WO2016186112A1 - 工具ボデー及び切削工具 - Google Patents

Abstract

本発明は、少なくとも１つのインサート座２が形成されている工具ボデー１である。インサート座２は、底壁面４と側壁面５とを備える。側壁面５は、第１の側壁面５ａと側壁面５ｂとを備える。第１の側壁面５ａは、少なくとも２つの面部分５ａ１、５ａ２を備える。第１の面部分５ａ１は凹状の湾曲面であり、第２の面部分５ａ２は第１の面部分５ａ１よりも曲率半径の大きな凹状の湾曲面又は平坦面である。２つの面部分５ａ１、５ａ２はいずれも、切削インサートと当接する。

Description

工具ボデー及び切削工具

　本発明は、複数の種類の切削インサートが着脱自在に装着可能な工具ボデーと、そのような切削インサートが装着された切削工具と、に関する。

　従来、金型などの三次元的な形状を加工するための刃先交換式回転切削工具として、特許文献１に開示されているような工具が存在する。特許文献１に記載の切削インサートは、切り込み量を小さくし且つ送り速度を高めた加工、いわゆる、高送り加工を可能とする切れ刃形状を有している。そのため、この切削インサートは、被削材を高能率に荒加工するのに適している。

　一方、三次元的な形状を加工するための他の刃先交換式回転切削工具の一例が、特許文献２に開示されている。特許文献２に記載の切削インサートは、上面視にて、切れ刃が外方に突出する略円弧状をなしている。このような刃形の切削インサートを装着した刃先交換式回転切削工具は、一般的に、ラジアスカッタ（またはラジアスエンドミル）と呼ばれる。一般的に、ラジアスカッタは、ならい加工などの三次元的な加工において略円弧状の切れ刃が被削材の加工表面を精度良く切削することが可能であるので、荒加工のみでなく仕上げ加工にも適している。

国際公開第２０１０／１１４０９４号 特開２００５－０４０９２４号公報

　特許文献１の切削インサートは、刃先交換式回転切削工具において高送り加工を実現するために、切り込み角が非常に小さく設定され且つ主切れ刃が上面視にて略直線状であるので、仕上げ加工での使用には不向きである。すなわち、特許文献１の切削インサートを用いて、ならい加工などの三次元的な加工を行った場合、削り残しが生じることがある。

　これに対し、特許文献２の切削インサートは、ラジアスカッタ用の略円弧状切れ刃を有しているので、仕上げ加工には好適である。しかしながら、特許文献２の切削インサートは、特許文献１の切削インサートが装着された切削工具にて好適に行われる高送り加工には向いていない。

　これらの事情から、金型製作などの三次元加工において荒加工と仕上げ加工を順に行うためには、特許文献１及び特許文献２の両方の工具を使用することが求められる。この際に、特許文献１の切削インサートと特許文献２の切削インサートとは、当然ながら異なる種類の工具ボデーに装着されるために、２種類の工具ボデーが必要とされる。そのため、使用する工具ボデーの種類が増加し、在庫管理に大きな負担がかかるといった問題が生じていた。

　本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の種類の切削インサートを着脱自在に装着可能な工具ボデーと、そのような切削インサートが装着された切削工具と、を提供することを目的とする。

　本発明は、少なくとも１つのインサート座を有し、形状の異なる切削インサートを装着することが可能な工具ボデーであって、前記インサート座は、底壁面と側壁面とを備えるとともに、前記底壁面又は該底壁面を延長した面と、前記側壁面又は該側壁面を延長した面とが交差した構成を有し、前記側壁面は、前記切削インサートの周側面と当接可能な少なくとも２つの面部分を備え、前記２つの面部分のうち、第１の面部分は凹状の湾曲面であり、第２の面部分は前記第１の面部分よりも曲率半径の大きな凹状の湾曲面又は平坦面である、工具ボデーである。

　さらに、本発明は、上記の工具ボデーと、そのインサート座に着脱自在に装着された切削インサートと、を備え、前記切削インサートは、第１の端面と、該第１の端面に対向して配置された第２の端面と、該第１及び第２の端面の間に延在する周側面と、を有し、前記第１の端面と前記周側面との交差稜線部に切れ刃を有しており、前記周側面の一部分は、前記インサート座の第１の壁面のうち、前記第２の面部分と当接する、切削工具である。

　また、本発明は、上記の工具ボデーと、そのインサート座に着脱自在に装着された切削インサートと、を備え、前記切削インサートは、第１の端面と、該第１の端面に対向して配置された第２の端面と、該第１及び第２の端面の間に延在する周側面と、を有し、前記第１の端面と前記周側面との交差稜線部に切れ刃を有しており、前記周側面の一部分は、前記インサート座の第１の壁面のうち、前記第１の面部分と当接する、切削工具である。

