WO2000050206A1

WO2000050206A1 - Bobine d'enroulement, enrouleuse de placage, dispositif de fourniture de bande a un rouleau de placage, dispositif de deroulement de rouleau de placage, et procede de fabrication de contreplaque

Info

Publication number: WO2000050206A1
Application number: PCT/JP2000/000030
Authority: WO
Inventors: Youichi Ohshio; Yasuyuki Ohdaira; Akihiro Mizuno; Shinichi Nakagawa; Yasuyuki Kohara; Mitsumasa Narita; Hideki Kawamori; Reiji Yamada; Masanori Murakami; Kazumi Sugiyama; Tomoharu Okada
Original assignee: Kabushikikaisha Taiheiseisakusho
Priority date: 1999-02-25
Filing date: 2000-01-07
Publication date: 2000-08-31
Also published as: HK1086807A1; KR100686613B1; US6557795B1; MY138523A; KR100686615B1; US20030038207A1; MY143319A; EP1122041A4; EP1980515B1; US6629661B2; DE60039576D1; EP1980514A2; US6607159B2; CN1269622C; HK1037990A1; EP2181949B1; HK1086809A1; MY143461A; EP2181949A2; MY143933A

Description

明細書巻取りリール、ベニヤ単板の卷取り装置、ベニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置、ベニヤ単板卷玉の卷戻し装置及び合板の製造方法技術分野

本発明は、ベニヤレースによって切削された湿潤状態のベニヤ単板、あるいはこの湿潤状態のベニヤ単板をべニヤドライヤによつて乾燥した乾燥後のベニヤ単板を、卷取る卷取りリールと、このべニヤ単板を卷取るベニヤ単板卷取り装置と、卷玉にされるベニヤ単板間にテープを供給するべニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置と、卷取りリ一ルに卷取られたベニヤ単板の卷玉を次段工程へ自動的に卷戻す装置と、合板の製造方法に関するものである。発明の開示

そこで、本発明の課題の 1つはべニヤレースによって切削された湿潤状態のベニャ単板、あるいはこの湿潤状態のベニヤ単板をべニヤドライヤによって乾燥した乾燥後のベニヤ単板を卷取る卷取りリールと、その繊維方向に対する割れ、裂け等の発生を抑えながら円滑に卷取りリールに卷取る卷取り装置を提供するものである。また、本発明の課題の 1つは、卷テープからベニヤ単板間にテープを繰り出し、任意のタイミングで切断できるベニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置を提供することにある。さらに、本発明の課題の：つは、卷取りリールに卷取られたベニヤ単板の卷玉を次段工程へ自動的に卷戻しながら折り返す巻戻し装置を提供することにある。

本願発明者の実験による知見では、乾燥前のベニヤ単板、すなわち、原木から切削直後のベニヤ単板の卷取りに使用されている卷取りリール（直径 1 6 5删）を、乾燥後のベニヤ単板の卷取りにそのまま使用すると、その細い直径になじまず、その単板厚みに比して小さな曲率であればあるほど、繊維と平行する部分からの割れが発生しやすくなり、卷取りリール自体に卷き付けることが不可能となることが多かった。特に、乾燥後に発生した、割れ目、切れ目等がベニヤ単板に存在すると、当該部分から裂断することになる。本発明者等は実験による知見にて、乾燥後のベニヤ単板を卷取る巻取りリールの直径を 3 0 O ran以上として求め、一方、卷取られるべニヤ単板厚みに応じた曲率となる直径を、卷取りリールの直径 D /卷取られるベニヤ単板厚み Tの算式で得た。これらによれば、巻取りリールの直径をべニヤ単板厚みの 8 5倍以上、かつ 3 0 O mm以上とすることにより、乾燥後のベニヤ単板を良好に巻取ることができる。

本発明の卷取りリールの構成によれば、卷取りリール自体の重量を軽減することができ、卷取りリールの搬送時、ベニヤ単板卷取り時、リーリングデッキの卷玉ストツクエリヤでの保管時等における動力負担の軽減化が図れる。また卷取りリールの卷取り面に卷取られたベニヤ単板には、径方向において、通気連通部を介して卷取りリールの內部に形成される空隙と連通しており、また、リール軸に取り付けられたベニヤ単板を卷取る支持部に開口部を形成して、空隙を軸芯方向において連通させて、ベニヤ単板の卷取り面と巻取りリール内部の空隙と卷取りリール外の大気とを連通状態としているので、通気性が図られることになる。したがって、乾燥後のべニヤ単板に内在する熱気、湿気等を多数の開口部から大気へ放散させ、卷取られたベニヤ単板を貯留している間に平衡含水率化を促進させることができる。

この卷取りリールにおいては、ベニヤ単板の卷取り幅に相当する長さ間隔内の各鍔が、ベニヤ単板の卷取り支持部として使用され、卷取りリールに卷取られ、卷玉化される。このとき、各鍔間隔内の空気は、各鍔に形成された各開口部を介して、両側に位置する鍔の開口部より大気へ放散される。したがって、乾燥後のベニヤ単板に内在する熱気、湿気等は、各鍔間隔内から各開口部を経て、両側に位置する鍔の開口部より大気へ放散され、逆に大気からの新鮮な空気は各鍔の開口部より、卷取りリールの内部に流入することになる。

そして、乾燥後のベニヤ単板を 2枚重ねとして上記の卷取りリールに糸部材をガイドとして巻き付けて巻取り、仕組み卷玉としている。これは合板の表板と裏板の仕組みに対処したものであり、繊維方向を同方向としたべニヤ単板を 2枚重ねとしたものである。この 2枚重ねとするベニヤ単板は、板種を相違したもの、好適には、表板と裏板の各板種としている。また、表板と裏板とは等級的にはほぼ同一であるので、表板用の同一の板種を 2枚重ねとしたり、逆に裏板用の同一の板種を 2枚重ねとすることもめる。

また、乾燥後のベニヤ単板を 2枚重ねと 1枚を 1組として交互に、上記の卷取りリールに糸部材をガイドとして巻き付けて卷取り、仕組み卷玉としている。これは 5層合板の仕組みに対処したものであり、繊維方向を同方向とした 3枚のベニヤ単板のうち、 2枚を重ね、 1枚を単一としたものを 1組としたものである。これら 3 枚のベニヤ単板は、板種を相違したもの、好適には、表板と裏板と中芯板の各板種とし、表板と裏板を 2枚重ね状態で、また中芯板を 1枚とし、これらを交互に巻き付けている。また、表板と裏板とは等級的にはほぼ同一であるので、表板用の同一の板種を 2枚重ねとしたり、逆に裏板用の同一の板種を 2枚重ねとすることもある。また、本発明の卷取り装置は、ベニヤ単板卷取り位置に回転可能に設置された上記の卷取りリールと、この卷取りリールの下面に位置して駆動を伝達する変速可能なドライブロールと、前記べニヤ単板卷取り位置の上流に設置されたべニヤドライャと、このべニヤドライヤの終端と前記べニヤ単板卷取り位置のドライブロールの間に設置された接続コンペャと、前記卷取りリールの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構とを備えて成り、ベニヤドライヤで乾燥された連続状のベニヤ単板を、巻取りリールの長手方向に亙って複数列の糸部材をガイドとして巻き付けることによって構成することも可能である。また、本発明の卷取り装置は、ベニヤ単板卷取り位置に回転可能に設置された上記の卷取りリールと、この卷取りリールの下面に位置して駆動を伝達する変速可能なドライブロールと、前記べニヤ単板卷取り位置の上流に設置されたべニヤドライャと、このべニヤドライヤの終端と前記べニヤ単板卷取り位置のドライブロールの間に設置された方向変換コンペャと、卷取りリールの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構とを備えて成り、ベニヤドライヤで乾燥された非連続状のベニヤ単板を、卷取りリールの長手方向に亘つて複数列の糸部材をガィドとして卷き付けることによって構成することも可能である。

卷取り案内部材は、例えば、基端部と中間部と先端部の少なくとも 3点に位置するアーリに各々卷掛けされる複数列の無端帯によって構成されている。各無端帯はその基端部のフ ^:一リにおいてベニヤ単板を搬送する搬送コンペャの先端部と連係している。また、前記追従手段によって卷取りリール方向へ先端部のプーリが旋回されるとき、卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って押し付け状態とされる。なお、各無端帯は基端部のフ:一リと先端部のブーリ間に無端状に掛け渡されたべルト状のものであるが、等径のブ一リ間に掛け渡されたものでなく、基端部のブーリを先端部のプーリに比して大径としている。したがって、各プーリの半径差分だけ、無端帯を卷取りリールの外周下部に押し付けたときに余裕が生じ、卷取りリールの外周下部に無端帯を或幅の面状で押し付けることができる。この面状に押し付けることにより、無端帯と卷取りリ一ルの下部との面状の接触面積が増大してより多くの摩擦力を発生させることができ、巻取りリールへベニヤ単板を安定的に卷取ることが可能となる。さらに、基端部のプーリと先端部のプーリを支持する支持腕は中間域から先端に向かって上方へ屈曲状に形成されているので、卷取りの進行に伴って卷玉径が増加するにつれ、各無端帯の上部軌道の下端と支持腕の上端が干渉して当接したり、無端帯が回動停止する等の不都合は回避され、卷取りリルへのベニヤ単板の卷取りを確実としている。また、卷取り案内部材が卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って押し付け状態とされるとき、その回転力を許容しながらこの卷取り案内部材を構成する無端帯にある圧力下で押し付け、又は引っ張られる回転プーリを備え、巻取り案内部材を一定の張力で緊張状態に維持している。したがって、卷取り案内部材はべニヤ単板に対してほぼ同一の摩擦力を付与して卷取りリールの曲率に沿わせることが可能となり、安定した巻取り作業が遂行できる。

特に、前記回転プーリを、その回転力を許容しながらこの卷取り案内部材を構成する複数列より成る無端帯の各々に対し、ある圧力下で押し付け、又は引っ張られるように個別に設置することも可能である。このように各無端帯に別個独立した緊張手段を設置すれば、例えば卷取りリールの自重撓みが発生していたり、ベニヤ単板に厚みの相違があつたとしても、各列の巻取り案内部材を同一の緊張状態に維持して、巻取りリールの軸芯方向のいずれの部位におけるベニヤ単板にもほぼ同一の摩擦力を付与することが可能となる。

本発明のベニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置によれば、卷テープは搬送手段上において前方ストッパ部材によってテープ繰り出し方向への移動が規制され、位置を規制された卷テープから繰り出したテープを、卷取りリールに巻取られて卷玉となるベニヤ単板間に挿入することが可能となる。そして、ベニヤレースによって原木が剥かれる速度に同調してベニヤ単板が卷玉化されるとき、卷テープから繰り出されたテープを卷テープと卷玉との間で緊張状態とすることが可能である。繰り出されたテープ面には切断具の切断部位が摺接して卷テ一プはその移動を規制された位置でテーアの繰り出し回転を停止することができる。

また、上記べニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置は、

卷取りリールによって卷き取られるベニヤ単板間に挿入されるテープを繰り出す装置であって、

前記テ一ブをその供給元から前記べニヤ単板間に導く負圧吸着コその供給元において前記負圧吸着コンベアのテープ供給方向とほぼ直角な方向に移動可能に配置されるとともに、前記テープを卷いた卷テープを個別に格納して各テーアの両側側方への倒れを防止する仕切部によって仕切られた複数のテープ格納部を有し、それらテープ格納部が前記負圧吸着コンベアの搬送路上に順次位置するように、それらテープ格納部の形成ピッチで間欠的に移動させられ、あるテープ格納部が前記負圧吸着コンベアの搬送路上に位置した状態で、そのテープ格納部の前方は開放され、前記卷テープを前記仕切部によって両側側方への倒れを防止しつつ繰り出し回転可能に保持するテ一ブラックと、

前記負圧吸着コンベアの搬送路上において前記テ一ブラックの下流に隣接して配置され、前記テープラックのあるテープ格納部が負圧吸着コンベアの搬送路上に位置したとき、そのテープ格納部にある卷テープが前記仕切部から外れない範囲で前方へ移動した後にその移動を止め、以後はその位置で前記負圧吸着コンベアにより前記卷テープが繰り出し回転してテープが繰り出されるように前記卷テープの位置を規制する前方ストツバ部材と、

前記搬送手段の先端部より突出した位置に設置されたテ一プ切断具と、前記前方ストツバの上流位置において前記卷テープの回転を停止させる卷テープ回転停止手段と、

を備えて構成することも可能である。

このようにテープラックを用いて、その仕切部によって卷テープの側方への倒れを防止するとともに、その卷テープの繰り出しが終われば、テープラックを所定ピツチ移動させて次の巻テープを供給することができる。この場合、前方ストツバ部材はテープラックとは別個独立に、例えば位置固定に設けることができる。

また、前方ストツバ部材は卷テープと滑り接触して、卷テープの前方への移動を防止しつつその繰り出しを許容するものでもよいが、遊転口一ラタイブのストツバとすれば、卷テープと転がり接触することになり、両者の抵抗が減じてより好ましいといえる。また、そのような遊転口一ラストッパを例えば卷テープの径が大きいときにその卷テープに接するものと、径が小さいときに卷テープに接するものとを個別に設けることもできる。

また、ベニヤ単板の卷取りを中断あるいは終了するときには、卷テ一プはその前方への移動を規制されている位置において、テープの繰り出し方向と交差する一方の側面を他方の側面から押し付けることによってその回転が停止される。この場合、巻テープの回転を停止させる手段としては、前記前方ストツパの上流位置において、テーアの繰り出し方向と交差する方向の一側に前記搬送手段を構成する負圧吸着コンベアのフレームより卷テープの一方の側面を受け止める受け部材を設置し、また、前記フレームに設置されたシリンダに押し付け部材を接続し、この押し付け部材を卷テーアの他方の側面に対して押動可能としている。そして、ベニヤ単板の卷取りを中断させたりあるいは終了させるときに、押し付け部材を卷テープの他方の側面へ当接させて卷テープを受け部材に対して押し付けることによってその回転を停止させる。

また、テープを切断するための切断具は、前記搬送手段の先端部より突出した位置に設置されて、前記テープの繰り出し方向と交差する方向へ切断部位が配置されるとともに前記テープに接触する方向へ移動可能とされ、その移動機構によって繰り出されるテープ面に前記切断部位が摺接状態となる。そして、その摺接状態を良好とするためには、例えば、搬送手段を 1支点まわりに回動（スイング）するものとし、これによりテープ切断具の切断部位はテープへの摺接状態からテープ面への喰い込み状態となる _c

そして、巻テープの回転停止とほぼ同期してベニヤレースの駆動も停止されるのであるが、ベニヤ単板卷取り位置において卷取りリールは慣性に伴う回転運動が継続することになる。したがって、卷テープからのテープの繰り出しが停止されるにも拘らず、テープは慣性に伴う回転運動する卷取りリールに引っ張られることになり、引っ張られたテープはその一番脆弱な箇所、すなわちテープ切断具の切断部位がテープ面と摺接している箇所が切断されることになる。

また、繰り出されたテープがねじれると、その接着面が反転してトラブルを生ずることがある。これを防ぐために、テープを送る搬送手段の先端部に、そのテープに接して、そのテープ面のねじれを矯正する又は防ぐへら状の部材からなる反転防止部材を設けることもできる。反転防止部材は搬送手段の先端からベニヤ単板に突き出すようにして、ベニヤ単板間にテープが挿入されたときからテープが切断されるまで継続的、かつ定期的にへら状の部材を前進させて卷テープから繰り出されているテープを卷玉面へ押し付ける。このようにすれば、卷テープから繰り出されるテープが正常な状態で挿入されていても、この挿入途上において偶発的に発生する正常な状態から反転して挿入される現象を未然に防止できる。

本発明のベニヤ単板卷玉の卷戻し装置において、駆動案内帯は、巻戻し位置の下方に位置する支持軸の軸芯方向に任意の間隔を置いて複数個固着された基端部プ一リと、この基端部プーリと同数だけ配置されて先端を自由端とした先端プーリとの間にベルト等の無端帯を卷掛けして構成されている。そして、この駆動案内帯は支持軸を支点として先端プーリ部分が旋回可能となって、卷戻し位置に回転可能に設置されている巻取りリールに巻き付けられた卷玉の外周の下面に接近 ·離間することになる。

また、この駆動案内帯の折り返し側、すなわちベニヤ単板を折り返してその表裏が反転される基端部プーリ側には、その直径より大とした中継プーリを基端部ブーリが固着されている支持軸に回転可能に設置する。好適には、この中継プーリは、前記基端部ブ一リが固着されている軸にこの基端部ブーリと横方向に並んだ状態で遊転自在に複数個取り付けられ、その折り返し部の対向する側には折り返し案内部材が設置されている。この折り返し案内部材は、好適には、前記中継プーリの曲率に沿った円弧形状をその外側対向面に有した枠体にプーリを複数個支承して、これらフ一リ間に無端帯を卷掛けして構成されている。このプーリ間に卷掛けされた無端帯は前記中継アーリの個数に相当してその中継プーリが設置されている位置に対向して用意され、この中継プーリのベニヤ単板折り返し側の外周面に摺接している。これら無端帯は駆動案内帯上を搬送されるべニヤ単板の搬送速度とほぼ同一速度で折り返し方向へ回動する。そして、駆動案内帯が支持軸を支点として旋回して卷玉の外周下部の一部に当接して駆動案内帯を回動させるとき、卷玉に掛かる駆動案内帯の摩擦力によってべニヤ単板を卷戻す。卷戻されたベニヤ単板は駆動案内帯上を搬送されて、その折り返し部にいたるときに駆動案内帯上から中継プーリに乗り移り、折り返し案内部材の無端帯の駆動を受動して中継プーリと無端帯とによって挟まれながら折り返され、その表裏が反転される。

このように、駆動案内帯の搬送速度と、その折り返し部において折り返し案内部材を構成する無端帯と中継ブーリとの間でベニヤ単板を挟みながら折り返す速度とをほぼ同速度で制御しているので、ベニヤ単板は前述したような周速制御に伴ってその繊維方向と交差する方向に引っ張られることがなくなる。したがって、駆動案内帯によって卷玉からベニヤ単板が卷戻される巻戻し開始位置に過度のテンションが集中することがなくなり、その位置におけるベニヤ単板の繊維方向の裂断が防止される。

また、上記のベニヤ単板卷玉からの巻戻し装置において、前記巻戻し位置の下流- 位置に設置された複数個の糸卷車に対して、卷戻し位置の上流側より走行体を往復動自在に設置し、この走行体に卷玉の長手方向に亘つて複数列べニヤ単板のガイドとして巻き付けられ、その先端自由端が卷玉より垂れ下がつている糸部材の終端を把持する把持体を複数個取り付けると共に、この把持体に送風ダクトに連通するノズルを設置することも可能である。このようにすれば、走行体前進時に糸部材の自由端を把持し、走行体前進限にノズルからの送風によって糸卷車に糸部材を卷き付かせて巻き取りながら、前記駆動案内帯を卷玉の外周の一部に押し付け状態としてベニヤ単板を卷戻すことができる。

また、上記のベニヤ単板卷玉からの巻戻し装置において、前記卷戻し位置の下流位置に、巻玉の長手方向に亘つて複数列べニヤ単板のガイドとして巻き付けられ、その先端自由端が卷玉より垂れ下がつている糸部材に対応する複数個の糸卷車が設置された架台を、巻戻し位置に対して往復動自在に設置し、この糸卷車の巻き付け部に排風ダク卜に連通する吸引孔を設置することも可能である。このようにすれば、架台前進限に吸引孔からの排風によって糸卷車に糸部材を卷き付かせた後に原位置に復帰し、糸卷車に糸部材を巻き取りながら、前記駆動案内帯を卷玉の外周の一部に押し付け状態としてべニヤ単板を卷戾すことができる。

また、上記のベニヤ単板卷玉からの卷戻し装置において、前記巻戻し位置の下方位置に、巻玉の長手方向に亘つて複数列べニヤ単板のガイドとして巻き付けられ、その先端自由端が卷玉より垂れ下がつている糸部材に対応する各一対の繰り出し口 —ルを、一方及びノ又は他方に互いに接離自在に設置することも可能である。このようにすれば、各一対の繰り出しロールを接近させて糸部材の自由端を挟持して繰り出しながら、前記駆動案内帯を卷玉の外周の一部に押し付け状態としてべニヤ単板を卷戻すことができる。この場合、好適には繰り出しロールの一方を通直、また他方を分割として互いに接離自在に設置するものとする。

尚、好適には、駆動案内帯を構成する基端部プーリを先端部プーリに比して大径とし、また、先端部プーリを支持する支持腕を、中間域から先端に向かって上方へ屈曲状に形成するものとする。

ベニヤ単板とともに可撓性を有する長尺部材からなる巻戻し補助部材を卷き込んだ卷玉から前記べニヤ単板を卷戻す際に、その卷玉の外周から卷戻されるベニヤ単板の離脱する位置を単板離脱位置として、前記卷玉の中心軸線を挟んで、前記卷玉の外周上にて前記単板離脱位置と反対側に離脱対向位置を設定したとき、ベニヤ単板の巻戻し側において、前記単板離脱位置と離脱対向位置との中間に、前記巻戻し補助部材の引き出し方向を定めることも可能である。卷玉からベニヤ単板が卷戻され始める位置である単板離脱位置から、卷玉の中心位置を通って卷玉の外周と交わる離脱対向位置との間で形成されるべニヤ単板卷戻し側において、単板離脱位置と離脱対向位置の中間に巻戻し補助部材、例えば前記糸部材の引き出し方向を定めている。この引き出し方向は、卷玉から卷戻されるベニヤ単板が随伴して卷玉へ卷き付こうとする場合、当該べニヤ単板の随伴を阻止して巻戻し搬送面へ戻すのに有効に作用することが肝要である。すなわち、糸部材が卷玉の曲率に沿ってほぼ直上、あるいは直上よりべニヤ単板が卷戻される反対側へ引き出された場合には、前記随伴作用を阻止することは困難となる。したがって、卷玉中心と単板離脱位置を結ぶ線と、単板離脱位置と離脱対向位置を卷玉の外周上で結ぶ中点と卷玉中心を結ぶ線との成す角を 9 0度より小として、糸部材を卷玉より引き出すことが好ましい。糸部材支持装置は卷玉の外周部より径方向へ離れた外方に位置しており、卷玉の軸心とほぼ平行に配置された支軸に糸補助プ一リを回転可能に取り付けており、卷玉にその曲率に沿って巻き付けられた糸部材が卷玉から外方へ突出されるときに、糸補助ブーリによって支持して、糸部材の損耗を小としながら、緊張状態で回収箱、あるいは糸卷車に回収している。また、支軸に糸補助プーリを支持するに際して、支軸より突出する突出腕の先端に糸補助プーリを回転可能に取り付ければ、糸部材の糸補助フ ^:一リへの支持が簡便に実施できる。

この糸部材支持装置の支軸は、その両端がそれぞれ腕竿に支持されており、この腕竿の他端に取り付けられた回転軸を、例えば、流体シリンダのピストン口ッドに取り付けてこのビストンロッドを伸縮させることによって回転軸を或角度だけ回動させ、卷玉の外方位置において支軸の位置を卷玉の外周に沿って変位可能としている。このように変位可能とすることによって、糸部材を外方へ突出している位置が、例えば、卷玉のベニヤ単板巻戻し面から離れた位置であり、随伴して卷玉面へ巻き付こうとするベニヤ単板を阻止するにはあまり有効でない場合には、回転軸を回動させて糸部材を外方へ突出して支持する位置を、随伴して卷玉面へ巻き付こうとするべニヤ単板を有効に阻止できる位置、すなわちベニヤ単板の卷戻し面に近づいた位置まで変位させる。図面の簡単な説明

図 1は、乾燥後の連続状のベニヤ単板の卷取りを示す模式的側面図。

図 2 ,'ま、巻取りリールへ糸部材の巻き付け状態を示す拡大説明図。

図 3は、乾燥後の非連続状のベニヤ単板の卷取りを示す模式的平面図。

図 4は、乾燥後の非連続状のベニヤ単板の卷取り状態を示す拡大説明図。

図 5は、間隔詰め手段のブロック線図。

図 6は、乾燥後の非連続状のベニヤ単板を間隔を詰めて卷取った状態を示す拡大説明図。

図 7は、間隔詰め手段の他の態様を示すブロック線図。

図 8は、卷取りリールの他の態様を示す斜視図。

図 9は、卷取りリ一ルの他の態様を示す斜視図。

図]. 0は、図 8に示す卷取りリ一ルの軸方向と平行な断面図。

図 1 1は、図 1 ◦の A— Α線矢視断面図。

図 1 2は、図 9に示す卷取りリ一ルの軸方向と平行な断面図。

図 1 3は、乾燥後のベニヤ単板を一且卷取って卷玉化したものを、巻戻しながら仕組み巻玉とする実施例の側面図。

図 1 4は、図 1 3の平面図。

図 1 5は、間隔詰め手段を説明するブロック線図。

図 1 6は、間隔詰め後の仕組み卷玉の模式的的説明図。

図 1 7は、間隔詰め手段の他の態様を示すプロック線図。

図 1 8は、乾燥後のベニヤ単板をー且卷取った 2つの卷玉を、卷戻しながら仕組み巻玉とする実施例の側面図。

図 1 9は、他の仕組み卷玉の模式的説明図。

図 2◦は、間隔詰め後の他の仕組み卷玉の模式的説明図。

図 2 1は、乾燥後のベニヤ単板を一旦卷取った 3つの卷玉を、巻戻しながら仕組み卷玉とする実施例の側面図。

図 2 2は、他の仕組み卷玉用の間隔詰め手段を説明するブロック線図。

図 2 3は、他の仕組み卷玉用の間隔詰め手段の他の態様を示すプロック線図。図 2 4は、乾燥後の堆積山から繰り出したベニヤ単板を仕組み卷玉とする実施例の平面図。

図 2 5は、図 2 4の B— B線矢視図。

図 2 6は、図 2 4の一部切り欠き側面図。

図 2 7は、ベニヤ単板卷取り装置の一実施例を示す一部切り欠き平面図。

図 2 8は、図 2 7の一部切り欠き正面図。

図 2 9は、ベニヤ単板卷取り装置の一実施例を示す側面図。

図 3 0は、図 2 9の作動状態説明図。

図 3 1は、ベニヤ単板卷取り装置の他の実施例を示す模式的説明図。

図 3 2は、図 2 9の他の実施例を示す側面図。

図 3 3は、間隔詰め手段のプロック線図。

図 3 4は、テープ繰り出し装置を概念的に示す側面図。

図 3 5は、そのテープ繰り出しの形態を示す斜視図。

図 3 6は、図 3 4のテープ繰り出し装置を更に詳細に示す側面図。

図 3 7は、図 3 6の周辺も併せ示す側面図。

図 3 8は、図 3 6の平面図。

図 3 9は、図 3 6の基台フレームを省略したテープ繰り出し装置単独の側面図。図 4 0は、図 3 9の平面図（ただしテープラックは省略）。図 4 1は、テープラック並びにテープ回転停止装置の概念的な斜視図。

