WO2020065942A1

WO2020065942A1 - 吸収性物品

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Publication number: WO2020065942A1
Application number: PCT/JP2018/036371
Authority: WO
Inventors: 工藤　悦子; 純子山下; 坂口　智
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2018-09-28
Filing date: 2018-09-28
Publication date: 2020-04-02

Abstract

着用者の腹部にフィットし、かつ腹部を覆い続け易い吸収性物品を提供する。　吸収性物品の前胴回り域（Ｓ１）の幅方向の中央に位置する中央領域（ＦＣ）には、中央領域の長手方向の全長を１０等分した複数の領域が設けられている。複数の領域において幅方向の収縮力が最も高い高収縮領域は、中央領域の前端縁（Ｓ１Ｆ）から中央領域の長手方向の全長に対する５０～９０％後方に位置する中間領域（Ｆ１２）に配置されている。中間領域は、中間領域における長手方向の変形基点となる低剛性部（７０）を有する。低剛性部の少なくとも一部は、高収縮領域内において幅方向に沿って配置されている。

Description

吸収性物品

　本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。

　使い捨ておむつ等の吸収性物品は、身体の腹部及び臀部を覆うように装着される。着用者の身体、特に腹部に対するフィット性を向上できる吸収性物品が知られている（下記特許文献１）。特許文献１の吸収性物品は、腹部を覆う前胴回り域と、臀部を覆う後胴回り域と、前胴回り域において幅方向に伸縮する伸縮性部材と、を有する。伸縮性部材は、幅方向の中央から幅方向の外側に向かってウエスト開口側に湾曲している。

特開２００６－４３０６８号公報

　特許文献１に記載された伸縮性部材の少なくとも一部は、上前腸骨棘と重なるように配置されている。上前腸骨棘は、身体の中心よりも側部に位置する。伸縮性部材の幅方向の側部が上前腸骨棘と重なるように配置されると、伸縮性部材の幅方向の中央が身体の幅方向の中央に位置する腹部の膨らんだ部位に配置される。乳幼児等、腹部が膨らんだ体型の着用者においては、伸縮性部材が腹部の膨らみに配置されると、伸縮性部材は、収縮に伴って腹部の下端等の身体の凹んだ部分に移動する。結果として、伸縮性部材が腹部の下端に配置されると、伸縮性部材よりも上方に位置する腹部を覆うことができず、腹部の膨らみを覆い続けることができないことがある。

　そこで、着用者の腹部にフィットし、かつ腹部を覆い続け易い吸収性物品が望まれる。

　一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する長手方向及び幅方向と、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域及び前記後胴回り域との間に配置された股下域と、を有する吸収性物品であって、前記前胴回り域の前記幅方向の中央に位置する中央領域には、前記中央領域の前記長手方向の全長を１０等分した複数の領域が設けられており、前記複数の領域において前記幅方向の収縮力が高い高収縮領域は、前記中央領域の前端縁から前記中央領域の前記長手方向の全長に対する５０～９０％後方に位置する中間領域に配置されており、前記中間領域には、前記中間領域における前記長手方向の変形基点となる低剛性部を有し、前記低剛性部の少なくとも一部は、前記高収縮領域内において前記幅方向に沿って配置されている。

実施形態に係る吸収性物品の正面図である。実施形態に係る吸収性物品の平面図である。図２に示す吸収性物品のＡ－Ａ断面に沿った断面図である。図２に示す吸収性物品のＢ－Ｂ断面に沿った断面図である。実施形態に係る吸収性物品の装着状態を模式的に示した図である。実施形態に係る吸収性物品の装着状態を模式的に示した図である。実施の形態に係る吸収性物品の第１領域から第１０領域の収縮力と剛性の測定データを示した表である。剛性を測定する測定器を説明するための図である。

　（１）実施形態の概要
　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
　一態様に係る吸収性物品は、互いに直交する長手方向及び幅方向と、前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域及び前記後胴回り域との間に配置された股下域と、を有する吸収性物品であって、前記前胴回り域の前記幅方向の中央に位置する中央領域には、前記中央領域の前記長手方向の全長を１０等分した複数の領域が設けられており、前記複数の領域において前記幅方向の収縮力が高い高収縮領域は、前記中央領域の前端縁から前記中央領域の前記長手方向の全長に対する５０～９０％後方に位置する中間領域に配置されており、前記中間領域には、前記中間領域における前記長手方向の変形基点となる低剛性部を有し、前記低剛性部の少なくとも一部は、前記高収縮領域内において前記幅方向に沿って配置されている。

　中間領域は、前胴回り域の前端縁から中央領域の長手方向の全長に対する５０～９０％後方に位置しており、腹部の下端の凹みに対向して配置される。腹部の下端の凹みは、着用者の姿勢の変化によって皮膚の伸び縮みが生じ易い。当該中間領域には、低剛性部が設けられている。よって、中間領域は、低剛性部を基点に変形し、前胴回り域が身体の変形に追従し易くなる。これにより、前胴回り域全体が下方へずれることを抑制できる。低剛性部は、収縮力の高い高収縮領域内において幅方向に沿って設けられている。中間領域が低剛性部を基点に変形した際に、当該変形基点を高収縮領域によって身体にフィットさせることができる。

　好ましい一態様によれば、前記中間領域は、着用者の腹部の下端の凹みと対向して配置される。

　本態様によれば、腹部の下端の凹みに変形基点を設け、当該変形基点を身体にフィットさせるとともに、腹部の下端の凹みよりも上方に位置する腹部の膨らんだ部分を中間領域よりも前側の領域によって覆い続け易い。

　好ましい一態様によれば、前記複数の領域は、前記長手方向の剛性が低い低剛性領域を有し、前記低剛性領域は、前記前胴回り域の前記長手方向の全長に対する２０％以上である。

　本態様によれば、腹部の下端の皮膚の伸び縮みが生じた際に、中間領域にかかる力を低剛性領域の変形によって吸収し易い。中間領域にかかる力を低剛性領域の変形によって吸収することにより、身体の動きによって変形する領域を最小限に抑えることができ、腹部を覆い続ける効果をより得易い。

　好ましい一態様によれば、前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域を有し、前記ウエスト領域には、前記複数の領域の平均剛性よりも高い高剛性領域が設けられている。

　ウエスト領域に平均剛性よりも高い高剛性領域が設けられているため、高剛性領域が長手方向に縮む変形を抑制し、ウエスト領域が腹部の膨らみをより覆い続け易くなる。

　好ましい一態様によれば、前記ウエスト領域には、前記長手方向の剛性が均一な一定剛性領域を有し、前記一定剛性領域の長手方向の長さは、前記ウエスト領域の全長に対する２０％以上である。

　本態様によれば、ウエスト領域の長手方向の２０％以上を占める一定剛性領域を有することにより、ウエスト領域内において剛性差による幅方向に沿った皺等の幅方向に沿った変形基点が生じることを抑制できる。ウエスト領域の長手方向の長さを確保し、ウエスト領域によって腹部をより覆い続けることができる。

　好ましい一態様によれば、中間領域の平均剛性は、前記ウエスト領域の平均剛性よりも低い。中間領域の平均剛性がウエスト領域の平均剛性よりも低いため、中間領域を基点に前胴回り域が変形し、前胴回り域が身体の変形に追従し易くなる。これにより、前胴回り域全体が下方へずれることを抑制できる。

　好ましい一態様によれば、少なくとも前記股下域及び前記前胴回り域に配置された吸収コアを有し、前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から９０～１００％後方に位置する股側領域を有し、前記吸収コアの前端縁は、前記股側領域内に配置されている。

