JPWO2020145248A1 - 通信システムおよび通信端末 - Google Patents

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Abstract

低遅延、高信頼性の無線通信技術を提供する。通信システムは、通信端末(UE)と、通信端末と無線通信可能に構成された複数の通信装置(移動元gNBおよび移動先gNB)とを含む。通信端末の接続先が第1通信装置(移動元gNB)から第2通信装置(移動先gNB)に切替わる場合、通信端末は、第2通信装置が送信するタイミングリファレンスと、第2通信装置のタイミングアドバンスとに基づいて、通信端末の時刻を補正する(ステップST1512)。

Description

本発明は、無線通信技術に関する。
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称し、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、ネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される通信方式が検討されている(例えば、非特許文献1〜5)。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEのアクセス方式としては、下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。また、LTEは、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)とは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図1において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。
物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel:PBCH)は、基地局装置(以下、単に「基地局」という場合がある)から移動端末装置(以下、単に「移動端末」という場合がある)などの通信端末装置(以下、単に「通信端末」という場合がある)への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの数を、基地局から通信端末へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述のトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、後述のトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL−SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、およびトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CSI(Channel State Information)を運ぶ。CSIは、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、CQI(Channel Quality Indicator)レポートで構成される。RIとは、MIMOにおけるチャネル行列のランク情報である。PMIとは、MIMOにて用いるプリコーディングウェイト行列の情報である。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、トランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)は、基地局から通信端末への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)は、通信端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)、UE固有参照信号(UE-specific Reference Signal)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal:PRS)、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI−RS)。通信端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
上り参照信号についても同様に、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の2種類の上りリファレンスシグナルが定義されている。データ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)、サウンディング用参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)である。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、説明する。下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL−SCHは、通信端末の低消費電力化のために通信端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、通信端末の低消費電力を可能とするために通信端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せによって、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送によって誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、説明する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、通信端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、通信端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、通信端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから通信端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、通信端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、通信端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別通信端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから通信端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の通信端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)のことである。ECGIとは、E−UTRANセルグローバル識別子(E-UTRAN Cell Global Identifier)のことである。LTE、後述のLTE−A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSG(Closed Subscriber Group)セルが導入される。
通信端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても通信端末の位置を追跡し、通信端末を呼び出す、換言すれば通信端末が着呼することを可能にするために行われる。この通信端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献3、非特許文献4参照)。LTE−Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。
LTE−Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(「アグリゲーション(aggregation)する」とも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。CAについては、非特許文献1に記載されている。
CAが構成される場合、UEはネットワーク(Network:NW)と唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとともに、サービングセルの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
一つのPCellと一つ以上のSCellとからなるサービングセルの組が、一つのUEに対して構成される。
また、LTE−Aでの新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE−Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献1に記載されている。
また、3GPPにおいて、将来の膨大なトラフィックに対応するために、スモールセルを構成するスモールeNB(以下「小規模基地局装置」という場合がある)を用いることが検討されている。例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを構成することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。具体的には、UEが2つのeNBと接続して通信を行うデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity;DCと略称される)などがある。DCについては、非特許文献1に記載されている。
デュアルコネクティビティ(DC)を行うeNBのうち、一方を「マスタeNB(MeNBと略称される)」といい、他方を「セカンダリeNB(SeNBと略称される)」という場合がある。
モバイルネットワークのトラフィック量は、増加傾向にあり、通信速度も高速化が進んでいる。LTEおよびLTE−Aが本格的に運用を開始されると、更に通信速度が高速化されることが見込まれる。
さらに、高度化する移動体通信に対して、2020年以降にサービスを開始することを目標とした第5世代(以下「5G」という場合がある)無線アクセスシステムが検討されている。例えば、欧州では、METISという団体で5Gの要求事項がまとめられている(非特許文献5参照)。
5G無線アクセスシステムでは、LTEシステムに対して、システム容量は1000倍、データの伝送速度は100倍、データの処理遅延は10分の1(1/10)、通信端末の同時接続数は100倍として、更なる低消費電力化、および装置の低コスト化を実現することが要件として挙げられている。
このような要求を満たすために、3GPPでは、リリース15として、5Gの規格検討が進められている(非特許文献6〜18参照)。5Gの無線区間の技術は「New Radio Access Technology」と称される(「New Radio」は「NR」と略称される)。
NRシステムは、LTEシステム、LTE−Aシステムを基にして検討が進められているが、以下の点でLTEシステム、LTE−Aシステムからの変更および追加が行われている。
NRのアクセス方式としては、下り方向はOFDM、上り方向はOFDM、DFT−s−OFDM(DFT-spread-OFDM)が用いられる。
NRでは、伝送速度向上、処理遅延低減のために、LTEに比べて高い周波数の使用が可能となっている。
NRにおいては、狭いビーム状の送受信範囲を形成する(ビームフォーミング)とともにビームの向きを変化させる(ビームスイーピング)ことで、セルカバレッジの確保が図られる。
NRのフレーム構成においては、様々なサブキャリア間隔、すなわち、様々なヌメロロジ(Numerology)がサポートされている。NRにおいては、ヌメロロジによらず、1サブフレームは1ミリ秒であり、また、1スロットは14シンボルで構成される。また、1サブフレームに含まれるスロット数は、サブキャリア間隔15kHzのヌメロロジにおいては1つであり、他のヌメロロジにおいては、サブキャリア間隔に比例して多くなる(非特許文献13(TS38.211 V15.2.0)参照)。
NRにおける下り同期信号は、同期信号バースト(Synchronization Signal Burst;以下、SSバーストと称する場合がある)として、所定の周期で、所定の継続時間をもって基地局から送信される。SSバーストは、基地局のビーム毎の同期信号ブロック(Synchronization Signal Block;以下、SSブロックと称する場合がある)により構成される。基地局はSSバーストの継続時間内において各ビームのSSブロックを、ビームを変えて送信する。SSブロックは、P−SS、S−SS、およびPBCHによって構成される。
NRにおいては、NRの下り参照信号として、位相追尾参照信号(Phase Tracking Reference Signal:PTRS)の追加により、位相雑音の影響の低減が図られている。上り参照信号においても、下りと同様にPTRSが追加されている。
NRにおいては、スロット内におけるDL/ULの切替えを柔軟に行うために、PDCCHに含まれる情報にスロット構成通知(Slot Format Indication:SFI)が追加された。
また、NRにおいては、キャリア周波数帯のうちの一部(以下、Bandwidth Part(BWP)と称する場合がある)を基地局がUEに対して予め設定し、UEが該BWPにおいて基地局との送受信を行うことで、UEにおける消費電力の低減が図られる。
3GPPでは、DCの形態として、EPCに接続するLTE基地局とNR基地局によるDC、5Gコアシステムに接続するNR基地局によるDC、また、5Gコアシステムに接続するLTE基地局とNR基地局によるDCが検討されている(非特許文献12、16、19参照)。
また、3GPPでは、いくつかの新たな技術が検討されている。例えば、タイムセンシティブネットワーク(非特許文献20(3GPP RP−182090)参照)、ローカルキャッシュ(非特許文献21(3GPP RP−172726)参照)、サイドリンクにおけるプリエンプション(非特許文献22(3GPP R1−1810593)参照)などが検討されている。
3GPP TS 36.300 V15.2.0 3GPP S1−083461 3GPP TR 36.814 V9.2.0 3GPP TR 36.912 V15.0.0 "Scenarios, requirements and KPIs for 5G mobile and wireless system"、ICT−317669−METIS/D1.1 3GPP TR 23.799 V14.0.0 3GPP TR 38.801 V14.0.0 3GPP TR 38.802 V14.2.0 3GPP TR 38.804 V14.0.0 3GPP TR 38.912 V14.1.0 3GPP RP−172115 3GPP TS 37.340 V15.2.0 3GPP TS 38.211 V15.2.0 3GPP TS 38.213 V15.2.0 3GPP TS 38.214 V15.2.0 3GPP TS 38.300 V15.2.0 3GPP TS 38.321 V15.2.0 3GPP TS 38.212 V15.2.0 3GPP RP−161266 3GPP RP−182090 3GPP RP−172726 3GPP R1−1810593 3GPP TR22.804 V16.1.0 3GPP R3−185808 3GPP TS36.331 V15.3.0 3GPP R2−1817173 3GPP R1−1810775 3GPP RP−182111 Draft Report of 3GPP TSG RAN WGI #95 v0.2.0(Spokane,USA,12th−16th November 2018) 3GPP TS23.501 V15.3.0 3GPP R2−1815441
3GPPにおいて、低遅延と高信頼性の通信(Ultra-Reliable and Low Latency Communication;URLLC)の要件を満たすために、タイムセンシティブネットワーク(Time Sensitive Network;TSN)のサポートが検討されている(非特許文献20(3GPP RP−182090)参照)。タイムセンシティブネットワークにおいて、複数のUE間における時刻同期が求められている(非特許文献23(3GPP TR22.804 V16.1.0)参照)。複数のUE間の時刻同期の方法として、基地局と各UEとの間の時刻同期が検討されている(非特許文献24(3GPP R3−185808)、非特許文献25(3GPP TS36.331 V15.3.0)、非特許文献26(3GPP R2−1817173)参照)。ところが、モビリティ発生時において、UEは移動先基地局との間の伝搬遅延がわからないので、モビリティ前後でUE時刻が急変する場合がある。このことにより、TSNを用いるシステムにおいて誤動作発生の問題が生じる。
また、NRのサイドリンク(Sidelink;SL)通信において低遅延特性の要求を満たすため、NRのSL通信におけるプリエンプションの導入が提案されている(非特許文献22(3GPP R1−1810593)、非特許文献27(3GPP R1−1810775)参照)。ところが、SLのプリエンプションの具体的な方法が開示されていないので、SL通信において、プリエンプションを実施できず、低遅延特性の要求を満たせなくなる、という問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑み、NRにおいて、低遅延、高信頼性の無線通信技術を提供することを、目的の一つとする。
本発明によれば、通信端末と、前記通信端末と無線通信可能に構成された複数の通信装置とを備える通信システムであって、前記通信端末の接続先が第1通信装置から第2通信装置に切替わる場合、前記通信端末は、前記第2通信装置が送信するタイミングリファレンスと、前記第2通信装置のタイミングアドバンスとに基づいて、前記通信端末の時刻を補正する、通信システムが提供される。
また、本発明によれば、通信装置と無線通信可能に構成された通信端末であって、前記通信端末の接続先が第1通信装置から第2通信装置に切替わる場合、前記通信端末は、前記第2通信装置が送信するタイミングリファレンスと、前記第2通信装置のタイミングアドバンスとに基づいて、前記通信端末の時刻を補正する、通信端末が提供される。
本発明によれば、低遅延、高信頼性の無線通信技術を提供することができる。
本発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。 3GPPにおいて議論されているNR方式の通信システム210の全体的な構成を示すブロック図である。 EPCに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成図である。 NGコアに接続するgNBによるDCの構成図である。 NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成図である。 NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成図である。 図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。 図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。 MMEの構成を示すブロック図である。 5GCの構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 NRシステムにおけるセルの構成の一例を示す図である。 実施の形態1について、ハンドオーバ発生時におけるUE時刻補正の動作の概要を示す図である。 実施の形態1について、ハンドオーバ発生時におけるUE時刻補正の動作を示すシーケンス図である。 実施の形態1について、ハンドオーバ発生時におけるUE時刻補正の動作の他の例を示すシーケンス図である。 実施の形態1について、ハンドオーバ発生時においてUEが移動先基地局のTAを推定してUE時刻補正の動作を行う例を示すシーケンス図である。 実施の形態1の変形例1について、基地局間における時刻の補正の動作の一例を示すシーケンス図である。 実施の形態2について、データ送信に用いられるPDUセッションの切替えおよびUEが接続する基地局の切替えの動作を示すシーケンス図である。 実施の形態2について、データ送信に用いられるPDUセッションの切替えおよびUEが接続する基地局の切替えの動作を示すシーケンス図である。 実施の形態2について、データ送信に用いられるPDUセッションの切替えおよびUEが接続する基地局の切替えの動作の他の例を示すシーケンス図である。 実施の形態2について、データ送信に用いられるPDUセッションの切替えおよびUEが接続する基地局の切替えの動作の他の例を示すシーケンス図である。 実施の形態4について、SL通信におけるプリエンプションの概要を示す図である。 実施の形態4について、SL通信におけるプリエンプション方法の第1例を示す図である。 実施の形態4について、SL通信におけるプリエンプション方法の第2例を示す図である。 実施の形態4について、SL通信におけるプリエンプション方法の第3例を示す図である。 実施の形態4について、SL通信におけるプリエンプション方法の第4例を示す図である。 実施の形態4の変形例1について、SL通信におけるプリエンプションの概要を示す図である。 実施の形態4の変形例1について、SL通信におけるプリエンプション方法の第1例を示す図である。 実施の形態4の変形例1について、SL通信におけるプリエンプション方法の第2例を示す図である。 実施の形態4の変形例1について、SL通信におけるプリエンプション方法の第3例を示す図である。 実施の形態5について、UuのUL用キャリアにSLRPが設定された場合を示す図である。 実施の形態5について、UuのUL用リソースに対してSL通信用にプリエンプションを許可した場合を示す図である。 実施の形態5について、SLRP内のリソースに対してUuのUL通信用にプリエンプションを許可した場合を示す図である。 実施の形態6について、同じキャリア内に2つのSLRPとSLBWPとが構成された場合を示す図である。 実施の形態7について、SLにおいて非SULに加えてSULをサポートすることを示す概念図である。 実施の形態7について、非SULとSULとでニュメロロジを同じにした場合を示す図である。 実施の形態7について、非SULとSULとでニュメロロジを異ならせた場合を示す図である。 実施の形態7について、SL SULでSL通信を行うためのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態7について、SL SULでSL通信を行うためのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態7について、SL SULでSL通信を行うためのシーケンスの他の例を示す図である。 実施の形態7について、SL SULでSL通信を行うためのシーケンスの他の例を示す図である。
実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン(以下、U−Planeと称する場合もある)、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E−UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbor cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局203は、1つあるいは複数のeNB207により構成される。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS−GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
MME部204は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203は、E−UTRAN201を構成する。
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
図3は、3GPPにおいて議論されている5G方式の通信システム210の全体的な構成を示すブロック図である。図3について説明する。無線アクセスネットワークは、NG−RAN(Next Generation Radio Access Network)211と称される。UE202は、NR基地局装置(以下「NR基地局(NG-RAN NodeB:gNB)」という)213と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。また、コアネットワークは、5Gコア(5G Core:5GC)と称される。
UE202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン(以下、U−Planeと称する場合もある)、例えばSDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とがNR基地局213で終端するならば、NG−RANは1つあるいは複数のNR基地局213によって構成される。
UE202とNR基地局213との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)の機能はLTEと同様である。RRCにおけるNR基地局213とUE202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDと、RRC_INACTIVEとがある。
RRC_IDLE、RRC_CONNECTEDは、LTE方式と同様である。RRC_INACTIVEは5GコアとNR基地局213との間の接続が維持されつつ、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。
gNB217は、アクセス・移動管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)、セッション管理機能(Session Management Function:SMF)、あるいはUPF(User Plane Function)、あるいはAMF、SMFおよびUPFを含むAMF/SMF/UPF部(以下「5GC部」という場合がある)214とNGインタフェースにより接続される。gNB217と5GC部214との間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。NGインタフェースは、gNB217とAMFとの間のN2インタフェース、gNB217とUPFとの間のN3インタフェース、AMFとSMFとの間のN11インタフェース、および、UPFとSMFとの間のN4インタフェースの総称である。一つのgNB217に対して、複数の5GC部214が接続されてもよい。gNB217間は、Xnインタフェースにより接続され、gNB217間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。
NR基地局213も、基地局203同様、1つあるいは複数のセルを構成してもよい。1つのNR基地局213が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、UE202と通信可能に構成される。
gNB217は、中央ユニット(Central Unit;以下、CUと称する場合がある)218と分散ユニット(Distributed Unit;以下、DUと称する場合がある)219に分割されていてもよい。CU218は、gNB217の中に1つ構成される。DU219は、gNB217の中に1つあるいは複数構成される。CU218は、DU219とF1インタフェースにより接続され、CU218とDU219との間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。
図4は、EPCに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成を示した図である。図4において、実線はU−Planeの接続を示し、破線はC−Planeの接続を示す。図4において、eNB223−1がマスタ基地局となり、gNB224−2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、EN−DCと称する場合がある)。図4において、MME部204とgNB224−2との間のU−Plane接続がeNB223−1経由で行われる例について示しているが、MME部204とgNB224−2との間で直接行われてもよい。
図5は、NGコアに接続するgNBによるDCの構成を示した図である。図5において、実線はU−Planeの接続を示し、破線はC−Planeの接続を示す。図5において、gNB224−1がマスタ基地局となり、gNB224−2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NR−DCと称する場合がある)。図5において、5GC部214とgNB224−2との間のU−Plane接続がgNB224−1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とgNB224−2との間で直接行われてもよい。
図6は、NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成を示した図である。図6において、実線はU−Planeの接続を示し、破線はC−Planeの接続を示す。図6において、eNB226−1がマスタ基地局となり、gNB224−2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NG−EN−DCと称する場合がある)。図6において、5GC部214とgNB224−2との間のU−Plane接続がeNB226−1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とgNB224−2との間で直接行われてもよい。
図7は、NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの、他の構成を示した図である。図7において、実線はU−Planeの接続を示し、破線はC−Planeの接続を示す。図7において、gNB224−1がマスタ基地局となり、eNB226−2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NE−DCと称する場合がある)。図7において、5GC部214とeNB226−2との間のU−Plane接続がgNB224−1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とeNB226−2との間で直接行われてもよい。
図8は、図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調部305にて、MIMOにおけるプリコーディングが行われてもよい。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307−1〜307−4から基地局203に送信信号が送信される。図8において、アンテナの数が4つである場合について例示したが、アンテナ数は4つに限定されない。
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307−1〜307−4により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調部308にて、ウェイト計算および乗算処理が行われてもよい。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図8では省略しているが、各部301〜309と接続している。図8において、移動端末202が送信に用いるアンテナ数と受信に用いるアンテナ数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図9は、図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)との間のデータの送受信を行う。5GC通信部412は、基地局203と5GC(5GC部214など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401、5GC通信部412、および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401、5GC通信部412、および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調部406にて、MIMOにおけるプリコーディングが行われてもよい。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408−1〜408−4より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。図9において、アンテナの数が4つである場合について例示したが、アンテナ数は4つに限定されない。
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいは5GC通信部412あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータは5GC通信部412、EPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図9では省略しているが、各部401〜410と接続している。図9において、基地局203が送信に用いるアンテナ数と受信に用いるアンテナ数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図9は、基地局203の構成について示したブロック図であるが、基地局213についても同様の構成としてもよい。また、図8および図9について、移動端末202のアンテナ数と、基地局203のアンテナ数は、同じであってもよいし、異なってもよい。
図10は、MMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505−1、SAEベアラコントロール部505−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505−3などが含まれ、制御プレイン(以下、C−Planeと称する場合もある)に対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるeNB207のCSGの管理、CSG IDの管理、およびホワイトリストの管理は、アイドルステートモビリティ管理部505−3で行われてもよい。
図11は、5GCの構成を示すブロック図である。図11では、前述の図3に示す5GC部214の構成を示す。図11は、図5にて示す5GC部214に、AMFの構成、SMFの構成およびUPFの構成が含まれた場合について示している。Data Network通信部521は、5GC部214とData Networkとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部522は、5GC部214と基地局203との間のS1インタフェース、および/あるいは、5GC部214と基地局213との間のNGインタフェースによるデータの送受信を行う。Data Networkから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、Data Network通信部521から、ユーザプレイン通信部523経由で基地局通信部522に渡され、1つあるいは複数の、基地局203および/あるいは基地局213へ送信される。基地局203および/あるいは基地局213から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部522から、ユーザプレイン通信部523経由でData Network通信部521に渡され、Data Networkへ送信される。
Data Networkから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、Data Network通信部521からユーザプレイン制御部523経由でセッション管理部527へ渡される。セッション管理部527は、制御データを制御プレイン制御部525へ渡す。基地局203および/あるいは基地局213から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部522から制御プレイン制御部525に渡す。制御プレイン制御部525は、制御データをセッション管理部527へ渡す。
制御プレイン制御部525は、NASセキュリティ部525−1、PDUセッションコントロール部525−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部525−3などを含み、制御プレイン(以下、C−Planeと称する場合もある)に対する処理全般を行う。NASセキュリティ部525−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。PDUセッションコントロール部525−2は、移動端末202と5GC部214との間のPDUセッションの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部525−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);RRC_IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
5GC部214は、1つまたは複数の基地局203および/あるいは基地局213に対して、ページング信号の分配を行う。また、5GC部214は、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility Control)を行う。5GC部214は、移動端末が待ち受け状態のとき、インアクティブ状態(Inactive State)および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。5GC部214は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST601で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
図12に示す例においては、LTE方式におけるセルサーチから待ち受けまでの動作の例について示したが、NR方式においては、ステップST603において、ベストセルに加えてベストビームを選択してもよい。また、NR方式においては、ステップST604において、ビームの情報、例えば、ビームの識別子を取得してもよい。また、NR方式においては、ステップST604において、リメイニングミニマムSI(Remaining Minimum SI:RMSI)のスケジューリング情報を取得してもよい。NR方式においては、ステップST605において、RMSIを受信するとしてもよい。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図13は、NRにおけるセルの構成の一例を示す。NRのセルでは、狭いビームを形成し、方向を変えて送信する。図13に示す例において、基地局750は、ある時間において、ビーム751−1を用いて移動端末との送受信を行う。他の時間において、基地局750は、ビーム751−2を用いて移動端末との送受信を行う。以下同様にして、基地局750はビーム751−3〜751−8のうち1つあるいは複数を用いて移動端末との送受信を行う。このようにすることで、基地局750は広範囲のセルを構成する。
図13において、基地局750が用いるビームの数を8とする例について示したが、ビームの数は8とは異なっていてもよい。また、図13に示す例において、基地局750が同時に用いるビームの数を1つとしたが、複数であってもよい。
TSNにおける基地局とUEとの間の時刻同期において、基地局はUEに対して、時刻同期に関する情報を報知してもよいし、個別に通知してもよい。該情報は、システム情報に含まれてもよいし、RRCシグナリング、例えば、下り情報通知(DLInformationTransfer)のシグナリングに含まれてもよい。該情報は、時刻参照情報(以下、タイミングリファレンス(timing reference))であってもよい。タイミングリファレンスは、所定のシステムフレームに関する情報と、時刻とを組み合わせた情報、例えば、所定のシステムフレームの末尾における時刻を示す情報であってもよい。UEは、該情報を用いて、自UE時刻を設定してもよい。
タイミングリファレンスに含まれる情報において、所定のシステムフレームの代わりに所定のサブフレームに関する情報と、時刻とを組み合わせた情報、例えば、該サブフレーム末尾における時刻を示す情報が用いられてもよい。あるいは、タイミングリファレンスに含まれる情報において、所定のスロットに関する情報と、時刻とを組み合わせた情報、例えば、該スロット末尾における時刻を示す情報が用いられてもよい。前述における末尾の時刻の代わりに、先頭の時刻が用いられてもよい。このことにより、例えば、UEは該時刻までの待ち時間を短縮可能となり、その結果、UEは自UEの時刻設定を迅速に実行可能となる。
基地局からUEに対して送信されるタイミングリファレンスは、例えば、基地局がGNSS(Global Navigation Satellite System)あるいはRNSS(Regional Navigation Satellite System)より取得した時刻情報を用いて生成したものであってもよいし、位置情報サーバから基地局に対してシグナリングした時刻情報を用いて生成したものであってもよいし、上位NW装置(例えば、AMFおよび/あるいはSMF)が基地局に対してシグナリングした時刻情報を用いて生成したものであってもよいし、時刻サーバから取得した時刻情報を用いて生成したものであってもよい。例えば、上位NW装置が基地局に対してシグナリングした時刻情報を用いたタイミングリファレンスを基地局がUEに送信することにより、通信システム全体における時刻同期が可能となる。
UEは、該タイミングリファレンスを用いて導出した自UE時刻について、補正を行ってもよい。該補正は、例えば、基地局とUEとの間の伝搬遅延を補正するものであってもよい。該補正において、例えば、タイミングアドバンス(TA)が用いられてもよい。通信システムにおいて、例えば、TAを、基地局とUEとの間の往復の伝搬遅延時間とみなしてもよい。UEは、自UE時刻に、該TAの半分の値を加算した値を、補正後の自UE時刻として用いてもよい。
しかし、UEのモビリティ発生時における時刻同期方法については開示されていない。そのため、モビリティ発生時において、UEは移動先基地局とのスムーズな時刻同期ができない。例えば、移動先基地局とUEとの間のTAが、移動前基地局とUEとの間のTAと異なることにより、該TAを用いてUE時刻を補正する際にUE時刻が急変する場合がある。このことにより、TSNを用いるシステムにおいて誤動作発生の問題が生じる。
前述の問題に対する解決策を以下に開示する。
UEは、自UE時刻補正において、移動先基地局から受信したタイミングリファレンスと、移動先基地局から受信したTAとを同時に適用する。すなわち、UEは、該タイミングリファレンスと該TAの片方のみを用いて自UE時刻の補正を行わないとする。
UEは、移動先基地局のタイミングリファレンスと移動先基地局のTAの両方を同時に用いて、自UE時刻を補正する。例えば、該タイミングリファレンスに、該TAの半分の値を加算した時刻を、自UEの時刻としてもよい。UEは、該導出以前において、移動元基地局からのタイミングリファレンスおよびTAを用いて導出した自UE時刻をそのまま用いるとしてもよい。
UEは、移動元基地局から受信したタイミングリファレンスおよび/あるいはTAを保持するとしてもよい。該保持は、例えば、移動元基地局から移動先基地局へのハンドオーバ中に行われるとしてもよいし、ハンドオーバ後に行われるとしてもよい。ハンドオーバ後の該保持は例えば、移動先基地局のTAおよび移動先基地局のタイミングリファレンスの両方を受信するまでの間、行われてもよい。該保持が、移動元基地局から受信したタイミングリファレンスに対して行われるとしてもよい。UEは、該TAおよび該タイミングリファレンスを用いて、自UE時刻を導出してもよい。該導出には、自UEのクロックが用いられてもよい。移動元基地局からのTAおよびタイミングリファレンスを用いたUE時刻の該導出は、例えば、ハンドオーバ完了までの間継続するとしてもよい。このことにより、例えば、ハンドオーバ失敗時においても、UEは自UE時刻を維持可能となる。
UEは、移動先基地局からのタイミングリファレンスおよびTAを用いた自UE時刻補正前において、移動先基地局との上り同期を確立してもよいし、自UE時刻の該補正と同時に、移動先基地局との上り同期を確立してもよい。該上り同期の確立において、UEは、移動先基地局から受信したTAを用いてもよい。UEは、移動先基地局から受信したTAと移動元基地局から受信したTAの両方を保持するとしてもよい。このことにより、例えば、UEは自UE時刻を維持しつつ、移動先基地局との上り同期を迅速に確立可能となる。
UEは、移動先基地局からのタイミングリファレンスおよびTAを用いた自UE時刻補正後において、移動元基地局から受信したTAおよび移動元基地局から受信したタイミングリファレンスを解放するとしてもよい。このことにより、例えば、UEにおけるメモリ使用量を削減可能となる。
図14は、モビリティ発生時におけるUE時刻補正の動作の概要を示す図である。図14において、移動元基地局および移動先基地局の時刻は、5Gシステムにおいて基準とされる基準時刻と同期しているとする。図14において、実線で囲まれた四角はSFNを表す。
図14に示すタイミング1401において、UEは、移動元基地局から自UEまでの伝搬遅延d1を把握しているとする。移動元基地局はUEに対し、所定のSFN末尾における時刻がt1である旨のタイミングリファレンスを通知する。UEは、タイミング1402において、該SFN末尾の信号を受信した時点での自UEの時刻を、タイミングリファレンスに含まれる時刻t1に、該伝搬遅延d1を加算した時刻(t1+d1)として設定する。
図14に示すタイミング1403において、UEが移動元基地局から移動先基地局にハンドオーバしたとする。タイミング1404において、UEは、移動先基地局から自UEまでの伝搬遅延d2を把握しているとする。移動先基地局はUEに対し、前述とは異なる所定のSFN末尾における時刻がt2である旨のタイミングリファレンスを通知する。UEは、タイミング1405において、該SFN末尾の信号を受信した時点での自UEの時刻を、タイミングリファレンスに含まれる時刻t2に、該伝搬遅延d2を加算した時刻(t2+d2)として設定し直す。
図14において、タイミングリファレンスが所定のSFN末尾における時刻を示す情報である場合について示したが、所定のサブフレーム末尾における時刻を用いてもよいし、所定のスロット末尾における時刻を用いてもよいし、所定のミニスロット末尾における時刻を用いてもよいし、所定のシンボル末尾における時刻を用いてもよい。前述の末尾における時刻の代わりに、先頭における時刻を用いてもよい。前述の場合において、図14における実線で囲まれた四角は、サブフレームであってもよいし、スロットであってもよいし、ミニスロットであってもよいし、シンボルであってもよい。このことにより、例えば、UEがタイミングリファレンスを受信してから、該タイミングリファレンスに含まれる所定の時刻までの時間を短縮可能となる。その結果、UEは時刻同期を迅速に実行可能となる。
