明 細 書
自動利得制御増幅装置、受信機器及び無線通信機器
技術分野
[0001] 本発明は、自動利得制御増幅装置、受信機器及び無線通信機器に関し、特に、 無線信号の電力レベルを自動制御する自動利得制御増幅装置、受信機器及び無 線通信機器に関する。
背景技術
[0002] 従来の無線通信機器における受信回路では、受信信号のダイナミックレンジを大き く設定するために、高周波段に可変アツテネータ (可変減衰器)を備えた構成を採る ことが多かった。また、 PHS (Personal Handyphone System)の基地局などは、近年の 高密度配置やユーザの増加に伴い、強い電波を受信している力 力かる受信レベル が過大になった場合に対応できるようにするため、受信レベルのダイナミックレンジを 伸長させる回路が必要になっている。
[0003] ここで、受信系におけるアツテネータ及び AGC (Automatic
Gain Control :自動利得制御)回路に代表される従来の増幅器の利得制御は、 RF信 号及び RF信号をダウンコンバートした中間周波数信号 (IF信号)の受信信号強度( 受信信号レベル)を、主に、対数アンプで構成される受信信号強度検出回路 (以下、 RSSI回路という。 RSSI : Received Signal Strength Indicator (受信信号強度))によ つて、直流信号に変換した後、更に、電流電圧変換を行なって出力される RSSI出力 信号 (電圧信号)を読み取ることによって行なわれて 、る。
[0004] 一方、無線通信システムにおいて、端末や周囲の移動体が移動することにより、フ ージングが発生し、受信信号レベルは、 50— 60 [dB]程度の大きな変動となる。か くのごとき変動によって、復調誤りや AZD変換による量子化誤差の増加等の問題が 生じる。従って、受信信号レベルの変化を補償する自動利得制御増幅装置が必要と なる。また、 CDMA (Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)、 OFDM ( Orthogonal Frequency
Division Multiplex:直交波周波数分割多重)等の同一時刻に広帯域の周波数帯城
を使用して通信を行なう無線通信装置にぉ 、ても、出力を一定に保つ自動利得制御 増幅装置が必要である。
[0005] 従来の自動利得制御増幅装置は、出力信号の信号電力値を用いたフィードバック 利得制御方式が最も多ぐまた、前述したような RSSI (Received Signal Strength Indicator)回路により検出された受信信号強度を用いたフィードフォワード利得制御 方式も知られている。更に、従来の無線通信機器における RF増幅、 IF増幅、ベース バンド増幅等にぉ 、て、フィードバック利得制御方式とフィードフォワード利得制御方 式とを併用して AGCアンプ (利得制御増幅器)の利得を自動制御する自動利得制御 増幅方式として広く用いられている公知技術としては、例えば、特許文献 1に示す特 開平 8 - 293748号公報「自動利得制御装置及び移動端末及び自動利得制御方法 」、及び、特許文献 2に示す特開平 10— 56343号公報「ディジタル AGC方式」に記 載の自動利得制御増幅装置がある。
[0006] 特許文献 1、 2の 、ずれの特許文献にお!、ても、前述のごとぐフィードバック利得 制御方式とフィードフォワード利得制御方式とを併用して、フォードフォワード利得制 御方式による利得制御値を、フィードバック利得制御方式による制御値を用いて微調 整することにより AGCアンプの利得をきめ細かく制御する利得制御信号を生成する ような自動利得制御増幅方式として実現されて 、るが、フィードバック利得制御方式 においては、実際の出力信号の信号電力値と信号電力期待値との差分に対応して 制御テーブルを索引することにより前記制御値を求めている。
[0007] し力しながら、一般的に、 RSSI回路や AGCアンプなどは、使用する部品などによ つて入力電力レベルが異なってしまうため、構成部品を変更する都度、前記制御テ 一ブルを更新することが必要であり、また、仕様の変更に応じていずれかの入力電力 レベルを変更するような場合でも、前記制御テーブルの更新が必要であり、更には、 AGCアンプが制御する真数の制御電圧値に対してデシベル (dB)単位で利得が変 化してしまうため、細かな精度を付与しょうとする前記制御値として、 dB値で規定され る AGCアンプの特性に合わせるように、特に、信号電力期待値近傍の信号電力値 において、不必要に細かな精度の制御値が含まれてしまうこととなり、自動利得制御 増幅装置の高精度かつ安定した受信処理を簡単には実現することができず、低コス
ト化を図ることができな 、という問題点を有して 、た。
[0008] そこで、信号電力期待値近傍の信号電力値領域内でのフィードバック利得制御に よる誤差の増加を避け、前述のごとき制御テーブルなしに、 AGCアンプの残留誤差 を或る一定の小さな dB値の範囲内に収めることを可能とする技術として、特許文献 3 に示す特開 2003-133873号公報「自動利得制御装置及び無線通信機器」の技術 が提案されている。
[0009] 該特許文献 3に記載された技術では、図 13及び図 14に示すように、自動利得制御 増幅装置 300の制御部 96が、分配器 91にて分岐された受信信号の受信信号強度 を RSSI回路 94により検出した結果に基づいて、フィードフォワード利得制御回路 (F F) 95にて生成された補正値 Cを、フィードバック利得制御回路 (FB) 97による補正
F
値 Cによって補正して、 AGCアンプ (利得制御増幅器) 92の利得を制御する利得制
B
御値 Gを有する利得制御信号を出力することにより、 AGCアンプ (利得制御増幅器) 92からの増幅出力信号あるいは復調器 93からの出力信号を、信号電力期待値 Qに 対する或る一定範囲のデシベル (dB)に対応する信号電力値に収まるように制御し ている。
[0010] つまり、フィードバック利得制御回路 (FB) 97は、 AGCアンプ (利得制御増幅器) 9 2からの増幅出力信号あるいは復調器 93からの出力信号の信号電力値を、 dB比に 対応させた信号電力期待値 Qと比較することにより、信号電力期待値 Qを基準として
(1-1) X STEP [dB]一 I X STEP [dB]
(I:整数、 STEP: dB単位の段階的な信号電力レベルを示す予め定められた 正の数)
t 、う或る一定範囲の dB (デシベル)値に対応する信号電力値の範囲内にお!、ては 、略一定の値となる微調整用の補正値 Cを制御部 96に対して出力し、制御部 96に
B
おいて、フィードバック利得制御回路 (FB) 97から出力されてきた補正値 Cを該補正
F
値 Cにより微調整した利得制御値 Gを有する利得制御信号を生成して、 AGCアンプ
B
(利得制御増幅器) 92に対して出力するものである。
[0011] 而して、 AGCアンプ (利得制御増幅器) 92が、(I 1) X STEP [dB] -I X STEP [d
B]の或る一定範囲の dB (デシベル)値に対応する信号電力値の範囲内にお!、ては 、略一定の利得となるような利得制御を行なうことにより、前述の制御テーブルを用い ることなく、前述した問題点の解決を図っている。
[0012] 即ち、図 13に示す前記特許文献 3に記載の自動利得制御装置 300の原理を更に 説明すると、次のようになる。ここに、図 13は、前記特許文献 3に記載の従来技術の 自動利得制御装置のブロック構成を示す構成図であり、図 14は、図 13に示す自動 利得制御装置 300の原理を説明するための原理説明図である。
[0013] AGCアンプ 92は、真数の制御電圧に対して dB単位で利得が変化するために、実 際に利得制御を行なうために必要な利得制御信号の精度 Xは、 AGCアンプ 92の後 段の復調器 93から出力される信号電力値 Pの信号電力期待値 Qに対する dB単位の 利得制御範囲の中間値であり、例えば図 14に示すように利得制御範囲が 3 [dB]単 位である場合は、該利得制御範囲 3 [dB]の中間値即ち 1. 5 [dB]力 B単位の精度 Xの値となる。ここで、かかる従来例において、信号電力値 Pに対する信号電力期待 値 Qと、実際に細かな微調整用の利得制御に必要な精度 Xとの 2つのみをパラメータ で与え、信号電力期待値 Qに対して、 I X STEP [dB]の各電力レベルに対応する信 号電力値 Pの範囲でどれだけ違うかを調べることにより、補正値 C
Bを生成することが 可能である。
[0014] 例えば、図 14に示すように、 O X STEP、 1 X STEP, 2 X STEPにそれぞれ対応す る信号電力値 Pを、 Q (0 [dB] )、 2Q (3 [dB] )、 4Q (6 [dB] )になるように利得制御を 行なうこととすると、
Q≤P< 2Qであれば、 x=— 1. 5 [dB]を、
また、
2Q≤P<4Qであれば、— 3x=— 4. 5 [dB]を、
それぞれ、フィードフォワード利得制御回路 (FF) 95にて生成された補正値 Cを補
F
正する制御電力値即ち補正値 Cとして用いて、利得制御信号 Gを生成して、 AGC
B
アンプ 92の利得制御を行なうこととなる。
[0015] 従って、フィードバック利得制御回路 (FB) 97で算出される補正値 Cは、信号電力
B
値 Pと信号電力期待値 Qとの差分を dB (デシベル)単位で得ることが可能であり、自
動利得制御増幅装置の AGCアンプや RSSI回路のアナログ部品や要求仕様が変わ つても、前述した制御テーブルなどをきめ細かく変更することは不要であり、信号電 力期待値 Qと制御電力値 Xとの 2つだけを与え直せば、 AGCアンプ 92の残留誤差を 精度 Xによる一定の dB範囲内で実現することが可能であり、種々の受信装置や無線 通信機器に適用することが可能とされている。
特許文献 1:特開平 8— 293748号公報
特許文献 2:特開平 10— 56343号公報
特許文献 3 :特開 2003— 133873号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0016] し力しながら、前記特許文献 3の例にぉ 、ては、 AGCアンプ 92の利得を微調整す ることを可能にするために、利得制御精度を上げようとして、 dB単位の信号電カレべ ルの制御範囲の幅(STEP)を狭めるようにした場合には、以下のような問題点が生じ ることがある。
[0017] AGCアンプの利得制御のための演算過程においては、一般に、 2進数のビットシ フトを使用しているので、真数表現の場合では、 2N倍(2の N乗、 Nは整数)、デシべ ル (dB)単位の場合では、 3 [dB]の N倍の値を信号電力値の制御範囲の幅に設定 することが、演算の簡易性と正確性の点で望ましい。