図 4 2は、その平面図（ただしテープ回転停止装置は省略）。

図 4 3は、卷テープのコンベア上への供給及び前方のローラストッパを示す説明図。

図 4 4は、卷芯排出装置の一例を示す平面図。

図 4 5は、その開閉扉が開いた状態の平面図。

図 4 6は、卷芯の排出動作を示す作用説明図。

図 4 7は、コンベア先端部のテープねじれ防止機構の一例を示す側面図。

図 4 8は、そのテ一プねじれ防止機構の作用説明図。

図 4 9は、その平面図。

図 5 0は、テープのねじれを矯正している状態を示す作用説明図。

図 5 1は、テープラック並びにテープ回転停止装置の概念的な平面図。

図 5 2は、卷テープの回転を停止させた状態を示す作動説明図。

図 5 3は、テープ回転停止装置の概念的な側面図。

図 5 4は、テープ回転停止装置の他の形態を示す概念的な正面図。

図 5 5は、テープ回転停止装置の他の形態を示す概念的な正面図。

図 5 6は、テープ切断装置を概念的に示す斜視図。

図 5 7は、テ一プ切断時にテープに張力を増大する機構の作用説明図。

図 5 8は、コンベア先端部のテープ切断装置の他の実施例を示す底面図。

図 5 9は、図 5 8のテープ切断装置を概念的に示す斜視図。

図 6 0は、そのテープ切断時にテープに張力を付与する機構の作用説明図。

図 6 1は、そのカツタのテープ切断時における作用説明図。

図 6 2は、図 5 9， 6 0とはテープ切断装置の異なる例を示す正面図。

図 6 3は、図 6 2とはさらに別のテープ切断装置の例を示す正面図。

図 6 4は、ベニヤ単板の卷戻しの実施例を示す側面図。図 6 5は、図 6 4の平面図。

図 6 6は、ベニヤ単板の卷戻しの他の実施例を示す側面図。

図 6 7は、図 6 6の平面図。

図 6 8は、ベニヤ単板の卷戻しの他の実施例を示す側面図。

図 6 9は、ベニヤ単板の折り返しの他の実施例を示す側面図。

図 7 0は、糸部材の回収装置の実施例を示す側面図。

図 7 1は、図 7 0の平面図。

図 7 2は、糸部材の回収装置の他の実施例を示す平面図。

図 7 3は、図 7 2の一部切り欠き斜視図。

図 7 4は、糸部材の回収装置の他の実施例を示す平面図。

図 7 5は、図 7 4の C一 C線矢視図。

図 7 6は、糸部材の姿勢矯正装置の実施例を示す斜視図。

図 7 7は、矯正体の背面図。

図 7 8は、糸部材の姿勢矯正装置の他の実施例を示す斜視図。

図 7 9は、糸部材の姿勢矯正装置の他の実施例を示す平面図。

図 8 0は、糸卷車の他の実施例を示す側面図。

図 8 1は、糸卷車の他の実施例を示す斜視図。

図 8 2は、糸案内ガイドの他の実施例を示す斜視図。

図 8 3は、ベニヤ単板の卷戻しの他の実施例を示す側面図。

図 8 4は、ベニヤ単板の巻戻しの随伴防止を示す作動説明図。

図 8 5は、ベニヤ単板の巻戻しの随伴防止を示す作動説明図。

図 8 6は、ベニヤ単板の巻戻しの随伴防止を示す一部切り欠き模式的斜視図。図 8 7は、図 8 6に示す回転軸の他の回転手段を示す正面図。

図 8 8は、図 8 6に示す回転軸の他の回転手段を示す正面図。

図 8 9は、ベニヤ単板の卷戻しの随伴防止の作動原理を示す説明図。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明のベニヤ単板卷取り装置の実施例を添付図面に基づいて説明する。図 1には、乾燥後の連続状のベニヤ単板 1を卷取る実施例が示されている。この場合、ベニヤドライヤ 2は、搬送路を搬送方向の前後部プーリに卷掛けされた帯状の金網帯 3とし、この金網帯 3を上下に一定間隔を置いて設置し、これら金網帯 3 を相互に逆方向へ回動させることによって、金網帯 3間で連続状のベニヤ単板 1を搬送する方式である。連続状のベニヤ単板 1は、搬送途上において、ベニヤドライャ 2の上部通風路からの循環熱風によって乾燥され、その出側において金網帯 3の終端と隣接する接続コンペャ 4へ移乗される。

この接続コンペャ 4の下流位置には、連続状のベニヤ単板 1を卷取るベニヤ単板巻取り位置 5が形成されている。このべニヤ単板卷取り位置 5には、上面高さが前記接続コンペャ 4の搬送面とほぼ同一で、少なくともべニヤ単板 1の搬送方向と交差する方向の長さを有するドライブロール 6が軸受されている。このドライブ口一ル 6は変速可能であるが、常態においては、前記接続コンペャ 4とほぼ同一速度に制御され、回転可能である。このドライブロール 6の上方には、直径を大径とした巻取りリール 7両端の軸受部分がリール受 8に回転可能に支持されている。この卷取りリール 7は、その下面を前記ドライブロール 6の上面と接することにより、ドライブロール 6の駆動を摩擦力によって従動して、図 1中反時計方向に回動することになる。

連続状のベニヤ単板 1はべニヤドライヤ 2で乾燥された後、接続コンペャ 4上を搬送され、ベニヤ単板卷取り位置 5に至る。連続状のベニヤ単板 1がドライブ口一ル 6と卷取りリール 7間に至ると、接続コンペャ 4とほぼ同一速度で回動しているドライブロール 6の駆動を摩擦力によって従動して、卷取りリール 7が逆方向へ回動し、連続状のベニヤ単板 1を卷取ることになり、接続コンペャ 4から搬送される連続状のベニヤ単板 1は、順次卷取りリール 7に卷取られることになる。尚、ベニャ単板 1は連続状であるので、ドライブロール 6の駆動を摩擦力によって、そのまま、巻取りリール 7に卷取ることができるが、乾燥後に発生した割れ目、切れ目等によってベニヤ単板 1が裂断し易くなつていたり、卷取途上の卷玉 9の中央部が緩む場合には、巻取りリール 7にその長手方向へ任意間隔を置いて、複数個の糸部材繰り入れ機構 1 0を設置することもある。この場合には、連続状のベニヤ単板 1を卷取るに際し、まず、巻取りリール 7に糸部材繰り入れ機構 1 0の各糸卷車 1 1から繰り出された糸部材 1 2の先端を、その長手方向に渡って任意間隔を置いて複数箇所巻き付け、連続状のベニヤ単板 1の複数箇所を糸部材 1 2をガイドとして卷き付け、巻取りリール 7に卷取ることになる。

具体的には、図 2に示すような卷取りリール 7への巻き付け態様としている。すなわち、卷取りリール 7には、その長手方向に渡って任意間隔を置いた複数箇所に、糸部材 1 2を絡み付かせるサンドペーパー、凸部等の高摩擦領域を設ける。また、巻取りリール 7の下流側に、卷取りリール 7の外周より若干離れた上方から下方の位置まで、複数個の糸部材繰り出し用のノズルを、例えば円弧状のガイドレール（図示せず）、または進退自在で昇降自在な機構（図示せず）によって変位自在とさせる。一方、前記ドライブロール 6には、その軸芯方向に渡って任意間隔を置いた複数箇所に、前記ノズルの先端を格納する溝 6 Μが形成されている。まず、糸卷車 1 - 1から繰り出される糸部材 1 2の先端を、上方に位置するノズル 1 2 Νを介して、卷取りリール 7の高摩擦領域へ吹き付けて絡み付かせ、その後ノズル 1 2 Nを下方へ移動させ、ドライブロール 6の各溝部 6 Μへいたらせる。このとき、ノズル 1 2 Νはドライブロール 6の上面より下位にあり、糸部材 1 2は先端の絡み付いた部分とノズル 1 2 Ν間で緊張状態となっている。したがって、ベニヤ単板 1がドライブロール 6の駆動を摩擦力によって、卷取りリール 7に卷取られるとき、その先端部分から糸部材 1 2をガイドとして複数箇所巻き付けられることになる。このとき、卷取りリール 7を軸受けしているリール受 8位置が固定的であれば、接続コンペャ 4の始端位置を支点として、接続コンペャ 4と、ドライブロール 6を下方へ旋回自在とし、増加する卷取り径の半径分だけ、ドライブロール 6を接続コンべャ 4と共に自動的に旋回下降させるものである。また逆に、ドライブロール 6 を軸受けしている位置が固定的であれば、卷取りリール 7のリール受 8位置を、増加する巻取り径の半径分だけ、上昇させることになる。尚、ドライブロール 6は卷取りリール 7に摩擦力を与えるため、流体動、或いはバランスウェイト等によって常時一定の圧力で、卷取りリール 7に接した状態に維持されている。

また、この卷取りリール 7には、乾燥後のベニヤ単板 1を巻き付けることになる、従来、原木から切削直後のベニヤ単板の卷取りに使用されている直径 1 6 5 mm の卷取りリールを、そのまま使用することは不可能であった。すなわち、この直径 1 6 5圆の卷取りリールに乾燥後のベニヤ単板 1を巻き付けると、その細い直径になじまず、繊維と平行する部分からの割れが発生しやすくなり、卷取りリール自体に巻き付けることが不可能となることが多かった。特に、乾燥後に発生した、割れ目、切れ目等がベニヤ単板 1に存在すると、当該部分から裂断することになる。本発明者等は実験による知見にて、乾燥後のベニヤ単板 1を卷取る卷取りリール 7の直径を 3 0 0 以上として求め、一方、卷取られるベニヤ単板 1の厚みに応じた曲率となる直径を、卷取りリール 7の直径 D Z卷取られるベニヤ単板 1の厚み Tの算式で得た。これらによれば、卷取りリール 7の直径をべニヤ単板 1の厚みの 8 5倍以上、かつ 3 0 O mm以上とすることにより、乾燥後のベニヤ単板 1を良好に卷取ることができる。例えばべニヤ単板 1の厚みが 2 mmであれば、上記算式より、卷取りリール 7の直径 Dは 1 7 0 に設定されるのである力；、この数値が 3 0 O mni未満であるので、卷取りリール 7の直径は 3 0 O tnm以上となる。尚、上記実施例においては卷取りリール 7の直径を 4 5 O mmとし、乾燥後のベニヤ単板 1を卷取り、良好な結果を得ている。図 3には、定尺状、或いは乱尺状（定尺に切断されていない非連続状のもの）のベニヤ単板 1を、乾燥後に卷取る実施例が示されている。この場合、ベニヤドライャ 2の各段の搬送路は、その長手方向に渡ってベニヤ単板 1を板厚方向の両側から挟んで回転しながら送る上下一組の送りロール 1 3を、複数組設置して構成されている。ベニヤ単板 1は、その繊維方向と平行として、搬送方向と直交する方向へ複数枚（図示例は 3枚）同時に搬送される。搬送途上、ベニヤドライヤ 2の上部通風路からの循環熱風によって乾燥され、その出側において、その搬送方向をほぼ直角に変換する方向変換コンペャ 1 4へ移乗される。

この方向変換コンペャ 1 4の下流位置には、ベニヤ単板 1を卷取るベニヤ単板卷取り位置 5が形成されている。このべニヤ単板卷取り位置 5には、前記記載と同様のドライブロール 6、直径を大径とした卷取りリール 7、卷取りリール 7の長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構 1 0とを備えている。ベニヤ単板 1はべニヤドライヤ 2で乾燥された後、搬送路から方向変換コンペャ 1 4へ搬送方向を直角に変換された状態で移乗される。したがって、ベニヤ単板 1 は、これ以降、繊維方向を搬送方向と交差した状態で搬送され、ベニヤ単板卷取り位置 5に至る：ベニヤ単板 1を卷取るに際し、まず、卷取りリール 7に糸部材繰り入れ機構 1 0の各糸卷車 1 1から繰り出された糸部材 1 2の先端を、前記記載のようにノズル 1 2 Nを介して、その長手方向に渡って任意間隔を置いて複数箇所巻き付ける。次いで、ベニヤ単板 1力；ドライブロール 6と卷取りリール 7間に至ると、方向変換コンペャ 1 4とほぼ同一速度で回動しているドライブロール 6の駆動を摩擦力によって従動して、卷取りリール 7が逆方向へ回動し、ベニヤ単板 1の複数箇所を糸部材 1 2をガイドとして卷取りリ一ル 7に卷取ることになる。方向変換コンべャ 1 4から搬送されるべニヤ単板 1は、図 4に示すように、順次卷取りリール 7 に卷取られることになるが、卷取り効率を考慮して、卷取りに際して、ベニヤ単板 1の前後間隔を詰める場合がある。この前後間隔詰め手段を図 5に基づいて説明する。方向変換コンペャ 1 4上に設置された接触式、或いは透過型、反射型等の非接触式の検出器 1 5が、ベニヤ単板 1の前端部分を検出した時、この検出指令をドライブロール 6の制御系である駆動制御器 1 6へ発信する。この駆動制御器 1 6には、検出器 1 5からドライブロール 6までの距離 Kを設定した距離設定器 1 7が接続され、前記検出指令に基づいて、ドライブロール 6の回動を停止する。方向変換コンペャ 1 4にはパルス発信器 1 9 が設置されており、ベニヤ単板 1が方向変換コンペャ 1 4上を距離 K搬送され、これをパルス量のカウントアップによって検出することになる。ドライブ口一ル 6上に至ったベニヤ単板 1は、その板長さ分だけドライブロール 6が駆動されることによって、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に巻き付けられる。この板長さは、ベニヤ単板 1が方向変換コンペャ 1 4上を搬送された時点、検出器 1 5がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 1 6内にて捉えていることによる。尚、この板長さはほぼ定尺状に切断されているので、この定尺長さを予め駆動制御器 1 6内へ板長さとして記憶させてもよい。

次のベニヤ単板 1は、その前端が検出器 1 5に検出されると、前記記載と同様の工程を経てドライブロール 6上に至り、図 6に示すように、前回巻き付けられたべニヤ単板 1の後端との隙間を詰めた状態で、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリーノレ 7に巻き付けられる。上記作業を繰り返すことにより、ドライブロール 6は間欠的に回動し、ベニヤ単板 1は卷取りリール 7に前後間隔を密とした状態で効率的に巻取られることになる。

図 5に示した前後間隔詰め手段は、ベニヤ単板卷取り位置 5において、ドライブロール 6を間欠的に回動させて卷取りリール 7に卷取るので、コンペャの搬送速度と間欠的な卷取り速度（低速）がほぼ対応していれば、卷取りに支障は発生しない力卷取り速度の高速化を図る場合には支障が生じる。この場合、ベニヤ単板卷取り位置 5の前段階の搬送途上において、前後間隔詰めを行うことになる。次に、前記前後間隔詰め手段の他の実施態様を図 7に基づいて説明する。尚、図 5と同一部品については同一番号を付している。まず、前後間隔詰めを行う間隔詰めコンペャ 1 8の始端を、方向変換コンペャ 1 4の終端部と互いに入り組んだ状態に設置し、両コンペャ 1 4、 1 8を各々単独に駆動可能に設定する。この状態の下、方向変換コンペャ 1 4上に設置された検出器 1 5が、ベニヤ単板 1の前端部分を検出した時、この検出指令を間隔詰めコンペャ 1 8の制御系である駆動制御器 1 6へ発信する。この駆動制御器 1 6には、検出器 1 5から間隔詰めコンペャ 1 8の任意位置までの距離 Kを設定した距離設定器 1 7が接続され、前記検出指令に基づいて、間隔詰めコンべャ 1 8の駆動を停止する。方向変換コンペャ 1 4にはパルス発信器 1 9が設置されており、ベニヤ単板 1が方向変換コンべャ 1 4上を距離 K搬送され、これをパルス量のカウン卜アップによって検出することになる。間隔詰めコンペャ 1 8上に至ったベニヤ単板 1は、その板長さ分だけ間隔詰めコンペャ 1 8が駆動される。この板長さは、ベニヤ単板 1が方向変換コンペャ 1 4上を搬送された時点、検出器 1 5がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 1 6内にて捉えていることによる。尚、この板長さはほぼ定尺状に切断されているので、この定尺長さを予め駆動制御器 1 6内へ板長さとして記憶させてもよい。この間欠的な駆動によって、ベニヤ単板 1は間隔詰めコンペャ 1 8上で前後間隔が密となり、これを別途コンペャへ移乗させて、卷取り速度に合致した速度で巻取りリール 7に卷取るものである。

上記各実施例のように、乾燥後のベニヤ単板 1を大径の卷取りリール 7に卷取つた卷玉 9は、リ一リングデッキの卷玉ストックエリヤで或時間保管されて、卷玉 9 単位で平衡含水率とされる。

尚、上記卷取りリール 7は軸部 7 Gを回転中心とした円筒状であり、通常、溶接構造によって閉塞した状態となっている。特に、上記卷取りリール 7は、原木から切削直後のベニヤ単板の卷取りに従来から使用されている卷取りリール（直径 1 6 5 mm) に比べ、その直径を大径（3 0 0删以上、本実施例では 4 5 0 mm) としているので、卷取りリール 7自体の重量が増大し、卷取りリール 7の搬送時、ベニヤ単板 1卷取り時、リーリングデッキの卷玉ストックエリヤでの保管時等、この増大した重量による動力負担、あるいはリ一リングデッキ等の構造物を補強することにもなる。

これらに対応するため、図 8ないし図 9には本発明の卷取りリール 7の他の態様が示されている。すなわち、図 8に示した大径の卷取りリール 7の外表面部分には、スリツト状の開口部 7 Κが多数設けられ、図 9に示した大径の卷取りリール 7は、リール軸 7 Gにその軸芯方向に渡って同径とした大径の鍔 7 Τを任意間隔を置いて複数個取り付けて構成され、必要に応じ、各鍔 7 Τの表面部分には開口部 7 Κが形成されている。

図 1 0には、図 8に示した卷取りリール 7の軸芯方向と平行する断面が例示されている。すなわち、リール軸 7 Gの軸芯方向には一定間隔を置いて円盤状の補強板 7 Ηが、リール軸 7 Gに溶接等によってそれぞれ取り付けられている。これら補強板 7 Ηの外周には、この補強板 7 Ηの厚みの数倍以上の幅を有した平板 7 Iを卷き付けて溶接等によって固着し、いわゆる鍔 7 Τを構成している。これら鍔 7 Τの外径は同径であり、それらの外周には、ベニヤ単板 1を卷取るための卷取りリール 7 の胴部となる胴板 7 Dがその曲率に沿って巻き付けられ、溶接等によって固着されている。

前記鍔 7 Τには、図 1 1に示すように、放射状に開口部 7 Κが複数箇所形成され、また前記胴板 7 Dにも、図 8に示すような開口部 7 Κが多数形成されている。したがって、卷取りリール 7の内部と大気とは連通状態となり、鍔 7 Τ、胴板 7 Dに形成された各開口部 7 Κから卷取りリール 7内部への大気の流入、逆に卷取りリール 7内部の空気を鍔 7 Τ、胴板 7 Dの各開口部 7 Κから大気への流出が可能となる。尚、開口部 7 Κは、本実施例においてはスリット状を採用しているが、この形状に限定されるものでなく、円状、楕円状、多角形状等、開口状態を形成できれば、その形状は任意である。

図 1 2には、図 9に示した卷取りリール 7の軸芯方向と平行する断面が例示されている。すなわち、この卷取りリール 7は、リール軸 7 Gにその軸芯方向に一定間隔を置いて溶接等によって鍔 7 Tがそれぞれ取り付けられ、これら各鍔 7 Tにも開口部 7 Kを複数箇所形成し、各鍔 7 Tの外周部をリールの胴部として構成されている。この場合、卷取られるベニヤ単板 1の繊維方向は卷取り幅 1 W方向と平行であり、ベニヤ単板 1はその繊維方向に対して或程度の強度を有しているので、各鍔 7 Tの外周部分によってべニヤ単板 1の卷取り支持部を構成することが可能となる。この卷取りリール 7においては、ベニヤ単板 1の卷取り幅 1 Wに相当する長さ間隔内の各鍔 7 Tが、ベニヤ単板 1の卷取り支持部として使用され、卷取りリール 7に巻取られ、卷玉 9化される。このとき、各鍔 7 T間隔内の空気は、各鍔 7 Tに形成された各開口部 7 Kを介して、両側に位置する鍔 7 Tの開口部 7 Kより大気へ放散される。

したがって、これらの卷取りリール 7によれば、重量の軽減化が図られ、上記記載の動力負担、補強等を解消できる。また大径の卷取りリール 7に卷取られたベニャ単板 1には、卷取りリール 7に多数形成された開口部 7 Kを経てその卷取りリ一ル 7内部が大気と連通状態となるので、通気性が図られることになる。すなわち、図 8、図 1 0、図 1 1に示す卷取りリール 7によれば、乾燥後のベニヤ単板 1に内在する熱気、湿気等は、胴板 7 Dに多数形成された開口部 7 Kから卷取りリール 7 の内部に流入しても、鍔 7 Tの各開口部 7 Kを通過して両側に位置する鍔 7 T、あるいはべニヤ単板 1が卷き付けられていない胴板 7 Dの各開口部 Κから大気へ放散される。また、大気からの新鮮な空気は、両側の鍔 7 Τの各開口部 7 Κ、あるいはベニヤ単板 1が巻き付けられていない胴板 7 Dの各開口部 Κから卷取りリ一ノレ 7の内部に流入し、各鍔 7 Τの各開口部 7 Κを通って、胴板 7 Dの各開口部 7 Κを介して巻取られているべニヤ単板 1と接触することになる。したがって、乾燥後のベニャ単板 1に内在する熱気、湿気等は卷取りリール 7の内部に滞留することなく、常に大気の新鮮な空気と置換することが可能となる。

また、図 9、図 1 2に示す卷取りリール 7によれば、乾燥後のベニヤ単板 1に內在する熱気、湿気等は、各鍔 7 Τ間隔内から各開口部 7 Κを経て、両側に位置する鍔 7 Τの開口部 7 より大気へ放散され、逆に大気からの新鮮な空気は各鍔 7丁の開口部 7 より、卷取りリール 7の内部に流入することになる。このようにして、卷取りリール 7に卷取られ、卷玉 9となったベニヤ単板 1は、リーリングデッキの卷玉ストックエリアで或時間保管されている間に平衡含水率化を促進させることができる。

なお、本実施例において鍔 7 Τは、円盤状の補強板 7 Ηの外周に、この補強板 7 Ηの厚みの数倍以上の幅を有した平板 7 Iを巻き付けて溶接等によって固着したものと説明しているが、その外周に平板 7 Iが介在しない状態、すなわち、円盤状の板とすることも可能である。

次に、乾燥後のベニヤ単板を一且卷取って卷玉化したものを、卷戻しながら仕組む形態につき、図 1 3、図 1 4に基づいて説明する。

乾燥後のベニヤ単板 1が卷取られた卷玉 9は、ベニヤ単板卷戻し位置 2 0において、卷取りリール 7の両端の軸受部分がリール受 8に回転可能に支持されている。この卷玉 9の下方には支持軸 2 1が軸受けされており、この支持軸 2 1の軸方向へ任意間隔を置いて大径の基端部プーリ 2 2を複数個取り付けている。各基端部ブーリ 2 2の支持軸 2 1上の両側には、一対の支持腕が各々回転可能に支持されており、この一対の支持腕の先端間隔内に小径の先端部プーリ 2 3を各々回転可能に支持している。各大径の基端部プーリ 2 2と各小径の先端部プーリ 2 3間に駆動案内帯 2 4を各々掛け渡し、支持軸 2 1を支点として先端部プーリ 2 3を卷玉 9方向へ旋回させることによって、各駆動案内帯 2 4を卷玉 9の外周下部へ押し付けている。駆動案内帯 2 4を図 1 3中反時計方向へ回動させると、卷玉 9と駆動案内帯 2 4との摩擦力によってべニヤ単板 1は卷戻される。卷戻されたベニヤ単板 1は駆動案内帯 2 4上に移乗された状態で折り返し案内部材 2 5へ至り、搬送方向を Z字状に折り返され、搬送コンペャ 2 6上に至る。

ベニヤ単板 1はその繊維方向を搬送方向と交差した状態で搬送コンペャ 2 6上を搬送され、搬送コンペャ 2 6と平行に設置された位置規制手段 2 7によって搬送途上に位置規制されることになる。この位置規制手段 2 7は、搬送コンペャ 2 6の搬送方向の一側に搬送コンペャ 2 6と平行に垂直状の第 1規制ベルト 2 8を設置し、他側に、搬送途上のベニヤ単板 1の側部を押圧する押圧体を備えたものである。この押圧体は、ベニヤ単板 1の搬送方向と交差する側部を押圧して第 1規制ベルト 2 8側へ寄せて位置規制をするものである。押圧手段としては、流体動によって搬送方向と交差する方向へ進退させたり、図示例のように、搬送コンペャ 2 6の搬送方向と平行に設置された垂直状の第 2規制ベルト 2 9の間隔内に偏心輪 3 0を軸受し、偏心輪 3 0を回転させることによる。偏心輪 3 0の回転によって、第 2規制ベルト 2 9面は搬送方向と交差する方向へ移動し、ベニヤ単板 1はその搬送方向の一側を第 2規制ベルト 2 9面へ押し当てられ、搬送方向と同方向で回動する第 1規制ベルト 2 8によって位置規制されることになる。

搬送コンペャ 2 6の終端には、この終端位置を支点として任意角度揺動する切り替えコンペャ 3 1が設置されている。この切り替えコンペャ 3 1先端部は、ベニヤ単板 1の搬送経路を直進とする下位コンペャ 3 2の始端と連絡するか、或いはべ二ャ単板 1の搬送経路を上方とする上位コンペャ 3 3の始端と連絡している。したがつて、搬送コンペャ 2 6上を搬送されるべニヤ単板 1は、切り替えコンペャ 3 1の作動によって、下位コンペャ 3 2と上位コンペャ 3 3に交互に搬入される。搬入された各べニヤ単板 1は、下位コンペャ 3 2と上位コンペャ 3 3上でその前端部の位置が整合されることになる。下位コンペャ 3 2の下流位置には重合コンペャ 3 4が接続されており、下位コンべャ 3 2上のベニヤ単板 1が直進状態のまま移乗されることになる。一方、上位コンべャ 3 3の終端位置には、前記重合コンペャ 3 4の搬送面へ上位コンペャ 3 3上のべニヤ単板 1を案内する案内コンペャ 3 5が設置されている。この案内コンペャ 3 5は、搬送方向へ向かって下り勾配を有しており、その先端部は重合コンペャ 3 4の搬送面へ接近した状態に維持されている。この重合コンペャ 3 4上において、下位コンペャ 3 2から直進搬送されたべニヤ単板 1 と、上位コンペャ 3 3から案内コンペャ 3 5を経て搬送されたべニヤ単板 1力前端部を整合した状態で 2枚重ねに重合されることになる。

