WO2006075805A1

WO2006075805A1 - 使用時混合型無機系接着組成物

Info

Publication number: WO2006075805A1
Application number: PCT/JP2006/300924
Authority: WO
Inventors: Yasutalou Fujii
Original assignee: Yasutalou Fujii
Priority date: 2005-01-17
Filing date: 2006-01-17
Publication date: 2006-07-20
Also published as: KR20060084403A; KR100681959B1

Abstract

本発明は、防カビ性や抗菌性を有し、耐熱性や難燃性を備え、環境汚染や人体への影響も少なく、簡単な設備で施工でき、製品安定性に優れた、水性で無機系の接着剤の提供を目的とし、構成は、耐アルカリ耐熱容器(容量が2リットル程度)の中に金属シリコン200重量部、ふっ化ナトリウム100重量部、水酸化ナトリウム200重量部を入れた後に水1000重量部を混合して、発熱または加熱反応により得られる材料を第1成分とし、この第1成分の中から600重量部をポリエチレン製容器に封入する。次に、水酸化アルミニウムの粉体30重量部と硫酸カルシウム30重量部と粘性調節材料(A)としてカオリナイト40重量部をミキシングして第2成分とし、この第2成分100重量部をポリプロピレン製の袋に封入する。本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、これらポリエチレン製容器とポリプロピレン製の袋によって、一組の製品となすことを特徴とする。

Description

明細書使用時混合型無機系接着組成物技術分野

この発明は、無機系接着性組成物の水溶液からなる第 1成分と無機系の粉体組成物からなる第 2成分で構成される水性の無機系接着組成物であつて、第 1成分を容器に封入し、第 2成分を容器に封入し、第 1成分容器と第 2成分容器で一組の製品となし、第 1成分と第 2成分を施工現場で混合して使用することを特徴とする、使用時混合型無機系接着組成物に関するものである。背景技術

近年、各種の産業の接着作業に使用される接着剤として、施工作業者の安全衛生面や、施工後の環境汚染や、施工中の火災などの危険防止の観点から有機溶剤タイプの接着剤が問題視されるようになつてきており、水性ェマルジヨンタイプの接着剤や水性の無機系接着剤が用いられるようになつてきた。とりわけ水性ェマルジヨンタイプの接着剤は、安全，無公害である上、塗布作業性に優れ、簡単な設備で施工でき、あらゆる分野で使用されている。

このように環境汚染や火災の危険のない水性ェマルジヨンタイプの接着剤は多くの利点を有するにも拘らず、なお、いくつかの解決すべき問題があり、例えば、耐水性が弱いために屋外では使用できないとか、防カビ性や抗菌性が弱いために防力ビ剤ゃ抗菌剤を使用するため人体への影響を問題視されていると力、、耐熱性や難燃性がないとか、という問題点を指摘されている。発明の開示

そのため、近年では、上記の問題点を解決した、水性で無機系の接着剤が注目され、種々のタイプが開発されるようになってきた。ところが、水性無機系接着剤には色々な問題点があることが知られるようになってきた。例えば、時間が経過すると自然に製品が硬化してしまう自己硬化性や、製品中の水分と主剤成分が分離してしまう分離性のために、店頭で販売しようとすると、製品としての水性無機系接着剤の安定性を指摘されるために、一般的に販売されている例は極めて少ない。

本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、防カビ性や抗菌性を有し、耐熱性や難燃性を備え、環境汚染や人体への影響も少なく、簡単な設備で施工でき、製品安定性に優れた、水性無機系接着剤の提供を目的とする。

上記の課題を解決するための第 1の手段は、無機系接着性組成物の水溶液からなる第 1成分と無機系の粉体組成物からなる第 2成分で構成される水性の無機系接着組成物であって、前記接着組成物の全質量に基づいて 0 . 1 〜2 0 %の粘性調節材料（A ) と、 0 . 1 〜2 0 <½の助剤物質（B ) を含有し、第 1成分を容器状に封入し、第 2成分を容器状に封入し、第 1成分容器状と第 2成分容器状で一組の製品となすことを特徴とする、使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。

