しかしながら、実公昭48-30335号公報のような接触給電システムでは、ガードレールに上下一対の凹部を形成すると共に上下一対の充電アームのうちの上側の充電アームにガイドローラを設ける必要があるため、給電装置及び充電アームが大型化及び複雑化してしまう。
これに対して、特開2013-233037号公報のような接触給電システムでは、架線保持部のV字溝の各溝側面に固定された一対の架線と1本の充電アームに設けられた一対の受電部とを接触させるため、上述した複雑な位置ずれ抑制機構(ガイドローラやガードレールの凹部等)を設けなくても架線に対する受電部の鉛直方向の位置ずれを抑制することができる。そのため、給電装置及び充電アームを大型化及び複雑化させることなく一対の架線に一対の受電部を確実に接触させることができる。しかしながら、このような給電装置では、走行路に沿って延在する架線保持部を絶縁材料で構成する必要があるため、製造コストが高騰化してしまうおそれがある。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、給電装置及び充電アームを大型化及び複雑化させることなく一対の架線に一対の受電部を確実に接触させることが可能であると共に、製造コストの低廉化を図ることができる給電装置及び接触給電システムを提供することを目的とする。
本発明に係る給電装置は、電動車両から車幅方向外側に延出する充電アームの一対の受電部に接触給電する給電装置であって、一対の前記受電部に接触可能な状態で前記電動車両の走行路に沿って延在して電力が供給される一対の架線と、各架線を支持する一対の碍子部と、各前記碍子部が固定された一対の保持板を含み、且つ一対の前記架線に対して前記走行路とは反対側に設けられたベース部と、を備え、前記ベース部は、一対の前記架線の絶縁距離が確保され、且つ前記充電アームに対する一方の前記架線の接触部が前記走行路側に向かって斜め上方に指向すると共に前記充電アームに対する他方の前記架線の接触部が前記走行路側に向かって斜め下方に指向するように形成されている、ことを特徴とする。
本発明に係る給電装置によれば、一方の架線の接触部が走行路側に向かって斜め上方に指向すると共に他方の架線の接触部が走行路側に向かって斜め下方に指向しているので、一対の架線の間に充電アームを進入させることで一対の架線と一対の受電部とを接触させることができる。これにより、一対の架線と一対の受電部とが接触した状態で、走行路の凹凸によって電動車両が鉛直方向に振動した場合に、複雑な位置ずれ抑制機構を特別に設けることなく架線に対する受電部の鉛直方向の位置ずれを抑制することができる。すなわち、給電装置及び充電アームを大型化及び複雑化させることなく一対の架線に一対の受電部を確実に接触させることができる。また、各架線とベース部とを碍子部により電気的に絶縁しながらこれら架線を所定位置に保持することによって碍子部を架線に沿って同じ長さ延在させる必要がないため、製造コストの低廉化を図ることができる。
上記の給電装置において、一方の前記保持板の平面は前記走行路側に向かって斜め上方に指向し、他方の前記保持板の平面は前記走行路側に向かって斜め下方に指向していてもよい。
このような構成によれば、簡易な構成により、一方の架線の接触部を走行路側に向かって斜め上方に指向させることができると共に他方の架線の接触部を走行路側に向かって斜め下方に指向させることができる。
上記の給電装置において、前記給電装置に対して前記走行路とは反対側の空間と一対の前記架線とを隔離する保護部をさらに備え、前記保護部は、一対の前記架線よりも前記走行路の外側に位置して鉛直方向に延在した鉛直壁と、前記鉛直壁から一対の前記架線の下方に延出する下側壁と、前記鉛直壁から一対の前記架線の上方に延出する上側壁と、をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、保護部により給電装置に対して走行路とは反対側の空間から一対の架線が隔離されるため、当該空間に設けられる道路の安全を確保することができる。
上記の給電装置において、前記上側壁の上面は、前記走行路の外側に向かって斜め下方に傾斜していてもよい。
このような構成によれば、上側壁の上面に付着した雨水を前記道路に導き排出することができる。これにより、雨水により架線が錆びたり各部品間の絶縁性能が低下したりすることを抑制できる。
上記の給電装置において、前記保護部は、前記上側壁の前記走行路側の端部から上方及び下方の少なくともいずれか一方に突出した突出壁を有していてもよい。
