明細書
ピリジン化合物およびその医薬用途
「技術分野」
本発明は、 抗潰瘍作用、 胃腸細胞保護作用、 潰瘍の再燃再発防止作用、 胃酸分 泌抑制作用、 へリコパクター · ピロリに対する抗菌作用などを有する新規なピリ ジン化合物およびその医薬上許容し得る塩、 およびその医薬用途に関する。
「背景技術」
へリコパクター ' ピロリ (Helicobacter pylori:以下、 H. pyloriと称すること もある) は、 活動性慢性胃炎患者の胃粘膜から分離されたグラム陰性細菌である (Warren, J.R. & Marshall. B.J. Lancet i : 1273-1275, 1983)。 H. pyloriは 幅 0. 5 m、 長さ 3〜5 zm、 単極あるいは両極に数本の鞭毛と鞭毛鞘を有す るグラム陰性の螺旋状細菌である。 微好気条件下で発育し、 好気的条件下では発 育できず、 嫌気条件下では発育が悪い。 37°Cで発育し、 25 以下ぉょび42 °C以上では殆ど発育しない。 ゥレアーゼを著明に産生することが最も大きな特徴 である (Mobley, H.L. et aし, Clin. Microbiol.. 26 : 831-836, 画)。
ヒトの胃粘膜上皮の粘液層に存在し、 特有の鞭毛で粘調な粘液層の中を泳ぎ回 り、 胃酸度も中性となり最も住み易い環境となっている上皮細胞の表層とその間 隙に存在し、 へミン、 尿素などを利用して生息している (Hazell, S.L.. Adrian, L, J. Infect. Dis., 153 : 658-663, 1986) 。
H.pyloriによる病態の発生機構については、 粘膜障害説 (Hazell, S.L, Adrian, し, J. Infect. Dis., 153 : 658-663, 1986) 、 leaking roof concept (Goodwin C. S. , Lancet ii : 1467-1469, 1988) 、 gastrin link concept (Levi, S. et al., Lancet i : 1167-1168, 1989)などが提唱されている。
H.pyloriの粘膜障害性は強いゥレアーゼ活性に求められるものが多い (Hazell, S.L, Adrian, し, J. Infect. Dis., 153 : 658-663, 1986) 。 胃液中に存在す る尿素は、 H.pyloriのゥレアーゼによって分解され、 多量のアンモニアと二酸化 炭素を産生する。 胃液中アンモニア濃度は H.pylori陽性群で有意に高値であり、 アンモニアを経口的にラットに投与した実験でも組織学的な上皮細胞障害や潰瘍
係数の増加が報告されている (Murakami, . et al. , Cl in. Gastroenterol. , 12 (Suppl. 1) : S104-109, 1990)。 また、 H. pylori陽性患者の胃粘膜では P A S ( periodic acid schiff :過ヨウ素酸 schiff) 陽性拈液量の減少が報告されており、 H. pyloriのプロテアーゼが粘液を分解することによって胃粘膜防御能を低下させ ている可能性も示唆されている (Nakaj ima, M. et al, Drug Investigat ion, 2 (Suppl. 1) : 60, 1990)。 H. pylori陽性の白血球浸潤が著明な胃粘膜では、 ロイ コトリエン B 4活性が高値であること (内田俊之ほか、 Therapeutic Research, 12 : 85-90, 1991) や、 ホスフオリバ一ゼ A 2が胃内に逆流する胆汁酸に作用し て粘膜障害を発生するとも言われている。 1 9 8 8年 Leunkらは、 H. pylori培養 上清中の細胞空胞化毒素の存在を報告した。 その毒素は、 Cover らにより純化、 精製された (Cover, T. L. & Blaser. M. J. , J. Biol. Chem. 267 : 10570-10575, 1992) 。 この毒素は潰瘍近縁の細胞回転を障害することにより潰瘍治癒を遅延さ せるとの報告 (Chang. K. et al. , Gastroenterology, 104 (Suppl. ) : A52, 19 93) や細胞空胞化に対するアンモニアとの相乗作用も報告されている (So隱 i, P. et al. , Gastroenterology, 104 (Suppl. ) : A196. 1993)。 最近では、 H. pylori が有するアルコールデヒドロゲナーゼ活性により胃内に発生するァセトアルデヒ ドの胃粘膜障害性 (Salmela, K. S. et al. . Gastroenterology, 105 : 325-330, 1990) や、 アンモニア存在下において生成されるモノクロラミン (斉田宏ほか日 本消化器病学会雑誌 90 : 1949. 1993) やインターロイキン 8ズ Crowe, S. E. et al. , Gastroenterology, 104 : A687. 1993 ) が注目されている。
消化性潰瘍と H. pyloriの関係については、 特に十二指腸潰瘍において H. pylori の分離頻度が非常に高いことからその関与が強く示唆され、 H. pyloriの感染が消 化性潰瘍の治癒遷延および再発と密接な関連があると考えられている (たとえば、 Raws EAJ, et al. , Gastroenterology, 94 : 33-40, 1988) 。
胃炎と H. pyloriの関係については、 ヒトにおける経口感染実験から、 その因果 関係が示唆されている (Morris, A. & Nicholoson, G. Am. , J. Gastroenterology, 82 : 192-199, 1987、 Marshall, B. J. et aし, Med. J. Aust. , 142 : 436-439, 1985) 。 胃炎からの H. pyloriの分離頻度は高率であり、 胃炎の活動性の指標とな
る好中球の増加およびリンパ球の浸潤を伴う臨床症状の程度が H. pyloriの菌数と 相関することが示されている。 日本ザルを用いた動物実験からも経口感染後に、 胃前庭部に発赤、 びらんを伴う胃炎の発生が内視鏡的に観察されている (Shuto, R. et al., Infect. Immun. , 61 : 933-939, 1993 ) 。
最近、 H. pyloriの持続感染が萎縮性胃炎から腸上皮化生の経過を迪り、 胃ガン の発症へとつながるとの報告が増加している。 1 9 9 1年、 Parsonnet らは約 2 5年間の保存血清を用いて抗 H. pyloriの I g G抗体価を測定し、 胃ガン症例と抗 体保有者との間に強い相関性を認めた。 また、 H. pylori抗体陽性率の高い地域で は、 胃ガンの罹患率および死亡率が高いことが疫学的研究により示されている ( Parsonnet, J. et aし N. Engl. J. Med. , 325 : 1127-1131, 1991)。
近年、 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療は目ざましい発展を遂げた。 しかし、 薬剤 の減量や中止により再発し易いことや、 薬剤抵抗性の難治性潰瘍症が問題となつ ている。 H. pyloriの胃 ·十二指腸疾患における関与が指摘されるにつれ、 H. pylori に抗菌力を持つ薬剤の投与による除菌の試みが検討されるようになつてきた
(Chiba, N. et al. . Am. J. Gastroenterology. 87 : 1716-1727, 1992)。
H. pyloriに対する抗菌活性は、 抗菌薬の中でも、 特にァモキシシリンおよびク ラリスロマイシンが良好な活性を示す。 抗原虫薬であるメトロニダブール、 チニ ダゾールにも抗菌活性が見られるが、 早期に耐性を獲得することが知られている。 抗潰瘍薬の中では、 オメプラゾ一ルなどのプロトンポンプ阻害薬には弱いながら 抗菌活性が見られるが、 シメチジン、 ラニチジンまたはファモチジンのような H 2受容体拮抗薬には認められない。 しかし、 このような抗菌活性を示す薬剤も単 独投与ではその臨床効果は弱い。 そこで、 抗菌薬を多剤併用することやビスマス 製剤に抗菌薬を 1剤併用した dual therapy および 2剤併用した tri ple therapy が試みられている。 しかし、 これらの治療法では下痢や腹部膨満感などの副作用 も少なくない。
H. pyloriを除菌することの有用性を述べた報告は多く、 除菌により難治性潰瘍 が治癒し、 潰瘍の再発を抑えたという見解で一致している。
Raws等はビスマス、 ァモキシシリンとメトロニダブールの 3剤併用により 8 8