[0018] ここで、前記特許文献 3の AGCアンプ 92の例にぉ 、ては、信号電力値 Pの制御範 囲の幅(STEP)を 3 [dB]以下に設定することも原理的には可能ではある力 AGCァ ンプ 92の利得制御用演算回路として単純なビットシフトの演算を主要な演算過程と するような構成を用いるだけでは、利得制御の微調整を実現することが困難である。 従って、利得制御手段を実現するための演算過程が複雑になり、引いては、 AGCァ ンプ 92の高速な利得制御、あるいは、利得制御回路の簡単ィ匕という点で、問題が残 つている。
[0019] 本発明は、力かる事情に鑑みてなされたものであり、フィードバック利得制御用とし て、高い精度 (分解能)で、かつ、簡易な回路により利得を制御することが可能な回 路構成を実現することにより、フィードバック利得制御系単独の自動利得制御増幅手
段を備えた、あるいは、フィードフォワード利得制御系とフィードバック利得制御系とを 併用した自動利得制御増幅手段を備えた自動利得制御増幅装置、受信機器及び 無線通信機器を提供することを目的として ヽる。
課題を解決するための手段
[0020] 第 1の技術手段は、入力信号を増幅して出力信号を出力する利得制御増幅器に 対する利得制御信号を生成するための第 1及び第 2の利得制御手段を備え、前記第 1及び第 2の利得制御手段それぞれの利得制御可能な範囲を示す第 1の利得制御 範囲及び第 2の利得制御範囲がそれぞれ D1及び D2であり、前記第 1及び第 2の利 得制御手段それぞれの利得制御単位を示す第 1の利得制御分解能及び第 2の利得 制御分解能がそれぞれ C1及び C2であるとした場合、前記第 1の利得制御範囲 D1 力 前記第 2の利得制御範囲 D2を包含する関係(D1コ D2)にあり、かつ、前記第 1 の利得制御分解能 C1が、前記第 2の利得制御分解能 C2よりも粗い精度の分解能と なる関係 (CI >C2)にある自動利得制御増幅装置とすることを特徴とする。
[0021] 第 2の技術手段は、前記第 1の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置におい て、前記第 1の利得制御手段が、前記利得制御増幅器からの増幅出力信号あるい は後段に位置する回路力もの出力信号の信号電力値 Pが、信号電力期待値 Qに対 して、前記第 1の利得制御分解能 C1の N倍 (N:整数)を用いて、
{Q + C1 X (N + 0. 5) } >P≥{Q + C1 X (N-0. 5) }
なる関係が成立する場合に、前記利得制御増幅器の利得を (CI X N)に示す第 1の 利得制御量 A1だけ減衰又は増幅させる利得制御を施し、一方、前記第 2の利得制 御手段が、前記第 1の利得制御手段により算出された利得制御を行なうための演算 結果である(Q + C1 X N)を利用して、更に、前記第 2の利得制御分解能 C2の M倍( M:整数)を用いて、信号出力値 Pが、
{ (Q + C1 X N) +C2 X (M + 0. 5) } >P
≥{ (Q + C1 X N) +C2 X (M-O. 5) }
なる関係が成立する場合に、前記利得制御増幅器の利得を (C2 X M)に示す第 2の 利得制御量 A2だけ減衰又は増幅させる利得制御を施すことを特徴とする。
[0022] 第 3の技術手段は、前記第 2の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置におい
て、前記第 1の利得制御分解能 CIが、 3 [dB] (デシベル)であり、前記第 1の利得制 御手段における前記第 1の利得制御量 A1が、
N X Cl = 3N[dB]
であり、かつ、前記第 1の利得制御範囲 D1に一致又は包含されている関係(D1 2A 1)にあることを特徴とする。
[0023] 第 4の技術手段は、前記第 2又は第 3の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置 にお 、て、前記第 2の利得制御分解能 C2が、
3 [dB] >C2>0[dB]
なる範囲にあり、前記第 2の利得制御手段における前記第 2の利得制御量 A2が、
A2 = M X C2[dB]
であり、かつ、該第 2の利得制御量 A2の絶対値が、
Cl≥ I A2 I
なる関係にあることを特徴とする。
[0024] 第 5の技術手段は、前記第 2乃至第 4の技術手段の 、ずれかに記載の自動利得制 御増幅装置にぉ 、て、前記第 2の利得制御手段が前記利得制御増幅器に対して施 す前記第 2の利得制御量 A2が、当該第 2の利得制御手段の前記利得制御範囲 D2 に包含されている関係(D2コ A2)にあることを特徴とする。
[0025] 第 6の技術手段は、前記第 5の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置におい て、前記第 2の利得制御手段が前記利得制御増幅器に対して施すことができる前記 第 2の利得制御量 A2の最大値が、当該第 2の利得制御手段の前記利得制御範囲 D 2に一致することを特徴とする。
[0026] 第 7の技術手段は、前記第 1乃至第 6の技術手段のいずれかに記載の自動利得制 御増幅装置において、前記第 1の利得制御手段が、信号電力期待値 Qに対する dB (デシベル)比に対応させて予め定めた前記第 1の利得制御分解能 C 1の単位に相 当するシフト量 nビット (nは整数)分ずつ、当該信号電力期待値 Qを左右両方向に複 数回ビットシフトすることにより、複数の信号電力比較値 Q1を生成し、前記利得制御 増幅器力もの増幅出力信号あるいは後段に位置する回路力もの出力信号の電圧値 を積分して得られた信号電力値 Pと、生成された複数の信号電力比較値 Q1とを比較
した結果、最も近接する信号電力比較値 Ql =Q X 2Nの 2Nを第 1の利得制御量 A1と して求めることにより、前記利得制御増幅器の利得を、 3 [dB]を単位とする dB比に基 づ 、て制御することを可能とすることを特徴とする。
[0027] 第 8の技術手段は、前記第 7の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置におい て、更に、前記第 1の利得制御手段が算出した前記第 1の利得制御量 A1が示す 2N に相当する Nビット分、前記信号出力値 Pを逆方向にビットシフトすることにより得られ る変換信号電力値! ^ を、前記第 1の利得制御分解能 C1以下の電力領域において 、前記信号電力期待値 Qに対する dB比として前記第 1の利得制御分解能 よりも 小さい値の前記第 2の利得制御分解能 C2により刻まれた複数の信号電力比較値 Q 2と比較した結果、最も近接する信号電力比較値 Q2 = C2 X M (M:整数)を第 2の 利得制御量 A2として求めることにより、前記利得制御増幅器の利得を、 3 [dB]よりも 細かな精度の dB比に基づ 、て制御することを可能とすることを特徴とする。
[0028] 第 9の技術手段は、前記第 8の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置におい て、前記利得制御増幅器に対する利得を減衰又は増幅する利得制御値 GCとして、 前記第 1の利得制御量 A1と、前記第 2の利得制御量 A2と、更に予め定めた一定の 値力もなる第 1の制御値 B とを用いて、
REF
利得制御値 GC = (第 1の制御値 B )
REF
+ { (第 1の利得制御量 A1) + (第 2の利得制御量 A2) } XRS
(但し、 RS :前記利得制御増幅器の利得制御範囲内の利得制御単位ステップ数) であることを特徴とする。
[0029] 第 10の技術手段は、前記第 1乃至第 9の技術手段のいずれかに記載の自動利得 制御増幅装置において、前記第 1の利得制御手段が、フィードバック利得制御方式 であることを特徴とする。
[0030] 第 11の技術手段は、前記第 1乃至第 9の技術手段のいずれかに記載の自動利得 制御増幅装置において、前記第 1の利得制御手段が、フィードフォワード利得制御 方式であることを特徴とする。
[0031] 第 12の技術手段は、前記第 1乃至第 11の技術手段のいずれかに記載の自動利 得制御増幅装置において、前記第 2の利得制御手段が、フィードバック利得制御方
式であることを特徴とする。
[0032] 第 13の技術手段は、受信信号を増幅して出力信号を出力する利得制御増幅器と 、前記利得制御増幅器力 の増幅出力信号あるいは後段に位置する回路力 の出 力信号の信号電力値 Pを検出して前記利得制御増幅器の利得を制御するための第 2の制御値 C を出力するフィードバック利得制御回路と、前記フィードバック利得制
FB
御回路から出力される前記第 2の制御値 C に基づいて、前記利得制御増幅器の利
FB
得を制御するための利得制御値を生成して、該利得制御値を有する利得制御信号 を前記利得制御増幅器に対して出力する制御手段とを、備えることを特徴とする。
[0033] 第 14の技術手段は、前記第 13の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置にお いて、前記フィードバック利得制御回路は、信号電力値期待値 Qを基準として、
(1-1) X STEP [dB]一 I X STEP [dB]
(但し、 Iは整数、 STEPは dB単位の段階的な信号電力レベルを示す予め定められ た正の数)
に対応する前記信号電力値 Pの範囲内においては、略一定の値となる前記第 2の制 御値 C を出力することを特徴とする。
FB
[0034] 第 15の技術手段は、前記第 13又は第 14の技術手段に記載の自動利得制御増幅 装置にお 、て、前記利得制御増幅器に対する利得を減衰又は増幅する利得制御値 GCとして、前記第 2の制御値 C と、予め定めた一定の値力 なる第 1の制御値 B
FB REF
とを用いて、
利得制御値 GC = (第 1の制御値 B ) + (第 2の制御値 C )
REF FB
であることを特徴とする。
[0035] 第 16の技術手段は、前記第 15の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置にお いて、更に、前記受信信号の電力レベルを検出して、 RSSI (Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)信号を出力する受信信号強度検出回路と、前記 RSSI信号に従って前記利得制御増幅器の利得を制御するためのフィードフォワード 利得制御回路とを備え、前記フィードフォワード利得制御回路が、前記 RSSI信号の 値を、前記利得制御増幅器の入出力電力特性に適応するように一次変換した第 3の 制御値 C を生成し、前記制御手段が、予め設定された前記第 1の制御値 B の代
