JPWO2020144738A1 - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

冷媒が循環する冷媒回路と、冷媒回路を制御する制御装置と、有する空気調和装置。冷媒回路は、圧縮機、再熱器、第1膨張弁、及び蒸発器が主配管により順次連結された主回路と、圧縮機と再熱器との間から第1膨張弁と蒸発器との間までをつなぐ冷却配管によって冷却開閉弁、凝縮器、及び第2膨張弁が連結された冷却回路と、を含む。再熱器及び蒸発器は、空調空間に配置され、凝縮器は、空調空間の外部に配置されている。制御装置は、除湿運転時において、再熱器による過冷却度が冷媒量適正範囲外であれば、外液温を用いた判定の結果に応じて冷却開閉弁又は第2膨張弁を制御するものである。また、制御装置は、冷却運転時において、凝縮器による過冷却度が冷媒量適正範囲外であれば、内液温を用いた判定の結果に応じて主回路の再熱開閉弁又は第1膨張弁を制御するものである。

Description

本発明は、再熱除湿運転を行う機能をもつ空気調和装置に関する。
従来から、室内に設けられた再熱器及び蒸発器と室外に設けられた凝縮器とを有する空気調和装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の空気調和装置は、再熱器に流す冷媒の量と、凝縮器に流す冷媒の量とを調整することにより、蒸発器の除湿能力を制御するようになっている。
特開2011−133171号公報
しかしながら、特許文献1の空気調和装置は、室内の温度と外気温度との差異により、各熱交換器に分布する冷媒に偏りが発生し、冷却運転又は再熱除湿運転を行うとき、液バックが生じたり、過熱運転になったりすることがある。液バックが発生すると、圧縮機での液圧縮が発生し、圧縮機が故障する可能性がある。また、過熱運転になると、圧縮機、再熱器、膨張弁、及び蒸発器の間を循環する冷媒の量が不足することから、能力が低下し、吐出温度が上昇するため、運転を効率よく行うことができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、冷媒回路に分布する冷媒の偏りを抑制し、運転効率の向上を図る空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和装置は、圧縮機、再熱器、第1膨張弁、及び蒸発器が主配管により順次連結された主回路と、圧縮機と再熱器との間から第1膨張弁と蒸発器との間までをつなぐ冷却配管によって冷却開閉弁、凝縮器、及び第2膨張弁が連結された冷却回路とを含み、冷媒が循環する冷媒回路と、冷媒回路を制御する制御装置と、有し、再熱器及び蒸発器は、空調空間に配置され、凝縮器は、空調空間の外部に配置され、制御装置は、空調空間の空気の除湿を行う除湿運転時において、再熱器による過冷却度が、再熱器に分布する冷媒量が適正であることを示す冷媒量適正範囲外であれば、凝縮器から流出する冷媒の温度である外液温を用いた判定の結果に応じて冷却開閉弁又は第2膨張弁を制御するものである。
本発明によれば、除湿運転時の再熱器による過冷却度が冷媒量適正範囲外であれば、制御装置が外液温を用いた判定の結果に応じて冷却開閉弁又は第2膨張弁を制御する。よって、再熱器の冷媒量を外液温に応じて調整することができるため、冷媒回路に分布する冷媒の偏りを抑制し、運転効率の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の全体的な構成図である。 図1の制御装置の機能的構成を概略的に示すブロック図である。 図1の空気調和装置の除湿運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。 図1の空気調和装置の中間運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。 図1の空気調和装置の冷却運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。 図1の空気調和装置の除霜運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。 