JPWO2020213184A1 - 攪拌機 - Google Patents

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Abstract

断続ジェット流の作用により被処理流動体に加えられるせん断をより効率的になすことができる攪拌機の提供を図る。羽根12を備えるローター2と、スクリーン9とを、同芯で備え、両者のうち少なくともローター2が回転することにより被処理流動体がスクリーン9のスリット18を通じて断続ジェット流としてスクリーン9の内側から外側に吐出する攪拌機において、スクリーン9は断面円形の筒状をなし、スクリーン9の内壁面に設けられたスリット18の開口を流入開口33とし、スクリーン9の外壁面に設けられたスリット18の開口を流出開口34とし、流入開口33と流出開口34との間の空間をスリット空間35とし、流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)は、スリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことを特徴とする。

Description

本発明は攪拌機、特に、被処理流動体の乳化、分散或いは混合の処理に用いる攪拌機の改良に関するものである。
攪拌機は、流体の乳化、分散或いは混合の処理を行う装置として、種々のものが提案されているが、今日においては、ナノ粒子等の粒子径の小さな物質を含む被処理流動体を良好に処理することが求められている。
例えば、広く知られた攪拌機、乳化、分散機の一種としてビーズミルやホモジナイザーが知られている。
ところが、ビーズミルでは、粒子の表面の結晶状態が破壊され、傷つけられることによる機能低下が問題となっている。また、異物発生の問題も大きいし、頻繁に入れ替えたり補給するビーズのコストも大きい。
高圧ホモジナイザーでは、機械の安定稼働の問題や大きな必要動力の問題等が解決されていない。
また、回転式ホモジナイザーは、従来プレミキサーとして用いられていたが、ナノ分散やナノ乳化を行うには、さらにナノ化の仕上げのために仕上げ機を必要とする。
(特許文献に関して)
これに対して、特許文献1乃至4の攪拌機を本発明者は提案した。この攪拌機は、複数の羽根を備えたローターと、ローターの周囲に敷設されると共に複数のスリットを有するスクリーンとを備えるものである。ローターとスクリーンとは、相対的に回転することによって、スリットを含むスクリーンの内壁と羽根との間の微小な間隙において被処理流動体のせん断が行われると共に、スリットを通じて断続ジェット流としてスクリーンの内側から外側に被処理流動体が吐出されるものである。
特許文献1乃至3の攪拌機は、特許文献2の「<従来の技術>」に示されていたように、羽根車(即ちローター)の回転数を調整することによって、攪拌条件を変化させていた。そして、特許文献2に係る発明では、ローターの羽根先と、スクリーンの内壁との間のクリアランスを任意の幅に選択することを可能とした攪拌機を提案するものであり、これによって、流体に応じた能力の向上最適化を図るものであった。また、特許文献3にあっては、断続ジェット流の周波数Z(kHz)を特定の値よりも大きくすることによって、急激に微粒子化の効果が大きくなるとの知見を得て、これに基づき、従来の攪拌機では不可能であった領域の微粒子化を可能とする攪拌機を提案するものであった。
特許文献1乃至3では、いずれもローターの羽根先の周方向の幅と、スクリーンに設けられるスリットの周方向の幅とは、一定の条件下(具体的には、両者の幅が略等しいか、ローターの羽根先の幅の方が少し大きい程度で固定した条件下)で、スクリーンの内壁との間のクリアランスを変更したり、断続ジェット流の周波数Z(kHz)を変更したりすることで、その発明がなされたものであった。
これまでの本願出願人の開発により、断続ジェット流により、速度界面で液−液間のせん断力が発生することによって、乳化、分散或は混合の処理が行われることが知られており、この液−液間のせん断力が、被処理流動体の微細化、特に、ナノ分散やナノ乳化等の極めて微細な分散や乳化を実現する点で有効に作用することは推測されているが、未だその作用は十分に解明されていないのが現状である。
(本発明の経緯)
本発明の発明者は、特許文献1〜3に示された装置によって、被処理流動体の微細化を促進し、より微細の分散や乳化を実現することを試みたところ、まず、スリットを含むスクリーンの内壁と羽根との間の微小な間隙において被処理流動体のせん断が行われる点からすると、せん断の効率化を図るためには、単位時間当たりのせん断回数を増やすことが有効であると考えられるため、単位時間当たりのせん断回数を増やす視点から検討を行った。
そのための手段としては、これらの特許文献に示されるようにローターの回転数(羽根の先端部の回転周速度)を変化させることが知られているが、ローターの回転数(羽根の先端部の回転周速度)を一定とする条件下では、スリットの幅を小さくしてスリットの数を増やすか、或いは、ローターの羽根の枚数を増やすこともしくはその両方が有効であると考えられる。
ところが、断続ジェット流を発生させる場合には、スリットの幅を大きくし過ぎるとスリットを通過する被処理流動体の圧力が低下して断続ジェット流の流速が遅くなり、他方、スリットの幅を小さくすると断続ジェット流の流速は速くなるがスリットの幅を小さくし過ぎると圧力損失が大きくなりスリットを通過する被処理流動体の流量が低下してしまうため、断続ジェット流が良好に発生しないおそれがある。その結果、スリットの幅を小さくしてスリットの数を増やすことには限度があった。
また、スリット幅を小さくしてスリットの数を増やすとキャビテーションが大きく発生し空洞化現象が誘発される。キャビテーションは気泡の初生、成長、圧力上昇に伴う気泡の崩壊という過程をとる。その気泡の崩壊時には数千気圧というエネルギーでエロ―ジョンが起こる。このエロ―ジョンは機械が損傷する大きな原因になり、キャビテーションの抑制は非常に重要な要素になる。
また、現在の流れ解析シミュレーションの技術では、残念ながら正確なキャビテーションの解析は無理である。
また、ローターの回転数をより上げることで攪拌機の処理能力の向上が図られる。ローターの回転数を上げる事により、スリットを通じてスクリーンの内側から外側に吐出される被処理流動体の吐出流量が増加し断続ジェット流の速度を上げるものである。この場合以下の点が問題となる。
音速は、常温の空気中では約340m/sec、水中では約1500m/secであるが、キャビテーションにより気泡が混入した場合、水中の音速は著しく低下する。気泡を含む、ボイド率0.2の水の音速は30m/sec以下となり、ボイド率0.4の水の音速は約20m/secになる。特許文献1乃至3において、スクリーンを通過する断続ジェット流の速度は上記の気泡を含む水中の音速に近いと考えられ、音速を超えると衝撃波が発生し機械の損傷が起こる。その為、キャビテーションによる気泡の発生を出来るだけ抑制して衝撃波の問題も解決しなくてはならない。
そこで、単位時間当たりのせん断回数を増やすことだけではなく、断続ジェット流による液−液間のせん断力に着目し、このせん断力を高めることで、被処理流動体の微細化を促進することとキャビテーションの発生を抑制する検討をした。
この断続ジェット流による液−液間のせん断力の発生メカニズムを説明する。ローターの回転により羽根が回転移動すると、羽根の回転方向の前面側では、被処理流動体の圧力が上昇する。これによって、羽根の前面側に位置するスリットから被処理流動体が断続ジェット流となって吐出される。その結果、スクリーンの外側の被処理流動体と、断続ジェット流となって吐出される被処理流動体との間に液−液間のせん断力が発生する。また、断続的なジェット流のため同伴流が発生しづらくより効果が高い。従って、吐出する断続ジェット流の流速を高めることにより、液−液間のせん断力を高めることはできるが、ローターの回転数を早めるのにも機械的な限度がある。
さらに、羽根の回転方向の後面側では、被処理流動体の圧力が低下することにより、後面側に位置するスリットから被処理流動体が吸い込まれる現象が生じている。その結果、スクリーンの外側では、単に静止している被処理流動体に対して、スリットからの被処理流動体の断続ジェット流が吐出するのではなく、正逆の流れ(吐出と吸込)が発生しており、両流れの界面における相対的な速度差によって、非定常な被処理流動体同士の間に液−液間のせん断力が生じるものであると考えられ、この様に、正逆の流れ(吐出と吸込)が定常な流れではなく非定常な流れであることにより水撃作用が発生する。この水撃作用の効果で衝突圧力が定常の流れに比べて桁違いに大きくなり、より大きなせん断力が生じ処理能力が上がる。
特許文献4では、断続ジェット流による液−液間のせん断力に着目し、ローターの羽根の先端部の幅とスクリーンのスリット幅との関係を規定して断続ジェット流の効率化が図られている。
また、特許文献5−7で提案された混合攪拌機や分散機は、何れも本発明と機能や構成が異なり、断続ジェット流が可能なものではない。
特許第2813673号公報 特許第3123556号公報 特許第5147091号公報 国際公開第2016/152895号パンフレット 再表2015−093209号公報 実公平05−15937号公報 仏国特許出願公開第2679789号明細書
本発明は、断続ジェット流の作用によって被処理流動体に加えられるせん断をより効率的になすことができる攪拌機の提供を目的とする。
また、このせん断が効率的になされる結果、ナノ分散やナノ乳化等の極めて微細な分散や乳化を実現することができる攪拌機の提供を目的とする。