わりに、前記フィードフォワード利得制御回路により生成された前記第 3の制御値 C
FF
を用いて、該第 3の制御値 C を前記フィードバック利得制御回路から出力される前
FF
記第 2の制御値 C によって補正して、前記利得制御増幅器の利得を制御するため
FB
の利得制御値を生成して、該利得制御値を有する利得制御信号を前記利得制御増 幅器に対して出力することを特徴とする。
[0036] 第 17の技術手段は、前記第 16の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置にお いて、前記フィードフォワード利得制御回路により生成された前記第 3の制御値 C を
FF
用いて前記利得制御増幅器の利得を制御した後に、前記フィードバック利得制御回 路が、前記利得制御増幅器の利得の制御動作を開始することを特徴とする。
[0037] 第 18の技術手段は、前記第 16又は第 17の技術手段に記載の自動利得制御増幅 装置において、前記フィードバック利得制御回路が、信号電力期待値 Qに対する dB (デシベル)比に対応させて予め定めた第 1の利得制御分解能 C 1の単位に相当する シフト量 nビット (nは整数)分ずつ、当該信号電力期待値 Qを左右両方向に複数回ビ ットシフトすることにより、複数の信号電力比較値 Q1を生成し、前記利得制御増幅器 力 の増幅出力信号あるいは後段に位置する回路からの出力信号の電圧値を積分 して得られた信号電力値 Pと、生成された複数の信号電力比較値 Q1とを比較した結 果、最も近接する信号電力比較値 Ql =Q X 2Nの 2Nを第 1の利得制御量 A1として求 めることにより、前記利得制御増幅器の利得を、 3 [dB]を単位とする dB比に基づい て制御することを可能とすることを特徴とする。
[0038] 第 19の技術手段は、前記第 18の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置にお いて、更に、前記フィードバック利得制御回路が算出した前記第 1の利得制御量 A1 が示す 2Nに相当する Nビット分、前記信号出力値 Pを逆方向にビットシフトすることに より得られる変換信号電力値! ^ を、前記フィードバック利得制御回路の第 1の利得 制御分解能 C1以下の電力領域において、前記信号電力期待値 Qに対する dB比と して前記第 1の利得制御分解能 C1よりも小さい値の第 2の利得制御分解能 C2により 刻まれた複数の信号電力比較値 Q2と比較した結果、最も近接する信号電力比較値 Q2 = C2 X M (M:整数)を第 2の利得制御量 A2として求めることにより、前記利得制 御増幅器の利得を、 3 [dB]よりも細かな精度の dB比に基づいて制御することを可能
とすることを特徴とする。
[0039] 第 20の技術手段は、前記第 19の技術手段に記載の自動利得制御増幅装置にお Vヽて、前記利得制御増幅器に対する利得を減衰又は増幅する利得制御値 GCとして 、前記第 1の利得制御量 A1と、前記第 2の利得制御量 A2と、更に前記フィードフォ ワード利得制御回路により生成された前記第 3の制御値 C とを用いて、
FF
利得制御値 GC = (第 3の制御値 C )
FF
+ { (第 1の利得制御量 A1) + (第 2の利得制御量 A2) } XRS
(但し、 RS :前記利得制御増幅器の利得制御範囲内の利得制御単位ステップ数) であることを特徴とする。
[0040] 第 21の技術手段は、前記第 13乃至第 20の技術手段のいずれかに記載の自動利 得制御増幅装置において、前記フィードバック制御回路が、第 1及び第 2の利得制御 手段の 2つの利得制御手段を備え、前記第 1及び第 2の利得制御手段それぞれの利 得制御単位を示す第 1の利得制御分解能及び第 2の利得制御分解能がそれぞれ C 1及び C2とした場合、前記第 1の利得制御分解能 C1が、 3 [dB] (デシベル)であり、 前記第 1の利得制御手段における第 1の利得制御量 A 1が、
N X Cl = 3N[dB]
であり、一方、前記第 2の利得制御分解能 C2が、
3 [dB] >C2>0[dB]
なる範囲にあり、前記第 2の利得制御手段における前記第 2の利得制御量 A2が、
A2 = M X C2[dB]
であり、かつ、該第 2の利得制御量 A2の絶対値が、
Cl≥ I A2 I >0
なる関係にあることを特徴とする。
[0041] 第 22の技術手段は、受信信号を復調するために適正な電力レベルに増幅又は減 衰する自動利得制御増幅装置を備える受信機器であって、該自動利得制御増幅装 置が、前記第 1乃至第 21の技術手段のいずれかに記載の自動利得制御増幅器を 用いて!/ヽる受信機器とすることを特徴とする。
[0042] 第 23の技術手段は、送信信号を送信する送信部と、受信信号を復調するために適
正な電力レベルに増幅又は減衰する自動利得制御増幅装置を有する受信部とを備 える無線通信機器であって、該自動利得制御増幅装置が、前記第 1乃至第 21の技 術手段の 、ずれかに記載の自動利得制御増幅器を用いて 、る無線通信機器とする ことを特徴とする。
発明の効果
[0043] 以上のごとき各技術手段力も構成されて 、る本発明によれば、以下のごとき効果を 得ることができる。
つまり、本発明においては、信号電力値 Pが信号電力期待値 Qと、 (1-1) X STEP [dB]— I X STEP [dB]に対応する信号電力値の範囲でどれだけ違うかを異なる精 度で 2段階に亘つて調べることとしている。即ち、各段階を示す STEP [dB]として、信 号電力期待値 Qに対して、第 1段階では、例えば、粗い精度の第 1の利得制御分解 能 Cl = 3dB、第 2段階では、例えば、細かな精度の第 2の利得制御分解能 C2 = 0. 5dBと範囲を変えて比較を行なう。
[0044] ここで、第 2段階の比較の際は、信号電力値 Pを、信号電力期待値 Qに対して (0— 3) [dB]の電力範囲に変換した変換信号電力値^ として、信号電力期待値 Qとの 比較を行なう。例えば、第 1段階として、信号電力値 Pが、 2Q≤P<4Qであれば、第 1の利得制御量 (第 1の補正値) A1を- 3dBとして保持し、信号電力値 Pを (1Z2)倍 して変換信号電力値! ^ に変換する。次に、第 2段階として、変換信号電力値^ が 、 0.5Q≤P' < l.OQであれば、第 2の利得制御量(第 2の補正値) A2を 0.5dBと して保持する。保持された第 1の利得制御量 A1と第 2の利得制御量 A2とを加算した 値 - 3.5dBを利得制御増幅器 (AGCアンプ)に対する利得を減衰又は増幅する利得 制御値 GCを生成するための第 2の制御量 C として算出することにより、利得制御増
FB
幅器を高精度に制御することが可能である。
[0045] 即ち、本発明は、第 1段階において、粗い精度で第 1の利得制御量を算出し、次の 第 2段階で高い精度の利得制御量を算出することにより、高い精度 (分解能)で、か つ、簡易に利得を制御することが可能になる。
更には、利得制御増幅器 (AGCアンプ)の増幅出力信号又は後段に位置する回 路からの出力信号に関する信号電力値 Pの利得制御範囲の幅を 3 [dB]以下とする
高い精度のフィードバック系の利得制御を、複雑な演算を施すことなぐ簡易に行なう ことが可能である。また、信号電力値 Pと所望する信号電力期待値 Qの差分を容易に dB値で得ることができ、制御テーブルなしに、 AGC残留誤差を一定の細かな精度の dB範囲内に抑えることができる。
[0046] 更に、フィードフォワード利得制御回路 (FF)による第 3の制御値 C を適用すること
FF
によって高速レイリーフェージングに対しても迅速に追従して利得を制御し、かつ、フ イードバック利得制御回路 (FB)による第 2の制御値 C を適用することによって高い
FB
精度で補正することにより、高精度の利得制御が可能となり、安定な受信品質が得ら れる。
[0047] 更に、力べのごとぐ高精度かつ簡易な自動利得制御増幅装置を、受信信号の受 信復調を行なう受信機器や、送信信号を送信すると共に受信信号の受信復調を行 なう無線通信機器に適用することにより、高精度の受信品質を確保し、かつ、低コスト の受信機器や無線通信機器を実現することができる。
図面の簡単な説明
[0048] [図 1]本発明に係る自動利得制御増幅装置のブロック構成の一例を示すブロック構 成図である。
[図 2]本発明に係る自動利得制御増幅装置のフィードバック利得制御回路 (FB)の詳 細なブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
[図 3]本発明に係る自動利得制御増幅装置の制御部の詳細なブロック構成の一例を 示すブロック構成図である。
[図 4]本発明に係る自動利得制御増幅装置の信号電力期待値シフト回路のビットシ フト動作例を説明するための模式図である。
[図 5]本発明に係る自動利得制御増幅装置の積分値シフト回路のビットシフト動作例 を説明するための模式図である。
[図 6]本発明に係る自動利得制御増幅装置の利得制御動作の一例を示す動作フロ 一チャートである。
[図 7]図 6の動作フローチャートにおけるステップ S30及び S40に示す第 1の利得制 御手段の動作の詳細を示す動作フローチャートである。
[図 8]図 6の動作フローチャートにおけるステップ S50及び S60に示す第 2の利得制 御手段の動作の詳細を示す動作フローチャートである。
[図 9]第 1の利得制御手段を示す図 7の利得制御動作フローチャートの動作原理を説 明する模式図である。
[図 10]第 2の利得制御手段を示す図 8の利得制御動作フローチャートの動作原理を 説明する模式図である。
[図 11]本発明に係る自動利得制御増幅装置のブロック構成の図 1の構成例とは異な る他の例を示すブロック構成図である。
[図 12]本発明に係る自動利得制御増幅装置の制御部の詳細なブロック構成の図 3の 構成例とは異なる他の例を示すブロック構成図である。
[図 13]従来技術の自動利得制御装置のブロック構成を示す構成図である。
[図 14]図 13に示す自動利得制御装置の原理を説明するための原理説明図である。 発明を実施するための最良の形態
[0049] 本発明は、 AGCアンプ (Automatic Gain Control:利得制御増幅器)の利得制御 を自動的に行なう自動利得制御増幅装置として、精度が粗い第 1の利得制御手段と 、精度が細かな第 2の利得制御手段との 2つのデジタル利得制御手段を備え、前記 第 1及び第 2の利得制御手段それぞれの利得制御可能な範囲を示す第 1の利得制 御範囲及び第 2の利得制御範囲がそれぞれ D1及び D2であり、前記第 1及び第 2の 利得制御手段それぞれの利得制御単位を示す第 1の利得制御分解能及び第 2の利 得制御分解能がそれぞれ C1及び C2であるとした場合に、前記第 1の利得制御範囲 D1が、前記第 2の利得制御範囲 D2を包含する関係(D1コ D2)にあり、かつ、前記 第 1の利得制御分解能 C1が、前記第 2の利得制御分解能 C2よりも粗い精度の分解 能となる関係(CI >C2)にあるとするものである。
