JPWO2021044758A5 - - Google Patents

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本開示は、回転検出器及びそれを備えたモータに関する。本開示は、特にモータの回転軸の回転量を検出する回転検出器に関する。
従来、モータの回転軸等の回転位置及び回転量を検出するために、アブソリュートエンコーダが広く用いられている。アブソリュートエンコーダは、決められた原点位置を基準として回転位置及び回転量を検出する。アブソリュートエンコーダでは、原点位置のデータが保持されているので、電源が停止した場合にも原点復帰のための位置調整等が不要である。
一方、アブソリュートエンコーダでは、電源停止時にデータを保持するためのバックアップ電源が必要となる。通常、バッテリーがバックアップ電源として用いられる。しかし、バッテリーを定期的に交換する必要があり、バッテリーのメンテナンスに手間がかかる。そこで、バッテリーレスのエンコーダが複数提案されている。
例えば、特許文献1には、回転軸に取り付けられた磁石の回転に伴う磁界の変化を第1及び第2の磁気センサで検出することで、磁石、ひいては回転軸の回転量を検出する回転検出器が開示されている。この回転検出器は、第1及び第2の感磁部をさらに有しており、磁石の回転に伴う磁界の変化により第1及び第2の感磁部に発生したパルス状の電力を駆動電力として利用している(特に図15~図18を参照)。
しかし、特許文献1に開示された従来の構成では、駆動電力を供給するための第1及び第2の感磁部が必要であり、回転検出器の小型化が困難となっていた。
この構成では、パルス状の電力が発生したタイミングに応じて回転量の検出動作が行われる。よって、何らかの理由でパルスが発生しなかったり、その値が小さかったりすると、煩雑な補正動作が発生し、回転量検出のロバスト性が低くなっていた。
特開2018-105894号公報
本開示はかかる点に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、簡便な構成でかつ回転量検出のロバスト性を高めた回転検出器及びそれを備えたモータを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本開示に係る回転検出器は、モータの回転軸の回転量を検出する回転検出器であって、回転軸に回転一体に取り付けられ、外周方向に4極以上の磁極を有する発電用磁石と、感磁部と誘導コイルからなる少なくとも1つの発電素子と、第1の磁気センサと、第2の磁気センサと、回転軸の回転によって、発電用磁石と共に位置が変化し、第1の磁気センサと第2の磁気センサのうちの少なくとも1つに励磁電圧を発生させることがある磁束制御部材と、を備え、発電用磁石の回転により発電素子が発電した電力で、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサを駆動する。
本開示に係るモータは、回転軸を有する回転子と、回転子と同軸にかつ回転子と所定の間隔をあけて設けられた固定子と、回転軸に取付けられた回転検出器と、を少なくとも備える。
本開示の回転検出器によれば、簡便な構成で回転検出器を実現できる。本開示の回転検出器によれば、バッテリーレスで回転軸の回転量を検出でき、回転量検出のロバスト性を高められる。本開示のモータによれば、回転状態を所望の状態に制御可能なモータを実現できる。
本発明の実施形態1に係るモータの断面模式図である。 ロータリーエンコーダを径方向から見た模式図である。 回路基板を上から見た模式図である。 回転板を上から見た模式図である。 信号処理回路の機能ブロックの概略構成図である。 回転軸が時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。 回転軸が時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。 回転軸が時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。 回転軸が時計回り方向に回転した場合の第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの検出信号の変化を示す図である。 回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。 回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。 回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。 回転軸が反時計回り方向に回転した場合の第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの検出信号の変化を示す図である。 電源の停止前後で回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す図である。 電源の停止前後で回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す図である。 変形例1に係る発電用磁石の磁極の位置と領域情報との関係を示す図である。 変形例2に係る、回転軸が時計回り方向に回転した場合の第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの検出信号の変化を示す図である。 変形例3に係る発電用磁石の平面配置を示す図である。 別の発電用磁石の平面配置を示す図である。 発電素子の平面配置を示す図である。 変形例4に係るロータリーエンコーダを径方向から見た模式図である。 本発明の実施形態2に係る発電用磁石と磁気遮蔽板と発電素子との平面配置関係を示す図である。 磁気式エンコーダ内の各部品の平面配置図である。 本発明の実施形態3に係るロータリーエンコーダを径方向から見た模式図である。 回路基板を上から見た模式図である。 回転板を上から見た模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
[モータの構成]
図1は、本発明の実施形態1に係るモータ300の断面模式図である。なお、図1は、モータ300及びロータリーエンコーダ100の構造を模式的に図示しているものであって、実際の形状及び寸法とは異なっている。
モータ300は、モータケース10と一対のブラケット21,22と回転子30と固定子40と一対の軸受51,52とロータリーエンコーダ100とを備えている。なお、以降の説明において、モータ300、具体的にはモータケース10の半径方向を径方向と、モータ300、具体的にはモータケース10の内周方向を周方向と、回転子30に設けられた回転軸32の延びる方向を軸方向と、それぞれ呼ぶことがある。なお、モータケース10の半径方向は、回転軸32、後で述べる回転板121、及び発電用磁石122の半径方向と同じである。モータケース10の内周方向は、回転軸32、回転板121、及び発電用磁石122の外周方向と同じである。軸方向において、ロータリーエンコーダ100が設けられた側を上または上側と、その反対側、つまり、回転子30及び固定子40が設けられた側を下または下側とそれぞれ呼ぶことがある。
モータケース10は、両端が開口された筒状の金属部材である。モータケース10の内部には、回転子30と固定子40と一対の軸受51,52とが収容されている。モータケース10とブラケット21,22との当接部分には、Oリング等の弾性体が設けられるようにしてもよい。このようにすることで、モータケース10内の気密を保つことができる。
一対のブラケット21,22はモータケース10の両端の開口をそれぞれ覆うように設けられた平板状の鉄製部材である。
回転子30はモータケース10の内部に収容されており、回転子コア31の軸心に回転軸32を有している。また、回転子コア31には、その外周に沿って図示しない複数の磁石が配置されており、互いに隣り合う磁石は磁極の極性が異なっている。モータ300は、回転子コア31の内部に複数の磁石が埋め込まれた、いわゆるIPM(Interior Permanent Magnet)モータである。
回転軸32は、出力側に設けられたブラケット21を貫通して、モータケース10の外部に突出するように設けられている。回転軸32のブラケット21から突出した部分に回転軸32の回転に応じて回転駆動される負荷(図示せず)が連結される。回転軸32は鉄等の磁性体金属を加工して得られる。
固定子40は、モータケース10の内部に収容されている。固定子40は、回転子30の径方向外側に回転子30と所定の間隔をあけて設けられている。固定子40は、モータケース10の内側面に固定されたヨーク41と、ヨーク41の周方向に沿って所定の間隔をあけて設けられた複数の突極(図示せず)と、複数の突極のそれぞれに巻回された複数のコイル42とで構成されている。