%の除菌率を、 1年後の潰痕再発率 6 %の結果を得ている (Raws EAJ, et al. , Gastroenterology, 94 : 33-40, 1988) 。 さらに、 Graham等はラニチジン治療に ビスマス、 テトラサイクリン、 メ トロニダゾ一ルの 3剤を併用し、 8 9 %の症例 で除菌が得られ、 1年後の再発率は十二指腸潰瘍で 1 2 %、 胃潰瘍で 1 3 %であ り、 同時に行ったラニチジンの単独療法による再発率、 9 5 %、 7 4 %に比べて 明らかに低かったと報告している (Graham, D. Y. et al. , 消化器内視鏡、 Vol. 4, 429-440, 1992) 。 また最近では、 プロトンポンプ阻害薬と抗菌剤との併用療 法が試みられ、 併用療法において抗菌薬 3剤併用と同様の潸瘍再発予防効果の報 告もなされている (藤岡利生ほか、 日本臨床, Vol. 51, 3255-3260. 1993) 。 また、 H 2受容体拮抗薬でも治癒しない難治性の潰瘍患者に抗菌薬を投与して H. pyloriを除菌すると治癒に至ったとの報告も見受けられ、 再発の予防ばかりで なく治療法としての可能性も考えられている。 このように H. pyloriの除菌の有用 性は明らかであるが、 まだ完全除菌に至るには問題も多く残されている。 たとえ ば、 H. pyloriの除菌に有用なビスマスは中枢性毒性のため長期投与は不可能であ り、 また日本では抗潰瘍薬として認められていないこと、 多剤併用療法により副 作用の発現頻度が高いこと、 多剤併用療法による抗菌薬の使用量が多いことまた 使用期間が確立していないこと、 H. pylori除菌後の再感染が見られることなどが 挙げられる。 このような点を考慮すると H. pyloriに選択的な強い抗菌力を有し、 かつ副作用の少ない抗潰瘍薬の開発が望まれている。 また、 潰瘍の治癒という観 点から、 H. pylori抗菌作用を有すると同時に胃酸分泌抑制作用をも有する薬剤が さらに望ましいことは言うまでもない。
ヘリコバクタ一 · ピロリに対して抗菌活性を有する化合物が特開平 2— 2 0 9 8 0 9号、 特開平 3— 3 8 5 2 3号、 特開平 3— 4 8 6 8 0号、 特開平 3— 5 2 8 8 7号、 特開平 3— 5 2 8 1 2号、 国際公開 WO 9 2 Z 1 2 9 7 6号などの公 報により知られている。 また、 同様の化合物が本願出願の優先日以後に公開され た国際公開 WO 9 3 Z 2 4 4 8 0号、 特開平 6— 1 0 0 4 4 9号の各公報に開示 されているが、 これら化合物に比べてよりすぐれた活性を有する化合物が望まれ ている。
「発明の開示」
上記の課題を解決するために、 本発明者らは種々研究を重ねたきたところ、 へ リコパクター ' ピロリに対して選択的にすぐれた抗菌作用を有するのみならず、 抗潰瘍作用、 胃腸細胞保護作用、 潰瘍の再燃再発防止作用、 胃酸分泌抑制作用も 併せ持つ化合物を見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、 一般式 ( I)
(式中、 R1 は水素、 ハロゲン、 アルキル、 アルコキシ、 ヒドロキシ、 アルコキ シ力ルボニル、 カルボキシルまたはハロアルキルを示す。
R2 、 R3 は同一または異なってそれぞれ水素、 ハロゲンまたはアルキルを示 す。
R4 は水素、 アルコキシカルボニル、 ヒドロキシアルキルまたはァシルォキシ アルキルを示す。
R5 は水素またはアルキルを示す。
Xは酸素原子、 硫黄原子、 SOまたは SO 2 を示す。
Y、 Ζは同一または異なってそれぞれ CHまたは Νを示す。
Lはエチレンまたはビニレンを示す。
mは 0、 1または 2を示す。
nは 1から 1 000の整数を示す。
ただし、 Lがビニレンであるとき nは 1を示し、 R4 が水素、 Xが酸素原子、 かつ Lがエチレンであるとき、 nは 4から 1 000の整数を示す。 )
により表されるピリジン化合物 (以下、 化合物 ( I) ともいう) およびその医薬 上許容し得る塩に関する。
また、 本発明は、 一般式 ( I ) が、 一般式 ( I a)
(式中、 Rleは水素、 ハロゲン、 炭素数 1〜5のアルキル、 炭素数 1〜5のアル コキシまたはヒドロキシを示す。
R2\ R3eは同一または異なってそれぞれ水素または炭素数 1〜5のアルキル を示す。
R 4 βは水素を示す。
R 5 βは水素または炭素数 1〜 8のアルキルを示す。
X' は酸素原子または硫黄原子を示す。
Υ、 Ζは同一または異なつてそれぞれ C Ηまたは Νを示す。
Lはエチレンまたはビニレンを示す。
m' は 0または 1を示す。
n ' は 1から 1 00の整数を示す。
ただし、 Lがビニレンであるとき n' は 1を示し、 X8 が酸素原子、 かっ が エチレンであるとき、 n' は 4から 1 00の整数を示す。 )
である上記ピリジン化合物およびその医薬上許容し得る塩、 さらに、 一般式 ( I) が、 一般式 ( I b)
(式中、 Rlbは水素、 ハロゲン、 炭素数 1〜3のアルコキシまたはヒドロキンを 示す。
R 5bは炭素数 1〜 5のアルキルを示す。
X b は酸素原子または硫黄原子を示す。
Y、 Ζは同一または異なってそれぞれ C Hまたは Νを示す。
Lはエチレンまたはビニレンを示す。
m " は 0または 1を示す。
n " は 1から 2 0の整数を示す。
ただし、 Lがビニレンであるとき n " は 1を示し、 X b が酸素原子、 かつしが エチレンであるとき、 n " は 4から 2 0の整数を示す。 )
である上記ピリジン化合物およびその医薬上許容し得る塩、 特に一般式 ( l b)に おいて X b が硫黄原子である上記ピリジン化合物およびその医薬上許容し得る塩 に関する。
さらに、 本発明は、 上記ピリジン化合物またはその医薬上許容し得る塩と医薬 用添加剤を含有してなる医薬組成物、 特にヘリコバクタ一菌起因の各種疾患の予 防治療剤、 消化器系疾患の予防治療剤に関する。
本明細書中で使用している各記号について以下に説明する。
R 1 において、 ハロゲンとしては塩素、 フッ素、 臭素、 ヨウ素を意味する。 アルキルとしては炭素数 1〜2 0で直鎖状でも分技鎖状でもよく、 メチル、 ェ チル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 イソプチル、 第 3級ブチル、 ペンチル、 へキシル、 ォクチル、 デシル、 ドデシル、 ォクタデシル、 ィコシルなどがあげら れ、 好ましくは炭素数 1〜5のアルキルである。
アルコキシとしては炭素数 1〜2 0で直鎖状でも分技鎖状でもよく、 メ トキシ、 エトキン、 プロボキシ、 イソプロボキシ、 ブトキシ、 イソブトキシ、 第 3級ブト キシ、 ペンチルォキシ、 へキシルォキシ、 ォクチルォキシ、 デシルォキシ、 ドデ シルォキシ、 ォク夕デシルォキシ、 ィコシルォキシなどがあげられ、 好ましくは 炭素数 1〜5のアルコキシであり、 特に好ましくは炭素数 1〜3のアルコキシで める。
アルコキシカルボニルとしては炭素数 2〜 2 0で直鎖状でも分技鎖状でもよく、 メトキシカルボニル、 エトキシカルボニル、 プロポキシカルボニル、 イソプロボ キシカルボニル、 ブトキシカルボニル、 イソブトキシカルボニル、 第 3級ブトキ
シカルボニル、 ペンチルォキシカルボニル、 へキシルォキシカルボニル、 ォクチ ルォキシカルボニル、 デシルォキシカルボニル、 ドデシルォキンカルボニル、 ォ クタデシルォキシカルボニル、 ィコシルォキシカルボニルなどがあげられる。 ハロアルキルとしては炭素数 1〜 4で直鎖状でも分技鎖状でもよく、 トリフル ォロメチル、 2, 2, 2—トリフルォロェチル、 2, 3, 3—トリフルォロプロ ピル、 1, 1, 2, 2—テトラフルォロェチル、 2, 2, 3, 3—テトラフルォ 口プロピルなどがあげられる。
R2 、 R3 において、 ハロゲンとしては前記と同様のものがあげられる。 アル キルとしては前記と同様のものがあげられ、 好ましくは炭素数 1〜5のアルキル であり、 特に好ましくはメチルである。
R4 において、 アルコキシカルボニルとしては前記と同様のものがあげられる c ヒドロキシアルキルとしては炭素数 1〜 4で直鎖状でも分枝鎖状でもよく、 ヒ ドロキシメチル、 1ーヒドロキシェチル、 2—ヒ ドロキシェチル、 3—ヒドロキ シプロピル、 2, 3—ジヒドロキシプロピル、 4ーヒドロキシブチルなどがあげ られる。
ァシルォキシアルキルとしては、 そのァシル部は炭素数 2〜 7、 アルキル部は 炭素数 1〜4であり、 具体的にはァセチルォキシメチル、 プロピオニルォキシメ チル、 2—ァセチルォキシェチル、 3—ァセチルォキシプロピル、 4ーァセチル ォキシブチル、 ベンゾィルォキシメチル、 2—ベンゾィルォキシェチルなどがあ げられ、 また、 ベンゼン環上にハロゲン、 アルキル、 アルコキン、 ハロアルキル、 水酸基、 ニトロ、 ァミノから選ばれる 1〜3個の置換基を有するベンゾィルォキ シメチル、 2—ベンゾィルォキシェチルなどもあげられる。 置換基としてのハロ ゲン、 アルキル、 アルコキシ、 ハロアルキルも、 前記と同様のものがあげられる c
R5 において、 アルキルとしては前記と同様のものがあげられ、 好ましくは炭 素数 1〜 8のアルキルであり、 特に好ましくは炭素数 1〜 5のアルキルである。
R'\ Rlbにおけるハロゲンとしては、 前記と同様のものがあげられる。 Rl a、 R2\ R3\ R5\ R5bにおける各炭素数のアルキルとしては、 前記と同様のも ののうち各炭素数にあてはまるものがあげられる。 Rle、 Rlbにおける各炭素数
のアルコキシとしては、 前記と同様のもののうち各炭素数にあてはまるものがあ げられる。
一般式 ( I ) における各基について、 好ましいものを以下に示す。
