WO2004094748A1

WO2004094748A1 - 緑化太陽電池複合システム

Info

Publication number: WO2004094748A1
Application number: PCT/JP2004/005744
Authority: WO
Inventors: Takuji Nomura; Yoshiteru Nitta; Tsuneo Tajima; Takayoshi Imai; Tooru Kojima; Akihiro Sakamoto; Takuji Hashimoto
Original assignee: Kaneka Corporation
Priority date: 2003-04-23
Filing date: 2004-04-21
Publication date: 2004-11-04
Also published as: EP1617008A4; KR101050127B1; US7614183B2; EP1617008A1; KR20060011950A; US20060272207A1; EP1617008B1

Abstract

　ヒートアイランド現象抑制効果を有する植物群と、二酸化炭素発生抑制効果を有する太陽電池とを併設する緑化太陽電池複合システムにおいて、植物群及び太陽電池双方の影の悪影響をなくすこと、さらに架台側面方向の風圧力による太陽電池システムの飛散を防止することをテーマとし、このテーマを達成すべく、太陽電池モジュールの平均高さを植物群の平均高さより高く設定し、また、太陽電池モジュールの高さと植物群の高さの差分に相当する距離以上の間隔を設けて植物群と太陽電池モジュールを設置し、また、植物群と太陽電池システムとが相対する少なくとも１対の間に、人間が歩行可能な領域を設け、さらに、架台側面の通風面積の半分以上を植物群、断熱材、保湿性材料で覆った。

Description

糸田緑化太陽電池複技術分野

本発明は、ヒートアイランド現象抑制効果を有する植物群と、二酸化炭素発生抑制効果を有する太陽電池とを併設する緑化太陽電池複合システムに関する。背景技術

近年問題となっている人口密集都市部のヒートアイランド現象を抑制するためビル等の建造物屋上に植物を植え緑化することが昨今行われている。また、化石燃料によらない、すなわち二酸化炭素発生を伴わず環境負荷の低い発電技術として太陽電池が実用化されてきている。この両者を併設する方法として、例えば日本国特許出願公開 2 0 0 2— 3 6 4 1 3 7号公報には、ビル屋上に核物、壁面に太陽電池を設置する方法が開示されている。また、日本国特許出願公開 2 0 0 2— 2 0 6 3 4 9号公報には、勾配屋根の一面に植物、他面に太陽電池を設置する方法が開示されている。しかしながら、植物、太陽電池共に太陽光の受光が効果発現の必須要件であるにもかかわらず、これらの方法は、少なくともどちらかの受光量が少なくなる設置方法であり、略同一平面上に植物と太陽電池を併設する設置方法が提案されていなかった。これは、双方の影の影響、メンテナンス性の課題を解決しえなかったためと推察される。

また、「太陽光発電システムの設計と施工（改訂 2版）」（編者：太陽光発電懇話会、発行者：株式会社オーム社、発行所：株式会社オーム社、平成 1 2年 2 月 1 0日発行）頁 1 1 5〜頁 1 1 6に記載されているように、太陽電池システムに作用する風圧力は建物高さが高くなるほど強くなり、例えば、風圧力は、建物の高さが 1 6 m以下の部分は高さの二乗根に比例、 1 6 mを超える部分は高さの四乗根に比例する。従って、これは、高層建築における太陽電池システムの固定方法が高価になる原因と推察される。

太陽電池モジュールは、太陽光を充分に受光するために大面積の平板状に形成され、また内部の光電変換素子に十分太陽光が到達するように、そして屋外に設置して充分な耐久性を有するように、通常透明なガラス板をその表面に有しており、この大面積平板状ガラス板が太陽電池モジュールの殆どの重量を占め、かつ、相当に重いものとなる。このガラス板は破損すると、鋭利な刃物が多数存在するような状態になるので、取扱いに注意する必要がある。

このような太陽電池モジュールを屋根面に固定する方法については従来より開発されており、例えば日本国特許出願公開平成 8年第 2 8 8 5 3 2号公報には、屋根面にアンカ一を打ち込みこれに架台を固定することで架台を屋根面に設置し、さらにこの架台に太陽電池モジュールを設置する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、屋根面はアンカ一を打ち込むことによって損傷をうけるので、長期的な防水性の低下が懸念される。架台が設置される屋根面は、建物内部への雨水の侵入防止をその目的としており、例えば、ビル屋根面全面はアスファルト防水やシート防水等の防水層を有する構造がとられているのである。この問題を解決するために、日本国特許出願公開 2 0 0 0— 0 1 7 8 0 2号公報には、アンカーを打ち込んだ部分の防水処置方法が開示されている。しかし、こうした防水処置にはコストや手間がかかるという問題がある。,.···こうしたことから、例えば日本国特許出願公開平成 9年第 0 7 0 1 8 8号公報では、上記のようなアンカーによる固定方法を用いる代わりに、接着剤を介してコンクリート基礎を屋根面に接着することで固定し、このコンクリート基礎に太陽電池モジュールを固定する方法を開示している。しかしながら、屋根面を含む屋根には、防水シ一卜の張り替えなどのような、主に防水のためのメンテナンスを定期的に施す必要があり、上記のような接着剤を介してコンクリート基礎を屋根面に固着することで固定する接着剤固定では太陽電池システムを一時的に外すことができず問題があった。