一対の軸受51,52は、一対のブラケット21,22の内面にそれぞれ取付けられ、回転軸32を回転可能に支持している。
ロータリーエンコーダ100は、ブラケット22の上面から外部に突出した回転軸32に取り付けられている。ロータリーエンコーダ100は、光学式エンコーダ110と磁気式エンコーダ120とを有している。ロータリーエンコーダ100の構成については後で詳述する。
ケース160は、有底筒状の部品である。ケース160は、ロータリーエンコーダ100を覆うように、ブラケット22の上面に取付け固定されている。ケース160は、ケース160の外部からの磁界の影響を防ぐため、強磁性体金属、例えば、鉄の板材から形成される。ケース160は、ロータリーエンコーダ100を機械的に保護するとともに、これらにオイルや水分等の液体が付着するのを防止する役割を果たしている。
なお、前述したように、回転軸32は磁性体である鉄等よりなる。このため、回転子30に設けられた磁石または固定子40で発生した磁束が、回転軸32を通ってケース160の内部に漏れ込むことがある。このようなことが起こると、ロータリーエンコーダ100で回転軸32の回転量を正しく検出できないことがある。このため、回転軸32のうち、軸方向上側の部分をステンレスとし、鉄でできた部分と接合することで、ケース160の内部への磁束の漏れ込みを抑制することもある。
次に、モータ300の動作及びその制御について説明する。
固定子40に設けられた複数のコイル42は、所定の配置関係にある3組に分けられている。それぞれのコイル42の組に互いに電気角で120°の位相差を有する3相の電流が流れてコイル42は励磁される。これにより、固定子40に回転磁界が発生する。この回転磁界と、回転子30に設けられた磁石が発生する磁界との間で相互作用を生じてトルクが発生し、回転軸32が軸受51,52に支持されて回転する。
モータ制御部60は、ロータリーエンコーダ100と複数のコイル42のそれぞれとに電気的に接続されている。ロータリーエンコーダ100で算出された回転軸32の回転位置及び回転量に基づいて、複数のコイル42に流れる電流の位相及び電流量を補正することで、モータ300の回転状態を所望の状態に制御することができる。回転軸32に連結された負荷(図示せず)の移動量及び軌跡を所望の値に制御できる。
ここで、「回転量」とは、回転軸32が何回転したかを表わす「回転数」と、後で述べる発電用磁石122の磁極配置に応じて所定の原点位置から回転軸32が回転した角度範囲とを含む情報をいう。「回転位置」とは、所定の原点位置から回転軸32が回転した角度のことをいい、本実施形態では、1回転以内に原点位置から回転軸32が回転した角度をいう。原点位置の情報は、後で述べる光学式エンコーダ110の透過パターン113に記録されている。原点位置の情報は、磁気式エンコーダ120に設けられた第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の検出信号から大まかに知ることができる。
[ロータリーエンコーダの構成]
図2は、ロータリーエンコーダ100を径方向から見た模式図である。図3は、回路基板130を上から見た模式図である。図4は、回転板を上から見た模式図である。図5は、信号処理回路の機能ブロックの概略構成図である。
図1,図2に示すように、ロータリーエンコーダ100は、光学式エンコーダ110と磁気式エンコーダ120と回路基板130とセンサ基板140と信号処理回路200とを有している。ロータリーエンコーダ100は、前述のアブソリュートエンコーダである。
光学式エンコーダ110は回転軸32の回転位置を検出する。光学式エンコーダ110が回転軸32の回転量も併せて検出するようにしてもよい。磁気式エンコーダ120は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125で検出された磁界の変化に基づいて回転軸32の回転量を検出する。信号処理回路200は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の検出信号に基づいて後で述べる領域情報を判定する。なお、以降の説明において、光学式エンコーダ110を回転位置検出器と、ロータリーエンコーダ100を回転検出器とそれぞれ呼ぶことがある。
光学式エンコーダ110は、受光素子111と発光素子112と回転板121と回転板121の上面に配置された透過パターン113(図1,図4を参照)とを有している。なお、回転板121は、回転軸32に回転一体に取り付けられている。回転板121は磁気式エンコーダ120と共有される。回転板121は、磁束を通過させる材質、例えば、アルミニウム等の非磁性体金属や樹脂等からなる。回転板121は、発光素子112からの光を透過させる材料からなる。
発光素子112はセンサ基板140の上面に、受光素子111は回路基板130の下面にそれぞれ取り付けられ、軸方向で対向している。センサ基板140は、回転板121の下方に、回転板121と間隔をあけて固定配置されている。回路基板130は、回転板121の上方に、回転板121と間隔をあけて固定配置されている。回路基板130の図示しない端子とセンサ基板140の図示しない端子とがコネクタ150で接続されている。コネクタ150を介して発光素子112に電力が供給される。また、図1,図2に示すように、径方向から見て、発光素子112と受光素子111との間に透過パターン113が配置される。
図4に示すように、透過パターン113は円環状であり、発光素子112からの光を透過させるための複数のスリット(図示せず)と同じ光を遮蔽する複数のマスクパターン(図示せず)とが周方向に沿って交互に所定の角度ピッチで設けられている。このため、回転板121の回転に応じて、発光素子112と軸方向に対向する受光素子111に対し、周期的に光の入射と遮蔽とが繰り返され、受光素子111は時間的に変調された受光信号を発生する。この受光信号を回路基板130に取り付けられた信号処理回路200で演算処理することにより、回転板121、ひいては回転軸32の回転位置が検出される。
磁気式エンコーダ120は、発電用磁石122と磁気遮蔽板123と第1の磁気センサ124と第2の磁気センサ125と発電素子126とを有しており、発電用磁石122は回転板121の上面に取り付けられている。
発電用磁石122は、平面視で円環状であり、周方向に沿って等角ピッチで複数の磁極が配列されている。また、互いに隣り合う磁極では極性が異なっている。図4に示す発電用磁石122の磁極数は8個であるが、特にこれに限定されない。例えば、図6A,図6B,図6Cに示すように、6極であってもよい。4極以上であれば、回転軸32の回転量を検出できる。図6A,図6B,図6Cは、回転軸32が時計回り方向に回転した場合の発電用磁石122の磁極と磁気遮蔽板123の位置変化の様子を示す平面模式図である。
磁気遮蔽板123は、鉄等の磁気を遮蔽する材料からなる平板状の部品である。磁気遮蔽板123は、回転板121の下面に取り付けられている。つまり、回転板121の回転とともに、発電用磁石122及び磁気遮蔽板123は回転軸32の軸心回りに一体的に回転する。また、図4に示すように、磁気遮蔽板123は、平面視で半円状の扇形形状である。但し、この形状は、磁極の個数によって変更される。例えば、図6A,図6B,図6Cに示すように、6極の発電用磁石122を用いる場合、磁気遮蔽板123の平面形状は、中心角が120度をなす扇形形状となる。発電用磁石122と磁気遮蔽板123とは同心円状に配置されている。
なお、図1,図4に示すように、発電用磁石122及び磁気遮蔽板123は透過パターン113の内周よりも径方向で内側に配置される。ただし、これに限らず、例えば、透過パターン113の外周よりも径方向で外側に発電用磁石122及び磁気遮蔽板123を配置するようにしてもよい。
図2に示すように、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125は、センサ基板140の下面に取り付けられている。図3に示すように、第1の磁気センサ124と第2の磁気センサ125とは、周方向に所定の間隔をあけて、周方向に沿って90度離れてセンサ基板140に取り付けられている。第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれで発生した励磁電圧は、検出信号としてコネクタ150を介して回路基板130に取り付けられた信号処理回路200に伝送される。
