スターポリマー、酸分解性樹脂組成物、レジスト組成物およびジ (メタ)ァク リレート化合物
技術分野
[0001] 本発明は、酸により容易に開裂し得る構造を有し、レジスト材料等に好適な新規ス ターポリマー、このスターポリマーを含有する酸分解性榭脂組成物及びレジスト組成 物、並びにスターポリマーの製造原料として有用なジ (メタ)アタリレートイ匕合物に関す る。
本願は、 2004年 8月 13日に出願された特願 2004— 235905号に基づき優先権 を主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002] 従来、分子内にァセタール構造を有し、酸で開裂する性質を有するスターポリマー として、下記式で表されるジメタアタリレートイ匕合物力 誘導されるスター型ポリメタタリ レートが知られて 、る(特許文献 1)。
し力しながら、この化合物は熱的に不安定であることから、蒸留等の精製を行うこと が困難であり、工業的に大量生産する上で問題があった。
[0003] [化 1]
[0004] 特許文献 1 :米国特許第 6, 323, 360号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、熱的に安定で大 量生産が容易と考えられるァセタール構造を有するポリ (メタ)アタリレートイ匕合物から 誘導され、酸により容易に開裂する性質を有する新規スターポリマー、このスターポリ
マーを含有する酸分解性榭脂組成物及びレジスト組成物、並びにスターポリマーの 製造原料として有用な新規ジ (メタ)アタリレートイ匕合物を提供することを課題とする。 課題を解決するための手段
[0006] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、(メタ)アクリル酸部 分と酸で開裂するァセタール構造部分の少なくとも 1箇所とを、熱的に安定なアルキ ル鎖等を介して結合させたジ (メタ)アタリレートイ匕合物の合成に成功した。そして、こ のジ (メタ)アタリレートイ匕合物は熱的に安定であり大量生産が容易であること、このジ (メタ)アタリレートイ匕合物を用いることで、酸により容易に開裂する性質を有する新規 スターポリマーが容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0007] 本発明の第 1によれば、下記(1)〜(14)のスターポリマーが提供される。
(1)式 (I)
[0008] [化 2]
(式中、 R1及び R2は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数 1〜4のアルキル基を 表し、 Αはァセタール構造を含まない 2価以上の有機連結基を表し、 Bはァセタール 構造を有する 2価以上の有機連結基もしくはエステル酸素原子と一緒になつてァセタ ール構造を形成する有機連結基を表し、 nl〜! ι4は、それぞれ独立して 1以上の整 数を表し、 nlが 2以上のとき、 R1同士は同一でも相異なっていてもよぐ n2が 2以上 のとき、 R1同士及び A同士はそれぞれ同一でも相異なっていてもよぐ n3が 2以上の とき、 R2同士は同一でも相異なっていてもよぐ n4が 2以上のとき、 R2同士及び B同 士はそれぞれ同一でも相異なって 、てもよ 、。 )で示される化合物から誘導されるコ ァ部を有することを特徴とするスターポリマー。
[0009] (2)前記式 (I)中、 Aが炭素数 2以上及び 2価以上の炭化水素基であることを特徴と する(1)のスターポリマー。
(3)前記式 (I)中、 Aが炭素数 2以上のアルキレン基であることを特徴とする(1)又は (
2)のスターポリマー。
(4)前記式 (I)中、 Bが、式 (II)
[0010] [化 3] - · · (II)
[0011] (式中、 R11及び R12は、それぞれ独立して水素原子又は有機基を表し、 A1は 2価以 上の有機連結基を表す。)で表される官能基、又は前記式 (II)で表される官能基を 部分構造に有する官能基であることを特徴とする(1)〜(3) V、ずれかのスターポリマ
(5)前記式 (I)中、 Bが、式 (III)
[0012] [化 4] ' · ·(I I I)
[0013] (式中、 RU〜R14は、それぞれ独立して水素原子若しくは有機基を表し、 A1及び A2 はぞれぞれ独立して 2価以上の有機連結基を表し、 mlは 1以上の整数を表す。 ml が 2以上のとき、 R13同士、 R14同士及び A2同士はそれぞれ同一でも相異なっていて もよい。)で表される官能基、又は前記式 (ΠΙ)で表される官能基を部分構造に有する 官能基であることを特徴とする(1)〜(3) V、ずれかのスターポリマー。
[0014] (6)前記式 (III)中、 A1及び A2が、それぞれ独立して 2価以上の炭化水素基であるこ とを特徴とする(5)のスターポリマー。
(7)前記式 (III)中、 A1及び A2が、それぞれ独立して鎖状アルキレン基、シクロアル キレン基又はシクロアルキルアルキレン基であることを特徴とする(5)又は(6)のスタ 一ポジマー。
(8)前記式 (I)で表される化合物が、式 (IV)
[0016] (式中、 R1及び R2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数 1〜4のアルキル基を 表し、 R21〜R24は、それぞれ独立して水素原子又は有機基を表し、 A11, A12及び A1 3は、それぞれ独立して 2価の有機連結基を表す。)で示される化合物であることを特 徴とする(1)のスターポリマー。
(9)前記式 (IV)中、 A11及び A13が、それぞれ独立して炭素数 2以上の 2価の有機連 結基であることを特徴とする(8)のスターポリマー。
(10)前記式 (IV)中、 A11及び A13が、それぞれ独立して炭素数 2以上の 2価の炭化 水素基であることを特徴とする(8)のスターポリマー。
[0017] (11)前記式 (IV)中、 A11及び A13が、それぞれ独立して炭素数 2以上のアルキレン 基であることを特徴とする(8)のスターポリマー。
(12)前記式 (IV)中、 A12が、 2価の炭化水素基であることを特徴とする(8)〜(11) V、ずれかのスターポリマー。
(13)前記式 (IV)中、 A12が、鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基又はシクロアル キルアルキレン基であることを特徴とする(8)〜( 12) 、ずれかのスターポリマー。
(14)前記式 (I)において、エステル酸素原子がァセタール構造の一部となる部分構 造を含まな 、ことを特徴とする( 1)〜( 13) 、ずれかのスターポリマー。
[0018] 本発明の第 2によれば、下記(15)、 (16)の酸分解性榭脂組成物が提供される。 ( 15)前記( 1)〜( 14) ヽずれかのスターポリマーを含むことを特徴とする酸分解性榭 脂組成物。
(16)外部の刺激に対して酸を発生する化合物をさらに含むことを特徴とする( 15)の 酸分解性榭脂組成物。
[0019] 本発明の第 3によれば、前記(1)〜(14)のいずれかのスターポリマー、及び外部の 刺激に対して酸を発生する化合物を含むことを特徴とするレジスト組成物が提供され る。