　本態様によれば、股側領域は、吸収コアによって変形し難く、幅方向の長さを確保し易い。これにより、前胴回り域における股下域側の股側領域の幅方向の長さを確保することにより、身体に対して幅方向の一定の範囲に亘って吸収コアを当てて、体液の吸収機能を確保できる。

　好ましい一態様によれば、前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域を有し、前記前胴回り域には、少なくとも前記幅方向に伸縮する伸縮不織布と、前記幅方向に伸縮する糸状又は帯状の伸縮性部材と、を有し、前記伸縮不織布は、前記ウエスト領域及び前記中間領域に配置されており、前記伸縮性部材は、少なくとも前記中間領域に配置されている。

　本態様によれば、ウエスト領域及び中間領域が伸縮不織布の収縮によって身体に対してフィットすることにより、前胴回り域全体の下方へのずれを抑制できる。また、中間領域は、伸縮性部材によって腹部の下端の凹みに更にフィットし易くなり、前胴回り域全体が下方へずれることを抑制できる。よって、ウエスト領域によって腹部を覆い続ける効果をより得易い。

　好ましい一態様によれば、前記前胴回り域には、前記幅方向に伸縮する糸状又は帯状の伸縮性部材が設けられており、前記伸縮性部材は、前記伸縮性部材の前記幅方向の中央から前記幅方向の外側に向かって前側に延びており、前記伸縮性部材の前記幅方向の中央は、前記中間領域と重なる領域に配置されている。

　本態様によれば、中間領域は、伸縮性部材によって腹部の下端の凹みによりフィットし、長手方向の変形基点としてより機能し易くなる。したがって、中間領域を基点に前胴回り域が変形し、前胴回り域が身体の変形に追従し易くなり、前胴回り域全体が下方へずれることを抑制できる。よって、ウエスト領域によって腹部を覆い続ける効果をより得易い。

　また、伸縮性部材によって中間領域を着用状態における上方に引き上げることができる。中間領域を含む前胴回り域全体が下方へ下がることを抑制し、ウエスト領域によって腹部を覆い続けることができる。

　好ましい一態様によれば、前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域を有し、前記中間領域の平均収縮力は、前記ウエスト領域の平均収縮力よりも高くてよい。

　中央領域における中間領域とウエスト領域を比較すると、中間領域がウエスト領域よりも身体にフィットし易い。よって、中間領域が腹部の下端の凹みによりフィットし易くなる。また、中間領域の幅方向の寸法は、ウエスト領域の幅方向の寸法よりも短くなり易い。よって、前胴回り域は、腹部の下端の凹みに配置される中間領域が周囲の領域よりも凹む形状となる。前胴回り域が身体の凹みに沿った形状となるため、前胴回り域が身体によりフィットし易くなる。前胴回り域を身体に対して密着させずに、前胴回り域を身体に沿わせてフィットさせることができる。よって、装着感を向上できる。加えて、体液の吸収によって吸収性物品の重量が重くなった場合においても、吸収性物品がずれ下がり難くなる。

　好ましい一態様によれば、前記ウエスト領域の平均収縮力は、前記中間領域の平均収縮力の１０～５０％である。

　中間領域を基点とした変形によって前胴回り域の全体のずれを抑制しつつウエスト領域によって腹部の膨らみを覆い続ける効果をより得やすい。

　好ましい一態様によれば、前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から９０～１００％後方に位置する股側領域を有し、前記股側領域の平均収縮力は、前記中間領域の平均収縮力よりも低い。

　本態様によれば、股側領域が中間領域よりも低い収縮力であるため、股側領域が中間領域側にずれ難い。よって、中間領域に当たる部分に収縮力が集中することを抑制できる。加えて、股側領域よりも長手方向の外側に位置する中間領域の収縮力が高いため、上側に引き上げようとする力が作用し、吸収性物品全体がずれ下がり難くなる。

　（２）吸収性物品の全体概略構成
　以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。

　吸収性物品は、テープ型であってもよいし、パンツ型であってもよい。吸収性物品は、使い捨ておむつであってもよいし、ショーツ型生理用ナプキンであってよい。第１実施形態の吸収性物品は、パンツ型の使い捨ておむつである。図１は、本実施形態に係る吸収性物品１０の模式正面図である。図２は、本実施形態に係る吸収性物品１０の模式平面図である。図２に示す模式平面図は、後述するサイド接合部６０を展開した状態において吸収性物品１０を皺が形成されない状態まで伸長させた伸長状態を示している。図３は、図２に示すＡ－Ａ線に沿った断面図であり、図４は、図２に示すＢ－Ｂ断面に沿った断面図である。

　吸収性物品１０は、互いに直交する長手方向Ｌ及び幅方向Ｗを有する。長手方向Ｌは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、長手方向Ｌは、展開された吸収性物品１０において前後に延びる方向である。また、吸収性物品１０は、長手方向Ｌと幅方向Ｗの両方の直交する厚み方向Ｔを有する。

　吸収性物品１０は、前胴回り域Ｓ１と、後胴回り域Ｓ２と、股下域Ｓ３と、を有する。前胴回り域Ｓ１は、着用者の前胴回り（腹部）に対向する領域である。後胴回り域Ｓ２は、着用者の後胴回り（背部）に対向する領域である。股下域Ｓ３は、着用者の股下に位置し、前胴回り域Ｓ１と後胴回り域Ｓ２との間に配置された領域である。

　本実施形態では、吸収性物品１０は、外装体１５と、吸収性本体４０と、を有していてよい。外装体１５は、吸収性本体４０と厚み方向に重なっている。外装体１５は、前胴回り部材２０と、後胴回り部材３０と、を有してよい。前胴回り部材２０は、前胴回り域Ｓ１において吸収性本体４０の非肌対向面側Ｔ２に配置されている外装体である。後胴回り部材３０は、前胴回り部材２０と長手方向Ｌに離間し、かつ後胴回り域Ｓ２において吸収性本体４０の非肌対向面側Ｔ２に配置されている外装体である。

　図３に示すように、外装体１５は、吸収性本体４０の肌対向面側Ｔ１に配置されたカバーシート２７を有してよい。カバーシート２７は、前胴回り域Ｓ１の吸収性本体４０の肌対向面側Ｔ１に設けられていてよい。

　股下域Ｓ３は、後述する脚回り開口部６６（図１参照）が形成された領域である。前胴回り域Ｓ１の股下域側の境界は、脚回り開口部６６の前端縁であり、後胴回り域Ｓ２の股下域側の境界は、脚回り開口部６６の後端縁である。なお、他の実施形態において、外装体１５は、前胴回り部材２０及び後胴回り部材３０が一体化され、かつ前胴回り域Ｓ１から後胴回り域Ｓ２に亘って設けられていてもよい。

　前胴回り部材２０及び後胴回り部材３０は、例えば不織布のようなシートから構成されていてよい。前胴回り部材２０は、複数の外装シートを有してよい。外装シートは、第１外装シート２５と、第１外装シート２５の非肌対向面側Ｔ２に位置する第２外装シート２６と、を有してよい。カバーシート２７は、例えば不織布のようなシートから構成されていてよい。カバーシート２７は、前胴回り部材２０を構成する第１外装シート２５と第２外装シート２６の少なくとも一方が肌対向面側Ｔ１に折り返された部分によって構成されてもよいし、第１外装シート２５と第２外装シート２６とは別体のシートによって構成されてもよい。

　図１に示すように、幅方向Ｗにおける前胴回り域Ｓ１の端部と、幅方向Ｗにおける後胴回り域Ｓ２の端部と、を接合したサイド接合部６０が設けられていてよい。サイド接合部６０は、幅方向Ｗにおける前胴回り域Ｓ１の端部と、幅方向Ｗにおける後胴回り域Ｓ２の端部とを互いに係止した部分によって規定される。

