WO2015075770A1 - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents

Abstract

　閲覧する人物に応じた個人情報保護を行う画像処理装置を提供する。前記画像処理装置のユーザに固有なパスワードを記憶し、特定の人物の画像データを登録し、撮像された画像データから人物を検出し、検出された人物の画像データと登録された特定の人物の画像データとが一致するか否かを判定し、判定結果に基づいて前記パスワードを参照して検出された人物のうち少なくも顔における画像データを保護加工して出力する。ユーザが操作し入力した情報が前記パスワードと一致する場合には、前記保護加工を解除して画像データを出力する。

Description

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

　本発明は、個人情報保護機能を有する画像処理装置に関する。

　被写体像をＣＣＤ（Ｃｈａｒｇｅ　Ｃｏｕｐｌｅｄ　Ｄｅｖｉｃｅ）等の電子デバイスにより電気信号に変換してメモリ媒体に記録するデジタルカメラの普及が著しい。また、最近では、このデジタルカメラ機能が携帯電話やスマートホン、タブレット端末等の情報端末機器に搭載されることも一般的となった。更に、インターネットの普及に伴い、前記デジタルカメラ等で撮影した画像を個人で作成したホームページ等に掲載して公開する機会も増えている。

　個人で撮影した画像を公開する場合、自他のプライバシーに対する配慮が望まれる。即ち、画像内容から個人情報を特定できないようにする保護処理を、撮影した画像に対して施すことが重要である。前記保護処理を実現するデジタルカメラの一例が下記特許文献１に記載されている。

　下記特許文献１には、段落[０００８]にあるように、『撮影画像から人物の顔、及び文字等の個人情報と、この個人情報が存在する領域の座標とを検出する個人情報検出手段と、撮影画像に個人情報の座標を含む付加情報を付加した記憶画像を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、記憶手段から読み出した記憶画像を表示手段に再生表示させる際に、個人情報を保護する保護処理を行うか否かを選択可能にする個人情報保護選択手段と、保護処理を行うことが選択されたときに付加情報から個人情報の座標を取得し、個人情報が識別できないように記憶画像に画像処理を施して保護済み画像を生成する画像処理手段と、を備え、記憶制御手段は、保護済み画像を記憶画像とは別の画像として記憶手段に記憶させる』技術が記載されている。

特開２００９－０８１６３５号公報

　保護処理を行った撮影画像をホームページに掲載して公開した場合、言うまでもなく、前記ホームページを閲覧する人物は前記撮影画像の詳細を把握することができない。しかしながら、ホームページを閲覧する人物が前記撮影画像の撮影者の知人である場合等、過度の個人情報保護が不要であると判断される人物に対しては、前記保護処理を行わない撮影画像の閲覧を許容したい場合がある。保護処理を行っていない撮影画像を掲載するホームページと保護処理を行った撮影画像を掲載するホームページを別個に作成し、一方を知人に対して、他方をその他の第三者に対して公開することも考えられるが、効率的な手法とは言えない。

　即ち、撮影者により閲覧を許容された人物は詳細を把握可能であり、その他の第三者は限定的閲覧のみが可能な保護処理を施された撮影画像を用意し、前記撮影画像をホームページに掲載して公開することが望ましい。また、前述の保護処理を実現する機能を有したデジタルカメラであれば使い勝手が良い。しかしながら、前記特許文献１には、前述の保護処理を実現する機能に関する記載はされていない。

　本発明の目的は、前記課題を考慮し、閲覧する人物に応じた個人情報保護を実現する画像処理装置を提供することである。

　前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲に記載の技術を用いる。

　例を挙げるならば、本発明は画像データを処理する画像処理装置であって、該画像処理装置のユーザに固有な保護情報を記憶する保護情報記憶部と、特定の人物の画像データを登録し記憶する人物画像登録部と、画像データが入力される画像入力部と、該画像入力部から入力された画像データから人物を検出する人物検出部と、該人物検出部で検出された人物の画像データと前記人物画像登録部に登録された人物の画像データとに基づき双方の人物が一致するか否かを判定する人物認証部と、前記画像入力部から入力された画像データに対して前記人物検出部で検出した人物の少なくも顔領域に保護加工を行う保護加工部と、該保護加工部で保護加工された画像データを出力する画像出力部と、前記画像処理装置の動作を制御する制御部を有し、該制御部は、前記人物認証部における判定に基づいて前記保護加工部が前記保護情報記憶部に記憶された保護情報を参照して前記画像データに保護加工を行うように制御することを特徴としている。

　また本発明は、画像データを処理する画像処理装置における画像処理方法であって、前記画像処理装置のユーザに固有な保護情報を記憶する保護情報記憶ステップと、特定の人物の画像データを登録し記憶する人物画像登録ステップと、画像データが入力される画像入力ステップと、該画像入力ステップで入力された画像データから人物を検出する人物検出ステップと、該人物検出ステップで検出された人物の画像データと前記人物画像登録ステップで登録された人物の画像データとに基づき双方の人物が一致するか否かを判定する人物認証ステップと、前記画像入力ステップから入力された画像データに対して前記人物検出ステップで検出した人物の少なくも顔領域に保護加工を行う保護加工ステップと、該保護加工ステップで保護加工された画像データを出力する画像出力ステップと、前記画像処理装置の動作を制御する制御ステップを有し、該制御ステップは、前記人物認証ステップにおける判定に基づいて前記保護加工ステップが前記保護情報記憶ステップで記憶された保護情報を参照して前記画像データに保護加工を行うように制御することを特徴としている。

　また本発明は、情報を記憶する記憶媒体を有し画像データを処理する画像処理装置における画像処理プログラムであって、前記画像処理装置の指示に応じて前記画像処理装置が有する記憶媒体に書き込まれ該記憶媒体から読み出されて前記画像処理装置を動作させ、前記画像処理装置のユーザに固有な保護情報を前記記憶媒体に記憶する保護情報記憶ステップと、特定の人物の画像データを登録し前記記憶媒体に記憶する人物画像登録ステップと、入力された画像データを取込む画像取込みステップと、該画像取込みステップで取込まれた画像データから人物を検出する人物検出ステップと、該人物検出ステップで検出された人物の画像データと前記人物画像登録ステップで登録された人物の画像データとに基づき双方の人物が一致するか否かを判定する人物認証ステップと、前記画像取込みステップで取込まれた画像データに対して前記人物検出ステップで検出した人物の少なくも顔領域に保護加工を行う保護加工ステップと、該保護加工ステップで保護加工された画像データを出力する画像出力ステップと、前記画像処理装置の動作を制御する制御ステップを有し、該制御ステップは、前記人物認証ステップにおける判定に基づいて前記保護加工ステップが前記保護情報記憶ステップで記憶された保護情報を参照して前記画像データに保護加工を行うように制御することを特徴としている。

　本発明の技術を用いることにより、閲覧する人物に応じた個人情報保護を実現する画像処理装置を提供することができる。

実施例の画像処理装置のブロック図。 実施例の画像処理装置のソフトウェア構成図。 実施例の画像処理装置を含む通信システムの構成図。 実施例の画像処理装置の第１の外観図。 実施例の画像処理装置の第２の外観図。 実施例１の画像処理装置の基本画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置のカメラ機能選択メニュー画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置のパスワード設定画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置の人物画像登録画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置の撮影画像の保護／記録処理を示すフローチャート。 実施例１の画像処理装置のライブビュー表示画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置の人物検出処理を示す概念図。 実施例１の画像処理装置のプレビュー画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置の保護加工処理を施された画像を示す概念図。 実施例１の画像処理装置の保護加工処理を施されない画像を示す概念図。 実施例１の画像処理装置の画像データファイルの構成を示す概念図。 実施例１の画像処理装置の閲覧メニュー画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置の閲覧パスワード設定画面を示す見取図。 実施例１の画像処理装置の画像閲覧処理を示すフローチャート。 実施例１の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第１の概念図。 実施例１の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第２の概念図。 実施例１の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第３の概念図。 実施例１の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第４の概念図。 実施例１の画像処理装置の保護加工処理を施された画像を示す概念図。 実施例２の画像処理装置のカメラ機能選択メニュー画面を示す見取図。 実施例２の画像処理装置のパスワード設定画面を示す見取図。 実施例２の画像処理装置の撮影画像の保護／記録処理を示すフローチャート。 実施例２の画像処理装置の保護加工処理を施された画像を示す第１の概念図。 実施例２の画像処理装置の保護加工処理を施された画像を示す第２の概念図。 実施例２の画像処理装置の保護加工処理を施された画像を示す第３の概念図。 実施例２の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第１の概念図。 実施例２の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第２の概念図。 実施例２の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第３の概念図。 実施例２の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第４の概念図。 実施例２の画像処理装置の画像閲覧処理を示す第５の概念図。 実施例３の画像データサーバのブロック図。 実施例３の画像処理装置の撮影画像の保護／記録処理を示すフローチャート。 実施例３の画像処理装置のカメラ機能選択メニュー画面を示す見取図。

　以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。

　図１Ａは、本実施例の画像処理装置のブロック図である。画像処理装置１００は、主制御部１０１、システムバス１０２、ＲＯＭ１０３、ＲＡＭ１０４、ストレージ部１１０、画像処理部１２０、音声処理部１３０、操作部１４０、通信処理部１５０、センサ部１６０、及び拡張インタフェース部１７０を有する。

