WO2019058439A1

WO2019058439A1 - 電動ユニット

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Publication number: WO2019058439A1
Application number: PCT/JP2017/033851
Authority: WO
Inventors: 藤原和久
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 2017-09-20
Filing date: 2017-09-20
Publication date: 2019-03-28
Also published as: AR113017A1; US11527938B2; US20200177052A1; EP3659420A4; EP3659420B1; EP3659420A1

Abstract

電動ユニット（１０Ａ）は、ステータ（８４）及びロータ（８６）を有するモータ（４０）と、モータ（４０）を制御する制御ユニット（４２）と、モータ（４０）及び制御ユニット（４２）を冷却するための冷却風を発生させる冷却ファン（４４）と、を備える。制御ユニット（４２）は、冷却風を流通させる冷却流路におけるステータ（８４）よりも上流側に設けられている。冷却ファン（４４）は、冷却流路におけるモータ（４０）よりも下流側に位置するように設けられ、空気を引き込むことによって冷却風を発生させる。

Description

電動ユニット

　本発明は、モータとモータを制御する制御ユニットとを備える電動ユニットに関する。

　この種の電動ユニットは、例えば、芝刈機に組み込まれる。特許第３７７６７７３号公報には、バッテリと、バッテリの電力で駆動するモータと、モータを制御する制御ユニットとを備えた電動芝刈機が提案されている。この電動芝刈機では、モータのシャフトに設けられたカッタブレードの回転によって負圧を発生させて外気を冷却風としてカバー内に取り込み、冷却風をバッテリ、制御ユニット及び電動モータの順番に流すことにより、バッテリ、制御ユニット及び電動モータを冷却している。

　また、特開２０１５－８４６９９号公報には、モータのシャフトに固定された冷却ファンによってモータに外気（冷却風）を導きモータを冷却する芝刈機が開示されている。

　しかしながら、特許第３７７６７７３号公報では、芝草を刈るためのカッタブレードの回転を利用して冷却風を発生させているため、例えば、モータの発熱量が比較的大きい場合には、電動モータを十分に冷却することができないことがある。

　また、特開２０１５－８４６９９号公報には、モータを制御する制御ユニットの配置が記載されていない。そのため、モータとの関係で制御ユニットを効果的に冷却することができないおそれがある。

　本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、制御ユニット及びモータを効果的に冷却することができる電動ユニットを提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために、本発明に係る電動ユニットは、ステータ及びロータを有するモータと、前記モータを制御する制御ユニットと、前記モータ及び前記制御ユニットを冷却するための冷却風を発生させる冷却ファンと、を備え、前記制御ユニットは、前記冷却風を流通させる冷却流路における前記ステータよりも上流側に設けられていることを特徴とする。

　このような構成によれば、冷却ファンによって発生した冷却風を、ステータよりも低温である制御ユニットに流した後でステータに導くことができる。これにより、制御ユニット及びモータを効果的に冷却することができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記冷却ファンは、前記冷却流路における前記モータよりも下流側に位置するように設けられ、空気を引き込むことによって前記冷却風を発生させてもよい。

　このような構成によれば、冷却流路における制御ユニットよりも上流側に冷却ファンを設けて送風する場合と比較して、制御ユニット及びモータに冷却風を円滑に流すことができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記モータを収容し、吸気口と排気口とが形成されたケーシングをさらに備えていてもよい。

　このような構成によれば、モータをケーシングによって保護することができる。また、吸気口からケーシング内に流入した冷却風を制御ユニット及びモータに導いた後で排気口からケースの外部に流出させることができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記モータは、アウターロータ型のモータとして構成され、前記ロータと前記制御ユニットとは、互いに隙間を空けて対向しており、前記吸気口は、前記隙間に指向していてもよい。

　このような構成によれば、吸気口から流入した冷却風を制御ユニットとロータとの隙間に均一に導くことができるため、制御ユニットとステータを均一に冷却することができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記冷却ファンは、前記モータの前記制御ユニットとは反対側に配置され、前記排気口は、前記冷却ファンの近傍に設けられていてもよい。

