WO2005022896A1

WO2005022896A1 - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Info

Publication number: WO2005022896A1
Application number: PCT/JP2004/012096
Authority: WO
Inventors: Kazuyuki Nako
Original assignee: Sharp Kabushiki Kaisha
Priority date: 2003-08-28
Filing date: 2004-08-24
Publication date: 2005-03-10
Also published as: JP3993845B2; JP2005079628A

Abstract

　ＣＰＵ１０、ＲＯＭ１１、ＲＡＭ１２、操作パネル１３、外部Ｉ／Ｆ１４および印刷エンジン１５が、互いにバス１６で接続されている。ＣＰＵ１０は、外部Ｉ／Ｆ１４を経て読み込んだ画像データについて複写禁止領域を特定し、この領域に第１のパターン２０を合成して、第１の合成画像３０を形成する。また、ＣＰＵ１０は、外部Ｉ／Ｆ１４を経て第１合成画像３０のデータを読み込み、パターン２０が合成された領域を検出し、この検出された領域２２に第２のパターンを合成し、第２の合成画像３２，３３を形成する。印刷エンジン１５は、第２の合成画像のデータを受け取り、第２の合成画像３２，３３を印刷する。第２のパターンとして黒色の塗り潰し画像を用いることにより、複写禁止領域の複写を防止できる。

Description

明細書

画像処理装置、画像処理方法および画像処理：

技術分野

[0001] 本発明は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関し、特に、画像全体のうちの所望の領域に対して複写を抑制できる画像処理装置等に関する

背景技術

[0002] 近年の複写機技術の発達により、手軽に文書、紙幣および有価証券等の偽造が可能になっており、大きな社会問題となっている。このため、上記文書等の偽造を防止する技術が多数開発されている。

[0003] 例えば特開平 2— 210481号公報（特許文献 1)に開示された画像処理装置（以下、第 1の従来例という）では、画像を読取って生成したデータが、紙幣等の画像を表すものであると検知した場合、画像形成部への忠実なデータの出力を禁止することにより、紙幣等の偽造を防止するようにしている。

[0004] また、特開平 7— 212584号公報 (特許文献 2)に開示された画像処理装置 (以下、第 2の従来例という）では、複写を禁止する原稿に、予め決めた特定パターンを入れておいて、複写を行なおうとする原稿に上記特定パターンが含まれることを認識した場合、上記原稿の複写の停止を行なうようにしている。

[0005] し力、しながら、上記第 1の従来例では、紙幣等の特定の画像に対して複写を抑制するのみであり、一般的な文書の複写を抑制することはできないという問題がある。

[0006] また、上記第 2の従来例では、上記特定パターンが含まれる原稿の複写を停止するので、原稿の任意の領域のみについて複写を抑制することは不可能である。つまり、 1つの原稿について、一部は複写を抑制する一方、他の部分は複写を行なうことは不可能である。また、上記特定パターンを隠して画像入力を行なうと、複写の停止を回避できて、容易に不正複写が行われてしまうという問題がある。

特許文献 1 :特開平 2 - 210481号公報

特許文献 2：特開平 7 - 212584号公報発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] そこで、本発明の目的は、一般的な文書を含む画像について、画像全体のうちの所望の領域に対して複写を抑制できる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することにある。課題を解決するための手段

[0008] 上記目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、第 1のパターンを表すデータを予め記憶する第 1パターン記憶部と、

画像を表す画像データを記憶する画像データ記憶部と、

上記画像データ記憶部に記憶された画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域を特定する禁止領域特定部と、

上記画像の上記禁止領域特定部で特定された領域に、上記第 1のパターンを合成して第 1合成画像を形成する第 1パターン合成部と

を備えることを特徴としてレ、る。

[0009] 上記構成によれば、上記画像データ記憶部に記憶された画像データが表す画像について、上記禁止領域特定部によって、複写を禁止すべき領域が特定される。この特定された領域に、上記第 1パターン合成部によって、上記第 1パターン記憶部に予め記憶された第 1のパターンが合成されて、第 1の合成画像が形成される。この第 1合成画像の上記第 1のパターンが合成された領域について、画像を変形したり、他のパターンを更に合成すること等によって、上記領域のオリジナルの画像が複写されること力 s抑制される。したがって、上記画像の所望の部分の複写が抑制される。

