WO2020225928A1 - インナソールおよびこれを備えた履物 - Google Patents

Abstract

履物（Ｂ）に取り外し可能または取り外し不能な状態に取付けられるインナソール（Ａ）であって、履物の使用者の足裏の母指球（４１）および踵中央部（４２）のそれぞれに対応する箇所には、孔部（２１，２２）または凹部が上面開口の内部空洞状態で設けられ、母指球（４１）および踵中央部（４２）を孔部（２１，２２）または前記凹部内に沈み込ませることが可能とされている。好ましくは、前記使用者がニュートラルポジションの起立姿勢にあるときの足裏重心位置（４３）に対応する箇所に、周辺部よりも高さが高くされた上向き***部（３）が設けられている。このことにより、使用者の姿勢の矯正機能、および運動能力向上に役立つ姿勢を身につけさせる機能を適切にもたせることができる。

Description

インナソールおよびこれを備えた履物

　本発明は、インナソールおよびこれを備えた履物に関する。
　ここで、本発明でいうインナソールとは、靴から取り出し可能に靴内に挿入して用いられる中敷きに加え、靴のソールを構成すべく取り出し不能な状態に靴内に固定された中底構成部材などを含む概念である。

　インナソールの具体例として、特許文献１，２に記載のものがある。
　特許文献１に記載のインナソールは、人（使用者）の足裏のかたちに形成されたシート体のうち、使用者の足裏の踵、母指球、および小指球に対応する３箇所を結んだ領域が凹状部とされ、かつこの凹状部には、衝撃吸収材が嵌め込まれている。このような構成によれば、使用者の体重の多くは、前記シート体のうち、踵、母指球、小指球に対応する箇所に集中して作用するのに対し、それらの箇所には前記衝撃吸収材が存在するため、使用者が歩行する際の衝撃分散効果が生じ、使用者の疲労軽減などが図られる。

　一方、特許文献２に記載のインナソールは、使用者の足裏の踵、母指球、および小指球に対応する３箇所に孔部が形成され、かつこの孔部には、他の部分よりも硬質の部材で形成された支持部が嵌め込まれている。このような構成によれば、使用者の足の前記した３箇所を前記支持部によってしっかりと支持することにより、内側縦足弓、外側縦足弓、および横足弓の上下方向の弾性運動が妨げられないようにし、足のアーチを育成するのに役立つ。

　しかしながら、従来においては、次に述べるように、解決すべき課題がある。

　すなわち、履物の機能の１つとして、たとえば直立または直立に近い姿勢の起立時、あるいは各種の運動の構えの姿勢時などにおいて、履物の使用者の身体を不当な歪みや傾きのない正しい姿勢に矯正する機能、および運動能力向上に役立つ姿勢を身につけさせる機能があれば好ましく、このようなニーズが潜在していると考えられる。これに対し、前記した特許文献１，２に記載のインナソールは、疲労軽減、または足のアーチ育成には役立つものの、姿勢矯正機能、および運動能力向上に役立つ姿勢を身につけさせる機能は得られない。

特開平１０－４２９０７号公報 特許第５２２７７１３号公報

　本発明の目的は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、使用者の姿勢の矯正機能、および運動能力向上に役立つ姿勢を身につけさせる機能を適切にもたせることが可能なインナソール、およびこれを備えた履物を提供することにある。

　上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。

　本発明の第１の側面により提供されるインナソールは、履物に取り外し可能または取り外し不能な状態に取付けられるインナソールであって、前記インナソールのうち、前記履物の使用者の足裏の母指球および踵中央部のそれぞれに対応する箇所には、孔部または凹部が上面開口の内部空洞状態で設けられており、前記母指球および前記踵中央部を前記孔部または前記凹部内に沈み込ませることが可能とされていることを特徴としている。
　ここで、履物の使用者とは、履物を実際に使用する特定の使用者ではなく、履物に見合ったサイズの足をもち、その履物を使用する一般的な人として想定される人である。母指球および踵中央部の位置は、履物あるいはインナソールのサイズや形状などに基づき、それらの位置が履物の使用者の母指球および踵中央部であろうと推測される位置である。