[0050] 更に、本発明は、前記第 1の利得制御手段が、 AGCアンプからの増幅出力信号あ るいは後段に位置する回路力 の出力信号の信号電力値 Pが、信号電力期待値 Q に対して、前記第 1の利得制御分解能 C1の N倍 (N :整数)を用いて、
{Q + C1 X (N + 0. 5) } >P≥{Q + C1 X (N-0. 5) }
なる関係が成立する場合に、 AGCアンプの利得を (CI X N)に示す第 1の利得制御
量 Alだけ減衰又は増幅させる粗い精度の利得制御を施し、一方、前記第 2の利得 制御手段が、前記第 1の利得制御手段により算出された利得制御を行なうための演 算結果である(Q + C1XN)を利用して、更に、前記第 2の利得制御分解能 C2の M 倍 (M:整数)を用いて、信号出力値 Pが、
{(Q + C1XN)+C2X (M + 0.5)}>P
≥{(Q + C1XN)+C2X (M-0.5)}
なる関係が成立する場合に、 AGCアンプの利得を (C2XM)に示す第 2の利得制御 量 A2だけ減衰又は増幅させる細かな精度の利得制御を施すようにしている。
[0051] 特に、前記第 1の利得制御分解能 C1が、 3[dB] (デシベル)であり、前記第 1の利 得制御手段における前記第 1の利得制御量 A1が、
NXCl = 3N[dB]
であり、かつ、前記第 1の利得制御範囲 D1に一致又は包含される関係(D12A1) にあるとすることにより、ビットシフト演算回路を用 、て簡易に粗 、精度の利得制御を 行なうことを可能とする。
[0052] 一方、前記第 2の利得制御分解能 C2が、
3[dB]>C2>0[dB]
なる関係にあり、前記第 2の利得制御手段における前記第 2の利得制御量 A2が、
A2 = MXC2[dB]
であり、かつ、前記第 2の利得制御範囲 D2に一致又は包含される関係(D22A2) にあり、更に、前記第 2の利得制御量 A2の絶対値が、
Cl≥ I A2 I >0
なる関係にあるように構成することにより、 3 [dB]よりも更に細かな精度の利得制御を 、信号電力期待値 Qに対する dB値に基づ 、て行なうことを可能として 、る。
[0053] 更に、本発明は、粗い精度の利得制御を司る前記第 1の利得制御手段を、フィード ノ ック利得制御方式又はフィードフォワード利得制御方式のいずれでも可能な構成 とし、一方、細かな精度の利得制御を司る前記第 2の利得制御手段を、フィードバッ ク利得制御方式により構成するように配置することも可能である。更には、細かな精 度の利得制御を行なう前記第 2の利得制御手段 (場合によっては、前記第 1の利得
制御手段も含めて)をフィードバック利得制御手段として構成することとし、フィードフ ォワード利得制御手段として、受信信号の電力レベルを検出して、 RSSI (Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)信号を出力する受信信号強度検出回路 と、前記 RSSI信号の値を、 AGCアンプの入出力電力特性に適応するように一次変 換した制御値を算出するフィードフォワード利得制御回路とを備えるようにすることも 可能である。
[0054] 以下に、本発明に係る自動利得制御増幅装置の実施の形態の一例について図面 を参照しながら説明する。本実施の形態に示す実施例においては、前記第 1の利得 制御手段及び前記第 2の利得制御手段を、自動利得制御増幅装置のフィードバック 利得制御手段として適用している場合について示している。なお、本発明に係る受 信機器及び無線通信機器は、無線 Z有線を問わず受信される受信信号を復調する ための受信機器、及び、携帯電話や PHSや無線 LANなどの無線通信機器を含む ものであり、例えば本実施の形態に示すような自動利得制御増幅装置を備えることに より、安定した受信品質を確保可能としている。
[0055] まず、本発明に係る自動利得制御増幅装置の第 1の実施の形態として、利得制御 増幅器のフィードバック利得制御に、精度が粗い第 1の利得制御手段 (第 1の利得制 御範囲 Dl、第 1の利得制御分解能 C1)と、精度が細かな第 2の利得制御手段 (第 2 の利得制御範囲 D2、第 2の利得制御分解能 C2)との 2つのデジタル利得制御手段 を用いた場合について説明する。
[0056] (第 1の実施の形態)
図 1は、本発明に係る自動利得制御増幅装置のブロック構成の一例を示すブロック 構成図である。
図 1において、自動利得制御増幅装置 100は、受信信号を増幅又は減衰する AG Cアンプ 10 (利得制御増幅器)と、 AGCアンプ 10の増幅出力信号、又は、後段の復 調器 40等の出力信号 D (図 1の場合は、復調器 40の出力信号)を検出して、 AGC
IN
アンプ 10の利得を制御するための第 2の制御値 C を出力するフィードバック利得制
FB
御回路 (FB) 30と、予め設定された或る特定の値力もなる第 1の制御値 B を、フィ
REF
ードバック利得制御回路 (FB) 30からの第 2の制御値 C によって補正して、 AGCァ
ンプ 10の利得を制御する AGC利得制御するための利得制御値 GCを有する利得制 御信号を AGCアンプ 10に対して出力する制御部 20 (制御手段)とを備えて構成され る。
[0057] 以下、前述のように構成された自動利得制御装置 100の動作を説明する。
増幅対象となる受信信号は、 AGCアンプ 10に入力され、 AGCアンプ 10により増 幅された増幅出力信号が復調器 40に入力される。フィードバック利得制御回路 (FB ) 30には、 AGCアンプ 10の増幅出力信号又は後段の復調器 40等の出力信号 D (
IN
図 1の場合は、復調器 40の出力信号)が入力される。
[0058] 次に、図 2を用いて、フィードバック利得制御回路 (FB) 30の詳細な構成を説明す る。ここに、図 2は、本発明に係る自動利得制御増幅装置 100のフィードバック利得 制御回路 (FB) 30の詳細なブロック構成の一例を示すブロック構成図である。図 2に 示すフィードバック利得制御回路 (FB) 30に入力されてきた復調器 40の出力信号 D
I
は、積分回路 31において、該出力信号 D の振幅 (電圧)の 2乗を予め定めた一定
N IN
期間に亘つて積分することにより、該出力信号 D の信号電力値 Pを算出する。算出
IN
された信号電力値 Pは比較回路(1) 32に入力され、信号電力期待値保持回路 36で 保持されて 、る一つの信号電力期待値 Qを信号電力期待値シフト回路 35にお 、て 、nビット (n:整数)ずつ複数段に亘つて左右両方向にビットシフトをすることによって 得られた複数個 (m個)の(2n) m X Qの信号電力比較値 Q 1 (信号電力期待値 Qその ものも含め)と比較される。
[0059] ここで、信号電力期待値シフト回路 35においては、例えば、 n= 1の場合、図 4に示 すように、信号電力期待値 Qを複数段に亘つて 1ビットずつ左右両方向にビットシフト することにより、簡易に、信号電力期待値 Qの 2k即ち 2の k乗倍 (k:整数、 k=0, ± 1 , ± 2, ± 3, · ··)の信号電力比較値 Q1を、所望する個数 m個分算出している。図 4 は、本発明に係る自動利得制御増幅装置 100の信号電力期待値シフト回路 35のビ ットシフト動作例を説明するための模式図である。即ち、図 4の場合、 n= lの場合に 対応する信号電力期待値 Qの 2倍即ち 3 [dB]が、フィードバック利得制御回路 (FB) 30の第 1の利得制御手段における第 1の利得制御分解能 C1とされている例を示し ている。
[0060] 図 4においては、信号電力期待値保持回路 36で保持されている信号電力期待値 Qが 10ビットからなり、 LSB側から Q[0], Q[l], ···, Q[9]とされている場合であり、 信号電力期待値シフト回路 35において、 1ビット左シフト、 2ビット左シフト、 3ビット左 シフトすることにより、それぞれ、 21XQ = 2Q, 22XQ=4Q, 23XQ = 8Qの信号電 力比較値 Q1が生成され、逆に、 1ビット右シフト、 2ビット右シフト、 3ビット右シフトする ことにより、それぞれ、 2— 1XQ=(lZ2)Q, 2"2XQ=(1/4)Q, 2"3XQ=(l/8) Qの信号電力比較値 Q1が生成されて 、る例を示して 、る。図 4に示す例にぉ 、ては 、 m= 7個即ち 7ステップ(STEP)の粗 、精度の信号電力比較値 Q1が生成されて!ヽ る例を示している。
[0061] 複数の(2n)mXQの信号電力比較値 Q1と比べて、入力されてきた信号電力値 Pが どの範囲にあるか、最も近接する信号電力比較値 Q1 = 2NXQ、即ち、 {2(N+1)XQ >P≥2NXQ}の関係が成立する整数 Nが、比較回路(1)32において判定される。 言い換えると、比較回路(1)32によって、信号電力値 Pは、信号電力比較値 Q1との 比較を行なうことにより信号電力期待値 Qとの粗 、精度 (利得制御分解能 C1 = 3 [dB ]単位)の電力比較がなされ、比較回路(1)32の判定結果として、整数 Nを検出する ことにより、最大 2倍 (3 [dB])の粗い精度で、信号電力値 Pと信号電力期待値 Qとの 差を判定する。
[0062] 比較回路(1)32の力かる判定結果である 2NXQ即ち(NX 3) [dB]は、そのまま出 力しても良いが、例えば、 AGCアンプ 10の利得制御方向(減衰又は増幅方向)を示 すために Nの正負符号を逆にして、(2— NXQ)に変換されて、更に、(-3N[dB])と d B値に換算されて、フィードバック利得制御回路 (FB) 30から出力する第 2の制御値 C を生成するための第 1の利得制御量 (即ち第 1の補正値) A1として第 1補正値記
FB
録回路 37に記録されると共に、信号電力期待値 Qとの更に細かな精度の電力比較 を行なうための準備として、後段の積分値シフト回路 33に出力される。
[0063] 積分値シフト回路 33においては、比較回路(1)32の判定結果として得られた(2— N
XQ)即ち (一 3N[dB])に基づいて、信号電力値 Pを、 Nビット分ビットシフトすること により、減衰又は増幅する。即ち、積分値シフト回路 33においては、信号電力値 Pに 対して、比較回路(1)32の判定結果として得られた Nを用いて、 2— NXPの演算を行
