WO2015190360A1

WO2015190360A1 - 表示機能付き音声伝達装置

Info

Publication number: WO2015190360A1
Application number: PCT/JP2015/066001
Authority: WO
Inventors: 野間　幹弘
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2014-06-10
Filing date: 2015-06-03
Publication date: 2015-12-17
Also published as: US20170163778A1; US9832293B2

Abstract

スマートフォンＳＭＰは、方形の表示領域ＡＡが区画された表示面１１Ｄを有する液晶パネル１１と、カバーパネル１３と、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配されるとともに、カバーパネル１３により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する入力部４３と、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれ且つ表示領域ＡＡと入力部４３との間に挟まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配されるとともに、出力信号を変換してカバーパネル１３に出力骨伝導音として伝達させる出力部４４と、を備える。

Description

表示機能付き音声伝達装置

　本発明は、表示機能付き音声伝達装置に関する。

　特許文献１に記載された携帯電話は、その下部に操作者の口から発音される音声をひろうマイク等の送話部が、上部に操作者の耳に音声を伝えるイヤホン等の受話部が、それぞれ設けられるのに加えて、上部に操作者の耳珠に接触して耳珠の軟骨の骨伝導による受話を可能とするための右耳用振動部及び左耳用振動部が設けられた構成とされる。

特開２０１２－１３８７７０号公報

（発明が解決しようとする課題）
　上記した特許文献１では、携帯電話の上部に受話部及び各振動部を、下部に送話部を、それぞれ分けて配置した構成とされている。しかしながら、このような配置を採ると、携帯電話の上部と下部とにそれぞれ各種部品を設置するための設置スペースが必要になるため、上部及び下部の額縁を狭くするのが困難になっていた。このため、デザイン性などが損なわれるおそれがあった。

　本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、狭額縁化を図ることを目的とする。

（課題を解決するための手段）
　本発明の表示機能付き音声伝達装置は、画像を表示する方形の表示領域が区画された表示面を有する表示部品と、前記表示部品の前記表示面を覆う形で配される外装板と、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配されるとともに、外気により伝達される入力気導音または前記外装板により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する入力部と、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれ且つ前記表示領域と前記入力部との間に挟まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配されるとともに、出力信号を変換して前記外装板に出力骨伝導音として伝達させる骨伝導音出力部と、を備える。

　このようにすれば、表示部品の表示面を覆う形で配される外装板には、使用者が通話に際して直接接触することから、骨伝導音出力部によって出力信号から変換された出力骨伝導音が外装板を伝達されることで、その出力骨伝導音を使用者の内耳に骨伝導させて音声などを認識させることができる。一方、使用者が通話に際して発した音声などは、入力気導音として外気を伝達するか、若しくは入力骨伝導音として外装板を伝達した後、入力部によって入力信号に変換されて音声などの入力が図られる。

　入力部及び骨伝導音出力部は、表示部品において画像を表示する方形の表示領域を区画する４つの辺部に含まれる同じ一辺部を、表示領域との間に挟む形で表示領域外に集約して配されているから、他の３つの辺部を表示領域との間に挟む表示領域外の各スペースがそれぞれ小さなものとなる。これにより、表示部品の表示面において表示領域を広く確保することができ、狭額縁化を図る上で好適とされる。また、入力部及び骨伝導音出力部が表示領域外に配されることで、これらが表示領域に表示される画像の妨げとなり難いものとされる。

　本発明の実施態様として、次の構成が好ましい。
（１）前記入力部は、前記外装板により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する骨伝導音入力部とされる。仮に、入力部として、外気により伝達される入力気導音を入力信号に変換する気導音入力部を用いた場合には、外装板などに入力気導音を通すための開口を設ける必要が生じる。その点、入力部を骨伝導音入力部とすることで、そのような開口を外装板などに設けずに済み、もって外装に係るデザイン性などに優れる。

（２）前記骨伝導音入力部により変換された前記入力信号と前記出力信号との差分をとることで、前記出力骨伝導音を分離した前記入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得る出力分離部を備えている。例えば、外装板により出力骨伝導音と入力骨伝導音とが同時に伝達される場合には、骨伝導音入力部により変換された入力信号には、入力骨伝導音と出力骨伝導音とが混合して含まれることになる。その場合でも、出力分離部は、その入力信号と出力信号との差分をとることで、出力骨伝導音を分離した入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得るものとされているから、混合音から入力骨伝導音を的確に抽出して明瞭な音声入力を図ることができる。

（３）前記外装板により前記出力骨伝導音が伝達される際に生じる減衰に係る減衰率の逆数を補正係数として前記出力信号に乗算することで、補正出力信号を演算する出力信号補正部を備えており、前記出力分離部は、前記入力信号と前記補正出力信号との差分をとることで、前記出力分離入力信号を得るものとされる。このようにすれば、外装板により出力骨伝導音が伝達される際には減衰が生じる場合があり、その減衰分を除いた実質的な出力骨伝導音に基づく補正出力信号を出力信号補正部により演算することができる。出力信号補正部により演算された補正出力信号は、出力分離部が入力信号に対して差分をとる際に用いられるので、出力分離部により混合音から実質的な出力骨伝導音を的確に除去することができ、もって一層明瞭な音声入力を図ることができる。

（４）前記出力分離部は、前記入力信号と前記出力信号との差分をとってそれを増幅する差動アンプからなる。このようにすれば、出力分離部をなす差動アンプにより入力信号と出力信号との差分をとってそれを増幅することで、より明瞭な音声入力を図ることができる。

（５）前記骨伝導音入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記外装板のうち前記表示部品側の板面にそれぞれ取り付けられている。このようにすれば、外装板により伝達される入力骨伝導音を、外装板のうち表示部品側の板面に取り付けられた骨伝導音入力部により的確に入力信号に変換することができる。外装板のうち表示部品側の板面に取り付けられた骨伝導音出力部は、出力信号を出力骨伝導音に変換してその出力骨伝導音を外装板に直接的に伝達させることができるので、その伝達効率が優れたものとなる。これにより、入力骨伝導音を入力信号に的確に変換することができるとともに、出力信号を変換した出力骨伝導音を使用者に効率的に伝達させることができ、もって通話品質をより良好なものとすることができる。

（６）前記入力部は、外気により伝達される入力気導音を入力信号に変換する気導音入力部とされており、前記気導音入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記表示領域を区画する４つの辺部のうち、鉛直方向についての下側の一辺部を前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外にそれぞれ配されている。このようにすれば、使用者が発した音声などは、入力気導音として外気により伝達された後、気導音入力部によって入力信号に変換されて音声などの入力が図られる。この気導音入力部は、骨伝導音出力部と共に表示領域を区画する４つの辺部のうち、鉛直方向についての下側の一辺部を表示領域との間に挟む形で表示領域外に配されているから、使用者が当該表示機能付き音声伝達装置を使用する際に使用者の口元近くに配されることになり、それにより使用者の音声などをより的確に入力信号に変換することができる。

（７）前記表示部品の外端部に接続される接続部品であって、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配される接続部品を備えており、前記入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれ且つ前記表示領域と前記接続部品との間に挟まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外にそれぞれ配されている。このようにすれば、接続部品の設置スペースを利用して入力部及び骨伝導音出力部を配置することができる。つまり、接続部品、入力部、及び骨伝導音出力部が表示領域外において集約して配置されるので、表示領域を区画する４つの辺部のうち３つの辺部を、表示領域との間に挟む表示領域外の各スペースがそれぞれ小さなものとなり、もって狭額縁化を図る上でより好適とされる。

（８）前記表示部品に対して前記外装板側とは反対側に配されるとともに前記表示部品に光を照射する照明装置であって、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配される光源と、前記光源からの光を導光する導光板と、を少なくとも有してなる照明装置を備えており、前記入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれ且つ前記表示領域と前記光源との間に挟まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配される。このようにすれば、照明装置は、表示領域外に配された光源から発せられた光を導光板によって導光することで、その光を表示部品に照射することができる。表示部品は、照明装置から照射された光を利用して表示領域において画像を表示することができる。入力部及び骨伝導音出力部は、照明装置を構成する光源の設置スペースを利用して配置されている。つまり、光源、入力部、及び骨伝導音出力部が表示領域外において集約して配置されるので、表示領域を区画する４つの辺部のうち３つの辺部を、表示領域との間に挟む表示領域外の各スペースがそれぞれ小さなものとなり、もって狭額縁化を図る上でより好適とされる。