基地局は、タイミングリファレンスを報知してもよいし、UE個別に通知してもよい。タイミングリファレンスの通知には、システム情報が用いられてもよいし、RRC個別シグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。タイミングリファレンスにMACシグナリングが用いられる場合の例として、該MACシグナリングが含まれるスロットあるいはミニスロットの所定のタイミング(例えば、スロット/ミニスロットの先頭、末尾)における時刻に関する情報が含まれてもよい。タイミングリファレンスにL1/L2シグナリングが用いられる場合の例として、該L1/L2シグナリングが含まれるスロットあるいはミニスロットの所定のタイミング(例えば、スロット/ミニスロットの先頭、末尾)における時刻に関する情報が含まれてもよい。
RRC_INACTIVEステートまたはRRC_IDLEステートのUEが、タイミングリファレンスを取得してもよい。該UEは、例えば、基地局から報知されるシステム情報を用いて、タイミングリファレンスを取得してもよい。該UEは、該タイミングリファレンスを用いて、自UE時刻を設定してもよい。該UEは、自UE時刻における不確定性(uncertainty)を、該基地局のセル半径を用いて決めてもよい。該セル半径は、例えば、基地局より報知されてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて、UEのRRCステートによらず、時刻同期が可能となる。
基地局からUEに対するタイミングリファレンス通知は、該UEのみを対象とした通知(例えば、該UEのC−RNTIが含まれる通知)であってもよいし、複数のUEに対する通知であってもよい。該複数のUEは、例えば、該UEが属するビーム内の複数のUE(例えば該ビーム内の全てのUE、該ビーム内の一部のUE)であってもよい。該複数のUEは、全てのUEであってもよい。基地局から該複数のUEに対するタイミングリファレンス通知において、例えば、グループ共通PDCCH(group common PDCCH)が用いられてもよい。このことにより、例えば、基地局は多くのUEにタイミングリファレンスを通知可能となり、その結果、通信システムにおける効率を向上可能となる。
UEは基地局に対し、タイミングリファレンスの通知を要求してもよい。該要求は、例えば、システム情報要求(System Information Request)のシグナリング、例えば、システム情報要求のランダムアクセスプリアンブルを含んだPRACHを用いて行われてもよいし、RRC個別シグナリングが用いられてもよい。RRC個別シグナリングが用いられる例として、該要求がRRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングに含まれてもよいし、新たなRRC個別シグナリングが設けられてもよい。基地局は、該要求をもとに、UEに対してタイミングリファレンスを通知してもよい。このことにより、例えば、UEは、システム情報の報知周期を待たず、迅速にタイミングリファレンスを取得可能となる。
タイミングリファレンスの要求に関する他の例として、UEは上位NW装置に対して該要求を行ってもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。UEからSMFへの該要求は、AMFを経由して行われてもよい。該要求には、NASシグナリングが用いられてもよい。該要求は、例えば、タイミングリファレンスの受信先となる基地局に関する情報を含んでもよいし、含まなくてもよい。該上位NW装置は、該要求を用いて、基地局に対し、該UEに対するタイミングリファレンスの通知を指示してもよい。該指示には、例えば、NGインタフェース上のシグナリングが用いられてもよい。該上位NW装置が指示する先の基地局は、例えば、UEから該上位NW装置に対する要求に含まれる情報において示される基地局と同じであってもよい。該基地局は、該指示を用いて、UEに対して、タイミングリファレンスを通知してもよい。このことにより、例えば、上位NW装置は、基地局からUEに対するタイミングリファレンス通知を制御可能となり、その結果、通信システムにおける効率を向上可能となる。
タイミングリファレンスの通知に関する他の例として、NASシグナリングが用いられてもよい。上位NW装置がUEに対してタイミングリファレンスを通知してもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよいし、UPFであってもよい。SMFはUEに対するタイミングリファレンスを、AMF経由で行ってもよい。前述の場合において、該上位NW装置は、基地局のフレームタイミングを取得していてもよい。基地局は上位NW装置に対し、フレームタイミングに関する情報を通知してもよい。該通知には、例えば、NGインタフェースが用いられてもよい。このことにより、例えば、5Gシステム内の、異なる基地局配下のUEの間で同期確立が可能となる。他の例として、位置情報サーバがUEに対してタイミングリファレンスを通知してもよい。該上位NW装置は、フレームタイミングの取得の代わりに、サブフレームタイミングを取得してもよいし、スロットタイミングを取得してもよいし、ミニスロットタイミングを取得してもよいし、シンボルタイミングを取得してもよい。
図15は、ハンドオーバ発生時におけるUE時刻補正の動作を示すシーケンス図である。図15は、移動元基地局と移動先基地局のいずれもがNR基地局(gNB)である例について示している。また、図15は、UEが移動先gNBからのタイミングリファレンスを、移動先gNBからの下り情報通知(DLInformationTransfer)のシグナリングによって取得する例について示している。図15において、特に指定のない限り、移動元gNBと移動先gNBとの間の通信にはXnインタフェースが用いられるとする。
図15に示すステップST1501において、移動元gNBは、UEを移動先gNBへハンドオーバさせることを決定する。ステップST1502において、移動元gNBは移動先gNBに対して、ハンドオーバ要求(Handover Request)を通知する。ステップST1503において、移動先gNBは許可制御(Admission Control)を行う。
図15に示すステップST1504において、移動先gNBは移動元gNBに対し、ハンドオーバ要求に対する肯定応答(Handover Request Acknowledge)を通知する。ステップST1505において、移動元gNBはUEに対し、移動先gNBへのハンドオーバを指示する。該指示には、例えば、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングが用いられてもよい。ステップST1506において、UEは、接続先の基地局を移動元gNBから移動先gNBに切替える。ステップST1506において、UEは、移動元gNBから受信したタイミングリファレンスおよびTAを用いて導出した自UE時刻を用いてもよい。ステップST1506において、UEは、移動元gNBから受信したタイミングリファレンスおよびTAを保持してもよい。
図15に示すステップST1507において、UEは移動先gNBに対してPRACHを送信する。ステップST1508において、移動先gNBはUEに対して、ランダムアクセス応答(Random Access Response;RAR)を送信する。移動先gNBは、ステップST1508のRARに、TAおよび/あるいは上りグラントを含めてUEに通知してもよい。UEは、該TAを用いて、ステップST1509において、移動先gNBとの上り同期を確立してもよい。ステップST1509において、UEは、自UE時刻の補正を行わないとしてもよい。UEは、該上りグラントを用いて、ステップST1510において、移動先gNBに対して、ハンドオーバが完了したことを示す情報を通知してもよい。該情報の通知は、例えば、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)を用いて行われてもよい。
図15に示すステップST1511において、移動先gNBはUEに対して、タイミングリファレンスを通知する。該通知には、RRCシグナリング、例えば、下り情報通知(DLInformationTransfer)が用いられてもよい。ステップST1512において、UEは、ステップST1508にて受信したTA、および、ステップST1511にて受信したタイミングリファレンスを用いて、自UE時刻補正を行う。該時刻補正は、例えば、該タイミングリファレンスに含まれる時刻に、該TAの半分の値を加算した時刻を、該タイミングリファレンスにて指定された時点での時刻として設定するものであってもよい。UEは、ステップST1512において、移動元gNBのタイミングリファレンスおよび移動元gNBのTAを破棄してもよい。
図15において、タイミングリファレンスの通知にRRC個別シグナリングが用いられる例について示したが、タイミングリファレンスの通知にシステム情報が用いられてもよい。UEは、システム情報を用いて、タイミングリファレンスを取得してもよい。このことにより、例えば、移動先gNBから配下のUEへのシグナリング量を削減可能となる。
図15に示すステップST1510では、UEが移動先gNBに対して、ハンドオーバが完了したことを示す情報を通知する場合について示した。該通知に、UEから移動先gNBへのタイミングリファレンス通知要求が含まれてもよい。例えば、UEから移動先gNBに送信されるRRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングに、タイミングリファレンス通知要求に関する情報が含まれてもよい。移動先gNBは、該要求を用いて、UEに対してタイミングリファレンスを通知してもよい。このことにより、例えば、移動先gNBはUEに対してタイミングリファレンスを迅速に通知可能となる。
移動先基地局のタイミングリファレンスが、ハンドオーバ前にUEに通知されてもよい。移動先基地局は、自gNBのタイミングリファレンスを移動元基地局に通知してもよい。該通知には、基地局間インタフェースにおけるシグナリング(例えばXnインタフェース)が用いられてもよい。例えば、該タイミングリファレンスが、ハンドオーバ要求肯定応答のシグナリングに含まれて通知されてもよい。移動元基地局は、該応答のシグナリングを用いて、移動先基地局のタイミングリファレンスをUEに通知してもよい。例えば、移動元基地局は、該タイミングリファレンスをハンドオーバ指示のシグナリング(例えばRRC再設定(RRCReconfiguration))に含めて通知してもよい。UEは、該指示のシグナリングを用いて、移動先基地局のタイミングリファレンスを取得してもよい。UEは、移動先基地局から受信するTA、および、該タイミングリファレンスを用いて、自UE時刻の補正を行ってもよい。該補正は、例えば、該TA受信後において行われてもよい。このことにより、例えば、UEは自UE時刻補正を迅速に実行可能となる。
図16は、ハンドオーバ発生時におけるUE時刻補正の動作の他の例を示すシーケンス図である。図16は、移動元基地局と移動先基地局のいずれもがNR基地局(gNB)である例について示している。また、図16は、UEが移動先gNBからのタイミングリファレンスをハンドオーバ指示を利用して取得する例について示している。図16において、図15と共通する処理には同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
図16に示すステップST1501〜ST1503は、図15と同様である。
図16に示すステップST1604において、移動先gNBは移動元gNBに対し、ハンドオーバ要求に対する肯定応答(Handover Request Acknowledge)を通知する。移動先gNBは該応答に、自gNBのタイミングリファレンスを含めて移動元gNBに通知する。ステップST1605において、移動元gNBはUEに対し、移動先gNBへのハンドオーバを指示する。移動元gNBは該指示に、移動先gNBのタイミングリファレンスを含めてUEに通知する。該指示には、例えば、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングが用いられてもよい。ステップST1506において、UEは、接続先の基地局を移動元gNBから移動先gNBに切替える。ステップST1506において、UEは、ステップST1605において受信したハンドオーバ指示から、移動先gNBのタイミングリファレンスを取得する。ステップST1506において、UEは、移動元gNBから受信したタイミングリファレンスおよびTAを用いて導出した自UE時刻を用いてもよい。ステップST1506において、UEは、移動元gNBから受信したタイミングリファレンスおよびTAを保持してもよい。
図16に示すステップST1507〜ST1509は、図15と同様である。
図16に示すステップST1611において、UEは、ステップST1508にて受信したTA、および、ステップST1605にて受信したタイミングリファレンスを用いて、自UE時刻補正を行う。該時刻補正の方法は、図15において開示した例と同様であってもよい。UEは、ステップST1611において、移動元gNBのタイミングリファレンスおよび移動元gNBのTAを破棄してもよい。
図16に示すステップST1510は、図15と同様である。
UEは、複数回受信したタイミングリファレンスのうち、最新のタイミングリファレンスのみを用いるとしてもよい。例えば、UEが、基地局から報知されたタイミングリファレンスと、個別に通知されたタイミングリファレンスとの両方を受信した場合において、UEは、後から受信したタイミングリファレンスのみを用いるとしてもよい。UEは、先に受信したタイミングリファレンスを破棄してもよい。このことにより、例えば、UE時刻の精度を向上可能となる。
他の解決策を開示する。UEは、移動先基地局のTAを推定してもよい。UEは、推定した該TAおよび移動先基地局からのタイミングリファレンスを用いて、自UE時刻を補正してもよい。UEは、移動先基地局からの伝搬遅延と、移動元基地局からの伝搬遅延との間の差分を用いて、移動先基地局のTAを推定してもよい。UEにおける該推定は、例えば、移動先基地局および移動元基地局の送信時におけるスロットタイミング(フレームタイミングであってもよい、以下、同様)が同じである場合において適用可能としてもよい。UEにおける該推定は、例えば、TRP(Transmission Reception Point)間のモビリティにおいて適用されるとしてもよい。このことにより、例えば、UEはランダムアクセス処理開始前に自UE時刻を補正可能となる。
UEは、移動元基地局のスロットタイミングを保持してもよい。UEは、移動元基地局のTAを保持してもよい。UEは、移動先基地局のスロットタイミングを取得してもよい。UEは、移動先基地局のスロットタイミングと移動先基地局のスロットタイミングの差分と、移動元基地局からTAとを用いて、移動先基地局のTAを導出してもよい。例えば、UEは、移動先基地局のスロットタイミングと移動先基地局のスロットタイミングの差分を倍にした値を移動元基地局からのTAに加算した値を、移動先基地局からのTAとして推定してもよい。このことにより、例えば、UEは、移動先基地局とのランダムアクセス処理実行以前に自UE時刻を補正可能となる。前述において、UEは、移動先基地局とのランダムアクセス処理を行わないとしてもよい。UEは、推定した該TAを用いて、移動先基地局との上り同期を確立してもよい。このことにより、例えば、UEはハンドオーバ処理を迅速に実行可能となる。
移動元基地局からUEへのハンドオーバ指示のシグナリングに、移動元基地局と移動先基地局のフレームタイミングに関する情報が含まれてもよい。該情報は、例えば、両基地局のフレームタイミングが同じか否かを示す情報であってもよいし、TA推定の実行有無に関する情報であってもよいし、両基地局間のフレームタイミングの差分に関する情報であってもよい。差分に関する該情報は、両基地局の送信時における情報であってもよい。UEは、該情報を用いて、TA推定を行ってもよいし、行わなくてもよいし、TA推定の実行有無を決定してもよい。このことにより、例えば、UEはTA推定を迅速に実行可能となる。
移動元基地局は、移動先基地局のスロットタイミングに関する情報を取得してもよい。移動元基地局は、該情報の取得を、例えば、セルサーチを用いて行ってもよい。移動元基地局は、取得した該情報を用いて、移動元基地局と移動先基地局のフレームタイミングに関する情報を導出してもよい。移動元基地局と移動先基地局のフレームタイミングに関する情報は、前述と同様であってもよい。移動元基地局は、導出した該情報をUEに通知してもよい。他の例として、移動先基地局が、移動元基地局のスロットタイミングに関する情報を取得するとしてもよい。移動先基地局は、該情報の取得を、例えば、セルサーチを用いて行ってもよい。移動先基地局は、取得した該情報を用いて、移動元基地局と移動先基地局のスロットタイミングに関する情報を、移動元基地局に通知してもよい。例えば、移動元基地局は、該情報をUEに通知してもよい。このことにより、例えば、移動元基地局あるいは移動先基地局は、互いの基地局のスロットタイミングに関する情報を取得可能となる。
移動先gNBのフレームタイミングを、UEが取得してもよい。UEにおける該取得の動作は、例えば、メジャメント実行中において行われてもよい。UEは、移動元gNBに対し、取得した該タイミングに関する情報を通知してもよいし、移動元gNBのフレームタイミングと移動先gNBのフレームタイミングの差分に関する情報を通知してもよい。前述の通知は、例えば、UEから移動元gNBへのメジャメント結果報告に含められて行われてもよい。移動元gNBは、該通知を用いて、移動先gNBとUEとの間の接続におけるTAを導出してもよい。該TAを、移動先gNBが導出して移動元gNBに通知するとしてもよい。移動元gNBは、該TAをUEに通知してもよい。該通知は、例えば、移動元gNBからUEに対するハンドオーバ指示に含められて行われてもよい。このことにより、例えば、UEは該TAを迅速に取得可能となり、その結果、UEは移動先gNBと迅速な同期確立が可能となる。
図17は、ハンドオーバ発生時においてUEが移動先基地局のTAを推定してUE時刻補正の動作を行う例を示すシーケンス図である。図17は、移動元基地局と移動先基地局のいずれもがNR基地局(gNB)である例について示している。図17は、移動元gNBと移動先gNBのフレームタイミングが同一である例について示している。また、図17は、UEが移動先gNBからのタイミングリファレンスを、ハンドオーバ指示を利用して取得する例について示している。図17において、図15、図16と共通する処理には同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
図17に示すステップST1701において、UEは、移動元gNBからSSブロックを受信し、移動元gNBのフレームタイミングを取得する。
図17に示すステップST1501〜ST1503は、図15と同様である。ステップST1604、ST1605、ST1506は、図16と同様である。
図17に示すステップST1707において、UEは、移動先gNBからSSブロックを受信し、移動先gNBのフレームタイミングを取得する。ステップST1708において、UEは、ステップST1701によって取得した移動元gNBのフレームタイミングと、ステップST1707によって取得した移動先gNBのフレームタイミングを用いて、移動先gNBにおけるTAを推定する。ステップST1711において、UEは、ステップST1708において推定したTA、および、ステップST1605にて受信したタイミングリファレンスを用いて、自UE時刻補正を行う。該時刻補正の方法は、図15において開示した例と同様であってもよい。UEは、ステップST1711において、移動元gNBのタイミングリファレンスおよび移動元gNBのTAを破棄してもよい。
図17に示すステップST1507〜ST1509、ST1611、ST1510は、図15と同様である。
図17では、UEが自UE時刻補正を2回行う例について示した。このことにより、例えば、UEは、ハンドオーバ後の時刻を迅速に取得可能としつつ、2回目の補正により高精度の時刻を取得可能となる。
図17では、UEが自UE時刻補正を2回行う例について示したが、自UE時刻補正は1回のみであってもよい。例えば、図17に示すステップST1611を行わないとしてもよい。このことにより、例えば、UEにおける処理量を削減可能となる。
図17では、UEが、移動先gNBからSSブロックを受信するステップST1707を、移動先gNBへの切替えステップST1506の後に行う例について示した。これに対し、移動先gNBからのSSブロックの受信は、移動先gNBへの切替えの前に行ってもよい。例えば、UEは、ステップST1501のハンドオーバ決定の前におけるメジャメントにおいて、移動先gNBからSSブロックを受信し、移動先gNBからのフレームタイミングを保持してもよい。このことにより、例えば、UEは、移動先gNBへの切替え後、移動先TA推定を迅速に実行可能となる。
UEは、移動先gNBからのTAのみを用いて、自UE時刻補正を行ってもよい。該補正は、例えば、移動元gNBと移動先gNBの間で時刻が同期している場合に行われてもよい。移動元gNBはUEに対し、移動先gNBとの間での時刻同期に関する情報を通知してもよい。該情報は、例えば、時刻同期の有無に関する情報であってもよいし、時刻同期の精度に関する情報であってもよい。UEは、該時刻同期に関する情報および移動先gNBからのTAを用いて、自UEにおける時刻補正を行ってもよい。このことにより、例えば、UEは、移動先gNBからタイミングリファレンスを受信不要となり、その結果、UE時刻補正を迅速に実行可能となる。
UEは、受信したタイミングリファレンスを破棄してもよい。例えば、該タイミングリファレンスにおいて含まれるSFN到達以前にUEがハンドオーバした場合において、UEは該タイミングリファレンスを破棄してもよい。他の例として、UEが複数のタイミングリファレンスを受信した場合において、UEは、最新ではないタイミングリファレンスを破棄してもよい。このことにより、例えば、UE時刻の誤動作を防止可能となる。
UEは、該タイミングリファレンスにおいて含まれるSFN到達以前にハンドオーバした場合において、ハンドオーバ以前のSFNを基準として自UE時刻を設定あるいは補正してもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間におけるシグナリングを削減可能となる。
UEは、自UE時刻の不確定性を拡大してもよい。該不確定性の拡大量は、自UEのクロック精度を用いて決められてもよい。例えば、自UEの単位時間当たりのクロック誤差に、前回自UE時刻補正を行ってから、あるいは前回の不確定性拡大を行ってからの経過時間を乗じた値が、該不確定性の拡大量であってもよい。該拡大の動作は、ハンドオーバ発生時に行われてもよいし、ハンドオーバが発生しない場合において行われてもよい。該拡大の動作は、例えば、基地局からのタイミングリファレンスを受信しない間、行われるとしてもよい。
他の例として、UEは該不確定性の拡大を、ハンドオーバ発生時に行ってもよい。該拡大は、移動先基地局からのタイミングリファレンス受信時において行われてもよいし、移動先基地局からのTAを受信していない場合において行われるとしてもよい。例えば、UEは、移動先基地局のセル半径の半分の距離の伝搬遅延に相当する時間の値を、該不確定性に加算してもよい。UEは、移動先基地局からのTAを、該セル半径の半分の距離の伝搬遅延に相当する時間の値と仮定してもよい。UEは、移動先基地局からのタイミングリファレンスおよび仮定した該TAを用いて、UE時刻の補正を行ってもよい。このことにより、例えば、UEはハンドオーバ後のUE時刻を迅速に導出可能となる。
本実施の形態1における方法は、基地局間モビリティとして例示したハンドオーバ以外にも、DU間モビリティおよび/あるいはTRP間モビリティに適用されてもよい。このことにより、例えば、基地局が複数のDUおよび/あるいはTRPを有する場合においても、モビリティにおけるUEの時刻急変を防止可能となる。その結果、通信システムにおける誤動作を防止可能となる。
ここで、基地局、DU、およびTRPは、UEと無線通信可能に構成された通信装置という点で共通する。そのため、基地局間モビリティ、DU間モビリティ、およびTRP間モビリティを、通信装置間モビリティと称することも可能である。
本実施の形態1における方法が、UEの、通信装置間の移動に適用されてもよい。例えば、TAが変更となった場合において、本実施の形態1における方法が適用されてもよい。UEは、変更後のTAと、TA変更後に受信したタイミングリファレンスとを同時に用いて、自UE時刻を補正するとしてもよい。このことにより、例えば、TA変更時における自UE時刻の急変を防止可能となり、その結果、通信システムにおける誤動作を防止可能となる。
通信装置間の該移動において、UEは、前回の自UE時刻補正時と、TA変更後との間における、下りフレームタイミングの差分、および、変更後のTAを用いて、自UE時刻を補正してもよい。UEは、該差分の導出にあたり、前回の自UE時刻補正時における下りフレームタイミングに関する情報を保持してもよい。該補正は、UEがTA変更後にタイミングリファレンスを受信する前に行われてもよい。このことにより、例えば、UEは、変更後のTAを受信した後において、自UE時刻を迅速に補正可能となる。
本実施の形態1により、モビリティ発生時におけるUE時刻の急変を防止可能となる。その結果、TSNを用いるシステムにおける誤動作を防止可能となる。
実施の形態1の変形例1.
TSNにおける基地局とUEとの間の時刻同期が、DCを用いる場合に適用されてもよい。
UEは、マスタ基地局および/あるいはセカンダリ基地局からタイミングリファレンスを受信する毎に、自UE時刻補正を行う。
UEは、マスタ基地局からのタイミングリファレンスを優先してもよい。例えば、UEは、セカンダリ基地局から送信されるタイミングリファレンスを破棄してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける複雑性を回避可能となる。
他の例として、UEは、セカンダリ基地局からのタイミングリファレンスを優先してもよい。例えば、マスタ基地局がeNBであり、セカンダリ基地局がgNBである場合において、UEは、セカンダリ基地局からのタイミングリファレンスを優先してもよい。該gNBは、該eNBよりも高精度であるとしてもよい。このことにより、例えば、UE時刻を高精度に維持可能となる。
他の例として、UEは、どちらの基地局からのタイミングリファレンスを優先させるかを決めてもよい。UEにおける該決定には、例えば、各基地局の時刻の精度に関する情報が用いられてもよい。例えば、UEは、精度が高い基地局からのタイミングリファレンスを優先させてもよい。精度に関する該情報は、例えば、タイミングリファレンスに含まれる不確定性(uncertainty)の情報であってもよい。このことにより、例えば、UE時刻の精度を向上可能となる。
他の例として、どちらの基地局からのタイミングリファレンスを優先させるかを、基地局自身が決定してUEに通知してもよい。該通知において、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。該決定を行う基地局は、マスタ基地局であってもよいし、セカンダリ基地局であってもよい。基地局における該決定には、例えば、各基地局の時刻の精度に関する情報が用いられてもよい。例えば、マスタ基地局は、精度が高い基地局からのタイミングリファレンスを優先させると決定してもよい。精度に関する該情報は、例えば、タイミングリファレンスに含まれる不確定性(uncertainty)の情報であってもよい。このことにより、例えば、UE時刻の精度を向上可能となる。
UEにおける該決定に関する他の例として、実施の形態1の変形例2において開示する、タイミングリファレンスの有効期間が用いられてもよい。例えば、UEは、該有効期間が長い方の基地局からのタイミングリファレンスを優先させてもよい。このことにより、例えば、前述と同様の効果が得られる。基地局における該決定においても、同様としてもよい。
UEにおける該決定に関する他の例として、該有効期間の最大値が用いられてもよい。マスタ基地局および/あるいはセカンダリ基地局はUEに対し、タイミングリファレンスの有効期間の最大値に関する情報を報知してもよいし、個別に通知してもよい。このことにより、例えば、時間経過に伴うタイミングリファレンス更新によって発生する、UEにより決定される該基地局が交互に入れ替わる現象を防止可能となる。基地局における該決定においても、同様としてもよい。
他の例として、UEがどちらの基地局からのタイミングリファレンスを用いるかに関する情報を、上位NW装置が該UEに通知してもよい。該上位NW装置は、5Gコア装置、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。他の例として、該上位NW装置は、EPC、例えば、MMEであってもよい。該通知は、例えば、NASシグナリングであってもよいし、上位NW装置と基地局との間のインタフェースにおけるシグナリングと、基地局とUEとの間のインタフェースにおけるシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、L1/L2シグナリング)の組合せであってもよい。
他の例として、UEは、複数の時刻を保持してもよい。例えば、マスタ基地局からのタイミングリファレンスを用いて設定および/あるいは補正される時刻と、セカンダリ基地局からのタイミングリファレンスを用いて設定および/あるいは補正される時刻の両方を保持してもよい。このことにより、例えば、マスタ基地局とセカンダリ基地局との間で時刻が異なる場合においても、UE時刻の急変を防止可能となる。その結果、通信システムにおける誤動作を防止可能となる。
UEが複数の時刻を保持する他の例として、UEが利用するサービル要件毎に異なるUE時刻が設けられてもよい。例えば、UEは、異なるネットワークスライシング(Network Slicing)毎にUE時刻を保持してもよい。このことにより、例えば、UEが利用する異なるサービス要件における時刻管理を柔軟に実行可能となる。
タイミングリファレンスの情報に、送信元基地局に関する情報が含まれてもよい。マスタ基地局および/あるいはセカンダリ基地局は、自基地局に関する情報をタイミングリファレンスの情報に含めてUEに通知してもよい。基地局に関する該情報は、例えば、マスタ基地局かセカンダリ基地局かを示す識別子であってもよい。UEは、送信元基地に関する情報を用いて、タイミングリファレンスの送信元となる基地局を特定してもよい。
タイミングリファレンスの情報に、送信元基地局に関する情報が含まれないとしてもよい。UEは、基地局との通信経路に関する情報、例えば、使用ベアラに関する情報を用いて、該データがどちらの時刻と対応付けされるかを決めてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける複雑性を回避可能となる。
基地局からUEに対して送信されるデータに、どちらの基地局からのタイミングリファレンスを用いる時刻であるかを示す情報が含まれてもよいし、付加されてもよい。該情報の含有あるいは付加は、例えば、UPFが行ってもよいし、AMFが行ってもよいし、基地局が行ってもよい。基地局が該情報の含有あるいは付加を行う場合において、該情報の含有あるいは付加は、RRCレイヤが行ってもよいし、SDAPレイヤが行ってもよいし、RRCレイヤあるいはPDCPレイヤより上位のレイヤが行ってもよいし、RLCレイヤが行ってもよいし、MACレイヤが行ってもよい。基地局からUEに対する該情報の通知は、RRCシグナリングを用いて行われてもよいし、SDAPヘッダに含められて行われてもよいし、PDCPヘッダに含められて行われてもよいし、PDCP制御PDUとして行われてもよいし、RLCヘッダに含められて行われてもよいし、RLC制御PDUとして行われてもよいし、MACヘッダに含められて行われてもよいし、MACシグナリングとして行われてもよいし、L1/L2シグナリングとして行われてもよい。UEは、該情報を用いて、該データがどちらの時刻と対応付けされるかを決めてもよい。
該データがどちらの基地局からのタイミングリファレンスを用いて処理されるかを、UPFが決定してもよいし、AMFが決定してもよい。例えば、Uプレインデータについて、UPFが決定するとしてもよいし、Cプレインデータについて、AMFが決定するとしてもよいし、Uプレインデータ、CプレインデータともにAMFが決定するとしてもよい。該決定において、例えば、各基地局の時刻の精度に関する情報が用いられてもよい。該情報は、例えば、タイミングリファレンスに含まれる不確定性(uncertainty)の情報であってもよい。該精度に関する情報は、各基地局からUPFおよび/あるいはAMFに対して通知してもよいし、UEがAMFに対して通知してもよい。各基地局からUPFおよび/あるいはAMFへの通知において、NGインタフェースが用いられてもよい。UEからAMFへの通知において、NASシグナリングが用いられてもよい。AMFは、該情報をUPFに通知してもよいし、該決定に関する情報をUPFに通知してもよい。AMFからUPFへの該通知は、SMFを経由して行われてもよい。UPFおよび/あるいはAMFは、例えば、精度の高い時刻を持つ基地局の時刻を用いると判断してもよい。このことにより、例えば、UE間において高精度の時刻同期が可能となる。
他の例として、基地局からUEに対して送信されるデータに、どちらの基地局からのタイミングリファレンスを用いる時刻であるかを示す情報が含まれないとしてもよい。UEは、基地局との通信経路に関する情報、例えば、使用ベアラに関する情報を用いて、該データがどちらの時刻と対応付けされるかを決めてもよい。
UEにおける時刻補正方法に関する他の例として、UEは自UE時刻の不確定性を拡大してもよい。例えば、UEは、マスタ基地局からのタイミングリファレンスを用いて導出した時刻と、セカンダリ基地局からのタイミングリファレンスを用いて導出した時刻とを含む範囲を、自UE時刻の不確定性として用いてもよい。UEは、自UE時刻を、前述の両時刻の間に在る値、例えば、両時刻の中央値に設定してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける設計の複雑性を回避可能となる。
他の解決策を開示する。UEは基地局に対し、時刻の補正を要求してもよい。該基地局は、マスタ基地局であってもよいし、セカンダリ基地局であってもよい。UEからセカンダリ基地局に対して時刻補正要求を送信する場合、UEがセカンダリ基地局に直接、要求を送信してもよいし、マスタ基地局経由でセカンダリ基地局に要求を送信してもよい。該基地局は、該要求を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。
UEは、各基地局からのタイミングリファレンスの情報を用いて、時刻補正対象の基地局を決定してもよい。補正対象の基地局の決定において、例えば、精度が低い基地局を補正対象としてもよい。このことにより、例えば、精度が高い基地局に合わせて時刻同期が可能となり、その結果、通信システムにおけるUE間の同期を高精度で実施可能となる。補正対象基地局の決定に関する他の例として、精度が高い基地局を補正対象としてもよい。
基地局の時刻補正における他の例として、UEは上位NW装置に対し、基地局の時刻の補正要求を通知してもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよい。UEから上位NW装置への該通知には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。上位NW装置は、該要求を該基地局に通知してもよい。該基地局は、該通知を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。
他の例として、基地局は上位NWに対し、自基地局の時刻に関する情報を通知してもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよい。上位NW装置は、該情報を用いて、基地局に対して時刻の補正要求を通知してもよい。該基地局は、該通知を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。
該要求は、時刻補正の要求であることを示す情報を含んでもよいし、時刻補正対象の基地局に関する情報を含んでもよいし、時刻補正量に関する情報を含んでもよい。時刻補正対象の基地局に関する情報は、例えば、マスタ基地局であるかセカンダリ基地局であるかを示す識別子であってもよい。時刻補正量に関する情報は、例えば、所定の時間単位の補正量として与えられてもよい。基地局は、該要求に含まれる情報を用いて、自身の時刻を補正してもよい。基地局は該UEに対し、該補正が完了したことを示す情報を通知してもよい。該完了の情報の通知は、他方の基地局経由で行われてもよいし、上位NW装置経由で行われてもよい。
基地局間において時刻の補正が行われてもよい。該補正は、例えば、UEからの要求を用いて行われてもよい。
時刻補正対象の基地局は、配下のUEに対し、補正後の時刻を用いたタイミングリファレンスを報知してもよいし、通知してもよい。配下の該UEは、該タイミングリファレンスを用いて、自UE時刻の補正を行ってもよい。このことにより、例えば、通信システム内のUE間における時刻同期が可能となる。
図18は、基地局間における時刻の補正の動作の一例を示すシーケンス図である。図18は、UEがマスタ基地局(MN)に対し、セカンダリ基地局(SN)の時刻の補正を要求する例について示している。図18は、MNがSNに対し時刻の補正を要求する例について示している。図18において、UEは、MN、SNからのTAを取得済みであるとする。
図18に示すステップST2001において、MNはUEに対しタイミングリファレンスを通知する。UEは、MNからのタイミングリファレンスを用いて、UE時刻(以下、MN参照のUE時刻、と称する場合がある。)を導出する。ステップ2002において、SNはUEに対してタイミングリファレンスを通知する。UEは、SNからのタイミングリファレンスを用いて、UE時刻(以下、SN参照のUE時刻、と称する場合がある。)を導出する。
図18に示すステップST2003において、UEは、MN参照のUE時刻とSN参照のUE時刻を比較する。両方のUE時刻の比較は、例えば、MN参照のUE時刻およびその不確定性の範囲と、SN参照のUE時刻およびその不確定性の範囲において、重複が存在するかどうかを用いて行われてもよい。例えば、該重複が存在する場合において、UEは、両方のUE時刻が一致すると判断してもよい。
図18に示すステップST2003において両方のUE時刻が一致する場合、UEは、ステップ2004において、ステップST2001およびステップST2002にて示される、両基地局のタイミングリファレンスを受信する動作に戻る。ステップST2003において両方のUE時刻が異なる場合、UEは、ステップST2005において、MNに対して、SN時刻の補正要求を送信する。該要求は、補正対象がSNであることを示す情報を含んでもよいし、時刻の補正量に関する情報を含んでもよい。UEは、該補正量を、両UE時刻の差分を用いて導出してもよい。
図18に示すステップST2006において、MNはSNに対し、時刻の補正を要求する。該要求は、SN時刻の補正量に関する情報を含んでもよい。該情報は、ステップST2005にてMNがUEより取得した補正量であってもよい。ステップST2007において、SNは、ステップST2006において取得した時刻補正量に関する情報を用いて、自基地局の時刻を補正する。
図18に示すステップST2008において、SNはMNに対し、自基地局の時刻補正の完了通知を行う。ステップST2009において、MNはUEに対し、SN時刻の補正要求に対する肯定応答を通知する。ステップST2009の通知は、SN時刻の補正完了を示す通知であってもよい。
図18に示すステップST2010、ステップST2011は、ステップST2001、ST2002と同様である。ステップST2011において、SNは、補正後の時刻を用いてタイミングリファレンスを通知する。UEは、ステップST2010、ステップST2011で取得したタイミングリファレンスを用いて、それぞれ、MN参照のUE時刻、SN参照のUE時刻を導出する。
他の解決策を開示する。UEは、マスタ基地局からのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻および該時刻の不確定性の範囲が、セカンダリ基地局からのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻および該時刻の不確定性の範囲と互いに重なる範囲において、自UEの時刻を設定してもよい。UEは、例えば、自UE時刻を、重なる該範囲の中央値に設定してもよいし、重なる該範囲を含む範囲を自UE時刻の不確定性の範囲と定めてもよい。このことにより、例えば、UEは、2つの基地局からのタイミングリファレンスを用いて自UE時刻の精度を向上可能となる。
実施の形態1の本変形例1において開示した基地局の時刻補正の方法を、ハンドオーバについて適用してもよい。このことにより、例えば、基地局間における時刻同期が実現可能となる。
ハンドオーバ時における基地局の時刻補正の例として、移動元の基地局の時刻が補正されるとしてもよい。UEは、移動先基地局に対し、移動元基地局の時刻補正を要求してもよい。UEから移動先基地局への該要求の通知は、UEが移動先基地局のタイミングリファレンスおよびTAを取得した後に行うとしてもよい。UEにおける自UE時刻の補正は、移動先基地局に対する該要求の通知の前に行ってもよいし、該通知後に行ってもよいし、該通知と同時に行ってもよい。移動先基地局は移動元基地局に対し、時刻の補正を要求してもよい。UEから移動先基地局への該要求、移動先基地局から移動元基地局への該要求に含まれる情報は、前述において開示した情報と同様としてもよい。移動元基地局は、移動先基地局からの該要求を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。
他の例として、移動先の基地局の時刻が補正されるとしてもよい。UEは、移動先基地局に対し、時刻補正を要求してもよい。UEから移動先基地局への該要求の通知は、UEが移動先基地局のタイミングリファレンスおよびTAを取得した後に行うとしてもよい。UEから移動先基地局への該要求に含まれる情報は、前述において開示した情報と同様としてもよい。移動先基地局は、UEからの該要求を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。UEは、補正後の移動先基地局からのタイミングリファレンスおよびTAを用いて、自UE時刻の補正を行うとしてもよい。
ハンドオーバ時に移動元基地局、移動先基地局の時刻のどちらを補正するかについて、UEが決定してもよい。例えば、時刻の精度が低い基地局の時刻を補正するとしてもよい。他の例として、移動元基地局あるいは移動先基地局が決定してもよい。
ハンドオーバ時における基地局の時刻補正について、上位NW装置が基地局に指示するとしてもよい。UEは、各基地局からの時刻補正に関する情報を、上位NW装置に通知してもよい。該通知には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。上位NW装置から基地局への指示を用いた該基地局の時刻補正の方法は、前述のDCにおいて上位NW装置を用いた時刻補正の方法と同様としてもよい。
他の例として、UEは、移動先の基地局からのタイミングリファレンスと移動元基地局からのタイミングリファレンスの両方を用いて、自UE時刻を決めてもよい。例えば、UEは、移動先基地局からのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻および該時刻の不確定性の範囲が、移動先基地局からのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻および該時刻の不確定性の範囲と重なる範囲において、自UE時刻を決めてもよい。このことにより、例えば、UEにおける時刻精度を向上可能となる。
実施の形態1の本変形例1において開示した基地局の時刻補正の方法を、UEの周辺基地局の時刻補正に適用してもよい。該基地局は、UEと接続がされていない基地局であってもよい。前述の方法の該適用は、該周辺基地局と、UEが接続中の基地局との間におけるフレームタイミングの差分が、通信システムにおけるいずれかの装置において既知である場合に適用されるとしてもよい。
UEは、該周辺基地局のタイミングリファレンスを取得してもよい。UEが取得する該タイミングリファレンスは、該周辺基地局から報知されるものであってもよい。UEは、該周辺基地局のTAを、該周辺基地局のフレームタイミングを用いて推定してもよい。該推定は、実施の形態1において開示した方法であってもよい。UEは、該周辺基地局の時刻補正を、UEが接続中の基地局に対して要求してもよい。該要求には、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。UEが接続中の該基地局は、該周辺基地局に対し、時刻補正を要求してもよい。UEから、接続中の基地局に対する要求に含まれる情報、UEが接続中の該基地局から、該周辺基地局に対する要求に含まれる情報は、実施の形態1の本変形例1において開示した情報とそれぞれ同様であってもよい。該周辺基地局は、UEが接続中の該基地局からの該要求を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。
周辺基地局の時刻補正においても、ハンドオーバ時における基地局の時刻補正と同様、上位NW装置が基地局に指示するとしてもよい。
他の例として、UEは、接続先の基地局からのタイミングリファレンスおよび周辺基地局からのタイミングリファレンスを用いて、自UE時刻を決めてもよい。例えば、UEは、接続先基地局からのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻および該時刻の不確定性の範囲が、周辺基地局からのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻および該時刻の不確定性の範囲と重なる範囲において、自UE時刻を決めてもよい。前述において、周辺基地局は1つであってもよいし、複数であってもよい。このことにより、例えば、UEにおける時刻精度を向上可能となる。
本実施の形態1の変形例1における方法が、UEの、通信装置間の移動において適用されてもよい。例えば、UEが複数のDUからタイミングリファレンスを受信した場合において、UEは、タイミングリファレンスの精度が高いDUからのタイミングリファレンスを用いて自UE時刻を決定してもよいし、UEは、両方のDUからのタイミングリファレンスを用いて求めた自UE時刻およびその不確定性の範囲が重複する範囲において、自UE時刻および不確定性の範囲を決定してもよい。このことにより、例えば、UE時刻の精度を向上可能となる。
他の例として、ハンドオーバ直前のUEは、接続可能なDUのうち、タイミングリファレンスの有効期間が長いDUを用いて、移動元基地局と通信を行ってもよい。このことにより、例えば、該UEのハンドオーバ中における自UE時刻の精度悪化を防止可能となる。
実施の形態1の本変形例1により、UEが時刻同期する基地局が明確になり、その結果、通信システムにおける誤動作を防止可能となる。また、DCにおいて、基地局間の時刻の誤差を補正可能となり、その結果、通信システムにおいて時刻同期可能なUEの数を増加可能となる。
実施の形態1の変形例2.