　図１Ｂは、本実施例の画像処理装置１００のソフトウェア構成図であり、ＲＯＭ１０３、ＲＡＭ１０４、及びストレージ部１１０におけるソフトウェア構成を示す。詳細は後述する。

　図２は、本実施例の画像処理装置１００を含む通信システムの構成図である。前記通信システムは、画像処理装置１００と、インターネット等の広域公衆ネットワーク２０１及びその無線通信用アクセスポイント２０２、移動体電話通信網の基地局２０３、アプリケーションサーバ２１１、画像データサーバ２１２、移動体電話通信サーバ２１３、ルータ装置２２１、及びＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｃｏｍｐｕｔｅｒ）２２２を有する。

　画像処理装置１００は、デジタルスチルカメラの他、カメラ機能を備えた携帯電話やスマートホン、タブレット端末等であっても良い。また、ＰＤＡ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｄｉｇｉｔａｌ　Ａｓｓｉｓｔａｎｔｓ）やノート型ＰＣであっても良い。また、動画撮影可能なビデオカメラや携帯型ゲーム機等、またはその他の携帯用デジタル機器であっても良い。

　主制御部１０１は、所定のプログラムに従って画像処理装置１００全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス１０２は主制御部１０１と画像処理装置１００内の各部との間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。

　ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）１０３は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他のアプリケーションプログラムが格納されたメモリであり、例えばＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ　Ｅｒａｓａｂｌｅ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　ＲＯＭ）やフラッシュＲＯＭのような書き換え可能なＲＯＭが用いられる。ＲＯＭ１０３に格納されたプログラムを更新することにより、基本動作プログラムやその他のアプリケーションプログラムのバージョンアップや機能拡張が可能であるものとする。

　ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）１０４は基本動作プログラムやその他のアプリケーションプログラム実行時のワークエリアとなる。具体的には、例えばＲＯＭ１０３に格納された基本動作プログラム１０３ａはＲＡＭ１０４に展開され、更に主制御部１０１が前記展開された基本動作プログラムを実行することにより、基本動作実行部１０４ａを構成する。以下では、説明を簡単にするために、主制御部１０１がＲＯＭ１０３に格納された基本動作プログラム１０３ａをＲＡＭ１０４に展開して実行することにより各部の制御を行う処理を、基本動作実行部１０４ａが各部の制御を行うものとして記述する。なお、その他のアプリケーションプログラムに関しても同様の記述を行うものとする。

　ＲＯＭ１０３及びＲＡＭ１０４は主制御部１０１と一体構成であっても良い。また、ＲＯＭ１０３は、図１に示したような独立構成とはせず、ストレージ部１１０内の一部記憶領域を使用しても良い。また、ＲＡＭ１０４は、各種アプリケーションプログラム実行時に、必要に応じてデータを一時的に保持する一時記憶領域を備えるものとする。

　ストレージ部１１０は、画像処理装置１００の各動作設定値や画像処理装置１００のユーザの情報等を記憶する。また、画像処理装置１００で撮影した静止画像データや動画像データ等も、ストレージ部１１０は、記憶可能であるものとする。また、画像処理装置１００は、アプリケーションサーバ２１１から、インターネット２０１及び無線通信用アクセスポイント２０２若しくは移動体電話通信網の基地局２０３を介して、新規アプリケーションプログラムをダウンロードすることにより、機能拡張が可能であるものとする。この際、ダウンロードした前記新規アプリケーションプログラムは、ストレージ部１１０に記憶される。主制御部１０１が、ストレージ部１１０に記憶された前記新規アプリケーションプログラムをＲＡＭ１０４に展開し、更に前記展開した新規アプリケーションプログラムを実行することにより、画像処理装置１００は多種の新規機能を実現可能であるものとする。

　ストレージ部１１０の一部領域を以ってＲＯＭ１０３の機能の全部または一部を代替しても良い。また、ストレージ部１１０は、画像処理装置１００に電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。したがって、例えばフラッシュＲＯＭやＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ　Ｓｔａｔｅ　Ｄｒｉｖｅ）、ＨＤＤ（Ｈａｒｄ　Ｄｉｓｃ　Ｄｒｉｖｅ）等のデバイスが用いられる。

　画像処理部１２０は、表示部１２１、画像信号処理部１２２、第一画像入力部１２３、及び第二画像入力部１２４を有する。表示部１２１は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであり、画像信号処理部１２２で処理した画像データを画像処理装置１００のユーザに提供する。もちろん、前記画像データを画像処理装置１００の外部に設けられた表示デバイスに出力する画像出力部を有しても良い。画像信号処理部１２２は図示を省略したビデオＲＡＭを備え、前記ビデオＲＡＭに入力された画像データに基づいて表示部１２１が駆動される。また、画像信号処理部１２２は、必要に応じてフォーマット変換、メニューやその他のＯＳＤ（Ｏｎ　Ｓｃｒｅｅｎ　Ｄｉｓｐｌａｙ）信号の重畳処理等を行う機能を有するものとする。第一画像入力部１２３及び第二画像入力部１２４は、ＣＣＤやＣＭＯＳ（Ｃｏｍｐｌｅｍｅｎｔａｒｙ　Ｍｅｔａｌ　Ｏｘｉｄｅ　Ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒ）センサ等の電子デバイスを用いてレンズから入力された光を電気信号に変換することにより、周囲や対象物の画像データを入力するカメラユニットである。

　図３Ａ及び図３Ｂは、本実施例の画像処理装置１００の第１及び第２の外観図である。なお、前記外観図は、画像処理装置１００がスマートホン等の情報端末機器である場合の例であり、図３Ａは画像処理装置１００の表面図、図３Ｂは画像処理装置１００の背面（裏面）図である。左右側面及び天地面等に関しては図示を省略する。同図に示したように、本実施例においては、第一画像入力部１２３は表示部１２１と同一面（表面）に位置し、第二画像入力部１２４は表示部１２１の反対面（背面）に位置するものとする。以下では、表示部１２１と同一面に位置する第一画像入力部１２３を『インカメラ』、表示部１２１と反対面に位置する第二画像入力部１２４を『アウトカメラ』と称する場合がある。

　なお、第二画像入力部１２４の位置は、表示部１２１と同一面でなければ背面でなくとも良い。また、第二画像入力部１２４は画像処理装置１００と別体であり、有線通信または無線通信により画像処理装置１００と接続されるものであっても良い。また、何れか一方のカメラユニットのみが備えられた構成であっても良い。また、画像処理装置１００がデジタルスチルカメラである場合等、図３と異なる形状を有していても良い。

　音声処理部１３０は、音声出力部１３１、音声信号処理部１３２、及び音声入力部１３３を有する。音声出力部１３１はスピーカであり、音声信号処理部１３２で処理した音声信号を画像処理装置１００のユーザに提供する。音声入力部１３３はマイクであり、ユーザの声などを音声データに変換して入力する。なお、音声入力部１３３は画像処理装置１００と別体であり、有線通信または無線通信により画像処理装置１００と接続されるものであっても良い。

　操作部１４０は、画像処理装置１００に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、本実施例では、表示部１２１に重ねて配置したタッチパネル１４０ｔ及びボタンスイッチを並べた操作キー１４０ｋ（１４０ｋ１、１４０ｋ２）を有するものとする。何れか一方のみであっても良い。後述の拡張インタフェース部１７０に接続されたキーボード等を用いて画像処理装置１００の操作を行っても良い。有線通信または無線通信により接続された別体の情報端末機器を用いて画像処理装置１００の操作を行っても良い。また、前記タッチパネル機能は表示部１２１が備え持っているものであっても良い。

　図１に戻って説明を続ける。

　通信処理部１５０は、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ　Ａｒｅａ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）通信部１５１、移動体電話網通信部１５２、近接無線通信部１５３を有する。ＬＡＮ通信部１５１はインターネット２０１の無線通信用アクセスポイント２０２と無線通信により接続してデータの送受信を行う。移動体電話網通信部１５２は移動体電話通信網の基地局２０３との無線通信により、電話通信（通話）及びデータの送受信を行う。近接無線通信部１５３は対応するリーダ／ライタとの近接時に無線通信を行う。ＬＡＮ通信部１５１、移動体電話網通信部１５２、近接無線通信部１５３は、それぞれ符号回路や復号回路、アンテナ等を備えるものとする。赤外線通信部等、他の通信部を更に備えていても良い。

　センサ部１６０は、画像処理装置１００の状態を検出するためのセンサ群であり、本実施例では、ＧＰＳ（Ｇｌｏｂａｌ　Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ　Ｓｙｓｔｅｍ）受信部１６１、加速度センサ１６２、ジャイロセンサ１６３、地磁気センサ１６４、照度センサ１６５、及び近接センサ１６６を有する。これらのセンサ群により、画像処理装置１００の位置、動き、傾き、方角、及び周囲の明るさ、周囲物の近接状況、等を検出することが可能となる。気圧センサ等、他のセンサを更に備えていても良い。

　拡張インタフェース部１７０は、画像処理装置１００の機能を拡張するためのインタフェース群であり、本実施例では、画像／音声インタフェース、ＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｓｅｒｉａｌ　Ｂｕｓ）インタフェース、メモリインタフェース等を有するものとする。画像／音声インタフェースは、外部画像／音声出力機器からの画像信号／音声信号の入力、外部画像／音声入力機器への画像信号／音声信号の出力、等を行う。ＵＳＢインタフェースは、ＰＣと接続してデータの送受信を行い、また、キーボードやその他のＵＳＢ機器の接続を行う。メモリインタフェースはメモリカードやその他のメモリ媒体が接続されてデータの送受信を行う。