[0010] ここにおいて、上記画像データによって表される画像とは、文字、図および表等のように複写の対象となるあらゆる像をレ、う。

[0011] また、ここにおいて、合成とは、上記画像データに含まれる全ての画素のうち、上記第 1のパターンを構成する画素に対応する全ての画素を、この第 1のパターンの構成画素に書き換えることを意味する。あるいは、上記画像データに含まれる全ての画素のうち、画像を構成しない画素について、上記第 1のパターンを構成する画素に対応する画素を、この第 1のパターンの構成画素に書き換えることをも意味する。すなわち、上記画像データが表す画像の表側に、上記第 1のパターンを重ね合わせたような画像に書き換えることと、上記画像データが表す画像の裏側に、上記第 1のパターンを重ね合わせたような画像に書き換えることとのいずれをも意味する。

[0012] 一実施形態の画像処理装置は、上記第 1パターン合成部は、上記画像データが表す画像の上記特定データで特定される領域に、上記第 1のパターンをモザイク状に合成する。

[0013] 上記実施形態によれば、上記第 1のパターンは、上記画像の上記禁止領域特定部で特定された領域に、モザイク状に合成されるので、この第 1のパターンを表すデータを比較的小さくでき、したがって、上記第 1パターン記憶部が備えるべき記憶容量を比較的小さくできる。

[0014] 一実施形態の画像処理装置は、第 2のパターンを表すデータを予め記憶する第 2 パターン記憶部と、

上記第 1合成画像を表す画像データを記憶する合成画像データ記憶部と、上記合成画像データ記憶部で記憶された画像データが表す第 1の合成画像について、上記第 1のパターンが存在する領域を検出する領域検出部と、

上記領域検出部が検出した領域に、上記第 2のパターンを合成して第 2の合成画像を形成する第 2パターン合成部と

を備える。

[0015] 上記実施形態によれば、上記合成画像データ記憶部により、上記第 1合成画像を表す画像データが記憶され、この画像データが表す画像について、上記領域検出部によって、第 1のパターンが存在する領域が検出される。この領域に、上記第 2パターン合成部によって、上記第 2のパターンが合成されて、第 2の合成画像が形成される。上記第 2のパターンとして、例えばバッ印や、塗り潰しや、複写を禁止する旨の文字等を用いることにより、上記第 2のパターンが合成された画像の部分は、オリジナルの画像が形成されることが妨げられる。また、複写を禁止する旨が明示される。したがつて、上記第 1のパターンが存在する領域について、画像の複写が部分的に抑制される。

[0016] 一実施形態の画像処理装置は、上記領域検出部は、上記第 1のパターンを検出しない領域であって、上記第 1のパターンを検出した領域に囲まれた領域を、第 1のパターンを検出した領域に修正する領域修正部を備える。

[0017] 上記実施形態によれば、上記第 1のパターンが検出されていない領域であって、上記第 1のパターンが検出された領域に囲まれた領域が、上記領域修正部によって、上記第 1のパターンが検出された領域に修正される。したがって、例えば、上記第 1 のパターンが途切れたり欠けたりした部分が存在した場合、この部分は、上記第 1のパターンが検出された領域として修正される。これにより、例えば、上記第 1のパターンが、この第 1のパターンに重ね合わされた画像によって途切れた場合であっても、上記第 2のパターンが途切れや欠けを生じることなく合成される。したがって、上記複写を禁止すべき領域に、上記第 2のパターンが確実に合成されて、この領域の複写が適切に防止される。

[0018] 本発明の画像処理方法は、第 1のパターンを表すデータを予め記憶することと、画像を表す画像データを記憶することと、

上記画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域を特定することと、上記画像の上記複写を禁止すべき領域に、上記第 1のパターンを合成して第 1の合成画像を形成することと

