WO2017022610A1 - 支保部材、コンクリート打設用型枠およびコンクリート構造物の建造方法 - Google Patents

Abstract

型枠の組み立てと分解が容易で反復使用可能な支保部材、コンクリート打設用型枠およびコンクリート構造物の建造方法を提供する。　コンクリートパネル１２の横幅Ｗに応じた長さの複数の横桟７１と、コンクリートパネル１２の高さＶに応じた長さの複数の縦桟７２と、それぞれ平行な複数の横桟７１および縦桟７２が格子状に組み合された交点７３を貫通してキャビティ２０の内部方向へと係止するボルト・ナット構成６０と、を備え、交点７３に係る横桟７１および縦桟７２の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さＱの一部又は全部と幅Ｐとを受け入れて嵌着可能な凹部Ｒを設け、横桟７１および縦桟７２は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、格子状に組み合された横桟７１および縦桟７２は、コンクリートパネル１２の外側面１２ａにそれぞれ等間隔で接触する。

Description

支保部材、コンクリート打設用型枠およびコンクリート構造物の建造方法

　本発明は、支保部材、コンクリート打設用型枠およびコンクリート構造物の建造方法に関し、より詳しくは、鉄筋組や鉄骨を囲んで相対して設置される型枠パネルを支持する支保部材、および、その支保部材を用いたコンクリート打設用型枠、さらに、そのコンクリート打設用型枠により形成されたコンクリート打設空間部（以下、「キャビティ」という）内にコンクリートを打設して鉄筋コンクリート構造物や鉄骨鉄筋コンクリート構造物（以下、単に「コンクリート構造物」という）を建造するコンクリート構造物の建造方法に関する。本出願は、日本国において２０１５年７月３１日に出願された日本特許出願番号特願２０１５－１５２１２２を基礎として優先権を主張するものであり、この出願を参照することにより、本出願に援用される。

　従来のコンクリート建造物の形成工法は、一般に、鉄筋を組み合わせる配筋工程と、配筋を囲んで所定の間隔を以って型枠パネルを対向設置する型枠組工程と、型枠パネル間に構成したキャビティ内にコンクリートを流し込むコンクリート打設工程を有し、所定の養生期間を経た後に型枠パネルを解体する工程を経て柱、梁、壁あるいはスラブ等の各コンクリート躯体部位を形成する。従来工法においては、このように各コンクリート躯体部位を形成する際に組み立てた型枠パネルを解体して工事現場から搬出する作業が行われ、手間を要するとともに解体作業の日数や型枠パネルや組立用部材等を一時保管するスペース等が必要であった。

　また、従来のコンクリート建造物の形成工法においては、上述したコンクリート躯体部位に対して間柱や枠材等の内装ボード等の内装材を取り付けるための取付け部材の組立工程を実行する。また、従来工法においては、むき出しのコンクリート躯体の表面に適宜の断熱・防湿ボード等の断熱・防湿体を敷き込んで断熱、遮音、防湿等の対応を図った後に、内装材の取付け工程を実行する。したがって、従来工法においては、断熱・防湿体およびその設置工程も行われるために日数やコスト増となっていた。

　上述した従来のコンクリート建造物の形成工法の問題を解決する工法として、本出願人も発泡合成樹脂製の型枠パネルを用い、この型枠パネルを形成するコンクリート躯体部位の表面に残してコンクリート構造物を形成する工法を提案した（特許文献１参照）。かかるコンクリート建造物の形成工法によれば、型枠パネルの解体工程が不要となり、またコンクリート躯体部位の表面に一体化された発泡合成樹脂製の型枠パネルが上述した断熱・防湿体の機能を発揮する。

　特許文献１に記載のコンクリート打設用型枠は、一対の発泡合成樹脂製の型枠パネルを連結機構を介して対向間隔を調整可能にして組み合わせてなる。コンクリート打設用型枠は、連結機構が、中央部で結合することによりＸ字状に組み合わされた一対のアーム（ウェブ）と、型枠パネルの外側面にそれぞれ組み合わされて各アームの先端部を連結する連結片が形成された一対のプレートとにより構成する。コンクリート打設用型枠は、一対のアームが中央部において回動自在に結合され、先端部が型枠パネルを貫通されたプレートの取付け片と連結位置を調整されて連結されることにより型枠パネルの対向間隔が適宜設定されて型枠の組立が行われる。

特許第４１６９１５９号公報

　しかしながら、上述した種々の特徴を有するコンクリート打設用型枠ではあるが、工期の短縮化と部材費の低減により工費を大幅に低減するという観点から、特に、支保部材（ベースプレート）について、少なからず改善余地がある。本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、型枠の組み立てと分解を容易にすることが可能な支保部材、それを用いたコンクリート打設用型枠あるいはコンクリート構造物の建造方法を提供することにある。その結果、工期の短縮化と部材費の低減により工費を大幅に低減させるという目的もある。さらに、本発明に係る支保部材は、サイズを変更するだけでベニヤ板等による普通型枠、ＥＰＳ型枠、ロックセル型枠、その他全ての型枠パネルに使用可能とする汎用化の目的もある。

　本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項１に記載の発明は、コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティ（２０）を設けるコンクリートパネル（１２）の外側面（１２ａ）を支持して繰り返し使用可能な支保部材であって、前記コンクリートパネル（１２）の横幅（Ｗ）に応じた長さの複数の横桟（７１）と、前記コンクリートパネル（１２）の高さ（Ｖ）に応じた長さの複数の縦桟（７２）と、それぞれ平行な複数の前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）が格子状に組み合された交点（７３）を貫通して前記キャビティ（２０）の内部方向へと係止するボルト・ナット構成（６０）と、を備え、前記交点（７３）に係る前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さ（Ｑ）の一部又は全部と幅（Ｐ）とを受け入れて嵌着可能な凹部（Ｒ）を設け、前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、前記格子状に組み合された前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、前記コンクリートパネル（１２）の外側面（１２ａ）にそれぞれ等間隔で接触することを特徴とする。