　このような構成によれば、吸気口からケーシング内に流入した冷却風を、制御ユニット及びモータを介して排気口からケーシングの外部に円滑に流すことができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記モータのシャフトには、回転体が接続可能であって、前記回転体の回転によって発生する風の前記冷却ファンへの流入を阻止する遮蔽部をさらに備えていてもよい。

　このような構成によれば、回転体の回転によって発生する風によって冷却風の風量や風向等が変化することを遮蔽部によって抑えることができる。これにより、制御ユニット及びモータを安定して冷却することができる。また、回転体の回転によって発生する風とともに異物が冷却ファンに流入することを抑えることができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記冷却風を前記排気口に案内する案内壁をさらに備えていてもよい。

　このような構成によれば、冷却ファンを効率的に回転させることができる。また、ケーシング内の冷却風を排気口から円滑に排出させることができる。

　上記の電動ユニットにおいて、前記モータに電力を供給するためのバッテリをさらに備え、前記バッテリは、前記冷却流路における前記制御ユニットよりも上流側に設けられていてもよい。

　このような構成によれば、バッテリが比較的高温になる場合であっても、バッテリ、制御ユニット及びモータを効果的に冷却することができる。

　本発明によれば、冷却ファンによって発生する冷却風の冷却流路におけるステータよりも上流側に制御ユニットを設けているため、制御ユニット及びモータを効果的に冷却することができる。

本発明の一実施形態に係る電動ユニットが組み込まれた作業機（芝刈機）の斜視図である。図１の電動ユニット及びその周辺の縦断面図である。図２の電動ユニット本体の斜視図である。図３の電動ユニット本体の分解斜視図である。図２に示す電動ユニットの冷却流路の説明図である。遮蔽部材の冷却流路の説明図である。本発明の他の実施形態に係る電動ユニットが組み込まれた作業機（例えば、耕運機）の一部省略縦断面図である。図７の電動ユニット本体とマウント部材との斜視図である。図７の電動ユニットの冷却流路の説明図である。

　以下、本発明に係る電動ユニットについて、電動ユニットが組み込まれた作業機との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。

　図１に示す本実施形態に係る電動ユニット１０Ａを備えた作業機は、芝草を刈る歩行型の芝刈機１２Ａである。図１～図５において、矢印Ｆｒは芝刈機１２Ａの前方（作業者から見た前方と同じ）を示し、矢印Ｒｒは芝刈機１２Ａの後方（作業者から見た後方と同じ）を示す。

　図１及び図２に示すように、芝刈機１２Ａは、機体を構成するハウジング１４と、ハウジング１４の前部に配置された左右の前輪１６と、ハウジング１４の後部に配置された左右の後輪１８と、ハウジング１４内に収納された芝刈用のカッタブレード２０と、ハウジング１４の上部に配置されて電動ユニット１０Ａを収容するカバー部材２２と、ハウジング１４から後方に延出した操作ハンドル２４とを備える。

　芝刈機１２Ａは、電気によって駆動する電動芝刈機である。具体的には、芝刈機１２Ａは、電動ユニット１０Ａによってカッタブレード２０を回転させることにより、芝刈機１２Ａの下方に存在する芝草を刈り取る。この際、ハウジング１４内にカッタブレード２０の回転方向と同方向に旋回する空気の流れ（旋回風）を発生させる。そして、この旋回風により、カッタブレード２０によって刈った芝草を、ハウジング１４内に形成された刈り芝搬出通路２６を介して刈り芝収納体２８に送り込んで収納する。ハウジング１４は、地面（芝地）に対向する部分だけが下方に開放されている。

　図２において、カバー部材２２の後部には、カバー部材２２の内部に空気を導入するための空気導入部３０が設けられている。空気導入部３０の開口部３０ａは、下方を指向している。これにより、芝草等の異物が空気導入部３０を介してカバー部材２２の内部に入り込むことを抑制することができる。