（９）前記外装板のうち前記表示部品側の板面における前記表示領域外には、遮光部が設けられている。このようにすれば、表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、表示領域との間に挟む形で表示領域外に配される入力部及び骨伝導音出力部が、遮光部によって使用者に視認され難いものとされる。これにより、表示品位が高いものとなる。

（１０）前記外装板のうち前記表示部品側の板面には、使用者が入力した位置を検出するためのタッチパネルパターンが設けられている。このようにすれば、仮に外装板とは別途にタッチパネルパターンを有するタッチパネルを設けるようにした場合に比べると、部品点数が削減されるので、製造コストの低廉化を図ることができる。

（発明の効果）
　本発明によれば、狭額縁化を図ることができる。

本発明の実施形態１に係るスマートフォンの概略的な外観を示す概略斜視図スマートフォン及び液晶表示装置を長辺方向に沿って切断した断面構成を示す断面図液晶パネルの平面図カバーパネルの底面図図４のＡ－Ａ線断面図図４のＢ－Ｂ線断面図液晶表示装置及び音声・データ通信部の電気的構成を表すブロック図使用者がスマートフォンを使用した状態を表す図本発明の実施形態２に係る液晶表示装置及び音声・データ通信部の電気的構成を表すブロック図本発明の実施形態３に係るカバーパネルの平面図カバーパネルの底面図

　＜実施形態１＞
　本発明の実施形態１を図１から図８によって説明する。本実施形態では、表示部品として液晶パネル１１を備えたスマートフォン（表示機能付き音声伝達装置）ＳＭＰについて例示する。このスマートフォンＳＭＰは、「通信機能付き表示装置」であるとも言える。なお、各図面の一部にはＸ軸、Ｙ軸及びＺ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下方向については、図２，図５及び図６を基準とし、且つ同図上側を表側とするとともに同図下側を裏側とする。また、鉛直方向については、図３及び図４を基準としており、同図下側を鉛直方向の下側とし、同図上側を鉛直方向の上側とする。また、水平方向については、図３及び図４を基準とする。

　スマートフォンＳＭＰは、図１に示すように、全体として縦長の長方形状をなしている。スマートフォンＳＭＰは、図７に示すように、画像を表示することが可能な液晶表示装置１０と、音声通話やデータ通信（データ送受信）を行うための音声・データ通信部４０と、を備えてなる。スマートフォンＳＭＰは、通話機能及びデータ通信機能を始めとしてその他の多くの機能を有する多機能型携帯電話であると言えるが、通話機能を機能の主体としたフィーチャーフォンとの比較では、データ通信機能を機能の主体とした携帯電話であるとも言える。続いて、先に液晶表示装置１０について詳しく説明する。

　液晶表示装置１０は、図２に示すように、表側の板面が画像を表示する表示面１１Ｄとされるとともに裏側の板面が反対面１１Ｏとされる液晶パネル（表示部品、表示パネル）１１と、液晶パネル１１に対して反対面１１Ｏと対向する形で裏側に配されるとともに液晶パネル１１に光を照射するバックライト装置（照明装置）１２と、液晶パネル１１に対して表示面１１Ｄと対向する形で表側、つまりバックライト装置１２側とは反対側に配されるカバーパネル（外装板）１３と、バックライト装置１２の裏面側に配されたコントロール基板（制御基板）１４と、液晶パネル１１、バックライト装置１２、カバーパネル１３、及びコントロール基板１４などを収容するケーシング（筐体、外装部材）１５と、を少なくとも備えている。この液晶パネル１１の画面サイズは、例えば３．５インチから７インチ程度とされ、一般的には小型または中型に分類される大きさとされている。以下、液晶表示装置１０の各構成部品について詳しく説明する。

　まず、液晶パネル１１について詳しく説明する。液晶パネル１１は、全体として平面に視て長方形状をなしており、図２に示すように、ほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製の一対の基板１１ａ，１１ｂと、両基板１１ａ，１１ｂ間に介在し、電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層（図示せず）とを備え、両基板１１ａ，１１ｂが液晶層の厚さ分のギャップを維持した状態で図示しないシール剤によって貼り合わせられている。この液晶パネル１１の表示面１１Ｄは、画像が表示される表示領域（アクティブエリア）ＡＡと、表示領域ＡＡを取り囲む額縁状（枠状）をなすとともに画像が表示されない非表示領域（ノンアクティブエリア）ＮＡＡと、に区画されている。表示領域ＡＡは、平面に視て長方形状をなしており、２つの長辺部ＬＳ１，ＬＳ２及び２つの短辺部ＳＳ１，ＳＳ２によって区画されている。液晶パネル１１は、バックライト装置１２から供給される光を利用して表示面１１Ｄの表示領域ＡＡに画像を表示することができ、その表側が出光側とされている。なお、液晶パネル１１における短辺方向がＸ軸方向（水平方向）と一致し、長辺方向がＹ軸方向（鉛直方向）と一致し、さらに厚さ方向がＺ軸方向と一致している。

　液晶パネル１１を構成する両基板１１ａ，１１ｂのうち表側（正面側）がＣＦ基板１１ａとされ、裏側（背面側）がアレイ基板１１ｂとされる。このうち、アレイ基板１１ｂは、図３に示すように、短辺寸法がＣＦ基板１１ａの短辺寸法とほぼ等しくされるものの、長辺寸法がＣＦ基板１１ａの長辺寸法よりも大きなものとされる。その上で、アレイ基板１１ｂは、一方の短辺側の端部がＣＦ基板１１ａの同端部と揃えられるのに対し、他方の短辺側の端部がＣＦ基板１１ａの同端部よりも外側に突き出しており、この突き出した端部に液晶パネル１１を駆動するためのドライバ（パネル駆動部）１６と、ドライバ１６に各種信号を供給する液晶パネル用フレキシブル基板（接続部品）１７と、がそれぞれ取り付けられている。つまり、アレイ基板１１ｂのうちＣＦ基板１１ａと平面に視て非重畳とされる端部がドライバ１６及び液晶パネル用フレキシブル基板１７の実装領域とされている。

　このうち、ドライバ１６は、内部に駆動回路を有するＬＳＩチップからなるものとされ、図３に示すように、アレイ基板１１ｂにおける上記端部（実装領域）に対して直接ＣＯＧ（Chip On Glass）実装されている。液晶パネル用フレキシブル基板１７は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料（例えばポリイミド系樹脂等）からなる基材を備え、その基材上に多数本の配線パターン（図示せず）が形成された構成とされており、一端側がアレイ基板１１ｂの上記端部（実装領域）に、他端側がバックライト装置１２の裏側に配されたコントロール基板１４に、それぞれ接続されるよう、全体として略Ｕ字型をなす形で折り返されている。ドライバ１６には、コントロール基板１４から供給される各種入力信号が液晶パネル用フレキシブル基板１７を介して伝送されるので、ドライバ１６は、その伝送された各種入力信号を処理して出力信号を生成し、その出力信号を後述する表示領域ＡＡ内のＴＦＴに供給することが可能とされている。液晶パネル用フレキシブル基板１７は、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、図３に示す下側の短辺部（一辺部）ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するよう平面配置されている。また、液晶パネル用フレキシブル基板１７は、その一端側が、アレイ基板１１ｂにおける短辺方向についての中央側部分のうち、図３に示す左寄りの位置に接続されている。なお、両基板１１ａ，１１ｂの外面側には、それぞれ偏光板１１ｃ，１１ｄが貼り付けられている。

　液晶パネル１１の表示領域ＡＡにおける内部構造（いずれも図示は省略する）について説明する。アレイ基板１１ｂにおける内面側（液晶層側、ＣＦ基板１１ａとの対向面側）には、スイッチング素子であるＴＦＴ（Thin Film Transistor）及び画素電極が多数個マトリクス状（行列状）に並んで設けられるとともに、これらＴＦＴ及び画素電極の周りには、格子状をなすゲート配線及びソース配線が取り囲むようにして配設されている。ゲート配線及びソース配線には、画像に係る信号がドライバ１６によりそれぞれ供給されるようになっている。ゲート配線及びソース配線により囲まれた方形の領域に配された画素電極は、ＩＴＯ（Indium Tin Oxide：酸化インジウム錫）或いはＺｎＯ（Zinc Oxide：酸化亜鉛）といった透明電極からなる。

