル用ガラス板の一体感を向上させ、洗濯機のデザイン性を向上させることができる。

　本発明の一態様の洗濯機は、ケース本体の前面にガラス板を貼付することでデザイン性を向上させた洗剤投入ケースにおいて、ガラス板の周囲を枠状リブで囲うことで、ガラス板の剥がれ、破損や落下を防止することができるといった効果を奏する。

本発明の一実施形態を示す図であり、洗剤投入ケースが洗濯機本体に収納された状態における洗濯機の外観を示す斜視図である。本発明の一実施形態を示す図であり、洗剤投入ケースが洗濯機本体から僅かに引き出された状態における洗濯機の外観を示す斜視図である。洗剤投入ケースの分解斜視図である。洗剤投入ケースの前面カバー部における鉛直方向の断面図である。洗剤投入ケースの変形例を示す図であり、前面カバー部における鉛直方向の断面図である。洗剤投入ケースの他の変形例を示す図であり、前面カバー部における鉛直方向の断面図である。洗剤投入ケースの変形例を示す図であり、洗剤投入ケースの分解斜視図である。図６の洗剤投入ケースを裏側から見た斜視図である。洗濯機を正面側から見た模式図である。図８におけるＡ－Ａ断面図であり、洗剤投入ケースにおける枠状リブ、および操作パネルにおける枠状リブの構成例を示す図である。図８におけるＡ－Ａ断面図であり、洗剤投入ケースにおける枠状リブ、および操作パネルにおける枠状リブの構成例を示す図である。図８におけるＡ－Ａ断面図であり、洗剤投入ケースにおける枠状リブ、および操作パネルにおける枠状リブの構成例を示す図である。

　〔実施の形態１〕
　以下、本発明の一態様の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図１および図２は、本実施の形態に係る洗濯機１０の外観を示す斜視図であり、図１は洗剤投入ケース２０が洗濯機本体１１に収納された状態、図２は洗剤投入ケース２０が洗濯機本体１１から僅かに引き出された状態を示している。尚、本実施の形態における洗濯機１０は、ドラム式洗濯機を例示している。但し、本発明はこれに限らず、前方に引き出し可能なケースを有する洗濯機、乾燥機などの電気機器に広く適用することができる。

　図１および図２に示すように、洗濯機１０は、洗濯機本体１１の前面に洗濯物の投入口（図示省略）があり、この投入口を覆うように前面ドア１２が設けられている。すなわち、前面ドア１２が洗濯機本体１１の前面を開閉するように設けられている。また、洗濯機本体１１における上部前面（前面ドア１２の上方）には、操作パネル１３および洗剤投入ケース２０が設けられている。操作パネル１３および洗剤投入ケース２０は、洗濯機１０の正面から見て左右方向に並んで配置されている。図１および図２の例では、正面から見て右側に操作パネル１３が配置され、左側に洗剤投入ケース２０が配置されている。

　操作パネル１３は、ユーザが洗濯機１０に対して操作入力を行うための操作部であり、ここではタッチパネルが用いられている。このため、操作パネル１３の前面はガラス面となっている。

　洗剤投入ケース２０は、前方引出型（洗濯機本体１１に対して前方に引き出し可能）であり、洗濯機本体１１から引き出した状態で洗剤や柔軟剤を補充することができる。尚、洗剤投入ケース２０は、プッシュオープン式であり、図１に示す収納状態にあるとき、ロック機構によってその状態が保持される。そして、ユーザが洗剤投入ケース２０を引き出そうとする場合は、洗剤投入ケース２０の前面を押し、洗剤投入ケース２０を後方に押し込む。このような洗剤投入ケース２０の押し込み操作によってロック機構によるロックが解除され、ユーザが洗剤投入ケース２０から手を離すと洗剤投入ケース２０が前方へ自動的に移動する。その結果、図２に示すように、洗剤投入ケース２０が洗濯機本体１１から僅かに引き出された状態となる。

　洗剤投入ケース２０が図２に示す状態になれば、洗剤投入ケース２０の前面カバー部２３の上縁部にユーザが指を掛けるなどして、洗剤投入ケース２０を容易に前方へ引き出すことができる。尚、引き出された状態の洗剤投入ケース２０を再び収納状態に戻す場合には、洗剤投入ケース２０を後方に押し込んでから手を離せば、洗剤投入ケース２０は収納状態に戻ってロックされる。