本発明は、断続ジェット流によって生じる被処理流動体の正逆の流れ(スリットからの吐出と吸込)の界面における相対的な速度差を高めるという新たな視点から、攪拌機の改良を試みた結果生まれた発明である。具体的には、スクリーンに設けられたスリットの断面形状を見直すことで、被処理流動体の正逆の流れの相対的速度差を高めることができる攪拌機の提供を実現することができたものである。また本発明者は、スクリーンに設けられたスリットの断面形状を見直すことで、被処理流動体の正逆の流れの相対的速度差を高めると共に被処理流動体の圧力損失を低減させ、キャビテーションを抑制し、スリットを通じてスクリーンの内側から外側に吐出される被処理流動体が効率よく断続ジェット流を形成し、かつスリットを通じてスクリーンの外側から内側に被処理流動体が効率よく吸い込まれることを見いだし、本発明を完成させたものである。
しかして、本発明は、複数の羽根を備えると共に回転するローターと、前記ローターの周囲に敷設されたスクリーンと、を同芯で備え、前記スクリーンは、その周方向に複数のスリットと、隣り合う前記スリット同士の間に位置するスクリーン部材とを備え、前記ローターと前記スクリーンとのうち少なくともローターが回転することによって、被処理流動体が前記スリットを通じて断続ジェット流として前記スクリーンの内側から外側に吐出する攪拌機を改良するものである。
本発明に係る攪拌機においては、複数の羽根を備えると共に回転するローターと、前記ローターの吐出圧力保持目的での隔壁と、前記ローターの周囲に敷設されたスクリーンと、を同芯で備え、前記スクリーンは断面円形の筒状をなし、前記スクリーンの内壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流入開口とし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流出開口とし、前記流入開口と前記流出開口との間の空間をスリット空間とし、前記流出開口の周方向の幅(So)及び前記流入開口の周方向の幅(Si)は、前記スリット空間の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことを特徴とするものである。
また、本発明は、複数の前記スリットには、被処理流動体が前記スクリーンの内側から前記スリットに流入する流入側領域と、前記スリットから被処理流動体が前記スクリーンの外側へ流出する流出側領域とを少なくとも備え、前記流入側領域は、前記複数の羽根の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の流入側端面と奥側の流入側端面とによって規定され、前記流出側領域は、前記複数の羽根の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の流出側端面と奥側の流出側端面とによって規定され、前記スリット空間の周方向の幅(Sm)は、前記スリット空間の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅であって、次の(1)〜(4)のうち少なくとも1つの角度が1〜45度であるものとして実施することができる。
(1)前記手前側の流入側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
(2)前記奥側の流出側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
(3)前記奥側の流入側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
(4)前記手前側の流出側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
また、本発明は、複数の前記スリットには、前記流入側領域と前記流出側領域との間に中間領域を備え、前記中間領域は、前記複数の羽根の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の中間端面と奥側の中間端面とによって規定され、前記手前側の中間端面と前記奥側の中間端面とは半径方向に幅を有するものとして実施することができる。
本発明において、「周方向の幅」とは周方向の直線距離をいう。例えば、流入開口の周方向の幅(Si)とは、手前側の流入側端面とスリット部材の内壁面との交点と奥側の流入側端面とスリット部材の内壁面との交点とを結んだ直線距離を言い、流出開口の周方向の幅(So)とは、手前側の流出側端面とスリット部材の外壁面との交点と奥側の流出側端面とスリット部材の外壁面との交点とを結んだ直線距離を言う。
断続ジェット流による乳化、分散、或いは攪拌、混合の効果を期待通りに得るためには、断続ジェット流によって生じる被処理流動体の正逆の流れ(スリットからの吐出と吸込)の速度界面での相対的な速度差を上げることに尽きる。そのためには、断続ジェット流の速度を上げるか、スリットを通じてスクリーンの外側から内側へ吸い込まれる被処理流動体の吸込速度を上げるか、その両方によって、正逆の流れ(吐出と吸込)の相対的な速度差を上げる手段をとることになる。
スクリーンに設けられたスリットの断面形状を本発明で提案するものとすることにより、断続ジェット流の形成時に圧力損失が旧来型より減少しその分断続ジェット流の速度が増し、かつスリットを通じてスクリーンの外側から内側へ吸い込まれる被処理流動体の吸込速度も、吸い込まれる際の圧力損失も低減する結果、早くなり、プラスマイナスでより正逆の流れ(吐出と吸込)の相対的な速度差を上げる事が可能となる。
ノズル形状即ちスクリーンに設けられたスリットの断面形状はジェット流形成に大きな影響を及ぼす。
発明者は鋭意試行錯誤して実験を繰り返してきたが、スクリーンに設けられたスリットの断面形状を本発明で提案するものとすることにより、被処理流動体の正逆の流れ(吐出と吸込)の相対的な速度差を上げるうえで、実質最も効果が上がった。スクリーンに設けられたスリットの流出開口近傍の領域は遷移領域と言い、スリット中心部にはポテンシャルコアが形成される。ポテンシャルコアは、スリット空間の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅であるスリット空間の周方向の幅(Sm)により実質的に決定されるが、本発明によりそのポテンシャルコアの流れとその周りの流れとの間に速度差が生じ、その速度界面における相対的な速度差を大きくすることによって、遷移領域を含む流出側領域にあっても大きな液−液せん断力を得ることができる。
また、本発明においては、スリット空間の周方向の幅(Sm)は、スリット空間の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅であって、スリットの周方向の幅は、流入開口から狭隘部に向けて漸次減少し、狭隘部から前記流出開口に向けて漸次増加するものとして実施することが好ましい。また、スリットの周方向の幅は、断続ジェット流の発生と被処理流動体のスクリーンの外側から内側へのスリットを通じた良好な吸込とを条件として適宜変更することができるが、流出開口の周方向の幅(So)は1.0mm〜8.0mmであることが好ましく、スリット空間の周方向の幅(Sm)は0.3mm〜5.0mmであることが好ましく、流入開口の周方向の幅(Si)は1.0mm〜8.0mmであることが好ましい。
スクリーンは、その内部に被処理流動体を導入する導入口から、軸方向に遠ざかるに従って、羽根及びスクリーンの径が小さくなるものとして実施することが好ましい。
軸方向におけるスリットと導入口との関係を考量すると、導入口に近いところではスリットからの吐出量が多く、逆に、導入口から遠いところはスリットからの吐出量が減る傾向にある。そのため、導入口から、軸方向に遠ざかるに従って、羽根及びスクリーンの径が小さくなるように構成することで、スクリーンの軸方向での吐出量を、均一化できる。これによって、キャビテーションの発生を抑制し、機械故障を低減することができる。
複数のスリットは、周方向に同一の幅であり、且つ、周方向に等間隔に形成されたものとすることにより、周方向において、より均一な条件で被処理流動体の処理をなすことができる。但し、幅の異なるスリットを複数用いることを妨げるものではなく、複数のスリット間の間隔が不均一なものとして実施することを妨げるものではない。
スクリーンは回転しないものとすることによって、個々の制御において、ローターの回転数のみを考慮しておけばよいが、逆に、スクリーンはローターと逆方向に回転させることにより、ナノ分散やナノ乳化等の極めて微細な分散や乳化に適したものとすることができる。
また、本発明は、ローターの最大外径をDとしたとき、スクリーンの複数のスリットは、その半径方向の幅(v)が以下の式(1)によって規定されているものとして実施することができる。
0.02×D≦v≦0.15×D 式(1)
本発明は、断続ジェット流に関してさらに研究を進め、断続ジェット流の作用によって被処理流動体に加えられるせん断をより効率的になすことができる攪拌機を提供することができたものである。
また、前記せん断が効率的になされる結果、ナノ分散やナノ乳化等の極めて微細な分散や乳化を実現することができる攪拌機を提供することができたものである。
更に、粒子径の分布が狭く、粒子径の揃った粒子を得ることができる攪拌機を提供することができたものである。
本発明の実施の形態に係る攪拌機の使用状態を示す正面図である。 同攪拌機の要部拡大縦断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る攪拌機の使用状態を示す正面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る攪拌機の使用状態の正面図である。 本発明のさらにまた他の実施の形態に係る攪拌機の使用状態の正面図である。 本発明を適用した実施の形態に係る攪拌機の要部拡大図である。 (A)〜(E)は、本発明を適用した他の実施の形態に係る攪拌機の要部拡大図であり、(F)は従来例の攪拌機の要部拡大図ある。 (A)〜(F)は、本発明を適用したさらに他の実施の形態に係る攪拌機の要部拡大図である。 本発明の実施例及び比較例の試験装置の説明図である。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。図6、図7において、Rは回転方向を示している。
