WO2010005089A1

WO2010005089A1 - 電子教育システム及び電子教育プログラム

Info

Publication number: WO2010005089A1
Application number: PCT/JP2009/062640
Authority: WO
Inventors: 健朗徳留
Original assignee: オーテック株式会社
Priority date: 2008-07-10
Filing date: 2009-07-10
Publication date: 2010-01-14
Also published as: JP2011191327A

Abstract

　ネットワーク(50)を介して問題を配信しユーザーを教育する電子教育システム(1)であって、問題に関する情報或いはユーザーに関する情報について通信により授受することができる機能を有する通信部(100)と、該通信部を介して入力或いは出力される問題に関する情報やユーザーに関する情報の処理をすることができる機能を有する入出力情報処理部(200)と、出題する問題或いはユーザーのライセンスについて演算することができる機能を有する演算部(300)と、問題に関する情報或いはユーザーに関する情報について記憶することができる機能を有する記憶部(400)とを具備し、該入出力情報処理部(200)は、該ユーザーの回答が全て終了するまで出題し続けることができる問題キュー処理機能を有することを特徴とする。

Description

電子教育システム及び電子教育プログラム

　本発明は、電子教育システム及び電子教育プログラムに係り、特に、現代社会のニーズに即したテーマ（例えば、個人情報保護の見なおし、社内コンプライアンスの強化、嫌煙ブームに適合した社風、メタボリック症候群の増加に取り組む考え方等）について、情報端末を通じてユーザーへの教育を施すことができる電子教育システム及び電子教育プログラムに関する。

　従来、教育を提供する者（例えば、学校や企業等）と教育を受講する者（以下、「ユーザー」ともいう。）は互いの目的や利害の合致により教育というシステムが成立していた。例えば、教育を提供する者は、ユーザーの都合に合わせて教育の提供場所や時間を確保することは困難であるため、教育を提供する者の条件に合わせてユーザーを招集する教育形態を取らざるを得なかった。従って、時間に拘束されるユーザー（例えば、企業に勤める人や主婦等）にとってはこのような教育形態は不都合で参加できないため、教育を提供する者がユーザーに受けてもらいたい、受けさせたいという願望を抱きつつも、教育を提供する機会の拡大には限度があったと考えられる。

　一方、近年、インターネットを利用して、ユーザーに問題を出題したり、遠隔授業を行ったりするための電子教育システムが開発されている。これは、ネットワークの高速回線の普及やユーザーの情報機器に対する操作能力の向上に伴い、教育を提供する者は従来の教育指針を保持しつつもその教育提供の形態を変更することで、より多くの教育の場をユーザーに提供することを狙いとしているものである。これにより、ユーザーは自分の都合や目的に合わせて教育を受けることができるようになってきた。

　そして、このようなインフラ設備を利用した教育形態をユーザーに提供するために、例えば、特開２００１―２７３３７４号公報（特許文献１）や、特開２００３―５０５３５号公報（特許文献２）に示すような対策が取られてきた。

　この特許文献１は、教育事業者の提供する施設で、直接又はビデオテープにより、あるいは衛星放送を受信して講義を受講する形態と、教育事業者のコンピュータと受講生のパーソナルコンピュータとをインターネットを介して接続し、教育情報の送受信を行う形態と、衛星放送によって送信された教育情報を自宅のテレビジョン受像機で視聴する形態と、からなる３つの情報流通チャネルを備え、伝送される教育情報の特性に応じたチャネルを用いることにより教育システムを構築するというものである。

　こうした構成をとっていたため、教育を提供する者は、ユーザーが自己のパーソナルコンピュータを通じて本当に教育を受けているのかどうかを把握することができず、悪く言えばユーザーは教育を受けている素振りを見せつつサボることが可能で、そもそもパーソナルコンピュータの画面を見ているかどうかさえ把握することが困難であった。

　また、特許文献２は、教育を受ける利用者の利用者端末装置に対してネットワークを介して通信可能に接続されたネットワーク教育システムであって、利用者の教育内容に関する教育情報を格納する教育情報格納手段と、教育情報格納手段に格納された教育情報の中から利用者に提示すべき教育情報を決定する教育内容決定手段と、教育内容決定手段にて決定された教育情報を利用者端末装置にプッシュ配信する配信手段と、を備えたことを特徴とするネットワーク教育システムを構築するというものである。

　こうした構成をとっていたため、教育を提供する者は、出題する問題が本当にユーザーの教育目的或いは学習能力に適しているのかどうかを判断することができず、その都度最適な問題を選出して出題することができなかった。
　また、上記特許文献１に関する問題点と同様に、ユーザーに教育させる強制力や拘束力が乏しく、真の教育を提供することが困難であった。
特開２００１―２７３３７４号公報特開２００３―５０５３５号公報

　本発明は、ネットワークを介して情報端末にてユーザーに教育を提供するに際し、ユーザーの意思に反して出題する機会を強制的に形成し、かつ、解答しなければ本来の活動（例えば、他のアプリケーションでの作業等）をすることができないように拘束することができ、またユーザーの性格や学習能力に合わせて出題傾向を変更することができる電子教育システム及びその電子教育プログラムを提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために本発明は、ネットワークを介して問題を出題しユーザーを教育する電子教育システムであって、問題に関する情報及びユーザーに関する情報を通信により授受可能な通信部と、該通信部を介して入力または出力される問題に関する情報及びユーザーに関する情報を処理可能な入出力情報処理部と、出題する問題について演算可能な演算部と、問題に関する情報及びユーザーに関する情報を記憶可能な記憶部とを具備し、該入出力情報処理部は、所定の問題に対してユーザーが全て回答するまで出題し続けるように適合した問題キュー処理機能を有することを特徴とする。

