WO2016167067A1 - 樹脂の劣化計測センサおよび劣化計測システム - Google Patents

樹脂の劣化計測センサおよび劣化計測システム Download PDF

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    • G01N17/00Investigating resistance of materials to the weather, to corrosion, or to light

Definitions

  • the main parts of the mold transformer are an iron core 31 provided in the center, a secondary winding 32 provided around the iron core 31 and having a plurality of winding conductors for outputting current, and the secondary coil.
  • a primary side winding 33 provided on the outer periphery of the side winding 32 and a housing support portion 34 for supporting them are roughly configured.
  • Each of the secondary winding 32 and the primary winding 33 has a plurality of winding conductors and is molded with a mold resin 35 such as an epoxy resin.
  • the frequency counter 26, the external power supply 27, and the processing device 28 of the deterioration measuring system avoid the influence of heat generation due to the loss load of the winding resistance of the primary side winding 33 and the secondary side winding 32. You may make it install in a protective case which accommodates a mold transformer.

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Abstract

モールド変圧器の樹脂劣化の進行度を精度よく知ることができる樹脂の劣化計測センサおよび劣化計測システムを提供する。本発明の樹脂の劣化の進行度を推定するために質量変化を検出する樹脂の劣化計測センサ(20)は、劣化の進行度を検出する樹脂が塗布された少なくとも2つの第1と第2の水晶振動子(21、22)と、第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路(24)と、第1の水晶振動子を覆い、樹脂が樹脂の劣化要因に暴露されることを抑止する第1のカバー(23)と、を備える。そして、本発明の樹脂の劣化計測システムは、上記の樹脂の劣化計測センサ(20)と、センサのそれぞれの発振回路による振動を計数するカウンタ(26)と、カウンタの計数値に基づいて、センサに塗布された樹脂の質量減少量に対応する温度補償された周波数変化量を算出する処理装置(28)と、を備え、樹脂の質量減少量から樹脂の寿命予測をおこなう。

Description

樹脂の劣化計測センサおよび劣化計測システム
 本発明は、電気機器向けの樹脂材、特に受変電設備のモールド樹脂に係り、その劣化状態を検知する劣化計測センサおよび劣化計測システムに関する。
 多くの電機機器で樹脂材が使用されているが、一次巻線や二次巻線の全表面が樹脂又は樹脂を含んだ絶縁基材で覆われたモールド変圧器では、絶縁基材である樹脂(主として、エポキシ樹脂)の熱劣化により装置の寿命が決まると言われている。
 このモールド変圧器の劣化診断に、エポキシ樹脂の光反射率を測定して劣化診断をおこなう方法がある。この光反射率特性による診断は、樹脂成分の熱蒸発による質量減少と濃色化の相関関係を利用し、エポキシ樹脂の光反射率を測定して、劣化度を診断する方法である。
 上記の光反射率特性による診断では、光反射率値により定量的な劣化度を把握できるので、モールド変圧器の交換時期の把握が容易となり、機器の保全計画を立案しやすくなる。しかし、測定のために、変圧器を停電する必要があるので、受変電設備の運用上、頻繁に測定をおこなうことができない。