まず、図1、図2を参照して、本発明を適用することができる攪拌機の一例の基本的な構造を説明する。
この攪拌機は、乳化、分散或は混合等の処理を予定する被処理流動体内へ配される処理部1と、処理部1内に配置されたローター2とを備えるものである。
処理部1は、中空のハウジングであり、支持管3に支持されることによって、被処理流動体を収納する収容容器4或は被処理流動体の流路に配設される。この例では、処理部1は支持管3の先端に設けられ、収容容器4の上部から内部下方へ挿入されたものを示しているが、この例に限定するものではなく、例えば、図3に示すように、処理部1が支持管3によって収容容器4の底面から上方に突出するように支持されるものであっても実施可能である。
処理部1は、被処理流動体を外部から内部へ吸入する吸入口5を有する吸入室6と、吸入室6に導通する攪拌室7とを備える。攪拌室7は、複数のスリット18を有するスクリーン9によって、その外周が規定されている。
なお、本明細書においては、スクリーン9は、空間であるスリット18と、スリット18同士の間に位置する実際の部材であるスクリーン部材19とから構成されているものとして説明する。従って、スクリーン9とは、複数のスクリーン部材19に形成されたスリット18を含む全体を意味し、スクリーン部材19とは、隣り合うスリット18同士の間に位置する1本1本の実在する部材を意味する。同様に、スクリーン9の内壁面又は外壁面とは、複数のスクリーン部材19に形成されたスリット18を含む全体の内壁面又は外壁面を意味する。
また、スクリーン9の内壁面に設けられた複数のスリット18の開口を流入開口33とし、スクリーン9の外壁面に設けられた複数のスリット18の開口を流出開口34とする。
この吸入室6と攪拌室7とは、隔壁10によって区画されると共に、隔壁10に設けられた導入用の開口(導入口)11を介して導通している。但し、この吸入室6は、必須のものではなく、例えば、吸入室6を設けずに攪拌室7の上端全体が導入用の開口となって、収容容器4内の被処理流動体が攪拌室7内に直接導入されるものであってもよい。隔壁10は、被処理流動体が断続ジェット流としてスリット18を通じてスクリーン9の内側から外側へ向けて吐出される際の圧力を保持する目的で設けられている。
ローター2は、周方向に複数枚の羽根12を備えた回転体であり、ローター2とスクリーン9(隔壁10を有する場合には、ローター2とスクリーン9と隔壁10)とは同芯で配置され、羽根12とスクリーン9との間に微小なクリアランスを保ちつつ、回転する。ローター2を回転させる構造には種々の回転駆動構造が採用できるが、この例では、回転軸13の先端にローター2が設けられ、攪拌室7内に回転可能に収容されている。より詳しくは、回転軸13は、支持管3に挿通され、さらに、吸入室6、隔壁10の開口11を通って攪拌室7に達するように配設されており、その先端(図では下端)にローター2が取り付けられている。回転軸13の後端は、モータ14等の回転駆動装置に接続されている。モータ14は数値制御等の制御系統を有するもの或はコンピュータの制御下に置かれるものを用いることが好適である。
この攪拌機は、ローター2が回転することによって、回転する羽根12がスクリーン部材19の内壁面を通過する際、両者間に存在する被処理流動体に加えられるせん断力によって、乳化、分散或は混合がなされる。これと共に、ローター2の回転によって、被処理流動体に運動エネルギーが与えられ、この被処理流動体がスリット18を通過することで、さらに加速されて、断続ジェット流を形成しながら攪拌室7の外部に流出する。この断続ジェット流により、速度界面で液−液間のせん断力が発生することでも乳化、分散或は混合の処理が行われる。
スクリーン9は、断面円形の筒状をなす。このスクリーン9は、例えば、円錐形の表面形状のように、導入用の開口11から軸方向へ遠ざかるに従って(図2の例では下方に向かうに従って)、漸次その径が小さくなるようにすることが望ましい。軸方向に一定径としても構わないが、その場合には、導入用の開口11に近いところ(図2では上方)ではスリット18からの吐出量が多く、逆に、遠いところは吐出量が減る(図2では下方)。その結果、コントロールできないキャビテーションが発生する場合があり、機械故障に繋がる恐れがあるので、図1、2に示すように、スクリーン9は円錐台形状の表面形状が好ましい。
スリット18は、回転軸13の軸方向に(図の例では上下方向)に直線状に伸びるものを示したが、スパイラル状等、湾曲して伸びるものであってもよい。また、周方向において、スリット18は等間隔に複数個が形成されているが、間隔をずらして形成することもでき、複数種類の形状や大きさのスリット18を設けることを妨げるものでもない。
スリット18は、そのリード角を適宜変更して実施することができる。図示したように、回転軸13と直交する平面と、スリット18の伸びる方向とのなすリード角が、90度である上下方向に直線状に伸びるものの他、所定のリード角を備えたスパイラル状のもの等、上下方向に湾曲して伸びるものであってもよい。
ローター2の羽根12は、横断面(回転軸13の軸方向に直交する断面)において、ローター2の中心から放射状に一定の幅で直線状に伸びるものであってもよく、外側に向かうに従って漸次幅が広くなるものや外側に向かうに従って漸次幅が狭くなるものであってもよく、湾曲しながら外側に伸びるものであってもよい。
また、これらの羽根12は、その先端部21のリード角は適宜変更することができる。例えば、回転軸13と直交する平面と、先端部21の伸びる方向とのなすリード角が、90度である上下方向に直線状に伸びるものの他、所定のリード角を備えたスパイラル状のもの等、上下方向に湾曲して伸びるものであってもよい。
これらの個々の構成部材の形状は、羽根12の先端部21とスリット18とが、スリット18の長さ方向(図の例では上下方向)において互いに重なり合う同一位置にある。そして、ローター2の回転によって、この重なり合う同一位置における羽根12とスクリーン部材19との間で被処理流動体のせん断が可能なものであり、且つ、羽根12の回転に伴いスリット18を通過する被処理流動体に、断続ジェット流が生ずるように運動エネルギーを与えることができるものである。本発明において、羽根12とスリット18との関係を規定する場合、特に説明のない限り、同一位置における関係を意味する。
スクリーン9と羽根12とのクリアランス、すなわちスクリーン9の内壁面と羽根12の先端部21との間隔は、前記のせん断と断続ジェット流が生ずる範囲で適宜変更できるが、通常約0.2〜2.0mmであることが望ましい。また、このクリアランスは、図2に示すような全体がテーパ状のスクリーン9を用いた場合には、攪拌室7と羽根12との少なくとも何れか一方を軸方向に移動可能としておくことで、容易に調整することができる。
また、攪拌機の他の構造としては、図4及び図5に示すものも採用することができる。
まず図4の例では、収容容器4内の被処理流動体の全体の攪拌均一化を行なうために、収容容器4内に別個の攪拌装置を配置したものである。具体的には、収容容器4内全体の攪拌のための攪拌翼15を、攪拌室7と同体に回転するように、設けることもできる。この場合、攪拌翼15と、スクリーン9を含む攪拌室7とは、共に回転させられる。その際、攪拌翼15及び攪拌室7の回転方向は、ローター2の回転方向とは、同一であってもよく、逆方向であってもよい。即ち、スクリーン9を含む攪拌室7の回転は、ローター2の回転に比して、低速の回転(具体的には、スクリーンの回転の周速度が0.02〜0.5m/s程度)となるため、前記のせん断や断続ジェット流の発生には実質的に影響がない。
また、図5の例は、攪拌室7を支持管3に対して回動可能とし、攪拌室7の先端に、第2モータ20の回転軸を接続したものであり、スクリーン9を高速回転可能とするものである。このスクリーン9の回転方向は、攪拌室7の内部に配置されたローター2の回転方向とは逆方向に回転させる。これによって、スクリーン9とローター2との相対的回転速度が増加する。
前述の攪拌機において、本発明は次のように適用される。
本発明に係る攪拌機については、断続ジェット流により、速度界面で液−液間のせん断力が発生することによって、乳化、分散或は混合の処理が行われる。その際、本発明の実施の形態に係る攪拌機にあっては、例えば、図6、図7(A)−(E)及び図8(A)−(F)に示すローター2とスクリーン9とを用いることができる。ローター2については図6と図7(A)(B)(F)にのみ図示したが、本願の各実施の形態において、ローター2は反時計回りに回転しているものである。
なお、図6−図8は、本発明を適用した実施の形態に係る攪拌機の要部拡大図又は従来例の攪拌機の要部拡大図であるが模式図であり、各部の寸法を正確に示すものではない。
また、図6−図8の各図に記載の中心線は、半径方向を示している。
本発明に係る攪拌機については、スクリーン9に設けられた複数のスリット18の横断面(回転軸13の軸方向に直交する断面)の形状に特徴を有するものである。本願の各実施形態にあっては、それぞれのスリット18の横断面の形状は同一であるが、複数種類の形状であってもよい。
それぞれのスリット18は、スクリーン9の内壁面に設けられたスリット18の開口を流入開口33とし、スクリーン9の外壁面に設けられたスリット18の開口を流出開口34とするものであるが、流入開口33と流出開口34との間の空間をスリット空間35とし、流入開口33の周方向の幅(Si)及び流出開口34の周方向の幅(So)が、スリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられる。ここで、スリット空間35の周方向の幅(Sm)とは、スリット空間35の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅をいう。
また、空間であるそれぞれのスリット18には、被処理流動体がスクリーン9の内側からスリット18に流入する流入側領域22と、スリット18から被処理流動体がスクリーン9の外側へ流出する流出側領域23とを少なくとも備え、流入側領域22は、複数の羽根12の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の流入側端面26と奥側の流入側端面30とによって規定され、流出側領域23は、複数の羽根12の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の流出側端面27と奥側の流出側端面31とによって規定される。そして、流入側領域22の内側(径方向内側)の境界が流入開口33であり、流出側領域23の外側(径方向外側)の境界が流出開口34である。
スリット18として、図6、図7(A)−(E)及び図8(A)−(F)に示すものが挙げられる。
例えば、図7(A)に示すスリット18は、流入側領域22を規定する、手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させるとともに奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させ、流出側領域23を規定する、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させるとともに奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものである。ここで、前記の前方への傾斜とは、手前側の流入側端面26と奥側の流出側端面31とが、スクリーンの内側から外側へ向かうにしたがって、即ちスクリーン9の外径方向に向かうにしたがって、複数の羽根12の回転方向の前方に傾斜していることを意味し、前記の後方への傾斜は、奥側の流入側端面30と手前側の流出側端面27とが、スクリーンの内側から外側へ向かうにしたがって、即ちスクリーン9の外径方向に向かうにしたがって、複数の羽根12の回転方向の後方に傾斜していることを意味するものであり、以下、スリット18を構成する各端面について複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させる場合も同様である。この場合、手前側の流入側端面26と手前側の流出側端面27とによってスリット18を規定する手前側の面25が構成され、奥側の流入側端面30と奥側の流出側端面31によってスリット18を規定する奥側の面29が構成される。そして、この例では、流入側領域22と流出側領域23とを合わせたものがスリット空間35であり、流入側領域22と流出側領域23との境界が狭隘部であり、狭隘部の周方向の幅がスリット空間35の周方向の幅(Sm)となる。前述の各端面(手前側の流入側端面26と奥側の流入側端面30、手前側の流出側端面27と奥側の流出側端面31)の傾斜角度は同じであってもよく異なっていてもよい。また、この例では、流入開口33から狭隘部に向けてスリット18の周方向の幅が漸次減少し、狭隘部から流出開口34に向けてスリット18の周方向の幅が漸次増加している。
また、図7(E)に示すスリット18は、図7(A)に示すスリット18と同様、流入側領域22を規定する、手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させるとともに奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させ、流出側領域23を規定する、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させるとともに奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものであるが、図7(A)に示すスリット18は、流入開口33の周方向の幅(Si)が流出開口34の周方向の幅(So)よりも大きいものであるのに対し、図7(E)に示すスリット18は、流出開口34の周方向の幅(So)が流入開口33の周方向の幅(Si)よりも大きいものである。
また、それぞれのスリット18には、流入側領域22と流出側領域23との間に中間領域24を備えてもよい。中間領域24は、複数の羽根12の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の中間端面28と奥側の中間端面32とによって規定され、手前側の中間端面28と前記奥側の中間端面32とは半径方向に幅を有する。
例えば、図6、図7(B)−(D)に示すスリット18は、図7(A)に示すスリット18と同様、流入側領域22を規定する、手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させるとともに奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させ、流出側領域23を規定する、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させるとともに奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものについて、流入側領域22と流出側領域23との間に、半径方向に幅を有する手前側の中間端面28と奥側の中間端面32とによって中間領域24を規定したものである。この場合、手前側の流入側端面26と手前側の中間端面28と手前側の流出側端面27とによってスリット18を規定する手前側の面25が構成され、奥側の流入側端面30と奥側の中間端面32と奥側の流出側端面31によってスリット18を規定する奥側の面29が構成される。そして、これらの例では、流入側領域22と中間領域24と流出側領域23とを合わせたものがスリット空間35であり、手前側の中間端面28と奥側の中間端面32は共に複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜していないことから、中間領域24が狭隘部であり、狭隘部の周方向の幅がスリット空間35の周方向の幅(Sm)となる。手前側の中間端面28と奥側の中間端面32のうちの少なくとも一つを複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させてもよい。この場合、流入側領域22と中間領域24との境界と中間領域24と流出側領域23との境界のうち周方向の幅が狭い方が狭隘部であり、狭隘部の周方向の幅がスリット空間35の周方向の幅(Sm)となる。また、手前側の流入側端面26と手前側の中間端面28とで構成されるエッジや手前側の中間端面28と手前側の流出側端面27とで構成されるエッジ、奥側の流入側端面30と奥側の中間端面32とで構成されるエッジ、奥側の中間端面32と奥側の流出側端面31とで構成されるエッジそれぞれに丸みを持たせたR面としてもよい。
また、スリット18は、奥側の面29を構成する奥側の流入側端面30と奥側の流出側端面31のそれぞれを複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず、手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させ、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させたものであってもよい(図8(A))。また、スリット18は、手前側の面25を構成する手前側の流入側端面26と手前側の流出側端面27のそれぞれを複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず、奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させ、奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものであってもよい(図8(B))。また、スリット18は、奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させ、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させ、奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものであってもよい(図8(C))。また、スリット18は、奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させ、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものであってもよい(図8(D))。これらの例では、流入側領域22と流出側領域23とを合わせたものがスリット空間35であり、流入側領域22と流出側領域23との境界が狭隘部であり、狭隘部の周方向の幅がスリット空間35の周方向の幅(Sm)となる。
また、スリット18は、奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させ、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させず奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜させたものについて、流入側領域22と流出側領域23との間に、半径方向に幅を有する手前側の中間端面28と奥側の中間端面32とによって中間領域24を規定してもよい(図8(E))。この例では、流入側領域22と中間領域24と流出側領域23とを合わせたものがスリット空間35であり、手前側の中間端面28と奥側の中間端面32は共に複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜していないことから、中間領域24が狭隘部であり、狭隘部の周方向の幅がスリット空間35の周方向の幅(Sm)となる。