R1 としては水素、 ハロゲン、 炭素数 1〜5のアルキル、 炭素数 1〜5のアル コキシまたはヒドロキシが好ましく、 特に水素、 ハロゲン、 炭素数 1〜3のアル コキシまたはヒドロキシが好ましい。
R2 としては水素または炭素数 1〜5のアルキルが好ましく、 特にメチルが好 ましい。
R3 としては水素または炭素数 1〜5のアルキルが好ましく、 特に水素が好ま しい。
R4 としては水素が好ましい。
R5 としては水素または炭素数 1〜8のアルキルが好ましく、 特に炭素数 1〜 5のアルキルが好ましい。
Xは酸素原子または硫黄原子が好ましく、 特に硫黄原子が好ましい。
mは 0または 1が好ましい。
nは 1から 1 0 0の整数が好ましく、 特に 1〜20の整数が好ましい。
置換基 R1 の位置としては、 Yおよび Zが CHの時は 5位が好ましく、 Yまた は Zが Nの時は無置換 (すなわち、 R1 が水素) が好ましい。
置換基 R2 、 R3 、 X- (L-O) n — R5 の位置としては、 好ましくは R2 は 3位、 R3 は 5位、 そして X— (L一 0) n -R5 は 4位である。
本発明化合物 ( I) における好ましい化合物としては、 2— ( (3—メチルー 4一 ( 2— ( 2—メ トキシェトキシ) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—べンズィミダブール、
2— ( (3—メチルー 4— (2—メ トキシポリエトキン) 一 2—ピリジル) メ チルチオ) 一 1 H—べンズィミダゾール (平均分子量 35 0のポリエチレングリ コールモノメチルエーテル由来) 、
2— ( (3—メチルー 4一 (2— (2— (2—メ トキシェトキシ) エトキン) ェチルチオ) — 2—ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—べンズイミダゾール、
2 - ( ( 3ーメチルー 4 一 ( 2 - ( 2 —メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) — 2 —ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—ベンズイミダゾール (平均分子量 3 5 0 のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) 、
2 - ( ( 3—メチルー 4一 (2— (2 —メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) 一 2 —ピリジル) メチルチオ) — 1 H—ベンズイミダゾール (平均分子量 5 5 0 のポリェチレングリコールモノメチルエーテル由来) 、
2 - ( ( 3 —メチル一 4一 (2— (2 —メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) 一 2 —ピリジル) メチルスルフィニル) 一 1 H—ベンズイミダブ一ル (平均分子 量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) 、
2一 ( ( 3 —メチル一 4一 (2 —メ トキシポリエトキン) 一 2 —ピリジル) メ チルスルフィニル) 一 1 H—べンズィミダゾール (平均分子量 3 5 0のポリェチ レングリコールモノメチルエーテル由来) 、
トランス一 2— ( ( 3 —メチル一4一 ( 2 —エトキシビ二ルチオ) 一2 —ピリ ジル) メチルチオ) 一 1 H—ベンズイミダブール、
2— ( ( 3—メチルー 4— ( 2— ( 2—メ トキシポリエトキン) ェチルチオ) — 2 -ピリジル) メチルチオ) 一 3 H—イミダゾ 〔4, 5— b〕 ピリジン (平均 分子量 3 5 0のポリェチレングリコールモノメチルエーテル由来)
などがあげられ、 またこれらの医薬上許容し得る塩も好ましい。 特に好ましい化 合物としては、 これらのうち一般式 ( I ) において Xが硫黄原子である化合物で める。
本発明化合物 ( I ) には種々の異性体が存在し得るが、 本発明はこれら異性体 の 1種またはそれら異性体の混合物を含む。
本発明化合物 ( I ) の医薬上許容し得る塩としては、 塩酸塩、 臭化水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩、 硫酸塩、 硝酸塩、 リン酸塩、 酢酸塩、 クェン酸塩、 マレイン酸 塩、 フマル酸塩、 マロン酸塩、 リンゴ酸塩、 酒石酸塩、 コハク酸塩、 メタンスル ホン酸塩などの酸付加塩、 ナトリウム塩、 カリウム塩などのアルカリ金属塩、 力 ルシゥム塩、 マグネシゥム塩などのアル力リ土類金属塩などがあげられる。
また、 本発明化合物 ( I ) は、 水和物 (半水和物、 1水和物、 セスキ水和物な
ど) や溶媒和物としても存在し、 これらも本発明に包含される。
本発明化合物 ( I) は、 次のようにして製造することができる,
方法 1
一般式(II)
(式中、 各記号は前記と同義である。 )
により表される化合物と、 一般式(III)
〔式中、 Wは反応活性な原子または基 (ハロゲン (前記と同様) 、 またはメタン スルホニルォキシ、 ベンゼンスルホニルォキシ、 p—トルエンスルホニルォキシ などのスルホニルォキシ基など) を示し、 他の各記号は前記と同義である。 〕 により表される化合物またはその酸付加塩を反応させることにより、 一般式(1-1)
(式中、 各記号は前記と同義である。 )
により表される化合物が得られる。
さらに、 mが 1または 2である一般式 ( I) の化合物は、 mが 0である一般式 (1-1) の化合物を酸化反応に付すことにより製造される。
一般式 (II) の化合物と、 一般式(III) の化合物またはその酸付加塩との反応
は、 通常、 反応に不活性な溶媒 (水、 メタノール、 エタノール、 ジメチルホルム アミ ドなど、 あるいはそれらの混合溶媒、 好ましくは水性エタノール) 中、 塩基 (水酸化ナトリウム、 水酸化力リゥム、 水素化ナトリウム、 水素化力リウム、 ナ トリウムメ トキシド、 炭酸ナトリゥム、 炭酸力リゥム、 金属ナトリゥ厶、 トリエ チルァミン、 ピリジンなど) の存在下、 約 o °c〜用いた溶媒の沸点までの温度、 好ましくは 2 0〜 8 0でで、 約 1 0分間〜 2 4時間、 好ましくは 3 0分間〜 7時 間で進行する。 また、 一般式(Π Ι) の化合物の酸付加塩としては、 塩酸塩、 臭化 水素酸塩などがあげられる。
次に、 酸化反応に用いられる酸化剤としては、 メタクロ口過安息香酸、 過酢酸、 トリフルォロ過酢酸、 過マレイン酸、 超酸化カリウム、 亜臭素酸ナトリウム、 次 亜臭素酸ナトリウム、 過酸化水素などがあげられる。
当該酸化反応は、 通常、 反応に不活性な溶媒 (水、 ジクロロメタン、 クロロホ ルム、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 ジメチルホルムアミ ドなど、 あるいは それらの混合溶媒) 中、 有機酸 (ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酪酸、 マレイン酸、 フマル酸、 マロン酸、 コハク酸、 安息香酸、 メタクロ口安息香酸、 p—二トロ安 息香酸、 フタル酸など) の存在下、 一 7 0 °C〜用いた溶媒の沸点までの温度、 好 ましくは一 5 0 °C〜室温、 より好ましくは一 2 0 °C〜0 °Cで、 約 5分間〜 2 4時 間、 好ましくは約 5分間〜 2 0時間で行う。 あるいは、 水、 またはエタノール、 メタノール、 プロパノールなどのアルコール系溶媒中、 アルカリ (水酸化ナトリ ゥム、 水酸化カリウム、 水酸化カルシウムなどの水酸化アルカリ) の存在下、 一 7 0 °C〜用いた溶媒の沸点までの温度、 好ましくは一 5 0 °C〜室温、 より好まし くは一 2 0 °C〜 1 0 で、 約 5分間〜 2 4時間、 好ましくは 1時間〜 1 0時間で 行う。
方法 2
(式中、 各記号は前記と同義である。 )
により表される化合物と、 アルコキシカルボニルハライ ド、 ハロアルキルアルコ ールまたはァシルォキシハロアルキルとを脱酸剤の存在下に反応させるか、 また は一般式(1-2) により表される化合物とホルムアルデヒドとを反応させることに より、 R 4 がアルコキシカルボニル、 ヒドロキシアルキル (ホルムアルデヒドと の反応の場合はヒドロキシメチル) またはァシルォキシアルキルである一般式 ( I ) の化合物 (m = 0 ) が製造される。
なお、 アルコキシカルボニルハライ ドとしては、 R 4 におけるアルコキシカル ボニルに対応するハロゲン化物、 たとえばエトキシカルボニルクロライ ド、 イソ ブトキシカルポニルクロライ ドなどがあげられる。
ハロアルキルアルコールとしては、 R 4 におけるヒドロキシアルキルに対応す るハロゲン化物、 たとえば 2—クロ口エタノール、 2—ブロモエタノール、 3— クロ口プロバノール、 3—プロモブロパノールなどがあげられる。
ァシルォキシハロアルキルとしては、 R 4 におけるァシルォキシアルキルに対 応するハロゲン化物、 たとえばァセチルォキシメチルブロマイ ド、 2—ァセチル ォキシェチルプロマイ ド、 4—ァセチルォキシブチルアイオダィ ドなどがあげら れる。
