WO2021181850A1 - インクジェット装置およびそのメンテナンス方法 - Google Patents

Abstract

インクジェット装置は、所定の搬送方向に搬送される基材に向けてインクを吐出する吐出ヘッド（４２１）と、吐出ヘッド（４２１）の外表面に接触可能な接触部材（５８）と、吐出ヘッド（４２１）に対して、接触部材（５８）を、吐出ヘッド（４２１）の外表面に接触する接触位置と、吐出ヘッド（４２１）の外表面から離れる離隔位置との間で相対的に移動させるヘッド移動機構とを備える。吐出ヘッド（４２１）の外表面は、鉛直方向の下方を向く吐出面（４２５）と、搬送方向の一方（＋Ｙ側）を向くヘッド側面（４２７）と、吐出面（４２５）とヘッド側面（４２７）との境界であって、搬送方向と交差するＸ方向に延びる境界部（４３１）とを含む。接触部材（５８）は、接触位置において境界部（４３１）に接触する。

Description

インクジェット装置およびそのメンテナンス方法

　この発明は、インクジェット装置およびそのメンテナンス方法に関する。

　インクジェットプリンタは、印刷用紙を吐出ヘッドに対して相対的に移動しつつ、吐出ヘッドの複数の吐出口からインクの微小液滴を印刷用紙に向けて吐出することにより、印刷用紙上に画像を印刷する。このようなインクジェットプリンタでは、複数の吐出口が形成された吐出ヘッドのヘッド下面に付着したインクを、ゴムや合成樹脂により形成されたワイパで拭うことにより、吐出面をクリーニングすることが行われている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１４－１７２３８号公報

　しかしながら、吐出面をワイパで拭った場合、吐出面に付着していたインクの一部が吐出ヘッドのヘッド側面に移動し得る。すると、吐出面とヘッド側面との境界部にインクが蓄積され、液滴となって印刷基材に落下する可能性があった。

　また、吐出面が水平面に対して傾斜する場合、吐出面に付着したインクが、重力によって吐出面を伝い、吐出面と鉛直下側のヘッド側面との境界部に蓄積される。すると、境界に蓄積されたインクが液滴となって印刷基材に落下する可能性があった。

　本発明の目的は、吐出ヘッドにおける吐出面とヘッド側面との境界部に付着したインクを有効に除去する技術を提供することにある。

　上記課題を解決するため、第１態様は、インクジェット装置であって、所定の搬送方向に搬送される基材に向けて液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの外表面に接触可能な接触部材と、前記吐出ヘッドに対して、前記接触部材を、前記吐出ヘッドの外表面に接触する接触位置と、前記吐出ヘッドの外表面から離れる離隔位置との間で相対的に移動させる第１移動機構と、を備え、前記吐出ヘッドの外表面は、液体を吐出する吐出口を有するとともに鉛直方向の下方を向く吐出面と、前記搬送方向の一方を向くヘッド側面と、前記吐出面と前記ヘッド側面との境界であって、前記搬送方向と交差する幅方向に延びる境界部と、を含み、前記接触部材は、前記接触位置において前記境界部に接触する。

　第２態様は、第１態様のインクジェット装置であって、前記吐出面は、水平面に対して搬送方向の一方に向かって鉛直下向きに傾斜する。

　第３態様は、第１態様または第２態様のインクジェット装置であって、前記接触部材は、前記接触位置において前記境界部と接触する接触面を有し、前記接触面は、前記ヘッド側面と交差する。

　第４態様は、第３態様のインクジェット装置であって、前記接触面は、前記吐出面と交差する。

　第５態様は、第１態様から第４態様のいずれか１つのインクジェット装置であって、前記接触部材が、弾性変形可能である。

　第６態様は、第１態様から第５態様のいずれか１つのインクジェット装置であって、前記吐出面に接触可能なワイプ部材と、前記ワイプ部材を前記吐出面に沿って移動させるワイプ移動機構とをさらに備える。

　第７態様は、第６態様のインクジェット装置であって、前記吐出ヘッドから落下する液体を受けるキャップ部と、前記吐出ヘッドに対して、前記キャップ部を、前記吐出面の下に位置する下方位置と、前記下方位置から幅方向に離れる退避位置との間で移動させる第２移動機構とをさらに備える。

　第８態様は、第７態様のインクジェット装置であって、前記接触部材が、前記キャップ部に取り付けられる。

　第９態様は、第７態様または第８態様のインクジェット装置であって、前記キャップ部が、前記吐出面よりも大きい開口を有し、前記接触部材の少なくとも一部が、前記開口の内側に配置される。

　第１０態様は、第７態様から第９態様のいずれか１つのインクジェット装置であって、前記第２移動機構は、前記キャップ部を、前記吐出ヘッドに対して幅方向に相対的に移動させる。

　第１１態様は、インクジェット装置をメンテナンスするメンテナンス方法であって、前記インクジェット装置は、所定の搬送方向に搬送される基材に向けて液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの外表面は、液体を吐出する吐出口を有するとともに鉛直方向の下方を向く吐出面と、前記搬送方向の一方を向くヘッド側面と、前記吐出面と前記ヘッド側面との境界であって、前記搬送方向と交差する幅方向に延びる境界部と、を備え、前記メンテナンス方法は、（ａ）接触部材を、前記吐出ヘッドの外表面における前記境界部に接触させる工程と、（ｂ）前記工程（ａ）によって前記境界部に接触した前記接触部材を前記吐出ヘッドの外表面から離隔させる工程とを含む。

　第１態様のインクジェット装置によると、接触部材が、吐出ヘッドにおける外表面の境界部に対して接触および離隔することによって、境界部に付着した液体が境界部から引き離される。これにより、吐出ヘッドの境界部に付着した液体が有効に除去される。