重合コンペャ 3 4の下流位置には、 2枚重ねのベニヤ単板 1を卷取るベニヤ単板巻取り位置 5が形成されているこのべニヤ単板卷取り位置 5には、上面高さが前記重合コンペャ 3 4の搬送面とほぼ同一で、少なくともべニヤ単板 1の搬送方向と交差する方向の長さを有するドライブロール 6が軸受されている。このドライブ口ール 6は変速可能であるが、常態においては、前記重合コンペャ 3 4とほぼ同一速度に制御され、回転可能である。このドライブロール 6の上方には、直径を大径とした卷取りリール 7の両端の軸受部分がリール受 8に回転可能に支持されている。この卷取りリール 7は、その下面を前記ドライブロール 6の上面と接することにより、ドライブコール 6の駆動を摩擦力によって従動して、図 1 3中、反時計方向に回動することになる。この巻取りリール 7の下流側には、卷取りリール 7の長手方向へ任意間隔を置いて、複数個の糸部材繰り入れ機構 1 0を設置している。

2枚重ねとしたべニヤ単板 1は重合コンペャ 3 4上を搬送され、ベニヤ単板卷取り位置 5に至る。このとき、卷取りリール 7には、前記糸部材繰り入れ機構 1 0の各糸卷車 1 1から繰り出された糸部材 1 2の先端が、その長手方向に渡って任意間隔を置いて複数箇所卷き付けられている。 2枚重ねのベニヤ単板 1がドライブロール 6と巻取りリール 7間に至ると、重合コンペャ 3 4とほぼ同一速度で回動しているドライブロール 6の駆動を従動して、卷取りリール 7が逆方向へ回動し、複数箇所の糸部材 1 2をガイドとして 2枚重ねのベニヤ単板 1を卷取ることになる。重合コンべャ 3 4から搬送される 2枚重ねのベニヤ単板 1は、順次卷取りリ一ル 7に卷取られる _n

卷取りリール 7への巻取りに際して、卷取り効率を考慮して、卷取られるベニヤ単板 1の前後間隔を詰める場合がある。この前後間隔詰め手段を図 1 5に基づいて説明する。

重合コンペャ ₃ 4にはパルス発信器 3 6が設置されており、また重合コンペャ 3 4の上方には接触式、或いは透過型、反射型等の非接触式の検出器 3 7が設置されている：駆動制御器 3 8は、前記検出器 3 7位置からドライブロール 6までの距離 Κを設定した距離設定器 3 9が接続され、パルス発信器 3 6からのパルス量読み込みによって、距離 Κ分のパルス量として捉えている。重合コンペャ 3 4上を搬送されるベニヤ単板 1 (表板と裏板）の前端部分を、前記検出器 3 7が検出したとき、この検出指令をドライブロール 6の制御系である駆動制御器 3 8へ発信する。駆動制御器 3 8内には複数の記憶素子が内蔵され、その記憶素子の 1つに、上記検出指令が書き込まれ、ドライブロール 6の駆動を停止させる。ベニヤ単板 1 (表板と裏板）が重合コンペャ 3 4上を距離 Κ搬送され、これを当該記憶素子がパルス量の力ゥントアップによって検出するとき、ドライブロール 6を起動させると共に、当該記憶素子をリセットしている。ドライブロール 6上に至ったベニヤ単板 1 (表板と裏板）は、その板長さ分だけドライブロール 6が駆動されることによって、糸部材 1 2をガイドとして巻取りリール 7に巻き付けられる。この板長さは、ベニヤ単板 1 (表板と裏板）が重合コンペャ 3 4上を搬送された時点、検出器 3 7がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 3 8内にて捉えていることによる。尚、この板長さはほぼ定尺状に切断されているので、この定尺長さを予め駆動制御器 3 8内へ板長さ 4 0として記憶させてもよレ、。この板長さ 4 0に相当するパルス量がカウントアップすると、駆動制御器 3 8よりドライブロール 6へ駆動停止指令が発信され、ドライブロール 6は再び停止する。そして、次位の 2枚重ねとしたべニヤ単板 1 (表板と裏板）が重合コンペャ 3 4上を搬送され、その前端が検出器 3 7に検出されるとき、前記記載と同様の工程を経ることになる。この場合、仮に、前位の 2枚重ねのベニヤ単板 1 (表板と裏板）が未だ重合コンペャ 3 4を搬送途上、或いは卷取りリール 7への巻き付け途上であれば、前位の記憶素子がリセットされていないので、別の記憶素子によってパルス制御されることになる。このようにして次位の 2枚重ねのベニヤ単板 1 (表板と裏板）がドライブロール 6上に至り、前回卷き付けられたベニヤ単板 1 (表板と裏板）の後端との隙間を詰めた状態で、糸部材 1 2をガイドとして巻取りリール 7に卷き付けられる。上記作業を繰り返すことにより、ドライブロール 6は間欠的に回動し、 2枚重ねのベニヤ単板 1は、図 1 6に示すように、卷取りリール 7に前後間隔を密とした状態で効率的に卷取られることになる。

次のベニヤ単板 1は、その前端が検出器 3 7に検出されると、前記記載と同様の工程を経てドライブロール 6上に至り、図 1 6に示すように、前回巻き付けられたベニヤ単板 1の後端との隙間を詰めた状態で、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に巻き付けられる。上記作業を繰り返すことにより、ドライブロール 6は間欠的に回動し、ベニヤ単板 1は卷取りリール 7に前後間隔を密とした状態で効率的に卷取られることになる。

図 1 5に示した前後間隔詰め手段は、ベニヤ単板卷取り位置 5において、ドライブロール 6を間欠的に回動させて卷取りリール 7に卷取るので、コンペャの搬送速度と間欠的な卷取り速度（低速）がほぼ対応していれば、巻取りに支障は発生しないが、巻取り速度の高速化を図る場合には支障が生じる。この場合、ベニヤ単板卷取り位置 5の前段階の搬送途上において、前後間隔詰めを行うことになる。次に、前記前後間隔詰め手段の他の実施態様を図 1 7に基づいて説明する。尚、図 1 5と同一部品については同一番号を付している。

まず、前後間隔詰めを行う間隔詰めコンペャ 4 3の始端を、重合コンペャ 3 4の終端部と互いに入り組んだ状態に設置し、両コンペャ 4 3、 3 4を各々単独に駆動可能に設定する。この状態の下、重合コンペャ 3 4上に設置された検出器 3 7が、ベニヤ単板 1の前端部分を検出した時、この検出指令を間隔詰めコンペャ 4 3の制御系である駆動制御器 3 8へ発信する。この駆動制御器 3 8には、検出器 3 7から間隔詰めコンペャ 4 3の任意位置までの距離 Kを設定した距離設定器 3 9が接続され、前記検出指令に基づいて、間隔詰めコンペャ 4 3の駆動を停止する。重合コンべャ 3 4にはパルス発信器 3 6が設置されており、ベニヤ単板 1が重合コンペャ 3 4上を距離 K搬送され、これをパルス量のカウントアップによって検出することになる。間隔詰めコンペャ 4 3上に至ったベニヤ単板 1は、その板長さ分だけ間隔詰めコンペャ 4 3が駆動される。この板長さは、ベニヤ単板 1が重合コンペャ 3 4上を搬送された時点、検出器 3 7がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 3 8内にて捉えていることによる。尚、この板長さはほぼ定尺状に切断されているので、この定尺長さを予め駆動制御器 3 8内へ板長さとして記憶させてもよい。この間欠的な駆動によって、ベニヤ単板 1は間隔詰めコンべャ 4 3上で前後間隔が密となり、これを別途コンペャへ移乗させて、卷取り速度に合致した速度で卷取りリール 7に巻取るものである。

このとき、巻取りリール 7を軸受けしているリール受 8位置が固定的であれば、重合コンペャ 3 4の始端位置を支点として、重合コンペャ 3 4と、ドライブロール 6を下方へ旋回自在とし、増加する卷取り径の半径分だけ、ドライブロール 6を重合コンペャ 3 4と共に自動的に旋回下降させるものである。また逆に、ドライブ口ール 6を軸受けしている位置が固定的であれば、卷取りリール 7を軸受けしているリ一ル受 8位置を、増加する卷取り径の半径分だけ、上昇させることになる。尚、ドライブロール 6は卷取りリール 7に摩擦力を与えるため、流体動、或いはバランスウェイト等によって常時一定の圧力で、卷取りリール 7に接した状態に維持されている。

このようにして 2枚重ねのベニヤ単板 1として卷取られ、 3層合板を構成する表板と裏板に仕組まれた仕組み卷玉 4 1は、リ一リングデッキの仕組み卷玉ストツクエリヤへ移送される。この仕組み卷玉ストックエリヤは、上下方向に多段階に設置された梁によって構成され、この仕組み卷玉ストックエリヤで、或時間（1昼夜）複数個貯留され、表板と裏板間の平衡含水率化を図ることになる。

上記実施例では、ベニヤ単板巻戻し位置 2 0において、 1つの卷玉 9から定尺状の乾燥後のベニヤ単板 1を 1枚づっ卷戻し、これを 2枚重ねとして仕組む場合を説明している。これは、表板と裏板とは等級的にはほぼ同一であるので、表板用の同一の板種を 2枚重ねとしたり、逆に裏板用の同一の板種を 2枚重ねとすることによるものである。このとき、仮に、乾燥後のベニヤ単板 1が連続状態であれば、前記搬送コンべャ 2 6上を搬送するときに定尺切断することになる。

また、図 1 8にはべニヤ単板卷戻し位置 2 0において、板種の相違する 2つの卷玉 9 (表板用と裏板用）から、定尺状の乾燥後のベニヤ単板 1を 1枚づっ卷戻し、これを 2枚重ねとして仕組む実施例を示している。この場合、上記記載と同様の搬送コンペャ 2 6、この搬送コンペャ 2 6と平行に設置された位置規制手段 2 7を、表板用と裏板用に各々上下 2段となるように個別に設置して、上段の搬送コンペャ 2 6の終端に、重合コンペャ 3 4の搬送面へベニヤ単板 1を案内する案内コンペャ 3 5を設置すれば足りるものである。尚、説明の便宜上、下段の搬送コンペャ 2 6 を表板用、上段の搬送コンペャ 2 6を裏板用とする。

この場合、ベニヤ単板卷戻し位置 2 0において、 2つの卷玉 9 (表板用と裏板用）から、定尺状の乾燥後のベニヤ単板（表板と裏板）を 1枚づっ卷戾して、上段と下段の搬送コンペャ 2 6上へ移乗させる。ベニヤ単板 1 (表板と裏板）は、上段と下段の搬送コンペャ 2 6上で位置規制手段 2 7によって各々位置規制される。その後、 - 1

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31 重合コンペャ 3 4上において、下段の搬送コンペャ 2 6から直進搬送されたべニヤ単板 1 (表板）と、上段の搬送コンペャ 2 6から案内コンペャ 3 5を経て搬送されたべニヤ単板 1 (裏板）力前端部を整合した状態で 2枚重ねに重合されることになる：次いで、前記記載した間隔詰め手段によって、前後間隔を密としながら、 2 枚重ねとなるベニヤ単板 1 (表板と裏板）を卷取り、仕組み卷玉 4 1 として仕組み巻玉ストックエリヤにおいて貯留されるとき、相違する板種（表板用と裏板用）の平衡含水率化が図れることになる。

上記各実施例は、乾燥後のベニヤ単板 1を 2枚重ねとして、これを前後間隔を密とした状態で卷取る場合を説明している。これは、 3層合板を構成する表板と裏板

10 を仕組むことにある。次に、 5層合板を構成する表板、中芯板、裏板の各板を仕組み卷玉化とする実施例を説明する。

これは、図 1 9に模式的に示すように、乾燥後のベニヤ単板 1を 2枚重ねと 1枚を 1組として交互に、大径の卷取りリール 7に前記記載したように、糸部材 1 2をガイドとして巻き付けながら多層に卷取るものであり、 5層合板の仕組みに対処したものである。すなわち、繊維方向を同方向とした 3枚のベニヤ単板 1のうち、 2 枚を重ね、 1枚を単一としたものを 1組とし、これを卷取り方向に交互に連続させ上記仕組みを実施するため、大別して、表板用と裏板用と中芯板用の各板種を全て同一とする場合、裏板と中芯板の板種を同一として表板を専用の板種とする場合、

20 表板用と裏板用と中芯板用の各板種を全て相違する場合の 3方式がある。これらのうち、前 2者については、前記記載した図面に基づいて以下に説明する。

まず、表板用と裏板用と中芯板用の各板種を全て同一とする場合を、図 1 3，図 1 4に基づいて説明する。

ベニヤ単板巻戻し位置 2 0において、 1つの卷玉 9から、定尺状の乾燥後のベニ

25 ャ単板 1を 1枚づっ巻戻して搬送コンペャ 2 6上へ移乗させる。ベニヤ単板 1は搬送コンペャ 2 6上で位置規制手段 2 7によって位置規制される。その後、切り替えコンペャ 3 1を下位コンべャ 3 2と連絡させて、下位コンペャ 3 2上へ 2枚のベニャ単板 1を直進搬送させる。 2枚のベニヤ単板 1を直進搬送させた後、切り替えコンべャ 3 1を上位コンペャ 3 3と連絡させて、 1枚のベニヤ単板 1を上位コンペャ上へ切り替え搬送する。したがって、切り替えコンペャ 3 1は、下位コンペャ 3 2 へ 2枚のベニヤ単板 1を直進搬送させるのに対して、上位コンペャ 3 3へ 1枚のベニヤ単板 1を切り替え搬送させることになる。重合コンペャ 3 4上では、下位コンべャ 3 2上を直進搬送されるべニヤ単板 1に、上位コンペャ 3 3から案内コンペャ 3 5を経て搬送されたべニヤ単板 1力前端部を整合した状態で 2枚重ねに重合されることになる。次いで、前記記載した間隔詰め手段によって、 2枚重ねとなるベニヤ単板 1を卷取りリール 7へ卷取る。卷取り後、重合コンペャ 3 4上には、この 2枚重ねとされたベニヤ単板 1に続いて下位コンペャ 3 2から、 2枚目のベニヤ単板 1が直進搬送される。このようにして、重合コンペャ 3 4上には、 2枚重ねのベニヤ単板 1 、 1枚のベニヤ単板 1が交互に搬送され、図 2 0に示すように、卷取りリール 7に前後間隔を密とした状態で効率的に卷取られることになる。

次に、裏板と中芯板の板種を同一として表板を専用の板種とする場合を、図 1 8 に基づいて説明する。

この場合、ベニヤ単板巻戻し位置 2 0において、 2つの卷玉 9のうち、説明の便宜上、上段の卷玉 9を裏板用と中芯板用に、また下段の卷玉 9を表板専用としている。各卷玉 9から、定尺状の乾燥後のベニヤ単板 1を 1枚づっ卷戻して、上段と下段の搬送コンペャ 2 6上へ移乗させる。各べニヤ単板 1は、上段と下段の搬送コンべャ 2 6上で位置規制手段 2 7によって各々位置規制される。その後、重合コンペャ 3 4上において、下段の搬送コンペャ 2 6から直進搬送されたべニヤ単板 1 (表板）と、上段の搬送コンペャ 2 6から案内コンペャ 3 5を経て搬送されたべニヤ単板 1 (この場合裏板）、前端部を整合した状態で 2枚重ねに重合されることになる。次いで、前記記載した間隔詰め手段によって、 2枚重ねとなるベニヤ単板 1を巻取りリール 7へ卷取る。卷取り後、重合コンペャ 3 4上には、この 2枚重ねとされたベニヤ単板 1 (表板と裏板）に続いて上段の搬送コンペャ 2 6から、ベニヤ単板 1 (この場合中芯板）が案内コンペャ 3 5を経て搬送される。すなわち、上段の搬送コンペャ 2 6上を搬送されるべニヤ単板 1は、交互に裏板と中芯板となり、裏板であれば、下段の搬送コンペャ 2 6上を搬送されてくるべニヤ単板 1 (表板）と 2枚重ねになり、中芯板であれば、 1枚のまま、前記記載した間隔詰め手段によつて、前後間隔を密としながら卷取られ、仕組み卷玉 4 1 として仕組み卷玉ストツクヱリャにおいて貯留されることになる。尚、この場合、ベニヤ単板卷戻し位置 2 0 において、上段の卷戻し速度（裏板と中芯板が交互に切り替わる）は下段の卷戻し速度（表板用）のほぼ倍で制御され、下段の搬送コンペャ 2 6上を搬送されてくるベニヤ単板 1 (表板）と、上段の搬送コンべャ 2 6から案内コンペャ 3 5を経て搬送されてくるべニヤ単板 1 (裏板と中芯板が交互に切り替わる）の搬送割合を 1 ： 2としている。

図 2 1には、ベニヤ単板巻戻し位置 2 0において、板種の相違する 3つの卷玉 9 (表板用と裏板用と中芯板用）から、定尺状の乾燥後のベニヤ単板 1を 1枚づっ卷戻し、これを 2枚重ね（表板と裏板）、 1枚を単一（中芯板）として仕組む実施例を示している。この実施例では、上記記載と同様の搬送コンペャ 2 6、この搬送:^ ンべャ 2 6と平行に設置された位置規制手段 2 7を、表板用と裏板用と中芯板用に上 · 中 · 下 3段となるように各々個別に設置することになる。各段の搬送コンペャ 2 6のうち、説明の便宜上、上段の搬送コンペャ 2 6を中芯板用に、中段の搬送コンべャ 2 6を裏板用に、下段の搬送コンペャ 2 6を表板用とした場合、下段の搬送コンペャ 2 6と接続している重合コンペャ 3 4の搬送面へ、中段の搬送コンべャ 2 6の終端よりベニヤ単板 1 (裏板）を案内する案内コンペャ 3 5を設置している。また、前記重合コンペャ 3 4とべニヤ単板卷取り位置 5間には、中継コンペャ 4 2 が設置されている。この中継コンペャ 4 2の始端と前記重合コンペャ 3 4の終端は互いに入り組んだ状態に設置され、各々単独に回動可能に設定されている。この中継コンペャ 4 2の搬送面上へ、上段の搬送コンべャ 2 6の終端よりベニヤ単板 1 (中芯板）を案内する案内コンペャ 3 5を設置している。

この場合、ベニヤ単板巻戻し位置 2 0において、 3つの卷玉 9 (表板用と裏板用と中芯板用）から、定尺状の乾燥後のベニヤ単板 1 (表板と裏板と中芯板）を 1枚づっ卷戻して、上段と中段と下段の搬送コンペャ 2 6上へ移乗させる。ベニヤ単板 1 (表板と裏板と中芯板）は、上段と中段と下段の搬送コンペャ 2 6上で位置規制手段 2 7によって各々位置規制される。その後、重合コンペャ 3 4上において、下段の搬送コンペャ 2 6から直進搬送されたべニヤ単板 1 (表板）と、中段の搬送コンべャ 2 6から案内コンペャ 3 5を経て搬送されたべニヤ単板 1 (裏板）、前端部を整合した状態で 2枚重ねに重合されることになる。

次に、この実施例における前後間隔詰め手段を図 2 2に基づいて説明する。

重合コンペャ 3 4にはパルス発信器 3 6が設置されており、また重合コンペャ 3 4の上方には前記記載と同様の第 1検出器 4 4が設置されている。この重合コンペャ 3 4の終端には、中継コンペャ 4 2がその始端を入り組んだ状態で接続されている。この中継コンペャ 4 2にはパルス発信器 4 5が設置されており、また、中継コンべャ 4 2の上方には前記記載と同様の第 2検出器 4 6が設置されている。駆動制御器 3 8には距離設定器 3 9が接続され、この距離設定器 3 9には、前記第 1検出器 4 4位置からドライブロール 6までの距離 L 1と、前記第 2検出器 4 6からドライブ口一ル 6までの距離 L 2が設定され、各パルス発信器 3 6 , 4 5からのパルス量読み込みによって、距離 L l、距離 L 2のパルス量として捉えている。

重合コンペャ 3 4上を搬送される 2枚重ねのベニヤ単板 1 (表板と裏板）の前端部分を、前記第 1検出器 4 4が検出したとき、この検出指令をドライブロール 6の制御系である駆動制御器 3 8へ発信する。駆動制御器 3 8内には複数の記憶素子が内蔵され、その記憶素子の 1つに、上記検出指令が書き込まれ、ドライブロール 6 の駆動を停止させると共に、上段の卷戻し制御器 4 7 (中芯板用）へ卷戻し禁止指令を発信して、上段の搬送コンペャ 2 6へのべニヤ単板 1 (中芯板）の搬入を防止する。 2枚重ねのベニヤ単板 1 (表板と裏板）が重合コンペャ 3 4並びに中継コンべャ 4 2上を距離 L 1搬送され、これを当該記憶素子がパルス量のカウントアップによって検出するとき、ドライブロール 6へ起動指令を発信して起動再開させる。また、上段の巻戻し制御器 4 7へ、巻戻し開始指令を発信して上段の巻戻し作業を再開させ、上段の搬送コンべャ 2 6から中継コンべャ 4 2上へのベニヤ単板 1 (中芯板）の搬入を再開させる。各指令を発信した後、当該記憶素子をリセットしている。ドライブロール 6上に至ったベニヤ単板 1 (表板と裏板）は、その板長さ分だけドライブロール 6が駆動されることによって、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に卷き付けられる。この板長さは、ベニヤ単板 1 (表板と裏板）が重合コンべャ 3 4上を搬送された時点、第 1検出器 4 4がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 3 8内にて捉えていることによる。

—方、上段の搬送コンペャ 2 6に待機していたべニヤ単板 1 (中芯板）は、案内コンペャ 3 5を経由して中継コンペャ 4 2上に搬入される。中継コンペャ 4 2の回動に伴って搬送される途上、第 2検出器 4 6によってベニヤ単板 1 (中芯板）の前端部分を検出したとき、この検出指令を駆動制御器 3 8へ発信する。上記検出指令は駆動制御器 3 8内の記憶素子の 1つに書き込まれ、ドライブロール 6の駆動を停止させると共に、中 '下段の巻戻し制御器 4 8へ、巻戻し禁止指令として発信する。この指令に基づいて、中 ·下段の搬送コンペャ 2 6から重合コンペャ 3 4上へのベニヤ単板 1 (表板と裏板）の搬入を防止することになる。

ベニヤ単板 1 (中芯板）が中継コンペャ 4 2上を距離 L 2搬送され、これを当該記憶素子がパルス量のカウントアップによって検出するとき、ドライブロール 6へ起動指令を発信して起動再開させる。また、中 .下段の巻戻し制御器 4 8へ、巻戻し開始指令を発信して中 ·下段の巻戻し作業を再開させ、中 · 下段の搬送コンペャ 2 6から重合コンペャ 3 4上へのベニヤ単板 1 (表板と裏板）の搬入を再開させる。各指令を発信した後、当該記憶素子をリセットしている。ドライブロール 6上に至つたべニヤ単板 1 (中芯板）は、その板長さ分だけドライブロール 6が駆動されることによって、前回巻き付けられたベニヤ単板 1 (表板と裏板）の後端との隙間を詰めた状態で、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に巻き付けられる。この板長さは、ベニヤ単板 1 (中芯板）が中継コンペャ 4 2上を搬送された時点、第 2 検出器 4 6がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 3 8内にて捉えていることによる。尚、これらの板長さ 4 0はほぼ定尺状に切断されているので、前記記載と同様、この定尺長さを予め駆動制御器 3 8内へ板長さ 4 0として記憶させてもよい。

上記作業を繰り返すことにより、ドライブロール 6は間欠的に回動し、 2枚重ねのべニヤ単板 1 (表板と裏板）、 1枚のベニヤ単板 1 (中芯板）を 1組として、卷取りリール 7に前後間隔を密とした状態で効率的に卷取られることになる。このようにして卷取られた仕組み卷玉 4 1は、仕組み卷玉ストックエリヤまで搬送され、貯留されるとき、相違する板種（表板用と裏板用）の平衡含水率化が図れることになる。尚、上記実施例においては、便宜上、距離をパルス量に換算したパルス制御によって説明しているが、距離を時間で割り出した遅延回路を構成してパルス制御と同様の制御をすることも可能である。

尚、上記実施例においては、駆動制御器 3 8内の記憶素子のパルス制御によって、上段の卷戻し制御器 4 7 (中芯板用）、或いは中 ·下段の巻戻し制御器 4 8 (表板と裏板用）へ巻戻し禁止指令、巻戻し開始指令を発信しているが、これを以下のように代替することも可能である。

すなわち、ベニヤ単板 1 (表板と裏板）の後端が、中継コンペャ 4 2上に設置されている第 2検出器 4 6によって検出されるとき、この検出指令を駆動制御器 3 8 より中段 ·下段の卷戻し制御器 4 8 卷戻し禁止指令として発信する。この指令に基づいて、中段 ·下段の搬送コンペャ 2 6から重合コンペャ 3 4上へのベニヤ単板 1 (表板と裏板）の搬入を防止することになる。一方これに同期して、この検出指令を駆動制御器 3 8より上段の巻戻しの制御器 4 7 卷戻し開始指令として発信する。この指令に基づいて、上段の搬送コンペャ 2 6から中継コンペャ 4 2上へのべニヤ単板 1 (中芯板）の搬入を再開することになる。上段の搬送コンペャ 2 6 に待機していたべニヤ単板 1 (中芯板）は、案内コンペャ 3 5を経由して中継コンべャ 4 2上に搬入される。中継コンペャ 4 2の回動に伴って搬送される途上、第 2 検出器 4 6によってベニヤ単板 1 (中芯板）の前端部分を検出したとき、この検出指令を駆動制御器 3 8 発信し、この検出指令を駆動制御器 3 8に接続されている中 ·下段の卷戻し制御器 4 8 巻戻し禁止指令として発信する。この指令に基づいて、中 ' 下段の搬送コンべャ 2 6から重合コンペャ 3 4上へのベニヤ単板 1 (表板と裏板）の搬入を防止する。

図 2 2に示した前後間隔詰め手段は、ベニヤ単板卷取り位置 5におけるドライブロール 6の間欠的な回動によるものであるが、これを前記記載したようにべニヤ単板卷取り位置 5の前段階の搬送途上において、前後間隔詰めを行う、前記前後間隔詰め手段の他の実施態様を図 2 3に基づいて説明する。尚、図 2 2と同一部品については同一番号を付している。