本発明の第 4によれば、以下の(17)〜(21)いずれかのジ (メタ)アタリレート化合物 が提供される。
(17)式 (V)
[0020] [ィ匕 6]
[0021] (式中、 R1及び R2は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数 1〜4のアルキル基を 表し、 R31〜R34は、それぞれ独立して水素原子又は有機基を表し、 A21、 A23は、そ れぞれ独立して 2価の有機連結基を表し、 A22は、脂環式骨格を有する 2価の有機連 結基を表す。)で示されるジ (メタ)アタリレート化合物。
(18)前記式 (V)中、 A21及び A23が、それぞれ独立して炭素数 2以上の 2価有機連 結基であることを特徴とする( 17)のジ (メタ)アタリレート化合物。
[0022] (19)前記式 (V)中、 A21及び A23が、それぞれ独立して炭素数 2以上の 2価の炭化 水素基であることを特徴とする( 17)のジ (メタ)アタリレート化合物。
(20)前記式 (V)中、 A21及び A23が、それぞれ独立して炭素数 2以上のアルキレン基 であることを特徴とする( 17)のジ (メタ)アタリレート化合物。
(21)前記式 (V)中、 A22が、シクロアルキレン基又はシクロアルキルアルキレン基で あることを特徴とする(17)〜(20) V、ずれかのジ (メタ)アタリレート化合物。
発明の効果
[0023] 本発明のスターポリマーは、熱的に安定な構造を有するポリ(メタ)アタリレートイ匕合 物を重合することにより得られるものであって、酸により容易に開裂し得る構造を有し 、レジスト材料として有用である。
本発明の酸分解性榭脂組成物及びレジスト組成物は、酸により容易に開裂し得る 構造を有する、本発明のスターポリマーを含有するものであり、高感度なレジスト榭脂 組成物として有用である。
本発明のジ (メタ)アタリレートイ匕合物を用いることにより、単量体も該単量体から誘
導されるポリマーにおいても、酸により容易に開裂する性質を保持したまま、熱的安 定性を向上させることができ、工業的に大量に生産することが可能となった。
発明を実施するための最良の形態
[0024] 以下、本発明を詳細に説明する。
1)コア部を構成するための単量体
本発明のスターポリマーは、前記式 (Dで示される化合物力 誘導されるコア部を有 することを特徴とする。すなわち、前記式 (I)で示される化合物は、本発明のスターポ リマーのコア部を構成するための単量体である。
[0025] 式 (I)中、 R1及び R2はそれぞれ独立して、水素原子;又はメチル基、ェチル基、 n— プロピル基、イソプロピル基、 n—ブチル基、 t—ブチル基等の炭素数 1〜4のアルキ ル基を表す。
[0026] Aはァセタール構造を含まな 、2価以上の有機連結基を表す。
Aとしては、ァセタール構造を含まない、エステル酸素原子と Bとを連結する 2価以 上の有機基であって、重合反応条件で安定な基であれば特に制約されないが、炭 素数 2以上及び 2価以上の炭化水素基であるのが好ましい。
[0027] 前記 Aの炭素数 2以上及び 2価以上の炭化水素基としては、(a)炭素数 2以上のァ ルキレン基、(b)炭素数 2以上のアルキレンォキシ基、(c)ァリーレン基、(d)ァリーレ ンォキシ基、(e)酸素原子を有していても良い、ァリールアルキレン基、(f)酸素原子 を有していても良い、炭素数 2以上の 3価以上の炭化水素基等が挙げられる。
また、これらの基は、その一部に不飽和結合を有していてもよい。
[0028] (a)炭素数 2以上のアルキレン基
炭素数 2以上のアルキレン基としては、炭素数 2以上の鎖状アルキレン基、シクロア ルキレン基、シクロアルキルアルキレン基等が挙げられる。
炭素数 2以上の鎖状アルキレン基は下記化 7で表される。
[0029] [化 7]
[0030] 上記式中、 Ra、 Rbは、それぞれ独立して水素原子;又はメチル基、ェチル基、イソ プロピル基等の炭素数 1〜4のアルキル基を表し、 pは 2以上の整数、好ましくは 2〜1 0の整数を表し、より好ましくは 2, 3, 4の整数を表す。また、繰り返し単位: -C (Ra) (Rb)—は、互いに同一であっても相異なっていてもよい。
[0031] 炭素数 2以上の鎖状アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ト リメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、へキサメチレン基等が挙げられる。
[0032] シクロアルキレン基としては、シクロアルキル環の炭素原子からのびる 2本の結合手 を有する基であれば、単環式のシクロアルキレン基であっても、多環式のシクロアル キレン基であってもよい。シクロアルキル環としては、シクロペンタン環、シクロへキサ ン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ァダマンタン環、ノルボルナン環等が挙げ られる。
シクロアルキレン基の好まし 、具体例としては、下記に示す基が挙げられる。
[0034] シクロアルキルアルキレン基としては、シクロアルキル環の炭素原子にアルキレン基 が結合した構造を有する基であれば特に制限されな 、。シクロアルキル環としては、 前記と同様のものが挙げられる。
シクロアルキルアルキレン基の好まし 、具体例としては、下記に示す基が挙げられ る。
[0035] [化 9]
[0036] (b)炭素数 2以上のアルキレンォキシ基
炭素数 2以上のアルキレンォキシ基としては、(i)鎖状アルキレンォキシ基、 GOシク 口アルキレンォキシ基、( )シクロアルキルアルキレンォキシ基等が挙げられる。
[0037] (i)の鎖状アルキレンォキシ基としては、以下に示す基を例示することができる。
[0038] [化 10]
[0039] (式中、 qは 1以上の整数、好ましくは 1〜20の整数を表し、より好ましくは 1, 2, 3の 整数を表す。 qが 2以上のとき、式:—CH CH O—で表される基は、互いに同一であ
2 2
つても相異なっていてもよい。 )
(ii)のシクロアルキレンォキシ基としては、以下に示す基を例示することができる。
[0040] [化 11]
[0041] (iii) '基としては、以下に示す基を例示することが できる。
[0042] [化 12]
[0043] (c)ァリーレン基
ァリーレン基としては、 2価以上の芳香族基を有するものであれば特に制限されな い。ァリーレン基の具体例としては、下記に示す基が挙げられる。
[0044] [化 13]
[0045] (d)ァリーレンォキシ基
ァリーレンォキシ基の具体例としては、以下に示す基が挙げられる。
[0046] [化 14]
(e)酸素原子を有して!/ヽても良 、ァリールアルキレン基
酸素原子を有していても良いァリールアルキレン基の具体例としては、下記のもの が挙げられる。
[0048] [化 15]
[0049] (f)酸素原子を有して!/ヽても良!、炭素数 2以上の 3価以上の炭化水素基
酸素原子を有していても良い炭素数 2以上の 3価以上の炭化水素基としては、下記 化 16に示す鎖状構造を有する基や、下記化 17、化 18に示す鎖状構造と芳香族基 を組み合わせた基等が挙げられる。
[0050] [化 16]
[0052] [化 18]