　第２態様のインクジェット装置によると、吐出面が搬送方向の一方に向かって鉛直下向きに傾斜するため、吐出面に付着した液体が、重力により、搬送方向の一方側の境界部に移動しやすくなる。このため、接触部材が境界部に対して接触及び離隔することによって、境界部から液体が有効に除去される。

　第３態様のインクジェット装置によると、接触部材の接触面とヘッド側面との接触面積が小さくなる。このため、ヘッド側面における液体の残留が軽減される。

　第４態様のインクジェット装置によると、接触部材の接触面と吐出面との接触面積が小さくなる。このため、吐出面における液体の残留が軽減される。

　第５態様のインクジェット装置によると、接触部材が弾性変形可能であるため、接触部材を吐出ヘッドに接触させたときに、吐出ヘッドの損傷が抑制される。

　第６態様のインクジェット装置によると、ワイプ部材を吐出面に沿って移動させることにより、吐出面から液体が除去される。また、ワイプ部材によって吐出面からヘッド側面へ移動した液体は、境界部に移動する。このため、接触部材が境界部から液体を引き離すことができる。したがって、ワイプ部材と接触部材とによって、吐出ヘッドの外表面に付着した液体が有効に除去される。

　第７態様のインクジェット装置によると、キャップ部を吐出面の下方に配置することよって、キャップ部が吐出ヘッドからの液体を受けることができる。

　第８態様のインクジェット装置によると、接触部材をキャップ部に取り付けることによって、キャップ部を退避位置に移動させたときに接触部材も退避させることができる。

　第９態様のインクジェット装置によると、接触部材が開口の内側に配置されることにより、吐出ヘッドの境界部から接触部材側へ移動した液体を、開口を通じてキャップ部の内側へ導くことができる。

　第１１態様のメンテナンス方法によると、接触部材が、吐出ヘッドにおける外表面の境界部に接触することによって、境界部に付着した液体が接触部材に接触する。その後、接触部材が境界部から離れることによって、液体が境界部から引き離される。これにより、吐出ヘッドの外表面に付着した液体が有効に除去される。

実施形態に係るインクジェット装置を示す図である。 ヘッドユニットおよびメンテナンス部を示す平面図である。 ヘッドユニットおよびメンテナンス部を示す側面図である。 ヘッドアッセンブリの底面図である。 ヘッドアッセンブリ一部を示す断面図である。 吐出ヘッドに接触する接触部材を示す断面図である。 吐出ヘッドの吐出面を清掃する清掃部を示す図である。 ヘッドユニットがメンテナンス部によってメンテナンスされる様子を示す概略正面図である。 ヘッドユニットがメンテナンス部によってメンテナンスされる様子を示す概略正面図である。 ヘッドユニットがメンテナンス部によってメンテナンスされる様子を示す概略正面図である。

　以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。

　＜１．　実施形態＞
　図１は、実施形態に係るインクジェットプリンタ１を示す図である。図１では、互いに垂直な２つの水平方向をＸ方向およびＹ方向として示し、Ｘ方向およびＹ方向に垂直な上下方向（鉛直方向）をＺ方向として示している。図１中のＸ方向およびＹ方向は必ずしも水平方向である必要はなく、同様に、Ｚ方向も必ずしも上下方向である必要はない。すなわち、図１中の上側および下側は、必ずしも、重力方向の上側および下側に一致する必要はない。図１では、後述するメンテナンス部の図示が省略されている。

　インクジェットプリンタ１は、インクジェット装置の一実施例である。インクジェットプリンタ１は、連続紙等である連続シート状の基材９に向けてインクの微小液滴を吐出することにより、基材９上に画像を形成する。

　インクジェットプリンタ１は、搬送機構２と、ヘッドユニット４と、記録制御部８３とを備える。搬送機構２は、長尺帯状の基材９を規定の搬送経路に沿って移動する。ヘッドユニット４は、搬送機構２によって移動される基材９に向けて、紫外線硬化性インクの微小液滴を吐出する吐出部である。記録制御部８３は、基材９に対して画像を記録する際に、搬送機構２とヘッドユニット４とを制御する。記録制御部８３は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等の一般的なコンピュータとしての構成を備える。

　図１に示す搬送機構２は、それぞれが図１中のＸ方向に延びる複数のローラ２１を有する。最も－Ｙ側に配置されたローラ２１の近傍には、ロール状の基材９（供給ロール）を保持する供給部３１が設けられる。最も＋Ｙ側に配置されたローラ２１の近傍には、ロール状の基材９（巻取ロール）を保持する巻取部３２が設けられる。インクジェットプリンタ１では、搬送機構２の複数のローラ２１の一部が、Ｘ方向に平行な軸を中心として一定の回転速度にて回転することにより、供給部３１から巻取部３２に至る所定の移動経路に沿って基材９が一定速度にて移動する。

　基材９の移動経路において、ヘッドユニット４と上下方向に対向する位置には、基材案内部３４が設けられる。基材案内部３４は、案内面３４１を有する。案内面３４１は、基材案内部３４の上面であり、ヘッドユニット４に向かって凸な曲面状である。具体的には、案内面３４１は、Ｘ方向に平行な仮想軸を中心とする円筒面の一部である。仮想軸は、ヘッドユニット４の真下（－Ｚ側）に位置する。ヘッドユニット４の下方において、滑らかな案内面３４１に沿って基材９が移動する。このように、ヘッドユニット４に対向する位置において、基材９の移動経路がヘッドユニット４に向かって凸となるように湾曲し、基材９が案内面３４１に沿って配置される。ヘッドユニット４に対向する位置では、基材９は、案内面３４１に沿っておよそ＋Ｙ方向に向かう所定の搬送方向に、ヘッドユニット４に対して相対的に移動する。Ｘ方向は、搬送方向に交差する（ここでは、直交する）幅方向である。