　本発明によると、複数の種類の切削インサートを着脱自在に装着可能な工具ボデーと、そのような切削インサートが装着された切削工具と、を提供することが可能となる。

本発明の工具ボデーの一実施形態の斜視図を示す。 本発明の工具ボデーの一実施形態の側面図を示す。 本発明の工具ボデーの一実施形態の先端面図を示す。 図１から３に示されている工具ボデーのインサート座付近の拡大斜視図を示す。 図１から３に示されている工具ボデーのインサート座付近を、インサート座の底面に直角に対向する方向から見たときの拡大側面図を示す。 第１の切削インサートの正面図を示す。 第１の切削インサートの、短手側側面方向から見たときの側面図を示す。 第１の切削インサートの、長手側側面方向から見たときの側面図を示す。 第２の切削インサートの正面図を示す。 第２の切削インサートの、短手側側面方向から見たときの側面図を示す。 第２の切削インサートの、長手側側面方向から見たときの側面図を示す。 第１の切削インサートを装着した刃先交換式切削工具において、インサート座付近をインサート座の底面に垂直な方向から見たときの拡大側面図を示す。 図１２におけるＸＩＩＩ－ＸＩＩＩ断面図を示す。 図１２におけるＸＩＶ－ＸＩＶ断面図を示す。 図１２におけるＸＶ－ＸＶ断面図を示す。 第２の切削インサートを装着した刃先交換式切削工具において、インサート座付近をインサート座の底面に垂直な方向から見たときの拡大側面図を示す。 図１６におけるＸＶＩＩ－ＸＶＩＩ断面図を示す。 図１６におけるＸＶＩＩＩ－ＸＶＩＩＩ断面図を示す。 図１６におけるＸＩＸ－ＸＩＸ断面図を示す。

　以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

　本実施形態の工具ボデー１は、図１から５に示されているように、先端部８から後端部９にかけて工具ボデー１を通るように定められる回転中心軸線Ｏを有する、略円筒状の全体形状を有している。工具ボデー１の先端部８の周囲には、２つのインサート座２が回転中心軸線Ｏを中心として周方向に等間隔に配置されている。しかし、本発明はこれに限定されることはない。インサート座２の数は１つでも３つ以上形成されていてもよい。また、複数のインサート座２は周方向において不等間隔で配置されていてもよい。これらのインサート座２は、工具ボデー１の先端部８側及び外周側に向けて開いており、いずれも同一の形状を有している。また、各々のインサート座２に隣接して、切りくずポケット３が形成されている。

　各々のインサート座２は、底壁面４と、側壁面５と、を有する。底壁面４は、回転中心軸線Ｏを中心とした工具回転方向Ｋ前方を向くように形成された面である。一方、側壁面５は、底壁面４に対して所望の角度で交差するように形成された面である。底壁面４と側壁面５とは接続しておらず、それらの間にはぬすみ部６が形成されている。したがって、実際には、底壁面４を延長した面と、側壁面５を延長した面と、が交差していることになる。さらに、側壁面５は、工具ボデー１の先端部８側を向いた第１の側壁面５ａと、工具ボデー１の外周側を向いた第２の側壁面５ｂと、から構成されている。第１の側壁面５ａと第２の側壁面５ｂとは接続しておらず、それらは離間して配置されている。また、底側面４にはねじ穴７が形成されている。

　底壁面４は１つの平面よりなっており、装着される切削インサートの形状に合わせた形状及び大きさを有している。第２の側壁面５ｂは１つの平坦な面よりなっており、中心軸線Ｏが伸長する方向に長い略長方形状を有している。これに対し、第１の側壁面５ａは、複数の種類の面が組み合わさって構成されている。より詳細には、第１の側壁面５ａは、第１の面部分５ａ１と、第２の面部分５ａ２と、第３の面部分５ａ３と、から構成されている。本実施形態においては、第３の面部分５ａ３、第１の面部分５ａ１、第２の面部分５ａ２という順番で、中心軸線Ｏ側から工具外周側に向かって並んでいる。第３の面部分５ａ３は、最も中心軸線Ｏ側に位置しており、１つの平坦な面よりなる。第１の面部分５ａ１は、第３の面部分５ａ３に接続しているのであるが、第３の面部分５ａ３とは異なり、工具ボデー１の後端部９側に凹状に湾曲した湾曲面よりなる。第２の面部分５ａ２は、第１の面部分５ａ１の、第３の面部分５ａ３とは反対の側に接続した、１つの平坦な面よりなる。したがって、第２の面部分５ａ２は、最も外周側に位置していることになる。また、本実施形態にて、第１の面部分５ａ１は、底壁面４に対向する方向からインサート座２を見て、第１の側壁面５ａの略中央の領域を含む位置に配置されている。ここでいう「略中央」とは、中心軸線Ｏに対して略直角に交差する方向における、側壁面５ａの中央付近の領域のことを指す。

　図５に示されているように、底壁面４に直角に対向する方向から見て、第２の側壁面５ｂは、中心軸線Ｏに対して略平行の位置関係にある。一方、第１の側壁面５ａにおいては、第３の面部分５ａ３は、中心軸線Ｏに対して略直角の位置関係にある。また、第２の面部分５ａ２は、工具外周側ほど工具先端部８に近づくように、中心軸線Ｏに対して傾斜している。第１の面部分５ａ１は、第２の面部分５ａ２と接続している側が第３の面部分５ａ３と接続している側よりも工具ボデー１の先端部８に近づくように、全体的に傾いて配置されている。

　次に、工具ボデー１に装着される２種類の切削インサート１１、２１について説明する。

　第１の切削インサート１１は、図６から図８に示されているように、実質的に対向する、つまり互いに対して実質的に反対側にある第１の端面１２及び第２の端面１３と、それらの間に延在する周側面１４とを備えている。第１の端面１２及び第２の端面１３は、図６の平面視で、略六角形形状である。より具体的には、図６において破線で示された略四角形部分１７と、略四角形部分１７の対向する２つの短辺に接合した２つの略三角形部分１８と、からなる形状である。略三角形部分１８は、２つの直線状の斜辺１８ａと１つの直線状の底辺１８ｂとにより概ね構成された二等辺三角形形状を有しており、この底辺１８ｂとは略四角形部分１７の短辺に相当する。したがって、前述した略六角形形状とは、互いに底辺１８ｂを共有することがない２つの略三角形部分１８を２つの略直線状部分１９（略四角形部分１７の長辺に相当）でつないだ形状と言うこともできる。また、略三角形部分１８の２つの斜辺１８ａの接続部１８ｃは、円弧形状とされている。また、２つの略三角形部分１８は、互いに同じ形状を有している。