　また、請求項２に記載の発明は、コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティ（２０）を設けるコンクリートパネル（１２）を支持して繰り返し使用可能な支保部材により固定されるコンクリート打設用型枠（１００）であって、前記支保部材は、前記コンクリートパネル（１２）の横幅（Ｗ）に応じた長さの複数の横桟（７１）と、前記コンクリートパネル（１２）の高さ（Ｖ）に応じた長さの複数の縦桟（７２）と、それぞれ平行な複数の前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）が格子状に組み合された交点（７３）を貫通して前記キャビティ（２０）の内部方向へと係止するボルト・ナット構成（６０）と、前記コンクリートパネル（１２）および前記交点（７３）に位置合わせして穿設された取付孔（１３），（７４）を貫通する型枠固定棒（４０）と、前記型枠固定棒（４０）の所定位置に係止されて前記キャビティ（２０）の内側から外側方向に前記コンクリートパネル（１２）を支持する躯体側型枠固定材（５０）と、を備え、前記交点（７３）に係る前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さ（Ｑ）の一部又は全部と幅（Ｐ）とを受け入れて嵌着可能な凹部（Ｒ）を設け、前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、前記格子状に組み合された前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、前記コンクリートパネル（１２）の外側面（１２ａ）にそれぞれ等間隔で接触し、前記型枠固定棒（４０）の長さ方向の中央部（Ｏ）から一端（４１）に向けて、前記躯体側型枠固定材（５０）と、前記コンクリートパネル（１２）と、前記支保部材と、の順に配置して形成され、前記ボルト・ナット構成（６０）は前記型枠固定棒（４０）の少なくとも一端（４１）に形成されていることを特徴とする。

　また、請求項３に記載の発明は、請求項２に記載のコンクリート打設用型枠において、前記コンクリートパネル（１２）は、凹凸を形成する輪郭により隣接する外周縁部（１１）どうしが嵌合可能な同一又は類似形状の単位パネル（１０）を適宜連結して構成されることを特徴とする。

　また、請求項４に記載の発明は、請求項２又は３に記載のコンクリート打設用型枠において、前記型枠固定棒（４０）の前記中央部（Ｏ）から前記一端（４１）までの構成と、前記中央部（Ｏ）から他端（４２）までの構成と、は対称であることを特徴とする。

　また、請求項５に記載の発明は、請求項２又は３に記載のコンクリート打設用型枠において、前記単位パネル（１０）は、独立気泡型発泡合成樹脂により形成されていることを特徴とする。

　また、請求項６に記載の発明は、請求項２又は３に記載のコンクリート打設用型枠において、前記単位パネル（１０）は、外周縁部（１１）に嵌合部（９）が形成されるとともに、相対する嵌合部（９）を嵌合することにより前記外周縁部（１１）を突き合わせて多数枚が上下左右に組み合わされて設置され、前記嵌合部（９）は、前記単位パネル（１０）の厚さ（Ｇ）方向に区分けした内側領域（２）と外側領域（３）のそれぞれに、嵌合凸部（４）と、この嵌合凸部（４）とほぼ同等の開口寸法（Ｈ）を有する嵌合凹部（５）を長さ方向（Ｚ）の全域に亘って交互に形成してなる内側嵌合部（６）と外側嵌合部（７）から構成されるとともに、これら内側嵌合部（６）と外側嵌合部（７）の前記嵌合凸部（４）と前記嵌合凹部（５）とが１ピッチ分ずれて対向位置に形成されることを特徴とする。

　また、請求項７に記載の発明は、コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティ（２０）を設けるコンクリートパネル（１２）の外側面（１２ａ）を支持する支保部材を繰り返し使用するコンクリート構造物の建造方法であって、前記支保部材は、前記コンクリートパネル（１２）の横幅（Ｗ）に応じた長さの複数の横桟（７１）と、前記コンクリートパネル（１２）の高さ（Ｖ）に応じた長さの複数の縦桟（７２）と、それぞれ平行な複数の前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）が格子状に組み合された交点（７３）を貫通して前記キャビティ（２０）の内部方向へと係止するボルト・ナット構成（６０）と、を備え、前記交点（７３）に係る前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さ（Ｑ）の一部又は全部と幅（Ｐ）とを受け入れて嵌着可能な凹部（Ｒ）を設け、前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、前記格子状に組み合された前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、前記コンクリートパネル（１２）の外側面（１２ａ）にそれぞれ等間隔で接触することを特徴とする。

　また、請求項８に記載の発明は、コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティ（２０）を設けるコンクリートパネル（１２）を支持して繰り返し使用可能な支保部材により固定されるコンクリート打設用型枠（１００）を用いたコンクリート構造物の建造方法であって、前記支保部材は、前記コンクリートパネル（１２）の横幅（Ｗ）に応じた長さの複数の横桟（７１）と、前記コンクリートパネル（１２）の高さ（Ｖ）に応じた長さの複数の縦桟（７２）と、それぞれ平行な複数の前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）が格子状に組み合された交点（７３）を貫通して前記キャビティ（２０）の内部方向へと係止するボルト・ナット構成（６０）と、前記コンクリートパネル（１２）および前記交点（７３）に位置合わせして穿設された取付孔（１３），（７４）を貫通する型枠固定棒（４０）と、前記型枠固定棒（４０）の所定位置に係止されて前記キャビティ（２０）の内側から外側方向に前記コンクリートパネル（１２）を支持する躯体側型枠固定材（５０）と、を備え、前記交点（７３）に係る前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さ（Ｑ）の一部又は全部と幅（Ｐ）とを受け入れて嵌着可能な凹部（Ｒ）を設け、前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、前記格子状に組み合された前記横桟（７１）および前記縦桟（７２）は、前記コンクリートパネル（１２）の外側面（１２ａ）にそれぞれ等間隔で接触し、前記型枠固定棒（４０）の長さ方向の中央部（Ｏ）から一端（４１）に向けて、前記躯体側型枠固定材（５０）と、前記コンクリートパネル（１２）と、前記支保部材と、の順に配置して形成され、前記ボルト・ナット構成（６０）は前記型枠固定棒（４０）の少なくとも一端（４１）に形成されていることを特徴とする。