前記無機系接着性組成物水溶液に関しては、水ガラス系接着組成物、シラノール系接着組成物、コロイダルシリ力系接着組成物などの中から選択して用いればよいが、前記水ガラス系接着組成物に関しては、一般的には珪酸カリウムゃ珪酸ナトリウム等の濃厚水溶液のことを示し、一般的に市販されている水ガラスは水を 1 0 0重量部であるとすると、前記珪酸カリゥムゃ珪酸ナトリウムは 1 0〜 3 0重量部位であり、本発明では珪酸ナトリウムの濃厚水溶液を用いるのが好ましく、例えば、 J I S規格の水ガラス 3号などを用いてもよい。また、前記シラノール系接着組成物のシラノールに関しては、金属シリコンの水和反応により得られるシロキサン骨格を有する構造であればどんなタイプでもよく、公知で市販されているタイプのものを用いればよい。

前記コロイダルシリカ系接着組成物のコロイダルシリカに関しては、市販のもの（粒子径 5〜3 0 0 / m) でよいが、好ましくは、その粒度を調整する必要があリ、好ましい粒子径の範囲は、一般的に 1 0〜 2 0 mであり、粒子径が 1 0 m未満であると、コロイダルシリカはゲル化が起こりやすくなリ、高濃度のものが得られにくいため、接着剤として使用すると接着部に亀裂が入りやすくなる。なお、コロイダルシリカは他の水ガラス系接着組成物ゃシラノール系接着組成物に比べ、結合力が小さいため通常の条件下できるだけ高濃度の液、好ましくは 3 5〜4 0重量％のものが用いられる。一方、粒子径が 2 0 U mを超えると接着強度が小さくなるので好ましくない。特に好ましい粒子径の範囲は、 1 5〜2 0 i mである。また、前記無機系粉体組成物に関しては、前記水ガラス系接着組成物、前記シラノール系接着組成物、前記コロイダルシリ力系接着組成物に対して硬化作用を有する物質であれば、公知で一般的に入手できるものであれぱ何を用いても構わない。

また、前記粘性調節材料に関しては、前記水ガラス系接着組成物、前記シラノール系接着組成物、前記コロイダルシリカ系接着組成物に対してレォロジ一特性を調節する材料であると定義でき、レオロジー特性に関しては、レオロジー（R h e o I o g y ) と言う理論は 1 9 2 9年にァメリカの化学者ビンガム（ビンガムの方程式で知られる）が「物質の変形と流動に関する科学」と定義され、固体、液体および気体の粘性、弾性、塑性、チキソトロピーなどを対象としている。すなわち前記接着組成物のレオ口ジー特性を強化する材料であれば、公知で一般的に入手できるものであれば何を用いても構わない。

また、前記第 1成分容器状に関しては、運搬又は保管時には破損せず、前記第 1成分の漏れがないように封入できるものであれば何でもよく、また、前記第 1成分が本発明ではアルカリ性または中性の液体であるため、例えばアルカリ性液体または中性液体を長時間封入できる入れ物であれば、耐腐食手段や形状や材質や封入手段は問わない。

また、前記第 2成分容器状に関しては、運搬又は保管時には破損せず、前記第 2成分の漏れがないように封入できるものであればよく、また、前記第 2成分が粉体であるため、前記粉体を長時間封入できる入れ物であれば、湿気対策手段ゃ耐腐食手段や形状や材質や封入手段は問わない。