　カバー部材２２の前部には、カバー部材２２の内部の空気を外部に導出するための空気導出部３２が設けられている。空気導出部３２は、芝刈機１２Ａの左右方向に延在したスリットが上下方向に複数形成されることにより構成されている（図１及び図２参照）。これにより、カバー部材２２からの排気が作業者に当たることを抑制することができる。ただし、空気導入部３０及び空気導出部３２は、上記の形態に限定されず、カバー部材２２に対してどのように設けられていてもよい。

　図２において、電動ユニット１０Ａは、電動ユニット本体３４とバッテリ３６とを備える。図２～図４に示すように、電動ユニット本体３４は、ケーシング３８と、ケーシング３８に収容されたモータ４０と、モータ４０を制御する制御ユニット４２と、モータ４０及び制御ユニット４２を冷却する冷却風（空気）を発生させる冷却ファン４４と、ケーシング３８に設けられた遮蔽部材４６（遮蔽部）とを有する。

　ケーシング３８は、制御ユニット４２を支持する第１ケーシング４８と、第１ケーシング４８に設けられた吸気ダクト５０と、モータ４０のステータ８４を支持する円筒形状の第２ケーシング５２とを有する。図２及び図４において、第１ケーシング４８は、第２ケーシング５２に連結される底部５４と、底部５４に設けられた側部５６とを含む。底部５４の中央には、第２ケーシング５２内に連通する円形状の孔５８が形成されている。側部５６は、底部５４の外形を構成する４辺のうちの３辺に設けられている。側部５６の内面には、底部５４に対して離間した状態で制御ユニット４２を支持する凸部６０が形成されている。

　吸気ダクト５０は、吸気口５１を構成する四角環状の部材である。吸気ダクト５０は、底部５４のうち側部５６が設けられていない部分に装着されている。吸気ダクト５０と第１ケーシング４８との間にはシール部材６２が設けられている。吸気ダクト５０のうち第１ケーシング４８とは反対側（芝刈機１２Ａの後方）には、シール部材６４を介してフィルタ部材６６が装着されている。吸気口５１は、フィルタ部材６６を介して空気導入部３０の内孔に連通している。フィルタ部材６６は、空気導入部３０から導かれる空気に含まれる水分や塵埃等の異物を除去する。

　第２ケーシング５２は、円筒状に形成された外周壁部６８と、外周壁部６８の内周面に設けられた支持壁部７０と、外周壁部６８に設けられた取付部７２とを有する。外周壁部６８の一端（上端）は、第１ケーシング４８の底部５４に対して複数のボルト７４（図４参照）によって固定されている。支持壁部７０は、外周壁部６８の軸線方向の中間部分に位置している。支持壁部７０には、モータ４０のシャフト８８が挿通する挿通孔７０ａが形成されている。また、支持壁部７０には、第２ケーシング５２のうち支持壁部７０よりも上方（第１ケーシング４８側）の第１空間５２ａと支持壁部７０よりも下方（第１ケーシング４８とは反対側）の第２空間５２ｂとを互いに連通させる連通孔７８（図２参照）が形成されている。

　図２～図４に示すように、取付部７２には、第２ケーシング５２をカバー部材２２に固定するための複数のボルト８０（図２参照）が螺合する。第２ケーシング５２の下部には、第２ケーシング５２内の空気を外部に排出するための排気口８２（図２参照）が設けられている。

　図２及び図４において、モータ４０は、アウターロータ型のモータとして構成されている。モータ４０は、第２ケーシング５２の支持壁部７０に固定されたステータ８４と、ステータ８４に対して回転可能に設けられたロータ８６と、ロータ８６に固定されたシャフト８８とを有する。モータ４０は、シャフト８８の軸線が上下方向に延在するように配置されている。

　ステータ８４は、環状に構成され、第２ケーシング５２の第１空間５２ａに配置されている。ステータ８４は、複数枚の鋼板が積層されたステータコア９０と、ステータコア９０の各極に設けられたインシュレータ９２と、各インシュレータ９２に巻回された複数のステータコイル９４とを含む。