　基材９の移動経路において供給部３１と基材案内部３４との間には、基材９の蛇行を補正する蛇行補正部３３が設けられ、基材案内部３４と巻取部３２との間には、インク硬化用の光（本実施の形態では、紫外線）を出射する硬化部３５が設けられる。なお、インクジェットプリンタ１では、基材９に所定の前処理を行う前処理部等が設けられてもよい。

　図２は、ヘッドユニット４およびメンテナンス部５を示す平面図である。図３は、ヘッドユニット４およびメンテナンス部５を示す側面図である。図４は、ヘッドアッセンブリ４２の底面図である。図４における横方向は、基材９の搬送方向に対応する。図５は、ヘッドアッセンブリ４２の一部を示す断面図である。

　ヘッドユニット４は、ベース４１と、５つのヘッドアッセンブリ４２と、ヘッド移動機構４３とを備える。ベース４１は、各ヘッドアッセンブリ４２を支持する。ヘッドアッセンブリ４２は、Ｘ方向に延びる。各ヘッドアッセンブリ４２は、およそＹ方向に沿って（詳細には、上述の基材９の搬送方向に沿って）配列される。各ヘッドアッセンブリ４２から、基材９に向けてインクの微小液滴が吐出される。

　５つのヘッドアッセンブリ４２は、Ｗ（ホワイト）、Ｋ（ブラック）、Ｃ（シアン）、Ｍ（マゼンタ）、Ｙ（イエロー）のいずれかの色のインクを吐出する。ただし、ヘッドアッセンブリ４２が吐出するインクの色は、これらに限定されるものではない。例えば、ヘッドアッセンブリ４２から、クリアインク等の他の種類のインクが吐出されてもよい。

　ベース４１には、ヘッドアッセンブリ４２に加えて、基材９に向けて紫外線等を照射する照射アッセンブリが取り付けられてもよい。照射アッセンブリから基材９上に紫外線等が照射されることにより、基材９上に吐出されたインクが仮硬化（プリキュア）する。

　各ヘッドアッセンブリ４２は、同じ構成を有する。以下では、１つのヘッドアッセンブリ４２に着目して構成を説明する。各ヘッドアッセンブリ４２は、Ｙ方向における位置に応じて、長手方向（Ｘ方向）に平行な軸を中心として僅かな回転角だけ傾斜した姿勢にてベース４１に固定される。

　１つのヘッドアッセンブリ４２は、３つの吐出ヘッド４２１と、Ｘ方向に延びる略直方体状のヘッド固定ブロック４２２（図４及び図５参照）とを有する。ヘッド固定ブロック４２２は、３つの吐出ヘッド４２１を保持するヘッド保持部である。３つの吐出ヘッド４２１は、ヘッド固定ブロック４２２に取り付けられることにより、互いに対する相対位置が固定される。また、複数の吐出ヘッド４２１のヘッド固定ブロック４２２に対する相対的な位置も固定される。なお、ヘッドアッセンブリ４２に設けられる吐出ヘッド４２１の数は、３つに限定されるものではなく、１つでもよいし、２つまたは４つ以上でもよい。吐出ヘッド４２１は、記録制御部８３と電気的に接続されており、記録制御部８３からの制御信号に応じて、各吐出口からインクを吐出する。

　ヘッド固定ブロック４２２の素材は、例えば、ステンレス鋼等の金属である。ヘッド固定ブロック４２２には、３つの貫通孔４２４が、Ｘ方向に沿って千鳥状に配列形成される。具体的には、搬送方向の中心よりも上流側に２つの貫通孔４２４が位置し、搬送方向の中心よりも下流側に１つの貫通孔４２４が位置する。また、下流側の貫通孔４２４は、上流側の２つの貫通孔４２４，４２４と搬送方向に部分的に重なる。

　各吐出ヘッド４２１がヘッド固定ブロック４２２に固定された状態では、図５に示すように、吐出ヘッド４２１下端部（すなわち、－Ｚ側の端部）が複数の貫通孔４２４の内側に配置される。これにより、３つの吐出ヘッド４２１が、千鳥状に配置される。各吐出ヘッド４２１の長手方向（Ｘ方向）の両端部は、ヘッド固定ブロック４２２にねじ等により固定される。

　図４および図５に示すように、吐出ヘッド４２１の外表面は、吐出面４２５と、ヘッド側面４２７，４２９と、境界部４３１、４３３とを有する。吐出面４２５は、吐出ヘッド４２１の下端面である。吐出面４２５は、複数の吐出口（不図示）を有する。複数の吐出口は、吐出面４２５において一次元または二次元に配置される。

　図６において、ヘッド側面４２７は、搬送方向の下流側を向く面である。ヘッド側面４２９は、搬送方向の上流側を向く面である。ヘッド側面４２７，４２９は、吐出面４２５と直交する面である。ただし、ヘッド側面４２７，４２９は、吐出面４２５と直交することは必須ではなく、交差する面であってもよい。ヘッド固定ブロック４２２に吐出ヘッド４２１が固定された状態で、ヘッド側面４２７，４２９は、ヘッド固定ブロック４２２の貫通孔４２４の内面と搬送方向に対向する。

　境界部４３１は、吐出面４２５とヘッド側面４２７との境界である。境界部４３３は、吐出面４２５とヘッド側面４２９との境界である。境界部４３１，４３３は、具体的には、吐出ヘッド４２１の外表面の下端部において、Ｘ方向に延びる角張った角部である。なお、境界部４３１，４３３は、角丸状であってもよい。