を備えることを特徴としてレ、る。

[0019] 上記構成によれば、上記第 1のパターンを表すデータが予め記憶され、上記画像を表す画像データが読み込まれる。この画像データで表される画像について、複写を禁止すべき領域が特定される。上記画像の上記複写を禁止すべき領域に、上記第 1のパターンが合成されて第 1の合成画像が形成される。上記第 1のパターンが合成された領域について、画像の変形や、他のパターンの揷入等を行なうことにより、上記領域のオリジナルの画像が形成されることが抑制される。したがって、上記画像について、所望の領域を特定することにより、所望の部分の複写が抑制される。

[0020] 一実施形態の画像処理方法は、第 2のパターンを表すデータを予め記憶することと上記第 1の合成画像を表す画像データを記憶することと、

上記画像データが表す第 1の合成画像について、上記第 1のパターンが存在する領域を検出することと、

上記第 1のパターンの存在が検出された領域に、上記第 2のパターンを合成して第 2の合成画像を形成することと

を備える。

[0021] 上記実施形態によれば、上記第 2のパターンを表すデータが予め記憶される。そして、上記第 1の合成画像を表す画像データが読み込まれ、この第 1の合成画像について、上記第 1のパターンが存在する領域が検出される。この領域に、上記第 2のパターンが合成されて、第 2の合成画像が形成される。上記第 2のパターンとして、例えばバッ印や、塗り潰しや、複写を禁止する旨の文字等を用いることにより、この第 2のパターンが合成された部分は、オリジナルの画像の形成が妨げられる。また、複写を禁止する旨が明示される。したがって、上記第 1のパターンが存在する領域について、画像の複写が部分的に抑制される。

[0022] 本発明の画像処理プログラムは、コンピュータに、

第 1のパターンを表すデータを予め記憶することと、

画像を表す画像データを記憶することと、

を実行させる。

[0023] 上記構成によれば、上記画像処理プログラムにより、上記コンピュータは、上記第 1 のパターンを表すデータを予め記憶する。また、上記画像を表す画像データを読み込み、この画像について、複写を禁止すべき領域を特定する。この特定された領域に、上記第 1のパターンを合成して第 1の合成画像を形成する。上記第 1のパターンが合成された領域について、画像の変形や、他のパターンの揷入等を行なうことにより、上記領域のオリジナルの画像が複写されることが防止される。したがって、上記画像について、所望の領域を特定することにより、所望の部分の複写が抑制される。

[0024] 一実施形態の画像処理プログラムは、上記コンピュータに、

第 2のパターンを表すデータを予め記憶することと、上記第 1の合成画像を表す画像データを記憶することと、

上記画像データが表す第 1の合成画像について、第 1のパターンが存在する領域を検出することと、

上記第 1のパターンの存在が検出された領域に、上記第 2のパターンを合成して第 2合成画像を形成することと

を実行させる。

[0025] 上記実施形態によれば、上記画像処理プログラムにより、上記コンピュータは、上記第 2のパターンを表すデータを予め記憶する。そして、上記読み込んだ第 1の合成画像について、上記第 1のパターンが存在する領域を検出する。この第 1のパターンの存在が検出された領域に、上記第 2のパターンを合成して第 2の合成画像を形成する。上記第 2のパターンとして、例えばバッ印や、塗り潰しや、複写を禁止する旨の文字等を用いることにより、この第 2のパターンが合成された部分は、オリジナルの画像の形成が妨げられる。また、複写を禁止する旨が明示される。したがって、上記第 1 のパターンが存在する領域について、画像の複写が部分的に抑制される。

発明の効果

[0026] このように、本発明の画像処理装置によれば、画像データ記憶部に記憶された画像データが表す画像について、禁止領域特定部により、複写を禁止すべき領域が特定される。この特定された領域に、第 1パターン合成部によって第 1のパターンが合成されて、第 1の合成画像が形成される。上記第 1のパターンが合成された領域について、画像の変形や、他のパターンの揷入等を行なうことにより、上記領域のオリジナルの画像の複写を防止できる。したがって、上記画像の所望の部分の複写を抑制できる。