　また、請求項９に記載の発明は、請求項７又は８に記載のコンクリート構造物の建造方法において、前記コンクリートパネル（１２）は、前記キャビティ（２０）に打設されたコンクリートが固化した後にも解体撤去されることなく建造物の一部となすことを特徴とする。

　本発明によれば、型枠の組み立てと分解を容易にすることが可能な支保部材、それを用いたコンクリート打設用型枠あるいはコンクリート構造物の建造方法を提供することが可能である。その結果、工期の短縮化と部材費の低減により工費を大幅に低減できる。なお、本発明に係る支保部材は、サイズを変更するだけでベニヤ板等による普通型枠、ＥＰＳ型枠、ロックセル型枠、その他全ての型枠パネルに使用可能とする汎用化の目的も達成できる。

本発明の実施の形態に係る支保部材（以下、「本支保部材」ともいう）と、それを用いたコンクリート打設用型枠（以下、「本型枠」ともいう）およびコンクリート構造物の建造方法（以下、「本方法」ともいう）について概略を説明するための一部斜視図である。 図１の本型枠をより詳細に説明するための側断面図である。 図１および図２の本型枠において採用可能なコンクリートパネルを構成する単位パネルの投影図であり、図３（Ａ）上面図、図３（Ｂ）Ｆ－Ｆ線断面図、図３（Ｃ）正面図、図３（Ｄ）底面図、図３（Ｅ）側面図である。 図３の単位パネルを上下に並べて連結した状態の斜視図である。 図３の単位パネルを採用した図１および図２の本型枠において、採用可能な支保部材およびそれらを固定するためのボルト・ナット構成を示す図５（Ａ）正面図、図５（Ｂ）カラー併用タイプの断面図である。 図５に引き続いてボルト・ナット構成を示す図６（Ｃ）３個使いナット止めタイプの断面図、図６（Ｄ）４個使いナット止めタイプの断面図、図６（Ｅ）規定厚さナット併用タイプの断面図である。

　以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
　図１は、本発明の実施の形態に係る支保部材と、それを用いたコンクリート打設用型枠（本型枠）と、コンクリート構造物の建造方法（本方法）について概略を説明するための一部斜視図である。図１に示すように、本型枠１００に用いられる本支保部材は、コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティ２０を設けるコンクリートパネル１２の外側面１２ａを支持して繰り返し使用可能なパネル固定手段の主要部を構成する。なお、図１の下方にも同一形状のコンクリートパネル１２が延設されていることを示唆している。また、コンクリート打設用型枠の性質上、図１の左右方向にも同一又は異なる形状で延設されるか、あるいは断面を閉塞された構造が示唆されるが、紙面および説明の都合により、図１の左右には露出した断面を描写している。

　この支保部材は、それぞれ平行に配列された複数の横桟７１および縦桟７２が、格子状に組み合されており、その格子状の組み合せを含む平面により、コンクリートパネル１２の外側面１２ａを等間隔で均等に支持する。また、格子状に組み合された交点７３を貫通する孔が穿設されており、交点７３の孔を貫通する型枠固定棒４０に配設されたボルト・ナット構成６０等により、コンクリートパネル１２が、キャビティ２０の内部方向へと係止されている。なお、横桟７１および縦桟７２は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成された一例と、ボルト・ナット構成６０等の詳細について、図５および図６を用いて後述する。

　横桟７１は、コンクリートパネル１２の横幅Ｗに応じた長さである。同様に、縦桟７２はコンクリートパネル１２の高さＶに応じた長さである。なお、横桟７１と縦桟７２は、それぞれ横幅Ｗと高さＶに応じた長さを確保するために、必ずしも１本につながっている必要はない。すなわち、任意の長さの横桟７１と任意の長さの縦桟７２が、それぞれ横幅Ｗと高さＶに応じた長さを確保し、壁面全体を網羅する本数だけ配置されて支保部材を構成するようにしたものでも構わない。横桟７１および縦桟７２は、コンクリートパネル１２の面積に応じて、その面積を網羅するために必要な本数を用いられる。また、交点７３に係る横桟７１および縦桟７２の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さＱの一部又は全部と幅Ｐとを受け入れて嵌着可能な凹部Ｒが配設されている。そのため、コンクリートパネル１２の外側面１２ａに対し、先に取り付けられた横桟７１だけでなく、後に取り付けられた縦桟７２も、コンクリートパネル１２の外側面１２ａから浮き上がらずに均等に支持することが可能である。

　図２は、図１の本型枠１００をより詳細に説明するための側断面図である。図２に示すように、本型枠１００は、コンクリート構造物における躯体の芯部、例えば、壁芯Ｙを挟んで、一対のコンクリートパネル１２が、パネル固定手段により、所定の隙間Ｘを空けて対面した状態に固定さている。この隙間Ｘによりキャビティ２０が形成されている。

　すなわち、本型枠１００は、型枠固定棒４０の長さ方向の中央部Ｏから両端４１，４２に向けて、それぞれ躯体側型枠固定材５０と、コンクリートパネル１２と、複数の横桟７１と、これら横桟７１に対して格子状に組み合された複数の縦桟７２と、の順に配置されている。このように配置された物が、型枠固定棒４０との組合せで規定された位置関係を保持するように、ボルト・ナット構成６０で係止されてキャビティ２０が形成される。そのキャビティ２０は、打設されるコンクリートを漏洩しないように、図２の上下端部で不図示の側端部等はコンクリートパネル１２の小片その他の板材等により塞がれている。なお、壁芯Ｙを始め、コンクリート構造物の躯体の芯部には、鉄筋１（図１では省略）が縦横に組まれており、コンクリート構造物の強度を増すように構成されている。