図1の制御装置が運転切替制御を実施するタイミングを示す説明図である。 図1の制御装置による運転切替制御に関する動作を示すフローチャートである。 図1の制御装置による冷却運転時の冷媒分布制御を例示したフローチャートである。 図1の制御装置による除湿運転時の冷媒分布制御を例示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る室内熱交換器の具体的な構成を例示した説明図である。 非共沸混合冷媒のモリエル線図を例示した説明図である。 非共沸混合冷媒の温度勾配の具体例を示すモリエル線図である。 本発明の実施の形態2の空気調和装置における蒸発器及び再熱器の配置例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2の空気調和装置における冷媒漏洩時の各開閉弁及び各膨張弁の状態を示す表である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の全体的な構成図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の全体的な構成図である。空気調和装置100は、部屋などの空調空間における空気の温度及び湿度を調整するものであり、再熱除湿運転を行う機能を有している。空気調和装置100は、図1に示すように、空調空間内に設置される室内機70と、空調空間の外部に設置される室外機80と、を有している。室内機70と室外機80とは、冷媒配管20によって接続されている。以降では、空調空間内のことを室内ともいい、空調空間の外部のことを室外ともいう。
室内機70は、例えば、空調空間の床に置かれる床置型除湿機、又は天井に設けられた天埋型除湿機もしくは天吊型除湿機などである。室内機70には、圧縮機1、再熱開閉弁2、再熱器3、第1膨張弁4、室内熱交換器5、冷却開閉弁6、第2膨張弁9、及び除霜開閉弁10が収容されている。室外機80は、屋外又は機械室などに設置される。室外機80には、室外熱交換器7及び液溜め8が収容されている。すなわち、空気調和装置100は、圧縮機1、再熱開閉弁2、再熱器3、第1膨張弁4、室内熱交換器5、冷却開閉弁6、室外熱交換器7、液溜め8、第2膨張弁9、及び除霜開閉弁10が冷媒配管20により接続され、冷媒が循環する冷媒回路30を有している。
冷媒回路30を循環させる冷媒としては、単一混合冷媒、擬似単一混合冷媒、又は非共沸混合冷媒などを用いることができる。非共沸混合冷媒としては、例えば、R32、R125、R134a、r1234yf、及びCOの混合冷媒を用いることができる。この非共沸混合冷媒は、R32の組成が49wt%〜55wt%であり、R125の組成が16wt%〜22wt%であり、R134aの組成が7wt%〜13wt%であり、r1234yfの組成が6wt%〜12wt%であり、COの組成が7wt%〜13wt%であり、合計が100wt%となる組成比をもつ。また、非共沸混合冷媒としては、上記以外の組成をもつ非共沸混合冷媒であるR448A、R449A、又はR407Fなどを採用してもよい。
冷媒配管20は、主配管21と、冷却配管22と、バイパス配管23と、により構成されている。主配管21は、圧縮機1と再熱開閉弁2と再熱器3と第1膨張弁4と室内熱交換器5とを順次環状に連結する配管である。つまり、冷媒回路30は、圧縮機1、再熱開閉弁2、再熱器3、第1膨張弁4、及び室内熱交換器5が主配管21により接続されて形成された主回路31を含む。
冷却配管22は、圧縮機1と再熱器3との間から第1膨張弁4と室内熱交換器5との間までをつなぐ配管である。より具体的に、冷却配管22は、圧縮機1と再熱開閉弁2との間の主配管21と、第1膨張弁4と室内熱交換器5との間の主配管21とを接続し、冷却開閉弁6と室外熱交換器7と液溜め8と第2膨張弁9とを連結する配管である。つまり、冷媒回路30は、冷却開閉弁6、室外熱交換器7、液溜め8、及び第2膨張弁9が冷却配管22により連結された開回路である冷却回路32を含む。ここで、圧縮機1と再熱開閉弁2との間の主配管21と、冷却配管22との接続部分を、第1接続部Mという。また、第1膨張弁4と室内熱交換器5との間と、冷却配管22との接続部分を、第2接続部Nという。