　図２に示すように、ヘッドユニット４は、１５個の吐出ヘッド４２１を有する。図１に示すように、各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、案内面３４１上の基材９の主面に略平行となる。換言すると、各吐出ヘッド４２１は、基材９の主面（最も面積が大きい面）に対して微小間隔を空けて直立する。このため、各吐出ヘッド４２１の吐出口から基材９の主面に向かってほぼ垂直にインクの微小液滴が吐出される。

　図１および図３に示すように、ヘッド移動機構４３は、記録制御部８３と電気的に接続されており、記録制御部８３からの制御信号に応じて、ベース４１を上下方向に移動させる。基材９に画像を記録する場合、ヘッド移動機構４３は、ベース４１を案内面３４１に向かって下側に移動させることにより、各吐出面４２５を基材９の主面に近接させる。また、ヘッド移動機構４３は、ベース４１を上側へ移動させることにより、各吐出面４２５を基材９の主面から離隔させる。ヘッド移動機構４３は、第１移動機構の一例である。

　インクジェットプリンタ１における画像形成処理では、供給部３１から基材９が引き出され、蛇行補正部３３を経由して基材案内部３４へと到達する。吐出ヘッド４２１から吐出されたインクは、基材９の案内面３４１に接触している部分に付着する。これにより、基材９に画像が記録される。具体的には、Ｗ、Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙのインクを吐出する５つのヘッドアッセンブリ４２によって、基材９にＷ、Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙの画像が記録される。基材９におけるインクが付着した部分は、硬化部３５に搬送される。そして、硬化部３５において、インクが硬化される。さらに、基材９におけるインクが硬化された部分は、巻取部３２にて巻き取られる。

　以下では、５つのヘッドアッセンブリ４２を、＋Ｙ側から－Ｙ側に向かって順にヘッドアッセンブリ４２ａ，４２ｂ，４２ｃ，４２ｄ，４２ｅとする。ヘッドアッセンブリ４２ａ，４２ｂが備える各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、＋Ｙ側に向かって鉛直下向きに傾斜する。ヘッドアッセンブリ４２ｄ，４２ｅが備える各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、－Ｙ側に向かって鉛直下向きに傾斜する。ヘッドアッセンブリ４２ｃが備える吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、水平面とほぼ平行である。

　＜メンテナンス部５＞
　図２および図３に示すメンテナンス部５は、ヘッドユニット４をメンテナンスする装置である。ヘッドユニット４のメンテナンスは、例えば、吐出ヘッド４２１におけるインク流路に圧力を加えて吐出口からインクを押し出すパージ、印刷待機時に定期的にインクの液滴を吐出口から吐出するスピッティング、および、清掃部５４が吐出面４２５を清掃する動作を含む。

　メンテナンス部５は、メンテナンスユニット５１と、ユニット移動機構５２とを備える。図３に示すように、メンテナンス部５は、基材案内部３４よりも上側に位置する。ユニット移動機構５２は、Ｘ方向に延びる一対のガイド５２１を備える。ユニット移動機構５２は、メンテナンスユニット５１を、ヘッドユニット４の下側において、Ｘ方向に移動させる。

　ユニット移動機構５２は、メンテナンスユニット５１を、位置ＬＸ１（退避位置）（図２参照）と位置ＬＸ２（下方位置）との間で移動させる。図２に示すように、メンテナンスユニット５１が位置ＬＸ１に配置されると、メンテナンスユニット５１がヘッドユニット４よりも－Ｘ側に配置される。メンテナンスユニット５１が位置ＬＸ２に配置されると、メンテナンスユニット５１がヘッドユニット４の下方、かつ、案内面３４１の上方に配置される。ユニット移動機構５２は、第２移動機構の一例である。

　メンテナンスユニット５１は、キャップ部５３と、清掃部５４と、ユニット基部５５とを備える。図３では、清掃部５４の図示を省略している。ユニット基部５５は、上面が開放された略直方体状である。キャップ部５３および清掃部５４は、ユニット基部５５の内部に配置される。キャップ部５３は、上述のパージやスピッティング等のメンテナンス時にヘッドユニット４からの液体（すなわち、各ヘッドアッセンブリ４２から吐出されるインク）を受ける。清掃部５４は、各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５を清掃する。

　キャップ部５３は、受液部５６と、７つの排気部５７とを備える。受液部５６は、ヘッドユニット４のメンテナンス時に、ヘッドユニット４と上下方向に対向してヘッドユニット４から吐出されたインクを受ける。受液部５６は、略直方体の箱状であり、上方が天板部５６０で仕切られている。天板部５６０の上面５６１は、ヘッドユニット４と対向する。上面５６１は、基材案内部３４の案内面３４１と同様に、ヘッドユニット４に向かって凸となるように湾曲している。＋Ｘ側から視た上面５６１の形状は、基材案内部３４の案内面３４１の形状とおよそ相似である。メンテナンス時において、上面５６１は、各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５と、所定の間隙（例えば、Ｚ方向に２～３ｍｍ程度の間隙）を介して対向する。

　天板部５６０の上面５６１には、１５個の開口５６２が設けられる。開口５６２は、天板部５６０を貫通する貫通孔の内周面によって構成される。天板部５６０の上面５６１の開口５６２を除く部位は閉塞される。各開口５６２は、各吐出ヘッド４２１と１対１対応の関係で設けられる。ヘッドユニット４のメンテナンス時に、吐出ヘッド４２１の吐出面４２５が、対応する開口５６２と上下方向に対向する。