[0053] これらの炭素数 2以上及び 2価以上の炭化水素基は、任意の位置に置換基を有し ていても良い。置換基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基等 のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、 t ブトキシ基等のアルコキシ 基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
[0054] これらの中でも、前記 Aとしては、前記(a)の炭素数 2以上のアルキレン基であるの 力 り好ましぐ炭素数 2以上の 2価鎖状アルキレン基であるのがさらに好ましぐ炭素 数 2〜 10の 2価鎖状アルキレン基であるのが特に好まし!/、。
[0055] 前記 Bは、ァセタール構造を有する 2価以上の有機連結基を表す。本発明にお 、 て、ァセタール構造は、アルデヒドとアルコールとを酸触媒の存在下で反応させて得 られるジアルコキシィ匕合物の構造、又はケトンとアルコールとを酸触媒の存在下で反 応させて得られるジアルコキシ化合物の構造を!ヽぅ。
[0056] Bとしては、少なくともァセタール構造を有し、エステル酸素原子と前記 Aとを連結 する 2価以上の有機基であれば特に制限されない。 Bはエステル酸素原子と一緒に なってァセタール構造を形成する有機連結基でもよ ヽ。
なかでも、前記 Bとしては、下記式 (II)
[0057] [化 19] 一 0 12 P-A (II) で表される官能基もしくは下記式 (π' )
— O— C (Rn) (R12)— · ' · (Π,)
で表される官能基、又は前記式 (Π)もしくは前記式 (Π' )で表される官能基を部分構
造に有する官能基であるのが好ましぐ式 (III)
[0059] [化 20] ' · - (I I I)
[0060] で示される官能基、又は式 (ΠΙ)で表される官能基を部分構造に有する官能基である のがより好ましい。
[0061] 前記式 (Π)、(Π' )、 (III)中、 RU〜R14は、それぞれ独立して水素原子又は有機基 を表す。
有機基としては、例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基等のァ ルキル基;フエ-ル基、 4ークロロフヱ-ル基、 4 メチルフエ-ル基等の置換基を有 していてもよいフエ-ル基;メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基等のアルコキ シカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メチルスル ホ-ノレ基、ェチノレスノレホ-ノレ基等のァノレキノレスノレホ-ノレ基;フエ-ノレスノレホニノレ基、 4ークロロフヱ-ルスルホ -ル基等のァリールスルホ-ル基;等が挙げられる。これら の中でも、前記 RU〜R14は、それぞれ独立してアルキル基であるのが好ましい。
[0062] A1及び A2は、それぞれ独立して 2価以上の有機連結基を表すが、本発明にお ヽ ては、 A1及び A2は、それぞれ独立して 2価以上の炭化水素基であるのが好ましぐそ れぞれ独立して、鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基又はシクロアルキルアルキ レン基であるのがより好ましい。
[0063] 前記 A1及び A2の 2価以上の炭化水素基、鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基 及びシクロアルキルアルキレン基の具体例としては、前記 Aの 2価以上の炭化水素基 、鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基及びシクロアルキルアルキレン基として例示 したものと同様のものが挙げられる。
[0064] また、 mlは 1以上の整数を表し、好ましくは 1〜5の整数を表し、より好ましくは 1, 2 , 3の整数を表す。 mlが 2以上のとき、式: OC (R13) (R14) O— A2)—で表される 基同士は、同一であっても相異なっていてもよい。
[0065] 前記式 (I)中、 nl〜n4は、それぞれ独立して 1以上の整数を表し、 nlが 2以上のと
き、 R1同士は同一でも相異なっていてもよぐ n2が 2以上のとき、 R1同士及び A同士 はそれぞれ同一でも相異なっていてもよぐ n3が 2以上のとき、 R2同士は同一でも相 異なっていてもよぐ n4が 2以上のとき、 R2同士及び B同士はそれぞれ同一でも相異 なっていてもよい。
本発明においては、前記式 (I)で表される化合物が、式 (IV)で示される化合物で あるのが特に好ましい。
[0066] [化 21]
[0067] 式 (IV)中、 R1及び R2は前記と同じ意味を表し、 1〜 R24は、それぞれ独立して水 素原子又は有機基を表す。 R21〜R24の有機基の具体例としては、前記 RU〜R14の 有機基の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。 A11, A12及び A13は 、それぞれ独立して 2価の有機連結基を表す。 A11, A12及び A13の 2価の有機連結 基の具体例としては、前記 A A2の 2価の有機連結基の具体例として列記したものと 同様のものが挙げられる。
[0068] 前記式 (IV)中、 A11及び A13が、それぞれ独立して炭素数 2以上の 2価の有機連結 基であるのが好ましぐそれぞれ独立して炭素数 2以上の 2価の炭化水素基であるの 力 り好ましぐそれぞれ独立して炭素数 2以上のアルキレン基であるのが更に好まし い。
前記式 (IV)中、 A12が、 2価の炭化水素基であるのが好ましぐ鎖状アルキレン基、 シクロアルキレン基、又はシクロアルキルアルキレン基であるのがより好まし 、。
[0069] 前記式 (I)に示される化合物の具体例を以下に挙げる。もちろん、本発明において は、前記式 (I)に示す化合物は、下記に限定されるものではない。
[0070] [化 22]
[0072] (式中、 n,は任意の自然数を表す。 )
本発明においては、前記式 (I)において、エステル酸素原子がァセタール構造の 一部となる部分構造を含まな 、ものであるのが好ま 、。
[0073] 前記式 (I)で示される化合物のうち、式 (V)
[0074] [化 24]
(V)
[0075] で示される化合物は新規ィ匕合物である。式 (V)で示される化合物は、熱的に安定で あり、精製も容易であって、工業的に大量生産することが容易である。式 (V)で示さ れる化合物は、本発明のスターポリマーの製造原料として特に有用である。
[0076] 前記式 (V)中、 R1及び R2は前記と同じ意味を表す。
34 31 34
R31〜 4は、それぞれ独立して水素原子又は有機基を表す。 1〜 4の有機基
の具体例としては、前記 RU〜R14の有機基の具体例として列記したものと同様のもの が挙げられる。
[0077] A21、 A23は、それぞれ独立して 2価の有機連結基を表し、 A22は脂環式骨格を有す る 2価の有機連結基を表す。