　好ましくは、前記母指球に対応する箇所に設けられた前記孔部または前記凹部は、前記インナソールの一側縁部に開口部が形成された切欠き状の孔部または凹部とされている。

　好ましくは、本発明に係るインナソールは、前記インナソールの上面部のうち、前記使用者がニュートラルポジションの起立姿勢（歪みや傾きなどのない理想的な起立姿勢）にあるときの足裏重心位置に対応する箇所に設けられ、かつ周辺部よりも高さが高くされた上向き***部を、さらに備えている。
　ここで、使用者がニュートラルポジションの起立姿勢にあるときの足裏重心位置は、側面視において使用者の踝のやや前方の下方である（図６を参照する後述の説明も参照）。前記足裏重心位置も、前記した母指球や踵中央部の位置と同様に、履物あるいはインナソールのサイズや形状などに基づき、この位置が履物の使用者の前記足裏重心位置であろうと推測される位置である。

　好ましくは、前記上向き***部は、前後幅よりも左右幅の方が長寸法であり、かつその上面部は、前後幅方向の両端部からそれらの中央部に進むにしたがって高さが漸次高くなるように傾斜した側面視略円弧状の曲面である。

　好ましくは、前記上向き***部は、前記インナソールのうち、前記踵中央部に対応する箇所に設けられた前記孔部または前記凹部の前方側であって、前記インナソールの左右幅方向の中央部に位置している。

　好ましくは、前記上向き***部は、前記インナソールの主要部をなすシート状のインナソール本体部よりも軟質の部材を用いて構成されている。

　本発明の第２の側面により提供される履物は、本発明の第１の側面により提供されるインナソールを備えていることを特徴としている。

　本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。

本発明に係るインナソールを備えた履物の一例を示す分解斜視図である。 図１の履物内にインナソールを取付けた状態の概略断面図である。 図３Ａは、図１および図２に示すインナソールの平面図であり、図３Ｂは、図３ＡのIIIB－IIIB断面図である。 人の足裏の説明図である。 図５Ａ～図５Ｃは、人の起立姿勢のバリエーションを示す説明図である。 人がニュートラルポジションの起立姿勢にあるときの足裏重心位置を示す説明図である。 本発明の他の例を示す平面図である。 本発明の他の例を示す側面断面図である。 本発明の他の例を示す平面図である。 本発明の他の例を示す平面図である。 図１１Ａは、本発明の他の例を示す平面図であり、図１１Ｂは、図１１ＡのXIB－XIB断面図である。 本発明の他の例を示す断面図である。

　以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。

　図１および図２に示すインナソールＡは、たとえば履物の一例としての靴Ｂの内部に出し入れ可能に取付けられるものであり、左側用である。図３Ａに示すように、インナソールＡと対をなす右側用のインナソールＡ’も用意される。これら左右一対のインナソールＡ，Ａ’は左右対称である。このため、以降においては、左側用のインナソールＡについて説明し、右側用のインナソールＡ’についての説明は適宜省略する。
　靴Ｂに付されている符号１０は、アウタソールを示し、符号１１は、甲皮を示す。

　インナソールＡは、このインナソールＡの主要部をなすシート状のインナソール本体部２と、上向き***部３とを備えている。インナソール本体部２は、たとえば樹脂製、布製、革製、人工皮革製などの適当な材質からなる単層のシートを用いて構成され、または同種もしくは異種の材質からなる複数種類のシートが積層して接合された複数層のシートを用いて構成されている。このインナソール本体部２の基本形状およびサイズは、靴Ｂの中底１２の形状およびサイズ、ひいては靴Ｂの使用者の足裏の形状およびサイズに対応している。

　インナソール本体部２には、切欠き状の孔部２１、および非切欠き状の孔部２２が設けられている。これら孔部２１，２２は、その内側に他の部材が嵌め込まれた構成とはされておらず、上面が開口した内部空洞状態のままである。図４に示す使用者（人）の足裏４において、符号４１は、母指球を示し、符号４２は、踵中央部を示している。符号４３は、足裏重心位置を示している。

　孔部２１は、母指球４１に対応する箇所に形成されている。ただし、孔部２１は、インナソール本体部２の一側縁部２３（内側縁部）に開口部２１ａが形成された切欠き状の孔部として形成されている。孔部２２は、非切欠き状の略円形状の孔部とされている。孔部２１，２２の深さ（本実施形態では、インナソール本体部２の厚みｔと同一寸法）は、好ましくは２ｍｍ程度以上、より好ましくは、３ｍｍ程度以上とされている。