[0027] また、本発明の画像処理方法によれば、読み込まれた画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域が特定され、この領域に、予めデータが記憶された第 1 のパターンが合成され、第 1合成画像が形成される。上記第 1のパターンが合成された領域について、画像の変形や、他のパターンの挿入等を行なうことより、上記領域のオリジナルの画像の複写を防止できる。したがって、上記画像の所望の部分の複写を抑制できる。 [0028] また、本発明の画像処理プログラムによれば、コンピュータに、第 1のパターンを表すデータを予め記憶することと、画像を表す画像データを記憶することと、上記画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域を特定することと、上記画像の上記複写を禁止すべき領域に、上記第 1のパターンを合成して第 1の合成画像を形成することとを実行させるので、上記第 1のパターンが合成された領域について、画像の変形や、他のパターンの揷入等を行なうことにより、上記領域のオリジナルの画像が複写されることを抑制できる。したがって、上記画像の所望の部分の複写を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0029] [図 1]本発明の実施形態の画像処理装置としてのプリンタを示す図である。

[図 2]プリンタの構成を示すブロック図である。

[図 3]第 1のソフトウェアによって CPUが実行する手順を示すフロー図である。

[図 4]第 1のパターンを示す図である。

[図 5]—部の複写を抑制すべき領収書を示す図である。

[図 6]第 1のパターンが合成された領収書を示す図である。

[図 7]第 2のソフトウェアによって CPUが実行する手順を示すフロー図である。

[図 8A]第 1のパターンが実際に検出された領域を示す図である。

[図 8B]修正された検出領域を示す図である。

[図 9]第 2のパターンが合成された領収書を示す図である。

[図 10]他の第 2のパターンが合成された領収書を示す図である。

符号の説明

[0030] 1 プリンタ

11 ROM

12 RAM

13 操作パネル

14 外咅 /F (インターフェース）

15 印刷エンジン

16 バス発明を実施するための最良の形態

[0031] 以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。

[0032] 図 1は、本発明の実施形態の画像処理装置としてのプリンタを示す図である。このプリンタ 1は、動作に関する設定が入力操作される操作パネル 13と、 Ethernet (ィーサネット：登録商標）等の規格に基く外部 IZF (インターフェース） 14とを備える。この外部 I/F14に接続されたネットワーク線を介して、図示しないパーソナルコンピュータに接続されている。

[0033] 図 2は、上記プリンタ 1の構成を示すブロック図である。このプリンタ 1は、上記操作パネル 13および外部 I/F14に加えて、 CPU (中央演算装置） 10と、 ROM (読み出し専用メモリ） 11と、 RAM (ランダム ·アクセス 'メモリ） 12と、画像データの印刷を行う印刷エンジン 15と力互いにバス 16で接続されている。上記 RAM12は、プログラムおよびデータの保存場所として使用されるだけでなぐソフトウェア（プログラム）を実行するために必要な作業領域としても使用される。

[0034] 本実施形態のプリンタは、プリンタハードウェアと、上記 CPU10で実行されるソフトウェアとで構成されている。上記ソフトウェアは ROM11に保存されており、 RAM 12 にロードされて実行される。図 1， 2に示すプリンタのハードウェアは一般的に知られたものであり、本実施形態の本質的な部分は、上記 ROM11に記憶され、上記 RAM 12にロードされるソフトウェアである。上記プリンタのハードウェアの構成および動作は一般的なものであるので、本実施形態では詳細な説明を省略する。