図2~図4に示すように、磁気遮蔽板123は発電用磁石122の半分を覆うように設けられている。このため、軸方向から見て、磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第1の磁気センサ124との間に位置する場合は、第1の磁気センサ124で磁気は検出されない。磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第1の磁気センサ124との間に位置しない場合は、第1の磁気センサ124は磁気を検出して励磁電圧を発生させる。同様に、磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第2の磁気センサ125との間に位置する場合は、第2の磁気センサ125で磁気は検出されない。磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第2の磁気センサ125との間に位置しない場合は、第2の磁気センサ125は磁気を検出して励磁電圧を発生させる。
よって、回転板121の回転とともに発電用磁石122及び磁気遮蔽板123が回転すると、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれにおいて、周期的に励磁電圧が発生する期間と発生しない期間とが繰り返される。このことを利用して回転軸32の回転量が検出される。これについては後で詳述する。
磁気遮蔽板123は、発電用磁石122で発生した磁束が第1の磁気センサ124または第2の磁気センサ125に流れ込むのを制御する部材だと言える。言い換えると、磁気遮蔽板123は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のうちの少なくとも1つに励磁電圧を発生させることがある磁束制御部材である。
なお、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125は磁気抵抗素子を含む磁気抵抗センサである。しかし、特にこれに限定されない。例えば、ホール素子を含むホールセンサであってもよい。磁気抵抗センサを用いることで励磁電圧が高くなり、その結果、回転量を感度良く確実に検出できる。回転量の検出感度を高めるために、磁気抵抗素子は、巨大磁気抵抗効果を発現する素子とすることもできる。一方、ホールセンサを用いることで、センサで検出される磁束の向きの違いを検出信号の極性の違いとして検出できる。また、トンネル磁気抵抗効果を発現する素子を用いることもできる。
発電素子126は、感磁部であるウィーガントワイヤ126aとその周りに設けられた誘導コイル126bとで構成される。ウィーガントワイヤ126aは、軸心と外側で透磁率が異なる磁性体である。ウィーガントワイヤ126aは、所定値以上の磁界が長手方向に沿って誘導コイル126bの内部に印加されると大バルクハウゼン効果を発現し、磁化方向が長手方向の一方に向かうように揃う。発電素子126は、長手方向に沿って誘導コイル126bの内部に流れる磁束の向きが変化すると、ウィーガントワイヤ126aの磁化方向が跳躍的に反転して誘導コイル126bの両端に電圧パルスが誘起されるように構成されている。
図1~図3に示すように、発電素子126は、長手方向が発電用磁石122の周方向の接線と一致するように回路基板130の上面に取り付けられている。このことにより、回転板121とともに発電用磁石122が回転すると、ある位置で発電素子126の一端から他端に向けて磁束が流れて、誘導コイル126bの両端に電圧パルスが誘起される。つまり、発電素子126で発電される。さらに45度だけ回転すると、発電素子126に流れる磁束の向きが反転し、誘導コイル126bの両端に直前とは反対の極性の電圧パルスが誘起される。
信号処理回路200は、回路基板130の上面に取り付けられており、受光素子111や第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125と電気的に接続されている。
図5に示すように、信号処理回路200は、受光素子111からの受光信号を受け取ってこれを演算処理する光学信号処理回路210と、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の検出信号をそれぞれ受け取ってこれらを演算処理する磁気信号処理回路220とを有している。なお、本願明細書では、光学信号処理回路210の内部構成については図示及び説明を省略する。
信号処理回路200と第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125とはロータリーエンコーダ100の外部に設けられた電源230に電気的に接続されている。通常の動作時には、光学信号処理回路210及び磁気信号処理回路220のそれぞれの駆動電力は電源230から供給される。同様に、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれの駆動電力は電源230から供給される。
一方、電源230が何らかの理由で停止したような場合は、磁気信号処理回路220と第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれの駆動電力は発電素子126から供給される。なお、通常の動作時に、磁気信号処理回路220と第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれの駆動電力を発電素子126から供給するようにしてもよい。
光学信号処理回路210は、受光素子111からの受光信号を受け取ってこれを演算処理し、回転軸32の回転位置を算出する。磁気信号処理回路220は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125からの検出信号を受け取ってこれらを演算処理し、回転軸32の回転量を算出する。また、領域情報を判定する。なお、光学式エンコーダ110が回転軸32の回転位置と回転量の両方を検出する場合は、光学信号処理回路210に図示しない記憶部を設け、これに回転量の情報を記憶するようにしてもよい。
信号処理回路200で算出された回転軸32の回転位置及び回転量に基づいて、前述したように、モータ300に流れる電流の位相や電流量が補正され、モータ300の回転状態が所望の状態になるように制御される。電源230から信号処理回路200に電力が供給されない、いわゆる無給電状態となったときに、必要に応じて、磁気信号処理回路220で判定された領域情報に基づいて回転軸32の回転量を更新する。
図5に示すように、磁気信号処理回路220は、全波整流部221と電圧レギュレータ224と複数のコンパレータ225a,225b,226a,226bと論理情報処理部227と記憶部228と通信部229とを有している。磁気信号処理回路220は、断線診断部223と逆流防止スイッチ222とを有している。
全波整流部221は、発電素子126に電気的に接続されている。発電素子126で発電した電圧パルスは全波整流部221で整流される。
電圧レギュレータ224は、いわゆるLDO(Low Drop Out)レギュレータであってもよいし、いわゆるシャントレギュレータであってもよい。電圧レギュレータ224は、システムグランド電位(SGND)を基準電位として、全波整流部221の出力電圧で充電されたキャパシタCの端子間電圧を入力電圧として、一定の電圧を出力する。電圧レギュレータ224の出力電圧が2~3V程度であるが、特にこれに限定されない。
何らかの理由で、信号処理回路200が無給電状態となった場合、電圧レギュレータ224の出力電圧は、磁気信号処理回路220の各部に入力されて、これらの機能ブロックを駆動するために利用される。同じ場合に、電圧レギュレータ224の出力電圧は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125を駆動するためにも利用される。
電圧レギュレータ224から電圧が出力されるのは、発電素子126が発電して電圧パルスを発生させている期間である。この期間に、電圧レギュレータ224の出力電圧によって磁気信号処理回路220、第1の磁気センサ124、及び第2の磁気センサ125が駆動される。
断線診断部223は、全波整流部221の入力端子に接続されて、この部分の断線の有無を診断する。逆流防止スイッチ222は、全波整流部221と電圧レギュレータ224との間に直列接続されて、電圧レギュレータ224から全波整流部221に電流が逆流するのを防止する。
コンパレータ225a,225bは、第1の磁気センサ124の検出信号をそれぞれ受け取って所定の電圧値と比較し、比較結果である出力電圧を論理情報処理部227に入力する。コンパレータ226a,226bは、第2の磁気センサ125の検出信号をそれぞれ受け取って所定の電圧値と比較し、比較結果である出力電圧を論理情報処理部227に入力する。