　また、操作パネル１３および洗剤投入ケース２０の前面は、図１に示すように、上部側が下部側に比べて後方に下がっているような傾斜面とされていてもよい。このように、操作パネル１３の前面（表示操作面）が傾斜面となることにより、ユーザが操作パネル１３に対して視認および操作がしやすくなる。

　図３は、洗剤投入ケース２０の分解斜視図である。図３に示すように、洗剤投入ケース２０は、樹脂製のケース本体２１と、ケース本体２１に貼付されるガラス板（ケース用ガラス板）２２とから構成されている。ケース本体２１は、前面カバー部２３と、前面カバー部２３の後方に延設された収納部２４とから構成されている。また、収納部２４は、３つの収納室、すなわち、液体洗剤を収納する液体洗剤収納室２４１、液体柔軟剤を収納する柔軟剤収納室２４２、および粉末洗剤を収納する粉末洗剤収納室２４３に区分されている。尚、各収納室の並びは一例であり、他の並びとしてもよい。

　ガラス板２２は、洗剤投入ケース２０の前面、すなわち、前面カバー部２３の前面側において、両面テープ３０などによって貼付される。このように、洗剤投入ケース２０の前面にガラス板２２が貼付されることで、操作パネル１３および洗剤投入ケース２０の前面を共にガラス面とすることができ、洗濯機１０における前面のデザイン性をより一層向上させることができる。尚、前面カバー部２３へのガラス板２２の貼付は、両面テープ３０の代わりに、接着剤の塗布によって行われてもよい。

　ケース本体２１とガラス板２２との間に水や洗剤が侵入すると、ガラス板２２の貼付面（ガラス貼付面）における両面テープ３０の接着性が低下し、ガラス板２２の剥がれや落下の恐れが生じる。このため、本実施の形態に係る洗剤投入ケース２０では、ガラス貼付面に水や洗剤が侵入することを防止するための構造を有している。

　図４は、洗剤投入ケース２０の前部付近における鉛直方向の断面図である。上述したように、ガラス板２２は、ケース本体２１における前面カバー部２３の前面側に貼付される。そして、前面カバー部２３の前面には、外周縁に沿って枠状リブ（ケース用枠状リブ）２３１が設けられ、ガラス板２２は、枠状リブ２３１の内側に嵌め込まれた状態で前面カバー部２３に貼付される。すなわち、ガラス板２２の周囲は枠状リブ２３１によって囲われている。

　これにより、ガラス板２２の裏面が露出しにくくなり、ユーザがガラス板２２の裏面に指を掛けて引っ張ることでガラス貼付面が剥離されることが防止できる。また、ガラス板２２の周縁部（特に上縁部）からの水や洗剤の侵入が、枠状リブ２３１によって阻害され、両面テープ３０の接着性低下によるガラス板２２の剥がれや落下を防止できる。

　尚、図４に示す構成において、枠状リブ２３１の厚み（ガラス貼付面から法線方向の厚み）は、ガラス板２２の厚みよりも小さくされている。これにより、洗濯機１０を正面側から見た場合、枠状リブ２３１はガラス板２２の表面よりも奥に引っ込んだ状態となり、ユーザからは視認されにくくなる。その結果、洗濯機本体１１における上部前面は、ユーザからは、操作パネル１３および洗剤投入ケース２０のガラス面のみで形成されているように見え、洗濯機１０のデザイン性が向上する。

　また、ガラス板２２の端面は、通常、ガラス主面に対して垂直となるようにカットされている。図４に示す断面では、ガラス板２２の上端縁および下端縁における端面が図示されているが、これらの端面は何れも、ガラス主面に対して垂直となる面に形成されている。

　これに対し、洗剤投入ケース２０の前面が、上部側が下部側に比べて後方に下がっているような傾斜面とされている場合においては、図５Ａに示すように、ガラス板２２の下端縁における端面が水平面となるようにカットされていてもよい。より具体的には、ガラス板２２の下端縁における端面は、ガラス主面に対して垂直となるのではなく、少なくとも、前面カバー部２３の枠状リブ２３１に対向する面が水平面２２１となるようにカットされていてもよい。また、ガラス板２２の端面では、端面の割れや欠け防止のために、ガラス板２２の両面において、Ｃ面２２２を有するような面取り加工が施されていてもよい。