　一方、ＣＦ基板１１ａにおける内面側には、各画素に対応した位置に多数個のカラーフィルタが並んで設けられている。カラーフィルタは、Ｒ，Ｇ，Ｂの三色が交互に並ぶ配置とされる。各カラーフィルタ間には、混色を防ぐための遮光層（ブラックマトリクス）が形成されている。カラーフィルタ及び遮光層の表面には、アレイ基板１１ｂ側の画素電極と対向する対向電極が設けられている。このＣＦ基板１１ａは、アレイ基板１１ｂよりも一回り小さい大きさとされる。また、両基板１１ａ，１１ｂの内面側には、液晶層に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜（図示せず）がそれぞれ形成されている。

　続いて、バックライト装置１２の構成について詳しく説明する。バックライト装置１２は、全体として液晶パネル１１と同様に平面に視て長方形の略ブロック状をなしている。バックライト装置１２は、図２に示すように、液晶パネル１１側に向けて開口した略箱型をなすシャーシ１８と、光源であるＬＥＤ（Light Emitting Diode：発光ダイオード）１９と、ＬＥＤ１９が実装されたＬＥＤ基板（光源基板）２０と、ＬＥＤ１９からの光を導光する導光板２１と、導光板２１の表側に積層配置される光学シート（光学部材）２２と、導光板２１の裏側に積層配置される反射シート（反射部材）２３と、を少なくとも備える。このバックライト装置１２は、バックライト装置１２及び液晶パネル１１における短辺側の一端部寄りにＬＥＤ１９（ＬＥＤ基板２０）が偏在する形で配されることで、導光板２１に対して片側からのみ入光される片側入光タイプのエッジライト型（サイドライト型）とされる。さらには、バックライト装置１２は、液晶パネル１１を固定するためのパネル固定テープ２４を有している。このパネル固定テープ２４は、合成樹脂製とされていて全体としては液晶パネル１１の外周端部に沿って長方形の枠状をなす基材の両面に粘着材を塗布してなるものとされている。パネル固定テープ２４の基材は、その表面が黒色をなすことで遮光性を有するものとされ、それによりバックライト装置１２からの漏れ光が液晶パネル１１の非表示領域ＮＡＡを透過するのが防がれている。以下、バックライト装置１２の各構成部品について順次に説明する。

　シャーシ１８は、金属材料（例えばアルミニウム）からなり、図２に示すように、表側に向けて開口した略箱型をなすことで、その内部にＬＥＤ基板２０、導光板２１、光学シート２２、及び反射シート２３を収容するものとされる。シャーシ１８は、液晶パネル１１と同様に平面に視て長方形の底板部１８ａと、底板部１８ａにおける各辺（一対の長辺及び一対の短辺）の外端からそれぞれ表側に向けて立ち上がる側板部１８ｂと、からなる。シャーシ１８（底板部１８ａ）は、その長辺方向がＹ軸方向と一致し、短辺方向がＸ軸方向と一致している。底板部１８ａは、その板面が液晶パネル１１の板面に並行しており、シャーシ１８内に収容される導光板２１、光学シート２２、及び反射シート２３を裏側から支持するものとされる。側板部１８ｂは、シャーシ１８内に収容された導光板２１、光学シート２２、及び反射シート２３を外周側から取り囲む形で配されることで、全体として縦長の長方形の枠状をなしている。また、側板部１８ｂの先端部には、パネル固定テープ２４の裏側の面が固着される。

　ＬＥＤ１９は、図２に示すように、ＬＥＤ基板２０の板面に固着される基板部上に半導体発光素子であるＬＥＤチップ（ＬＥＤ素子）を樹脂材により封止した構成とされる。基板部に実装されるＬＥＤチップは、主発光波長が１種類とされ、具体的には、青色を単色発光するものが用いられている。その一方、ＬＥＤチップを封止する樹脂材には、ＬＥＤチップから発せられた青色の光により励起されて所定の色を発光する蛍光体が分散配合されており、全体として概ね白色光を発するものとされる。このＬＥＤ１９は、ＬＥＤ基板２０に対する実装面に隣接する側面が発光面１９ａとされる、いわゆる側面発光型とされている。このＬＥＤ１９は、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、図３に示す下側（鉛直方向の下側）の短辺部ＳＳ１、つまり表示領域ＡＡと液晶パネル用フレキシブル基板１７との間に挟まれる短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するよう平面配置されている。

　ＬＥＤ基板２０は、図２に示すように、ＬＥＤ基板２０は、絶縁材料製で可撓性を有するフィルム状（シート状）の基板部（基材）を有しており、その板面が液晶パネル１１の板面に並行している。ＬＥＤ基板２０における裏側の板面（液晶パネル１１側とは反対側の板面、導光板２１側を向いた板面）には、上記したＬＥＤ１９が表面実装されるとともに、ＬＥＤ１９に対して給電するための配線パターン（図示せず）がパターニングされている。ＬＥＤ基板２０は、バックライト装置１２の短辺方向（Ｘ軸方向）に沿って延在する長方形状をなすとともに、その延在方向に沿って複数のＬＥＤ１９が間欠的に並ぶ形で実装された構成とされる。ＬＥＤ基板２０は、その長辺寸法が導光板２１の短辺寸法と同等とされるのに対し、短辺寸法がシャーシ１８の側板部１８ｂと導光板２１との間に有される間隔よりも広くされている。従って、ＬＥＤ基板２０における短辺方向（Ｙ軸方向）についての導光板２１側の部分は、導光板２１に対して表側に重なる形で配されている。ＬＥＤ基板２０は、Ｚ軸方向について液晶パネル１１に対して裏側に配されるとともに、パネル固定テープ２４により液晶パネル１１に固定されている。このＬＥＤ基板２０は、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、図３に示す下側（鉛直方向の下側）の短辺部ＳＳ１、つまり表示領域ＡＡと液晶パネル用フレキシブル基板１７及びＬＥＤ１９との間に挟まれる短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するよう平面配置されている。また、ＬＥＤ基板２０には、各ＬＥＤ１９が実装された本体部分（実装本体部）から外向きに延出される延出部２０ａが設けられており、この延出部２０ａが略Ｕ字型をなす形で折り返されることでその延出先端部がコントロール基板１４に接続されている。これにより、コントロール基板１４から各ＬＥＤ１９に駆動電力が供給されるようになっている。

　導光板２１は、図２に示すように、シャーシ１８の底板部１８ａよりも一回り小さな長方形の板状をなしており、その板面が液晶パネル１１及びシャーシ１８の底板部１８ａの各板面に並行するとともに、その板面における長辺方向がＹ軸方向と、短辺方向がＸ軸方向とそれぞれ一致し、且つ板面と直交する板厚方向がＺ軸方向と一致している。導光板２１は、シャーシ１８内において側板部１８ｂによりその周りが取り囲まれた形で収容されるとともに、液晶パネル１１及び光学シート２２の直下位置に配されている。導光板２１の外周端面のうち図２に示す左側の短辺側の端面は、ＬＥＤ１９と対向状をなすとともに、ＬＥＤ１９からの光が入射される光入射面（光源対向端面）２１ａとされる。これに対し、導光板２１の外周端面のうち光入射面２１ａ以外の３つの端面（図２に示す右側の短辺側の端面、及び一対の長辺側の端面）は、それぞれＬＥＤ１９とは対向しないＬＥＤ非対向端面（光源非対向端面）とされる。一方、導光板２１における表裏一対の板面のうち、表側（液晶パネル１１側）を向いた板面が、光を液晶パネル１１に向けて出射させる光出射面２１ｂとされている。これに対して、導光板２１における裏側を向いた板面は、光出射面２１ｂとは反対側の反対板面２１ｃとされている。このような構成によれば、ＬＥＤ１９と導光板２１との並び方向がＹ軸方向と一致するのに対して、光学シート２２（液晶パネル１１）と導光板２１との並び方向がＺ軸方向と一致しており、両並び方向が互いに直交するものとされる。そして、導光板２１は、ＬＥＤ１９から概ねＹ軸方向に沿って発せられた光を光入射面２１ａから導入するとともに、その光を内部で伝播させつつ光学シート２２側（表側、光出射側）へ向くよう立ち上げて表側の板面である光出射面２１ｂから出射させる機能を有している。なお、導光板２１の反対板面２１ｃには、導光板２１内の光を光出射面２１ｂに向けて反射させることで光出射面２１ｂから出射を促すための光反射部からなる光反射パターン（図示せず）が形成されている。