また、太陽電池モジュールは、当然ながらその周囲下側を人が通行するような高所に存在するため、屋根周囲への台風時や地震時における脱落を防止することも重要であり、従来から屋根面に架台をワイヤ一で固定する方法が考えられている。この方法においては、太陽電池モジュール及び架台の上方への風による吹き上がりを想定した場合、架台を陸屋根面に固定するため、ワイヤーの引張力の作用方向を屋根面面の水平方向よりも垂直方向にすることが重要になる。ワイヤーの引っ張り力の垂直方向成分を確保するためには、屋根面面つまり設置面を基準にしたワイヤーの取り付け角度をある程度垂直に近い角度にする必要である。一方、この方法においては、上記太陽電池モジュールの屋根面周囲への脱落を防止することが可能である。しかし、屋根面に架台をワイヤーで固定する場合、その取り付け角度を垂直に近い角度にするためには、ワイヤ一の固定位置は架台から遠くへは離せないので、結局、屋根設置面にアンカー 'ポルトを立てる必要が生じ、その防水層を破ることが必要となる。さらに、この方法の別な問題として、架台面積が大きい場合には、周囲のみをワイヤーで固定するだけでは架台中央付近の吹き上がりを防止できないことが挙げられる。ところで、日本国実用新案登録出願公開昭和 6 2年第 7 0 4 5 4号公報には、固定された架台において設置角度方向に張設されたワイヤ一に太陽電池パネルを取付ける構造のものが開示されている。この構造では、ワイヤーの両端は架台本体に緊結されており、太陽電池モジュールは張設されたワイヤ一に係止可能な状態で取付けられている。この場合、太陽電池モジュールが受ける風圧荷重をワイヤーで支えるため、定常的に高いワイヤーの引っ張り強度が必要となることと風圧荷重による微振動が避けられずワイヤ一本体および取り付け部における金属疲労による長期耐久性に問題がある。また、架台面積が大きくなると上記問題が加速度的に増大する。一方、日本国特許出願公開平成 8年第 2 8 4 3 5 1号公報に開示されているように、屋根瓦に設置する構造では、設置面に貫通したアンカーボルトにワイヤーを緊結し、そのワイヤーに架台を取り付けた構造がある。この場合、風等による架台の擦れ動きを防止するために屋根面に架台に取り付けた脚部を接着材にて固定する方法がある。この方法では、架台の取り付け荷重をワイヤーを通して屋根面を貫通したアンカ一ポルトで担保しているため貫通部分での防水構造に課題がある。また、ワイヤ一で固定した後、接着する場合、総ての個所において強固に均一に接着することは困難であり、過度の荷重が加わった場合、弱い個所が破壊される可能性がある。

本発明は、これらの現状を鑑み、植物と太陽電池双方の影の影響及びメンテナンス性に関する課題を解決し、コストゃ手間のかかる屋根面の局所的な防水処理を不要とし、また、架台中央付近の吹き上がりや定常的な荷重及び微振動等による脱落防止措置の長期耐久性低下を防止可能とする架台の設置構造を提供すること等により、略同一平面上に植物と太陽電池を併設しうる設置方法を提案するものである。発明の開示

本発明者らは鋭意研究の結果、以下の手段を見出すにいたつたものである。すなわち、本発明の第 1の緑化太陽電池複合システムは、同一屋根面上に太陽電池システムと植物群とを併設するシステムにおいて、太陽電池モジュール受光面の屋根面からの平均高さが植物群の平均高さより高い緑化太陽電池複合システムを内容とするものであり、これにより植物の影に起因する太陽電池の受光阻害を解決できる。

本発明の第 2は、該植物群の屋根面からの平均高さを a、該太陽電池モジュールの屋根面からの平均高さを b、最近接する該植物群と該太陽電池モジユールの投影距離を cとしたとき、下記式 1を満足する緑化太陽電池複合システムを内容とするものであり、これにより植物の影に起因する太陽電池の受光阻害及び太陽電池の影に起因する植物の受光阻害を解決するものである。

c ^ b— a · · · (式 1 )

本発明の第 3は、最近接する植物群と太陽電池モジュールの間及び又は太陽電池モジュール間、及び又は植物群間に断熱材及びまたは保湿性材料を敷設した緑化太陽電池複合システムを内容とするものであり、これにより植物や太陽電池のない部分にもヒートアイランド抑制効果を付与することが可能になる。本発明の第 4は、前記断熱材が、屋根面と断熱材表面の間に空隙を有するセメント質成形体である緑化太陽電池複合システムを内容とするものであり、また本発明の第 5は、保湿性材料が土、砂及びそれらの混合物である緑化太陽電池複合システムを内容とするものであり、本発明の第 3を安価に実現可能としうるものである。

本発明の第 6は、植物群が低木及びノ又は草であることを特徴とする緑化太陽電池複合システムであって、植物の影に起因する太陽電池の受光阻害を解決できる。

本発明の第 7は、同一屋根面上に太陽電池システムと植物群とを併設するシステムにおいて、植物群と太陽電池システムとが相対する少なくとも 1対の間に人間が歩行可能な領域を有する緑化太陽電池複合システムを内容とするものであって、メンテナンスを容易ならしめるものである。

本発明の第 8は、該人間が歩行可能な領域に斬熱材を敷設したことを特徴とする緑化太陽電池複合システムを、本発明の第 9は、断熱材が土、砂及びそれらの混合物、屋根面と断熱材表面の間に空隙を有するセメント質成形体である緑化太陽電池複合システムを、本発明の第 1 0は、断熱材の屋根面からの高さが、太陽電池モジュールより低い緑化太陽電池複合システムをそれぞれ内容とするものであって、メンテナンスのための歩行可能領域にもヒートアイランド抑制効果を付与することが可能になる。

本発明の第 1 1は、同一屋根面上に、架台を設置し該架台上に太陽電池モジユールを固定してなる太陽電池システムと植物群とを併設するシステムにおいて、該架台の少なくとも側面と植物群とが実質的に隣接した緑化太陽電池複合システムを内容とするものであって、太陽電池モジュールに起因する影が植物群の育成阻害になることを防止し、また植物の防風力によって太陽電池システムに作用する風圧力を低減せしめるものである。

本発明の第 1 2は、植物群の平均高さが太陽電池受光面の平均高さより低く、かつ架台側面の通風可能面積の半分以上を植物群が覆う緑化太陽電池複合システムを内容とするものであり、植物の防風力によってより確実に太陽電池システムに作用する風圧力を低減せしめるものである。