まず、前後間隔詰めを行う間隔詰めコンペャ 4 3の始端を、中継コンペャ 4 2の終端部と互いに入り組んだ状態に設置し、両コンペャ 4 3 4 2を各々単独に駆動可能に設定する。この状態の下、重合コンペャ 3 4上を搬送される 2枚重ねのベニャ単板 1 (表板と裏板）の前端部分を、前記第 1検出器 4 4が検出したとき、この検出指令を間隔詰めコンペャ 4 3の制御系である駆動制御器 3 8へ発信する。駆動制御器 3 8内には複数の記憶素子が内蔵され、その記憶素子の 1つに、上記検出指令が書き込まれ、間隔詰めコンペャ 4 3の駆動を停止させると共に、上段の巻戻し制御器 4 7 (中芯板用）へ巻戻し禁止指令を発信して、上段の搬送コンペャ 2 6へのべニヤ単板 1 (中芯板）の搬入を防止する。 2枚重ねのベニヤ単板 1 (表板と裏板）が重合コンペャ 3 4並びに中継コンペャ 4 2上を距離 L 1搬送され、これを当該記憶素子がバルス量のカウントアップによって検出するとき、間隔詰めコンペャ 4 3へ起動指令を発信して起動再開させる。また、上段の巻戻し制御器 4 7へ、卷戻し開始指令を発信して上段の卷戻し作業を再開させ、上段の搬送コンべャ 2 6から中継コンペャ 4 2上へのベニヤ単板 1 (中芯板）の搬入を再開させる。各指令を発信した後、当該記憶素子をリセットしている。間隔詰めコンペャ 4 3上に至ったベニヤ単板 1 (表板と裏板）は、その板長さ分だけ間隔詰めコンペャ 4 3が駆動されることによって、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に卷き付けられる。一方、上段の搬送コンペャ 2 6に待機していたべニヤ単板 1 (中芯板）は、案内コンペャ 3 5を経由して中継コンペャ 4 2上に搬入される。中継コンペャ 4 2の回動に伴って搬送される途上、第 2検出器 4 6によってベニヤ単板 1 (中芯板）の前端部分を検出したとき、この検出指令を駆動制御器 3 8へ発信する。上記検出指令は駆動制御器 3 8内の記憶素子の 1つに書き込まれ、間隔詰めコンペャ 4 3の駆動を停止させると共に、中 '下段の巻戻し制御器 4 8へ、卷戻し禁止指令として発信する。この指令に基づいて、中 '下段の搬送コンペャ 2 6から重合コンペャ 3 4上へのべニヤ単板 1 (表板と裏板）の搬入を防止することになる。

ベニヤ単板 1 (中芯板）が中継コンペャ 4 2上を距離 L 2搬送され、これを当該記憶素子がパルス量のカウントアップによって検出するとき、間隔詰めコンペャ 4 3へ起動指令を発信して起動再開させる。また、中 .下段の巻戻し制御器 4 8へ、卷戻し開始指令を発信して中 ·下段の巻戻し作業を再開させ、中 ·下段の搬送コンべャ 2 6から重合コンペャ 3 4上へのベニヤ単板 1 (表板と裏板）の搬入を再開させる。各指令を発信した後、当該記憶素子をリセットしている。間隔詰めコンペャ 4 3上に至ったベニヤ単板 1 (中芯板）は、その板長さ分だけ間隔詰めコンペャ 4 3が駆動される。したがって、間隔詰めコンペャ 4 3上には、 2枚重ねのベニヤ単板 1 (表板と裏板）と、 1枚のベニヤ単板 1 (中芯板）が交互となるように間隔を詰めた状態で待機され、その後べニヤ単板卷取り位置 5まで搬送され、糸部材 1 2 をガイドとして卷取りリール 7に卷き付けられる。

図 2 4ないし図 2 6には、乾燥後の板種の相違する表板、裏板を各堆積山から繰り出して、卷取りリール 7に卷取る場合の一実施例を示している。

乾燥後の板種の相違する表板 1 A、裏板 1 Bの各堆積山 4 9はリフタ 5 0上に乗せられ、その上面高さは、常時任意高さとなるように制御されている。このリフタ 5 0よりピンチロール 5 1を介して上下流に渡って一対のコンペャが隣接して設置されている。この一対のコンペャは、表板用と裏板用に上下 2段設置され、相前後して搬送される表板 1 A、裏板 1 Bの前後間隔詰め手段 5 2として設置されている。この前後間隔詰め手段 5 2は、表板 1 A、或いは裏板 1 Bの幅のほぼ 2倍の間隔をもって爪 5 3が取り付けられたベルト或いはチェンより成る上流コンペャ 5 4と、この上流コンペャ 5 4の下流に位置して、表板 1 A、裏板 1 Bの幅のほぼ同一の間隔をもって爪 5 3が取り付けられたベルト或いはチェンより成る下流コンペャ 5 5 から構成されている。前記上流コンペャ 5 4の終端部と、下流コンペャ 5 5の始端部は互いに入り組んだ状態で重合しており、また上流コンペャ 5 4の速度は下流コンべャ 5 5の速度に対してほぼ 2倍に制御されている。

この上流コンペャ 5 4の搬送方向の一側（前記リフタ 5 0の反対側）の任意箇所には、表板 1 A、裏板 1 Bの搬送方向の一側を規制する位置規制手段 2 7が設置されている。これは、前記上流コンペャ 5 4と平行に垂直状の規制ベルト 5 6を設置して、上流コンペャ 5 4の搬送方向と同方向へ回動自在としたものである。前記上流コンペャ 5 4のベルト或いはチェン間隔内には、上流コンペャ 5 4の搬送面に対して突出 ·没入自在なロールコンペャ 5 7が設置されている。このロールコンペャ 5 7は上流コンペャ 5 4の搬送方向と交差する方向へ回動自在とされている。表板 1 A、裏板 1 Bはリフタ 5 0上の堆積山 4 9の最上部のものから 1枚宛ピンチロール 5 1へ繰り出され、ロールコンペャ 5 7上に至る。このとき、ロールコンべャ 5 7は上流コンペャ 5 4の搬送面より突出した状態に制御され、規制ベルト 5 6方向へ回動されている。このため、ロールコンペャ 5 7上に繰り出された表板 1 Α、裏板 I Bは、規制ベルト 5 6まで前進して当接すると、規制ベルト 5 6の回動に伴って、搬送方向の一端部が規制されながらロールコンペャ 5 7上をロール軸方向へ若千摺動する。次いで、ロールコンペャ 5 7を上流コンペャ 5 4の搬送面より没入させると、表板 1 A、裏板 I Bは、上流コンペャ 5 4に移乗され、爪 5 3部分に後端を支持されながら、下流コンペャ 5 5方向へ搬送される。

上流コンペャ 5 4の爪 5 3によって搬送されている表板 1 A、裏板 I Bは下流コンべャ 5 5の始端部に至ると、下流コンペャ 5 5の速度が上流コンペャ 5 4の速度のほぼ半分に制御されているため、表板 1 A、裏板 1 Bの前端部は下流コンペャ 5 5の爪 5 3部分に徐々に追いつくことになる。下流コンペャ 5 5の爪 5 3部分に表板 1 A、裏板 1 Bの前端部が当接する直前に、上流コンペャ 5 4は終端の折り返し位置に至るので、表板 1 A、裏板 I Bは、上流コンペャ 5 4の爪 5 3から下流コンべャ 5 5の爪 5 3によってその後端を支持されることになる。このとき、表板 1 A、裏板 1 Bはその前後端が下流コンペャ 5 5の爪 5 3間隔内に位置して、次に搬送される表板 1 A、裏板 1 Bの前後間隔と密に間隔詰めされることになる。

下段の下流コンペャ 5 5の下流位置には、重合コンペャ 3 4が終端部と始端部が互いに入り組んだ状態で接続されており、下段の下流コンペャ 5 5上の裏板 1 Bが直進状態のまま移乗されることになる。一方、上段の下流コンペャ 5 5の終端位置には、前記重合コンペャ 3 4の搬送面へ上段の下流コンペャ 5 5上の表板 1 Aを案内する案内コンペャ 3 5が設置されている。この案内コンペャ 3 5は、搬送方向へ向かって下り勾配を有しており、その先端部は重合コンペャ 3 4の搬送面へ接近した状態に維持されている。この重合コンペャ 3 4上において、下段の下流コンペャ 5 5から直進搬送された裏板 1 Bと、上段の下流コンペャ 5 5から案内コンペャ 3 5を経て搬送された表板 1 Aが、前端部を整合した状態で 2枚重ねに重合されることになる。

2枚重ねとした表板 1 Aと裏板 1 Bは重合コンペャ 3 4上を搬送され、前記記載のべニヤ単板卷取り位置 5に至る。このとき、ドライブロール 6は重合コンペャ 3 4とほぼ同一速度で回動しており、このドライブロール 6の駆動を従動して、卷取りリール 7が逆方向へ回動し、複数箇所の糸部材 1 2をガイドとしてこの 2枚重ねの表板 1 Αと裏板 1 Βを卷取ることになる。この場合、相前後する 2枚重ねの表板 1 と裏板1 8は、既に前後間隔を詰められており、効率良く卷取られることになる。

尚、上記実施例においては、便宜上、上下流コンペャ 5 4， 5 5による間隔詰め手段 5 2と、位置規制手段 2 7を表板 1 Aと裏板 1 B毎に、搬送方向の上下に任意間隔を置いて各々設置した場合を説明しているが、これらを搬送方向の左右に任意間隔を置いて各々隣接して設置したり、重合コンペャ 3 4を挟んで搬送方向と反搬送方向に相対して各々設置することも可能である。また、上記実施例の上下流コンべャ 5 4， 5 5による間隔詰め手段 5 2を、前記記載したベニヤ単板卷取り位置 5 におけるドライブロール 6の間欠回動制御と代替することも可能である。また逆に、前記各実施例のドライブロール 6の間欠回動制御による間隔詰め手段を、上下流コ . ンべャ 5 4， 5 5による間隔詰め手段 5 2へ代替することも可能である。

次に、本発明のベニヤ単板卷取り装置の他の実施例を図 2 7ないし図 3 3に基づいて説明する。

搬送コンペャ 6 0は始端部プーリ 6 1 と先端部プーリ 6 2間にベルト 6 3を複数列掛け渡して、モータ（図示せず）の駆動によって回転自在に構成され、架台 6 4 上に設置されている。この搬送コンべャ 6 0の終端部近傍には、搬送方向と直交する外方に一対のリール支柱 6 5が設置されている。このリール支柱 6 5には、卷取りリール 7を回転自在に支持するリール受 8と、この卷取りリ一ル 7によってベニャ単板 1を巻取る時、この巻取りリール 7を上方から押さえるリール押さえ 6 6とがそれぞれ内方に向き合って設置され、ベニヤ単板卷取り位置 5を構成している。また、リール支柱 6 5の上方の側部には吊持用の流体シリンダ 6 7がそれぞれ逆向きに設置され、そのピストンロッド 6 8の先端に前記架台 6 4の支持部 6 9に卷掛けられたチェン、ベルト等の支持部材 7 0の一端を接続し、その他端をリール支柱の支持具 7 1に取り付けている。

前記卷取りリール 7の下方位置からベニヤ単板 1が搬入される側の反対側にかけて、搬送コンペャ 6 0から搬送されてくるべニヤ単板 1を卷取りリール 7に巻き付かせる卷取り案内部材 7 2が、その外周位置に相対向して配置されている。この卷取り案内部材 7 2は、卷取りリール 7の軸芯方向に任意間隔を置いて複数列のベルトを無端状に卷掛けした無端帯 7 3によって構成され、図 2 9に示すように、巻取りリール 7の下面に続いてベニヤ単板 1の搬入側の反対側の外周側面にかけて対向して配置されている。

図 2 9に示す卷取り案内部材 7 2は、基端部と中間部と上方部と先端部にそれぞれ位置するブーリに各々卷掛けされる複数列の無端帯 7 3によつて構成されている。すなわち、基端部のプ一リ 7 4は、前記搬送コンべャ 6 0の先端部プーリ 6 2の軸 7 5に、その軸芯方向に任意間隔を置いて複数個取り付けられた先端部プーリ 6 2 の間隔内にそれぞれ配置され、取り付けられている。また、前記架台 6 4の先端の近傍部分に軸受された中間軸 7 6の軸芯方向には、前記基端部のプ一リ 7 4の位相と合致するように中間部のプーリ 7 7がそれぞれ配置され、取り付けられている。前記架台 6 4の先端に搬送方向に直交して設置された複数個の支持体 7 8の上部間には上部軸 7 9が回転可能に支持され、この上部軸 7 9の軸芯方向には、前記基端部、中間部の各プーリ 7 4、 7 6の位相と合致するように上方部のプーリ 8 0がそれぞれ配置され、取り付けられている。また、図 2 8に示すように、先端部のブーリ 8 1は一対の支持腕 8 2の先端間隔内に回転可能に支持され、各一対の支持腕 8 2の後端は複数対毎に連結梁 8 3によって連結され、前記架台 6 4の先端近傍の下部より突出するブラケット 8 4に枢支された追従用の流体シリンダ 8 5のビストンロッド 8 6に取り付けられている。そして、各一対の支持腕 8 2はその中間域に支持部 8 7が形成され、この支持部 8 7に取り付けられたベアリング面を前記中間軸 7 6に載置する構成となっている。

したがって、各無端帯 7 3は基端部のプーリ 7 4、中間部のプーリ 7 7、上方部のブーリ 8 0、先端部のプーリ 8 1順にそれぞれ卷掛けされて無端状に構成されている。そして、前記中間軸 7 6の一端に設置されたモータ 8 8の回転を受動して搬送コンペャ 6 0と卷取り案内部材 7 2をほぼ同速度で回転制御している。また、前記追従用の流体シリンダ 8 5によって卷取りリール 7方向へ各一対の支持腕 8 2が、ベアリング面を介して中間軸 7 6に載置される支持部 8 7を支点として旋回されると、各一対の支持腕 8 2の先端に位置する先端部のプーリ 8 1が卷取りリール 7の外周に接し、卷取り案内部材 7 2は卷取りリール 7の外周の一部に、その曲率に倣つて面状に押し付け状態とされる。

前記巻取りリール 7の軸芯方向には、卷取りリール 7にべニヤ単板 1を卷取るガィドとして巻き付けられる糸部材 1 2を繰り入れるための糸部材繰り入れ機構 1 0 、任意間隔を置いて複数個設置されている。例えば、前記卷取り案内部材 7 2の各列の間隔内には糸部材繰り入れ機構 1 0が各々配置され、前記支持腕 8 2のほぼ中間域に糸部材 1 2のノズル 1 2 Nを取り付けている。一方、この糸部材 1 2を卷取りリール 7に絡み付かせるため、卷取りリール 7には、その長手方向に亘つて任意間隔を置いた複数箇所に、糸部材 1 2を絡み付かせるサンドペーパーを取り付けたり、例えば口一レツト加工を施した凸部等の高摩擦領域を設ける。

また、卷取り案内部材 7 2には、卷取り案内部材 7 2の回転力を許容しながら、この卷取り案内部材 7 2を構成する無端帯 7 3にある圧力下で押し付け、又は引つ張られる回転ブーリ 8 9を備え、卷取り案内部材 7 2を一定の張力で緊張状態に維持している。すなわち、図 2 9、図 3 0に示すように、前記架台 6 4上に軸受けされた軸 9 0の軸芯方向に、卷取り案内部材 7 2を構成する無端帯 7 3の列数に応じた L型状のレバー 9 1を取り付ける。そして、このレバー 9 1の突出した中間位置に回転プーリ 8 9を回転可能に支持させ、また、レバー 9 1の他端を前記架台 6 4 の先端近傍の下部より突出するブラケット 8 4に枢支された緊張用の流体シリンダ 9 2のピストンロッド 9 3に取り付けている。図 2 9、図 3 0に示す回転プーリ 8 9は卷取り案内部材 7 2を構成する無端帯 7 3をある圧力下で押し付けることにより、また、図 3 1に示す回転プーリ 8 9は無端帯 7 3をある圧力で引っ張ることにより、卷取り案内部材 7 2を緊張状態としている。

なお、前記回転プーリ 8 9を、両端に位置するレバ一 9 1の中間位置に揷通された軸（図示せず）に、その軸芯方向に任意間隔を置いて回転可能に支持し、レバ一 9 1の他端を緊張用の流体シリンダ 9 2のピストンロッド 9 3に取り付けることも可能である。これによれば、卷取り案内部材 7 2に対して各回転プーリ 8 9がー体的に作用して緊張状態とすることができ、卷取り案内部材 7 2を卷取りリール 7の曲率に沿った状態とすることができる。しかしながら、図示例のように、巻取り案内部材 7 2を構成する個々の無端帯 7 3に対して個別にある圧力を付与する緊張用の流体シリンダ 9 2を設置することによって、例えば卷取りリール 7の自重撓みが発生していたり、ベニヤ単板 1に厚みの相違があつたとしても、各列の卷取り案内部材 7 2を同一の緊張状態に維持して、卷取りリール 7の軸芯方向のいずれの部位におけるベニヤ単板 1にもほぼ同一の摩擦力を付与することが可能となる。

ベニヤ単板 1の卷取りに際しては、まず、吊持用の流体シリンダ 6 7の前部ポー卜に流体を供給し、架台 6 4をべニヤ単板 1の搬入側に位置する搬送コンペャ 6 0 の始端部プーリ 6 1の軸を支点としてその先端部分を上方向へ旋回させている。したがって、架台 6 4の先端は搬送コンペャ 6 0、卷取り案内部材 7 2とともに旋回し、卷取り案内部材 7 2がリール受 8に回転可能に支持された卷取りリール 7の下面に接した状態となる。次いで、追従用の流体シリンダ 8 5、緊張用の流体シリンダ 9 2を作動させて、卷取り案内部材 7 2を構成する各無端帯 7 3を卷取りリール 7の下面に続いてベニヤ単板 1の搬入側の反対側の外周側面に、それぞれ面状に密着させ、緊張状態に維持する。

この状態下、糸卷車 1 1から繰り出される糸部材 1 2の先端をノズル 1 2 Νを介して、卷取りリール 7の高摩擦領域へ吹き付けて絡み付かせる。次いで、卷取り案内部材 7 2を少なくとも 1回転、好ましくは数回転させることにより、糸部材 1 2 が絡み付いた卷取りリール 7と糸部材 1 2との間に張力を発生させる。その後、前段工程から搬送されるべニヤ単板 1を搬送コンペャ 6 0を介して卷取りリ一ノレ 7の下面外周と、搬送コンペャ 6 0とほぼ同一速度に制御されている卷取り案内部材 7 2との間へ至らせる。なお、ベニヤ単板 1は、ベニヤレース（図示せず）によって切削された湿潤状態であっても、あるいはベニヤドライャ（図示せず）によって乾燥した乾燥状態でもよく、さらに、ベニヤ単板 1はその繊維と平行に一定長さで切断されたカットシート状であっても、連続状であってもよい。

卷取り案内部材 7 2は、卷取りリール 7の下方位置からベニヤ単板 1が搬入される側の反対側にかけて、卷取りリール 7の外周の一部に面状に密着状態とされているので、ベニヤ単板 1は卷取り案内部材 7 2の駆動に伴って発生する摩擦力によつて、巻取りリール 7の曲率に倣って面状態で巻き込まれることになる。このべニヤ単板 1卷取り時、糸部材 1 2は卷取りリ一ノレ 7とノズル間で緊張状態となっている。したがって、ベニヤ単板 1が卷取り案内部材 7 2の駆動を摩擦力によって、卷取りリール 7に卷取られるとき、その先端部分から糸部材 1 2をガイドとして複数箇所巻き付けられることになる。

特に力ットシ一ト状のベニヤ単板 1においては、複数列の卷取り案内部材 7 2が卷取りリール 7の外周の一部にその曲率に沿って面状に密着されているので、確実に卷取りリール 7に巻き付かせることができる。また、卷取られるべきベニヤ単板 1が乾燥後であり、湿潤状態のベニヤ単板 1に比してその繊維の剛性が強くなつていても、巻取り案内部材 7 2によって卷取りリール 7の外周面に面状に倣わせて卷き付けることが可能となる。

また、各糸部材 1 2は、ベニヤ単板 1が巻取り案内部材 7 2によって卷取りリール 7面へ密着状態で押し付けられているときに、卷取り案内部材 7 2を構成する各無端帯 7 3の列間においてべニヤ単板 1の上面にガイドとして卷き付けられる。このため、巻取りリール 7へのべニヤ単板 1巻き付け後、卷取り案内部材 7 2との密着状態が解消されても、複数列の糸部材 1 2がべニヤ単板 1をその上部から複数列に亘つてガイドとして卷き付けられているので、ベニヤ単板 1の巻き付き姿勢がずれることはない。

以下にカツトシ一ト状のベニヤ単板 1をその卷取り効率を考慮して、前後間隔の隙間を詰めながら卷取りリール 7へ卷取る一実施の形態を図 3 3に基づいて説明する。

搬送コンペャ 6 0上に設置された接触式、或いは透過型、反射型等の非接触式の検出器 9 4が、ベニヤ単板 1の前端部分を検出した時、この検出指令を卷取り案内部材 7 2の制御系である駆動制御器 9 5へ発信する。この駆動制御器 9 5には、検出器 9 4から卷取り案内部材 7 2までの距離 Kを設定した距離設定器 9 6が接続され、前記検出指令に基づいて、卷取り案内部材 7 2の回動を停止する。搬送コンペャ 6◦にはパルス発信器 9 7が設置されており、ベニヤ単板 1が搬送コンペャ 6 0 上を距離 K搬送され、これをパルス量のカウントアップによって検出することになる。卷取り案内部材 7 2上に至ったベニヤ単板 1は、その板長さ分だけ卷取り案内部材 7 2が駆動されることによって、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に巻き付けられる。この板長さは、ベニヤ単板 1が搬送コンペャ 6 0上を搬送された時点、検出器 9 4がその前端と後端を検出し、これをパルス量として駆動制御器 9 5内にて捉えていることによる。尚、この板長さはほぼ定尺状に切断されているので、この定尺長さを予め駆動制御器 9 5內へ板長さとして記憶させてもよい。次のベニヤ単板 1は、その前端が検出器 9 4に検出されると、前記記載と同様の工程を経て卷取り案内部材 7 2上に至り、前回巻き付けられたベニヤ単板 1の後端との隙間を詰めた状態で、糸部材 1 2をガイドとして卷取りリール 7に巻き付けられる。上記作業を繰り返すことにより、卷取り案内部材 7 2は間欠的に回動し、ベニヤ単板 1は卷取りリール 7に前後間隔を密とした状態で効率的に卷取られることになる。なお、卷取られるベニヤ単板 1が連続状であっても、割れ目、切れ目等によってベニヤ単板 1が裂断し易くなっていたり（乾燥後のベニヤ単板 1に多く発生する傾向にある）、卷取途上の卷玉の中央部が緩んでいる場合には、上記のように複数列の糸部材 1 2をべニヤ単板 1卷取り時のガイドとして繰り入れることにより、安定した卷取りを行うことができる。

このべニヤ単板 1卷取り途上、卷取り案内部材 7 2を構成する個々の無端帯 7 3 は、個別に配置された回転プーリ 8 9によって、ほぼ同一の圧力が付与されて緊張状態に維持されているので、例えば卷取りリール 7の自重撓みが発生していたり、ベニヤ単板 1に厚みの相違があつたとしても、各列の卷取り案内部材 7 2を同一の緊張状態に維持して、卷取りリール 7の軸芯方向のいずれの部位におけるベニヤ単板 1にもほぼ同一の摩擦力を付与することが可能となる。

ベニヤ単板 1が卷取りリール 7に卷取られ、その卷玉 9径が増大するにつれ、架台 6 4の先端部分は搬送コンペャ 6 0の始端部プーリ 6 1の軸を支点として、巻玉 9径の増加分だけ下方向へ旋回されることになる。すなわち、卷取りリール 7を軸受けしているリール受 8位置が固定的であるので、卷玉 9はその径の增加分だけ吊持用流体シリンダ 6 7の流体圧に打ち勝つ、卷取り案内部材 7 2を介して架台 6 4 を押し下げることになる。また、卷玉 9径の増加に伴い、卷取り案内部材 7 2の先端部のプーリ 8 1位置も、追従用の流体シリンダ 8 5の流体圧に打ち勝って徐々に起き上がることになる（図 2 9、図 3◦における時計方向への移動）。さらに、この卷玉 9径の増加に伴い、卷取り案内部材 7 2を個別に押し付けて緊張させている回転プーリ 8 9の位置も、緊張用の流体シリンダ 9 2の流体圧に打ち勝ってそれぞれ個別に変位することになる。これらは、図 2 9に示すベニヤ単板 1の卷取り開始位置と図 3 0に示す卷取り進行位置との対比からも明かである。

また、前記卷取り案内部材 7 2は、上記の形態の他、図 3 1に示すようなベニヤ単板 1卷取り位置の下方位置を基端とし先端を自由端とし、この両端部に位置するプーリに各々巻掛けされる複数列の無端帯 7 3によって構成することも可能である。すなわち、ベニヤ単板 1卷取り位置の下方位置において、前記搬送コンペャ 6 0の先端部プーリ 6 2の軸 7 5の前方に基端軸 9 8を回転可能に支持し、この基端軸 9 8の軸芯方向の前記先端部プーリ 6 2と位相が合致する位置に連係プーリ（図示せず）を取り付け、連係コンペャ 1 0 7を卷掛けしている。一方、この基端軸 9 8にその軸芯方向へ任意間隔を置いて基端部プーリ 9 9を複数個取り付けている。各基端部プーリ 9 9の基端軸 9 8上の両側には、中間域から先端に向かって上方に屈曲している一対の支持腕 1 0 0が各々回転可能に支持している。この一対の支持腕 1 0 0の先端間隔内に小径の先端部プ一リ 1 0 1を各々回転可能に支持し、基端部プーリ 9 9と小径の先端部プーリ 1 0 1間にベルト等の無端帯 7 3を掛け渡すと共に、各支持腕 1 0 0の任意位置を連結梁 1 0 2によって一体的に連結し、この連結梁 1 0 2の両端を前記架台 6 4に枢支された追従用の流体シリンダ 8 5のビストンロッド 8 6に取り付けている。

各無端帯 7 3は基端部プーリ 9 9と先端部プーリ 1 0 1間に無端状に掛け渡されたベルト状のものであるが、等径のプーリ間に掛け渡されたものでなく、基端部プーリ 9 9を先端部のプーリに比して大径としている。したがって、各プーリの半径差分だけ、無端帯 7 3を卷取りリールの 7外周下部に押し付けたときに余裕が生じ、卷取りリール 7の外周下部に無端帯 7 3を或幅の面状で押し付けることができる。この面状に押し付けることにより、無端帯 7 3と卷取りリール 7の下部との面状の接触面積が増大してより多くの摩擦力を発生させることができ、卷取りリール 7へベニヤ単板 1を安定的に卷取ることが可能となる。さらに、基端部プーリ 9 9と先端部プーリ 1 0 1を支持する支持腕 1 0 0は中間域から先端に向かって上方へ屈曲状に形成されているので、卷取りの進行に伴って卷玉 9径が増加するにつれ、各無端帯 7 3の上部軌道の下端と支持腕 1 0 0の上端が干渉して当接したり、無端帯 7

3が回動停止する等の不都合は回避され、卷取りリール 7へのべニヤ単板 1の卷取りを確実としている。

なお、本実施例においては、前記架台 6 4は吊持用の流体シリンダ 6 7によって旋回自在としているが、これをバランスウェイト等によって旋回動する部材を一定の圧力で支持することも可能である。また、卷取りリール 7の位置を昇降自在とし、逆に卷取り案内部材 7 2を回転可能に支持する位置を固定的とすることも可能である。このリール受 8位置を上昇させる機構としては、図 3 2に示すように、例えば卷取りリール 7を支持している両端のリール受 8を歩送り軸 1 0 4に連結し、この歩送り軸 1 0 4に接続されたモータ 1 0 5によって歩送り軸を回転可能としている。一方、巻玉 9径を検知する帯状のラインセンサ 1 0 6をリール支柱 6 5に設置している。したがって、卷取られるベニヤ単板 1厚みを検知して、卷取りリール 7が 1 回転する毎にこの検知した厚み分だけ歩送り軸 1 0 4をモータ 1 0 5によって歩送りして両端のリール受 8を上昇させることによる。