ない、比較回路(1)32の判定結果として得られた Nが正整数の場合、信号電力値 P を Nビット分逆方向に即ち右シフトして減衰方向に処理し、逆に、 Nが負整数の場合 、信号電力値 Pを Nビット分逆方向に即ち左シフトして増幅方向に処理する。
[0064] ここで、積分値シフト回路 33では、図 5に示すように、信号電力値 Pをビットシフトす ることにより、簡易に、信号電力値 Pの 2— N倍即ち (一 3N) [dB] (Nは整数)の値を算出 することができる。図 5は、本発明に係る自動利得制御増幅装置 100の積分値シフト 回路 33のビットシフト動作例を説明するための模式図である。
[0065] 図 5においては、図 4に示した信号電力期待値シフト回路 35の場合と全く同様に、 比較回路(1)32を介して入力されてきた信号電力値 Pが、 10ビットからなり、 LSB側 力も P[0], P[l], ···, P[9]とされている場合であり、積分値シフト回路 33において、 1ビット左シフト、 2ビット左シフト、 3ビット左シフト、 4ビット左シフトすることにより、それ ぞれ、 21XP = 2P, 22XP=4P, 23XP = 8P, 24XP=16Pが生成され、逆に、 1ビ ット右シフト、 2ビット右シフト、 3ビット右シフトすることにより、それぞれ、 2_1XP= (1 /2)P, 2"2XP=(1/4)P, 2— 3XP=(1Z8)Pが生成されている例を示している。
[0066] 図 5に示す例においては、図 4に示した m= 7個即ち 7ステップの粗い精度の信号 電力比較値 Q1に対応して ヽる場合を例示して ヽて、フィードバック利得制御回路 (F B) 30の第 1の利得制御手段における第 1の利得制御範囲 D1として、信号電力比較 値 Q1の一方の端例えば最も低 、レベルの信号電力比較値(1Z8) Q (一 9 [dB] )以 下 3 [dB]までをカバーする範囲とするように、(1Z8) P (一 9 [dB])から 16P (12[dB] )までの範囲が利得制御可能な範囲である例を示している。ここに、比較回路(1)32 において判別された第 1の利得制御量 (即ち第 1の補正値) Al = 3N[dB]は、該第 1 の利得制御範囲 D1に一致又は包含されて 、る関係(D1 ΏΑ1)にある。
[0067] 比較回路(1)32を介して入力されてきた信号電力値 Pが、積分値シフト回路 33に よって、信号電力期待値 Qとの差を最大 2倍 (3 [dB] )の粗 、精度まで補正するように Nビット分逆方向にビットシフトされて、
Pz = 2"NXP
に変換された後、変換信号電力値! ^ と信号電力期待値 Qとの更に細力な精度 (第 2の利得制御分解能 C2)での差を求めるために、変換信号電力値 P' は比較回路(
2) 34に入力される。
[0068] 比較回路 (2) 34に入力された変換信号電力値^ は、信号電力期待値 Qから、 C 2[dB]ピッチ(3[dB]>C2>0[dB])、例えば、 0.5[dB]ピッチの間隔で、比較回 路(1) 32における第 1の利得制御分解能 C1である 2Q即ち 3.0[dB]に至るまでの 間を、 7段階に細力べ刻まれて信号電力期待値保持回路 36で予め保持されて 、る複 数の信号電カ比較値<32 + 0[(18] ), Q + O.5[dB], ···, Q + 3.0[dB](2Q ))と、それぞれ比較される。
[0069] ここに、比較回路 (2) 34及び信号電力期待値保持回路 36は、フィードバック利得 制御回路 (FB) 30の第 2の利得制御手段を形成しているものであり、細かな精度の 利得制御を行なう該第 2の利得制御手段における第 2の利得制御分解能 C2は、前 述した第 1の利得制御手段における第 1の利得制御分解能 C1よりも細力な精度の分 解能となる関係にあり(C2く C1)、更に、前述した例のように、第 1の利得制御分解 能 Cl = 3[dB]の場合は、 3[dB]>C2>0[dB]の範囲にあり、本実施例においては 、C2 = 0.5 [dB]に場合について説明している。
[0070] 比較回路(2) 34に入力されてきた、信号電力期待値 Qに対して最大 2倍 (3[dB]) までの精度に変換された変換信号電力値! ^ 力 信号電力期待値 Qとの関係にお いて第 2の利得制御分解能 C2[dB]単位に複数に細力べ刻まれた各ピッチ 0.0[dB ], 0.5[dB], ···, 3 [dB]のどの範囲にある力、最も近接する信号電力比較値 Q2 = C2XM、即ち、 {0.5[dB]X (Μ+1)}>Ρ' ≥{0.5[dB] ΧΜ}の関係が成立す る整数 Mが、比較回路(2) 34において判定される。信号電力期待値 Qに対する 0.5 dB刻みを示す Q [dB]を用いた表現に変えて示すと、信号電力期待値 Qとの関係
0.5
において {Q [dB]X (M+1)}>P ≥{Q [dB]XM}の関係が成立する整数
0.5 0.5
M力 比較回路(2) 34において判定される。
[0071] 言い換えると、比較回路(1)32によって、信号電力値 Pは、信号電力期待値 Qとの 間で最大 2倍 (3 [dB] )の粗 、精度の電力比較がなされた後、比較回路(2) 34によつ て、信号電力期待値 Qとの間で最大 0.5 [dB]の更に細かな精度の電力比較がなさ れることになる。比較回路(2) 34の判定結果として、整数 Mを出力することにより、最 大 0.5 [dB]の細力な精度で、変換信号電力値^ 即ち信号電力値 Pと信号電力期
待値 Qとの差が求められる。
[0072] 比較回路(2) 34の力かる判定結果である {0. 5 [dB] X M}は、そのまま出力しても 良いが、前述した第 1の利得制御量 (第 1の補正値) A1の場合と同様に、例えば、 A GCアンプ 10の利得制御方向(減衰又は増幅方向)を示すために Mの正負符号を逆 にして、 {0. 5 [dB] X (一 M) }を用いて、フィードバック利得制御回路 (FB) 30から出 力する第 2の制御値 C を生成するための第 2の利得制御量 (即ち第 2の補正値) A2
FB
として dB値に換算されたままの状態で第 2補正値記録回路 38に記録される。
[0073] ここに、フィードバック利得制御回路 (FB) 30の第 2の利得制御手段を形成する比 較回路(2) 34にお 、て判別された第 2の利得制御量 (第 2の補正値) A2は、第 2の 利得制御分解能 C2を用いて表現し直すと、
A2 = M X C2[dB]
の関係にあり、かつ、第 2の利得制御手段における第 2の利得制御範囲 D2に一致又 は包含される関係(D22A2)にあり、更に、該第 2の利得制御量 A2の絶対値 | A2
Iは、前述した第 1の利得制御手段における第 1の利得制御分解能 ciの範囲内に あり、
Cl≥ I A2 I
の関係にある。而して、第 2の利得制御手段においては、 AGCアンプ 10の利得を第 1の利得制御手段の利得制御分解能である C1 = 3 [dB]よりも細かな精度の dB比に 基づ 、て制御することが可能である。
[0074] 第 2の補正値 A2が得られた後に、比較回路(1) 32の判定結果に基づいて、第 1補 正値記録回路 37に粗い精度の第 1の利得制御量として記録されている第 1の補正 値 A1と、比較回路(2) 34の判定結果に基づいて、第 2補正値記録回路 38に細かな 精度の第 2の利得制御量として記録されて 、る第 2の補正値 A2とは、制御値算出回 路 39に入力され、次式により、フィードバック利得制御回路 (FB) 30から出力する第 2の制御値 C を算出する。
FB
C = (A1 +A2) XRS
FB
ここで、 RSは、 AGCアンプ (利得制御増幅器) 10の制御可能範囲における利得制 御単位ステップ数であり、 l [dB]相当の制御用基準ステップ値である。算出された第
2の制御値 C は、後段に位置する制御部 20に入力される。
FB
[0075] 次に、図 3を用いて、制御部 20の詳細な構成を説明する。ここに、図 3は、本発明 に係る自動利得制御増幅装置 100の制御部 20の詳細なブロック構成の一例を示す ブロック構成図である。
フィードバック利得制御回路 (FB) 30から制御部 20に入力された第 2の制御値 C
FB
は、加減算回路 21に入力されて、制御値保持回路 22に保持されている予め設定さ れている或る一定の値力 なる第 1の制御値 B と加減算されて、 AGCアンプ 10に
REF
対する利得制御値 GCが算出される。
利得制御値 GC= (第 1の制御値 B ) + (第 2の制御値 C )
REF FB
[0076] ここに、第 1の制御値 B は、システムの構成に依存する値であり、 ' 0,であっても
REF
良い。加減算回路 21から出力される AGCアンプ 10に対する利得制御値 GCは、出 力タイミング制御回路 23によってタイミングを調整された後、該利得制御値 GCを有 する利得制御信号とされて、 AGCアンプ 10に対して出力される。 AGCアンプ 10で は、 AGCアンプ 10に対する利得を減衰あるいは増幅する利得制御値 GCに従って、 受信信号の減衰あるいは増幅を行ない、復調器 40に対して増幅出力信号として出 力する。
[0077] 力べのごとぐ精度が粗い第 1の利得制御量となる第 1の補正値 A1を生成する第 1 の利得制御手段と、精度が細力な第 2の利得制御量となる第 2の補正値 A2を生成す る第 2の利得制御手段との 2つのデジタル利得制御手段を用いて、複雑な演算を施 すことなぐ簡易に AGCアンプ (利得制御増幅器) 10の利得制御を行なうことが可能 であり、 AGCアンプ 10から出力される増幅出力信号あるいは後段の復調器 40から 出力される出力信号の信号電力値 Pを、所望する信号電力期待値 Qの値との誤差が 少ない状態で迅速に制御することが可能となる。また、変換信号電力値 P' と信号電 力期待値 Qとの 2倍(3 [dB] )未満の差分を容易に dB値で得ることができるので、制 御テーブルなしに、 AGC残留誤差を第 2の利得制御分解能 C2が示すピッチの範囲 内例えば 0. 5dBの範囲内で実現することができる。
[0078] 次に、以上に説明した図 1の本発明に係る自動利得制御増幅装置の利得制御動 作について、図 6乃至図 8に示す動作フローチャートを用いて更に詳細に説明する。
ここに、図 6は、本発明に係る自動利得制御増幅装置の利得制御動作の一例を示す 動作フローチャートである。図 7は、図 6の動作フローチャートにおけるステップ S30 及び S40に示す第 1の利得制御手段の動作の詳細を示す動作フローチャートであり 、図 8は、図 6の動作フローチャートにおけるステップ S50及び S60に示す第 2の利得 制御手段の動作の詳細を示す動作フローチャートである。なお、図 6乃至図 8中に示 す「S X X」は、動作フローチャートの第「X X」ステップ(step)であることを示している