論理情報処理部227は、各コンパレータ225a,225b,226a,226bの出力電圧に基づいて、回転軸32の回転量を算出し、領域情報を判定する。記憶部228は、論理情報処理部227から入力された回転軸32の回転量及び領域情報を保存する。記憶部228は、不揮発性メモリ、例えば、FRAM(登録商標)で構成される。通信部229は、ASIC(特定用途向け集積回路)240と有線または無線で通信可能に接続されている。ASIC240は、信号処理回路200の一部をなしており、モータ制御部60に設けられたモータアンプ(図示せず)との通信制御、及び、光学式エンコーダ110で検出された回転位置情報の生成を行う。ASIC240は、回転位置情報と後で述べる多回転情報Sとから回転軸32の絶対位置情報を生成する。
通信部229を介して記憶部228に保存された回転量の情報を読み出して、光学式エンコーダ110で算出された回転位置の情報と合成することにより、回転軸32の多回転情報Sを得ることができる。例えば、ある時点における原点位置からの回転位置をθとし、モータ300の起動時からの回転軸32の回転数をnとすると、回転軸32の積算回転角度に相当する多回転情報Sは、式(1)に示す形で表現できる。
S=θ+2πn ・・・(1)
多回転情報Sを記憶部228に保存するようにしてもよい。モータ300がロボットアームの関節軸に用いられるサーボモータである場合は、多回転情報Sに基づいてロボットアームの先端の移動量を算出できる。なお、光学式エンコーダ110が回転軸32の回転位置と回転量の両方を検出する場合は、多回転情報Sは光学式エンコーダ110の検出結果のみから算出してもよい。また、前述したように、光学式エンコーダ110で検出された回転位置情報と多回転情報Sとから回転軸32の絶対位置情報が求められる。
信号処理回路200は内部にキャパシタCを有するようにしてもよい。通信部229が光学信号処理回路210に設けられていてもよい。
光学信号処理回路210はLSI(大規模集積回路)として構成される。磁気信号処理回路220のうち論理情報処理部227とコンパレータ225a,225b,226a,226bと通信部229は光学信号処理回路210と同じLSI上に設けられていてもよいし、それぞれ異なるLSIで構成されていてもよい。
[回転量の算出及び更新並びに領域情報の判定について]
図6A,図6B,図6Cは、回転軸が時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。図7は、回転軸が時計回り方向に回転した場合の第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの検出信号の変化を示す図である。図8A,図8B,図8Cは、回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す平面模式図である。図9は、回転軸が反時計回り方向に回転した場合の第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの検出信号の変化を示す図である。
なお、説明の便宜上、図6A~図9に示す発電用磁石122を6極とし、磁気遮蔽板123の平面形状を中心角が120度をなす扇形形状としている。また、回転板121、センサ基板140及び回路基板130、及び、光学式エンコーダ110の構成部品の図示を省略している。
図6A,図6B,図6C,図8A,図8B,図8Cにおいて、軸方向から見た発電素子126と第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の位置も併せて示している。図6A,図6B,図6C,図8A,図8B,図8Cにおいて、発電用磁石122の中心を通り、径方向に延びる線のうち、実線は時計回り方向への回転時に発電素子126に電圧パルスが発生する位置I~VIを示す。破線は反時計回り方向への回転時に発電素子126に電圧パルスが発生する位置i~viを示す。一点鎖線は、発電用磁石122の外周と原点位置における各磁極の位置とを示す。
ここで、位置I~VI及び位置i~viは、原点位置を基準とした発電用磁石122の任意の1つの磁極の回転位置である。なお、図6A,図6B,図6C,図8A,図8B,図8Cに示す各位置は、静止系座標における位置である。
回転軸32の回転方向、言い換えると、発電用磁石122及び磁気遮蔽板123の回転方向は、軸方向に沿って下側から上側に向かう方向を基準としている。つまり、軸方向に沿って、モータ300からロータリーエンコーダ100を見た方向を基準としている。以降の説明において、時計回り方向をCW方向(CW:Clock Wise)と、反時計回り方向をCCW方向(CCW:Counter Clock Wise)とそれぞれ呼ぶことがある。
図6Aに示すように、軸方向から見て、磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125との間に位置していない場合、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれで磁気が検出されて励磁電圧が発生する。磁気信号処理回路220では、励磁電圧が発生した状態の信号を「1」として算出する。従って、図6Aに示す状態では、信号(11)が検出される。なお、カッコ内の最初の数字が第1の磁気センサ124の検出信号を表わし、次の数字が第2の磁気センサ125の検出信号を表わしている。
なお、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125では、発電用磁石122のN極、S極は区別しないで信号を検出する。
回転軸32がCW方向に回転すると、図6Bに示すように、軸方向から見て、磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第2の磁気センサ125との間のみに位置するようになる。このとき、第2の磁気センサ125では磁気が検出されず励磁電圧が発生しない。磁気信号処理回路220では、励磁電圧が発生しない状態の信号を「0」として算出する。従って、図6Bに示す状態では、信号(10)が検出される。
回転軸32がさらにCW方向に回転すると、図6Cに示すように、軸方向から見て、磁気遮蔽板123が発電用磁石122と第1の磁気センサ124との間のみに位置するようになる。このとき、第1の磁気センサ124で磁気が検出されず励磁電圧が発生しない。従って、図6Cに示す状態では、信号(01)が検出される。これらの信号が前述の領域情報に相当する。領域情報は原点位置を基準とした回転位置に大まかに対応しており、周方向に120度ずつ離れた3つの回転位置に対応している。
図7に示すように、論理情報処理部227は、信号(11)が検出される回転軸32の角度範囲を領域1と判定し、信号(10)が検出される回転軸32の角度範囲を領域2と判定し、信号(01)が検出される回転軸32の角度範囲を領域3と判定する。
以上を要約すると、図6Aに示す位置から回転軸32がCW方向に回転すると、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125で検出される信号は、(11)→(10)→(01)の順で変化し、論理情報処理部227は、この変化に基づいて、回転軸32の角度範囲が領域1→領域2→領域3の順で遷移したと判定する。
また、図8A,図8B,図8C,図9は、回転軸32がCCW方向に回転した場合の図6A,図6B,図6C,図7にそれぞれ相当しているため、概略のみ説明する。
図8Aに示す位置から回転軸32がCCW方向に回転すると、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125で検出される信号は、(11)→(01)→(10)の順で変化する。論理情報処理部227は、この変化に基づいて、回転軸32の角度範囲が領域1→領域3→領域2の順で遷移したと判定する。
これらのことを利用して、回転軸32の回転量を算出することができる。さらに説明する。
図7,図9に示すように、領域1~3は、原点位置からの回転軸32の角度範囲にそれぞれ対応している。なお、発電素子126の両端が異なる極性の磁極間を跨ぐときに発電するため、発電素子126が電圧パルスを発生する位置は、図6A,図6B,図6C,図8A,図8B,図8Cに示す原点位置からの各磁極の位置とは一致しない。CW方向の回転時とCCW方向の回転時とでは、発電素子126の一端から他端に向けて磁束が流れるタイミングが異なるため、両者において、電圧パルスが発生する位置は周方向で所定の角度ずれている。
発電素子126に電圧パルスが発生したときに、直前の電圧パルス発生時に判定された領域情報から予め定められた領域に遷移していれば、回転数をカウントアップ、またはカウントダウンするようにすると、正確に回転数をカウントすることができる。同じ回転数である状態において、領域情報の違いから原点位置からの回転軸32の角度範囲を検出できる。これらの情報に基づいて回転軸32の回転量が算出される。