次に、本発明のベニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置の実施の形態を図 3 4〜図 5 7に示す実施例を参照しつつ説明する。

図 3 4は、ベニヤレース 1 1 0で剥かれて下流へ送られるベニヤ単板 1を、卷取りリール 7に卷き取ってベニヤ単板の巻玉 9とする状態を示している。卷玉 9の外周（垂直方向直下）にはドライブロール 6が接触し、この摩擦力により卷玉 9に卷込みのための駆動がかけられる。そして、この卷き取られていくべニヤ単板 1間に、その例えば両端部の補強等の意味でテープ Tが接着されていく。

テープ Tはその上流にある供給元、すなわち卷芯 1 1 2に巻き付けられた卷テープ 1 1 3から繰り出され、搬送手段としての負圧吸着コンベア 1 1 4 (繰り出しコンベア）により卷玉 9側に送られ、そのべニヤ単板 1に巻き付けられる。この卷付けに伴ってテープ Τが繰り出されていく。つまり卷テープ 1 1 3は、一定の位置でテープ Τが卷玉 9に引き込まれていくことにより、一定の位置で従動的に回転する。その卷テープ 1 1 3の前方への移動を阻止しつつ、これを繰り出し回転させるために前方ストツバ部材として遊転する第 1、第 2のローラストッパ 1 1 5及び 1 1 6 がある。

ローラストツバ 1 1 5は、卷テープ 1 1 3の径が大きい状態でその外周に接して、摩擦力により連れ回るものであり、ローラストッパ 1 1 6は、巻テープ 1 1 3の繰り出しが進行して、これが小径になったときにその外周面に沿って連れ回るものである。ラストッパ 1 1 6は、ローラストッパ 1 1 5より下側に位置し、この下方には卷テーブ 1 1 3の径が所定以上に小さくなつたときに、これを通過させる隙間（出口部）があり、ここを通過した卷芯 1 1 2とわずかに残っているテープ Τは、前述のラストツ s i 1 5及び 1 1 6より下流側に位置する卷芯ストツ 1 1 7 に当接して、さらに残りのテープが終わるまで繰り出され、その後に卷芯 1 1 2は側方へ排出される。この詳細は後に詳しく説明する。

負圧吸着コンベア 1 1 4は、テープ Τの搬送方向に長く延びる負圧ボックス（負圧室） 1 1 8を備え、その周囲を取り巻くようにプーリ 1 1 9 1 2 0等に通気性のある無端状のベルト 1 2 1が掛け渡されている。負圧室 1 1 8には負圧ポンプ 1 2 2により負圧が作用し、これがベルト 1 2 1の通気孔を経てテープ Τに作用し、これをベルト 1 2 1の上面に吸着する。ベルト 1 2 1は、例えばプーリ 1 2 0に連結されたモータ 1 2 3の駆動により、その上側の巡回軌道が卷テープ 1 1 3からべニヤ単板 1の卷玉 9側に移動し、テープ Τを卷テープ 1 1 3カゝら繰り出していく。このようなテープ繰り出し装置 1 2 4は、図 3 5に示すように、卷玉 9の例えば両端部に対応するように一対が 1セットで設置されている。テープ Tは例えばその上面側に粘着層 T 1を有し、ベニヤ単板 1が卷玉 9に巻き込まれる過程でその上面の粘着層 T 1においてベニヤ単板 1の両側端部に貼着されていく。また、テープ Tの材質は例えば所定の紙等が採用される。

各負圧吸着コンベア 1 1 4の上流端には、テープ Tの供給元として前述の卷テープ 1 1 3が配置され、卷テープ 1 1 3はその複数のものがテープラック 1 2 5に収容されている。テープラック 1 2 5は卷玉 9の左右に位置する各負圧吸着コンベア 1 1 4に対応して 1個ずつ都合 2個設けられる。左右の構造は同一であるため、その一方について説明する。各テ一ブラック 1 2 5は、卷玉 9の端面外方に偏った初期位置から順次内方に向かって所定ピッチで送られる（タクト送りされる）ものである。このテ一ブラック 1 2 5については後に詳述する。

図 3 6に示すように、負圧吸着コンベア 1 1 4及びテープラック 1 2 5等を支持する繰り出しフレーム 1 2 6は、基台フレーム 1 2 7に対しその中間位置において水平方向の支点軸 1 2 8により回動可能（スイング可能）に連結されている。そして、基台フレーム 1 2 7に対し軸 1 2 9により揺動可能に取り付けられたァクチュエータとしてのシリンダ 1 3 0のピストンロッド 1 3 1力繰り出しフレーム 1 2 6のコンベア 1 1 4の後端側に連結され、このシリンダ 1 3 0のピストンロッド 1 3 1の伸縮により、繰り出しフレーム 1 2 6の全体が垂直面内で所定角度上下方向に回動するようになっている。これは、後述するようにテープ Tの切断時にテープ Tに張力を増大させるためである。

基台フレーム 1 2 7は、水平方向のガイドレーノレ 1 3 3に沿って所定量移動できるようになっており、その基台フレーム 1 2 7に取り付けられたモータ 1 3 4及び減速機 1 3 5による駆動力により、前進 ·後退方向に自走できるようになつている。これにより、負圧吸着コンベア 1 1 4の先端部が卷玉 9に対し接近 '離間することができる。

図 3 7に示すように、フロア面 1 3 6から垂直フレーム 1 3 7が立ち上がり、卷玉 9の中心部に位置する卷取りリール 7は垂直フレーム 1 3 7に沿って昇降可能な昇降装置 1 3 8に回転自在に保持され、卷玉 9の径が大きくなるにしたがって昇降装置 1 3 8が上昇し、卷取りリール 7が上昇していく。このようにリール 7が卷玉- 化につれて径分上昇するタイプのほかに、リ一ル 7の位置が垂直方向固定であり、ドライブロール 6が径分増加する量だけ下がるタイプでもよい。これにより、巻玉 9の径の増大に拘わらず、テープ繰り出し装置 1 2 4のコンベア 1 1 4の先端部の位置は一定でよい。所定の径まで卷かれた卷玉 9は、吊り下げフック（図示せず）によってリール 7の両端転子部近傍を支持して吊り上げ、リーリングデッキ（図示せず）へ移送される。このような卷玉 9とされるベニヤ単板 1は、ベニヤ単板コンベア 1 3 9により前述のベニヤレース側から送り込まれることとなる。

図 3 8はテープ繰り出し装置 1 2 4の部分の平面図であり、左右の負圧吸着コンベア 1 1 4及びテープラック 1 2 5とを前述の繰り出しフレーム 1 2 6がクロスメンバ状（テープ繰り出し方向と直交方向）に連結している。このような左右の繰り出しユニットの一方を拡大した側面図を図 3 9に、平面図を図 4 0に示す。図 3 9 に示すように、コンベア 1 1 4のコンベアフレーム 1 4 0は、繰り出しフ ^一ム 1 2 6の一部をなし、そのクロスメンバ状の本体部分（2 2 ) から前方に突出し、その本体部分（クロスメンバ）と一体的な構成をなす。このコンベア 1 1 4のベルト 1 2 1は、前述のようにプーリ 1 1 9及び 1 2 0が両端となって折り返すが、その中間にガイドローラ 1 4 1並びに張力增大口一ラ 1 4 2があり、これは軸 1 4 3の回りに揺動できる。

上流側のプーリ 1 2 0に前述のモータ 1 2 3が連結され、これがベルト 1 2 1を巡回駆動する。このようなベルト 1 2 1の巡回軌道の上流側の端部の上にテープラック 1 2 5力；、これより下流側に隣接してそのベルト 1 2 1上に位置するように第 1、第 2の口一ラストッパ 1 1 5 1 1 6がある。これらの口一ラストッパ 1 1 5 1 1 6は、コンベアフレーム 1 4 0から上方へ起立するように連結されたストツパフレーム 1 4 4に、高さ方向に所定間隔おいて並ぶように回転自在に支持されている。これらの口一ラスト ° 1 1 5 1 1 6は、そのストッパフレーム 1 4 4をコンベアフレーム 1 4◦に対して位置調整することにより、少なくとも上下方向（必要に応じてコンベアの長さ方向）に位置調整可能である。

この口一ラストッパ 1 1 5 1 1 6の上流側、すなわち前記ベルト 1 2 1の巡回軌道における前記テープラック 1 2 5とローラスト 1 1 5 1 1 6の間には、卷テープ回転停止装置 1 8 0が設けられている。すなわち、図 3 9、図 4 1、図 5 1、図 5 2、図 5 3に示すように、ベルト 1 2 1の巡回方向と交差する一端側には、コンベアフレーム 1 4 0から上方へ起立するように受け部材 1 8 1を連結し、またその他端側には、コンベアフレーム 1 4 0から上方へ起立するように支持フレーム 1 8 2を連結している。そして、この支持フレーム 1 8 2にァクチユエ一タとしてのシリンダ 1 8 3を設置し、そのビストン口ッド 1 8 4の先端に押し付け部材 1 8 5を接続して、ベルト 1 2 1上に乗せられ、ラストッパ 1 1 5 1 1 6によつてその前方への移動を阻止されている卷テープ 1 1 3の一方の側面を押し付け部材 1 8 5によって押動可能としている。

また、卷テープ回転停止装置 1 8 0は前述のほか、図 5 4に示すように、ローラストツバ 1 1 5 1 1 6の上流位置において、卷テープ 1 1 3の上方の両側部分を拡開 ·縮閉可能な一対の挟持片 1 8 6 1 8 7によって挟持する形態とすることも可能である。すなわち、コンベアフレーム 1 4 0から上方へ起立するように支持フレーム 1 8 2を立ち上げ、この支持フレーム 1 8 2にァクチユエータとしてのシリンダ 1 8 8を設置する。一方、ねじりコイルパネ 1 9 0によって係止されて常態において縮閉している一対の挟持片 1 8 6 1 8 7を支持フレーム 1 8 2に吊り下げた状態で支持する。そして、シリンダ 1 8 8のピストンロッド 1 8 9の先端を一方の挟持片 1 8 7の支持部 1 9 1 と連結する。ベルト 1 2 1上に乗せられ、ローラストツパ 1 1 5、 1 1 6によってその前方への移動を阻止されている卷テープ 1 1 3 からのテープ繰り出し時に、シリンダ 1 8 8の作動によって一対の挟持片 1 8 6、 1 8 7を拡開状態とし、卷テープ 1 1 3の回転を停止させるときにシリンダ 1 8 8 の作動を解除して一対の挟持片 1 8 6、 1 8 7を縮閉させる。

また、卷テープ回転停止装置 1 8 0は前述のほか、図 5 5に示すように、ローラストツバ 1 1 5、 1 1 6の上流位置において、卷テープ 1 1 3の上方を待機位置として卷テープ 1 1 3の上面に当接 '離間可能に構成された押圧部材 1 9 2とすることも可能である。すなわち、前記支持フレーム 1 8 2にァクチユエータとしてのシリンダ 1 9 3を設置し、そのピストンロッド 1 9 4の先端に押圧部材 1 9 2を接続している。そして、この押圧部材 1 9 2を卷テープ 1 1 3の回転に干渉しない位置と卷テープ 1 1 3の上面に当接する位置とを往復動可能とすることによって、卷テープ 1 1 3の停止を可能としている。

テープラック 1 2 5は、図 4 1に示すように、背面部としての背面板 1 4 5と、これに一体的に連結された複数の仕切壁部としての仕切板 1 4 6とを備え、各仕切板 1 4 6の間のスペースが複数のテープ格納室 1 4 7となっている。このようなテ一ブラック 1 2 5は、その前方側が開放されるとともに底部側も開放されている。この例では上方も解放されているが、上方部分は閉じられていてもよい。そして、図 3 9に示すように、繰り出しフレーム 1 2 6にはテープラック 1 2 5の後方において立上りフレーム 1 4 8が固定され、この上下に一定間隔おいて平行に設けられた一対のガイドレ一ノレ 1 4 9に、テープラック 1 2 5の背面板 1 4 5に形成されたレール係合部 1 5 0が摺動可能に係合している。これによりテープラック 1 2 5は、負圧吸着コンベア 1 1 4の搬送方向と直角な方向に、そのベルト 1 2 1の上流側端部の上側において移動可能に支持されている。

また、テープラック 1 2 5の背面板 1 4 5の、一対のレール係合部 1 5 0の間にはラックギヤ 1 5 1が水平方向に固定され、これに、立上りフレーム 1 4 8に固定されたタクト送りモータ 1 5 2のピニオンギヤ 1 5 3が嚙み合っている。タクト送りモータ 1 5 2はテ一プラック 1 2 5の間欠送り装置として機能するもので、テープラック 1 2 5をそのテープ格納室 1 4 7のピッチ（言い換えると仕切板 1 4 6のピッチ）で間欠的に横移動させる。なお、この移動の位置決めのために、図 4 0に示すように、テープラック 1 2 5側にその送り方向に沿ってクシ歯状の移動側位置検出部 1 5 4力また立上りフレーム 1 4 8側には近接スィツチ 1 5 5がそれぞれ設けられ、この近接スィツチ 1 5 5によりテープラック 1 2 5が前述の 1 ピッチ分移動したことを検出して、その信号をモータの制御部に送り、モータを停止させる。なお、背面板 1 4 5は省略して、テープ格納室 1 4 7の後方が開放されていてもよい。この場合、前述のラックギヤ 1 5 1は、テープラック 1 2 5の仕切板 1 4 6と一体的な関係であれば、任意の位置に設けることができる。

なお、タクト送りモータ 1 5 2がパルスモータ（ステップモータ）により構成される場合は、そのパルス数をカウントしてテープラック 1 2 5の移動、さらには位置決めを行うことができる。またその位置決めや位置検出は、そのパルスモータに接続したロータリエンコーダの信号や、別途設けたマグネスケール等からの信号によって行うこともできる。それらの場合は図 4 0に示すような移動側位置検出部 1 5 4、近接スィッチ 1 5 5は省略可能である。なお、図 4 0はテープラック 1 2 5 を省略した状態の平面図を示している。

図 3 9において、テープラック 1 2 5の下側が開放されているため、そのテープ格納室 1 4 7内の卷テープ 1 1 3を負圧吸着コンベア 1 1 4のベルト 1 2 1面から浮き上がらせた状態で支持するために、 2本のガイドバー 1 5 6、 1 5 7がほぼ水平方向に所定の間隔をおき、かつテープラック 1 2 5の移動方向（コンベア 1 1 4 と直角方向）に沿って設けられている。これらのガイドバ一 1 5 6、 1 5 7は、繰り出しフレーム 1 2 6から上方へ立ち上がる支持具 1 5 8、 1 5 9により、コンペァ 1 1 4の上流側端部のベルト面よりやや上側に位置する高さレベルで設けられ、図 4 0に示すように、コンペ了 1 1 4の外方側を始点としてコンベア 1 1 4と交差する直前が終点となっている。

そして、図 3 9においてテープラック 1 2 5が紙面に直角な方向に移動するとき、そのテープ格納室 1 4 7内の卷テープ 1 1 3は、その下端部がガイドバ一 1 5 6及び 1 5 7で受けられることにより、コンベア 1 1 4の高さレベルからは浮き上がつた状態で支持され、かつそのガイドバー 1 5 6、 1 5 7と接触しつつこれにガイドされてコンベア 1 1 4に側方から接近する。

図 3 9において、テープラック 1 2 5の仕切板 1 4 6の前側部分には、その前端縁から後方に向かって、例えば U字状その他の形態の切欠 1 6 0が形成されている。これは、例えば作業者が卷テープ 1 1 3をテープラック 1 2 5のテープ格納室 1 4 7に 1個ずつ入れる際に、その収納作業をしやすくしたり、あるいは何らかの理由で卷テープ 1 1 3を取り出す必要がある場合も、それをしやすくするためのものである。図 4 1においては、その切欠 1 6 0は省略されている。

そして、図 4 2に示すように、テープラック 1 2 5の各テープ格納室 1 4 7には、それぞれ卷テープ 1 1 3が立てた状態で入れられ、かつその卷テープ 1 1 3が前述のガイドバー 1 5 6、 1 5 7で支持される。テープラック 1 2 5は、このように格納された卷テープ 1 1 3の間隔を 1 ピッチとして、その一端側（図では右端）から順次負圧吸着コンベア 1 1 4のベルト 1 2 1上に位置させられる。

ガイドバー 1 5 6、 1 5 7は、このベルト 1 2 1に交差する直前で途切れているため、そのベルト 1 2 1上まで移動した卷テープ 1 1 3は、ガイドバー 1 5 6、 1 5 7から外れてベルト 1 2 1上に着座する。ベルト 1 2 1は水平面に対してその下流側がやや下方傾斜し、またベルト 1 2 1 もその下方に駆動されているので、ベルト 1 2 1上に着座した卷テープ 1 1 3は下流側にやや移動するが、そこには前述の前方ストツバ部材としての第 1及び第 2のローラストッパ 1 1 5、 1 1 6が存在し、卷テープ 1 1 3が大径の状態ではまず口一ラストツパ 1 1 5によって卷テープ 1 1 3の前方の移動が阻止される。

この状態で卷テープ 1 1 3は、テープラック 1 2 5から離脱しているわけではなく、その半分以上がテープ格納室 1 4 7内に位置する。従って図 4 3の状態で卷テープ 1 1 3が繰り出し回転する際に、その卷テープ 1 1 3の両側には、テープラック 1 2 5の仕切板 1 4 6が存在し、これが卷テープ 1 1 3の側方への倒れを防止する側方規制部材として機能する。よって卷テープ 1 1 3が側方へ倒れることなくそのテープ格納室 1 4 7内で繰り出し回転ができる _c

つまり、テープラック 1 2 5の仕切板 1 4 6は、巻テープ 1 1 3を収容する空間を形成する部分のみならず、卷テープ 1 1 3の側方への倒れを防止する側方規制部材としても機能し、 1つの仕切板 1 4 6が 2つの機能を兼用するかたちとなり、構造が簡単で済む。なお、卷テープ 1 1 3の内側面に粘着層があるが、その卷出端についてはその粘着層が形成されていない部分があり、そこがベルト 1 2 1に吸着されて卷出しを開始することができる。 1つの卷テープ 1 1 3の卷出しが終了すれば、テープラック 1 2 5が 1 ピッチ送られて、次の卷テープ 1 1 3が同様にコンベア 1 1 4のベルト 1 2 1上に位置させられて、前述と同様の過程を繰り返す。

図 4 3に示すように、下側のラストツ 1 1 6とベルト 1 2 1の上面との間には、卷テープ 1 1 3の卷芯 1 1 2の直径よりわずかに大きな隙間があることは前述したが、卷テープ 1 1 3の繰り出しが終了又は終了直前になると、その卷芯 1 1 2を含め残テープが、ローラストッパ 1 1 6の下方をくぐり抜けて下流へ移動する。そして、このラストツバ 1 1 6から下流に一定量離間して位置する前述の卷芯スト 1 1 7 (図 3 4参照）は、コンベア 1 1 4のベルト 1 2 1の上面から一定量浮き上がった状態で、位置固定に設けられている。従って、卷芯 1 1 2に多少残つているテープは、卷芯ストツバ 1 1 7に当接した後、なお繰り出し回転されることにより巻芯 1 1 2から完全に繰り出される。なお、このときには、既に別の新しぃ卷テープ 1 1 3が後方に位置しており、そのため、後方の新しい卷テープ 1 1 3 から繰り出されるテープと、残り少ない卷芯 1 1 2から繰り出される最後の部分のテープとが一時的に二重に送られることとなる。

そして、卷芯ストッパ 1 1 7のストッパ面 1 6 1は、下流に向かって斜め上方に傾斜するとともに、側方に向かって開くように 3次元的に傾斜している。よって、このストツパ面 1 6 1に当接した卷芯 1 1 2は、あたかもカム面のような作用を受けてその下流への移動が阻止されつつ側方への横力も受ける。その部分には、図 4 4に示すように、開閉扉 1 6 2が、ほぼ上下方向の軸線 Oを支点として側方へ開くように開閉可能に設けられている。開閉扉 1 6 2には、ブラケット 1 6 3を介して、開閉駆動手段としてのシリンダ 1 6 4のピストンロッド 1 6 5力；、ピン 1 6 6を介して連結され、シリンダ 1 6 4の基端部は、ピン 1 6 7及びブラケット 1 6 8を介して繰り出しフレーム 1 2 6の側面に固定されている。

そして図 4 5に示すように、シリンダ 1 6 4の収縮によりその開閉扉 1 6 2が側方に開き、卷芯ストツノ、° 1 1 7のストツパ面 1 6 1が側方に開く側に開口 1 6 9が生じる。卷芯 1 1 2はストッパ面 1 6 1によって側方への横力を受けるため、この開口 1 6 9を経て側方へ排出することができる。この実施例では、その卷芯 1 1 2 の側方への排出を確実にするため、扉 1 6 2に、卷芯 1 1 2を引っかけて強制的に排出させる払出部材としての引掛けバー 1 7◦が設けられている。引掛けバー 1 7 0は、扉 1 6 2とほぼ直角に固定されて、コンベア 1 1 4のベルト 1 2 1の上面から一定量上方へ離間した位置に突出する。そして、この引掛けバー 1 7 0の下側に巻芯 1 1 2が位置し、かつ引掛けバー 1 7 0はその卷芯 1 1 2の反対側の端部以上に延びる長さを有し、かつその先端部で下方に曲がったカギ部 1 7 1 (図 4 6参照）を有している。そして、扉 1 6 2が開くときに、この引掛けバー 1 7 0のカギ部 1 7 1が卷芯 1 1 2の一方の端部に係合して、これを扉 1 6 2の回転に従い横に回すようにして側方へ排出する。これによつて、卷芯 1 1 2がコンベア 1 1 4に残ることなく、自動的に除去することができるから、テープ Tの連続的な送りを容易に行い得る。本実施例においては、以上のようなストッパ面 1 6 1、開閉扉 1 6 2及び引掛けバー 1 7 0、さらには開閉扉 1 6 2を開閉させるシリンダ 1 6 4とを含んで卷芯排出装置 1 7 2が形成されている。

図 3 6に示すように、テープ Tを繰り出すコンベア 1 1 4の先端部には、ベニヤ単板間に引き込まれつつ巻き込まれていくテープ Tのねじれ（反転等）を防止するテープねじれ防止機構 1 7 3が設けられている。このねじれ防止機構 1 7 3は、図 4 7のように、ベニヤ単板間に引き込まれるテープ Tの経路に対し相対的に鋭角に交差するように、へら状部材 1 7 4が突出するものであり、へら状部材 1 7 4の基端部はその移動手段としてのシリンダ 1 7 5のピストンロッド 1 7 7に固定されている。シリンダ 1 7 5はブラケット 1 7 6を介して繰り出しフレーム 1 2 6の下側に固定されている。そして図 4 8に示すように、へら状部材 1 7 4は前述のベニヤレース側から送られるベニヤ単板 1の上方においてテープ Tの下側に接してこの幅方向の角度を規制するものである。

図 4 9はその平面的な一例を示すもので、テープ Tの幅方向よりある程度広い幅の板状の接触面を有している。図 5 0は、ねじれを起こしたテープ Tを矯正するように、へら状部材 1 7 4がテープ Tの下面を押し上げて、そのねじれを解消するように作用している状態を示している。

図 3 9及び図 4 0に示すように、繰り出し用のコンベア 1 1 4の先端部にはテ一プ切断装置 1 9 5が設けられている。このテープ切断装置 1 9 5は、繰り出し用のコンベア 1 1 4のコンベアフレーム 1 4 0の先端部から突出するブラケット 1 9 6 と、そのブラケット 1 9 6に固定された保持具 1 9 7と、この保持具 1 9 7に保持されたテープ切断具 1 9 8とを備えている。このテープ切断具 1 9 8は、テープの繰り出し方向と交差する方向へ切断部位が配置される。そして、図 5 6に示すように、この切断部位はその上面が突起状、好適には鋸歯状に形成されている。少なくともテープ切断時には繰り出されるテープ面に対してその先端の鋸歯状部が摺接されている。

ここで、図 5 7に示すように少なくと.もテープ Tの切断の際には、テープ切断具 1 9 8が上方に持ち上がってテープ Tの下面にその切断部位が摺接するように、コンベア 1 1 4力；、前述の図 3 6に示した支点軸 1 2 8を支点にしてシリンダ 1 3 0 の作動により上方へ一定角度回動する。これにより、図 5 7に示すように、テープ Tに通常時より大きな張力が付与されることとなる。

また、テープ切断装置 1 9 5は、図 5 8〜図 6 3に示すような形態とすることも可能である。すなわち、このテープ切断装置 1 9 5は、繰出フレーム 1 2 6から側方に突出するブラケット 1 9 9と、図 5 9に示すように、そのブラケット 1 9 9に固定された力ッタ移動用のシリンダ 2 0 0と、このシリンダ 2 0 0のピストンロッドに連結されたこの例では円板状のテープカツタ 2 0 1 (以下、カツタという）と、この円板状のカツタ 2 0 1 との間にテープ Tを挟んでこれを切断するテープ受部材 2 0 2とを備えている。二の例では、テープ受部材 2 0 2は円柱状の軸状形態をなし、ブラケット 2 0 3によりテープ繰出方向と直交する方向に、かつそのテープ軌跡にごく近接して、繰出フレーム 1 2 6の先端（コンベア 7の先端）に固定されている。なお、このテープ受部材 2 0 2の上流側に近接して（直前の上流位置において）コンベア 7の最も先端部には、テープ Tの下側に接触して転動することによりテープ Tの走行を案内する回転自在なガイドローラ 2 0 4が設けられている。

そして、図 6 1に示すように、カツタ 2 0 1がテープ受部材 2 0 2に向かって横方向に移動することでテープ Tを幅方向に回転切断する。ここで、図 6 0に示すようにその切断の際には、テープ受部材 2 0 2が上方に持ち上がってテープ Tに張力を与えるように、コンベア 7力；、前述の図 3 6に示した支点軸 1 2 8を支点にしてシリンダ 1 3 0の作動により上方へ一定角度回動する。これにより、図 6 0に示すように、テープ Tに通常時より大きな張力が付与され、ここに円板状のカツタ 2 0 1が切り込まれることによりテープ Τは容易に切断されることとなる。

なお、テープ受部材 2 0 2の少なくとも表面はウレタンゴム等の柔軟な部材からなり、そこにカツタ 2 0 1の刃先を食い込ませるものである。その形態は板状のものでもよいが、この例のように円柱状等の軸状のものとし、テープ受部材 2 0 2の固定位置の回転位相を周期的に変更して力ッタ 2 0 1の食い込み位置を分散するようにすれば、テープ受部材 2 0 2の同じ部分が局部的に劣化することを回避し、その寿命を延ばすことができる。