 樹脂の劣化診断には、上記の光反射率特性による診断の他に、樹脂劣化による質量減少を測定するために、例えば、特許文献1に開示されている水晶振動子による微量測定を応用した方法がある。詳しくは、特許文献1には、電極を取り付けた水晶振動子の表面に塗装を施したものに電圧をかけて励振させ、固有の振動数の発振を得る。そして、塗装膜厚に応じて固有振動数が減少することを利用して、時間経過後の塗装膜厚の減少等を検知し塗膜劣化を検出することが開示されている。
特開2003-149128号公報
 特許文献1の開示技術によれば、樹脂を水晶振動子の表面に塗布し、いわゆる水晶振動子法による微量測定の原理を応用し、樹脂の質量減少を検出することができる。そして、検出した質量減少から樹脂劣化の進行度を知ることができる。例えば、水晶振動子法では、9MHzのATカット水晶で、1Hz当たり1ナノグラムの感度をもつと言われている。
 しかし、モールド変圧器は、負荷の上下により、温度上昇が異なる。水晶振動子は、周波数温度特性をもっているが、特許文献1では水晶振動の周波数温度特性は考慮されておらず、モールド変圧器の樹脂劣化の進行度を精度よく知ることができない。
 本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、モールド変圧器の樹脂劣化の進行度を精度よく知ることができる樹脂の劣化計測センサおよび劣化計測システムを提供するものである。
 前記課題を解決するため、本発明の樹脂の劣化の進行度を推定するために質量変化を検出する劣化計測センサは、劣化の進行度を検出する樹脂が塗布された少なくとも2つの第1と第2の水晶振動子と、前記第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路と、前記第1の水晶振動子を覆い、前記樹脂が前記樹脂の劣化要因に暴露されることを抑止する第1のカバーと、を備えるようにした。
 具体的には、前記第1と第2の水晶振動子に塗布される樹脂は、モールド変圧器の絶縁部材であるエポキシ樹脂を含み、前記第1のカバーは、前記第1の水晶振動子に塗布された樹脂が酸素に暴露されないように酸素を遮断するようにした。
 また、本発明の劣化計測システムは、劣化の進行度を検出する樹脂が塗布された少なくとも2つの第1と第2の水晶振動子と、前記第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路と、前記第1の水晶振動子を覆い、前記樹脂が前記樹脂の劣化要因に暴露されることを抑止する第1のカバーと、前記第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路による振動を計数するカウンタと、前記カウンタの計数値に基づいて、前記第2の水晶振動子に塗布された樹脂の質量減少量に対応する温度補償された周波数変化量を算出する処理装置と、を備え、前記樹脂の質量減少量から樹脂の寿命予測がおこなわれるようにした。
 本発明によれば、モールド変圧器の絶縁部材等の樹脂劣化の進行度を精度よく検出できるので、モールド変圧器の運用管理が容易になる。
実施例のセンサ素子の構成図である。 本実施例の劣化計測センサおよび劣化計測システムの構成を示す図である。 劣化計測センサが設置されるモールド変圧器の一例を示す図である。 モールド樹脂内部の劣化の進行度を推定することが可能な劣化計測システムの構成を示す図である。 反射率計と併用して、エポキシ樹脂の劣化の進行度を推定する劣化計測システムの構成を示す図である。
 以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
 図1は、詳細を後述する本実施例の劣化計測センサおよび劣化計測システムに使用するセンサ素子21、22(図2を参照)の構成図である。
 センサ素子21、22は、水晶の厚みすべり振動を利用しており、ATカットの水晶振動子11に、約100μmの薄いエポキシ樹脂(シリカ重量含有率75%)13が塗布されている。また、水晶振動子11は、電圧を印加する表面電極14により挟持され、印加電極12を介して、後述する発振器24に接続する。
 ここで、エポキシ樹脂13が、劣化の進行度を検出するモールド変圧器等の絶縁基材の樹脂と同じ材料になっている。
 センサ素子21、22は、水晶振動子11が厚みすべり振動する際に、付着する物質の質量に応じて共振周波数が変動する性質を利用した質量センサとなっている。詳細には、水晶振動子11の周波数変化と質量変化がリニアな関係であることを利用し、周波数変化を検出して、塗布したエポキシ樹脂13の質量変化を測定する。
 モールド変圧器の絶縁基材であるエポキシ樹脂13は、モールド変圧器の動作時の発生熱により熱酸化劣化が生じ、質量減少がおきることが知られている。一方で、水晶振動子11の共振周波数は温度特性をもち、さらに、モールド変圧器の負荷変動によりモールド変圧器の温度は変動しているので、水晶振動子11で検出したエポキシ樹脂13の質量減少値は、温度変動してしまう。