　なお、図１に示した画像処理装置１００の構成例は、通信処理部１５０やセンサ部１６０等、本実施例に必須ではない構成も多数含んでいるが、これらが備えられていない構成であっても本実施例の効果を損なうことはない。また、デジタルテレビ放送受信機能や電子マネー決済機能等、図示していない構成が更に加えられていても良い。

　以下では、本実施例の画像処理装置１００の動作に関して説明する。但し、合焦や露光等のカメラ装置としての一般的な動作／操作に関しては、公知であるものとして、説明を極力省略する。

　本実施例の画像処理装置１００の動作は、図１Ｂに示したように、主として、カメラ機能実行部１０４ｂ、顔検出／認証実行部１０４ｃ、保護加工実行部１０４ｄ、画像閲覧実行部１０４ｅ、及び基本動作実行部１０４ａによって制御される。これらは、ストレージ部１１０に記憶されたカメラ機能プログラム１１０ｂ、顔検出／認証プログラム１１０ｃ、保護加工プログラム１１０ｄ、画像閲覧プログラム１１０ｅがＲＡＭ１０４に展開されて、主制御部１０１により実行されることによって構成されている。

　或いは、前述のカメラ機能実行部１０４ｂ、顔検出／認証実行部１０４ｃ、保護加工実行部１０４ｄ、画像閲覧実行部１０４ｅと同等の動作をハードウェアで実現する各ハードウェアブロックを本実施例の画像処理装置１００が更に備え、カメラ機能実行部１０４ｂ、顔検出／認証実行部１０４ｃ、保護加工実行部１０４ｄ、画像閲覧実行部１０４ｅに代替して、前記各ハードウェアブロックが画像処理装置１００の動作を制御するものであっても良い。

　また、ストレージ部１１０の各種情報／データ記憶領域内には、保護情報記憶領域１１０ｆと人物登録領域１１０ｇと画像データ記憶領域１１０ｈが用意される。保護情報記憶領域１１０ｆは、画像処理装置１００のユーザ認証時や保護加工実行部１０４ｄにおけるマスク処理等の保護加工処理時に使用するパスワード類（パスワード、ＰＩＮ（Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ　Ｎｕｍｂｅｒ）、キー画像、等）を記憶する。人物登録領域１１０ｇは、画像処理装置１００のユーザ及びその知人や友人の顔画像等を記憶する。画像データ記憶領域１１０ｈは、画像処理装置１００で撮影した静止画像データ及び動画像データの画像データファイルを記憶する。

　図４は、実施例１の画像処理装置１００の表示部１２１に表示される基本画面１２１ａを示す見取図である。基本画面１２１ａは、電源キー１４０ｋ１の押下により画像処理装置１００の電源がオンされた際に、若しくは、任意のアプリケーションプログラムの実行中にホームキー１４０ｋ２が押下された際に表示される。基本画面１２１ａの領域１２１ａ１に表示されるアイコン群は、画像処理装置１００で実行可能な各アプリケーションプログラムに関連付けられたアイコンの集まりである。何れかのアイコンを選択することにより、選択されたアイコンに関連付けられた所定のアプリケーションプログラムが実行される。

　なお、前記アイコンの選択は、目的のアイコンが表示された表示部１２１上の位置に対応するタッチパネル１４０ｔ上の所定の領域をタップ操作する、等により行えば良い。或いは、図示を省略した十字カーソルキー及び決定キー等の操作キーを操作して行っても良い。第一画像入力部１２３を用いて画像処理装置１００のユーザの視線を検知し、前記検知した視線情報に基づいて前記アイコンの選択を実行しても良い。

　先ず、本実施例の画像処理装置１００を用いて、被写体画像の撮影及び記録を行う際の動作に関して説明する。

　基本画面１２１ａで表示されるアイコン１２１ａ２は、本実施例の画像処理装置１００の特徴であるカメラ機能プログラム１１０ｂに関連付けられたアイコンである。基本動作実行部１０４ａの制御に基づいて動作する画像処理装置１００において、画像処理装置１００のユーザが基本画面１２１ａ上のアイコン１２１ａ２をタップ操作等により選択すると、基本動作実行部１０４ａはカメラ機能実行部１０４ｂを起動し、制御主体をカメラ機能実行部１０４ｂに委譲する。次に、カメラ機能実行部１０４ｂは、図５に一例を示すような、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂを表示部１２１に表示する。

　図５は、実施例１の画像処理装置１００のカメラ機能選択メニュー画面１２１ｂを示す見取図である。カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂは、『撮影』アイコン１２１ｂ１、『パスワードを登録』アイコン１２１ｂ２、『顔画像を登録』アイコン１２１ｂ３、及び『終了』アイコン１２１ｂ４を有する。カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂの表示中、カメラ機能実行部１０４ｂは、画像処理装置１００のユーザがカメラ機能選択メニュー画面１２１ｂを構成する何れのアイコンを選択するかを監視する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂにおいて、画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｂ４を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは制御主体を基本動作実行部１０４ａに返却して、カメラ機能実行部１０４ｂの動作を終了する。更に、基本動作実行部１０４ａが図４で示した基本画面１２１ａを表示する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂにおいて、画像処理装置１００のユーザが『パスワードを登録』アイコン１２１ｂ２を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図６に一例を示すような、パスワード設定画面１２１ｃを表示部１２１に表示する。

　図６は、実施例１の画像処理装置１００のパスワード設定画面１２１ｃを示す見取図である。パスワード設定画面１２１ｃは、保護パスワード設定ボックス１２１ｃ１及び『戻る』アイコン１２１ｃ２で構成される。

　画像処理装置１００のユーザが保護パスワード設定ボックス１２１ｃ１を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図示を省略した文字入力用ポップアップ画面を表示部１２１に表示し、前記ユーザに保護パスワードの入力を促す。画像処理装置１００のユーザが『戻る』アイコン１２１ｃ２を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、保護パスワード設定ボックス１２１ｃ１に入力された保護パスワードを保護情報記憶領域１１０ｆに記憶し、パスワード設定画面１２１ｃを終了して、図５で示したカメラ機能選択メニュー画面１２１ｂを表示する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂにおいて、画像処理装置１００のユーザが『顔画像を登録』アイコン１２１ｂ３を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図７に一例を示すような、人物画像登録画面１２１ｄを表示部１２１に表示する。

　図７は、実施例１の画像処理装置１００の人物画像登録画面１２１ｄを示す見取図である。人物画像登録画面１２１ｄは、カメラユニット選択タブ１２１ｄ１、ライブビューウィンドウ１２１ｄ２、『画像読込』アイコン１２１ｄ３、基準マーカ１２１ｄ４、『顔画像登録』アイコン１２１ｄ５、及び『戻る』アイコン１２１ｄ６を有する。

　カメラユニット選択タブ１２１ｄ１は、被写体の撮影を行う際に使用するカメラユニットを選択するためのタブである。画像処理装置１００のユーザが『インカメラ』と表示されたタブを選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、第一画像入力部１２３を有効化し、第一画像入力部１２３から被写体画像の入力を行う。一方、画像処理装置１００のユーザが『アウトカメラ』と表示されたタブを選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、第二画像入力部１２４を有効化し、第二画像入力部１２４から被写体画像の入力を行う。

　ライブビューウィンドウ１２１ｄ２は、第一画像入力部１２３若しくは第二画像入力部１２４が入力した画像データをそのまま表示する。画像処理装置１００のユーザは、ライブビューウィンドウ１２１ｄ２の表示を確認しながら、撮影を行おうとする被写体の構図等を調整することが可能である。なお、ライブビューウィンドウ１２１ｄ２が表示された表示部１２１上の位置に対応するタッチパネル１４０ｔ上でピンチアウト／イン等の操作を行うことにより、第一画像入力部１２３若しくは第二画像入力部１２４のズームイン／アウトの制御が可能であるものとする。

　画像処理装置１００のユーザが『画像読込』アイコン１２１ｄ３を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図示を省略した画像データファイル選択用ポップアップ画面を表示部１２１に表示する。更に、前記画像データファイル選択用ポップアップ画面で選択した画像データファイルを画像データ記憶領域１１０ｈ或いは拡張インタフェース１７０に接続されたメモリ媒体等から読出し、その画像データをライブビューウィンドウ１２１ｄ２に表示する。

　基準マーカ１２１ｄ４は、画像処理装置１００に登録する顔画像等をライブビューウィンドウ１２１ｄ２に表示されている画像データから抽出する際の位置基準となる。ライブビューウィンドウ１２１ｄ２に表示されている画像データに複数の人物が表示されている場合は、基準マーカ１２１ｄ４をドラッグ操作等により移動させて、登録したい人物を選択するようにする。

　画像処理装置１００のユーザが『顔画像登録』アイコン１２１ｄ５を選択したことを検知した場合、顔検出／認証実行部１０４ｃが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、ライブビューウィンドウ１２１ｄ２に表示されている画像データの、基準マーカ１２１ｄ４で選択されている人物の顔画像を抽出する。更に、カメラ機能実行部１０４ｂが、前記抽出した顔画像を登録顔画像として人物登録領域１１０ｇに登録する。