　複数の横桟７１および縦桟７２が格子状に組み合された本支保部材は、コンクリートパネル１２の外側面１２ａに当接し、コンクリートパネル１２をキャビティ２０の壁芯Ｙ方向へと支持する。型枠固定棒４０は、コンクリートパネル１２、横桟７１および縦桟７２にそれぞれ穿設された取付孔１３，７３を貫通する。なお、本型枠１００を構成するコンクリートパネル１２の材質について、図３および図４を用いて後述する単位パネル１０を採用しているが、これは一例に過ぎない。したがって、本支保部材、それを用いた本型枠１００および本方法は、ベニヤ板等による普通型枠を始め、他の形状のＥＰＳ型枠、ロックセル型枠、その他全ての型枠パネルを採用して応用することが可能である。

　躯体側型枠固定材５０は、型枠固定棒４０の所定位置に係止されてキャビティ２０の内側（例えば、壁芯Ｙ）から外側（壁面）方向にコンクリートパネル１２を支持する。また、ボルト・ナット構成６０の一例として、型枠固定棒４０の両端４１，４２に、ボルト・ナット構成６０を配設することが好適である。すなわち、型枠固定棒４０の両端４１，４２に螺設された雄ネジ６１（図５および図６）と、それらの雄ネジ６１に螺合可能なボルト・ナット構成６０の組合せが好ましい。なお、ボルト・ナット構成６０として、型枠固定棒４０の両端４１，４２のうち、少なくとも一方がネジ止め可能であれば良く、他方はボルト・ナット構成とは異なる係止手段であっても構わない。

　図２に例示した本型枠１００は、型枠固定棒４０の中央部Ｏから一端４１までの構成と、中央部Ｏから他端４２までの構成とは、躯体側型枠固定材５０、コンクリートパネル１２、横桟７１、縦桟７２およびボルト・ナット構成６０による完全に左右対称の一対構成である。すなわち、コンクリート構造物における単純な壁部分を形成する場合、本型枠１００は壁芯Ｙを中心として完全左右対称の一対構成となることが多いが、それに限定されるものではない。つまり、本型枠１００は、壁に限らず、コンクリート構造物の躯体を構成する柱、梁、スラブ、土台あるいは屈曲部等の各コンクリート躯体部位の複雑な形状に対応して形成される場合も多いので、図２に例示した本型枠１００のように左右対称な形状に限定するものではない。

［単位パネルの外形］
　図３は、図１および図２の本型枠において採用可能なコンクリートパネルを構成する単位パネルの投影図であり、図３（Ａ）上面図、図３（Ｂ）Ｆ－Ｆ線断面図、図３（Ｃ）正面図、図３（Ｄ）底面図、図３（Ｅ）側面図である。　
　図４は、図３の単位パネルを上下に並べて連結した状態の斜視図である。　
　図３および図４に示すように、単位パネル１０は、その外周縁部１１が厚さＧに対して１／２ずつの内側領域２と外側領域３に区割りされ、この内側領域２と外側領域３に嵌合部９を一体に形成されている。嵌合部９は、内側領域２に形成された内側嵌合部６と、外側領域３に形成された外側嵌合部７により構成されている。内側嵌合部６は、それぞれ多数個の内側嵌合凸部４ａおよび内側嵌合凹部５ａを有する。同様に外側嵌合部７は、それぞれ多数個の外側嵌合凸部４ｂおよび外側嵌合凹部５ｂを有する。

　図４に示すように、単位パネル１０には、突き合わせる外周縁部１１の長辺において、相対嵌合される嵌合部９が形成される。図４に示すように、コンクリートパネル１２は、同一又は類似形状の単位パネル１０を必要な数だけ連結して構成される（図１参照）。すなわち、単位パネル１０は、多数枚が相対する外周縁部１１を突き合わせて上下左右に組み合わされて広い面積に形成されたコンクリートパネル１２を設置することにより型枠１００を構成する。単位パネル１０は、凹凸を形成する輪郭により隣接する嵌合部９どうしでジグソーパズルのように嵌合することが可能である。ただし、ジグソーパズルでは隣接して嵌合する適切な形状の相手を探すための努力を要するが、本型枠１００に用いる単位パネル１０は、統一規格に基づく同一形状であるため、相手を探す努力は不要である。

　本型枠１００は、統一規格に基づく同一形状の単位パネル１０を、例えば、概ね長方形の長辺どうし又は短辺どうしを隣接させるように連結する。外周縁部１１のうち、特に、凹凸を形成する輪郭により形成された嵌合部９どうしを隣接させた連結部１１ａにおいて、確実に嵌合し連結することが可能である。つまり、複数の単位パネル１０それぞれの外周縁部１１の長辺に形成された嵌合部９において、凸部４（４ａ，４ｂを含む）には相手の凹部５（５ａ，５ｂを含む）が、あるいは、凹部５には相手の凸部４が緊密に嵌合する。したがって、連結部１１ａは頑丈であり、コンクリート漏れを生じさせる隙間の発生を防止しかつ段差が生じることなく平坦な外側面を形成する。

　以下、相対嵌合される嵌合部９について、より詳細に説明する。
　嵌合部９は、外周縁部１１の内側領域２に長さＺ方向に隣り合って形成された多数個の内側嵌合凸部４ａおよび多数個の内側嵌合凹部５ａと、外側領域３に長さＺ方向に隣り合って形成された多数個の外側嵌合凸部４ｂおよび多数個の外側嵌合凹部５ｂと、から構成される。また、嵌合部９は、内側嵌合凸部４ａと内側嵌合凹部５ａが外周縁部１１の内側領域２に長さ方向Ｚの全域に亘って交互に形成されるとともに、外側嵌合凸部４ｂと外側嵌合凹部５ｂが外周縁部１１の外側領域３に長さ方向Ｚの全域に亘って交互に形成されてなる。