 このため、本実施例の劣化計測センサおよび劣化計測システムでは、少なくとも2つのセンサ素子21、22を設けて、周波数変化の検出の温度補償をおこなう。
 《実施例1》
 図2により、本実施例の劣化計測センサおよび劣化計測システムの構成を詳細に説明する。
 本実施例の劣化計測センサ20は、前述した少なくとも2つのセンサ素子21、22を備え、センサ素子22が、環境から遮断するためのカバー23を備えている。より具体的には、カバー23は、酸素を遮断するステンレス製の箱体である。
 2つのセンサ素子21、22には、発振回路24が接続され、水晶振動子11の共振周波数で発振している。発振回路24は、周知の負帰還増幅回路と帰還抵抗と負荷容量と振幅制限抵抗等から構成されている。
 上記の劣化計測センサ20の消費電力はごく少なく、また3.3V程度で駆動できるため、電池で駆動することもできる。この場合には、劣化計測センサ20を5cm角程度のサイズで実現することができ、モールド変圧器の任意の場所に設置することができる。
 図2の劣化計測システムの説明に戻り、劣化計測センサ20は、周波数カウンタ26に接続され、劣化計測センサ20のセンサ素子21、22のそれぞれの発振周波数が検出される。検出されたセンサ素子21、22の発振周波数は、組み込みマイコン等の処理装置28に通知される。
 外部電源27は、劣化計測センサ20と周波数カウンタ26と処理装置28の電源であり、モールド変圧器の出力に接続してもよい。
 周波数カウンタ26と処理装置28と外部電源27は、モールド変圧器の発熱の影響を避けるため、モールド変圧器から離れて設置することが望ましい。
 つぎに、劣化計測システムの機能を説明する。
 処理装置28は、周波数カウンタ26により、所定の周期で、劣化計測センサ20のセンサ素子21、22のそれぞれの発振周波数を取得する。このとき、センサ素子22では、酸素を遮断するカバー23により、塗布したエポキシ樹脂が熱酸化劣化することがない。したがって、劣化計測センサ20のセンサ素子21、22が同じ温度環境になるように劣化計測センサ20をモールド変圧器に設置すれば、センサ素子21、22のそれぞれの発振周波数の差分が、温度補償された塗布したエポキシ樹脂の質量減少による周波数変化量となる。
 処理装置28は、予め、エポキシ樹脂の質量減少量と周波数変化量の対応関係を求めておき、検出した周波数変化量からエポキシ樹脂の質量減少量を換算することができる。
 また、処理装置28は、モールド変圧器の寿命(樹脂劣化の進行度)とエポキシ樹脂の質量減少量の対応関係を求めておき、検出した周波数変化量の時間変化から、エポキシ樹脂の質量減少量を予測し、この質量減少量の予測値からモールド変圧器の寿命予測をおこなうこともできる。
 この場合に、処理装置28が所定のエポキシ樹脂の質量減少量を予測し、モールド変圧器の寿命予測した際に、処理装置28に接続する図示しない表示装置に、モールド変圧器の点検や保守の警告表示をおこなうこともできる。
 また、処理装置28は、内蔵する優先または無線ネットワーク通信手段により、検出した周波数変化量を、モールド変圧器等の受配電設備を集中監視する管理センタに通知する。管理センタでは、エポキシ樹脂の質量減少量に変換し、質量減少量の時間変換からモールド変圧器の寿命予測をおこなうようにしてもよい。これにより、モールド変圧器のリモート寿命監視をおこなうことができる。
 さらに、管理センタが取得している受配電設備の稼働情報(電力変動情報等)を加味して、モールド変圧器の負荷増大による質量減少の加速等を推定し、変圧器の寿命予測をおこなえば、より精度を向上することができる。
 さらに、処理装置28は、劣化計測センサ20の2つのセンサ素子21、22の発振周波数を比較して、質量減少や温度特性の変動幅以上に大きくずれていないか判定する。これにより、劣化計測センサ20の異常を検出して、劣化計測システムの故障検出をおこなう。
 本実施例の劣化計測センサ20は、モールド変圧器のエポキシ樹脂の劣化の進行度を検出するため、モールド変圧器のエポキシ樹脂が熱酸化劣化する点に着目し、酸素を遮断するカバー23を備えたセンサ素子22で、温度補償をおこなう。
 樹脂劣化の熱酸化劣化以外の他の劣化要因を排除する場合には、センサ素子21に、フィルタを設けて劣化要因を遮断すればよい。
 例えば、カバー23と同様の箱体の、ごく薄いHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタや、高分子膜フィルタをセンサ素子21に装着する。これにより、結露や、塩分付着などを回避することができる。
 このとき、温度補償をおこなうためのセンサ素子22にも、同じフィルタを設ける。
 これにより、外乱因子を排除する事の可能な劣化計測センサ20を提供できる。
