WO2007037182A1

WO2007037182A1 - 電子写真現像用キャリア芯材、電子写真現像用キャリアおよびその製造方法、並びに電子写真現像剤

Info

Publication number: WO2007037182A1
Application number: PCT/JP2006/318902
Authority: WO
Inventors: Ryusuke Nakao; Takeshi Kawauchi
Original assignee: Dowa Mining Co., Ltd.; Dowa Iron Powder Co., Ltd.
Priority date: 2005-09-29
Filing date: 2006-09-25
Publication date: 2007-04-05
Also published as: EP2439594B1; EP1990684A1; US8652736B2; HK1168663A1; CN101283315A; KR20080076898A; US20090258311A1; KR20110067170A; EP2439594A1; CN102081317B; EP1990684B1; CN102081317A; HK1158769A1; KR101121239B1; EP1990684A4; CN101283315B

Abstract

　ＭＦＰ（マルチ　ファンクション　プリンター）等に適用した場合でも、安定した高画質で高速現像が可能、且つ磁性キャリアの交換寿命が長い電子写真現像剤を製造するためのキャリア芯材およびその製造方法、該キャリア芯材を含む磁性キャリア、該磁性キャリアから製造された電子写真現像剤を提供する。　原材料粉に樹脂粒子、バインダー、分散剤、湿潤剤さらに水を加えて湿式粉砕し乾燥して造粒品を得、該造粒品を仮焼した後、焼成することで、内部に中空構造を有するキャリア芯材を製造し、該キャリア芯材へ樹脂コーティングをおこなって電子写真現像キャリアを得た。そしてこの電子写真現像キャリアとトナーとを混合して電子写真現像剤を製造した。

Description

明細書

電子写真現像用キャリア芯材、電子写真現像用キャリアおよびその製造方法、並びに電子写真現像剤

技術分野

[0001] 電子写真現像に用いられる電子写真現像用キャリアに含まれる電子写真現像用キャリア芯材、該電子写真現像用キャリア芯材を用いた電子写真現像用キャリア、およびそれらの製造方法、並びに該電子写真現像用キャリアを含む電子写真現像剤に関する。

背景技術

[0002] 電子写真の乾式現像法は、現像剤である粉体のトナーを感光体上の静電潜像に付着させ、当該付着したトナーを所定の紙等へ転写して現像する方法である。ここで、電子写真の乾式現像法は、トナーのみを含む 1成分系現像剤を用いる 1成分系現像法と、トナーと、磁性を有する電子写真現像用キャリア (以下、磁性キャリアと記載する場合がある。 )とを含む 2成分系現像剤を用いる 2成分系現像法とに分けられる。そして、近年はトナーの荷電制御が容易で安定した高画質が得ることができ、高速現像が可能であることから、 2成分系現像法が多く用いられて、る。

[0003] 電子写真現像機は、フルカラー化、高画質化、高速ィ匕の傾向にあるが、その達成のためトナーとして小粒径の重合トナーが開発され、該小粒径の重合トナー粒径に合わせて磁性キャリアの粒径も小粒径ィ匕が進んでいる。一方、パソコンの普及とともに、電子写真現像機においても、いわゆる MFP (マルチファンクションプリンター）市場が拡大し、付属のアプリケーション等により機能が充実すると同時に、ドキュメント出力における出力能力だけでなぐランニングコストも厳しく評価される様になつてきている。

[0004] 電子写真現像機のランニングコストは、トナーや磁性キャリアなどの消耗品のコストに大きく依存する。そして磁性キャリアの多くは、電子写真現像用キャリア芯材 (以下、キャリア芯材と記載する場合がある。）として球状のソフトフェライトを用い、該球状のソフトフェライトの表面を榭脂でコーティングしたものである力印刷回数が進むことで、該表面の榭脂が、磁性キャリア同士の摩耗で劣化してしまい電子写真現像に耐えられなくなる。そのため多くの電子写真現像機では、カウントしたドキュメント印刷枚数が一定値になると、磁性キャリアをトナーとともに交換することとしている。

[0005] ここで、特許文献 1には、キャリア芯材の原料として炭酸塩原料を使用し、該原料のガス化成分を利用することで、キャリア芯材中に中空構造を発生させ、密度'比重の小さ、キャリア芯材を製造する方法が提案されて、る。

[0006] 特許文献 1 :特開昭 61— 7851号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明者らは、磁性キャリアの交換寿命を延ばすために、キャリア芯材の表面にある榭脂へのストレスを減らすことが肝要であることに想到した。そして、該キャリア芯材の比重を小さくすることで、電子写真現像機内での電子写真現像剤の攪拌混合時に、該キャリア芯材の受けるストレスを削減できることに想到した。し力しながら、本発明者らの検討によれば、例えば、特許文献 1に記載された製造方法で製造された磁性キャリアを用いて電子写真現像剤を製造し、該電子写真現像剤を上記 MFP等に適用した場合、該磁性キャリアの交換寿命を延長させることが、出来ないことが判明した

[0008] ここで本発明者らは、従来技術にお!、て、磁性キャリアの交換寿命が延長しなかつた原因についてさらに検討を行った。その結果、以下のことが判明した。即ち、キヤリァ芯材の原料の仮焼時に炭酸塩原料のガス化が進行し、仮焼粉中に中空構造が形成されるが、該中空構造が形成された仮焼粉に対し、仮焼工程後にボールミルによる湿式粉砕工程を行うことで、該中空構造が粉砕されてしまう。ここで、次の焼成工程において、残留した一部の炭酸塩原料のガス化により、焼成粉中に中空構造が形成されることとなるが、該形成は、不十分なものに留まってしまった為であると考えられた。

[0009] さらに特許文献 1は、炭酸塩原料の一部を取り分けておき、これを仮焼後の原料粉に添加して、焼成を行う構成についても記載されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、該構成を用いた磁性キャリアを含む電子写真現像剤を上記 MFP等に適用した場合にも、該磁性キャリアの交換寿命を延長し得ないことが判明した。