また、前記（A ) の混合比率に関しては、本発明では 0 . 1〜2 0 %の範囲で使用するのが好ましい。

また、前記（B ) の混合比率に関しては、本発明では 0 . 1〜2 0 <½の範囲で使用するのが好ましい。

また、前記植物の粉体または/及び前記繊維質の粉体を使用する場合、前記植物の粉体の添加量は前記無機系粘着性接着性組成物 1 0 0重量部に対して 0〜 5 0重量部、特に 1 ~ 2 0重量部が好ましく、また、前記繊維質の粉体の添加量は前記無機系粘着性接着性組成物 1 0 0重量部に対して 0 ~ 5 0重量部が好ましいが、好適には 1〜 2 0重量部が好ましい。

この発明で、水性とは、前記接着組成物、前記粘性調節材料、前記助剤物質、が粉体である場合に水に溶けやすい性質または水中に分散しやすい性質をいう。

上記の課題を解決するための第 2の手段は、前記第 1成分と植物系繊維または（及び）植物系粉体からなる第 3成分で構成される水性の無機系接着組成物であって、前記接着組成物の全質量に基づいて前記（A) と、前記（B) を含有し、第 1成分を容器状に封入し、第 3成分を容器状に封入し、第 1成分容器状と第 3成分容器状で一組の製品となすことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。

前記植物系繊維に関しては、天然植物の繊維体であれば、植物の種類は問わないが、本発明では、木質系の繊維やバナナ等の繊維質や竹の繊維部分などの使用が好ましい。また、本発明では、前記繊維の繊維長が 0. 1 〜 1 0 Ommの範囲で使用することが好ましい。また、前記繊維の幅や厚さ等の形状は、特に制約を受けないが、通常は、幅が 0. 01 - 1 mmで、好ましくは 0. 05〜0. 5 mmであり、また、厚さは 0. 0 "！〜 1 mm、好ましくは 0. 05〜0. 5mmである。

また、前記植物系粉体に関しては、天然植物の粉末体であれば、植物の種類は問わないが、本発明では、パルプの粉末であることが好ましい。また、前記植物系粉体の粒子径に関しては、平均粒径 <500 mの前記植物の微粉末が好ましい。また、前記植物系粉体に関しては、長さ 1 mm未満の繊維質微粉末が好ましい。さらに好ましくは、前記植物の粉体の粒子径に関しては、 5〜20 jUmであり、前記繊維質の粉体に関しては、長さ ^ 00 μ m未満である。

また、前記第 1成分容器状に関しては、上述した内容に順ずる。

また、前記第 3成分容器状に関しては、運搬又は保管時には破損せず、前記第 3成分の漏れがないように封入できるものであればよく、また、前記第 3成分が繊維体または粉体であるため、前記繊維体または前記粉体を長時間封入できる入れ物であれば、湿気対策手段ゃ耐腐食手段や形状ゃ材質や封入手段は問わない。

上記の課題を解決するための第 3の手段は、前記第 1成分と前記第 1成分の硬化性を有する水溶液からなる第 4成分で構成される水性の無機系接着組成物であって、前記（A ) と、前記（B ) を含有し、第 1成分を容器状に封入し、第 4成分を容器状に封入し、第 1成分容器状と第 4成分容器状で一組の製品となすことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段に記載の使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。

前記第 4成分に関しては、前記水ガラス系接着組成物、前記シラノール系接着組成物、前記コロイダルシリ力系接着組成物に対して硬化作用を有する水溶性（酸性溶液または水またはアルカリ性溶液）の物質であれば、公知で一般的に入手できるものであれば何を用いても構わない。例えば、酸性溶液またはアルカリ性溶液に溶解させた、酸化亜鉛、炭酸亜鉛。酸性溶液に溶解させた、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど。。

また、前記第 4成分容器状に関しては、運搬又は保管時には破損せず、前記第 4成分の漏れがないように封入できるものであれば何でもよく、また、前記第 4成分が本発明ではアル力リ性または中性または酸性の液体であるため、例えばアル力リ性液体または中性液体または酸性液体を長時間封入できる入れ物であれば、耐腐食手段や形状や材質や封入手段は問わなし、。