また、スリット18は、手前側の面25とスクリーン部材19の内壁面とで構成される流入開口33のエッジ、奥側の面29とスクリーン部材19の内壁面とで構成される流入開口33のエッジ、手前側の面25とスクリーン部材19の外壁面とで構成される流出開口34のエッジ、奥側の面29とスクリーン部材19の外壁面とで構成される流出開口34のエッジのうち少なくとも一つのエッジに丸みを持たせたものであってもよい。丸みを持たせたR面が流入側領域22や流出側領域23を規定する各端面になり、例えば、手前側の面25とスクリーン部材19の内壁面とで構成される流入開口33のエッジに丸みを持たせた場合、丸みを持たせたR面が手前側の流入側端面26となる。前述の流入開口33のエッジと流出開口34のエッジとに丸みを持たせたスリット18(図8(F))は、特に、流入側領域22にあっては、エッジが立っていないので、後述する鈍角なエッジに比べて被処理流動体の圧力低下が低減されることから好ましい。スリット18において、流入開口33のエッジや流出開口34のエッジに丸みを持たせた形態であっても、複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜しているものに含まれる。
複数のスリット18について、流入開口33の周方向の幅(Si)及び流出開口34の周方向の幅(So)が、スリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられることにより、この攪拌機にあっては、速度界面で液−液間のせん断力を大きくすることができ、ナノ分散やナノ乳化等の非常に微細な分散や乳化を実現する点で、極めて有効であることが知見され発明が完成されたものである。
この断続ジェット流の作用について、従来例と対比しつつ説明する。
まず、前述したように、断続ジェット流は、羽根の回転によって発生するものであるが、これをより詳しく説明すると、羽根の回転方向の前面側では、被処理流動体の圧力が上昇する。これによって、羽根の前面側に位置するスリットから被処理流動体が断続ジェット流となって吐出される。他方、羽根の回転方向の後面側では、被処理流動体の圧力が低下することにより、後面側に位置するスリットから被処理流動体が吸い込まれる。その結果、スクリーンの外側では、被処理流動体に正逆の流れ(吐出と吸込)が生じ、両流れの界面における相対的な速度差によって、被処理流動体同士に液−液間のせん断力が生じるものである。
断続ジェット流による乳化、分散或は撹拌、混合の効果を期待通りに得るためには、断続ジェット流による液−液間のせん断力を高める必要があり、断続ジェット流による液−液間のせん断力を高めるには、断続ジェット流によって生じる被処理流動体の正逆の流れ(スリット18からの吐出と吸込)の界面における相対的な速度差を大きくする必要がある。そのためには、断続ジェット流の速度を上げるか、或いは、スリットを通じてスクリーンの外側から内側に吸い込まれる被処理流動体の吸込速度を上げるか、又はその両方によって、正逆の流れ(吐出と吸込)の相対的な速度差を大きくする必要がある。
従来のスリット18の一例を図7(F)に示す。ローターの回転により羽根は回転移動するが、羽根の回転方向の前面側がスクリーン9のスリット18の流入開口33に差し掛かると、スクリーン9のスリット部材19の内壁面に沿って流れていた被処理流動体の流れがスリット18を規定する手前側の面25に沿う流れになることから、急に被処理流動体の流れが曲がる。この場合、スクリーン9のスリット部材19の内壁面と手前側の面25とで構成される流入開口33のエッジにより、被処理流動体の圧力が極端に下がりキャビテーションが発生する。従来のスリット18は、図7(F)に示すように、スリット18を規定する手前側の面25と奥側の面29ともに回転方向の前方又は後方に傾斜しておらず、スクリーン9の内壁面に設けられたスリット18の開口である流入開口33の周方向の幅(Si)とスクリーン9の外壁面に設けられたスリット18の開口である流出開口34の周方向の幅(So)とが同じであり、流入開口33のエッジはほぼ直角(α)のエッジになり相当なキャビテーションの発生になり気泡が多く発生する。
故に従来のスリット18の場合は、スクリーン9のスリット18の周方向の幅は極端に小さくできなかった。
他方、本発明の実施の形態、例えば図6、図7(A)−(E)及び図8(A)−(F)に示す実施の形態にあっては、複数のスリット18は、流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられている。
まず、流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられることによって、ノズル効果によりスリット18を通過する断続ジェット流の流速を加速することができる。また、それぞれのスリット18の流入側領域22を規定する手前側の流入側端面26と奥側の流入側端面30のうち、少なくとも手前側の流入側端面26が複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜していると、手前側の流入側端面26とスクリーン部材19の内壁面とで構成される流入開口33のエッジは鈍角(β)のエッジになり、流入開口33のエッジでの極端な圧力低下が低減され、被処理流動体が有効にジェット流に変換される。また当然ではあるが、流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられることによって、被処理流動体の圧力損失が低減され、キャビテーションの発生が抑制され、気泡の発生も抑制される。その結果、従来よりもスリット18を通じてスクリーン9の内側から外側に吐出される断続ジェット流の速度が速くなる。
次に、流出開口34の周方向の幅(So)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられることによって、スリット18を通じてスクリーン9の外側から内側へ吸い込まれる被処理流動体の圧力損失が低減される。その結果、従来よりも被処理流動体のスリット18を通じたスクリーン9の外側から内側への吸込速度が速くなる。
このように、従来よりもスリット18を通じてスクリーン9の内側から外側に吐出される断続ジェット流の速度が速くなり、かつ従来よりも被処理流動体のスリット18を通じたスクリーン9の外側から内側への吸込速度が速くなった結果、被処理流動体の正逆の流れ(吐出と吸込)の界面における相対的な速度差が大きくなることから、被処理流動体同士の間に発生するせん断力を大きくすることができたものである。
さらに、複数のスリット18は、流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられることによって、スリット18の中心部にポテンシャルコア36が形成される。ポテンシャルコア36は、前記スリット空間の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅であるスリット空間35の周方向の幅(Sm)、具体的には中間領域24の周方向の幅により実質的に決定されるものであって、半径方向にあっては略全域にわたって形成されるものであって、特に狭隘部から外側にわたって形成されるものであり、被処理流動体による断続ジェット流の中心をなす。図6にポテンシャルコア36の一例を示す。
狭隘部を通過した断続ジェット流は、狭隘部よりも広い流出側領域23を通過して、スクリーン9の外側へ吐出する。その際、スリット18の流出開口34近傍の領域である遷移領域にあっては、ポテンシャルコア36を形成する断続ジェット流はノズル効果並びにキャビテーションの抑制により加速された流れとなる。他方、ポテンシャルコア36の周りの被処理流動体にあっては、ポテンシャルコア36を形成する断続ジェット流の速度との速度差がより大きくなる。その結果、遷移領域における断続ジェット流のうち、ポテンシャルコア36の流れとその周りの流れとの間に大きな速度差が生じ、遷移領域を含む流出側領域23にあっても速度界面において大きな液−液せん断力を得ることができる。
この被処理流動体の流れの速度を直接測定することは困難であるが、後述の実施例で示すように、本発明の実施に係る攪拌機にあっては、従来の攪拌機に比して、被処理流動体の微粒子化を顕著に促進することができたことが確認された。
(スクリーンについて)
スクリーン9は、前述の通り、テーパ形等の径が変化するものとしても、実施することができる。本発明において、内径が変化する場合、特に説明のない限り、最大内径とは、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置におけるスクリーン9の最大内径(c)を意味する。
(スリット及びスクリーン部材について)
スリット18は、ローター2の回転軸の軸方向と平行に伸びるものであってもよく、スパイラル状に伸びるもの等、軸方向に対して角度を有するものであってもよい。何れの場合にあっても、本発明において、特に説明がない限り、スリット18の周方向の幅とは、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置におけるスクリーン9の周方向(言い換えればローター2の回転軸の軸方向に対して直交する方向)の長さを言う。ローター2の回転軸の軸方向位置にあっては、当該同一位置であればどの位置であってもかまわないが、少なくとも回転軸13の軸方向位置がスクリーン9の最大内径(c)となる位置であることが好ましい。スリット18の周方向の幅の一例としては、流入開口33の周方向の幅(Si)と流出開口34の周方向の幅(So)、スリット空間35の周方向の幅(Sm)とが挙げられる。スリット18の周方向の幅は、断続ジェット流の発生と被処理流動体のスクリーン9の外側から内側へのスリット18を通じた良好な吸込とを条件として適宜変更することができる。