本発明の第 1 3は、近接する植物群と太陽電池モジュールの間、及び又は太陽電池モジュールの間、及び又は植物群間に断熱材を敷設し、かつ断熱材の屋根面からの高さが太陽電池モジュールより低く、断熱材が該太陽電池システムの通風可能面積の半分以上を覆う緑化太陽電池複合システムを内容とするものであって、断熱材の防風力によって太陽電池システムに作用する風圧力を低減せしめるものである。

本発明の第 1 4は、近接する植物群と太陽電池モジュールの間、及び又は太陽電池モジュールの間、及び又は植物群間に保湿性材料を敷設し、かつ保湿性材料の屋根面からの高さが太陽電池モジュールより低く、保湿性材料が該太陽電池システムの通風可能面積の半分以上を覆う緑化太陽電池複合システムを内容とするものであって、保湿性材料の防風力によって太陽電池システムに作用する風圧力を低減せしめるものである。

本発明の第 1 5は、前記太陽電池システムが、平板状の太陽電池の少なくとも 2辺に前記太陽電池を保持するフレームを設け、該屋根面と該フレームとを粘着材を介して固着してなるものである。

本発明の第 1 6は、前記太陽電池システムが、平板状の太陽電池の少なくとも 2辺に、前記太陽電池を保持するフレーム及び該フレームが固定された架台を設け、屋根面と該架台とを粘着材を介して固着してなるものである。

本発明の第 1 7は、前記粘着材が基材の両面に設けられてなるものである。本発明の第 1 8は、前記粘着材の主成分がブチル樹脂またはアクリル樹脂であるものである。

本発明の 1 9は、前記太陽電池システムに、屋根面上に太陽電池モジュールを固定するための架台を設けるとともに、該架台を、屋根面に対して粘着テープに'より固定し且つワイヤーにより脱落防止してなり、前記ワイヤーは、前記架台における屋根面に対し平行に存在する空隙を通して配置されているので、屋根面の防水性を低下させず、かつ台風時や地震時においても太陽電池モジュ —ルの屋根周囲への脱落を防止できる。また、屋根面の局所的な防水処理が不要で、ワイヤーが常時高強度に張られる必要が無いので定常的な荷重及び微振動等による脱落防止措置の長期耐久性低下が防止できる。さらに、架台中央付近の吹き上がりも防止できる。

本発明の 2 0は、前記ワイヤ一の両端を前記屋根面上の重量物に固定したので、防水層を貫通するワイヤー固定用アンカーボルト等の固定金具を設ける必要がなく防水性を維持できる。

本発明の 2 1は、前記重量物が、前記植物群を構成する植裁ユニットであるので、美観に優れ、かつ環境にやさしい架台が実現できる。

本発明の 2 2は、前記架台を屋根面に粘着テープで固定した後、前記ワイヤ一を架台の空隙に通し、さらに前記ワイヤ一の両端を重量物に固定することで確実かつ簡単に施工できる。

本発明の 2 3は、前記太陽電池システムに、屋根面上に太陽電池モジュールを固定するための架台を設けるとともに、該架台を、屋根面に対して粘着テープにより固定し且つ接着テープにより脱落防止してなり、前記接着テープは、前記架台に存在する空隙を通されているので、屋根面の防水性を低下させず、かつ台風時や地震時においても太陽電池パネルの屋根周囲への脱落を防止できる。また、屋根面の局所的な防水処理が不要で、接着テープが常時高強度に張られる必要が無いので定常的な荷重及び微振動等による脱落防止措置の長期耐久性低下が防止できる。

本発明の 2 4は、前記接着テープの両端を前記屋根面に接着固定したので、防水層を貫通するアンカーポルト等の固定金具が不要であるため防水性に優れ、さらに経済的な太陽電池設置構造が実現できる。

本発明の 2 5は、前記架台を根設面に粘着テープで固定した後、前記接着テープを架台の空隙に通し、さらに前記接着テープの両端を屋根面に接着固定することで、確実かつ簡単に施工できる。

本発明の 2 6は、前記ワイヤ一による脱落防止と前記接着テープによる脱落防止を併用することにより、粘着テープによる架台の設置面への固定が安定したものとなる等、より経済性及び信頼性に優れた架台設置構造とすることがでさる。

本発明の 2 7は、前記架台を屋根面に粘着テープで固定した後、前記接着テ —プを架台の空隙に通し、さらに前記接着テープの両端を屋根面に接着固定し、次に、前記ワイヤーを架台の空隙に通し、さらに前記ワイヤーの両端を重量物に固定することで、確実かつ簡単に施工できる。図面の簡単な説明

第 1図は太陽電池システムと植物群の配置を示す平面図、第 2図は屋根面からの太陽電池モジュール 1の高さ及び植物群 3の高さを示す斜視図、第 3図は太陽電池モジュールの取付構造を示す断面図、第 4図は同じく太陽電池モジュ —ルの他の取付構造を示す断面図、第 5図は同じく太陽電池モジュールの他の取付構造を示す断面図、第 6図は同じく太陽電池モジュールの他の取付構造を示す断面図、第 7図は太陽電池システムの矢視図、第 8図は第 3実施形態における太陽電池システムと植物群の配置を示す平面図、第 9図は太陽電池モジュ —ルの取付構造を示す断面図、第 1 0図は台座の断面図。発明を実施するための最良の形態

次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。まず、第 1図〜第 6図に基づき、本発明の第 1実施形態を説明する。

本実施形態の緑化太陽電池複合システム Sは、第 1図、第 2図に示すように、同一屋根面 4上に太陽電池システム 1 0と植物群 3とを併設するシステムであり、太陽電池モジュール 1の受光面の屋根面 4からの平均高さ bが植物群 3の平均高さ aより高いことを特徴とする。