　ここで、「問題に関する情報」とは、ユーザーが解答する問題、ユーザーが問題に対して行った解答、問題キューを少なくとも含み、該問題の解答、該問題の解説等を含むものであって良い。「キュー」とは、コンピュータの基本的なデータ構造の一つであり、データを先入れ先出し（FIFO:First In First Out）のリスト構造で保持されるものである。キューからデータを取り出すときには、先に入れられたデータから順に取り出される。

　「ユーザーに関する情報」とは、ユーザーの登録情報を少なくとも含み、ユーザーの個人情報、提供する教育に対するユーザーの進捗情報、ユーザーの解答状況（正答、誤答、解答日時、解答結果等）、ユーザーの解答履歴、ユーザーに対するアンケート、該アンケート回答の結果及びライセンス情報等を含むものであって良い。

　通信部とは、インターネット、イントラネット、ＬＡＮ、ＷＡＮ及びその他の電子情報通信ネットワーク回線と繋がっており、通信プロトコル（例えば、ＩＰｖ４、ＩＰ、ＴＣＰ、ＳＭＴＰ、ＰＯＰ、ＨＴＴＰ及びＤＮＳその他各種のプロトコルを含む。）にて情報通信機器（例えば、サーバー、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）、携帯電話、ＰＤＡその他各種の情報通信機器を含む。）と電子情報の送受信を行うことができるものである。

　また通信部は、本電子教育システム利用のためのユーザー登録情報等を基に該通信部にアクセスさせることの可否を判定することができる認証情報受信機能や、出題する問題を送信することができる問題情報送信機能、問題の解答や解説の情報を送信することができる解答解説情報送信機能を少なくとも含み、ユーザーの問題への解答に係る進捗情報を送信することができるユーザー進捗情報送信機能や、ユーザーの問題への回答に係る履歴情報を送信することができるユーザー解答履歴機能を備えることが好ましい。さらに、ユーザーへのアンケートを送信することができるアンケート送信機能や、アンケートに対する回答を受信することができるアンケート回答受信機能、問題以外の情報を送信することができる問題以外情報送信機能等を含むものであって良い。

　演算部は、論理演算等を可能とするプログラムによって数値計算、情報処理、及び機器制御等を行うことができるものを示す。
　該演算部は、問題の順番をキューとして出題可能とすることができる問題キュー作成機能を少なくとも含み、ユーザーの登録に対するライセンス状況を管理することができる残ライセンス管理機能等を含むものであって良い。キューとして出題可能とは、データの先入れ先出しを原則とし、問題を一列に並べた束を一方から出題していくことができることをいう。

　記憶部は、記憶させたファイルシステム、データベース管理システムその他特定のテーマに沿った情報を集めて管理し容易に検索・抽出等の再利用を可能とする記憶機能を有し、情報を記憶することができるもの（メモリー、ハードディスク等の記憶装置或いは記憶媒体）である。
　該記憶部は、上述の「問題に関する情報」及び「ユーザーに関する情報」を記憶する。

　入出力情報処理部とは、上述の「問題に関する情報」や「ユーザーに関する情報」を含む電子情報を通信部にて送信させるための出力処理及び受信された電子情報を演算部または記憶部へ受け渡し可能な処理をするための入力処理をすることができるものである。

　入出力情報処理部は、ユーザーから受信した認証情報を入力処理することができる受信認証情報処理機能や、演算部により作成された問題キューにより出題する問題を出力処理することができる問題キュー処理機能、受信した解答を入力処理することができる受信解答情報処理機能、ネットワークを介して受信した出題に係る問題を入力処理することができる受信問題情報処理機能、ユーザーの登録に係るライセンス情報を入力処理することができるライセンス情報処理機能、出題されている間はユーザーが他のアプリケーションを起動することを防ぐことができるロック機能を少なくとも含み、ユーザーの出題に対する進捗情報を入力処理することができるユーザー進捗情報処理機能、出題に対するユーザーの解答履歴を入力処理することができるユーザー解答履歴処理機能を備えることが好ましい。また、アンケートに対するユーザーの回答を入力処理することができるアンケート回答処理機能、問題以外の情報を問題の出題前或いは解答後のいずれか若しくは両方のタイミングに問題以外の情報を挿入することができる問題以外情報挿入機能等を含むものであって良い。

　このように構成することで、通信部に係る上述の機能により、教育を提供する者はネットワークを介してユーザーに問題を出題したり、場合によってはアンケートを実施することができ、ユーザーは情報通信機器により問題を受信し自己の解答を送信することができ、解答後に問題の解答解説を受信して学習することができる。また、入出力情報処理部に係る上述の機能により、ユーザーが本電子教育システムに登録しているか否かを判別し、ユーザーに出題する問題をキューにより整理し、ユーザーの回答が全て終了するまで出題し続けることができる。さらに、必要により問題以外の情報を出題の前後に挿入することもでき、ユーザーの解答状況から進捗情報や解答履歴を整理したり、ユーザーからのアンケート回答を整理したりすることができる。また、演算部に係る上述の機能により、出題する問題の順番をキューとして出題可能とすることができ、さらに必要により登録ライセンスの残件の管理を行うことができる。そして、記憶部により、問題に関する情報やユーザーに関する情報等を記憶することができる。

　こうした種々の機能を有する電子教育システムにおいて、こうした機能の中でも次の機能を有することに特徴がある。
　まず、入出力情報処理部は、出題されている間はユーザーが他のアプリケーションを起動することを防ぐことができるロック機能を有することを特徴とする。