[0079] また、図 9及び図 10は、それぞれ図 7及び図 8に示す本発明に係る自動利得制御 増幅装置 100の利得制御動作を理解し易くするための原理を説明するための模式 図であり、図 9は、第 1の利得制御手段を示す図 7の利得制御動作フローチャートの 動作原理を説明する模式図であり、図 10は、第 2の利得制御手段を示す図 8の利得 制御動作フローチャートの動作原理を説明する模式図である。図 9及び図 10中、「R △△」は、それぞれ信号電力値 P及び変換信号電力値! ^ の電力範囲 (Range)を示 しており、 dB単位の段階的な信号電力レベル (STEP)を示して ヽる。
[0080] 図 9の横軸が、第 1の利得制御手段への入力信号となる信号電力値 P、縦軸が信 号電力値 Pに対応して算出された粗い精度の第 1の利得制御を行なう第 1の補正値 A1をそれぞれ信号電力期待値 Qに対する dB比として示している。また、図 10の横 軸が、第 2の利得制御手段への入力信号となる変換信号電力値^ 、縦軸が変換信 号電力値! ^ に対応して算出された細かな精度の第 2の利得制御を行なう第 2の補 正値 A2をそれぞれ信号電力期待値 Qに対する dB比として示している。
[0081] ここで、例えば、信号電力値 Pが信号電力期待値 Qより 11 [dB]大き 、電力レベル で出力されてきた場合について説明すると、次の通りである。まず、図 9に示すように 、第 1の利得制御手段(図 2に示す比較回路(1) 32、信号電力期待値シフト回路 35 及び第 1補正値記録回路 37)が動作する場合、入力信号となる信号電力値 Pが、信 号電力期待値 Qの 8倍以上即ち 9 [dB]以上の R41に示す電力レベルにあるので、 最も近接する信号電力比較値 Q1として 8Q即ち 9 [dB]が選択されて、粗い精度の第 1の利得制御を行なう第 1の補正値 A1として、(1Z8)倍即ち— 9 [dB]を出力し、更に 、積分値シフト回路 33により、第 2の利得制御手段 (比較回路 (2)、信号電力期待値
保持回路 36及び第 2補正値記録回路 38)に対して、信号電力値 Pが(1Z8)倍化即 ち (-9 [dB])化されて、信号電力期待値 Qに対して 2[dB]大きい変換信号電力値 P ' とされて出力される。
[0082] 前述したように、信号電力値 Pが信号電力期待値 Qより 11 [dB]大き ヽ電力レベル にあれば、図 10に示すように、第 2の利得制御手段が動作する場合、入力信号とな る変換信号電力値! ^ が信号電力期待値 Qの 2. 0[dB]以上で、 2. 5 [dB]よりも小 さい R63に示す電力レベルにあるので、最も近接する信号電力比較値 Q2として 2. 0 [dB]が選択されて、細力な精度の第 2の利得制御を行なう第 2の補正値 A2として、 -2. 0[dB]を出力する。而して、電力制御増幅器 AGCアンプ 10に対する利得制御 値 GCを決定するための第 2の制御値 C としては、両者の合計値である 11. 0 [dB
FB
]カ設定されること〖こなる。
[0083] 即ち、信号電力値 Pが信号電力期待値 Qと比較してどの範囲にあるかによって、ま ず、第 1の利得制御手段における第 1の利得制御分解能 C 1を用 V、た 2のべき乗の電 力単位即ち最大 3 [dB]の粗い精度の第 1の補正値 A1が決定され、更に、引き続い て、第 2の利得制御手段における第 2の利得制御分解能 C2を用いた細かなピッチ例 えば最大 0. 5 [dB]単位の細かな精度の第 2の補正値 A2が決定され、而して、電力 制御増幅器 AGCアンプ 10への利得制御値 GCを決定するための第 2の制御値 C
FB
として両者の合計値が設定される。
[0084] 以下に、図 6乃至図 8の動作フローチャートに従って、本発明に係る利得制御増幅 装置 100の利得制御動作を説明する。
図 6の動作フローチャートにおいて、まず、復調器 40が所定の振幅レベル以上の 受信信号を受信して、復調信号として出力しているカゝ否かを、復調器 40から入力さ れてくる出力信号 D に基づいて判別し (ステップ S 10)、所定の振幅レベル以上の
IN
出力信号 D が出力されていたことが検出されると (ステップ S10の YES)、受信信号
IN
即ち出力信号 D の電力値を算出するために、フィードバック利得制御回路 (FB) 30
IN
の積分回路 31において出力信号 D の振幅を 2乗した後、予め定めた所定期間の
IN
間積分する (ステップ S 20)。
[0085] 具体的には、受信信号は、 AGCアンプ 10により所定のレベルだけ増幅され、復調
器 40に入力される。復調器 40に入力された信号は、復調器 40内部の図示していな い AZD変 によりデジタルィ匕されて、出力信号 D として出力され、積分回路 31
IN
において、従来から公知の受信電力算出方法、例えば、予め定めた一定期間にお ける 2乗値の平均値などの積分を行なうことにより、信号電力値 Pの算出が行なわれ る。
[0086] 算出された信号電力値 Pは、次に、図 6の記号 Aと Bとで挟まれている第 1の利得制 御手段を構成するステップ S30と S40とにより、粗い精度の利得制御用の第 1補正値 A1と変換信号電力値^ とが生成される。即ち、まず、フィードバック利得制御回路( FB) 30の比較回路(1) 32は、入力された信号電力値 Pと信号電力期待値 Q力も生 成された複数の信号電力比較値 Q1との比較を行ない (ステップ S30)、該比較結果 に基づいて、第 1補正値 A1を決定すると共に、決定された該第 1補正値 A1に相当 する分、信号電力値 Pをシフトした補正を行なって、変換信号電力値! ^ を生成する (ステップ S40)。比較回路(1) 32における比較動作は、図 7に示すステップ S31乃 至ステップ S37のごとぐ信号電力値 Pが信号電力期待値 Qとの dB比としてどの範囲 にあるかを判定する。
[0087] 図 7にお 、て、まず、信号電力値 Pと信号電力期待値 Qの 8倍とを比較し (ステップ S 31)、 P≥8Qであれば (ステップ S31の YES)、第 1補正値 A1として— 9 [dB]を第 1補 正値記録回路 37に設定すると共に、積分値シフト回路 33において信号電力値 !^を( 1/8)倍化した変換信号電力値 P' を第 2の利得制御手段を構成する比較回路 (2) 34に対して出力する(ステップ S41)。一方、 P< 8Qであれば (ステップ S31の NO)、 次に、信号電力値 Pと信号電力期待値 Qの 4倍とを比較する (ステップ S32)。 P≥4Q であれば (ステップ S32の YES)、第 1補正値 Alとして- 6 [dB]を第 1補正値記録回 路 37に設定すると共に、積分値シフト回路 33において信号電力値 Pを(1Z4)倍ィ匕 した変換信号電力値 P' を第 2の利得制御手段を構成する比較回路 (2) 34に対して 出力する (ステップ S42)。
[0088] 一方、 P<4Qであれば (ステップ S32の NO)、更に、ステップ S33乃至ステップ S3 7において順次同様の比較を行ない、それぞれの比較結果に基づいて、ステップ S4 3乃至ステップ S47において第 1補正値記録回路 37への設定及び比較回路(2) 34
に対する出力処理を行なう。ここで、最終のステップ S37において、 P< (1Z8) Qと なった場合 (ステップ S37の NO)、第 1の利得制御手段における第 1の利得制御範 囲 D1として最大値となる 12[dB]を第 1補正値 A1として第 1補正値記録回路 37に設 定すると共に、積分値シフト回路 33において信号電力値 Pを 16倍ィ匕した変換信号電 力値! ^ を第 2の利得制御手段を構成する比較回路(2) 34に対して出力する (ステ ップ S48)。
[0089] ここに、ステップ S31乃至 S37のそれぞれの比較範囲は、先に説明した図 9におけ る横軸方向の信号電力値 Pの電力範囲 R41乃至 R48にそれぞれ対応しており、ステ ップ S41乃至 S48のそれぞれで設定される第 1補正値 A1は、先に説明した図 9にお ける縦軸の第 1補正値 A1にそれぞれ対応している。前述した例にように、信号電力 値 Pが信号電力期待値 Qの 11 [dB]にも及ぶような実施例の場合にあっては、図 7に 示す P≥8Qの場合 (ステップ S31の YES)、即ち、図 9に示す信号電力値 Pが R41の 電力範囲にある場合であり、第 1補正値記録回路 37に設定される第 1補正値 A1とし ては 9 [dB]が設定される (ステップ S41)。また、かかる場合、信号電力値 Pを(1Z8 )倍、即ち、 3ビット右シフトした値を変換信号電力値^ として設定し、図 9に示す 3 [ dB]単位の粗 、電力範囲としては、信号電力期待値 Qとの差を補正済みになった状 態を示す電力範囲 R44に変換信号電力値^ を変換する (ステップ S41)。
[0090] 図 6の動作フローチャートに戻って、第 1の利得制御手段としてステップ S40により 信号電力値 Pをシフトした変換信号電力値! ^ が算出されると、次に、図 6の記号 Bと Cとで挟まれている第 2の利得制御手段を構成するステップ S50と S60とにより、細か な精度の利得制御用の第 2補正値 A2が生成される。即ち、まず、フィードバック利得 制御回路 (FB) 30の比較回路 (2) 34は、入力された変換信号電力値 P' と信号電 力期待値 Qから 0. 5 [dB]刻みに細力べ刻まれた複数の信号電力比較値 Q2 (Q, Q + 0. 5 [dB] , · ··, 2Q)との比較を行ない (ステップ S50)、該比較結果に基づいて、 第 2補正値 A2を決定する (ステップ S60)。比較回路(2) 34における比較動作は、図 8に示すステップ S51乃至ステップ S56のごとぐ変換信号電力値 P' が信号電力期 待値 Qとの dB比としてどの範囲にあるかを判定する。
[0091] 図 8において、まず、変換信号電力値! ^ と信号電力期待値 Qの 2倍相当(2Q = Q
)とを比較し (ステップ S51)、 P' ≥2Qであれば (ステップ S 51の YES)、第 2補
3. OdB
正値 A2として 3. 0 [dB]を第 2補正値記録回路 38に設定する (ステップ S61)。一 方、 P' く 2Qであれば (ステップ S51の NO)、次に、変換信号電力値! ^ と信号電 力期待値 Qの 2. 5 [dB]相当(Q )とを比較する(ステップ S52)。P' ≥Q で
2. 5dB 2. 5dB あれば (ステップ S52の YES)、第 2補正値 A2として 2. 5 [dB]を第 2補正値記録回 路 38に設定する (ステップ S62)。