　ライブビューウィンドウ１２１ｄ２に表示されている画像データから抽出した顔画像は、そのままＲＡＷ形式で人物登録領域１１０ｇに登録しても良いし、所定の画像圧縮処理を施した圧縮形式で登録しても良い。また、画像圧縮処理を施す際には、データの再現性に配慮して可逆方式の圧縮処理を採用しても良いし、保存時のデータ量を削減するために不可逆方式の圧縮処理を採用しても良い。また、前記抽出した顔画像から顔特徴データのみを抽出して人物登録領域１１０ｇに登録するようにしても良い。なお、人物登録領域１１０ｇに登録可能な登録顔画像は一つであっても良いし、複数であっても良い。

　また、前述の人物の顔画像を登録顔画像として人物登録領域１１０ｇに登録する処理に代替して、人物のバストアップ画像や全身画像を登録人物画像として人物登録領域１１０ｇに登録する処理を行っても良い。即ち、人物登録領域１１０ｇに登録する画像は、後述の人物認証処理において、人物の判別が可能となる画像であればどのような画像であっても良い。

　画像処理装置１００のユーザが『戻る』アイコン１２１ｄ６を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、人物画像登録画面１２１ｄを終了して、図５で示したカメラ機能選択メニュー画面１２１ｂを表示する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影』アイコン１２１ｂ１を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、撮影画像の保護／記録処理を実行する。

　図８は、実施例１の画像処理装置１００の撮影画像の保護／記録処理を示すフローチャートである。以下、図８に示したフローチャートを用いて、本実施例の画像処理装置１００の特徴である撮影画像の保護／記録動作に関して説明する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｂにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影』アイコン１２１ｂ１を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、第一映像入力部１２３または第二映像入力部１２４を有効化して画像データの入力を開始するとともに、前記入力した画像データを図９のライブビュー表示画面１２１ｅに表示する（Ｓ１０１）。

　図９は、実施例１の画像処理装置１００のライブビュー表示画面１２１ｅを示す見取図である。ライブビュー表示画面１２１ｅは、カメラユニット選択タブ１２１ｅ１、ライブビューウィンドウ１２１ｅ２、『シャッタ』アイコン１２１ｅ３、及び『終了』アイコン１２１ｅ４を有する。

　カメラユニット選択タブ１２１ｅ１及びライブビューウィンドウ１２１ｅ２は、人物画像登録画面１２１ｄにおけるカメラユニット選択タブ１２１ｄ１及びライブビューウィンドウ１２１ｄ２と同様の機能を有するものであり、説明を省略する。

　また、カメラ機能実行部１０４ｂは、ライブビュー表示画面１２１ｅの表示中、画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｅ４を選択するか否か（Ｓ１０２）、及び『シャッタ』アイコン１２１ｅ３を選択するか否か（Ｓ１０３）を監視する。

　Ｓ１０２において、画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｅ４を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、制御主体を基本動作実行部１０４ａに返却して、カメラ機能実行部１０４ｂの動作を終了する。更に、基本動作実行部１０４ａが基本画面１２１ａを表示する。また、Ｓ１０３において、画像処理装置１００のユーザが『シャッタ』アイコン１２１ｅ３を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは記録シーケンスを開始する（Ｓ１０４）。

　なお、Ｓ１０３における画像処理装置１００のユーザによる『シャッタ』アイコン１２１ｅ３の選択処理に代替して、図示を省略したシャッタボタンへの押下処理をトリガとして、Ｓ１０４で記録シーケンスを開始するようにしても良い。画像処理装置１００のユーザの発した命令音声に対する音声認識処理をトリガとして、Ｓ１０４で記録シーケンスを開始するようにしても良い。有線通信または無線通信により接続された別体の情報端末機器から受信したシャッタ命令をトリガとして、Ｓ１０４で記録シーケンスを開始するようにしても良い。

　Ｓ１０４で記録シーケンスを開始すると、先ず、カメラ機能実行部１０４ｂが、前記合焦、露光等の制御を行い、更に、ＣＣＤ／ＣＭＯＳセンサ等の電子デバイスの出力をデジタル画像データに変換することにより、第一画像入力部１２３若しくは第二画像入力部１２４から画像データの入力を行う。また、カメラ機能実行部１０４ｂは、前記入力された画像データに対するガンマ補正、ノイズ除去、等の信号処理を行い、前記各処理を施した画像データをＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶する（Ｓ１０５）。更に、顔検出／認証実行部１０４ｃが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶された前記画像データに対して人物検出処理を実行する（Ｓ１０６）。

　図１０は、実施例１の画像処理装置１００の人物検出処理を示す概念図である。Ｓ１０６の人物検出処理では、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した前記画像データに対して、表示されている全ての人物の顔位置を検出する処理を行う。即ち、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した画像データが図１０に示した画像データ３１０ａである場合、顔検出／認証実行部１０４ｃは、人物３１０ａ１の顔位置３１０ａ４、人物３１０ａ２の顔位置３１０ａ５、及び人物３１０ａ３の顔位置３１０ａ６をそれぞれ検出し、前記検出した各顔位置情報をＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶する。なお、前記人物検出処理における顔位置検出のアルゴリズムは公知の技術を適用すれば良く、詳細な説明を省略する。また、前記人物検出処理の際には、人物の顔位置のみを検出するのではなく、人物の顔を含む身***置を検出するようにしても良い。

　また、前記顔位置情報の記憶は、顔位置を示す破線矩形の左上と右下の座標データを記憶することにより行えば良い。顔位置を示す破線矩形の左上の座標データと、破線矩形の幅及び高さを示す値を記憶する等、前述と異なる処理であっても良い。

　次に、顔検出／認証実行部１０４ｃは、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、Ｓ１０６で検出した前記顔位置情報に基づいてＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶された前記画像データから抽出した前記各人物の顔画像と、人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像とを比較する人物認証処理を行い（Ｓ１０７）、前記人物認証処理の結果を図１１で示すようなプレビュー画面１２１ｆとして、表示部１２１に表示する。

　図１１は、実施例１の画像処理装置１００のプレビュー画面１２１ｆを示す見取図である。プレビュー画面１２１ｆは、プレビューウィンドウ１２１ｆ１、非保護対象マーカ１２１ｆ２、保護対象マーカ１２１ｆ３、『保護して記録』アイコン１２１ｆ４、『保護なしで記録』アイコン１２１ｆ５を有する。

　プレビューウィンドウ１２１ｆ１は、Ｓ１０４で開始した記録シーケンスにおいて、第一画像入力部１２３若しくは第二画像入力部１２４が入力し、各種処理の後にＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶され、Ｓ１０７の人物認証処理を施された前記画像データを表示する。

　非保護対象マーカ１２１ｆ２は、Ｓ１０６の人物検出処理で検出した各人物の顔位置のうち、Ｓ１０７の人物認証処理で人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像の人物と一致すると判断された人物の顔画像の顔位置を示すマーカである。一方、保護対象マーカ１２１ｆ３は、Ｓ１０６の人物検出処理で検出した各人物の顔位置のうち、Ｓ１０７の人物認証処理で人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像の人物と一致しないと判断された人物の顔画像の顔位置を示すマーカである。

　なお、非保護対象マーカ１２１ｆ２及び保護対象マーカ１２１ｆ３は、それぞれのマーカ位置をタップ操作等で選択することにより、非保護対象マーカ１２１ｆ２を保護対象マーカ１２１ｆ３に、または、保護対象マーカ１２１ｆ３を非保護対象マーカ１２１ｆ２に、それぞれ変更することができるものとする（Ｓ１０８）。即ち、前述の処理により、Ｓ１０７の人物認証処理において誤認証が有った場合でも、画像処理装置１００のユーザが前記誤認証を修正することが可能となる。

　また、カメラ機能実行部１０４ｂは、プレビュー画面１２１ｆの表示中、画像処理装置１００のユーザが『保護して記録』アイコン１２１ｆ４及び『保護なしで記録』アイコン１２１ｆ５の何れを選択するかを監視する（Ｓ１０９）。なお、プレビュー画面１２１ｆに、更に、『記録しない』アイコンが用意されていても良い。

　プレビュー画面１２１ｆにおいて、画像処理装置１００のユーザが『保護して記録』アイコン１２１ｆ４を選択したことを検知した場合、保護加工実行部１０４ｄが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した前記画像データの中の保護対象マーカ１２１ｆ３で指定される人物の、Ｓ１０６で検出した前記顔位置情報で指定される領域に対して保護加工処理を実施する（Ｓ１１０）。

　例えば、前述の図１０に示した例において、人物３１０ａ１及び人物３１０ａ２の顔画像は予め人物登録領域１１０ｇに記憶済みであり、人物３１０ａ３の顔画像は人物登録領域１１０ｇに記憶されていないものとする。この場合、前記登録顔画像の人物と一致しないことが確認された人物３１０ａ３の顔位置３１０ａ６で指定される領域に保護加工処理が施され、その結果、図１２Ａに示す画像データ３１０ｂのようになる。

　図１２Ａは、実施例１の画像処理装置１００の保護加工処理を施された画像３１０ｂを示す概念図である。本実施例においては、前記保護加工処理として、前記領域にモザイクをかける処理を行う。ぼかし処理や、所定の色による塗りつぶし処理であっても良い。なお、前記保護加工処理は、前記保護パスワードを用いて解除が可能であるものとする。