　なお、本発明における外側部とは、幅方向Ｗにおける外縁を含む幅方向Ｗに一定の範囲を占める部分であり、外側縁とは、幅方向Ｗにおける外縁である。本発明における内側部とは、幅方向Ｗにおける内縁を含む幅方向Ｗに一定の範囲を占める部分であり、内側縁とは、幅方向Ｗにおける内縁である。また、本発明における前端部及び後端部は、長手方向Ｌにおける縁を含む長手方向Ｌに一定の範囲を占める部分であり、前端縁及び後端縁は、長手方向Ｌにおける縁である。外端部は、前端部及び後端部を含んでおり、外端縁は、前端縁及び後端縁を含んでいる。

　図１に示すように、サイド接合部６０が形成された状態で、吸収性物品１０には、着用者の胴が通される胴回り開口部６２と、着用者の脚がそれぞれ挿入される一対の脚回り開口部６６と、が形成される。胴回り開口部６２は、前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆと、後胴回り域Ｓ２の後端縁Ｓ２Ｒとによって規定されていてよい。

　ここで、図２は、サイド接合部６０における接合を解除し、吸収性物品１０を展開した状態を示している。サイド接合部６０は、前胴回り部材２０及び後胴回り部材３０のそれぞれにおいて、長手方向Ｌに沿って延びていてよい。パンツ型の吸収性物品においては、前胴回り域Ｓ１と股下域Ｓ３との境界は、前胴回り部材２０に設けられたサイド接合部６０の後端縁によって規定されていてよい。同様に、後胴回り域Ｓ２と股下域Ｓ３との境界は、後胴回り部材３０に設けられたサイド接合部６０の前端縁によって規定されていてよい。

　前胴回り域Ｓ１には、幅方向Ｗに伸縮可能な伸縮性部材２２が形成されていてよい。伸縮性部材２２は、例えば、幅方向Ｗに伸縮可能な糸ゴム、又は幅方向Ｗに伸縮可能な弾性シートによって構成されていてよい。この代わりに、伸縮性部材２２は、例えば伸縮可能なシートにより構成された前胴回り部材２０自体によって構成されていてもよい。本実施の形態の伸縮性部材２２は、糸ゴムによって構成されている。

　吸収性本体４０は、前胴回り部材２０と後胴回り部材３０とに跨って配置されている。すなわち、吸収性本体４０は、前胴回り域Ｓ１、後胴回り域Ｓ２及び股下域Ｓ３にわたって延びている。吸収性本体４０は、前胴回り部材２０及び後胴回り部材３０とは別体として構成されていてよい。この場合、吸収性本体４０は、前胴回り域Ｓ１及び後胴回り域Ｓ２において、それぞれ前胴回り部材２０及び後胴回り部材３０と接合されていてよい。

　吸収性本体４０は、少なくとも吸収コア５０を含んでいる。吸収コア５０は、例えば粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー（ＳＡＰ）、又はこれらの混合物を含んでいてよい。吸収コア５０は、少なくとも股下域Ｓ３に配置されている。好ましくは、吸収コア５０は、長手方向Ｌにおいて、前胴回り域Ｓ１から後胴回り域Ｓ２に亘って延びていてよい。吸収コア５０は、コアラップによって覆われていてよい。さらに、図３及び図４に示すように、吸収性本体４０は、吸収コアの肌面側に位置する肌面シート４２Ａと、吸収コア５０の非肌面側に位置する液不透過シート４１と、液不透過シート４１よりも非肌対向面側Ｔ２に配置された本体シート４２Ｂと、を有していてよい。

　本実施の形態の吸収性本体４０は、吸収コア５０よりも前側の領域において、肌対向面側Ｔ１から非肌対向面側Ｔ２に向かって、肌面シート４２Ａ、液不透過シート４１、本体シート４２Ｂの順で配置されている。また、吸収コア５０と重なった領域では、肌対向面側Ｔ１から非肌対向面側Ｔ２に向かって、肌面シート４２Ａ、吸収コア５０、液不透過シート４１、本体シート４２Ｂの順で配置されている。肌面シート４２Ａと液不透過シート４１は、厚み方向Ｔにおいて吸収コア５０を挟んで配置されてよい。液不透過シート４１は、透不液性であればよく、例えば、フィルムによって構成されてよい。肌面シート４２Ａ及び本体シート４２Ｂは、透液性であればよく、例えば不織布によって構成されていてよい。

　このように構成された吸収性物品は、接合領域と非接合領域を有する。接合領域は、外装体１５と吸収性本体４０が接合された領域、吸収性本体４０のシート同士が接合された領域、外装シート同士が接合された領域、及び外装シートとカバーシートが接合された領域を含む。非接合領域は、外装体１５と吸収性本体４０が接合されていない領域、吸収性本体４０のシート同士が接合されていない領域、外装シート同士が接合されていない領域、及び外装シートとカバーシートが接合されていない領域を含む。次いで、吸収性物品１０の接合領域と非接合領域について説明する。なお、本発明における非接合領域は、接着剤が塗布されていない領域のみならず、接着剤が僅かに塗布されているが、当該接着剤を介して部材同士が接着されていない領域も含むものである。

　吸収性物品１０は、液不透過シート４１と本体シート４２Ｂが接合されていないシート非接合領域ＮＳ及び液不透過シート４１と肌面シート４２Ａが接合されていないシート非接合領域ＮＳを有してよい。シート非接合領域ＮＳの少なくとも一部は、吸収コアよりも前側の領域に設けられていてよい。吸収性物品１０は、シート非接合領域ＮＳよりも股下域側において液不透過シート４１と本体シート４２Ｂが接合されたシート接合領域ＡＳを有してよい。シート接合領域ＡＳは、長手方向においてシート非接合領域ＮＳに隣接している。シート接合領域ＡＳは、シート非接合領域ＮＳにおいて接合されていないシート同士を接合する領域である。

　吸収性物品１０は、吸収性本体４０と前胴回り部材２０が接合されていない本体非接合領域ＮＢを有してよい。本体非接合領域ＮＢは、吸収性本体４０を構成するシートのうち、前胴回り部材２０と対向して配置されたシートと、前胴回り部材２０と、が接合されていない領域であってよい。吸収性物品１０は、シート非接合領域ＮＳと本体非接合領域ＮＢとが重なる重複領域ＤＲを有してよい。重複領域ＤＲは、シート非接合領域ＮＳと本体非接合領域ＮＢとが厚み方向Ｔに重なる領域である。

　吸収性物品１０は、外装非接合領域ＮＥを有してよい。外装非接合領域ＮＥは、第１外装シート２５、第２外装シート２６及びカバーシート２７のうち、２枚のシート同士が接合されていない領域である。外装非接合領域ＮＥよりも前側には、外装シート同士が接合された外装接合領域ＡＥが設けられてよい。外装接合領域ＡＥは、カバーシート２７が外装シートに接合された領域と、外装シート同士が接合された領域と、を含んでよい。外装接合領域ＡＥは、外装非接合領域ＮＥよりも剛性が高くなり易い。

　吸収性物品１０は、吸収性本体４０とカバーシート２７が接合されていないカバー非接合領域ＮＣと、吸収性本体４０とカバーシート２７が接合されたカバー接合領域ＡＣと、を有してよい。カバー非接合領域ＮＣは、吸収性本体４０を構成するシートのうち、カバーシート２７と対向して配置されたシートと、カバーシート２７と、が接合されていない領域であってよい。カバー接合領域ＡＣは、吸収性本体４０を構成するシートのうち、カバーシート２７と対向して配置されたシートと、カバーシート２７と、が接合された領域であってよい。カバー非接合領域ＮＣは、カバーシート２７と吸収性本体４０が接合された領域と比較して剛性が低くなり、変形し易い領域である。