　また、嵌合部９は、外側嵌合凸部４ｂと外側嵌合凹部５ｂおよび内側嵌合凸部４ａと内側嵌合凹部５ａが、その凸寸法と凹寸法をほぼ同等にして形成する。さらに、嵌合部９は、外側嵌合凸部４ｂと外側嵌合凹部５ｂの列に対して内側嵌合凸部４ａと内側嵌合凹部５ａの列を１ピッチ分ずらして形成することで、外側嵌合凸部４ｂに内側嵌合凹部５ａが対向して位置するとともに外側嵌合凹部５ｂに内側嵌合凸部４ａが対向して位置する。また、嵌合部９は、単位パネル１０の外周縁部１１の上側と下側とにおいて、外側嵌合凸部４ｂと外側嵌合凹部５ｂの列に対して、内側嵌合凸部４ａと内側嵌合凹部５ａの列を１ピッチ分ずらして形成されている。なお、上述したように、内側嵌合部６と、外側嵌合部７との２列において、凹凸が１ピッチ分ずれるとは、同一周期の矩形波を逆位相で２つ併記した形状をいう。

　また、本発明の実施の形態に係るコンクリート構造物の建造方法（本方法）において、コンクリートパネル１２は、キャビティ２０のコンクリートが固化した後にも解体撤去することなく建造物の壁面構造の一部として用いても良く、いわゆる、ロックセルボード（ＲＣＢ）外断熱工法として知られる工法に応用可能である。その場合、コンクリートパネル１２を構成する単位パネル１０は、独立気泡型発泡合成樹脂により形成されていることが好ましく、いわゆる、ＥＰＳ型枠として知られるものが採用できる。

　また、コンクリートパネル１２（単位パネル１０）をコンクリート躯体の表面に一体化することにより、コンクリートパネル１２の解体工程を不要とする効果を奏する。さらに、コンクリート躯体に一体化したコンクリートパネル１２により、断熱性、遮音性、高気密性、耐火性、耐久性あるいは耐震性の向上を図ったコンクリート構造物を、工期の大幅短縮化を図って形成することを可能とする。

［ボルト・ナット構成等の詳細］
　以下、図５および図６を用いて、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成された横桟７１および縦桟７２の一例と、ボルト・ナット構成６０等の４つの例について説明する。
　図５は、図３の単位パネルを採用した図１および図２の本型枠において、採用可能な支保部材およびそれらを固定するためのボルト・ナット構成を示す図５（Ａ）正面図、図５（Ｂ）カラー併用タイプの断面図である。
　図６は、図５に引き続いてボルト・ナット構成を示す図６（Ｃ）３個使いナット止めタイプの断面図、図６（Ｄ）４個使いナット止めタイプの断面図、図６（Ｅ）規定厚さナット併用タイプの断面図である。

　なお、横桟７１および縦桟７２について、後述する［横桟・縦桟の材料と外形］により、図１および図２に示した第１の実施例と、図５および図６に示した第２の実施例とでは、それぞれの厚さＱおよび凹部Ｒの形状が若干異なるものの同一効果であり、かつ何ら誤解を生じることもないので、同一符号で説明している。

　図５および図６に示すように、支保部材を構成する横桟７１および縦桟７２は、打設されたコンクリートの重量に対抗してコンクリートパネル１２を固定するだけの剛性を有する溝形鋼又は同等の金属材料により構成されることが好ましい。横桟７１および縦桟７２は、それぞれがコンクリートパネル１２の横幅Ｗおよび高さＶに応じた長さであり、数段階の定尺ものが備蓄されている中から選択的に採用され、組み立てられた本支保部材は、その役目を果たすごとにボルト・ナット構成６０を緩めて解体され、無傷で回収され、繰り返して使用される。

　横桟７１と、縦桟７２には、それらが格子状に組み合された交点７３を貫通する取付孔７４が穿設されており、交点７３の孔を貫通する型枠固定棒４０に配設されたボルト・ナット構成６０等により、コンクリートパネル１２が、キャビティ２０の内部方向へと係止されている。型枠固定棒４０には、その一端４１から所定長さだけ中央寄りの位置に躯体側型枠固定材５０が固定されており、その鍔部５１が、コンクリートパネル１２の内側面１２ｂに当接し、コンクリートパネル１２をキャビティ２０の外側方向に支持して位置規制する。その結果、キャビティ２０を形成する隙間Ｘが維持される。

　なお、図１および図２を用いて説明したように、本型枠１００は、型枠固定棒４０の長さ方向の中央部Ｏから両端４１，４２に向けて、それぞれ躯体側型枠固定材５０と、コンクリートパネル１２と、横桟７１と、縦桟７２と、の順に左右対称に配置されている。このように、本型枠１００は、型枠固定棒４０の中央部Ｏから一端４１までの構成と、中央部Ｏから他端４２までの構成と、は対称であることが多いので、型枠固定棒４０の一端４１（図２の左側）についてのみを、詳細に説明することで、他端４２（図２の右側）についても説明したものとする。しかし、本発明は、図２に例示した本型枠１００のように左右対称な形状に限定するものでないことは説明したとおりである。

　また、交点７３に係る横桟７１および縦桟７２の両方に、それぞれ対面する相手の桟の厚さＱの半分ずつと幅Ｐの全部とを相互に受け入れて嵌着可能な凹部Ｒが配設されている。そのため、コンクリートパネル１２の外側面１２ａに対し、先に取り付けられた横桟７１だけでなく、後に取り付けられた縦桟７２も、コンクリートパネル１２の外側面１２ａから浮き上がらずに均等に支持することが可能である。なお、本型枠１００は、横桟７１を先に、縦桟７２を後に取り付けてからボルト・ナット構成６０により締結されているが、その逆に、縦桟７２を先に、横桟７１を後に取り付ける構成であっても構わない。