　カメラ機能実行部１０４ｂは、前記保護加工処理を施した画像データ３１０ｂに後述する拡張データを付加して画像データファイルとし、画像データ記憶領域１１０ｈに記憶して、記録シーケンスを終了する（Ｓ１１１）。更に、カメラ機能実行部１０４ｂは、処理ステップを画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｅ４を選択するか否か（Ｓ１０２）、及び『シャッタ』アイコン１２１ｅ３を選択するか否か（Ｓ１０３）の監視状態に移行する。

　図１２Ｂは、実施例１の画像処理装置１００の保護加工処理を施されない画像３１０ｃを示す概念図である。プレビュー画面１２１ｆにおいて、画像処理装置１００のユーザが『保護なしで記録』アイコン１２１ｆ５を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、Ｓ１１０の処理を実行せず、Ｓ１１１の処理のみを実行する。その結果、画像データ記憶領域１１０ｈには、図１２Ｂに示すような前記保護加工処理の施されていない画像データ３１０ｃに拡張データを付加した画像データファイルが記憶される。

　なお、Ｓ１１１の処理において、前記画像データファイルを、画像データ記憶領域１１０ｈに記憶するのではなく、拡張インタフェース１７０に接続されたメモリ媒体に対して出力するようにしても良い。或いは、通信処理部１５０から出力して画像データサーバ２１２にアップロードするようにしても良い。一旦画像データ記憶領域１１０ｈに記憶し、後に電子メール等にファイル添付する等の方法で、他の画像処理装置やＰＣに通信処理部１５０を介して出力するようにしても良い。

　また、画像データ記憶領域１１０ｈに記憶する画像データファイルは、図１３に示すようなファイル構成を有するものとする。

　図１３は、実施例１の画像処理装置１００の画像データファイル３００の構成を示す概念図である。本実施例の画像データファイル３００は、画像データ３１０と拡張データ３２０を含み、特に、前記拡張データ３２０は、前記画像データ３１０の撮影日時やシャッタ速度、絞り等、また撮影場所のＧＰＳ情報等の撮影条件を示す撮影条件情報３２１と、Ｓ１０６の処理で検出した顔位置情報及び保護加工処理の有無などを示す保護処理情報３２２で構成されるものとする。即ち、前記画像データファイルの拡張データを参照することにより、前記画像データのどの領域に対して保護加工処理が施されているか、を知ることが可能となる。

　次に、本実施例の画像処理装置１００で記録した画像データファイルを閲覧する際の動作に関して説明する。

　図４に示した基本画面１２１ａで表示されるアイコン１２１ａ３は、本実施例の画像処理装置１００の特徴である画像閲覧プログラム１１０ｅに関連付けられたアイコンである。基本動作実行部１０４ａの制御に基づいて動作する画像処理装置１００において、画像処理装置１００のユーザが基本画面１２１ａ上のアイコン１２１ａ３をタップ操作等により選択すると、基本動作実行部１０４ａは画像閲覧実行部１０４ｅを起動し、制御主体を画像閲覧実行部１０４ｅに委譲する。次に、画像閲覧実行部１０４ｅは、図１４に一例を示すような、閲覧メニュー画面１２１ｇを表示部１２１に表示する。

　図１４は、実施例１の画像処理装置１００の閲覧メニュー画面１２１ｇを示す見取図である。閲覧メニュー画面１２１ｇは、『画像を閲覧』アイコン１２１ｇ１、『パスワードを登録』アイコン１２１ｇ２、及び『終了』アイコン１２１ｇ３を有する。閲覧メニュー画面１２１ｇの表示中、画像閲覧実行部１０４ｅは、画像処理装置１００のユーザが閲覧メニュー画面１２１ｇを構成する何れのアイコンを選択するかを監視する。

　閲覧メニュー画面１２１ｇにおいて、画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｇ３を選択したことを検知した場合、画像閲覧実行部１０４ｅは制御主体を基本動作実行部１０４ａに返却して、画像閲覧実行部１０４ｅの動作を終了する。更に、基本動作実行部１０４ａが基本画面１２１ａを表示する。

　閲覧メニュー画面１２１ｇにおいて、画像処理装置１００のユーザが『パスワードを登録』アイコン１２１ｇ２を選択したことを検知した場合、画像閲覧実行部１０４ｅは、図１５に一例を示すような、閲覧パスワード設定画面１２１ｈを表示部１２１に表示する。

　図１５は、実施例１の画像処理装置１００の閲覧パスワード設定画面１２１ｈを示す見取図である。閲覧パスワード設定画面１２１ｈは、閲覧パスワード１設定ボックス１２１ｈ１、閲覧パスワード２設定ボックス１２１ｈ２、閲覧パスワード３設定ボックス１２１ｈ３、及び『戻る』アイコン１２１ｈ４を有する。

　画像処理装置１００のユーザが閲覧パスワード１設定ボックス１２１ｈ１、閲覧パスワード２設定ボックス１２１ｈ２、閲覧パスワード３設定ボックス１２１ｈ３、の何れかを選択したことを検知した場合、画像閲覧実行部１０４ｅは、図示を省略した文字入力用ポップアップ画面を表示部１２１に表示し、前記ユーザに閲覧パスワード１、閲覧パスワード２、閲覧パスワード３、等の入力を促す。画像処理装置１００のユーザが『戻る』アイコン１２１ｈ４を選択したことを検知した場合、画像閲覧実行部１０４ｅは、閲覧パスワード１設定ボックス１２１ｈ１と閲覧パスワード２設定ボックス１２１ｈ２と閲覧パスワード３設定ボックス１２１ｈ３に入力された閲覧パスワード１と閲覧パスワード２と閲覧パスワード３を保護情報記憶領域１１０ｆに記憶し、閲覧パスワード設定画面１２１ｈを終了して閲覧メニュー画面１２１ｇを表示する。

　なお、本実施例では、前記閲覧パスワードとして三組の文字列を設定できるものとしたが、設定できる閲覧パスワードの数は三組に限らずに任意として良い。

　閲覧メニュー画面１２１ｇにおいて、画像処理装置１００のユーザが『画像を閲覧』アイコン１２１ｇ１を選択したことを検知した場合、画像閲覧実行部１０４ｅは、図示を省略した画像データファイル選択用ポップアップ画面を表示部１２１に表示する。更に、前記画像データファイル選択用ポップアップ画面で選択した画像データファイルを画像データ記憶領域１１０ｈ、拡張インタフェース１７０に接続されたメモリ媒体、画像データサーバ２１２上の所定のフォルダ、等から読出し、その画像データを表示部１２１に表示する画像閲覧処理を実行する。

　図１６は、実施例１の画像処理装置１００の画像閲覧処理を示すフローチャートである。以下、図１６に示したフローチャートを用いて、本実施例の画像処理装置１００の特徴である画像閲覧動作に関して説明する。

　閲覧メニュー画面１２１ｇにおいて、画像処理装置１００のユーザが『画像を閲覧』アイコン１２１ｇ１を選択し、更に、画像データファイル選択用ポップアップ画面で所定の場所に記憶された任意の画像データファイルを選択すると、画像閲覧実行部１０４ｅが、先ず、前記画像データファイル選択用ポップアップ画面で指定された画像データファイルを前記所定の場所からＲＡＭ１０４上の一時記憶領域に読み込む（Ｓ２０１）。また、画像閲覧実行部１０４ｅは、保護情報記憶領域１１０ｆに記憶された保護パスワード、閲覧パスワード、の各パスワードを読み込む（Ｓ２０２）。

　次に、Ｓ２０１でＲＡＭ１０４上の一時記憶領域に読み込んだ前記画像データファイルの拡張データを画像閲覧実行部１０４ｅが参照し、更に、保護加工実行部１０４ｄが、画像閲覧実行部１０４ｅの制御に基づき、前記画像データファイルの画像データに施された保護加工処理が前記各パスワードの何れかで解除可能か否かを確認する（Ｓ２０３）。

　Ｓ２０３において、前記画像データに施された保護加工処理が前記各パスワードの何れかで解除可能であることが確認された場合、保護加工実行部１０４ｄが、画像閲覧実行部１０４ｅの制御に基づき、前記画像データに施された保護加工処理の解除を行う（Ｓ２０４）。更に、画像閲覧実行部１０４ｅが前記保護加工処理の解除を行った前記画像データを表示部１２１に表示する（Ｓ２０５）。

　一方、Ｓ２０３において、前記画像データに施された保護加工処理が前記各パスワードの何れによっても解除できないことが確認された場合、前記画像データをそのまま（即ち、前記保護加工処理が施されたまま）表示部１２１に表示する（Ｓ２０５）。

　図１７Ａ及び図１７Ｂは、実施例１の画像処理装置１００の画像閲覧処理を示す第１及び第２の概念図である。前述の画像閲覧処理を行うことにより、図１７Ａに示すように、本実施例の画像処理装置１００ａを用いて、保護加工処理を行った画像データ３１０ｄを、画像処理装置１００ａ自身で閲覧する場合、保護情報記憶領域１１０ｆに記憶されている保護パスワードにより前記保護加工処理を解除することが可能である。したがって、画像処理装置１００ａは、図１７Ｂに示すような、保護加工処理が解除された画像データ３１０ｅを表示可能である。