上記の課題を解決するための第 4の手段として、前記（A ) 力平均粒径が 1 00 m以下である金属酸化物、平均粒径が 1 00//m以下である粘土系組成物、平均粒径が 1 O OjUm以下であるセラミックス系組成物、平均粒径が 1 00 m以下である中性ないしはアル力リ性の無機金属塩、などからなる群から選ばれる少なくとも 1種以上であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。前記金属酸化物に関しては、例えば、 Z nO、 S i θ2 、 A l 2 θ3 、 T i 02 、 Z r 02 、 Fe203 、 CuO、 MgO、 N i 0_% Ca O、 L i 2 Oで表現される組成物の中から少なくとも 1種を選択して使用すればよい。また、平均粒径が 1 0 OjUm以下である条件に関しては、 0. 以下では粉体の飛散、配合の制御や管理に問題があるため製造コストゃ調達コストの問題で使いずらく、 1 0 m以上では均一に分散しにくく、さらにレオロジー特性の制御に問題があり、本発明では、前記金属酸化物の平均粒径が 0. 1〜 1 Ojt mの範囲で使用することが好ましい。

前記粘土系組成物に関しては、例えば、珪藻土、力オリナイト、ィライト、タルク、モンモリ口ナイト（例えば、ベントナイ卜等）、コ一ジェライ卜、ムライト、セピオライト、などの中から少なくとも 1種を選択して使用すればよい。

また、平均粒径が 1 00 以下である条件に関しては、 0. 1 m以下では粉体の飛散、配合の制御や管理に問題があるため製造コストや調達コストの問題で使いずらく、 1 0 jL m以上では均一に分散しにくく、さらにレオロジー特性の制御に問題があり、本発明では、前記金属酸化物の平均粒径が 0. 1〜 1 O mの範囲で使用することが好ましい。

前記セラミックス系組成物に関しては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カレシゥ厶、 S i 02、 A I 2 θ3、 T i θ2、 Ζ r θ2、 F β2θ3、 C u 0、 Μ g 0、 Ν i 0、 C a 0、 L i 20、 Ζ η Οで表現される組成物及ぴ硫酸カルシウム、塩化カルシウム、ゼォライト、などの中から少なくとも 1種を選択して使用すればよい。

また、平均粒径が 1 00 im以下である条件に関しては、 0. 1 jt m以下では粉体の飛散、配合の制御や管理に問題があるため製造コストゃ調達コストの問題で使いずらく、 1 0 im以上では均一に分散しにくく、さらにレオロジー特性の制御に問題があり、本発明では、前記金属酸化物の平均粒径が 0. 1〜1 0 mの範囲で使用することが好ましい。

前記無機金属塩に関しては、例えば、硝酸マグネシウム，硝酸カルシゥ厶，塩化マグネシウム，塩化カルシウム，硫酸マグネシウム，硫酸カルシゥム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、などの中から少なくとも 1 種を選択して使用すればよい。

また、平均粒径が 1 00 m以下である条件に関しては、 0. 1 /m以下では粉体の飛散、配合の制御や管理に問題があるため製造コストや調達コストの問題で使いずらく、 1 0 im以上では均一に分散しにくく、さらにレオロジー特性の制御に問題があり、本発明では、前記金属酸化物の平均粒径が 0. 1 ~ 1 0 mの範囲で使用することが好ましい。

上記の課題を解決するための第 5の手段は、前記（A) の組成物が、植物系繊維の粉体、植物体の粉体、増粘材料からなる群から選ばれる少なくとも 1種以上であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。

前記植物系繊維粉体または前記植物体粉体に関しては、天然植物の粉末体であれば、植物の種類は問わないが、本発明では、パルプの粉末であることが好ましい。また、前記植物系粉体の粒子径に関しては、平均粒径 <