　光学シート２２は、図２に示すように、導光板２１と同様に平面に視て長方形状をなしており、その板面が液晶パネル１１、シャーシ１８の底板部１８ａ、及び導光板２１の各板面に並行するとともに、その板面における長辺方向がＹ軸方向と、短辺方向がＸ軸方向とそれぞれ一致し、且つ板面と直交する板厚方向がＺ軸方向と一致している。光学シート２２は、導光板２１の光出射面２１ｂの表側に載せられていて液晶パネル１１と導光板２１との間に介在して配されることで、導光板２１からの出射光を透過するとともにその透過光に所定の光学作用を付与しつつ液晶パネル１１に向けて出射させる。光学シート２２は、複数枚（本実施形態では３枚）が互いに積層されている。このうちの最も表側の光学シート２２における外周端部には、パネル固定テープ２４の裏側の面が固着される。なお、具体的な光学シート２２の種類としては、例えば拡散シート、レンズシート、反射型偏光シートなどがあり、これらの中から適宜に選択して使用することが可能である。

　反射シート２３は、図２に示すように、導光板２１のうち、裏側、つまり光出射面２１ｂとは反対側の反対板面２１ｃを覆う形で配されている。この反射シート２３は、表面が光反射性に優れた白色を呈する合成樹脂製のシート材からなるものとされるので、導光板２１内を伝播して反対板面２１ｃから出射した光を表側（光出射面２１ｂ）に向けて効率的に立ち上げることができる。反射シート２３は、導光板２１及び光学シート２２と同様に平面に視て長方形状をなしており、その中央側の大部分が導光板２１とシャーシ１８の底板部１８ａとの間に挟み込まれる形で配されている。反射シート２３の外周端部は、導光板２１の外周端面よりも外側に延出しており、特にＬＥＤ基板２０側の端部に関しては、導光板２１の光入射面２１ａからＬＥＤ１９を超える位置に至るまで延出しているので、当該延出部分によりＬＥＤ１９からの光を効率的に反射して光入射面２１ａに入射させることができる。

　次に、カバーパネル１３について説明する。カバーパネル１３は、図１及び図２に示すように、液晶パネル１１を表側から全域にわたって覆う形で配されており、それにより液晶パネル１１の保護を図るとともに、液晶表示装置１０及びスマートフォンＳＭＰにおける正面側の外観を構成している。このカバーパネル１３は、その裏側の板面が液晶パネル１１の表示面１１Ｄに対して接着材２５によって固着状態に固定されている。この接着材２５は、例えば紫外線硬化性樹脂材料からなる。カバーパネル１３は、ほぼ透明で優れた透光性を有するガラス製で板状の基材からなり、好ましくは強化ガラスからなる。カバーパネル１３に用いられる強化ガラスとしては、例えば板状のガラス基材の表面に化学強化処理が施されることで、表面に化学強化層を備えた化学強化ガラスを用いることが好ましい。この化学強化処理は、例えばガラス材料に含まれるアルカリ金属イオンを、それよりもイオン半径が大きいアルカリ金属イオンとイオン交換により置換することで、板状のガラス基材の強化を図る処理をいい、その結果形成される化学強化層は圧縮応力が残留した圧縮応力層（イオン交換層）とされる。これにより、カバーパネル１３は、機械的強度及び耐衝撃性能が高いものとされているから、その裏側に配される液晶パネル１１が破損したり、傷付くのをより確実に防止することができる。

　カバーパネル１３は、図２及び図４に示すように、液晶パネル１１と同様に平面に視て縦長の長方形状をなしており、その平面に視た大きさは液晶パネル１１よりも一回り大きなものとされる。従って、カバーパネル１３の外周部分は、液晶パネル１１における外周端から庇状に外側に張り出している。このカバーパネル１３には、液晶パネル１１の表示領域ＡＡを取り囲むとともに非表示領域ＮＡＡと平面に視て重畳する形で配されて表示領域ＡＡの周囲（表示領域ＡＡ外）において光を遮る遮光部１３ａが形成されている。遮光部１３ａは、例えば黒色を呈する塗料などの遮光性材料からなるものとされ、その遮光性材料を、カバーパネル１３における裏側の板面、つまり液晶パネル１１側の板面に印刷することで同板面に一体的に設けられている。遮光部１３ａは、可視光線、赤外線、及び紫外線を含む光を遮光することができるものとされる。なお、遮光部１３ａを設けるに際しては、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷手段を採用することができる。遮光部１３ａは、カバーパネル１３のうち液晶パネル１１における非表示領域ＮＡＡの全域と重畳する部分に加えて、液晶パネル１１の外周端よりも外側に張り出した外周部分、つまり表示領域ＡＡ外の領域のほぼ全域に形成されることで、平面に視て縦長の略枠状（略額縁状）に形成されており、それによりバックライト装置１２からの光が表示領域ＡＡの周囲においてカバーパネル１３の裏側の板面に入射する前の段階で遮光部１３ａにより遮光することができる。つまり、遮光部１３ａは、カバーパネル１３のうち液晶パネル１１の表示領域ＡＡとは平面に視て非重畳となる部分のほぼ全域にわたって形成されている。なお、図１及び図４では遮光部１３ａ（表示領域ＡＡ外の領域）を網掛け状にして示しており、その内側の、白抜き状の方形の領域が表示領域ＡＡの光を透過する領域となっている。

　カバーパネル１３における裏側、つまり液晶パネル１１側の板面には、図２及び図４に示すように、使用者が入力した位置を検出するためのタッチパネルパターン２６が設けられている。つまり、カバーパネル１３は、スマートフォンＳＭＰの「外装板」を構成するとともに、「タッチパネル」を構成している。このタッチパネルパターン２６は、いわゆる投影型静電容量方式とされており、カバーパネル１３の裏側の板面において多数個が行列状に並んで配置されるタッチパネル用透明電極部２６ａにより構成されている。カバーパネル１３における図４に示す下側（鉛直方向の下側）の端部には、タッチパネルパターン２６から引き出された配線の端部に接続された端子部（図示せず）が形成されており、この端子部に対してタッチパネル用フレキシブル基板２７が接続されている。タッチパネル用フレキシブル基板２７は、絶縁性及び可撓性を有する合成樹脂材料（例えばポリイミド系樹脂等）からなる基材を備え、その基材上に多数本の配線パターン（図示せず）が形成された構成とされており、一端側がカバーパネル１３の上記端部に、他端側がバックライト装置１２の裏側に配されたコントロール基板１４に、それぞれ接続されるよう、全体として略Ｕ字型をなす形で折り返されている。このタッチパネル用フレキシブル基板２７を介してコントロール基板１４からタッチパネルパターン２６を構成するタッチパネル用透明電極部２６ａに電位が供給されるようになっている。タッチパネル用フレキシブル基板２７は、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、図４に示す下側（鉛直方向の下側）の短辺部ＳＳ１、つまり表示領域ＡＡと液晶パネル用フレキシブル基板１７及びＬＥＤ１９との間に挟まれる短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するよう平面配置されている。また、タッチパネル用フレキシブル基板２７は、その一端側が、カバーパネル１３における短辺方向（Ｘ軸方向）についての中央側部分のうち、図４に示す左寄りの位置に接続されている。なお、タッチパネル用フレキシブル基板２７は、上記中央側部分において平面に視て液晶パネル用フレキシブル基板１７と隣り合う配置とされている。

　コントロール基板１４は、紙フェノールないしはガラスエポキシ樹脂製の基板上に、図示しない各種電子部品が実装されるとともに図示しない所定のパターンの配線（導電路）が配索形成された構成とされる。コントロール基板１４は、図２に示すように、バックライト装置１２を構成するシャーシ１８の底板部１８ａにおける裏側の板面に対して図示しない取り付け手段によって取り付けられている。コントロール基板１４には、液晶パネル用フレキシブル基板１７、ＬＥＤ基板２０の延出部２０ａ、及びタッチパネル用フレキシブル基板２７などがそれぞれ個別に接続されるコネクタ部１４ａが複数設けられている。なお、図２には、複数のコネクタ部１４ａのうち、液晶パネル用フレキシブル基板１７の端部が接続されるものを代表して図示している。