A21、 A23の 2価の有機連結基の具体例としては、前記 A A2の 2価の有機連結基 の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
[0078] 本発明にお ヽては、前記式 (V)中、 A21及び A23が、それぞれ独立して炭素数 2以 上の 2価の有機連結基であるのが好ましぐそれぞれ独立して炭素数 2以上の 2価の 炭化水素基であるのがより好ましぐそれぞれ独立して炭素数 2以上の 2価のアルキ レン基であるのがさらに好ましい。前記 A21及び A23の炭素数 2以上のアルキレン基と しては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基 等が挙げられる。
[0079] A22の脂環式骨格を有する 2価の有機連結基としては、シクロアルキレン基、シクロ ァノレキノレアノレキレン基、シクロアノレキレン才キシ基、シクロアノレキノレアノレキレン才キシ 基等が挙げられる。これらの具体例としては、前記 Aのシクロアルキレン基、シクロア ルキルアルキレン基、シクロアルキレンォキシ基、シクロアルキルアルキレンォキシ基 の具体例として列記したものと同様のものが挙げられる。
本発明においては、前記式 (V)中、 A22が、シクロアルキレン基又はシクロアルキル ァノレキレン基であるのが好まし 、。
[0080] 2)スターポリマー
本発明のスターポリマーは、前記式 (I)で示される化合物(以下、「化合物 (1)」と略 記する。 )から誘導されるコア部を有することを特徴とする。
本発明のスターポリマーは、前記化合物 (I)から誘導される重合体をコア部とすれ ば、アーム部を構成する繰り返し単位は特に制限されな 、。
[0081] アーム部を構成する繰り返し単位としては、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル 類、(メタ)アクリルアミド類、ビュルエーテル類、ビュルエステル類、スチレン類等の付 加重合性不飽和結合を 1個有する化合物(単量体)力 得られるものが挙げられる。
[0082] 前記単量体としては、以下のものを例示することができる。
アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ァミル、アタリ ル酸シクロへキシル、アクリル酸ェチルへキシル、アクリル酸ォクチル、アクリル酸 t ーォクチル、クロルェチルアタリレート、 2—ヒドロキシェチルアタリレート、 2, 2—ジメ チルヒドロキシプロピルアタリレート、 5—ヒドロキシペンチルアタリレート、トリメチロー ルプロパンモノアタリレート、ペンタエリスリトールモノアタリレート、ベンジルアタリレー ト、メトキシベンジルアタリレート、フルフリルアタリレート、テトラヒドロフルフリルアタリレ ート、メチルメタタリレート、ェチルメタタリレート、プロピルメタタリレート、イソプロピノレメ タクリレート、アミノレメタタリレート、へキシルメタタリレート、シクロへキシルメタタリレート 、ベンジルメタタリレート、クロルべンジルメタタリレート、ォクチルメタタリレート、 2—ヒ ドロキシェチノレメタタリレート、 4ーヒドロキシブチノレメタタリレート、 5—ヒドロキシペンチ ルメタタリレート、 2, 2 ジメチル一 3 ヒドロキシプロピルメタタリレート、トリメチロール プロパンモノメタタリレート、ペンタエリスリトーノレモノメタタリレート、フルフリノレメタクリレ ート、テトラヒドロフルフリルメタタリレート、
下記式 (VII— 1)及び (VII— 2)で示される化合物。
[0083] [化 25]
(VII- 1) (VII-2)
[0084] 上記式 (VII— 1)及び (VII— 2)中、 Qは次の(al)〜(a6)に示すいずれかの基を 表す。
[0085] [化 26]
C—— R 63
(a l)
,62
R64
-C—— O—— R65 (a2)
H
上記式中、 R"〜R
b&は、それぞれ独立してメチル基、ェチル基、 n—プロピル基、ィ ソプロピル基、 n ブチル基、イソブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基等の炭素 数 1〜6のアルキル基;又は脂環式炭化水素基を表す。
R66は、水素原子;又はメチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソプロピル基、 n— ブチル基、イソブチル基、 sec ブチル基、 t ブチル基等の炭素数 1〜6のアルキル 基;を表す。
Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。 R67は、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソプロピル基、 n—ブチル基、イソブ チル基、 sec ブチル基、 t ブチル基等の炭素数 1〜6のアルキル基;又は脂環式 炭化水素基を表す。
前記 1〜 Rea、 の脂環式炭化水素基としては、ァダマンチル基、ノルァダマン チル基、デカリン基、トリシクロデ力-ル基、テトラシクロデカニル基、ノルボルニル基、 セドロール基、シクロへキシル基、シクロォクチル基、シクロデ力-ル基、シクロドデカ ニル基等が挙げられる。
前記式 (VII— 1)及び (VII— 2)で表される化合物の具体例を以下に示す。
[0088] [化 27]
[0089] [化 28]
[62^ ] [0600]
t7.M0/S00Zdf/X3d 03 8t99I0/900Z OAV
[0091] [化 30]
t7.M0/S00Zdf/X3d ζζ 8t99I0/900Z OAV
O L lO/SOOZd /lDd £Z 8t99蘭 OOZ OAV
[0094] [化 33]
アクリルアミド、 N—アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数 1〜10のもの 、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、 t一ブチル基、ヘプチル基、ォ クチル基、シクロへキシル基、ヒドロキシェチル基等がある。)、 N, N—ジアルキルァ クリルアミド(アルキル基としては炭素数 1〜10のもの、例えばメチル基、ェチル基、 ブチル基、イソブチル基、ェチルへキシル基、シクロへキシル基等がある)、 N—ヒドロ キシェチル - N—メチルアクリルアミド、 N— 2—ァセトアミドエチル— N—ァセチルァ クリルアミド、メタクリルアミド、 N—アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素 数 1〜: L0のもの、例えばメチル基、ェチル基、 t一ブチル基、ェチルへキシル基、ヒド
ロキシェチル基、シクロへキシル基等がある)、 N, N ジアルキルメタクリルアミド(ァ ルキル基としてはェチル基、プロピル基、ブチル基等がある)、 N ヒドロキシェチル —N—メチルメタクリルアミド等の (メタ)アクリルアミド類;
[0097] アルキルビュルエーテル(例えばへキシルビ-ルエーテル、ォクチルビ-ルエーテ ノレ、デシノレビニノレエーテノレ、ェチノレへキシノレビニノレエーテノレ、メトキシェチノレビ二ノレ エーテノレ、エトキシェチノレビニノレエーテノレ、クロノレエチノレビニノレエーテノレ、 1 メチノレ 2, 2—ジメチルプロピルビニルエーテル、 2—ェチルブチルビニルエーテル、ヒド ロキシェチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルァミノ ェチルビュルエーテル、ジェチルアミノエチルビュルエーテル、ブチノレアミノェチノレ ビュルエーテル、ベンジルビ-ルエーテル、テトラヒドロフルフリルビュルエーテル等 のビュルエーテル類;