　本実施形態において、２つの略三角形部分１８をつなぐ外形部分は略直線状部分１９であるが、この形状に限定されることはなく、平面視つまり上面視にて、切削インサート外方に向かって突出するような形状であってもよいし、切削インサートの内方に向かって凹むような形状であってもよい。

　ここで、第１の端面１２及び第２の端面１３の略中央を貫通し且つそれらに対し略直角に延びる基準軸線Ａ１を定義する。切削インサート１１は、基準軸線Ａ１に対して、１８０°回転対称な形状、すなわち２回回転対称な形状に形成されている。また、取付穴１６が２つの端面１２、１３を貫通するように形成されていて、取付穴１６の中心軸線が切削インサート１１の基準軸線Ａ１と一致するように配置されている。基準軸線Ａ１は、第１の端面１２に対して直角に延びる。第１の端面１２と第２の端面１３とは略平行に配置される。切削インサート１１は、２つの端面１２、１３を入れ替えるように、基準軸線Ａと直交する軸線周りに１８０°回転させたときにも、同一の形状になるように形成されている。また、周側面１４は２つの端面１２、１３に対して略直角に交差している。したがって、本実施形態の切削インサート１１は、いわゆる、逃げ角が０°のネガティブタイプである。

　本実施形態の切削インサート１１において、第１の端面１２及び第２の端面１３の各々と周側面１４との交差稜線部には、それに沿って、切れ刃１５が形成されている。すなわち、本実施形態の切削インサートは、第１及び第２の端面１２、１３の両方を切削に使用することが可能な、両面使いタイプである。第１の端面１２の切れ刃１５が切削に使用される場合、第１の端面１２はすくい面となり、第２の端面１３は着座面となり、周側面１４は逃げ面又は当接面となる。一方、第２の端面１３の切れ刃１５が切削に使用される場合、第２の端面１３はすくい面となり、第１の端面１２は着座面となり、周側面１４は逃げ面又は当接面となる。着座面及び当接面とは、工具ボデー１のインサート座２と当接する部分を有する面であることを意味する。各切れ刃１５は、対応する端面の１つの略三角形部分１８に対応付けられている。各端面には２つの略三角形部分１８があるので、２つの切れ刃１５が形成されている。２つの切れ刃１５は、基準軸線Ａ１に対して、１８０°回転対称に配置されている。

　これより、上述のごとく２つの端面１２、１３は基準軸線Ａと直交する軸線周りに１８０°回転させたときに同一の形状になるように形成されているので、本実施形態の切削インサート１１について、第１の端面１２に関してのみ説明する。切れ刃１５は、２つの部分１５ａ、１５ｂから概してなる。切れ刃１５において、図６の平面視で略三角形部分１８の斜辺１８ａに対応する部分を直線状切れ刃１５ａと呼び、略三角形部分１８の２つの斜辺１８ａが交差する接続部１８ｃを湾曲状切れ刃１５ｂと称する。直線状切れ刃１５ａは、被削材加工面の側壁面を切削する主切れ刃として機能するように構成されている。一方、湾曲状切れ刃１５ｂは、被削材加工面の底壁面を切削する副切れ刃として機能するように構成されている。本実施形態の切削インサート１１では、図６に示されるように、副切れ刃１５ｂの内角の二等分線Ｌ１上における副切れ刃１５ｂの接線Ｌ２と、主切れ刃１５ａと、がなす内角θ（すなわち、コーナ角）が、７０度である。したがって、切削インサート１１を工具ボデーに装着したときに、主切れ刃１５ａと被削材表面とがなす角度（切込角（≒９０°－θ））を小さくすることが可能であるので、切削インサート１１は高送り加工において好適に使用され得る。また、高送り加工を好適に実行するためには、コーナ角θは６０度以上８０度以下の範囲にあることが好ましい。また、切れ刃１５の各寸法も、被加工物の形状などに応じて適時調整される。

　ここで、基準軸線Ａ１に直交すると共に周側面１４を通過する仮想平面を中間面Ｍ１として定める。中間面Ｍ１は、切削インサート１１を略２等分する。図７及び図８の側面視において明らかなように、直線状切れ刃１５ａは、湾曲状切れ刃１５ｂから離れるにしたがい、概ね中間面Ｍ１から離れるように延在する。そして、直線状切れ刃１５ａは、略直線状部分１９との交差部近傍に、最も中間面Ｍ１から離れる部分を有する。そして、湾曲状切れ刃１５ｂは直線状切れ刃１５ａから離れるにしたがい、中間面Ｍ１に近づくように延在する。なお、直線状切れ刃１５ａとしての斜辺１８ａでない、もう一方の斜辺１８ａは、隣接する湾曲状切れ刃１５ｂから離れるにしたがい、中間面Ｍ１に近づくように延在する。

