WO2019181576A1

WO2019181576A1 - 電動ポンプの取付け構造

Info

Publication number: WO2019181576A1
Application number: PCT/JP2019/009457
Authority: WO
Inventors: 北村　圭一
Original assignee: 株式会社デンソー
Priority date: 2018-03-20
Filing date: 2019-03-08
Publication date: 2019-09-26
Also published as: JP2019163743A; JP6988615B2

Abstract

筒状の電動ポンプ（１００）を所定部位に取付けるための構造は、電動ポンプの外周部（１１１ａ）に設けられ、径方向外側に突出する突出部（１１１ｂ）と、前記所定部位に取付けされるブラケット部（１３１ａ、１３１ｂ）に連結されており、帯板部材によってリング状に形成され、所定の隙間を持って外周部の周りに配置される取付け部材（１３０）と、突出部が挿入される挿入孔部（１４３）を有し外周部と取付け部材との前記隙間に介在される弾性部材（１４０）とを備える。取付け部材には弾性部材の径方向外側の端部（１４２）が挿入される貫通孔部（１３１ｅ）が設けられ、突出部と取付け部材とが非接触となっており、取付け部材の貫通孔部の周囲には、貫通孔部の仮想中心線に交差して前記リング状の外径位置よりも中心側に打出しされた平面部（１３１ｆ）が形成されて、突出部の長さは外周部から平面部までの寸法以下に設定される。

Description

電動ポンプの取付け構造

関連出願の相互参照

　本出願は、２０１８年３月２０日に出願された日本特許出願番号２０１８－５２９６６号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。

　本開示は、流体を吸入して圧送する電動ポンプを所定部位に取付けるための取付け構造に関し、電動ポンプを車両へ取付ける際に適用して有効である。

　従来の電動ポンプの取付け構造として、例えば、特許文献１に記載されたものが知られている。特許文献１（第４実施形態）の電動ポンプの取付け構造においては、電動ポンプの外周部に、帯板部材によってリング状に形成された取付け部材が設けられている。また、電動ポンプの外周面と、取付け部材の内周面との間には、防振用のフリーフロートパッキンが介在されている。そして、取付け部材は、車両への取付け部となるブラケットに連結されている。

　電動ポンプの外周面には、径方向外側に突出する第１ポンプ部側突出部（以下、突出部）が設けられている。また、フリーフロートパッキンには、突出部に対応する貫通穴が形成されている。そして、取付け部材には、貫通穴に対応する穴部が設けられている。突出部は、貫通穴に挿通され、また、フリーフロートパッキンの先端側が、穴部に挿入されて、突出部に対するフリーフロートパッキン、および取付け部材の位置決めがなされている。

　突出部は、取付け部材に対しては、非接触状態が維持されて、電動ポンプによって発生される振動は、フリーフロートパッキンによって減衰されて、ブラケット側への伝播が抑制されるようになっている。

特許第５４４６５４５号公報

　しかしながら、特許文献１における電動ポンプの取付け構造では、取付け部材側からの力を突出部が受けるようにするためには、突出部をリング状の取付け部材の位置まで延ばして、力点の位置を設定する必要があり、突起部の延設に伴う電動ポンプの大型化を招いてしまう。

　本開示の目的は、上記問題に鑑み、突出部における小型化を可能とする電動ポンプの取付け構造を提供することにある。

　上記目的を達成するために、本開示の１つの態様では、筒状を成して流体を吸入、圧送する電動ポンプを、所定部位に取付けるための電動ポンプの取付け構造において、筒状の電動ポンプの外周部に設けられ、径方向外側に突出する突出部と、所定部位に取付けされるブラケット部に連結されており、帯板部材によってリング状に形成され、所定の隙間を持って外周部の周りに配置される取付け部材と、突出部が挿入される挿入孔部を有し、外周部と取付け部材との隙間に介在される弾性部材とを備え、取付け部材には、弾性部材の径方向外側の端部が挿入される貫通孔部が設けられ、突出部と取付け部材とが非接触となっており、取付け部材の貫通孔部の周囲には、貫通孔部の仮想中心線に交差して、リング状の外径位置よりも中心側に打出しされた平面部が形成されて、突出部の長さは、外周部から平面部までの寸法以下に設定されたことを特徴としている。