図6A,図6B,図6C,図7に示す例では、領域2から領域3に遷移したとき、具体的には、領域2から領域3に遷移した直後の電圧パルスが発生する位置IVで回転数をカウントダウンする。
また、1つの領域に対して、電圧パルスが発生する位置がそれぞれ2箇所存在する。よって、何らかの理由で、位置IVで発生する電圧パルスが小さく、領域遷移が検出できない場合には、位置Vで電圧パルスが発生したタイミングで回転数をカウントダウンする。
また、図8A,図8B,図8C,図9に示すように、回転軸32がCCW方向に回転している場合は、領域3から領域2に遷移した直後の電圧パルスが発生する位置ivで回転数をカウントアップする。何らかの理由で、位置ivで発生する電圧パルスが小さく、領域遷移が検出できない場合には、位置iiiで電圧パルスが発生したタイミングで回転数をカウントアップする。
このように領域情報が遷移すると、検出されたタイミングで記憶部228に保存された領域情報が書き換えられる。回転数が変化する場合も記憶部228に保存された情報が書き換えられて再保存される。
次に、回転量の更新処理について説明する。
図10Aは、電源の停止前後で回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す図である。図10Bは、電源の停止前後で回転軸が反時計回り方向に回転した場合の発電用磁石の磁極と磁気遮蔽板の位置変化の様子を示す図である。
停電、あるいは設備停止等の理由により、電源230が停止し、その後、復帰した場合において、モータ300の回転軸32が停止前後で意図せずに回転してしまうことがある。例えば、モータ300が備え付けられた設備を移動させる場合等に、このようなことが起こることがある。
電源230の停止中、光学式エンコーダ110は無給電状態であるため、回転軸32の回転位置等は検出できない。電源230の復帰後に、原点位置を基準とした回転位置は算出されるが、回転量が変化したか否かは判定できない。磁気式エンコーダ120においても、電圧パルスが発生しない範囲で回転軸32が回転しても、論理情報処理部227を含む磁気信号処理回路220に対して無給電状態であるため、回転量の変化を検出できない。
一方、本実施形態によれば、電源230の停止直前に記憶部228に保存された領域情報と、光学式エンコーダ110で検出された回転位置とに基づいて、モータ300の回転量を正しく更新することができる。
例えば、図10Aに示す位置で電源230が停止し、図10Bに示す位置で電源230が復帰し、その間に回転軸32がCCW方向に回転した場合を考える。
電源230が復帰した図10Bに示す状態では、論理情報処理部227を含む信号処理回路200は給電状態となる。しかし、図10Bに示すように、実際の回転軸32の角度範囲は領域3にあるが、図10Aに示す状態から電圧パルスが発生していないため、記憶部228に記憶された情報は領域2のままである。
一方、光学式エンコーダ110で回転位置が検出されているため、原点位置からの回転軸32の回転角度が算出される。従って、磁気信号処理回路220は、光学式エンコーダ110で検出された回転位置に基づいて、電源230の復帰前後で回転軸32が回転したことを検出する。この場合、領域3から領域2に遷移していることが回転位置に基づいて論理情報処理部227で判定される。
従って、論理情報処理部227を含む磁気信号処理回路220は、電源230の停止前に記憶部228に保存された回転量を、電源230の復帰後に光学式エンコーダ110で検出された回転位置に基づいて更新する。具体的には、領域3から領域2に領域情報を遷移させるとともに、回転数を+1カウントアップする。
このようにすることで、電源230が停止した場合にも回転軸32の回転量を正しく検出できる。また、電源230の復帰後もモータ300の回転状態を所望の状態に制御できる。
[効果等]
以上説明したように、本実施形態に係るロータリーエンコーダ(回転検出器)100は、磁気式エンコーダ120を少なくとも備えており、少なくともモータ300の回転軸32の回転量を検出する。
磁気式エンコーダ120は、回転軸32に回転一体に取り付けられ、外周方向に互いに極性の異なる複数の磁極、この場合は4極以上の磁極を有する発電用磁石122と、感磁部であるウィーガントワイヤ126aと誘導コイル126bからなる少なくとも1つの発電素子126と、第1の磁気センサ124と、第2の磁気センサ125と、を少なくとも備えている。
また、磁気式エンコーダ120は、回転軸32の回転によって、発電用磁石122と共に位置が変化し、第1の磁気センサ124と第2の磁気センサ125のうちの少なくとも1つに励磁電圧を発生させることがある磁気遮蔽板(磁束制御部材)123を備えている。
磁気式エンコーダ120は、発電用磁石122の回転により発電素子126が発電した電力で、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125を駆動する。
磁気式エンコーダ120をこのように構成することで、いわゆるバッテリーレスのロータリーエンコーダ(回転検出器)100を簡便な構成で実現できる。また、回転軸32の多回転情報Sを簡便に検出することができる。また、特許文献1に示す従来の構成に比べて、構成部品の点数を減らすことができる。従って、ロータリーエンコーダ100を小型化できる。
また、前述したように、発電素子126の感磁部であるウィーガントワイヤ126aに対し、所定以上の磁界が加わることで、その磁化方向が反転し、誘導コイル126bの両端に電圧パルスが誘起される。このとき、磁化方向の反転速度は、ウィーガントワイヤ126aの磁気的性質に依存し、回転軸32の回転速度には依存しない。
従って、発電素子126をウィーガントワイヤ126aと誘導コイル126bとで構成することで、回転軸32の回転速度に依存せず、発電素子126で発電する電圧パルスの大きさを所定の値とすることができる。例えば、回転速度に依存した電磁誘導のみでは第1の磁気センサ124または第2の磁気センサ125を駆動するのに十分な発電量が得られない程度の低速回転においても、発電素子126で十分な発電量が得られる。
また、本実施形態によれば、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125を周方向に沿って所定の間隔をあけて、この場合は120度離して配置するとともに、発電用磁石122の磁極を周方向に沿って6極配置し、かつ互いに隣り合う磁極の極性を異ならせている。
このようにすることで、第1の磁気センサ124で第1の信号、例えば、「1」が、第2の磁気センサ125で第2の信号、例えば、「1」がそれぞれ検出された後、第1の磁気センサ124で第1の信号と異なる信号である「0」が検出されるか、または、第2の磁気センサ125で第2の信号と異なる信号である「0」が検出されるまでの間に、発電素子126で2回の発電が行われる。
従って、前述の領域が遷移する最初のタイミングで発電素子126から第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の駆動電力が十分に供給されず、回転量の検出飛びが発生した場合にも、次のタイミングで駆動電力が供給されることにより、回転量が確実に検出される。よって、回転量検出のロバスト性を高めることができる。
磁気式エンコーダ120では、第1の磁気センサ124と発電用磁石122の間に磁気遮蔽板123がないときに第1の磁気センサ124に励磁電圧が発生し、第2の磁気センサ125と発電用磁石122の間に磁気遮蔽板123がないときに第2の磁気センサ125に励磁電圧が発生する。
平面視で、発電用磁石122が回転軸32と一体に回転するとともに、発電用磁石122の一部が磁気遮蔽板123に覆われている。よって、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のそれぞれが、平面視で発電用磁石122が磁気遮蔽板123に覆われていない場合のみに磁気の有無を検出する。このように、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の検出信号を0または1の二値の組に単純化することで、回転量の算出、特に、回転数や領域情報の算出を容易に行うことができる。
平面視で、磁気遮蔽板123は扇形状であり、発電用磁石122と磁気遮蔽板123とは同心円状に配置されていることが好ましい。
このようにすることで、発電用磁石122から受ける磁界変化を、回転軸32の回転に応じて正しく第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125で検出できる。
