WO2017033293A1

WO2017033293A1 - 空調機の電力制御装置、および方法

Info

Publication number: WO2017033293A1
Application number: PCT/JP2015/073919
Authority: WO
Inventors: 川口淳一郎
Original assignee: 川口淳一郎; 株式会社アドテックス
Priority date: 2015-08-26
Filing date: 2015-08-26
Publication date: 2017-03-02

Abstract

【課題】本発明は、システムを住宅やオフィス等とし、総資源たる総消費電力を調整する手段として、同報通信と構成する各個体たるエアコンでの独立分散の並列処理で行われる方式において、同エアコンが、調整すべき電力を分担する過程で、システム全体で調整されるべき電力を基に、エアコンにて計測される室温の情報を電気的に操作することによって、システム全体の総消費電力を目標値に合致させることを特徴とする、エアコンに具備ないし付加される制御装置と方法を提供する。

Description

空調機の電力制御装置、および方法

　本発明は、同報通信とドメインを構成する個体群が行う独立分散の並列処理にて構成する住宅ないしオフィス等における総消費電力の制御に関し、特に、同独立分散の並列処理する個体が空調機(以下、エアコンディショナーあるいはエアコンと呼ぶ)である場合において、室温情報を計測するセンサーに介入することで同エアコンの電力を制御する技術に関する。

住宅ないしオフィス等における総消費電力を制御するシステム、方法は、Energey Management System (EMS) 技術として、数多くの手法、技術が発表されている。これらは大半が、いわゆるサーバーを擁し、サーバークライアント間通信によって、ドメイン内での情報を収集し、しかる後に、ドメイン内の各個体に対して、電力を割り当てる方式をとっている。この方式では、個々の個体である、たとえばエアコンが、ドメイン全体の総消費電力の制御に貢献するためには、サーバーからの電力の割り当て待たなくてはならず、通信のドメイン全体での確立を前提としていた。したがって、初期投資が大がかりになり、普及に足かせとなっていた。しかし、近年、ドメインを構成するエアコンなどの個体が、一定のルールのもとで電力制御を独立分散的に並列処理することで、ドメイン全体の総消費電力の制御を行える方式が提案され、EMS の促進に大きく実現性が開けた。同方式は、公知となっている。

同方式では、各個体もつ優先度を自らが設定し、それ基づいて、他の個体と独立して消費電力を制御する。したがって、エアコン側情報をサーバーなどへ送信する必要がなく、ドメイン全体での総消費電力の逸脱、余剰情報を受信し、優先度を設定して、自らが消費電力を制御することで、ドメイン全体の制御が遂行されていくことを特徴としている。

これらの技術では、各個体たる各エアコン側に、その時点での消費電力を計測し、分担して調整するべき電力に整合させる機能が装備されていることを前提としている。高機能のエアコンの機種、あるいは今後商品化されるエアコンにおいては、その機能の装備ないし具備は、かなりの確度で想定できるが、既存のエアコン商品ついては、この機能を装備させて電力制御に参加させることは困難であると考えられていた。このため、社会的課題である電力制御の実施には、なお時間を要すると想定されてきた。

特願2014-153348 は、上述のように、同報通信と独立分散の並列処理による電力制御方式を発明しているが、各個体での電力計測とそれを目標値たる消費電力に合致させる手段の存在を想定していたため、本発明での室温の操作により、各個体での消費電力の計測を行なわず、システム全体での総消費電力の調整については一切開示していない。

PCT/JP2015/052091 WO 2015/115385 は、特願2014-153348 と基本的に同じ発明であり、同様に、本発明での室温の操作により、各個体での消費電力の計測を行なわず、システム全体での総消費電力の調整については一切開示していない。

http://www.asahi.com/articles/ASGC80RWDGC7UEHF01J.html (「はやぶさ」の節電技術、家電に生かせるかも
2014年11月17日08時06分) においては、エアコンの室温を計測する抵抗素子取り外し、外部から室温に相当する電圧を印加して、エアコンの消費電力を変化させシステム全体での総消費電力を目標値に合致できることを示した。しかし、その方式では、本来エアコンが装備している室温の計測手段を破棄しているため、その時点での室温をエアコンに教示することができず、システムにて電力の受給が緩和された場合に、本来のエアコンの機能に復帰させることができなかった。このため、本発明でいう室温の調整方式を開示していない。