　この態様によれば、取付け部材に平面部を形成することによって、取付け部材からの力を受ける突出部の力点の位置を、従来技術よりも径方向中心側に設定することが可能となる。そして、突出部の長さ寸法を外周部から平面部までの寸法以下とすることで、突出部の長さを従来技術よりも短くすることが可能となり、突出部における小型化が可能となる。

　本開示についての上記目的およびその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。その図面は、
取付け部材、およびフリーフロートパッキンを備える電動ポンプを示す斜視図である。電動ポンプの仮想軸線を含む方向の断面を示す縦断面図である。電動ポンプの仮想軸線に直交する方向の断面を示す横断面図である。図３のＩＶ部を示す拡大図である。図５（ａ）は突出部を示す側面図であり、図５（ｂ）は突出部を示す断面図である。保持部材を示す側面図である。図７（ａ）はフリーフロートパッキンを示す側面図であり、図７（ｂ）はフリーフロートパッキンを示す断面図である。図８（ａ）は突出部の変形例１を示す側面図であり、図８（ｂ）は突出部の変形例１を示す断面図である。図９（ａ）は突出部の変形例２を示す側面図であり、図９（ｂ）は突出部の変形例２を示す断面図である。図１０（ａ）は突出部の変形例３を示す側面図であり、図１０（ｂ）は突出部の変形例３を示す断面図である。図１１（ａ）は突出部の変形例４を示す側面図であり、図１１（ｂ）は突出部の変形例４を示す断面図である。図１２（ａ）は突出部の変形例５を示す側面図であり、図１２（ｂ）は突出部の変形例５を示す断面図である。図１３（ａ）は突出部の変形例６を示す側面図であり、図１３（ｂ）は突出部の変形例６を示す断面図である。取付け部材の平面部および筒状壁の変形例１を示す断面図である。取付け部材の平面部および筒状壁の変形例２を示す断面図である。取付け部材の平面部および筒状壁の変形例３を示す断面図である。取付け部材の平面部および筒状壁の変形例４を示す断面図である。取付け部材の平面部および筒状壁の変形例５を示す断面図である。取付け部材の貫通孔部の変形例１を示す側面図である。取付け部材の貫通孔部の変形例２を示す側面図である。取付け部材の貫通孔部の変形例３を示す側面図である。図２２（ａ）はフリーフロートパッキンのガイド部の変形例１を示す側面図であり、図２２（ｂ）はフリーフロートパッキンのガイド部の変形例１を示す断面図である。図２３（ａ）はフリーフロートパッキンのガイド部の変形例２を示す側面図であり、図２３（ｂ）はフリーフロートパッキンのガイド部の変形例２を示す断面図である。

　以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。

　実施形態における電動ポンプ１００の車両ボディへの取付け構造について、図１～図７を用いて説明する。車両ボディは、本開示の「所定部位」に対応する。電動ポンプ１００は、例えば、車両用空調装置に設けられるヒートポンプサイクルに付設された温水循環路に使用されて、温水（流体）を吸入して、空調用空気を加熱するヒータコアに圧送する流体機械となっている。電動ポンプ１００には、取付け部材１３０、およびフリーフロートパッキン１４０等が設けられており、取付け部材１３０に形成されたブラケット部１３１ａ、１３１ｂによって、例えば、車両のエンジンルーム内の車室内側（車室内に隣接した位置）の車両ボディに取付けされている。

　電動ポンプ１００は、モータ部１１０およびポンプ部１２０が一体的に形成されている。電動ポンプ１００は、例えば、図１、図２に示すように、軸線が上下方向を向く姿勢で使用されるようになっている。