　上向き***部３は、インナソール本体部２の上面部のうち、図４に示した足裏重心位置４３に対応する箇所に設けられている。足裏重心位置４３は、図６に示すように、使用者（人）がニュートラルポジションの起立姿勢にあるときに、使用者の足裏のうち、使用者の重心線ＧＬが通過する位置であって、側面視において使用者の踝のやや前方の下方である。したがって、インナソールＡにおいて、上向き***部３は、踵中央部４２に対応する孔部２２よりも適当寸法だけ前方側に離間した領域のうち、左右幅方向の略中央部の位置に設けられている。

　この上向き***部３は、たとえば図３Ａに示すように、前後幅Ｌａよりも左右幅Ｌｂの方が長寸法の平面視略楕円状または略長円状である。図３Ｂに示すように、この上向き***部３の上面部３ａは、前後幅方向の両端部からそれらの中央部に進むにしたがって高さが漸次高くなるように傾斜した側面視略円弧状の曲面である。上向き***部３の最大高さＨは、たとえば４～８ｍｍ程度とされるが、これに限定されない。好ましくは、この上向き***部３は、インナソール本体部２よりも軟質の別部材を用いて構成され、かつインナソール本体部２に接合されている。接合手段としては、たとえば接着剤を用いた接着や、縫い糸を用いた縫着などの手段を用いることが可能であるが、勿論、これらに限定されない。後述するように、上向き***部３を、インナソール本体部２と一体形成することも可能である。

　次に、前記したインナソールＡの作用について説明する。

　まず、靴Ｂの使用者が、不当な前傾姿勢や後傾姿勢にはなく、使用者の体重が足の前後に略均一に分散して作用していると、使用者の足の母指球４１および踵中央部４２の双方が、インナソールＡまたはＡ’の孔部２１，２２内に深く沈み込む。このため、使用者は、その旨を適切に感じとることが可能である。加えて、使用者の体重が左右両足に略均等に作用していると、左右のインナソールＡ，Ａ’のそれぞれにおいて、母指球４１および踵中央部４２が孔部２１，２２内に深く沈み込み、その旨を使用者が適切に感じとることができる。とくに、本実施形態において、孔部２１は、インナソールＡ，Ａ’の一側縁部２３側に開口した開口部２１ａを有しているため、母指球４１が孔部２１の位置に沈み込んだ場合に、使用者はその旨をより適切に感じとり易くなる。

　これに対し、たとえば図５Ｂ，図５Ｃに示すように、使用者の身体に歪みがあり、あるいは左右に傾くなどして、使用者の姿勢が正しくない場合には、左右両足の少なくとも一方の母指球４１および踵中央部４２は、孔部２１，２２内に深く沈み込まない。このため、左右の足裏において、孔部２１，２２内に母指球４１および踵中央部４２が深く沈んだ状態を的確に感じとることはできない。また、使用者が不当に前傾している場合には、母指球４１のみが孔部２１に深く沈み込み、その旨を感じとることはできるものの、踵中央部４２は孔部２２内に深く沈み込まず、その旨は感じとることはできない。これとは反対に、使用者が不当に後傾している場合には、踵中央部４２のみが孔部２２内に深く沈み込み、その旨を感じ取ることはできるものの、母指球４１は、孔部２１内に深く沈み込まず、その旨は感じとることはできない。

　このようなことから、使用者は、自分の左右両足において、母指球４１および踵中央部４２が孔部２１，２２内に深く沈み込み、かつその旨を感じとることが可能な姿勢をとることにより、正しい姿勢を身につけることが可能となる。つまり、使用者の姿勢の矯正機能が得られる。また、使用者のＯ脚やＸ脚の矯正にも役立つ。

　様々なスポーツの構えの姿勢において、前後左右に歪みや傾きがなく、左右両足のそれぞれの前後に体重が略均等に作用する構えの姿勢（正しい構えの姿勢）は、下半身の安定感を増し、俊敏な運動を開始する上で有利な場合がある。これに対し、インナソールＡ，Ａ’を利用すれば、使用者は前記した正しい構えの姿勢を身につけることが可能となる。つまり、インナソールＡ，Ａ’は、運動能力向上に役立つ姿勢を身につけさせる機能をも有することとなる。

　また、スポーツの種類如何では、たとえば一時的に足裏の前側に体重を掛けた体勢が好ましい場合がある。このような場合には、母指球４１が孔部２１内に大きく沈み込み、かつ踵中央部４２が孔部２２に大きく沈まない体勢となるように、使用者がトレーニングすることにより、そのような体勢を取得することが可能となる。したがって、本実施形態のインナソールＡ，Ａ’は、そのようなスポーツのトレーニング用にも適したものとなる。