[0035] 図 3は、上記 ROM11に記憶された第 1のソフトウェアによって CPU10が実行する手順を示すフロー図である。

[0036] まず、ステップ S11において、上記 CPU10は、文書を表すデータ（以下、文書データという）を、上記外部 IZF14を経てパーソナルコンピュータ等から受け取って、 RA M12に記憶する。ここで、上記文書データが画像データに相当し、上記 RAM12が画像データ記憶部として機能する。上記文書データは、例えば JPEG (Joint Photographic Expert Group)形式データ等のような画像自体を表すデータであってもよぐまた、 PDL (Page Description Language)と呼ばれる記述言語により文字や画像を表すデータであってもよい。 [0037] ステップ S12において、上記 CPU10は、上記文書データに坦め込まれたデータから、複写を禁止する領域を表すデータを抽出し、この複写禁止領域を表すデータを R AMI 2に書き込む。なお、上記文書データから上記複写禁止領域を表すデータを抽出する以外に、印刷時にパーソナルコンピュータの表示装置にプレビュー画像を表示し、この画像を視認するユーザから、複写を禁止する領域の指定を受けてもよい

[0038] 続いて、ステップ S13において、上記 CPU10は、上記複写禁止領域を示すデータを RAMI 2から読み込むと共に、図 4に示すようなパターン 20のデータを ROM11または RAMI 2から読み込む。そして、上記文書データで表される画像のうち、複写を禁止する領域を特定し、この領域内にパターン 20を重ね合わせて、合成画像を形成する。ここで、上記 CPU10は、禁止領域特定部および第 1パターン合成部として機能する。また、上記パターン 20が第 1のパターンに相当し、このパターン 20が記憶されたR〇M11またはRAM12が、第 1パターン記憶部に相当する。また、上記合成画像が第 1の合成画像に相当する。

[0039] 続いて、ステップ S14において、上記 CPU10は、上記合成画像のデータを印刷工ンジン 15に出力する。この印刷エンジン 15は、上記データで表される合成画像を印刷紙に印刷する。

[0040] 上記ステップ S 13で文書の画像にパターン 20を合成する際に行なわれる処理を、図 4, 5および 6を用いて具体的に説明する。

[0041] 図 5は、上記文書の一例としての領収書を示す図である。この領収書において、金額を表す部分がコピー禁止領域として指定された場合、この金額を表す部分に、図 4 のパターン 20をモザイク状に合成する。すなわち、上記金額を表す部分に、基本パターンとして記憶された図 4のパターンを、縦方向と横方向とに繰り返して並べる。そして、上記金額を表す部分の画像を構成する全ての画素のうち、白色の画素を、上記パターンを構成する画素に置き換える。これによつて、図 6に示すような合成画像 3 0が得られる。すなわち、上記金額を表す部分において、金額を表す画像 (文字）よりも紙面の奥側に、上記パターン 20を重ね合わせたような合成画像が得られる。

[0042] なお、図 4に示すパターン 20は、本発明の第 1のパターンの一例であり、他の形状をなすパターンを用いてもよぐまた、後に述べるパターンの検出時に検出され易くするために、文書の画像と異なる色を有するパターンを用いてもよい。また、上記パターン 20は、上記金額を表す画像よりも紙面の表側に重ね合わせたように合成してもよい。

[0043] 図 6に示すような金額を示す部分から、上記パターン 20のみを除去することは非常に困難である。したがって、このパターン 20が含まれる部分の複写を後述のようにして妨げることにより、上記金額を示す部分のみについて、不正複写を効果的に防止すること力 Sできる。

[0044] 本実施形態のプリンタ 1は、上記 ROM11に、第 2のソフトウェアを備える。この第 2 のソフトウェアによって、上記合成画像を印刷する際に実行される処理を、図 7のフロ一図を用いて説明する。

[0045] まず、ステップ S21において、上記 CPU10は、上記外部 I/F14を経てパーソナルコンピュータ等から、上記合成画像 30を示す画像データを RAM12に読み込んで記憶する。この画像データは、画像自体を表すデータでもよぐまた、 PDL等の記述言語により画像および文字を表すデータであってもよい。ここで、上記 RAMI 2は、合成画像データ記憶部として機能する。

[0046] 続いて、ステップ S22で、上記 CPU10は、上記 RAM12に読み込んだ画像データで表される画像において、上記パターン 20が存在する領域を検出する。ここで、上記 CPU 10は領域検出部として機能する。