　図２に示すように、前胴回り域Ｓ１は、幅方向Ｗの中央に位置する中央領域ＦＣと、中央領域ＦＣよりも幅方向Ｗの外側に位置するサイド領域ＦＳと、を有してよい。中央領域ＦＣの外側縁は、サイド領域ＦＳの内側縁に一致する。サイド領域ＦＳの外側縁は、パンツ型の吸収性物品にあっては、サイド接合部６０の内側縁であってよく、テープ型の吸収性物品にあっては、前胴回り域Ｓ１の外側縁であってよい。

　本発明の中央領域ＦＣ及びサイド領域ＦＳは、次の方法によって規定できる。まず、吸収性物品１０がサイド接合部６０を有する場合には、サイド接合部６０を解除し、吸収性物品１０を展開する。次に、吸収性物品を伸長状態まで伸長させる。伸長状態とは、弾性部材の収縮等による皺が形成されていない状態である。当該伸長状態において前胴回り域Ｓ１の幅方向の長さを測定する。次いで、前胴回り域Ｓ１を一定幅に伸長させる。前胴回り域Ｓ１の一定幅は、伸長状態の前胴回り域Ｓ１の幅方向の長さに対する６０％の長さである。一定幅の前胴回り域において、幅方向の中心を含み、かつ幅方向の長さが５５％の領域を中央領域ＦＣとし、中央領域ＦＣと前胴回り域の外側縁との間の領域をサイド領域ＦＳとする。サイド領域ＦＳの幅方向の長さは、一定幅の２２．５％となる。

　前胴回り域Ｓ１の幅方向Ｗの中央に位置する中央領域ＦＣには、前胴回り域Ｓ１の長手方向の全長に対する割合で示される複数の領域が設けられてよい。中央領域ＦＣは、前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆから０～５０％後方に位置するウエスト領域Ｆ１１と、前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆから５０～９０％後方に位置する中間領域Ｆ１２と、前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆから９０～１００％後方に位置する股側領域Ｆ１３と、を有してよい。本実施形態における各領域は、伸長状態における吸収性物品の長さの割合で規定される。

　各領域は、中央領域ＦＣの長手方向の全長を１０等分した複数の領域によって構成されている。具体的には、前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆから１０％後方までの第１領域、１０％から２０％後方までの第２領域、２０％から３０％後方までの第３領域、３０％から４０％後方までの第４領域、４０％から５０％後方までの第５領域、５０％から６０％後方までの第６領域、６０％から７０％後方までの第７領域、７０％から８０％後方までの第８領域、８０％から９０％後方までの第９領域及び９０％から１００％後方までの第１０領域を有する。第１領域から第５領域は、ウエスト領域Ｆ１１を構成し、第６領域から第９領域は、中間領域Ｆ１２を構成し、第１０領域は、股側領域Ｆ１３を構成する。

　図５及び図６は、吸収性物品が着用者に装着された状態を模式的に示した図である。図５は、座った状態における腹側の装着状態を示しており、図６は、立った状態における側面側の装着状態を示した図である。図５及び図６において、着用者の身体のラインを一点鎖線ＢＬで示す。

　図５及び図６に示すように、着用者の腹側には、一般的に、腹部の下端に幅方向Ｗに延びる凹みが形成される。この腹部の下端の凹みは、幅方向Ｗの中央から幅方向Ｗの外側に向かって上方に湾曲しており、特に乳幼児においてはっきりと形成され易い。本出願人が鋭意検討を重ねた結果、腹部の下端の凹みは、中央領域ＦＣにおいて中間領域Ｆ１２と対向して配置されることがわかった。

　吸収性物品１０は、前胴回り域Ｓ１の領域毎に適した収縮力に設計されていてよく、第１領域から第１０領域は、幅方向Ｗの収縮力がそれぞれ異なってよい。また、吸収性物品１０は、前胴回り域Ｓ１の領域毎に適した剛性に設計されてよく、第１領域から第１０領域は、長手方向Ｌの剛性がそれぞれ異なってよい。腹部の変形し易い部位に対向する領域の長手方向の剛性を低く、かつ当該領域の収縮力を高くすることにより、着用者の腹部にフィットし、かつ腹部を覆い続け易くするように構成されている。

　図７に、実施の形態に係る吸収性物品の第１領域から第１０領域の収縮力と剛性の測定データを示す。
　本実施形態において、各領域の「収縮力」は、以下の方法によって測定される。まず、各領域の収縮力を測定する際は、測定対象となる試験片を作成する。吸収性物品１０がサイド接合部６０を有する場合には、サイド接合部６０を解除し、吸収性物品１０を展開する。次に、吸収性物品１０を伸長させた伸長状態において幅方向Ｗの長さ及び長手方向Ｌの長さを計測し、中央領域ＦＣとサイド領域ＦＳの境界に線を引く。次いで、前胴回り域Ｓ１を長手方向Ｌに１０分割した１０個の試験片を切り出し、各試験片を中央領域ＦＣとサイド領域ＦＳの境界で切断する。次に、切り出した試験片の両端部を引張試験器のチャック（挟持具）によって挟持する。このとき、中央領域ＦＣの収縮力を測定する際は、チャック間の距離を５０ｍｍとする。

　次に、幅方向Ｗにおけるチャックの一方を固定した状態で、チャック間の距離を変えるようにチャックのもう一方を移動させる。このときのチャックの移動スピードは、３００ｍｍ／ｍｉｎとする。チャックの移動中に、チャックに係る応力を測定し、伸長状態から６０％（一定幅）の状態で得られた応力（Ｎ）を「収縮力」と定義する。このようにして、第１領域から第１０領域の幅方向の収縮力を得ることができる。

　本実施形態において、各領域の「長手方向の剛性」は、以下の方法によって測定される。図８は、剛性を測定する測定器を説明するための図である。剛性の測定は、デジタルフォースゲージ２００ｇｆ（２Ｎ）（ＳＨＩＭＰＯ製　型番　ＦＧＰ－０．２）１０１及びフォースゲージスタンド（ＳＨＩＭＰＯ製　型番　ＧＳ－５０Ｘ－Ｈ）１０２を用いる。まず、測定にかかる試験片を準備する。吸収性物品１０がサイド接合部６０を有する場合には、サイド接合部６０を解除し、吸収性物品１０を展開する。次に、吸収性物品を伸長させた伸長状態において長さを計測し、サイド接合部６０の長手方向の長さを１０等分するように印を付す。次いで、２０℃±２℃、相対湿度６０％±５％ＲＨの雰囲気下において吸収性物品を６０分間放置し、前胴回り域Ｓ１の幅方向Ｗの長さを測定する。この長さを、自然状態の前胴回り域Ｓ１の幅方向の長さとする。