[0098] ビュルブチレート、ビュルイソブチレート、ビュルトリメチルアセテート、ビュルジェチ ノレアセテート、ビニノレバレート、ビ-ルカプロエート、ビュルクロルアセテート、ビュル ジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルァセ トアセテート、ビュルラタテート、ビニルー β フエ二ルブチレート、ビュルシクロへキ シルカルボキシレート等のビュルエステル類;
[0099] ィタコン酸ジメチル、ィタコン酸ジェチル、ィタコン酸ジブチル等のィタコン酸エステ ル類;フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類;ジブチルフ マレート等のィタコン酸ジアルキル類;
[0100] クロトン酸、ィタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタタリ口-トリ ル、マロノ-トリル等のその他の単量体;及び、
下記式 (IX— 1)〜(IX— 3)で表されるスチレン類;が挙げられる。
[0101] [化 35]
(ΙΧ-2) (ΪΧ-3)
[0102] 式 (IX— 1)〜(IX— 3)中、 R71、 R7 R7bは、それぞれ独立して水素原子又はメチ ル基を表す。
R72、 R74、 R77は、それぞれ独立してメチル基、ェチル基、イソプロピル基、 t—プチ ル基等の炭素数 1〜6のアルキル基;又はフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子; を表す。
r、 s、 t、 uは、それぞれ独立して 0〜2の整数を表し、 r、 s、 t、 uがそれぞれ 2のとき、 R72同士、 R74同士、 R77同士及び R78同士は、それぞれ同一でも相異なっていても良 い。
[0103] また、 R75は酸分解'脱離基を表す。ここで、酸分解'脱離基とは、酸により分解及び Z又は脱離する基を意味する。具体的には、メトキシメチル基、 2—メトキシェトキシメ チル基、ビス(2 クロ口エトキシ)メチル基、テトラヒドロビラ-ル基、 4—メトキシテトラ ヒドロビラ-ル基、テトラヒドロフラ-ル基、トリフエ-ルメチル基、 2— (トリメチルシリル) エトキシメチル基、トリメチルシリル基、 t—ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメ チル基、 t ブチル基、 t—ブトキシカルボ-ル基、 t—ブトキシカルボ-ルメチル基、 2—メチルー 2— t ブトキシカルボ-ルェチル基を例示することができる。
また R78としては、下記の式 (X)で表される基を例示することができる。
[0104] [化 36]
[0105] 上記式 (X)中、 R は、炭素数 1〜20の無置換若しくはアルコキシ置換のアルキル 基、炭素数 5〜 10のシクロアルキル基、又は炭素数 6〜20の無置換若しくはアルコ キシ置換のァリール基を表し、 R82は、水素原子又は炭素数 1〜3のアルキル基を表 し、 R83は、水素原子、炭素数 1〜6のアルキル基又は炭素数 1〜6のアルコキシ基を 表す。
[0106] 前記式 (X)で表される基の具体例としては、 1ーメトキシェチル基、 1ーェトキシェチ ル基、 1—メトキシプロピル基、 1—メチル—1—メトキシェチル基、 1— (イソプロポキ シ)ェチル基が挙げられる。
[0107] なお、前記式 (IX— 1)〜(IX— 3)中、水酸基 (OH基)及び式: OR75で表される基 の置換位置は特に制限されな 、が、アルケニル基のパラ位又はメタ位が好ま 、。
[0108] 本発明のスターポリマーのアーム部は、これらの単量体の一種からなる単独重合体 であっても、二種以上力 なる共重合体であってもよいが、共重合体が好ましい。ま た、共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、その種類に格別な 制限はない。
[0109] 本発明のスターポリマーのアーム部中、各繰り返し単位の比率は、例えば、レジスト のドライエッチング耐性や標準原液適性、基板密着性、レジストブラファイル、さらに はレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を考慮して、適宜設 定することができる。
[0110] 本発明のスターポリマーのアーム部中、各繰り返し単位の比率は、具体的には、反 応に用いる単量体の比率で任意に選択することができ、例えば、ラタトン環を有する 繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中 30〜70モル%であり、好ましく は 35〜65モル%、さらに好ましくは 40〜60モル%である。脂環式骨格を有する繰り 返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中、通常 20〜75モル%であり、好ま しくは 25〜70モル0 /0、更に好ましくは 30〜66モル%である。ラタトン環及び脂環式 骨格以外の構造を有する繰返し単位の含有量は、通常全単量体中 0〜70モル%で あり、好ましくは 2〜40モル0 /0、さらに好ましくは 5〜30モル0 /0である。
[0111] ゲル'パーミエーシヨン'クロマトグラフィーにより測定したアーム部の数平均分子量( Mn)は、ポリスチレン換算で、好ましくは 1, 000〜1, 000, 000、より好ましくは 1, 5 00〜500, 000、更【こ好まし <ίま 2, 000〜200, 000、特【こ好まし <ίま 2, 500〜100 , 000の範囲である。
[0112] アーム部の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(MwZMn)は、 1 . 01〜3. 00の範囲力 S好ましく、 1. 01〜2. 00の範囲力 Sより好ましく、 1. 01〜: L 50 の範囲がさらに好ましい。
[0113] 本発明のスターポリマーの製造方法としては、(a)ァ-オン重合開始剤の存在下、 脂環式骨格及びラタトン環等を有する (メタ)アタリレート等をァ-オン重合してアーム ポリマーを合成し、次に、ポリ(メタ)アタリレートイ匕合物を反応させる方法、(b)ァ-ォ
ン重合開始剤の存在下、ポリ(メタ)アタリレートイ匕合物を反応させて、多官能性コアを 形成した後、脂環式骨格及びラタトン環等を有する (メタ)アタリレート等をァ-オン重 合させる方法、(C)ァニオン重合開始剤の存在下、脂環式骨格及びラタトン環等を有 する (メタ)アタリレート等をァ-オン重合してアームポリマーを合成し、次に、多官能 性カップリング剤を反応させ、さらに、ァ-オン重合可能なモノマーを反応させる方法
、等を例示することができる。これらの中でも、(a)、 (c)の方法が、反応制御が容易で あり、構造が制御されたスターポリマーを製造する上で好まし 、。