　すなわち、天板部５６０の上面５６１には、対応するヘッドアッセンブリ４２ごとに３つの開口５６２が配置される。３つの開口５６２は、ヘッドアッセンブリ４２の３つの吐出ヘッド４２１に対応する。３つの開口５６２は、Ｘ方向に沿って千鳥状に配置される。また、３つの開口５６２を１組の開口列５６３として、５組の開口列５６３が移動方向（Ｙ方向）に配列される。なお、以下の説明では、５組の開口列５６３を、＋Ｙ側から－Ｙ側に向かって順に、開口列５６３ａ、５６３ｂ、５６３ｃ、５６３ｄ、５６３ｅとする。ヘッドユニット４のメンテナンス時に、各吐出ヘッド４２１から吐出されたインクは、対応する開口５６２を介して受液部５６の内部へと進入する。

　図２に示すように、メンテナンス部５は、複数の接触部材５８を有する。接触部材５８は、Ｘ方向に延びる板状の部材である。接触部材５８は、好ましくは、ゴム、シリコンまたは合成樹脂素材等の弾性素材で構成される。複数の接触部材５８は、キャップ部５３に取り付けられている。より具体的には、接触部材５８は、受液部５６の天板部５６０に取り付けられる（図２）。複数の接触部材５８は、ユニット移動機構５２によって、キャップ部５３とともに、Ｘ方向に移動する。

　図２に示すように、接触部材５８は、各開口５６２を形成する＋Ｙ側または－Ｙ側の縁部に設けられる。具体的に、開口列５６３ａ，５６３ｂの各開口５６２では、＋Ｙ側の縁部に１つの接触部材５８が設けられる。開口列５６３ｃの各開口５６２では、＋Ｙ側の縁部および－Ｙ側の縁部のそれぞれに、接触部材５８が１つずつ設けられる。開口列５６３ｄ，５６３ｅの各開口５６２では、－Ｙ側の縁部に１つの接触部材５８が設けられる。なお、開口列５６３ａ，５６３ｂ、および、開口列５６３ｄ，５６３ｅの各開口５６２においても、開口列５６３ｃの各開口５６２と同様に、＋Ｙ側および－Ｙ側の縁部に、接触部材５８が１つずつ設けられてもよい。

　図６は、吐出ヘッド４２１に接触する接触部材５８を示す断面図である。図６は、開口列５６３ｂの開口５６２を示す。接触部材５８は、板状の支持部５８１を介して、天板部５６０に連結される。図６に示す支持部５８１は、天板部５６０の裏面から開口５６２の内側（－Ｙ側）へ延びる第１部分５８３と、第１部分５８３の先端部から、上側かつ開口５６２の外側（＋Ｙ側）へ延びる第２部分５８５とを有する。第１部分５８３は、天板部５６０の下面に固定具５８７を介して固定される。第２部分５８５の表面は、＋Ｙ側に向かって上側に延びる傾斜面となっている。第２部分５８５の傾斜面に、接触部材５８が取り付けられる。図６に示すように、開口５６２の＋Ｙ側の縁部に設けられた接触部材５８の接触面５８０は、吐出ヘッド４２１の＋Ｙ側の境界部４３１と接触可能である。なお、図示を省略するが、各開口５６２の－Ｙ側の縁部に設けられた接触部材５８の接触面５８０は、吐出ヘッド４２１の境界部４３３と接触可能である。

　接触部材５８のＸ方向の長さは、吐出ヘッド４２１における境界部４３１，４３３のＸ方向の長さよりも大きく、開口５６２のＸ方向の長さよりも小さい。接触部材５８は、境界部４３１，４３３のＸ方向の全幅に渡って接触可能である。

　清掃部５４は、Ｙ方向に沿って配列される複数の清掃ユニット６１と、複数の清掃ユニット６１の下方に配置される複数の昇降機構６２とを備える。複数の昇降機構６２は、複数の清掃ユニット６１をそれぞれ独立して上下方向に移動させる。各清掃ユニット６１は、Ｙ方向に並ぶ各吐出ヘッド４２１と、一対一対応の関係で設けられる。各ヘッドアッセンブリ４２の３つの吐出ヘッド４２１のうち、Ｘ方向に並ぶ２つの吐出ヘッド４２１は、同じ清掃ユニット６１で清掃される。

　ヘッドユニット４のメンテナンス時には、メンテナンスユニット５１がヘッドユニット４の下方に配置され、清掃部５４は、ヘッドユニット４の＋Ｘ側に配置される。そして、ユニット移動機構５２がメンテナンスユニット５１を－Ｘ側へ移動させる。これにより、清掃部５４がヘッドユニット４の下方を通過する。各清掃ユニット６１は、ヘッドユニット４の下方を通過する際に、対応する吐出ヘッド４２１の吐出面４２５に＋Ｘ側から順に接触して、吐出面４２５を順次清掃する。

　図７は、吐出ヘッド４２１の吐出面４２５を清掃する清掃部５４を示す図である。なお、図７は、清掃部５４を＋Ｙ側から視た図である。清掃ユニット６１は、ベース部６１１と、ワイプ部材６１４とを備える。ワイプ部材６１４はゴム、シリコンまたは合成樹脂素材等の弾性素材で構成された略平板状の部材である。ワイプ部材６１４の下部は、ベース部６１１に固定される。ワイプ部材６１４の上部は、ベース部６１１の上面よりも上側に位置する。ワイプ部材６１４の上部は、Ｙ方向に広がる。