　次いで、第１領域から第１０領域の長手方向Ｌの剛性を測定する。前胴回り域Ｓ１を一定幅に伸長させる。前胴回り域Ｓ１の一定幅は、伸長状態の前胴回り域Ｓ１の幅方向の長さに対する６０％の長さである。フォースゲージスタンド１０２の貼り付け用のアクリル板１０３上に試験片となる前胴回り域Ｓ１を貼り付ける。アクリル板１０３，１０４は、図８（ｂ）に示すように、コの字状に凹んでいる。コの字の凹んだ部分の幅は、１１５ｍｍである。図８（ｃ）に、アクリル板１０３に試験片Ｘを設置した状態を示す。このとき、吸収性物品１０の前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆがデジタルフォースゲージ１０１に向き、かつ吸収性物品１０の前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆから１０％分後方に位置する印（最も前胴回り域の前端縁側に位置する印）までの部分がアクリル板１０３のコの字の凹部の端部からデジタルフォースゲージ１０１側に突出するように吸収性物品１０を配置する。このとき、デジタルフォースゲージ１０１の先端１０６の幅方向の中央が第１領域の幅方向の中央に対向するように、試験片を配置する。その上から厚さ２ｍｍのアクリル板１０４を被せ、アクリル板１０４上に３．５ｋｇのおもり１０５をのせる。第１領域がアクリル板１０３，１０４から突出した状態で、デジタルフォースゲージ１０１に荷重がかからないように、デジタルフォースゲージ１０１の先端１０６を極限まで吸収性物品に近づけて配置する。デジタルフォースゲージ１０１の先端１０６のサイズは、１０ｍｍ×３０ｍｍである。デジタルフォースゲージ１０１の先端１０６によって前胴回り域Ｓ１の第１領域が押圧される。押圧時の条件は、１００ｍｍ／ｍｉｎで５ｍｍであり、データ取り込み間隔は、１０回／Ｓｅｃである。この状態で、デジタルフォースゲージを用いて、吸収性物品の前胴回り域の前端縁から１０％分後方に位置する印までの領域の剛性を測定する。１回計測して、その値を当該領域の剛性値とする。このようにして、前胴回り域Ｓ１の中央領域ＦＣに位置する第１領域の剛性が測定される。次いで、次の領域の剛性を測定するために、吸収性物品の前胴回り域の前端縁から１０％分後方に位置する印までの領域を切断する。同様の工程によって、吸収性物品の前胴回り域の前端縁から１０％分後方に位置する印から２０％分後方に位置する印までの領域の剛性を測定する。この測定を１０回繰り返し、前胴回り域の全長を長手方向に１０等分した領域の剛性（Ｎ）を測定する。

　中央領域ＦＣは、第１領域から第１０領域のうち幅方向の収縮力が高い高収縮領域を有する。図７の表に示すように、高収縮領域は、中間領域Ｆ１２に位置してよい。高収縮領域は、中央領域ＦＣの第１領域から第１０領域の平均収縮力よりも高い収縮力を有する領域である。本実施の形態の中央領域ＦＣの平均収縮力は、０．１１９Ｎであり、高収縮領域は、第７領域から第９領域によって構成されている。一般的に、中間領域Ｆ１２は、着用者の腹部の下端と対向して配置される。高収縮領域が中間領域Ｆ１２に位置することにより、高収縮領域が腹部の下端の凹みにフィットし、吸収性物品が長手方向にずれ難くなり、吸収性物品１０のずれ下がりをより抑制できる。なお高収縮領域は、中間領域Ｆ１２の少なくとも一部に設けられていればよい。

　高収縮領域は、中間領域Ｆ１２のみに位置し、ウエスト領域Ｆ１１に位置しないことが好ましい。ウエスト領域Ｆ１１は、腹部の下端よりも上方の部分であって、中間領域Ｆ１２よりもウエスト周りの寸法が長い部分に配置される。高収縮領域が腹部の下端の凹みに対応する領域のみに位置するため、ウエスト領域Ｆ１１が中間領域Ｆ１２側に移動することを抑制できる。よって、前胴回り域Ｓ１全体の方へのずれを抑制し、ウエスト領域Ｆ１１によって腹部を覆い続けることができる。高収縮領域には、幅方向に伸縮する伸縮性部材２２が設けられてよい。

　また、腹部の下端の凹みは、着用者の姿勢の変化によって皮膚の伸び縮みが生じ易い。中間領域Ｆ１２は、腹部の下端の凹みと対向して配置され、着用者の姿勢の変化によって長手方向Ｌに変形する力を受け易い。中間領域Ｆ１２には、中間領域Ｆ１２における長手方向Ｌの変形基点となる低剛性部７０が設けられている。低剛性部７０の少なくとも一部は、高収縮領域内において幅方向Ｗに沿って配置されている。よって、中間領域Ｆ１２には、幅方向に延びる低剛性部７０を基点に変形し、前胴回り域Ｓ１が身体の変形に追従し易くなる。これにより、前胴回り域Ｓ１全体が下方へずれることを抑制できる。低剛性部７０は、高収縮領域内において幅方向に沿って設けられている。中間領域Ｆ１２が低剛性部７０を基点として変形した際に、当該変形基点を高収縮領域によって身体にフィットさせることができる。

　低剛性部７０は、中間領域Ｆ１２内において周囲よりも長手方向Ｌに変形し易い領域である。低剛性部７０は、具体的には、周囲の吸収コア５０よりも秤量が低い低秤量部、周囲よりも接着剤の目付が低い低接合部、吸収性物品を構成する部材同士が接合されていない領域及び吸収性物品を構成する部材が切断又は破損された脆弱部の少なくともいずれかが設けられた領域であってよい。

　図３に示すように、本実施の形態の低剛性部７０は、吸収性物品１０を構成する部材同士が接合されていない領域によって構成されている。具体的には、シート非接合領域ＮＳと本体非接合領域ＮＢとが重なる重複領域ＤＲによって構成されてよい。また、低剛性部は、外装非接合領域ＮＥによって構成されてよい。シート同士が接合されていない領域の剛性は、シート同士が接合された領域よりも低い。加えて、低剛性部７０は、カバー非接合領域ＮＣによって構成されてよい。好適には、図３及び図４に示すように、低剛性部７０は、カバー非接合領域ＮＣ、シート非接合領域ＮＳ、及び本体非接合領域ＮＢが重なる第１非接合領域Ｎ１１と、複数の外装非接合領域ＮＥが重なる第２非接合領域Ｎ１２と、によって構成されてよい。第１非接合領域Ｎ１１と第２非接合領域Ｎ１２は、長手方向に隣接しており、一体化した低剛性部を構成してよい。

　また、低剛性部７０は、高収縮領域と重なる領域において幅方向Ｗに延びる部分を有してればよい。低剛性部７０は、高収縮領域と重なる領域において長手方向Ｌに延びる部分も含んでよい。また、幅方向Ｗに延びる構成は、幅方向Ｗに対して平行な構成のみならず、幅方向Ｗに対する角度が４５度以下のラインに沿う構成も含むものである。

　図７の表に示すように、中間領域Ｆ１２は、長手方向Ｌの剛性が低い低剛性領域を有してよい。低剛性領域は、中間領域Ｆ１２を構成する第６領域から第９領域のうち、最も長手方向の剛性が低い領域を含む。低剛性領域は、中間領域Ｆ１２において最も剛性が低い領域を、低剛性領域として規定する。加えて、低剛性領域に隣接する領域であって、中間領域Ｆ１２の平均剛性よりも低い領域も、低剛性領域とする。具体的には、中間領域Ｆ１２の平均剛性は、０．５７５Ｎである。本実施の形態の中間領域Ｆ１２において最も剛性が低い領域は、第６領域である。第７領域は、低剛性領域である第６領域に隣接し、かつ中間領域Ｆ１２の平均剛性よりも低いため、低剛性領域を構成する。第５領域及び第８領域は、中間領域Ｆ１２の平均剛性よりも低くないため、低剛性領域を構成しない。よって、本実施の形態の低剛性領域は、第６領域及び第７領域によって構成されている。すなわち、低剛性領域は、少なくとも一部が中間領域Ｆ１２に設けられていればよく、中間領域Ｆ１２とウエスト領域Ｆ１１に跨っていてもよい。低剛性領域は、低剛性部７０が設けられていることが好ましく、本実施の形態では、吸収性物品を構成する部材同士が接合されていない領域が設けられている。