[0114] 上記ァ-オン重合に用いられるァ-オン重合開始剤としては、アルカリ金属又は有 機アルカリ金属を例示することができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、 カリウム、セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ 金属のアルキルィ匕物、ァリル化物、ァリールイ匕物等を例示することができる。具体的 には、ェチノレリチウム、 n—ブチノレリチウム、 sec—ブチノレリチウム、 tーブチノレリチウム 、ェチルナトリウム、リチウムビフヱ-ル、リチウムナフタレン、リチウムトリフエ-ル、ナト リウムナフタレン、 α—メチルスチレンナトリウムジァ-オン、 1, 1ージフエ-ルへキシ ルリチウム、 1, 1ージフエ-ルー 3—メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
[0115] 上記 (a)又は(c)の方法におけるアームポリマ一を合成する重合反応としては、モノ マー (混合)液中にァ-オン重合開始剤を滴下する方法や、ァ-オン重合開始剤を 含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法の 、ずれの方法でも行うことができる。 これらの中でも、分子量及び分子量分布を制御することが容易であることから、了二 オン重合開始剤を含む溶液に、モノマー(混合)液を滴下する方法が好ま 、。
[0116] アームポリマーの合成反応は、通常、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲 気下、有機溶媒中において、— 100 + 50°C、好ましくは— 100 +40°Cの範囲 の温度下で行われる、
[0117] 上記アームポリマーの合成反応に用いられる有機溶媒としては、 n キサン、 n— ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロへキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水 素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジェチルエーテル、テトラヒドロフラ ン(THF)、ジォキサン、ァ-ソール等のエーテル類;へキサメチルホスホルアミド等 のアミド類;等のァ-オン重合にぉ 、て通常使用される有機溶媒が使用できる。これ
らの溶媒は一種単独で、あるいは二種以上の混合して使用することができる。これら のうち、極性及び溶解性の観点から、テトラヒドロフランとトルエン、テトラヒドロフランと へキサン、テトラヒドロフランとメチルシクロへキサノンの混合溶媒の使用が好まし!/、。
[0118] アームポリマーの重合形態としては、ランダム共重合、部分ブロック共重合、完全ブ ロック共重合を挙げることができる。これらは、用いる (メタ)アタリレート類の添加方法 を選択することによりそれぞれ合成することができる。
[0119] このようにして得られたアームポリマーを分岐ポリマー鎖としてスターポリマーを生成 せしめる反応は、アームポリマー合成反応終了後、反応液中へ前述のポリ (メタ)ァク リレートイ匕合物を添加することにより行うことができる。
[0120] この反応は、通常、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒 中にお 、て 100°C〜 + 50°C、好ましくは 70°C〜 +40°Cの温度で重合反応を 行うことにより、構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることができる。
[0121] また、かかるスターポリマーの生成反応は、アームポリマーを形成させるのに用いた 溶媒中で連続して行うこともできるが、溶媒を添加して溶媒組成を変更して、あるいは 溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。力かる溶媒としては、アームポリマーの 合成反応に用いられる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
[0122] 本発明のスターポリマーの製造方法においては、ポリ (メタ)アタリレート化合物(P) と、ァ-オン重合開始剤を重合開始剤とするァ-オン重合法により、脂環式骨格及 びラタトン環を有する (メタ)アタリレート等を重合させたポリマー鎖の活性末端 (D)の モル比 [ (P) / (D) ]を 0. 1〜 10とするのが好まし!/、。
[0123] アームポリマー鎖とポリ (メタ)アタリレートイ匕合物との反応は、活性末端を有するァ ームポリマー鎖にポリ(メタ)アタリレートイ匕合物を添加する方法、ポリ (メタ)アタリレート 化合物に活性末端を有するアームポリマー鎖を添加する方法のいずれの方法も採 用することができる。
[0124] スターポリマーのアーム数は、ポリ (メタ)アタリレート化合物の添加量と反応温度、 反応時間により決定されるが、通常はリビングポリマー末端とポリ (メタ)アタリレートイ匕 合物等のビニル基との反応性差や立体障害等の影響を受けてアーム数の異なる複 数の星型ブロックコポリマーが同時に生成する。
[0125] また、生成するスターポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との 比(MwZMn)が 1. 00〜: L 50の範囲にあることが好ましぐ重量平均分子量(Mw ) ίま 3, 000力ら 300, 000であるの力好まし!/ヽ。
[0126] 予め調整されたアームポリマー鎖とポリ (メタ)アタリレートイ匕合物等を反応させること により形成される活性末端を有する中心核 (多官能性コア)に対して、ァ-オン重合 可能なモノマーを反応させ、新たなアームポリマー鎖を形成させる(c)の方法では、 異なる種類のアームポリマー鎖を有するスターポリマーを製造することができる。
[0127] また、中心核に存在する活性末端に対して、直接重合可能なモノマーを反応させ ることもできるが、ジフエ-ルエチレン、スチルベン等の化合物を反応させた後、又は 、塩化リチウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の鉱酸塩を添加した後、モノ マーを反応させた方が、アクリル酸誘導体のように反応性の高 、モノマーを反応させ る場合、ゆっくりと重合反応を進行させることができ、生成するポリマーの全体の構造 を制御する上で有利となる場合がある。
[0128] 上記反応は、活性末端を有する中心核を形成させるのに用いた溶媒中で連続して 行うこともできるが、溶媒を添加して溶媒組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置 換して行うこともできる。力かる溶媒としては、アームポリマーの合成に用いた溶媒と 同様の溶媒を例示することができる。
[0129] また、上記 (c)の方法における中心核に存在する活性末端に対して新たに導入さ れたアームポリマー鎖、あるいは上記(b)の方法におけるアームポリマー鎖として、 2 種のモノマーを混合して反応させることにより、ランダム共重合したポリマー鎖とするこ とも、 2種のモノマーを順次添加することでブロックポリマー鎖とすることも可能である