[0010] ここでも本発明者らは、磁性キャリアの交換寿命が延長しなカゝつた原因について検討を行った。その結果、該構成の場合では、炭酸塩原料カゝら発生するガスの量に不足があり、やはり、焼成工程における中空構造形成が不十分なものに留まってしまう為、該磁性キャリアの交換寿命を延長し得な、ものと考えられた。

[0011] そこで本発明が解決しょうとする課題は、電子写真現像機として MFP等を用いた場合でも、安定した高画質で高速現像が可能、且つ磁性キャリアの交換寿命が長い電子写真現像剤を製造するためのキャリア芯材、該キャリア芯材を含む磁性キャリアおよびその製造方法、該磁性キャリアから製造された電子写真現像剤を提供することである。

課題を解決するための手段

[0012] 本発明者らは、電子写真現像機として MFP等を用いた場合でも、安定した高画質で高速現像が可能、且つ磁性キャリアの交換寿命が長ヽ電子写真現像剤を製造するため、磁性キャリアが満たすべき構造、物性について研究をおこなった。その結果、磁性キャリアが、単に中空構造を有しているだけでは足らず、該磁性キャリアに含まれるキャリア芯材の見掛け密度 Z真密度 =Aとしたとき、 0. 25≤A≤0. 40であり、且つ、該見掛け密度が 2. OgZcm³以下の要件を満たすことが必要であることに想到した。そして、本発明者らは、該要件を満たすキャリア芯材の製造方法にも想到し、本発明を完成したものである。

[0013] 即ち、課題を解決するための第 1の手段は、

電子写真現像剤用キャリアに用いられるキャリア芯材であって、

該キャリア芯材の見掛け密度 Z真密度 =Aとしたとき、 0. 25≤A≤0. 40であり、且つ、見掛け密度が 2. OgZcm³以下であることを特徴とする電子写真現像用キャリア芯材である。

[0014] 第 2の手段は、

該キャリア芯材において、 BET法で測定した比表面積の値を BET (0)、湿式分散型粒度分布測定機より求められる cs値を真密度で割り返して求めた球形換算比表面積の値を BET (D)としたとき、 BET(0)≥0. 07m²Zg、且つ、 3. 0≤ BET (0) /BET (D)≤ 10. 0であることを特徴とする第 1の手段に記載の電子写真現像用キャリア芯材である。

[0015] 第 3の手段は、

該キャリア芯材が、磁性酸化物と、真比重 3. 5以下の非磁性酸ィ匕物とを含むことを特徴とする第 1または第 2の手段に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材である。

[0016] 第 4の手段は、

該磁性酸ィ匕物が、ソフトフェライトであることを特徴とする第 3の手段に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材である。

[0017] 第 5の手段は、

該キャリア芯材中に、前記非磁性酸化物が lwt%以上、 50wt%以下含有されていることを特徴とする第 3または第 4の手段に記載の電子写真現像用キャリア芯材である。

[0018] 第 6の手段は、

第 1から第 5の手段のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材を、榭脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリアである。

[0019] 第 7の手段は、

前記榭脂の被覆量が、前記キャリア芯材の 0. lwt%以上、 20. Owt%以下であることを特徴とする第 6の手段に記載の電子写真現像用キャリアである。

[0020] 第 8の手段は、

平均粒径が、 25 m以上、 50 m以下であることを特徴とする第 6または第 7の手段に記載の電子写真現像剤用キャリアである。

[0021] 第 9の手段は、

lwt%以上、 50wt%以下のシリカを含むことを特徴とする第 6から第 8の手段のヽずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアである。

[0022] 第 10の手段は、

第 6から第 9の手段いずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを含むことを特徴とする電子写真現像剤である。

[0023] 第 11の手段は、 1種または 2種以上の金属元素 Mの、炭酸塩、酸化物、水酸化物から選択される 1 種または 2種以上と、 Fe Oとを混合し、粒径 1 μ mまで粉砕して粉砕物を得る工程と

2 3 該粉砕物へ、榭脂粒子と、水と、ノインダ一と、分散剤と、を加えてスラリーとした後、湿式粉砕し、さらに乾燥させて、造粒粉を得る工程と、

該造粒粉を仮焼して、仮焼品を得る工程と、

該仮焼品を焼成して、焼成物を得る工程と、

該焼成物を粉砕してキャリア芯材を得る工程と、を有することを特徴とする電子写真現像用キャリア芯材の製造方法である。

[0024] 第 12の手段は、

該粉砕物へ加える榭脂粒子として、シリコンを含有する榭脂粒子を用いることを特徴とする第 11の手段に記載の電子写真現像用キャリア芯材の製造方法である。

[0025] 第 13の手段は、

1種または 2種以上の金属元素 Mの、炭酸塩、酸化物、水酸化物から選択される 1 種または 2種以上と Fe Oとを混合し、粉砕して粉砕物を得る工程と、

2 3

該粉砕物へ、シリカ粒子と、水と、バインダーと、分散剤とを加えてスラリーとした後、湿式粉砕し、さらに乾燥させて、造粒粉を得る工程と、

該造粒粉を焼成して、焼成物を得る工程と、

発明の効果

[0026] 第 1から第 5の手段のいずれかに記載の電子写真現像用キャリア芯材を用いて製造された電子写真現像用キャリアは、電子写真現像機内における電子写真現像剤の混合攪拌時に受けるストレスに耐久性が高ぐ交換寿命の長い電子写真現像用キャリアとなる。

[0027] 第 6から第 9の手段のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアは、電子写真現像機内における電子写真現像剤の混合攪拌時に受けるストレスに耐久性が高ぐ交換寿命の長い電子写真現像用キャリアとなる。 [0028] 第 10の手段に記載の電子写真現像剤は、 MFP等に適用した場合でも、安定した高画質で高速現像が可能で、且つ、交換寿命の長い電子写真現像剤である。