WO 2015/115385

http://www.asahi.com/articles/ASGC80RWDGC7UEHF01J.html

本発明は、システムたる住宅やオフィスでの総消費電力を、目的値に調整することをはかる技術に関する。
同報通信と独立分散の並列処理にて電力を制御する過程においては、各個体たる各エアコンには、電力を測定する機構機能を設ける必要があった。また、サーバークライアント方式においては、各エアコンが、自己の消費電力をサーバーなどに送信する必要があった。エアコンでの室温の計測値を意図的に操作すること自体は容易に考案できるが、新たに室温を計測する必要があると考えられてきたほか、本来エアコンが装備する室温の計測機能へ自動復帰させる機構を実装することは、エアコン内部の回路基板を切断することを含め、大がかりな改修を要するために実現可能な手段は考案されて来なかった。このことは、さらに、すでに生産ラインを流れているエアコン製品への機能の付加を困難させてきた。
結果として、住宅やオフィスでの電力制御が普及できないでいた。

本発明は、上述の独立分散並列制御方式自体に関するものではなく、同方式において、個体の代表であるエアコンでの電力制御を、既存のエアコンに最小限のインターフェースを設けることで、簡易に実施する電子回路を手段として提供するもので、受信装置と優先度などを設定する処理装置と組合せて、エアコンにおける個体側処理を簡易に可能とさせるものである。この方式では、各個体での消費電力情報をサーバーなどの送信することを要しないため、本発明いう電力ではない室温を介した電力制御を可能よしている。本発明は、この個体側処理装置における、既存のエアコンに最小限の電子回路にてインターフェースする部位に関する。

エアコンの消費電力が、温度目標値と室温の差で支配されることは、常識である。したがって、現在室温既知であり、当該エアコンでそれが物理量としていくら、具体的には何V であるかが既知であり、温度1度当たりで計測される電圧が何V であるかを知れば、現時点での室温を意図的にシフトさせて当該エアコンの消費電力を制御することは可能である。しかし、これらの数値は、各エアコンに共通ではなく、製造業者、また機種毎異なる上、電圧を直接印加する場合には、もどり電圧は、その時点での室温が既知でなくては設定もできない。サーバークライアント方式では、調整すべき電力をインターフェースとしており、したがって、その割り当てなくしては、各個体での電力制御が定義できない問題を生じる。
温度の計測値は、エアコン内部で把握されているものであり、電力の調整が終わった時点で、元運転状態に復帰させる方法もこれまでは実現されてこなかった。

独立分散並列の処理では、ドメイン全体での電力での調整すべき量が与えられるのであって、個々の個体側では、直接には電力を扱う必要がない。したがって、各個体においては、ドメインとして実現すべき電力を、エアコンが計測する温度の偏差として与えることで構わないことになる。本当発明は、これを利用しており、結果としてエアコンで消費電力を計測することを要しない。
一般にエアコンの基板に立ち入ることは、困難であり、本発明では、温度計測センサーにおける電位差を外付け回路でバランスさせることで、エアコン自身がもつ温度計測機能をそのまま活かしており、外付けで室温の計測値を操作していながら、エアコン本来の室温計測機能を維持できる特徴を有している。

図１には、エアコンに付加的に装備ないし具備される電力制御装置のブロック図を掲げた。特徴は、消費電力の計測を行わず、室温を計測する手段に接続して装着される装着であることである。したがって、実は、室温を計測する手段も要しない方法となっている。電力を測定する検流計などの装置や、新たに室温を計測する装置を備えていない。本装置の電源は、特別な場合には、エアコン自体を駆動している、AC 電力線から誘導電力にてまかなう、エネルギーハーベスティング Energy Harvesting 方法の採用もありうる。