　ロータ８６は、有底筒状のロータカップ９６と、ロータカップ９６に設けられた複数の永久磁石９８とを含む。ロータカップ９６は、ステータコア９０の外周面を覆うとともにステータコア９０の軸線方向の片方の面（上面）を覆う。ロータカップ９６と外周壁部６８との間には、空気が流通可能な隙間Ｓ１が形成されている。ロータカップ９６の内周面には、複数の永久磁石９８が周方向に設けられている。ロータカップ９６の上面には、ロータカップ９６の内部に空気を導入するための複数の貫通孔１００が形成されている。

　図２において、ロータカップ９６の中央部には、シャフト８８の一端部（上端部）に設けられたボス部１０２がリベット１０４によって固定されている。ボス部１０２は、ナット１０６によってシャフト８８に固定されている。

　シャフト８８は、支持壁部７０の挿通孔７０ａと遮蔽部材４６の挿通孔４６ａとを通るように上下方向に延在している。シャフト８８は、各挿通孔４６ａ、７０ａを構成する壁面に固定された軸受１０５、１０７によって回転自在に支持されている。シャフト８８の他端部（下端部）には、ブレードホルダ１０８を介して回転体であるカッタブレード２０が連結されている。

　ブレードホルダ１０８は、カッタブレード２０の中心部に取り付けられているとともに、シャフト８８の下端部に、シャフト８８と同軸に連結されている。カッタブレード２０は、シャフト８８の軸線に対して直交する方向に延在するとともに回転方向の前縁に刃部１１０が設けられたブレード本体１１２と、フラップ角を変更可能にブレード本体１１２に取り付けられたフラップ１１４とを有する。ブレード本体１１２は、プレート状の細長い部材（いわゆるバーブレード）である。

　制御ユニット４２とロータ８６とは、互いに隙間Ｓ２を空けて対向している。制御ユニット４２は、図示しない制御基板を有した発熱体である。制御ユニット４２は、第１ケーシング４８の底部５４に対して離間している。吸気口５１は、制御ユニット４２とモータ４０との間の隙間Ｓ２に指向している。

　冷却ファン４４は、第２ケーシング５２の第２空間５２ｂに配置されている。換言すれば、冷却ファン４４は、モータ４０の制御ユニット４２とは反対側（ステータ８４の下方）に位置している。つまり、冷却ファン４４は、ステータ８４の下のデッドスペースに配置されている。これにより、デッドスペースの有効活用による電動ユニット１０Ａの小型化及び部品点数の削減を図ることができる。

　冷却ファン４４は、シャフト８８に対して同軸に固定されている。そのため、冷却ファン４４は、シャフト８８と一体的に回転する。冷却ファン４４は、いわゆる引き込み型の冷却ファン４４として構成されている。冷却ファン４４は、その回転により吸気口５１から空気を引き込むことによって冷却風を発生させる。

　冷却ファン４４は、吸気口５１から排気口８２に向かって流れる冷却風の冷却流路におけるモータ４０よりも下流側に位置するように設けられている。この場合、制御ユニット４２は、冷却流路におけるステータ８４よりも上流側に設けられている。排気口８２は、冷却ファン４４の近傍に位置している。具体的には、排気口８２は、冷却ファン４４の径方向外方に位置している。

　遮蔽部材４６は、第２ケーシング５２の下方（制御ユニット４２と反対側）の開口部を覆うように複数のボルト１１６（図４参照）によって第２ケーシング５２に固定されている。これにより、遮蔽部材４６は、カッタブレード２０の回転によって発生する風（旋回風）の冷却ファン４４への流入を阻止する。遮蔽部材４６の中央部には、シャフト８８が挿通する挿通孔４６ａが形成されており、その挿通孔４６ａには軸受１０７が設けられている。図２、図４及び図６において、遮蔽部材４６のうち第２空間５２ｂに露出する面（上面）には、冷却ファン４４に引き込まれた空気（冷却風）を排気口８２に案内するための案内壁１１８が設けられている。