バイパス配管23は、圧縮機1の吐出側から再熱器3と第1膨張弁4との間までをつなぐ配管である。本実施の形態1において、圧縮機1の吐出側とは、圧縮機1と第1接続部Mとの間のことである。より具体的に、バイパス配管23は、圧縮機1と第1接続部Mとの間の主配管21と、再熱器3と第1膨張弁4との間の主配管21とを接続する配管であり、バイパス配管23を開閉する除霜開閉弁10が設けられている。つまり、冷媒回路30は、バイパス配管23に除霜開閉弁10が設けられた開回路であるバイパス回路33を含む。ここで、図1に示すように、再熱器3及び第1膨張弁4と、室外熱交換器7及び第2膨張弁9とは、並列に接続されている。
圧縮機1は、冷媒を吸入して圧縮し、高温高圧のガス状態にして吐出する。圧縮機1は、例えば、インバータ回路等によって回転数が制御され、冷媒の吐出量の調整が可能な圧縮機である。もっとも、圧縮機1は、一定の回転数で動作する一定速の圧縮機であってもよい。
再熱器3、室内熱交換器5、及び室外熱交換器7は、例えば、冷媒が流れる配管と、該配管に取り付けられたフィンとにより形成されたフィンアンドチューブ型熱交換器である。再熱器3は、圧縮機1で圧縮された冷媒と空気との間で熱交換させることにより、冷媒を凝縮させる。空気調和装置100では、室内熱交換器5と再熱器3とが共通する風路上に設けられている。
室内熱交換器5は、冷媒を蒸発させる蒸発器(冷却器)として機能する空気熱交換器である。つまり、室内熱交換器5は、第1膨張弁4及び第2膨張弁9のうちの少なくとも一方で膨張された冷媒と空気との間で熱交換させることにより、冷媒を蒸発させる。室外熱交換器7は、冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する空気熱交換器である。つまり、室外熱交換器7は、圧縮機1で圧縮された冷媒と空気との間で熱交換させることにより、冷媒を凝縮させる。
第1膨張弁4は、例えば電子膨張弁からなり、再熱器3の下流に配置されている。第1膨張弁4は、再熱器3で凝縮された冷媒を膨張させる。第2膨張弁9は、例えば電子膨張弁からなり、室外熱交換器7の下流に配置されている。第2膨張弁9は、室外熱交換器7で凝縮された冷媒を膨張させる。
再熱開閉弁2、冷却開閉弁6、及び除霜開閉弁10は、例えば、開状態と閉状態とを有する電磁弁であり、開状態において冷媒を通過させる。再熱開閉弁2は、閉状態のとき、第1接続部Mを経由して再熱器3に流れようとする冷媒を遮断する。冷却開閉弁6は、閉状態のとき、第1接続部Mを経由して室外熱交換器7に流れようとする冷媒を遮断する。除霜開閉弁10は、閉状態のとき、バイパス配管23に流れようとする冷媒を遮断する。液溜め8は、余剰冷媒を貯留する部材である。
また、室内機70には、室内熱交換器5及び再熱器3に風を送る室内送風機11が設けられている。室外機80には、室外熱交換器7に付設され、室外熱交換器7に風を送る室外送風機12が設けられている。本実施の形態1において、室内送風機11および室外送風機12は、例えばインバータ回路等によって回転数を制御され、送風量の調整が可能な送風機である。
さらに、室内機70には、室内冷媒漏洩センサ41と、制御装置50と、圧力センサ61〜63と、冷媒温度センサ65〜68と、空気温度センサ91と、が設けられている。室外機80には、圧力センサ64と、冷媒温度センサ69と、空気温度センサ92と、が設けられている。
圧力センサ61は、圧縮機1の吸入側に設けられ、圧縮機1によって吸入される冷媒の圧力である低圧圧力を計測する。圧力センサ62は、圧縮機1の吐出側に設けられ、圧縮機1から吐出される冷媒の圧力である高圧圧力を計測する。圧力センサ63は、再熱器3の出口側、すなわち再熱器3の出口又は出口近傍に設けられ、再熱器3から流出する冷媒の圧力である再熱器出口圧力を計測する。圧力センサ64は、室外熱交換器7の出口側、すなわち室外熱交換器7の出口又は出口近傍に設けられ、室外熱交換器7から流出する冷媒の圧力である凝縮器出口圧力を計測する。