ここで屋根は、ビル、家屋等を含む建築物の屋根を示すが、本発明の効果を最大限に発現せしめるためには傾斜の少ない屋根、すなわち屋根面が好ましい。植物群 3は、 1種類または 2種類以上の植物を示す。植物には広葉樹、常緑樹、 , ·落葉樹、針葉樹、竹等の樹木及び離弁花類植物、合弁花類植物、単子葉類植物、裸子植物、シダ植物、コケ植物、等が例示できる。本発明では比較的成長高さが低く、手入れが容易な植物が好ましく、特に多肉植物（サボテン）が好ましい態様の一つであり、ユリ科ハオルシア属、ユリ科ガステリア属、リュゥゼッラン科ァガべ属、メセン科リトップス属などが例示できる。最も好ましい植物としては、常緑多年草であり、特にベンケイソゥ科セダム属（学名セダム）が例示でき、さらに詳しくはリトルゼム、フィリオノマンネンダサ、玉蓮、玉菜、宝樹、大唐米、ヒントニー、プロリフェラ、銘月、ブレビフオリゥム、オーロラ、八千代、カメレオンなどが例示できる。また、植物の発病、色調等を考慮すると複数種の植物を設置することが好ましい。

太陽電池は、有機系、化合物半導体系、シリコン系などが例示でき、また形態別には結晶系、多結晶系、薄膜系などが例示でき、さらにはそれらの複合系、例えば結晶系と薄膜系の複合態様、多結晶系と薄膜系の複合態様も例示できる。後述のように太陽電池モジュール受光面の屋根面からの平均高さ bが植物群の平均高さ aより高いことを要件とする場合、太陽電池の設置傾斜角が低角度である方がより植物群の高さの選択自由度が増すことから、太陽光が低角度で入射する際にも発電効率が著しく低下しない太陽電池を選択することが好ましく、薄膜シリコン系及び薄膜シリコン系と多結晶シリコン複合系とが好ましい態様として例示できる。

太陽電池システム 1 0は、少なくとも太陽電池モジュールを含み、配線、太陽電池固定具または固定架台及び配線接続機材、インバーター、コンバータ一の全てまたは一部から構成され、太陽光をエネルギー源として発電された電力を長期間有効利用しうる形態を示す。

より詳しくは、第 4図や第 6図に示すように、平板状の太陽電池の少なくとも 2辺に、前記太陽電池を保持するフレーム 7及び該フレームを支持する架台 2が設けられ、屋根面 4と前記架台 2とが粘着材を介して固着されている。第 4図は、防水シ一ト 4 0上に両面テープ 8を用いて架台 2を固定しており、防水シート 4 0に何ら穴をあけることなく太陽電池モジュールを固定することができる。また、第 6図は、コンクリートブロック 5上の防水シート 4 0に架台 2を両面テ一プで固定する方法の例示である。このような太陽電池システムは、屋根面の防水性または防水に対する信頼性を低下させず、かつ、屋根のメンテナンス実施時に容易に取り外しが可能であるといった特徴を有する。

架台 2は、太陽電池モジュールを固定するための継子部やポルト穴等を有する金属材料やセメント成型物等の剛直体であり、太陽電池モジュールを固定するために複数個または複数種の材料を用いることも含まれる。一般的には、棒状材料の長手方向に太陽電池モジュールを複数枚固定し 1架台に複数の太陽電池モジュールを固定して用いられるが、 1架台に 1モジュールを取付ける方式も好ましい。

前記粘着材は、粘着性を有する有機物、無機物の総称であるが、より具体的にはアクリル系、ブチル系、. シリコン系、ウレタン系、天然ゴム系、合成ゴム系などが例示でき、本例においては、耐水性、高温安定性などの長期耐久性及びコス卜の点からアクリル系、ブチル系が最も好適である。両面テープ 8は、基材の両面に粘着材を設けたものであって、基材には樹脂フィルム、金属テープ、発泡樹脂、無発泡樹脂、不織布、紙などが例示できる。基材は、使用上の容易性、基材の弾力性、基材の強度、粘着材との相性の観点から適宜選択され、本例においては発泡樹脂または不織布が最も好ましい例示である。また、両面テープ 8に外力が作用した場合、基材と粘着材の界面における剥離が懸念されるため、基材と粘着材のなじみの良いものを選択すべきであって、この点で基材と粘着材が同種材料によって構成されることが好ましい。例えば、ァクリル系発泡体基材とァクリル系粘着材が好ましい組み合わせとして例示できる。また両面テープ 8は、基材に対して粘着材を塗布または圧着または熱融着または含浸して作成されるが、基材と粘着材を共押出するなどして、上記基材と粘着材の界面を実質的に無くすこともできる。粘着材の使用量、塗布面積または両面テープの使用量、貼り付け面積については、太陽電池システムが受ける風荷重、地震による振動荷重を計算、想定し適宜決定する必要がある。これにより、粘着材ゃ両面テープ 8に当接する架台底部の面積、フレーム底部の面積は、粘着材ゃ両面テープ 8を十分に貼り付けられるよう設計しなければならない。

本例では、一旦固定した架台 2やフレーム 7を、防水シート 4 0のメンテナンス等の目的で外すことが可能である。その際、例えば加熱した電熱線を粘着材にあて、部分的に軟化させながら外すことにより比較的に容易な作業となる。一方、接着剤で固定の場合、接着剤は硬化しているため取り外し作業は極めて困難となる点に注意すべきである。

尚、変形例として、第 5図に示すように架台を用いることなくフレーム 7を両面テープ 8で固定する方法、すなわち平板状の太陽電池の少なくとも 2辺に前記太陽電池を保持するフレーム 7が設けられ、該屋根面 4と該フレーム 7とが粘着材を介して固着されているものも好ましい。

また、第 3図に示すように、架台 2をアンカ一ポルト 6を用いて屋根面 4に固定し、太陽電池モジュール 1にフレーム 7を組み付けた太陽電池モジュールがポルト 2 1によって架台 2に固定したものであってもよい。