　図１８Ａ及び図１８Ｂは、実施例１の画像処理装置１００の第３及び第４の画像閲覧処理を示す概念図である。一方、画像処理装置１００ａとは異なる画像処理装置１００ｂで画像データ３１０ｄを閲覧する場合、図１８Ａに示すように、画像処理装置１００ｂが記憶する保護パスワードでは画像データ３１０ｄに施された前記保護加工処理は解除できない。したがって、画像処理装置１００ｂは、図１８Ａに示したような、保護加工処理がされたままの画像データ３１０ｆを表示する。

　但し、画像処理装置１００ａのユーザが画像処理装置１００ｂのユーザに、画像処理装置１００ａが記憶する保護パスワードを電子メール等の手段により連絡し、更に画像処理装置１００ｂのユーザが前記連絡を受けた保護パスワードを閲覧パスワードとして画像処理装置１００ｂに記憶させた場合、画像処理装置１００ｂは、前記閲覧パスワードにより、画像データ３１０ｄに施された前記保護加工処理を解除可能となる。したがって、画像処理装置１００ｂは、図１８Ｂに示すような、保護加工処理の解除がされた画像データ３１０ｇを表示できる。

　なお、前記画像閲覧処理を画像閲覧プログラム１１０ｅが動作可能なＰＣ２２２で実行する場合、前述の画像処理装置１００ｂと同様に、閲覧パスワードを適宜設定することによって、ＰＣ２２２は画像データ３１０ｄに施された前記保護加工処理を解除して閲覧することが可能である。

　以上説明したように、本実施例の画像処理装置１００によればユーザは、撮影者により閲覧を許容された人物については詳細を把握でき、その他の第三者については限定的閲覧のみとするように保護加工処理を施された状態で把握でき、したがって、閲覧する人物に応じた個人情報保護を実現すること可能となる。

　なお、前述の実施例では、保護加工処理の際に用いる保護情報としてパスワードを用いる例を記述したが、これはあくまでも一例であり、例えば、ＰＩＮやキー画像等を使用しても良いことは言うまでもない。また、前述の実施例では、人物認証処理において、人物の顔画像の比較により人物の認証を行っているが、これもあくまでも一例であり、人物のバストアップ画像や全身画像を用いて前記人物認証処理を行っても良い。

　また、前述の例では、人物登録領域１１０ｇに記憶されている登録顔画像と一致しない人物を保護対象とし、前記登録顔画像と一致する人物を非保護対象として、Ｓ１１０で保護加工処理を行っている。逆に、人物登録領域１１０ｇに記憶されている登録顔画像と一致する人物を保護対象とし、前記登録顔画像と一致しない人物を非保護対象として、Ｓ１１０で保護加工処理を行うようにしても良い。このようにすれば、前記保護加工処理の結果、図１９に示す画像データ３１０ｈを得ることが可能となる。

　図１９は、実施例１の画像処理装置１００の保護加工処理を施された画像を示す概念図である。保護加工処理を施された図１２Ａの場合とは反対に、前記登録顔画像の人物と一致することが確認された人物の顔位置で指定される領域に保護加工処理が施されている。

　以下では、本発明の実施例２に関して説明する。なお、本実施例における構成及び効果等は特に断りのない限り実施例１と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例１との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。

　本実施例においては、画像処理装置１００のユーザが図４で示した基本画面１２１ａ上のアイコン１２１ａ２をタップ操作等により選択した場合、図２０に示すカメラ機能選択メニュー画面１２１ｉが表示される。

　図２０は、実施例２の画像処理装置１００のカメラ機能選択メニュー画面１２１ｉを示す見取図である。カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉは、『撮影（保護レベル１）』アイコン１２１ｉ１、『撮影（保護レベル２）』アイコン１２１ｉ２、『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｉ３、『パスワードを登録』アイコン１２１ｉ４、『顔画像を登録』アイコン１２１ｉ５、及び『終了』アイコン１２１ｉ６を有する。即ち、先の実施例１において図５で示したカメラ機能選択メニュー画面１２１ｂと比較し、『撮影』に係るアイコンの数が増加されている。なお、保護レベル１においては保護レベル２よりも、個人情報保護が高いレベルで要求されるものとする。カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉの表示中、カメラ機能実行部１０４ｂは、画像処理装置１００のユーザがカメラ機能選択メニュー画面１２１ｉを構成する何れのアイコンを選択するかを監視する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｉ６または『顔画像を登録』アイコン１２１ｉ５を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、前述の実施例１と同様の動作を行う。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『パスワードを登録』アイコン１２１ｉ４を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図２１に一例を示すような、パスワード設定画面１２１ｊを表示部１２１に表示する。

　図２１は、実施例２の画像処理装置１００のパスワード設定画面１２１ｊを示す見取図である。パスワード設定画面１２１ｊは、レベル１パスワード設定ボックス１２１ｊ１、レベル２パスワード設定ボックス１２１ｊ２、及び『戻る』アイコン１２１ｊ３を有する。即ち、先の実施例１において図６で示したパスワード設定画面１２１ｃと比較し、保護レベルが複数となったことに応じて、パスワード設定ボックスが増加されている。

　画像処理装置１００のユーザがレベル１パスワード設定ボックス１２１ｊ１またはレベル２パスワード設定ボックス１２１ｊ２を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図示を省略した文字入力用ポップアップ画面を表示部１２１に表示し、前記ユーザにレベル１パスワードまたはレベル２パスワードの入力を促す。画像処理装置１００のユーザが『戻る』アイコン１２１ｊ３を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、レベル１パスワード設定ボックス１２１ｊ１及びレベル２パスワード設定ボックス１２１ｊ２に入力されたレベル１パスワード及びレベル２パスワードを保護情報記憶領域１１０ｆに記憶し、パスワード設定画面１２１ｊを終了してカメラ機能選択メニュー画面１２１ｉを表示する。

　なお、画像処理装置１００のユーザは、個人情報保護が高いレベルで要求されるレベル１のパスワードを、例えば自分一人で管理して他人には秘し、或いはごく身近な者にのみ知らせる。また、レベル２のパスワードを、例えば比較的広い範囲で知人に知らせる。このようにすることで、個人情報保護のレベルに応じた情報管理が行われる。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護レベル１）』アイコン１２１ｉ１、『撮影（保護レベル２）』アイコン１２１ｉ２、『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｉ３、の何れかを選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、撮影画像の保護／記録処理を実行する。

　図２２は、実施例２の撮影画像の保護／記録処理を説明するフローチャートである。以下、図２２に示したフローチャートを用いて、本実施例の撮影画像の保護／記録動作に関して説明する。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護レベル１）』アイコン１２１ｉ１、『撮影（保護レベル２）』アイコン１２１ｉ２、『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｉ３、の何れかを選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、Ｓ３０１～Ｓ３０６のステップで実施例１における図８のＳ１０１～Ｓ１０６と同様の処理を行う。

　次に、カメラ機能実行部１０４ｂは、撮影画像に対して実施する保護加工処理の保護レベルを確認する（Ｓ３０７）。前記処理は、本実施例では、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護レベル１）』アイコン１２１ｉ１、『撮影（保護レベル２）』アイコン１２１ｉ２、『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｉ３、の何れを選択したかを確認することと同意である。

　なお、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおける『撮影（保護レベル１）』アイコン１２１ｉ１と『撮影（保護レベル２）』アイコン１２１ｉ２と『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｉ３の三つのアイコンに代替して、ただ一つの『撮影』アイコンと前記保護レベルを選択するための設定メニューを別途用意するようにしても良い。この場合、Ｓ３０７における前記保護レベルの確認処理は、前記設定メニューの設定内容を参照することにより行うようにする。

　Ｓ３０７の確認処理の結果が『保護レベル１』の場合、（即ち、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護レベル１）』アイコン１２１ｉ１を選択した場合、）顔検出／認証実行部１０４ｃが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した前記画像データからＳ３０６で検出した前記顔位置情報に基づいて抽出した前記各人物の顔画像と、人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像とを比較する人物認証処理を行う（Ｓ３０８）。更に、Ｓ３０８の人物認証処理により、人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像と一致すると判断された前記顔画像に対しては、保護加工実行部１０４ｄが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、Ｓ３０６で検出した前記顔位置情報で指定される領域に、前記レベル１パスワード及び前記レベル２パスワードの双方のパスワードを用いた保護加工処理を施す（Ｓ３０９）。なお、前述の保護加工処理は前記レベル１パスワードまたは前記レベル２パスワードのいずれかのパスワードにより解除が可能であるものとする。

　Ｓ３０９の処理の後、顔検出／認証実行部１０４ｃは、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した前記画像データからＳ３０６で検出された前記顔位置情報に基づいて抽出した前記各人物の顔画像と、人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像とを比較する人物認証処理を行う（Ｓ３１０）。更に、Ｓ３１０の人物認証処理により、人物登録領域１１０ｇに記憶されている前記登録顔画像と一致しないと判断された前記顔画像に対して、保護加工実行部１０４ｄが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、Ｓ３０６で検出した前記顔位置情報で指定される領域に、前記レベル１パスワードを用いた保護加工処理を施す（Ｓ３１１）。なお、前述の保護加工処理は前記レベル１パスワードにより解除が可能であるものとする。