　コントロール基板１４には、図７に示すように、液晶表示装置１０及びスマートフォンＳＭＰにおいて各種機能を発揮させるための制御を行う主制御部２８と、液晶パネル１１を制御する液晶パネル制御部２９と、バックライト装置１２を制御するバックライト制御部３０と、タッチパネルパターン２６に入力された位置情報を検出するタッチ位置検出部３１と、が少なくとも備えられている。主制御部２８は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）などを有しており、液晶パネル制御部２９、バックライト制御部３０、及びタッチ位置検出部３１の動作をそれぞれ制御することが可能とされる。液晶パネル制御部２９は、液晶パネル用フレキシブル基板１７を介して液晶パネル１１に接続されてドライバ１６に各種信号を伝送することが可能とされ、ドライバ１６を介して液晶パネル１１の駆動を制御することが可能とされる。バックライト制御部３０は、ＬＥＤ基板２０の延出部２０ａを介してバックライト装置１２のＬＥＤ１９に駆動電力を供給することが可能とされ、それにより各ＬＥＤ１９の駆動を制御することが可能とされる。タッチ位置検出部３１は、タッチパネル用フレキシブル基板２７を介してカバーパネル１３のタッチパネルパターン２６に接続されてタッチパネルパターン２６からの出力信号を処理することで、使用者がタッチパネルパターン２６に入力した位置情報を検出することが可能とされる。

　ケーシング１５は、合成樹脂材料または金属材料からなるものであって、図２に示すように、表側に向けて開口した略箱型をなしており、その開口部を通して液晶パネル１１及びバックライト装置１２が表側から収容されている。ケーシング１５は、底壁部１５ａと、底壁部１５ａの外周端から表側に向けて立ち上がるとともに略筒状をなす側壁部１５ｂと、から構成されており、側壁部１５ｂの立ち上がり先端部によりカバーパネル１３の外周端部を全周にわたって裏側から支持するものとされる。また、略筒状をなす側壁部１５ｂは、液晶パネル１１、バックライト装置１２、及びコントロール基板１４などの各部材を外周側から取り囲んでいる。

　次に、音声・データ通信部４０について説明する。音声・データ通信部４０は、図７に示すように、外部の基地局などとの間で電波を送受信するためのアンテナ４１と、アンテナ４１を介して電波を利用した通信を行う通信部４２と、当該スマートフォンＳＭＰの使用者の音声などの入力音を入力信号に変換するための入力部（骨伝導音入力部）４３と、通話相手の音声などに係る出力信号を出力音に変換するための出力部（骨伝導音出力部）４４と、入力部４３からの入力信号を処理するとともに出力部４４に向けて出力信号を出力することで通話を制御する通話制御部４５と、通信部４２及び通話制御部４５の動作をそれぞれ制御する主制御部２８と、を少なくとも備える。このうち、主制御部２８は、音声・データ通信部４０を構成するとともに液晶表示装置１０をも構成している。通信部４２は、音声通話に係る通信の他にもデータ通信（電子メール送受信、画像及び動画の送受信など）を行うものとされる。通信部４２及び通話制御部４５は、主制御部２８と共にコントロール基板１４（図２を参照）に設けられている。

　これに対し、入力部４３及び出力部４４は、図５及び図６に示すように、詳しい配置に関しては後述するが、カバーパネル１３に取り付けられている。入力部４３及び出力部４４は、カバーパネル１３に対して固定テープ４６により固定されている。この固定テープ４６は、合成樹脂製とされる基材の両面に粘着材を塗布してなるものとされる。入力部４３及び出力部４４は、それぞれコントロール基板１４に接続される接続配線部（リード配線部）４３ａ，４４ａを有している。接続配線部４３ａ，４４ａは、その一端側が入力部４３及び出力部４４の本体部分に、他端側がバックライト装置１２の裏側に配されたコントロール基板１４のコネクタ部１４ａに、それぞれ接続されるよう、全体として略Ｕ字型をなす形で折り返されている。そして、入力部４３は、カバーパネル１３により伝達される入力音である入力骨伝導音を入力信号に変換するものとされる。出力部４４は、出力信号を変換してカバーパネル１３に出力音である出力骨伝導音を伝達させるものとされる。入力部４３及び出力部４４は、それぞれ骨伝導音に係る振動（機械的エネルギ）と電気信号（電気的エネルギ）とを相互に（可逆的に）変換することが可能な振動素子からなるものとされる。入力部４３及び出力部４４を構成する振動素子としては、例えばコイル式振動子、チタン酸ジルコン酸鉛（ＰＺＴ）などの強誘電体材料を用いた圧電式振動子（圧電セラミックス）、ポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）強誘電体などの有機フィルムを用いたフィルム式振動子を用いることができる。仮に、入力部及び出力部として、気導音を電気信号に変換する気導式のものを用いた場合には、カバーパネルに開口を設ける必要が生じるものの、本実施形態では上記のように骨伝導音を電気信号に変換する骨伝導式の入力部４３及び出力部４４を用いているので、カバーパネル１３に開口を設けず済み、デザイン性や防水性を担保する上で好適とされる。なお、アンテナ４１は、ケーシング１５内に収容される形で配されている。

　さて、本実施形態では、音声・データ通信部４０を構成する入力部４３及び出力部４４は、図４に示すように、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、同図下側（鉛直方向の下側）の短辺部（一辺部）ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するようそれぞれ平面配置されている。このように入力部４３及び出力部４４は、表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる同じ短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に集約して配されているから、他の３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２を、表示領域ＡＡとの間に挟む表示領域ＡＡ外の各スペース（額縁幅）がそれぞれ小さなものとなる。これにより、液晶パネル１１の表示面１１Ｄにおいて表示領域ＡＡを広く確保することができ、具体的には、カバーパネル１３の表面に占める表示領域ＡＡの占有率を９０％以上とすることができる。その上で、入力部４３及び出力部４４が配置されることがない３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２側に関して狭額縁化を図ることができ、もって外観のデザイン性に優れる。また、入力部４３及び出力部４４は、表示領域ＡＡ外に配されることで、これらが表示領域ＡＡに表示される画像の妨げとなり難いものとされている。

　しかも、入力部４３及び出力部４４は、図４に示すように、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、表示領域ＡＡと液晶パネル用フレキシブル基板１７との間に挟まれる短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置するよう平面配置されている。このように、入力部４３及び出力部４４が液晶パネル用フレキシブル基板１７の設置スペースを利用して配置されるので、入力部４３、出力部４４、及び液晶パネル用フレキシブル基板１７が配置されることがない３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２を表示領域ＡＡとの間に挟む表示領域ＡＡ外の各スペースがそれぞれ小さなものとなり、狭額縁化を図る上でより好適とされる。さらには、入力部４３及び出力部４４は、液晶パネル１１において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、表示領域ＡＡとＬＥＤ１９との間に挟まれる短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するよう平面配置されている。このように、入力部４３及び出力部４４がＬＥＤ１９の設置スペースを利用して配置されるので、入力部４３、出力部４４、及びＬＥＤ１９が配置されることがない３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２を表示領域ＡＡとの間に挟む表示領域ＡＡ外の各スペースがそれぞれ小さなものとなり、狭額縁化を図る上でより好適とされる。

　その上、入力部４３及び出力部４４は、図５及び図６に示すように、カバーパネル１３における裏側、つまり液晶パネル１１側の板面に対して固定テープ４６によってそれぞれ取り付けられている。カバーパネル１３の裏側の板面に取り付けられた入力部４３には、カバーパネル１３により伝達される入力骨伝導音が直接的に伝達されるので、その入力骨伝導音を入力部４３により的確に入力信号に変換することができる。カバーパネル１３の裏側の板面に取り付けられた出力部４４は、出力信号を出力骨伝導音に変換してその出力骨伝導音をカバーパネル１３に直接的に伝達させることができるので、その伝達効率が優れたものとなる。これにより、入力骨伝導音を入力信号に的確に変換することができるとともに、出力信号を変換した出力骨伝導音を使用者に効率的に伝達させることができ、よって通話品質をより良好なものとすることができる。また、入力部４３及び出力部４４は、カバーパネル１３の裏側の板面において表示領域ＡＡ外に設けられた遮光部１３ａと平面に視て重畳する配置とされている。このような配置によれば、遮光部１３ａによって入力部４３及び出力部４４がカバーパネル１３を通して使用者から視認され難いものとされるから、表示領域ＡＡに表示される画像に係る表示品位が高いものとなる。また、入力部４３は、図４に示すように、カバーパネル１３においてその短辺方向（Ｘ軸方向、一辺部ＳＳ１に沿う方向）について図４に示す左端側（一端側）に片寄った位置に配されているのに対し、出力部４４は、カバーパネル１３においてその短辺方向（一辺部ＳＳ１に沿う方向）について同図右端側（他端側）に片寄った位置に配されている。これに対し、液晶パネル用フレキシブル基板１７及びタッチパネル用フレキシブル基板２７は、Ｘ軸方向について中央側に配されていることから、入力部４３と出力部４４との間に液晶パネル用フレキシブル基板１７及びタッチパネル用フレキシブル基板２７が挟み込まれる配置となっている。