第 2図は、太陽電池モジュール 1の屋根面 4からの高さ及び植物群 3の高さを示しており、太陽電池モジュール受光面の屋根面からの平均高さ bは、太陽電池モジュールの最低高さを b 1、最高高さを b 2とした場合に、下記式 2で表される。

b = ( b l + b 2 ) / 2 · · · (式 2 )

また、植物群 3の屋根面 4からの平均高さ aは、各植物単体の高さの個数加重平均によって規定される高さである。太陽電池モジュール受光面の屋根面からの平均高さ bは、植物群の屋根面からの平均高さ aより高いことが好ましい。これは、植物群に起因する影が太陽電池モジュールの受光面に発生し、太陽電池モジュールが受光阻害をきたすのを防止するためである。また、第 1図に示す最近接する植物群と太陽電池モジュールの投影距離 cは、下記式 1を満たすことが好ましい。

c≥ b— a · · · (式 1 )

これは、上記式 1を満たさず、下記式 3を満たすこととなった場合、太陽電池モジュールに起因する影が植物群にかかり、植物群の育成阻害をきたすためである。

cく b — a · · · (式 3 )

図示しないが、植物群 3と太陽電池システム 1 0との間や、植物群 3、 3相互の間、太陽電池システム 1 0、 1 0相互の間には、メンテナンス時の通路として人間が歩行可能な領域が維持されており、当該領域には断熱材や保湿性材料が敷設され、ヒートアイランド抑制効果が付与されている。断熱材には、発泡体、例えば発泡スチレン、発泡エチレンプロピレン共重合体、発泡ウレタン等の有機物発泡体及びそれらに金属板、紫外線カット塗料、耐光性材料等を付与したもの、発泡セメント、軽石などの無機質発泡体などが例示でき、さらには中空セメント成型物、中空樹脂成型物、断熱ブロック、及び空気を内包するように積上げられた小石層などが例示でき、また、保湿性材料には、雨水を保持し、高温時に雨水の気化熱によって周囲を実質的に冷却せしめる材料であつて、吸水性ポリマ一、連通気泡発泡体、空隙を内包するように積層された粉末体などが例示できるが、価格、耐久性の観点から土や砂が好ましい。

次に、本発明の第 2実施形態を第 7図に基づき説明する。本実施形態の緑化太陽電池複合システム Sは、同一屋根面 4上に、架台 2を設置し該架台上に太陽電池モジュール 1を固定してなる太陽電池システムと植物群とが併設され、該架台 2の少なくとも側面と植物群 3とが実質的に隣接されている。そして、架台側面 2 0の通風可能面積の半分以上を前記植物群 3が覆うように設定され、太陽電池システムに作用する風圧力を植物の防風力によつて低減せしめるものである。

本実施形態の太陽電池システム 1 0と植物群 3の配置は第 1実施形態の第 1 図と同様であり、第 7図は、架台の側面及び架台側面の通風可能面積について説明図するための矢印 A方向の部分矢視図であり、架台側面 2 0は太陽電池列の側面を示している。

架台 2は、太陽電池モジュールを固定するための継子部やポルト穴等を有する金属材料やセメント成型物等の剛直体及び架台を屋根に固定するための継子部やポルト穴等を有する金属材料やセメント成型物等の剛直体であり、太陽電池モジュールを固定するために複数個または複数種の材料を用いることも含まれる。一般的には、棒状材料の長手方向に太陽電池モジュールを複数枚固定し 1架台に複数の太陽電池モジュールを固定して用いられるが、本発明においては 1'架台に 1モジュールを取付ける方式も含まれる。

太陽電池モジュール受光面の屋根面からの平均高さ bは、上記第 1実施形態と同様、植物群 3の屋根面からの平均高さ aより高いことが好ましい。これは、植物群に起因する影が太陽電池モジュールの受光面に発生し、太陽電池モジュ一ルが受光阻害をきたすのを防止するためである。

上述のごとく一般的に架台は、棒状材料を用い構成するので、架台側面 2 0 は通風可能状態であり、本実施形態ではこの面積を通風可能面積と称する。他方、架台側面の一部または全部が板材等で構成され通風不可能な場合には、架台側面面積の一部が通風可能面積となる。第 8図中に示す通風方向に垂直な方向にも通風は可能ではあるが、架台が棒状材料である場合、架台側面側の通風可能面積のほうが大きく、本発明の着眼する面となる。太陽電池システムは、太陽電池モジュール上面を通過する風により発生する負圧力を定量的に想定し，飛散を防止しうる強度で屋根に固定するよう設計、施工される。しかしながら、架台側面方向の通風によって発生する風圧力は定量的に想定しにくく、より安全率を考慮した強固な即ち高価な太陽電池システムの固定設計、施工となり経済的に問題となる。これを解決する方法として、架台側面を板材で覆い通風可能面積を低減することが例示できるが、以下 3点の問題がある。（ 1 )架台重量が増加し、屋根耐荷重上の問題が発生する可能性がある。（2 )架台が高価になる。（3 )太陽電池モジュールと屋根の間の空気が高温になり、屋内の冷房負荷が増加する。本実施形態によれば、植物群、断熱材、保湿材を架台側面に隣接配置するか、またはこれらを通風可能面積の半分以上を覆う状態に配置することにより、架台側面方向の通風によって発生する風圧力の問題は解決することが可能となる。

尚、図示しないが、植物群 3と太陽電池システム 1 0との間や、植物群 3、 3相互の間、太陽電池システム 1 0、 1 0相互の間には、上述の第 1実施形態と同様、断熱材や保湿性材料が敷設され、ヒートアイランド抑制効果が付与されているが、これら断熱材や保湿性材料の屋根面からの高さは、太陽電池モジユールより低く且つ太陽電池システムの通風可能面積の半分以上を覆うように設定され、太陽電池システムに作用する風圧力をこれら断熱材や保湿性材料の防風力によって低減できるように構成されている。