ロータリーエンコーダ100は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の検出情報と回転軸32の回転量を記憶する記憶部228と、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の検出情報に基づき、回転軸32の3つの回転位置に対応する領域情報を判定する論理情報処理部227と、をさらに備えており、領域情報は記憶部228に記憶される。
このようにすることで、回転軸32の回転量を簡便に算出できる。ロータリーエンコーダ100が電源230から電力を供給されない無給電状態になった場合でも、不揮発性メモリで構成された記憶部228に記憶された回転量や領域情報に基づき、回転量を算出できる。
ロータリーエンコーダ100は、回転軸32の回転位置を検出する光学式エンコーダ(回転位置検出器)110をさらに備えている。
信号処理回路200に対して無給電状態から給電状態となったとき、論理情報処理部227は、記憶部228に記憶された領域情報を読み出し、光学式エンコーダ110で検出された回転位置と記憶部228から読み出された領域情報に基づいて回転軸32の回転量を更新する。
このようにすることで、ロータリーエンコーダ100に駆動電力を供給する電源230が停止した場合にも回転軸32の回転量を正しく検出でき、電源230の復帰後もモータ300の回転状態を所望の状態に制御できる。
また、本実施形態のモータ300は、回転軸32を有する回転子30と、回転子30と同軸にかつ回転子30と所定の間隔をあけて設けられた固定子40と、回転軸32に取付けられたロータリーエンコーダ100と、を少なくとも備えている。
本実施形態のロータリーエンコーダ100が回転軸32に取り付けられることで、回転状態を所望の状態に制御可能なモータ300を実現できる。
<変形例1>
図11は、変形例1に係る発電用磁石の磁極の位置と領域情報との関係を示す図である。図11において、発電用磁石122の中心を通り径方向に延びる線のうち、実線及び破線は、図6A,図6B,図6C,図8A,図8B,図8Cに示すのと同様に、それぞれ、時計回り方向への回転時に発電素子126に電圧パルスが発生する位置と反時計回り方向への回転時に発電素子126に電圧パルスが発生する位置である。
図11に示す発電用磁石122の磁極配置は、図4に示すのと同様である。発電用磁石122の磁極配置は、周方向に沿って等角ピッチで8極配置されている。互いに隣り合う磁極の極性は異なっている。図示しないが、磁気遮蔽板123(図示が必要と思う)の形状、配置も図4に示すのと同様である。半円状の扇形の磁気遮蔽板123が、平面視で発電用磁石122と同心円状に配置されている。
このように発電用磁石122及び磁気遮蔽板123が配置される場合、図11に示すように、CW方向及びCCW方向のそれぞれの回転において、発電素子126に電圧パルスを発生する位置は8箇所ずつ存在する。第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125で検出される信号は、(11)、(10)、(00)、(01)の4組であり、4つの領域が存在する。
この場合において、回転軸32が所定の領域に移動した場合、例えば、回転軸32がCW方向に回転して、信号(01)に対応する領域から信号(11)に対応する領域に遷移した場合、位置Iで回転数のカウントダウン処理を行う。回転軸32がCCW方向に回転して、信号(11)に対応する領域から信号(01)に対応する領域に遷移した場合、位置viiiで回転数のカウントダウン処理を行う。
このようにすることで、モータ300の回転量、特に原点位置からの回転軸32の角度範囲を実施形態1に示す場合よりも狭く設定でき、回転量の検出精度が高められる。
図6A~図9に示す例では、3つの領域のうちの1つの領域に対して残りの2つの領域がそれぞれ隣接する。このため、領域情報の時間的変化まで見定めないと、回転量を正しく検出しているか否かが分からない場合があった。
一方、本変形例によれば、4つの領域のうちの1つの領域に対して隣接する2つの領域は、もとの領域の位置によって異なる。例えば、信号(11)に対応する領域に対して、信号(01)、(10)に対応する領域がそれぞれ隣接する。一方、信号(01)に対応する領域に対して、信号(11)、(00)に対応する領域がそれぞれ隣接する。
このため、論理情報処理部227は、記憶部228に保存された直前の領域情報と新たに保存された領域情報とを比較して、発電用磁石122の回転に応じて定められた順序で論理情報処理部227から領域情報が出力されていない場合、論理情報処理部227は、エラー検出情報としてエラーフラグを生成、出力し、エラーフラグを記憶部228に保存する。ロータリーエンコーダ100が無給電状態から給電状態となったとき、信号処理回路200は記憶部228に保存されたエラーフラグを確認し、上位コントローラであるモータ制御部60、及び、その内部に設けられたモータアンプ(図示せず)等に現在の回転量が正しくない可能性があることを警告する。
図6A~図9に示す例において、本来、出力されるはずのない領域情報、例えば、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125で検出される信号(00)が論理情報処理部227から出力された場合も同様に、論理情報処理部227は、記憶部228に保存された直前の領域情報と新たに保存された領域情報とを比較して、エラーフラグを出力し、記憶部228に保存する。
つまり、発電用磁石122の回転に応じて定められた順序で論理情報処理部227から領域情報が出力されていない場合、または、本来、出力されるはずのない領域情報が論理情報処理部227から出力された場合は、論理情報処理部227で判定した領域情報が記憶部228に記憶された直前の領域情報から予測される値ではない場合であると言える。この場合に、論理情報処理部227は、記憶部228に保存された直前の領域情報と新たに保存された領域情報とを比較して、エラーフラグを出力し、記憶部228に保存する。
ロータリーエンコーダ100が無給電状態から給電状態となったとき、信号処理回路200は記憶部228に保存されたエラーフラグを確認し、前述の警告を報知する。
なお、図11に示す発電用磁石122に代えて、周方向に沿って等角ピッチで4極の磁極が配置された発電用磁石122を用いても、回転軸32の回転量を検出することは可能である。
本変形例に示す磁極配置にすることで、図6A~図9に示す例と同様に、第1の磁気センサ124で第1の信号が、第2の磁気センサ125で第2の信号がそれぞれ検出された後、第1の磁気センサ124で第1の信号と異なる信号が検出されるか、または、第2の磁気センサ125で第2の信号と異なる信号が検出されるまでの間に、発電素子126で2回の発電が行われる。
従って、前述の領域が遷移する最初のタイミングで発電素子126から第1の磁気センサ124,及び第2の磁気センサ125の駆動電力が十分に供給されず、回転量の検出飛びが発生した場合にも、次のタイミングでは駆動電力が供給される。このことにより、回転量が確実に検出され、回転量検出のロバスト性を高めることができる。
発電用磁石122の極数は、互いに極性の異なる磁極の組の整数倍である。つまり、発電用磁石122の極数は偶数個である。このようにすることで、回転軸32がCW方向またはCCW方向のいずれに回転する場合にも、モータ300の回転量を検出できる。
<変形例2>
図12は、変形例2に係る、回転軸が時計回り方向に回転した場合の第1の磁気センサ及び第2の磁気センサの検出信号の変化を示す図である。なお、本変形例における発電用磁石122及び磁気遮蔽板123の配置は、図8A,図8B,図8Cに示すのと同様である。
図6A~図9に示す例では、前述したように、発電用磁石122の磁極の極性自体は検知せず、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125にそれぞれ加わる磁界の変化のみを検出して信号を生成している。
一方、本変形例では、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125として、検出される磁束の向きの違いを検出できるセンサを用いている。例えば、ホールセンサを用いることができる。
このようにすることで、各領域をさらに二分して判定することができる。本変形例によれば、領域1a,1b,2a,2b,3a,3bの計6領域を検出できる。このため、モータ300の回転量、特に原点位置からの回転軸32の角度範囲を実施形態1に示す場合よりも狭く設定でき、回転量の検出精度が高められる。
本変形例によれば、図6A~図9に示す3領域を6領域に細分化する。これにより、1つの領域に対して隣接する2つの領域がもとの領域の位置によって異なるようにできる。