　切削インサート１１は、第１の端面１２側に２組の、すなわち２つの切れ刃１５が形成されている。したがって、主切れ刃１５ａと副切れ刃１５ｂを１つの切れ刃セクションとするとき、それは第１及び第２の端面１２、１３にそれぞれ２つずつ形成されている。本実施形態の切削インサート１１は、第２の端面１３と周側面１４との交差稜線部にも、第１の端面１２側と同様に、切れ刃１５が形成されている。それぞれの切れ刃１５は、第１の端面１２と第２の端面１３とを入れ替えるように、基準軸線Ａ１と直交する軸線周りに１８０°回転させたときに、同一の形状になるように形成されている。つまり、切れ刃１５は合計４組が形成されている。したがって、この切削インサート１１は、第１の端面１２側で２回、第２の端面１３側で２回の、少なくとも４回使用できる経済的な切削インサートである。

　第２の切削インサート２１は、図９から図１１に示されているように、実質的に対向する、つまり互いに対して実質的に反対側にある第１の端面２２及び第２の端面２３と、それらの間に延在する周側面２４とを備えている。第１の端面２２及び第２の端面２３は、図９の平面視で、略角丸四角形状である。略角丸四角形とは、図９において破線で示された略四角形部分２７と、その対向する２つの辺に接合した２つの略半円形状部分２８と、からなる形状である。言い換えれば、各々が中心を共有しない２つの略半円形状部分２８を２つの略直線状部分２９でつないだ形状である。各々の略半円形状部分２８と略直線状部分２９とは、なめらかに正接する。また、２つの略半円形状部分２８は、互いに同じ形状である。

　本実施形態において、２つの略半円形状部分２８をつなぐ外形部分は略直線状部分２９であるが、この形状に限定されることはなく、平面視つまり上面視にて、切削インサート外方に向かって突出するような形状であってもよいし、切削インサートの内方に向かって凹むような形状であってもよい。

　ここで、第１の端面２２及び第２の端面２３の略中央を貫通し且つそれらに対し略直角に延びる基準軸線Ａ２を定義する。切削インサート２１は、基準軸線Ａ２に対して、１８０°回転対称な形状、すなわち２回回転対称な形状に形成されている。すなわち図９の平面視において、２つの略半円形状部分２８の各々の円弧の中心は、基準軸線Ａ２から同じ距離だけ正反対の方向に離間している。なおかつ、図９において２つの略半円形状部分２８の円弧の曲率半径は同一である。また、取付穴２６が２つの端面２２、２３を貫通するよう形成されていて、取付穴２６の中心軸線が切削インサート２１の基準軸線Ａ２と一致するように配置されている。基準軸線Ａ２は、第１の端面２２に対して略直角に延びる。第１の端面２２と第２の端面２３とは略平行に配置される。切削インサート２１は、２つの端面２２、２３を入れ替えるように、基準軸線Ａ２と直交する軸線周りに１８０°回転させたときにも、同一の形状になるように形成されている。また、周側面２４は２つの端面２２、２３に対して略直角に交差している。したがって、本実施形態の切削インサート２１は、いわゆる、逃げ角が０°のネガティブタイプである。

　本実施形態の切削インサート２１において、第１の端面２２及び第２の端面２３と周側面２４との交差稜線部には、それに沿って、切れ刃２５が形成されている。すなわち、本実施形態は、第１及び第２の端面２２、２３の両方を切削に使用することが可能な、両面使いタイプである。第１の端面２２の切れ刃２５が切削に使用される場合、第１の端面２２はすくい面となり、第２の端面２３は着座面となり、周側面２４は逃げ面又は当接面となる。一方、第２の端面２３の切れ刃２５が切削に使用される場合、第２の端面２３はすくい面となり、第１の端面２２は着座面となり、周側面２４は逃げ面又は当接面となる。着座面及び当接面とは、工具ボデー１のインサート座２と当接する部分を有する面であることを意味する。

　これより、本実施形態の切削インサート２１について、第１の端面２２に関してのみ説明する。切れ刃２５は、２つの部分２５ａ、２５ｂから概してなる。前述のとおり、第１の端面２２の輪郭形状は、略半円形状部分２８と略直線状部分２９とを有する。切れ刃２５において、平面視で略半円形状部分２８に対応する切れ刃２５の部分を円弧状切れ刃２５ａと呼び、略直線状部分２９に対応する切れ刃２５の部分を直線状切れ刃２５ｂと称する。平面視において、円弧状切れ刃２５ａの、それに沿った長さは、直線状切れ刃２５ｂの、その長さよりも長くなるように形成される。すなわち切れ刃２５は、円弧状切れ刃２５ａが主体的に機能するように構成される。本実施形態の切削インサート２１において、円弧状切れ刃２５ａの円弧の曲率半径Ｒは、平面視において約４ｍｍとされているが、これに限定されない。切れ刃２５の各寸法は、被加工物の形状などに応じて適時調整される。また、切れ刃２５は、第１の端面２２と周側面２４との交差稜線部の全域にわたって形成されてもよいし、交差稜線部の一部のみに形成されても構わない。

　ここで、基準軸線Ａ２に直交すると共に周側面２４を通過する仮想平面を中間面Ｍ２として定める。中間面Ｍ２は、切削インサート２１を略２等分する。図１０及び図１１の側面視において明らかなように、曲線状切れ刃２５ａは、直線状切れ刃２５ｂから離れるにしたがい、概ね中間面Ｍ２から離れるように延在する。そして、曲線状切れ刃２５ａは、自らの中央付近の位置で最も中間面Ｍ２から離れる部分を有する。そして、曲線状切れ刃２５ａは、さらに直線状切れ刃２５ｂから離れるにしたがい、中間面Ｍ２に近づくように延在する。