　続いて、上記のような構成のスマートフォンＳＭＰの使用に際して、使用者が音声通話機能によって通話相手と音声通話を行う場合の作用について説明する。使用者の声帯で発せられた音声は、図８に示すように、使用者の頭部が接触するカバーパネル１３へと頭骨などを介して骨伝導される。カバーパネル１３に伝達された入力骨伝導音は、カバーパネル１３を振動させつつカバーパネル１３の板面に沿って伝播（骨伝導）され、カバーパネル１３の裏側の板面に取り付けられた入力部４３に到達する。入力部４３に達した入力骨伝導音は、入力部４３によって入力信号へと変換される。入力部４３によって変換された入力信号は、図７に示すように、通話制御部４５により処理された後、通信部４２によってアンテナ４１を介して外部の基地局へと電波として送信される。ここで、使用者の周囲に存在する雑音や騒音は、気導音であるため、カバーパネル１３により骨伝導されることがなくて、入力部４３に入力音として入力されることが避けられる。これにより、使用者の音声が選択的に骨伝導入力音として入力部４３に入力されるので、通話相手に対して明瞭な音声を送信することができる。

　一方、通話相手の音声が変換された電波をアンテナ４１により受信すると、図７に示すように、その電波に係る信号が通信部４２及び通話制御部４５により処理されることで、出力信号として出力部４４に伝送される。出力部４４に伝送された出力信号は、出力部４４にて出力骨伝導音に変換されるとともにカバーパネル１３に振動として伝達される。カバーパネル１３に伝達された出力骨伝導音は、図８に示すように、カバーパネル１３を振動させつつカバーパネル１３の板面に沿って伝播（骨伝導）され、カバーパネル１３に接触する使用者の頭部に伝達される。そして、使用者の頭部に伝達された出力骨伝導音は、使用者の頭部の頭骨などを骨伝導されて内耳の蝸牛に到達し、そこで通話相手の音声として知覚される。このように使用者は、カバーパネル１３を介して出力骨伝導音を出力音声として聞くことになるので、使用者の周囲に存在する雑音や騒音などの気導音によって通話対象である出力音声が掻き消され難いものとなり、もって通話相手の音声を明瞭に知覚することができる。以上のようにカバーパネル１３を骨伝導のための振動板として利用することで、音声通話に係る音声を明瞭化することができ、もって通話品質の向上が図られている。しかも、入力部４３及び出力部４４が共にカバーパネル１３に直接固定されているので、骨伝導音の伝達効率が優れたものとなり、もって通話品質のさらなる向上が図られている。なお、上記した音声通話を行っている間、液晶パネル１１の表示領域ＡＡには、所定の画像を表示することができるものとされる。

　以上説明したように本実施形態のスマートフォン（表示機能付き音声伝達装置）ＳＭＰは、画像を表示する方形の表示領域ＡＡが区画された表示面１１Ｄを有する液晶パネル（表示部品）１１と、液晶パネル１１の表示面１１Ｄを覆う形で配されるカバーパネル（外装板）１３と、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配されるとともに、カバーパネル１３により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する入力部４３と、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれ且つ表示領域ＡＡと入力部４３との間に挟まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配されるとともに、出力信号を変換してカバーパネル１３に出力骨伝導音として伝達させる出力部（骨伝導音出力部）４４と、を備える。

　このようにすれば、液晶パネル１１の表示面１１Ｄを覆う形で配されるカバーパネル１３には、使用者が通話に際して直接接触することから、出力部４４によって出力信号から変換された出力骨伝導音がカバーパネル１３を伝達されることで、その出力骨伝導音を使用者の内耳に骨伝導させて音声などを認識させることができる。一方、使用者が通話に際して発した音声などは、入力骨伝導音としてカバーパネル１３を伝達した後、入力部４３によって入力信号に変換されて音声などの入力が図られる。

　入力部４３及び出力部４４は、液晶パネル１１において画像を表示する方形の表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる同じ一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に集約して配されているから、他の３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２を表示領域ＡＡとの間に挟む表示領域ＡＡ外の各スペースがそれぞれ小さなものとなる。これにより、液晶パネル１１の表示面１１Ｄにおいて表示領域ＡＡを広く確保することができ、狭額縁化を図る上で好適とされる。また、入力部４３及び出力部４４が表示領域ＡＡ外に配されることで、これらが表示領域ＡＡに表示される画像の妨げとなり難いものとされる。

　また、入力部４３は、カバーパネル１３により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する骨伝導音入力部とされる。仮に、入力部として、外気により伝達される入力気導音を入力信号に変換する気導音入力部を用いた場合には、カバーパネルなどに入力気導音を通すための開口を設ける必要が生じる。その点、入力部４３を骨伝導音入力部とすることで、そのような開口をカバーパネル１３などに設けずに済み、もって外装に係るデザイン性などに優れる。

　また、入力部（骨伝導音入力部）４３及び出力部４４は、カバーパネル１３のうち液晶パネル１１側の板面にそれぞれ取り付けられている。このようにすれば、カバーパネル１３により伝達される入力骨伝導音を、カバーパネル１３のうち液晶パネル１１側の板面に取り付けられた入力部４３により的確に入力信号に変換することができる。カバーパネル１３のうち液晶パネル１１側の板面に取り付けられた出力部４４は、出力信号を出力骨伝導音に変換してその出力骨伝導音をカバーパネル１３に直接的に伝達させることができるので、その伝達効率が優れたものとなる。これにより、入力骨伝導音を入力信号に的確に変換することができるとともに、出力信号を変換した出力骨伝導音を使用者に効率的に伝達させることができ、もって通話品質をより良好なものとすることができる。

　また、液晶パネル１１の外端部に接続される液晶パネル用フレキシブル基板（接続部品）１７であって、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配される液晶パネル用フレキシブル基板１７を備えており、入力部４３及び出力部４４は、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれ且つ表示領域ＡＡと液晶パネル用フレキシブル基板１７との間に挟まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外にそれぞれ配されている。このようにすれば、液晶パネル用フレキシブル基板１７の設置スペースを利用して入力部４３及び出力部４４を配置することができる。つまり、液晶パネル用フレキシブル基板１７、入力部４３、及び出力部４４が表示領域ＡＡ外において集約して配置されるので、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２を、表示領域ＡＡとの間に挟む表示領域ＡＡ外の各スペースがそれぞれ小さなものとなり、もって狭額縁化を図る上でより好適とされる。

　また、液晶パネル１１に対してカバーパネル１３側とは反対側に配されるとともに液晶パネル１１に光を照射するバックライト装置（照明装置）１２であって、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配されるＬＥＤ（光源）１９と、ＬＥＤ１９からの光を導光する導光板２１と、を少なくとも有してなるバックライト装置１２を備えており、入力部４３及び出力部４４は、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれ且つ表示領域ＡＡとＬＥＤ１９との間に挟まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に位置して配される。このようにすれば、バックライト装置１２は、表示領域ＡＡ外に配されたＬＥＤ１９から発せられた光を導光板２１によって導光することで、その光を液晶パネル１１に照射することができる。液晶パネル１１は、バックライト装置１２から照射された光を利用して表示領域ＡＡにおいて画像を表示することができる。入力部４３及び出力部４４は、バックライト装置１２を構成するＬＥＤ１９の設置スペースを利用して配置されている。つまり、ＬＥＤ１９、入力部４３、及び出力部４４が表示領域ＡＡ外において集約して配置されるので、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち３つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ２を、表示領域ＡＡとの間に挟む表示領域ＡＡ外の各スペースがそれぞれ小さなものとなり、もって狭額縁化を図る上でより好適とされる。

　また、カバーパネル１３のうち液晶パネル１１側の板面における表示領域ＡＡ外には、遮光部１３ａが設けられている。このようにすれば、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２に含まれる一辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に配される入力部４３及び出力部４４が、遮光部１３ａによって使用者に視認され難いものとされる。これにより、表示品位が高いものとなる。

　また、カバーパネル１３のうち液晶パネル１１側の板面には、使用者が入力した位置を検出するためのタッチパネルパターン２６が設けられている。このようにすれば、仮にカバーパネルとは別途にタッチパネルパターンを有するタッチパネルを設けるようにした場合に比べると、部品点数が削減されるので、製造コストの低廉化を図ることができる。