　このように、ガラス板２２の下端縁における端面が水平面を有することで、ユーザ側におけるガラス主面を最大化することが可能になり、洗濯機１０のデザイン性を向上させることができる。また、ガラス板２２の端面を水平面にカットすることで、洗剤投入ケース２０の安全性および部品干渉性が損ねわれることもない。尚、図５Ａでは、ガラス板２２の下端縁の端面のみを水平面にカットしているが、本発明は、これに限定されるものではなく、ガラス板２２の上端縁においても端面が水平面にカットされていてもよい。あるいは、ガラス板２２の下端縁における端面は、図５Ｂに示すように、後方へ上がる傾斜面２２３にカットされていてもよく、この場合でも、ガラス板２２の端面が水平面にカットされる場合と同様の効果が得られる。また、ガラス板２２の上端縁における端面については、後方へ下がる傾斜面にカットされていてもよい。尚、図５Ｂにおける傾斜面２２３は、ガラス板２２の裏面のＣ面加工を、表側よりも大きくしたことによりできる面である。

　〔実施の形態２〕
　図３で示しているように、洗剤投入ケース２０において、ガラス板２２は、前面カバー部２３に対して両面テープ３０などによって貼付されている。このとき、ガラス貼付面に水や洗剤が侵入すると、両面テープ３０の接着性が低下し、ガラス板２２の剥がれや落下の恐れが生じることは上述した通りである。また、実施の形態１で説明した通り、ガラス貼付面への水や洗剤の侵入は、ガラス板２２の周囲を囲う枠状リブ２３１によって大半が防止できる。但し、枠状リブ２３１のみでは、ガラス貼付面への水や洗剤の侵入が完全に防止できないこともあり得る。このため、本実施の形態２では、水や洗剤の侵入による両面テープ３０の接着性低下を、より確実に防止できる構成について説明する。

　図３にも示されているように、前面カバー部２３の前面には溝部２５が設けられている。この溝部２５は、第１溝部２５１と第２溝部２５２とから形成されている。第１溝部２５１は、前面カバー部２３の左右方向中央部での位置が高く、両端部での位置が低くなるように傾斜して形成されている。また、第１溝部２５１は、両面テープ３０の貼付領域の上方に設けられ、図３の例では、上下方向に並んで２本設けられている。第２溝部２５２は、前面カバー部２３の左右方向の両側において、上下方向に延びるように形成されている。第１溝部２５１の両端は、それぞれ第２溝部２５２に接続されている。

　ガラス板２２と前面カバー部２３との間のガラス貼付面に対し、ガラス板２２上端縁の側から水や洗剤が侵入した場合、侵入した水や洗剤は、第１溝部２５１に到達すると、溝内を傾斜に沿って流れ、第２溝部２５２に送られる。その後、その水や洗剤は、第２溝部２５２に沿って下方に流れ、前面カバー部２３の下端に設けた排水孔２５３から排出される。また、ガラス板２２側端縁の側から侵入した水や洗剤は、第２溝部２５２によって排出できる。尚、排水孔２５３は、最終的に洗剤投入ケース２０の内部側に開放され、排水孔２５３によって下方へ逃がされた水や洗剤は、排水孔２５３から排出された後、洗濯機１０の前面側に漏れ出すことはない。

　このように、前面カバー部２３側のガラス貼付面において、両面テープ３０の貼付領域（もしくは接着剤の塗布領域）の周囲（少なくとも上方および側方）に溝部２５を設け、溝部２５に沿って水や洗剤を流し、排出できるようにすることで、ガラス貼付面内で両面テープ３０の貼付領域に水や洗剤が到達することを防止できる。その結果、水や洗剤の侵入による両面テープ３０の接着性低下を、確実に防止することができる。また、水や洗剤が、洗濯機１０の機外や機体表面に漏れ出ることがないので、機外や機体表面を汚すことがなくなり、清掃の手間を低減することができる。さらに、洗剤が機体表面を汚すことがなければ、機体表面部材において洗剤成分に対する耐性を持たせる必要がなく、外観性を良くすることを優先して機体表面部材の材料を選択することができる。

　尚、溝部２５の形状は、図３に示す例に限定されるものではなく、排水孔２５３も前面カバー部２３の下端に限定されるものではない。

　図６および図７は、溝部２５の変形例を示すものである。図６に示すように、この変形例における溝部２５は、図３とは逆に、中央部での位置が低く、両端部での位置が高くなるように傾斜している。このため、第１溝部２５１に流れ込んだ水は、第１溝部２５１に沿って中央側へ向かって流れる。そして、それぞれの第１溝部２５１の最下位置（すなわち、左右方向の中央部）には、排水孔２５３（２５３ａおよび２５３ｂ）が設けられており、排水孔２５３から前面カバー部２３の裏面側に水が排出されるようになっている。