NRにおいては、ビームフォーミングが用いられるため、gNBから配下のUEへのタイミングリファレンス通知を、複数のビーム方向に対して行う必要がある。そのため、基地局からUEへのタイミングリファレンスの送信に時間を要する。その結果、例えばUEにおけるクロック精度が低い場合において、UE時刻の誤差が増大する恐れがある。
前述の問題を解決する方法を開示する。
タイミングリファレンスの有効期間を設ける。該有効期間は、UEにおいて設けられてもよい。該有効期間は、予め規格によって定められてもよい。該有効期間は、例えば、固定の値でもよいし、UEのクロック精度を用いて決められてもよい。該有効期間に関する情報が、UEケーパビリティに含まれてもよい。該情報は、例えば、該有効期間であってもよいし、UEにクロック精度に関する情報であってもよい。
該有効期間に関するタイマが設けられてもよい。該タイマが、基地局に設けられてもよい。UEは、該有効期間に関する情報を基地局に通知してもよい。該通知は、例えば、UEケーパビリティの通知であってもよい。基地局は、該通知を用いて、該UEにおけるタイミングリファレンスの有効期間におけるタイマを設定してもよい。該タイマは、基地局からUEに対するタイミングリファレンスの報知あるいは通知によって初期化され、起動するとしてもよい。基地局は、該タイマの満了時においてタイミングリファレンスをUEに通知するとしてもよい。このことにより、例えば、UE時刻の誤差増大を防止可能となる。
該有効期間に関するタイマが、UEに設けられてもよい。UEは、基地局から報知あるいは通知されるタイミングリファレンスの受信によって該タイマを初期化し、起動するとしてもよい。UEは、該タイマの満了時において、基地局に対してタイミングリファレンスの要求を行うとしてもよい。該要求は、RRCシグナリングで行われてもよいし、MACシグナリングで行われてもよいし、L1/L2シグナリングで行われてもよい。基地局は、該要求を用いて、UEに対してタイミングリファレンスを通知してもよい。このことにより、例えば、UE時刻の誤差増大を防止可能となる。
他の解決策を開示する。UEは、周期的に報知されるタイミングリファレンスを常に取得するとしてもよい。基地局はUEに対して、タイミングリファレンスの報知周期を予め報知あるいは通知してもよい。このことにより、例えば、UE時刻の誤差増大を防止可能となる。
他の例として、UEは、周期的に報知されるタイミングリファレンスを、一部の報知周期において取得するとしてもよい。例えば、UEは、該タイミングリファレンスを、複数周期毎に取得するとしてもよい。前述の周期数は、例えば、UEにおけるクロック精度を用いて決められてもよい。このことにより、例えば、UEにおいて一部のタイミングリファレンス報知に対する受信動作が不要となり、その結果、UEにおける消費電力を削減可能となる。
UEは、タイミングリファレンスの個別通知の要否に関する情報を、基地局に通知してもよい。UEは、例えば、周期的に報知されるタイミングリファレンスの受信のみで時刻精度を十分保持可能な場合において、タイミングリファレンスの個別通知が不要である旨を基地局に通知してもよい。該情報は、例えば、UEケーパビリティに含まれてもよい。基地局は、該情報を用いて、該UEに対してタイミングリファレンスを個別に通知しないとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける効率を向上可能となる。
実施の形態1の本変形例2におけるタイマが、有効期間および/あるいはTAにおいて適用されてもよい。TAの有効期間および/あるいはタイマは、非特許文献17(3GPP TS 38.321 V15.2.0)に記載のtimeAlignmentTimerとは異なるタイマとして設けられてもよい。該有効期間および/あるいはタイマは、前述のtimeAlignmentTimerよりも短い値としてもよい。TAのタイマの設定方法、動作についても、タイミングリファレンスのタイマと同様としてもよい。例えば、基地局は、TAにおける該タイマ満了時において、UEに対してTAを通知してもよい。UEは、該TAを用いて、自UE時刻を補正してもよい。他の例として、該タイマの値が、UEの移動速度を用いて決められてもよい。該移動速度は、例えば、セル半径方向の移動速度であってもよい。このことにより、例えば、基地局はUE移動によって発生するTA変化を迅速に把握可能となり、その結果、UE時刻の精度を維持可能となる。
基地局は、UEの移動速度を、上りRSを用いて取得してもよい。例えば、上りRSのドップラーシフト量を用いて、UEの移動速度を導出してもよい。該上りRSは、例えば、DMRSであってもよいし、SRSであってもよいし、PTRSであってもよい。他の例として、ポジショニング用のRSであってもよい。
タイミングリファレンスのタイマとTAのタイマが両方用いられるとしてもよい。このことにより、例えば、UE時刻の精度をさらに向上可能となる。
実施の形態1の本変形例2により、UEのクロック誤差によって発生する時刻誤差の増大を防止可能となる。
実施の形態2.
TSNにおけるUプレインデータおよび/あるいはCプレインデータの通信において、レイテンシを一定としてもよい。
ところが、ハンドオーバ等のモビリティが発生する場合において、モビリティ発生時および発生前後においてレイテンシが変動するという問題が生じる。また、基地局における周波数リソースおよび/あるいは時間リソース等の逼迫により、基地局とUEとの間の通信におけるレイテンシが変動するといった問題が生じる。
前述の問題を解決する方法を開示する。
UEは複数のPDUセッションを用いて通信を行う。複数の該PDUセッションは、マスタ基地局を通る経路とセカンダリ基地局を通る経路にそれぞれ設けられてもよい。複数の該PDUセッションは、1つのネットワークスライシングに対して設定されてもよい。UEは、モビリティが発生しない基地局を通るPDUセッションにおいてデータの送受信を行う。データの送受信が行われるPDUセッションが、複数の該PDUセッションの間で切替わってもよい。
例えば、マスタ基地局の切替えが行われる場合において、UEは上りデータ送信経路を、セカンダリ基地局を通る経路に切替えてもよい。UPFは下りデータ送信経路を、セカンダリ基地局を通る経路に切替えてもよい。
他の例として、セカンダリ基地局の切替えが行われる場合において、UEは上りデータ送信経路を、マスタ基地局を通る経路に切替えてもよい。UPFは下りデータ送信経路を、マスタ基地局を通る経路に切替えてもよい。
マスタ基地局はUEに対し、上りデータ送信経路の切替えを指示してもよい。該マスタ基地局は、マスタ基地局の切替えが行われる場合においては、移動元マスタ基地局であってもよい。該指示は、どちらの基地局を通る経路を用いるかを示す情報を含んでもよいし、経路の切替えの対象となるデータに関する情報を含んでもよい。経路の切替えの対象となるデータに関する情報は、例えば、QoSフローに関する情報であってもよいし、ベアラに関する情報であってもよいし、PDUセッションに関する情報であってもよい。UEは、該指示を用いて、上りデータ送信に用いる経路を切替えてもよい。このことにより、例えば、送信経路の切替えが必要なデータについてのみ送信経路を切替え可能となり、その結果、切替え先の送信経路における輻輳を防止可能となる。
UEはマスタ基地局に対し、該指示に対する応答を送信してもよい。このことにより、例えば、UEとマスタ基地局との間で、上りデータ通信経路に関する齟齬を防止可能となり、その結果、通信システムにおける誤動作を防止可能となる。
UEは、該切替え指示後において、下りデータを、該切替え前の基地局から受信してもよいし、切替え後の基地局から受信してもよい。このことにより、例えば、UPFにおける下りデータ送信経路の切替え前後における下りデータの欠落を防止可能となる。
マスタ基地局からUEに対する該指示は、RRCシグナリングであってもよい。例えば、該指示が、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングに含まれてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける設計の複雑性を回避可能となる。他の例として、該指示は、MACシグナリングであってもよい。例えば、該経路の切替え用のMAC CEが設けられてもよい。このことにより、例えば、マスタ基地局はUEに対し、上りデータ送信経路の切替えを迅速に通知可能となる。他の例として、該指示は、L1/L2シグナリングであってもよい。このことにより、例えば、マスタ基地局はUEに対し、該切替えをさらに迅速に通知可能となる。
UEからマスタ基地局に対する該応答は、RRCシグナリングであってもよいし、MACシグナリングであってもよいし、L1/L2シグナリングであってもよい。例えば、該応答が、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングであってもよいし、該指示を含むMAC CEに対するHARQ応答であってもよいし、他のシグナリングであってもよい。
マスタ基地局はAMFに対し、UPFにおける下りデータ送信経路の切替えを指示してもよい。該マスタ基地局は、マスタ基地局の切替えが行われる場合においては、移動元マスタ基地局であってもよい。AMFはUPFに対し、該指示を転送してもよい。AMFからUPFに対する該指示の転送は、SMF経由で行われてもよい。該指示は、どちらの基地局を通る経路を用いるかを示す情報を含んでもよいし、経路の切替えの対象となるデータに関する情報を含んでもよい。経路の切替えの対象となるデータに関する情報は、例えば、QoSフローに関する情報であってもよいし、PDUセッションに関する情報であってもよい。UPFは、該指示を用いて、下りデータ送信に用いる経路を切替えてもよい。このことにより、例えば、送信経路の切替えが必要なデータについてのみ送信経路を切替え可能となり、その結果、切替え先の送信経路における輻輳を防止可能となる。
UPFはAMFに対し、該指示に対する応答を送信してもよい。該応答の送信は、SMFを経由して行われてもよい。AMFは該マスタ基地局に対し、該応答を転送してもよい。このことにより、例えば、上位NW装置とマスタ基地局との間で、上りデータ通信経路に関する齟齬を防止可能となり、その結果、通信システムにおける誤動作を防止可能となる。
UPFは、該切替え指示後において、上りデータを、切替え前の基地局から受信してもよいし、切替え後の基地局から受信してもよい。このことにより、例えば、UEにおける上りデータ送信経路の切替え前後における上りデータの欠落を防止可能となる。
マスタ基地局からAMFに対する該指示は、NGインタフェースにおけるシグナリングであってもよい。該指示を送信するシグナリングは、既存のシグナリングであってもよいし、新たに設けられてもよい。AMFからUPFに対する該指示の転送についても、同様としてもよい。UPFからAMFに対する該指示の応答についても、同様としてもよい。AMFからUEに対する該応答の転送についても、同様としてもよい。
PDUセッションに、アクティブ/デアクティブの状態が設けられてもよい。前述の、通信経路の切替えにおいて、PDUセッションのアクティブ化、デアクティブ化が用いられてもよい。UEおよび/あるいはUPFは、データの送信を、アクティブなPDUセッションを用いて行うとしてもよい。UEおよび/あるいはUPFは、データの受信を、アクティブなPDUセッションにおいて行うとしてもよいし、デアクティブなPDUセッションにおいても可能としてもよい。このことにより、例えば、前述と同様の効果が得られる。
前述の複数のPDUセッションにおいて、UPFとUEとの間のレイテンシを同じとするとよい。このことにより、例えば、データ送信に用いられるPDUセッションの切替え前後におけるデータ送受信のレイテンシを一定に保持可能となる。
UEとUPFとの間のデータ送受信において、送信側装置は、送信データの送信時刻に関する情報を通知してもよいし、受信側装置が受信すべき時刻に関する情報を通知してもよい。送信側装置は、UEであってもよいし、UPFであってもよい。受信側装置は、UPFであってもよいし、UEであってもよい。受信すべき該時刻は、例えば、受信側装置が上位レイヤにデータを転送すべき時刻であってもよい。該時刻は、例えば、ミリ秒単位の時刻であってもよいし、サブフレーム番号を用いた時刻であってもよいし、スロット番号を用いた時刻であってもよいし、ミニスロット番号を用いた時刻であってもよいし、シンボル番号を用いた時刻であってもよいし、前述のうち複数を組み合わせた時刻であってもよい。送信側装置は、例えば、該送信データにタイムスタンプを付与してもよい。該タイムスタンプは、前述の時刻と同様の情報であってもよい。該タイムスタンプは、上位レイヤにおいて付与されてもよいし、SDAPにおいて付与されてもよいし、PDCPにおいて付与されてもよいし、RLCにおいて付与されてもよいし、MACにおいて付与されてもよい。他の例として、該送信時刻に関する情報が、NASシグナリングを用いて通知されてもよいし、RRCシグナリングを用いて通知されてもよいし、MACシグナリングを用いて通知されてもよいし、L1/L2シグナリングを用いて通知されてもよい。受信側装置は、該送信時刻に関する情報を用いて、該タイミングを導出してもよい。受信側装置は、受信データにおける該タイムスタンプを除去してもよい。前述の方法は、UEとUPFとの間における複数のPDUセッションに対して適用するとしてもよい。このことにより、例えば、UEとUPFとの間のデータ送受信におけるレイテンシを、複数のPDUセッションの間で同じとすることが可能となる。
AMFは、UPFおよび/あるいはUEに対して、UPFとUEとの間のレイテンシに関する情報を通知してもよい。該情報は、例えば、UPFとUEとの間の通信に求められるレイテンシであってもよい。該通知には、例えば、NGインタフェース上のシグナリングが用いられてもよいし、NASシグナリングが用いられてもよい。UPFおよび/あるいはUEは、該情報を用いて、UPFとUEとの間のレイテンシを取得してもよい。
UEとUPFとの間のデータ送受信における、送信側装置からの送信データの送信時刻に関する情報、および/あるいは受信側装置が受信すべき時刻に関する情報の通知が、周期的なデータ送受信において適用されてもよい。例えば、受信側装置が受信すべき該時刻に関する情報が、周期と、オフセット、すなわち、受信側装置が受信すべき時刻の1つ、との組み合わせであってもよい。該データ送受信が周期的なデータ送受信であることを示す情報が含まれてもよい。UEおよび/あるいはUPFは、該情報を用いて、受信データを上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、周期的なデータ送受信においてもレイテンシを一定に維持可能となる。
図19および図20は、本実施の形態2において、データ送信に用いられるPDUセッションの切替えおよびUEが接続する基地局の切替えの動作を示すシーケンス図である。図19と図20とは、境界線BL1920の位置で、つながっている。図19および図20は、UEとUPFとの間でUプレインデータの送受信が行われる例を示している。図19および図20に示す例では、データ送信に用いられるPDUセッションが、移動元マスタ基地局(移動元MN)を通るPDUセッションから、セカンダリ基地局を通るPDUセッションに切替わり、UEが接続するマスタ基地局が移動元MNから移動先MNに切替わる。
図19に示すステップST2500、ST2501において、UEとUPFとの間で、移動元MN経由でデータの送受信が行われる。ステップST2500はUPFと移動元MNとの間のデータ送受信を示し、ステップST2501は移動元MNとUEとの間のデータ送受信を示す。
図19に示すステップST2502において、移動元MNは、自基地局から移動先MNへのマスタ基地局切替えを行うことを決定する。ステップST2502において、移動元MNは、セカンダリ基地局の切替えを行わないことを決定してもよい。
図19に示すステップST2505において、移動元MNはAMFに対し、UEとUPFとの間の下りUプレインデータ送信に用いるPDUセッションを、自基地局経由のPDUセッションから移動元SN経由のPDUセッションに切替えることを要求する。ステップST2508において、AMFはUPFに対し該切替えの要求を通知するとともに、UPFはAMFに対し該切替えの完了通知を行う。該要求の通知および該完了の通知は、SMF経由で行われるとしてもよい。UPFは、該要求の通知を用いて、下りUプレインデータ送信に用いるPDUセッションを、移動元MNを経由するPDUセッションから移動元SNを経由するPDUセッションに切替える。
図19に示すステップST2510およびST2511において、UPFは移動元SN経由でUEに対し下りUプレインデータの送信を行う。ステップST2510はUPFから移動元SNへのデータ送信を示し、ステップST2511は移動元SNからUEへのデータ送信を示す。ステップST2512およびST2513において、UEは移動元MN経由でUPFに対し上りUプレインデータの送信を行う。ステップST2512はUEから移動元MNへのデータ送信を示し、ステップST2513は移動元MNからUPFへのデータ送信を示す。
図19に示すステップST2514において、AMFは移動元MNに対し、ステップST2505のPDUセッション切替え要求に対する肯定応答を送信する。該肯定応答の送信は、ステップST2508においてUPFからAMFに対して通知された該切替え完了通知を用いて行われてもよい。
図19に示すステップST2515において、移動元MNはUEに対して、該UEとUPFとの間の上りUプレインデータ送信に用いるPDUセッションを、自基地局経由のPDUセッションから移動元SN経由のPDUセッションに切替えることを指示する。該指示は、例えば、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングに含まれてもよい。UEは、該指示を用いて、上りUプレインデータの送信に用いるPDUセッションを、移動元MNを経由するPDUセッションから移動元SNを経由するPDUセッションに切替える。
図19に示すステップST2520、ST2521において、UEとUPFとの間で、移動元SN経由でデータの送受信が行われる。ステップST2520はUPFと移動元SNとの間のデータ送受信を示し、ステップST2521は移動元SNとUEとの間のデータ送受信を示す。
図19に示すステップST2522において、UEは移動元MNに対して、ステップST2515の該切替え指示に対する応答を通知する。該応答の通知には、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングが用いられてもよい。
図19に示すステップST2523において、移動元MNは移動先MNに対して、ハンドオーバ要求(Handover Request)を通知する。該通知において、セカンダリ基地局の切替えを行わないことを示す情報が含まれてもよい。ステップST2524において、移動先MNは該ハンドオーバに対する許可制御(Admission Control)を行う。
図20に示すステップST2525において、移動先MNは移動元SNに対して、セカンダリ基地局追加要求(Secondary Node Addition Request)を行う。ステップST2526において、移動元SNは移動先MNに対して、セカンダリ基地局追加要求肯定応答(Secondary Node Addition Request Acknowledge)を通知する。
図20に示すステップST2527において、移動先MNは移動元MNに対して、ステップST2523のハンドオーバ要求に対する肯定応答(Handover Request Acknowledge)を行う。
図20に示すステップST2528において、移動元MNは移動元SNに対して、セカンダリ基地局解放要求(Secondary Node Release Request)を行う。該要求通知後において、UEとUPFとの間の、移動元SNを経由したデータ送受信が継続されていてもよい。移動元MNは、該要求に、移動元SNを経由したデータ送受信を継続することを示す情報を含めてもよい。
図20に示すステップST2530およびST2531は、それぞれ、ステップST2520およびST2521と同じである。
図20に示すステップST2533において、移動元SNは移動元MNに対して、セカンダリ基地局解放要求に対する肯定応答(Secondary Node Release Request Acknowledge)を通知する。
図20に示すステップST2535において、移動元MNはUEに対して、自基地局から移動先MNへのハンドオーバを指示する。該指示は、例えば、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングに含まれてもよい。該指示に、セカンダリ基地局が変わらないことを示す情報が含まれてもよい。UEは、該指示を用いて、セカンダリ基地局を移動元SNから変更せずに、移動元MNから移動先MNへのハンドオーバを行う。ステップST2537において、UEと移動先MNとの間でランダムアクセス処理が行われる。ステップST2538において、UEは移動先MNに対し、ハンドオーバの完了を通知する。該通知には、例えば、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングが用いられてもよい。ステップST2539において、移動先MNは移動元SNに対し、セカンダリ基地局再設定完了(Secondary Node Reconfiguration Complete)を通知する。
図20に示すステップST2540およびST2541は、それぞれ、ステップST2520およびST2521と同じである。
図20に示すステップST2542において、移動先MNはAMFに対し、UEとUPFとの間における、移動元MN経由のPDUセッションについて、移動元MN経由から移動先MNに経路を切替える要求を通知する。該要求の通知は、例えば、PDUセッションパス切替え要求(PDU session path switch request)のシグナリングを用いて行われてもよい。ステップST2545において、AMFはUPFに対し該切替えの要求を通知するとともに、UPFはAMFに対し該切替えの完了通知を行う。該要求の通知および該完了の通知は、SMF経由で行われるとしてもよい。UPFは、該要求の通知を用いて、UEとUPFとの間における、移動元MN経由のPDUセッションについて、移動元MN経由から移動先MNに経路を切替える。
図20に示すステップST2547において、AMFは移動先MNに対し、ステップST2542のPDUセッションパス切替え要求に対する肯定応答を送信する。該肯定応答の送信は、ステップST2545においてUPFからAMFに対して通知された該切替え完了通知を用いて行われてもよい。
図20に示すステップST2548において、移動先MNは移動元MNに対して、UEコンテキストの解放を指示する。該指示は、例えば、UEコンテキスト解放(UE context release)のシグナリングを用いて行われるとしてもよい。
図20に示すステップST2550およびST2551は、それぞれ、ステップST2520およびST2521と同じである。
図19および図20において、ステップST2505〜ST2514に示す下りデータ送信用PDUセッション切替えが、ステップST2515〜ST2522に示す上りデータ送信用PDUセッション切替えの前に行われる例について開示した。これに対し、該下りデータ送信用PDUセッション切替えが、該上りデータ送信用PDUセッション切替えの後に行われてもよい。他の例として、該上りデータ送信用PDUセッション切替えが、該下りデータ送信用PDUセッション切替えの途中で行われるとしてもよい。例えば、ステップST2515が、ステップST2505〜ST2514の間に行われてもよい。他の例として、該下りデータ送信用PDUセッション切替えが、該上りデータ送信用PDUセッション切替えの途中で行われるとしてもよい。例えば、ステップST2505が、ステップST2515〜ST2522の間に行われてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける柔軟性を向上可能となる。
図19および図20において、Uプレインデータの送受信の経路の切替えについて示したが、Cプレインにおいても送受信経路の切替えが行われてもよい。Cプレインにおける送受信経路切替えにおいて、UEとAMFとの間でCプレインデータの送受信が行われるとしてもよい。このことにより、例えば、Cプレインデータにおいても、基地局の切替わりに伴うレイテンシの変動を防止可能となる。
図21および図22は、本実施の形態2において、データ送信に用いられるPDUセッションの切替えおよびUEが接続する基地局の切替えの動作の他の例を示すシーケンス図である。図21と図22とは、境界線BL2122の位置で、つながっている。図21および図22は、UEとUPFとの間でUプレインデータの送受信が行われる例を示している。図21および図22に示す例では、データ送信に用いられるPDUセッションが、移動元セカンダリ基地局(移動元SN)を通るPDUセッションから、移動先マスタ基地局を通るPDUセッションに切替わり、UEが接続するセカンダリ基地局が移動元SNから移動先SNに切替わる。ここでは、図21および図22に示す動作が、図19および図20に示す動作に続いて行われる例を説明する。図21および図22において、図19および図20と同様の処理には同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。
図21に示すステップST2600、ST2601において、UEとUPFとの間で、移動元SN経由でデータの送受信が行われる。ステップST2600はUPFと移動元SNとの間のデータ送受信を示し、ST2601は移動元SNとUEとの間のデータ送受信を示す。
図21に示すステップST2602において、移動先MNは、セカンダリ基地局を移動元SNから移動先SNに切替えることを決定する。
図21に示すステップST2605において、移動先MNはAMFに対し、UEとUPFとの間の下りUプレインデータ送信に用いるPDUセッションを、移動元SN経由のPDUセッションから自基地局経由のPDUセッションに切替えることを要求する。ステップST2508は、図19と同様である。UPFは、該要求の通知を用いて、下りUプレインデータ送信に用いるPDUセッションを、移動元SNを経由するPDUセッションから移動先MNを経由するPDUセッションに切替える。
図21に示すステップST2610およびST2611において、UPFは移動先MN経由でUEに対し下りUプレインデータの送信を行う。ステップST2610はUPFから移動先MNへのデータ送信を示し、ステップST2611は移動先MNからUEへのデータ送信を示す。ステップST2612およびST2613において、UEは移動元SN経由でUPFに対し上りUプレインデータの送信を行う。ステップST2613はUEから移動元SNへのデータ送信を示し、ステップST2613は移動元SNからUPFへのデータ送信を示す。
図21に示すステップST2614において、AMFは移動先MNに対し、ステップST2605のPDUセッション切替え要求に対する肯定応答を送信する。該肯定応答の送信は、ステップST2508においてUPFからAMFに対して通知された該切替え完了通知を用いて行われてもよい。
図21に示すステップST2615において、移動先MNはUEに対して、該UEとUPFとの間の上りUプレインデータ送信に用いるPDUセッションを、移動元SN経由のPDUセッションから自基地局経由のPDUセッションに切替えることを指示する。該指示は、例えば、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングに含まれてもよい。UEは、該指示を用いて、上りUプレインデータの送信に用いるPDUセッションを、移動元SNを経由するPDUセッションから移動先MNを経由するPDUセッションに切替える。
図21に示すステップST2620、ST2621において、UEとUPFとの間で、移動先MN経由でデータの送受信が行われる。ステップST2620はUPFと移動先MNとの間のデータ送受信を示し、ステップST2621は移動先MNとUEとの間のデータ送受信を示す。
図21に示すステップST2622において、UEは移動先MNに対して、ステップST2615の該切替え指示に対する応答を通知する。該応答の通知には、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングが用いられてもよい。
図22に示すステップST2625において、移動先MNは移動先SNに対して、セカンダリ基地局追加要求(Secondary Node Addition Request)を行う。ステップST2626において、移動先SNは移動先MNに対して、セカンダリ基地局追加要求肯定応答(Secondary Node Addition Request Acknowledge)を通知する。
図22に示すステップST2628において、移動先MNは移動元SNに対して、セカンダリ基地局解放要求(Secondary Node Release Request)を行う。ステップST2633において、移動元SNは移動先MNに対して、セカンダリ基地局解放要求に対する肯定応答(Secondary Node Release Request Acknowledge)を通知する。
図22に示すステップST2635において、移動先MNはUEに対して、セカンダリ基地局の、移動元SNから移動先SNへの切替えを指示する。該指示は、例えば、RRC再設定(RRCReconfiguration)のシグナリングに含まれてもよい。UEは、該指示を用いて、セカンダリ基地局を移動元SNから移動先SNに変更してもよい。ステップST2636において、UEは移動先MNに対し、SN基地局切替えの完了を通知する。該通知には、例えば、RRC再設定完了(RRCReconfigurationComplete)のシグナリングが用いられてもよい。ステップST2638において、移動先MNは移動先SNに対し、セカンダリ基地局再設定完了(Secondary Node Reconfiguration Complete)を通知する。ステップST2639において、UEと移動先SNとの間でランダムアクセス処理が行われる。
図22に示すステップST2640およびST2641は、それぞれ、ステップST2620およびST2621と同じである。
図22に示すステップST2642において、移動先MNはAMFに対し、UEとUPFとの間における、移動元SN経由のPDUセッションについて、移動元SN経由から移動先SNへの経路の切替えを通知する。該通知は、例えば、PDUセッションリソース変更要求(PDU session resource modify indication)のシグナリングを用いて行われてもよい。ステップST2645において、AMFはUPFに対し該切替え通知を転送するとともに、UPFはAMFに対し該切替えの完了通知を行う。該切替えの通知および該完了の通知は、SMF経由で行われるとしてもよい。UPFは、該切替えの通知を用いて、UEとUPFとの間における、移動元SN経由のPDUセッションについて、移動元SN経由から移動先SNに経路を切替える。
図22に示すステップST2647において、AMFは移動先MNに対し、ステップST2642のPDUセッションリソース変更通知に対する確認応答を送信する。該確認応答の送信は、ステップST2645においてUPFからAMFに対して通知された該切替え完了通知を用いて行われてもよい。
図22に示すステップST2648において、移動先MNは移動元SNに対して、UEコンテキストの解放を指示する。該指示は、例えば、UEコンテキスト解放(UE context release)のシグナリングを用いて行われるとしてもよい。
図22に示すステップST2650およびST2651は、それぞれ、ステップST2620およびST2621と同じである。
図21および図22においても、図19および図20と同様、ステップST2605〜ST2614に示す下りデータ送信用PDUセッション切替えが、ステップST2615〜ST2622に示す上りデータ送信用PDUセッション切替えの後に行われてもよいし、途中で行われてもよい。また、ステップST2615〜ST2622に示す上りデータ送信用PDUセッション切替えが、ステップST2605〜ST2614に示す下りデータ送信用PDUセッション切替えの途中で行われてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける柔軟性を向上可能となる。
図21および図22において、図19および図20と同様、Cプレインにおいても送受信経路の切替えが行われてもよい。Cプレインにおける送受信経路切替えにおいて、UEとAMFとの間でCプレインデータの送受信が行われるとしてもよいし、UEとSMFとの間でCプレインデータの送受信が行われるとしてもよい。このことにより、例えば、Cプレインデータにおいても、基地局の切替わりに伴うレイテンシの変動を防止可能となる。
図19および図20に示す動作と図21および図22に示す動作が交互に行われてもよい。このことにより、例えば、UEが移動し続ける場合においても、UEと上位NW装置との間におけるデータ送受信のレイテンシを一定に維持可能となる。
UEが複数のPDUセッションを用いて通信を行う方法において、複数のUPFが用いられてもよい。例えば、異なるPDUセッションのそれぞれが、異なるUPFを通るものであってもよい。複数のUPFが用いられる通信において、非特許文献30(3GPP TS23.501 V15.3.0)におけるデータネットワーク(Data Network;DN)上の装置は、該複数のUPFを用いてUEとデータ送受信を行うとしてもよい。マスタ基地局はAMFに対して、下りデータ送信経路の切替えを要求してもよい。AMFはDN上の該装置に対して、該要求を転送してもよい。該転送は、SMFを経由して行われてもよい。DN上の該装置は、転送された該要求を用いて、下りデータ送信に用いるPDUセッションを切替えてもよい。マスタ基地局はUEに対し、上りデータ送信に用いるPDUセッションの切替えを指示してもよい。マスタ基地局からUEに対する該指示は、前述と同様であってもよい。このことにより、例えば、複数のUPFが用いられる通信においても、前述と同様の効果が得られる。
他の解決策を開示する。レイテンシ要件を満たさない基地局へのハンドオーバを行わないとする。移動元基地局から移動先基地局に対し、レイテンシ要件を通知する。移動先基地局は、該レイテンシ要件を用いて、ハンドオーバの受諾/拒否を決定する。
レイテンシ要件に関する情報が、移動元基地局から移動先基地局に対して通知されるハンドオーバ要求のシグナリングに含まれてもよい。該情報は、UEが用いるQoSフロー毎に設定されてもよいし、UEが用いるベアラ毎に設定されてもよい。移動先基地局は、該情報を用いて、QoSフロー毎および/あるいはベアラ毎にハンドオーバの受諾/拒否を決定してもよい。移動先基地局には、ハンドオーバを受諾するQoSフローおよび/あるいはベアラを通知してもよい。
5Gシステム内において、時刻の同期が行われてもよい。例えば、上位NW装置と基地局との間で時刻同期が行われてもよい。
上位NW装置は基地局に対し、タイムスタンプを通知してもよい。基地局は上位NW装置に対して、タイムスタンプを通知してもよい。上位NW装置は、自装置が送信したタイムスタンプおよび基地局が自装置に送信したタイムスタンプを用いて、自装置から基地局に対する伝送遅延を導出してもよい。上位NW装置は基地局に対して、該伝送遅延を通知してもよい。基地局は、該伝送遅延を用いて、自基地局の時刻を補正してもよい。
基地局間で時刻の同期が行われてもよい。基地局間の同期において、前述の、上位NW装置と基地局との間の時刻同期の方法が適用されてもよいし、実施の形態1の変形例1において開示された方法が適用されてもよい。
本実施の形態2により、モビリティ発生時においても、通信のレイテンシを一定に維持可能となる。
実施の形態3.