脱酸剤としては水素化ナトリウム、 水酸化ナトリウム、 水酸化力リウム、 ナト リウムメチラート、 炭酸カリウム、 金属ナトリウムなどがあげられる。
当該反応は、 通常、 反応不活性な溶媒 (N, N—ジメチルホルムアミ ド、 エタ ノール、 メタノール、 クロ口ホルム、 水など) 中、 一 2 0〜1 4 0 °C、 好ましく は 0〜8 0 °Cで、 約 1 0分間〜 2 4時間、 好ましくは 3 0分間〜 6時間で行う。 このようにして製造された化合物 ( I ) は、 再結晶、 カラムクロマトグラフィ
一などの慣用手段により単離精製することができる。
本発明化合物 ( I ) の光学異性体は、 反応生成物を分別結晶などに付すことに よるか、 またはあらかじめ光学分割された原料化合物を用いて上記反応を行うこ とにより製造することができる。
本発明化合物 ( I ) は、 塩酸、 臭化水素酸、 ヨウ化水素酸、 硫酸、 硝酸、 リン 酸、 酢酸、 クェン酸、 マレイン酸、 フマル酸、 マロン酸、 リンゴ酸、 酒石酸、 コ ハク酸、 メタンスルホン酸などと常法により処理することにより、 前記した酸付 加塩とすることができる。 また、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化力 ルシゥ厶、 水酸化マグネシウムなどと反応させることにより、 対応する金属塩が 得られる。
なお、 一般式 (I I) の化合物は、 たとえば次に示す反応経路に従って製造する ことができる。
(上記反応において、 各記号は前記と同義である。 )
すなわち、 一般式 (VI I I) の化合物とキサントゲン酸カリウムを、 反応不活性 な溶媒 (水、 メタノール、 エタノールなど) 中、 o °c〜用いた溶媒の沸点までの 温度、 好ましくは 3 0〜8 0 °Cで、 約 1 0分間〜 2 4時間、 好ましくは 1時間〜 5時間で反応させることにより、 一般式 (I I) において R 4 が水素である化合物 (つまり一般式 (Ι Γ )の化合物) が得られる。
また、 一般式(Π Ι) の化合物は、 たとえば次に示す反応経路に従って製造する ことができる。
加水分解
(上記反応において、 A cはァセチルを示し、 他の各記号は前記と同義である。 ) すなわち、 一般式(IV)の化合物を無水酢酸と加熱し、 得られた一般式 (V) の化 合物を水酸化ナトリウムなどを用いて加水分解したのち、 チォニルクロリ ドなど のハロゲン化剤で処理するか、 あるいはメタンスルホニルクロリ ドなどのスルホ ニル化剤で処理することによって、 一般式(Ι Π) の化合物が得られる。
さらに、 一般式(IV)において Lがエチレンである化合物は、 たとえば次に示す 反応経路に従って製造することができる。
(上記反応において、 X' は硫黄原子を示し、 W は塩素、 臭素、 ヨウ素、 メタ ンスルホニルォキシ、 p —トルエンスルホニルォキシなどの脱離基を示し、 他の 各記号は前記と同義である。 )
あるいは、
(上記反応において、 H a 1は塩素、 臭素またはヨウ素を示し、 X " は酸素原子 を示し、 他の各記号は前記と同義である。 )
上記のいずれの反応も、 通常、 反応に不活性な溶媒 (水、 またはメタノール、 エタノールなどのアルコール類、 クロ口ホルム、 ジクロロメタン、 ベンゼン、 ト ルェン、 ジメチルホルムアミ ドなど、 あるいはそれらの混合溶媒) 中、 塩基 (水 酸化ナトリゥム、 水酸化力リゥム、 水素化ナトリゥム、 ナトリゥムメ トキシド、 ナトリゥムエトキシド、 炭酸ナトリゥム、 炭酸力リゥム、 金属ナトリゥム、 トリ
ェチルァミン、 ピリジンなど) の存在下、 約 o °c〜用いた溶媒の沸点までの温度、 好ましくは 2 0〜8 0 °Cで、 約 1 0分間〜 2 4時間、 好ましくは 3 0分間〜 7時 間で進行する。
なお、 Xが S Oまたは S 02 である一般式 (VI)の化合物は、 Xが硫黄原子であ る一般式(IV)の化合物を酸化反応に付すことにより製造できる。
酸化反応に用いられる酸化剤としては、 メタクロ口過安息香酸、 過酢酸、 トリ フルォロ過酢酸、 過マレイン酸、 超酸化カリウム、 亜臭素酸ナトリウム、 次亜臭 素酸ナトリウム、 過酸化水素などがあげられる。
当該酸化反応は、 通常、 反応に不活性な溶媒 (水、 ジクロロメタン、 クロロホ ルム、 テトラヒドロフラン、 ジォキサン、 ジメチルホルムアミ ドなど、 あるいは それらの混合溶媒) 中、 有機酸 (ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酪酸、 マレイン酸、 フマル酸、 マロン酸、 コハク酸、 安息香酸、 メタクロ口安息香酸、 p—ニトロ安 息香酸、 フタル酸など) の存在下、 — 7 0 °C〜用いた溶媒の沸点までの温度、 好 ましくは— 5 0 °C〜室温、 より好ましくは一 2 0 °C〜0てで、 約 5分間〜 2 4時 間、 好ましくは約 5分間〜 2 0時間で行う。 あるいは、 水、 またはエタノール、 メタノール、 プロパノールなどのアルコール系溶媒中、 アルカリ (水酸化ナトリ ゥ厶、 水酸化カリウム、 水酸化カルシウムなどの水酸化アルカリ) の存在下、 一 7 0で〜用いた溶媒の沸点までの温度、 好ましくは一 5 0 °C〜室温、 より好まし くは一 2 O eC〜l 0 °Cで、 約 5分間〜 2 4時間、 好ましくは 1時間〜 1 0時間で 行う。
また、 一般式 (IV) において Lがビニレンである化合物は、 たとえば次に示す 反応経路に従って製造することができる。
(上記反応において、 各記号は前記と同義である。 )
あるいは、
(上記反応において、 各記号は前記と同義である。 )
上記のいずれの反応においても、 第一工程の反応は、 通常、 反応に不活性な溶 媒 (水、 またはメタノール、 エタノールなどのアルコール類、 クロ口ホルム、 ジ クロロメタン、 ベンゼン、 トルエン、 ジメチルホルムアミ ドなど、 あるいはそれ らの混合溶媒) 中、 塩基 (水酸化ナトリゥム、 水酸化力リゥム、 水素化ナトリウ ム、 ナトリゥムメ トキシド、 ナトリゥムエトキンド、 炭酸ナトリゥム、 炭酸力リ ゥム、 金属ナトリウム、 トリェチルァミン、 ピリジンなど) の存在下、 約 0 °C〜 用いた溶媒の沸点までの温度、 好ましくは 2 0〜 8 0 °Cで、 約 1 0分間〜 2 4時 間、 好ましくは 3 0分間〜 7時間で進行する。 このようにして得られた一般式 (
VII), 一般式 (vir)の化合物を、 非水溶性溶媒 (ベンゼン、 トルエンなど) 中、 ρ—トルエンスルホン酸 (ρ— Ts OH) などの酸の存在下、 0°C〜溶媒の沸点 までの温度、 好ましくは溶媒の沸点温度で、 約 30分間〜 48時間、 好ましくは 3時間〜 1 2時間で反応させることにより、 一般式 (IV-3) 、 一般式(IV-4)の化 合物が得られる。
本発明化合物 (I) およびその医薬上許容し得る塩は、 へリコパクター . ピロ リに代表されるヘリコパクター属の菌に対して選択的に抗菌活性を示し、 ヘリコ バク夕ー菌に起因する各種疾患の予防および治療に有効である。
すなわち、 本発明化合物 ( I) およびその医薬上許容し得る塩は、 ヒトを含む 哺乳動物に対して、 ヘリコパクター属菌に起因する各種疾患の予防および治療、 潰瘍の再燃再発防止、 嘔吐の抑制、 ノン一アルサ一ジスべプシァ(Non-ulcer dyspepsia)の予防および治療、 腫瘍 (胃癌など) の予防および治療などに使用さ れる。
また、 本発明化合物 (I) およびその医薬上許容し得る塩は、 抗潰瘍作用、 胃 腸細胞保護作用、 胃酸分泌抑制作用、 抗下痢作用などを有し、 消化器系疾患 (胃 潰瘍、 十二指腸潰瘍、 胃炎、 下痢、 大腸炎など) の予防治療剤として有用である。 さらに、 低毒性で、 かつ酸などに対して安定であり、 血中ガストリン値の上昇が 小さいなどの特性を有する。
これら本発明化合物 (I) およびその医薬上許容し得る塩の薬理作用は、 ゴー シュ (Ghosh)らの方法 〔プリティ ッシュ · ジャーナル ·ォブ · ファーマコロジー (Br. J.Pharmacol.) 第 1 3巻、 第 54頁 (1958年) 〕 などにより確かめられる。 本発明化合物 (I) およびその医薬上許容し得る塩を医薬として用いる場合、 治療上有効量の化合物 ( I) またはその医薬上許容し得る塩を、 医薬上許容され る賦形剤、 担体、 希釈剤、 溶解補助剤などの添加剤と混合して医薬組成物とし、 カプセル剤、 錠剤 (糖衣錠、 フィルムコート錠も含む) 、 顆粒剤、 注射剤、 点滴 用剤などの剤型として投与することができる。 投与量は経口投与の場合、 成人 1 日当たり約 0. 0 1〜3 Omg/kg、 好ましくは 0. l〜3mgZkgである が、 患者の症状、 年齢、 耐薬性などによって変わり得るものであることはいうま
でもない。
以下、 実験例および実施例により本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれ らにより限定されないことはいうまでもない。
実験例 1 :へリコパクター ' ピロリに対する試験管内抗菌活性