[0029] 第 11から第 13の手段のいずれかに記載の電子写真現像用キャリア芯材の製造方法によれば、電子写真現像機内における電子写真現像剤の混合攪拌時に受けるストレスに耐久性が高ぐ交換寿命の長い電子写真現像用キャリアの原料である電子写真現像用キャリア芯材を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0030] 以下、本発明の実施形態を説明する。

本発明に係るキャリア芯材は、常温での、見掛け密度 Z真密度 =Aとしたとき、 0. 2 5≤A≤0. 40であり、且つ、見掛け密度が 2. OgZcm³以下である。ここで見掛け密度は、例え «JISZ2504に準拠して測定される。一方、真密度は、真密度測定装置（例えば、後述するピクノメーター）によって測定するのが便宜である。

この構成を有するキャリア芯材をふくむ磁性キャリアを用いて製造された電子写真現像剤は、 MFP等に適用した場合でも、安定した高画質で高速現像が可能、且つ磁性キャリアの交換寿命が長、と、う優れた特徴を発揮するものである。

[0031] 該キャリア芯材を用いることで、電子写真現像剤が上述した優秀な特徴を発揮する詳細な理由は不明だが、前記 Aが所定範囲にあることで、 MFP等の電子写真現像機内において、該電子写真現像剤が攪拌される際の攪拌トルクが小さくて済み、安定した高画質で高速現像が可能になると同時に、磁性キャリアへの衝撃が軽減されてダメージも軽減されるため、磁性キャリアの交換寿命も長くなるのではないかと考えられる。

[0032] そして、本発明に係るキャリア芯材力 BET法で測定した比表面積の値を BET (0) 、球形換算比表面積の値を BET (D)としたとき、 BET(O)≥0. 07m g,且つ、 3. 0≤ BET (0) /BET (D)≤ 10. 0であると、該キャリア芯材に形成される中空構造が、微細な中空構造の集合体であり、且つ、十分な量の中空構造が形成されているからである。ここで、 BET法で測定した比表面積の値である BET (0)とは、通常の BET 法で測定した比表面積の値のことである。一方、球形換算比表面積の値 BET (D)は、例えば、湿式分散型粒度分布測定器であるマイクロトラックを用いて cs値 (Calcula ted Specific Surfaces Area)を求め、該 cs値を前記真密度で割り返して算定される。この構成を有するキャリア芯材は、中空構造が、微細な中空構造の集合体である為、機械的に強固である。この結果、該キャリア芯材を有する磁性キャリアも衝撃に対して耐久性があるので、磁性キャリアの交換寿命も長くなるのではな、かと考えられる。

[0033] そして、上述の構成を有する磁性キャリアを用いて製造された電子写真現像剤を、 MFP等に適用した場合、安定した高画質で高速現像が可能で、且つ、交換寿命が従来品と比較して 50%以上長いという優れた特徴を発揮するものである。

[0034] さらに、本発明に係るキャリア芯材力磁性酸化物と、真比重 3. 5gZcm³以下の非磁性酸ィ匕物との複合構造を有する構成とすることも好ましヽ。該構成をとり中空部分を非磁性酸ィ匕物で埋めることで、上述した A値や BET (0) /BET (D)値を所定範囲に納めながら、中空容量を減らすことができ、該キャリア芯材の機械的強度を向上させることができるものである。ここで、真比重 3. 5gZcm³以下の非磁性酸化物の好適な例として、 SiO、 Al O、 Al(OH) 、 B O等を挙げることができる。そして、キャリア

2 2 3 2 2 3

芯材における該非磁性酸ィ匕物の含有量が lwt%以上、 50wt%以下、さらに好ましくは 5wt%以上、 40wt%以下であると、キャリア芯材としての磁気的特性と機械的特性とが両立でき好ましい構成である。また、磁性酸ィ匕物として M²⁺0 'Fe Oまたは M

2 3

²⁺ -Fe Oの一般式で示されるスピネル型フェライ HM²⁺には Mn、 Mg、 Fe、 Co、 Ni

2 4

、 Cu、 Zn等）、 M²⁺0 ' 6Fe O、 M²⁺ - 6Fe O の一般式で示されるマグネトプラン

2 3 12 19

バイト型フェライト（M²⁺には Ba、 Sr、 Pb等）、 3M³⁺ O - 5Fe Oまたは M³⁺ Fe O

2 3 2 3 3 5 12 の一般式で示されるガーネット型フェライ HM³⁺には Sm、 Eu、 Gd、 Tb、 Dy、 Ho、 E r、 Tm、 Yb、 Lu等）、ぺロブスカイト型フェライトおよびィルメナイト型フェライト等が挙げられ、特にスピネル型フェライトとして知られる M²⁺0 'Fe Oで M²⁺が Mn、 Mg、 F

2 3

eの少なくとも 1種を有する所謂ソフトフェライトを用いることが好ましい。これは、ソフトフェライトを用いることでトナーとキャリアとの撹拌性が良ぐ高画質の画像を得ることができると!、う利点が有るからである。

[0035] 次に、上述したキャリア芯材を、榭脂で被覆することで磁性キャリアを得ることができる。ここで被覆榭脂としては、例えばシリコーン榭脂が好適に用いられる。被覆量は、キャリア芯材の 0. lwt%以上あれば、磁性キャリアとして好ましい機械的特性と耐久性とを発揮することができ、キャリア芯材の 20. Owt%以下であれば、磁性キャリア同士が凝集してしまうといった事態を回避することができ、さらに 12wt%以下であればキャリアの抵抗が高くなりすぎるといった事態を回避することができることから一層好ましい。

[0036] 上記構成を有する磁性キャリアと、粉砕法または重合法で製造される粒径 10 μ m 程度のトナーとを混合することで電子写真現像剤を製造することができる。該電子写真現像剤は、 MFP等に適用した場合でも、安定した高画質で高速現像が可能で、且つ、交換寿命が、従来品と比較して 50%以上長いという優れた特徴を発揮するものである。

[0037] 次に本発明に係るキャリア芯材、および該キャリア芯材を含む磁性キャリアの製造方法について、 1.榭脂添加法と、 2.シリカ粒子添加法と、の 2法について説明する