5 0 0 mの前記植物の微粉末が好ましい。また、前記植物系粉体に関しては、長さ 1 mm未満の繊維質微粉末が好ましい。さらに好ましくは、前記植物の粉体の粒子径に関しては、 5〜2 0 mであり、前記繊維質の粉体に関しては、長さ 1 0 0 m未満である。

前記増粘材料に関しては、本発明では人体や環境への影響を優先するため、食品添加物に指定されている増粘剤や增粘多糖類の使用が好ましい。例えば、メチルセルロースなどのセルロース系の組成物の使用が好ましし、。上記の課題を解決するための第 6の手段は、前記（B ) が、前記第 1成分または前記第 2成分または前記第 4成分に対する耐水性付与剤であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。

前記耐水性付与剤に関しては、前記第 1成分または前記第 2成分または前記第 4成分に対する耐水性付与性を与える組成物であれば、公知で一般的に市販されているものを使用すればよいが、人体への影響を考慮して、無機物や有機物の中から選択して使用すればよく、例えば、硼砂、硼酸、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸ナトリウム、かんすい、アラビアゴム、ポリビニールアルコール、酢酸ビニール、などの中から選択して使用すればよい。上記の課題を解決するための第 7の手段は、前記（B ) 力前記第 1成分または前記第 2成分または前記第 4成分に対する着色剤であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第三の手段のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物の提供を目的とする。

前記着色剤に関しては、例えば、酸化チタン（白）や酸化鉄（赤）や酸化銅（緑）、亜鉛華、モリブデートオレンジ、パーマネントレツド、べんがら、黄鉛、黄土等が挙げられるが、無機系顔料であれば何を用いても構わない。

上記の課題を解決するための第 8の手段は、前記無機系接着組成物を使用する施工現場で、前記第 1成分と前記第 2成分を混合すること、または前記第 1成分と前記第 3成分を混合すること、または前記第 1成分と前記第 4成分を混合することを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第七の手段のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物の使用方法の提供を目的とする。

前記施工現場に関しては、例えば、工場内でも、建造物内でも、一般住宅内でも、一般的なミキサーが使用でき、直接雨や雪の影響を受けない場所であれば、全て対象になる。

本発明は、以上の構成となっている。発明を実施するための最良の形態

以下実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、文中「部」及び「<½」は重量基準であるものとする。

本発明の実施例では、予め然るべき工場内でシラノール系接着組成物を製造しておくものとする。例えば、シラノール溶液は比較的容易に得られ、例えば、耐ァルカリ耐熱容器（容量が 2リッ卜ル程度）の中に金属シリコン 2 0 0重量部、ふつ化ナトリウム 1 0 0重量部、水酸化ナトリウム 2 0 0重量部を入れた後に水 1 0 0 0重量部を混合して、発熱または加熱反応により得られる。

本実施の形態例では、このシラノール溶液を第 1成分とする。

また、水性の無機系接着組成物として、水酸化アルミニウムの粉体 3 0 重量部と硫酸カルシウム 30重量部と粘性調節材料（A) としてカオリナィ卜 40重量部をプラネタリーミキサーやホー/ ル卜ミキサ一などを用いて混合して、これを第 2成分とする。

実施例 1

第 1成分容器状として、容量が 1 リットル程度の蓋付きポリエチレン製容器に本実施例のシラノール溶液 600重量部を入れ十分に蓋を閉め、材料を封入する。

第 2成分容器状として、一端が開放した市販のポリプロピレン製の袋を用意し、本実施例の第 2成分 1 00重量部を入れ熱圧着装置で袋の一端を熱圧着し材料を封入する。

上記のポリエチレン製容器とポリプロピレン製の袋によって、本発明の一組の製品となす。

実施例 2

実施例 1のポリエチレン製容器の内容量全部とポリプロピレン製の袋をの内容量全部を所定の容器に入れ、プロペラ型、櫂型などの攪拌羽根の付いたハンディ型ミキサーで 30分から 60分攪拌、混練することで、約 7 00重量部の本発明の水溶性の無機系接着剤が出来上がる。