　ここで、「他のアプリケーション」とは、表計算ソフト、文字ソフト、描画作成ソフト、画像編集ソフト（動画、静止画を含む。）、音楽再生ソフト、動画再生ソフト、ブラウザ、メールソフト、エディタ、スケジューラ及びその他各種のソフトウェアを含む。
　ロック機能を備えることにより、ユーザーが本電子教育システムを利用している最中は、他のアプリケーションを起動させて自己の業務や作業、娯楽等を行うことを防ぐことができる。また、ユーザーによっては、情報端末の強制終了や画面印刷を行えないようにすることもできる。
　さらに、このロック機能は、本電子教育システムのウィンドウを最前面に描画することを実行することで、他のアプリケーション操作を防ぐ機能であってもよい。

　また、入出力情報処理部は、問題の出題前またはユーザーの解答後のいずれか若しくは両方のタイミングに問題以外の情報を挿入するように適合した問題以外情報挿入機能を有することを特徴とする。

　ここで、「問題以外の情報」とは、例えば、企業等における会社規約、理念、売上実績、ニュース、お知らせ及び質問したいこと等、教育を受ける者に対する伝達事項の全てを含み、これらに限定されない。なお、問題以外の情報に対し、ユーザーが解答する構成とすることができる。
　このように構成することで、入出力情報処理部に係る問題以外情報挿入機能により、教育を提供する者は、ユーザーに対して問題以外の通達事項を本電子教育システムに係るネットワークを介して提供することができるし、ユーザーの意見や考えを集約することもできる。

　また、入出力情報理部は、ユーザーからのアンケートの回答を処理するアンケート回答処理機能を有することを特徴とする。

　ここで、「アンケート」とは、例えば、ユーザーの性格、得意科目、趣味、家族構成、休日の過ごし方、好きな場所、好きな動物及び好きなブランド、或いは、出題に対する感想、意見及び希望その他全てのユーザーに関する質問を含む。
　このように構成することで、教育を提供する者は、例えば、本システムの登録直後出題開始前に、または出題カテゴリー終了後に、ユーザーに対してアンケートを実施することができ、アンケート結果を設問の難易度の変化等にフィードバックすることができる。

　また、演算部は、ユーザーに関する情報を基に出題傾向を変更するように適合した問題キュー作成機能を有することを特徴とする。

　ここで、「出題傾向」とは、出題する問題のジャンル、難易度、出題数、解答制限時間及びその他出題に関する種々の傾向を含み、これらの傾向により変更された問題自体を含むものである。
　このように構成することで、ユーザーに関する情報、特にユーザーの解答状況に基いて出題傾向を変更することができる。

　さらに、入出力情報処理部が問題以外の情報を問題を出題する間に挿入するテーマ機能を有することを特徴とする。
　テーマ機能を有するため、本電子教育システムの稼動中に、所定の通達事項をユーザーのクライアントＰＣ画面表示することができる。したがって、ユーザーに対し通達事項を漏れなく通達することができる。

　また、本発明に係る電子教育プログラムは、ネットワークを介してユーザーを教育するために出題される問題に関する情報及びユーザーに関する情報を通信により授受可能な通信手段と、前記通信手段を介して入力または出力される問題に関する情報及びユーザーに関する情報を処理可能な入出力情報処理手段と、出題する問題について演算可能な演算手段と、問題に関する情報及びユーザーに関する情報を記憶可能な記憶手段と、をコンピュータに機能させ、所定の問題に対してユーザーが全て回答するまで出題し続けるように適合した問題キュー処理を実行することを特徴とする。

　このように構成することで、電子教育プログラムをチップ、メモリーに搭載し、記憶媒体等に保存し、電子教育プログラムを情報機器に搭載することで、本電子教育システムを実現し得る。

　従来はユーザーが本当に教育を受けているのかどうかを把握することが困難であったが、本発明によれば、ユーザーが本電子教育システムを利用した時点から出題予定分の出題数に全て解答しなければ終了することができない仕組みにすることで、教育を提供する者がユーザーを管理するのではなく、強制的に教育を受けなければならない機会をシステム的に構築した。そして、ユーザーが問題に回答している間は他の作業や業務等から隔離し拘束することで、教育を確実に受けさせることができるようにした。
　多忙極まりない現代社会におけるユーザーにとっては、このような拘束された時間を強制的に構築することで、教育を受ける機会を確保することができため、自己啓発にも活用することができ、有能な人材を形成する支援をすることができる。また、たとえこのように拘束されることを好まないユーザー（例えば、愛煙家やメタボリック症候群等）であったとしても、拘束される時間が強制的に構築されることことで継続的に啓蒙され、喫煙や暴飲暴食等に対する意識を改善することができる。

　また、本発明によれば、本電子教育システムの実行中（教育受講中）は他のアプリケーションの起動が妨げられる。そのため、ユーザー本人の意思にかかわらず他の業務や作業をせざるを得ない状況（例えば、メールソフトによるメール受信サインやスケジューラのアラーム機能発動による会議出席予定の告知等）を作り出す状況を未然に防ぐことができ、ユーザーは集中して教育を受けることができる。
　さらに、第三者は該ユーザーの状況を客観的に認識することができるため、本電子教育システムの実行中はユーザーとの会話及び業務や作業等の依頼等を第三者に差し控えさせる効果を有する。これにより、企業側、雇用者側にとって、社内に徹底したい事項や全業務に優先させて周知理解を図りたい事項がある場合に、本電子教育システムを利用することで効率的な情報伝達と指示事項の徹底をシステム的に担保することが可能となる。