　なお、前記特許文献１，２に記載されたインナソールにおいては、足裏の母指球および踵に対応する箇所に設けられた孔部内に、衝撃吸収材あるいは硬質部材が嵌め込まれており、前記孔部は、実質的には消失している。このため、仮に、使用者の体重が母指球および踵に作用したとしても、その旨を使用者は的確に感じとることはできない。人の足裏の感覚は、それ程までには鋭くない。したがって、特許文献１，２においては、本実施形態のインナソールＡ，Ａ’について述べたような作用は得られない。

　一方、使用者が直立またはこれに近い起立姿勢をとる際に、歪みや傾きがない状態（図６に示した状態）であると、使用者の重心線ＧＬが上向き***部３と一致する位置となる。このため、使用者の足裏と上向き***部３とは強く当接し、使用者はその旨を的確に感じることとなる。これに対し、使用者の起立姿勢が悪く、たとえば前後方向などに歪み、または傾いているような場合には、足裏と上向き***部３とは強く当接しない。上向き***部３は、インナソールＡ，Ａ’の他の部分よりも高い高さに***しているため、足裏に当接するものの、足裏のうち、上向き***部３が当接する領域は、土踏まず（足底弓蓋）、またはこれに近い領域であって、本来的にはインナソールＡ，Ａ’の上面から浮き気味となる領域である。このため、上向き***部３が足裏に当接してはいるものの、この上向き***部３と使用者の重心線ＧＬとが一致しない場合には、使用者は上向き***部３を的確に感じとることはない。

　このようなことから、使用者は、足裏が上向き***部３に当たっている感覚をもつように起立することにより、歪みや傾きのない正しい直立または直立に近い起立姿勢を身につけることが可能となる。孔部２１，２２も、使用者が正しい起立姿勢にあるか否かの判断に役立たせることが可能であるが、上向き***部３は、正しい起立姿勢がとられた際に、足裏に強く当接するため、その旨がより的確に察知し易くなる。孔部２１，２２は、使用者の左右方向の歪みや傾きを矯正する機能が大きいのに対し、上向き***部３は、前後方向の歪みや傾きを矯正する機能が大きい。したがって、上向き***部３が設けられた構成は、使用者が前後左右のいずれの方向にも歪みや傾きのない正しい姿勢を身につける上で、より好ましいものとなる。

　上向き***部３は、既述したように、前後幅Ｌａよりも左右幅Ｌｂの方が長寸法の横長状である。このため、使用者の姿勢が左右方向に多少の位置ずれを生じたとしても、使用者の足裏重心位置４３が、前後方向において上向き***部３の位置に一致していれば、使用者はこの上向き***部３に足裏が強く当接することとなり、その旨を的確に察知することが可能となる。したがって、上向き***部３を、使用者の前後方向の歪みや傾きを矯正するための部位として一層役立たせることが可能となる。

　また、上向き***部３は、平面視略楕円状または略長円状であって、上面部３ａが側面視略円弧状の曲面とされており、全体が滑らかな形態とされているため、上向き***部３が足裏に強く当接した際に、痛みなどを生じないようにすることもできる。上向き***部３を軟質部材で構成した場合には、その効果をより高めることが可能である。

　図７～図１２は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。

　図７に示すインナソールＡ１，Ａ１’においては、使用者の足裏の母指球４１に対応する箇所に設けられる孔部２１が、孔部２２と同様に、非切欠き状の略円形孔として形成されている。

　このような構成によれば、孔部２１を切欠き状に形成していた前記実施形態の構成と比較すると、足裏に孔部２１の存在をやや感じ難くなるが、本発明が意図する作用を得ることが可能である。

　一方、孔部２２については、切欠き状に形成してもよいが、非切欠き形状とすることが好ましい。孔部２２を切欠き状に形成した場合には、非切欠き形状に形成した場合と比較すると、踵中央部４２が孔部２２の中心に位置しているか否かを使用者が感じとり難くなるからである。

　図８に示すインナソールＡ２においては、インナソール本体部２が樹脂成形品であり、上向き***部３Ａが、インナソール本体部２と一体形成されている。このような構成によれば、製造コストを廉価にすることが可能である。

　図９に示すインナソールＡ３，Ａ３’、および図１０に示すインナソールＡ４，Ａ４’においては、上向き***部３が設けられていない構成とされている。本発明においては、このような構成とすることも可能である。