[0092] 一方、 < Q であれば (ステップ S52の NO)、更に、ステップ S53乃至ステツ
2. 5dB
プ S56において順次同様の比較を行ない、それぞれの比較結果に基づいて、ステツ プ S63乃至ステップ S66において第 2補正値記録回路 38への設定を行なう。ここで 、最終のステップ S56において、 P' < Q となった場合 (ステップ S56の NO)、細
0. 5dB
かな利得の制御限界にあるものと見なして第 2補正値 A2として 0 [dB]を第 2補正値 記録回路 38に設定する(ステップ S67)。ここに、ステップ S61乃至 S67に示すように 、本実施例においては、第 2の利得制御手段における第 2の利得制御範囲 D2は、 0 . 0 [dB]— 3. 0 [dB]の範囲にあり、前述した第 1の利得制御手段における第 1の利 得制御範囲 D 1 (一 8 [dB]一 12 [dB] )に包含されて 、る関係(D 1コ D2)にある。
[0093] ここに、ステップ S51乃至 S56のそれぞれの比較範囲は、先に説明した図 10にお ける横軸方向の変換信号電力値! ^ の電力範囲 R61乃至 R67にそれぞれ対応して おり、ステップ S61乃至 S67のそれぞれで設定される第 2補正値 A2は、先に説明し た図 10における縦軸の第 2補正値 A2にそれぞれ対応している。前述した例にように 、信号電力値 Pが信号電力期待値 Qの 11 [dB]にも及ぶような実施例の場合にあつ ては、図 7に示す P≥8Qの場合 (ステップ S31の YES)、即ち、図 9に示す信号電力 値 Pが R41の電力範囲にある場合として、信号電力値 Pを(1Z8)倍、即ち、 3ビット 右シフトした値を変換信号電力値^ として変換されて入力されてくる (ステップ S41 )。力べのごとく 9 [dB]減衰された状態に変換されて変換信号電力値^ が入力され てくると、図 8に示す P' ≥Q の場合 (ステップ S53の YES)、即ち、図 10に示す
2. OdB
変換信号電力値! ^ 力 63の電力範囲にある場合として、第 2補正値記録回路 38 に設定される第 2補正値 A2としては 2. 0 [dB]が設定される (ステップ S63)。
[0094] 図 6の動作フローチャートに戻って、第 2の利得制御手段としてステップ S60により
第 2補正値 A2が第 2補正値記録回路 38に設定されると、次に、フィードバック利得 制御回路 (FB) 30の制御値算出回路 39により、第 1補正値記録回路 37に記録され ていた第 1補正値 A1と、第 2補正値記録回路 38に記録された第 2補正値 A2との加 算処理がなされた後、 l [dB]相当のステップ値 RS (即ち、 RS :AGCアンプ 10の利 得制御範囲内の利得制御単位ステップ数)が乗算されて、電力利得増幅器 AGCァ ンプ 10の利得制御を行なうための第 2の制御値 C を生成し、フィードバック利得制
FB
御回路 (FB) 30から制御部 20へ出力する (ステップ S70)。
[0095] 第 2の制御値 C が入力されてくると、制御部 20は、制御値保持回路 22に記録さ
FB
れている第 1の制御値 B と第 2の制御値 C とを加算して AGCアンプ 10に対する
REF FB
利得制御値 GCを算出し、算出された利得制御値 GCは出力タイミング制御回路 23 によりタイミング調整がなされて、 AGCアンプ 10の利得制御信号として制御部 20の 図示しない DZA変翻によってアナログ信号に変換された後、 AGCアンプ 10に対 して出力され、利得制御が行なわれる (ステップ S80)。
[0096] 以上のようなフィードバック利得制御を繰り返し行なうことにより、 AGCアンプ 10に 対するきめ細かな利得制御の指示が行なわれ、所望する信号電力期待値 Qの電力 レベルに応じた信号電力値 Pが出力されるように利得制御がなされる。
[0097] なお、前述した実施例においては、入力信号を増幅して出力信号を出力する AGC アンプ (利得制御増幅器) 10に対する粗い精度の利得制御を行なう第 1の利得制御 手段 (比較回路(1) 32、信号電力期待値シフト回路 35、第 1補正値記録回路 37)の 第 1の利得制御範囲 D1が、最大 12[dB]力も最小 9 [dB]、第 1の利得制御分解能 じ1が3 [(18]でぁり、一方、細かな精度の利得制御を行なう第 2の利得制御手段 (比 較回路 (2) 34、信号電力期待値保持回路 36、第 2補正値記録回路 38)の第 2の利 得制御範囲 D2が最大 3. 0[dB]力 最小 0. 0[dB]、第 2の利得制御分解能 C2が 0 . 5 [dB]である場合を例示した力 本発明においては、かかる場合のみに限るもので はなぐ第 1の利得制御範囲 D1が第 2の利得制御範囲 D2を包含する関係(D1コ D 2)にあり、かつ、第 1の利得制御分解能 C1が第 2の利得制御分解能 C2よりも粗い精 度の分解能である関係(C1 >C2)にあれば、如何なる場合であっても構わない。
[0098] また、前述した実施例にお!、ては、第 1の利得制御手段が、信号電力値 Pとして、
信号電力期待値 Qとの関係において (2(N+1)XQ>P≥2NXQ)の関係が成立する 3 [dB]単位の N倍即ち 3N [dB]を求めて、 -3N [dB]即ち 2_N倍に増幅 (減衰)させる ように、 AGCアンプ 10の利得を制御し、一方、第 2の利得制御手段が、第 1の利得 制御手段が求めた 3N [dB]の利得の増幅 (減衰)処理を施した後の変換信号電力 値! ^ として、信号電力期待値 Qとの関係において {Q [dB]X (M+1)}>P ≥
0.5
{Q [dB]XM}の関係が成立する整数 Mを求めて、 {Q [dB]XM}を増幅 (減
0.5 0.5
衰)させるように、 AGCアンプ 10の利得を制御している場合を例示している力 本発 明はかかる場合に限るものではない。
[0099] 例えば、第 1の利得制御手段が、信号電力値 Pが、 3[dB]単位の 3Nの代わりに、 第 1の利得制御分解能 C1の N倍を用い、かつ、 0.5 [dB]だけ電力範囲をずらして、 信号電力期待値 Qに対して、
{Q + C1X (N+0.5)}>P≥{Q + C1X (N-0.5)}
となる場合に、 AGCアンプ 10の利得を (CI XN)に示す第 1の利得制御量 (第 1の補 正値) A1分だけ減衰又は増幅させる利得制御を行なうこととしても良い。
[0100] 一方、第 2の利得制御手段が、変換信号電力値! ^ 即ち {P-(C1 XN) }と、 {Q
0.5
[dB] XM}との関係を用いる代わりに、第 1の利得制御手段が AGCアンプ 10の利 得制御を行なうために算出した演算結果である(Q + C1XN)を利用して、かつ、 0. 5 [dB]だけ電力範囲をずらして、信号出力値 Pが、
{(Q + C1XN)+C2X (M + 0.5)}>P
≥{(Q + C1XN)+C2X (M-0.5)}
となる場合に、 AGCアンプ 10の利得を(C2XM)に示す第 2の利得制御量(第 2の 補正値) A2分だけ減衰又は増幅させる利得制御を行なうこととしても良い。
[0101] また、前述したように、第 1の利得制御分解能 C1を 3 [dB]とした場合、第 1の利得 制御手段が算出する第 1の利得制御量 A1が、 2のべき乗単位の 2N倍即ち 3N[dB] ( N:整数)とすることにより、 AGCアンプ 10を、第 1の利得制御分解能 C1に合致した 3 [dB]単位の利得制御を簡易に行なうことが可能である。
[0102] 一方、第 2の利得制御手段が算出する第 2の利得制御量 (第 2の補正値) A2即ち( C2XM)の絶対値 I A2 I力 第 1の利得制御分解能 C1よりも細かな単位即ち 3 [d
B]よりも/ J、さ ヽ単位となるように、
Cl > I A2 I
であり、かつ、第 2の利得制御量 A2として、第 2の利得制御分解能 C2単位に該第 2 の利得制御分解能 C2の M倍 (M:整数)の利得制御を行なうことにより、 AGCアンプ 10を、第 1の利得制御分解能 C 1よりも更に細かな第 2の利得制御分解能 C2に応じ て、利得制御をより正確に行なうことが可能となる。
[0103] なお、第 2の利得制御手段における第 2の前記利得制御範囲 D2は、第 1の利得制 御手段の演算結果 (Q-Cl X N)により変換された変換信号電力値! ^ 即ち {P-(Q -C1 X N) }の電力範囲と一致又は包含している関係 )、より厳密には、第 2の利得制御量 A2と一致又は包含している関係(D22 A2)にあるように設定するこ とにより、前述したように、第 1の利得制御手段を前段に配置し、第 2の利得制御手段 を後続して配置して、 AGCアンプ 10を、前段で第 1の利得制御分解能 Cl [dB]単位 の粗い精度の利得制御を施した後、更に、後段で第 2の利得制御分解能 C2[dB]単 位のより細かな精度の利得制御を連続的に施すことが可能に構成することができる。
[0104] ここで、 AGCアンプ 10の利得を制御するための第 1の制御値 B を適用システム
REF
に応じた値として予め設定して保持する制御部 20を備えることにより、第 1の利得制 御手段で算出された第 1の補正値 A1と第 2の利得制御手段で算出された第 2の補 正値 A2とを加算した結果に利得制御単位ステップ数 RSを乗算して求めたフィード バック利得制御用の第 2の制御値 C を前記第 1の制御値 B により更に補正するこ
FB REF
とも可能であり、適用するシステムに応じて、適切な利得制御を行なうことができる。
[0105] 更に、前述の制御部 20に、 AGCアンプ (利得制御増幅器) 10の利得 1 [dB]相当 を制御するための単位となる制御ステップ RSを備えることにより、フィードバック利得 制御用の第 2の制御値 C [dB]を制御ステップ RSにより変換して、 AGCアンプ (利
FB
得制御増幅器) 10をより簡単に利得制御することができる。
[0106] また、図 9の 3 [dB]毎の電力範囲 R41— R48及び図 10の更に細かな 0. 5 [dB]毎 の電力範囲 R61— R67に例示しているように、信号電力値期待値 Qを基準として、 (1-1) X STEP [dB]一 I X STEP [dB]
(I:整数、 STEP: dB単位の段階的な信号電力レベルを示す予め定められた
正の数)
に対応する電力範囲内で、略一定の利得制御値 GCを生成して、簡単に AGCアン プ 10の利得制御を行なうことが可能となる。
[0107] また、第 1の利得制御手段と第 2の利得制御手段との双方を、共に、復調器 40の出 力信号あるいは AGCアンプ 10の増幅出力信号力もフィードバックさせた出力信号 D