　また、ユーザーは自己の業務が多忙極まりないため企業からの通達事項を確認するための時間を作り出すことが容易ではなかったが、本発明によれば、受講中の問題の出題前またはユーザーの解答後のタイミングに該通達事項を画面表示することで、ユーザーは教育の合間に通達事項を確認することができ、漏れなく情報収集することができる。さらに企業側もユーザーが通達事項をチェックしたかどうかを確認する必要もない点で管理負担が軽減される効果を有する。

　また、本発明によれば、解答前のアンケートを実施可能とすることで、ユーザーの情報を事前に収集することができ、該アンケート解答結果を基に出題傾向の変更をすることができる。さらに、出題カテゴリー終了後にアンケートを実施可能とすることで、ユーザーが受けた教育に対する感想等をその都度確実に回収することができ、以後の出題傾向の好適な材料とすることもできる。

　また、本発明によれば、従来は出題する問題の難易度等をユーザーの能力に拘らずに提供せざるを得なかったが、例えば、ユーザーが送信した解答が連続して不正解であったり、Ｎ回以上不正解であったりした場合は、該不正解情報を基に出題傾向を容易化し、この不正解解答を行ったユーザーの教育に対するモチベーションを維持し、かつ、常にユーザーに適したレベルでの教育を提供することができる。なお、連続して正解であったり、Ｎ回以上正解であったりした場合は、問題を難化したり、出題時間を短縮したりすることにより、ユーザーに「チャレンジ精神」を与え、「学ぶ楽しさ」を体感し、成長する度合いを客観的に実感することできる。

　さらに、本発明によれば、ユーザーが利用する情報端末機器に本システムを利用可能とする専用アプリケーションをインストールすることなく、ＡＳＰ（アプリケーションサービスプロバイダー）形式により教育を提供することも可能である。

本発明の一実施形態に係る浮体の電子教育システム１の全体構成を示すブロック図である。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の全体的な動作・機能の流れを示すフローチャートである。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の通達機能（Ｆ－１０）における詳細なフローチャートである。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の初回アンケート機能（Ｆ－２０）における詳細なフローチャートである。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の初回以外のアンケート機能における詳細なフローチャートである。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の出題解答機能（Ｆ－３０）における詳細なフローチャートである。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の出題解答機能に含まれるテーマ機能における詳細なフローチャートである。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１のサーバー１０とクライアントＰＣ２０とのアクセスパターンを示す図である。本発明の一実施形態に係る電子教育システム１のクライアントＰＣ２０が電子教育システム１専用アプリケーションを搭載している場合のフローを示す図である。

　　１　　電子教育システム
　１０　　サーバー
　２０　　クライアントＰＣ
　５０　　ネットワーク
１００　　通信部
２００　　入出力情報処理部
３００　　演算部
４００　　記憶部

　以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下では、本発明の目的達成のために必要な範囲を模式的に示すとともに、本発明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。

　図１は、本発明の一実施形態に係る電子教育システム１の全体構成を示すブロック図である。同図に示すとおり、電子教育システム１は、ネットワーク５０を介してサーバー１０及び、一又は複数のクライアントＰＣ２０を基本的な構成として備えている。また、サーバー１０は、通信部１００、入出力情報処理部２００、演算部３００及び記憶部４００を具備している。

　サーバー１０に係る通信部１００は、インターネット、イントラネット、ＬＡＮ、ＷＡＮ及びその他の電子情報通信ネットワーク回線と繋がっており、通信プロトコル（例えば、ＩＰｖ４、ＩＰ、ＴＣＰ、ＳＭＴＰ、ＰＯＰ、ＨＴＴＰ及びＤＮＳその他全てのプロトコルを含む。）にて情報通信機器（例えば、サーバー、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ＰＤＡその他種々の情報通信機器を含む。）と電子情報の送受信を行うことができるものである。
　そして、電子教育システム１を利用するためにユーザー登録情報等を基にして通信部１００にアクセスすることを許可するか否かを判定することができる認証情報受信機能や、出題する問題を送信することができる問題情報送信機能、問題の解答や問題の解説の情報を送信することができる解答解説情報送信機能、ユーザーへのアンケートを送信することができるアンケート送信機能、アンケートに対する回答を受信することができるアンケート回答受信機能、ユーザーの問題への解答に係る進捗情報を送信することができるユーザー進捗情報送信機能、ユーザーの問題への解答に係る履歴情報を送信することができるユーザー解答履歴機能、問題以外の情報を送信することができる問題以外情報送信機能等を有することが可能である。

　また、サーバー１０に係る演算部３００は、論理演算等を可能とするプログラムによって数値計算、情報処理、及び機器制御等を行うことができるものである。
　そして、問題の順番をキューとして出題可能とすることができる問題キュー作成機能や、ユーザーの登録に対するライセンス状況を管理することができる残ライセンス管理機能等を有することが可能である。

　また、サーバー１０に係る記憶部４００は、記憶させたファイルシステム、データベース管理システムその他特定のテーマに沿った情報を集めて管理し容易に検索・抽出等の再利用を可能とする記憶機能を有し、情報を記憶することができるもの（メモリー、ハードディスク等の記憶装置或いは記憶媒体等）である。
　そして、問題に関する情報（ユーザーが解答する問題、問題の解答及び／または解説、ユーザーが問題に対して行った解答及び問題キュー等）や、ユーザーに関する情報（ユーザーの個人情報、ユーザーの登録情報、提供する教育に対するユーザーの進捗情報、ユーザーの解答状況（正答、誤答、解答日時、解答結果等）、ユーザーの解答履歴、ユーザーに対するアンケート、アンケート回答の結果及びライセンス情報等）を格納することができる機能等を有することが可能である。