　低剛性領域は、伸長状態において、前胴回り域Ｓ１の長手方向Ｌの全長に対する２０％以上であってよい。前胴回り域Ｓ１は、皮膚の伸び縮みによって長手方向Ｌに変形し易い。低剛性領域が前胴回り域Ｓ１の長手方向Ｌの全長に対する２０％以上の長さを有するため、腹部の下端の皮膚の伸び縮みが生じた際に、中間領域Ｆ１２にかかる力を低剛性領域の変形によって吸収し易い。これにより、中間領域Ｆ１２にかかる力を低剛性領域の変形によって吸収し、身体の動きによって変形する領域を最小限に抑えることができる。また、前胴回り域Ｓ１によって腹部全体を覆い易くするために、低剛性領域の長手方向Ｌの長さは、前胴回り域Ｓ１の長手方向Ｌの全長に対する４０％以下であってよい。

　図７の表に示すように、ウエスト領域Ｆ１１は、複数の領域の平均剛性よりも高い高剛性領域が設けられてよい。当該領域によって長手方向Ｌに縮む変形を抑制し、ウエスト領域Ｆ１１が腹部の膨らみをより覆い続け易くなる。複数の領域の平均剛性は、第１領域から第１０領域の長手方向の剛性の平均値である。好適には、ウエスト領域Ｆ１１を構成する全ての領域の長手方向の剛性は、平均剛性よりも高くてよい。ウエスト領域Ｆ１１の全体によって腹部の膨らみをより覆い続け易くなる。また、高剛性領域は、長手方向に連なる複数の領域に跨がっていてよい。ウエスト領域Ｆ１１に複数の領域に跨がって高剛性領域が設けられているため、高剛性領域が長手方向Ｌに縮む変形を抑制し、ウエスト領域Ｆ１１が腹部の膨らみをより覆い続け易くなる。本実施の形態の複数の領域の平均剛性は、０．７０４Ｎであり、高剛性領域は、第３領域から第５領域によって構成されている。高剛性領域には、外装接合領域ＡＥが設けられている。

　図７の表に示すように、ウエスト領域Ｆ１１は、長手方向Ｌの剛性が均一な一定剛性領域を有してよい。一定剛性領域の長手方向Ｌの長さは、ウエスト領域Ｆ１１の長手方向Ｌの全長に対する２０％以上であってよい。ウエスト領域Ｆ１１の長手方向Ｌの２０％以上を占める一定剛性領域を有することにより、ウエスト領域Ｆ１１内において剛性差による幅方向Ｗに沿った皺等の幅方向Ｗに沿った変形基点が生じることを抑制できる。ウエスト領域Ｆ１１が長手方向Ｌに縮むように変形し難くなり、ウエスト領域Ｆ１１の長手方向Ｌの長さを確保し、ウエスト領域Ｆ１１によって腹部をより覆い続けることができる。

　「一定剛性領域」は、上述した剛性の測定方法によって測定された剛性に基づいて規定できる。前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域Ｆ１１に含まれる５つの領域の剛性の平均値である平均剛性を算出する。平均剛性に対する１５％誤差の範囲内の領域であって、互いに隣接する領域を一定剛性領域とする。本実施の形態のウエスト領域Ｆ１１の平均剛性は、０．７１６Ｎである。第１領域から第５領域の剛性値は、いずれも平均剛性に対する１５％誤差の範囲であり、第６領域の剛性値は、平均剛性に対する１５％誤差の範囲外である。よって、本実施の形態の一定剛性領域は、第１領域から第５領域によって構成されている。

　中間領域Ｆ１２の平均剛性は、ウエスト領域Ｆ１１の平均剛性よりも低くてよい。中間領域Ｆ１２の平均剛性がウエスト領域Ｆ１１の平均剛性よりも低いため、中間領域Ｆ１２を基点に前胴回り域Ｓ１が変形し、前胴回り域Ｓ１が身体の変形に追従し易くなる。これにより、前胴回り域Ｓ１全体が下方へずれることを抑制できる。また、ウエスト領域Ｆ１１は、中間領域Ｆ１２よりも平均剛性が高く、長手方向Ｌに座屈し難い。ウエスト領域Ｆ１１が長手方向Ｌに変形すると、ウエスト領域Ｆ１１の長手方向Ｌの長さが短くなり、腹部の膨らみを覆い続け難い。しかし、ウエスト領域Ｆ１１が長手方向Ｌに座屈し難いため、ウエスト領域の長手方向の寸法を確保し、腹部の膨らみを覆い続け易くなる。よって、本態様の吸収性物品によれば、着用者の腹部にフィットし、かつ腹部を覆い続けることができる。中間領域Ｆ１２に高収縮領域が配置され、かつ中間領域Ｆ１２の平均剛性が低いため、高収縮領域を基点に中間領域Ｆ１２が変形した際に、当該変形基点を身体にフィットさせることができる。身体の凹みに対して変形基点を設け、かつその変形基点が凹みにフィットするため、前胴回り域Ｓ１の長手方向Ｌのずれを抑制できる。

　平均剛性は、長手方向の剛性の平均であり、上述した剛性の測定方法によって測定された剛性に基づいて算出できる。前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域Ｆ１１に含まれる５つの領域の剛性の平均値と、前胴回り域の前端縁から５０～９０％後方に位置する中間領域Ｆ１２に含まれる４つの領域の剛性の平均値とを算出する。本実施の形態の中間領域Ｆ１２の平均剛性は、０．５７５Ｎであり、ウエスト領域Ｆ１１の平均剛性は、０．７１６Ｎである。

　図３に示すように、ウエスト領域Ｆ１１には、高剛性部８０が設けられていてよい。高剛性部８０は、幅方向Ｗに間隔を空けて複数配置され、長手方向Ｌに延びてよい。高剛性部８０は、幅方向Ｗに隣接する領域に対して剛性差を有し、かつ長手方向Ｌに延びている。ウエスト領域Ｆ１１には、長手方向Ｌに延びる皺が形成され易く、幅方向Ｗに延びる皺が形成され難くなる。そのため、ウエスト領域Ｆ１１が長手方向Ｌに縮む変形を抑制し、ウエスト領域Ｆ１１が腹部の膨らみをより覆い続け易くなる。高剛性部は、吸収性物品の構成部材に形成された圧搾部、及び構成部材同士を接合する接合部の少なくともいずれかによって構成できる。また、高剛性部８０は、吸収性物品を構成する構成部材数が多い部分によって構成されてもよい。本実施の形態の高剛性部は、外装接合領域ＡＥによって構成されている。外装シート同士を接合する接着材は、長手方向に延び、かつ幅方向に間隔を空けて配置されている。よって、外装接合領域ＡＥは、長手方向に延びており、かつ幅方向に間隔を空けて配置されている。

　中間領域Ｆ１２の平均収縮力は、ウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力よりも高くてよい。中間領域Ｆ１２は、幅方向Ｗの収縮力が高く、腹部の下端の凹みにフィットし易い。ウエスト領域Ｆ１１は、腹部の下端よりも上方の部分であって、中間領域Ｆ１２よりもウエスト周りの寸法が長い部分に配置される。ウエスト領域Ｆ１１の収縮力が高いと、ウエスト領域Ｆ１１が中間領域Ｆ１２側にずれ、前胴回り域Ｓ１全体が下方へずれることがある。しかし、ウエスト領域Ｆ１１は、中間領域Ｆ１２よりも低い収縮力であり、中間領域Ｆ１２側に移動し難い。よって、前胴回り域Ｓ１全体の方へのずれを抑制し、ウエスト領域Ｆ１１によって腹部を覆い続けることができる。