[0038] 1.榭脂添加法

[秤量'混合]

本発明に係る磁性キャリアが含むキャリア芯材に用いられる磁性酸ィ匕物 (好ましくはソフトフェライト）は、一般式： MO'Fe Oであらわされる。ここで Mとしては、例えば、

2 3

Fe、 Mn、 Mg等の金属が挙げられる。 Fe、 Mn、 Mgは、単独使用も可能だが混合組成とすることで、キャリア芯材における磁気的特性の制御可能範囲が広くなり好ましい。

[0039] そして、 Mの原料としては、 Feであれば Fe Oが好適に使用できる。 Mnであれば

2 3

MnCOが好適に使用できる力これに限られることなく Mn O等も使用可能であり、

3 3 4

Mgであれば MgCOが好適に使用できる力これに限られることなく Mg (OH)等も

3 2 好適に使用できる。そして、これらの原料の配合比を、該磁性酸化物の目的組成と一致させて秤量し混合して、金属原料混合物を得る。

[0040] 次に、該金属原料混合物へ榭脂粒子を添加する。ここで、ポリエチレン、アクリル等の炭素系の榭脂粒子を添加する構成と、シリコーン榭脂等のシリコンを含有する榭脂の粒子を添加する構成とがある。該炭素系の榭脂粒子およびシリコンを含有する榭脂粒子とも、後述する仮焼工程にて燃焼し、該燃焼時に発生するガスによって、仮焼粉中に中空構造を生成させる点では、同一である。しかし、該燃焼後に、炭素系の榭脂粒子は仮焼粉中に中空構造を生成させるのみであるが、シリコンを含有する榭脂粒子は、燃焼後に SiOとなり生成した中空構造中に残留する。該榭脂粒子の粒径

2

および添加量は、炭素系およびシリコン系とも、平均粒径 2 m〜8 mが好ましぐ添加量は全原料粉中の 0. lwt%以上、 20wt%以下が好ましぐ最も好ましくは 12 wt%である。

[0041] [粉砕'造粒]

秤量 ·混合した Mおよび Fe等の金属原料混合物および榭脂粒子を、振動ミル等の粉砕機中に導入し、粒径 2 μ m〜0. 5 m、好ましくは 1 mまで粉砕する。次、で、この粉砕物に水、バインダー 0. 5〜2wt%、分散剤 0. 5〜2wt%をカ卩えることで、固形分濃度が 50〜90wt%のスラリーとし、該スラリーをボールミル等で湿式粉砕する。ここで、バインダーとしては、ポリビュルアルコール等が好ましぐ分散剤としては、ポリカルボン酸アンモ-ゥム系等が好まし、。

[0042] 造粒工程では、該湿式粉砕されたスラリーを噴霧乾燥機に導入して温度 100°C〜 300°Cの熱風中に噴霧して乾燥させ、粒径 10 μ m〜200 μ mの造粒粉を得る。得られた造粒粉は、製品最終粒径を考慮して、それに外れる粗粒および微粉を、振動ふるいで除外して粒度調整する。詳細な理由は後述するが、製品最終粒径は 25 m 以上、 50 m以下であることが好ましいことから、当該造粒粉の粒径は 15 m〜10 0 μ mに調整しておくことが好ましい。

[0043] [仮焼]

金属原料混合物と榭脂粒子との混合造粒物を、 800°C〜1000°Cに加熱した炉に投入し、大気下で仮焼して仮焼品とする。このとき、榭脂粒子が燃焼し発生するガスにより造粒粉中に中空構造が形成される。榭脂粒子としてシリコンを含有する榭脂を用いた場合は、該中空構造中に非磁性酸ィ匕物である SiOが生成する。

2

[0044] [焼成]

次に、該中空構造が形成された仮焼品を、 1100°C〜1250°Cに加熱した炉に投入して焼成してフェライト化し焼成物とする。該焼成時の雰囲気は、金属原料の種類により適宜選択される。例えば、金属原料力と Mn (モル比 100 : 0〜50 : 50)の場合は窒素雰囲気が求められ、 Fe、 Mn、 Mgの場合は窒素雰囲気や酸素分圧調製雰囲気が好ましぐ Fe、 Mn、 Mgの場合であって Mgのモル比が 30%を超える場合は大気雰囲気でもよい。

[0045] [解枠、分級]

得られた焼成物をノヽンマーミル解粒等で粗粉砕し、次に気流分級機で 1次分級した。さらに振動ふるいまたは超音波ふるいにて粒度をそろえた後、磁場選鉱機にかけ、非磁性成分を除去し、キャリア芯材とした。

[0046] [コーティング]

得られたキャリア芯材に対して榭脂コーティングを施し、磁性キャリアを製造する。コ一ティング榭脂としては、 KR251(信越ィ匕学社製)のようなシリコーン系榭脂が好ましい。当該コーティング榭脂を適宜な溶剤（トルエン等）に、 20から 40wt%溶解させ、榭脂溶液を調製する。ここで、当該榭脂溶液の濃度により、キャリア芯材への被覆榭脂料を制御することができる。そして調製された榭脂溶液とキャリア芯材とを重量比で、キャリア芯材:榭脂溶液 = 10 : 1から 5 : 1の割合にて混合した後、 150°C〜250°C にて加熱撹拌して、榭脂被覆されたキャリア芯材を得る。ここで被覆される榭脂の量は、

前記キャリア芯材の 0. lwt%以上、 20. Owt%以下であることが好ましい。

[0047] この榭脂被覆されたキャリア芯材を、さらに加熱して該被覆樹脂層を硬化させ、当該コーティング榭脂が被覆されたキャリア芯材である磁性キャリアを製造することができる。

ここで、磁性キャリアの最終粒径は 25 μ m以上、 50 μ m以下であることが好ましい。これは当該粒径が 25 m以上あれば、キャリア付着が少なぐ高画質を得ることができるという観点から好ましぐ 50 /z m以下あれば、キャリア粒子のトナー保持能力が高ぐベた画像の均一さ、トナー飛散量の低減、カプリが少ないという観点力好ましいからである。