　＜実施形態２＞
　本発明の実施形態２を図９によって説明する。この実施形態２では、出力分離部４７及び出力信号補正部４８を備えたものを示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る音声・データ通信部１４０には、図９に示すように、入力部１４３により変換された入力信号と出力信号との差分をとることで、出力骨伝導音を分離した入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得る出力分離部４７と、カバーパネル（図示せず）により出力骨伝導音が伝達される際に生じる減衰の影響が排除された補正出力信号を出力分離部４７に供給する出力信号補正部４８と、が備えられている。

　出力信号補正部４８は、通話制御部１４５から出力部１４４へと供給される出力信号を補正するようにしており、その補正を行うに際しては、所定の補正係数を上記出力信号に乗算することで補正出力信号を生成するようにしている。この補正係数は、骨伝導音がカバーパネルにより伝達される過程で生じる減衰に係る減衰率の逆数であり、カバーパネルの材質（硬さ、弾性率など）や大きさなどの条件に基づく固有の数値されている。出力信号補正部４８によって生成された補正出力信号は、元の出力信号からカバーパネルにより出力骨伝導音が伝達される際に生じる減衰の影響を排除したものとなっており、カバーパネルにより伝達される実質的な出力骨伝導音に基づくものである。

　出力分離部４７は、差動アンプからなるものとされており、入力信号と出力信号（補正出力信号）との差分をとってその差分を増幅することができる。詳しくは、出力分離部４７は、入力部１４３にてカバーパネルにより伝達される骨伝導音を変換して得られる入力信号と、上記した出力信号補正部４８から供給される補正出力信号と、の差分をとるとともに、その差分を増幅した信号を通話制御部１４５へと伝送するものとされる。ここで、カバーパネルには、入力骨伝導音と出力骨伝導音とが同時に伝達されている場合があり、その場合には、入力部１４３は、入力骨伝導音と出力骨伝導音との混合音を入力信号に変換することになる。このような場合であっても、上記のように、出力分離部４７は、入力信号から出力信号（補正出力信号）を差し引くことで、出力骨伝導音を分離した入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得ることができる。この差分をとる際に用いる出力信号が、出力信号補正部４８から供給される補正出力信号とされているので、実際にカバーパネルにより伝達されている正味の出力骨伝導音を混合音から差し引くことができ、もって入力骨伝導音を的確に抽出することができる。これにより、使用者の音声を通話相手により明瞭な状態で送信することができ、通話品質を一層高いものとすることができる。なお、カバーパネルにより入力骨伝導音のみが伝達されていて出力骨伝導音が混在しない場合には、出力信号が存在しないので、出力分離部４７は、入力信号をそのまま通話制御部１４５へと伝送するものとされる。

　以上説明したように本実施形態によれば、入力部１４３により変換された入力信号と出力信号との差分をとることで、出力骨伝導音を分離した入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得る出力分離部４７を備えている。例えば、カバーパネルにより出力骨伝導音と入力骨伝導音とが同時に伝達される場合には、入力部１４３により変換された入力信号には、入力骨伝導音と出力骨伝導音とが混合して含まれることになる。その場合でも、出力分離部４７は、その入力信号と出力信号との差分をとることで、出力骨伝導音を分離した入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得るものとされているから、混合音から入力骨伝導音を的確に抽出して明瞭な音声入力を図ることができる。

　また、カバーパネルにより出力骨伝導音が伝達される際に生じる減衰に係る減衰率の逆数を補正係数として出力信号に乗算することで、補正出力信号を演算する出力信号補正部４８を備えており、出力分離部４７は、入力信号と補正出力信号との差分をとることで、出力分離入力信号を得るものとされる。このようにすれば、カバーパネルにより出力骨伝導音が伝達される際には減衰が生じる場合があり、その減衰分を除いた実質的な出力骨伝導音に基づく補正出力信号を出力信号補正部４８により演算することができる。出力信号補正部４８により演算された補正出力信号は、出力分離部４７が入力信号に対して差分をとる際に用いられるので、出力分離部４７により混合音から実質的な出力骨伝導音を的確に除去することができ、もって一層明瞭な音声入力を図ることができる。

　また、出力分離部４７は、入力信号と出力信号との差分をとってそれを増幅する差動アンプからなる。このようにすれば、出力分離部４７をなす差動アンプにより入力信号と出力信号との差分をとってそれを増幅することで、より明瞭な音声入力を図ることができる。

　＜実施形態３＞
　本発明の実施形態３を図１０または図１１によって説明する。この実施形態３では、上記した実施形態１から入力部２４３を気導式に変更したものを示す。なお、上記した実施形態１と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。

　本実施形態に係る入力部（気導音入力部）２４３は、図１０及び図１１に示すように、外気により伝達される入力気導音を入力信号に変換するものとされる。この入力部２４３は、使用者の声帯から発せられて外気により伝達される入力気導音である音声を入力信号に変換するマイク（圧電式マイク、コンデンサ式マイクなど）からなるものとされる。カバーパネル２１３のうち入力部２４３が取り付けられた部分（入力部２４３と平面に視て重畳する部分）には、開口部３２が厚さ方向に貫通して設けられている。この開口部３２によって入力部２４３が外気に直接曝されることになるので、入力気導音が入力部２４３に効率的に伝達されるようになっている。また、開口部３２の径寸法は、入力部２４３の外寸よりも十分に小さなものとされる。

　そして、入力部２４３及び出力部２４４は、液晶パネル（図示せず）において表示領域ＡＡを区画する各辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、鉛直方向についての下側の短辺部ＳＳ１を、表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外（非表示領域ＮＡＡ内）に位置するようそれぞれ平面配置されている。このような配置とすれば、使用者がこのスマートフォン（全体の図示は省略する）を使用する際には、入力部２４３が使用者の口元近くに配されることになり、それにより使用者の音声を入力部２４３によってより的確に入力信号に変換することができる（図８を参照）。

　以上説明したように本実施形態によれば、入力部２４３は、外気により伝達される入力気導音を入力信号に変換する気導音入力部とされており、入力部２４３及び出力部２４４は、表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、鉛直方向についての下側の一辺部ＳＳ１を表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外にそれぞれ配されている。このようにすれば、使用者が発した音声などは、入力気導音として外気により伝達された後、入力部２４３によって入力信号に変換されて音声などの入力が図られる。この入力部２４３は、出力部２４４と共に表示領域ＡＡを区画する４つの辺部ＬＳ１，ＬＳ２，ＳＳ１，ＳＳ２のうち、鉛直方向についての下側の一辺部ＳＳ１を表示領域ＡＡとの間に挟む形で表示領域ＡＡ外に配されているから、使用者が当該スマートフォンを使用する際に使用者の口元近くに配されることになり、それにより使用者の音声などをより的確に入力信号に変換することができる。

　＜他の実施形態＞
　本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
　（１）上記した各実施形態では、スマートフォンにおける鉛直方向の下側部分に入力部及び出力部が集約して配されたものを示したが、スマートフォンにおける鉛直方向の上側部分に入力部及び出力部を集約して配することも可能である。すなわち、入力部及び出力部は、液晶パネルにおいて表示領域を区画する各辺部のうち、鉛直方向についての上側の辺部（短辺部）を、表示領域との間に挟む形で表示領域外に位置するようそれぞれ平面配置されていても構わない。それ以外にも、入力部及び出力部は、液晶パネルにおいて表示領域を区画する各辺部のうち、水平方向についての一方の辺部（長辺部）を、表示領域との間に挟む形で表示領域外に位置するようそれぞれ平面配置されていても構わない。

　（２）上記した各実施形態では、入力部及び出力部と液晶パネル用フレキシブル基板とが集約配置された場合を示したが、入力部及び出力部と液晶パネル用フレキシブル基板とが集約されない配置とされていても構わない。具体的には、入力部及び出力部は、液晶パネルにおいて表示領域を区画する各辺部に含まれ且つ表示領域と液晶パネル用フレキシブル基板との間に挟まれる辺部とは異なる辺部を、表示領域との間に挟む形で表示領域外に位置して配される構成であっても構わない。

　（３）上記した各実施形態では、入力部及び出力部とＬＥＤとが集約配置された場合を示したが、入力部及び出力部とＬＥＤとが集約されない配置とされていても構わない。具体的には、入力部及び出力部は、液晶パネルにおいて表示領域を区画する各辺部に含まれ且つ表示領域とＬＥＤとの間に挟まれる辺部とは異なる辺部を、表示領域との間に挟む形で表示領域外に位置して配される構成であっても構わない。

　（４）上記した実施形態２の変形例として、出力信号補正部を省略することも可能である。その場合、出力分離部は、通話制御部から出力部へと供給される出力信号（非補正出力信号）と入力信号との差分をとることで、出力分離信号を生成するものとされる。カバーパネルの材質や大きさなどによっては、カバーパネルにより出力骨伝導音が伝達される際に生じる減衰が極めて少なくなる場合があり、そのような場合に上記のように出力信号補正部を省略するのが特に好ましい。