なお、図 6 2に示すように、円板状のカツタ 2 0 1を支持軸 2 0 5を枢支点として、テープ受部材 2 0 2上へ食い込み自在とするカツタ摇動用のシリンダ 2 0 6をブラケット 1 9 9に設置し、そのビストン口ッド 2 0 7の先端をカツタ移動用のシリンダ 2 0 0を支持している基枠に取り付けることもできる。この場合は、円板状のカツタ 2 0 1の横移動の前に、あるいはその移動の過程で、カツタ揺動用のシリンダ 2 0 6のピストンロッド 2 0 7を伸長させて、カツタ 2 0 1の作用点をテープ受部材 2 0 2に若干食い込み勝手とし、その状態で円板状のカツタ 2 0 1がテープ Τの幅方向に横断することにより、テープ Τを確実に切断できる。

あるいは、図 6 3に示すように、円板状のカツタ 2 0 1を支持軸 2 0 5を枢支点として、テープ受部材 2 0 2上へ食い込み自在とするスプリング、ゴム等の弾性部材 2 0 8をブラケット 1 9 9とカツタ移動用のシリンダ 2 0 0を支持している基枠間に取り付けることもできる。この場合は、カツタ 2 0 1の作用点は弾性部材 2 0 8によってテープ受部材 2 0 2に常時若干食い込み勝手とされているので、この状態で円板状の力ッタ 2 0 1がテープ Τの幅方向に横断することにより、テープ Τを確実に切断できる。

以上のようなテープ繰り出し装置の全体的な作動を説明する。

図 4 1のように卷テープ 1 1 3がセットされたテープラック 1 2 5がモータ 1 5 2により横移動して、最初のテープ格納室 1 4 7がコンベア 1 1 4のベルト 1 2 1 上に位置させられると、図 4 2、図 4 3のように卷テープ 1 1 3がガイドバー 1 5 6、 1 5 7から外れてベルト 1 2 1上に乗り、第 1のローラスト 1 1 5に当たるまで、少し下流に移動する。その位置で卷テープ 1 1 3から負圧吸着コンベア 1 1 4によりテープ Tが繰り出され、卷テープ 1 1 3は第 1のローラストッパ 1 1 5 の回転を伴って繰り出し回転する。

巻取りリール 7に対するベニヤ単板の卷始めには特に、テープ Tがねじれて反転した状態になり易く、図 4 8に示すように、へら状部材 1 7 4がシリンダ 1 7 5により前進してテープ Tのねじれの防止又は矯正し、一定の短時間その状態を維持した後、へら状部材 1 7 4が後退して元の位置に戻る。また、このテープ丁のねじれは卷始めに多くみられるが、卷テープ 1 1 3から繰り出されるテープ Tは正常な状態で挿入されていても、この挿入途上において正常な状態からねじれて（反転して）挿入される現象が往々にして発生している。したがって、へら状部材 1 7 4による卷玉 9面へのテープ Tの押し付け作業は、ベニヤ単板間にテープ Tが挿入されたときからテープ Tが切断されるまで継続的、かつ定期的に行うことが好ましい。

テープ Tの繰り出しが進行して、一つの卷テープ 1 1 3が小さくなると、図 4 3 のように卷テープ 1 1 3は第 2のローラストッパ 1 1 6に当たるようになって、そのストツバ 1 1 6を回転させつつ繰り出しが進行する。終盤において卷テープ 1 1 3が終わりに近づき、卷テ一ブ 1 1 3の直径が第 2のローラストツ ° 1 1 6の下方の隙間より小さくなると、卷芯 1 1 2は少し残っているテープとともに第 2の口一ラストツバ 1 1 6をくぐり抜けて下方へ移動し、図 3 4の卷芯ストツノ、° 1 1 7でその移動が止めれられた後、さらにその位置でテープが無くなるまで短時間繰り出し回転する。

それから、図 4 4〜図 4 6に示すようにシリンダ 1 6 4が収縮して、開閉扉 1 6 2が開き、その開放の過程で引掛けバー 1 7 0が空の卷芯 1 1 2を強制的にコンペァ 1 1 4の側方へ排出した後、開閉扉 1 6 2は閉じる。

それより一定以上前に、図 4 1、図 4 2のテ一プラック 1 2 5がモータ 1 5 2によりテープ格納室 1 4 7の 1ピッチ分に相当する距離だけ横移動し、次の卷テープ 1 1 3がコンベア 1 1 4上に供給され、前述と同様、図 4 3のようにテープ Tの繰り出しを開始する。このとき、図 3 4のように先の卷テープ 1 1 3の残り分が卷芯ストツバ 1 1 7で供給されている場合は、その残り分が終わるまでの短時間だけテープ Τはダブルで供給される。

卷テ一プ 1 1 3の繰り出しの途中で、ベニヤ単板 1の卷玉 9の直径が予定した大きさになって卷取り作業を終了する場合、あるいは原木の性状に応じてその剥き厚を変更するために卷取り作業を中断する場合、卷テープ回転停止装置 1 8 0を作動させる。この卷テープ 1 1 3の回転を停止させるに先立って、テープ切断具 1 9 8 の切断部位をテープ Τの下面に摺接させる。具体的には、図 3 6の軸 1 2 8を支点にシリンダ 1 3 0の縮小により、テープ繰り出し装置 1 2 4の全体が図の反時計回りに小角度回転し、これにより図 5 7のようにコンベア 1 1 4の先端部に位置するテープ切断具 1 9 8がテープ Τを上方に持ち上げ、切断部位の上面の鋸歯状部分とテープ Τの下面とを摺接状態とする。なお、切断部位の上面の鋸歯状部分とテープ Τの下面とは、卷取りリール 7に卷取られて卷玉 9となるベニヤ単板間にテープ Τ が挿入されたときから繰り出されるテープ Τ面に対して常時摺接させた状態としてもよい。このように、切断部位の鋸歯状部とテープ Τの下面とを常時摺接状態とすれば、テープ Τの摺接による摩擦状態によって切断部位の上面の鋸歯状部分が研がれるという付随的な効果も得られる。

そして、図 5 1に示すようにベルト 1 2 1上に乗せられ、口一ラストツノ 1 1 5、 1 1 6によってその前方への移動が阻止された状態で前方へテープ Τを繰り出している卷テープ 1 1 3の回転を停止させる。この卷テープ 1 1 3の回転を停止させるには、図 5 2に示すように、シリンダ 1 8 3を作動させて押し付け部材 1 8 5をテープ繰り出し方向と交差する方向へ押動させ、この押し付け部材 1 8 5と卷テープ 1 1 3の他方の側に位置する受け部材 1 8 1 との間で卷テープ 1 1 3を挟み付けて停止させる。

この卷テープ 1 1 3の回転停止とほぼ同期してベニヤレースの駆動も停止されるのであるが、ベニヤ単板卷取り位置において卷取りリール 7は慣性に伴う回転運動が継続することになる。したがって、卷テープ 1 1 3からのテープ Tの繰り出しが停止されるにも拘らず、テープ Tは慣性に伴って回転運動する卷取りリール 7に引つ張られることになってテープ Tの張力がさらに増大される。張力が増大されたテーブ Tはその一番脆弱な箇所、すなわちテープ切断具 1 9 8の切断部位がテープ T の下面に喰い込む箇所で切断される。また、卷テープ 1 1 3の回転が停止されることによって卷テ一ブ 1 1 3からテープ Tは繰り出されないので、切断されたテープ 6の先端部分は当該切断箇所に残り、次回のテープ Tの繰り出しに備えることになる。

また、テープ Tの張力をさらに増大させるには前述の慣性に伴う回転運動のほか、図 3 6に示すように、テープ繰り出し装置 1 2 4の全体を支持している基台フレーム 1 2 7をモータ 1 3 4の駆動によって水平方向のガイドレール 1 3 3に沿って所定量後退させ、これにより、負圧吸着コンベア 1 1 4を卷玉 9から離間させることによっても可能である。また、テープ Tの下面に摺接しているテープ切断具 1 9 8 の位置をさらに上方へ上げることによつても可能である。これは、図 3 6の軸 2 4 を支点にシリンダ 1 3 0の縮小により、このテープ切断具 1 9 8のテープ Tの下面との摺接位置から、テープ繰り出し装置 1 2 4の全体を図の反時計回りに小角度回転させることによる。

また、卷テープ 1 1 3の回転を停止させるには、図 5 4に示すように、テープ T の繰り出し時にシリンダ 1 8 8の作動によって拡開状態とされた一対の挟持片 1 8 6、 1 8 7を、巻テ一ブ 1 1 3の回転を停止させるときにシリンダ 1 8 8の作動を解除して一対の挟持片 1 8 6、 1 8 7を縮閉させ、卷テープ 1 1 3をその両側から挟持してもよい：

また、前述のほか、卷テープ 1 1 3の回転を停止させるには、図 5 5に示すように、テープ Tの繰り出し時に卷テープ 1 1 3の回転に干渉しない位置に退避していた押圧部材 1 9 2を、シリンダ 1 9 3の作動によって卷テープ 1 1 3の上面に当接する位置まで押し下げて、卷テープ 1 1 3を押圧部材 1 9 2と負圧吸着コンベア 1 1 4との間で挟持してもよレ、。

この方式によれば、ベニヤ単板の卷取りを中断あるいは終了するときには、テ一ブ Tにテープ切断具 1 9 8の切断部位を摺接させながら、卷テープ 1 1 3の繰り出し回転を停止させることによってテープ Tをテープ切断具 1 9 8を設置した位置で切断することが可能となる。したがって、卷取り速度に追従して回転している卷テープ 1 1 3を一旦減速停止させる必要がない。特に、ベニヤ単板の卷取りの中断あるいは終了する頻度の高い小径の原木、欠陥部を含む原木においては、その作業性を向上できる。

また、円板状のカツタ 2 0 1を用いたテープ切断については、その準備動作として、図 3 6の軸 1 2 8を支点にシリン 1 3 0の伸長により、テープ繰出装置 1 2 4 の全体が図の反時計回りに小角度回転し、これにより図 6 0のようにコンベア 7の先端部がテープ Tを上方に持ち上げ、通常より大きな張力をかける。この状態で、円板状の力ッタ 2 0 1がテープ受部材 2 0 2との間で食い込み勝手の状態でテープ Tを切断し、後退する。その後コンベア 7が下方に小角度復帰するように、図 3 6 のテープ繰出装置 1 2 4の全体が時計回りに小角度回転して原位置に復帰する。以上の説明では、横移動するテープラックを使用したが、繰り出し用のコンベア上に 1本のテープが収容されるテープケースを固定的に設け、その前方、下方及び後方（又は上方）は開放し、そのテープケースの前方に別途、前方ストッパ部材を設置する一方で、後方又は上方から新たな卷テープ 1 1 3を供給するようにしてもよい _n また、負圧吸着コンベア 1 1 4は、テープ Tを卷玉 9に卷込む初期の段階にのみ使用し、その後の卷玉 9の引込力でテープ Tが引っ張られて卷テープ 1 1 3から繰り出されるときは、負圧吸着コンベア 1 1 4に巡回駆動も負圧もかけない（すベて停止）力、もしくは巡回駆動はかけるが負圧はかけない（負圧停止）ようにすることも可能である。

次に、本発明のベニヤ単板巻戻し装置の実施例を添付図面に基づいて説明する。まず、図 6 4，図 6 5に基づいて、ベニヤ単板 1の卷戻し工程の一実施例より説明する：卷玉ストツクエリヤ 3 Aの終端に設置された左右一対のリール支柱 6 に向かって、緩い下降勾配を有する移送架 2 1 0が設置され、この移送架 2 1 0上に卷玉 9を卷き付けた卷取りリール 7の両端軸受部分を乗せている。この移送架 2 1 0の下流に位置する前記一対のリール支柱 6 5の内側には、両端軸受部分を回転可能に支持すろリール受 8が設置され、このリール受 8の上方位置には、軸受部分の上部に対して揺動自在としたリール押さえ 6 6を設置して卷戻し位置 2 1 1が構成されている _c

前記巻戻し位置 2 1 1の上流側、移送架 2 1 0の下方位置に設置された機枠 2 1 2の搬送方向と直交する両側に支持台 2 1 3を設置する。この支持台 2 1 3に取り付けられた軸受 2 1 4に支持軸 2 1 5を軸受けし、この支持軸 2 1 5の軸方向へ任意間隔を置いて大径の基端部プーリ 2 1 6を複数個固着している。各基端部プーリ 2 1 6の支持軸 2 1 5上の両側には、中間域から先端に向かって上方に屈曲している一対の支持腕 2 1 7が各々回転可能に支持されている。この一対の支持腕 2 1 7 の先端間隔内に小径の先端部プーリ 2 0 9を各々回転可能に支持し、大径の基端部プーリ 2 1 6と小径の先端部ブ一リ 2 0 9間に駆動案内帯 2 1 8を掛け渡すと共に、各支持腕 2 1 7の任意位置を連結梁 2 1 9によって一体的に連結している。そして、二の連結梁 2 1 9の両端を前記機枠 2 1 2に枢支された流体シリンダ 2 2 0のビストンロッド 2 2 1に取り付けている。各基端部プーリ 2 1 6の上流側対向位置には、基端部プーリ 2 1 6の曲率に沿つた円弧形状をその対向面に有している補助枠 2 2 2が前記機枠 2 1 2上より設置され、この補助枠 2 2 2に支承された 3個のプーリ 2 2 3間にベルトを掛け渡した折り返し案内部材 2 2 4を、前記基端部プーリ 2 1 6に設置している。この折り返し案内部材 2 2 4の直近下段には、前記機枠 2 1 2の搬送方向の上下流位置に支承された一対の軸 2 2 5間に、複数列のベルトを掛け渡した折り返しコンペャ 2 2 6が接続されている。

前記支持軸 2 2 5の一側に取り付けられたチェンホイール 2 2 7と、前記機枠 2 1 2に設置された原動機 2 2 8間にチェン 2 2 9を掛け渡して、各駆動案内帯 2 1 8を図 6 4中、反時計方向へ回動自在に制御しており、また、前記折り返し案内部材 2 2 4は、駆動案内帯 2 1 8との協同作用によってべニヤ単板 1の挟持反転を保証している

そして、前記流体シリンダ 2 2 0のピストンロッド 2 2 1の伸縮に伴って、搬送方向と直交する方向に複数列設置された駆動案内帯 2 1 8は、支持軸 2 2 5位置を支点として自由端である先端部プーリ 2 0 9を卷玉 9方向へ摇動自在とすることにより、前記卷玉 9の外周の下部に接近 ·離間自在の構成としている。卷玉 9よりべニヤ単板 1を卷戻すに際しては、流体シリンダ 2 2 0の後部ポートに流体を供給して縮小限位置にあるビストンロッド 2 2 1を伸長させることにより、リール受 8にその両端が支承されている卷玉 9の外周下部に、複数列の駆動案内帯 2 1 8を押し付け状態に当接させる。

次いで、原動機 2 2 8の駆動によって、駆動案内帯 2 1 8を図 6 4中、反時計方向へ回動させると、巻玉 9のべニヤ単板 1 自由端は駆動案内帯 2 1 8との摩擦力によって卷戻され、駆動案内帯 2 1 8上に移乗された状態で折り返し案内部材 2 2 4 へ案内される。この時、折り返しコンペャ 2 2 6は、駆動案内帯 2 1 8並びに下流側のベニヤドライヤの搬送コンペャとほぼ同一速度に制御されており、折り返し案内部材 2 2 4の曲率に沿って駆動案内帯 2 1 8との間で挟持反転されるべニヤ単板 1を受け取り、この折り返しコンペャ 2 2 6を経由してべニヤドライヤへベニヤ単板 1を搬送するものである。

次に、駆動案内帯 2 1 8上を搬送されるべニヤ単板 1の他の折り返し形態について、図 6 6〜図 6 9を参照して説明する。なお、この折り返し形態はべニヤ単板の繊維と交差する方向への伸縮性がない、すなわちその繊維と交差する方向への引つ張りに対して裂断しゃすレ、針葉樹等から剥かれたベニヤ単板 1の折り返し搬送に好適である。

まず、図 6 6において、前記支持軸 2 2 5には、この基端部プーリ 2 1 6よりその直怪が大であってこの基端部ブーリ 2 1 6と並んで中継プーリ 2 8 4がベアリング等を介して回転可能とされている。この中継プーリ 2 8 4は、好ましくしは支持軸 2 1 5上に前記基端部プーリ 2 1 6に隣接して複数個設置され、その外周面は少なくとも駆動案内帯 2 1 8の搬送面より上位に位置している。

そして、この中継プーリ 2 8 4の折り返し部の対向する側には折り返し案内部材 2 2 4が設置されている。この折り返し案内部材 2 2 4は、好適には、前記中継プーリ 2 8 4の曲率に沿った円弧形状をその外側対向面に有した補助枠 2 2 2が前記機枠 2 1 2上より立ち上がる形で設置される。そして、このほぼ三角形状の補助枠 2 2 2の上方にブーリ 2 2 3 a、その下端の最凹部にプ一リ 2 2 3 b、その下端の突出部にフ ^:一リ 2 2 3 cを支承して、これらプーリ 2 2 3 a、 b、 c間に無端帯を卷掛けして構成されている。このプーリ 2 2 3間に卷掛けされた無端帯は前記中継プーリ 2 8 4の個数に相当してその中継プーリ 2 8 4が設置されている位置に対向して用意され、この中継プーリ 2 8 4のべニヤ単板折り返し側の外周面に摺接している。

前記プーリ 2 2 3 a、 2 2 3 b、 2 2 3 cのいずれか、例えば下端の最凹部に位置する各プーリ 2 2 3 bをプーリ軸 2 8 5にそれぞれ固着する。そして、このプーリ軸 2 8 5の一側に取り付けられたチェンホイール 2 8 6と、前記機枠 2 1 2に設置された原動機 2 2 8間にチェン 2 8 7を掛け渡し、折り返し案内部材 2 2 4を各駆動案内帯 2 1 8上を搬送されるべニヤ単板 1の搬送速度とほぼ同一速度で、図 6 6中、反時計方向へ回動自在に制御している。

そして、前記流体シリンダ 2 2 0のピストンロッド 2 2 1の伸縮に伴って、搬送方向と直交する方向に複数列設置された駆動案内帯 2 1 8は、支持軸 2 1 5位置を支点として自由端である先端部プーリ 2 0 9を卷玉 9方向へ揺動自在とすることにより、前記卷玉 9の外周の下部に接近 ·離間自在の構成としている。まず、卷玉 9 よりべニヤ単板 1を巻戻すに際しては、流体シリンダ 2 2 0の後部ポートに流体を供給して縮小限位置にあるピストンロッド 2 2 1を伸長させることにより、リール受 8にその両端が支承されている卷玉 9の外周下部の一部に、複数列の駆動案内帯 2 1 8を押し付け状態に当接させる。

次いで、原動機 2 2 8の駆動によって、駆動案内帯 2 1 8を図 6 6中、反時計方向へ回動させると、巻玉 9のべニヤ単板 1 自由端は駆動案内帯 2 1 8との摩擦力によって卷戻され、駆動案内帯 2 1 8上に移乗される。そして、卷戻されたベニヤ単板 1は駆動案内帯 2 1 8上を搬送されて、その折り返し部にいたるときに駆動案内帯 2 1 8上から中継ブーリ 2 8 4に乗り移り、折り返し案内部材 2 2 4の各無端帯の駆動を受動して中継プーリ 2 8 4と無端帯とによって挟まれながら折り返され、その表裏が反転される。

なお、中継アーリ 2 8 4と無端帯とによって挟まれたベニヤ単板 1を折り返して反転させるため、前述のような無端帯を駆動させる代わりに中継コンペャ 2 8 4を駆動させることも可能である。例えば、図 6 8に示すように、前記支持台 2 1 3の側方に設置された軸受 2 8 8に、前記支持軸 2 1 5とその軸芯方向を平行とするタツチロール 2 8 9の軸 2 9 0を回転可能に支持する。そして、このタツチロール 2 8 9は前記支持軸 2 1 5に遊転自在に取り付けられている各中継プーリ 2 8 4の外周に接触している。このタツチロール 2 8 9が前記原動機 2 2 8の駆動を受動して図 6 8の時計方向へ回転するとき、中継プーリ 2 8 4を図 6 8の反時計方向へ回転させて、折り返し案内部材 2 2 4の無端帯と中継プーリ 2 8 4とによってべニヤ単板 1を挟みながら折り返すことができる。

また、図 6 9には、卷玉 9から卷戻されたベニヤ単板 1を折り返す他の形態が示されている。これによれば、卷戻されたベニヤ単板 1が搬送される駆動案内帯 2 1 8と、その搬送方向に一定間隔を置いて連係コンペャ 2 9 1を設置し、この連係コンべャ 2 9 1の搬送方向の終端部分をべニヤ単板 1の折り返し位置としている。この連係コンペャ 2 9 1は連係軸 2 9 2の軸芯方向において前記支持軸 2 1 5に固着された基端部ブーリ 2 1 6と同位相となる位置に連係プーリ 2 9 3を固着し、基端部ブ一リ 2 1 6と連係プーリ 2 9 3との間にベルト等の無端帯を卷掛けして構成されている。そして、連係軸 2 9 2には、この連係プーリ 2 9 3よりその直径が大であってこの連係ブーリ 2 9 3と並んで中継プ一リ 2 8 4がベアリング等を介して回転可能とされている。この中継プーリ 2 8 4は、好ましくしは連係軸 2 9 2上に前記連係プーリ 2 9 3に隣接して複数個設置され、その外周面は少なくとも連係コンべャ 2 9 1の搬送面より上位に位置している。さらに、この中継プーリ 2 8 4の折り返し部の対向する側には前記記載した折り返し案内部材 2 2 4が設置され、中継プーリ 2 8 4のべニヤ単板折り返し側の外周面に摺接している。

このように、駆動案内帯 2 1 8の搬送速度と、その折り返し部において折り返し案内部材 2 2 4を構成する無端帯と中継プーリ 2 8 4との間でベニヤ単板 1を挟みながら折り返す速度とをほぼ同速度で制御しているので、ベニヤ単板 1は折り返し時の周速制御に伴ってその繊維方向と交差する方向に引っ張られることがなくなる。したがって、駆動案内帯 2 1 8によって卷玉 9からべニヤ単板 1が卷戾される卷戻し開始位置 Aに過度のテンションが集中することがなくなり、その位置におけるべニヤ単板 1の繊維方向の裂断が防止される。そして、無端帯と中継プーリ 2 8 4との間で挟まれながら折り返されたベニヤ単板 1は、その表裏が反転されながら折り返しコンペャ 2 2 6上へいたる。このとき、折り返しコンべャ 2 2 6は、駆動案内帯 2 1 8、折り返し案内部材 2 2 4及び下流側のベニヤドライヤの搬送コンペャとほぼ同一速度に制御されており、折り返し案内部材 2 2 4の曲率に沿って駆動案内帯 2 1 8との間で挟持反転されるべニヤ単板 1を受け取り、この折り返しコンペャ 2 2 6を経由してべニヤドライヤへベニヤ単板 1を搬送するものである。

流体シリンダ 2 2 0の伸長動に伴って、駆動案内帯 2 1 8は、常時、卷玉 9の外周下部に押し付け状態となっており、ベニヤ単板 1の繰り出しによって卷玉 9径が減少するにつれ、支持腕 2 1 7は基端部プーリ 2 1 6を支点として、先端部プーリ 2〇 9側が図 6 4中、反時計方向へ回動することになる。各駆動案内帯 2 1 8は基端部プーリ 2 1 6と先端部アーリ 2 0 9間に無端状に掛け渡されたベルト状のものであるが、等径のアーリ間に掛け渡されたものでなく、基端部プーリ 2 1 6を先端部ブーリ 2 0 9に比して大径としている。したがって、各プーリの半径差分だけ、駆動案内帯 2 1 8を卷玉 9の外周下部に押し付けたときに余裕が生じ、卷玉 9の外周下部に駆動案内帯 2 1 8を或幅の面状で押し付けることができる。この面状に押し付けることにより、駆動案内帯 2 1 8と卷玉 9の下部との接触面積が増大してより多くの摩擦力を発生させることができ、巻玉 9からべニヤ単板 1を安定的に卷戻すことが可能となる。また、基端部プーリ 2 1 6が大径であるので、ベニヤ単板 1 の折り返す曲率も大となり、ベニヤ単板 1を円滑に折り返し搬送できる。さらに、支持腕 2 1 7は中間域から先端に向かって上方へ屈曲状に形成されているので、卷玉 9径の減少に伴って、駆動案内帯 2 1 8の上部軌道の下端と支持腕 2 1 7の上端が干渉して当接したり、駆動案内帯 2 1 8が回動停止する等の不都合は回避され、卷取りリール 7からのべニヤ単板 1繰り出しを確実としている。

次に、卷取りリール 7の軸芯方向へ任意間隔を置いて複数列の糸部材 1 2をガイドとしてべニヤ単板 1 と共に卷取る場合があるが、以下に、ガイドとして巻き付けられた糸部材 1 2を回収しながら、ベニヤ単板 1を卷戻す実施例を説明する。

図 7 0、図 7 1に示すように、前記連結梁 2 1 9の下流側前面に通直の繰り出し口ール 2 3 0を軸支すると共にその軸の端部に原動機 2 3 1を設置し、一方、各支持腕 2 1 7の先端部近傍に掛け渡した受け枠 2 3 2の各支持腕 2 1 7間隔内に、分割状の繰り出しロール接離用の流体シリンダ 2 3 3を取り付け、そのビストンロッド 2 3 4の先端に分割状の繰り出しロール 2 3 5を各々回転可能に支持している。そして、前記記載の如く、複数列の駆動案内帯 2 1 8を卷玉 9の外周下部に当接させると共に、受け枠 2 3 2に取り付けられた流体シリンダ 2 3 3のピストン口ッド 2 3 4を伸長させることにより、分割状の繰り出しロール 2 3 5を通直の繰り出しロール 2 3 0へ向かって移動させる。この移動途上、卷玉 9の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板 1のガイドとして巻き付けられ、卷玉 9外周から垂れ下がつた状態の複数列の糸部材 1 2の先端近傍を巻き込み、両口一ル 2 3 0 , 2 3 5間で挟持状態とする。

次いで、原動機 2 2 8の駆動によって、駆動案内帯 2 1 8を図 7 0中、反時計方向へ回動させると共に、通直の繰り出しロール 2 3 0を駆動案内帯 2 1 8と同期的に制御させ、両ロール 2 3 0， 2 3 5を互いに逆方向へ回動させることによって、卷玉 9からべニヤ単板 1を卷戻しながら、卷玉 9にガイドとして巻き付けられている各糸部材 1 2を繰り出すものである。したがって、駆動案内帯 2 1 8上に移乗されたベニヤ単板 1は折り返し案内部材 2 2 4へ案内され、前記記載と同様、ベニヤドライヤへ搬入されることになり、また、挟持繰り出しされた糸部材 1 2は直下に位置する回収箱 2 3 6へ回収されることになる。

次に、糸部材 1 2を回収する他の実施例を図 7 2、図 7 3に基づいて説明する。前記移送架 2 1 0の下方位置には、或る間隔を置いて左右一対のリール支柱 6 5 に向かう一対の水平梁 2 3 7が設置され、また、各水平梁 2 3 7の前後部に回転可能に支持されたプーリ 2 3 8間に各々タイミングベルト 2 3 9が掛け渡されている。この一対のタイミングベルト 2 3 9は連結軸 2 4 0によって同調されており、減速機付きモータ 2 4 1の正逆動に伴って前後回動されると共に、この回動量はモータ 2 4 1に内蔵されるバルス発信器によって制御されている。