さらに、該磁性キャリアと、適宜な粒径を有するトナーとを混合することで電子写真現像剤を製造することができる。 [0048] 2.シリカ粒子添加法

[秤量'混合]

本発明に係る磁性キャリアが含むキャリア芯材に用いられる磁性酸ィ匕物 (好ましくはソフトフェライト)も、 1.榭脂添加法で説明したものと同様であり、同様の原料と配合とを用いて金属原料混合物を得る。

[0049] 次に、該金属原料混合物へシリカ粒子を添加する。ここで、該シリカ粒子は、 1.榭脂添加法で説明した榭脂粒子とは異なり、燃焼してガスを発生することはないが、後述する焼成工程において、フライトイ匕する焼成物中に取り込まれる。すると、該シリ力粒子を取り込んだ焼成物は、 1.榭脂添加法で説明した、「中空構造中に SiOが

2 残留した焼成物」と類似の構造を有することとなる。ここで、本発明者らの検討によれば、該シリカ粒子の平均粒径が 1 m〜： L0 mであり、添カ卩量が全原料粉中の lwt %〜50wt%であると、後工程で得られるキャリア芯材において、該キャリア芯材の見掛け密度 Z真密度 =Aとしたとき、 0. 25≤A≤0. 40であり、且つ、該見掛け密度が 2. OgZcm³以下となり、さらに、該キャリア芯材を用いて製造した電子写真現像剤による電子写真現像に悪影響を与えないことに想到したものである。

[0050] [粉砕'造粒]

秤量 ·混合した Mおよび Fe等の金属原料混合物およびシリカ粒子を、振動ミル等の粉砕機中に導入し、 1.榭脂添加法で説明したものと同様に粉砕し、スラリー化し、湿式粉砕した後、造粒して粒径 10 m〜200 mの造粒粉を得る。 1.榭脂添加法にて説明したように、当該製造方法においても、製品最終粒径は 25 m以上、 m以下であることが好ましいことから、当該造粒粉の粒径は 15 μ m〜100 μ mに調整しておくことが好ましい。

[0051] [仮焼]

金属原料混合物とシリカ粒子との混合造粒物へは、仮焼することなく次工程の焼成を施す。

[0052] [焼成]

金属原料混合物とシリカ粒子との混合造粒物を、 1100°C〜1250°Cに加熱した炉に投入して焼成してフェライト化し焼成物とする。該焼成時の雰囲気は、 1.榭脂添加法で説明したものと同様である。該焼成により、シリカ粒子が取り込まれた焼成物が生成する。

[0053] [解枠、分級]

得られた焼成物を、 1.榭脂添加法で説明したものと同様に解砕、分級し、キャリア芯材とした。

[0054] [コーティング]

得られたキャリア芯材に対して、 1.榭脂添加法で説明したものと同様に榭脂コーテイングを施し、該被覆榭脂層を硬化させ、磁性キャリアを製造する。

さらに、該磁性キャリアと、適宜な粒径を有するトナーとを混合することで電子写真現像剤を製造することができる。

[0055] 以上、 1.榭脂添加法、および、 2.シリカ粒子添加法の 2法による磁性キャリアの製造にっ、て説明したが、 V、ずれの製造にぉ、てもシリコーン榭脂またはシリカ粒子を添加した場合、該磁性キャリア中に lwt%以上、 50wt%以下のシリカ分を含有することになる。この結果、磁性キャリアに含まれるキャリア芯材の見掛け密度/真密度 = Aとしたとき、 0. 25≤A≤0. 40であり、且つ、該見掛け密度が 2. OgZcm³以下の要件を満たす多孔質低密度のキャリアを得ることができる。

実施例

[0056] 以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。

(実施例 1)

キャリア芯材の原料として、微粉砕した Fe Oと MgCOとを準備する。そしてモル

2 3 3

比で Fe O： MgO = 80 : 20となるように秤量する。一方、水中へ全原料に対して 10

2 3

wt%に相当する平均粒径 5 μ mのポリエチレン榭脂粒子 (住友精化製 LE— 1080) と、分散剤としてポリカルボン酸アンモ-ゥム系分散剤を 1. 5wt%、湿潤剤としてサンノプコ（株） SNウエット 980を 0. 05wt%、バインダーとしてポリビュルアルコールを 0. 02wt%、添カ卩したものを準備し、ここへ先程、秤量した Fe O、 MgCOを投入'

2 3 3 攪拌し、濃度 75wt%のスラリーを得た。このスラリーを湿式ボールミルにて湿式粉砕し、しばらく攪拌した後、スプレードライヤーにて該スラリーを噴霧し、粒径 10 m〜2 00 μ mの乾燥造粒品を製造した。この造粒品から、網目 61 mの篩網を用いて粗粒を分離した後、大気中で 900°Cに加熱して仮焼し、榭脂粒子成分を分解させた。その後 1160°C、窒素雰囲気下で 5時間焼成し、フェライト化させた。このフェライトイ匕した焼成品をノヽンマーミルで解砕し、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目 54 mの振動ふる、で粒度調整してキャリア芯材を得た。

[0057] 次に、シリコーン系榭脂（商品名： KR251、信越化学製)をトルエンに溶解させてコ一ティング榭脂溶液を準備した。そして、前記キャリア芯材と該榭脂溶液とを重量比でキャリア芯材:榭脂溶液 = 9 : 1の割合にて撹拌機に導入し、榭脂溶液にキャリア芯材を 3時間浸漬しながら 150°C〜250°Cにて加熱撹拌した。これにより、該榭脂がキャリア芯材重量に対し 1. Owt%の割合でコーティングされた。この榭脂被覆されたキャリア芯材を熱風循環式加熱装置に設置し、 250°Cで 5時間加熱を行い、該被覆榭脂層を硬化させて、実施例 1に係る磁性キャリアを得た。