5 %馬血清を用い、 3 7 °C微好気性条件下で 7 2時間培養した臨床分離株 ( 1 8株) をブルセラ 'プロスで希釈し、 菌数約 1 06 個/ m 1の菌液を作製した。 2倍希釈濃度系列の被検化合物を含有した寒天平板上に、 ミクロプランタを使用 して希釈菌液をスポット接種し、 8 %二酸化炭素下、 3 7°Cで 3〜4日間培養し た後、 最小発育阻止濃度 (M I C) を測定した。 その値をもとに M I C5。値 (発 育を 5 0 %阻止する最小濃度) および M I C 9。値 (発育を 9 0 %阻止する最小濃 度) を算出した。 結果を表 1に示す。
表 1 試験化合物 M I C50 M I C9o
(実施例番号) ill g/m 1 ) ill g/ 1 )
1 7 0.0 2 5 0.0 5
2 1 0.0 1 2 0.0 2 5 2 2 0.0 2 5 0.0 2 5 実験例 2 :胃灌流ラットの胃酸分泌に対する作用
ゴーシュ (Ghosh)らの方法 〔プリティッシュ ·ジャーナル 'ォブ 'ファーマコ ロジー (Br. J.Pharmacol. )第 1 3巻、 第 5 4頁 (1958年) 〕 に準じた。 ウイス夕 ― (Wistar) ラッ トを 2 0時間絶食後、 ウレタン ( 1. 5 g/k g、 皮下) で麻 酔し、 胃内灌流流入用および流出用ポリエチレン 'チューブを装着した。 3 7°C の生理食塩液を 7m 1 Z分の速度で胃内港流し、 1 0分間隔で港流液を採取した t 塩酸ヒスタミ ン l m l /k gを 1時間間隔で静脈内投与して、 胃酸分泌を惹起さ せた。 試験化合物を含む被検液は塩酸ヒスタミン投与 5分前に静脈内投与した。
胃液酸度は自動点滴装置を用いて pH7. 0まで滴定し、 試験化合物による胃酸 分泌の抑制率を測定した。 結果を表 2に示す。
試験化合物 投与量 抑制率
(実施例番号) (mg/kg i.v. ) {%)
25 3 1 0 0
2 6 3 5 0 実施例 1
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル (平均分子量 350 ) 55 gを氷 冷下、 撹拌しながら、 これに 6 0 %水素化ナトリウム 1. 6 5 gを加えたのち、 室温で 4—クロ口— 2, 3—ジメチルビリジン一 N—ォキシド 5. 0 gを加え、 8 0〜9 0°Cで 2時間撹拌した。 反応終了後、 水を加え、 酢酸ェチルで抽出した c 酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 溶媒を留去したのち、 残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィ一に付し、 クロ口ホルム一メタノール = 9 5 : 5で留出して、 淡黄色油状の 2, 3—ジメチルー 4一 (2—メ トキシポリエトキ シ) ピリジン一 N—ォキシド (平均分子量 35 0ポリエチレングリコールモノメ チルエーテル由来) 7. 2 gを得た。
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.2(s, 3H). 2.5(s,3H), 3.38(s,3H), 3.48-3.8(m), 3.9(t,2H), 4.15(t.2H). 6.65 (d, 1H), 8.1(d, 1H)
同様にして以下の化合物が得られた。
実施例 2
2, 3—ジメチルー 4一 (2—メ トキシポリエトキシ) ピリジン一 N—ォキシ ド (平均分子量 5 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
'H-NMRCCDCU): δ (ppm)=2.2(s, 3H), 2.5(s,3H), 3.38(s,3H), 3.4-3.75(m), 3.9(t,2H), 4.15(t,2H), 6.65(d,lH), 8.1(d, 1H)
実施例 3
2, 3—ジメチルー 4一 ( 2—メ トキシポリエトキン) ピリジン一 N—ォキシ ド (平均分子量 7 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
•H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.2(s, 3H), 2.5(s,3H), 3.38(s,3H), 3.5-3.7(m), 3.9(t,2H), 4.1(t.2H), 6.65(d, 1H), 8.1(d, 1H)
実施例 4
エタノール 3 0 Om 1の中に金属ナトリウム 3. 8 6 gを入れ、 室温で撹拌し ながら、 2, 3—ジメチル _ 4—メルカプトピリジン一 N—ォキシド 2 3. 7 g を加え、 5 0 で 1 5分間撹拌した。 一方、 ポリエチレングリコールモノメチル エーテル (平均分子量 3 5 0 ) と塩化チォニルとを常法に従い反応させて得られ る 2—メ トキシポリエトキンェチルクロライ ド 56. 2 gを上記の反応液に加え、 2時間撹拌還流した。 反応終了後、 減圧濃縮し、 水を加え、 酢酸ェチルで抽出し た。 齚酸ェチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 減圧濃縮して、 淡黄色油状 の 2, 3—ジメチルー 4一 ( 2 - ( 2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピ リジン—N—ォキシド (平钧分子量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチル エーテル由来) 74 gを得た。
'H-N RCCDCh): δ (ppm)=2.35 (s.3H), 2.52(s,3H), 3.17(t,2H), 3.38(s.3H), 3.45-3.8 (m), 7.05(d,lH), 8.05(d.1H)
同様にして以下の化合物が得られた。
実施例 5
2, 3—ジメチルー 4— (2 - (2—メ トキシエトキン) ェチルチオ) ピリジ ンー N—ォキシド
'H-NMRCCDCls): δ (ppm)=2.35(s, 3H), 2.55(s.3H). 3.17(t,2H), 3.40(s,3H), 3.52-3.8 (m.6H), 7.05(d, 1H), 8.05(d, 1H)
実施例 6
2, 3—ジメチルー 4一 (2— (2— (2—メ トキシエトキン) エトキン) ェ チルチオ) ピリジン一 N—才キシド
lH-NMR(CDCh): δ (ppm)=2.35(s, 3H), 2.55(s,3H), 3.17(t,2H), 3.38(s,3H),
3.45- 3.8 On, 1 OH), 7.05(d.1H). 8.05(d, 1H)
実施例 7
2, 3—ジメチルー 4一 (2 - (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピ リジン一 N—ォキシド (平均分子量 5 5 0のポリエチレングリコールモノメチル エーテル由来)
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.25 (s, 3H), 2.35(s,3H), 3.20(t,2H), 3.35(s,3H), 3.45-3.6(m), 7.2(d, 1H), 8.05(d, 1H)
実施例 8
2, 3—ジメチルー 4一 (2— (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピ リジン一 N—ォキシド (平均分子量 7 5 0のポリエチレングリコールモノメチル エーテル由来)
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.35 (s, 3H), 2.55(t,2H), 3.15(t,2H), 3.35(s,3H), 3.50-3.75 (m), 7.05(d, 1H). 8.10(d.1H)
実施例 9
2, 3—ジメチルー 4一 (2— (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピ リジン一 N—ォキシド (平均分子量 3 5 0のボリエチレングリコールモノメチル エーテル由来) 7. 2 gを無水酢酸 3 0m 1に溶解し、 9 0°Cで 2時間撹拌した。 溶媒を留去したのち、 残渣に水を加え、 クロ口ホルムで抽出し、 無水硫酸マグネ シゥムにて乾燥後、 溶媒を留去した。 残渣として得た 2—ァセトキシメチル— 3 —メチルー 4— (2— (2—メ トキシポリエトキン) ェチルチオ) ピリジンをェ 夕ノール 8 0m 1に溶解し、 水 1 0m lに溶解した水酸化ナトリウム 0. 9 gを 加え、 1時間撹拌還流した。 反応終了後、 エタノールを留去し、 残渣を酢酸ェチ ルで抽出した。 酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 溶媒を留去した c 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ一に付し、 クロ口ホルム一メタノール = 9 8 : 2で留出し、 淡黄色油状の 3—メチル— 4— (2— (2—メ トキシポリ エトキシ) ェチルチオ) ピリジン一 2—メタノール (平均分子量 3 5 0のポリエ チレングリコールモノメチルエーテル由来) 4. 6 gを得た。