このような構成によれば、上側壁の走行路側の端部に突出壁を設けているので、給電装置に対して走行路とは反対側の空間と架線とを確実に隔離することができる(前記空間から架線への人手等による接触を防止することができる)と共に雨水の架線及びその周辺部品への浸入を抑制することができる。
上記の給電装置において、前記保護部が支持された支柱を有して各前記架線に沿って設けられたガードレールをさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、走行路を走行する車両等が架線に接触することをガードレールによって抑制することができる。また、保護部をガードレールの支柱で支持しているので、保護部を支持するための部材をガードレールとは別に設ける必要がない。よって、給電装置の構成をより簡素化することができる。
上記の給電装置において、前記充電アームの一対の前記受電部を一対の前記架線に案内するガイド部をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、充電アームの一対の受電部がガイド部により一対の架線に案内されるので、受電部と架線との接触を容易且つ確実に行うことができる。
本発明に係る接触給電システムは、一対の受電部が設けられると共に車幅方向外側に延出する充電アームを有する電動車両と、一対の前記受電部に接触給電する上記の給電装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、一方の架線の接触部が走行路側に向かって斜め上方に指向すると共に他方の架線の接触部が走行路側に向かって斜め下方に指向しているので、給電装置及び充電アームを大型化及び複雑化させることなく一対の架線に一対の受電部を確実に接触させることが可能である。また、各架線が碍子部を介してベース部に支持されているので、製造コストの低廉化を図ることができる。
以下、本発明に係る給電装置を備える接触給電システムについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、接触給電システム(接触充電システム)12は、電動車両14と、走行中の電動車両14に接触給電する給電装置10とを備える。電動車両14は、駆動源としての電動機16と、この電動機16に電力を供給するための駆動用の蓄電装置18とを搭載する車両であり、例えば、電気自動車、内燃機関を搭載するハイブリッド自動車、及び燃料電池を搭載する燃料電池自動車等がこれに該当する。
また、電動車両14は、前輪WFと後輪WRの間の片方の側部から展開して車幅方向外側に延出する充電アーム20を有している。図1では、電動車両14の左側部に充電アーム20を設けた例を示しているが、電動車両14の右側部に充電アーム20を設けてもよい。充電アーム20は、その先端部を構成する充電ヘッド22を含む。図6に示すように、充電ヘッド22は、互いに離間して設けられた上下一対の受電部24p、24nを備える。
上方に位置する正極側の受電部24pと下方に位置する負極側の受電部24nのそれぞれは、図示しないケーブルや電気回路を介して電動車両14の蓄電装置18に電気的に接続されている。各受電部24p、24nは、円錐台状に構成されており、鉛直方向に沿った回転軸線を有する。すなわち、各受電部24p、24nは、回転可能となっている。
給電装置10は、例えば、高速道路や一般道路等の走行路200に設けられた路肩201等、あるいは自動車レース場の走行路200に設けられた路肩201等に所定区間の長さで設けられる。所定区間の長さは、任意に設定可能であるが、例えば、所定電費を有する電動車両14が、ある給電装置10の位置から次の給電装置10の位置までに走行可能な充電量を充電できる長さに設定される。本実施形態では、走行路200の外側に路肩201を介して歩道202が設けられている(図1参照)。
図2~図4に示すように、給電装置10は、一対の受電部24p、24nに接触可能な状態で走行路200に沿って所定区間の長さ設けられた上下一対の架線26p、26nと、各架線26p、26nに電力を供給する電源装置28とを備える。
上方に位置する正極側の架線26pには、直流の高電圧である第1電圧が電源装置28から印加され、下方に位置する負極側の架線26nには、第1電圧よりも低い直流の定電圧(基準電圧)である第2電圧が電源装置28から印加される。すなわち、各架線26p、26nに各受電部24p、24nが接触することにより、電源装置28の電力が電動車両14に供給されて蓄電装置18が充電されることとなる。これら架線26p、26nは、互いに所定の絶縁距離だけ離間した状態で略水平に延在している。また、各架線26p、26nは、横断面が略矩形状に形成されている。