　また、サーバー１０に係る入出力情報処理部２００は、上記記載の「問題に関する情報」や「ユーザーに関する情報」を含む電子情報を通信部１００により送信させるための出力処理或いは受信された電子情報を演算部４００或いは記憶部３００へ受け渡し可能な処理をするための入力処理をすることができるものである。
　そして、ユーザーから受信した認証情報を入力処理することができる受信認証情報処理機能、演算部により作成された問題キューにより出題する問題を出力処理することができる問題キュー処理機能、受信した解答を入力処理することができる受信解答情報処理機能、ユーザーの出題に対する進捗情報を入力処理することができるユーザー進捗情報処理機能、出題に対するユーザーの解答履歴を入力処理することができるユーザー解答履歴処理機能、ネットワーク５０を介して受信した出題に係る問題を入力処理することができる受信問題情報処理機能、ユーザーの登録に係るライセンス情報を入力処理することができるライセンス情報処理機能、アンケートに対するユーザーの回答を入力処理することができるアンケート回答処理機能、出題されている間はユーザーが他のアプリケーションを起動することを防ぐことができるロック機能、問題以外の情報を問題の出題前或いは解答後のいずれか若しくは両方のタイミングに問題以外の情報を挿入することができる問題以外情報挿入機能等を有することが可能である。

　クライアントＰＣ２０は、通常のパーソナルコンピュータを利用できる。電子教育システム１を利用する際は、ユーザーがクライアントＰＣ２０を立ち上げたときに電子教育システム１へのログインを自動的に行うことができるユーザーログイン時自動機能や、ユーザーが電子教育システム１の利用が可能か否かを認証するための情報を送信することができるユーザー認証情報送信機能、サーバー１０からの出題に係る問題を受信することができる問題情報受信機能、スクリーンの最前面にウィンドウが描画するウィンドウ描画機能、問題に対する解答をサーバー１０に送信することができる解答結果送信機能等を有することが可能である。
　クライアントＰＣ２０が上記記載の機能を搭載していない場合は、例えば、クライアントＰＣ２０からネットワーク５０を介して電子教育システム１に接続可能なＵＲＬにアクセスしたり、或いは、クライアントＰＣ２０が所属するグループのポータルサイトにログインして電子教育システム１にリダイレクトしたりすることで、ＡＳＰ方式により電子教育システム１の利用が可能となる。

　次に、電子教育システム１の動作及び使用方法を説明する。
　図１で示すように、ユーザーの扱うクライアントＰＣ２０から、電子情報通信ネットワーク５０を介して電子教育システム１に接続可能なＵＲＬにアクセスすると、サーバー１０に係る通信部１００とユーザー側のクライアントＰＣ２０が接続され、ユーザー登録情報やユーザーのライセンス状況等の「ユーザーに関する情報」を基にして通信部１００ではアクセスすることを許可するかどうかを判断する。そして、ユーザーが認証されれば、サーバー１０に係る入出力情報処理部２００のロック機能（狭義のロック機能）により、クライアントＰＣ２０に係る他のアプリケーションの立ち上げを阻止し、かつ、強制終了や画面印刷をすることができない状態とする（図示しない）。ロック機能の実現は、本電子教育システム１が起動した時点で、入出力情報処理部２００が、本電子教育システムに回答するキー入力以外は無効化すること等によりなし得る。
　入出力情報処理部２００のロック機能の他には、本システムのウィンドウを最前面に描画することにより、他のアプリケーション操作をすることを防ぐ、クライアントＰＣ２０に係るウィンドウ描画機能（入出力情報処理部２００のロック機能と併せて広義のロック機能ともいう）を用いても良い。

　また、クライアントＰＣ２０は、電子教育システム１に関するプログラムを予めインストールしておき、ユーザーがクライアントＰＣ２０を立ち上げたときに電子教育システム１へのログインを自動的に行うようにしておくこともできる。

　図２は、電子教育システム１の全体的な動作・機能の流れを示すフローチャートの一例である。同図に示すとおり、電子教育システム１の主機能となる出題解答機能（Ｆ－３０）の作動前に、ユーザーに対し、問題以外の情報、例えば、教育を提供する者がユーザーに伝えたい通達事項を通達する通達機能（Ｆ－１０）や、ユーザー登録後（出題に最初に解答する前に）ユーザーに対してアンケートを行う初回アンケート機能（Ｆ－２０）を設けても良い。その後、ユーザーに対して教育のための問題を出題して解答する出題解答機能（Ｆ－３０）に移行する。

　図３は、通達機能（Ｆ－１０）における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、ユーザーが電子教育システム１にアクセスした後、問題の出題前に、通達事項の有無を判別し（Ｆ－１０－１０）、通達事項がない場合には、該通達機能が終了する。一方、通達事項がある場合は、サーバー１０に係る入出力情報処理部２００の受信認証情報処理機能により、このユーザーが通達事項を表示する対象に含まれるか否かを判別し（Ｆ－１０－２０）、ユーザーが通達事項の対象でない場合には、該通達機能が終了する。この判別により、対象でないユーザーに対して無駄な通達事項を表示する必要がなくなる。一方、ユーザーが通達事項の対象である場合には、入出力情報処理部２００の問題以外情報挿入機能により通達事項が通達表示期限内か否かを判別し（Ｆ－１０－３０）、通達表示期限外である場合には、該通達機能が終了する。このような期限設定及び判別により、期限超過後にユーザーに対して無駄に通達事項を表示する必要がなくなる。一方、通達表示期限内である場合には、入出力情報処理部２００の問題以外情報送信機能によりサーバー１０から通達事項を送信し、クライアントＰＣ２０がその送信事項を取得し（Ｆ－１０－４０）、クライアントＰＣ２０の画面上に通達事項が表示される（Ｆ－１０－５０）。表示後、さらに未表示の通達事項の有無の判別（Ｆ－１０－１０）に戻る。このようなループにより、未表示の通達事項もユーザーに対して漏れなく通達することができる。