　切削インサート２１は、第１の端面２２側に２組の、すなわち２つの切れ刃２５が形成されている。したがって、円弧状切れ刃２５ａと直線状切れ刃２５ｂを１つの切れ刃セクションとするとき、それは上下面にそれぞれ２つずつ形成されている。本実施形態の切削インサート２１は、第２の端面２３と周側面２４との交差稜線部にも、第１の端面２２側と同様に、切れ刃２５が形成されている。それぞれの切れ刃２５は、第１の端面２２と第２の端面２３とを入れ替えるように、基準軸線Ａ２と直交する軸線周りに１８０°回転させたときに、同一の形状になるように形成されている。つまり、切れ刃２５は合計４組が形成されている。したがって、この切削インサート２１は、第１の端面２２側で２回、第２の端面２３側で２回の、少なくとも４回使用できる経済的な切削インサートである。

　切削インサート１１、２１は、それぞれ、超硬合金、サーメット、セラミック、ダイヤモンドあるいは立方晶窒化硼素を含有する超高圧焼結体といった硬質材料、又はそれらにＰＶＤまたはＣＶＤコーティングを施したものから作製されることができる。

　次に、工具ボデー１に第１の切削インサート１１又は第２の切削インサート２２を装着した刃先交換式回転切削工具３１について説明する。

　第１の切削インサート１１は、図１２に示されているように、工具ボデー１のインサート座２に対して、機械的取り付け手段であるクランプ部材３２を用いて着脱自在に装着される。この実施形態の刃先交換式回転切削工具３１は、クランプ部材３２として締め付けねじを用いるが、これに限定されることはない。切削インサート１１は、工具ボデー１の全てのインサート座２に装着される。

　第１の端面１２に形成された１つの切れ刃１５が切削に関与するように切削インサート１１が装着されるとき、切削インサート１１の第２の端面１３はインサート座２の底壁面４に当接し、切削インサート１１の周側面１４はインサート座２の側壁面５に当接する。周側面１４と側壁面５との当接について、より詳細には、周側面１４は第２の側壁面５ｂの全体に当接する。これに対し、第１の側壁面５ａに関しては、図１３から１５に示されているように、周側面１４は第２の面部分５ａ２のみに当接する。すなわち、周側面１４は、第１の側壁面５ａのうち、第１の面部分５ａ１及び第３の面部分５ａ３とは当接していない。

　第２の切削インサート２１は、図１６に示されているように、工具ボデー１のインサート座２に対して、（第１の切削インサート１１を装着したときに用いたものと同一の）機械的取り付け手段であるクランプ部材３２を用いて着脱自在に装着される。切削インサート２１は、工具ボデー１の全てのインサート座２に装着される。この工具ボデー１は、第１の切削インサート１１が装着された工具ボデー１と同じものである。

　第１の端面２２に形成された切れ刃２５が切削に関与するように切削インサート２１が装着されるとき、切削インサート２１の第２の端面２３がインサート座２の底壁面４に当接し、切削インサート１１の周側面２４がインサート座２の側壁面５に当接する。周側面２４と側壁面５との当接について、周側面２４は第２の側壁面５ｂとは全面的に当接している。これに対し、第１の側壁面５ａに関しては、図１７から図１９に示されているように、周側面２４は第１の面部分５ａ１のみと当接している。すなわち、周側面２４は、第１の側壁面５ａのうち、第２の面部分５ａ２及び第３の面部分５ａ３とは当接しない。周側面２１のうち、第１の面部分５ａ１と当接している部分は、略半円形状部分２８における湾曲した側面部分である。

　ここまでに説明された工具ボデー１及び切削インサート１１、２１が装着された刃先交換式回転切削工具３１の作用及び効果に関して以下に説明する。

　前述したようにインサート座２の第１の側壁面を構成することによって、同一の工具ボデー１に対して、高送り加工用の刃形を有する切削インサート１１と、ラジアスカッタ用の刃形を有する切削インサート２１の両方を装着することが可能となる。
　具体的には、高送り加工用の刃形を有する切削インサート１１を工具ボデー１に装着する場合、切削インサート１１の短手側にある周側面１４の部分と、第１の側壁面５ａのうち平坦面である第２の面部分５ａ２と、が互いに対して当接する。この短手側の周側面１４の部分は、第１の端面１２又は第２の端面１３に形成された直線状切れ刃（主切れ刃）１５ａにならって平坦面であるために、平坦面である第２の面部分５ａ２と当接することになる。したがって、切削インサート１１は第１の側壁面５ａと十分にしっかりと接触することができるので、切削インサート１１を強固に固定することが可能である。
　一方、ラジアスカッタ用の刃形を有する切削インサート２１を工具ボデー１に装着する場合、切削インサート２１の短手側にある周側面２４の部分と、第１の側壁面５ａのうち湾曲面である第１の面部分５ａ１と、が互いに対して当接する。この周側面２４の部分は、第１の端面２２又は第２の端面２３に形成された円弧状切れ刃２５ａにならって湾曲面であるために、湾曲面である第１の面部分５ａ１と当接することになる。したがって、切削インサート１１は第１の側壁面５ａと十分にしっかりと接触することができるので、切削インサート１１を強固に固定することが可能である。
　そして、インサート座２に装着されたとき、２種類の切削インサート１１、２１はともに、第２の側壁面５ｂに対しては、各々の平坦な周側面１４、２４の部分（略直線状部分９に隣接する側面部分又は略直線状部分２９に隣接する側面部分）を当接させている。
　このように、本実施形態においては、インサート座２の第１の側壁面５ａと当接する部分の形状が異なる二種類の切削インサート１１、２１を、一種類の工具ボデー１に対して強固に装着することが可能である。したがって、工具ボデーを管理するコスト及び労力が大幅に軽減することができる。