給電装置10は、架線26p、26nに沿って設けられたガードレール30と、一対の架線26p、26nを保持する架線保持部32と、上下一対のガイドプレート34a、34bと、保護部36とを備える。
ガードレール30は、路面から所定高さの位置に設けられて架線26p、26nに沿って所定区間の長さ延在した波板状のビーム38と、路肩201に立設されてビーム38を支持する複数の第1支柱40とを有する。ビーム38は、その延在方向に沿って所定間隔で設けられた複数の第1支柱40のそれぞれに取付具42を介してボルト等の締結部材43によって固定されている。また、図3から諒解されるように、ビーム38は、各架線26p、26nよりも走行路200側に位置している。
架線保持部32は、路肩201に立設された複数の第2支柱44と、各第2支柱44に設けられたブラケット(ベース部)46と、ブラケット46に取り付けられて各架線26p、26nを支持する上下一対の支持具48a、48bとを有する。複数の第2支柱44は、走行路200に沿って所定間隔で設けられている。
ブラケット46は、各架線26p、26nよりも歩道202側に設けられ、鉛直方向に沿って延在して第2支柱44に接合された基板50と、基板50に設けられた一対の保持板52a、52bとを含む。本実施形態では、基板50は、ボルト54によって第2支柱44に接合されているが、溶接等の任意の接合方法によって第2支柱44に接合してもよいことは勿論である。
保持板52aは、基板50の下端から走行路200側に向かって斜め下方に延出している。換言すれば、保持板52aは、その平面が走行路200側に向かって斜め上方に指向している。保持板52bは、基板50の上端から走行路200側に向かって斜め上方に延出している。換言すれば、保持板52bは、その平面が走行路200側に向かって斜め下方に指向している。
図5に示すように、下方に位置する支持具48aは、架線26nを支持するためのものであって、保持板52aに設けられた碍子部56と、碍子部56に装着された架線台58と、架線台58に架線26nを固定するためのクランプ60とを含む。碍子部56は、基端側にねじ部62が設けられた絶縁部64と、絶縁部64の先端側に固着された把持具66とを備える。ねじ部62は、保持板52aの平面に対して略垂直に固定されている。絶縁部64は、電気的絶縁性を有するセラミックスや樹脂等で構成されている。
架線台58は、架線26nに沿って所定区間の長さ延在しており、把持具66によって把持される平板状の固定板68と、固定板68から延出した一対の側板70、72と、これら側板70、72が連なる設置板74とを有する。各側板70、72は、固定板68から設置板74に向かって互いの間隔が狭くなるように斜めに延出した後、固定板68に対して略垂直に設置板74まで延出している。設置板74には、架線26nの基端面が接触する。
クランプ60は、架線台58に沿って同じ長さ延在しており、その先端部が架線26nの基端側のくびれ部75に係合した状態で、その基端部がボルト76によって一対の側板70、72を挟み込むように接合されている。これにより、架線26nは、架線台58に対して強固に固定されることとなる。架線台58に固定された架線26nの受電部24nに対する接触面(接触部)78aは、走行路200側に向かって斜め上方に指向する。
上方に位置する支持具48bは、上述した支持具48aと同様の構成を有している。そのため、支持具48bの詳細な説明は省略する。なお、支持具48bでは、架線台58に固定された架線26pの受電部24pに対する接触面(接触部)78bは、走行路200側に向かって斜め下方に指向する。
下方に位置するガイドプレート34aは、受電部24nを架線26nに案内するためのものであって、絶縁性材料で構成された状態で架線26nに沿って同じ長さ延在している。ガイドプレート34aは、支持具48aのクランプ60の下方にボルト76によって接合されて架線26nの接触面78aのやや手前まで延出した取付部80と、取付部80の先端に設けられて接触面78aと略平行に設けられた面84を含む案内部82とを有する。案内部82は、架線26nの側面に当接している。なお、図5から諒解されるように、案内部82の面84は、架線26nの接触面78aよりも保持板52a側にオフセットしている。
上方に位置するガイドプレート34bは、受電部24pを架線26pに案内するためのものであって、絶縁材料で構成された状態で架線26pに沿って同じ長さ延在している。このガイドプレート34bは、上述したガイドプレート34aと同様の構成を有している。そのため、ガイドプレート34bの詳細な説明は省略する。なお、ガイドプレート34bの取付部80は、支持具48bのクランプ60の上方に接合されている。