次に、本発明の第 3実施形態を第 8図〜第 1 0図に基づき説明する。

本実施形態の緑化太陽電池複合システム Sは、第 8図および第 9図に示すように、太陽電池モジュール 1を固定するための架台 2が、屋根面 4に対して粘着テープ 8 0により固定されているとともに、ワイヤ一 9によって脱落防止されている。具体的には、前記ワイヤー 9は、前記架台 2の屋根面 4に対し平行に存在する空隙 2 2 aを通して配置されており、これにより台風時や地震時においても太陽電池モジュール 1の屋根周囲への脱落をより確実に防止している, 架台 2は、架台レール 2 3および台座 2 2を含み、この架台 2に太陽電池モジュール 1が積載される。台座 2 2の上に架台レール 2 3がポルトにて固定され、その架台レール 2 3の上に太陽電池モジュール 1が積載される。この際、下地の不陸、つまり屋根面 4と最下層に位置する架台レ一ル 2 3との間が充分に接触しない状態の影響により架台レール 2 3の平行度が確保できない状況を避けるため適時硬質ゴムからなるシ一ト片をスぺ一サ一として、架台レール 2 3と台座 2 2の間に挿入することが好ましい。このことにより電池パネル 5及び架台レール 2 3等の荷重の不均一な分布による一部の台座 2 2への集中荷重が軽減され、安定した架台 2の屋根面 4への固定が可能となる。

前記台座 2 2に設けられた空隙 2 2 aにワイヤ一 9を通しその両端を屋上緑化システム 3 0の植物群 3を構成する植裁ュニット 3 1の外周部のような屋根面 4上の重量物の適切な個所に固定する。ワイヤー本数は架台レール 2 3の長さあたりその長さ方向に直行する方向に複数本張り設けることができるが、頑丈なワイヤーであればレール 2 3の両端の台座 2 2の空隙 2 2 aに 1本づつの 2本で片持ち無く安定していて充分であり、レール 2 3の中央の台座 2 2の空隙 2 2 aに通すのであれば 1本でも良い。

重量物は、前記植栽ユニット 3 1以外に、コンクリートもしくは金属塊などからなるものであっても、前記ワイヤー 9の両端に配置され、その自重により台風時や地震時に架台 2が移動したり破壊されたりして太陽電池モジュール 1 の脱落を防止できるものであれば良い。一般的に、建物の耐荷重は 1 8 0 k g Zm ²以下であり、前記重量物、架台 2及び太陽電池モジュール 1の総重量としで'ほ、建物の屋根面の総面積に前記耐荷重を乗じた重量以下に設定する必要がある。一方、太陽電池モジュール 1の脱落防止の目的からは、前記総重量として、架台総面積で受ける吹き上げ荷重の 1 0 %以上の重量を確保する必要がある。前記ワイヤー 9は屋根面 4上に設置された重量物に固定されるため、屋根面 4の防水層を破る必要が無く、防水層の補修工事が発生しないため経済的である。

屋上緑化システム 3 0は、ヒートアイランド対策としてビル屋上一面を植物で覆うシステムであり、直射太陽光の遮蔽効果によりビル屋上のコンクリートの蓄熱を防止でき、美観にも優れたシステムである。また、緑の少ない都市において屋上緑化システムは環境にやさしい空間を提供する。屋上緑化システム 3 0は植物群 3からなり、より具体的には土壌と植物を組み込んだ植栽ュニット 3 1を屋根面上に複数並べて構成される。植物群 3の植物については上述の第 1実施形態の場合と同様である。植栽ユニット 3 1は、一般的に台風時飛散しないよう四隅を取付金具で屋根面 4上に固定されており、また複数個の植栽ュニット 7が一体化した構造となつている。したがって、一体化した植栽ユニット 7を前記重量物として使用でき、 3 0 k g /m ²から 6 0 k g /m ²の重量を確保することができ、また、重量物として屋上緑化システムを使用することは、新たに重量物を準備する必要が無いので工事用資材の低減につながり経済的でもある。

ワイヤ一 9は、日本工業規格 J I S G 3 5 4 9に記載の構造用ワイヤーロープが強度及び耐久性の面から好ましい。なお、このワイヤー 9は強く張られる必要はなく、弛みが無い状態で両端が固定されていればよい。このワイヤ一 9を使用する目的は、粘着テープで固定されている台座が不測の原因によりその固定強度が著しく低下した場合、台風時架台の脱落防止をするためある。太陽電池モジュール 1は、架台レール 2 3上にポルトで固定して取り付けられる。太陽電池モジュール 1の設置角度は、風荷重の軽減のため水平面に対して 1 0度以下の低角度が望ましい。また、太陽電池モジュール 1表面は絶えず埃等の堆積の影響を受けるので、降雨により自然にそれらが流れさり掃除等のメンテナンスを不要とするために、 1度以上の設置角度とすることが好ましい。従って、低角度による風荷重の低減と、降雨による自然の洗浄効果とが共に達成できる、 2度〜 8度の設置角度が、最も好ましい。太陽電池については上述の第 1実施形態と同様である。

台座 2 2は、空隙 2 2 aを有した構造をしている。この空隙 2 2 aは、太陽電池モジュール 1の傾斜方向に開口するように取り付けることが、ワイヤー 9 による突風時の風荷重に対する予備的な強度確保の点から望ましい。台座 2 2 の下面は屋根面 4に粘着テープ 8 0で固定され、その上面にはボルトにて架台レール 2 3が固定される。つまり、台座 2 2は、架台レール 2 3を屋根面 4に固定する機能を有している。また、台座 2 2の表面処理として日本工業規格（ J I S ) に準拠した塗膜構成となっていることが好ましい。台座 2 2の粘着テ一プ 8 0が粘着される表面は、その粘着強度およびその粘着強度の長期耐候性に大きく影響するので、クリアコート処理したものであることが望ましい。前記台座 2 2は、建築基準法に基づく太陽電池モジュール 1及び架台 2を含む太陽電池システム全体の吹き上げ荷重を担保する粘着強度を確保するための屋根面 4との粘着面積がその個数に台座 2 2の下面面積とを乗じた面積で確保されている必要がある。なお、台座 2 2の材料としては、構造強度と長期耐候性を確保できるものとして、アルミニウム、ステンレススティール、溶融亜鉛メツキ鋼材、高強度ブラスティックがあるが、アルミニウムが加工性や経済的に最も好ましい。本発明に使用する台座 2 2は、前述したワイヤ一 9による脱落防止機能を発揮されるために、空隙 2 2 aを有する構造となっているが、この空隙の断面としては作業のし易さ、コスト及び粘着強度の点から底辺が長く、面積が 1 0 c m ²以上の台形形状とすることが好ましいが、本発明の空隙はこれに限定されず、ワイヤーや接着テープを係止できる係止部であればよく、上方に開放されている凹溝等であってもよい。