 つぎに、劣化計測センサ20の設置例を説明する。
 図3は、本実施例の劣化計測センサ20が設置されるモールド変圧器の一例を示す図である。なお、図3は、要部のみを示し、筐体支持部等の構成部材の記載は省略している。
 モールド変圧器の要部は、中央部に設けられた鉄心31と、前記鉄心31の周囲に設けられ、電流を出力する巻線導体が複数巻かれた2次側巻線32と、前記2次側巻線32の外周に設けられた1次側巻線33と、これらを支持する筐体支持部34とで概略構成されている。
 2次側巻線32と1次側巻線33のそれぞれは、巻線導体が複数巻回され、エポキシ樹脂等のモールド樹脂35でモールドされている。
 本実施例の劣化計測センサ20は、モールド樹脂35の外周表面に設けられ、モールド樹脂35の劣化の進行度を検出する。この際、モールド樹脂35と劣化計測センサ20のセンサ素子21、22の温度状態を同じにするために、劣化計測センサ20をモールド樹脂35に埋め込んで設置するとよい。
 劣化計測システムの周波数カウンタ26と外部電源27と処理装置28は、1次側巻線33や2次側巻線32の巻線抵抗の損失負荷による発熱の影響を避けるため、筐体支持部34に設置してもよいし、モールド変圧器を収納する保護ケースに設置するようにしてもよい。
 上記のとおり、本実施例の劣化計測センサ20をモールド変圧器に設置することで、モールド樹脂35の劣化の進行度を検出することができるが、モールド樹脂35には厚み方向に温度勾配があり内部の方が高温であることや、エポキシ樹脂の酸素拡散率が小さく、内部の酸素状態が高くなるまでには時間を要することから、モールド樹脂35の内部と劣化計測センサ20が設置される表面とでは、樹脂の劣化状態が異なる場合がある。
 モールド樹脂35の内部の劣化の進行度を推定するため、劣化計測センサ20をつぎのように構成してもよい。
 《実施例2》
 図4にモールド樹脂35の内部の劣化の進行度を推定することが可能な劣化計測システムの構成を示す。
 図2の劣化計測システムにおける劣化計測センサ20とは、劣化計測センサ40がモールド樹脂35の内部の劣化の進行度を推定するためのセンサ素子41を追加した点が異なる。
 センサ素子41は、酸素の透過を制限する(一定量の酸素を透過する)酸素フィルタカバー42が設けられ、センサ素子41に塗布したエポキシ樹脂に拡散する酸素量を制限する。これにより、モールド樹脂35の所定深さの熱酸素劣化の状態を模擬し、周波数変化から劣化の進行度を推定する。
 この際、センサ素子41の温度は、モールド樹脂35の厚み方向の温度勾配のため、モールド樹脂35の内部の温度より低くなっている。そこで、センサ素子41の周波数変化から推定した劣化の進行度に、温度の加速係数を乗じて、モールド樹脂35の所定深さのエポキシ樹脂の劣化の進行度とする。
 ここで、モールド樹脂35の厚み方向の温度勾配は、予め、求めておくことができる。
 また、センサ素子41の温度は、水晶振動子11の周波数温度特性に基づいて、センサ素子22の周波数から求めてもよいし、熱電対やサーミスタ等の温度検出素子を別に設けるようにしてもよい。
 図4の劣化計測システムでは、センサ素子21、41のそれぞれで検出した周波数変化を、センサ素子22により温度補償し、モールド樹脂35の表面と内部の劣化の進行度を推定する。そして、推定した劣化の進行度の平均値を求めるか、または、推定した劣化の進行度の最大値を求めて、モールド変圧器の劣化度を診断する。
 図4の劣化計測システムでは2つのセンサ素子21、41、図2の劣化計測システムでは1つのセンサ素子21により、エポキシ樹脂の劣化の進行度を検出する例を示したが、これに限らず複数のセンサ素子を設けて、それぞれのセンサ素子の検出により劣化の進行度を推定し、上記のように、劣化の進行度の平均値や最大値から、モールド変圧器の劣化度を診断してもよい。これにより、診断精度の向上を図ることができる。
 また、上記のセンサ素子41のようにして、モールド樹脂35の内部の劣化の進行度を推定することで、センサ素子をモールド樹脂35の内部に設ける必要がなくなる。したがって、センサ素子を内包することによるモールド樹脂35の機械的強度の低下がないので、モールド樹脂35の厚みを増加する必要がなく、小型形状を維持できる。
 《実施例3》
 つぎに、反射率計を併用して、エポキシ樹脂の劣化の進行度を推定する劣化計測システムを説明する。図5は、反射率計と併用して、エポキシ樹脂の劣化の進行度を推定する劣化計測システムの構成を示す図である。
 本実施例は、エポキシ樹脂の熱酸化劣化による変色や光反射率低下を検出するもので、図5の処理装置28に接続した反射率計51により、モールド樹脂35の表面の光反射率を計測し、エポキシ樹脂の熱酸化劣化による変色や反射率変化を検出する。反射率計51で計測した計測値の変化からモールド樹脂35の劣化の進行度を推定する。