　図４は、初回アンケート機能（Ｆ－２０）における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、サーバー１０に係る入出力情報処理部２００の受信認証情報処理機能により電子教育システム１の実施が初めてか否かを判別し（Ｆ－２０－１０）、電子教育システム１の実施が初めてではないユーザーに対してはアンケートを行わず本機能は終了する。これにより、ユーザーからのアンケート回答回収の漏れ及び重複防止をすることができる。一方、アンケート実施が初めてであるユーザーに対しては、初回用アンケートの有無を判別し（Ｆ－２０－２０）、初回用アンケートが無い場合は、アンケートを行わずに本機能は終了する。これにより、初回用アンケートの回答不要なユーザーに対してまで無駄にアンケート表示することを防止することができる。一方、初回用アンケートがある場合は、サーバー１０に係る通信部１００のアンケート送信機能により送信されたアンケート項目をクライアントＰＣ２０が取得し（Ｆ－２０－３０）、クライアントＰＣ２０の画面上にアンケートが表示され（Ｆ－２０－４０）、ユーザーは初回用アンケートに回答する（Ｆ－２０－５０）。このアンケート回答結果は、入出力情報処理部２００のアンケート回答処理機能により入力処理され、図１記載の記憶部４００に格納される（Ｆ－２０－６０）。これにより、アンケート回答結果に基づいて、図１記載の演算部３００による問題キュー作成機能にしたがって、ユーザーの性格や趣味等のユーザー情報を参考にして問題キューを作成することが可能となる。

　なお、図５は、初回以外にアンケートを行う場合のアンケート機能における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、電子教育システム１の初回実施以外にも、例えば、電子教育システム１の出題カテゴリー終了後に初回アンケート機能と同様なアンケート機能を設けることが可能である。
　クライアントＰＣ２０はアンケート項目を取得すると（Ｆ－２０－１０´）、クライアントＰＣ２０の画面上にアンケートを表示し（Ｆ－２０－２０´）、ユーザーはアンケートに回答する（Ｆ－２０－３０´）。アンケート回答結果は、図１記載の記憶部４００に格納される（Ｆ－２０－４０´）。これにより、教育を提供する者或いは電子教育システム１の運営者は、電子教育システム１を実施した後のユーザーの感想等を回収し、以後の教育方針やシステム開発に役立たせることができる。

　図６は、電子教育システム１の主機能である出題解答機能（Ｆ－３０）についての詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
　まず、サーバー１０に係る入出力情報処理部２００の問題キュー処理機能により問題の有無について判別する（Ｆ－３０－１０）。問題がない場合は出題解答機能は終了する。これにより、出題する必要がないユーザーに対しては無駄な出題を防止することができる。一方、出題がある場合は、出題前に出すことが予定されるテーマ（例えば、問題に対する解答以外にユーザーに解答・回答、選択或いは入力してほしい内容等）の有無を判別する（Ｆ－３０－２０）。こうしたテーマがある場合は、テーマ機能が発動する（Ｆ－３０－３０）が、テーマがない場合やテーマ機能（Ｆ－３０－３０）が終了した場合は、入出力情報処理部２００の問題キュー処理機能により問題キューの先頭から問題を取得し（Ｆ－３０－４０）、通信部１００の問題情報送信部より送信された問題がクライアントＰＣ２０の画面上に表示される（Ｆ－３０－５０）。ユーザーは、出題に対して解答し（Ｆ－３０－６０）、解答後に解答解説を取得する（Ｆ－３０－７０）。ユーザーからの解答情報は、記憶部４００に格納される。

　ここで、解答が正解か不正解かがサーバー１０に係る入出力情報処理部２００の受信解答情報処理機能により判別され（Ｆ－３０－８０）、正解した場合は、入出力情報処理機能２００の問題キュー処理機能が該問題をキューから削除する（Ｆ－３０－９０）。これにより、正解した問題を重複して解答させることを防止することができる。その後、クライアントＰＣ２０の画面上に解答解説が表示される（Ｆ－３０－１００）。そして、出題後に出されることが予定されるテーマの有無を判別し（Ｆ－３０－１１０）、そうしたテーマがある場合は、テーマ機能が発動する（Ｆ－３０－３０´）。一方、テーマがない場合またはテーマ機能（Ｆ－３０－３０´）が終了した場合は、受講中の出題カテゴリー中の最後の問題か否かを判別する（Ｆ－３０－１２０）。出題カテゴリー中の最後の問題である場合には、受講中の出題カテゴリーに対するアンケートの有無を判別し（Ｆ－３０－１３０）、アンケートがある場合は図５に示すアンケート機能が発動する（Ｆ－２０）。一方、出題カテゴリー中の最後の問題ではない場合やアンケートがない場合、アンケート機能（Ｆ－２０）が終了した場合のいずれかにおいては、出題する問題の有無について判別し（Ｆ－３０－２００）、問題がある場合は、再び出題前に出されるように設定されたテーマの有無について判別される（Ｆ－３０－２０）。