　モータ部１１０は、例えば、直流型のモータであり、筒状のボディ１１１内に、ステータ部１１２（固定子）、ロータ部１１３（回転子）、軸部１１４、コネクタ部１１５、および回路部１１６等が設けられて形成されている。ステータ部１１２は、巻線から成る部材であり、ボディ１１１の内周面に固定されている。ロータ部１１３は、磁石を有する部材であり、軸受け１１３ａが一体的に形成されている。ロータ部１１３には、ボディ１１１に固定された軸部１１４が挿通され、また、軸受け１１３ａは、軸部１１４に支持されている。よって、ロータ部１１３は、軸受け１１３ａと共に、軸部１１４に対して回転するようになっている。コネクタ部１１５には、車両バッテリから直流電力が供給されるようになっており、回路部１１６によって、ステータ部１１２に供給される電力が制御されるようになっている。

　筒状のボディ１１１の外側の面は、外周部１１１ａとなっている。そして、外周部１１１ａには、径方向外側に突出する突出部１１１ｂが設けられている。突出部１１１ｂは、ボディ１１１において、後述するポンプ部１２０のケーシング１２１に隣接する位置で、外周部１１１ａの周方向に複数設けられている。本実施形態では、突出部１１１ｂは、２つの設定となっており、周方向において、１８０度間隔の位置に配置されている。

　突出部１１１ｂは、例えば、円柱状のピンとしてボディ１１１と一体的に形成されている。突出部１１１ｂの付け根部分は、滑らかなＲ形状とされており、突出部１１１ｂに作用する力によって、付け根部分に応力が集中しないようになっている。また、突出部１１１ｂの先端側も滑らかなＲ形状となっている。

　ポンプ部１２０は、モータ部１１０の軸線方向に並ぶように配置されており、筒状のケーシング１２１に吸入パイプ１２２、および吐出パイプ１２３が一体的に形成されて、内部に羽根車１２４が設けられて形成されている。吸入パイプ１２２は、ケーシング１２１の軸線方向に延びており、また、吐出パイプ１２３は、ケーシング１２１の外周面に接する方向に延びている。

　ケーシング１２１において、吸入パイプ１２２とは逆側となる端部は、ボディ１１１の軸線方向の一端側に当接されて、例えば、レーザ溶着等によって接合されている。ボディ１１１とケーシング１２１の外径寸法は、同等の設定となっており、接合されたボディ１１１およびケーシング１２１によって、電動ポンプ１００における筒状の本体部が形成されている。羽根車１２４は、例えば、ターボ型の羽根車となっており、モータ部１１０のロータ部１１３に接続されている。

　ロータ部１１３が回転されると、羽根車１２４も回転作動されて、吸入パイプ１２２から温水を吸入して、吸入した温水を吐出パイプ１２３から吐出して、ヒータコアに供給するようになっている。

　取付け部材１３０は、帯板部材によってリング状に形成され、所定の隙間を持って電動ポンプ１００の外周部１１１ａの周りに配置されている。取付け部材１３０は、後述するフリーフロートパッキン１４０を介して、電動ポンプ１００を保持する部材となっており、第１取付け部材１３１、および第２取付け部材１３２を有している。

　第１取付け部材１３１は、リングの一部（１／２周程度）を成す本体部分の、一端側にブラケット部１３１ａが、また、他端側にブラケット部１３１ｂが連結されるように形成されている。各ブラケット部１３１ａ、１３１ｂは、第１取付け部材１３１の本体部分の両端部が延設され、更に折り曲げられて形成（一体形成）されている。各ブラケット部１３１ａ、１３１ｂは、例えば、ボルト締結によって車両ボディに取付けされる部位となっており、ボルトが挿通される長孔が形成されている。

　ブラケット部１３１ａの折曲げされた付け根部近傍には、第２取付け部材１３２を係止するための係止用孔部１３１ｃが形成されている。また、ブラケット部１３１ｂの折曲げされた付け根部近傍には、ナット１３１ｄが溶接されている。