　図１１Ａおよび図１１Ｂは、ソール１３（底部）の上面側に、足の甲を留めるためのベルト部１４が設けられたサンダル（履物）Ｂ１，Ｂ１’を示している。ソール１３（底部）は、インナソールＡとその下面側のアウタソール１４とからなり、インナソールＡはアウタソール１４に対して接着され、取り外し不可能な状態に設けられている。インナソールＡには、孔部２１，２２、および上向き***部３が設けられている。

　本実施形態のサンダルＢ１，Ｂ１’を利用した場合においても、先に述べた実施形態と同様に、使用者の姿勢矯正機能を得ることが可能である。本実施形態に示すように、本発明でいうインナソールは、履物から取り外し不可能な状態に設けられていてもよい。

　図１２に示すサンダルＢ２においては、ソールがインナソールＡ５のみによって構成された単層構造とされており、インナソールＡ５の下面側領域がアウタソールに相当している。ここで、本実施形態においては、足裏の母指球４１および踵中央部４２に対応する箇所に、凹部２１Ａ，２２Ａが設けられている。凹部２１Ａ，２２Ａは、上面が開口した内部空洞状であり、その深さは、前記した孔部２１，２２と同様に、たとえば２ｍｍ程度以上、好ましくは、３ｍｍ程度以上とされている。

　本実施形態によれば、サンダルＢ２の使用者が正しい姿勢をとった際には、足裏の母指球４１および踵中央部４２が、凹部２１Ａ，２２Ａ内に深く沈み込むため、先の実施形態の孔部２１，２２が設けられていた場合と同様な作用を得ることが可能である。本実施形態から理解されるように、本発明においては、母指球および踵中央部に対応する箇所には、孔部に代えて、凹部を設けた構成とすることも可能である。

　本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るインナソール、およびこれを備えた履物の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。

　足裏の母指球および踵中央部に対応する孔部または凹部のサイズ（開口幅または開口径、深さなど）は、母指球および踵中央部が沈み込み可能なサイズとされるが、その具体的な数値は限定されない。前記孔部または前記凹部が上面開口の内部空洞状態で設けられ、かつ適当な開口幅（または開口径）および深さがあればよい。本発明でいう上向き***部の具体的なサイズ、形状、材質なども限定されない。

　上述の実施形態においては、履物として、靴やサンダルを例示したが、履物の種類はこれに限定されない。一般の靴やサンダル（草履）に限らず、たとえば長靴、下駄、スポーツ用や仕事用（労働用）の各種の特殊な靴など、およびそれ用のインナソールに本発明を適用することが可能である。インナソールに足裏の滑り止めなど用の凹凸部を別途追加して設けた構成とすることも可能である。

Claims (7)

1. 　履物に取り外し可能または取り外し不能な状態に取付けられるインナソールであって、
   　前記インナソールのうち、前記履物の使用者の足裏の母指球および踵中央部のそれぞれに対応する箇所には、孔部または凹部が上面開口の内部空洞状態で設けられており、前記母指球および前記踵中央部を前記孔部または前記凹部内に沈み込ませることが可能とされていることを特徴としている。
2. 　請求項１に記載のインナソールであって、
   　前記母指球に対応する箇所に設けられた前記孔部または前記凹部は、前記インナソールの一側縁部に開口部が形成された切欠き状の孔部または凹部とされている。
3. 　請求項１に記載のインナソールであって、
   　前記インナソールの上面部のうち、前記使用者がニュートラルポジションの起立姿勢にあるときの足裏重心位置に対応する箇所に設けられ、かつ周辺部よりも高さが高くされた上向き***部を、さらに備えている。
4. 　請求項３に記載のインナソールであって、
   　前記上向き***部は、前後幅よりも左右幅の方が長寸法であり、かつその上面部は、前後幅方向の両端部からそれらの中央部に進むにしたがって高さが漸次高くなるように傾斜した側面視略円弧状の曲面である。
5. 　請求項３に記載のインナソールであって、
   　前記上向き***部は、前記インナソールのうち、前記踵中央部に対応する箇所に設けられた前記孔部または前記凹部の前方側であって、前記インナソールの左右幅方向の中央部に位置している。
6. 　請求項３に記載のインナソールであって、
   　前記上向き***部は、前記インナソールの主要部をなすシート状のインナソール本体部よりも軟質の部材を用いて構成されている。
7. 　履物であって、
   　請求項１に記載のインナソールを備えていることを特徴としている。

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