　図２３Ａ乃至図２３Ｃは、実施例２の画像処理装置１００の保護加工処理を施された画像を示す第１乃至第３の概念図である。

　Ｓ３０８～Ｓ３１１の処理により、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した前記画像データは保護加工処理を施され、図２３Ａに示す画像データ３１０ｉのようになる。即ち、Ｓ３０７の確認処理の結果が『保護レベル１』の場合、撮像した画像における人物が人物登録領域１１０ｇに記憶されている人物であるか否かに係りなく、保護加工処理が施される。但し、後記するように撮像した画像を閲覧する際に、該画像における人物が人物登録領域１１０ｇに記憶されている人物であるか否かによって、保護加工処理を解除する際の動作が異なっている。

　カメラ機能実行部１０４ｂは、前記保護加工処理の施された画像データ３１０ｉに拡張データを付加して画像データファイルとし、画像データ記憶領域１１０ｈに記憶して記録シーケンスを終了する（Ｓ３１２）。

　Ｓ３０７の確認処理の結果が『保護レベル２』の場合、（即ち、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護レベル２）』アイコン１２１ｉ２を選択した場合、）カメラ機能実行部１０４ｂは、Ｓ３０８～Ｓ３０９の処理を実行せず、Ｓ３１０～Ｓ３１２の処理のみを実行する。その結果、画像データ記憶領域１１０ｈには、図２３Ｂに示すような前記保護加工処理の施された画像データ３１０ｊに拡張データを付加した画像データファイルが記憶される。即ち、撮像した画像における人物が人物登録領域１１０ｇに記憶されている人物ではない場合に、保護加工処理が施される。

　Ｓ３０７の確認処理の結果が『保護なし』の場合、（即ち、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｉにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｉ３を選択した場合、）カメラ機能実行部１０４ｂは、Ｓ３０８～Ｓ３１１の処理を実行せず、Ｓ３１２の処理のみを実行する。その結果、画像データ記憶領域１１０ｈには、図２３Ｃに示すような前記保護加工処理の施されていない画像データ３１０ｋに拡張データを付加した画像データファイルが記憶される。

　次に、本実施例の画像処理装置１００で記録した画像データファイルを閲覧する際の動作に関して説明する。

　図２４Ａ及び図２４Ｂは、実施例２の画像処理装置１００ｃの画像閲覧処理を示す第１の及び第２の概念図である。

　本実施例の画像閲覧処理では、図２４Ａに示すように、本実施例の画像処理装置１００ｃを用いて、保護レベル１で保護加工処理を行った画像データ３１０ｍを、画像処理装置１００ｃ自身で閲覧する場合、保護情報記憶領域１１０ｆに記憶されているレベル１パスワードにより前記保護加工処理の全てを解除することが可能である。したがって、画像処理装置１００ｃは、図２４Ｂに示すような、全ての保護加工処理が解除された画像データ３１０ｎを表示可能である。

　図２５Ａ乃至図２５Ｃは、実施例２の画像処理装置１００ｄの画像閲覧処理を示す第３乃至第５の概念図である。

　一方、画像処理装置１００ｃとは異なる画像処理装置１００ｄで画像データ３１０ｍを閲覧する場合、図２５Ａに示すように、画像処理装置１００ｄが記憶するレベル１パスワードとレベル２パスワードの何れにおいても画像データ３１０ｍに施された前記保護加工処理は解除できない。したがって、画像処理装置１００ｄは、図２５Ａに示したような、全ての保護加工処理がされたままの画像データ３１０ｐを表示する。

　但し、画像処理装置１００ｃのユーザが画像処理装置１００ｄのユーザに、画像処理装置１００ｃが記憶するレベル２パスワードを電子メール等の手段により連絡し、更に画像処理装置１００ｄのユーザが前記連絡を受けたレベル２パスワードを閲覧パスワードとして画像処理装置１００ｄに記憶させた場合、画像処理装置１００ｄは、前記閲覧パスワードにより、画像データ３１０ｍに施された前記保護加工処理の一部を解除できる。したがって、画像処理装置１００ｄは、図２５Ｂに示すような、一部の保護加工処理が解除された画像データ３１０ｑを表示できる。

　また、画像処理装置１００ｃのユーザが画像処理装置１００ｄのユーザに連絡するパスワードが、画像処理装置１００ｃが記憶する前記レベル１パスワードである場合、画像処理装置１００ｄは画像データ３１０ｍに施された前記保護加工処理の全てを解除できる。したがって、画像処理装置１００ｄは、図２５Ｃに示すような、全ての保護加工処理が解除された画像データ３１０ｒを表示可能できる。

　なお、前記画像閲覧処理を画像閲覧プログラム１１０ｅが動作可能なＰＣ２２２で実行する場合、前述の画像処理装置１００ｄと同様に、閲覧パスワードを適宜設定することによって、ＰＣ２２２は画像データ３１０ｍに施された前記保護加工処理を解除して閲覧することが可能である。

　以上説明したように、本実施例の画像処理装置１００によればユーザは、撮影者により閲覧を許容された人物については詳細を把握でき、その他の第三者については限定的閲覧のみとするように保護加工処理を施された状態で把握でき、したがって、閲覧する人物に応じた個人情報保護を実現すること可能となる。

　以下では、本発明の実施例３に関して説明する。なお、本実施例における構成及び効果等も特に断りのない限り実施例１と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例１との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。

　本実施例では、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した画像データに対して保護加工処理を行うか否かを判断するための人物認証処理を、顔位置情報に基づいて抽出した各人物の顔画像と、画像データサーバ２１２からダウンロードした登録顔画像とで行うようにする。

　図２６は、実施例３の画像データサーバ２１２のブロック図である。画像データサーバ２１２は、主制御部２５１、システムバス２５２、ＲＡＭ２５３、ストレージ部２６０、画像処理部２７０、操作部２８０、及びＬＡＮ通信部２９０を有する。また、ストレージ部２６０は、保護加工処理の適用可否の判断に使用するための顔画像等を予め記憶させておく人物登録領域２６０ｇと、画像処理装置１００からアップロードされた静止画像データ及び動画像データの画像データファイルを蓄積する画像データ記憶領域２６０ｈとを備える。

　図２７は、実施例３の画像処理装置１００の撮影画像の保護／記録処理を示すフローチャートである。

　図２８は、実施例３の画像処理装置１００のカメラ機能選択メニュー画面を示す見取図である。

　本実施例においては、画像処理装置１００のユーザが先に図４で示した基本画面１２１ａ上のアイコン１２１ａ２をタップ操作等により選択した場合、図２８に示すカメラ機能選択メニュー画面１２１ｋが表示される。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｋにおいて、画像処理装置１００のユーザが『終了』アイコン１２１ｋ５、『顔画像を登録』アイコン１２１ｋ４、または『パスワードを登録』アイコン１２１ｋ３を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、前述の実施例１と同様の動作を行う。

　カメラ機能選択メニュー画面１２１ｋにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護あり）』アイコン１２１ｋ１若しくは『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｋ２を選択したことを検知した場合、カメラ機能実行部１０４ｂは、図２７におけるＳ４０１～Ｓ４０６のステップで実施例１における図８のＳ１０１～Ｓ１０６と同様の処理を行う。次に、カメラ機能実行部１０４ｂは、撮影画像に対して実施する保護加工処理の有無を確認する（Ｓ４０７）。

　Ｓ４０７の確認処理の結果が『保護あり』の場合、（即ち、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｋにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護あり）』アイコン１２１ｋ１を選択した場合、）カメラ機能実行部１０４ｂが、インターネット２０１を介して、画像データサーバ２１２の人物登録領域２６０ｇに記憶されている登録顔画像を参照する（Ｓ４０８）。次に、顔検出／認証実行部１０４ｃが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、ＲＡＭ１０４の一時記憶領域に記憶した前記画像データからＳ４０６で検出した前記顔位置情報に基づいて抽出した前記各人物の顔画像と、Ｓ４０８で参照した登録顔画像とを比較する人物認証処理を行う（Ｓ４０９）。

　更に、Ｓ４０９の人物認証処理により、前記参照した登録顔画像と一致すると判断された前記顔画像に対して、保護加工実行部１０４ｄが、カメラ機能実行部１０４ｂの制御に基づき、Ｓ４０６で検出した前記顔位置情報で指定される領域に、前記保護パスワードを用いた保護加工処理を施す（Ｓ４１０）。続いて、カメラ機能実行部１０４ｂは、前記保護加工処理の施された画像データに拡張データを付加して画像データファイルとし、画像データサーバ２１２の画像データ記憶領域２６０ｈにアップロードして記録シーケンスを終了する（Ｓ４１１）。

　Ｓ４０７の確認処理の結果が『保護なし』の場合、（即ち、カメラ機能選択メニュー画面１２１ｋにおいて、画像処理装置１００のユーザが『撮影（保護なし）』アイコン１２１ｋ２を選択した場合、）カメラ機能実行部１０４ｂは、Ｓ４０８～Ｓ４１０の処理を実行せず、Ｓ４１１の処理のみを実行する。その結果、画像データサーバ２１２の画像データ記憶領域２６０ｈには、前記保護加工処理の施されていない画像データに拡張データを付加した画像データファイルがアップロードされる。