図２には、具体的な回路の構成例を掲げた。室温を計測する抵抗素子に印加される電圧を、新たに外部の装置にて電流を加減することで、室温を計測する抵抗素子に加わる電圧を操作する回路の例である。加減される電流は、計測抵抗 R1 の両端の電位差で把握することができ、これをゼロとすることで、本来エアコンが測定すべき真の室温の計測機能を維持させている。

R1 両端の電位差で、E1 を制御する手段は、アナログ、ディジタル双方の方式が存在する。システムを構成する各個体たるエアコンに装備ないし具備する本装置では、自己が設定する優先度を用いて、システム全体で調整すべき電力の分担分を独立分散の並列処理で演算を行って決定する機構を備えており、したがって、同装置上のマイクロプロセッサーにて、A/D 変換とD/A 変換を行って、E1 を変化させる方法が1つの典型的な構築方法である。

この室温の情報を、本来のエアコンの室温を計測する機能を維持させつつ、維持する方法はこの回路に限らない。たとえば、エアコン上での温度計測向けの抵抗素子に加えられている電圧を測定した上で、つまり本来の室温を参照電圧として保持し、同素子間に直接にバイアスさせた電圧を印加するなどの方式も存在する。図２は、回路の一例である。しかしながら、図２の回路方式は、圧倒的に平易で構築が容易である。

　以上のように本発明によれば、各個体たる各エアコンには、電力を測定する機構機能を設ける必要がなく、室温を計測する機能を新たに設ける必要もなく、また、同エアコンが、自己の消費電力をサーバーなどに送信する必要がなく、システムたる住宅やオフィスでの総消費電力を、独立分散の並列処理にて、目的値に調整することが可能になる。また、本発明の回路方式により、本来エアコンが装備する室温の計測機能へ自動復帰させることができる。本発明の方式は、エアコンの回路基板を切断することなく付加的に結合させることが可能で、極めて簡易な装置で実現させることが可能であり、すでに生産ラインを流れているエアコン製品にも、容易に後付けできるため、住宅やオフィスでの電力制御を大きく前進させことができる。本発明の目的、特徴、局面、及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

エアコンに付加的に装備ないし具備される電力制御装置室温を計測する抵抗素子に印加される電圧を操作する回路の例

　（実施の形態）
図１は、本発明でいう制御装置の実施の形態を示しており、室温を計測する抵抗素子に図２に示す回路を介してエアコンの回路基板に接続される。

　本発明の「空調機の電力制御装置、および方法」は、エアコンの製造業者あるいは機種に関わらず、広範なエアコンに装備可能であり、電力制御を普及させる観点で、産業上有用である。

Claims

システムを住宅やオフィス等とし、総資源たる総消費電力を調整する手段として、
同報通信と構成する各個体たるエアコンでの独立分散の並列処理で行われる方式において、同エアコンが、調整すべき電力を分担する過程で、システム全体で調整されるべき電力を基に、本来エアコンに装備されていた室温を計測する機能を維持したまま、計測される室温の情報を電気的に操作することによって、システム全体の総消費電力を目標値に合致させることを特徴とする、エアコンに具備ないし付加される制御装置。
前記室温の情報を電気的に操作する過程で、室温を計測する抵抗素子へ付加的に加える電流をゼロとする等より、該抵抗素子に印加される電圧を維持することで、本来エアコンに装備されていた室温を計測する手段の本来の機能に自動復帰できるよう構成されることを特徴とする、請求項１の制御装置。
システムを住宅やオフィス等とし、総資源たる総消費電力を調整する手段として、
同報通信と構成する各個体たるエアコンでの独立分散の並列処理で行われる方式において、同エアコンが、調整すべき電力を分担する過程で、システム全体で調整されるべき電力を基に、本来エアコンに装備されていた室温を計測する機能を維持したまま、計測される室温の情報を電気的に操作することによって、システム全体の総消費電力を目標値に合致させることを特徴とする、エアコンに具備ないし付加される制御の方法。
前記室温の情報を電気的に操作する過程で、室温を計測する抵抗素子へ付加的に加える電流をゼロとする等より、該抵抗素子に印加される電圧を維持することで、本来エアコンに装備されていた室温を計測する手段の本来の機能に自動復帰できるよう構成されることを特徴とする、請求項３の制御の方法。