一対のタイミングベルト 2 3 9の上下の軌道間隔內に搬送方向と平行に敷設されたリニヤウェイ 2 4 2上に、前記タイミングベルト 2 3 9に取り付けられたリニヤプロック 2 4 3を各々載置している。各リニャブロック 2 4 3間に搬送方向と直交する方向に亘つて走行体 2 4 4を取り付け、この走行体 2 4 4に搬送方向と直交する方向へ或る間隔を置いて支持体 2 4 5を複数個突出させた状態で設置している。各支持体 2 4 5の先端に二叉状の把持体 2 4 6を開閉自在に設置すると共に、各支持体 2 4 5の下端にはノズル 2 4 7が前記把持体 2 4 6に接近して位置するように取り付けられ、このノズル 2 4 7は送風ダクト 2 4 8を通じて送風機 2 4 9に連結されている。

一方、前記巻戻し位置 2 1 1の下流側に前記機枠 2 1 2より設置された架台 2 5 0上に、前記糸部材 1 2に対応する複数個の糸卷車 2 5 1を支承すると共に、各糸卷車 2 5 1はトルクリミッタ 2 5 2を介して原動機 2 5 3が接続されている。また、糸巻車 2 5 1 の胴部 2 5 4のほぼ半周状に沿った位置に、或る間隔を置いて糸案内ガイド 2 5 5を取り付けている。

上記実施例によれば、減速機付きモータ 2 4 1を駆動させて、タイミングベルト 2 3 9を正転させると、リニヤブロック 2 4 3はリニヤウェイ 2 4 2上を摺動して前進し、リニヤプロック 2 4 3に取り付けられている走行体 2 4 4が前進限近傍に至るとき、走行体 2 4 4に取り付けられ、開いた状態にある各把持体 2 4 6が、卷玉 9の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板 1のガイドとして巻き付けられ、卷玉 9外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材 1 2を、その中間位置で把持できる状態となる。次いで、把持体 2 4 6を閉じて糸部材 1 2の先端近傍を把持した後、各把持体 2 4 6に付設されているノズル 2 4 7からェャ一を噴出させると、糸部材 1 2は把持体 2 4 6によって把持されている部位から先端の自由端部分が、下流側に位置する糸卷車 2 5 1へ向かって吹き付けられることになる。

この時、糸卷車 2 5 1は図 7 3中、反時計方向へ回動されており、吹き付けられた状態の糸部材 1 2の自由端部分は、糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4の下部に至り、月同部 2 5 4と糸案内ガイド 2 5 5間に発生している噴出気流（吹き出し気流）に乗つて胴部 2 5 4に巻き付き、絡み付くことになる。一定時間経過後、各把持体 2 4 6 を開放させると、糸卷車 2 5 1の継続回動に伴って、糸部材 1 2は卷玉 9と糸卷車 2 5 1間で緊張状態に維持されるが、糸卷車 2 5 1はトルクリミッタ 2 5 2を介して原動機 2 5 3の駆動を常時受動しているので、過度の負荷は回避できるものである。

この状態下、前記記載の如く、複数列の駆動案内帯 2 1 8を卷玉 9の外周下部に当接させると、卷玉 9からべニヤ単板 1が卷戻されることになり、この巻戻しの開始に伴って、過負荷状態が解除されて糸卷車 2 5 1が回動される。したがって、駆動案内帯 2 1 8上に移乗されたべニヤ単板 1は折り返し案内部材 2 2 4へ案内され、前記記載と同様、折り返しコンべャ 2 2 6を経由してべニヤドライヤへ搬入されることになり、また、卷玉 9にガイドとして巻き付けられている各糸部材 1 2は糸卷車 2 5 1に卷取られることになる。尚、上記実施例における走行体 2 4 4は、減速機付きモータ 2 4 1の正転 ·逆転によってタイミングベルト 2 3 9を前 '後回動させることにより、進退しているが、これに限定されることなく、流体シリンダの伸縮動、ラック ' ピニオン動、クランク運動等に代替してもよレ、。

上記実施例は糸卷車 2 5 1が固定的に設置された場合を説明しているが、次に糸卷車 2 5 1を進退自在の構成とする実施例を説明する。図 7 4 , 図 7 5に示すように、前記機枠 2 1 2の両端位置に敷設されたリニヤウェイ 2 5 6にリニヤブロック 2 5 7を介して架台 2 5 0を取り付け、この架台 2 5 0に機枠 2 1 2に設置された流体シリンダ 2 5 8のピストンロッド 2 5 9を取り付け、巻玉 9の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板 1のガイドとして巻き付けられ、卷玉 9外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材 1 2の先端近傍まで、架台 2 5 0を進退自在としたものである。また、前記架台 2 5 0の一側上部に排風機 2 6 0を設置し、一方、糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4に吸引孔（図示せず）を開口し、この排風機 2 6 0と各糸卷車 2 5 1の胴部 2 δ 4間を排風ダクト 2 6 1を介して連通状態とすると共に、各糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4に沿った位置に或る間隔を置いて設置される糸案内ガイド 2 5 5の先端部に、クサビ状の切り込み 2 6 2を形成している。

この実施例によれば、流体シリンダ 2 5 8の伸長動に伴って架台 2 5 0をリニヤウェイ 2 5 6に沿って卷玉 9方向へ移動させ、架台 2 5 0が前進限近傍に至るとき、卷玉 9の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板 1のガイドとして巻き付けられ、巻玉 9外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材 1 2の先端近傍と糸案内ガイド 2 5 5のクサビ状の切り込み 2 6 2部分が係合する状態となる。次いで、排風機 2 6 0を作動させて、各糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4と糸案内ガイド 2 5 5間に排風気流（吸引気流）を発生させると、糸部材 1 2の先端自由端はこの気流により、糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4の下部より巻き付き、絡み付くことになる。したがって、糸巻車 2 5 1の継続回動に伴って、糸部材 1 2は卷玉 9と糸卷車 2 5 1間で緊張状態に維持され、前記記載と同様、卷玉 9からのべニヤ単板 1卷戻しに同期して、卷玉 9にガイドとして卷き付けられている各糸部材 1 2は糸卷車 2 5 1に卷取られることになる。尚、上記実施例における架台 2 5 0は、流体シリンダ 2 5 8の伸縮動によって進退自在とされているが、これに限定されることなく、前記記載のような減速機付きモータの正転 ·逆転によるタイミングベルトの前 ·後回動、ラック ' ピニオン動、クランク運動等に代替してもよレ、。

上記各実施例においては、卷玉 9の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板 1 のガイドとして巻き付けられた複数列の糸部材 1 2は、卷玉 9外周からほぼ真下に垂れ下がった状態を前提として説明してきた。しかしながら、ベニヤ単板 1を卷取つて卷玉 9としたとき、ガイドとして巻き付けられた糸部材 1 2の終端が、卷玉 9 となったベニヤ単板 1の繊維に絡み付き、真下に垂れ下がらなくなることがある。また、卷取り後の卷玉 9が移送架 2 1 0の緩い下り勾配によって移送される途上、或いは卷玉ストックエリヤ 3 Aで待機している間、糸部材 1 2の自重は軽いので、垂れ下がつているうちに風に吹かれて、卷玉 9の表面の毛羽立った繊維に糸部材 1 2の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂うことがある。

このような場合、糸部材 1 2を回収することができなくなるので、次に、図 7 6、図 7 7に基づいて糸部材 1 2の姿勢を矯正する実施例を説明する。

卷玉ストックエリヤ 3 Aの待機位置には、一対の移送架 2 1 0の搬送面に対して突出 ·没入自在としたストツバ 2 6 3が設置され、巻戻し位置 2 1 1にて先の卷玉 9の巻戻し作業中、次の卷玉 9を待機させている。このストツバ 2 6 3の近傍位置に一対の垂直な縦梁 2 6 4を設置し、この縦梁 2 6 4の内側を案内として移動プロック 2 6 5を昇降機構を介して昇降自在としている。図示例においては流体シリンダ 2 6 6を昇降機構として昇降自在としている。各移動ブロック 2 6 5の上端にはアーム 2 6 7がピン結合されており、また各移動ブロック 2 6 5の下端には進退機構として流体シリンダ 2 6 8が傾動自在に支持されている。この流体シリンダ 2 6 8のピストンロッド 2 6 9の先端は前記アーム 2 6 7の中間域に接続され、各ァーム 2 6 7の先端は矯正体 2 7 0の両端に接続され、流体シリンダ 2 6 8の作動で矯正体 2 7 0を巻玉 9に対して、アームのピン結合部を支点として旋回しながら、接近 '離間自在の構成としている。この矯正体 2 7 0の卷玉 9に面する側には、図 7 7に示すように、糸部材 1 2を吸着保持する吸着孔 2 7 1が複数形成され、また矯正体 2 7 0の一端は可撓性の排風ダクト 2 7 2を介して排風機 2 7 3に接続されている。

卷戻し位置 2 1 1にて先の卷玉 9が卷戻されている間、移動ブロック 2 7 5の上昇限位置において、アーム 2 6 7を進退機構（流体シリンダ 2 6 8 ) の作動で図 7 6中、反時計方向へ回動させて、次の卷玉 9の下流側の長手方向へ矯正体 2 7 0を押し付けて当接させる。この当接時、卷玉 9にガイドとして巻き付けられている複数列の糸部材 1 2は、吸着孔 2 7 1を介して矯正体 2 7 0に吸着保持される。糸部材 1 2の吸着保持後、流体を制御して矯正体 2 7 0の卷玉 9に対する位置をロックしたまま、昇降機構（流体シリンダ 2 6 6 ) の作動によって移動ブロック 2 7 5を下降させる。移動ブロック 2 7 5が下降すると、各糸部材 1 2は矯正体 2 7 0に吸着保持されたまま、徐々に卷玉 9との間で引っ張られる状態となる。したがって、仮に、ガイドとして卷き付けられていた糸部材 1 2の終端が、卷玉 9となったベニャ単板 1の繊維に絡み付いていたり、卷玉 9の表面の毛羽立った繊維に糸部材 1 2 の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂っていたとしても、移動ブロック 2 7 5が下降限位置に至るまでに緊張状態となり、繊維との絡み付きが解消される。矯正体 2 7 0の下降限において、糸部材 1 2と矯正体 2 7 0の保持状態が解除されると、複数列の糸部材 1 2は、卷玉 9外周からほぼ真下に垂れ下がった状態となり、その姿勢が矯正されることになる。尚、上記実施例においては、矯正体 2 7 0の進退機構を流体シリンダ 2 6 8としているが、これに限定されることなく、ラック ' ピニォン動、クランク運動等に代替してもよレ、。また移動ブロック 2 7 5の昇降機構を流体シリンダ 2 6 6としているが、これも同様に、前記記載のような減速機付きモータの正転 '逆転によるタイミングベルトの前 '後回動、ラック . ピニオン動、クランク運動等に代替してもよい。

矯正後、先の卷玉 9の卷戻し完了にともない、ストツバ 2 6 3を搬送面から没入させ、この卷玉 9を巻戻し位置 2 1 1まで移送させる。このとき、矯正体 2 7 0は下限位置にあるので移送には支障を来さない。

尚、上記実施例は説明の便宜上、卷玉ストックエリヤ 3 Aの待機位置において、先の卷玉 9が卷戻し位置 2 1 1で卷戻している間に実施するとしているが、これを卷戻し位置 2 1 1において、巻戻し作業に先立って実施する場合もある。

次に、図 7 8に基づいて糸部材 1 2の姿勢を矯正する他の実施例を説明する。前記卷戻し位置 2 1 1の下流側、すなわち、一対の移送架 2 1 0に設置されたリール受 8の下流側にリニヤウェイ 2 7 4を敷設し、このリニヤウェイ 2 7 4上にリニヤブロック 2 7 5を移動自在に乗せ、このリニャブロック 2 7 5にブラケット 2 7 6を介して、前記記載と同様の矯正体 2 7 0を取り付けている。移送架 2 1 0のさらに下流側には、前記矯正体 2 7 0を卷玉 9に対して、接近 ·離間自在とする進退機構が設置されている。図示例においてはこの進退機構として流体シリンダ 2 7 7が採用されており、そのビストン口ッド 2 7 8の先端を前記ブラケット 2 7 6に接続している _c

この実施例においては、まず、進退機構（流体シリンダ 2 7 7 ) の作動によって、矯正体 2 7 0を後退限位置、或いは卷玉 9に干渉しない位置まで後退させる。卷玉 9は移送架 2 1 ◦上を移動してリール受 8位置に至り、このリール受 8とリール押さえ 6 6によって巻玉 9の軸受部分を回転可能に支持する。このとき、各駆動案内帯 2 1 8は卷玉 9から離れた下限位置にて待機している。次いで、流体シリンダ 2 7 7のピストンロッド 2 7 8を伸長させて、矯正体 2 7 0をリニヤウェイ 2 7 4に沿って巻玉 9の下流側の長手方向へ押し付けて当接させる。この当接時、前記記載と同様、卷玉 9にガイドとして巻き付けられている複数列の糸部材 1 2は、吸着孔 2 7 1を介して矯正体 2 7 0に吸着保持される。糸部材 1 2の吸着保持後、流体シリンダ 2 7 7のピストン口ッド 2 7 8を縮小させると、矯正体 2 7 0はリニャゥェィ 2 7 4上、後退し始める。この矯正体 2 7 0の後退途上、各糸部材 1 2は矯正体 2 7 0に吸着保持されたまま、図 7 8に二点鎖線に示すように、徐々に卷玉 9との間で引っ張られる状態となる。したがって、仮に、ガイドとして巻き付けられていた糸部材 1 2の終端が、卷玉 9となったベニヤ単板 1の繊維に絡み付いていたり、卷玉 9の表面の毛羽立った繊維に糸部材 1 2の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂つていたとしても、矯正体 2 7 0が後退限位置に至るまでに緊張状態となり、繊維との絡み付きが、解消される。その後、矯正体 2 7 0が後退限位置に至ると、各糸部材 1 2は矯正体 2 7 0との吸着保持が解除され、複数列の糸部材 1 2は卷玉 9位置より横方向に引っ張られていた状態から、自重で卷玉 9外周からほぼ真下に垂れ下がった状態となり、その姿勢が矯正されることになる。

尚、上記実施例における矯正体 2 7 0の進退機構は、流体シリンダ 2 7 7の伸縮動としているが、これに限定されることなく、前記記載のような減速機付きモータの正転 '逆転によるタイミングベルトの前 '後回動、ラック ' ピ二オン動、クランク運動等に代替してもよい。また、上記実施例は説明の便宜上、巻戻し位置 2 1 1 において、卷戻し作業に先立って実施するとしているが、これを卷玉ストックエリャ 3 Aの待機位置において、先の卷玉 9が巻戻し位置 2 1 1で巻戻している間に実施する場合もある。

上記各実施例においては、矯正体 2 7 0に吸着孔 2 7 1を形成して、糸部材 1 2 を吸着保持しながら姿勢を矯正しているが、保持状態を吸着孔 2 7 1に代替して、矯正体 2 7 0の卷玉 9に面する側に、糸部材 1 2との絡み付きによる保持を発生させる、接着テープ、ガムテープ等の粘着性シートを貼り付ける場合もある。また、この他に、図 7 6に示すように、マジックテープ、砥粒が付着されているサンディングベーバー等の高摩擦部材を取り付けたり、または矯正体の表面を打撃によって凹凸を形成したり、ヤスリ掛け或いはローレツト加工を施して微細な凸部 2 7 9を形成して糸部材 1 2との絡み付きによる保持を発生させることもある。この場合、矯正体 2 7 0の下降、或いは後退によって糸部材 1 2との緊張状態を発生させるのは、粘着シートによる絡み付き保持、或いは微細な凸部 2 7 9による絡み付き保持による。尚、吸着保持を発生させる吸着孔 2 7 1、或いは絡み付き保持を発生させる粘着シート、微細な凸部 2 7 9は、矯正体 2 7 0の卷玉 9に面する側の全面に形成しても良いが、図 7 9に示すように、卷玉 9の長手方向に任意間隔を置いてガイドとして巻き付けられている糸部材 1 2の位置の近傍に或幅で形成しても良い。また、前記糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4を図 8 0に示すように、両端鍔部分から内方の谷部に向かって下り勾配となる鼓型状とし、この谷部を V字状の溝部 2 8 0とすると共に、谷部を境に左右 2個の構成部品を嵌め込み方式、或いは螺着方式等によって着脱自在に構成することにより、回収後の糸部材 1 2の胴部 2 5 4からの取り出しを容易とする場合もある。この糸卷車 2 5 1によれば、糸部材 1 2の糸卷車 2 5 1への巻き付き開始時、胴部 2 5 4に至った糸部材 1 2の先端部分が勾配に沿つてほぼ中央に位置する谷部の V字状の溝部 2 8 0に至り、巻き付きが確実となるものである。また、糸部材 1 2を卷取り終わった後、中央部を境に糸卷車 2 5 1を左右に離脱させれば、巻取った糸部材 1 2を糸卷車 2 5 1から容易に取り出すことができ、逆に次回の作業に際しては、離脱した 2個の部品を装着させれば足り、作業性の向上を期し得るものである。

また、上記各実施例においては、前記糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4を表面平滑とした場合を前提として説明しているが、この胴部 2 5 4に糸部材 1 2の卷付けを容易とする接着テープ、ガムテープ等の粘着性シートを貼り付ける場合もある。また、この他に砥粒が付着されているサンディングベーパー等の高摩擦部材を胴部 2 5 4 に取り付けたり、またはこの胴部 2 5 4の表面を打撃によって凹凸を形成したり、ヤスリ掛け或いは図 8 1に示すように、ローレツト加工を施して微細な凸部 2 8 1 を形成する等、胴部 2 5 4自体を摩擦係数が大になるように加工して、胴部 2 5 4 に糸部材 1 2の卷付けを容易とする場合がある。

したがって、糸部材 1 2の糸卷車 2 5 1への巻き付き開始時、糸部材 1 2の先端自由端部分が胴部 2 5 4の表面部のいずれかに接触すれば、表面が粘着シートまたは微細な凸部 2 8 1であるので容易に胴部 2 5 4に絡み付くことになり、糸部材 1 2の先端自由端部分が糸卷車 2 5 1への卷付けを予定している位置より多少ずれたとしても、糸卷車 2 5 1への卷付きは支障無く実施される。その後、糸卷車 2 5 1 の継続回動に伴って、糸部材 1 2は巻玉 9と糸卷車 2 5 1間で緊張状態に維持され、前記記載と同様、巻玉 9からのべニヤ単板 1卷戻しに同期して、卷玉 9にガイドとして巻き付けられている各糸部材 1 2は糸卷車 2 5 1に卷取られることになる。また、前記糸案內ガイド 2 5 5を、図 8 2に示すように、断面形状アーチ型とした偏平の半球状に形成し、糸卷車 2 5 1の胴部 2 5 4の表面から或間隔を置いて、糸部材 1 2の導入側ほぼ半分を開放状態となるように、両端鍔部分に取り付ける場合もあるこれによれば、糸部材 1 2はその巻き付け開始時に、先端がェヤーの噴出（吹き出し）或いは排風（吸引）によって、胴部 2 5 4の下部と半球状の糸案内ガイド 2 5 5の下部間より案内される。このとき、噴出気流（吹き出し気流）或いは排風気流（吸引気流）は、断面形状アーチ型の最頂部（最凹部）を偏平の半球状の下部から上部に向かって流れているので、糸部材 1 2の先端はこの気流に乗って、糸案内ガイド 2 5 5の最頂部を通って上部に至り、気流が途絶えた時点で自重にて胴部 2 5 4上に落下することになる。したがって、糸部材 1 2の先端は、糸卷車 2 5 1の胴部 2 δ 4を半周以上卷掛かった状態であり、糸卷車 2 5 1の図 8 2中反時計方向への回動に伴い、容易に卷き付くことになる。

特に、前記記載の鼓型状とした胴部 2 5 4であれば、糸案内ガイド 2 5 5の上部から落下した糸部材 1 2の先端部分は勾配に沿ってほぼ中央に位置する谷部の V字状の溝部 2 8 0に至り、巻き付きが確実となるものである。

次に、図 8 3から図 8 9に基づいて、前記卷玉 9の長手方向に複数列巻き付けられた前記糸部材 1 2のうち、少なくとも 1本の糸部材 1 2を、卷玉 9の曲率に沿つた状態から或角度 Θをなして、卷玉 9の外方へ突出させた状態で、卷玉 9からべ二ャ単板 1を卷戻す形態を説明する。

この糸部材 1 2を卷玉 9の外周に突出させるに際して、図 8 9に示すように、まず、巻玉 9からべニヤ単板 1が卷戻され始める位置である単板離脱位置 Ρから、巻玉 9の中心位置〇を通って卷玉 9の外周と交わる離脱対向位置 Qとの間で形成されるべニヤ単板 1の卷戻し側において、単板離脱位置 Pと離脱対向位置 Qとの中間に糸部材 1 2の引き出し方向を定めている。この引き出し方向は、卷玉 9から卷戻されるベニヤ単板 1が随伴して卷玉 9へ巻き付こうとする場合、このべニヤ単板 1の随伴を阻止して卷戻し搬送面 2 9 8へ戻すのに有効に作用することが肝要である。したがって、卷玉 9の中心位置〇と単板離脱位置 Ρとを結ぶ線 Sと、同じく Οと糸部材 1 2の離脱位置 Rとを結ぶ線 S ' との成す角 αを 1 8 0度未満、望ましくは 9 0度未満として、糸部材 1 2を卷玉 9より引き出すことが好ましい。これによれば、随伴しょうとするベニヤ単板 1は糸部材 1 2によって効果的に阻止され、巻戻し搬送面 2 9 8へ戻される。また逆に、糸部材 1 2が卷玉 9の曲率に沿ってほぼ直上（前記中点 Rにおける卷玉 9の接線方向）、あるいは直上よりベニヤ単板 1が卷戻される反対側へ引き出された場合には、糸部材 1 2によるべニヤ単板丄の随伴作用を阻止することは困難となる。

図 8 5に示すように、前記糸部材 1 2を外方へ突出して支持する位置を、前記卷玉 9からべニヤ単板 1を巻戻している巻戻し面 2 9 5に近接した位置、例えば、前記卷玉 9の搬入側において、前記リール支柱 6 5を構成する梁から支持部材 2 9 6 を突出させる。この支持部材 2 9 6の先端には、糸補助プーリ 2 9 7が回転可能に取り付けられており、前記卷玉 9の曲率に沿って卷き付けられている糸部材 1 2を外方へ突出させ、この糸補助ブーリ 2 9 7に支持させるものである。このとき、前記卷玉 9の長手方向に複数列巻き付けられた前記糸部材 1 2は、前記繰り出し口一ノレ 2 3 0、 2 3 5間で挟持されたり、あるレヽはトルクリミッタ 2 5 2を介して継続回動している前記糸卷車 2 5 1で、適度の緊張状態に維持されている。

前記記載したように、巻玉 9から糸部材 1 2を回収しながらベニヤ単板 1を卷戻すとき、巻戻し搬送面 2 9 8へべニヤ単板 1が卷戻されずに、図 8 4に示すように、卷戻すために回転している卷玉 9面へ、随伴して再び巻き付こうとすることがある。このような場合、前記卷玉 9の曲率に沿った状態から外方へ突出し、糸補助プーリ 2 9 7に支持されている糸部材 1 2は、図 8 5に示すように、卷玉 9の外周と或角度 Θをなして外方へ延びた状態にあるので、ベニヤ単板 1が随伴して再び巻き付こうとするとき、随伴するべニヤ単板 1面に当接して阻止することになる。この糸部材 1 2によって阻止されたべニヤ単板 1は、巻戻し搬送面 2 9 8に戻り次段工程に搬送されることになる。

なお、外方へ突出している糸部材 1 2は 1本でもあれば有効に作用するが、好適には、巻玉 9の両側の近傍位置に配列されている糸部材 1 2をそれぞれ外方に突出させ、糸補助プーリ 2 9 7によってそれぞれ支持していれば、卷戻されるベニヤ単板 1が随伴して巻き付こうとする場合、当該べニヤ単板 1の随伴をその両側より阻止することになり、その有効性が増すことになる。

糸部材 1 2の糸補助プーリ 2 9 7による支持位置は、上記のように卷戻し面 2 9 5に近接した位置であれば、卷戻されるベニヤ単板 1が随伴して巻き付こうとする初期の段階で阻止することができる。しかしながら、仮に、当該位置に設置物があつたり、作業者が作業をするに際して出入り困難な位置であれば、糸部材 1 2を一且他の位置において突出させ、この突出位置からベニヤ単板 1の卷戻し面 2 9 5に近づいた位置まで、変位させることも可能である。

図 8 6には、糸部材 1 2の支持位置を変位させる装置が例示されている。この糸部材支持装置 2 9 9は前記卷玉 9の外周部より径方向へ離れた外方に位置している。そして、卷玉 9の軸心とほぼ平行に配置された支軸 3 0◦の両端付近には、前記糸補助プーリ 2 9 7を回転可能に取り付けた突出腕 3 0 1が取り付けられている。前記支軸 3 0 0の両端はそれぞれ腕竿 3 0 2に支持されており、この腕竿 3 0 2の他端をそれぞれ回転軸 3 0 3に取り付けている。一方の回転軸 3 0 3にはレバー 3 0 4の一端が取り付けられ、その他端を、前記リール支柱 6 5に支持された流体シリンダ 3 0 5のピストン口ッド 3 0 6に取り付けている。

例えば、巻戻し位置 2 1 1の上方において作業用のデッキ（図示せず）が設置されている場合、図 8 3の二点鎖線に示す突出位置 3 0 7 このデッキを利用して作業者が前記卷玉 9の曲率に沿って巻き付けられている両端近傍の糸部材 1 2を径方向の外方へそれぞれ突出させる。そして、突出された糸部材 1 2を支軸 3 0 0に支持されている各糸補助プーリ 2 9 7にそれぞれ掛け渡して支持させる。次いで、前記流体シリンダ 3 0 5のピストンロッド 3 0 6を伸長させることによって、回転軸 3 0 3を或角度だけ回動させ、卷玉 9の径方向の外方位置において支軸 3 0 0を旋回させ、図 8 3の実線に示す変位位置 3 0 8まで卷玉 9の外周に沿って変位させる。この変位後、前記記載したように、卷玉 9から糸部材 1 2を回収しながらベニャ単板 1を卷戻すものである。

また、回転軸 3 0 3を或角度だけ回動させるに際して、レバー 3 0 4の旋回動を用いているが、図 8 7に示すように、回転軸 3 0 3にピニオンギヤ 3 0 9を取り付け、このピニオンギヤ 3 0 9に歯合するラックギヤ 3 1 0に流体シリンダ 3 1 1のピストンロッド 3 1 2を連結させることもある。この方式によれば、ピストンロッド 3 0 2の伸縮動に伴って、ラックギヤ 3 1 0を移動させることにより、ピニオンギヤ 3 0 9が正逆転して支軸 3 0 0を突出位置 3 0 7と変位位置 3 0 8との間を変位させることができる。