^-N RCCDCh): δ (ppm)=2.15(s, 3H), 3.20(t.2H), 3.39(s,3H), 3.45-3.85(m),
4.48(s,2H), 7.05(d.1H), 8.25(d.1H)
同様にして以下の化合物が得られた。
実施例 1 0
3—メチル一 4一 ( 2—メ トキシポリエトキシ) ピリジン一 2—メタノール ( 平均分子量 5 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
■H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.05 (s, 3H). 3.38(s,3H), 3.4-3.8(m), 3.9(t,2H), 4.15(t,2H), 4.63(s,2H), 6.7(d'lH), 8.25(d, 1H)
実施例 1 1
3—メチルー 4一 (2—メ トキシボリエトキシ) ピリジン一 2—メタノール ( 平均分子量 75 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
^-NMRCCDC ): δ (ppm)=2.05 (s, 3H), 3.38(s,3H), 3.4-3.75 (m), 3.9(t.2H). 4.15(t,2H), 4.62(S,2H). 6.7(d, 1H), 8.25(d.1H)
実施例 1 2
3—メチルー 4— (2— (2—メ トキシェトキシ) ェチルチオ) ピリジン一 2 一メタノール
^-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.15(s, 3H), 3.2(t,3H), 3.4(s,3H), 3.52(t,2H), 3.65(t,2H), 3.75(t,2H), 4.65(s.2H), 7.05(d, 1H). 8.23(d.1H)
実施例 1 3
3—メチルー 4一 (2— (2— (2—メ トキシェトキシ) エトキシ) ェチルチ ォ) ピリジン一 2—メタノール
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.15(s, 3H), 3.2(t,2H), 3.39(s,3H),
3.45-3.85 (m, 10H), 4.65(s.2H). 7.05(d, 1H). 8.25(d, 1H)
実施例 1 4
3—メチル一 4— (2— (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピリジン — 2—メタノール (平均分子量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエー テル由来)
^-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.15(s, 3H). 3.2(t,2H), 3.39(s,3H), 3.5-3.8(m), 4.68(s,2H), 7. l(d.1H), 8.25( 1H)
実施例 1 5
3—メチルー 4— ( 2 - ( 2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピリジン 一 2—メタノール (平均分子量 5 5 0のポリエチレングリコールモノメチルェ一 テル由来)
'H-NMRCdB-DMSO): δ (ppm)=2.2(s, 3H), 3.25(t,2H), 3.3(s,3H), 3.4-3.8 (m), 4.53(d, 1H), 5.0(t, 1H), 7.22(d, 1H), 8.2(d, 1H)
実施例 1 6
3ーメチルー 4一 ( 2— ( 2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピリジン — 2—メタノール (平均分子量 75 0のポリエチレングリコールモノメチルエー テル由来)
^-NMRCdG-DMSO): δ (ppm)=2.13(s, 3H), 3.23(t,2H), 3.38(s,3H), 3.5-3.8(m). 3.70(s,2H), 7.08(d, 1H), 8.25(d, 1H)
実施例 1 7
3ーメチルー 4一 ( 2 - ( 2—メ トキシェトキシ) ェチルチオ) ピリジン一 2 —メタノール 1 0 gをクロ口ホルム 5 Om 1に溶解させ、 氷冷下、 塩化チォニル 3. 1 m lを滴下し、 室温下で 1. 5時間撹拌した。 反応終了後、 塩化チォニル を留去し、 残渣を炭酸カリウムでアルカリ過飽和したのち、 クロ口ホルムにて抽 出した。 クロ口ホルム層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したのち、 溶媒を留去 して、 2—クロロメチルー 3—メチルー 4一 (2— (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) ピリジンの油状物 1 0 gを得た。 これを、 2—メルカプトべンズィ ミダゾール 2. 5 gおよび水酸化ナトリウム 0. 8 gを水 1 0m 1に溶解したも のを含有するエタノール 5 0m 1中に加え、 2時間加熱還流した。 反応終了後、 エタノールを留去し、 残渣に水を加えてクロ口ホルムで抽出した。 クロ口ホルム 層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、 溶媒を留去した。 残渣にエタノール性塩 酸を加え、 塩酸塩としたのち、 エタノールから再結晶を行い、 2— ( (3—メチ ルー 4一 (2— (2—メ トキシェトキシ) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチル チォ) ― 1 H—ベンズィミダブール ·塩酸塩の白色結晶を得た。
融点 1 8 6〜 1 8 9で
実施例 1 8
3—メチル一 4— (2—メ トキシボリエトキン) ピリジン一 2—メタノール ( 平均分子量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) 2. 3 g をクロ口ホルム 5 Om lに溶解させ、 氷冷下、 塩化チォニル 3m 1を滴下し、 室 温下で 1. 5時間撹拌した。 反応終了後、 塩化チォニルを留去し、 残渣を炭酸力 リウムでアルカリ過飽和したのち、 クロ口ホルムにて抽出した。 クロ口ホルム層 を無水硫酸マグネシウムにて乾燥したのち、 溶媒を留去して、 2—クロロメチル — 3—メチル一 4一 (2—メ トキシポリエトキシ) ピリジンを得た。 これを、 2 —メルカプトべンズイミダゾール 0. 6 8 gおよび水酸化ナトリウム 0. 3 8 g を水 1 0m lに溶解したものを含有するエタノール 3 0m l中に加え、 1時間加 熱還流した。 反応終了後、 エタノールを留去し、 残渣に水を加えてクロ口ホルム で抽出した。 クロ口ホルム層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、 溶媒を留去し た。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 クロ口ホルム一メタノ ール = 9 7 : 3で留出して、 淡黄色油状の 2— ( (3—メチル— 4一 (2—メ ト キシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—べンズイミダブール (平均分子量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) を得た。
'H-N RCCDCU): δ (ppm)=2.3(s, 3H), 3.4(s,3H), 3.5-3.8(ra), 3.9(t,2H), 4.2(t,2H), 4.4(s.2H), 6.75(d.1H). 7.15-7.25(m.2H), 7.5-7.6 On, 2H),
8.35(d, 1H)
同様にして以下の化合物が得られた。
実施例 1 9
2— ( ( 3—メチル一 4一 ( 2—メ トキシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メ チルチオ) 一 1 H—べンズィミダゾール (平均分子量 5 5 0のポリエチレングリ コールモノメチルエーテル由来)
'H-NMRCCDCl 3): δ (ppm)=2.25(s, 3H), 3.37(s,3H), 3.4-3.8(m), 3.9(t,2H), 4.2(t.2H). 4.4(s,2H), 6.75(d, 1H), 7.1-7.3(m, 2H), 7.4-7.6 (m.2H), 8.3(d, 1H) 実施例 2 0
2— ( ( 3—メチル一 4一 (2—メ トキシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メ
チルチオ) - 1 H—ベンズィミダブール (平均分子量 75 0のポリエチレングリ コールモノメチルエーテル由来)
'H-NMRCCDCls S ppnC^S.SCs.SH), 3.4(s,3H), 3. 5-3.75 (m), 3.9(t,2H), 4.2(t,2H), 4.4(s,2H), 6.75(d.1H), 7. l-7.2(m, 2H), 7.45-7.6(m, 2H).