[0058] (実施例 2)

ポリエチレン榭脂粒子を全原料に対して 0. ^％添加した以外は、実施例 1と同様にして、実施例 2に係る磁性キャリアを得た。

[0059] (実施例 3)

ポリエチレン榭脂粒子を全原料に対して 20wt%添加した以外は、実施例 1と同様にして、実施例 3に係る磁性キャリアを得た。

[0060] (実施例 4)

キャリア芯材の原料として微粉砕した Fe Oと MgCO以外に MnCOを加え、モル

2 3 3 3

比で Fe O : MnO : MgO = 52 : 34 : 14となるょぅに秤量した以外は、実施例 1と同様

2 3

にして、実施例 4に係る磁性キャリアを得た。

[0061] (実施例 5)

ポリエチレン榭脂粒子を、シリコンを含有する榭脂である平均粒径 2. 4 mのシリコ一ン榭脂粒子 (GE東芝シリコーン (株)製トスパール 120)に変更し、焼成温度を 120 0°Cで行なった以外は、実施例 2と同様にして、実施例 5に係る磁性キャリアを得た。

[0062] (実施例 6)

キャリア芯材の原料として MgCOを省き、微粉砕した Fe Oと MnCOを加え、モ

3 2 3 3

ル比で Fe O： MnO = 65 : 35となるように秤量し、焼成温度を 1160°Cで行なった以外は、実施例 5と同様にして、実施例 6に係る磁性キャリアを得た。

[0063] (実施例 7)

ポリエチレン榭脂粒子を、シリコンを含有する榭脂である平均粒径 2. 4 mのシリコ一ン榭脂粒子 (GE東芝シリコーン (株)製トスパール 120)に変更し、焼成温度を 118 0°Cで行なった以外は、実施例 4と同様にして、実施例 7に係る磁性キャリアを得た。

[0064] (実施例 8)

キャリア芯材の原料として MgCOを省き、微粉砕した Fe Oと Mn Oを加え、モル

3 2 3 3 4

比で Fe O： MnO = 65 : 35となるように秤量し、焼成温度を 1130°Cで行なった以外

2 3

は、実施例 3と同様にして、実施例 8に係る磁性キャリアを得た。

[0065] (実施例 9)

ポリエチレン榭脂粒子を、シリコンを含有する榭脂である平均粒径 2. 4 mのシリコ一ン榭脂粒子 (GE東芝シリコーン (株)製トスパール 120)に変更し、焼成温度を 116 0°Cで行なった以外は、実施例 8と同様にして、実施例 9に係る磁性キャリアを得た。

[0066] (実施例 10)

キャリア芯材の原料として微粉砕した Fe Oと Mn O以外に Mg (OH) を加え、モ

2 3 3 4 2 ル比で Fe O： MnO : MgO = 52 : 34 : 14となるように秤量し、焼成温度条件を 1180

2 3

°Cとした以外は、実施例 9と同様にして、実施例 10に係る磁性キャリアを得た。

[0067] (実施例 11)

キャリア芯材の原料として、微粉砕した Fe Oと Mg (OH) とを準備する。そしてモ

2 3 2

ル比で Fe O： MgO = 80 : 20となるように秤量する。一方、水中へ全原料に対して 2

2 3

Owt%に相当する平均粒径 4 μ mのシリカ粒子（SIBELCO社製 SIKRON M500) と、分散剤としてポリカルボン酸アンモ-ゥム系分散剤を 1. 5wt%、湿潤剤としてサンノプコ（株） SNウエット 980を 0. 05wt%、バインダーとしてポリビュルアルコールを 0. 02wt%、添カ卩したものを準備し、ここへ先程、秤量した Fe O

2 3、 Mg (OH) を投入

2

'攪拌し、濃度 75 ％のスラリーを得た。このスラリーを湿式ボールミルにて湿式粉砕し、しばらく攪拌した後、スプレードライヤーにて該スラリーを噴霧し、粒径 10 m 〜200 mの乾燥造粒品を製造した。この造粒品から、網目 25 mの篩網を用いて粗粒を分離した後、 1150°C、窒素雰囲気下で 5時間焼成し、フライト化させた。このフェライト化した焼成品をノヽンマーミルで解砕し、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目 54 mの振動ふる、で粒度調整してキャリア芯材を得た。

[0068] 次に、該キャリア芯材へ、実施例 1と同様にして、シリコーン系榭脂をコーティングし

、硬化させて実施例 11に係る磁性キャリアを得た。

[0069] (実施例 12)

キャリア芯材の原料として Mg (OH)を省き、微粉砕した Mn Oを加え、モル比で F

2 3 4

e O： MnO = 80 : 20となるように秤量した以外は、実施例 11と同様にして、実施例 1

2 3

2に係る磁性キャリアを得た。

[0070] (実施例 13)

シリカ粒子を全原料に対して 40wt%添加した以外は、実施例 12と同様にして、実施例 13に係る磁性キャリアを得た。

[0071] (実施例 14)

焼成温度を 1110°Cとした以外は、実施例 11と同様にして、実施例 14に係る磁性キャリアを得た。

[0072] (実施例 15)

焼成温度を 1140°Cとした以外は、実施例 11と同様にして、実施例 15に係る磁性キャリアを得た。

[0073] (実施例 16)

Mg (OH) を MgCOに代替し、焼成温度を 1170°Cとした以外は、実施例 11と同

2 3

様にして、実施例 16に係る磁性キャリアを得た。

[0074] (実施例 17)

2 3 4

e O： MnO = 57 :43となるように秤量し、シリカ粒子を全原料に対して 5wt%添カロし

2 3

、焼成温度を 1100°Cとした以外は、実施例 11と同様にして、実施例 17に係る磁性キャリアを得た。

[0075] (実施例 18)

シリカ粒子を全原料に対して 1(^％添加し、焼成温度を 1070°Cとした以外は、実施例 17と同様にして、実施例 18に係る磁性キャリアを得た。 [0076] (実施例 19)