このことにより、変形例1に示すように、論理情報処理部227で判定した領域情報が記憶部228に記憶された直前の領域情報から予測される値ではない場合に、論理情報処理部227は、記憶部228に保存された直前の領域情報と新たに保存された領域情報とを比較して、エラーフラグを出力することができる。かつエラーフラグを記憶部228に保存することができる。モータ制御部60等に現在の回転量が正しくない可能性があることを警告することもできる。
本変形例では、磁気センサによって、発電用磁石122で発生する磁束の向きの違いを検出するようにした。しかし、発電素子126に発生する電圧パルスの極性の違いを検出するようにしてもよい。その場合は、全波整流器の前段に電圧極性判別部として、例えば、コンパレータ等を設けるようにしてもよい。
<変形例3>
図13は、変形例3に係る発電用磁石122の平面配置を示す図である。図14は、別の発電用磁石122の平面配置を示す図である。図15は、発電素子126の平面配置を示す図である。
周方向で隣り合う磁極の極性が互いに異なるようにすれば、それぞれ単極に着磁され、周方向に沿って等角ピッチで配置された複数の磁石を発電用磁石122として用いてもよい。この場合、図13に示すように、それぞれの磁石の平面形状を円形としてもよいし、あるいは角形としても良い。図14に示すように、それぞれの磁石の平面形状を円弧状としてもよい。
図15に示すように、発電素子126は複数個設けられていてもよい。その場合、それぞれの発電素子126を周方向に沿って配置するのがよい。
このようにすることで、回転軸32が1回転する間に電圧パルスの発生回数を多くできる。よって、磁気式エンコーダ120への駆動電力を安定して供給できる。なお、各発電素子126が同じ位置で発電しないように、周方向に沿って所定の間隔をあけて配置するのが好ましい。
この場合は、複数の発電素子126を1つとみて、第1の磁気センサ124で第1の信号が、第2の磁気センサ125で第2の信号がそれぞれ検出された後、第1の磁気センサ124で第1の信号と異なる信号が検出されるか、または、第2の磁気センサ125で第2の信号と異なる信号が検出されるまでの間に、発電素子126で複数回の発電が行われる。
従って、前述の領域が遷移する最初のタイミングで発電素子126から第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の駆動電力が十分に供給されず、回転量の検出飛びが発生した場合にも、次回以降のいずれかのタイミングでは十分な駆動電力が供給される。このことにより、回転量が確実に検出され、回転量検出のロバスト性を高めることができる。
<変形例4>
図16は、変形例4に係るロータリーエンコーダを径方向から見た模式図である。なお、図16において、実施形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本変形例に係る構成は、光学式エンコーダ110として、反射形エンコーダを用いている点で実施形態1に示す構成と異なる。
光学式エンコーダ110は、回路基板130の下面に取り付けられた受発光素子114と、回転板121の上面に取り付けられた反射パターン115とを有している。受発光素子114からの光が反射パターン115で反射され、受発光素子114で受光されることで、回転板121、ひいては回転軸32の回転位置が検出される。
本変形例によっても、実施形態1に示す構成が奏するのと同様の効果を奏することができる。なお、磁気遮蔽板123によって受発光素子114からの光が遮られないようにする必要がある。このため、磁気遮蔽板123は、反射パターン115が設けられた面と反対側に取り付けられるのが好ましい。つまり、実施形態1に示すのと同様に、回転板121の下面に取り付けられるのが好ましい。
(実施形態2)
図17Aは、本発明の実施形態2に係る発電用磁石122と磁気遮蔽板と発電素子126との平面配置関係を示す図である。図17Bは、磁気式エンコーダ内の各部品の平面配置図である。なお、図17A,図17Bにおいて、実施形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る構成は、発電用磁石122の磁極配置及び発電素子126の配置が、以下に示す点で実施形態1に示す構成と異なる。
本実施形態の発電用磁石122は、周方向に沿って互いに極性の異なる複数の磁極、この場合は8極が配列される。同時に、発電用磁石122は、径方向に沿って外周側と内周側とで互いに異なる極性の磁極が2つ配列された、いわば、2重の円環状となっている。発電素子126は、その両端が径方向に沿うように配置されている。
このようにすることで、極性の異なる磁極間に流れる磁束の向きと発電素子126のウィーガントワイヤ126aの長手方向とを同じ径方向に揃えることができる。このことにより、径方向に並んだ1組の磁極が発電用素子の下方を通過する間、ウィーガントワイヤ126aに対して同じ強さの磁界が長手方向に加わり続ける。
実施形態1に示すように、ウィーガントワイヤ126aの長手方向が発電用磁石122の外周の接線方向を向いていると、周方向に並んだ1組の磁極が発電素子126の下方を通過する間、ウィーガントワイヤ126aの長手方向に加わる磁界の強度は時間的に変動する。つまり、徐々に強くなり、磁束の向きがウィーガントワイヤ126aの長手方向と一致するときに最も強くなり、その後、徐々に弱くなる。
このような場合、回転軸32の回転速度や磁極のサイズやウィーガントワイヤ126aの長さ、また、発電用磁石122の磁界強度によっては、ウィーガントワイヤ126aの磁化方向が十分に反転せず、発電素子126での発電量が十分に確保できない場合がある。
一方、本実施形態によれば、ウィーガントワイヤ126aに対して長手方向に加わる磁界の強度及び印加時間を確保できるため、発電素子126での発電量を確保でき、磁気式エンコーダ120を安定して駆動することができる。また、本実施形態の発電用磁石122は、周方向に沿っても互いに極性の異なる複数の磁極が配列されているため、回転軸32の回転とともに、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125にそれぞれ周期的に励磁電圧が発生して信号として検出される。このことにより、実施形態1に示す構成と同様の効果を奏することができる。
図17Bにおいて、軸方向から見た発電素子126と第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125の位置も併せて示している。図17Bにおいて、発電用磁石122の中心を通り、径方向に延びる線のうち、実線は時計回り方向への回転時に発電素子126に電圧パルスが発生する位置I~VIIIを示し、破線は反時計回り方向への回転時に発電素子126に電圧パルスが発生する位置i~viiiを示す。なお、磁気遮蔽板は、図4に示すように、平面視で半円状の扇形形状である。
(実施形態3)
図18は、本発明の実施形態3に係るロータリーエンコーダを径方向から見た模式図である。図19は、回路基板を上から見た模式図である。図20は、回転板を上から見た模式図である。なお、図18~図20において、実施形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る構成は、磁気遮蔽板123に代えて位置検出用磁石170が設けられている点で実施形態1に示す構成と異なる。本実施形態に係る構成は、光学式エンコーダ110として、反射形エンコーダを用いている点で実施形態1に示す構成と異なる。なお、光学式エンコーダ110の構成及び動作は、変形例4に示すのと同様である。
図18,図19に示すように、ロータリーエンコーダ100では、第1の磁気センサ124と第2の磁気センサ125とはそれぞれ回路基板130の上面に取り付けられている。図2に示す発光素子112も省略されているため、センサ基板140とコネクタ150も省略されている。このことにより、ロータリーエンコーダ100を軸方向に小型化できる。また、コストを低減できる。
図18,図20に示すように、位置検出用磁石170は回転板121の上面に取り付けられている。位置検出用磁石170は、発電用磁石122の内周側に,発電用磁石122と間隔をあけて取り付けられている。位置検出用磁石170は、平面視で半円弧状である。
回転軸32の回転とともに発電用磁石122が回転することで、周期的に発電素子126に電圧パルスが発生することは、実施形態1及び変形例1に示す構成と同様である。一方、回転軸32の回転とともに平面視で半円弧状の位置検出用磁石170が回転することで、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125にそれぞれ周期的に励磁電圧が発生して信号として検出される。第1の磁気センサ124での励磁電圧、言い換えると、検出信号の発生タイミングと、第2の磁気センサ125での検出信号の発生タイミングとは、変形例1に示すのと同様である。