保護部36は、一対の架線26p、26nと給電装置10に対して走行路200とは反対側の空間(歩道202側の空間)とを隔離するためのものであって、架線26p、26nに沿って同じ長さ延在している。なお、保護部36は、架線保持部32と対応する位置において、その一部が切り欠かれている(図3参照)。保護部36と架線保持部32との干渉を避けるためである。保護部36は、架線26n側に設けられた第1保護壁86aと、架線26p側に設けられた第2保護壁86bとを備える。
第1保護壁86aは、架線26nを下方及び歩道202側から覆うように構成されている。具体的には、第1保護壁86aは、鉛直方向に沿って延在した鉛直壁88と、鉛直壁88の下端から走行路200側に向かって架線26nの下方に延出した下側壁90と、鉛直壁88の上側部から走行路200側に向かって延出した内側壁92とを有している。
鉛直壁88は、第1取付具94を介して第1支柱40に固定されている。下側壁90は、鉛直壁88から走行路200側に略水平に延出した後で斜め上方に向かってガイドプレート34aを構成する案内部82の近傍の充電ヘッド22と干渉しない位置まで延出している。内側壁92は、鉛直壁88から架線26nのやや手前まで略水平に延出している。
第2保護壁86bは、架線26pを上方及び歩道202側から覆うように構成されており、鉛直方向に沿って延在した鉛直壁96と、鉛直壁96の下側部から走行路200側に向かって延出した内側壁98と、鉛直壁96の上端から走行路200側に向かって架線26pの上方に延出した上側壁100と、上側壁100の走行路200側の端部から鉛直方向に突出した突出壁102とを有している。
鉛直壁96は、第2取付具104を介して第1支柱40に固定されている。内側壁98は、鉛直壁96から架線26pのやや手前まで略水平に延出している。上側壁100は、鉛直壁96から走行路200側に向かって斜め上方に延出している。上側壁100(上側壁100の上面)の傾斜角度は、任意に設定することが可能であるが、上側壁100の上面に雨水等が付着した際にその雨水が上側壁100の傾斜によって歩道202側に流れる程度の角度に設定される。これにより、上側壁100の上面に付着した雨水が歩道202側に導かれ排出される。
突出壁102は、ガードレール30のビーム38の下方に位置しており、上側壁100の走行路200側の端部から上下両方に延在している。これにより、歩道202側の空間と架線26p、26nとがより確実に隔離されると共に雨水の架線26p、26n及びその周辺部品への浸入が一層抑制される。また、突出壁102の下端は、ガイドプレート34bを構成する案内部82の近傍の充電ヘッド22と干渉しない位置にある。
ただし、突出壁102は、上側壁100の走行路200側の端部から上方にのみ延出していてもよいし、当該端部から下方にのみ延出していてもよい。これらいずれの場合であっても、歩道202側の空間と架線26p、26nとが確実に隔離されると共に雨水の架線26p、26n及びその周辺部品への浸入が一層抑制される。
このように構成された接触給電システム12では、電動車両14の蓄電装置18を充電する場合、走行中の電動車両14の側部から充電アーム20を展開して車幅方向外側に延出させる。そして、電動車両14を架線26p、26n側に寄せることにより、充電アーム20の充電ヘッド22を上下一対のガイドプレート34a、34bの間に挿入する。
このとき、走行路200の凹凸によって充電ヘッド22が鉛直方向に振動することがあるが、充電ヘッド22がガイドプレート34a又はガイドプレート34bに接触することにより充電ヘッド22の鉛直方向の振動幅を小さくすることができる。そして、電動車両14を架線26p、26n側にさらに寄せると、充電ヘッド22が一対の架線26p、26nの間に進入すると共に一対の受電部24p、24nがガイドプレート34a、34bにより架線26p、26nに案内されて接触する。
本実施形態では、架線26nの接触面78aが走行路200側に向かって斜め上方に指向すると共に架線26pの接触面78bが走行路200側に向かって斜め下方に指向しているので、充電ヘッド22は、一対の受電部24p、24nと一対の架線26p、26nとが接触している状態で、給電装置10に対して鉛直方向の移動が制限される。これにより、走行路200の凹凸によって電動車両14が鉛直方向に振動したとしても、一対の受電部24p、24nが一対の架線26p、26nから脱離することが抑制される。
一対の受電部24p、24nが一対の架線26p、26nに接触すると、電源装置28から架線26p、26n及び受電部24p、24nを介して蓄電装置18に電力が供給される。なお、この状態で、架線26p、26nとブラケット46とは碍子部56により電気的に絶縁されているため、蓄電装置18の充電が確実に行われる。