　案内壁１１８は、シャフト８８の軸線を中心として周方向に向かって径方向外方に徐々に広がるように延在している。つまり、案内壁１１８は、渦巻き状に延在している。なお、第２ケーシング５２のうち支持壁部７０よりも下方（遮蔽部材４６側）の部分には、案内壁１１８と同一形状（渦巻き状に延在する形状）の案内壁１１９が設けられている。

　バッテリ３６は、モータ４０及び制御ユニット４２に電力を供給するための電池である。バッテリ３６は、カバー部材２２の内部における第２ケーシング５２と空気導出部３２との間に配置されている。

　次に、上記のように構成された電動ユニット１０Ａの作用について芝刈機１２Ａの動作との関係で説明する。

　図５において、バッテリ３６の作用下にロータ８６が回転すると、シャフト８８に連結されたカッタブレード２０が回転し、カッタブレード２０によって芝刈機１２Ａの真下の芝地に生えた芝草が刈り取られる。刈り取られた芝草（刈り芝）は、カッタブレード２０の回転に伴って発生した旋回風によって、ハウジング１４内に形成された刈り芝搬出通路２６を介して刈り芝収納体２８に送り込まれる。

　この際、バッテリ３６、制御ユニット４２及びモータ４０が発熱する。具体的には、制御ユニット４２は、バッテリ３６よりも高温でステータ８４よりも低温になる。つまり、ステータ８４は、最も高温になる。また、シャフト８８の回転によって、冷却ファン４４が回転すると、カバー部材２２の空気導入部３０から導かれた外気（空気）がフィルタ部材６６を介して吸気口５１に引き込まれる。このとき、空気中に含まれる水分や塵埃等がフィルタ部材６６によって除去される。

　そして、フィルタ部材６６を介して吸気口５１に導かれたクリーンな空気（冷却風）は、制御ユニット４２とロータ８６との間の隙間Ｓ２を流れる。これにより、冷却風によって制御ユニット４２とロータ８６とが略同時に冷却される。そして、制御ユニット４２を冷却した冷却風は、第２ケーシング５２の第１空間５２ａに導かれる。

　第１空間５２ａに導かれた冷却風は、ロータカップ９６の貫通孔１００を通り、ステータ８４とロータ８６との間を流れ、ステータ８４の内部（ステータ８４を構成する各ステータコイル９４間）に冷却風が流れる。つまり、冷却風は、モータ４０の中で最も発熱するステータコイル９４を直接冷却する。これにより、モータ４０の内部（ステータ８４）が冷却風によって効果的に冷却される。

　また、第１空間５２ａに導かれた冷却風は、ロータカップ９６と第２ケーシング５２の外周壁部６８との間の隙間Ｓ１を下方に向かって流れる。これにより、冷却風の流路抵抗を効果的に削減することができ、制御ユニット４２へ流れる冷却風の流量を大きくすることができる。また、モータ４０の外側（ロータ８６）が冷却風によって効果的に冷却される。

　ロータ８６の内部と外部とを流れたそれぞれの冷却風は、ステータ８４の下方で合流し、支持壁部７０の連通孔７８を介して第２空間５２ｂに流れる。第２空間５２ｂに流れた冷却風は、冷却ファン４４によって径方向外方に流され、案内壁１１８に沿って渦巻き状に流通して排気口８２からケーシング３８の外部に排出される。

　ケーシング３８の外部に排出された冷却風は、カバー部材２２に沿って芝刈機１２Ａの前方に向かって流れ、空気導出部３２からカバー部材２２の外部に導出される。なお、バッテリ３６は、冷却風ではなく、放熱によって自然冷却される。

　この場合、本実施形態に係る電動ユニット１０Ａは、以下の効果を奏する。

　電動ユニット１０Ａでは、制御ユニット４２は、冷却ファン４４によって発生する冷却風を流通させる冷却流路におけるモータ４０のステータ８４よりも上流側に設けられている。これにより、冷却ファン４４によって発生した冷却風を、ステータ８４よりも低温である制御ユニット４２に流した後でステータ８４に導くことができる。よって、制御ユニット４２及びモータ４０を効果的に冷却することができる。