　図７に示すように、上部の排水孔２５３ａは、前面カバー部２３の裏面において、収納部２４の上方に設けられている。このため、排水孔２５３ａから排出される水は、収納部２４に流れ込み、洗濯機１０の前面側に漏れ出すことはない。一方、下部の排水孔２５３ｂは、収納部２４の下方に設けられている。但し、排水孔２５３ｂには、洗剤投入ケース２０の内部側に突出した排出用リブ２５４が設けられている。排出用リブ２５４は、排水孔２５３ｂから排出される水が前面カバー部２３の裏面に沿って流れ、洗濯機１０の前面側に漏れ出すことを防止するために設けられている。

　〔実施の形態３〕
　上述したように、洗剤投入ケース２０におけるガラス板２２は、その外周縁に沿って枠状リブ２３１が取り付けられている。また、洗剤投入ケース２０の横には、操作パネル１３が配置されているが、ここでは操作パネル１３にタッチパネルが用いられており、操作パネル１３の前面にもガラス板（パネル用ガラス板）１３１（図９ないし図１１参照）が取り付けられている。そして、操作パネル１３におけるガラス板１３１も、その外周縁に沿って枠状リブ（パネル用枠状リブ）１３２（図９ないし図１１参照）が取り付けられ、枠状リブ１３２によってガラス板１３１が囲われている。

　図８は、洗濯機１０を正面側から見た模式図である。図９ないし図１１は、図８におけるＡ－Ａ断面図であり、洗剤投入ケース２０における枠状リブ２３１、および操作パネル１３における枠状リブ１３２のそれぞれ異なる構成例を示すものである。

　図９ないし図１１の例では、操作パネル１３においても、ガラス板１３１の端面や裏面が枠状リブ１３２によって保護されるので、洗剤投入ケース２０が前方に引き出されたときの隙間にユーザの指などが入り込んで、ガラス板１３１が前方に引っ張られることを防止できる。また、ガラス板１３１の端面が枠状リブ１３２によって保護されているので、洗剤投入ケース２０を前後に移動させたときに洗剤投入ケース２０の側面が操作パネル１３の側面にぶつかったとしても、ガラス板１３１の端面を保護することができる。したがって、操作パネル１３におけるガラス板１３１がずれたり破損したりすることを防止できる。

　図１０および図１１の例では、上記の効果に加えて、洗剤投入ケース２０における枠状リブ２３１、および操作パネル１３における枠状リブ１３２の形状の工夫によって、洗濯機１０のデザイン性を向上できる構成について説明する。

　図９では、洗濯機１０の正面側から見て、枠状リブ２３１および枠状リブ１３２が互いに重なり合っていない。このため、洗剤投入ケース２０におけるガラス板２２と操作パネル１３におけるガラス板１３１との間に、２本のリブ分の幅が存在することになる。その結果、ガラス板２２とガラス板１３１との隙間が大きくなり、洗濯機１０のデザイン性を低下させる。

　また、図９の例では、洗剤投入ケース２０と操作パネル１３との隙間（枠状リブ２３１と枠状リブ１３２との隙間）が、前後方向において直線的に形成される。このため、洗剤投入ケース２０の開閉時などに、液剤（液体洗剤や液体柔軟剤）が洗剤投入ケース２０の中で跳ね、洗剤投入ケース２０と操作パネル１３との隙間から洗濯機１０の前面側に漏れ出す恐れもある。

　図１０は、枠状リブ２３１および枠状リブ１３２において、形状の工夫を行った場合の一構成例を示すものである。この例では、洗剤投入ケース２０の枠状リブ２３１において、枠状リブ１３２と隣り合う辺の後面側に斜面２３１ａを設けている。さらに、操作パネル１３の枠状リブ１３２において、枠状リブ２３１と隣り合う辺の前面側に斜面１３２ａを設けている。枠状リブ２３１に形成される斜面２３１ａと枠状リブ１３２に形成される斜面１３２ａとは、互いに平行とされている。

　この例では、斜面２３１ａと斜面１３２ａとを互いに対向させることにより、洗濯機１０の正面側から見て、枠状リブ２３１および枠状リブ１３２の一部が互いに重なり合うような配置とすることができる。その結果、洗剤投入ケース２０におけるガラス板２２と操作パネル１３におけるガラス板１３１との隙間を、図９の例に比べて狭くすることができ、ガラス板２２およびガラス板１３１の一体感を向上させ、洗濯機１０のデザイン性を向上させることができる。