　不正解の場合は、入出力情報処理機能２００の問題キュー処理機能により、不正解であった問題をキューの末尾へ移動させる（Ｆ－３０－１４０）。これにより、正解しなかった問題を繰り返し出題することができる。さらに、Ｎ問連続で不正解したか否かの判別を行い（Ｆ－３０－１５０）、判別した時点でＮ問連続で不正解であった場合には、演算部３００の問題キュー作成機能によりこれらの不正解情報を基にユーザーに適した出題傾向に変更することが可能である。そして、問題キュー作成機能により作成された連続不正解の際に差し込む問題の有無を判別し（Ｆ－３０－１６０）、連続不正解時用に差し込む問題がある場合は、入出力情報処理部２００の問題キュー処理機能により差し替え問題を追加する（Ｆ－３０－１７０）。これにより、ユーザーの学習能力に応じて出題を変更することが可能となる。一方、未だＮ回連続して不正解していない場合や不正解時に差し込む問題がない場合、または差し替え問題を追加した場合には、クライアントＰＣ２０の画面上に解答解説が表示される（Ｆ－３０－１８０）。そして、出題後に出されるように設定されたテーマの有無を判別し（Ｆ－３０－１９０）、テーマがある場合は、テーマ機能が発動する（Ｆ－３０－３０´´）。一方、テーマがない場合または該テーマ機能（Ｆ－３０－３０´´）が終了した場合には、出題する問題の有無について判別し（Ｆ－３０－２００）、問題がある場合は、再び出題前に出されることが設定されたテーマの有無について判別される（Ｆ－３０－２０）。ユーザーからの正解不正解情報は、記憶部４００に格納される。

　このように、出題が要求された問題について出題され、その間に間違えた問題があればキューの末尾に移動して再び出題される。そうした一方で、Ｎ問連続して間違えがあれば、難度の低い問題等の差し替え問題に変更され、ユーザーの解答意欲を回復させる。こうして要求された問題の全てをユーザーが解答するまで出題解答機能は実行される。この間、ロック機能が維持され、他のアプリケーション等を実行することができず、本来的な業務活動が拘束されるとともに、出題に対する回答を強制されることで、確実な学習機会がユーザーに与えられる。

　図７は、図６で説明した出題解答機能に含まれるテーマ機能（Ｆ－３０－３０、Ｆ－３０－３０´、Ｆ－３０－３０´´）における詳細な処理の流れを示すフローチャートである。ここで、テーマ機能とは、入出力情報処理部２００の問題以外情報挿入機能を示す。同図に示すとおり、テーマがある場合には、入出力情報処理部２００の問題以外情報送信機能により送信されたテーマをクライアントＰＣ２０が取得し（Ｆ－３０－３０－１０）、クライアントＰＣ２０の画面上にテーマが表示され（Ｆ－３０－３０－２０）、ユーザーはテーマに対して回答し（Ｆ－３０－３０－３０）、その回答結果は記憶部４００に格納される（Ｆ－３０－３０－４０）。これにより、教育を提供する者がユーザーに対して与えた各種テーマに対する回答を、以後の教育方針やシステム開発に役立たせることができる。

　なお、出題回答機能では、出題する問題の分野、種類、難易度等の種々の条件によって、上述のフローを適宜変更することが可能である。
　例えば、誤った解答を行った問題に対して、キューの末尾に移動する代わりに、問題の束の任意の箇所に移動するようにしても良いし、１か所に限らず、複数箇所に移動するようにしても良い。また、解答解説を取得するフロー（Ｆ－３０－７０）は、解答が不正解であった場合にのみ行うようにしても良い。さらに、テーマ機能（Ｆ－３０－３０、Ｆ－３０－３０´、Ｆ－３０－３０´´）やアンケート機能（Ｆ－２０）は、必要に応じて設けないことも可能である。
　また、連続Ｎ回不正解かどうかを判断したが（Ｆ－３０－１５０）、この判断に代えて、またはこの判断に加えて、連続ではないがＭ回不正解かどうかを判断する機会を設けても良い。
　さらに、連続Ｎ回不正解であった場合に傾向を変更した問題を出題した場合には、当初予定していた問題のうちの一部または全部の出題を中止するようにしても良い。

　図８は、サーバー１０とクライアントＰＣ２０とのアクセスパターンを示す図である。同図（ａ）は、教育を提供する者のポータルサイト（例えば、企業内イントラネット用ホームページ等）との連携（「ポータル連携」ともいう。）により電子教育システム１にアクセスするフローを示す図である。ポータル連携においては、「一日一問（登録商標）」などの電子教育システム１の出題に対して、ユーザーは正解しない限りポータルサイトで利用可能な機能（スケジューラ、メール等であって、企業・ポータル毎に提供される種々の機能を含む）を利用することができないように構成される。
　また、同図（ｂ）は、クライアントＰＣ２０に電子教育システム１の専用アプリケーション（電子教育システム１用の電子教育プログラム等）を搭載している場合の電子教育システム１にアクセスするフローを示す図である。さらに、同図（ｃ）は、クライアントＰＣ２０からウェブ上で電子教育システム１にアクセスするフローを示す図である。
　図８（ａ）及び図８（ｃ）は、ＡＳＰ方式により電子教育システム１の利用が可能となる。また、クライアントＰＣ２０に専用アプリケーションをインストールする図８（ｂ）の場合においてもサーバー１０との通信は必要であるが、この場合に、当該サーバー１０に関してはＡＳＰ方式とすることも可能である。