　冷却ファン４４は、冷却流路におけるモータ４０よりも下流側に位置するように設けられ、空気を引き込むことによって冷却風を発生させる。そのため、冷却流路における制御ユニット４２よりも上流側に冷却ファン４４を設けて送風する場合と比較して、制御ユニット４２及びモータ４０に冷却風を円滑に導くことができる。

　ケーシング３８は、モータ４０を収容し、吸気口５１と排気口８２とが形成されている。これにより、モータ４０をケーシング３８によって保護することができる。また、吸気口５１からケーシング３８内に流入した冷却風を制御ユニット４２及びモータ４０に導いた後で排気口８２からケースの外部に流出させることができる。

　モータ４０は、アウターロータ型のモータとして構成されている。そして、ロータ８６と制御ユニット４２とは、互いに隙間Ｓ２を空けて対向しており、吸気口５１は、隙間Ｓ２に指向している。これにより、吸気口５１から流入した冷却風を制御ユニット４２とモータ４０との隙間Ｓ２に均一に導くことができるため、制御ユニット４２とステータ８４を均一に冷却することができる。

　冷却ファン４４は、モータ４０の制御ユニット４２とは反対側に配置され、排気口８２は、冷却ファン４４の近傍に設けられている。これにより、吸気口５１からケーシング３８内に流入した冷却風を、制御ユニット４２及びモータ４０を介して排気口８２からケーシング３８の外部に円滑に流すことができる。

　モータ４０のシャフト８８には、回転体であるカッタブレード２０が接続されている。そして、遮蔽部材４６は、カッタブレード２０の回転によって発生する旋回風の冷却ファン４４への流入を阻止する。これにより、カッタブレード２０の回転によって発生する旋回風によって冷却風の風量や風向等が変化することを遮蔽部材４６によって抑えることができる。従って、制御ユニット４２及びモータ４０を安定して冷却することができる。また、旋回風とともに芝草等の異物が冷却ファン４４に流入することを抑えることができる。

　電動ユニット１０Ａは、冷却風を排気口８２に案内する案内壁１１８、１１９を備えている。これにより、ケーシング３８内の冷却風を排気口８２から円滑に排出することができる。

　本発明は上述した形態に限定されない。

　図７及び図８に示すように、電動ユニット１０Ｂは、例えば、作業機としての歩行型の耕運機１２Ｂのカバー部材１４０の内部に組み込まれてもよい。この場合、電動ユニット１０Ｂは、電動ユニット本体３４、バッテリ３６及びマウント部材１４２を備えている。電動ユニット本体３４は、シャフト８８が水平方向に延在するように配置されている。シャフト８８のうちロータ８６が位置する側とは反対側には、図示しない耕運爪が設けられている。バッテリ３６は、電動ユニット本体３４の上方に隙間Ｓ３を空けて配置されている。カバー部材１４０の空気導入部１４３は、電動ユニット本体３４（ケーシング３８）とバッテリ３６との間の隙間Ｓ３に指向している。すなわち、バッテリ３６は、冷却風の冷却流路における制御ユニット４２よりも上流側に配置されている。

　マウント部材１４２は、電動ユニット本体３４をカバー部材１４０に固定するためのものである。マウント部材１４２は、電動ユニット本体３４とカバー部材１４０との間に配置される。マウント部材１４２は、電動ユニット本体３４に取り付けられる板状のマウント本体１４４と、マウント本体１４４とカバー部材１４０との間に配置される複数のブッシュ１４６とを含む。そして、カバー部材１４０の孔１４０ａとマウント本体１４４の孔１４４ａとに挿通させた複数のボルト１４８を電動ユニット本体３４に締結することにより、電動ユニット本体３４がカバー部材１４０に対して確実に固定される。