　昇降機構６２は、昇降基部６２１と、昇降ブロック６２２と、昇降機構６２３と、弾性部６２４と、ユニットガイド部６２５とを備える。昇降基部６２１は、略矩形板状の部材である。昇降基部６２１は、ユニット基部５５の内底面に固定される。昇降ブロック６２２は、昇降基部６２１の上方（すなわち、＋Ｚ側）に配置される略矩形板状の部材である。昇降ブロック６２２は、昇降機構６２３を介して昇降基部６２１に接続される。昇降機構６２３は、昇降基部６２１に固定されて起立するシリンダ６２６と、昇降基部６２１から上向きに延びる複数のガイド６２７とを備える。シリンダ６２６が駆動されることにより、昇降ブロック６２２が、複数のガイド６２７に沿って上下方向に移動する。昇降ブロック６２２が上下方向に移動する際には、弾性部６２４、ユニットガイド部６２５および清掃ユニット６１が、昇降ブロック６２２と共に上下方向に移動する。なお、昇降機構６２３は、カム機構等、シリンダ６２６とは異なる機構を備えてもよい。

　弾性部６２４は、上下方向に延びる弦巻バネを有する。弦巻バネの下端部は昇降ブロック６２２に固定され、他端は清掃ユニット６１のベース部６１１の下面に固定される。なお、弾性部６２４は、板バネなど、弦巻バネ以外の弾性部材で構成されてもよい。

　ユニットガイド部６２５は、清掃ユニット６１の＋Ｘ側および－Ｘ側に設けられる。各ユニットガイド部６２５は、Ｘ方向に略垂直に広がる２つの板状部材である。清掃ユニット６１の下端部は、２つのユニットガイド部６２５により、Ｘ方向の両側から挟まれる。清掃ユニット６１は、ユニットガイド部６２５に接しているが、固定されない。ユニットガイド部６２５は、清掃ユニット６１がＸ方向に移動することを防止する。清掃ユニット６１は、弾性部６２４が弾性変形することにより、ユニットガイド部６２５に沿ってＺ方向に移動し、＋Ｙ側または－Ｙ側に傾くことが可能である。

　清掃ユニット６１が昇降ブロック６２２等と共に上昇してヘッドユニット４に接触すると、清掃ユニット６１のワイプ部材６１４の上端部が吐出面４２５に沿って、曲げられる。すると、弾性部６２４が撓むことによって、清掃ユニット６１が傾くとともに下降する。これにより、ワイプ部材６１４によって吐出面４２５に作用する押圧力が軽減される。ワイプ部材６１４のＹ方向の幅は、吐出面４２５のＹ方向の幅よりも大きい。ワイプ部材６１４は、吐出面４２５に対して、Ｙ方向の全幅にわたって接触可能である。

　＜メンテナンス処理について＞
　図８、図９及び図１０は、ヘッドユニット４がメンテナンス部５によってメンテナンスされる様子を示す概略正面図である。以下に説明する各動作は、特に断らない限り、記録制御部８３の制御下で行われる。また、メンテナンス処理は、吐出ヘッド４２１が基材９に画像を記録する画像記録位置ＬＺ１に配置された状態から開始されるものとする。

　まず、図８（ａ）および（ｂ）に示すようにヘッド移動機構４３が、吐出ヘッド４２１を、画像記録位置ＬＺ１から、上側の上昇位置ＬＺ２まで移動させる（吐出ヘッド上昇工程Ｓ１）。続いて、図８（ｂ）および（ｃ）に示すようにユニット移動機構５２が、キャップ部５３を、位置ＬＸ１から吐出ヘッド４２１の下方である位置ＬＸ２まで移動させる（キャップ部移動工程Ｓ２）。キャップ部５３が位置ＬＸ２に移動すると、ヘッド移動機構４３が、吐出ヘッド４２１を上昇位置ＬＺ２からキャップ位置ＬＺ４まで下降させる（吐出ヘッド下降工程Ｓ３）。キャップ位置ＬＺ４に移動すると、吐出ヘッド４２１の吐出面４２５が、キャップ部５３の開口５６２の内側に配置された状態となる。この状態で、図８（ｄ）に示すように吐出面４２５の複数の吐出口から、所定の時間、インクが吐出される（パージ工程Ｓ４）。各吐出ヘッド４２１から吐出されたインクは、各吐出ヘッド４２１に対応する開口５６２を通じてキャップ部５３（詳細には、受液部５６）の内側に回収される。回収されたインクは、キャップ部５３に設けられた排出部を介して適宜排出される。

　インクの吐出が完了すると、まずヘッド移動機構４３が、吐出ヘッド４２１をキャップ位置ＬＺ４よりも上方のワイプ位置ＬＺ３まで上昇させる。次に、図９（ａ）に示すように、ユニット移動機構５２が、キャップ部５３を位置ＬＸ２から、＋Ｘ側の位置ＬＸ１に向けて移動させる。この過程で、清掃ユニット６１のワイプ部材６１４が、吐出面４２５を、＋Ｘ側から－Ｘ側に向かって拭う（ワイプ工程Ｓ５）。これにより、吐出面４２５に残留するインクが除去されて、ユニット基部５５に回収される。ユニット基部５５に回収されたインクは、排出部によって排出される。

　図９（ｂ）に示すようにキャップ部５３が位置ＬＸ１に到達すると、図９（ｃ）に示すようにヘッド移動機構４３が、吐出ヘッド４２１を、ワイプ位置ＬＺ３から上側の上昇位置ＬＺ２に上昇させる（ヘッド上昇工程Ｓ６）。さらに、吐出ヘッド４２１が上昇位置ＬＺ２に移動すると、図９（ｄ）に示すようにユニット移動機構５２がキャップ部５３を位置ＬＸ１から＋Ｘ側の位置ＬＸ２に移動させる（キャップ部移動工程Ｓ７）。