シリカ粒子を全原料に対して 20wt%添加し、焼成温度を 1170°Cとした以外は、実施例 17と同様にして、実施例 19に係る磁性キャリアを得た。

[0077] (実施例 20)

シリカ粒子を全原料に対して 40wt%添加し、焼成温度を 1140°Cとした以外は、実施例 17と同様にして、実施例 20に係る磁性キャリアを得た。

[0078] (実施例 21)

シリカ粒子を全原料に対して 60wt%添加し、焼成温度を 1130°Cとした以外は、実施例 17と同様にして、実施例 20に係る磁性キャリアを得た。

[0079] (比較例 1)

ポリエチレン榭脂粒子を添加せず、且つ、仮焼をしない以外は、実施例 1と同様にして、比較例 1に係る磁性キャリアを得た。

[0080] (比較例 2)

キャリア芯材の原料として微粉砕した Fe Oと MgCOとを、モル比で Fe O ： MgO

2 3 3 2 3

= 75 : 25となるように秤量した以外は、比較例 1と同様にして、比較例 2に係る磁性キャリアを得た。

[0081] (比較例 3)

ポリエチレン榭脂粒子を添加せず、且つ、仮焼をしない以外は、実施例 4と同様にして、比較例 3に係る磁性キャリアを得た。

[0082] (比較例 4)

ポリエチレン榭脂粒子を添加しない以外は、実施例 4と同様にして、比較例 4に係る磁性キャリアを得た。

[0083] (比較例 5)

シリコーン榭脂粒子を添加しない以外は、実施例 10と同様にして、比較例 5に係る磁性キャリアを得た。

[0084] (比較例 6)

シリコーン榭脂粒子を添加せず、仮焼をせず、焼成温度を 1160°Cで行なった以外は、実施例 9と同様にして、比較例 6に係る磁性キャリアを得た。 [0085] (実施例 1〜21、比較例 1〜6のまとめ）

上記実施例および比較例の製造条件の一覧表を表 1に示し、製造された各キヤリァ芯材の物性値の一覧表を表 2に示した。

但し、見掛け密度測定は、 JIS— Z2504 : 2000に準拠して行った。真密度測定は、 QUANTA CHROME製ピクノメータ 1000を用いて測定した。比表面積 BET(O) は、ュアサアイォ-タス製ソープ U2を用いて測定した。球形換算比表面積 BET (D) は、まず、日機装 (株）製マイクロトラック HRAを用いて cs値（Calculated Specific Surfaces Area)を測定し、該 cs値を真密度で割り返して算定した。尚、表 2において、 BET(0) ZBET(D)の値を指標 Bとして示した。平均粒径は、日機装 (株)製マイクロトラック HRAにより測定した。飽和磁ィ匕および保持力は、室温専用振動試料型磁力計 (VSM) (東英工業株式会社製)により測定した。非磁性分 (シリカ)分は、 JI S規格 CFIS G 1212)に準じた方法により測定した。

[0086] さらに、各実施例および比較例に力かる磁性キャリアと、粒径 1 μ m程度の巿販トナ一とを混合して電子写真現像剤を製造し、該電子写真現像剤を用いて画像評価試験を行った。その結果を表 3に記載する。尚、評価において、◎は非常に良好なレべル、〇は良好なレベル、△は使用可能なレベル、 Xは使用不可なレベルとした。

[0087] 表 2において、指標 Aが低いほど、キャリア芯材の密度が低減できているといえ、指標 Bが 3. 0以上であれば、見掛けの粒径力計算される比表面積より実際の比表面積が大きいことになるので、キャリア内部に、微細な中空構造が形成され、 10以下であれば十分な量の中空構造が形成されているといえる。従って、実施例 1〜10は、比較例 1〜6に比較して指標 Aの値が低いことから、原料組成の違いを超えてキヤリァ芯材の密度が低減できていることがわかる。また、指標 Bの値についても実施例 1 〜21は、比較例 1〜6に比較して好ましい範囲に収まっており、原料組成の違いを超えてキャリア芯材の内部に微細な中空構造が十分に形成されていることが判明した。

[0088] さらに、実施例 5〜7、 9、 10においては、シリコーン榭脂粒子をカ卩えているため、仮焼時に該シリコーン榭脂中の Si成分が SiO粒子となり、該 SiO粒子がフェライト組

2 2

成と複合化された結果、キャリア芯材の真比重において、さらに低いものが製造できた。また、実施例 11〜21においても、シリカ粒子がフェライト組成に取り込まれて複合化された結果、キャリア芯材の真比重において低いものが製造できた。

表 3に示した画像評価試験結果より、次のことが判明した。

まず、初期画像特性においては、比較例 1の画質を除き、実施例'比較例ともに非常に良好または良好なレベルであった。そして、 50K枚において、実施例は、非常に良好または良好なレベルを維持した力 ^s、比較例 1〜6ではレベルが低下し始めた。

100K枚においては、実施例にも一部レベルの低下が見られた力比較例 1〜6では、全ての例において、いずれかの項目において使用不可レベルとなり、交換時期を超過していることが判明した。さらに、 150K枚において、実施例 1〜21に使用不可レベルのものはな力つた力比較例 1〜6は使用不可レベルにあることが判明した。