　第１取付け部材１３１の周方向の中央部には、後述するフリーフロートパッキン１４０の小径部１４２が挿入される貫通孔部１３１ｅが形成されている。貫通孔部１３１ｅは、円形の孔部となっている。

　そして、貫通孔部１３１ｅの周囲には、貫通孔部１３１ｅの仮想中心線に交差して、第１取付け部材１３１のリング状の外径位置よりも中心側に打出しされた平面部１３１ｆが形成されている。ここでは、平面部１３１ｆは、帯板部材の周方向において、貫通孔部１３１ｅの両側で折曲げされて矩形状に形成された面となっている（図６）。平面部１３１ｆと外周部１１１ａとの距離（隙間）は、平面部１３１ｆの形成されない一般部分（リング部分）と外周部１１１ａとの距離（隙間）よりも小さくなるように設定されている。

　更に、貫通孔部１３１ｅには、外周部１１１ａ側に延設された、筒状壁１３１ｇが設けられている。筒状壁１３１ｇは、円筒状の壁となっており、貫通孔部１３１ｅにおいて、バーリング加工によって形成された、いわゆるバーリング部である。

　尚、第１取付け部材１３１には、周方向に並ぶように複数（ここでは４つ）の貫通孔１３１ｈが設けられている。貫通孔１３１ｈは、第１取付け部材１３１と、後述するフリーフロートパッキン１４０との位置決めを行うためのピン部１４５が挿通される孔となっている。

　第２取付け部材１３２は、リングの一部（１／２周程度）を成す本体部分の、一端側に係止用爪１３２ａが、また、他端側にボルト孔１３２ｂが形成されている。第１、第２取付け部材１３１、１３２の一端側においては、係止用爪１３２ａが係止用孔部１３１ｃに係止され、また、他端側においては、ボルト孔１３２ｂにボルト１３２ｃが挿通されて、ボルト１３２ｃがナット１３１ｄに締結されて、リング状の取付け部材１３０が形成されている。

　第２取付け部材１３２には、第１取付け部材１３１と同様に、貫通孔部１３１ｅ、平面部１３１ｆ、筒状壁１３１ｇ、および貫通孔１３１ｈ（ここでは２つ）が形成されている。

　ここで、上記した、突出部１１１ｂの長さは、外周部１１１ａから平面部１３１ｆまでの寸法以下となるように設定されている（図４）。換言すると、突出部１１１ｂの長さは、平面部１３１ｆから径方向外側に突出しない寸法となっている。

　フリーフロートパッキン１４０（以下、パッキン１４０）は、外周部１１１ａと取付け部材１３０との間（隙間）に介在されて、モータ部１１０の作動に伴う振動、およびポンプ部１２０における温水の流動に伴う振動が、取付け部材１３０に伝播されるのを抑制するための弾性部材となっている。パッキン１４０は、例えば、ゴム部材や樹脂部材等によって形成されており、硬度や形状に応じた所定のバネ定数を有し、上記の振動の伝播を抑制するようになっている。

　パッキン１４０は、第１取付け部材１３１に対応する第１パッキン１４０Ａ、および第２取付け部材１３２に対応する第２パッキン１４０Ｂを有している。更に、各パッキン１４０Ａ、１４０Ｂは、それぞれ、大径部１４１、小径部１４２、挿入孔部１４３、帯状部１４４、ピン部１４５、およびガイド部１４６等を有している。各部材１４１～１４６は、一体的に形成されている。第１パッキン１４０Ａと第２パッキン１４０Ｂは、周方向の長さが異なるものであり、基本構成は同一となっている。

　大径部１４１は、所定の外径を有する円筒状の部材となっており、厚さ方向（外周部１１１ａの径方向）の寸法は、外周部１１１ａおよび取付け部材１３０の隙間の１／２程度となっている。大径部１４１の外周部１１１ａ側の面は、外周部１１１ａに接触している。