　キャップ部５３が位置ＬＸ２に移動すると、図１０（ａ）に示すように、ヘッド移動機構４３が吐出ヘッド４２１を上昇位置ＬＺ２から－Ｚ側のキャップ位置ＬＺ４へ下降させる（ヘッド下降工程Ｓ８）。吐出ヘッド４２１がキャップ位置ＬＺ４に向けて移動する過程で、開口５６２に配置された接触部材５８が、吐出ヘッド４２１の境界部４３１に接触する（接触工程Ｓ９）。なお、ヘッドアッセンブリ４２ｃ，４２ｄ，４２ｅでは、接触工程Ｓ９において、接触部材５８が吐出ヘッド４２１の境界部４３３に接触する。

　所定時間、吐出ヘッド４２１をキャップ位置ＬＺ４に配置させた後、図１０（ｂ）に示すように、ヘッド移動機構４３は吐出ヘッド４２１をキャップ位置ＬＺ４から上側の上昇位置ＬＺ２に移動させる。これにより、接触部材５８が吐出ヘッド４２１の境界部４３１から離隔する（離隔工程Ｓ１０）。吐出ヘッド４２１が上昇位置ＬＺ２に移動すると、図１０（ｃ）に示すようにユニット移動機構５２が、キャップ部５３を位置ＬＸ１へ移動させる（キャップ部退避工程Ｓ１１）。これにより、吐出ヘッド４２１が再び、基材９に近接する画像記録位置ＬＺ１へ移動させることが可能となる。

　ワイプ工程Ｓ５において、ワイプ部材６１４が吐出面４２５を＋Ｘ側から－Ｘ側にかけて拭うと、図７に示すように、吐出面４２５に付着したインクＬｑ１（液体）のうち、一部がヘッド側面４２７，４２９へ移動する。ヘッドアッセンブリ４２ａ，４２ｂが備える各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、＋Ｙ側が下側に傾く傾斜面である。このため、吐出面４２５に付着したインクＬｑ１は＋Ｙ側に移動しやすい。すると、ワイプ工程Ｓ５によって拭い切れなかったインクＬｑ１は、ヘッド側面４２９よりもヘッド側面４２７へ優先的に移動し得る。ヘッド側面４２７に移動したインクＬｑ１は、重力の作用によって、境界部４３１の周辺に移動する。したがって、接触工程Ｓ９および離隔工程Ｓ１０によって、接触部材５８が境界部４３１に対して接触および離隔することによって、境界部４３１に付着したインクＬｑ１を、境界部４３１から引き離すことができる。このように、ワイプ工程Ｓ５で拭い切れずに吐出ヘッド４２１の外表面（特にヘッド側面４２７）に残留したインクＬｑ１が、接触部材５８によって有効に除去される。

　ヘッドアッセンブリ４２ｄ，４２ｅが備える各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、－Ｙ側が下側に傾く傾斜面である。このため、吐出面４２５に付着したインクＬｑ１は、－Ｙ側へ移動しやすい。すると、ワイプ工程Ｓ５よって拭い切れなかったインクＬｑ１は、ヘッド側面４２７よりもヘッド側面４２９へ優先的に移動し得る。このため、接触工程Ｓ９及び離隔工程Ｓ１０によって、接触部材５８が境界部４３３に対して接触および離隔することによって、境界部４３３に付着したインクＬｑ１が、有効に除去される。

　ヘッドアッセンブリ４２ｃの各吐出ヘッド４２１の吐出面４２５は、水平面と略平行である。このため、ワイプ工程Ｓ５において拭い切れなかったインクＬｑ１は、ヘッド側面４２７，４２９の双方に移動し得る。接触工程Ｓ９及び離隔工程によって、境界部４３１，４３３のそれぞれに対して、接触部材５８が接触および離隔することによって、境界部４３１，４３３に付着したインクＬｑ１が、有効に除去される。

　接触部材５８は、吐出ヘッド４２１の吐出面４２５およびヘッド側面４２７（または、ヘッド側面４２９）に対して角度を有する。このため、接触部材５８が、吐出面４２５およびヘッド側面４２７（または、ヘッド側面４２９）と接触することが抑制され、境界部４３１（または境界部４３３）に限定的に接触する。このため、接触部材５８と吐出ヘッド４２１との接触面積が小さいため、吐出ヘッド４２１に対するダメージが抑制される。また、接触部材５８と吐出ヘッド４２１との接触面積が小さいため、吐出ヘッド４２１の外表面におけるインクＬｑ１の残留が抑制される。

　＜２．　変形例＞
　以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。

　実施形態では、接触部材５８の形状が平板状とされたが、接触部材５８の形状は任意である。例えば、接触部材５８の接触面５８０を、上向き凸状である曲面としてもよい。この場合、接触部材５８と吐出ヘッド４２１の接触面積が、平板状の場合よりもさらに軽減される。

　接触部材５８が、キャップ部５３に設けられることは必須ではなく、キャップ部５３とは独立に設けられてもよい。この場合、接触部材５８を吐出ヘッド４２１に対してＸ方向に移動させる移動機構が設けられてもよい。

　接触部材５８のＸ方向の長さは、吐出ヘッド４２１における境界部４３１，４３３のＸ方向の長さよりも小さくてもよい。例えば、Ｘ方向の長さが短い接触部材５８を、境界部４３１，４３３に接触させるとともに、接触部材５８をＸ方向に移動させてもよい。この場合、境界部４３１，４３３のインクＬｑ１が、Ｘ方向の一方から他方にかけて払拭される。この場合も、接触部材５８の移動によって、接触部材５８が接する部分と、接触部材５８が離れる部分とが境界部４３１，４３３において局所的に発生する。これにより、境界部４３１，４３３に付着したインクＬｑ１が有効に除去される。