　また、図１０の例では、洗剤投入ケース２０と操作パネル１３との隙間（枠状リブ２３１と枠状リブ１３２との隙間）が、前後方向において直線的に形成されず、一部が屈曲した形状となる。このため、洗剤投入ケース２０の開閉時などに、液剤が洗剤投入ケース２０の中で跳ねたとしても、洗剤投入ケース２０と操作パネル１３との隙間から洗濯機１０の前面側に漏れ出すことを防止できる。

　図１１は、枠状リブ２３１および枠状リブ１３２において、形状の工夫を行った場合の他の構成例を示すものである。この例では、洗剤投入ケース２０の枠状リブ２３１において、枠状リブ１３２と隣り合う辺の後方側に凹部２３１ｂを設けている。さらに、操作パネル１３の枠状リブ１３２において、枠状リブ２３１と隣り合う辺の後方側に凸部１３２ｂを設けている。

　この例では、凹部２３１ｂと凸部１３２ｂとを互いに対向させることにより、洗濯機１０の正面側から見て、枠状リブ２３１および枠状リブ１３２の一部が互いに重なり合うような配置とすることができる。その結果、図１０に示す例と同様、ガラス板２２とガラス板１３１との隙間を狭くして洗濯機１０のデザイン性を向上させたり、洗剤投入ケース２０と操作パネル１３との隙間から液剤が洗濯機１０の前面側に漏れ出すことを防止したりすることができる。

　尚、図９ないし図１１の例では、枠状リブ１３２がガラス板１３１の周囲を囲う構成を例示しているが、上記効果を得るためには、枠状リブ１３２は少なくとも洗剤投入ケース２０のガラス板２２に隣接する側の端縁に設けられていればよい。

　今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。

Claims

　洗濯機本体に対して、前方に引き出し可能な洗剤投入ケースを有する洗濯機であって、
　前記洗剤投入ケースは、樹脂製のケース本体と、前記ケース本体の前面に両面テープもしくは接着剤を用いて貼付されるケース用ガラス板とを有しており、
　前記ケース本体は、前記ケース用ガラス板が貼付されるガラス貼付面においてケース用枠状リブが形成されており、
　前記ケース用ガラス板は、前記ケース用枠状リブの内側に嵌め込まれ、前記ケース用ガラス板の周囲が前記ケース用枠状リブで囲われていることを特徴とする洗濯機。
　請求項１に記載の洗濯機であって、
　前記ケース本体の前面が、上部側が下部側に比べて後方に下がっているような傾斜面とされており、
　前記ケース用ガラス板の少なくとも下端縁において、前記ケース用枠状リブに対向する面が水平面または後方へ上がる傾斜面となるようにカットされていることを特徴とする洗濯機。
　請求項１または２に記載の洗濯機であって、
　前記ケース本体の前面には、両面テープの貼付領域もしくは接着剤の塗布領域の少なくとも上方および側方において、ガラス貼付面に侵入した水や洗剤を外部に排出するための溝部が形成されていることを特徴とする洗濯機。
　請求項３に記載の洗濯機であって、
　前記溝部は、前記洗剤投入ケースの内部側に開放されていることを特徴とする洗濯機。
　請求項１から４の何れか１項に記載の洗濯機であって、
　前記洗剤投入ケースの横に、タッチパネルからなる操作パネルが設けられており、
　前記操作パネルの前面にはパネル用ガラス板が取り付けられ、前記パネル用ガラス板の少なくとも前記ケース用ガラス板に隣接する側の端縁にパネル用枠状リブが設けられていることを特徴とする洗濯機。
　請求項５に記載の洗濯機であって、
　前記ケース用枠状リブの後面側に斜面もしくは凹部が設けられ、前記パネル用枠状リブには前記ケース用枠状リブの前記斜面もしくは前期凹部と対向する斜面もしくは凸部が設けられており、
　前記ケース用枠状リブおよび前記パネル用枠状リブは、前記斜面同士もしくは前記凹部と前記凸部とを互いに対向させることにより、当該洗濯機の正面側から見て、前記ケース用枠状リブおよび前記パネル用枠状リブの一部が互いに重なり合うような配置とされていることを特徴とする洗濯機。