　小径部１４２は、大径部１４１よりも外径が小さく設定された円筒状の部材となっており、大径部１４１に対して、外周部１１１ａの径方向外側に設けられ、厚さ方向（外周部１１１ａの径方向）の寸法は、外周部１１１ａおよび取付け部材１３０の隙間の１／２程度となっている。小径部１４２は、本開示の「径方向外側の端部」に対応する。小径部１４２は、取付け部材１３０の貫通孔部１３１ｅに挿入されている。小径部１４２の外周面は、貫通孔部１３１ｅの筒状壁１３１ｇと接触している。尚、筒状壁１３１ｇの先端部は、大径部１４１と小径部１４２との段差部に当接して、位置規制されている。

　挿入孔部１４３は、大径部１４１、および小径部１４２を貫通する孔部として形成されており、突出部１１１ｂが挿入されるようになっている。取付け部材１３０の貫通孔部１３１ｅは、突出部１１１ｂの位置に対応しており、また、突出部１１１ｂ（電動ポンプ１００）と取付け部材１３０との間にはパッキン１４０が介在されていることから、突出部１１１ｂ（電動ポンプ１００）と取付け部材１３０とは、非接触となっている。

　挿入孔部１４３の外周部１１１ａ側となる周囲には、突出部１１１ｂが挿入孔部１４３に挿入される際の挿入性を向上させるための面取り部１４１ａが形成されている。面取り部１４１ａは、本開示の「第１面取り部」に対応する。また、小径部１４２の先端側の周囲には、小径部１４２が貫通孔部１３１ｅに挿入される際の挿入性を向上させるための面取り部１４２ａが形成されている。面取り部１４２ａは、本開示の「第２面取り部」に対応する。

　帯状部１４４は、大径部１４１の小径部１４２側に接続されて、外周部１１１ａの周方向に延びる帯状の部材となっている。帯状部１４４の幅方向の寸法は、大径部１４１の外径寸法よりも大きく設定されている。帯状部１４４には、外周部１１１ａ側に突出して、突出先端部が外周部１１１ａに接触する複数の接触部１４４ａと、取付け部材１３０側に突出して、突出先端部が取付け部材１３０の内周面に接触する複数の接触部１４４ｂとが設けられている。接触部１４４ａと接触部１４４ｂは、帯状部１４４の周方向に交互に配置されている。帯状部１４４は、外周部１１１ａと取付け部材１３０との間において、各接触部１４４ａ、１４４ｂが外周部１１１ａおよび取付け部材１３０に接触することで、弾性によって外周部１１１ａおよび取付け部材１３０に倣って円弧状となる。

　ピン部１４５は、帯状部１４４から取付け部材１３０側に突出する部材となっており、帯状部１４４の周方向に複数形成されて、それぞれ、取付け部材１３０の貫通孔１３１ｈに挿通されている。ピン部１４５が貫通孔１３１ｈに挿通されることで、取付け部材１３０とパッキン１４０との位置決めが確実に行われるようになっている。

　ガイド部１４６は、帯状部１４４において、小径部１４２の周囲に設けられて、取付け部材１３０側に突出する部材となっている。ガイド部１４６は、小径部１４２が貫通孔部１３１ｅに挿入される際の、筒状壁１３１ｇをガイドする部材となっている。ここでは、ガイド部１４６は、円弧状の帯状部１４４の周方向で小径部１４２を挟むように２カ所、且つ、軸線方向に並ぶように２カ所の合計４つ設けられている。４つのガイド部１４６は、電動ポンプ１００の軸線方向に延びるように並んでいる。

　本実施形態の電動ポンプ１００（電動ポンプ１００の取付け構造）の構成は、以上のようになっており、以下、電動ポンプ１００の作動および作用効果について説明する。

　本実施形態の電動ポンプ１００においては、モータ部１１０およびポンプ部１２０は、パッキン１４０を介して、取付け部材１３０によって保持されて、ブラケット部１３１ａ、１３１ｂによって、車両ボディに取付けされる。電動ポンプ１００の外周部１１１ａと取付け部材１３０との間に介在されたパッキン１４０によって、モータ部１１０の作動に伴う振動、およびポンプ部１２０における温水の流動に伴う振動が、取付け部材１３０に伝播されことが抑制される。よって、電動ポンプ１００による車室内への振動、騒音の伝播が抑制される。