　本実施形態において、一方の切削インサート１１が高送り加工用であり、他方の切削インサート２１がラジアスカッタ用であるが、これに限定されることはない。すなわち、一方の切削インサートは第１の側壁面５ａと当接する周側面部分が湾曲面であり、他方の切削インサートは第１の側壁面５ａと当接する周側面部分が平坦面であれば、２種類の切削インサートは本実施形態とは異なる用途の切削インサートであっても構わないし、本実施形態とは異なる外郭形状を有する切削インサートであっても構わない。例えば、第１の切削インサートとして、平面視つまり上面視にて略長方形の外郭形状を有する、直角肩削り用の切削インサートを採用することも可能である。しかしながら、金型製造における荒加工から仕上げ加工までの連続性を考慮するならば、一方の切削インサート１１が高送り加工用で、他方の切削インサート２１がラジアスカッタ用であることが好ましい。また、切削インサート２１は、ラジアスカッタだけではなく、ボールエンドミルに使用されてもよい。ボールエンドミルも、三次元的な形状の仕上げ加工において好適に用いられる。

　また、本実施形態において切削インサート１１及び２１は、両面使用タイプであるが、これに限定されず、片面使用タイプであってもよい。すなわち、切れ刃１５、２５が第１の端面１２、２２又は第２の端面１３、２３のいずれかのみに形成された形態も可能である。この場合、切削インサートは、切れ刃に隣接する周側面の部分（逃げ面）の逃げ角が正に形成された、いわゆる、ポジティブタイプであってもよい。このように片面使用タイプの切削インサートである場合でも、一方の切削インサートはインサート座２の第２の面部分５ａ２と当接可能な平坦状の周側面部分を有しており、他方の切削インサートはインサート座２の第１の面部分５ａ１と当接可能な湾曲状の周側面部分を有していることが求められる。

　本実施形態において、第１の切削インサート１１は主切れ刃が直線状切れ刃１５ａであるが、これに限定されることはない。すなわち、切削インサート１１の主切れ刃は、平面視にて、外方に向かって緩やかに湾曲する円弧状であっても構わない。なぜなら、高送り加工用の切削インサートの中には、平面視にて、主切れ刃が外方に向かって緩やかに湾曲する円弧状をなしているものが存在するからである。ここで言う、「緩やかに湾曲する」とは、ラジアスカッタ用の第２の切削インサート２１が有する円弧状切れ刃２５ａと比較して曲率半径が大きいということを意味している。第１の切削インサート１１がそのように曲率半径が大きい主切れ刃を有するとき、第１又は第２の端面１２、１３に形成された主切れ刃に隣接する周側面１４の部分は主切れ刃の形状にならった湾曲面となる。したがって、この場合、その湾曲面と当接する第２の面部分５ａ２も湾曲面となるが、当然ながら、第２の面部分５ａ２の湾曲面の曲率半径は第１の面部分５ａ１の曲率半径よりも大きくなるように構成される。しかしながら、加工の容易性という観点から、第２の面部分５ａ２は平坦面である構成の方が好ましいので、第１の切削インサート１１の主切れ刃も直線状切れ刃１５ａであることが好ましい。

　本実施形態において、第１の面部分５ａ１及び第２の面部分５ａ２を有する第１の側壁面５ａは、工具ボデー１の先端部８側を向く位置に配置されているが、これに限定されることはなく、工具ボデー１の外周側を向く位置に配置されていてもよい。この場合、第２の側壁面５ｂが、工具ボデー１の先端部８側を向くように配置されることになる。しかしながら、前述したように、高送り用の切削インサートとラジアスカッタ用の切削インサートを使用する場合においては、回転中心軸Ｏにならった方向に平坦状又は湾曲状の当接面が位置するので、本実施形態のように、第１の面部分５ａ１及び第２の面部分５ａ２を有する第１の側壁面５ａが、工具ボデー１の先端部８側を向く位置に配置されている構成が望ましい。

　本実施形態の工具ボデー１においては、第１の側壁面５ａのうち第２の面部分５ａ２のみが第１の切削インサート１１と当接する構成であるが、これに限定されることはない。すなわち、第２の面部分５ａ２の他に第３の面部分５ａ３も切削インサート１１と当接する構成としてもよいし、第２の面部分５ａ２ではなく第３の面部分５ａ３のみが当接する構成としてもよい。しかしながら、製造上の公差を考慮すると、切削インサート１１が第２の面部分５ａ２及び第３の面部分５ａ３の両方に適切に当接するのは難しく、取付精度にばらつきが生じる可能がある。したがって、第１の切削インサート１１は、第２の面部分５ａ２又は第３の面部分５ａ３のいずれか一方のみと当接することが好ましい。