[0130] 本発明のスターポリマーは、酸により容易に開裂し得る構造を有し、レジスト材料等 に好適に用いることができる。例えば、本発明のスターポリマーを、光酸発生剤、及 び必要に応じて更に酸分解性溶解阻止化合物、染料、可塑剤、界面活性剤、光増 感剤、有機塩基性化合物、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等ととも に適当な有機溶剤に溶解させて、酸分解性榭脂組成物を調製することができる。こ の組成物は、レジスト組成物として有用である。
[0131] 前記光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物 であれば、特に制限されない。例えば、光力チオン重合の光開始剤、光ラジカル重 合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用さ れている公知の光 (400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、 g線、 h線、 i線、 KrFエキシマレーザー光)、 ArFエキシマレーザー光、電子線、 X線、分子線又 はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物等を用いることができ る。
[0132] これらの光酸発生剤の添加量は、組成物中の固形分を基準として、通常 0. 001〜 30重量%の範囲で用いられ、好ましくは 0. 3〜20重量%、更に好ましくは 0. 5〜10 重量%の範囲である。
[0133] 酸分解性榭脂組成物の調製に用いる有機溶剤としては、エチレンジクロライド、シク 口へキサノン、シクロペンタノン、 2—へプタノン、 γ —ブチロラタトン、メチノレエチノレケ トン、エチレングリコーノレモノメチノレエーテノレ、エチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ
、 2—メトキシェチルアセテート、エチレングリコールモノェチルエーテルアセテート、 プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルァ セテート、トルエン、酢酸ェチル、乳酸メチル、乳酸ェチル、メトキシプロピオン酸メチ ル、エトキシプロピオン酸ェチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸ェチル、ピルビン酸 プロピル、 Ν, Ν—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、 Ν—メチルピロリドン、 テトラヒドロフラン等が挙げられる。
[0134] 得られた酸分解性榭脂組成物を、スピナ一、コーター等の適当な塗布方法により、 基板上に塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベータを行い、現像液を使用して現 像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。
[0135] ここで露光光としては、好ましくは 150ηπ!〜 250nmの波長の光である。具体的に は、 KrFエキシマレーザー(248nm)、 ArFエキシマレーザー(193nm)、 Fエキシ
2 マレーザー(157nm)、 X線、電子ビーム等が挙げられる。
[0136] 現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸ィ匕カリウム、炭酸ナトリウム、ケィ酸ナトリウ ム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、ェチルァミン、 n—プロピ ルァミン等の第一アミン類、ジェチルァミン、ジ—n—ブチルァミン等の第二アミン類、
トリェチルァミン、メチルジェチルァミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールァミン、 トリエタノールァミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモ-ゥムヒドロキシド、テ トラェチルアンモ-ゥムヒドロキシド等の第四級アンモ-ゥム塩、ピロール、ピへリジン 等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ 性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。 実施例
[0137] 以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定 されるものではない。
[0138] (実施例 1)
〔メタクリル酸 2—ヒドロキシェチルのエチレングリコールジビュルエーテルへの付カロに より得られるァセタール結合含有ジメタタリレート(ァセタールジメタクリレート丄)の合 成〕
窒素雰囲気下、メタクリル酸 2—ヒドロキシェチル 78. 08g (0. 60mol)、p—トルェ ンスルホン酸一水和物 0. 60g (3. 18mmol)及びテトラヒドロフラン(THF) 600gの 混合物を撹拌しながら、エチレングリコールジビュルエーテル 34. 24g (0. 30mol) を水冷下 (約 15°C)に加え、滴下終了後さらに 1時間撹拌した (反応温度は 31°Cまで 上昇した)。反応混合物から反応溶液を少量取り出し、ガスクロマトグラフィー(以下「 GCJと略す)及び薄層クロマトグラフィー(以下「TLC」と略す)にて、原料が完全に消 費されたことを確認した。
[0139] 炭酸水素ナトリウム 1. 20g (14. 28mmol)をイオン交換水 200mlに溶解したアル カリ水溶液を反応液に添加し、数分間撹拌した。反応混合物をジェチルエーテルに より抽出し、有機層を分取した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、無水硫酸 マグネシウムをろ別した後、得られたろ液をロータリーエバポレーターにより濃縮した 。真空ポンプを使用して得られた濃縮物力 有機溶媒を完全に減圧除去して、無色 透明オイル 118.89g (収率 = 99%)を得た。 — NMR ^ベクトルを測定することに より、得られた透明オイルは、 目的物をほぼ 100%含有するものであることを確認した
[0140] (実施例 2)
〔メタクリル酸 2 ヒドロキシェチルの 1 ,4 シクロへキサンジメタノールジビュルエーテ ルへの付カ卩により得られるァセタール結合含有ジメタタリレート(ァセタールジメタタリ レート ^の合成〕
実施例 1において、エチレングリコールジビュルエーテルに代えて、 1,4ーシクロへ キサンジメタノールジビュルエーテルを使用する以外は実施例 1と同様にして、定量 的に目的物(無色透明オイル)を得た。粗生成物の構造は1 H— NMRスペクトルを測 定して決定し、かつ十分な純度であることを確認した。
(実施例 3)
〔メタクリル酸 2 ヒドロキシェチルの 1 ,6 へキサンジオールジビュルエーテルへの 付カ卩により得られるァセタール結合含有ジメタタリレート(ァセタールジメタクリレー )の合成〕