屋根面 2には防水処理としてはアスファルト防水層 4 1が設けられており、この防水層 4 1は屋根面の表面に強固に形成される必要がある。前記ァスファルト防水層 4 1の上面には、 P E Tからなるシート層 4 2がブチル系接着剤を用いて一面に強固に接着されており、さらに、プライマー処理して形成されることが好ましい。このプライマ一処理は、前記粘着テープの屋根面 4への粘着強度を確保するために好ましく施される。また、粘着強度を確保する観点からは、その他の処理が施されていても、または異なりまたは更なる最表層層が形成されていてもかまわない。

粘着テープ 8 0は、アクリル系、難燃アクリル系、合成ゴム系から選ばれる少なくとも一つよりなり、接着強度、耐候性の点よりアクリル系が好ましい。また、粘着テープの厚みは基材の厚みにより選定可能であり 5 mm以下であるが、粘着強度確保及び経済性の観点より 0 . 8〜2 mmが特に望ましい。典型的な構造としては、前記シート層 4 2に押し出し成型されたアルミ製の台座 2 2がこの粘着テープ 8 0により強固に固定される。粘着テープ 8 0は貼り付け時面圧を適時かける必要がある。

本実施形態に係る緑化太陽電池複合システム Sの具体的な実施例を示せば、以下のようになる。

ビル屋上のほぼ水平な屋根面 4はアスファルト防水層 4 1が強固に形成されてなり、さらに、前記アスファルト層 1の上面には、 P E Tからなるシート層 4 2がブチル系接着剤を用いて一面に強固に接着され、さらに、最表面はブライマ一処理して形成される。このプライマ一処理は、粘着テープ 8 0の接着強度を確保するためのものである。

まず、厚みが l mmの難燃アクリル系粘着テープ 8 0を用いて、前記シート層 4 2に、ワイヤ一 9を通す空隙を有し、押し出し成型されクリアコート表面処理されたアルミ製の台座 2 2がこの粘着テープ 8 0により強固に固定する。粘着テープ 8 0は屋根面 4への貼り付け時台座 2 2上から面圧をかけて粘着される。この台座 2 2を、太陽電池モジュール 1の傾斜面の向きに開口部を向ける方向で取り付ける。また、この台座 2 2の屋根面 4へ接する面は、建築基準法に基づく吹き上げ荷重を担保する強度を確保するための接着面積として 2 0 0 c m ²としており、前記粘着テープ 8 0が有効に粘着に寄与する有効接着面積として 5 0 %として設計されている。

次に、台座 2 2の上面にはポルトにて架台レール 2 3が固定する。この際、不陸の影響を緩和し架台レール 2 3の平行度を確保するため硬質ゴムからなるシ一ト片をスぺーサ一として、架台レール 2 3と台座 2 2の間に必要に応じて挿入する。続いて、前記台座 2 2の空隙 2 2 aにワイヤー 9を通し、その両端を屋上緑化システム 3 0の植物群 3を構成している連結された植裁ュニット 3 1の外周部の適切な個所に固定する。ワイヤー本数は架台レール 2 3の長さあたり 4本が設置されている。その後、前記架台レール 2 3の上に太陽電池モジユール 1を積載する。本具体例により、防水層への影響がなく、しかも経済的に架台の脱落防止機能が達成される。

その他の実施例としては、上記架台レールの台座 2 2へのポルトによる固定の後、ワイヤー 9を空隙 2 2 aに通す前に、さらに、一部の前記台座 2 2の空隙 2 2 aを通した接着テープ 8 1の両端を屋根面 4に接着固定することが好ましい。これにより、防水層への影響がなく、しかも経済的に架台の脱落防止機能が達成される。接着テープ 8 1は、アクリル系、難燃アクリル系、合成ゴム系から選ばれる少なくとも一つよりなり、ブチル系、エポキシ系などの接着材がその片面に塗布されてなるテープである。また、アルミニウムや溶融亜鉛メツキされた金属板の片面の少なくとも両端に前記粘着テープまたは前記接着材を貼付したものを用いても良い。その他、ワイヤーは用いることなく、その代わりに接着テープを用いたものも好ましい実施例である。産業上の利用可能性

以上にしてなる本発明によれば、同一屋根面上に太陽電池システムと植物群とを併設する緑化太陽電池複合システムにおいて、植物群の影による太陽電池の発電阻害を防止できる。

また、太陽電池の影による植物群の発育阻害を防止できる。

また、架台側面方向の通風によって発生する風圧力の問題は解決し安価な架台を提供できる。

Claims

言青求の範囲

1 .同一屋根面上に太陽電池システムと植物群とを併設するシステムにおいて、太陽電池モジュール受光面の屋根面からの平均高さが植物群の平均高さより高いことを特徴とする緑化太陽電池複合システム。

2 . 該植物群の屋根面からの平均高さを a、該太陽電池モジュールの屋根面からの平均高さを b、最近接する該植物群と該太陽電池モジュールの投影距離を cとしたとき、下記式 1を満足することを特徴とする請求項 1に記載の緑化太陽電池複合システム。

c≥ b— a · · · (式 1 )