基地局は、UEに対して送信する下りデータを保持してもよい。保持された該下りデータ(以下、ローカルキャッシュデータと称する場合がある)は、UPFから基地局に対して送信されてもよい。基地局は、該ローカルキャッシュデータをUEに対して送信してもよい。
ところが、該UEにおいて基地局間ハンドオーバが発生した場合、移動先の基地局はローカルキャッシュデータを保持していない。そのため、UEにおける該データの受信についてレイテンシが増大するといった問題が生じる。
前述の問題に対する解決法を開示する。
移動先基地局においても、ローカルキャッシュデータを保持する。該ローカルキャッシュデータが、移動元基地局から送信されるとしてもよい。
移動元基地局から移動先基地局への該ローカルキャッシュデータの送信は、移動元基地局から移動先基地局に対するハンドオーバ要求送信と同時に行われてもよいし、該ハンドオーバ要求送信の後に行われてもよい。このことにより、例えば、移動先基地局は該ローカルキャッシュデータを迅速に取得可能となる。
他の例として、移動元基地局から移動先基地局への該ローカルキャッシュデータの送信は、例えば、移動先基地局から移動元基地局に対するハンドオーバ要求肯定応答の後に行われてもよい。このことにより、例えば、移動先基地局がハンドオーバ要求を拒否した場合において、再度選択した移動先基地局へローカルキャッシュデータを送信不要となる。その結果、通信システムにおける効率を向上可能となる。
他の例として、UPFが移動先基地局にローカルキャッシュデータを送信してもよい。移動先基地局はUPFに対し、ローカルキャッシュデータの移動先基地局への送信を要求してもよい。このことにより、例えば、基地局間インタフェースの負荷を低減可能となる。
移動元基地局は、ローカルキャッシュデータを解放してもよい。例えば、移動元基地局がハンドオーバ要求肯定応答を受信した後において該解放の動作を行ってもよい。このことにより、例えば、移動元基地局における使用メモリ量を削減可能となる。
他の解決策を開示する。複数の基地局が、ローカルキャッシュデータを保持する。複数の該基地局は、例えば、移動元基地局と同じRAN通知エリア(RAN Notification Area;RNA)の基地局であってもよいし、移動元基地局と同じトラッキングエリアの基地局であってもよい。他の例として、ローカルキャッシュデータを保持する基地局を、移動元基地局が決定してもよいし、上位NW装置が決定してもよい。移動元基地局あるいは上位絵NW装置は、ローカルキャッシュデータを保持する基地局を、例えば、UEの位置情報を用いて決定してもよい。複数の該基地局によるローカルキャッシュデータ保持は、例えば、ハンドオーバ開始前から行われていてもよい。このことにより、例えば、ハンドオーバ処理時における通信システム上の輻輳を防止可能となる。
移動元基地局は移動先基地局に対し、ローカルキャッシュデータのうちどのデータから後(あるいはどのデータ以降)をUEに送信すべきかを示す情報を通知してもよい。ローカルキャッシュデータにおいて、シーケンス番号が設けられてもよい。該シーケンス番号は、PDCP SNとは別に設けられるとしてもよい。該シーケンス番号は、例えば、パケット毎に与えられてもよい。該情報は、該シーケンス番号を含んでもよいし、PDCP SNを含んでもよいし、該シーケンス番号とPDCP SNを組み合わせた情報を含んでもよい。このことにより、例えば、ハンドオーバ後におけるローカルキャッシュデータの重複や欠落を防止可能となる。
UEは、ローカルキャッシュデータにおいて受信を開始したいデータに関する情報を、基地局に対して通知してもよい。該情報は、該シーケンス番号を含んでもよいし、PDCP SNを含んでもよいし、該シーケンス番号とPDCP SNを組み合わせた情報を含んでもよい。UEから基地局に対する該通知は、例えば、UEへのデータ通信再開時において行われてもよいし、基地局からUEへのデータ通信における早送りおよび/あるいは巻戻しにおいて用いられてもよいし、UEのハンドオーバ時において行われてもよい。UEへのデータ通信再開とは、例えば、UEがRRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDに復帰する場合であってもよい。UEは、RRC_INACTIVEへの遷移時において、該シーケンス番号を保持してもよいし、PDCP SNを保持してもよいし、該シーケンス番号とPDCP SNを組み合わせた情報を保持してもよい。このことにより、例えば、基地局からUEへのローカルキャッシュデータ送信における柔軟性を向上可能となる。
ローカルキャッシュデータのシーケンス番号に関する他の例として、該シーケンス番号とPDCP SNとの間に対応付けが行われてもよい。例えば、該シーケンス番号が、PDCP SNに対し所定のオフセットを加算あるいは減算した値として求められてもよい。前述において、ローカルキャッシュの1つのパケットから1つのPDCP PDUが生成されるとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける複雑性を回避可能となる。
移動元基地局は、移動先基地局に対し、該オフセットの値に関する情報と、次にPDCP PDUを生成すべきPDCP SNに関する情報を組み合わせて通知してもよい。このことにより、例えば、基地局間通信におけるシグナリングのサイズを削減可能となる。
UEは、基地局に対し、ローカルキャッシュデータにおいて受信を開始したいデータにおけるPDCP SNのみを通知してもよい。基地局は、該オフセットの値に関する情報と、該PDCP SNを用いて、受信を開始したいデータの、ローカルキャッシュデータにおけるシーケンス番号を導出してもよい。他の例として、UEは基地局に対し、受信を開始したいデータにおけるローカルキャッシュデータのシーケンス番号を通知してもよい。基地局は、該シーケンス番号と該オフセットの値に関する情報を用いて、ローカルキャッシュデータにおいて受信を開始したいデータにおけるPDCP SNを導出してもよい。前述の通知は、PDCP制御PDUを用いて行われてもよいし、RRCシグナリングを用いて行われてもよい。このことにより、例えば、UEと基地局との間におけるシグナリング量を削減可能となる。
ローカルキャッシュデータのシーケンス番号に関する他の例として、TCPのシーケンス番号が用いられてもよい。前述の、移動元基地局から移動先基地局に対する通知に、TCPシーケンス番号が含まれてもよい。移動元基地局は、ローカルキャッシュデータにおけるTCPシーケンス番号とPDCP SNとの組み合わせに関する情報を保持してもよい。前述の、UEから基地局に対する該通知に、TCPシーケンス番号が含まれてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて新たな番号を設けることが不要となり、その結果、通信システムにおける複雑性を回避可能となる。
本実施の形態3におけるローカルキャッシュデータが、UEから基地局に対して送信する上り通信に対して適用されてもよい。該ローカルキャッシュは、例えば、UEから基地局経由で他のUEに対して送信するユーザデータについて用いられるものであってもよい。また、該ローカルキャッシュは、例えば、UEから、該UEのアプリケーションのレイヤにおける対向までの通信速度が大きい場合(例えば、通信距離が大きい、UEと該対向との間に存在するルーティング装置の数が多い)において、基地局において該UEとの通信プロトコル(例えば、TCP)を終端するために用いられるものであってもよい。
上り通信におけるローカルキャッシュデータが、移動元基地局から移動先基地局に対して転送されてもよい。該ローカルキャッシュデータが、複数の基地局において保持されてもよい。
移動元基地局はUEに対し、該ローカルキャッシュデータのうちどのデータから後(あるいはどのデータ以降)をUEに送信すべきかを示す情報を通知してもよい。ローカルキャッシュデータにおいて、シーケンス番号が設けられてもよい。該シーケンス番号は、PDCP SNとは別に設けられるとしてもよい。該シーケンス番号は、例えば、パケット毎に与えられてもよい。UEは、該情報を用いて、移動先基地局に対して上り送信を開始するデータを決定してもよい。このことにより、例えば、上り通信においても、データの重複送信や欠落を防止可能となる。
本実施の形態3により、ハンドオーバが発生する状況においても、UEは下りおよび/あるいは上り通信のレイテンシを削減可能となる。また、UEは、該下りおよび/あるいは上り通信における信頼性を確保可能となる。
実施の形態4.
3GPPにおいて、D2D(Device to Device)通信、V2V(Vehicle to Vehicle)通信のため、サイドリンク(SL:Side Link)がサポートされている(非特許文献1参照)。SLはPC5インタフェースによって規定される。
SLに用いられる物理チャネル(非特許文献1参照)について説明する。物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical sidelink broadcast channel)は、システムと同期に関連する情報を運び、UEから送信される。
物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH:Physical sidelink discovery channel)は、UEからサイドリンクディスカバリメッセージを運ぶ。
物理サイドリング制御チャネル(PSCCH:Physical sidelink control channel)は、サイドリンク通信とV2Xサイドリンク通信のためのUEからの制御情報を運ぶ。
物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical sidelink shared channel)は、サイドリンク通信とV2Xサイドリンク通信のためのUEからのデータを運ぶ。
SLに用いられるトランスポートチャネル(非特許文献1参照)について説明する。サイドリンク報知チャネル(SL−BCH:Sidelink broadcast channel)は、予め決められたトランスポートフォーマットを有し、物理チャネルであるPSBCHにマッピングされる。
サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH:Sidelink discovery channel)は、固定サイズの予め決められたフォーマットの周期的報知送信を有する。また、UE自動リソース選択(UE autonomous resource selection)とeNBによってスケジュールされたリソースアロケーションの両方をサポートする。UE自動リソースセレクションでは衝突リスクが有り、UEがeNBによって個別リソースをアロケーションされた時は、衝突は無い。また、HARQコンバイニングをサポートする。ただし、HARQフィードバックはサポートしない。SL−DCHは物理チャネルであるPSDCHにマッピングされる。
サイドリンク共有チャネル(SL−SCH:Sidelink shared channel)は、報知送信をサポートする。UE自動リソース選択(UE autonomous resource selection)とeNBによってスケジュールされたリソースアロケーションの両方をサポートする。UE自動リソースセレクションでは衝突リスクが有り、UEがeNBによって個別リソースをアロケーションされた時は、衝突は無い。また、HARQコンバイニングをサポートする。ただし、HARQフィードバックはサポートしない。また、送信電力、変調、コーディングを変えることによって、動的リンクアダプテーションをサポートする。SL−SCHは物理チャネルであるPSSCHにマッピングされる。
SLに用いられる論理チャネル(非特許文献1参照)について説明する。サイドリンク報知制御チャネル(SBCCH;Sidelink Broadcast Control Channel)は、一つのUEから他のUEにサイドリンクシステム情報を報知するためのサイドリンク用チャネルである。SBCCHはトランスポートチャネルであるSL−BCHにマッピングされる。
サイドリンクトラフィックチャネル(STCH;Sidelink Traffic Channel)は一つのUEから他のUEにユーザ情報を送信するための1対多のサイドリンク用トラフィックチャネルである。STCHはサイドリンク通信能力を有するUEとV2Xサイドリンク通信能力を有するUEによってのみ用いられる。2つのサイドリンク通信能力を有するUE間の1対1通信もまたSTCHで実現される。STCHはトランスポートチャネルであるSL−SCHにマッピングされる。
3GPPでは、NRにおけるV2X通信のサポートも検討されている。NRにおけるV2X通信の検討が、LTEシステム、LTE−Aシステムを基にして進められているが、以下の点でLTEシステム、LTE−Aシステムからの変更および追加が行われている。
LTEではSLの通信はブロードキャスト(broadcast)のみであった。NRでは、SLの通信として、ブロードキャストに加え、ユニキャスト(unicast)とグループキャスト(groupcast)のサポートが検討されている(非特許文献28(3GPP RP−182111)参照)。
ユニキャスト通信やグループキャスト通信では、HARQのフィードバック(Ack/Nack)、CSI報告等のサポートが検討されている。
NRのSL通信では低遅延特性が要求されている。低遅延特性の要求を満たすため、NRのSL通信において、プリエンプションの導入が提案されている(非特許文献22(3GPP R1−1810593)、非特許文献27(R1−1810775))。プリエンプションは、既に行われているUEへのデータ送信を、低遅延特性が要求される他のUEへの送信でプリエンプト(pre-empt)する技術である(非特許文献16(TS38.300))。
SLにおいては、送信UEは複数のサービスのデータを送信する場合があり、各サービスで受信UEは異なる場合がある。このような場合、プリエンプトされる通信のリソースを受信するUEと、プリエンプトする通信のリソースを受信するUEとが異なることになる。送信UEは、これらの受信UEに対して、プリエンプトされたこと、プリエンプトすることを各々通知する必要がある。これらの通知に関する方法については未だ開示されていない。
このようにSLにおいてプリエンプションの具体的方法は未だ開示されていない。このため、プリエンプションを実施できないが故に低遅延特性の要求を満たせなくなる、という問題が生じる。本実施の形態4では、このような課題を解決する方法を開示する。
通常のSLの通信では、送信を行うUE(送信UE)は、PSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報や、通信ターゲットとなるUE(受信UE)などを、SL制御情報(SCI)に含めて、PSCCHで送信する。また、送信UEはスケジューリング情報に従ってPSSCHを送信する。受信UEは、PSCCHを受信することで、自UE向けのデータであることを認識し、スケジューリング情報に従って、PSSCHを受信し、データを取得する。
プリエンプションについて開示する。送信UEは、プリエンプションを示す情報(PI:Preemption Indication)を、PSCCHで送信する。送信UEは、プリエンプションを示す情報を、SCIに含ませてPSCCHで送信してもよい。送信UEは、プリエンプトする通信のリソースアロケーション情報と、プリエンプションを示す情報とを、PSCCHで送信してもよい。送信UEは、プリエンプトする通信のリソースアロケーション情報と、プリエンプションを示す情報とを、SCIに含ませてPSCCHで送信してもよい。送信UEは該情報を、プリエンプトする通信のPSCCHで送信してもよい。前述のプリエンプトする通信のリソースアロケーション情報の代わりに、プリエンプトする通信のスケジューリング情報が用いられてもよい。送信UEは、プリエンプトする通信のスケジューリング情報と、プリエンプションを示す情報とを、SCIに含ませてPSCCHで送信してもよい。
SLにおいて、SL通信を行う全てのUEは、設定されたリソースプールのPSCCHを受信可能である。プリエンプトする通信における受信UEと、プリエンプトされる通信における受信UEとの両方が、PSCCHを受信可能となる。このため、プリエンプトする通信における受信UEはリソースアロケーション情報を受信可能となり、プリエンプトされる通信における受信UEはプリエンプションを示す情報を受信可能となる。
SCIを2つに分けてもよい。たとえば、SCI1、SCI2とする。各々のSCIを送信するための2つの異なるチャネルを設けてもよい。たとえば、PSCCH1、PSCCH2とする。一方のPSCCH、たとえばPSCCH1は、従来のPSCCHと同様にリソースプールが設定された全UEが受信可能とする。他方のPSCCH、例えばPSCCH2は、従来のPSCCHとは異なり、一つのUEあるいはUEグループのみが受信可能とする。
リソースプールが設定された全UEが受信可能なPSCCH1のSCI1に、プリエンプションを示す情報を含めてもよい。リソースプールが設定された全UEが受信可能なPSCCH1のSCI1に、プリエンプトする通信のリソースアロケーション情報と、プリエンプションを示す情報とを含めてもよい。その他の情報をSCI2に含めてもよい。このようにすることで、プリエンプトする通信における受信UEと、プリエンプトされる通信における受信UEとの両方が、PSCCH1のSCI1を受信可能となる。
プリエンプトされる通信の受信UEは、PSCCHを受信し、SCIにPIが含まれるか否かを判断する。PIが含まれない場合、受信UEは、プリエンプトされていないと判断する。PIが含まれている場合、受信UEは、プリエンプトされていると判断する。プリエンプトされる通信の受信UEは、プリエンプトされていると判断した場合、PSCCHでアロケーションされるリソースを受信しない。
PIに、プリエンプトされるリソースのアロケーション情報を含めてもよい。このような場合、プリエンプトされる通信の受信UEは、プリエンプトされていると判断すると、PIに含まれるリソースアロケーション情報によってアロケーションされるリソースを受信しない。このようにすることで、プリエンプトされる通信の受信UEは、プリエンプトされたリソースで送信された、他の受信UEへのPSSCHを、受信しないようにできる。
プリエンプトする通信の受信UEは、PSCCHを受信し、SCIにターゲットUEとして自UEの識別子が含まれるか否かを判断する。自UEの識別子が含まれない場合、受信UEは、自UEに対して送信されたデータでは無いと判断して、PSSCHを受信しない。自UEの識別子が含まれる場合受信UEは、自UEに対して送信されたデータであると判断して、SCIに含まれるスケジューリング情報を用いてPSSCHを受信する。このようにすることで、プリエンプトする通信の受信UEは、プリエンプトしたリソースで送信されたPSSCHを受信可能となる。
プリエンプトされる通信のリソースは、リザベーションされたリソースであってもよいし、実際にデータがアロケーションされたリソースであってもよい。リザベーションされたリソースをプリエンプトした場合も前述に開示した方法を適用できる。
PIに含まれる情報として以下に5つの具体例を開示する。
(1)プリエンプションを示す情報。
(2)プリエンプトされるリソースの情報。
(3)プリエンプトされた場合の受信処理を示す情報。
(4)プリエンプトされる通信の受信UEに関する情報。
(5)(1)から(4)の組合せ。
前述の(1)について、プリエンプションを示す情報は、プリエンプトされているか否かを示す情報であってもよいし、プリエンプトされていることを示す情報であってもよい。
前述の(2)について、プリエンプトされるリソースの情報は、リソースのアロケーション情報であってもよい。リソースの情報は時間−周波数情報であってもよい。たとえば、スロット番号、スロット数、PRB番号、PRB数などがある。時間単位として、TTI,スロット、ミニスロット、シンボル、1/nシンボル(nは正の整数)、CBG(Code Block Group)などがある。周波数単位として、PRB、サブキャリアなどがある。
プリエンプトされるリソースの情報は、時間情報だけにしてもよい。この場合、周波数リソースは、既にアロケーションあるいはリザベーションされた周波数リソースと同じとしてもよい。このようにすることで、プリエンプトされるリソースの情報を削減可能となる。
SLにおけるRSを、プリエンプトされるリソースの対象外としてもよい。たとえば、DMRSを対象外にしてもよい。たとえば、シンボル単位でプリエンプションを行う場合、DMRSを除いたシンボルを、プリエンプトするリソースの対象とするとよい。プリエンプトされた通信の受信UEが、DMRSを用いることで、プリエンプトされたリソースを含むスロットにマッピングされたデータを復調できる可能性を向上させることができる。
前述の(3)について、プリエンプトされた場合の受信処理は、プリエンプトされたリソースのみ受信しない処理であってもよいし、あるいは、プリエンプトされたリソースを含む所定のリソースを受信しない処理であってもよい。所定のリソースは、たとえばスロットなどである。あるいは、所定のリソースは、複数の連続するスロットであってもよい。他の例として、プリエンプトされた場合の受信処理は、一部のリソースがプリエンプトされたデータを全て受信しない処理であってもよい。このようにすることで、受信処理を簡易にすることができる。ここで記載した受信処理はデータ復調処理であってもよい。
前述の(4)について、プリエンプトされる通信の受信UEに関する情報は、該受信UEを特定するための情報とするとよい。たとえば、該情報はUEの識別子であってもよい。プリエンプトされる受信UEを明示的に示すことができ、誤動作の発生を低減させることができる。
PIを含めるPSCCHは、プリエンプトされるリソースのリソースアロケーションを実施するスロット/ミニスロットのPSCCHとしてもよい。このようにすることで、プリエンプトされるリソース上でPSCCHが送信される場合に、PSCCHでPIを通知可能となる。あるいは、PIを含めるPSCCHは、プリエンプトされるリソースのリソースアロケーションを実施するスロットの次のPSCCHとしてもよい。このようにすることで、プリエンプトされるリソース上でPSCCHが送信されない場合にも、PSCCHでPIを通知可能となる。
送信UEは、プリエンプトする通信の受信UEに関する情報を、PSCCHで送信してもよい。送信UEは、プリエンプトする通信の受信UEに関する情報を、プリエンプトする通信のリソースアロケーション情報を含むスケジューリング情報とPIとともに、SCIに含ませて、PSCCHで送信してもよい。プリエンプトする通信の受信UEに関する情報は、該受信UEを特定するための情報とするとよい。該情報は、たとえば、UEの識別子であってもよい。
プリエンプトする通信の受信UEに関する情報をPSCCHで送信する場合、PIの送信を省略してもよい。送信UEは、プリエンプトする通信の受信UEに関する情報と、プリエンプトする通信のリソースアロケーション情報を含むスケジューリング情報とを、SCIに含ませて、PSCCHで送信する。
プリエンプトされる通信の受信UEは、PSSCHを受信し、プリエンプトする通信の受信UEに関する情報から、他のUE向けデータであることを認識可能となる。プリエンプトされる通信の受信UEは、リソースアロケーション情報に示されたリソースの受信を行わないとすると良い。
プリエンプトする通信の受信UEは、PSCCHを受信し、プリエンプトする通信の受信UEに関する情報から、自UE向けのスケジューリング情報であることを認識し、スケジューリング情報に従って、PSSCHを受信する。
送信UEは、プリエンプションを行う場合、プリエンプトされる通信の受信UEに対して、プリエンプトされたリソースのみで送信しないとしてもよい。このようにすることで、プリエンプトされる通信の受信UEに対して送信しないデータを最低限にすることが可能となる。他の方法として、送信UEは、プリエンプトされる通信の受信UEに対して、プリエンプトされたリソースを含む所定のリソースで送信しないとしてもよい。所定のリソースは、たとえば、一つまたは複数のCBG(Code Block Group)であってもよいし、一つまたは複数のスロットであってもよい。たとえば、複数スロットのスケジューリングがなされている場合は、送信UEは、プリエンプトされる通信の受信UEに対して、プリエンプトされたリソースを含む複数のスロットで送信しないとしてもよい。このようにすることで、送信UEの処理を簡易にすることができる。
送信UEは、プリエンプトされる通信の受信UEに対してスケジューリングを実施しているリソースの内、プリエンプトされたリソース外で送信を実施する場合、該プリエンプトされたリソース外のリソースに送信データをレートマッチングして送信してもよい。送信UEはスケジューリングを実施しているリソースでデータを送信可能となる。レートマッチングに関する情報は、送信UEから受信UEに対して通知するとよい。前述のプリエンプトされた場合の受信処理を示す情報は、送信UEから受信UEに対して、PIに含めて通知されてもよい。
プリエンプションを行う場合、送信UEにおけるプリエンプトされる通信の受信UEに対する送信処理と、受信UEにおけるプリエンプトされた場合の受信処理を適宜適切に対応づけておいてもよい。たとえば、送信UEが、プリエンプションにおいて、プリエンプトされる通信の受信UEに対して、プリエンプトされたリソースを含む一つのスロットを送信しないとする場合、受信UEにおける受信処理は、プリエンプトされたリソースを含む一つのスロットを受信しない処理としてもよい。このようにした場合、送信UEは、受信UEに対して、前述のプリエンプトされた場合の受信処理を示す情報に代えて、送信UEにおけるプリエンプトされる通信の受信UEに対する送信処理方法を通知してもよい。
このようにすることで、SLにおけるプリエンプションを可能にする。このため、低遅延特性が要求されるSL通信においてプリエンプションを実施することができ、通信に要求される低遅延特性を満足させることが可能となる。
図23は、SL通信におけるプリエンプションの概要を示す図である。図23は、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEは同じであり、プリエンプトされる通信の受信UEとプリエンプトする通信の受信UEとが異なる場合について示している。UE1は送信UEであり、UE2はプリエンプトされる通信の受信UEであり、UE3はプリエンプトする通信の受信UEであるものとする。UE1からUE3への通信は、より低遅延特性が要求される通信とする。
UE1からUE2に対して、リソースのリザベーションが行われる。ここでは、リソースリザベーションが周期的に行われるものとする。図23の例は、周期的に3スロットのリソースがリザベーションされることを示している。但し、一つのスロットがリザベーションされてもよいし、複数のスロットがリザベーションされてもよい。このように、UE1からUE2へのリソースリザベーションが既に行われている状態で、UE1においてUE3へのSLの送信がトリガされる。UE1は送信処理を行い、リソースを選択する。リソース選択は選択ウィンドウ(Selection Window)内で行われる。
リソース選択ウィンドウの期間を短くすればするほど、送信までの時間が短くなり、低遅延特性が得られる。しかし、リソース選択ウィンドウの期間を短くした場合、選択可能なリソースは低減するので、リソースが既にリザベーションされている可能性が増大する。リザベーションされたリソースをプリエンプト可能とすることで、選択可能なリソースを増大させることができる。
UE1は、低遅延特性が要求されるUE3への通信のために、既にUE2に対してリザベーションしているリソースをプリエンプトすることを決定する。ここでは、UE1は、送信処理後の2番目のスロットをプリエンプトする。UE1はUE3に対して、プリエンプトしたリソースを用いて送信を行う。UE1はUE2に対して、プリエンプトされたリソースで送信を行わないとしてもよい。ここでは、UE1はUE2に対して2番目のスロットで送信を行わない。
このように、UE1は、UE2に対して既にリザベーションしているリソースを、UE3に対してプリエンプトして送信する。このようにすることで、より低遅延特性が要求されるUE3に対する通信を、低遅延で行うことが可能となる。
図24は、SL通信におけるプリエンプション方法の第1例を示す図である。図24は、図23と同様に、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットを示している。各スロットにPSCCH、PSSCH、GAP、PSFCHがマッピングされる。PSCCH、PSSCHは、送信UEから送信される。GAPは無送信区間である。PSFCHはフィードバック用チャネルであり、HARQのフィードバック(Ack、Nack)、CSI報告、SRSなどを含み、受信UEから送信される。
図24は、UE1からUE2に既に3スロットのリソースがリザベーションされている場合に、2番目のスロットがプリエンプトされる場合について示している。UE1においてUE3へのSLの送信がトリガされ、UE1はUE3への通信のために、送信処理後の2番目のスロットのリソースをプリエンプトすることを決定する。1番目と3番目のスロットは通常どおりUE2に対して送信を行うため、UE1からUE2に対してPSCCH、PSSCHが送信される。
PSCCHにはSCIがマッピングされる。SCIにスロット構成を含ませてもよい。たとえば、PSSCH、GAP、PSFCHがマッピングされるシンボル数やシンボル番号などの構成を、SCIに含ませてもよい。このようにすることで、受信UEは送信UEから送信されるスロットの構成を認識可能となる。
UE1は、UE3に対する送信処理後の2番目のスロットを、UE3の通信用にプリエンプトする。2番目のスロットでは、UE2へのリソースがプリエンプトされることになる。プリエンプトした2番目のスロットで、UE1は、UE3に対するPSCCH、PSSCHを送信する。プリエンプトしたスロットは、GAP、PSFCHがマッピングされるように構成されてもよい。UE1は、PSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報とPIとを、プリエンプトしたスロットのPSCCHに含めて、送信する。
PSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報をSCIに含め、SCIとPIをPSCCHで送信してもよい。PSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報と、PIとを、SCIに含めて、PSCCHで送信してもよい。また、SCIにUE3を特定するための情報を含ませてもよい。
SL通信では、どの受信UEもリソースプール内のPSCCHを受信可能である。このため、UE2とUE3の両方が2番目のスロットのPSCCHを受信可能となる。UE2は、受信したPSCCHにPIが含まれるか否かによって、リソースがプリエンプトされているか否かを判断可能となる。PIが含まれていない場合は、UE2は、自UEへのスケジューリングであると判断し、スケジューリング情報を用いてPSSCHを受信する。PIが含まれている場合は、UE2は、リソースがプリエンプトされていると判断し、PSCCHでアロケーションされるリソースを受信しない。
このようにすることで、UE2が、他のUEにプリエンプトされたリソースを誤受信するのを避けることが可能となる。UE3は、2番目のスロットのPSCCHを受信してPSSCHが自UE宛であることを認識し、SCIに含まれるスケジューリング情報を用いてPSSCHを受信することができる。
このようなプリエンプション方法とすることで、SL通信においてプリエンプションを可能にする。低遅延特性が要求される通信のために、既にアロケーションあるいはリザベーションされたリソースをプリエンプトすることが可能となる。これにより低遅延特性の要求を満足させることが可能となる。
UE1は、UE3用にプリエンプションを行う場合、UE2に対して、プリエンプトされたリソースのみ送信しないとしてもよい。このようにすることで、UE2に対して送信しないデータを最低限にすることが可能となる。他の方法として、UE1はUE2に対して、プリエンプトされたリソースを含むスロットを送信しないとしてもよい。あるいは、複数スロットのスケジューリングがなされている場合は、UE1はUE2に対して、プリエンプトされたリソースを含む複数のスロットを送信しないとしてもよい。このようにすることで、UE1、UE2の処理を簡易にすることができる。
UE1からUE2への送信処理には、PIに含まれる情報の具体例で開示した、プリエンプトされた場合の受信処理に適した設定を用いてもよい。あらかじめこれらの送信処理方法と受信処理方法とを関連付けておいてもよい。どの送信処理方法を用いるか、どの受信処理方法を用いるかは、静的に規格等で決められてもよいし、gNBが設定してSL通信のUEに通知してもよい。あるいは、どの送信処理方法を用いるか、どの受信処理方法を用いるかは、あらかじめUEに事前設定(Preconfigured)されてもよい。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報を通知する。また、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知する。1番目のスロットのPSCCHにはUE3に対するスケジューリング情報がマッピングされ、UE2に対するスケジューリング情報がマッピングされない。このため、UE2は1番目のスロットのスケジューリング情報を受信できないことになる。このような場合、UE1の送信処理は、UE2に対して1番目のスロットで送信しない処理であってもよいし、UE2の受信処理は、1番目のスロットで受信しない処理であってもよい。