　また、腹部の下端の凹みは、着用者の姿勢の変化によって皮膚の伸び縮みが生じ易い。中間領域Ｆ１２は、腹部の下端の凹みと対向して配置され、着用者の姿勢の変化によって長手方向Ｌに変形する力を受け易い。中間領域Ｆ１２の長手方向Ｌの剛性は、ウエスト領域Ｆ１１の剛性よりも低い。そのため、腹部の下端の皮膚の伸び縮みが生じた際に、中間領域Ｆ１２の低剛性部を基点に前胴回り域Ｓ１が変形し、前胴回り域Ｓ１が身体の変形に追従し易くなる。これにより、腹部の下端の皮膚の伸び縮みが生じた際に、前胴回り域Ｓ１全体が下方へずれることを抑制できる。

　好ましくは、ウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力は、中間領域Ｆ１２の平均収縮力の１０～５０％であってよい。本実施の形態のウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力は、０．０６７Ｎであり、中間領域Ｆ１２の平均収縮力は、０．２１３Ｎである。ウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力は、中間領域Ｆ１２の平均収縮力の３１．５％である。ウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力と中間領域Ｆ１２の平均収縮力に倍以上の差があることにより、中間領域Ｆ１２における腹部の下端に対するフィット性と、ウエスト領域Ｆ１１における腹部の膨らみを覆い続ける効果を両立し易い。腹部の下端の凹みに配置される中間領域Ｆ１２がウエスト領域Ｆ１１よりも凹む形状となる。前胴回り域が身体の凹みに沿った形状となるため、前胴回り域が身体によりフィットし易くなる。前胴回り域を身体に対して密着させずに、前胴回り域を身体に沿わせてフィットさせることができる。よって、装着感を向上できる。加えて、体液の吸収によって吸収性物品の重量が重くなった場合においても、吸収性物品がずれ下がり難くなる。

　股側領域Ｆ１３の平均収縮力は、中間領域Ｆ１２の平均収縮力よりも低くてよい。股側領域Ｆ１３が中間領域Ｆ１２よりも平均収縮力が低いため、股側領域Ｆ１３が中間領域Ｆ１２側にずれ難く、中間領域Ｆ１２に当たる部分に収縮力が集中することを抑制できる。中央領域において股側領域Ｆ１３の中間領域Ｆ１２側への移動を抑制しつつ中間領域Ｆ１２のフィット性を維持し易い。また、股側領域Ｆ１３の平均収縮力が中間領域Ｆ１２の平均収縮力よりも低く、股側領域Ｆ１３において吸収コアの幅を確保し易い。***口に近い股側領域Ｆ１３側の吸収コアの幅を確保することにより、吸収コアによる体液の吸収機能を確保できる。加えて、股側領域Ｆ１３よりも長手方向の外側に中間領域Ｆ１２が配置されているため上側に引き上げようとする力が作用し、吸収性物品全体がずれ下がり難くなる。股側領域Ｆ１３の平均収縮力は、中間領域Ｆ１２の平均収縮力の０～２０％であってよい。中間領域Ｆ１２のフィット性をより維持し易い。なお、任意の一の領域の収縮力に対する任意の他の領域の収縮力が０％とは、限りなく０％に近い微少の値であることを意味し、例えば、０．０００１％を含んでいる。

　中間領域Ｆ１２の平均収縮力は、中央領域ＦＣ全体の平均収縮力の２．０倍以上であってよい。中間領域Ｆ１２は、中央領域ＦＣにおいてより収縮し、幅方向Ｗの寸法が短くなる。よって、前胴回り域Ｓ１は、腹部の下端の凹みに配置される中間領域Ｆ１２が周囲の領域よりも凹む形状となる。前胴回り域Ｓ１が身体の凹みに沿った形状となるため、前胴回り域Ｓ１が身体によりフィットし易くなる。前胴回り域Ｓ１を身体に対して密着させずに、前胴回り域Ｓ１を身体に沿わせてフィットさせることができる。よって、装着感を向上できる。加えて、体液の吸収によって吸収性物品の重量が重くなった場合においても、吸収性物品がずれ下がり難くなる。中央領域ＦＣ全体の平均収縮力は、中央領域ＦＣの第１領域から第１０領域の収縮力の平均値である。

　より好ましくは、中間領域Ｆ１２の平均収縮力は、中央領域ＦＣ全体の平均収縮力の２．５倍以上であってよい。身体の凹みに対して中間領域Ｆ１２がフィットする効果及び身体の凹み以外の部分に対する締め付けを抑制し、装着感を向上させる効果をより得られる。

　股側領域Ｆ１３の平均収縮力は、ウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力よりも低くてよい。股側領域Ｆ１３の収縮力がウエスト領域Ｆ１１の収縮力よりも低く、股側領域Ｆ１３において吸収コア５０の幅を確保し易い。***口に近い股側領域Ｆ１３側の吸収コア５０の幅を確保することにより、吸収コア５０による体液の吸収機能を確保できる。また、ウエスト領域Ｆ１１は、中間領域Ｆ１２よりも前胴回り域Ｓ１の前端縁Ｓ１Ｆ側に位置し、吸収コア５０と重なり難い。ウエスト領域Ｆ１１の収縮力を比較的高くすることにより、吸収コア５０の幅を確保しつつ、身体に対するフィット性を確保できる。

　また、吸収コア５０の前端縁５０Ｆは、股側領域Ｆ１３内に配置されてよい。股側領域Ｆ１３は、吸収コア５０によって変形し難く、幅方向Ｗの長さを確保し易い。前胴回り域Ｓ１における股側領域Ｆ１３の幅方向の長さを確保することにより、身体に対して幅方向の一定の範囲に亘って吸収コアを当てて、体液の吸収機能を確保できる。

　平均収縮力は、幅方向の収縮力の平均であり、上述した収縮力の測定方法によって測定された収縮力に基づいて算出できる。前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域に含まれる５つの領域の収縮力の平均値と、前胴回り域の前端縁から５０～９０％後方に位置する収縮力に含まれる３つの領域の剛性の平均値とを算出する。股側領域は、一つの領域のみであるため、第１０領域の値が平均値となる。本実施の形態の股側領域Ｆ１３の平均収縮力は、０．０１４Ｎであり、ウエスト領域Ｆ１１の平均収縮力は、０．０６７Ｎである。

　各領域の収縮力は、伸縮性部材の配置や伸長率によって異ならせてもよい。より具体的には、幅方向Ｗに伸縮する伸縮性部材２２を中間領域Ｆ１２のみに配置してよい。これに代えて、ウエスト領域Ｆ１１及び中間領域Ｆ１２に幅方向Ｗに伸縮する伸縮性部材を配置し、中間領域Ｆ１２の伸縮性部材の伸長率を最も高く構成してよい。これに代えて、ウエスト領域Ｆ１１及び中間領域Ｆ１２に幅方向Ｗに伸縮する伸縮不織布を配置し、幅方向Ｗに伸縮する糸状又は帯状の伸縮性部材を中間領域Ｆ１２に配置してもよい。ウエスト領域Ｆ１１及び中間領域Ｆ１２が伸縮不織布の収縮によって身体に対してフィットすることにより、前胴回り域Ｓ１全体の下方へのずれを抑制できる。中間領域Ｆ１２は、伸縮性部材２２によって収縮し易く、腹部の下端の凹みによりフィットし易くなる。これにより、中間領域Ｆ１２は、長手方向Ｌの変形基点としてより機能し易くなる。したがって、中間領域Ｆ１２を基点に前胴回り域Ｓ１が変形し、前胴回り域Ｓ１が身体の変形に追従し易くなり、前胴回り域Ｓ１全体が下方へずれることを抑制できる。よって、ウエスト領域Ｆ１１によって腹部を覆い続ける効果をより得易い。