　図９は、クライアントＰＣ２０が電子教育システム１の専用アプリケーションを搭載している場合のフローを示す図である。同図において、クライアントＰＣ２０がサーバー１０に接続して認証された場合、クライアントＰＣ２０の画面上に電子教育システム１を実施する画面が最前面に位置するよう制御され、ユーザーは強制終了等できず、電子教育システム１の実施に入る。これにより、企業側、雇用者側からすれば、社内に徹底したい事項や全業務に優先させて周知理解を図りたい事項に対し、解答を与えるなどの受講者側の所定の行動を経た後でなければそれ以外の活動を行うソフトウェアの起動が阻止されるので、効率的な情報伝達と指示事項の徹底がシステム的に担保される。

　従来のｅ－ラーニング・ソフトでは、ユーザーがその気になってソフトを起動しないと学習できないため、コンプライアンスの徹底のような、全社員に対して実施すべき教育については効果的とは言い難い点が存在する。本電子教育システムによれば、その点に関して保証を得ることができる。すなわち、徹底されるべき教育内容は完全に習得するまで出題し続けることがシステムとして担保されるからである。また、従来のｅ－ラーニング・ソフトでは、Ｎ問中Ｍ問正解、といった通常の試験形式の採点がなされる。しかし、これはコンプライアンスに関する問題のような、ユーザーがすべての問題に正解すること（正解できるようになること）が前提のコンテンツに関する教育としては不十分である。これに対して本電子教育システムでは全問正解するまで出題するため、従来のｅ－ラーニング・ソフトの欠点を克服している。

　なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
　また、上述したものは本願にかかる技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願にかかる技術思想を適用することが可能である。
　さらにまた、本願発明を用いて生産される装置、方法、システムが、その２次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。

　本発明によれば、ネットワークを介して遠隔教育を提供することができ、従来はユーザーが本当に教育を受けているのかどうかを把握することが困難であったが、ユーザーが本電子教育システムを利用した時点から出題予定分の出題数に全て解答しなければ終了することができない仕組みにしたため、教育を提供する者がユーザーを管理するのではなく、強制的に教育を受けなければならない機会をシステム的に構築し、その間は他の作業や業務等から隔離し拘束することで、教育を確実に受けさせることができる。これは多忙極まりない現代社会におけるユーザーにとっては、このような拘束された時間を強制的に構築することで、教育を受ける機会を確保することができため、自己啓発にも活用することができ、有能な人材を形成する支援をすることができる。また、たとえこのように拘束されることを好まないユーザー（例えば、愛煙家やメタボリック症候群等）に対しても拘束された時間を強制的に構築されることで継続的に啓蒙され、喫煙や暴飲暴食等に対する意識を改善することができる。これらは、学力低下が顕著に現れている学生や成人及び現代成人病を抱える社会人等に対し、長期的なプランで能力向上或いは自己改革を図ることを支援し得る。以上より、あらゆる産業において本願発明の利用の可能性及び価値が認められる。

Claims

　ネットワークを介して問題を出題しユーザーを教育する電子教育システムであって、問題に関する情報及びユーザーに関する情報を通信により授受可能な通信部と、該通信部を介して入力または出力される問題に関する情報及びユーザーに関する情報を処理可能な入出力情報処理部と、出題する問題について演算可能な演算部と、問題に関する情報及びユーザーに関する情報を記憶可能な記憶部とを具備し、該入出力情報処理部が、所定の問題に対してユーザーが全て回答するまで出題し続けるように適合した問題キュー処理機能を有することを特徴とする電子教育システム。
　演算部が、出題する問題をキューとして出題する演算を行う第１項記載の電子教育システム。
　入出力情報処理部が、出題されている間はユーザーが他のアプリケーションを起動することを防ぐことができるロック機能を有する第１項または第２項記載の電子教育システム。
　入出力情報理部が、問題の出題前またはユーザーの解答後のいずれか若しくは両方のタイミングに問題以外の情報を挿入するように適合した問題以外情報挿入機能を有する第１項～第３項何れか１項記載の電子教育システム。
　入出力情報理部が、前記ユーザーからのアンケートの回答を処理するアンケート回答処理機能を有する第１項～第４項何れか１項記載の電子教育システム。
　演算部が、前記ユーザーに関する情報を基に出題傾向を変更するように適合した問題キュー作成機能を有する第１項～第５項何れか１項記載の電子教育システム。
　入出力情報処理部が、問題以外の情報を問題を出題する間に挿入するテーマ機能を有する第１項～第６項何れか１項記載の電子教育システム。
　ネットワークを介してユーザーを教育するために出題される問題に関する情報及びユーザーに関する情報を通信により授受可能な通信手段と、前記通信手段を介して入力または出力される問題に関する情報及びユーザーに関する情報を処理可能な入出力情報処理手段と、出題する問題について演算可能な演算手段と、問題に関する情報及びユーザーに関する情報を記憶可能な記憶手段と、をコンピュータに機能させ、所定の問題に対してユーザーが全て回答するまで出題し続けるように適合した問題キュー処理を実行することを特徴とする電子教育プログラム。
　入出力情報処理手段が、出題されている間はユーザーが他のアプリケーションを起動することを防ぐように適合したロック機能を有する第８項記載の電子教育プログラム。
　入出力情報理手段が、問題の出題前またはユーザーの解答後のいずれか若しくは両方のタイミングに問題以外の情報を挿入するように適合した問題以外情報挿入機能を有する第８項または第９項記載の電子教育プログラム。
　入出力情報理手段が、前記ユーザーからのアンケートの回答を処理するアンケート回答処理機能を有する第８項～第１０項何れか１項記載の電子教育プログラム。
　演算手段が、前記ユーザーに関する情報を基に出題傾向を変更するように適合した問題キュー作成機能を有する第８～第１１項何れか１項記載の電子教育プログラム。