[0047] ステップ S23で、上記 CPU10は、上記パターン 20を検出した領域に、上記パターン 20と異なる第 2のパターンを合成して、第 2の合成画像 32, 33を形成する。上記第 2のパターンは、 R〇M11またはRAM12に記憶されてぉり、この ROM11または RA M12が、第 2パターン記憶部に相当する。また、上記 CPU10は、第 2パターン合成部として機能する。

[0048] そして、ステップ S24で、上記 CPU10は、上記第 2の合成画像 32, 33のデータを印刷エンジン 15に出力し、この印刷エンジン 15は、上記第 2の合成画像 32， 33を印刷紙に印刷する。

[0049] 上記ステップ S22で CPU10がパターン 20を検出する際に行う処理を、図 7を用いて具体的に説明する。上記ステップ S21で読み込んだ画像データの画像力図 6のように、金額を示す部分にパターン 20が合成された領収書の画像 30である場合、パターンマッチングなどの一般的な技術によって、上記パターン 20を検出する。ここで、上記パターン 20は、金額を示す文字と重ね合わされているので、図 8Aに示すように、上記文字を構成する部分は検出されなくて、非検出領域 21となる一方、上記文字を構成する部分以外の部分が検出されて、検出領域 22となる。したがって、上記パターン 20の検出領域は、上記文字の構成部分が抜け落ちたような領域となる。ここで、上記パターン 20が実際に検出された領域に対して膨張処理を行なうことにより、上記非検出領域 21を、検出領域に修正する。例えば、上記非検出領域 21が検出領域 22に囲まれている場合、上記非検出領域 21を検出領域に修正する。これによつて、上記領収書の金額を示す部分の全てが、図 8Bに示すように、上記パターン 20の検出領域として特定されて、複写禁止領域の検出漏れを防止することができる。なお、図 8Bにおいて、膨張処理を行う前の被検出領域 21を、破線で示している。ここにおいて、上記 CPU10は、領域修正部として機能することになる。

[0050] 図 9, 10は、上記ステップ S23で形成された第 2の合成画像 32, 33の例を示す図である。

[0051] 図 9は、構成画素の全部が黒色からなる第 2のパターンが合成された合成画像 32 である。この第 2のパターンにより、金額を示す部分を黒色で塗り潰して、複写禁止領域を隠すことによって、この領収書の複写を部分的に抑制することができる。

[0052] 図 10は、バッ印からなる第 2のパターンが合成された合成画像 33である。この第 2 のパターンにより、上記金額を示す部分が、複写を禁止する部分であることを明確に示すことができ、これにより、領収書の複写を部分的に抑制することができる。なお、上記第 2のパターンは、「コピー禁止」等のような文字で形成したパターンであってもよい。

[0053] 以上のように、本実施形態のプリンタ 1によれば、所望の領域を複写禁止領域に設定し、また、この複写禁止領域のみについて複写の防止を行なうことができる。

[0054] 上記実施形態において、プリンタ 1は、上記第 1ソフトウェアと第 2ソフトウェアの両方を備えた力いずれか一方のみを備えてもよい。すなわち、パーソナルコンピュータに上記第 1ソフトウェアを設け、このパーソナルコンピュータで所定の禁止領域を指定して、第 1合成画像 30のデータを作製する。そして、上記第 1合成画像 30を印刷する際、プリンタが備える第 2ソフトウェアによって、上記領域を黒色で塗り潰すこと等により、この領域の複写を抑制することができる。

[0055] 上記実施形態では、本発明の画像処理は、プリンタ 1のハードウェアと CPU10で実行されるソフトウェアとで実行された力パーソナルコンピュータやワークステーション等のハードウェアと、このハードウェアで実行されるプリンタドライバ等のソフトウェアとで実行されてもよい。この場合、上記ソフトウェアは、 CD—ROM (Compact Disk- Read Only Memory)や FD (Flexible Disk)等の記録媒体に格納されて流通し、あるいは、コンピュータネットワークを経由して流通し、パーソナルコンピュータまたはワークステーションに読み込まれ、実行される。また、上記第 1および第 2ソフトウェアは、例えば PDA (Personal Digital Assistants)などの携帯電子機器に記憶され、実行されてあよい。