このようにすることで、UE2が、1番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。UE2は2番目のスロットのPSCCHを受信するとよい。UE1からUE2に対して2番目のスロットでPSSCHがスケジューリングされている場合、UE2は該スケジューリング情報を受信可能となり、PSSCHを受信できる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知しなくてもよい。UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報のみを通知してもよい。UE2は1番目のスロットがUE3にスケジューリングされていることを認識した場合、UE2は1番目のスロットを受信しないとするとよい。このようにすることで、UE2が、1番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。
UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータの処理について開示する。UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータを、残りのリソースで送信してもよい。残りのリソースで送信するため、UE1はレートマッチングを行ってもよい。このようにすることで、早期にプリエンプトされたデータを送信可能となる。
他の方法として、UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータを、次にリザベーションしたリソースで送信してもよい。NRのSLにおいてリソースの再選択回数を設定してもよい。リザベーションしたリソースによる送信を所定の再選択回数、行った場合、リソース選択を再度実施し、リソースリザベーションをし直す。このようにすることで、自UEでのリソースの独占を回避することができる。
リザベーションしたリソースによる送信が、所定の再選択回数に到達していない場合、UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータを、次にリザベーションしたリソースで送信する。リザベーションしたリソースによる送信が、所定の再選択回数に到達した場合、UE1は、リソースの再選択を行ってリソースリザベーションをし直し、新たにリザーブしたリソースで該データを送信する。
プリエンプトされたリソースのデータ送信用に新たにリザーブされたリソースを用いる場合、再選択回数をカウントしない、としてもよい。再選択回数をデクリメントしないとしてもよい。このようにすることで、プリエンプトされたリソースのデータの送信において、さらに遅延時間が増大するのを回避することが可能となる。
UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータを送信するために、リソース選択およびリソースリザベーションを新たに行ってもよい。該リソース選択およびリソースリザベーションは、周期的に行われなくてもよいし、あるいは、ダイナミックに実施されてもよい。短期間のリソースリザベーションが行われてもよい。プリエンプトされたリソースが周期的であったとしても、この方法を適用してもよい。このようにすることで、次のリザベーションされたリソースを待つことなく早期に、プリエンプトされたデータを送信可能となる。
他の方法として、UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータ用の特別な処理を実施しないとしてもよい。HARQフィードバックが適用されている場合には、UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータ用の特別な処理を実施しないとしてもよい。HARQフィードバックが適用されている場合は、UE1はHARQに従うとしてもよい。UE2は、スケジューリングされたデータを受信できなかった場合、UE1に対してNackを送信する。UE1はNack受信により再送を行う。HARQ再送においてUE1は、SCIに、どのデータに対する再送かを示す情報を含めるとよい。どのデータに対する再送かを示す情報は、たとえば、HARQプロセス識別子であってもよい。このようにすることで、UE2は、スケジューリングされたデータを受信可能となる。
また、繰返し(repetition)送信が適用され、かつ、HARQフィードバックが適用されている場合には、UE1は、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータ用の特別な処理を実施しないとしてもよい。繰返し送信の内の1回の送信がプリエンプトされたとしても、他の繰返し送信によって、UE2は、スケジューリングされたデータを受信可能となる。
このように、プリエンプトされたリソースのデータ用の特別な処理を実施しないとすることで、送信UE、受信UEでのプリエンプション処理を簡易にすることが可能となる。
図25は、SL通信におけるプリエンプション方法の第2例を示す図である。図25は、図24と異なり、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットが連続してスケジューリングされている場合におけるプリエンプション方法を例示している。連続する3つのスロットでPSCCH、PSSCH、GAP、PSFCHがマッピングされる。PSCCHは連続する3つのスロットの最初のスロットにマッピングされる。GAP、PSFCHは連続する3つのスロットの最後のスロットにマッピングされる。
図24の例では、プリエンプトされる2番目のスロットのPSCCHに、PSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報とPIとを含めた。図25の例では、UE1からUE2に対して、連続する3つのスロットを用いてスケジューリングするので、2番目のスロットでPSCCHは送信されない。したがって、UE2は2番目のスロットのPSCCHを受信しない。2番目のスロットのPSCCHでPIを送信したとしても、UE2はPIを受信しないことになる。
このような問題を解決するため、図25の例では、UE1は、PIを、連続してスケジューリングしたスロットの次のスロットのPSCCHに含めて送信する。UE2は、連続してスケジューリングされたスロットの次のスロットのPSCCHを受信する。これにより、UE2は、PSCCHにPIが含まれているか否かを判断可能となる。したがって、UE2は、リソースがプリエンプトされているか否かを判断することができる。
UE2は、スケジューリングされた連続スロットにおいてリソースがプリエンプトされているかを判断するまで、受信したデータを保持しておくと良い。リソースがプリエンプトされている場合、UE2は、プリエンプトされたリソースを除外して、データを受信する。リソースがプリエンプトされていない場合は、UE2は連続する3スロットからデータを受信する。このようにすることで、UE2が、プリエンプトされたデータを誤受信することを回避することができる。
2番目のスロットのPSCCHは、UE1からUE3に対して送信され、該PSCCHにはPIを含めない。UE3は、2番目のスロットのPSCCHを受信することで、PSSCHのスケジューリング情報を取得し、PSSCHを受信可能となる。
UE1は、PIを、連続してスケジューリングしたスロットの次のスロットのPSCCHに含めて送信することを開示したが、他の方法を開示する。UE1は、PIを、UE2に対して連続してスケジューリングしたスロットの次のリザベーションしたスロットあるいはアロケーションするスロットのPSCCHに含めて、送信してもよい。UE2は、連続してスケジューリングされたスロットに続く、自UEに対してリザベーションされたスロットあるいはアロケーションされたスロットのPSCCHを受信する。これにより、UE2は、PSCCHにPIが含まれているか否かを判断可能となる。したがって、UE2は、リソースがプリエンプトされているか否かを判断することができる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報を通知する。また、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知してもよい。1番目のスロットのPSCCHにはUE3に対するスケジューリング情報がマッピングされ、UE2に対するスケジューリング情報がマッピングされない。このため、UE2は1番目のスロットのスケジューリング情報を受信できないことになる。このような場合、UE1の送信処理は、UE2に対して連続する3つのスロットで送信しない処理であってもよいし、UE2の受信処理は、連続する3つのスロットで受信しない処理であってもよい。このようにすることで、UE2が、1番目から3番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知しなくてもよい。UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報のみを通知してもよい。UE2は1番目のスロットがUE3にスケジューリングされていることを認識した場合、UE2は連続する3つのスロットを受信しないとするとよい。このようにすることで、UE2が、1番目から3番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。
このようなプリエンプション方法とすることで、SL通信において、連続した複数スロットでスケジューリングが行われたとしても、プリエンプションを可能にする。
図26は、SL通信におけるプリエンプション方法の第3例を示す図である。図26は、図25と同様に、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットが連続してスケジューリングされている場合におけるプリエンプション方法を例示している。図26は、図25と異なり、プリエンプトするリソースがミニスロットの場合について示している。
プリエンプトするリソースがミニスロットの場合も、図26で開示した方法と同様に、UE1は、PIを、連続してスケジューリングされたスロットの次のスロットのPSCCHに含めて送信する。UE2は、連続してスケジューリングされたスロットの次のスロットのPSCCHを受信する。これにより、UE2はPSCCHにPIが含まれているか否かを判断可能となる。したがって、UE2は、リソースがプリエンプトされているか否かを判断することができる。
2番目のスロット内にプリエンプトするミニスロットのPSCCHは、UE1からUE3に対して送信され、該PSCCHにはPIを含めない。UE3は、ミニスロットのPSCCHを受信することで、PSSCHのスケジューリング情報を取得し、PSSCHを受信可能となる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットのPSCCH領域を含むリソースをミニスロットでプリエンプトする場合、UE1は、ミニスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報を通知する。また、UE1はミニスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知してもよい。ミニスロットのPSCCHにはUE3に対するスケジューリング情報がマッピングされ、UE2に対するスケジューリング情報がマッピングされない。このため、UE2は連続する3つのスロットのスケジューリング情報を受信できないことになる。このような場合、UE1の送信処理は、UE2に対して連続する3つのスロットで送信しない処理であってもよいし、UE2の受信処理は、連続する3つのスロットで受信しない処理であってもよい。このようにすることで、UE2が、1番目から3番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットのPSCCH領域を含むリソースをミニスロットでプリエンプトする場合、UE1は、ミニスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知しなくてもよい。UE1は、ミニスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報のみを通知してもよい。UE2はミニスロットのリソースでUE3にスケジューリングされていることを認識した場合、UE2は連続する3つのスロットを受信しないとするとよい。このようにすることで、UE2が、1番目から3番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。
受信UEはSL通信におけるミニスロットのPSCCHを受信する必要がある。SL通信でミニスロットにデータがスケジューリングされた場合、受信UEは該ミニスロットのPSCCHを受信する。受信UEは、ミニスロットのPSCCHの送信タイミングを知らないと、PSCCHを受信できない。そのため、受信UEがミニスロットのPSSCHを受信できないという問題が生じる。ここでは、このような問題を解決する方法を開示する。
SLにおけるミニスロットの設定方法を開示する。SLでのミニスロットの設定は送信UEが行う。送信UEが、SLでのミニスロットの設定を行い、該設定を受信UEに通知する。該通知には通常のスロットのPSCCHを用いてもよい。ミニスロットの設定のための情報として、たとえば、ミニスロットのシンボル数、PSCCHのシンボル数および/あるいはシンボル番号、PSSCHのシンボル数および/あるいはシンボル番号、RSのシンボル数および/あるいはシンボル番号などがある。GAP,PSFCHのシンボル数および/あるいはシンボル番号をミニスロットの設定のための情報に含めてもよい。
通常のスロットとの関係を示す情報をミニスロットの設定のための情報に含めてもよい。通常のスロットとの関係を示す情報は、たとえば、ミニスロットが通常のスロットの何シンボル目から何シンボル目かを示す情報などである。対象となるミニスロットを通常のスロットのシンボル番号で設定するとよい。ミニスロットのPSCCH、PSSCH、GAP、PSFCHについても同様である。このようにすることで、ミニスロットの設定を行うことが可能となる。
送信UEが受信UEにミニスロットの設定を通知する他の方法を開示する。ミニスロットの設定のための情報は、MACシグナリングを用いて通知してもよい。ミニスロットの設定のための情報をMAC制御情報に含めてもよい。ミニスロットの設定のための情報をPC5シグナリングで通知してもよい。あるいは、SLのユニキャスト通信において対向するUE間でRRC接続が実施される場合、SLのRRCシグナリングを用いて、ミニスロットの設定のための情報を通知してもよい。ミニスロットの設定のための情報をSLのRRC情報に含めてもよい。
送信UEが受信UEにミニスロットの設定を通知する他の方法を開示する。送信UEはミニスロットの設定をPSBCHで通知する。送信UEはミニスロットの設定を、報知情報に含めて、PSBCHにマッピングして、通知する。このようにすることで、送信UE毎にミニスロットを設定するような場合に、受信UEに対して個別にミニスロットの設定を通知する必要がなくなる。SL通信でのシグナリング量を削減することが可能となる。
ミニスロット設定のアクティベーション(activation)および/あるいはデアクティベーション(deactivation)を示す情報を設けてもよい。以降、該情報をミニスロット設定のact/deact情報と称する。送信UEが受信UEにミニスロット設定のact/deact情報を通知する。該情報の通知には、ミニスロットの設定のための情報の通知方法を適用するとよい。
たとえば、送信UEは受信UEに、ミニスロットの設定のための情報を通知する。以後、送信UEはミニスロット設定のact情報を通知する。ミニスロットの設定毎に識別子を設けておき、ミニスロット設定のact/deact情報とともに該識別子を通知してもよい。このようにすることで、複数のミニスロット設定が存在するような場合も、どのミニスロット設定をアクティベーションしてよいかを認識可能となる。
受信UEは、ミニスロット設定のact情報の受信により、ミニスロット設定を適用する。送信UEはミニスロットで送信を行い、受信UEはミニスロットで受信する。送信UEは受信UEにミニスロット設定のdeact情報を通知する。受信UEはミニスロット設定のdeact情報の受信により、ミニスロット設定を解除する。受信UEは通常のスロットの受信を行ってもよい。このようにすることで、SLでミニスロットの設定を終了することが可能となる。
このようにすることで、SLでミニスロットの設定が可能となり、ミニスロットを用いた送受信が可能となる。
SLにおけるミニスロットの設定方法について他の方法を開示する。SLでのミニスロットの設定はgNBが行う。gNBが、SLでのミニスロットの設定を行い、該設定を送信UEに通知する。送信UEは、受信したSLでのミニスロットの設定を、受信UEに通知する。該通知にはgNBとUEとの間のUuインタフェースを用いる。gNBは、SLでのミニスロット設定のための情報をDCIに含めて、SL通信の送信UEに対してPDCCHで通知するとよい。ダイナミックな設定が可能となる。あるいは、gNBはSL通信の送信UEに対して、SLでのミニスロット設定情報をMACシグナリングで通知してもよい。あるいは、SLでのミニスロット設定情報をRRCシグナリングで通知してもよい。受信誤りを低減可能となる。
ミニスロット設定のための情報は、前述した例を適用するとよい。SL通信の送信UEから受信UEに対してミニスロットの設定を通知する方法は、前述の方法を適用するとよい。
ミニスロット設定のact/deactはSL通信の送信UEが設定してもよい。SL通信の送信UEが、ミニスロット設定のact/deactを設定して、受信UEに通知する。この方法には前述の方法を適用するとよい。送信UEがミニスロット設定のact/deactを設定することで、SLで送信するデータのサービスに応じたミニスロットの設定を可能とする。ミニスロット設定のact/deactまでの設定時間を短縮可能となる。
ミニスロット設定のact/deactの他の方法を開示する。ミニスロット設定のact/deactはgNBが設定してもよい。gNBが、ミニスロット設定のact/deactを設定して、SL通信の送信UEに通知する。ミニスロット設定のact/deact情報を受信した送信UEは、該情報を受信UEに通知するとよい。これらの通知方法には、前述のミニスロット設定のための情報の通知方法を適用するとよい。gNBがミニスロット設定のact/deactを設定することで、SL通信を行う他のUEへの設定を考慮することが可能となる。ミニスロット設定を行うリソースの衝突を低減することが可能となる。
このようなプリエンプション方法とすることで、SL通信においてミニスロットのプリエンプションンを可能にする。
図27は、SL通信におけるプリエンプション方法の第4例を示す図である。図27は、図25と同様に、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットが連続してスケジューリングされている場合におけるプリエンプション方法を例示している。図27の例では、UE3は、3スロット連続のスケジューリングが行われた場合でも、毎スロットのPSCCH領域を受信するようにしておく。このことを規格等で静的に決めておいてもよい。
あるいは、毎スロットのPSCCH領域を受信することを示す情報を、gNBが、SL通信を行うUEに対して通知してもよい。gNBは該情報を、SIBに含めて報知しても良いし、RRCシグナリングでUEに通知してもよい。あるいは、該情報がUEに予め設定されていてもよい。
他の方法を示す。毎スロットのPSCCH領域を受信することを示す情報、あるいは、毎スロットのPSCCH領域を受信するかしないかを示す情報を、最初のスロットのPSCCHに含めてもよい。該情報は、連続した複数スロットでスケジューリングを行う場合のスケジューリング情報を含めるPSCCHに含めてもよい。このようにすることで、UE2は、連続した複数スロットのスケジューリングをUE1から受信することで、毎スロットのPSCCH領域を受信することを示す情報を受信することができる。たとえば、UE1が2番目のスロットのリソースをUE3にプリンプトする場合、UE1は、UE2に対して、毎スロットのPSCCH領域を受信することを示す情報を送信する。このようにすることで、UE2は、2番目のスロットのPSCCHを受信することが可能となる。
また、UE1は、UE2に対するPIを、2番目のスロットのPSCCHに含めて送信する。図24の例と同様に、UE1は、2番目のスロットのPSCCHで、UE3に対するPSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報を含むSCIと、UE2に対するPIと、を送信する。このようにすることで、UE2はPIを受信可能となる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報を通知する。また、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知する。1番目のスロットのPSCCHにはUE3に対するスケジューリング情報がマッピングされ、UE2に対するスケジューリング情報がマッピングされない。このため、UE2は1番目のスロットのスケジューリング情報を受信できないことになる。このような場合、UE1の送信処理は、UE2に対して1番目のスロットで送信しない処理であってもよいし、UE2の受信処理は、1番目のスロットで受信しない処理であってもよい。
このようにすることで、UE2が、1番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。毎スロットのPSCCH領域を受信することが規格等で静的に決められている場合や、gNBから通知されている場合など、UEが毎スロットのPSCCH領域を受信することになる場合は、UE2は2番目のスロットのPSCCHを受信するとよい。UE1からUE2に対して2番目のスロットでPSSCHがスケジューリングされている場合、該スケジューリング情報を受信可能となり、PSSCHを受信できる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合、UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対するPIを通知しなくてもよい。UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE3に対するスケジューリング情報のみを通知してもよい。UE2は1番目のスロットがUE3にスケジューリングされていることを認識した場合、UE2は1番目のスロットを受信しないとするとよい。このようにすることで、UE2が、1番目のスロットで、UE3に対するデータを誤受信するのを回避することができる。
PIに、毎スロットのPSCCH領域を受信することを示す情報を含めてもよい。UE1は、1番目のスロットのPSCCHでUE2に対してPIを通知する。これにより、UE1からUE2に対して2番目のスロットでPSSCHがスケジューリングされている場合、該スケジューリング情報を受信可能となり、PSSCHを受信できる。
図27で開示したような方法とすることで、図25あるいは図26で開示した方法とは異なり、UE1が、UE2に対するPIを、連続してスケジューリングされた複数スロットの次のスロットで送信する必要がなくなる。このため、UE2は、PIを早期に受信することによって、リソースがプリエンプトされたか否かの判断を、より早期に実施可能となる。UE2は、プリエンプトされたリソースを除外してデータの復調を、より早期に実施可能となる。また、UE2は、次のスロットに含まれるPIを受信するまでデータを保持するという動作を行わなくても済む。それにより、UE2におけるデータバッファ容量を低減できる。
SL通信におけるプリエンプション方法の他の例を開示する。PI送信用のリソースを設ける。PI送信用のリソースを、プリエンプトされる通信のリザベーションされたリソースあるいはアロケーションするリソース内であって、プリエンプトするリソース外に設けるとよい。PI送信用のリソースは時間−周波数リソースであってもよい。リソースの時間単位は例えば、スロット、ミニスロット、シンボル、1/nシンボルであってもよい。リソースの周波数単位は例えば、PRB、サブキャリアであってもよい。
PI送信用リソースの構成は例えば、スロット番号、シンボル数、シンボル番号、PRB数、PRB番号などとするとよい。PI送信用のリソース構成は予め静的に規格等で決められてもよい。あるいは、gNBが、PI送信用リソース構成を決定し、決定したリソース構成を、SL通信を行うUEにSIBで通知してもよい。あるいは、gNBが、PI送信用リソース構成を決定し、決定したリソース構成をSL通信の送信UEにRRCシグナリングで通知してもよい。送信UEは受信UEに対して、PSCCHでPI送信用リソース構成を通知してもよい。
あるいは、SL通信の送信UEが、PI送信用リソース構成を決定し、決定した構成を受信UEに通知してもよい。送信UEは受信UEに対して、PSCCHでPI送信用リソース構成を通知してもよい。SL通信における送信UEおよび/あるいは受信UEは、PI送信用リソース構成を受信すると、該PI送信用リソース構成を用いてPIの送信、受信が可能となる。
送信UEは、PIをPI送信用のリソースで送信する。PIを含むチャネルを設けて、PI送信用のリソースにマッピングしてもよい。PIをPSCCHに含めて、PI送信用のリソースにマッピングしてもよい。受信UEは、PI送信用リソース構成が通知された場合、該PI送信用リソースを受信するとしてもよい。
あるいは、PI送信用リソース受信のアクティベーションおよび/あるいはデアクティベーションを示す情報を設けてもよい。送信UEは、受信UEに対して、PI送信用リソース受信のact/deact情報をPSCCHで送信する。受信UEは、PI送信用リソース受信のact情報を受信した場合に、PI送信用リソース構成を用いてPI送信用リソースを受信する。受信UEは、PI送信用リソース受信のdeact情報を受信した場合に、PI送信用リソース構成を用いてPI送信用リソースの受信を終了する。
具体例を開示する。複数の連続スロットでスケジューリングを行う場合、送信UEは、PI送信用のリソースとして、最後のスロットのGAPの直前のシンボルを用いる。送信UEは該シンボルでPIを送信する。送信UEは、最初のスロットのPSCCHで、該PI送信用リソース構成を、受信UEに送信するとよい。このようにすることで、受信UEは、PI送信用のリソース構成を受信可能となり、該構成を用いてPIを受信可能となる。
このような方法とすることで、複数の連続スロットでのスケジューリングが実施されたリソースをプリエンプトするような場合も、複数の連続スロット内でPIを送信可能となる。そのため、図25、図26の例とは異なり、送信UEはPIを該連続スロットの次のスロットのPSCCHで送信しなくて済む。また、受信UEは、PIを受信するために、設定されたPI送信用リソースのみを受信すればよい。そのため、図27で示した方法とは異なり、受信UEは毎スロットのPSCCHを受信しなくて済む。また、受信UEは、PIを受信するために、プリエンプトされる通信のリザベーションされたリソースあるいはアロケーションするリソースを受信すればよい。受信UEでの処理を簡易にすることが可能となる。
前述の方法では、PI送信用のリソースを設けることを開示した。送信UEは、PI送信用リソースでPIを送信する。この際、送信UEはデータを送信しない。ここでは、SL通信におけるプリエンプション方法の他の例を開示する。
送信UEは、PI送信用リソースで、PIあるいはPIを含むチャネルと、データとを多重して送信する。送信UEは、PSCCH用のリソースで、PIを含めるPSCCHとデータとを多重してもよい。多重方法として、コード多重を用いるとよい。コード多重の方法として、たとえば、PIを含むチャネルに所定のスクランブリングコードを乗じる方法を用いてもよい。あるいは、PIを含むチャネルに所定のZC(Zadoff-Chu)シーケンスを用いてもよい。
該所定のスクランブリングコードあるいは所定のZCシーケンスは、あらかじめ静的に規格等で決められても良いし、送信UEから受信UEに通知されてもよい。このようにすることで、受信UEは、データからPIを分別して復調可能となり、PIを受信可能となる。
データあるいはデータ復調用RSと、PIを含むチャネルとに、異なるスクランブリングコードを乗じてもよい。あるいは、データあるいはデータ復調用RSと、PIを含むチャネルとに、異なるZCシーケンスを用いてもよい。これらのスクランブリングコードあるいはZCシーケンスは、あらかじめ静的に規格等で決められても良い。あるいは、gNBが、スクランブリングコードあるいはZCシーケンスを決定し、決定したスクランブリングコードあるいはZCシーケンスを、SL通信を行うUEに通知してもよい。あるいは、送信UEが、スクランブリングコードあるいはZCシーケンスを決定し、決定したスクランブリングコードあるいはZCシーケンスを受信UEに通知してもよい。このようにすることで、受信UEは、データとPIとを分別して復調可能となり、データとPIとを受信可能となる。
SL通信におけるプリエンプション方法の他の例を開示する。PI送信用のリソースを、プリエンプトされる通信のリザベーションされたリソースあるいはアロケーションするリソースの外に設ける。PI送信用リソース構成は周期的であってもよい。PI送信用のリソース構成、PI送信用リソース構成の通知方法、送信UEおよび受信UEでのPI送受信方法については、前述の例、すなわち、PI送信用のリソースを、プリエンプトされる通信のリザベーションされたリソースあるいはアロケーションするリソース内であって、プリエンプトするリソース外に設ける場合で開示した例を適用するとよい。
SL通信を行う送信UEは、PI送信用リソースを除外して、SL通信用リソースを選択してリソースリザベーションするとよい。SL通信用のリソースとPI送信用リソースとの衝突を回避させることが可能となる。
このようにすることで、PI送信用のリソースの候補を増大させることが可能となる。また、プリエンプトされる通信のリソースを低減させることなく、PI送信を行うことが可能となる。
PI送信用のリソースを、プリエンプトされる通信のリザベーションされたリソースあるいはアロケーションするリソースの内外に設けてもよい。前述に開示した方法を適用するとよい。
前述の図の例では、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションが周期的に行われる場合について開示した。本実施の形態4で開示したような方法は、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションあるいはスケジューリングが周期的に行われる場合でなくてもよく、たとえば、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションあるいはスケジューリングが非周期的に行われる場合に適用してもよい。本実施の形態4で開示したような方法は、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションあるいはスケジューリングがダイナミックに行われる場合に適用してもよい。同様の効果を得ることが可能となる。
プリエンプション可能か否かの判断は送信UEが行うとよい。送信UEは、すでにあるサービスの通信のためにリザベーションあるいはスケジューリングしたリソースを、他のサービスの通信のためにプリエンプトすることが可能か否かを判断する。該判断に、サービスに関する情報を用いてもよい。サービスに関する情報は、例えば、QoS情報、QCI、PPPP、要求される遅延時間、要求されるスルーレート等であってもよい。
たとえば、すでにリザベーションあるいはスケジューリングしているサービスよりも、後から発生した送信データのサービスの方が、要求される遅延時間が小さい場合、プリエンプション可能とする。
具体例を示す。送信UEは、要求遅延時間がL1のサービスの通信のためにリソースをリザベーションしている。このような状態において、送信UEにおいて、要求遅延時間がL2のサービスの送信データが発生したとする。ここで、要求遅延時間L2の方が、要求遅延時間L1より小さい(L1>L2)とする。このように、後から発生したサービスの要求遅延時間が小さい場合、プリエンプション可能とする。送信UEは、これらのサービスの要求遅延時間を比較し、後から発生したサービスの要求遅延時間が小さい場合、プリエンプション可能と判断する。
これらの判断は、SLのMACにおいて行われてもよい。SLのMACが、サービスに関する情報を用いてプリエンプション可能か否かを判断するとよい。SLのMACは上位レイヤからサービスに関する情報を取得するとよい。SLのMACでプリエンプション可能か否かを判断することによって、プリエンプトする通信のためのスケジューリングと、プリエンプトされる通信のためのスケジューリングとの協調処理を容易にすることができる。
本実施の形態4で開示したような方法とすることで、SLにおけるプリエンプションを可能にする。このため、送信UEが複数のサービスのデータを送信する状況において、各サービスで受信UEが異なる場合であっても、低遅延特性が要求されるサービスのSL通信においてプリエンプションを実施することができる。それにより、通信に要求される低遅延特性を満足させることが可能となる。
実施の形態4の変形例1.