8.35(d,lH)
実施例 2 1
2 - ( (3—メチルー 4一 (2 - (2— (2—メ トキシェトキシ) エトキシ) ェチルチオ) — 2—ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—べンズイミダブール .塩酸 融点 1 8 1〜 1 8 3
実施例 22
2— ( (3—メチルー 4一 (2 - (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—べンズイミダゾール ·塩酸塩 (平均分子 量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
^-N RCCDCh): δ (ppm)=2.38(s, 3H), 3.39(s,3H), 3.5-3.8 (m), 4.5(s,2H), 7. l-7.6(m, 5H), 8.3(d, 1H)
実施例 23
2— ( ( 3—メチルー 4一 (2— (2—メ トキシボリエトキン) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) 一 1 H—べンズイミダゾール '塩酸塩 (平均分子 量 55 0のボリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.38(s, 3H), 3.39(s,3H), 3.5-3.8 (m), 4.5(s,2H), 7. l-7.6(m, 5H). 8.3(d.1H)
実施例 24
2— ( ( 3—メチルー 4一 ( 2— ( 2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) — 1 H—ベンズイミダゾール '塩酸塩 (平均分子 量 75 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
'H-N RCCDCh): δ (ppm)=2.38(s, 3H), 3.20(t,2H), 3.38(s,3H), 3.5-3.85(m), 4.48(s,2H), 7.08-7.20(m, 3H), 7.48-7.58 (m, 2H), 8.28(d, 1H)
実施例 2 5
2 - ( ( 3—メチルー 4一 ( 2— ( 2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ) — 2—ピリジル) メチルチオ) ― 1 H—べンズィミダゾール (平均分子量 3 5 0 のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) 1. 2 gをクロ口ホルム 2 Om 1 に溶解させ、 氷冷下、 8 0 %メタクロ口過安息香酸 0. 3 8 gを加え、 氷 冷下で 3 0分間撹拌した。 反応終了後、 溶媒を留去し、 残渣をアルミナカラムク 口マトグラフィ一に付し、 クロ口ホルム—メタノール = 9 9 : 1で留出し、 淡褐 色油状の 2— ( ( 3—メチルー 4 _ (2— (2—メ トキシポリエトキン) ェチル チォ) 一 2—ピリジル) メチルスルフィニル) — 1 H—べンズイミダゾ一ル (平 均分子量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) 0. 5 2 g を得た。
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.25 (s, 3H). 3· 1-3.25(t, 2H), 3.37(s,3H).
3.4-3.85 (m), 4.8(d,2H), 7.05(d.1H), 7.20-7.40(m, 4H), 8.25(d.1H)
実施例 2 6
2— ( (3—メチルー 4— (2—メ トキシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メ チルチオ) ― 1 H—べンズィミダゾール (平均分子量 3 5 0のポリエチレングリ コールモノメチルエーテル由来) 0. 3 4 gをクロ口ホルム 1 0m 1に溶解させ、 氷冷下、 8 0 %メタクロロ過安息香酸 0. 1 2 4 gを加え、 氷冷下で 3 0分間撹 拌した。 反応終了後、 溶媒を留去し、 残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー に付し、 クロ口ホルム—メタノール = 9 7 : 3で留出し、 淡褐色油状の 2— ( ( 3—メチルー 4一 ( 2—メ トキシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メチルスルフ ィニル) 一 1 H—べンズィミダゾ一ル (平均分子量 3 5 0のポリエチレングリコ ールモノメチルエーテル由来) 0. 3 0 8 gを得た。
"H-NMRCCDCl 3): δ (ppm)=2.2(s, 3H), 3.35(s,3H), 3.4-3.75 (m), 3.85(t,2H), 4. l(t,2H), 4.75 (d.2H), 6.7(d, 1H). 7.20-7.35(m, 4H), 8.25(d.1H)
同様にして以下の化合物が得られた。
実施例 2 7
2— ( (3—メチルー 4一 (2—メ トキシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メ
チルスルフィニル) 一 1 H—ベンズィミダゾール (平均分子量 5 5 0のポリェチ レングリコールモノメチルエーテル由来)
'H-N RCCDCh): δ (ppm)=2.2(s.3H). 3.38(s,3H), 3.4-3.75(m), 3.85(t.2H), 4.15(t,2H), 4.75 (d, 2H), 6.7(d, 1H), 7.20-7.40 (m, 4H), 8.15(d, 1H)
実施例 28 ,
2 - ( (3—メチル一 4一 (2—メ トキシポリエトキシ) 一 2—ピリジル) メ チルスルフィニル) 一 1 H—ベンズィミダゾール (平均分子量 75 0のポリェチ レングリコールモノメチルエーテル由来)
'H-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.2(s, 3H), 3.38(s,3H), 3.4-3.75 (m), 3.85(t,2H), 4.15(t,2H), 4.75 (d, 2H), 6.7(d,lH), 7.20-7.40(ra, 4H), 8.25(d, 1H)
実施例 2 9
2 - ( ( 3—メチル一 4一 ( 2— ( 2—メ トキシポリエトキン) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) ― 1 H—べンズィミダゾール (平均分子量 5 5 0 のポリエチレングルコールモノメチルエーテル由来) 1. 2 gをクロ口ホルム 3
0m 1に溶解させ、 氷冷下、 8 0%メタクロ口過安息香酸 0. 3 8 gを加え、 氷 冷下で 3 0分間撹拌した。 反応終了後、 溶媒を留去し、 残渣をアルミナカラムク 口マトグラフィ一に付し、 クロ口ホルム一メタノール = 9 9 : 1で留出し、 淡褐 色油状の 2— ( (3—メチル— 4— (2— (2—メ トキシポリエトキシ) ェチル チォ) 一 2—ピリジル) メチルスルフィニル) 一 1 H—ベンズイミダブール (平 均分子量 5 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来) 0. 523 gを得た。
^-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.25 (s, 3H), 3.15(t,2H), 3.37(s,3H), 3.4-3.75(m), 3.73(t,2H), 4.78(12H), 7.06(d, 1H), 7.20-7.40(m, 4H), 8.25(d, 1H) 実施例 3 0
2, 3—ジメチルー 4一メルカプトピリジン一 N—才キシド 20 gに N, N- ジメチルホルムァミ ド 20 0 m 1を加え、 ジェチルクロロアセタール 2 5 g、 炭 酸カリウム 20 gを加え、 70〜8 0°Cで 1 2時間撹拌した。 反応終了後、 水を 加え、 酢酸ェチルで抽出した。 酢酸ェチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶媒を留去したのち、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 クロ 口ホルム—メタノール = 9 8 : 2で留出して、 淡褐色油状の 2, 3—ジメチルー 4一 (2—ジェトキシェチルチオ) ピリジン一 N—ォキシド 28 gを得た。
'H-N RCCDCh): δ (ppm)=l.20(t, 6H). 2.35(s,3H), 2.55(s,3H). 3.15(d,2H), 3.55(q,2H), 3.70 (q.2H), 4.70(t,lH), 7.10(d, 1H), 8.10(d, 1H)
実施例 3 1
2, 3—ジメチルー 4一 ( 2—ジェトキシェチルチオ) ピリジン一 N—ォキシ ド 1 0. 8 gをベンゼン 20 0 m 1に溶解し、 p— トルエンスルホン酸 7. 6 g を加え、 2時間撹拌還流した。 反応終了後、 水洗し、 無水硫酸マグネシウムで乾 燥した。 溶媒を留去したのち、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付 し、 クロ口ホルム一メタノール = 9 8 : 2で留出して、 淡黄色油状のトランス一 •2, 3—ジメチル一 4— ( 2—エトキシビ二ルチオ) ピリジン一 N—才キシド 2. 1 gを得た。
^-N RCCDCU): δ (ppm)=l.30(t, 3H), 2.30(s,3H), 2.55(s,3H), 3.15(d, 2H). 4.00(q.2H), 5.25(d, 1H). 6.85(d, 1H). 7.00(d.1H), 8.10(d, 1H)
実施例 32
トランス一 2, 3—ジメチルー 4一 (2—エトキシビ二ルチオ) ピリジン一 N —ォキシドを用いて、 実施例 9と同様の方法により、 トランス一 3—メチルー 4 一 (2—エトキシビ二ルチオ) ピリジン一 2—メタノールを得た。
•H-N RCCDCh): δ (ppm)=l.35(t, 3H), 2.15(s,3H), 4.00 (q, 2H), 4.65(s.2H), 5.30(d, 1H). 6.85(d, 1H), 7.10(d, 1H), 8.25(d, 1H)
実施例 1 7または実施例 1 8と同様にして以下の化合物が得られる。
実施例 33
トランス一 2— ( (3—メチル一4一 (2—エトキシビ二ルチオ) 一 2—ピリ ジル) メチルチオ) — 1 H—べンズイミダゾール
融点 1 8 5〜 1 8 8 °C (分解)
実施例 34
2 - ( (3—メチルー 4— (2 - (2—メ トキシポリエトキシ) ェチルチオ)
一 2—ピリジル) メチルチオ) 一 3 H—イミダゾ 〔4, 5— b〕 ピリジン (平均 分子量 3 5 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
'H-NMRCCDCls): δ (ppm)=2.40(s, 3H), 3.20(t,2H), 3.40(s,3H), 3.50-3.70(m), 3.75(t,2H), 4.50(s,2H), 7.15(m, 2H), 7.85(d,lH), 8.30(d, 1H), 8.35(d, 1H) 実施例 35
2— ( (3—メチル一 4— (2— (2—メ トキシポリエトキン) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) 一 3 H—イミダブ 〔4, 5— c〕 ピリジン (平均 分子量 35 0のポリエチレングリコールモノメチルエーテル由来)
3H), 3.25(t,2H), 3.40(s,3H), 3.50-3.70(m), 3.75(t,2H), 4.50(s,2H), 7.15(d,lH), 7.50(d, 1H), 8.45(d, 1H), 8.48(d, 1H), 8.90(s, 1H)
実施例 3 6
2, 3—ジメチルー 4一 ( 2—ェトキシェチルチオ) ピリジン一 N—ォキシド •H-N RCCDC ): δ (ppm)=l.20(t, 3H), 2.35(s,3H), 2.56(s,3H), 3.15(t.2H).