この混練物 700重量部の中から約 2 O gを、 l O cmX l O cmX l cmの板材の夫々の接着面に塗布し、約 1 2時間室温（約 20°C) で放置した後で、付着強度試験を行った。引張試験機を用い、引張速度 I mmZ m i nの条件で付着強度を測定した。試料の付着強度は 9. 5Kg f Zc m2、であった。この値は、内装材の J I S規格において、 J I S A 6 909 (薄付け仕上塗材）及び J I S A 691 0 (複層仕上塗材）に規定される標準状態での付着強度 3〜5 Kg f Zcm2を超えるものであリ、本発明の使用時混合型無機系接着組成物が十分な接着強度を有することが示された。

実施例 3

実施例 2の使用時混合型無機系接着組成物を用いて、 4 0 c m X 4 0 c mで厚さが 1 O mmの合板の両面に厚みが 1 0 0 mになるよう塗布した後に、約 1 2時間放置後、難燃度試験を行った。この合板の表面の一部を約 1 , 0 0 0 °Cのパーナ一で 5分間あぶったが煙が若干発生した程度で、着火しないまま炎にさらされた部分だけが炭化した。産業上の利用可能性

本発明によって、従来なら、自己硬化性や成分分離性の原因となる材料を、前記第 1成分と前記第 2成分、前記第 1成分と前記第 3成分、前記第 1成分と前記第 4成分と分割して製品化することで、自己硬化や成分分離を生じず、さらに経年変化にも強い、製品安定性を向上させた、水性であリながら無機系組成物を主剤にした接着剤を提供できる。

本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、換気性が悪い屋内で前記各種成分をミキサーを用いた混合作業を行なつても、混合作業後の無機系接着組成物を施工している最中でも、さらに施工が終了した後でも、本発明の無機系接着組成物の揮発成分は水分だけであリ、さらに硬化剤の濃度によっては揮発成分は限りなくゼロであり、その結果、作業者の人体への影響は限りなくゼロに近くなリ、また屋内の環境を汚染することも限りなくゼロに近くなリ、結果的に接着施工コストを低減させることが可能になる。本発明の使用時混合型無機系接着組成物を採用した業者が、本発明を製品化することで、製品の人体への安全性や、地球環境に与える影響が極めて低くなリ、力、つ従来の水性の無機系接着剤と比較しても安定性が向上して寿命の長い製品が比較的低コストで提供でき、その結果前記業者は製品の販売がしゃすくな y、前記業者の売上向上に貢献する。

本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、前記第 1成分と前記第 2成分、前記第 1成分と前記第 3成分、前記第 1成分と前記第 4成分などは别々の工場での作業が可能であり、一般的な接着剤を製造する工場に比べて、製造工程が少ない分（例えば、製造プロセスでは材料の混練作業が少なくとも一工程不要であり、品質検査プロセスでは前記混練製品の管理が不要、充填プロセスでは前記混練製品の計量や封入作業が不要、前記製品のアイテムが従来より少なくて済むので製品在庫のスペースも減少する、など)、比較的小規模の業者でも本発明の採用が可能であるため、中小企業の活性化を介して、国家の産業の発達に寄与する。

本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、前記第 1成分である前記無機系接着性組成物の水溶液が希釈液として作用することによって、接着作業を伴う種々の産業の接着作業の施工現場においそ、粘度や、接着力や、硬化時間の調整が可能な接着剤の提供が可能になる。また、前記第 1成分である前記無機系接着性組成物の水溶液を木質系素材に塗布することで、塗布した木質系素材に、防力ビ性ゃ抗菌性や難燃性を付与することができる。

本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、利用者のニーズに合わせ、例えば、粘度や、接着力や、硬化時間や、耐水性や、色や、製品の重量などの諸条件を極めて小口ッ卜または個別に対応することが可能であり、比較的、オーダ一メードの無機系接着剤の提供や O E M (or i gi na l equ i pment manufacturer) の無機系接着剤の提供が可能になる。