実施の形態4では、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEが同じ場合におけるプリエンプション方法について開示した。本変形例1では、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEが異なる場合におけるプリエンプション方法について開示する。
プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEが異なる場合、プリエンプトされる通信の受信UEに、プリエンプトが行われたことをどのように通知するかだけでなく、プリエンプトされる通信の送信UEに、プリエンプトが行われたことをどのように通知するかが問題となる。プリエンプトされる通信の送信UEが、プリエンプトが行われたことを認識しない場合、該送信UEは、プリエンプトされたリソースでデータ送信を行うことになり、プリエンプトする通信と衝突してしまうからである。該衝突により、プリエンプトされる通信の受信UEも、プリエンプトする通信の受信UEも、データを受信できなくなってしまう。本変形例1においては、このような問題を解決する方法を開示する。
プリエンプトする通信の送信UEは、プリエンプトするリソースより前のスロットにおける、プリエンプトされる送信UEが受信可能なリソースを用いて、PI2を送信する。プリエンプトする通信の送信UEは、プリエンプトするリソースより前のスロットにおける、プリエンプトされる送信UEが受信可能なリソースに、PI2を含むチャネルをマッピングして、PI2を送信してもよい。プリエンプトする通信の送信UEは、プリエンプトするリソースより前のスロットにおけるPSFCHで、PI2を送信してもよい。
PI2はプリエンプションを示す情報である。PI2に含まれる情報として以下に5つの具体例を開示する。
(1)プリエンプションを示す情報。
(2)プリエンプトされるリソースの情報。
(3)プリエンプトされる場合の送信処理を示す情報。
(4)プリエンプトする通信の送信UEに関する情報。
(5)(1)から(4)の組合せ。
前述の(1)、(2)はPIと同様である。
前述の(3)について、プリエンプトされる場合の送信処理は、プリエンプトされるリソースのみ送信しない処理であってもよいし、あるいは、プリエンプトされるリソースを含む所定のリソースを送信しない処理であってもよい。所定のリソースは、たとえばスロットなどである。あるいは、所定のリソースは、複数の連続するスロットであってもよい。他の例として、プリエンプトされる場合の送信処理は、一部のリソースがプリエンプトされるデータを全て送信しない処理であってもよい。このようにすることで、送信処理を簡易にすることができる。また、送信処理は、送信停止の処理であってもよいし、送信電力をオフあるいは低減する処理であってもよい。
前述の(4)について、プリエンプトする通信の送信UEに関する情報は、該送信UEを特定するための情報とするとよい。たとえば、該情報はUEの識別子であってもよい。プリエンプトする送信UEを明示的に示すことができ、誤動作の発生を低減させることができる。
このようにすることで、プリエンプトされた通信の送信UEは、プリエンプトされるリソースより前のスロットの受信用シンボルで、プリエンプトする通信の送信UEから、PI2を受信することが可能となる。プリエンプトされた通信の送信UEは、PI2を受信することで、プリエンプトされるリソースを認識可能となる。それにより、プリエンプトされるリソースで送信を停止させる処理などを実施可能となる。
プリエンプトする通信の送信UEから、プリエンプトする通信の受信UEへ、リソースアロケーションを含むスケジューリング情報を送信する方法、プリエンプトする通信の送信UEから、プリエンプトされる通信の受信UEへ、PIを送信する方法などは、実施の形態4で開示した方法を適用するとよい。
このようにすることで、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEが異なる場合においてプリエンプションが可能になる。
図28は、SL通信におけるプリエンプションの概要を示す図である。図28は、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEとが異なる場合について示している。UE1はプリエンプトされる通信の送信UEであり、UE2はプリエンプトされる通信の受信UEであり、UE3はプリエンプトする通信の送信UEであり、UE4はプリエンプトする通信の受信UEであるものとする。UE3からUE4への通信は、より低遅延特性が要求される通信とする。
UE1からUE2に対して、リソースのリザベーションが行われる。ここでは、図23と同様に、リソースリザベーションが周期的に行われるものとする。このように、UE1からUE2へのリソースリザベーションが既に行われている状態で、UE3においてUE4へのSLの送信がトリガされる。UE3は送信処理を行い、リソースを選択する。リソース選択は選択ウィンドウ内で行われる。
UE3は、低遅延特性が要求されるUE4への通信のために、既にUE1がUE2に対してリザベーションしているリソースをプリエンプトすることを決定する。ここでは、UE3は、送信処理後の2番目のスロットをプリエンプトする。UE3はUE4に対して、プリエンプトしたリソースを用いて送信を行う。UE1はUE2に対して、プリエンプトされたリソースで送信を行わないとしてもよい。ここでは、UE1はUE2に対して2番目のスロットで送信を行わない。
このように、UE3は、UE1がUE2に対して既にリザベーションしているリソースを、UE4に対してプリエンプトして送信する。このようにすることで、より低遅延特性が要求されるUE4に対する通信を、低遅延で行うことが可能となる。
図29は、SL通信におけるプリエンプション方法の第1例を示す図である。図29は、図28と同様に、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットを示している。各スロットにPSCCH、PSSCH、GAP、PSFCHがマッピングされる。
図29は、UE1からUE2に既に3スロットのリソースがリザベーションされている場合に、2番目のスロットがプリエンプトされる場合について示している。UE3においてUE4へのSLの送信がトリガされ、UE3はUE4への通信のために、送信処理後の2番目のスロットのリソースをプリエンプトすることを決定する。1番目と3番目のスロットは通常どおりUE1からUE2に対して送信を行うため、UE1はUE2に対してPSCCH、PSSCHを送信する。
UE3は、プリエンプトする2番目のスロットの直前のスロット(すなわち1番目のスロット)における、UE1が受信可能なシンボルで、PI2を送信する。ここでは、UE3はPI2を、PSFCHに含めて、UE1が受信可能なシンボルで送信する。
このようにすることで、UE1は、プリエンプトされる2番目のスロットより前で、PI2を受信することができる。PI2を受信したUE1は、プリエンプトされたリソースを認識可能となる。このため、UE1は、プリエンプトされたリソースで、たとえば送信を停止することができる。ここでは、プリエンプトされた2番目のスロットで、UE1は送信停止する。このようにすることで、UE1は、プリエンプトされる2番目のスロットで、UE3からUE4への通信に干渉を与えないようにすることができる。
UE3は、UE4に対する送信処理後の2番目のスロットを、UE4の通信用にプリエンプトする。2番目のスロットでは、UE2へのリソースがプリエンプトされることになる。プリエンプトした2番目のスロットで、UE3は、UE4に対するPSCCH、PSSCHを送信する。プリエンプトしたスロットは、GAP、PSFCHがマッピングされるように構成されてもよい。UE3は、UE4に対するPSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報と、UE2に対するPIとを、プリエンプトしたスロットのPSCCHに含めて、送信する。PSCCHはUE2も受信可能なので、UE3から送信されたPSCCHに含まれるPIをUE2が受信可能となる。
このようにすることで、UE2が、他のUEにプリエンプトされたリソースを誤受信するのを避けることが可能となる。UE4は、2番目のスロットのPSCCHを受信してPSSCHが自UE宛であることを認識し、SCIに含まれるスケジューリング情報を用いてPSSCHを受信することができる。
PI2あるいはPI2を含むチャネルと、PSFCHとを多重してもよい。プリエンプトする通信の送信UEは、プリエンプトされる送信UEが受信可能なリソースで、PI2あるいはPI2を含むチャネルと、PSFCHとを多重して送信してもよい。
PI2とPSFCHとの多重方法について開示する。時間分割多重を用いるとよい。UE1が受信可能なシンボルを用いて、多重を行うと良い。UE1が受信可能なシンボルで、PI2をマッピングするシンボルと、PSFCHをマッピングするシンボルとを異ならせる。このようにすることで、UE1はPI2とPSFCHとを受信可能となる。
PI2が有る場合と無い場合とで、スロットフォーマットの設定を変えてもよい。たとえば、PI2が有る場合はスロット内の受信用シンボルは2とし、PI2が無い場合はスロット内の受信用シンボルは1とする。このようにすることで、PI2が無い場合に、PI2用のシンボルを確保しておく必要がなく、他の用途(たとえば送信用)に該シンボルを使用可能となる。リソース使用効率を向上させることが可能となる。
PI2とPSFCHとの他の多重方法について開示する。周波数分割多重を用いるとよい。UE1が受信可能なシンボルの周波数領域を用いて、多重を行うと良い。UE1が受信可能なシンボルにおいて、PI2をマッピングする周波数領域(たとえばPRB)と、PSFCHをマッピングする周波数領域(たとえばPRB)とを異ならせる。このようにすることで、UE1はPI2とPSFCHとを受信可能となる。
PI2とPSFCHとの他の多重方法について開示する。コード分割多重を用いるとよい。UE1が受信可能なシンボルにおいて、スクランブリングコードやZCシーケンスを用いて多重すると良い。UE1が受信可能なシンボルにおいて、PI2に乗じるスクランブリングコードと、PSFCHに乗じるスクランブリングコードとを異ならせる。このようにすることで、UE1はPI2とPSFCHとを受信可能となる。ZCシーケンスのCS(Cyclic Shift)を用いて多重を行ってもよい。同様に効果を得られる。
PI2をPSFCHに含ませてもよい。たとえば、HARQフィードバック情報とPI2の情報とをPSFCHに含ませると良い。たとえば、SLフィードバック制御情報(SFCI(Sidelink Feedback Control information))を設けて、該情報をPSFCHにマッピングする。SFCIにHARQフィードバック情報とPI2の情報とを含ませると良い。
PI2をPSFCHに含ませて、該PSFCHを他のUEからのPSFCHと多重してもよい。多重方法は前述の方法を適用するとよい。このようにすることで、UE1はPI2とPSFCHとを受信可能となる。
このようなプリエンプション方法とすることで、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEとが異なる場合でも、SL通信においてプリエンプションを可能にする。低遅延特性が要求される通信のために、既にアロケーションあるいはリザベーションされたリソースをプリエンプトすることが可能となる。これにより低遅延特性の要求を満足させることが可能となる。
プリエンプトされたリソースのUE1での送信処理およびUE2での受信処理については、実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図24の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。また、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータの処理についても実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図24の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合の処理については、実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図24の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。
図30は、SL通信におけるプリエンプション方法の第2例を示す図である。図30は、図29と異なり、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットが連続してスケジューリングされている場合におけるプリエンプション方法を例示している。連続する3つのスロットでPSCCH、PSSCH、GAP、PSFCHがマッピングされる。PSCCHは連続する3つのスロットの最初のスロットにマッピングされる。
従来、GAP、PSFCHは、連続する3つのスロットの最後のスロットにマッピングされる。本変形例1では、各スロットに受信用のシンボルをマッピングする。ここでは、受信用のシンボルにPSFCHをマッピングしている。
UE3は、プリエンプトする2番目のスロットの直前のスロット(すなわち1番目のスロット)における、UE1が受信可能なシンボルで、PI2を送信する。ここでは、UE3はPI2を、PSFCHに含めて、UE1が受信可能なシンボルで送信する。
このようにすることで、UE1は、プリエンプトされる2番目のスロットより前で、PI2を受信することができる。PI2を受信したUE1は、プリエンプトされたリソースを認識可能となる。このため、UE1は、プリエンプトされたリソースで、たとえば送信を停止することができる。ここでは、プリエンプトされた2番目のスロットで、UE1は送信停止する。このようにすることで、UE1は、プリエンプトされる2番目のスロットで、UE3からUE4への通信に干渉を与えないようにすることができる。
図29の例では、プリエンプトされる2番目のスロットのPSCCHに、UE3からUE4に対するPSSCHのリソースアロケーション情報などのスケジューリング情報と、UE3からUE2に対するPIとを含めた。図30の例では、UE1からUE2に対して、連続する3つのスロットを用いてスケジューリングするので、2番目のスロットでPSCCHは送信されない。したがって、UE2は2番目のスロットのPSCCHを受信しない。2番目のスロットのPSCCHでPIを送信したとしても、UE2はPIを受信しないことになる。
このような問題を解決するため、本変形例1では、UE3が、PIを、連続してスケジューリングしたスロットの次のスロットのPSCCHに含めて送信する。UE2は、連続してスケジューリングされたスロットの次のスロットのPSCCHを受信する。これにより、UE2は、PSCCHにPIが含まれているか否かを判断可能となる。したがって、UE2は、リソースがプリエンプトされているか否かを判断することができる。
UE2は、スケジューリングされた連続スロットにおいてリソースがプリエンプトされているかを判断するまで、受信したデータを保持しておくと良い。リソースがプリエンプトされている場合、UE2は、プリエンプトされたリソースを除外して、データを受信する。リソースがプリエンプトされていない場合は、UE2は連続する3スロットからデータを受信する。このようにすることで、UE2が、プリエンプトされたデータを誤受信することを回避することができる。
2番目のスロットのPSCCHは、UE3からUE4に対して送信され、該PSCCHにはPIを含めない。UE4は、2番目のスロットのPSCCHを受信することで、PSSCHのスケジューリング情報を取得し、PSSCHを受信可能となる。
プリエンプトされたリソースのUE1での送信処理およびUE2での受信処理については、実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図25の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。また、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータの処理についても実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図25の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットをプリエンプトする場合の処理については、実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図25の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。
このようなプリエンプション方法とすることで、SL通信において、連続した複数スロットでスケジューリングが行われたとしても、プリエンプションを可能にする。
図31は、SL通信におけるプリエンプション方法の第3例を示す図である。図31は、図30と同様に、プリエンプトするリソースを含む3つのスロットが連続してスケジューリングされている場合におけるプリエンプション方法を例示している。図31は、図30と異なり、プリエンプトするリソースがミニスロットの場合について示している。
プリエンプトするリソースがミニスロットの場合も、図30で開示した方法と同様に、UE3は、PIを、連続してスケジューリングされたスロットの次のスロットのPSCCHに含めて送信する。UE2は、連続してスケジューリングされたスロットの次のスロットのPSCCHを受信する。これにより、UE2はPSCCHにPIが含まれているか否かを判断可能となる。したがって、UE2は、リソースがプリエンプトされているか否かを判断することができる。
2番目のスロット内にプリエンプトするミニスロットのPSCCHは、UE3からUE4に対して送信され、該PSCCHにはPIを含めない。UE4は、ミニスロットのPSCCHを受信することで、PSSCHのスケジューリング情報を取得し、PSSCHを受信可能となる。
UE1がPI2を受信した後に、UE1がUE2に対してPSCCHでPIを送信してもよい。UE1は、PI2を受信することにより、プリエンプトされたリソースを認識することができる。このため、UE1がUE2に対してPIを送信することが可能となる。
たとえば、UE1がPI2を受信した後に、UE1は、UE2に対して連続してスケジューリングしたスロットの次のスロットのPSCCHに、PIを含めて送信する。該スロットのPSCCHには、PIがどのUEから送信されたかを示す情報、たとえばUEの識別子などを含めてもよい。PIに含まれる情報を該スロットのPSCCHに含めてもよい。これにより、UE2はどのUEからPIが送信されたかを認識可能となる。
プリエンプトされたリソースのUE1での送信処理およびUE2での受信処理については、実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図26の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。また、UE2に対してプリエンプトされたリソースのデータの処理についても実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図26の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。
UE1からUE2に対してリザベーションあるいはスケジューリングしている1番目のスロットのPSCCH領域を含むリソースをミニスロットでプリエンプトする場合の処理については、実施の形態4で開示した方法を適宜適用すると良い。たとえば、図26の例で開示した方法を適宜適用すると良い。同様の効果を得ることが可能となる。
実施の形態4で開示したSL通信におけるプリエンプション方法の他の例を、適宜適用してもよい。たとえば、PI送信用のリソースを設ける方法を適宜適用してもよい。実施の形態4ではUE1がUE2に対してPIを送信するが、本変形例1では、UE3がUE2に対してPIを送信する。UE3がPI送信用リソース構成を認識する必要がある。このため、gNBがPI送信用リソース構成を、SL通信を行うUEに、SIBで通知してもよい。あるいは、gNBが、PI送信用リソース構成を決定し、SL通信の送信UEにRRCシグナリングで通知してもよい。これらの方法を適用することで、UE3はPI送信用リソース構成を認識することが可能となる。
他の方法として、UE1がUE3に対してPI送信用リソース構成を通知してもよい。たとえば、UE1はRRCシグナリング、MACシグナリングで、UE3に、PI送信用リソース構成を通知する。あるいは、UE1はPSCCHでPI送信用リソース構成を通知してもよい。UE3は、PSCCHを受信することで、PI送信用リソース構成を認識可能となる。これにより、UE3がUE2に対してPIを送信可能となる。
前述の図の例では、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションが周期的に行われる場合について開示した。本変形例1で開示したような方法は、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションあるいはスケジューリングが周期的に行われる場合でなくてもよく、たとえば、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションあるいはスケジューリングが非周期的に行われる場合に適用してもよい。本変形例1で開示したような方法は、UE1からUE2に対してリソースのリザベーションあるいはスケジューリングがダイナミックに行われる場合に適用してもよい。同様の効果を得ることが可能となる。
SL通信においてサービスに関する情報をPSCCHに含めるとよい。SL通信における送信UEは、サービスに関する情報をPSCCHに含めて送信する。SL通信における送信UEは、サービスに関する情報をSCIに含めてPSCCHで送信してもよい。SL通信における送信UEは、サービスに関する情報をSCI1に含めてPSCCHで送信してもよい。このようにすることで、SL通信におけるUEは、PSCCHを受信することで、サービスに関する情報を取得可能となる。
プリエンプション可能か否かの判断は、プリエンプトする通信における送信UEが行うとよい。該送信UEは、他のUEの通信のためにリザベーションあるいはスケジューリングしたリソースを、自UEのサービスの通信のためにプリエンプトすることが可能か否かを判断する。該判断に、サービスに関する情報を用いてもよい。
該送信UEは、他のUEの通信のためにリザベーションあるいはスケジューリングしたリソースのPSCCHを受信して、サービスに関する情報を取得する。該送信UEは、プリエンプトするリソースより前のリソースのPSCCHを受信して、サービスに関する情報を取得してもよい。該送信UEは、他のUEのサービスに関する情報と、自UEのサービスに関する情報とを比較し、プリエンプトすることが可能か否かを判断する。サービスに関する情報によるプリエンプト可能か否かの判断方法は、実施の形態4で開示した方法を適用するとよい。
他の方法として、サービスに関する情報として、プリエンプト可能か否かの情報を設けてもよい。たとえば、最も低遅延特性が要求されるようなサービスに対して、サービスに関する情報として、プリエンプト可能であることを示す情報を含める。プリエンプト可能であることを示す情報が設定されたUEは、他のUEの通信のためにリザベーションあるいはスケジューリングしたリソースをプリエンプト可能とする。
このようにすることで、SLにおいて、たとえば、より低遅延特性が要求されるなど、プリエンプションが必要なサービスの通信のために、SLにおけるプリエンプションを可能にする。
本変形例1で開示したような方法とすることで、プリエンプトされる通信の送信UEとプリエンプトする通信の送信UEが異なる場合においても、SLにおけるプリエンプションを可能にする。このため、プリエンプトする通信の受信UEは早期にデータを受信可能となる。低遅延特性が要求されるサービスのSL通信においてプリエンプションを実施することで、通信に要求される低遅延特性を満足させることが可能となる。
実施の形態5.
SL通信用のリソースはリソースプール(以降、SLRPと称する)として設定される。SLRPは、UEにあらかじめ設定される。あるいは、gNBがSIBあるいはRRCシグナリングでUEにSLRPを通知する。
図32はUuのUL用キャリアにSLRPが設定された場合を示す図である。スロット単位でリソースを示している。網掛けハッチングの部分がUuのUL通信に用いられるリソースであり、横線ハッチングの部分がSL通信に用いられるSLRPである。UuのULで設定されるBWP(BandWidth Part)の範囲内にSLRPが設定される。SLRPはSL BWPの範囲内に設定される。図32ではSLRPの周波数範囲とSL BWPの周波数範囲を同じにしている。
このような場合、UuのUL通信とSL通信との間でのプリエンプションが考えられる。しかし、UuのUL通信とSL通信との間でのプリエンプションについてはなんら開示されていない。ここでは、UuのUL通信とSL通信との間でのプリエンプションをどのように扱うかについて開示する。
UuのUL通信に用いられるリソースを、SL通信用にプリエンプトしない。UuのUL通信に用いられるリソースを、SL通信用にプリエンプトすることを禁止する、あるいは、許可しないとしてもよい。SLRP外のリソースを、SL通信用にプリエンプトしない。SLRP外のリソースを、SL通信用にプリエンプトすることを禁止する、あるいは、許可しないとしてもよい。
SLRP内のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトしない。SLRP内のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトすることを禁止する、あるいは、許可しないとしてもよい。UuのUL通信用リソース外のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトしない。UuのUL通信用リソース外のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトすることを禁止する、あるいは、許可しないとしてもよい。
これらの設定はサービス毎に設定されてもよい。また、一方の設定のみが行われてもよい。
このようにすることで、UuのUL通信用リソースでSLの通信は行われなくなる。また、SLRPでUuの通信は行われなくなる。通信用のリソースがUuのUL通信とSL通信とで分別されることにより、たとえば、同一キャリア上でUuのUL通信とSL通信とが実施されるような場合にも、UuのUL通信とSL通信とを容易に多重することができる。これにより、NW側、端末側ともに、各々の通信処理を簡易にすることができる。
しかし、SLにおいて低遅延特性が要求されるデータが生じた場合、そのようなデータをSLRP外では送信できずに、SLRPのタイミングまで待たなければならない場合が生じる。このため、低遅延の要求を満たせなくなる場合が生じる。また、逆の場合も同様である。UuのULにおいて低遅延特性が要求されるデータが生じた場合、そのようなデータをSLRPでは送信できずに、UuのUL用のリソースタイミングまで待たなければならない場合が生じる。このため、低遅延の要求を満たせなくなる場合が生じる。このような課題を解決する方法を開示する。
このような課題を解決するため、UuのUL通信とSL通信との間でのプリエンプションを実施してもよい。UuのUL通信に用いられるリソースを、SL通信用にプリエンプトしてもよい。UuのUL通信に用いられるリソースを、SL通信用にプリエンプトすることを許可してもよい。SLRP外のリソースを、SL通信用にプリエンプトしてもよい。SLRP外のリソースを、SL通信用にプリエンプトすることを許可してもよい。
プリエンプトされるUuのUL通信用リソースは、SLRPが含まれるBWP内に限定してもよい。プリエンプションされるUuのUL用リソースは、SLRPと同じスロット内に限定してもよい。
他の方法として、UuのUL用リソースに、SL通信のプリエンプション用リソースプールを設けてもよい。SL通信のUEに対して、SLプリエンプション用のRPが設定される。SL通信の受信UEは、設定されたSLプリエンプション用のRPの構成を用いて、SLRPだけでなく、SLプリエンプション用のRPも受信する。SL通信の送信UEは、SLRPだけでなく、設定されたSLプリエンプション用のRPの構成を用いて、SLプリエンプション用のRPでも送信可能とする。
図33はUuのUL用リソースに対してSL通信用にプリエンプションを許可した場合を示す図である。スロット単位でリソースを示している。砂状ハッチングの部分がSL通信用にプリエンプトしたリソースである。該プリエンプションにはUuのUL用リソースが用いられる。SL通信用にプリエンプトするリソースは、SLRPが含まれるBWP内に設定している。
このようにすることで、SLにおいて低遅延特性が要求されるデータが生じた場合、UuのUL用リソースをSL通信用にプリエンプトすることで、SL通信を行うことが可能となる。特に、次のSLRPのタイミングまで間隔があくような場合も、それを待たずに、SL通信を行うことが可能となる。このため、低遅延特性を得ることが可能となる。
SLRP内のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトしてもよい。SLRP内のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトすることを許可してもよい。UuのUL通信用リソース外のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトしてもよい。UuのUL通信用リソース外のリソースを、UuのUL通信用にプリエンプトすることを許可してもよい。
プリエンプトされるSL通信用リソースは、UuのUL通信用リソースが含まれるBWP内に限定してもよい。プリエンプションされるSL通信用リソースは、UuのUL通信用リソースと同じスロット内に限定してもよい。
図34はSLRP内のリソースに対してUuのUL通信用にプリエンプションを許可した場合を示す図である。スロット単位でリソースを示している。斜線ハッチングの部分がUuのUL通信用にプリエンプトしたリソースである。該プリエンプションにはSL通信用リソースが用いられる。UuのUL通信用にプリエンプトするリソースは、UuのUL通信用BWP内に設定している。
このようにすることで、UuのULにおいて低遅延特性が要求されるデータが生じた場合、SL通信用のリソースをUuのUL通信にプリエンプトすることで、UuのUL通信を行うことが可能となる。特に、次のUuのUL通信用リソースのタイミングまで間隔があくような場合も、それを待たずに、UuのUL通信を行うことが可能となる。UuのUL通信用リソースの使用負荷が高い場合にも、SL通信用リソースをプリエンプトすることが可能となる。このため、低遅延特性を得ることが可能となる。
実施の形態6.
NRにおいてSLでBWPが用いられることが合意されている(非特許文献29(Draft Report of 3GPP TSG RAN WG1 #95 v0.2.0(Spokane, USA, 12th-16h November 2018)))。SLの各リソースプール(RP)は一つのSLBWPの範囲内に(予め)構成される。図35は同じキャリア内に2つのSLRPとSLBWPとが構成された場合を示す図である。各SLBWPの周波数範囲内で各SLRPが設定される。しかし、SLBWPの具体的な設定方法についてはなんら開示されていない。本実施の形態6では、SLBWPの設定方法について開示する。
SLBWPは、UuのULのBWPとは別とする。SLBWPは、UuのULで設定されるBWPとは別に設定される。このようにすることで、UuのULのBWPとは異なる周波数帯域で、SLRPを設けることが可能となる。UuのULのBWPとは異なる周波数帯域で、SL通信が可能となる。
SLRP設定の周波数範囲をSLBWPとしてもよい。Uuの通信において、BWPの設定は、UEに通信可能な周波数範囲を限定するために用いられる。SLにおいても、SLBWPの設定を、SLRP設定の周波数範囲とすることで、UEの通信可能な周波数範囲を、SLRPの周波数範囲より広い周波数範囲とする必要が無くなる。SL通信を行うUEの構成を容易にできる。
一つのSLBWPの範囲内に、複数のSLRPが設定される場合は、該複数のSLRPの周波数範囲を含む最小の周波数範囲をSLBWPとしてもよい。同様に、UEの通信可能な周波数範囲を、設定された複数のSLRPの周波数範囲を含む最小の周波数範囲より広い周波数範囲とする必要が無くなる。SL通信を行うUEの構成を容易にできる。
UEへのSLBWPの通知方法を開示する。UEに対するSLRPの設定とSLBWPの設定とを別々に行ってもよい。前述のように、SLRPの設定は、UEにあらかじめ設定される。あるいは、gNBがSIBあるいはRRCシグナリングでUEにSLRPの設定を通知する。同様に、SLBWPの設定も、UEにあらかじめ設定される。あるいは、gNBがSIBあるいはRRCシグナリングでUEにSLBWPの設定を通知する。SLBWPの設定はUuのULのBWPの設定に含めて通知されてもよい。UEに対するSLRPの設定とSLBWPの設定とが個別に行われる場合、どのSLRPがどのSLBWPに対応するかを関連付ける必要がある。
SLRPを特定するためのSLRP識別子を設ける。SLRP識別子をSLBWPの設定のための情報に含ませるとよい。設定するSLBWPに対応するSLRPのSLRP識別子を、該SLBWPの設定のための情報に含ませる。このようにすることで、UEは、SLRPとSLBWPとの対応を認識することが可能となる。また、SLRPとSLBWPの設定を個別に柔軟に変更可能となる。変更のためのSIBあるいはRRCシグナリング内の情報量を削減可能となる。
UEに対するSLBWPの設定をSLRPの設定に含めてもよい。たとえば、設定するSLRPに、SLBWPの設定のための情報を関連付けることによって、SLBWPの設定をSLRPの設定に含ませるとよい。このようにすることで、UEに対して設定するシグナリング量を低減可能となる。
SLBWPの設定のための情報として、ニュメロロジの情報を含めてもよい。UEは、SLBWPのリソースのニュメロロジを認識可能となる。SLRPのニュメロロジは、対応するSLBWPのニュメロロジとするとよい。UEは、SLRPのニュメロロジも認識可能となる。
UEは、自UEのSL通信可能な周波数範囲に関する情報を、gNBに通知してもよい。UEのケーパビリティに、該周波数範囲に関する情報を含めてもよい。UEはgNBに対してUEケーパビリティを通知してもよい。gNBは、UEのSL通信可能な周波数範囲に関する情報を用いて、UEに対してSLBWPの設定を行う。gNBはUEに対してSLBWPの設定を通知する。このようにすることで、UEは、自UEの能力を超えた周波数範囲で通信を行わなくて済む。UEでの誤動作の発生や通信断の発生を低減可能となる。
UEは、自UEのSL通信可能な周波数範囲に関する情報を、SL通信における送信UEに通知してもよい。UEのケーパビリティ情報に、周波数範囲に関する情報を含めてもよい。SL通信のUE間でUEケーパビリティを通知してもよい。送信UEは、受信UEのSL通信可能な周波数範囲に関する情報を用いて、SLBWPの設定を行う。たとえば、送信UEは、PSCCHで他のSLBWPの設定を行ってもよい。送信UEは、他のSLBWPとSLRPの設定を通知してもよい。このようにすることで、送信UEは、受信UEの能力を超えた周波数範囲で通信を行わなくて済む。UE間での誤動作の発生や通信断の発生を低減可能となる。
SL通信を行うUEは、予め設定された周波数範囲で通信を可能としておく、としてもよい。該予め設定された周波数範囲をデフォルトのSLBWPとしてもよい。UE個別にBWPが設定されない限り、デフォルトのSLBWPが設定されるとしてもよい。SLRPはデフォルトのSLBWPの周波数範囲内で設定される。このようにすることで、UE個別の設定が不要な場合、UEへのシグナリングを省くことができる。また、UEが、セルのカバレッジ外に存在してgNBからSLBWPを受信できないような場合にも、デフォルトのSLBWPを用いることが可能となる。
サービス毎にSLBWPを設定してもよい。サービス毎のSLBWPの周波数範囲内でSLRPが設定される。あるいは、QCI毎にSLBWPを設定してもよい。QCI毎のSLBWPの周波数範囲内でSLRPが設定される。QCIではなく、SLで用いられるQoS指標を用いてもよい。SLBWPは、デフォルトのSLBWPであってもよいし、UE個別に設定するSLBWPであってもよい。このようにすることで、サービス毎に適したSLRPの設定を可能とする。
本実施の形態6で開示したようなSLBWPの設定方法とすることで、SLBWPの設定をUEが認識可能となり、SL通信においてBWPの運用が可能となる。UEはSL通信において、SLBWPの範囲内で通信可能であればよい。また、gNBはUEのSL通信可能な能力に応じてSLBWPを設定可能となり、SLBWPの範囲内でSLRPの設定を可能とする。
実施の形態7.
NRにおいてUuでSUL(Supplementary UpLink)を運用することがサポートされている(非特許文献16(TS38.300))。Uuにおいては、SULはセル毎に設定され、非SULとSULは同一セルに構成される。また、gNBはUEに対してSULをPDCCHでダイナミックに設定可能である。ダイナミックなSULの設定は、UE毎にスロット毎に行われる。
SL通信においてSULを設ける。SULを用いてSL通信を行ってもよい。通常のUL、すなわち非SULで行われるSL通信の通信品質が劣化するような場合、SULを用いることで通信品質を向上させることができる。
図36は、SLにおいて非SULに加えてSULをサポートすることを示す概念図である。UuのULにおいて、非SULとSULがサポートされている。送信UEはgNBに対して、非SULだけでなくSULを用いて送信を行うことができる。SL通信においても非SULに加えてSULがサポートされる。SL通信の送信UEは受信UEに対して非SULだけでなくSULを用いて送信を行うことができる。
SLのSULは、Uuで設定されているSULと同じとしてもよい。このようにすることで、SL用のSULを別途設ける必要が無くなり、UEが複数のSULで通信を行う必要が無くなる。そのため、UEでの処理を簡略化できる。
SLのSULは、Uuで設定されているSULと異なってもよい。SLにおけるSULを設定し、該SULを用いてSL通信を行ってもよい。このようにすることで、SL用のSULをUuのSULと関係なく別途設けることができる。SLでのSULを柔軟に設定可能となる。たとえば、SL通信の通信品質に応じてSULの設定を行うことが可能となる。SL通信の通信品質を向上させることができる。
SULでのSLRP構成を、非SULでのSLRP構成と同じとしてもよい。このようにすることで、たとえば、SULおよび非SULで、SL通信のためのリソースアロケーションを同じにすることができる。
SULでのSLRP構成を、非SULでのSLRP構成と異ならせてもよい。このようにすることで、SULでのSLRP構成を、SULにおける通信負荷に適した設定とすることが可能となる。
SULと非SULとでニュメロロジは同じとしてもよい。このようにすることで、たとえば、SLRPのタイミングを同じとすることができる。あるいは、SULと非SULとでニュメロロジを異ならせてもよい。このようにすることで、SULと非SULの各キャリア周波数に適したニュメロロジとすることができる。
SULでのSLRPの時間領域の構成を、非SULでのSLRPの時間領域の構成と同じとしてもよい。SLRPの設定は、シンボル単位あるいは1/nシンボル単位で行ってもよい。このようにすることで、ニュメロロジが異なるような場合にも、時間領域の構成を同じとすることができる。
時間領域の構成を同じにすることで、たとえば、後述する、送信UEが非SUL上のPSCCHでSUL上のPSSCHをスケジューリングするような場合に有効となる。非SUL上のSLRPとSUL上のSLRPとの時間領域の構成が同じため、非SUL上のPSSCHの時間領域のスケジューリング情報と、SUL上のPSSCHの時間領域のスケジューリング情報とを同じにすることができる。このため、SUL上のSLRPを用いたスケジューリング制御を簡易にすることができる。
SULでのSLRPの時間領域の構成を、非SULでのSLRPの時間領域の構成と異ならせてもよい。時間領域の構成を異ならせることで、送信UEにおける非SULでの送信とSULでの送信とが異なるタイミングになる。このため、UEが送信可能な送信電力を非SULでの送信とSULでの送信とに分配する必要が無くなり、各リンクでの受信品質を向上させることが可能となる。また、受信UEは、非SULのSLRPとSULのSLRPとを同時に受信する必要がなくなる。このため、受信UEでの受信処理を簡易にすることができる。
図37は、非SULとSULとでニュメロロジを同じにした場合を示す図である。図37の例では、非SULのSLRP構成とSULのSLRP構成とを同じにしている。ただし、非SULとSULとで周波数が異なるので、非SULのSLRPの周波数とSULのSLRPの周波数とは異なる。図37は、UuのUL用キャリアにSLRPが設定された場合を示している。スロット単位でリソースを示している。網掛けハッチングの部分がUuのUL通信に用いられるリソースであり、横線ハッチングの部分がSL通信に用いられるSLRPである。非SUL、SULともに、UuのULで設定されるBWPの範囲内にSLRPが設定される。SLRPはSL BWPの範囲内に設定される。図37ではSLRPの周波数範囲とSL BWPの周波数範囲を同じにしている。
図38は、非SULとSULとでニュメロロジを異ならせた場合を示す図である。図38の例では、非SULとSULとでSLRPの時間領域の構成を同じにした場合を示している。スロット単位でリソースを示している。SULのシンボル間隔は非SULのシンボル間隔の1/2としている。SULのサブキャリア間隔(SCS(SubCarrier Spacing))は非SULのサブキャリア間隔の2倍となる。SLRPの設定を、SULのニュメロロジにおける1/2シンボル単位で行う。このようにすることで、非SULとSULとでニュメロロジが異なる場合も、SLRPの時間領域の構成を同じにすることができる。
SLでのSUL(以降SL SULと称する場合がある)の設定方法について開示する。SULは、UEにあらかじめ設定されてもよい。あるいは、gNBがSIBあるいはRRCシグナリングでUEにSULの設定を通知してもよい。SLでのSULに構成するSLRPの設定方法について開示する。一つのSULに一つまたは複数のSLRPが設定されてもよい。一つのSLRP構成が一つまたは複数のSULで設定されてもよい。SULと該SULで構成されるSLRPとを関連づけて設定してもよい。SULでのSLRP構成は、UEにあらかじめ設定されてもよい。あるいは、gNBがSIBあるいはRRCシグナリングでUEに、SULでのSLRP構成を通知してもよい。
SULの設定とSULでのSLRPの設定とは別々に行われてもよい。このような場合に、SULを特定するための情報を設けてもよい。該情報はSULの識別子であってもよい。あるいは、該情報はSULのキャリア識別子であってもよい。SULでのSLRPの設定のための情報として、関連付けるSULを特定するための情報を含ませるとよい。このようにすることで、たとえば、SULの設定とSULでのSLRPの設定とが別々に行われたとしても、UEが、どのSULでどのSLRP構成を設定するかを認識可能となる。
SLRPを特定するための情報を設けてもよい。該情報はSLRPの識別子であってもよい。SULの設定のための情報として、関連付けるSLRPを特定するための情報を含ませるとよい。このようにすることで、たとえば、SULの設定とSULでのSLRPの設定とが別々に行われたとしても、UEが、どのSULでどのSLRP構成を設定するかを認識可能となる。
Uuでの通信とは異なり、SL通信はセルカバレッジの内外で行われる。SLでのSULはセル毎に設定されなくてもよい。たとえば、トラッキングエリア(TA)内で同一のSULを設定してもよい。RRC_Idle状態のUEが、SL通信を行う際に、該SULを用いることが可能となる。RNA(RAN-based Notification Area)内で同一のSULを設定してもよい。RRC_inactive状態のUEが、SL通信を行う際に、該SULを用いることが可能となる。
SLでのSULをセル毎に設定してもよい。RRC_Connected状態のUEが、SL通信を行う際に、該SULを用いることが可能となる。SLでのSULをUuでのSULと同じとしてもよい。このようにすることで、Uuでの非SULとSULと同じキャリア周波数で、SL通信を行うことが可能となる。UEでのSL通信処理を簡易にすることができる。
SL SULでのスケジューリング方法を開示する。gNBがスケジューリングを行う場合について開示する。SL SULか否かを示す情報を設ける。gNBはSULか否かを示す情報を、DCIに含めて、SL通信における送信UEに対して通知する。gNBはSL SULの識別子を、DCIに含めて、送信UEに対して通知してもよい。gNBはスケジューリング情報を、DCIに含めて、送信UEに対して通知してもよい。SL通信における送信UEは、これらの情報を用いることで、SL SULでSL通信用のリソースを選択可能となる。送信UEは、該リソースで、SL通信のためのPSCCH、PSSCHを送信する。
UEは、SL SULでの送信機能および/あるいは受信機能(以降、送受信機能と称する場合がある)を備える。UEは、SL SULに関する情報をgNBに通知してもよい。SL SULに関する情報は、SL SULでの送受信機能に関する情報を含むとよい。SL SULでの送受信機能に関する情報として、SL SULとして送信および/あるいは受信可能なキャリア周波数、帯域、ニュメロロジ、MIMO多重数などがある。
UEのケーパビリティに、SL SULに関する情報を含めてもよい。UEはgNBに対してUEケーパビリティを通知してもよい。gNBは、UEのSL SULに関する情報を用いて、UEに対してSL SULの設定を行う。gNBはUEに対してSL SULの設定を通知する。このようにすることで、UEは、自UEの能力を超えたSL SULで通信を行わなくて済む。UEでの誤動作の発生や通信断の発生を低減可能となる。
UEは、自UEのSL SULに関する情報を、SL通信における送信UEに通知してもよい。UEのケーパビリティ情報に、SL SULに関する情報を含めてもよい。SL通信のUE間でUEケーパビリティを通知してもよい。送信UEは、受信UEのSL SULに関する情報を用いて、SL SULの設定を行う。たとえば、送信UEは、PSCCHでSL SULの設定を行ってもよい。送信UEは、SL SULと該SUL上のSLRPの設定を通知してもよい。このようにすることで、送信UEは、受信UEの能力を超えたSL SULで通信を行わなくて済む。UE間での誤動作の発生や通信断の発生を低減可能となる。