　また、切削インサート１１が第２の面部分５ａ２又は第３の面部分５ａ３のいずれか一方のみと当接する場合、より外周側に位置している第２の面部分５ａ２と当接し、且つ第２の面部分５ａ２は外周側に向かうにつれ先端部８側に近づくように形成されていることが好ましい。なぜなら、これによって第２の面部分５ａ２が外周側に張り出し、それによって外周側から切削インサート１１をしっかりと支持することができるからである。したがって、第１の切削インサート１１の作用切れ刃１５に対して、締め付けねじ（クランプ部材）３２を中心として回転させるような方向の切削抵抗（主分力）がかかっても、切削インサート１１のずれ動きを抑制することが可能となる。

　また、本実施形態では、第１の側壁面５ａが第１の面部分５ａ１、第２の面部分５ａ２、第３の面部分５ａ３から構成されているが、これに限定されることはない。すなわち、第１の側壁面５ａにおいては、これら以外の面部分が追加されていてもよいし、第３の面部分５ａ３が存在しない形態も可能である。また、他の面部分が追加されるとき、それは第１の面部分５ａ１と第２の面部分５ａ２との間に形成されても構わない。

　本実施形態の工具ボデー１において、第１の面部分５ａ１は、底壁面４に対向する方向から見て、第１の側壁面５ａの略中央の領域を含むが、これに限定されることはなく、第１の側壁面５ａの内周側（つまり中心軸線Ｏ側）や外周側に片寄った位置にあってもよい。しかしながら、第１の面部分５ａ１は、第１の側壁面５ａの略中央の領域を含む位置にあることが好ましい。なぜなら、第１の面部分５ａ１がこの位置にあることによって、切削インサート２１の略半円形状部分２８に隣接する周側面４の湾曲面部分が凹状の第１の面部分５ａ１内に左右から確実に保持されるため、工具径方向における切削インサート２１のずれ動きをしっかりと抑制することが可能となるからである。

　本実施形態において、インサート座２の底壁面４の略中央には、ねじ穴７が形成されており、このねじ穴７の中心から第１の側壁面５ａまでの距離は、ねじ穴７の中心から第２の側壁面５ｂまでの距離よりも長い。ここで言う「距離」とは、ねじ穴７の中心から第１の側壁面５ａ又は第２の側壁面５ｂまでの最短の長さのことを意味する。しかし、本発明はこれに限定されず、ねじ穴７の中心から第１の側壁面５ａまでの距離がねじ穴７の中心から第２の側壁面５ｂまでの距離と等しい形態なども可能である。しかしながら、ねじ穴７の中心から第１の側壁面５ａまでの距離は、ねじ穴７の中心から第２の側壁面５ｂまでの距離よりも長い形態が好ましい。なぜなら、このようなインサート座２に適合する切削インサート１１、２１は縦長形状であるため、取付穴１６、２６と切れ刃１５、２５との間の距離を離すことができるからである。したがって、切削インサート１１、２１に切削抵抗に耐えるだけの強度を与えることが可能となる。さらには、切削インサート１１、２１を縦長形状とすることで、締め付けねじ（クランプ部材）３２を中心として回転させるような方向の切削抵抗（主分力）がかかっても、切削インサート１１、２１が回転するようにずれ動くことを一層抑制することが可能になる。

　本発明の一実施形態に係る工具ボデー１は、刃先交換式のエンドミルや正面フライスにおいて好適に使用され得る。しかし、これに限定されることはなく、本発明は、刃先交換式のドリルやリーマといった他種の回転工具に適用することも可能である。さらには、本発明は、旋削用工具に適用することも可能である。

　また、本実施形態では、２種類の切削インサート１１、２１を用いているが、これに限定さることはなく、３種類以上の切削インサートを１つの工具ボデーに装着できる形態も可能である。

　以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はそれに限定されない。本発明は種々の変更が可能であり、本願の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、置換、変更が可能である。

１　工具ボデー
２　インサート座
３　切りくずポケット
４　底壁面
５　側壁面
５ａ　第１の壁面
５ａ１　第１の面部分
５ａ２　第２の面部分
５ａ３　第３の面部分
５ｂ　第２の壁面
６　ぬすみ部
７　ねじ穴
８　先端部
９　後端部
１１　第１の切削インサート
１２　第１の端面
１３　第２の端面
１４　周側面
１５　切れ刃
１５ａ　直線状切れ刃（主切れ刃）
１５ｂ　湾曲状切れ刃（副切れ刃）
１６　取付穴
１７　略四角形部分
１８　略三角形部分
１８ａ　斜辺
１８ｂ　底辺
１８ｃ　接続部
１９　略直線状部分
２１　第２の切削インサート
２２　第１の端面
２３　第２の端面
２４　周側面
２５　切れ刃
２５ａ　円弧状切れ刃
２５ｂ　直線状切れ刃
２６　取付穴
２７　略四角形部分
２８　略半円形状部分
２９　略直線状部分
３１　刃先交換式回転切削工具
３２　クランプ部材
 

Claims (17)