冷媒温度センサ65〜69は、例えばサーミスタにより構成される。冷媒温度センサ65は、圧縮機1の吸入側に設けられ、圧縮機1に吸入される冷媒の温度である吸入温度を計測する。冷媒温度センサ66は、圧縮機1の吐出側に設けられ、圧縮機1から吐出される冷媒の温度である吐出温度を計測する。冷媒温度センサ67は、再熱器3の出口側に設けられ、再熱器3から流出する冷媒の温度である再熱器出口温度(内液温)を計測する。冷媒温度センサ68は、室内熱交換器5の出口側に設けられ、室内熱交換器5から流出する冷媒の温度(蒸発器出口温度)を計測する。冷媒温度センサ69は、室外熱交換器7の出口側に設けられ、室外熱交換器7から流出する冷媒の温度である凝縮器出口温度(外液温)を計測する。
空気温度センサ91及び92は、例えばサーミスタにより構成される。空気温度センサ91は、室内機70の吸込口などに設けられ、空調空間の温度を室内温度として計測する。空気温度センサ92は、室外機80に設けられ、屋外又は機械室などの温度を外気温度として計測する。
室内冷媒漏洩センサ41は、空調空間内に設けられ、冷媒の漏洩を検知する。室外冷媒漏洩センサ42は、空調空間の外部に設けられ、冷媒の漏洩を検知する。室内冷媒漏洩センサ41及び室外冷媒漏洩センサ42は、冷媒の漏洩を検知したとき、冷媒漏洩の発生を示す漏洩信号を制御装置50へ出力する。各圧力センサは、それぞれ、計測した圧力のデータを制御装置50へ出力する。各温度センサは、それぞれ、計測した温度のデータを制御装置50へ出力する。すなわち、各冷媒漏洩センサ、各圧力センサ、及び各温度センサは、電気的又は光学的に制御装置50と接続されている。
また、室内機70には、スピーカ及び発光体のうちの少なくとも1つを含んで構成された異常報知器45が設けられている。発光体としては、LED(発光ダイオード)などを用いることができる。異常報知器45は、制御装置50からの指示に応じて、音、音声、又は光などを出力することにより、異常の発生を報知する。
制御装置50は、冷媒回路30を制御するものである。すなわち、制御装置50は、各圧力センサ及び各温度センサの出力を取得して、圧縮機1、再熱開閉弁2、第1膨張弁4、冷却開閉弁6、第2膨張弁9、及び除霜開閉弁10などの各種アクチュエータを制御する。また、制御装置50は、異常が生じたときに異常報知器45に異常発生の旨を報知させる。本実施の形態1の制御装置50は、各冷媒漏洩センサにより、冷媒漏洩の異常を検知したとき、異常報知器45に、音、音声、又は光などを出力させる。
制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、を含んで構成される。RAMは、各種データを記憶する揮発性の記憶媒体である。ROMは、後述する各運転モードによる運転制御を制御装置50に実行させるための動作プログラムなどを記憶する不揮発性の記憶媒体である。制御装置50は、ROM内の動作プログラムにしたがって、圧縮機1、再熱開閉弁2、第1膨張弁4、冷却開閉弁6、第2膨張弁9、及び除霜開閉弁10などを適宜制御し、各運転モードによる空調を実施する。すなわち、制御装置50は、CPUなどの演算装置と、こうした演算装置と協働して下記の各種機能を実現させる動作プログラムとによって構成することができる。
ここで、室内機70における空気の流れについて概略的に説明する。室内送風機11が動作すると、室内機70に空気が取り込まれる。室内機70に取り込まれた空気は、蒸発器として機能する室内熱交換器5を通過して、絶対湿度が低下する。つまり、水分を含んだ空気が室内熱交換器5を通過することで、空気中の水分が室内熱交換器5に結露するため、空気の絶対湿度が低下する。室内熱交換器5を通過することで絶対湿度が低下し、温度が低下した空気は、相対湿度が高い冷たい空気となっている。室内熱交換器5を通過した空気は、再熱器3を通過することにより再加熱され、相対湿度が低下する。そして、再熱器3を通過して相対湿度が低下した空気は、室内に吹き出される。上記の通り、室内機70に取り込まれた空気は、相対湿度が低下して状態で室内に吹き出されるため、室内の相対湿度が低下する。これは、後述する除湿運転時又は中間運転時の室内機70における空気の流れである。