　以上、説明した本実施例の撮影画像の保護／記録処理によれば、登録顔画像の記憶領域を画像処理装置１００のストレージ部１１０から画像データサーバ２１２のストレージ部２６０に移転することができる。このため、画像処理装置１００のメモリ容量を削減することが可能となる。また、複数のユーザが、画像データサーバ２１２の人物登録領域２６０ｇに登録された情報を共用することが可能となる。

　更に、Ｓ４０６で行う人物検出処理において、人物の顔位置のみではなく、テーマパーク等で使用されるマスコットキャラクターの顔位置も検出できるようにし、一方、前記マスコットキャラクターの顔画像を画像データサーバ２１２の人物登録領域２６０ｇに予め登録するようにしても良い。前述のようにすることにより、著作権や肖像権等を有する各種マスコットキャラクターの写り込んだ画像データを誤ってホームページ等に公開してしまうことにより発生する権利問題等を回避することが可能となる。

　なお、前述の保護加工処理では、画像データに表示されている各顔画像を、予め定めた所定の紋様（チェッカーパターン等）の画像パターンを用いてマスクするようにしているが、ストレージ部１１０に予め記憶させた任意のキャラクタ（犬や猫等）の画像パターンと置き換えるようにしても良い。

　以上、本発明の実施形態の例を実施例１～３を用いて説明したが、言うまでもなく、本発明の技術を実現する構成は前記実施例に限られるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。

　前述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現するプログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現しても良い。ハードウェアとソフトウェアを併用しても良い。

　なお、前述の実施例においては、本発明の機能等を、主として、カメラ機能プログラム１１０ｂと顔検出／認証プログラム１１０ｃと保護加工プログラム１１０ｄと画像閲覧プログラム１１０ｅの四つのプログラムを実行することにより実現するものとして記述しているが、前記四つのプログラムの各機能と同一の機能のただ一つのプログラムを実行することにより、本発明の機能を実現するように構成しても良い。前記各プログラムは、製品出荷の時点で、予め画像処理装置１００のＲＯＭ１０３若しくはストレージ部１１０等に格納された状態であっても良い。製品出荷後に、インターネット２０１上のアプリケーションサーバ２１１等からＬＡＮ通信部１５１若しくは移動体電話網通信部１５２を介して取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記プログラムを、拡張インタフェース部１７０を介して取得しても良い。

　また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。

　１００：画像処理装置、１０１：主制御部、１０２：システムバス、１０３：ＲＯＭ、１０４：ＲＡＭ、１０４ａ：基本動作実行部、１０４ｂ：カメラ機能実行部、１０４ｃ：顔検出／認証実行部、１０４ｄ：保護加工実行部、１０４ｅ：画像閲覧実行部、１１０：ストレージ部、１１０ｆ：保護情報記憶領域、１１０ｇ：人物登録領域、１１０ｈ：画像データ記憶領域、１２０：画像処理部、１２１：表示部、１２２：画像信号処理部、１２３：第一画像入力部、１２４：第二画像入力部、１３０：音声処理部、１４０：操作部、１５０：通信処理部、１６０：センサ部、１７０：拡張インタフェース部。

Claims (13)

1. 　画像データを処理する画像処理装置であって、
   　該画像処理装置のユーザに固有な保護情報を記憶する保護情報記憶部と、
   　特定の人物の画像データを登録し記憶する人物画像登録部と、
   　画像データが入力される画像入力部と、
   　該画像入力部から入力された画像データから人物を検出する人物検出部と、
   　該人物検出部で検出された人物の画像データと前記人物画像登録部に登録された人物の画像データとに基づき双方の人物が一致するか否かを判定する人物認証部と、
   　前記画像入力部から入力された画像データに対して前記人物検出部で検出した人物の少なくも顔領域に保護加工を行う保護加工部と、
   　該保護加工部で保護加工された画像データを出力する画像出力部と、
   　前記画像処理装置の動作を制御する制御部
   　を有し、
   　該制御部は、
   　前記人物認証部における判定に基づいて前記保護加工部が前記保護情報記憶部に記憶された保護情報を参照して前記画像データに保護加工を行うように制御する
   　ことを特徴とする画像処理装置。
2. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　前記保護加工部で保護加工が施された画像データを、接続されたメモリ媒体に記憶するように出力するためのメモリインタフェース
   　を有することを特徴とする画像処理装置。
3. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　前記保護加工部で保護加工が施された画像データを記憶するための画像記憶部
   　を有することを特徴とする画像処理装置。
4. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　該画像処理装置のユーザが情報を入力するための操作部を有し、
   　前記制御部は、
   　前記操作部から入力された情報と前記保護情報記憶部に記憶された保護情報が一致する場合には、前記保護加工部は前記保護加工を解除して前記画像データを前記画像出力部に供給するように制御する
   　ことを特徴とする画像処理装置。
5. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　前記保護加工部は、
   　前記人物認証部において前記双方の人物が一致すると判定された人物の画像データに対して前記保護加工を行う
   　ことを特徴とする画像処理装置。
6. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　前記保護加工部は、
   　前記人物認証部において前記双方の人物が一致しないと判定された人物の画像データに対して前記保護加工を行う
   　ことを特徴とする画像処理装置。
7. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　前記画像処理装置のユーザが情報を入力するための操作部を有し、
   　前記保護情報記憶部は、前記保護情報として第１の保護情報と該第１の保護情報とは異なる第２の保護情報とを記憶し、
   　前記保護加工部は、前記人物抽出部が抽出した人物の画像データのうち、
   　前記人物認証部において前記双方の人物が一致すると判断された人物の画像データに対して、前記第１の保護情報と前記第２の保護情報のうちのいずれかが前記操作部から入力された場合に解除可能な保護加工を施し、
   　前記人物認証部において前記双方の人物が一致しないと判断された人物の画像データに対して、前記第１の保護情報が前記操作部から入力された場合に解除可能な前記保護加工処理を施す
   　ことを特徴とする画像処理装置。
8. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　該画像処理装置は、
   　前記画像データを一枚の静止画を単位として記録するデジタルスチルカメラである
   　ことを特徴とする画像処理装置。
9. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
   　該画像処理装置は、
   　外部機器との通話を行う電話網通信部を備えたカメラ機能付き携帯電話である
   　ことを特徴とする画像処理装置。
10. 　請求項１に記載の画像処理装置において、
    　該画像処理装置は、
    　外部機器との無線通信を介した情報送受信を行う無線通信部を備えたカメラ機能付き携帯情報端末である
    　ことを特徴とする画像処理装置。
11. 　画像データを処理する画像処理装置における画像処理方法であって、
    　前記画像処理装置のユーザに固有な保護情報を記憶する保護情報記憶ステップと、
    　特定の人物の画像データを登録し記憶する人物画像登録ステップと、
    　画像データが入力される画像入力ステップと、
    　該画像入力ステップで入力された画像データから人物を検出する人物検出ステップと、
    　該人物検出ステップで検出された人物の画像データと前記人物画像登録ステップで登録された人物の画像データとに基づき双方の人物が一致するか否かを判定する人物認証ステップと、
    　前記画像入力ステップから入力された画像データに対して前記人物検出ステップで検出した人物の少なくも顔領域に保護加工を行う保護加工ステップと、
    　該保護加工ステップで保護加工された画像データを出力する画像出力ステップと、
    　前記画像処理装置の動作を制御する制御ステップ
    　を有し、
    　該制御ステップは、
    　前記人物認証ステップにおける判定に基づいて前記保護加工ステップが前記保護情報記憶ステップで記憶された保護情報を参照して前記画像データに保護加工を行うように制御する
    　ことを特徴とする画像処理方法。
12. 　請求項１１に記載の画像処理方法において、
    　前記画像処理装置のユーザが情報を入力する操作ステップを有し、
    　前記制御ステップは、
    　前記操作ステップで入力された情報と前記保護情報記憶ステップで記憶された保護情報が一致する場合には、前記保護加工ステップは前記保護加工を解除して前記画像データを前記画像出力ステップに供給するように制御する
    　ことを特徴とする画像処理方法。
13. 　情報を記憶する記憶媒体を有し画像データを処理する画像処理装置における画像処理プログラムであって、
    　前記画像処理装置の指示に応じて前記画像処理装置が有する記憶媒体に書き込まれ該記憶媒体から読み出されて前記画像処理装置を動作させ、
    　前記画像処理装置のユーザに固有な保護情報を前記記憶媒体に記憶する保護情報記憶ステップと、
    　特定の人物の画像データを登録し前記記憶媒体に記憶する人物画像登録ステップと、
    　入力された画像データを取込む画像取込みステップと、
    　該画像取込みステップで取込まれた画像データから人物を検出する人物検出ステップと、
    　該人物検出ステップで検出された人物の画像データと前記人物画像登録ステップで登録された人物の画像データとに基づき双方の人物が一致するか否かを判定する人物認証ステップと、
    　前記画像取込みステップで取込まれた画像データに対して前記人物検出ステップで検出した人物の少なくも顔領域に保護加工を行う保護加工ステップと、
    　該保護加工ステップで保護加工された画像データを出力する画像出力ステップと、
    　前記画像処理装置の動作を制御する制御ステップ
    　を有し、
    　該制御ステップは、
    　前記人物認証ステップにおける判定に基づいて前記保護加工ステップが前記保護情報記憶ステップで記憶された保護情報を参照して前記画像データに保護加工を行うように制御する
    　ことを特徴とする画像処理プログラム。

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