　図９に示すように、このような電動ユニット１０Ｂでは、制御ユニット４２がモータ４０を駆動して冷却ファン４４が回転すると、カバー部材１４０の空気導入部１４３から導入された外気（空気）がバッテリ３６と電動ユニット本体３４のケーシング３８との間の隙間Ｓ３を冷却風として流れる。これにより、冷却風によってバッテリ３６が冷却される。そして、バッテリ３６を冷却した冷却風は、フィルタ部材６６及び吸気口５１を介して制御ユニット４２とロータ８６との間の隙間Ｓ２に導かれる。これにより、冷却風によって制御ユニット４２及びステータ８４が均一に冷却される。

　その後、冷却風は、第１空間５２ａに導かれ、ロータ８６及びケーシング３８の間の隙間Ｓ１とロータカップ９６の内側（ステータ８４）とを通ることによってモータ４０を冷却する。モータ４０を冷却した冷却風は、第２空間５２ｂに導かれて冷却ファン４４の径方向外方に流れ、排気口８２を介してケーシング３８の外部に排出される。ケーシング３８の外部に排出された冷却風は、カバー部材１４０の空気導出部１５０からカバー部材１４０の外部に導出される。

　この場合、バッテリ３６は、冷却流路における制御ユニット４２よりも上流側に設けられている。そのため、バッテリ３６が比較的高温になる場合であっても、バッテリ３６、制御ユニット４２及びモータ４０を効果的に冷却することができる。

　本発明に係る電動ユニットは、上述した芝刈機１２Ａ及び耕運機１２Ｂに組み込む例に限定されず、例えば、高圧洗浄機、運搬機、ドーザー、転圧機、可搬型吸引器（レスキューポンプ）、ランマー等の各種作業機に任意の方向で組み込むことができる。

　本発明に係る電動ユニットは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。

１０Ａ、１０Ｂ…電動ユニット
１２Ａ…芝刈機
２０…カッタブレード（回転体）
３８…ケーシング
４０…モータ
４２…制御ユニット
４４…冷却ファン
５１…吸気口
８２…排気口
８４…ステータ
８６…ロータ

Claims

　ステータ（８４）及びロータ（８６）を有するモータ（４０）と、
　前記モータ（４０）を制御する制御ユニット（４２）と、
　前記モータ（４０）及び前記制御ユニット（４２）を冷却するための冷却風を発生させる冷却ファン（４４）と、を備え、
　前記制御ユニット（４２）は、前記冷却風を流通させる冷却流路における前記ステータ（８４）よりも上流側に設けられている、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項１記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記冷却ファン（４４）は、前記冷却流路における前記モータ（４０）よりも下流側に位置するように設けられ、空気を引き込むことによって前記冷却風を発生させる、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項１又は２に記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記モータ（４０）を収容し、吸気口（５１）と排気口（８２）とが形成されたケーシング（３８）をさらに備える、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項３記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記モータ（４０）は、アウターロータ型のモータとして構成され、
　前記ロータ（８６）と前記制御ユニット（４２）とは、互いに隙間（Ｓ２）を空けて対向しており、
　前記吸気口（５１）は、前記隙間（Ｓ２）に指向している、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項３又は４に記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記冷却ファン（４４）は、前記モータ（４０）の前記制御ユニット（４２）とは反対側に配置され、
　前記排気口（８２）は、前記冷却ファン（４４）の近傍に設けられている、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項１～５のいずれか１項に記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記モータ（４０）のシャフト（８８）には、回転体（２０）が接続可能であって、
　前記回転体（２０）の回転によって発生する風の前記冷却ファン（４４）への流入を阻止する遮蔽部（４６）をさらに備える、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項３～６のいずれか１項に記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記冷却風を前記排気口（８２）に案内する案内壁（１１８、１１９）をさらに備える、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。
　請求項１～７のいずれか１項に記載の電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）において、
　前記モータ（４０）に電力を供給するためのバッテリ（３６）をさらに備え、
　前記バッテリ（３６）は、前記冷却流路における前記制御ユニット（４２）よりも上流側に設けられている、
　ことを特徴とする電動ユニット（１０Ａ、１０Ｂ）。