そして、電動車両14が給電装置10から離れて架線26p、26nと受電部24p、24nとが非接触となった時に蓄電装置18の充電が終了する。充電終了後、電動車両14は、充電アーム20を折り畳みその側部に収納する。
本実施形態によれば、一方(下側)の架線26nの接触面78aが走行路200側に向かって斜め上方に指向すると共に他方(上側)の架線26pの接触面78bが走行路200側に向かって斜め下方に指向しているので、一対の架線26p、26nの間に充電ヘッド22を進入させることで一対の架線26p、26nと一対の受電部24p、24nとを接触させることができる。これにより、一対の架線26p、26nと一対の受電部24p、24nとが接触した状態で、走行路200の凹凸によって電動車両14が鉛直方向に振動した場合に、複雑な位置ずれ抑制機構を特別に設けることなく架線26p、26nに対する受電部24p、24nの鉛直方向の位置ずれを抑制することができる。すなわち、給電装置10及び充電アーム20を大型化及び複雑化させることなく一対の架線26p、26nに一対の受電部24p、24nを確実に接触させることができる。
また、架線26nを支持する碍子部56は、一対の架線26p、26nに対して走行路200とは反対側(歩道202側)に設けられたブラケット46の保持板52aに対して固定され、架線26pを支持する碍子部56は、当該ブラケット46の保持板52bに対して固定されている。これにより、各架線26p、26nとブラケット46とを各碍子部56により電気的に絶縁しながらこれら架線26p、26nを所定位置に保持することによって各碍子部56を架線26p、26nに沿って同じ長さ延在させる必要がないため、給電装置10の製造コストの低廉化を図ることができる。
本実施形態によれば、一方(下側)の保持板52aの平面が走行路200側に向かって斜め上方に指向し、他方(上側)の保持板52bの平面が走行路200側に向かって斜め下方に指向している。そのため、簡易な構成により、架線26nの接触面78aを走行路200側に向かって斜め上方に指向させることができると共に架線26pの接触面78bを走行路200側に向かって斜め下方に指向させることができる。
本実施形態では、鉛直壁88及び下側壁90を有する第1保護壁86aと鉛直壁96及び上側壁100を有する第2保護壁86bとを備える保護部36によって給電装置10に対して走行路200とは反対側の空間から一対の架線26p、26nを隔離している。これにより、当該空間に設けられた歩道202の安全を確保することができる。
また、上側壁100の上面は、歩道202側に向かって斜め下方に傾斜しているので、上側壁100の上面に付着した雨水を歩道202に導き排出することができる。これにより、雨水により架線26p、26nが錆びたり各部品間(例えば、一対の架線26p、26nの間)の絶縁性能が低下したりすることを抑制できる。
さらに、上側壁100の走行路200側の端部に突出壁102を設けているので、歩道202側の空間と架線26p、26nとを確実に隔離することができる(当該空間から架線26p、26nへの人手等による接触を防止することができる)と共に雨水の架線26p、26n及びその周辺部品への浸入を抑制することができる。
本実施形態によれば、ガードレール30のビーム38が架線26p、26nよりも走行路200側に設けられているので、走行路200を走行する車両等が架線26p、26nに接触することをガードレール30によって抑制することができる。また、保護部36をガードレール30に支持しているので、保護部36を支持するための部材をガードレール30とは別に設ける必要がない。よって、給電装置10の構成をより簡素化することができる。
本実施形態では、受電部24nがガイドプレート34aにより架線26nに案内されて受電部24pがガイドプレート34bにより架線26pに案内されるので、受電部24p、24nと架線26p、26nとの接触を容易且つ確実に行うことができる。
本実施形態は、上述した構成に限定されない。架線保持部32のブラケット46は、ガードレール30の第1支柱40に固定しても構わない。この場合、架線保持部32の第2支柱44を省略することができるので、給電装置10をより簡素化することができる。
また、保護部36は、第1保護壁86aの鉛直壁88と第2保護壁86bの鉛直壁96とを一体的に形成しても構わない。これにより、歩道202と一対の架線26p、26nとを一層確実に隔離することが可能となる。
本発明に係る給電装置及び接触給電システムは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。