図2は、図1の制御装置の機能的構成を概略的に示すブロック図である。制御装置50は、演算処理部51と、記憶部52と、を有している。演算処理部51は、設定処理部51aと、動作制御部51bと、余剰冷媒検出部51cと、漏洩処理部51dと、を有している。設定処理部51aは、空気調和装置100の操作用のコントロール装置(図示せず)などから、ユーザによる操作及び設定の内容を示す操作信号を受け付ける。そして、設定処理部51aは、操作信号に応じて、運転モード、目標温度、及び目標湿度などの設定を行う。
余剰冷媒検出部51cは、下記の何れかの方法により余剰冷媒の発生を検出するものであり、余剰冷媒の発生を検出したときに、動作制御部51bへ検出信号を出力する。例えば、余剰冷媒検出部51cは、過冷却度を求めると共に、求めた過冷却度が過冷却閾値よりも大きいか否かを判定するように構成することができる。この判定は、余剰冷媒が発生しているときに過冷却度が大きくなることを利用したものである。つまり、余剰冷媒検出部51cは、求めた過冷却度が過冷却閾値よりも大きい場合に、動作制御部51bへ検出信号を出力する。
また、余剰冷媒の検出には、余剰冷媒が発生しているときに冷媒の吐出温度が低くなることを利用してもよい。つまり、余剰冷媒検出部51cは、冷媒温度センサ66から吐出温度を取得し、取得した吐出温度が吐出閾値よりも小さいか否かを判定してもよい。そして、余剰冷媒検出部51cは、吐出温度が吐出閾値よりも小さいときに、動作制御部51bへ検出信号を出力してもよい。
さらに、余剰冷媒の検出には、余剰冷媒が発生しているときに高圧圧力が上昇することを利用してもよい。つまり、余剰冷媒検出部51cは、圧力センサ62から高圧圧力を取得し、取得した高圧圧力が高圧閾値よりも大きいか否かを判定してもよい。そして、余剰冷媒検出部51cは、高圧圧力が高圧閾値よりも大きいときに、動作制御部51bへ検出信号を出力してもよい。
加えて、余剰冷媒の検出には、余剰冷媒が発生しているときに低圧圧力が上昇することを利用してもよい。つまり、余剰冷媒検出部51cは、圧力センサ61から低圧圧力を取得し、取得した低圧圧力が低圧閾値よりも大きいか否かを判定してもよい。そして、余剰冷媒検出部51cは、低圧圧力が低圧閾値よりも大きいときに、動作制御部51bへ検出信号を出力してもよい。
漏洩処理部51dは、室内冷媒漏洩センサ41及び室外冷媒漏洩センサ42のそれぞれから漏洩信号を取得する。漏洩処理部51dは、室内冷媒漏洩センサ41から漏洩信号が出力された場合、室内での冷媒漏洩の発生を示す室内漏洩信号を動作制御部51bへ出力する。漏洩処理部51dは、室外冷媒漏洩センサ42から漏洩信号が出力された場合、室外での冷媒漏洩の発生を示す室外漏洩信号を動作制御部51bへ出力する。
また、漏洩処理部51dは、室内冷媒漏洩センサ41及び室外冷媒漏洩センサ42の少なくとも一方から漏洩信号が出力されたとき、異常報知器45に、音、音声、又は光などを出力させる。漏洩処理部51dは、室内冷媒漏洩センサ41から漏洩信号を取得した場合と、室外冷媒漏洩センサ42から漏洩信号を取得した場合とで、異なる音、音声、又は光などを、異常報知器45に出力させてもよい。
動作制御部51bは、各圧力センサ及び各温度センサから定期的に計測データを取得する。そして、動作制御部51bは、設定処理部51aによる設定内容に応じて、取得した計測データを用い、空気調和装置100の各アクチュエータの動作を制御する。動作制御部51bは、例えば、圧縮機1の圧縮機モータ1a、室内送風機11のファンモータ11a、及び室外送風機12のファンモータ12aの回転数を制御する。
動作制御部51bは、ユーザの操作又はデフォルトの設定により、運転モードが除湿運転モードに設定されている場合、空気調和装置100に、空調空間の空気の除湿を行う除湿運転を実行させる。動作制御部51bは、運転モードが中間運転モードに設定されている場合、空気調和装置100に中間運転を実行させる。動作制御部51bは、運転モードが冷却運転モードに設定されている場合、空気調和装置100に、空調空間の空気の冷却を行う冷却運転を実行させる。動作制御部51bは、運転モードが除霜運転モードに設定されている場合、室内熱交換器5に付着した霜を溶かす除霜運転を空気調和装置100に実行させる。