 上記の反射率計51の測定では、モールド樹脂35の内部の劣化状態を推定することができない。このため、図5の劣化計測システムでは、上述した内部の進行度検出用センサ素子41と温度補償用のセンサ素子22から成る劣化計測センサ50と組み合わせて、モールド変圧器の劣化度診断をおこなう。
 反射率計51は非接触で測定がおこなえるため、センサの設置自由度が高い劣化計測システムを実現することができる。
 また、図5の劣化計測センサ50を、温度補償用のセンサ素子22と、モールド樹脂35の表面の劣化進行度検出用のセンサ素子21と、モールド樹脂35の内部の劣化進行度検出用センサ素子41により構成してもよい。
 この際、モールド樹脂35の表面の劣化進行度を、センサ素子21と反射率計51の検出結果から推定することになるが、モールド変圧器の劣化診断の初期では、センサ素子21の検出結果を優先し、劣化診断の後期には、反射率計51の検出結果を優先する。
 上記のように、異なる2つの検出方式で劣化進行度を推定することで、推定精度が向上するとともに、センサの異常を判定できるので、劣化計測システムの信頼性が向上する。
 本実施例1~3によれば、モールド変圧器のモールド樹脂35の劣化の進行度を推定できるので、エポキシ樹脂が熱酸化劣化して機械強度が低下し、モールド樹脂35にクラックが発生して部分放電が発生する等の絶縁強度の低下を事前に予測できるので、モールド変圧器の予防保全を容易におこなうことができる。
 また、上記の実施例1~3では、モールド変圧器のモールド樹脂35がエポキシ樹脂の例を説明したが、樹脂が複合電気絶縁樹脂であってエポキシ系熱硬化樹脂、フィラーとしてシリカ、またはアルミナ等の無機物もしくはゴム等の有機物を含んでいても同様の効果を奏する。一般的に無機物であるシリカ、アルミナは熱酸化劣化で重量減少することはないので、それを除いた分、樹脂量の減少速度は遅くなる。
 また、水晶振動子11に塗布される物質がエポキシ樹脂もしくはエポキシ樹脂と無機化合物とを含んでいても同様の効果は発揮される。とくにエポキシ樹脂は高電圧機器向けに使用される場合、シリカ他のフィラーを大量に含んでいる。この場合、樹脂の劣化蒸発量は少なくなるが非常に鋭敏な水晶振動子はこれをもとらえることができる。また、エポキシ樹脂以外の劣化しにくいPTFE(polytetrafluoroethylene)などであっても同様の効果を奏する。
 本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明で分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
 20、40、50 劣化計測センサ
 21、22 センサ素子
 23 カバー
 24 発振回路
 26 周波数カウンタ
 27 外部電源
 28 処理装置

Claims (14)

  1.  樹脂の劣化の進行度を推定するために質量変化を検出する劣化計測センサであって、
     劣化の進行度を検出する樹脂が塗布された少なくとも2つの第1と第2の水晶振動子と、
     前記第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路と、
     前記第1の水晶振動子を覆い、前記樹脂が前記樹脂の劣化要因に暴露されることを抑止する第1のカバーと、
    を備えることを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  2.  請求項1に記載の樹脂の劣化計測センサにおいて、
     前記第1と第2の水晶振動子に塗布される樹脂は、モールド変圧器の絶縁部材であるエポキシ樹脂を含み、
     前記第1のカバーは、前記第1の水晶振動子に塗布された樹脂が酸素に暴露されないように酸素を遮断する
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  3.  請求項2に記載の樹脂の劣化計測センサにおいて、さらに、
     前記樹脂が塗布された第3の水晶振動子と、
     前記第3の水晶振動子の発振回路と、
     前記第3の水晶振動子を覆うとともに、所定の酸素透過量をもち、前記第3の水晶振動子に塗布された樹脂が暴露される酸素量を制限する第2のカバーと、
    を備えることを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  4.  請求項2に記載の樹脂の劣化計測センサにおいて、
     前記第2の水晶振動子を覆うとともに、所定の酸素透過量をもち、前記第2の水晶振動子に塗布された樹脂が暴露される酸素量を制限する第2のカバーと、
    を備えることを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  5.  請求項1~4のいずれかの1項に記載の樹脂の劣化計測センサは、