　そして、本実施形態では、取付け部材１３０に平面部１３１ｆを形成することによって、取付け部材１３０からの力を受ける突出部１１１ｂの力点の位置（貫通孔部１３１ｅの位置）を、従来技術よりも径方向中心側（外周部１１１ａ側）に設定することが可能となる。よって、突出部１１１ｂの長さ寸法を外周部１１１ａから平面部１３１ｆまでの寸法以下とすることで、突出部１１１ｂの長さを従来技術よりも短くすることが可能となり、突出部１１１ｂにおける小型化が可能となる。

　また、取付け部材１３０の貫通孔部１３１ｅには、筒状壁１３１ｇを設けるようにしている。筒状壁１３１ｇを設けることで、更に、力点の位置を径方向中心側に設定することができるので、突出部１１１ｂの長さを更に短く設定することが可能となる。

　また、大径部１４１に第１面取り部１４１ａを設けることで、パッキン１４０の挿入孔部１４３に突出部１１１ｂを挿入する際の挿入性を向上させることができる。加えて、突出部１１１ｂと挿入孔部１４３との接触面積を小さくすることができるので、電動ポンプ１００から発生する振動の伝播を抑えることができる。

　また、小径部１４２に第２面取り部１４２ａを設けることで、小径部１４２を貫通孔部１３１ｅに挿入する際の挿入性を向上させることができる。加えて、小径部１４２と筒状壁１３１ｇとの接触面積を小さくすることができるので、電動ポンプ１００から発生する振動の伝播を抑えることができる。

　突出部１１１ｂの変形例を図８～図１３に示す。上記実施形態では、突出部１１１ｂを円柱状のピンとして説明したが、これに限定されるものではない。図８に示すように、角柱状のピン（突出部１１１ｂ１）としてもよい。また、図８に対して図９に示すように、ピンの軸線周りに４５度、回転させたもの（突出部１１１ｂ２）としてもよい。また、図１０に示すように、軸線に直交する断面形状を十字状にしたピン（突出部１１１ｂ３）としてもよい。更に、図１０に対して図１１に示すように、ピンの軸線周りに、４５度、回転させたもの（突出部１１１ｂ４）としてもよい。

　また、図１２に示すように、突出部１１１ｂの付け根部に補強用のリブ１１１ｂ５を、例えば、周方向に十字状に配置したものとしてもよい。また、図１２に対して図１３に示すように、ピンの軸線周りに、リブ１１１ｂ５を４５度、回転配置させたものとしてもよい。

　取付け部材１３０の変形例を図１４～図１８に示す。図１４に示すように、平面部１３１ｆは、貫通孔部１３１ｅの領域にほぼ等しい領域に設けたものとしてもよい。この場合、貫通孔部１３１ｅの孔径に等しい領域が、リング状の取付け部材１３０の中心側に打出しされた平面部１３１ｆ１として形成されており、この平面部１３１ｆ１に貫通孔部１３１ｅが形成されている。

　また、図１５に示すように、上記実施形態に対して、筒状壁１３１ｇは、省略したものとしてもよい。

　また、図１６に示すように、上記実施形態の平面部１３１ｆに対して、平面部領域の全体が、リング状の取付け部材１３０の中心側に段差をもって、打出しされた平面部１３１ｆ２としてもよい。この場合、平面部１３１ｆ２が、上記実施形態よりも更に中心側に移動された形とすることができるので、更に、突出部１１１ｂにおける力点の位置を径方向中心側（外周部１１１ａ側）に設定することができ、突出部１１１ｂの長さを更に短くすることができる。

　また、図１６に対して図１７に示すように、筒状壁１３１ｇを省略したものとしてもよい。

　更に、図１６に対して図１８に示すように、筒状壁１３１ｇとして、リング状の取付け部材１３０の径方向外側を向く筒状壁１３１ｇ１（逆バーリング）としてもよい。筒状壁１３１ｇ１の先端位置は、取付け部材１３０の本来の仮想外径ラインよりも径方向中心側に設定されている。