この流入開口33の周方向の幅(Si)は、1.0mm〜8.0mmが好ましく、1.5mm〜6.0mmであることがより好ましい。流入開口33の周方向の幅(Si)が1.0mmより小さいと前述のノズル効果が発揮されず、被処理流動体の圧力損失が大きくなり、断続ジェット流の速度を上げにくい。また、流入開口33の周方向の幅(Si)を8mmより大きくしても、これ以上被処理流動体の圧力損失の効果は上がらない。また、隣り合うスリット18の幅よりスリット18の本数が取れなくなるので、流入開口33の周方向の幅(Si)は8.0mm以下が良い。
また、流出開口34の周方向の幅(So)は、1.0mm〜8.0mmが好ましく、1.5mm〜6.0mmであることがより好ましい。流出開口34の周方向の幅(So)が1.0mmより小さい場合は、吸込抵抗により被処理流動体の圧力損失が大きく吸込速度が期待通り大きくならない。また、吸込速度を大きくする効果を期待するならば、流出開口34の周方向の幅(So)を8.0mmより大きくする意味はなく、スリット18の本数を多くする方が吸込速度を大きくする効果が大きい。
また、スリット空間35の周方向の幅(Sm)は、0.3〜5.0mmが好ましく、0.5mm〜3.0mmであることがより好ましい。ローター2の高速回転によりスリット18を通じてスクリーン9の内側から外側へ吐出される断続ジェット流は、スリット空間35の周方向の幅(Sm)が0.3mmより小さい場合、被処理流動体の圧力損失により断続ジェット流を形成しづらいし、キャビテーションの問題も発生しやすい。スリット空間35の周方向の幅(Sm)が5.0mmより大きな場合は、断続ジェット流の速度が上がらない。
また、スリット18の周方向の幅は、流入開口33から狭隘部に向けて漸次減少し、狭隘部から流出開口34に向けて漸次増加することが好ましい。
本願発明にあっては、複数のスリット18は、流入開口33の周方向の幅(Si)及び流出開口34の周方向の幅(So)が、スリット空間の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けたものであれば、流入開口33の周方向の幅(Si)と流出開口34の周方向の幅(So)の大小は問わないし、横断面(回転軸13の軸方向に直交する断面の形状)における流入側領域22や流出側領域23、中間領域24の大小も問わない。
例えば、図7(A)−(C)に示すように、流入開口33の周方向の幅(Si)が流出開口34の周方向の幅(So)よりも大きいものであってもよく、図7(E)に示すように、流出開口34の周方向の幅(So)が流入開口33の周方向の幅(Si)よりも大きいものであってもよく、図7(D)に示すように、流入開口33の周方向の幅(Si)と流出開口34の周方向の幅(So)とがほぼ同じであってもよい。断続ジェット流の速度向上などの観点から、流入開口33の周方向の幅(Si)が流出開口34の周方向の幅(So)よりも大きいものであることが好ましい。
ただし、ポテンシャルコア36の形成の観点から、例えば、図6、図7(B)−(D)に示すように、流入側領域22と流出側領域23との間に中間領域24を備えることが好ましい。中間領域24の半径方向の幅は、スリット18の半径方向の幅の1/3以上であることが、形成されるポテンシャルコア36の安定性の観点から好ましい。また、中間領域24の半径方向の幅は、スリット18の半径方向の幅の2/3以下であることが、流入側領域22と流出側領域23の半径方向の幅を確保する上で好ましい。なお、例えば図7(A)(E)に示すように、流入側領域22と流出側領域23との間に中間領域24を備えなくても、ポテンシャルコア36は形成される。
本発明の実施の形態にあっては、手前側の流入側端面26、奥側の流入側端面30、手前側の流出側端面27、又は奥側の流出側端面31のうちの少なくとも1つが、複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜しているものが好ましく、その回転方向としては、手前側の流入側端面26と奥側の流出側端面31にあっては複数の羽根12の回転方向の前方へ傾斜していることが好ましく、奥側の流入側端面と手前側の流出用端面にあっては複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜していることが好ましい。ここで、前記の前方への傾斜とは、手前側の流入側端面26と奥側の流出側端面31とが、スクリーン9の外径方向に向かうにしたがって、複数の羽根12の回転方向の前方に傾斜していることを意味し、前記の後方への傾斜は、奥側の流入側端面30と手前側の流出側端面27とが、スクリーン9の外径方向に向かうにしたがって、複数の羽根12の回転方向の後方に傾斜していることを意味する。この前方又は後方への傾斜については、スクリーン9の最大内径(c)にもよるが、各端面の、狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度θが1〜45度であることが好ましい。具体的には、図6に示すように、奥側の流入側端面30の延長線と狭隘部の周方向の中央を通る半径とがなす角度をθ(θ2)とし、手前側の流出側端面27の延長線と狭隘部の周方向の中央を通る半径とがなす角度をθ(θ1)とするものであり、手前側の流入側端面26や奥側の流出側端面31の、狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度θも同様に規定できる。
ノズル効果の点から考えれば、流入側領域22を規定する、手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させるのではなく、奥側の流入側端面30を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させたものであってもよく(例えば、図8(B))、図示しないが、手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させるのではなく、奥側の面29とスクリーン部材19の内壁面とで構成される流入開口33のエッジに丸みを持たせて奥側の流入側端面30をR面としたものであっても実施できる。流入側領域22において、ノズル効果とキャビテーションの抑制との両方を充足させるためには、スリット18として、少なくとも手前側の流入側端面26を複数の羽根12の回転方向の回転方向の前方へ傾斜させることが好ましい。
また、流出側領域23を規定する、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させるのではなく、奥側の流出側端面31を複数の羽根12の回転方向の回転方向の前方へ傾斜させたものであってもよく(例えば、図8(B))、図示しないが、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の前方又は後方へ傾斜させるのではなく、奥側の面29とスクリーン部材19の外壁面とで構成される流出開口34のエッジに丸みを持たせて奥側の流出側端面31をR面としたものであっても実施できる。
しかしながら、少なくとも手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させることが好ましい。なぜなら、ローター2が反時計方向に回転している場合、ジェット流は反射を伴い時計方向に傾く傾向にあり、ジェット流の流れに沿うように、手前側の流出側端面27を複数の羽根12の回転方向の後方へ傾斜させることが有利だからである。
スクリーン部材19の周方向の幅(言い換えると、隣り合うスリット18同士の間の周方向の距離)は、適宜変更して実施することができる。スクリーン部材19の周方向の幅の一例としては、スクリーン部材19の内壁面の周方向の幅(ti)とスクリーン部材19の外壁面の周方向の幅(to)とが挙げられ、スクリーン部材19の外壁面の周方向の幅(to)は、流出開口34の周方向の幅(So)の0.5〜10倍が好ましく、より好ましくは0.6〜2倍程度とする。スクリーン部材19の外壁面の周方向の幅(to)を大きくしすぎると、せん断回数が少なくなり処理量の低下につながり、小さすぎるとスリット18が連続してしまうのと実質的に同じことになったり、機械的強度が著しく低下したりする場合がある。
(ローターについて)
ローター2は、前述のとおり、複数枚の羽根12を有する回転体である。
羽根12は、特許文献1−3に示すもの(羽根12の先端部21の回転方向の幅bとスリット18の周方向の幅(Si)が略等しいか、羽根12の先端部21の回転方向の幅bの方が少し大きい程度)を用いてもよいし、特許文献4に示すもの(スリット18の周方向の幅(Si)に対して羽根40の先端部41の回転方向の幅b’が広いもの。)を用いてもよい(図6参照)。ローター2の羽根12の回転方向の幅bが流入開口33の周方向の幅(Si)よりも狭い場合は、断続ジェット流の発生の観点から好ましくない。
ローター2の最大外径をDとしたとき、スクリーン9の複数のスリット18は、その半径方向の幅(v)が以下の式(1)によって規定されていることが好ましい。
0.02×D≦v≦0.15×D 式(1)
Dは、ローター2の最大外径であって、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置におけるローター2の最大外径である。
スリット18の半径方向の幅(v)が0.02Dより小さい場合は前述のノズル効果を得ることができず、断続ジェット流を形成しづらい。スリット18の半径方向の幅(v)が0.15Dより大きい場合は、被処理流動体の圧力損失が大きくなりすぎるので、断続ジェット流の速度が上がりにくい。また、キャビテーションを極力減らして断続ジェット流の最大限の効果を得るための適正な半径方向の幅(v)の範囲が式(1)に示された範囲である。