     モールド変圧器の絶縁部材の外周表面に設置される
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  6.  請求項1~4のいずれかの1項に記載の樹脂の劣化計測センサにおいて、
     前記樹脂は、エポキシ樹脂と無機化合物である
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  7.  請求項1~4のいずれかの1項に記載の樹脂の劣化計測センサにおいて、
     前記樹脂は、複合電気絶縁樹脂の母材であって、エポキシ系熱硬化樹脂であり、フィラーとしてシリカ、またはアルミナ等の無機物もしくはゴム等の有機物を含む
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測センサ。
  8.  劣化の進行度を検出する樹脂が塗布された少なくとも2つの第1と第2の水晶振動子と、
     前記第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路と、
     前記第1の水晶振動子を覆い、前記樹脂が前記樹脂の劣化要因に暴露されることを抑止する第1のカバーと、
     前記第1と第2の水晶振動子のそれぞれの発振回路による振動を計数するカウンタと、
     前記カウンタの計数値に基づいて、前記第2の水晶振動子に塗布された樹脂の質量減少量に対応する温度補償された周波数変化量を算出する処理装置と、を備え、
     前記周波数変化量に対応した樹脂の質量減少量から樹脂の寿命予測がおこなわれる
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
  9.  請求項8に記載の樹脂の劣化計測システムにおいて、
     前記第1と第2の水晶振動子に塗布される樹脂は、モールド変圧器の絶縁部材であるエポキシ樹脂を含み、
     前記第1のカバーは、前記第1の水晶振動子に塗布された樹脂が酸素に暴露されないように酸素を遮断する
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
  10.  請求項9に記載の樹脂の劣化計測システムにおいて、
     前記処理装置は、前記周波数変化量に対応した樹脂の質量減少量が所定値以上のときに、モールド変圧器の点検や保守の警告表示をおこなう
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
  11.  請求項9に記載の樹脂の劣化計測システムにおいて、さらに、
     前記樹脂が塗布された第3の水晶振動子と、
     前記第3の水晶振動子の発振回路と、
     前記第3の水晶振動子を覆うとともに、所定の酸素透過量をもち、前記第3の水晶振動子に塗布された樹脂が暴露される酸素量を制限する第2のカバーと、を備え、
     前記カウンタは、記第1と第2と第3の水晶振動子のそれぞれの発振回路による振動を計数し、
     前記処理装置は、前記カウンタの計数値に基づいて、前記第2と第3の水晶振動子に塗布された樹脂のそれぞれの質量減少量に対応する温度補償された2つの周波数変化量を算出する
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
  12.  請求項9に記載の樹脂の劣化計測システムにおいて、
     前記第2の水晶振動子を覆うとともに、所定の酸素透過量をもち、前記第2の水晶振動子に塗布された樹脂が暴露される酸素量を制限する第2のカバーと、
     モールド樹脂の光反射率を計測する反射率計と、を備え、
     前記第2の水晶振動子により、樹脂内部の樹脂の寿命予測をおこない、前記反射率計により、樹脂表面の樹脂の寿命予測をおこなう
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
  13.  請求項11に記載の樹脂の劣化計測システムにおいて、さらに、
     モールド樹脂の光反射率を計測する反射率計と、を備え、
     前記第3の水晶振動子により、樹脂内部の樹脂の寿命予測をおこない、前記反射率計と前記第2の水晶振動子により、樹脂表面の樹脂の寿命予測をおこなう
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
  14.  請求項12または13に記載の樹脂の劣化計測システムにおいて、
     診断の初期には、前記第2の水晶振動子により、樹脂表面の寿命予測をおこない、
     診断の後期には、前記反射率計により、樹脂表面の寿命予測をおこなう
    ことを特徴とする樹脂の劣化計測システム。
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