3 . 該最近接する該植物群と該太陽電池モジュールの間、及び又は太陽電池モジュール間、及び又は植物群間に断熱材及びまたは保湿性材料を敷設したことを特徴とする請求項 2記載の緑化太陽電池複合システム。

4 . 該断熱材が、屋根面と断熱材表面の間に空隙を有するセメント質成形体であることを特徴とする請求項 3に記載の緑化太陽電池複合システム。

5 . 該保湿性材料が土、砂及びそれらの混合物であることを特徴とする請求項 3に記載の緑化太陽電池複合システム。

6 . 該植物群が低木及び又は草であることを特徴とする請求項 1〜 5のいずれかに記載の緑化太陽電池複合システム

7 .同一屋根面上に太陽電池システムと植物群とを併設するシステムにおいて、該植物群と該太陽電池システムとが相対する少なくとも 1対の間に人間が歩行可能な領域を有することを特徴とする緑化太陽電池複合システム。

8 . 該人間が歩行可能な領域に断熱材を敷設したことを特徴とする請求項 7に記載の緑化太陽電池複合システム。

9 . 該断熱材が土、砂及びそれらの混合物、屋根面と断熱材表面の間に空隙を有するセメント質成形体であることを特徴とする請求項 8に記載の緑化太陽電池複合システム。

1 0 . 該断熱材の屋根面からの高さが、太陽電池モジュールより低いことを特徵とする請求項 9記載の緑化太陽電池複合システム。

1 1 . 同一屋根面上に、架台を設置し該架台上に太陽電池モジュールを固定してなる太陽電池システムと植物群とを併設するシステムにおいて、該架台の少なくとも側面と植物群とが実質的に隣接してなることを特徴とする緑化太陽電池複合システム。

1 2 . 該植物群の平均高さが該太陽電池受光面の平均高さより低く、かつ架台側面の通風可能面積の半分以上を植物群が覆うことを特徴とする請求項 1 1に記載の緑化太陽電池複合システム。

1 3 . 近接する植物群と太陽電池モジュールの間、及び又は太陽電池モジユールの間、及び又は植物群間に断熱材を敷設し、かつ該断熱材の屋根面からの高さが太陽電池モジュールより低く、該断熱材が該太陽電池システムの通風可能面積の半分以上を覆うことを特徴とする緑化太陽電池複合システム。

1 4 . 近接する植物群と太陽電池モジュールの間、及び又は太陽電池モジュ一ルの間、及び又は植物群間に保湿性材料を敷設し、かつ該保湿性材料の屋根面からの高さが太陽電池モジュールより低く、該保湿性材料が該太陽電池システムの通風可能面積の半分以上を覆うことを特徴とする緑化太陽電池複合システム。

1 5- 前記太陽電池システムが、平板状の太陽電池の少なくとも 2辺に前記太陽電池を保持するフレームを設け、該屋根面と該フレームとを粘着材を介して固着してなる請求項 1〜 1 4のいずれか 1項に記載の緑化太陽電池複合システム。

1 6 . 前記太陽電池システムが、平板状の太陽電池の少なくとも 2辺に、前記太陽電池を保持するフレーム及び該フレームが固定された架台を設け、屋根面と該架台とを粘着材を介して固着してなる請求項 1〜 1 4のいずれか 1項に記載の緑化太陽電池複合システム。

1 7 . 前記粘着材が基材の両面に設けられてなるものである請求項 1 5又は 1 6記載の緑化太陽電池複合システム。

1 8 . 前記粘着材の主成分がブチル樹脂またはアクリル樹脂である請求項 1 5 〜 1 7のいずれか 1項に記載の緑化太陽電池複合システム。

1 9 . 前記太陽電池システムに、屋根面上に太陽電池モジュールを固定するための架台を設けるとともに、該架台を、屋根面に対して粘着テープにより固定し且つワイヤ一により脱落防止してなり、前記ワイヤーは、前記架台における屋根面に対し平行に存在する空隙を通して配置されている請求項 1〜 1 8の何れか 1項に記載の緑化太陽電池複合システム。

2 0 . 前記ワイヤーの両端を前記屋根面上の重量物に固定してなる請求項 1 9 記載の緑化太陽電池複合システム。

2 1 . 前記重量物が、前記植物群を構成する植裁ユニットである請求項 2 0記載の緑化太陽電池複合システム。

2 2 . 前記架台を屋根面に粘着テープで固定した後、前記ワイヤーを架台の空隙に通し、さらに前記ワイヤ一の両端を重量物に固定してなる請求項 2 0又は 2 1記載の緑化太陽電池複合システム。

2 3 . 前記太陽電池システムに、屋根面上に太陽電池モジュールを固定するための架台を設けるとともに、該架台を、屋根面に対して粘着テープにより固定し且つ接着テープにより脱落防止してなり、前記接着テープは、前記架台に存在する空隙を通されている請求項 1〜 1 8の何れか 1項に記載の緑化太陽電池

2 4 . 前記接着テープの両端を前記屋根面に接着固定してなる請求項 2 3記載の緑化太陽電池複合システム。

2 5 . 前記架台を根設面に粘着テープで固定した後、前記接着テープを架台の空隙に通し、さらに前記接着テープの両端を屋根面に接着固定してなる請求項 2 3又は 2 4記載の緑化太陽電池複合システム。

2 6 . 請求項 1 9〜 2 1の何れか 1項に記載の緑化太陽電池複合システムであつて、さらに、前記架台に存在する空隙を通された接着テープにより架台が脱落防止されてなることを特徴とする緑化太陽電池複合システム。

2 7 . 前記架台を屋根面に粘着テープで固定した後、前記接着テープを架台の空隙に通し、さらに前記接着テープの両端を屋根面に接着固定し、次に、前記ワイヤ一を架台の空隙に通し、さらに前記ワイヤーの両端を重量物に固定してなる請求項 2 6記載の緑化太陽電池複合システム。