1. 　少なくとも１つのインサート座（２）を有し、形状の異なる切削インサートを装着することが可能な工具ボデー（１）であって、
   　前記インサート座（２）は、底壁面（４）と側壁面（５）とを備えるとともに、前記底壁面（４）又は該底壁面（４）を延長した面と、前記側壁面（５）又は該側壁面（５）を延長した面とが交差した構成を有し、
   　前記側壁面（５）は、前記切削インサートの周側面と当接可能な少なくとも２つの面部分（５ａ１、５ａ２）を備え、
   　前記２つの面部分（５ａ１、５ａ２）のうち、第１の面部分（５ａ１）は凹状の湾曲面であり、第２の面部分（５ａ２）は前記第１の面部分（５ａ１）よりも曲率半径の大きな凹状の湾曲面又は平坦面である、
   ことを特徴とする工具ボデー（１）。
2. 　先端部（８）から後端部（９）にかけて貫通するように定められる回転中心軸線（Ｏ）を有する、
   ことを特徴とする請求項１に記載の工具ボデー（１）。
3. 　前記側壁面（５）は、第１の側壁面（５ａ）と第２の側壁面（５ｂ）とを備えるとともに、前記第１の側壁面（５ａ）又は該第１の側壁面（５ａ）を延長した面と、前記第２の側壁面（５ｂ）又は該第２の側壁面（５ｂ）を延長した面とが交差した構成を有し、
   　前記第１の側壁面（５ａ）は、前記工具ボデー（１）の前記先端部（８）側を向いており、
   　前記第２の側壁面（５ｂ）は、前記工具ボデー（１）の外周側を向いている、
   ことを特徴とする請求項２に記載の工具ボデー（１）。
4. 　前記少なくとも２つの面部分（５ａ１、５ａ２）は、前記回転中心軸線（Ｏ）側から前記外周側に向かって並ぶように構成されている、
   ことを特徴とする請求項３に記載の工具ボデー（１）。
5. 　前記インサート座（２）に切削インサートが装着されるとき、前記第１の側壁面（５ａ）において、前記２つの面部分（５ａ１、５ａ２）のうちのいずれか一方のみが前記切削インサートと当接する、
   ことを特徴とする請求項４に記載の工具ボデー（１）
6. 　前記第２の面部分（５ａ２）は、前記第１の面部分（５ａ１）よりも前記外周側に位置しており、且つ該外周側に向かうにつれ前記先端部（８）側に近づく、
   ことを特徴とする請求項５に記載の工具ボデー（１）。
7. 　前記第１の面部分（５ａ１）は、前記底壁面（４）に対向する方向から前記インサート座（２）を見て、前記回転中心軸線（Ｏ）に対して略直角に交差する方向における、前記第１の側壁面（５ａ）の略中央の領域を含む、
   ことを特徴とする請求項３から６のいずれかに記載の工具ボデー（１）。
8. 　前記底壁面（４）の略中央にねじ穴（７）を有し、
   　前記ねじ穴（７）の中心から前記第１の側壁面（５ａ）までの距離は、該ねじ穴（７）の中心から前記第２の側壁面（５ｂ）までの距離よりも長い、
   ことを特徴とする請求項５から７のいずれかに記載の工具ボデー（１）。
9. 　請求項１から８のいずれかに記載の工具ボデー（１）と、前記インサート座（２）に着脱自在に装着された切削インサート（１１）と、を備え、
   　前記切削インサート（１１）は、
   　第１の端面（１２）と、該第１の端面（１２）に対向して配置された第２の端面（１３）と、該第１及び第２の端面（１２、１３）の間に延在する周側面（１４）と、を有し、
   　前記第１の端面（１２）と前記周側面（１４）との交差稜線部に切れ刃（１５）を有しており、
   　前記周側面（１４）の一部分は、前記インサート座（２）の第１の壁面（５ａ）のうち、前記第２の面部分（５ａ２）と当接する、
   ことを特徴とする切削工具（３１）。
10. 　前記周側面（１４）の前記一部分は、平坦面である、
    ことを特徴とする請求項９に記載の切削工具（３１）。
11. 　前記切れ刃（１５）は、主切れ刃（１５ａ）と、副切れ刃（１５ｂ）と、を有している、
    ことを特徴とする請求項９又は１０に記載の切削工具（３１）。
12. 　前記主切れ刃（１５ａ）と前記副切れ刃（１５ｂ）とがなすコーナ角（θ）は、６０度以上８０度の範囲にある、
    ことを特徴とする請求項１１に記載の切削工具（３１）。
13. 　前記切削インサート（１１）は、前記第１の端面（１２）に対向する方向から見て縦長である、
    ことを特徴とする請求項９から１２のいずれかに記載の切削工具（３１）。
14. 　請求項１から９のいずれかに記載の工具ボデー（１）と、前記インサート座（２）に着脱自在に装着された切削インサート（２１）と、を備え、
    　前記切削インサート（２１）は、
    　第１の端面（２２）と、該第１の端面（２２）に対向して配置された第２の端面（２３）と、該第１及び第２の端面（２２、２３）の間に延在する周側面（２４）と、を有し、
    　前記第１の端面（２２）と前記周側面（２４）との交差稜線部に切れ刃（２５）を有しており、
    　前記周側面（２４）の一部分は、前記インサート座（２）の第１の壁面（５ａ）のうち、前記第１の面部分（５ａ１）と当接する、
    ことを特徴とする切削工具（３１）。
15. 　前記切れ刃（２５）は、円弧形状をした円弧状切れ刃（２５ａ）を有している、
    ことを特徴とする請求項１４に記載の切削工具（３１）。
16. 　前記切削インサート（２１）は、ラジアスカッタ用又はボールエンドミル用である、
    ことを特徴とする請求項１５に記載の切削工具（３１）。
17. 　前記切削インサート（２１）は、前記第１の端面（２２）に対向する方向から見て縦長である、
    ことを特徴とする請求項１４から１６のいずれかに記載の切削工具（３１）。
     

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