　幅方向Ｗに伸縮する糸状又は帯状の伸縮性部材２２は、伸縮性部材２２の幅方向Ｗの中央から幅方向Ｗの外側に向かって前側に延び、伸縮性部材２２の幅方向Ｗの中央は、中間領域Ｆ１２と重なる領域に配置されていてよい。中間領域Ｆ１２は、伸縮性部材２２によって腹部の下端の凹みによりフィットし、長手方向Ｌの変形基点としてより機能し易くなる。したがって、中間領域Ｆ１２を基点に前胴回り域Ｓ１が変形し、前胴回り域Ｓ１が身体の変形に追従し易くなり、前胴回り域Ｓ１全体が下方へずれることを抑制できる。よって、ウエスト領域Ｆ１１によって腹部を覆い続ける効果をより得易い。また、伸縮性部材２２によって中間領域Ｆ１２を着用状態における上方に引き上げることができる。中間領域Ｆ１２を含む前胴回り域Ｓ１全体が下方へ下がることを抑制し、ウエスト領域Ｆ１１によって腹部を覆い続けることができる。また、伸縮性部材２２は、高伸縮領域ＨＳと重なる領域に配置されてもよい。中央領域ＦＣの高収縮領域が伸縮性部材２２によって腹部の下端の凹みによりフィットし易くなる。よって、吸収性物品全体の長手方向のずれ下がりをより抑制できる。

　また、各領域の収縮力は、各領域に配置する吸収コア５０等の部材の配置によって異ならせてもよい。具体的には、吸収コア５０の前端縁が股側領域Ｆ１３内に配置されてよい。股側領域Ｆ１３に吸収コア５０を配置され、中間領域Ｆ１２に吸収コア５０が配置されないため、中間領域Ｆ１２が股側領域Ｆ１３よりも収縮し易くなる。加えて、股側領域Ｆ１３は、吸収コア５０によって変形し難い。これにより、前胴回り域Ｓ１における股下域側の領域の変形を抑制し、吸収コア５０による体液の吸収機能を確保できる。これに代えて、周囲の吸収コア５０よりも秤量が低い低秤量部を中間領域Ｆ１２に設けてよい。低秤量部は、周囲よりも吸収材料の秤量が低い部分であり、坪量０の部分も含んでよい。

　以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。

　例えば、上記実施形態では、吸収性本体４０は、前胴回り部材２０及び後胴回り部材３０と別体として構成されている。この代わりに、吸収性本体４０は、前胴回り域Ｓ１及び後胴回り域Ｓ２と一体に構成されていてもよい。

　また、上記実施形態では、吸収性物品１０は、サイド接合部６０を有するいわゆるパンツ型の吸収性物品である。この代わりに、吸収性物品１０は、テープ型の吸収性物品であってもよい。この場合、吸収性物品１０は、サイド接合部６０を有しておらず、前胴回り域Ｓ１と後胴回り域Ｓ２とを互いに着脱可能に固定するファスニングテープを有していてよい。テープ型の吸収性物品においては、脚回り開口部が設けられた領域が股下域Ｓ３を構成し、前胴回り域Ｓ１と股下域Ｓ３との境界は、脚回り開口部の前端縁によって規定され、後胴回り域Ｓ２と股下域Ｓ３との境界は、脚回り開口部の後端縁によって規定されていてよい。脚回り開口部は、着用者の脚回りに配置される部分であり、吸収性物品の外側縁において幅方向の内側に向かって凹んでいる部分である。

　着用者の腹部にフィットし、かつ腹部を覆い続け易い吸収性物品を提供することができる。

１０　　吸収性物品
２０　　前胴回り部材
２２　　伸縮性部材
３０　　後胴回り部材
５０　　吸収コア
６０　　サイド接合部
７０　　低剛性部
Ｆ１１　ウエスト領域
Ｆ１２　中間領域
Ｆ１３　股側領域
ＦＣ　　中央領域
ＦＳ　　サイド領域
Ｓ１　　前胴回り域
Ｓ２　　後胴回り域
Ｓ３　　股下域
Ｌ　　　長手方向
Ｗ　　　幅方向

Claims

　互いに直交する長手方向及び幅方向と、
　前胴回り域、後胴回り域、及び前記前胴回り域及び前記後胴回り域との間に配置された股下域と、を有する吸収性物品であって、
　前記前胴回り域の前記幅方向の中央に位置する中央領域には、前記中央領域の前記長手方向の全長を１０等分した複数の領域が設けられており、
　前記複数の領域において前記幅方向の収縮力が最も高い高収縮領域は、前記中央領域の前端縁から前記中央領域の前記長手方向の全長に対する５０～９０％後方に位置する中間領域に配置されており、
　前記中間領域は、前記中間領域における前記長手方向の変形基点となる低剛性部を有し、
　前記低剛性部の少なくとも一部は、前記高収縮領域内において前記幅方向に沿って配置されている、吸収性物品。
　前記中間領域は、着用者の腹部の下端と対向して配置される、請求項１に記載の吸収性物品。
　前記中間領域は、前記長手方向の剛性が低い低剛性領域を有し、
　前記低剛性領域は、前記前胴回り域の前記長手方向の全長に対する２０％以上である、請求項１又は請求項２に記載の吸収性物品。
　前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域を有し、
　前記ウエスト領域には、前記複数の領域の平均剛性よりも高い高剛性領域が設けられている、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記ウエスト領域には、前記長手方向の剛性が均一な一定剛性領域を有し、
　前記一定剛性領域の前記長手方向の長さは、前記ウエスト領域の全長に対する２０％以上である、請求項４に記載の吸収性物品。
　前記中間領域の平均剛性は、前記ウエスト領域の平均剛性よりも低い、請求項４又は請求項５に記載の吸収性物品。
　少なくとも前記股下域及び前記前胴回り域に配置された吸収コアを有し、
　前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から９０～１００％後方に位置する股側領域を有し、
　前記吸収コアの前端縁は、前記股側領域内に配置されている、請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域を有し、
　前記前胴回り域には、少なくとも前記幅方向に伸縮する伸縮不織布と、前記幅方向に伸縮する糸状又は帯状の伸縮性部材と、を有し、
　前記伸縮不織布は、前記ウエスト領域及び前記中間領域に配置されており、
　前記伸縮性部材は、少なくとも前記中間領域に配置されている、請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記前胴回り域には、前記幅方向に伸縮する糸状又は帯状の伸縮性部材が設けられており、
　前記伸縮性部材は、前記伸縮性部材の前記幅方向の中央から前記幅方向の外側に向かって前側に延びており、
　前記伸縮性部材の前記幅方向の中央は、前記中間領域と重なる領域に配置されている、請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から０～５０％後方に位置するウエスト領域を有し、
　前記中間領域の平均収縮力は、前記ウエスト領域の平均収縮力よりも高い、請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の吸収性物品。
　前記ウエスト領域の平均収縮力は、前記中間領域の平均収縮力の１０～５０％である、請求項１０に記載の吸収性物品。
　前記中央領域は、前記前胴回り域の前端縁から９０～１００％後方に位置する股側領域を有し、
　前記股側領域の平均収縮力は、前記中間領域の平均収縮力よりも低い、請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載の吸収性物品。