3.52(q.2H), 3.68(t.2H), 7.04(d, 1H), 8.10(d, 1H)
実施例 3 7
3—メチル一4一 (2—ェトキシェチルチオ) ピリジン一 2—メタノール ^-NMRCCDCh): δ (ppm)=l.20(t, 3H), 2.12(s,3H), 3.20(t.2H), 3.56(q, 2H).
3.72(t,2H). 4.66(s,2H), 7.06(d, 1H), 8.28(d, 1H)
実施例 3 8
2— ( (3—メチルー 4一 (2—ェトキシェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチ ルチオ) 一 1 H—べンズィミダゾ一ル ·塩酸塩
融点 1 9 1〜1 94°C (分解)
実施例 3 9
2, 3—ジメチルー 4一 (2— (2— (2— (2—メ トキシェトキシ) ェトキ シ) エトキシ) ェチルチオ) ピリジン一 N—才キシド
^-NMRCCDCU): δ (ppm)=2.35(s, 3H), 2.55(s,3H). 3.17(t,2H), 3.40(s,3H), 3.50-3.80(m, 14H). 7.05(d.1H), 8.05(d.1H)
実施例 40
3—メチル一 4— (2— ( 2 - (2— (2—メ トキシエトキン) エトキン) ェ トキシ) ェチルチオ) ピリジン一 2—メタノール
^-NMRCCDCh): δ (ppm)=2.15(s, 3H), 3.20(t,2H), 3.40(s,3H),
3.40-3.80(m, 14H), 4.65(s,2H), 7.05(d,lH), 8.25(d, 1H)
実施例 4 1
2— ( (3—メチルー 4— (2— (2— (2— (2—メ トキシエトキン) エト キシ) エトキシ) ェチルチオ) 一 2—ピリジル) メチルチオ) — 1 H—ベンズィ ミダゾ一ル ·塩酸塩
'H-NMR CDaOD): 5(ppm)=2.37(s.3H). 3.22(s.3H), 3.30-3.90 (m, 16H), 5.15(s,2H), 7.30-7.50 (m, 2H), 7.55-7.75 (m, 3H), 8.45(d.1H)
上記実施例で得られた化合物を表 3〜4に示す。 表中、 Meはメチルを、 E t はェチルを、 P rはプロピルを、 Buはブチルを示し、 c a. は c i r c a (お よそ) を意味する。
3
実施例 Z Y R
1 R
2 R
3 R
4 R
5 X m n
17 CH CH H 3- e H H Me 4-S 0 2
18 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 ca. 7
19 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 ca. 12
20 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 ca. 16
21 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 0 3
22 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 7
23 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 12
24 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 16
25 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 1 ca. 7
26 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 1 ca. 7
27 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 1 ca. 12
28 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 1 ca. 16
29 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 1 ca. 12
34 CH N H 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 7
35 N CH H 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 7
38 CH CH H 3-Me H H Et 4-S 0 1
41 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 0 4
4
実施例 Z Y R1 R2 R3 R4 R5 X m n
33 CH CH H 3-Me H H Et 4-S 0 1 また、 上記実施例と同様にして、 表 5〜 8に示す化合物が得られる,
No. Z Y R 1 R2 R3 R4 R5 X m n
101 N CH H 3 - Me H H Me 4-0 0 ca. 7
102 CH N H 3-Me H H Me 4-0 0 ca. 7
103 CH CH H 3-Me H CH2OH Me 4-S 0 ca. 12
104 CH CH H 3-Me H CH2OH Me 4-0 0 ca. 7
105 CH CH H 3-Me H H Me 4-SO 0 ca. 7
106 CH CH H 3-Me H H Me 4-SO 0 ca. 12
107 CH CH H 3一 Me H H Me 4 0 ra 7
108 CH CH H 3-Me H H Me 4-SO2 0 ca. 12
109 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 1 ca. 12
110 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 1 ca. 16
111 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 4
112 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 5
113 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 6
114 CH CH H 3-Me H H Me 4-0 0 8
115 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 2 4
No. Z Y R1 R2 R3 R4 R5 X m n
131 CH CH H 3-Me 5 - Me H Me 4-0 0 ca. 7
132 CH CH H 3-Me 5 - Me H Me 4 - S 0 ca. 7
133 CH CH H 3-Me 5-Me H Me 4-0 0 ca. 7
134 CH CH H 3-Me 5-Me H Me 4-S 0 ca. 7
135 CH CH 5-OMe 3-Me H H Me 4-0 0 ca. 7
136 CH CH 5-OMe 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 7
137 CH CH 5-OH 3-Me H H Me 4-0 0 ca. 7
138 CH CH 5 - OH 3-Me H H Me 4-S 0 ca. 7
139 CH CH H 3-Me 5-Me H H 4-0 0 ca. 7
140 CH CH H 3-Me 5-Me H H 4-S 0 ca. 7
141 CH CH H 3-Me 5-Me COOEt Me 4-0 0 ca. 7
142 CH CH H 3-Me 5-Me COOEt Me 4-S 0 ca. 7
143 CH CH 5-F 3-Me H H Me 4-S 0 3
144 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 1 2
145 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 1 3
146 CH CH H 3-Me H H Me 4-S 0 1
8 ε
ΐ Ϊ3 H H 9W-S H H3 HO \\Z
0 Ϊ3 H H H N HO 012
0 Ϊ3 H 3W-S H HO HO 602
0 s- 13 H H H H HO HO 803
0 s-v "8 H H H HO HO L Z
0 "8 H H 9W-8 H HO HO
0 Jd H H H HO HO
0 0 - Jd H H H HO HO
0 9W H H 9W-8 H HO HO
0 s - H H 9N-S H HO HO zoz
0 o- a H H H HO HO m
UI X SH t s iH 人 Z •ON
8峯Sl0/P6d£flDd L6 UIS6 ΟΛ1
製剤処方例
:有効成分 20 m g含有錠剤は以下の組成により調製される,
化合物 ( I ) 20 m g
コーンスターチ 1 5mg
乳糖 5 7 m g
微結晶セルロース 25 mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
1 20 mg
カプセル剤:有効成分 2 Omg含有カプセル剤は以下の組成により調製される, 化合物 ( I ) 2 Omg
コーンスターチ 30 mg
乳糖 6 3mg
ヒドロキシブ口ピルセルロース 6 m g
ステアリン酸マグネシウム 一 1 m g
1 2 Omg 本発明を上述の明細書およびそれに含まれる実施例により適切かつ十分に説明 したが、 それらは本発明の精神および範囲を逸脱することなく、 変更または修飾 することができる。