[表 1] 原料選択合比佤焼 ·焼成条件樹脂粒子 Fe₂0₃ MnO MgO S脂

仮焼

Fe原料 Mn原科 Mg原料 i 度焼成度又は又はシリカ

シリ ¾粒子 (モル比） (重量比) (°C) rc) 実施例 1 Fe₂0₃ ― MgC0₃ ホ Dエチレン B0 一 20 10 900 1160 実施例 2 Fe₂0₃ - MgC0₃ ホエチレン 80 - 20 0.1 900 1160 実施例 3 Fe₂0₃ - すエチレン 80 - 20 20 900 1160 実施例 4 Fe₂0₃ MnC0₃ MgC0₃ ホエチレン 52 34 14 0.1 900 11Θ0 実施 Fe₂0₃ - g0O₃ シリコ-ン樹脂 80 - 20 0.1 900 1200 実施 Fe₂t¾ MnC0₃ - シリコ-ン樹脂 65 35 一 0.1 900 1160 実施例 7 Fe₂0₃ nCO, MgC0₃ シリコ-ン樹脂 52 34 14 0.1 900 1180 実施例 8 Fe₂0₃ Mn₃U4 - Jエチレン 65 35 - 20 900 1130 実施例 9 Fe₂0₃ Mn₃0₄ - シリコ-ン樹脂 65 35 - 20 900 1160 実施 ί列 10 Fe₂0₃ Mn₃u₄ Mg(OH)₂シリコ-ン樹脂 52 34 14 20 900 1180 実施 ί列 11 Fe₂0₃ 一 g(OH)₂ シリ S粒子 80 0 20 20 仮焼せず 1150 実施 ί列 12 Fe₂0₃ Mn₃0₄ - シリ子 80 20 0 20 佤焼せす 1150 実施例 13 Fe₂0₃ n₃0₄ - シリカ粒子 60 20 0 40 仮焼せす 1150 実施 ί列 14 Fe₂0₃ - MgCOH);, シリ S粒子 80 - 20 20 仮焼せす 1110 実施例 15 Fe₂0₃ - シリ S粒子 80 - 20 20 仮焼せす 1140 実施 ί列 16 Fe₂0₃ - MgC0₃ シリ粒子 80 - 20 20 仮焼せす 1170 実施例 17 FG₂0₃ Mn₃0₄ - シリ粒子 57 43 - 5 佤焼せす 1100 実施 ί列 18 Fe₂C½ Mn₃0₄ - シリカ粒子 57 43 - 10 仮焼せす 1070 実施 Ml 9 Fe₂0₃ n₃0₄ - シリ s粒子 57 43 - 20 仮焼せす 1170 実 ί£ί列 20 Fe_S0₃ Mn₃0 - シリ子 57 43 ― 40 仮焼せす 1140 実施例 21 Fe_?0, Mn₃iコ ₄ - シリ?]粒子 57 43 - 60 仮焼せす 1130 t \m Fe₂0₃ - gC0₃ : 加せず SO - 20 - 侃焼せす 1160 t m2 Fe₂0₃ - MgC0₃ 添加せす 75 - 25 - 仮焼せす 1160 i \ Fe₂(¾ MnC0₃ gCOj ¾加せす 52 34 14 ― 佤焼せず 1160

Fe₂0₃ MnC0₃ Mg00₃ : 加せす 52 34 14 - 900 1160 比較例 5 Fe₂0₃ Mn₃0₄ g(OH)₂ 添加せず 52 34 14 - 900 11 B0 比較 ι|6 Fe₂t¾ Mn₃0₄ - 添加せず 65 35 - 一仮焼せす 1130 [表 2]

指 ¾A ：覓掛密度 7真密度指標: B BET (0) /BET (D)

[表 3]

Claims

請求の範囲

[I] 電子写真現像剤用キャリアに用いられるキャリア芯材であって、

該キャリア芯材の見掛け密度 Z真密度 =Aとしたとき、 0. 25≤A≤0. 40であり、且つ、見掛け密度が 2. OgZcm³以下であることを特徴とする電子写真現像用キヤリァ芯材。

[2] 該キャリア芯材にお、て、 BET法で測定した比表面積の値を BET (0)、湿式分散型粒度分布測定機より求められる cs値を真密度で割り返して求めた球形換算比表面積の値を BET (D)としたとき、

BET(0)≥0. 07m²Zg、且つ、 3. 0≤ BET (0) /BET (D)≤ 10. 0であることを特徴とする請求項 1に記載の電子写真現像用キャリア芯材。

[3] 該キャリア芯材が、磁性酸化物と、真比重 3. 5以下の非磁性酸ィ匕物とを含むことを特徴とする請求項 1または 2に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。

[4] 該磁性酸ィ匕物が、ソフトフェライトであることを特徴とする請求項 3に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。

[5] 該キャリア芯材中に、前記非磁性酸化物が lwt%以上、 50wt%以下含有されていることを特徴とする請求項 3または 4に記載の電子写真現像用キャリア芯材。

[6] 請求項 1から 5のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材を榭脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリア。

[7] 前記樹脂の被覆量が、前記キャリア芯材の 0. lwt%以上、 20. Owt%以下であることを特徴とする請求項 6に記載の電子写真現像用キャリア。

[8] 平均粒径が、 25 μ m以上、 50 μ m以下であることを特徴とする請求項 6または 7に記載の電子写真現像剤用キャリア。

[9] lwt%以上、 50wt%以下のシリカを含むことを特徴とする請求項 6から 8のいずれ力に記載の電子写真現像剤用キャリア。

[10] 請求項 6から 9のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを含むことを特徴とする電子写真現像剤。

[II] 1種または 2種以上の金属元素 Mの、炭酸塩、酸化物、水酸化物から選択される 1 種または 2種以上と、 Fe Oとを混合し、粉砕して粉砕物を得る工程と、該粉砕物へ、榭脂粒子と、水と、ノインダ一と、分散剤とを加えてスラリーとした後、湿式粉砕し、さらに乾燥させて、造粒粉を得る工程と、

該造粒粉を仮焼して、仮焼品を得る工程と、

該仮焼品を焼成して、焼成物を得る工程と、

該焼成物を粉砕してキャリア芯材を得る工程と、を有することを特徴とする電子写真現像用キャリア芯材の製造方法。

[12] 該粉砕物へ加える榭脂粒子として、シリコンを含有する榭脂粒子を用いることを特徴とする請求項 11に記載の電子写真現像用キャリア芯材の製造方法。

[13] 1種または 2種以上の金属元素 Mの、炭酸塩、酸化物、水酸化物から選択される 1 種または 2種以上と Fe Oとを混合し、粉砕して粉砕物を得る工程と、

2 3

該造粒粉を焼成して、焼成物を得る工程と、