　ヘッドユニット４をメンテナンスユニット５１に対してＸ方向に移動させる機構を設けてもよい。また、メンテナンスユニット５１を上下方向に移動させる機構を設けてもよい。また、基材案内部３４を上下方向に移動させる機構を設けてもよい。

　インクジェットプリンタ１では、紫外線以外の放射線（例えば、赤外線や電子線）の照射により硬化するインクが用いられてもよい。また、放射線の照射が不要なインクが使用される場合、硬化部３５は省略されてもよい。基材案内部３４の案内面３４１は、必ずしも曲面である必要はなく、平面であってもよい。

　インクジェットプリンタ１は、枚葉の基材に画像を形成するものであってもよい。例えば、ステージ上に基材を保持するインクジェットプリンタでは、ヘッドユニットがインクを吐出しつつステージに平行な走査方向に相対移動（主走査）し、基材の端部へと到達した後に、ステージに平行かつ走査方向に垂直な移動方向に所定距離だけ相対移動（副走査）し、その後、ヘッドユニットがインクを吐出しつつ走査方向の直前の主走査とは逆向きに相対移動する。このように、上記インクジェットプリンタ（いわゆる、シャトル方式のプリンタ）では、ヘッドユニットが基材に対して主走査するとともに、主走査が完了する毎に、幅方向に間欠的に副走査することにより、基材に画像が形成される。

　インクジェットプリンタ１における画像形成の対象物は、紙以外の基材９であってもよい。例えば、プラスチック等にて形成される板状またはシート状の基材９に、画像が形成されてもよい。

　この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。

　１　インクジェットプリンタ
　２　搬送機構
　４２１　吐出ヘッド
　４２５　吐出面
　４２７，４２９　ヘッド側面
　４３　ヘッド移動機構
　４３１，４３３　境界部
　５　メンテナンス部
　５２　ユニット移動機構
　５３　キャップ部
　５６２　開口
　５８　接触部材
　５８０　接触面
　６１　清掃ユニット
　６１４　ワイプ部材
　８３　記録制御部
　９　基材

Claims (11)

1. 　インクジェット装置であって、
   　所定の搬送方向に搬送される基材に向けて液体を吐出する吐出ヘッドと、
   　前記吐出ヘッドの外表面に接触可能な接触部材と、
   　前記吐出ヘッドに対して、前記接触部材を、前記吐出ヘッドの外表面に接触する接触位置と、前記吐出ヘッドの外表面から離れる離隔位置との間で相対的に移動させる第１移動機構と、
   を備え、
   　前記吐出ヘッドの外表面は、
   　　液体を吐出する吐出口を有するとともに鉛直方向の下方を向く吐出面と、
   　　前記搬送方向の一方を向くヘッド側面と、
   　　前記吐出面と前記ヘッド側面との境界であって、前記搬送方向と交差する幅方向に延びる境界部と、
   を含み、
   　前記接触部材は、前記接触位置において前記境界部に接触する、インクジェット装置。
2. 　請求項１のインクジェット装置であって、
   　前記吐出面は、水平面に対して前記搬送方向の一方に向かって鉛直下向きに傾斜する、インクジェット装置。
3. 　請求項１または請求項２のインクジェット装置であって、
   　前記接触部材は、前記接触位置において前記境界部と接触する接触面を有し、
   　前記接触面は、前記ヘッド側面と交差する、インクジェット装置。
4. 　請求項３のインクジェット装置であって、
   　前記接触面は、前記吐出面と交差する、インクジェット装置。
5. 　請求項１から請求項４のいずれか１項のインクジェット装置であって、
   前記接触部材が、弾性変形可能である、インクジェット装置。
6. 　請求項１から請求項５のいずれか１項のインクジェット装置であって、
   　前記吐出面に接触可能なワイプ部材と、
   　前記ワイプ部材を前記吐出面に沿って移動させるワイプ移動機構と、
   をさらに備える、インクジェット装置。
7. 　請求項６のインクジェット装置であって、
   　前記吐出ヘッドから落下する液体を受けるキャップ部と、
   　前記吐出ヘッドに対して、前記キャップ部を、前記吐出面の下に位置する下方位置と、前記下方位置から幅方向に離れる退避位置との間で移動させる第２移動機構と、
   をさらに備える、インクジェット装置。
8. 　請求項７のインクジェット装置であって、
   　前記接触部材が、前記キャップ部に取り付けられる、インクジェット装置。
9. 　請求項７または請求項８のインクジェット装置であって、
   　前記キャップ部が、前記吐出面よりも大きい開口を有し、
   　前記接触部材の少なくとも一部が、前記開口の内側に配置される、インクジェット装置。
10. 　請求項７から請求項９のいずれか１項のインクジェット装置であって、
    　前記第２移動機構は、前記キャップ部を、前記吐出ヘッドに対して幅方向に相対的に移動させる、インクジェット装置。
11. 　インクジェット装置をメンテナンスするメンテナンス方法であって、
    　前記インクジェット装置は、
    　所定の搬送方向に搬送される基材に向けて液体を吐出する吐出ヘッドと、
    　前記吐出ヘッドの外表面は、
    　　液体を吐出する吐出口を有するとともに鉛直方向の下方を向く吐出面と、
    　　前記搬送方向の一方を向くヘッド側面と、
    　　前記吐出面と前記ヘッド側面との境界であって、前記搬送方向と交差する幅方向に延びる境界部と、
    を備え、
    　前記メンテナンス方法は、
    （ａ）接触部材を、前記吐出ヘッドの外表面における前記境界部に接触させる工程と、
    （ｂ）前記工程（ａ）によって前記境界部に接触した前記接触部材を前記吐出ヘッドの外表面から離隔させる工程と、
    を含む、メンテナンス方法。

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