このため、実施形態1及び変形例1に示すのと同様に、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125での検出信号に基づいて、回転軸32の回転量を検出することができる。
なお、位置検出用磁石170の平面形状は、発電用磁石122の磁極配置に応じて適宜変更される。例えば、図6A~図9に示すように、発電用磁石122の磁極が周方向に沿って6極配置されている場合は、位置検出用磁石170の平面形状は、中心角が120度をなす円弧状となる。いずれの場合も、発電用磁石122と位置検出用磁石170とは同心円状に配置される。
位置検出用磁石170の形状は、円弧状である。このため、位置検出用磁石170は、回転軸32の回転とともに自身で発生した磁束が第1の磁気センサ124に流れ込む期間と流れ込まない期間とを発生させる。同様に、自身で発生した磁束が第2の磁気センサ125に流れ込む期間と流れ込まない期間とを発生させる。言い換えると、位置検出用磁石170は、第1の磁気センサ124及び第2の磁気センサ125のうちの少なくとも1つに励磁電圧を発生させることがある磁束制御部材である。つまり、磁束制御部材は、位置検出用磁石170であり、回転軸32の回転に応じて、位置検出用磁石170が、第1の磁気センサ124に近接するときに第1の磁気センサ124に励磁電圧が発生し、第2の磁気センサ125に近接するときに第2の磁気センサ125に励磁電圧が発生する。
なお、変形例4に示すのと同様に、位置検出用磁石170によって受発光素子114からの光が遮られないようにする必要がある。このため、図18に示すように、反射パターン115は、発電用磁石122の外周側に、これと間隔をあけて設けられるのが好ましい。
(その他の実施形態)
前述の各実施形態及び各変形例に示す各構成要素を適宜組み合わせて新たな実施形態とすることもできる。
例えば、実施形態2に示す発電用磁石122及び発電素子126の配置を、図18~図20に示すロータリーエンコーダ100に適用してもよい。図13,図14に示す発電用磁石122を変形して、実施形態2に適用してもよい。透過形エンコーダを、実施形態3に示すロータリーエンコーダ100に適用するようにしてもよい。
実施形態2において、発電素子126を複数個配置するようにしてもよい。この場合も、発電素子126は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。
図1に示すモータケース10は有底筒状であってもよい。その場合、例えば、ブラケット21,22のいずれかが省略される。ブラケット22が省略される場合、ロータリーエンコーダ100はモータケース10の底壁に取り付けられる。この場合も、回転子30及び固定子40からの磁束がロータリーエンコーダ100に漏れないように、ケース160やモータケース10に磁気遮蔽用の対策を施す必要がある。
図1では、IPMモータを例に取って説明したが、本願明細書に示すロータリーエンコーダ100が他の種類のモータにも適用可能であることは言うまでもない。
本開示の回転検出器は、回転量検出のロバスト性が高められるため、モータの回転制御に適用する上で有用である。
10 モータケース
21,22 ブラケット
30 回転子
32 回転軸
40 固定子
51,52 軸受
60 モータ制御部
100 ロータリーエンコーダ(回転検出器)
110 光学式エンコーダ(回転位置検出器)
111 受光素子
112 発光素子
113 透過パターン
114 受発光素子
115 反射パターン
120 磁気式エンコーダ
121 回転板
122 発電用磁石
123 磁気遮蔽板(磁束制御部材)
124 第1の磁気センサ
125 第2の磁気センサ
126 発電素子
126a ウィーガントワイヤ
126b 誘導コイル
130 回路基板
140 センサ基板
150 コネクタ
160 ケース
170 位置検出用磁石(磁束制御部材)
200 信号処理回路
210 光学信号処理回路
220 磁気信号処理回路
227 論理情報処理部
228 記憶部
230 電源
300 モータ

Claims (11)

  1. モータの回転軸の回転量を検出する回転検出器であって、
    前記回転軸に回転一体に取り付けられ、外周方向に4極以上の磁極を有する発電用磁石と、
    感磁部と誘導コイルからなる少なくとも1つの発電素子と、
    第1の磁気センサと、
    第2の磁気センサと、
    前記回転軸の回転によって、前記発電用磁石と共に位置が変化し、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサのうちの少なくとも1つに励磁電圧を発生させることがある磁束制御部材と、を備え、
    前記発電用磁石の回転により前記発電素子が発電した電力で、前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサを駆動する回転検出器。
  2. 前記磁束制御部材は、前記回転軸の回転に応じて、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサのうちの少なくとも1つと前記発電用磁石との間に位置することがある磁気遮蔽板であり、
    前記第1の磁気センサと前記発電用磁石の間に前記磁気遮蔽板がないときに前記第1の磁気センサに励磁電圧が発生し、前記第2の磁気センサと前記発電用磁石の間に前記磁気遮蔽板がないときに前記第2の磁気センサに励磁電圧が発生する、請求項1に記載の回転検出器。
  3. 平面視で、
    前記発電用磁石と前記磁気遮蔽板とは同心円状に配置されている、請求項2に記載の回転検出器。
  4. 平面視で、
    前記発電用磁石は、前記外周方向及び前記回転軸の半径方向のそれぞれに沿って互いに異なる極性の磁極が配列されており、
    前記発電素子の両端は前記半径方向に沿って配置されている、請求項2に記載の回転検出器。
  5. 前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサの検出情報に基づき、前記回転軸の回転位置に関し、少なくとも3つ以上の領域情報を判定する論理情報処理部と、
    前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサの検出情報と前記回転軸の回転量とを記憶する記憶部と、
    をさらに備え、
    前記領域情報は前記記憶部に保存される、請求項1に記載の回転検出器。
  6. 前記第1の磁気センサで第1の信号が、前記第2の磁気センサで第2の信号がそれぞれ検出された後、前記第1の磁気センサで前記第1の信号と異なる信号が検出されるか、または、前記第2の磁気センサで前記第2の信号と異なる信号が検出されるまでの間に、前記発電素子で複数回の発電が行われる、請求項5に記載の回転検出器。
  7. 前記回転軸の回転位置を検出する回転位置検出器をさらに備え、
    前記論理情報処理部に対して無給電状態から給電状態となったとき、
    前記論理情報処理部は、前記記憶部に記憶された前記領域情報と前記回転量とを読み出し、前記回転位置検出器で検出された前記回転位置と前記領域情報に基づいて前記回転量の情報を更新する、請求項5に記載の回転検出器。
  8. 前記論理情報処理部に対して無給電状態から給電状態となったとき、
    前記論理情報処理部で判定した領域情報が、前記記憶部に記憶された直前の領域情報から予測される値ではない場合に、
    前記論理情報処理部はエラー検出情報を出力し、前記エラー検出情報を前記記憶部に保存する、請求項5記載の回転検出器。
  9. 前記磁束制御部材は、位置検出用磁石であり、
    前記回転軸の回転に応じて、前記位置検出用磁石が、前記第1の磁気センサに近接するときに前記第1の磁気センサに励磁電圧が発生し、前記第2の磁気センサに近接するときに前記第2の磁気センサに励磁電圧が発生する、請求項1に記載の回転検出器。
  10. 平面視で、前記位置検出用磁石は円弧状であり、
    前記発電用磁石と前記位置検出用磁石とは同心円状に配置されている、請求項9に記載の回転検出器。
  11. 回転軸を有する回転子と、
    前記回転子と同軸にかつ前記回転子と所定の間隔をあけて設けられた固定子と、
    前記回転軸に取付けられた請求項1~10のいずれか1項に記載の回転検出器と、を少なくとも備えた、モータ。
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