(好ましい適用条件)
本発明を適用できると共に、現在の技術力で量産に適すると考えられるスクリーン9、スリット18、ローター2の数値条件は、下記の通りである。
スクリーン9の最大内径(c):30〜500mm(但し、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置における最大径)
スクリーン9の回転数:15〜390回/s
スリット18の本数:12〜500本
ローター2の最大外径(D):30〜500mm(但し、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置における最大径)
ローター2の回転数:15〜390回/s
もちろん、これらの数値条件は一例を示すものであり、例えば、回転制御等の将来における技術進歩に伴い、前記の条件以外の条件を採用することを、本発明は除外するものではない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例で用いたスリット18の横断面の形状を図7(A)(B)に示し、比較例で用いたスリット18の横断面の形状を図7(F)に示す。実施例で用いたスリット18は、流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられ、比較例で用いたスリット18は、流入開口33の周方向の幅(Si)、流出開口34の周方向の幅(So)及びスリット空間35の周方向の幅(Sm)とが同じ(Si=So=Sm)ものである。
また、図7(A)に記載の流出開口34の周方向の幅(So)は1.6mm、流入開口33の周方向の幅(Si)は2.0mm、スリット空間35の周方向の幅(Sm)は0.8mmである。図7(B)に記載の流出開口34の周方向の幅(So)は1.6mm、流入開口33の周方向の幅(Si)は2.0mm、スリット空間35の周方向の幅(Sm)は0.8mmである。図7(F)に記載の流出開口34の周方向の幅(So)、流入開口33の周方向の幅(Si)及びスリット空間35の周方向の幅(Sm)はともに0.8mmである。以下の各表において、実施例又は比較例で用いたスリット18の横断面の形状として、図7(A)に示すものを用いた場合は「A」、図7(B)に示すものを用いた場合は「B」、図7(F)に示すものを用いた場合は「F」と記載した。
また、スクリーン9に設けられたスリット18の本数は24本である。
また、図7(A)(B)(F)に示すように、実施例及び比較例で用いたローター2の羽根12は、その先端部21の回転方向の幅bが、実施例で用いた図7(A)(B)に示すスリット18の流入開口33の周方向の幅(Si)より少し大きいものを用いた。より詳しくは、実施例及び比較例で用いたローター2の羽根12は、その先端部21の回転方向の幅bが2.5mmである。
なお、スリット18の流入開口33の周方向の幅(Si)、スリット18の流出開口34の周方向の幅(So)及びスリット空間35の周方向の幅(Sm)は、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置におけるそれぞれの周方向(言い換えればローター2の回転軸の軸方向に対して直交する方向)の長さを言う。
(粒度分布測定)
実施例における粒度分布測定には、MT−3300(日機装(株)製)を用いた。測定溶媒は、純水、粒子屈折率は1.81、溶媒屈折率は1.33である。また結果には、体積分布の結果を用いた。
実施例1として、本発明における第1の実施の形態(図1、図2)に係る撹拌機を用いて、流動パラフィンと純水の乳化実験を、図9(A)に示す試験装置にて行った。乳化実験に用いた処方は、流動パラフィンを29.4wt%、純水を68.6wt%、乳化剤として、Tween80を1.33wt%、Span80を0.67wt%を混合したものである。上記のとおり処方された被処理流動体を予備混合品とし、図9(A)に示す試験装置中のポンプにて外部容器内の予備混合品を本発明における撹拌機を敷設した処理容器4に導入して、処理容器4内を液封とし、さらに同ポンプにて処理容器4内に被処理流動体を導入することによって、吐出口より、被処理流動体を吐出させ、処理容器4と外部容器との間を、2500g/minにて循環させながら、本発明における撹拌機のローター2を、356.7(回/s)で回転させることにより被処理流動体をスクリーンから吐出させて乳化処理を行った。羽根12の枚数(4枚又は6枚)、及びスリット18の横断面(回転軸13の軸方向に直交する断面)の形状を変更し、乳化処理の開始から20分後に得られた乳化粒子の粒度分布測定結果における平均粒子径(D50)及び粒子径の変動係数(C.V.)の値を表1に示す。
粒子径の変動係数とは、得られる粒子の均一さの度合いを表す指標となるものであり、粒子の粒子径分布における平均粒子径(D50)と標準偏差とから、変動係数(C.V.)(%)=標準偏差÷平均粒子径(D50)×100の式にて求められる。この変動係数の値が小さいほど得られる粒子の粒子径の分布は狭く、粒子としての均一性が高い。
なお、ローター2の回転の周速度Vは、羽根12の先端部21とスリット18とがスリット18の長さ方向において互いに重なり合う同一位置におけるローターの最大外径をD(m)、ローターの回転数をN(回/s)としたとき、V=D×π×Nであり、表1〜表8、表11に記載のローター径Dは当該同一位置におけるローター2の最大外径である。
表1に見られるように、ローター2の回転の周速度が33.6[m/s]において、スリット18の流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことによって、平均粒子径(D50)並びにC.V.の値が小さくなることが分かり、微小な粒子径並びに粒度分布の狭い乳化粒子を作製できることがわかった。
実施例2として、ローター2の回転数を333.3(回/s)、ローター2の回転の周速度をV=31.4(m/s)とした以外は、実施例1と同様に実施した結果を表2に示す。
実施例3として、ローター2の羽根の枚数を6枚とし、ローター2の回転数を300(回/s)、ローター2の回転の周速度をV=28.3(m/s)とした以外は、実施例1と同様に実施した結果を表3に示す
実施例4として、ローター2の羽根の枚数を6枚とし、ローター2の回転数を250(回/s)、ローター2の回転の周速度をV=23.6(m/s)とした以外は、実施例1と同様にした結果を表4に示す。
比較例1として、スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例1と同様に乳化処理をした。結果を表5に示す。
比較例2として、スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例2と同様に乳化処理をした。結果を表6に示す。
比較例3として、スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例3と同様に乳化処理をした。結果を表7に示す。
比較例4として、スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例4と同様に乳化処理をした。結果を表8に示す。
実施例1と比較例1において、攪拌機を連続して36時間運転した後のスリット18の内部(以下、スリット内部)の状態を目視にて確認して、エロ―ジョンの状態を判断した。明らかにエロ―ジョンが発生した状態を「×」、鏡面状態が曇った状態を「△」、36時間運転の前後でスリット内部が変化しておらずエロ―ジョンが発生していない状態を「〇」で判断して表1及び表5に示す。
以上の結果より、スリット18の流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことによって、スリットが従来型のもの(Si=So=Sm)に比べて明らかに平均粒子径(D50)が小さくなり、さらに粒子径のばらつきの指標であるC.V.の値も小さくなることが分かった。また、キャビテーションによるエロ―ジョンの発生も防止できることが見いだされた。また、比較例1−4においては、スクリーン9のスリット18の横断面の形状として図7(F)に示すものを用いたが、比較例2に比べてローター2が高速で回転している比較例1の方が、平均粒子径(D50)及びC.V.の値が共に悪化している。これは、キャビテーションにより空洞化現象が発生している結果であると考えられる。
Figure 2020213184
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実施例5、6は、実施例1〜4及び比較例1〜4とは異なり、ローター2だけでなく、スクリーン9もローター2の回転する方向とは逆方向に回転させた実施例を記載する。即ち、本発明における第2の実施の形態(図5参照)に係る実施例を示すものである。図9(B)に示す試験装置を用いた。処方、循環流量及び循環方法は実施例1〜4と同じである。スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状として、図7(B)に示すものを用いた。
実施例5として、ローター2の羽根枚数を4枚とし、ローター2とスクリーン9との相対的回転数をN=633(回/s)、相対周速度V=69.6m/sとした時の結果を表9に示す。
実施例6として、ローター2の羽根枚数を4枚とし、ローター2とスクリーン9との相対的回転数をN=500(回/s)、相対周速度V=55.0m/sとした時の結果を表10に示す。
なお、ローター2のスクリーン9に対する相対的回転の周速度V(m/s)は、前述の同一位置におけるローターの最大外径をD(m)、ローターの回転数をN1、スクリーンの回転数をN2としたときの、ローター及びスクリーンの相対的回転数をN(回/s)としたとき、V=D×π×N(ただし、N=N1+N2)であり、表9〜表10に記載のローター径Dは前述の同一位置における最大外径である。