SL SUL上にSLRPが設定されたUEは、SL通信を受信する場合、SL SUL上のSLRPをサーチする。SL SUL上のSLRPのPSCCHをUEが受信するとしてもよい。UEは、SL SUL上でのSLRPの設定通知の受信により、SLRPのサーチをアクティベーションする。UEは、SL SUL上でのSLRPの開放設定通知の受信により、SLRPのサーチをデアクティベーションする。
SL SULのアクティベーションあるいはデアクティベーション(act/deact)を示す情報を設けてもよい。SL SULのact/dact情報を受信したUEは、SL SULでのSLRPのサーチをアクティベーションあるいはデアクティベーションする。gNBは、受信UEに対して、RRCシグナリングでSL SULのact/deact情報を通知してもよい。
SL SULのact/deact情報の利用は、SLでユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信が行われる場合に限定してもよい。SLでのユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信では、ブロードキャスト通信と異なり、受信UEが特定される。このため、SL SULのact/deact情報を、受信UEに対して、RRCシグナリングで通知可能となる。ブロードキャスト通信の場合、act/deact情報を、共通情報として、SIBあるいはRRCシグナリングで通知してもよい。受信UEを特定できない場合に有効となる。
このように、SL SULのact/deact情報を設けて、受信UEに対して通知することで、SL SUL上にSLRPの設定が行われてから該設定が開放されるまで、UEがSLSUL上のSLRPをサーチし続けずに済む。UEは、SL SULのact情報の受信からdeact情報の受信まで、SL SUL上のSLRPをサーチすれば良くなる。UEの消費電力の低減をはかれる。
図39および図40は、SL SULでSL通信を行うためのシーケンスの一例を示す図である。図39と図40とは、境界線BL3940の位置で、つながっている。図39および図40は、gNBがSL SULの設定とSLRPの設定を行う場合について示している。また、図39および図40は、gNBとSL通信を行う送信UEと受信UEについて示している。ステップST5701で、gNBはSL SULの設定を行う。ステップST5702で、gNBは非SUL(nSUL)とSULでのSLRPを各々設定する。ステップST5703、ST5704で、gNBは、UEに対して、SULの設定、非SULでのSLRPの設定、SULでのSLRPの設定を通知する。たとえば、gNBはこれらの設定をSIBに含めて報知する。SL通信を行う送信UE、受信UEともにこれらの情報を受信できる。
ステップST5706で、SL通信を受信するUEは、非SULでのSLRP内のPSCCHを受信し、自UE向けのPSCCHのサーチを開始する。図39および図40の例では、受信UEは、SULのSLRP内のPSCCHのサーチを開始しない。ステップST5705で、SL通信において送信するUEは、gNBに対して、非SUL上でユニキャスト通信を実施するため、SR(Scheduling Request)を送信する。該UEは、該SRとともに、あるいはSRの情報として、たとえば、通信の対向となるUE(受信UE)の識別子、SL通信のBSR、SLで通信するサービスに関する情報を通知してもよい。サービスに関する情報は、QoS情報、QCI、PPPP、要求される遅延時間、要求されるスルーレート等であってもよい。
SRやこれらの情報は、送信UEからgNBに対して、UuのULを用いて通知される。SRやこれらの情報は、送信UEからgNBに対して、PUCCHを用いて通知されてもよい。早期に通知可能となる。あるいは、MACシグナリングあるいはRRCシグナリングを用いてもよい。MACシグナリングあるいはRRCシグナリングではHARQがサポートされるので、低誤り率で通知可能となる。
ステップST5707で、gNBは非SULでのSL通信のためのスケジューリングを決定する。ステップST5708で、gNBは送信UEに対して、非SULでのSL通信用スケジューリング情報を通知する。ステップST5709で、送信UEは、受信したスケジューリング情報を用いて送信処理を実施する。ステップST5710で、送信UEは受信UEに対して、gNBから受信したスケジューリング情報を用いて、SLでの送信を行う。送信UEはPSCCH、PSSCHを送信する。
送信UEは、PSCCHに、SL通信を行う受信UEの識別子を含めてもよい。このようにすることで、ステップST5706でPSCCHのサーチを行っている受信UEは、送信UEからPSCCHを受信し、該PSCCHが自UE向けであると判断可能となる。送信UEからPSCCHを受信した受信UEは、PSCCHに含まれるPSSCHのスケジューリング情報を用いて、PSSCHを受信する。これにより、受信UEは送信UEからのデータを受信可能となる。
受信UEは、該データの受信可否を送信UEに送信してもよい。受信UEはデータの受信可否を、HARQフィードバック情報(Ack/Nack)として送信してもよい。また、受信UEは送信UEに対して、チャネル状態情報(CSI)を送信してもよい。また、受信UEは送信UEに対して、SRSを送信してもよい。また、受信UEは測定を実施し、送信UEに対して測定結果を送信してもよい。受信UEは測定として、送信UEから受信したRSのRSRP、RSRQの測定を行ってもよい。あるいは、受信UEは、送信UEからのRSのRSRP、RSRQに限らず、一つまたは複数のPRB、あるいはサブチャネルのRSのRSRP、RSRQの測定を行ってもよい。受信UEは、測定結果を送信UEに送信する。
ステップST5711で、送信UEは非SUL上のSL通信の測定を行う。送信UEは、受信UEから送信されたチャネルあるいは信号を用いて、通信品質の測定を行う。あるいは、送信UEは、受信UEから送信された測定結果を、測定の代わりに用いてもよい。このようにすることで、送信UEは非SULでのSL通信における測定情報を得ることができる。また、送信UEは、非SULでのSL通信における通信品質を認識することが可能となる。
ステップST5712で、送信UEはgNBに対して、非SULでのSL通信における測定情報を送信する。ステップST5713で、gNBは、送信UEから受信した測定情報を用いて、SL通信においてSULを用いるか否かを決定する。通信品質に所定の閾値を設けてもよい。たとえば、該閾値を下回った場合に、gNBはSL通信にSULを用いると決定してもよい。
gNBはあらかじめ、所定の閾値を送信UEに通知してもよい。送信UEは、ステップST5711で得た測定結果から、SL通信にSULを用いた方が良いか否かを決定する。通信品質が該閾値を下回った場合、送信UEは、SL通信にSULが必要と判断し、ステップST5712でgNBに対してSL通信にSULを用いることを要求してもよい。ステップST5713で、gNBは、送信UEからの要求に応じて、SL通信にSULを使用することを決定してもよい。
ステップST5714、ST5715で、gNBはSL SULのact情報を通知する。gNBは、SL SULでのSLRPのact情報を通知するとしてもよい。SL SULでのSLRPのact情報の通知により、該SL SULをアクティベーションする。図39および図40の例では、gNBは送信UEと受信UEに対してRRCシグナリングで、SULでのSLRPのact情報を通知している。送信UE、受信UEは、gNBに対して、SULでのSLRPのact情報を受信完了したことを通知してもよい。該通知にRRCシグナリングを用いてもよい。SULでのSLRPのact情報を受信した受信UEは、ステップST5704で受信したSULでのSLRP設定を用いて、ステップST5716でSULでのSLRPのPSCCHのサーチを開始する。
gNBは、ステップST5717でSULでのSL通信用スケジューリングを行い、ステップST5718で送信UEに対してSULでのSLスケジューリング情報を通知する。ステップST5719で、送信UEは送信処理を行う。ステップST5720で、送信UEは受信UEに対して、gNBから受信したスケジューリング情報を用いて、SULのSLでの送信を行う。送信UEはPSCCH、PSSCHの送信を行う。
送信UEは、PSCCHに、SL通信を行う受信UEの識別子を含めてもよい。このようにすることで、ステップST5716でPSCCHのサーチを行っている受信UEは、送信UEからのPSCCHを受信し、該PSCCHが自UE向けであると判断可能となる。送信UEからPSCCHを受信した受信UEは、PSCCHに含まれるPSSCHのスケジューリング情報を用いて、PSSCHを受信する。これにより、受信UEは送信UEからのデータを受信可能となる。
受信UEはSUL上の通信に、ステップST5710について開示した方法を適用してもよい。受信UEは、フィードバック情報として、該データの受信可否を送信UEに送信してもよい。受信UEはデータの受信可否を、HARQフィードバック情報(Ack/Nack)として送信してもよい。また、受信UEは送信UEに対して、チャネル状態情報(CSI)を送信してもよい。また、受信UEは送信UEに対して、SRSを送信してもよい。また、受信UEは測定を実施し、送信UEに対して測定結果を送信してもよい。受信UEは測定として、送信UEから受信したRSのRSRP、RSRQの測定を行ってもよい。あるいは、受信UEは、送信UEからのRSのRSRP、RSRQに限らず、一つまたは複数のPRB、あるいはサブチャネルのRSのRSRP、RSRQの測定を行ってもよい。受信UEは、測定結果を送信UEに送信する。
ステップST5721で、送信UEはSUL上のSL通信の測定を行う。送信UEは、受信UEから送信されたチャネルあるいは信号を用いて、通信品質の測定を行う。あるいは、送信UEは、受信UEから送信された測定結果を、測定の代わりに用いてもよい。このようにすることで、送信UEはSULでのSL通信における測定情報を得ることができる。また、送信UEは、SULでのSL通信における通信品質を認識することが可能となる。
ステップST5722で、送信UEはgNBに対して、SULでのSL通信における測定情報を送信する。gNBは、送信UEから受信した測定情報を用いて、SL通信において非SULを用いるか否かを決定する。通信品質に所定の閾値を設けてもよい。たとえば、該閾値を下回った場合に、gNBはSL通信に非SULを用いると決定してもよい。
このようにすることで、SUL上でのSL通信を可能にする。
SULのデアクティベーションの場合も同様である。たとえば、ステップST5722でSULのSL通信の測定情報を受信したgNBは、SL通信用にSULの使用を終了するか否かを判断する。たとえば、SULでのSL通信の通信品質が所定の閾値を下回った場合には、SL通信用にSULの使用を終了するとする。SULでのSL通信用にSULの使用終了を決定したgNBは、送信UEと受信UEに対して、SULでのSLRPのdeact情報を通知する。該deact情報はRRCシグナリングで通知するとよい。送信UE、受信UEは、gNBに対して、SULでのSLRPのdeact情報を受信完了したことを通知してもよい。該受信完了はRRCシグナリングで通知してもよい。SULでのSLRPのdeact情報を受信した受信UEは、SULでのSLRPのPSCCHのサーチを終了する。
このようにすることで、SLでのSULの設定が可能となり、また、SUL使用のアクティベーション、デアクティベーションが実施可能となる。このため、受信UEはSL SULのact情報の受信からdeact情報の受信まで、SL SUL上のSLRPをサーチすれば良くなる。UEの消費電力の低減を図れる。
図39および図40の例では、送信UE、受信UEは、SULでのSLRPのアクティベーション受信後も、非SULでのSL通信を終了していない。送信UE、受信UEは、非SULとSULとでSL通信を行ってもよい。また、非SULにおいても、SLでの非SUL使用のアクティベーション、デアクティベーション情報を設けてもよい。SULでのact/deact情報の通知方法と同様の方法とすることで、非SULでも、SLでの非SUL使用のアクティベーション、デアクティベーションを実施可能となる。
ステップST5710では、受信UEが非SULでのSL通信の測定を行い、該測定結果を送信UEに送信することを開示した。また、ステップST5720では、受信UEがSULでのSL通信の測定を行い、該測定結果を送信UEに送信することを開示した。測定を、非SULあるいはSULのどちらか1つに限定しなくてもよい。受信UEが非SULとSULとで測定を行ってもよい。非SULとSULとの測定結果を、送信UEとSL通信を行っているUL上で送信するとよい。
gNBは、受信UEあるいは送信UEでの非SULの測定結果とSULの測定結果を用いて、非SULでSL通信を行うか、SULでSL通信を行うかを決定してもよい。たとえば、非SULでのSL通信品質がSULでのSL通信品質よりも良好な場合に非SULでSL通信を行い、SULでのSL通信品質が非SULでのSL通信品質よりも良好な場合にSULでSL通信を行うとしてもよい。このようにすることで、通信品質のより良いSL通信を可能にする。
SLでの非SULの使用について、SULでのSLRPのアクティベーション受信により、送信UE、受信UEは、非SULでの送信、受信を終了してもよい。また、SULでのSLRPのデアクティベーション受信により、送信UE、受信UEは、非SULでの送信、受信を開始してもよい。このようにすることで、非SULとSULのどちらか1つのULを用いたSL通信が可能となる。UEは非SULとSULの両方を用いたSL通信が不要となる。受信UEは非SULあるいはSULどちらかのPSCCHをサーチすればよい。受信UEの消費電力を低減可能となる。
図41および図42は、SL SULでSL通信を行うためのシーケンスの一例を示す図である。図41と図42とは、境界線BL4142の位置で、つながっている。図41および図42において、図39および図40と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図41および図42の例は、図39および図40の例とは、SULでのSLRPのact情報の通知方法が異なる。図41および図42の例では、ステップST5801で、gNBは送信UEに対して、SULでのSLRPのact情報を送信する。gNBは、SULでのSLRPのact情報を、DCIに含めて、PDCCHで通知する。このSULでのSLRPのact情報を受信した送信UEは、ステップST5802で、受信UEに対して、SULでのSLRPのact情報を送信する。送信UEは、SLRPのact情報を、SCIに含めて、非SULで送信するPSCCHで通知する。
受信UEは、非SULで送信UEからのPSCCHを受信しているため、該PSCCHに含まれる、SULでのSLRPのact情報を受信可能となる。受信UEは、SULでのSLRPのact情報の受信により、ステップST5716でSULでのSLRPのPSCCHのサーチを開始可能となる。
このようにすることで、SL SULのアクティベーション/デアクティベーションを早期に実施することが可能となる。ダイナミックなSL SUL上でのSL通信を可能にする。このため、さらにUEの消費電力の低減を図れる。
図41および図42の例では、送信UEが受信UEへSL SULのアクティベーション/デアクティベーションを通知した。他の例として、gNBが受信UEに対して、SLRPのact/deact情報を、DCIに含めて、PDCCHで通知してもよい。同様の効果を得ることができる。
図39および図40の例ならびに図41および図42の例では、SUL上でのSL通信において、送信UEから受信UEへのスケジューリングはSULのPSCCHを用いて行われた。他の例を開示する。
SL通信において、送信UEから受信UEへのSUL上のスケジューリングを、非SULのPSCCHを用いて行ってもよい。SL通信において、送信UEは受信UEに対して、非SULのPSCCHでSULのPSSCHのスケジューリングを実施してもよい。受信UEは、非SULのPSCCHを受信して、SULのPSSCHのスケジューリングが実施されている場合、該スケジューリングに従ってSULのPSSCHを受信する。
非SULあるいはSULのどちらのスケジューリング行うかを示す情報を設けてもよい。一つまたは複数の非SULおよび一つまたは複数のSULでSL通信を行うような場合は、どの非SULあるいはSULのスケジューリングを行うかを示す情報を設けてもよい。あるいは、SULでスケジューリングを行うことを示す情報を設けてもよい。該情報をSCIに含めてもよい。該情報をSCIに含めてPSCCHにマッピングしてもよい。
非SULとSULとでニュメロロジが異なる場合、非SULにおけるスケジューリング情報からSULにおけるスケジューリング情報を導出するために、各ニュメロロジのシンボル期間あるいはSCSの比に応じた変換を行ってもよい。
このようにすることで、送信UEはPSCCHを非SUL上でのみ送信可能となるため、PSCCHの送信処理を簡易にできる。また、受信UEは非SUL上でのみPSCCHをサーチして受信すればよい。受信UEのPSCCHの受信処理を簡易にでき、消費電力の低減を図れる。
非SULあるいはSULのどちらのスケジューリング行うかを示す情報を、SL SULのact/deact情報とともに用いてもよい。送信UEは、受信UEに対して、SL SULのact情報とSUL上のPSSCHのスケジューリング情報を、SCIに含めて、非SUL上のPSCCHで通知する。受信UEは、非SUL上のPSCCHを受信することで、SL SULがアクティベーションされたこと、該SUL上でPSSCHがスケジューリングされたことを認識可能となる。受信UEは、早期にSUL上でのPSSCHを受信可能となる。
送信UEは、受信UEに対して、SL SULのdeact情報と非SUL上のPSSCHのスケジューリング情報を、SCIに含めて、非SUL上のPSCCHで通知する。あるいは、SULでスケジューリングを行うことを示す情報を設ける場合は、該情報を通知しない。受信UEは、非SUL上のPSCCHを受信することで、SL SULがデアクティベーションされたこと、非SUL上でPSSCHがスケジューリングされたことを認識可能となる。受信UEは、早期に非SUL上でのPSSCHを受信可能となる。
非SULあるいはSULのどちらのスケジューリング行うかを示す情報で、SL SULのアクティベーション/デアクティベーションを示してもよい。SUL上でのスケジューリングを示す場合、SULがアクティベーションされるとしてもよい。あるいは、非SUL上でのスケジューリングを示す場合、SULがデアクティベーションされるとしてもよい。スケジューリング毎に非SULあるいはSULのどちらのスケジューリング行うかを示す情報を送受信することで、SL SULのアクティベーション/デアクティベーションを実施可能となる。
SL通信において、送信UEから受信UEへのSUL上のスケジューリングを、非SULのPSCCHを用いて行うことを開示した。これに対し、送信UEから受信UEへの非SUL上のスケジューリングを、SULのPSCCHを用いて行ってもよい。前述の方法を適宜適用するとよい。
SL通信において、非SULあるいはSULのどちらかを主のリンクとして設定しておき、送信UE、受信UEは主のリンク上でSL通信用のPSCCHを送受信するとしてもよい。主のリンクは、SL SULの設定とともに設定されてもよい。あるいは、主のリンクは、SL SULのアクティベーション/デアクティベーションの設定ともに設定されてもよい。
このようにすることで、送信UEは、非SULあるいはSULのどちらか一方でPSCCHを送信すればよくなるため、送信処理を簡易にすることができる。また、受信UEは非SUL上でのみPSCCHをサーチして受信すればよい。受信UEのPSCCHの受信処理を簡易にでき、消費電力の低減を図れる。また、通信品質、通信範囲、通信負荷等に応じて主のリンクを変更することができるため、通信品質の向上、リソース使用効率の向上、他UEとの使用リソース衝突低減によるSL通信の遅延時間の削減が可能となる。
UuのULでの非SULとSULの切替えと、SLでの非SULとSULの切替えとを連動させてもよい。たとえば、送信UEが、gNBによってUuのULでSULが設定された場合、SL通信においてもSL SULを設定する。このようにすることで、たとえば、UuのULのSULの周波数バンドとSLのSULの周波数バンドが同じに設定されているような場合に、該周波数バンドを用いた方が良いか否かをUuのULで判断可能となる。
図39および図40の例ならびに図41および図42の例では、SUL上でのデータ送信に対するHARQフィードバックはSUL上で送信されることを開示した。1スロット内に送信UEから受信UEへのシンボルと、受信UEから送信UEへのシンボルが構成されるような場合、SL通信用にSUL上でリザベーションされたリソースの、受信UEから送信UEへのシンボルを用いて、HARQフィードバックを送信するとよい。送信UEは、SUL上でのデータ送信に対する受信UEからのHARQフィードバックを、SUL上で受信する。
受信UEにおけるHARQフィードバック送信のためのスケジューリング情報を、SCIに含めてPSCCHにマッピングしてもよい。たとえば、該スケジューリング情報を、PSCCH送信からHARQフィードバック送信までの時間間隔としてもよい。時間単位は例えば、スロット、ミニスロット、サブフレーム、シンボル、TTI等であってもよい。
PSSCHとHARQフィードバックを同じSUL上で送信することで、PSSCHに対するHARQフィードバックのスケジューリング、特に時間領域のスケジューリングを容易にすることが可能となる。送信UEのスケジューリング制御を容易にすることができ、また、受信UEでのPSSCHからHARQフィードバックまでの処理を容易にすることが可能となる。
HARQフィードバックの送信方法の他の例として、SUL上でのデータ送信に対するHARQフィードバックを非SUL上で送信してもよい。SL通信用に非SUL上でリザベーションされたリソースの、受信UEから送信UEへのシンボルを用いて、HARQフィードバックを送信するとよい。送信UEは、SUL上でのデータ送信に対する受信UEからのHARQフィードバックを、非SUL上で受信する。
このようにすることで、送信UEと受信UEの間の制御チャネルを非SUL上で送受信することが可能となる。データの送受信のみをSULを用いて送受信可能となる。データをSUL上にオフロードすることが可能となり、非SULでの通信負荷を低減させることが可能となる。
他の例として、非SUL上でのデータ送信に対するHARQフィードバックを、SUL上で送信してもよい。同様の効果を得ることができる。
HARQフィードバックを非SULあるいはSULのどちらで送信するかを設定可能としてもよい。HARQフィードバックを非SULあるいはSULのどちらで送信するかを示す情報を設けてもよい。送信UEは、該情報を、SCIに含めてPSCCHにマッピングして、受信UEに通知してもよい。該情報を、PSSCHのスケジューリング情報とともに通知してもよい。また、該情報を、HARQフィードバック送信のためのスケジューリング情報に含めてもよい。
このようにすることで、通信品質、通信範囲、通信負荷等に応じてHARQフィードバックを送信するリンクを変更することができるため、通信品質の向上、リソース使用効率の向上、他UEとの使用リソース衝突低減によるSL通信の遅延時間の削減が可能となる。
HARQフィードバックを非SULあるいはSULのどちらで送信するかを示す情報の通知方法として、送信UEから受信UEに対して、PC5制御シグナリングを用いてもよい。また、RRCシグナリングを用いてもよい。あるいは、MACシグナリングを用いてもよい。受信誤り率を低減できる。
gNBが、HARQフィードバックを非SULあるいはSULのどちらで送信するかを決定してもよい。gNBは送信UEに対して、該情報をDCIに含めて、PDCCHで通知する。あるいは、該情報の通知に、RRCシグナリングを用いてもよいし、MACシグナリングを用いてもよい。受信誤り率を低減できる。該情報を受信した送信UEは、SL通信における受信UEに対して該情報を前述の方法を適用して通知するとよい。
gNBが受信UEに対して該情報を通知してもよい。同様の方法を用いて通知するとよい。
gNBが送信UEに対して、HARQフィードバックを非SULあるいはSULのどちらで送信するかの情報を通知することで、他UEとの使用リソース衝突低減によるSL通信の遅延時間の削減が可能となる。
図39および図40の例ならびに図41および図42の例では、SUL上のSLスケジューリングをgNBが実施することを開示した。他の例を開示する。SL通信における送信UEがSUL上のSLスケジューリングを実施してもよい。SUL上のSLRP内からSL通信用のリソースを選択するとよい。送信UEは、SUL上のSLRP内から使用可能なリソースをセンシングし、使用可能なリソースの中から、SL通信に用いるリソースを選択しリザーブする。
受信UEは、前述の方法でSUL上にSLRPが設定された場合、あるいは、SUL上のSLRPがアクティベーションされた場合に、SUL上のSLRP内のPSCCHをサーチする。これにより、送信UEからのPSCCHを受信可能となる。
このようにすることで、送信UEがSUL上のSLスケジューリングを実施可能となる。送信UEは、gNBからのスケジューリングを待たずにSUL上でのSLスケジューリングを実施可能となるため、早期にSL通信を実施可能となる。SL通信を低遅延で実施可能となる。
SL通信を行うUEは、SL SULにおいて同期信号(SS)を送信してもよい。UuのSULとSL SULとが同じキャリア周波数の場合は、SL通信を行うUEは、gNBのSSを受信して同期をとればよい。SL通信を行うUEがgNBのカバレッジ外に存在する場合、SL通信を行うUEは、近傍のSL SULでSSを送信しているUEから、該SSを受信して同期をとるとよい。SL通信を行うUEは、gNBのカバレッジ内か否か、SSを送信しているUEが近傍に存在するか否かを、受信電力あるいは受信品質を用いて判断すると良い。
該判断用に、受信電力あるいは受信品質の所定の閾値を設けてもよい。たとえば、SL通信を行うUEは、gNBから、あるいは、SSを送信しているUEから、該所定の閾値以上の受信電力を受信した場合、gNBあるいはSSを送信しているUEと同期をとるようにする。このようにすることで、非SULとSULとのフレームタイミングを同期させなくてもよく、SULでの同期が可能となる。
実施の形態7で開示したようなSULの設定方法とすることで、SL通信においてSULを用いることが可能となる。このため、非SULで行われるSL通信の通信品質が劣化するような場合でもSULを用いて通信品質を向上させることができる。
実施の形態8.
NRのUuでの通信において、RLF(Radio Link Failure)の処理が規定されている(非特許文献16(TS38.300))。Uuにおける通信のため、UEがgNBと同期はずれを生じた場合にRLF処理が行われる。UEがgNBと再同期できなかった場合にRLFとなり、UEはセルリセレクションを実施し、RRC再設定(RRC_re-establishment)を実行する。RRC再設定できない場合、UEは、RRC_Idleに移行する。
NRのSLでの通信では、ユニキャストやグループキャストのサポートが検討されている。このため、SL通信においてもRLFの処理方法が要求される。しかし、SL通信はUEとUEとの間の通信であり、UEとgNBとの間の通信ではない。このため、UEとgNBとの間の通信のRLFである従来のRLF処理をなんの工夫も無く適用することができない。
送信UEと受信UEとでSL通信が不可能となった場合の処理方法が問題となる。たとえば、どのようになったら通信失敗と判断するのか、通信失敗と判断した場合の処理方法をどうするのか、などである。これらの方法が不明の場合、送信UEや受信UEは処理不能あるいは協調した処理ができなくなり、通信が正常に実施されないことになる。本実施の形態8ではこのような課題を解決するための方法を開示する。
ユニキャストあるいはグループキャスト通信において同期状態にあるか否かの判断方法について開示する。受信UEが同期状態にあるか否かを判断する。同期状態か否かの判断には、gNBから受信するPDCCHではなく、PSCCHを用いる。受信UEは、送信UEから送信されるPSCCHを、所定の回数連続で受信できた場合に、同期状態(In-Sync)と判断するとよい。受信UEは、所定の時間継続して受信できた場合に、同期状態と判断してもよい。受信UEは、所定の時間内で所定の回数連続で受信できた場合に、同期状態と判断してもよい。
受信UEは、送信UEから送信されるPSCCHを、所定の回数連続で受信できなかった場合に、同期外れ状態(Out-of-Sync)と判断するとよい。受信UEは、送信UEから送信されるPSCCHを、所定の時間継続して受信できなかった場合に、同期外れ状態と判断してもよい。受信UEは、送信UEから送信されるPSCCHを、所定の時間内で所定の回数連続で受信できなかった場合に、同期外れ状態と判断してもよい。
同期状態にあるか否かの判断に用いる所定の回数や所定の時間等の情報は、gNBから、SL通信を行うUEに、通知されてもよい。該情報は、報知情報に含められて、報知されてもよい。セル毎に該所定の値を決めることができる。あるいは、該情報は、RRCシグナリングでUE個別に通知されてもよい。あるいは、該情報は、静的に予め規格等で決められていてもよい。あるいは、該情報は、SL通信のUEに予め設定されてもよい。
所定の回数や所定の時間等の情報は、サービス毎に設定されてもよい。該情報は、サービスのQoS毎に設定されてもよい。たとえば、サービス毎に要求される遅延時間等に応じて、該所定の値を決めることができる。gNBからUEへの通知方法は前述の方法を適用すると良い。
他の方法を開示する。ユニキャストあるいはグループキャスト通信において同期状態にあるか否かの判断方法として、SLでのSS(Synchronization Signal)(以降、SLSSと称する)を用いてもよい。受信UEは、SLで同期をとるUEから送信されるSLSS用いて、同期状態にあるか否かを判断する。受信UEは、SLで同期をとるUEから送信されるSLSSを、所定の回数連続で受信できた場合に、同期状態と判断するとよい。受信UEは、SLで同期をとるUEから送信されるSLSSを、所定の回数連続で受信できなかった場合に、同期外れ状態と判断するとよい。
PSCCHでの同期と同様に、所定の回数ではなく、所定の時間、あるいは、所定の時間内の所定の回数としてもよい。
SLにおいては、受信UEが同期をとるUEと、送信UEとが異なる場合がある。前述のように、PSCCHあるいはSLSSのどちらで同期状態にあるか否かの判断を行うかを決めておくことで、SL通信の受信UEは明確に同期状態か否かを判断可能となる。その結果、誤動作の発生を低減可能となる。
同期状態か否かの判断方法として、PSCCHを用いる方法とSLSSを用いる方法とを組合せてもよい。たとえば、PSCCHとSLSSとを合わせて、所定の時間内で所定の回数連続で受信できなかった場合に、同期外れ状態と判断し、そうでない場合に同期状態と判断してもよい。このようにすることで、早期に同期外れの判断が可能となる。次の処理への移行を早期にできる。
また、たとえば、PSCCHかつSLSSで各々同期外れ状態となったときに、ユニキャストあるいはグループキャスト通信において同期外れ状態であると判断してもよい。そうでない場合に同期状態と判断してもよい。PSCCHだけ同期外れの場合、SLSSだけ同期外れの場合は、同期状態となる。このようにすることで、同期外れ状態に移行する状況を削減できる。できるかぎり、通信状態を維持することができる。
同期外れの判断をしたUEの処理を開示する。UEは再同期を行う。PSCCHを用いて同期外れの判断を行った場合は、UEは送信UEからのPSCCHを受信して再同期を行う。このようにすることで、受信UEは送信UEからのPSCCHおよびPSSCHを受信可能となる。再度SLでのユニキャスト通信が可能となる。
SLSSを用いて同期外れの判断を行った場合は、UEはSLSSを受信して再同期を行う。SLSSの受信は、直近に同期をとっていたUEのSLSSを受信することによって実施してもよい。再同期のためのSLSSの受信電力や受信品質等の閾値を設け、該閾値以上となったUEのSLSSと同期をとってもよい。
再同期のためのSLSSの受信電力や受信品質等の閾値は、同期のためのSLSSの受信電力や受信品質等の閾値と同じとしてもよい。同期処理の制御を容易にすることができる。あるいは、再同期のためのSLSSの受信電力や受信品質等の閾値は、同期のためのSLSSの受信電力や受信品質等の閾値と異ならせてもよい。たとえば、再同期の場合の閾値を同期の場合の閾値よりも低くする。再同期を容易にさせることができ、再度通信可能となるまでの遅延時間を短縮できる。
SLSSを受信して再同期を実施した受信UEは、送信UEからのPSCCHを受信する。このようにすることで、受信UEは送信UEからのPSCCHとPSSCHを受信可能となる。再度SLでのユニキャスト通信が可能となる。
SLSSを用いて同期外れの判断を行った場合、送信UEからのPSCCHはまだ受信可能となっている場合がある。このような場合、SLSSを受信して再同期を実施した受信UEは、該送信UEからのPSCCHを受信継続してもよい。このような場合に、SLでのユニキャスト通信を継続可能となる。
同期状態か否かの判断方法に応じて、これらの再同期の方法を適宜組合せて用いてもよい。同期外れや再同期の処理を簡易にすることが可能となる。
受信UEが同期外れ状態になった後に再同期を実施できなかった場合は、SL通信終了とするとよい。SLにおけるユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信が終了したと判断する。SL通信終了となった受信UEは、新たにSL通信のための同期処理を行い、SLRPのPSCCHをサーチし、送信UEからのPSCCHを受信して、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信処理を開始する。このようにすることで、SL通信における通信品質の劣化等により受信UEで同期外れ状態になったような場合も、新たなSL通信を開始可能となる。
SL通信終了となった受信UEは、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信におけるこれらの通信のために設定されているRRC設定をリリースする。また、SL通信での各プロトコルの設定をリリースするとしてもよい。たとえば、SL通信でのPDCP、RLC、MAC、PHY等の設定をリリースする。あるいは、SL通信でのPDCP、RLC、MAC、PHYでバッファされているデータを破棄する。このようにすることで、UE内の処理負荷の削減やバッファ容量の削減を可能とする。
また、SLでベアラを設定するような場合、SL通信終了となった受信UEは、該ベアラ設定をリリースするとしてもよい。SLで設定されたベアラで構成される各プロトコルがリリースされる。同様の効果を得ることができる。
同期外れ状態開始からの時間をタイマで管理してもよい。同期外れ状態開始からタイマ内で再同期した場合は、同期状態にもどり、タイマをリセットする。同期外れ状態開始からタイマ内に再同期できなかった場合は、SL通信終了とし、タイマをリセットするとよい。このようにすることで、再同期処理を行う期間が長期化することを回避することができる。
受信UEは、同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信におけるこれらの通信のために設定されているRRC設定の一部または全部をリリースしない、あるいは、保持するとしてもよい。たとえば、SL通信でのPDCP、RLC、MAC、PHY等の設定の一部または全部をリリースしない、あるいは、保持する。あるいは、SL通信でのPDCP、RLC、MAC、PHYでバッファされている一部または全部のデータを破棄しない、あるいは、保持する。
また、SLでベアラを設定するような場合、受信UEが同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、受信UEは、該ベアラ設定の一部または全部をリリースしない、あるいは、保持するとしてもよい。
送信UEは、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信におけるこれらの通信のために設定した、RRC設定の一部または全部、あるいは、ベアラ設定の一部または全部を、受信UEが保持している間、保持するとしてもよい。後述する、同期外れ状態開始から再同期までのタイマや、該再同期できなかった時点からSL通信のための同期処理完了までのタイマを考慮して、保持する期間を設定するとよい。送信UEは、該保持する期間を超えても、受信UEとの間で通信が再開されなかった場合は、保持していたRRC設定の一部または全部、あるいは、ベアラ設定の一部または全部をリリースする。このようにすることで、SL通信を再開した場合も、保持した該設定を用いることで、早期に通信が可能となる。
受信UEは、同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、これらの設定の一部または全部を保持したまま、新たにSL通信のための同期処理を行い、SLRPのPSCCHをサーチし、送信UEからのPSCCHを受信して、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信処理を開始する。このようにすることで、新たなSL通信を開始した場合も、保持した該設定を用いることで、早期に通信が可能となる。
受信UEは、同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、これらの設定の一部または全部を保持したまま、新たにSL通信のための同期処理を行い、SLRPのPSCCHをサーチし、送信UEからのPSCCHを受信して、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信処理を開始する。このようにすることで、新たなSL通信を開始した場合も、保持した該設定を用いることで、早期に通信が可能となる。
受信UEは、同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、これらの設定の一部または全部を保持したまま、さらに、再同期処理を行ってもよい。さらに行う再同期処理は、受信UEが同期外れ状態になった後に行う前述の再同期処理と同様であってもよい。このようにすることで、再同期後、SL通信を再開した場合も、保持した該設定を用いることで、早期に通信が可能となる。
同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、該再同期できなかった時点からの時間をタイマで管理してもよい。該再同期できなかった時点からタイマ内で新たにSL通信のための同期処理が完了した場合、同期状態にもどり、タイマをリセットするとよい。あるいは、該再同期できなかった時点からタイマ内で送信UEからのPSCCHを受信して同期状態にもどった場合、タイマをリセットしてもよい。あるいは、該再同期できなかった時点からタイマ内で再同期処理が成功した場合は、同期状態に戻り、タイマをリセットするとよい。
同期外れ状態になった後に再同期できなかった場合、該再同期できなかった時点からのタイマが満了した場合、SL通信終了とするとよい。SL通信終了により、保持していたRRC設定の一部または全部、あるいは、ベアラ設定の一部または全部をリリースする。このようにすることで、早期にSL通信終了に移行でき、前述のSL通信における設定の一部または全部を長期間保持しなくてすむ。
前述のタイマ、たとえば、同期外れ状態開始から再同期までのタイマや、該再同期できなかった時点からSL通信のための同期処理完了までのタイマは、予め規格等で静的に決められてもよい。あるいは、前述のタイマは送信UEから受信UEに通知されてもよい。該通知にRRCシグナリングを用いてもよい。あるいは、該通知にPSCCH、あるいはMACシグナリングを用いてもよい。また、gNBからUEに前述のタイマが通知されてもよい。通知方法は前述のSLRPの通知方法を適用するとよい。あるいは、前述のタイマはUEに予め設定されてもよい。このようにすることで、受信UEはタイマ設定を取得することが可能となる。
これらのタイマは、UuにおけるRLF処理に用いられるタイマと別に設けてもよい。Uuでの通信とSLでの通信とではサービス内容、使用状況、電波伝搬環境などが異なる。そのような違いに適した値を設定可能となる。たとえば、UuにおけるRLF処理に用いられるタイマよりも、SL通信における前述のタイマを長くする。これにより、SL通信がすぐに終了となることを回避することができる。再度SL通信を開始するためのリソースサーチ、リソース選択、リソースリザベーションなどの処理による遅延時間を削減可能となる。
送信UEが、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信における対向UEと同期状態か否かの判断を行ってもよい。受信UEでの同期状態か否かの判断とともに、送信UEでの同期状態か否かの判断が行われてもよい。送信UEでの同期状態か否かの判断は、受信UEから送信される信号あるいはチャネルを用いるとよい。受信UEから送信される信号あるいはチャネルとして、SRS、HARQフィードバック、CSIリポートなどがある。あるいは、PSFCHを用いてもよい。
送信UEでの同期状態か否かの判断方法は、前述の受信UEでの同期状態か否かの判断方法を適宜適用すると良い。
送信UEで同期外れ状態になった場合の処理を開示する。送信UEは、リソースを再選択する。他の方法として、送信UEは、SLRPを変更してもよい。送信UEは、SLRPを変更してリソースの再選択を行ってもよい。このようにすることで、通信品質のより良好なリソースを用いてSL通信を開始することが可能となる。
送信UEで同期外れ状態が所定の期間経過した場合、SL通信を終了するとしてもよい。該所定の期間中は、送信UEにおいて、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信におけるこれらの通信のために設定した、RRC設定の一部または全部、あるいは、ベアラ設定の一部または全部を保持するとしてもよい。SL通信を終了する場合、送信UEは、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信におけるこれらの通信のために設定した、RRC設定の一部または全部、あるいは、ベアラ設定の一部または全部をリリースするとしてもよい。
送信UEは、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信の送信データが発生した場合、再度ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信を開始する。このようにすることで、送信UEで同期状態か否かの判断した場合に、送信UEと受信UEとでSL通信が不可能となった場合の処理が実施可能となる。
SLでのユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信が行われている場合、送信UEにおいて、同期をとるUEとの同期が外れるような場合が生じる。このような場合、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信の処理をどのようにするかが問題となる。このような場合、送信UEにおける、同期をとるUEとの同期状態か否かの判断、同期外れの場合の処理、同期外れ状態開始から再同期までの処理や、再同期できなかった場合の処理は、前述の、受信UEにおいて開示した方法を適用すると良い。同様の効果を得ることができる。
SL通信においては、SLSSを受信して同期をとるUEと、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信における対向するUEとが異なってもよい。SLSSを受信して同期をとるUEと、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信における対向するUEとが無関係に選択されてもよい。たとえば、受信電力の最も高いUEなど、UEは同期をとるのに最も適したUEと同期をとることができる。しかし、このような場合、受信UEは、同期をとるUEからの信号と送信UEからの信号を受信しなければならない。このような場合、受信UEは受信処理が複雑となり、消費電力が増大する。このような問題を解決する方法を開示する。
ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信において、受信UEは、送信UEを同期のためのUEとする。受信UEは、送信UEを同期のためのUEとして優先順位1番としてもよい。
受信UEは、送信UEのSLSSを受信する。また、受信UEは、PSBCHを受信してもよい。受信UEは、SLSSとPSBCHを受信することで同期処理を行ってもよい。受信UEは、送信UEと同期後、送信UEからのPSCCHを受信してもよい。あるいは、受信UEは、送信UEと同期後、送信UEとの間でSLでのユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信のRRC設定を設立してもよい。このようにすることで、同期をとるUEと、SL通信を行うUEとを同じにできる。このため、受信UEは受信処理を簡易にでき、消費電力を低減可能となる。
送信UEが、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信開始の際に、SLSSあるいはSLSSとPBCHを送信してもよい。受信UEは、該SLSSを受信することで同期をとるとよい。該SLSSとPBCHを受信することで同期処理を行ってもよい。このようにすることで、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信処理として、受信UEは送信UEと同期をとることが可能となる。このため、同期をとるUEとSL通信を行うUEとを同じにできる。受信UEは受信処理を簡易にでき、消費電力を低減可能となる。
送信UEと異なるUEを、同期をとるUEとしていた場合、ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信を行う場合、受信UEは、同期をとるUEを送信UEに変更してもよい。受信UEは、送信UEを検出した場合に、同期をとるUEを送信UEに変更してもよい。送信UEの検出には、前述の送信UEからのPSCCHを用いてもよいし、SSLSとPSBCHを用いてもよい。このようにすることで、同期をとるUEとSL通信を行うUEとを同じにできる。
本実施の形態8で開示したような方法とすることで、送信UEと受信UEとで、たとえSLにおけるユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信が不可能となった場合でも、通信が正常に終了あるいは再開可能となる。
実施の形態9.