　図５（Ｂ）に示すように、型枠固定棒４０には、その一端４１から所定長さだけ中央寄りの位置に躯体側型枠固定材５０が固定されている。躯体側型枠固定材５０の鍔部５１が、コンクリートパネル１２の内側面１２ｂに当接するように、コンクリートパネル１２の取付孔１３に型枠固定棒４０が挿入され、その一端４１は、コンクリートパネル１２の外側面１２ａよりも厚さＱ以上の長さだけ突出する。

　横桟７１は、その取付孔７４に型枠固定棒４０の突出した一端４１が挿入されるように取り付けられる。雄ネジ６１が螺設された型枠固定棒４０の突出した一端４１に横桟止めナット６２を軽く締め、コンクリートパネル１２の外側面１２ａに、重ねて横桟７１を取り付ける。型枠固定棒４０の突出した一端４１には、縦桟裏支えカラー６３を嵌着した後、横桟７１に重ねるように縦桟７２が取り付けられる。横桟７１と縦桟７２の厚さ方向の相互位置関係について、縦桟裏支えカラー６３の高さで規定される。その結果、横桟７１と縦桟７２の交点７３が強固に結合される。

　以下、図５（Ｂ）カラー併用タイプに対する、図６（Ｃ）３個使いナット止めタイプ、図６（Ｄ）４個使いナット止めタイプ、図６（Ｅ）規定厚さナット併用タイプの各相違点のみを説明する。
　図６（Ｃ）に示す３個使いナット止めタイプは、図５（Ｂ）カラー併用タイプにおける縦桟裏支えカラー６３に代えて、縦桟裏止めナット６５を用い、横桟止めナット６２との締め込み位置の差分により、横桟７１と縦桟７２の相互位置関係を規定する。したがって、合計３個のナットを使うことになる。

　図６（Ｄ）に示す４個使いナット止めタイプは、横桟７１を取り付ける前に、型枠固定棒４０にコンクリートパネル１２だけを取り付けてパネル仮止めナット６６により固定する。このパネル仮止めナット６６は、コンクリートパネル１２の外側面１２ａに開口する取付孔１３を拡径したパネル仮止めナット収容穴１２ｃに収容されるように締め込まれる。その後、横桟７１を取り付けてから、横桟止めナット６２で締めつけて以降は、図６（Ｃ）３個使いナット止めタイプにおける組み立て要領と同じである。また、横桟止めナット６２と縦桟裏止めナット６５との締め込み位置の差分により、横桟７１と縦桟７２の相互位置関係を規定する。したがって、合計４個のナットを使うことになる。

　図６（Ｅ）に示す規定厚さナット併用タイプは、図６（Ｄ）４個使いナット止めタイプにおける横桟止めナット６２および縦桟裏止めナット６５に代えて、両者の締め込み位置の差分に相当する厚さを有する専用極厚ナット６７だけで、横桟７１と縦桟７２の相互位置関係を規定する。したがって、ナット数は合計３個で、そのうちの１個は専用極厚ナット６７を使うことになる。

［横桟・縦桟の材料と外形］
　横桟７１と縦桟７２の材料は木材、合成樹脂、鉄、ステンレス、アルミ等が好適であり、特に、防錆性や機械的強度が大きなステンレス材等であることが好ましい。このように横桟７１と縦桟７２は、板金等の簡素な部材で類似した形状で構成され繰り返し使用可能な支保部材である。この横桟７１と縦桟７２を格子状に組み合わせてボルト止めした本支保部材、それを用いる本型枠１００および本方法は、組み立てと分解が容易である。その結果、工期の短縮化と部材費の低減により工費を大幅に低減することが可能である。

　横桟７１と縦桟７２の外形寸法は、一例として、溝形鋼でなる桟の幅Ｐが約１５０ｍｍ、桟の厚さ（≒溝の深さ＋鋼の板厚）Ｑが約３０～６０ｍｍに形成されている。また、交点７３の凹部Ｒは、横桟７１および縦桟７２の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さＱの一部又は全部と幅Ｐとを受け入れて嵌着可能に設けられている。

　図１および図２に示した第１の実施例では、長さＷ×幅Ｐ約１５０ｍｍ×厚さＱ約３０ｍｍの横桟７１と、長さＶ×幅Ｐ約１５０ｍｍ×厚さＱ約６０ｍｍの縦桟７２と、を用いている。縦桟７２には、それらの交点７３において、相手の横桟７１と対面する箇所に、幅約１７０ｍｍ×厚さ約３０ｍｍの凹部Ｒが設けられている。この縦桟７２のみに設けられた凹部Ｒに、幅Ｐ約１５０ｍｍ×厚さＱ約３０ｍｍの横桟７１を受け入れて嵌着され、ボルト・ナット機構６０により締結される。

　また、図５および図６に示した第２の実施例では、適宜長さ×幅Ｐ約１５０ｍｍ×厚さＱ約６０ｍｍの横桟７１と、同一形状の縦桟７２と、それらの交点７３において、相互に対面する箇所にそれぞれ、幅Ｐ約１７０ｍｍ×厚さＱ約３０ｍｍの凹部Ｒが設けられている。なお、横桟７１と縦桟７２は、かかる外形寸法の仕様に限定されないことは勿論であり、コンクリート躯体の仕様、形成部位あるいはその他の条件に応じた適宜の仕様により形成され、場合によっては標準規格品に対して切断・切削等の加工を施したものが用いられる。