比較例5にとして、スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例5と同様に乳化処理をした。結果を表9に示す。
比較例6として、スクリーン9に設けられたスリット18の横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例6と同様に乳化処理をした。結果を表10に示す。
また、実施例5と比較例5において、攪拌機を連続して24時間運転した後のスリット内部の状況を目視にて確認して、エロ―ジョンの状態を判断した。明らかにエロ―ジョンが発生した状態を「×」、鏡面状態が曇った状態を「△」、24時間運転の前後でスリット内部が変化しておらずエロ―ジョンが発生していない状態を「〇」で判断して表9に示す。
以上の結果より、スリット18の流入開口34の周方向の幅(Si)及び流出開口34の周方向の幅(So)がスリット空間の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことによって、スリット18が従来型のもの(Si=So=Sm)に比べて明らかに平均粒子径(D50)が小さくなり、さらに粒子径のばらつきの指標であるC.V.値も小さくなることが分かった。また、キャビテーションによるエロ―ジョンの発生も防止できることが見いだされた。
Figure 2020213184
Figure 2020213184
(顔料分散処理)
実施例7として、本発明における第1の実施の形態(図1、図2)に係る撹拌機を用いて、顔料の分散処理を、図9(A)に示す試験装置にて行った。
被処理物の処方は、一次粒子径が10〜35nmの赤色顔料(C.I.PigmentRed254)を5wt%、分散剤として、BYK-2000(ビックケミ―製)を5wt%、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶液(PGMEA/PGME=4/1:体積比)90wt%である。前述のとおり処方された被処理流動体である上記被処理物を予備混合品とし、図9(A)に示す試験装置中のポンプにて外部容器内の予備混合品を本発明における撹拌機を保有した処理容器4に導入して、処理容器4内を液封とし、さらに同ポンプにて処理容器4内に被処理流動体を導入することによって、吐出口より、被処理流動体を吐出させ、処理容器4と外部容器との間を、2300g/minにて循環させながら、本発明における撹拌機のローター2を、333.33(回/s)で回転させることにより被処理流動体をスクリーンから吐出させて分散処理を行った。スクリーンに設けられたスリットの横断面の形状として、図7(B)に示すものを用いた。分散処理の開始から45分後に得られた顔料微粒子の粒度分布測定結果における平均粒子径(D50)及び粒子径の変動係数(C.V.)の値を、表11に示す。
比較例7として、スクリーンに設けられたスリットの横断面の形状が図7(F)に示す従来型のもの(Si=So=Sm)であること以外は、実施例7と同様に分散処理をした。
実施例7と比較例7において、攪拌機を連続して24時間運転した後のスリット内部の状況を目視にて確認して、エロ―ジョンの状態を判断した。明らかにエロ―ジョンが発生した状態を「×」、鏡面状態が曇った状態を「△」、24時間運転の前後でスリット内部が変化しておらずエロ―ジョンが発生していない状態を「〇」として表11に示す。
以上の結果より、スリット18の流出開口34の周方向の幅(So)及び流入開口33の周方向の幅(Si)がスリット空間35の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことによって、スリットが従来型のもの(Si=So=Sm)に比べて明らかに平均粒子径(D50)が小さくなり、さらに粒子径のばらつきの指標であるC.V.の値も小さくなることが分かった。また、キャビテーションによるエロ―ジョンの発生も防止できることが見いだされた。
Figure 2020213184
1 処理部
2 ローター
3 支持管
4 収容容器
5 吸入口
6 吸入室
7 攪拌室
9 スクリーン
10 隔壁
11 開口
12 羽根
13 回転軸
14 モータ
15 攪拌翼
18 スリット
19 スクリーン部材
20 第2モータ
21 先端部
22 流入側領域
23 流出側領域
24 中間領域
26 手前側の流入側端面
27 手前側の流出側端面
28 手前側の中間端面
30 奥側の流入側端面
31 奥側の流出側端面
32 奥側の中間端面
33 流入開口
34 流出開口
35 スリット空間
36 ポテンシャルコア
Si 流入開口の周方向の幅
So 流出開口の周方向の幅
Sm スリット空間の周方向の幅

Claims (9)

  1. 複数の羽根を備えると共に回転するローターと、前記ローターの吐出圧力保持目的での隔壁と、前記ローターの周囲に敷設されたスクリーンと、を同芯で備え、
    前記スクリーンは、その周方向に複数のスリットと、隣り合う前記スリット同士の間に位置するスクリーン部材とを備え、
    前記ローターと前記スクリーンとのうち少なくともローターが回転することによって、被処理流動体が前記スリットを通じて断続ジェット流として前記スクリーンの内側から外側に吐出する攪拌機において、
    前記スクリーンは断面円形の筒状をなし、
    前記スクリーンの内壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流入開口とし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流出開口とし、前記流入開口と前記流出開口との間の空間をスリット空間とし、
    前記流出開口の周方向の幅(So)及び前記流入開口の周方向の幅(Si)は、前記スリット空間の周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことを特徴とする攪拌機。
  2. 複数の前記スリットには、被処理流動体が前記スクリーンの内側から前記スリットに流入する流入側領域と、前記スリットから被処理流動体が前記スクリーンの外側へ流出する流出側領域とを少なくとも備え、
    前記流入側領域は、前記複数の羽根の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の流入側端面と奥側の流入側端面とによって規定され、前記流出側領域は、前記複数の羽根の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の流出側端面と奥側の流出側端面とによって規定され、
    前記スリット空間の周方向の幅(Sm)は、前記スリット空間の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅であって、
    次の(1)〜(4)のうち少なくとも1つの角度が1〜45度であることを特徴とする請求項1に記載の攪拌機。
    (1)前記手前側の流入側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
    (2)前記奥側の流出側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
    (3)前記奥側の流入側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
    (4)前記手前側の流出側端面の、前記狭隘部の周方向の中央を通る半径に対する角度
  3. 複数の前記スリットには、前記流入側領域と前記流出側領域との間に中間領域を備え、前記中間領域は、前記複数の羽根の回転方向に間隔を隔てて配置された手前側の中間端面と奥側の中間端面とによって規定され、前記手前側の中間端面と前記奥側の中間端面とは半径方向に幅を有するものであることを特徴とする請求項2に記載の攪拌機。
  4. 前記スリット空間の周方向の幅(Sm)は、前記スリット空間の周方向の幅のうち最も狭い狭隘部の周方向の幅であって、
    前記スリットの周方向の幅は、前記流入開口から前記狭隘部に向けて漸次減少し、前記狭隘部から前記流出開口に向けて漸次増加することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の攪拌機。
  5. 前記流出開口の周方向の幅(So)が1.0mm〜8.0mmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の攪拌機。
  6. 前記スクリーンの内部に前記被処理流動体を導入する導入口から、軸方向に遠ざかるに従って、前記羽根及び前記スクリーンの径が小さくなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の攪拌機。
  7. 前記複数のスリットは、前記周方向に同一の幅であり、且つ、前記周方向に等間隔に形成されたものであり、
    前記スクリーンは回転しないものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の攪拌機。
  8. 前記複数のスリットは、前記周方向に同一の幅であり、且つ、前記周方向に等間隔に形成されたものであり、
    前記スクリーンは前記ローターと逆方向に回転するものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の攪拌機。
  9. 前記ローターの最大外径をDとしたとき、前記スクリーンの複数の前記スリットは、その半径方向の幅(v)が以下の式(1)によって規定されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の撹拌機。
    0.02×D≦v≦0.15×D 式(1)
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