NRで新たにRRC_Inactive状態が設けられた(非特許文献16(TS38.300))。UEがRRC_Inactive状態にいる場合の、SL通信用SLRPはどのように設定されるかは不明である。これについては未だ開示が無い。SLRPの設定がなされないと、RRC_Inactive状態にいるUEがSL通信を行うことができなくなる。ここではこのような課題を解決する方法を開示する。
RRC_inactive状態で用いるSLRPを設ける。gNBはUEに対して、RRC_inactive状態で用いるSLRP構成を通知してもよい。該通知には、前述のSLRP構成の通知方法を適用するとよい。あるいは、RRC_inactive状態で用いるSLRP構成が、UEにあらかじめ設定されてもよい。RRC_inactive状態で用いるSLRP構成が、他のSLRP構成とともに、通知あるいは設定されてもよい。
このようにすることで、新たに設けられたRRC_Inactive状態にいるUEがSLRPを用いることが可能となり、SLRPのリソースを用いてSL通信が可能となる。
しかし、RRC_inactive状態で用いるSLRPを別途設けることは、リソースの使用効率の低下を招く。このような課題を解決する方法を開示する。
RRC_inactive状態のUEは、SL通信用にgNBからSIBで報知されるSLRP構成を用いる。UEはセル間移動により、移動先のSLRP構成が含まれるSIBを受信して、該SLRP構成を用いる。このようにすることで、RRC_inactive状態で用いるSLRPを別途設ける必要が無くなり、リソース使用効率の低下を回避できる。
他の方法を開示する。RRC_inactiveのUEは、gNBからRRCシグナリングで通知されたSLRP構成を用いてもよい。UE毎のSLRP構成を設けてもよい。gNBは、UE毎のSLRP構成を設定して、RRCシグナリングでUEに通知する。該通知は、UEがRRC_Connected状態の時に行われる。
UEは、RRC_Connected状態の時にgNBよりRRCシグナリングで受信したSLRP構成を、RRC_Inactive状態移行時も保持する。UEは該SLRP構成を、RRC_Inactive状態移行時もリリースしない。このようにすることで、RRC_inactiveのUEが、gNBからRRCシグナリングで通知されたSLRP構成を用いることが可能となる。
UE毎のSLRP構成はRNA内で設定可能としてもよい。RRC_InactiveのUEは、RNA内のセル間移動ではRRC_Connected状態に移行しなくてもよい。RNA内で設定可能とすることで、RRC_Inactive状態のUEがセル間移動時にSLRP構成を受信するためRRC_Connected状態に移行しなくて済む。UEの処理の複雑化を回避できる。
gNBは隣接gNBに対してSLRP構成を通知してもよい。gNBは、セル毎のSLRP構成を通知してもよい。たとえばgNB間でSLRPを調整可能となる。また、gNBは、RRCシグナリングで通知したSLRP構成を通知してもよい。gNBは、UEコンテキスト情報に、該SLRP構成を含めてもよい。gNBは隣接gNBに対して、該SLRP構成を含むUEコンテキスト情報を通知してもよい。このようにすることで、RRCシグナリングで通知したSLRP構成をgNB間で共有することが可能となる。
gNBは隣接gNBに対して、セル毎のSLRP構成、および/あるいは、RRCシグナリングで通知したSLRP構成を要求してもよい。また、gNBは、SLRP構成を含むUEコンテキスト情報を要求してもよい。これらの要求に応じて隣接gNBは、概要求を行ったgNBに、SLRP構成を通知する。このようにすることで、たとえばgNBは、SLRP構成を決定するために、隣接gNBのSLRP構成を要求することができる。
該SLRP構成を通知する隣接gNBは、同じRNA内のgNBであってもよい。また、該SLRP構成を要求する隣接gNBは、同じRNA内のgNBであってもよい。このようにすることで、RRCシグナリングで通知したSLRP構成を同一RNA内のgNB間で共有することが可能となる。
このような方法とすることで、UEは、セルを変更する毎に、変更先でのSLRP構成を含むSIBを受信しなくて済む。また、gNBはUE個別にSLRP構成を設定することが可能となるため、RNA内で同じSLRP構成を用いることが可能となる。
他の方法を開示する。RNA用のSLRP構成を設けてもよい。RNA用のSLRP構成は、RNA毎としてもよい。RNA用のSLRP構成は、RNA内で使用可能なSLRPとする。RNA用のSLRP構成はあらかじめ決めておいてもよい。RNA用のSLRP構成は、UEに対して予め設定しておいてもよい。RRC_InactiveのUEは、RNA内でRNA用SLRP構成を用いる。
RNA用SLRP構成は、コアネットワークが決めて、RNA内の各gNBに通知してもよい。RNA用SLRPは、一つのgNBが決めて、RNA内の各gNBに通知してもよい。gNBはUEに対して、RRC_Connected時に、RRCシグナリングでRNA用のSLRP構成を通知するとよい。RNA用のSLRP構成は、前述のUEがRRC_Connected状態で通知されるSLRP構成と異なっていてもよい。あるいは一部または全部が同じであってもよい。RRC_InactiveのUEは、RNA内でRNA用SLRP構成を用いる。
gNBはUEに対して、RNA用のSLRP構成をSIBに含めて報知してもよい。RRC_InactiveのUEは、RNA内でRNA用SLRP構成を用いる。RNA用とすることで、UEは、RNA内でのセル間移動では、RNA用のSLRP構成を含むSIBを受信しなくてよい。セル間移動時のUEの処理を簡易にすることができる。
このようにすることで、たとえば、UE個別のSLRP構成ではなく、RNA毎のSLRP構成を設定可能となる。SLRP構成を多数用意する必要が無くなるため、リソース使用効率を向上させることができる。
LTEでは、SLRPの一つとして例外的プール(Exceptional Pool)(以降、SLEPと称す)が導入されている。SLEPは、RLF中、RRC_IdleからRRC_Connected状態への遷移中、リソースプールの変更中、HO中、セル再選択中に用いられる。3GPPにおいて、NRのSLにおいても、SLEPをサポートするかどうかが提案されている(非特許文献31(R2−1815441))。しかし、NRのSLにおけるSLEPの設定方法や使用方法についてはなんら議論が無く、なんら開示されていない。
前述のように、NRでは新たにRRC_Inactive状態が設けられている。このようにLTEでは無く、NRで新たに設けられたRRC_Inactive状態に関連するSLEPの設定方法や使用方法は不明となる。ここでは、このような課題を解決する方法を開示する。
SL通信用にSLEPを用いる場合、UEはSLEPのSL通信用リソースをランダムに選択する。リソースセンシングによるリソース選択を不要とするとよい。UEは、RRC_Inactive状態からRRC_Connected状態への遷移中は、SLEPを用いる。RRC_Inactive状態からRRC_Connected状態への遷移には、resume処理を実施する。該resume処理中はSLEPを用いるとしてもよい。このようにすることで、UEは、RRC_Connected遷移時にRRCシグナリングによるSLRP構成を受信する前、あるいは、該SLRP構成からリソース選択する前に、SLEPを用いることが可能となる。
他の方法を開示する。UEは、RRC_Inactive状態からRRC_Connected状態への遷移中は、RRC_Connected状態で通知されたSLRPを用いる。該遷移以前にSLRP構成から選択したリソースを、該遷移中も用いてもよい。UEは、RRC_Connected状態からRRC_Inactive状態への遷移後、RRC_Conneced状態で通知されたSLRPを保持するとよい。これにより、該SLRPを用いることが可能となる。
このようにすることで、UEは、RRC_Connected遷移時に、RRCシグナリングによるSLRP構成を受信しなくてすむ。また、gNBはUEに対して、RRC_Inactive状態からRRC_Connected遷移毎に、RRCシグナリングによってSLRP構成を送信する必要は無くなる。必要な時、たとえばSLRP構成を変更したいような場合に通知をすればよくなる。このようにすることで、UEとgNBとの間のシグナリングを削減可能となる。
RRC Idle状態からRRC_Inactive状態の遷移が設けられた場合、該遷移中は、SLEPを用いるとしてもよい。たとえば、RNA用のSLRPがSIBで報知されるような場合に、該SIBを受信するまで、あるいは、該SIBで報知されたSLRP構成からリソース選択するまでに発生するSL通信において、SLEPを用いることが可能となる。
このように新たな状態遷移中にSLEPを用いることで、UEが該遷移中に早期にSL通信を実行可能となる。
RRC_Inactive状態のUEは、セル間移動においてセルリセレクションを実施する。RRC_Inactive状態のUEは、セルリセレクション時にSLEPを用いる。RRC_Inactive状態でSIBで報知されたSLRPを用いる場合に、UEは、セルリセレクション時にSLEPを用いるとしてもよい。RRC_Inactive状態でRRCシグナリングで通知されたSLRPを用いる場合、UEは、セルリセレクション時にSLEPを用いるとしてもよい。RRC_Inactive状態でRNA用のSLRPを用いる場合、UEは、当該RNA内のセルリセレクション時にRNA用のSLRPを用いるとしてもよい。
このようにすることで、セルリセレクション時にRRC_Inactive状態のUEは、早期にSL通信を実行可能となる。
RRC_Inactive状態のUEは、RNA外へのセルリセレクション時にはSLEPを用いるとしてもよい。RRC_Inactive状態のUEがRNA外に移動した場合、UEは、RNA Update処理(RNA Update Procedure)を起動する。UEは、RNA Update処理中は、SLEPを用いるとしてもよい。RNA外への移動先セルで、SIBで報知されたSLRPを受信するまで、あるいは、該SLRP構成からリソース選択が行われるまでは、UEはSLEPを用いるとしてもよい。
UEは、RNA外への移動先セルで、RRCシグナリングでUE毎のSLRPを入手するまで、あるいは、該SLRP上でのリソース選択が行われるまでは、SLEPを用いるとしてもよい。UEは、RNA外への移動先セルで、RRCシグナリングでRNA毎のSLRPを入手するまで、あるいは、該SLRP上でのリソース選択が行われるまでは、SLEPを用いるとしてもよい。RNA外への移動先セルにおける、UE毎あるいはRNA毎のSLRP構成は、RNA Update処理におけるRRCRelease with suspend indicationで、gNBからUEに対して通知してもよい。
このようにすることで、RNA外への移動時も、RRC_Inactive状態のUEは早期にSL通信を実行可能となる。
UEがRNA間移動時、移動先RNAのgNBは、UE毎のSLRP構成を、移動前RNAのgNBに対して要求してもよい。該要求に対象となるUEの識別子を含めるとよい。該要求は、移動先RNAのgNBがRNA Update処理を受信した場合に行うとしてもよい。該要求を受信した移動前RNAのgNBは、該要求に含まれるUEのUE毎のSLRP構成を、要求したgNBに対して通知する。このようにすることで、たとえば、RNA間移動先gNBは、RNA移動先gNBで用いられていたSLRP構成を考慮したSLRPの設定を可能とする。
該要求にはXnシグナリングを用いてもよい。UE毎のSLRP構成をUE contextに含めてもよい。移動先RNAのgNBは、UE contextを、移動前RNAのgNBに対して要求してもよい。該要求を受信した移動前RNAのgNBは、該要求に含まれるUEのUE contextを、要求したgNBに対して通知する。SLRP構成を含むUE contextの要求および通知には、Retrieve UE Context Request、Retrieve UE Context Responseを用いてもよい。既存のメッセージを用いることでgNB間シグナリング処理を簡易にすることができる。
RNA毎のSLRP構成についても同様の方法を適用してもよい。UEがRNA間移動時、移動先RNAのgNBは、RNA毎のSLRP構成を、移動前RNAのgNBに対して要求してもよい。該要求は、移動先RNAのgNBがRNA Update処理を受信した場合に行うとしてもよい。該要求を受信した移動前RNAのgNBは、RNA毎のSLRP構成を、要求したgNBに対して通知する。該要求にはXnシグナリングを用いてもよい。新たなメッセージを設けてもよい。このようにすることで、たとえば、RNA間移動先gNBは、RNA移動先gNBで用いられていたSLRP構成を考慮したSLRPの設定を可能とする。
LTE用のSLEPとNR用のSLEPを別に設けるとよい。LTE用のSLEP構成とNR用のSLEP構成とを異ならせることができる。LTEのセルからNRのセルへのハンドオーバ中は、NR用のSLEP構成を用いるとよい。NRのセルからLTEのセルへのハンドオーバ中は、LTE用のSLEP構成を用いるとよい。RAT(Radio Access Technology)間でのハンドオーバ中は、ハンドオーバ先のセルのSLEP構成に従うと良い。UEが、ハンドオーバ先でSLRP構成を受信するまで、あるいは、ハンドオーバ先のSLRP構成内でリソースを選択するまでの間、ハンドオーバ先のセルのSLEP構成を用いることで、ハンドオーバ先のシステムに適したSLEPを用いたSL通信を可能にする。
RAT間のセルリセレクションにおいても同様の方法を適用してもよい。LTEのセルからNRのセルへのセルリセレクション中は、NR用のSLEP構成を用いるとよい。NRのセルからLTEのセルへのセルリセレクション中は、LTE用のSLEP構成を用いるとよい。RAT間でのセルリセレクション中は、セルリセレクション先のセルのSLEP構成に従うと良い。UEが、セルリセレクション先でSLRP構成を受信するまで、あるいは、セルリセレクション先のSLRP構成内でリソースを選択するまでの間、セルリセレクション先のセルのSLEP構成を用いることで、セルリセレクション先のシステムに適したSLEPを用いたSL通信を可能にする。
UEに対して、LTEの基地局とNRの基地局とでDC(Dual Connectivity)が行われる場合は、LTE用のSLEPとNR用のSLEPのどちらを用いるかを設定可能としてもよい。カバレッジや電波伝搬状況に応じて設定可能となるため、SL通信における通信品質を向上可能となる。
本実施の形態9で開示したような方法によって、NRで新たに設けられたRRC_inactive状態を含めたSLRP構成、SLEP構成の設定および使用が可能となる。また、LTEとNRとの間のハンドオーバやセルリセレクションのようなRAT間の移動処理、あるいは、異なるRAT間のDCにおいてもSLRP構成、SLEP構成の設定および使用が可能となる。これにより、多種多様な状況においてSL通信を可能にすることができる。
実施の形態10.
前述したように、3GPPでTSNのサポートが検討されている。SL通信を行うUE間でも時刻を合わせたい場合が生じる。たとえば、SLでユニキャスト通信を行う車載のUE間や、隊列走行を行っている車載のUEグループ間で、時刻を同期させて自動走行用の制御を実施するような場合である。このような場合、UE間やUEグループ間で時刻同期を行うことが必要となる。
しかし、SL通信を行うUE間での時刻同期方法はなんら開示されておらず不明である。このため、UE間で時刻同期が要求されるようなSL通信ができないという問題が生じる。TSNでSLを用いることができないという問題が生じる。本実施の形態10ではこのような課題を解決する方法を開示する。
gNBが、SL通信のためのUEに対して、時刻同期に関する情報を通知する。時刻同期に関する情報は、実施の形態1で開示した情報を適用するとよい。TSNにおいて、gNBは時刻同期に関する情報を、TSNに用いられるSIBに含めて、報知する。たとえばLTEにおいてはSIB16が用いられる。NRにおいても同様に、時刻同期に関する情報を、SIBに含めて、報知してもよい。SL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を含むSIBを受信して、gNBからの時刻同期情報を取得するとよい。
SL通信を行うUE全てが、TSNに用いられるSIBを受信しなくてもよい。SL通信を用いたTSNのサービスを行う場合に、該サービスを行うUEが、TSNに用いられるSIBを受信するとよい。SL通信を用いたTSNのサービスを行うUEは、上位レイヤの要求により、TSNに用いられるSIBを受信し、時刻同期に関する情報を取得する。
このようにすることで、TSNをサポートするgNBのカバレッジ内に存在するSL通信を行うUEは、時刻同期情報を取得可能となる。このため、該UE間で時刻を同期させた制御が可能となる。
gNBからSL通信のためのUEに対して時刻同期に関する情報を通知する他の方法を開示する。TSNにおいて、gNBは時刻同期に関する情報を、SL通信に用いられるSIBに含めて、報知する。たとえばLTEにおいてはSIB18やSIB21が用いられる。NRにおいても同様に、時刻同期に関する情報を、SIBに含めて、報知してもよい。SL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を含むSIBを受信して、gNBからの時刻同期情報を取得するとよい。
SL通信を用いたTSNのサービスを行うUEは、上位レイヤの要求により、SL通信に用いられるSIBに含まれる時刻同期に関する情報を取得する。このようにすることで、TSNをサポートするgNBのカバレッジ内に存在するSL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を取得可能となる。このため、該UE間で時刻を同期させた制御が可能となる。
TSNをサポートするgNBのカバレッジ外に存在するUEは、該gNBの有する時刻同期に関する情報を受信できない。このような課題を解決する方法を開示する。時刻同期に関する情報を有するSL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を送信してもよい。時刻同期に関する情報を有するUEは、例えば、TSNをサポートするgNBから時刻同期に関する情報を受信したUE、他のUEから時刻同期に関する情報を受信したUEである。
gNBから時刻同期に関する情報を受信したUEは、取得した時刻同期に関する情報を、他のSL通信を行うUEに対して、PC5シグナリングで通知してもよい。gNBから時刻同期情報を受信したUEは、取得した時刻同期に関する情報を、SL用報知情報に含めて、送信してもよい。時刻同期に関する情報を含むSL用報知情報送信用に、新たな物理チャネルが設けられてもよい。あるいは、時刻同期に関する情報を含むSL用報知情報送信用として、PSBCHが用いられてもよい。PSBCHが用いられる場合、既存のチャネルを利用でき、制御の複雑化を回避することができる。
時刻同期に関する情報として、実施の形態1で開示した情報を適用するとよい。時刻誤差情報として、例えば、UEが有するクロック精度等のUEにおける時刻誤差を用いて補正した情報を用いるとしてもよい。このようにすることで、gNBではなく、UEが、TSNにおける時刻同期情報を送信可能となる。
SL通信を行うUEは、gNBのカバレッジ内に存在する場合、gNBとタイミング同期をとりSLSSを送信する。タイミング同期をとるgNBが、時刻同期情報を受信するgNBと異なる場合、SL通信を行うUEは、時刻同期情報に関する情報の中の所定のスロットあるいはサブフレームあるいはシステムフレームに関する情報を、タイミング同期により得たスロットあるいはサブフレームあるいはシステムフレームに関する情報に、補正するとよい。このようにすることで、SL通信を行うUEは、自UEがタイミング同期により得たタイミングを用いた時刻同期情報を、設定および送信可能となる。
タイミング同期をとるgNBを、TSNをサポートするgNBとしてもよい。たとえば、UEが、TSNをサポートするgNBとTSNをサポートしていないgNBの両方のカバレッジ内に存在するような場合、タイミング同期をとるgNBを、TSNをサポートするgNBとしてもよい。たとえ、タイミング同期をとるgNBからの受信電力が、TSNをサポートするgNBからの受信電力よりも高いとしても、TSNをサポートするgNBを選択する。
このようにすることで、TSNをサポートするgNBを、タイミング同期をとるgNBとすることが可能となる、このため、UEでのスロットタイミング、サブフレームタイミング、システムフレームタイミングを、TSNをサポートするgNBと同期できるため、時刻同期情報に関する情報の中の所定のスロットあるいはサブフレームあるいはシステムフレームに関する情報を用いることが可能となる。UEでの時刻同期情報送信処理を容易にすることが可能となる。
時刻同期に関する情報を受信することが可能か否かを判断するため、TSNをサポートするgNBからの受信電力あるいは受信品質に所定の閾値を設けてもよい。たとえば、該所定の閾値よりも大きい場合、UEは、時刻同期に関する情報を受信することが可能と判断するとよい。いいかえると、UEは、TSNをサポートするgNBのカバレッジ内に存在することになる。TSNをサポートするgNBからの受信電力あるいは受信品質が所定の閾値以下の場合、UEは、TSNをサポートするgNBのカバレッジ外に存在すると判断する。
UEが、複数のTSNをサポートするgNBから、時刻同期に関する情報を受信可能な場合、受信電力あるいは受信品質の高い方のgNBからの時刻同期に関する情報を取得して用いてもよい。このようにすることで、時刻同期に関する情報をより確実に取得可能となる。
あるいは、UEが、複数のTSNをサポートするgNBから、時刻同期に関する情報を受信可能な場合、時刻同期情報の中の時刻誤差の少ない方のgNBからの時刻同期に関する情報を取得して用いてもよい。このようにすることで、自UEが時刻同期に関する情報を送信する場合も、より少ない時刻誤差の情報を設定可能となる。より少ない時刻誤差でTSNをサポート可能となる。
このようにすることで、UEが、TSNをサポートするgNBのカバレッジ内に存在する場合、UEはgNBからの時刻同期情報を受信して、UEは該時刻同期情報に適宜補正を加えて時刻同期情報を送信可能となる。
TSNをサポートするgNBのカバレッジ外に存在するSL通信を行うUEは、他のUEから送信される時刻同期に関する情報を含むチャネルを受信して、時刻同期に関する情報を取得する。
時刻同期に関する情報を受信することが可能か否かを判断するため、他のUEからの受信電力あるいは受信品質に所定の閾値を設けてもよい。たとえば、該所定の閾値よりも大きい場合、UEは、時刻同期に関する情報を受信することが可能と判断するとよい。そうでない場合は、UEは、時刻同期に関する情報を受信することは不可能と判断する。不可能な場合は、さらに他のUEから送信される時刻同期に関する情報を含むチャネルの受信を試みてもよい。
UEが、複数の時刻同期に関する情報を送信するUEから、時刻同期に関する情報を受信可能な場合、受信電力あるいは受信品質の高い方のUEからの時刻同期に関する情報を取得して用いてもよい。このようにすることで、時刻同期に関する情報をより確実に取得可能となる。
あるいは、UEが、複数の時刻同期に関する情報を送信するUEから、時刻同期に関する情報を受信可能な場合、時刻同期情報の中の時刻誤差の少ない方のUEからの時刻同期に関する情報を取得して用いてもよい。このようにすることで、自UEが時刻同期に関する情報を送信する場合も、より少ない時刻誤差の情報を設定可能となる。より少ない時刻誤差でTSNをサポート可能となる。
他のUEから時刻同期に関する情報を取得したUEは、取得した時刻同期に関する情報を、SL用報知情報に含めて、送信してもよい。この方法は、前述のgNBから時刻同期情報を受信した場合の処理を適宜適用するとよい。同様の効果を得ることができる。このようにすることで、SL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を受信し、また送信することが可能となる。
このようにすることで、SL通信を行うUEは、たとえTSNをサポートするgNBのカバレッジ内に存在しなくても、他のUEから時刻同期に関する情報を取得することが可能となる。
SL通信を行うUEが、時刻同期に関する情報を送信する他の方法を開示する。SL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を、SCIに含めて、PSCCHで送信してもよい。SL通信を行うUEは、送信UEからのPSCCHを受信して、時刻同期に関する情報を取得する。このようにPSCCHを用いることで、受信UEは、SL通信用データ受信時に、データ受信に必要なPSCCHから、時刻同期に関する情報を取得可能となる。時刻同期に関する情報を早期に送受信可能となる。また、時刻同期に関する情報取得のためにPSBCHや他のチャネルの受信を行わなくて済むため、UEでの時刻同期処理を簡易にできる。
時刻同期に関する情報を、前述に開示したSCI1に含めてもよい。時刻同期に関する情報を、SCI1に含めて、PSCCH1で通知してもよい。SL通信においてリソースプールが設定された全UEが、時刻同期に関する情報を受信可能となる。あるいは、時刻同期に関する情報を、SCI2に含めてもよい。時刻同期に関する情報を、SCI2に含めて、PSCCH2で通知してもよい。ユニキャスト通信において対向するUE、あるいは、グループキャスト通信において対向するUEグループ内のUEのみが、該情報を受信可能となる。時刻同期を受信して、時刻を同期させた制御を行うUEが前述のように限定されるような場合に有効である。
SL通信を行うUEが、時刻同期に関する情報を送信する他の方法を開示する。SL通信を行うUEは、時刻同期に関する情報を、SL通信におけるRRCシグナリングを用いて送信してもよい。たとえば、ユニキャスト通信やグループキャスト通信においてUE間でRRC接続が実施される場合、対向UEとの間で行われるRRCシグナリングを用いて、時刻同期に関する情報を送信してもよい。SL通信の送信UEは、時刻同期に関する情報を、RRCシグナリングに含めて、受信UEに送信する。受信UEは、送信UEからのRRCシグナリングに含まれる時刻同期に関する情報を取得する。
このようにすることで、RRC接続が実施される場合に、ユニキャスト通信やグループキャスト通信を行うUE間で時刻を同期させた制御を可能となる。RRCシグナリングを用いるため、時刻同期に関する情報量を増やすことが可能となる。
SL通信を行うUEが、時刻同期に関する情報を送信する他の方法を開示する。UEは、時刻同期に関する情報を、SL通信におけるMACシグナリングを用いて、送信してもよい。たとえば、ユニキャスト通信やグループキャスト通信において、対向UEとの間でMACシグナリングを用いて、時刻同期に関する情報を送信してもよい。SL通信の送信UEは、時刻同期に関する情報を、MACシグナリングに含めて、受信UEに送信する。受信UEは、送信UEからのMACシグナリングに含まれる時刻同期情報を取得する。MACシグナリングはHARQフィードバックがサポートされてもよい。このようにすることで、時刻同期に関する情報の受信誤り率を低減させることが可能となる。
このようにすることで、TSNをサポートするgNBのカバレッジ外に存在するUEも、TSNをサポートするgNBから時刻同期に関する情報を受信したUEや、他の時刻同期に関する情報を有するUEから、時刻同期に関する情報を受信可能となる。TSNをサポートするgNBのカバレッジ内外に存在するUE間で時刻を同期させた制御を可能にする。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。
例えば、前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレームは、第5世代基地局通信システムにおける通信の時間単位の一例である。スケジューリング単位であってもよい。前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレーム単位として記載している処理を、TTI単位、スロット単位、サブスロット単位、ミニスロット単位として行ってもよい。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
200 通信システム、202 通信端末装置、203 基地局装置。

Claims (5)

  1. 通信端末と、
    前記通信端末と無線通信可能に構成された複数の通信装置と
    を備える通信システムであって、
    前記通信端末の接続先が第1通信装置から第2通信装置に切替わる場合、前記通信端末は、前記第2通信装置が送信するタイミングリファレンスと、前記第2通信装置のタイミングアドバンスとに基づいて、前記通信端末の時刻を補正する、
    通信システム。
  2. 前記通信端末は前記タイミングリファレンスの通知要求を、接続完了通知に含めて、前記第2通信装置に送信する、請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第2通信装置は前記タイミングリファレンスを前記第1通信装置に送信し、前記通信端末は前記第1通信装置から、前記第2通信装置の前記タイミングリファレンスを取得する、請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記通信端末は前記第2通信装置の前記タイミングアドバンスを推定する、請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 通信装置と無線通信可能に構成された通信端末であって、
    前記通信端末の接続先が第1通信装置から第2通信装置に切替わる場合、前記通信端末は、前記第2通信装置が送信するタイミングリファレンスと、前記第2通信装置のタイミングアドバンスとに基づいて、前記通信端末の時刻を補正する、
    通信端末。
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