本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、利用者のニーズに合わせ、例えば、被接着物に合わせて、前記材料の調整を、極めて小ロットまたは個別に対応することが可能であり、条件によってはオーダ一メードの製品が可能であり、さらに、水性で無機系接着剤でありながら、例えば木質と金属の接着が可能でかつ耐水性を備えた接着剤の提供が可能になる。本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、製造途中や製造後に粘度が想定したレベルを超えていると判断されても、一般的にもっとも入手しやすい溶媒である水（水道水、地下水、雨水、河川などを含む）を希釈用の溶媒として利用することが可能である。

本発明の使用時混合型無機系接着組成物は、上述した発明の効果に加えて、上述した発明の効果によって、無機系接着組成物が市場に提供でき、一般的に流通することで、例えば、建造物などで従来の有機系の接着剤を使用してきた分野に、本発明の接着剤が使用されるようになると、例えば近年では大きな社会問題となってきたシックハウス症候群が軽減されるようになリ、国民の健康増進に貢献することが可能になり、さらに、国民医療費の軽減が可能になり、結果的に国家の産業の発展に寄与する。

Claims

の範囲

1. 無機系接着性組成物の水溶液からなる第 1成分と無機系の粉体組成物からなる第 2成分で構成される水性の無機系接着組成物であって、前記接着組成物の全質量に基づいて 0. 1 ~ 20%の粘性調節材料（A)と、 0. 1〜20%の助剤物質（B) を含有し、第 1成分を容器状に封入し、第 2 成分を容器状に封入し、第 1成分容器状と第 2成分容器状で一組の製品となすことを特徴とする、使用時混合型無機系接着組成物。

2. 前記第 1成分と植物系繊維または（及び）植物系粉体からなる第 3成分で構成される水性の無機系接着組成物であって、前記接着組成物の全質量に基づいて前記（A) と、前記（B) を含有し、第 1成分を容器状に封入し、第 3成分を容器状に封入し、第 1成分容器状と第 3成分容器状で一組の製品となすことを特徴とする、請求項 1に記載の使用時混合型無機系接着組成物。

3. 前記第 1成分と前記第 1成分の硬化性を有する水溶液からなる第 4成分で構成される水性の無機系接着組成物であって、前記（ A)と、前記（B) を含有し、第 1成分を容器状に封入し、第 4成分を容器状に封入し、第 1 成分容器状と第 4成分容器状で一組の製品となすことを特徴とする、請求項 1または請求項 2に記載の使用時混合型無機系接着組成物。

4. 前記（A) 力平均粒径が 1 00/ m以下である金属酸化物、平均粒径が 1 00〃m以下である粘土系組成物、平均粒径が 1 00 t/m以下であるセラミックス系組成物、平均粒径が 1 OOjWm以下である中性ないしはアルカリ性の無機金属塩、などからなる群から選ばれる少なくとも 1種以上であることを特徴とする、請求項 1から請求項 3のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物。

5 . 前記（A ) の組成物が、植物系繊維の粉体、植物体の粉体、増粘材料からなる群から選ばれる少なくとも 1種以上であることを特徴とする、請求項 1から請求項 3のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物。

6 . 前記（B ) が、前記第 1成分または前記第 2成分または前記第 4成分に対する耐水性付与剤であることを特徴とする、請求項 1から請求項 3のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物。

7 . 前記（B ) 力前記第 1成分または前記第 2成分または前記第 4成分に対する着色剤であることを特徴とする、請求項 1から請求項 3のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物。

8 . 前記無機系接着組成物を使用す施工現場で、前記第 1成分と前記第 2成分を混合すること、または前記第 1成分と前記第 3成分を混合すること、または前記第 1成分と前記第 4成分を混合することを特徴とする、請求項 1から請求項 7のいずれかに記載の使用時混合型無機系接着組成物の使用方法。