I
ィードバック
Nを用いて、利得制御するフ 制御方式により構成しているが、場合によつ ては、粗い精度の利得制御を行なう第 1の利得制御手段は、 AGCアンプ 10の入力 信号を用いて予め利得制御を施した後、復調器 40の出力信号あるいは AGCアンプ 10の増幅出力信号を用いて第 2の利得制御手段により細かな精度の利得制御を行 なうように構成しても良ぐ力べのごとぐ第 1の利得制御手段をフィードフォワード制御 方式として構成することにより、高速レイリーフェージングに対してより迅速に追従して 利得制御を行わせることができる。
[0108] (第 2の実施の形態)
前述した第 1の実施の形態では、制御部 20の制御値保持回路 22に予め設定され て保持された第 1の制御値 B によりフィードバック制御用として得られた第 2の制御
REF
値 C を補正することにより AGCアンプ 10に対する利得制御値 GCを求めていた。本
FB
第 2の実施の形態としては、第 1の制御値 B を制御値保持回路 22に予め設定して
REF
保持する代わりに、受信信号から検出される RSSI (受信信号強度)信号に従って、 該第 1の制御値 B に相当する第 3の制御値 C を算出するフィードフォワード利得
REF FF
制御回路 (FF)を備えている場合の例について説明する。
[0109] 図 11は、本発明に係る自動利得制御増幅装置のブロック構成の図 1の構成例とは 異なる他の例を示すブロック構成図であり、フィードフォワード利得制御回路 (FF)を 備えている自動利得制御増幅装置 200の構成例を示している。なお、図 11に示す 自動利得制御増幅装置 200の各ブロックのうち、図 1と同一のブロックについては、 図 1と同一の符号を付して 、る。
[0110] 図 11において、自動利得制御増幅装置 200は、受信信号を二つの回路に対して 分配する分配器 60と、分配器 60により分配された一方の受信信号を増幅する AGC アンプ 10 (利得制御増幅器)と、分配器 60により分配された他方の受信信号から受
信信号強度を示す RSSI信号 (受信信号強度信号) F を検出する受信信号強度検
IN
出部 (RSSI (Received Signal Strength Indicator)回路:受信信号強度検出回路) 7 0と、受信信号強度検出部 (RSSI回路) 70により生成された RSSI信号 F に従って
IN
AGCアンプ 10の利得を制御するための第 3の制御値 C を生成するフィードフォヮ
FF
ード利得制御回路 (FF) 80と、 AGCアンプ 10の増幅出力信号又は後段の復調器 4 0等の出力信号 D を検出して AGCアンプ 10の利得を制御するための第 2の制御値
IN
C を生成するフィードバック利得制御回路 (FB) 30と、フィードフォワード利得制御
FB
回路 (FF) 80により生成された第 3の制御値 C を、フィードバック利得制御回路 (FB
FF
) 30により生成された第 2の制御値 C によって補正して、 AGCアンプ 10の利得を制
FB
御するための利得制御値 GCを生成して、生成された該利得制御値 GCを有する利 得制御信号を AGCアンプ 10に対して出力する制御部 50 (制御手段)と、を備えて構 成されている。
[0111] 図 11のように構成された自動利得制御増幅装置 200の動作について、以下に説 明する。
受信信号は、分配器 60を通って受信信号強度検出部 (RSSI回路) 70に入力され 、受信信号強度検出部 (RSSI回路) 70からは受信信号強度を示す RSSI信号 F が
IN
出力される。該 RSSI信号 F に従って、フィードフォワード利得制御回路 (FF) 80に
IN
おいて AGCアンプ 10の利得を制御するための第 3の制御値 C を算出する。ここに
FF
、フィードフォワード利得制御回路(FF) 80においては、 RSSI信号 F の値を AGC
IN
アンプ 10の入出力電力特性に適応するように一次変換することによって利得制御用 の第 3の制御値 C が算出され、制御部 50に対して出力される。
FF
[0112] 次に、制御部 50の詳細について図 12を用いて説明する。ここに、図 12は、図 11に 示す自動利得制御増幅装置 200の制御部 50の詳細なブロック構成の図 3の構成例 とは異なる他の例を示すブロック構成図である。フィードフォワード利得制御回路 (FF ) 80から出力された第 3の制御値 C は選択回路 53に入力される。受信信号検出直
FF
後において、選択回路 53に入力された第 3の制御値 C は、 AGCアンプ 10に対す
FF
る粗調整用の粗い精度の利得制御値 GC' を有する利得制御信号として、出力タイ ミング制御回路 54で出力タイミングを制御され、制御部 50の図示しな 、DZA変換
器によってアナログ信号に変換された後、 AGCアンプ 10に対して出力される。粗調 整用の該利得制御値 GC' を有する利得制御信号により、受信信号検出後の速や かな時点で、 AGCアンプ 10において粗い精度の利得制御が行なわれる。更に、 AG Cアンプ 10へと出力された粗調整用の該利得制御値 GC' は、制御値保持回路 52 において保持される。
[0113] し力る後、前述した第 1の実施の形態の場合と全く同様の動作が行なわれるフィー ドバック利得制御回路 (FB) 30にお 、て第 2の制御値 C が算出されて、制御部 50
FB
に入力されてくる。制御部 50に入力されてきた第 2の制御値 C によって、制御値保
FB
持回路 52で保持された粗調整用の利得制御値 G を加減算回路 51において加 減算して補正する。該加減算結果として得られた AGCアンプ 10に対する利得制御 値 GCは、微調整用の利得制御値とされて、微調整用の該利得制御値 GCを有する 利得制御信号として選択回路 53で選択され、出力タイミング制御回路 54で出力タイ ミングを制御されて AGCアンプ 10に対して出力される。而して、 AGCアンプ 10は、 微調整用の該利得制御値 GCにより、より高い精度での利得制御が可能となる。微調 整用の該利得制御値 GCも、また、制御値保持回路 52において保持される。
[0114] 更に、フィードバック利得制御回路 (FB) 30により第 2の制御値 C が算出されて、
FF
制御部 50に入力され、制御部 50の制御値保持回路 52で保持されて ヽる微調整用 の該利得制御値 GCに加減算されて補正がなされる。該加減算結果として得られた AGCアンプ 10に対する更に精細化した利得制御値 GCは、微調整用の該利得制御 値 GCを有する利得制御信号として選択回路 53で選択され、出力タイミング制御回 路 54で出力タイミングを制御されて AGCアンプ 10に対して出力されて、再び利得制 御が行なわれると同時に、制御値保持回路 52で保持される。
[0115] 以上にように、受信信号の電力レベルを検出して、 RSSI信号を出力する RSSI回 路 70と、検出された RSSI信号に従って AGCアンプ 10の利得を制御するフィードフ ォワード利得制御回路 (FF) 80とを備え、フィードフォワード利得制御回路 (FF) 80 により、 RSSI回路 70からの RSSI信号の値を、 AGCアンプ 10の入出力電力特性に 適応するように一次変換して得られた第 3の制御値 C を、前述した第 1の実施の形
FF
態において制御部 20の制御値保持回路 22に予め設定されて保持された第 1の制
御値 B の代わりに用いて、フィードフォワード利得制御回路(FF) 80からの第 2の
REF
制御値 C に先立って、粗い精度ながらも受信信号の受信直後に、高速に AGCアン
FB
プ 10の利得を制御することを可能として 、る。
[0116] ここで、フィードフォワード利得制御回路 (FF) 80が、第 1の制御値 B の代わりに
REF
第 3の制御値 C を用いて AGCアンプ 10の利得を粗い精度ながらも制御した後に、
FF
更に出力されてくる AGCアンプ 10からの利得出力信号又は後段の復調器 40からの 出力信号 D に基づいて、フィードバック利得制御回路 (FB) 30が、 AGCアンプ 10
IN
の利得を細かな精度で制御する動作を直ちに開始することにより、迅速かっきめ細 かな利得制御を可能としている。而して、フィードフォワード利得制御回路 (FF) 80に よる第 3の制御値 C によって、高速レイリーフェージングに対しても、迅速に追従し
FF
て利得制御を行なうことが可能であり、かつ、フィードバック利得制御回路 (FB) 30に よる第 2の制御値 C によって、高い精度で補正を行なうことにより、高精度の利得制
FB
御が可能であり、安定した受信動作を実現することができる。
[0117] 更に、前述した第 1あるいは第 2の実施の形態に示したような高精度の利得制御が 簡易に実現可能な自動利得制御増幅装置 100, 200を、受信信号を復調するため の受信機器や、送信信号を送信する送信部と受信信号を復調する受信部とを備え た携帯電話や PHSや無線 LANなどの無線通信機器に適用することにより、低コスト で安定な受信品質を確保可能な受信機器や無線通信機器を提供することができる。 符号の説明
[0118] 10· "AGCアンプ (利得制御増幅器)、 20…制御部(制御手段)、 21· ··加減算回路、 22· ··制御値保持回路、 23…出力タイミング制御回路、 30· ··フィードバック利得制御 回路 (FB)、 31· ··積分回路 (信号電力値算出回路)、 32· ··比較回路(1) (第 1の利得 制御手段における比較回路)、 33· ··積分値シフト回路 (変換信号電力値生成回路) 、 34…比較回路(2) (第 2の利得制御手段における比較回路)、 35…信号電力期待 値シフト回路、 36…信号電力期待値保持回路、 37· ··第 1補正値記録回路 (第 1の利 得制御手段における第 1補正値記録回路)、 38· ··第 2補正値記録回路 (第 2の利得 制御手段における第 2補正値記録回路)、 39· ··制御値算出回路、 40· ··復調器、 50 …制御部 (制御手段)、 51· ··加減算回路、 52· ··制御値保持回路、 53· ··選択回路、
54…出力タイミング制御回路、 60···分配器、 70 RSSI回路 (受信信号強度検出部 、受信信号強度検出回路)、 80—FF (フィードフォワード利得制御回路)、 91···分配 器、 92· "AGCアンプ (利得制御増幅器)、 93· "復調器、 94 .RSSI回路、 95…フィ ードフォワード利得制御回路 (FF)、 96···制御部、 97···フィードバック利得制御回路 (FB)、 100, 200, 300···自誦得制御増幅装置。