また、同様に、図 8 8に示すように、回転軸 3 0 3にピニオンギヤ 3 0 9を取り付け、このピニオンギヤ 3 0 9に歯合するピニオンギヤ 3 1 3にモータ 3 1 4の駆動軸を連結させることもある。この方式によっても、モータ 3 1 4の正逆転動に伴つて、ピニオンギヤ 3 1 3と歯合するピニオンギヤ 3 0 9が正逆転して支軸 3 0 0 を突出位置 3 0 7と変位位置 3 0 8との間を変位させることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 乾燥後のベニヤ単板をリールの卷取り面に卷取る際に発生する、繊維と平行する部分からの割れを低減した曲率となるように、その直径を卷取られるベニヤ単板厚みの 8 5倍以上、かつ 3 0 O mm以上としたことを特徴とする卷取りリール。

2 . ベニヤ単板を卷取る卷取り面がリール内部に形成された空隙と径方向に連通する通気連通部を備えており、リール軸の軸芯方向に複数個取り付けられたベニヤ単板を卷取る支持部には、前記空隙と連通する開口部が形成されたことを特徴とする卷取りリ一ル。

3 . 前記リールは、リール軸にその軸芯方向に渡って同径とした鍔を任意間隔を置いて複数個取り付けて、各鍔の外周部をべニヤ単板を卷取る卷取り面とした請求の範囲第 2項記載の卷取りリール。

4 . 前記リールは、リール軸にその軸芯方向に渡って同径とした鍔を任意間隔を置いて複数個取り付けるとともに、ベニヤ単板を卷取るための卷取り面となる胴板がその曲率に沿って固着された請求の範囲第 2項又は第 3項記載の卷取りリール。

5 . 乾燥後のベニヤ単板を 2枚重ねに糸部材をガイドとして巻き付けて卷取り、仕組み巻玉とした請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリール。

6 . 乾燥後のベニヤ単板を 2枚重ねと 1枚を 1組に交互に糸部材をガイドとして卷き付けて卷取り、仕組み卷玉とした請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリール。

7 . ベニヤ単板卷取り位置に回転可能に設置された請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリールと、この卷取りリールの下面に位置して駆動を伝達する変速可能なドライブロールと、前記べニヤ単板卷取り位置の上流に設置されたべニヤドライヤとを備えて成り、ベニヤドライヤで乾燥されたべニヤ単板を前記卷取りリールに卷取ることを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

8 . ベニヤドライヤの終端と接続し、パルス発信器が設置された接続コンペャと、この接続コンペャ上を搬送される乾燥後のベニヤ単板を検出する検出器と、この検出器位置から下流に位置するドライブロールまでの距離を設定する距離設定器と、このドライブロールの駆動を制御する駆動制御器と、ドライブロールの上面に接して従動回転する請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリールとを備え、接続コンペャ上を搬送されるべニヤ単板を検出するとき、駆動制御器からの指令によってドライブ口一ルの駆動を停止し、設定した距離のパルス量がカウントアップされるとき、ドライブロールを駆動させてベニヤ単板を卷取りリールに卷き付けることを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

9 . ベニヤドライヤの終端と接続し、パルス発信器が設置された方向変換コンペャと、二の方向変換コンペャ上を搬送される乾燥後のベニヤ単板を検出する検出器と、この検出器位置から下流に位置するドライブロールまでの距離を設定する距離設定器と、このドライブロールの駆動を制御する駆動制御器と、ドライブロールの上面に接して従動回転する請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリールと、この卷取りリールの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構とを備え、方向変換コンべャ上を搬送されるべニヤ単板の前端を検出するとき、駆動制御器からの指令によってドライブロールの駆動を停止させると共に、ベニヤ単板の後端を検出するまでのパルス量に基づき板長さを求めて駆動制御器内にて一旦記憶し、ベニヤ単板の搬送に伴って設定した距離のパルス量がカウントアップされるとき、ドライブロールを板長さ分だけ駆動させて、ベニヤ単板を糸部材をガイドとして卷取りリールに巻き付けることを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

1 0 . ベニヤドライヤの終端と接続し、パルス発信器が設置された接続コンペャと、この接続コンペャ上を搬送される乾燥後のベニヤ単板を検出する検出器と、この検出器位置から下流に位置する間隔詰めコンべャまでの距離を設定する距離設定器と、この間隔詰めコンペャの駆動を制御する駆動制御器と、間隔詰めコンペャの下流に位置する請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリ一ルとを備え、接続コンペャ上を搬送されるべニヤ単板を検出するとき、駆動制御器からの指令によって間隔詰めコンペャの駆動を停止し、設定した距離のパルス量がカウントアツプされるとき、間隔詰めコンペャを駆動させて搬送方向に隣接するべニヤ単板の間隔を詰め、その後、卷取りリールに巻き付けることを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

1 1 . ベニヤドライヤの終端と接続し、パルス発信器が設置された方向変換コンべャと、この方向変換コンペャ上を搬送される乾燥後のベニヤ単板を検出する検出器と、この検出器位置から下流に位置する間隔詰めコンペャまでの距離を設定する距離設定器と、この間隔詰めコンペャの駆動を制御する駆動制御器と、間隔詰めコンべャの下流に位置する請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリールと、この卷取りリールの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構とを備え、方向変換コンペャ上を搬送されるべニヤ単板の前端を検出するとき、駆動制御器からの指令によって間隔詰めコンペャの駆動を停止させると共に、ベニヤ単板の後端を検出するまでのパルス量に基づき板長さを求めて駆動制御器内にて一旦記憶し、ベニヤ単板の搬送に伴って設定した距離のパルス量が力ゥントアップされるとき、間隔詰めコンペャを板長さ分だけ駆動させて搬送方向に隣接するベニヤ単板の間隔を詰め、その後、ベニヤ単板を糸部材をガイドとして卷取りリールに卷き付けることを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

1 2 . 乾燥後のベニヤ単板を 2枚重ねに仕組む又は 2枚重ねと 1枚を 1組として交互に仕組む重合コンペャと、この重合コンペャの下流位置に、回転可能に設置された請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリールと、この卷取りリールの下面に位置して駆動を伝達する変速可能なドライブロールと、前記卷取りリ一ルの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材操り入れ機構とを備えたことを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

1 3 . パルス発信器が設置されたコンペャと、このコンペャ上を搬送される乾燥後の 2枚重ねのベニヤ単板を検出する又は 2枚重ねと 1枚のベニヤ単板を交互に検出する検出器と、この検出器位置から下流に位置するドライブロールまでの距離を設定する距離設定器と、このドライブロールの駆動を制御する駆動制御器と、ドライブロールの上面に接して従動回転する請求の範囲第 1項ないし第 4項のいずれかに記載の卷取りリールと、この卷取りリールの長手方向へ任意間隔を置いて複数個設置された糸部材繰り入れ機構とを備え、コンペャ上を搬送されるべニヤ単板を検出するとき、駆動制御器からの指令によってドライブロールの駆動を停止し、設定した距離のパルス量がカウントアップされるとき、ドライブロールを駆動させて、ベニヤ単板を糸部材をガイドとして卷取りリールに巻き付けることを特徴とするベニャ単板の卷取り装置。

1 4 . ベニヤ単板卷取り位置に回転可能に支持された卷取りリールと、

この巻取りリールと対向する位置にその軸芯方向に亘つて任意間隔を置いて複数列に卷掛けされた卷取り案内部材と、

前記卷取り案內部材にべニヤ単板を巻き付けるために回転を付与する回転伝達手段と、

前記巻取り案内部材を前記卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って沿わせる追従手段と、

前記卷取りリールの下方位置において前記卷取り案内部材と連係して、卷取りリ —ルと卷取り案内部材間へベニヤ単板を搬送する搬送コンべャと、

搬送されるべニヤ単板を卷取りリールに巻き付かせるために前記卷取り案内部材に張力を付与する緊張手段と

を少なくとも備えたことを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

1 5 . パルス発信器が設置された接続コンペャと、この接続コンペャ上を搬送される乾燥後のベニヤ単板を検出する検出器と、この検出器位置から下流に位置する卷取り案内部材までの距離を設定する距離設定器と、この卷取り案内部材の駆動を制御する駆動制御器と、卷取り案内部材の上面に接して従動回転する卷取りリールとを備え、接続コンペャ上を搬送されるべニヤ単板を検出するとき、駆動制御器からの指令によって卷取り案内部材の駆動を停止し、設定した距離のパルス量がカウントアップされるとき、卷取り案内部材を駆動させてベニヤ単板を卷取りリールに卷き付けることを特徴とするベニヤ単板の卷取り装置。

1 6 . 前記卷取りリールの軸芯方向には、前記卷取りリールにベニヤ単板を卷取るガイドとして巻き付けられる糸部材を繰り入れるための糸部材繰り入れ機構が、任意間隔を置いて複数個設置された請求の範囲第 1 4項又は第 1 5項記載のベニヤ単板の卷取り装置。

1 7 . 前記卷取り案内部材は、基端部と中間部と先端部の少なくとも 3点に卷掛けされる無端帯によって構成され、基端部分において前記搬送コンペャの先端部と連係しており、前記追従手段によって巻取りリール方向へ先端部が旋回されるとき、前記卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って押し付け状態とされる請求の範囲第 1 4項ないし第 1 6項のいずれかに記載のベニヤ単板の卷取り装置。

1 8 . 前記卷取り案内部材は、前記べニヤ単板卷取り位置の下方位置を基端とし先端を自由端とした無端帯によって構成され、基端部分において前記搬送コンペャの先端部と連係しており、前記追従手段によって卷取りリール方向へ前記基端を支点として先端が旋回されるとき、前記卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って押し付け状態とされる請求の範囲第 1 4項ないし第 1 7項のいずれかに記載のベニャ単板の卷取り装置。

1 9 . 前記緊張手段は、前記卷取り案内部材が前記卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って押し付け状態とされるとき、その回転力を許容しながらこの卷取り案内部材を構成する無端帯にある圧力下で押し付け、又は引っ張られる回転プーリであり、卷取り案内部材を一定の張力で緊張状態に維持して、卷取りリールに卷取られた卷玉径の増加に伴ってその押し付け位置が変位する請求の範囲第 1 4項ないし第 1 8項のいずれかに記載のベニヤ単板の卷取り装置。

2 0 . 前記緊張手段は、前記卷取り案内部材が前記卷取りリールの外周の一部にその曲率に倣って押し付け状態とされるとき、その回転力を許容しながらこの卷取り案内部材を構成する複数列より成る無端帯の各々に対し、ある圧力下で押し付け、又は引っ張られる個別に設置された回転プーリであり、卷取り案内部材を一定の張力で緊張状態に維持して、卷取りリールに卷取られた卷玉径の増加に伴ってその押し付け位置がそれぞれ個別に変位し得る請求の範囲第 1 4項ないし第 1 8項のいずれかに記載のベニヤ単板の卷取り装置。

2 1 . 卷取リールによって卷き取られるベニヤ単板間に挿入されるテープを繰り出す装置であって、

前記テープをその供給元から前記べニヤ単板間に導く搬送手段と、

その供給元に設けられ、前記テープを卷いた卷テープの両側側方への倒れを防ぐ側方位置規制部材と、

その側方位置規制部材とは別体かつ独立に前記搬送手段の経路上において前記卷テープの前方に位置し、その卷テープの繰出回転を許容しつつその前方への移動を規制する前方ストツバ部材と、

を備えることを特徴とするベニヤ単板卷玉へのテープ繰出装置。

2 2 . 卷取リールによって巻き取られるベニヤ単板間に挿入されるテープを繰り出す装置であって、

前記テープをその供給元から前記べニヤ単板間に導く負圧吸着コンベアと、その供給元において前記負圧吸着コンベアのテープ供給方向とほぼ直角な方向に移動可能に配置されるとともに、前記テープを卷いた卷テープを個別に格納して各テープの両側側方への倒れを防止する仕切部によって仕切られた複数のテープ格納部を有し、それらテープ格納部が前記負圧吸着コンベアの搬送路上に順次位置するように、それらテープ格納部の形成ピッチで間欠的に移動させられ、あるテープ格納部が前記負圧吸着コンベアの搬送路上に位置した状態で、そのテープ格納部の前方は開放され、前記巻テープを前記仕切部によって両側側方への倒れを防止しつつ繰出回転可能に保持するテープラックと、

前記負圧吸着コンベアの搬送路上において前記テープラックの下流に隣接して配置され、前記テープラックのあるテ一プ格納部が負圧吸着コンベアの搬送路上に位置したとき、そのテープ格納部にある卷テープが前記仕切部から外れない範囲で前方へ移動した後にその移動を止め、以後はその位置で前記負圧吸着コンベアにより前記卷テープが繰出回転してテープが繰り出されるように前記卷テープの位置を規制する前方ストツバ部材と、

を含むことを特徴とするベニヤ単板卷玉へのテープ繰出装置。

2 3 . 前記前方ストツバ部材は、前記負圧吸着コンベアの搬送面から遠い側に、大径状態における卷テープと接触しつつその繰出回転に従って連れ回る第 1の遊転口一ラストツバと、前記搬送面に近い側に、小径状態における卷テープと接触して連れ回る第 2の遊転口一ラストツパとを含む複合形態をなす請求の範囲第 2 1項又は第 2 2項記載のテープ繰出装置。

2 4 . 前記前方ストツバ部材は、前記卷テープの繰出しの終盤で、卷芯に巻かれていたテープの残量がゼ口又は所定量以下になったとき、その残量がゼ口又は所定量以下の卷芯を前記負圧吸着コンベアの下流側にくぐり抜けさせる出口部を有し、かつその出口部の下流には前記卷芯を前記負圧吸着コンベアの側方へ排出する卷芯排出装置が設けられている請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれかに記載のテープ繰出装置。

2 5 . 前記卷芯排出装置は、前記前方ストツバの出口部をくぐり抜けてきた前記卷芯の移動を阻止する卷芯ストッハと、その卷芯ストツバの側方に形成されて卷芯を前記負圧吸着コンベアの側方に排出するための排出口と、その排出口を開放 ·遮断する開閉部材と、その開閉部材が開くとき、前記卷芯が前記排出口から排出されるように助勢する排出助勢手段とを含む請求の範囲第 2 4項記載のテープ繰出装置。

2 6 . 前記排出助勢手段は、前記卷芯ストツバの前記卷芯を当接させる部分に形成 δ された、その卷芯の前方への移動を阻止するとともに卷芯を前記排出口に導くストツバ兼誘導用の斜面と、前記開閉部材に連結されてその開閉部材の開動作の際に前記卷芯に係合してこれを前記排出口から強制的に払い出す払出部材との、すくなくとも一を備える請求の範囲第 2 5項記載のテープ操出装置。

2 7 . 巻取リールによって卷き取られるベニヤ単板間に挿入されるテープを繰り出0 す装置であって、

前記卷テープの前方に位置し、その卷テープの繰出回転を許容しつつその前方へ5 の移動を規制する前方ストツバ部材と、

前記搬送手段の先端から前記べニヤ単板間に導かれるテープに接触して前記テープにその幅方向の正常な角度姿勢を付与することによりテープ面の表裏が反転することを防止する反転防止部材と、

0 2 8 . 前記反転防止部材は、前記搬送手段の先端部から前記べニヤ単板の卷玉側へ突出して前記テ一プに接触する作用位置と、そのテープから離間する方向に退避した退避位置との間で移動可能に設けられ、さらにその反転防止部材を前記べニヤ単板へテープが供給されてからテープが切断されるまで、前記作用位置への突出と前記退避位置への復帰とを継続的に行うァクチユエータを備えた請求の範囲第 2 7項5 記載のテープ繰出装置。

2 9 . 巻取リールによって巻き取られるベニヤ単板間に挿入されるテープを繰り出す装置であって、

前記卷テープの前方に位置し、その卷テープの繰出回転を許容しつつその前方への移動を規制する前方ストツパ部材と、

前記搬送手段の先端部近傍において前記テープを切断するテープカツタと、そのテーアの切断の際に前記搬送手段の先端から前記べニヤ単板間に至るテープに通常より大きな張力を付与し、その状態で前記テープの切断が行われるようにする張力付与手段と、

3 0 . 前記搬送手段は、その少なくとも一部が前記テープに張力を付与する方向に移動可能とされて、その移動機構が前記張力付与手段を構成し、かつ前記テープ力ッタに近接して前記テープの切断時の逃げを抑制するテープ受部材が設けられ、前記テープに切断時の張力が作用した状態でそのテープが前記テープ受部材で方向を変えるように該受部材に押し付けられる請求の範囲第 2 9項記載のテープ繰出装置。

3 1 . 卷取りリールによって卷き取られて卷玉となるベニヤ単板間に挿入されるテ —プを繰り出す装置であって、

前記搬送手段の経路上において前記卷テープの前方に位置し、その卷テープの繰り出し回転を許容しつつその前方への移動を規制する前方ストツバ部材と、

前記搬送手段の先端部より突出した位置に設置されたテープ切断具と、前記前方ストツバの上流位置において前記卷テープの回転を停止させる卷テープ回転停止手段と、を備えることを特徴とするベニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置。

3 2 . 前記卷テープ回転停止手段は、前記前方ストツバの上流位置において、前記テーアの繰り出し方向と交差する前記卷テープの一方の側面側に前記卷テープの一方の側面を受け止める受け部材を設置し、また前記卷テープの他方の側面側に前記卷テープの他方の側面を押し付ける押し付け部材を前記受け部材に対して押動可能に設置した請求の範囲第 3 1項記載のテープ繰り出し装置。

3 3 . 前記卷テープ回転停止手段は、前記前方ストツバの上流位置において、前記テープの繰り出し方向と交差する方向から前記卷テープの両側面を挟持する、拡開縮閉可能に構成された一対の挟持片よりなる請求の範囲第 3 1項記載のテープ繰り出し装置。

3 4 . 前記卷テープ回転停止手段は、前記前方ストツバの上流位置において、前記卷テーアの上方を待機位置として卷テープの上面に当接 ·離間可能に構成された押圧部材ょりなる請求の範囲第 3 1項記載のテープ繰り出し装置。

3 5 . 前記切断具は、前記搬送手段の先端部より突出した位置に設置されて、前記テープの繰り出し方向と交差する方向へ切断部位が配置されるとともに前記テープに接触する方向へ移動可能とされ、その移動機構によって繰り出されるテープ面に前記切断部位が摺接状態となる請求の範囲第 3 1項記載のテープ繰り出し装置。

3 6 . 卷戻し位置に卷玉を巻き付けた卷取りリールの両端軸受部分を回転可能に支持し、この巻戻し位置の下方位置を基端とし先端を自由端とした駆動案内帯を、卷取りリールの軸芯方向に複数列設置すると共に、卷玉方向へ前記基端を支点として先端を揺動自在とすることにより、前記卷玉の外周の一部に押し付け状態とし、また、この駆動案內帯の基端部の外周に任意間隔を置いて折り返し案内部材を設置して折り返しコンペャと接続したことを特徴とするベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

3 7 . 巻戻し位置のリール受け部に両端軸受部分が回転可能に支持され、卷玉を卷き付けた卷取りリールと、前記卷戻し位置の下方位置に前記卷取りリ一ルの軸芯方向とほぼ平行に設置された支持軸に複数個固着された基端部プーリと、

この基端部プーリと先端に位置する先端部プーリとの間にそれぞれ卷掛けされ、前記支持軸を支点として先端を旋回自在とし、前記巻玉の外周の一部に押し付け可能となる駆動案内帯と、

前記基端部ブ一リよりその直径が大であってこの基端部プーリと並んで前記支持軸に回転可能に設置され、前記駆動案内帯上を搬送されるべニヤ単板がその折り返し途上において乗り移る中継プーリと、

この中継ブーリのベニヤ単板折り返し側の外周面に摺接して、中継プーリ上をべニヤ単板が折り返されるときにこのべニヤ単板をその外方より挟んだ状態で折り返す折り返し案内部材と、

を少なくとも備えたことを特徴とするベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

3 8 . 前記巻戻し位置の下流位置に設置された複数個の糸卷車に対して、巻戻し位置の上流側より往復動自在に設置された走行体と、この走行体に卷玉の長手方向に亘つて複数列べニヤ単板のガイドとして巻き付けられ、その先端自由端が卷玉より垂れ下がつている糸部材の終端を把持するために複数個取り付けられた把持体と、この把持体に設置された送風ダク卜に連通するノズルとを備え、走行体前進時に糸部材の自由端を把持し、走行体前進限にノズルからの送風によって糸卷車に糸部材を巻き付かせ、前記卷玉からのべニヤ単板の巻戻しに同期して糸部材を糸卷車に卷き取る請求の範囲第 3 6項又は第 3 7項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

3 9 . 前記卷戻し位置の下流位置に、卷玉の長手方向に亘つて複数列べニヤ単板のガイドとして卷き付けられ、その先端自由端が卷玉より垂れ下がつている糸部材に対応する複数個の糸卷車と、この糸卷車が設置されて巻戻し位置に対して往復動自在とした架台と、この糸卷車の巻き付け部に設置されて排風ダクトに連通する吸引孔とを備え、架台前進限に吸引孔からの排風によって糸卷車に糸部材を巻き付かせた後に原位置に復帰し、前記卷玉からのべニヤ単板の巻戻しに同期して糸部材を糸卷車に巻き取る請求の範囲第 3 6項又は第 3 7項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

4 0 . 前記卷戻し位置の下方位置に、卷玉の長手方向に亘つて複数列べニヤ単板のガイドとして巻き付けられ、その先端自由端が卷玉より垂れ下がつている糸部材に対応して、一方及び/又は他方に互いに接離自在とした一対の繰り出しロールを備え、各一対の繰り出しロールが接近して糸部材の自由端を挟持した後、前記卷玉からのベニヤ単板の卷戻しに同期して糸部材を繰り出しロールによって繰り出す請求の範囲第 3 6項又は第 3 7項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

4 1 . 巻玉の下流側に対し、前進時に卷玉の長手方向に複数列ガイドとして卷き付けられている糸部材に当接して保持し、下降時に保持した各糸部材を緊張状態とする矯正体を設置したことを特徴とするベニヤ単板卷玉の卷戻し装置。

4 2 . 昇降機構を介して昇降自在とした移動プロックに進退機構を介して矯正体を卷玉の下流側に対して進退自在とし、前記矯正体の前進時に卷玉の長手方向に複数列ガイドとして卷き付けられている糸部材に当接して保持し、前記矯正体の下降時に保持した各糸部材を緊張状態とした請求の範囲第 4 1項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

4 3 . 昇降機構を介して昇降自在とした移動プロックに流体シリンダを取り付け、そのビストンロッドの先端にアームを介して旋回可能に取り付けた矯正体を卷玉の下流側に対して旋回しながら進退自在とし、前記矯正体が前進する時に、卷玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、前記矯正体が昇降機構によって下降する時に、保持した各糸部材を緊張状態とした請求の範囲第 4 1項又は第 4 2項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

4 4 . 卷玉の下流側に対して、前進時に卷玉の長手方向に複数列ガイドとして卷き付けられている糸部材に当接して保持し、後退時に保持した各糸部材を緊張状態とする矯正体を進退機構を介して設置した請求の範囲第 4 1項ないし第 4 3項のいずれかに記載のベニヤ単板卷玉の卷戻し装置。

4 5 . 矯正体の卷玉に面する側には糸部材を吸着保持する吸着孔を形成した請求の範囲第 4 1項ないし第 4 4項のいずれかに記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

4 6 . 矯正体の卷玉に面する側には糸部材の絡み付き保持を容易とする粘着シートを貼り付けた、または矯正体の卷玉に面する側には糸部材の絡み付き保持を容易とする微細な凸部を形成した請求の範囲第 4 1項ないし第 4 4項のいずれかに記載のベニヤ単板卷玉の卷戻し装置。

4 7 . 巻戻し位置のリール受部に両端軸受部分が回転可能に支持され、卷玉を巻き付けた卷取りリールと、卷玉の長手方向に任意間隔を置いてベニヤ単板を卷取るガィドとして複数列卷き付けられた糸部材と、前記卷戻し位置において卷玉の外周から離れた外方位置に配置され、前記糸部材の少なくとも 1本を支持する糸部材支持装置とを備えたことを特徴とするベニヤ単板卷玉の卷戻し装置。

4 8 . 前記糸部材支持装置は、前記卷玉の軸心とほぼ平行に配置された支軸に、卷玉にその曲率に沿って巻き付けられた糸部材が卷玉から外方へ突出されるときに支持される糸補助ブーリを回転可能に取り付けた請求の範囲第 4 7項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

4 9 . 前記糸部材支持装置の支軸は、その両端がそれぞれ腕竿に支持されており、この腕竿の他端に取り付けられた回転軸を回動させることによって、卷玉の外方位置において支軸の位置を卷玉の外周に沿って変位可能とした請求の範囲第 4 7項又は第 4 8項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

5 0 . 前記糸部材支持装置の支軸の両端近傍位置には、卷玉の長手方向の両端近傍に位置に巻き付けられた糸部材を支持する糸補助プーリが、支軸より突出して回転可能に支持された請求の範囲第 4 7項ないし第 4 9項のいずれかに記載のベニヤ単板卷玉の卷戻し装置。

5 1 . 前記中継プーリは、前記基端部プーリが固着されている支持軸にこの基端部プーリと横方向に並んだ状態で遊転自在に複数個取り付けられている請求の範囲第 3 7項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

5 2 . 前記折り返し案内部材は、前記中継プーリの曲率に沿った円弧形状をその外側対向面に有した枠体にプーリを複数個支承して、これらプーリ間に無端帯を卷掛けして構成され、前記ブーリのいずれかのブーリ軸に駆動を付与した請求の範囲第 3 7項記載のベニヤ単板卷玉の巻戻し装置。

5 3 . 前記中継プーリは、前記基端部アーリが固着されている支持軸にこの基端部プーリと横方向に並んだ状態で遊転自在に取り付けられ、その外周部分と接触するタツチコールの駆動を受動している請求の範囲第 3 7項又は第 5 2項記載のベニヤ単板卷玉の卷戻し装置 _c

5 4 . ベニヤ単板を卷取って卷玉とし、ベニヤ単板卷玉からベニヤ単板を卷戻すェ程を含む製造工程において、請求の範囲第 7項ないし第 2 0項のいずれかに記載のベニヤ単板の卷取り装置によってべニヤ単板を巻取ることを特徴とする合板の製造方法。

5 5 . ベニヤ単板を卷取って卷玉とし、ベニヤ単板卷玉からベニヤ単板を卷戻すェ程を含む製造工程において、請求の範囲第 2 1項ないし第 3 5項のいずれかに記載のべニヤ単板卷玉へのテープ繰り出し装置によってべニヤ単板卷玉へテープを繰り出すことを特徴とする合板の製造方法。

5 6 . ベニヤ単板を卷取って卷玉とし、ベニヤ単板卷玉からベニヤ単板を卷戻すェ程を含む製造工程において、請求の範囲第 3 6項ないし第 5 3項のいずれかに記載のべニヤ単板卷玉の巻戻し装置によってべニヤ単板卷玉からベニヤ単板を卷戻すことを特徴とする合板の製造方法。