　（５）上記した実施形態３では、入力部をカバーパネルに取り付けるとともにカバーパネルに開口部を設けるようにした場合を示したが、入力部を他の部材に取り付けるとともに開口部を他の部材に設けることも可能である。例えば、入力部をケーシングに取り付けるとともに開口部をケーシングに設けるようにしてもよい。このようにすれば、カバーパネルを開口の無い状態にすることができる。また、入力部を取り付ける部材と、開口部を設ける部材と、を異ならせることも可能である。

　（６）上記した各実施形態以外にも、カバーパネルにおける入力部及び出力部の平面配置は適宜に変更可能である。例えば、入力部と出力部とのいずれか一方または両方がカバーパネルにおける短辺方向（一辺部に沿う方向）についての中央側部分に配されていても構わない。

　（７）上記した各実施形態では、入力部及び出力部がそれぞれ１つずつ備えられたものを示したが、入力部と出力部とのいずれか一方または両方を複数ずつ設けることも可能である。その場合、例えば、出力部として、出力信号を出力骨伝導音に変換する骨伝導音出力部と、出力信号を出力気導音に変換する気導音出力部と、をそれぞれ設けることが可能である。

　（８）上記した各実施形態では、コントロール基板が通信部及び通話制御部を有するものを示したが、コントロール基板とは別途に通話制御基板を設けるようにし、その通話制御基板に通信部及び通話制御部を設けることで、通話を制御するようにしても構わない。その場合、通話制御基板に通話機能に特化した主制御部を、コントロール基板の主制御部とは別途に設けるのが好ましい。

　（９）上記した各実施形態では、コントロール基板がタッチ位置検出部を有するものを示したが、コントロール基板とは別途にタッチパネル制御基板を設けるようにし、そのタッチパネル制御基板にタッチ位置検出部を設けることで、タッチパネルパターンのタッチ位置を検出するようにしても構わない。

　（１０）上記した各実施形態では、コントロール基板がバックライト制御部を有するものを示したが、コントロール基板とは別途にＬＥＤ駆動基板を設けるようにし、そのＬＥＤ駆動基板にバックライト制御部を設けることで、ＬＥＤに駆動電力を供給するようにしても構わない。

　（１１）上記した各実施形態では、カバーパネルとして化学強化処理を施した強化ガラスを用いた場合を示したが、風冷強化処理（物理強化処理）を施した強化ガラスを用いることも勿論可能である。

　（１２）上記した各実施形態では、カバーパネルとして強化ガラスを用いたものを示したが、強化ガラスではない通常のガラス材（非強化ガラス）や合成樹脂材を用いることも勿論可能である。

　（１３）上記した各実施形態では、表示領域が縦長な長方形状とされた液晶パネルを用いた場合を示したが、表示領域が横長な長方形状とされる液晶パネルや表示領域が正方形状とされる液晶パネルを用いることも可能である。

　（１４）上記した各実施形態では、一例としてデータ通信機能を機能の主体としたスマートフォンを例示したが、画面サイズがより大きなファブレット端末やタブレット端末にも本発明は適用可能である。それ以外にも、通話機能を機能の主体としたフィーチャーフォンにも本発明は適用可能であり、その場合はタッチパネルパターン（タッチパネル機能）を省略することもできる。

　（１５）上記した各実施形態では、液晶パネルが有するカラーフィルタの着色部をＲ，Ｇ，Ｂの３色としたものを例示したが、着色部を４色以上とすることも可能である。

　（１６）上記した各実施形態では、バックライト装置の光源としてＬＥＤを用いたものを示したが、有機ＥＬなどの他の光源を用いることも可能である。

　（１７）上記した各実施形態では、液晶表示装置が備えるバックライト装置としてエッジライト型のものを例示したが、直下型のバックライト装置を用いるようにしたものも本発明に含まれる。

　（１８）上記した各実施形態では、外部光源であるバックライト装置を備えた透過型の液晶表示装置を用いた場合を例示したが、本発明は、外光を利用して表示を行う反射型液晶表示装置を用いたものにも適用可能であり、その場合はバックライト装置を省略することができる。

　（１９）上記した各実施形態では、表示部品として液晶パネルを用いた液晶表示装置を用いた場合を例示したが、他の種類の表示パネル（ＰＤＰ（プラズマディスプレイパネル）や有機ＥＬパネルなど）を備えた表示装置を用いた場合にも本発明は適用可能である。その場合、バックライト装置を省略することが可能である。

　（２０）上記した各実施形態では、液晶表示装置のスイッチング素子としてＴＦＴを用いたが、ＴＦＴ以外のスイッチング素子（例えば薄膜ダイオード（ＴＦＤ））を用いた液晶表示装置を用いた場合にも適用可能であり、カラー表示する液晶表示装置以外にも、白黒表示する液晶表示装置を用いた場合にも適用可能である。

　１１...液晶パネル（表示部品）、１１Ｄ...表示面、１２...バックライト装置（照明装置）、１３，２１３...カバーパネル（外装板）、１３ａ...遮光部、１７...液晶パネル用フレキシブル基板（接続部品）、１９...ＬＥＤ（光源）、２１...導光板、２６...タッチパネルパターン、４３，１４３...入力部（骨伝導音入力部）、４４，１４４，２４４...出力部（骨伝導音出力部）、４７...出力分離部、４８...出力信号補正部、２４３...入力部（気導音入力部）、ＡＡ...表示領域、ＬＳ１，ＬＳ２...長辺部（辺部）、ＳＳ１...短辺部（辺部、一辺部）、ＳＳ２...短辺部（辺部）、ＳＭＰ...スマートフォン（表示機能付き音声伝達装置）

Claims

　画像を表示する方形の表示領域が区画された表示面を有する表示部品と、
　前記表示部品の前記表示面を覆う形で配される外装板と、
　前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配されるとともに、外気により伝達される入力気導音または前記外装板により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する入力部と、
　前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれ且つ前記表示領域と前記入力部との間に挟まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配されるとともに、出力信号を変換して前記外装板に出力骨伝導音として伝達させる骨伝導音出力部と、を備える表示機能付き音声伝達装置。
　前記入力部は、前記外装板により伝達される入力骨伝導音を入力信号に変換する骨伝導音入力部とされる請求項１記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記骨伝導音入力部により変換された前記入力信号と前記出力信号との差分をとることで、前記出力骨伝導音を分離した前記入力骨伝導音に基づく出力分離入力信号を得る出力分離部を備えている請求項２記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記外装板により前記出力骨伝導音が伝達される際に生じる減衰に係る減衰率の逆数を補正係数として前記出力信号に乗算することで、補正出力信号を演算する出力信号補正部を備えており、
　前記出力分離部は、前記入力信号と前記補正出力信号との差分をとることで、前記出力分離入力信号を得るものとされる請求項３記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記出力分離部は、前記入力信号と前記出力信号との差分をとってそれを増幅する差動アンプからなる請求項３または請求項４記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記骨伝導音入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記外装板のうち前記表示部品側の板面にそれぞれ取り付けられている請求項２から請求項５のいずれか１項に記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記入力部は、外気により伝達される入力気導音を入力信号に変換する気導音入力部とされており、
　前記気導音入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記表示領域を区画する４つの辺部のうち、鉛直方向についての下側の一辺部を前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外にそれぞれ配されている請求項１記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記表示部品の外端部に接続される接続部品であって、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配される接続部品を備えており、
　前記入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれ且つ前記表示領域と前記接続部品との間に挟まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外にそれぞれ配されている請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記表示部品に対して前記外装板側とは反対側に配されるとともに前記表示部品に光を照射する照明装置であって、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配される光源と、前記光源からの光を導光する導光板と、を少なくとも有してなる照明装置を備えており、
　前記入力部及び前記骨伝導音出力部は、前記表示領域を区画する４つの辺部に含まれ且つ前記表示領域と前記光源との間に挟まれる一辺部を、前記表示領域との間に挟む形で前記表示領域外に位置して配される請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記外装板のうち前記表示部品側の板面における前記表示領域外には、遮光部が設けられている請求項１から請求項９のいずれか１項に記載の表示機能付き音声伝達装置。
　前記外装板のうち前記表示部品側の板面には、使用者が入力した位置を検出するためのタッチパネルパターンが設けられている請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載の表示機能付き音声伝達装置。