［単位パネルの材料ほか］
　また、型枠１００は、単位パネル１０が、発泡合成樹脂材、例えば、発泡ポリエチレン樹脂を素材として長方形のパネル体に形成される。単位パネル１０の外形寸法は、一例として、長さが約１８２０ｍｍ、幅が約４６７ｍｍ、厚さが約５０（１０～６０）ｍｍに形成される。なお、単位パネル１０は、かかる外形寸法の仕様に限定されないことは勿論であり、コンクリート躯体の仕様、形成部位あるいはその他の条件に応じた適宜の仕様により形成され、場合によっては標準規格品に対して切断・切削等の加工を施したものが用いられる。

　単位パネル１０は、素材として、例えば、発泡スチロール樹脂、発泡ポリエチレン樹脂あるいは発泡ポリウレタン樹脂等の発泡合成樹脂材を用いてもよい。組み立てられた型枠１００は、キャビティ１０内にコンクリートが打設される。打設されたコンクリートが乾燥する際、単位パネル１０は、かかる発泡合成樹脂材を素材とすることによりコンクリートが内部に入り込んで硬化してコンクリート躯体と強固に一体化する。単位パネル１０は、上述した素材を用いることにより、簡易に加工することが可能であるとともに軽量であることから運搬や設置等の取扱いが簡便であり、また、コンクリート躯体の表面に一体化することにより上述した断熱性等の特性を発揮させることができる。

　型枠１００は、コンクリートパネル１２の解体工程を不要とし、コンクリート躯体と一体化したコンクリートパネル１２により断熱性、遮音性、高気密性、耐火性、耐久性あるいは耐震性の向上を図ったコンクリート構造物を工期の大幅短縮化を図って形成することを可能とする。

　また、図示は省略するが、本型枠１００を用いて比較的広い壁面をコンクリート打設する場合、コンクリートが固化するまでの間は、キャビティ２０が膨らむ方向への膨張応力および壁の垂直面が湾曲したり倒れたりする変形応力に対抗するように、格子状の横桟７１および縦桟７２の外側から、壁面の倒壊防止用に斜め桟等が適宜に使用される。それらの結果、本型枠１００は、打設されたコンクリートの重量にも耐えて形状が維持される。

　一方、本型枠１００を用いて比較的狭い壁面をコンクリート打設する場合、格子状の横桟７１および縦桟７２の外側を斜め桟等でことさら強固に固定しなくても、本型枠１００は打設されたコンクリートの重量に耐えて、形状が維持されることが実証されている。その理由として、本型枠１００で狭い壁面を形成する場合、キャビティ２０内に打設されるコンクリートの重量も軽いため、それによる膨張応力に対抗する強度は、格子状の横桟７１および縦桟７２だけで、確保されているからである。

　すなわち、斜め桟等で強固に固定されなくとも、本型枠１００が膨張方向へ破壊又は変形する危険性は少ない。したがって、コンクリート壁を倒す方向の僅かな応力に対抗する不図示の斜め桟等があれば十分である。特に、比較的狭い壁面が、大きめの壁面に対し平面視で直角に延在するコンクリート構造体を本型枠１００で構築する場合、狭いコンクリート壁面を形成するための本型枠１００は、倒れ方向に対する対抗処置が不要であることが実証されている。

　以上説明したように、本発明に係る支保部材、コンクリート打設用型枠およびコンクリート構造物の建造方法によれば、簡素な部材による類似した形状で構成され繰り返し使用可能な支保部材（横桟、縦桟およびボルト・ナット構成ほか）を用いることにより、型枠の組み立てと分解が容易である。その結果、工期の短縮化と部材費の低減により工費を大幅に低減することが可能である。なお、本発明に係る支保部材は、サイズを変更するだけでベニヤ板等による普通型枠、ＥＰＳ型枠、ロックセル型枠、その他全ての型枠パネルに使用可能とする汎用化の目的も達成できる。

１　鉄筋、２　内側領域、３　外側領域、４　嵌合凸部、４ａ　内側嵌合凸部、４ｂ　外側嵌合凸部、５　嵌合凹部、５ａ　内側嵌合凹部、５ｂ　外側嵌合凹部、６　内側嵌合部、７　外側嵌合部、９　嵌合部、１０　単位パネル、１１　外周縁部、１１ａ　連結部、１２　コンクリートパネル、１２ａ　外側面、１２ｂ　内側面、１２ｃ　パネル仮止めナット収容穴、１３，７４　取付孔、２０　キャビティ、４０　型枠固定棒、４１，４２　（型枠固定棒４０の）端部、５０　躯体側型枠固定材、５１　鍔部、６０　ボルト・ナット構成（係止手段）、６１　雄ネジ、６２　横桟止めナット、６３　縦桟裏支えカラー、６４　縦桟止めナット、６５　縦桟裏止めナット、６６　パネル仮止めナット、６７　専用極厚ナット、７０　柱状支保桟、７１　横桟、７２　縦桟、７３　交点、１００　コンクリート打設用型枠（本型枠）、Ｇ　（単位パネル１０の）厚さ、Ｈ　（嵌合凹部５の）開口寸法、Ｏ　（型枠固定棒４０の長さ方向の）中央部、Ｐ　桟の幅、Ｑ　桟の厚さ、Ｒ　（交点７３の）凹部、Ｖ　（コンクリートパネル１２の）高さ、Ｗ　（コンクリートパネル１２の）横幅、Ｘ　隙間、Ｙ　（キャビティ２０）の壁芯、Ｚ　（単位パネル１０の）長さ方向

Claims (9)