実施例 1において、エチレングリコールジビュルエーテルに代えて、 1,6 へキサン ジオールジビュルエーテルを使用する以外は実施例 1と同様にして、定量的に目的 物(無色透明オイル)を得た。粗生成物の構造は1 H— NMRスペクトルを測定して決 定し、かつ十分な純度であることを確認した。
(実施例 4)
〔メタクリル酸 2—ビュルォキシェチルのメタクリル酸への付カ卩により得られるァセター ル結合含有ジメタタリレートの合成:ァセタールジメタタリレート 4〕
室温中(22°C、水冷下)、メタクリル酸 2 ビュルォキシェチル 78. 09g (0. 50mol )、メタクリル酸 45. 20g (0. 53mol)及びテトラヒドロフラン (THF) 500gの混合物へ 、撹拌しながら、 p—トルエンスルホン酸一水和物 2. 85g (15. Ommol)をカ卩えた。窒 素雰囲気下として反応させ、穏やかな温度上昇が収まること(30°Cまで上昇)を確認 しつつ、 1時間撹拌した。反応混合物から反応溶液を少量取り出し、 GC及び TLCに て、原料が完全に消費されたことを確認した。炭酸水素ナトリウム 3. 15g (37. 5mm ol)をイオン交換水 200mLに溶カゝしたアルカリ水溶液をカ卩えてしばらく撹拌し、反応 を停止させた。反応混合物をジェチルエーテルを用いて抽出にかけ、混合有機層を 分取し、得られた混合有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて十分に乾燥した。ろ 過により無水硫酸マグネシウムを除去した後、ろ液をロータリーエバポレーターにか
け、有機溶媒を減圧留去した。更に真空ポンプを使用して有機溶媒を減圧除去し、 ほぼ定量的に無色透明オイル (約 120g)を得た。この粗生成物をアルミナカラムクロ マトグラフィ一で精製し、 目的物 108. 51g (収率 90%)を得た。構造は1 H— NMR^ ベクトルを測定して決定し、かつ十分な純度であることを確認した。
[0142] (実施例 5)
〔メタクリル酸 t—ブチルのホモポリマーをアームポリマー、ァセタールジメタタリレート 1 をコアとするスターポリマー(スターポリマー jjの合成〕
窒素雰囲気下、— 40°Cにおいて、塩化リチウム 0.17g (4. OOmmol)を含むテトラヒ ドロフラン(以下 THFと略す。) 153. 78gに、撹拌しながら、 1.0Mの sec—ブチルリ チウム(以下「SBL」と略す) Zシクロへキサン ·η—へキサン溶液 6. 22g (約 8. 08ml 、 SBLに換算して 0. 46g、 8. OOmmol相当)を加えた。
[0143] 次いで、この溶液に、 t—ブチルメタタリレート(以下「tBMA」と略す) 20.00g (0. 1 4mol)を含む THF溶液 40. OOgを滴下し、 30分反応を継続した。反応混合物から 反応溶液を少量取り出し、 GCにて、モノマーが完全に消費されたことを確認した。 tB MAの滴下終了から 1時間重合を継続し、十分な熟成を行った。
[0144] 次に、ァセタールジメタタリレート 1の 11. 98g (32. OOmmol)を含む THF溶液 23 . 96gを滴下し、反応混合物からの反応溶液を少量取り出し、保存を 1時間毎に行い ながら、ジメタタリレートの滴下終了から 3時間重合を継続して十分な熟成を行った後 、塩酸を含む THF溶液を反応液に添加して反応を停止させた。反応混合物を多量 のメタノール Z水中に投入してポリマーを析出させ、析出したポリマーをろ取し、洗浄 した後、乾燥することにより、白色粉末状のポリマーを得た。得られたポリマーを THF に再溶解後、多量のメタノール Z水中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後 、 10時間減圧乾燥して白色粉末状のスターポリマー 1を得た。
[0145] 得られたスターポリマー 1のゲル ·パーミエーシヨン'クロマトグラフィーによる分析 ( 以下、「GPC分析」と略す)を行ったところ、スターポリマー部分で Mw= 19, 500、 M w/Mn= l. 16、面積 =82%、アームポリマー部分で Mw=4, 800、 Mw/Mn= 1. 06、面積 = 18%であった。
[0146] (実施例 6)
〔メタクリル酸 t ブチルのホモポリマーをアームポリマー、ァセタールジメタタリレート 2 をコアとするスターポリマー(スターポリマー )の合成〕
実施 f列 4【こお!/、て、ァセターノレジメタクリレート 1の 11. 98g (32. OOmmol)【こ代え て、ァセタールジメタタリレート 2の 29.22g (32. OOmmol)を用いる以外は実施例 4と 同様にして、白色粉末状スターポリマー 2を得た。
スターポリマー 2の GPC分析を行ったところ、スターポリマー部分で Mw= 36, 200 、 Mw/Mn= l. 30、面積 =86%、アームポリマー部分で Mw=4, 100、 Mw/M n= l. 08、面積 = 14%であった。
[0147] (実施例 7)
〔メタクリル酸 t—ブチルのホモポリマーをアームポリマー、ァセタールジメタタリレート 4 をコアとするスターポリマー(スターポリマー^)の合成〕
実施例 5と同一の操作により、ァセタールジメタタリレート 3の 7.75g (32. OOmmol) を用いて、白色粉末状スターポリマーを得た。得られたポリマーの GPC分析を行った ところ、スターポリマー部分で Mw= 22500、 Mw/Mn= l. 20、面積 =66%、ァー ムポリマー部分で Mw= 3200、 Mw/Mn= l. 08、面積 = 23%、その他の副生成 ポリマー部分(カップリングピークに相当)で Mw=6400、 Mw/Mn= l. 03、面積 = 11%であった。
[0148] 酸分解性試験及び熱安定性試験(1)
コア部分にァセタール結合を含むスターポリマーの酸分解性及び熱安定性を以下 の手順に従って試験した。即ち、スターポリマー 1の 5.0重量%THF溶液について、 ポリマーに対して(士) カンファースルホン酸 2部量(以下「CS」と略す)を含むサン プル、及び CSを含まないサンプルをそれぞれ調製し、 130°C、 5分間加熱後のサン プルの GPCチャートを分析することにより行った。
[0149] スターポリマー 1は CSの存在により、加熱前の段階でアームポリマーに分解されて おり、酸により一部生じた高分子量ポリマーも含めて加熱 5分後には良好にアームポ リマーへ分解されることが確認された。
[0150] これらの酸分解性は同一条件における 2, 5 ジメチル - 2,5-へキサンジオールジ メタタリレート(MDMA)等の 3級アルコール型のコアを使用したスターポリマーと比
ベて非常に優れている。一方、 CSが存在しない場合は加熱 5分後までスターポリマ 一 1は全く影響を受けな 、ことが確認された。
以上の挙動は、例えばレジスト材料に要求される性質の観点から見て、加熱作業 時 (ベーキング等)は安定に存在し、露光時の酸発生によって速やかにコア分解 (分 子量の減成)が起こると 、う優れた特性であると 、える。
酸分解性試験及び熱安定性試験 (2)
上記酸分解性試験及び熱安定性試験(1)と同様の操作に従って、スターポリマー 2につ 、ても、同様の酸分解性及び熱安定性の試験を行った。
スターポリマー 2も、スターポリマー 1と全く同じ傾向の性質を示すことが確認された