[0056] また、上記プリンタ 1は、 CPU10およびソフトウェアによって制御される以外に、専用回路等のハードウェアによって制御されてもよい。また、上記プリンタ 1の構成部分にスキャナを追加して、複写機を構成してもよい。この場合、上記スキャナによって、複写を抑制すべき画像や、第 1の合成画像 30などが読み取られる。

[0057] また、複写禁止領域が設けられる画像は、領収書に限られず、他の文書であってもよい。また、文書に限られず、紙幣や有価証券等であってもよい。いずれの画像につレ、ても、その一部について所望の複写禁止領域を設定し、この領域の複写を抑制すること力 Sできる。

Claims

請求の範囲

[1] 第 1のパターン（20)を表すデータを予め記憶する第 1パターン記憶部（11 , 12)と画像を表す画像データを記憶する画像データ記憶部（12)と、

上記画像データ記憶部（12)に記憶された画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域を特定する禁止領域特定部（10)と、

上記画像の上記禁止領域特定部（10)で特定された領域に、上記第 1のパターン ( 20)を合成して第 1の合成画像（30)を形成する第 1パターン合成部（10)とを備えることを特徴とする画像処理装置。

[2] 請求項 1に記載の画像処理装置において、

上記第 1パターン合成部（10)は、上記画像の上記禁止領域特定部（10)で特定された領域に、上記第 1のパターン (20)をモザイク状に合成することを特徴とする画像

[3] 請求項 1に記載の画像処理装置におレ、て、

第 2のパターンを表すデータを予め記憶する第 2パターン記憶部（11 , 12)と、上記第 1の合成画像（30)を表す画像データを記憶する合成画像データ記憶部（1 2)と、

上記合成画像データ記憶部に記憶された画像データが表す第 1の合成画像（30) について、上記第 1のパターン（20)が存在する領域を検出する領域検出部（10)と、上記領域検出部（10)が検出した領域（22)に、上記第 2のパターンを合成して第 2 の合成画像（32， 33)を形成する第 2パターン合成部（10)と

を備えることを特徴とする画像処理装置。

[4] 請求項 3に記載の画像処理装置において、

上記領域検出部（10)は、上記第 1のパターン（20)を検出しない領域であって、上記第 1のパターン（20)を検出した領域に囲まれた領域（21)を、第 1のパターン（20) を検出した領域（22)に修正する領域修正部（10)を備えることを特徴とする画像処

[5] 第 1のパターン（20)を表すデータを予め記憶することと、画像を表す画像データを記憶することと、

上記画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域を特定することと、上記画像の上記複写を禁止すべき領域に、上記第 1のパターン（20)を合成して第 1の合成画像（30)を形成することと

を備えることを特徴とする画像処理方法。

[6] 請求項 5に記載の画像処理方法において、

第 2のパターンを表すデータを予め記憶することと、

上記第 1の合成画像（30)を表す画像データを記憶することと、

上記画像データが表す第 1の合成画像（30)について、上記第 1のパターン（20) が存在する領域を検出することと、

上記第 1のパターン（20)の存在が検出された領域（22)に、上記第 2のパターンを合成して第 2の合成画像（32， 33)を形成することと

を備えることを特徴とする画像処理方法。

[7] コンピュータに、

第 1のパターン（20)を表すデータを予め記憶することと、

画像を表す画像データを記憶することと、

上記画像データが表す画像について、複写を禁止すべき領域を特定することと、上記画像の上記複写を禁止すべき領域に、上記第 1のパターン（20)を合成して第

1の合成画像（30)を形成することと

を実行させる画像処理プログラム。

[8] 請求項 7に記載の画像処理プログラムにおいて、

上記コンピュータに、

第 2のパターンを表すデータを予め記憶することと、

上記画像データが表す第 1の合成画像（30)について、第 1のパターン（20)が存在する領域を検出することと、

上記第 1のパターン（20)の存在が検出された領域（22)に、上記第 2のパターンを合成して第 2の合成画像（32， 33)を形成することとを実行させる画像処理