1. 　コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティを設けるコンクリートパネルの外側面を支持して繰り返し使用可能な支保部材であって、
   　前記コンクリートパネルの横幅に応じた長さの複数の横桟と、
   　前記コンクリートパネルの高さに応じた長さの複数の縦桟と、
   　それぞれ平行な複数の前記横桟および前記縦桟が格子状に組み合された交点を貫通して前記キャビティの内部方向へと係止するボルト・ナット構成と、
   　を備え、
   　前記交点に係る前記横桟および前記縦桟の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さの一部又は全部と幅とを受け入れて嵌着可能な凹部を設け、
   　前記横桟および前記縦桟は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、
   　前記格子状に組み合された前記横桟および前記縦桟は、前記コンクリートパネルの外側面にそれぞれ等間隔で接触することを特徴とする支保部材。
2. 　コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティを設けるコンクリートパネルを支持して繰り返し使用可能な支保部材により固定されるコンクリート打設用型枠であって、
   　前記支保部材は、
   　前記コンクリートパネルの横幅に応じた長さの複数の横桟と、
   　前記コンクリートパネルの高さに応じた長さの複数の縦桟と、
   　それぞれ平行な複数の前記横桟および前記縦桟が格子状に組み合された交点を貫通して前記キャビティの内部方向へと係止するボルト・ナット構成と、
   　前記コンクリートパネルおよび前記交点に位置合わせして穿設された取付孔を貫通する型枠固定棒と、
   　前記型枠固定棒の所定位置に係止されて前記キャビティの内側から外側方向に前記コンクリートパネルを支持する躯体側型枠固定材と、
   　を備え、
   　前記交点に係る前記横桟および前記縦桟の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さの一部又は全部と幅とを受け入れて嵌着可能な凹部を設け、
   　前記横桟および前記縦桟は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、
   　前記格子状に組み合された前記横桟および前記縦桟は、前記コンクリートパネルの外側面にそれぞれ等間隔で接触し、
   　前記型枠固定棒の長さ方向の中央部から一端に向けて、前記躯体側型枠固定材と、前記コンクリートパネルと、前記支保部材と、の順に配置して形成され、
   　前記ボルト・ナット構成は前記型枠固定棒の少なくとも一端に形成されていることを特徴とするコンクリート打設用型枠。
3. 　前記コンクリートパネルは、凹凸を形成する輪郭により隣接する外周縁部どうしが嵌合可能な同一又は類似形状の単位パネルを適宜連結して構成されることを特徴とする請求項２に記載のコンクリート打設用型枠。
4. 　前記型枠固定棒の前記中央部から前記一端までの構成と、前記中央部から他端までの構成と、は対称であることを特徴とする請求項２又は３に記載のコンクリート打設用型枠。
5. 　前記単位パネルは、独立気泡型発泡合成樹脂により形成されていることを特徴とする請求項２又は３に記載のコンクリート打設用型枠。
6. 　前記単位パネルは、外周縁部に嵌合部が形成されるとともに、相対する嵌合部を嵌合することにより前記外周縁部を突き合わせて多数枚が上下左右に組み合わされて設置され、
   　前記嵌合部は、前記単位パネルの厚さ方向に区分けした内側領域と外側領域のそれぞれに、嵌合凸部と、この嵌合凸部とほぼ同等の開口寸法を有する嵌合凹部を長さ方向の全域に亘って交互に形成してなる内側嵌合部と外側嵌合部から構成されるとともに、これら内側嵌合部と外側嵌合部の前記嵌合凸部と前記嵌合凹部とが１ピッチ分ずれて対向位置に形成されることを特徴とする請求項２又は３に記載のコンクリート打設用型枠。
7. 　コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティを設けるコンクリートパネルの外側面を支持する支保部材を繰り返し使用するコンクリート構造物の建造方法であって、
   　前記支保部材は、
   　前記コンクリートパネルの横幅に応じた長さの複数の横桟と、
   　前記コンクリートパネルの高さに応じた長さの複数の縦桟と、
   　それぞれ平行な複数の前記横桟および前記縦桟が格子状に組み合された交点を貫通して前記キャビティの内部方向へと係止するボルト・ナット構成と、
   　を備え、
   　前記交点に係る前記横桟および前記縦桟の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さの一部又は全部と幅とを受け入れて嵌着可能な凹部を設け、
   　前記横桟および前記縦桟は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、
   　前記格子状に組み合された前記横桟および前記縦桟は、前記コンクリートパネルの外側面にそれぞれ等間隔で接触することを特徴とするコンクリート構造物の建造方法。
8. 　コンクリートを打設する所定の空間としてキャビティを設けるコンクリートパネルを支持して繰り返し使用可能な支保部材により固定されるコンクリート打設用型枠を用いたコンクリート構造物の建造方法であって、
   　前記支保部材は、
   　前記コンクリートパネルの横幅に応じた長さの複数の横桟と、
   　前記コンクリートパネルの高さに応じた長さの複数の縦桟と、
   　それぞれ平行な複数の前記横桟および前記縦桟が格子状に組み合された交点を貫通して前記キャビティの内部方向へと係止するボルト・ナット構成と、
   　前記コンクリートパネルおよび前記交点に位置合わせして穿設された取付孔を貫通する型枠固定棒と、
   　前記型枠固定棒の所定位置に係止されて前記キャビティの内側から外側方向に前記コンクリートパネルを支持する躯体側型枠固定材と、
   　を備え、
   　前記交点に係る前記横桟および前記縦桟の少なくともいずれかには、それぞれ対面する相手の桟の厚さの一部又は全部と幅とを受け入れて嵌着可能な凹部を設け、
   　前記横桟および前記縦桟は、溝形鋼又は同等形状の金属材料により構成され、
   　前記格子状に組み合された前記横桟および前記縦桟は、前記コンクリートパネルの外側面にそれぞれ等間隔で接触し、
   　前記型枠固定棒の長さ方向の中央部から一端に向けて、前記躯体側型枠固定材と、前記コンクリートパネルと、前記支保部材と、の順に配置して形成され、
   　前記ボルト・ナット構成は前記型枠固定棒の少なくとも一端に形成されていることを特徴とするコンクリート構造物の建造方法。
9. 　前記コンクリートパネルは、前記キャビティに打設されたコンクリートが固化した後にも解体撤去されることなく建造物の一部となすことを特徴とする請求項７又は８に記載のコンクリート構造物の建造方法。

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