　上記実施形態では、貫通孔部１３１ｅは、円形の孔部としたが、これに限らず、図１９に示すように、四角形の貫通孔部１３１ｅ１としてもよい。筒状壁１３１ｇ２は、貫通孔部１３１ｅ１に沿うように、角筒状になっている。

　また、図２０に示すように、筒状壁１３１ｇは、周方向において、部分的に壁部が削除された筒状壁１３１ｇ３としてもよい。筒状壁１３１ｇ３は、周方向に等間隔で配置されるものが好ましく、ここでは、四角形の孔部の各辺の中央位置に設けられたものとしている。また、図２０に対して図２１に示すように、貫通孔部１３１ｅ１の軸線周りに、４５度、回転配置させたものとしてもよい。

　上記実施形態では、ガイド部１４６は、帯状部１４４において、電動ポンプ１００の軸線方向に延びるように形成されていたが、これに限定されるものではない。図２２に示すように、ガイド部１４６は、小径部１４２の外側で、円形状に形成されるガイド部１４６１としてもよい。また、図２３に示すように、ガイド部１４６は、小径部１４２の外側で、小径部１４２の外周に接する方向に延びて、周方向に複数（ここでは４つ）配置されたガイド部１４６２としてもよい。

　上記実施形態の変形例について述べる。上記実施形態では、モータ部１１０の外周部１１１ａに突出部１１１ｂを設けるようにしたが、ケーシング１２１の外周面に突出部を設けるようにしてもよい。

　上記実施形態では、モータ部１１０は、直流型のモータとして説明したが、これに限定されることなく、他の交流型のモータ等、型式の異なるモータ部にも適用可能である。

　また、パッキン１４０の大径部１４１における面取り部１４１ａ、および小径部１４２における面取り部１４２ａの少なくとも一方は、省略したものとしてもよい。

　また、上記実施形態では、電動ポンプ１００は、ヒートポンプサイクルのヒータコアに温水を循環させるものとして説明したが、これに限らず、オイルやＡＴＦ等を圧送して循環させる他の電動ポンプにも広く適用可能である。

　本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims

　筒状を成して流体を吸入、圧送する電動ポンプ（１００）を、所定部位に取付けるための電動ポンプの取付け構造において、
　前記筒状の前記電動ポンプの外周部（１１１ａ）に設けられ、径方向外側に突出する突出部（１１１ｂ）と、
　前記所定部位に取付けされるブラケット部（１３１ａ、１３１ｂ）に連結されており、帯板部材によってリング状に形成され、所定の隙間を持って前記外周部の周りに配置される取付け部材（１３０）と、
　前記突出部が挿入される挿入孔部（１４３）を有し、前記外周部と前記取付け部材との前記隙間に介在される弾性部材（１４０）とを備え、
　前記取付け部材には、前記弾性部材の前記径方向外側の端部（１４２）が挿入される貫通孔部（１３１ｅ）が設けられ、前記突出部と前記取付け部材とが非接触となっており、
　前記取付け部材の前記貫通孔部の周囲には、前記貫通孔部の仮想中心線に交差して、前記リング状の外径位置よりも中心側に打出しされた平面部（１３１ｆ）が形成されて、
　前記突出部の長さは、前記外周部から前記平面部までの寸法以下に設定された電動ポンプの取付け構造。
　前記貫通孔部には、前記外周部側に延設された筒状壁（１３１ｇ）が設けられた請求項１に記載の電動ポンプの取付け構造。
　前記弾性部材の前記挿入孔部における前記外周部側の周囲には、第１面取り部（１４１ａ）が形成された請求項１または請求項２に記載の電動ポンプの取付け構造。
　前記弾性部材の前記端部の周囲には、第２面取り部（１４２ａ）が形成された請求項１～請求項３のいずれか１つに記載の電動ポンプの取付け構造。