例えば、動作制御部51bは、除湿運転時に冷却開閉弁6を閉状態にする。動作制御部51bは、除湿運転時に、第2膨張弁9を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、冷却回路32から主回路31への冷媒の流入を防ぐことができる。また、動作制御部51bは、冷却運転時に再熱開閉弁2を閉状態にする。動作制御部51bは、冷却運転時に、第1膨張弁4を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、再熱器3などに滞留している冷媒の室内熱交換器5への流入を防ぐことができる。
また、動作制御部51bは、圧縮機1の起動時、及び運転モードの切り替え時に、冷媒回路30における冷媒を平準化するための運転切替制御を行う機能を有している。さらに、動作制御部51bは、各運転モードでの運転中において、冷媒回路30の状態を示す状態値に基づき、冷媒回路30における冷媒分布を適正にするための冷媒分布制御を実施する。運転切替制御及び冷媒分布制御の具体的な内容については後述する。
加えて、動作制御部51bは、余剰冷媒が発生したとき、空気調和装置100に、後述する冷媒量調整運転を実行させる。つまり、動作制御部51bは、余剰冷媒検出部51cから検出信号が出力されたときに、再熱器3の性能を維持させつつ余剰冷媒を液溜め8に貯留させる冷媒量調整制御を実行する。
さらに、動作制御部51bは、室内冷媒漏洩センサ41において冷媒の漏洩が検知されたとき、つまり漏洩処理部51dから室内漏洩信号が出力されたとき、再熱開閉弁2を閉状態にし、第2膨張弁9を全閉の状態にする。これにより、第1接続部Mから再熱器3へ流れる冷媒を遮断し、室内の冷媒を室外熱交換器7及び液溜め8に貯留することができるため、室内への冷媒の漏洩を抑制することができる。動作制御部51bは、室内冷媒漏洩センサ41において冷媒の漏洩が検知されたとき、第1膨張弁4を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、再熱器3などに滞留している冷媒の室内熱交換器5側への流入を防ぐことができる。そのため、冷媒の漏洩箇所が、第2接続部Nから室内熱交換器5及び圧縮機1を経て第1接続部Mまでの流路に存在する場合に、室内へのさらなる冷媒漏洩を抑制することができる。また、動作制御部51bは、室内冷媒漏洩センサ41において冷媒の漏洩が検知されたとき、再熱開閉弁2及び除霜開閉弁10を閉状態とし、第1膨張弁4を全閉の状態とすることで、再熱開閉弁2から再熱器3を経て第1膨張弁4までの冷媒回路を独立させ、冷媒漏洩箇所の特定を促進してもよい。
また、動作制御部51bは、室外冷媒漏洩センサ42において冷媒の漏洩が検知されたとき、つまり漏洩処理部51dから室外漏洩信号が出力されたとき、冷却開閉弁6を閉状態にし、第1膨張弁4を全閉の状態にする。これにより、室外への冷媒の流れを遮断し、室外の冷媒を室内熱交換器5に貯蔵することができるため、室外での冷媒の漏洩を抑制することができる。動作制御部51bは、室外冷媒漏洩センサ42において冷媒の漏洩が検知されたとき、冷却開閉弁6を閉状態にすると共に第2膨張弁9を全閉の状態にして、冷却開閉弁6から第2膨張弁9までの冷媒回路を独立させることにより、冷媒の漏洩箇所の特定を促進してもよい。
記憶部52には、制御装置50の動作プログラムが記憶されている。また、記憶部52には、空調制御に関する種々のデータが記憶される。例えば、記憶部52には、運転モード、目標温度、及び目標湿度などの設定内容のデータが記憶される。また、記憶部52には、過冷却閾値、吐出閾値、高圧閾値、又は低圧閾値などの、余剰冷媒の発生を検出する際の基準となる閾値の情報が記憶される。なお、過冷却閾値、吐出閾値、高圧閾値、及び低圧閾値は、予め設定されており、適宜設定変更することができる。
図3は、図1の空気調和装置の除湿運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。図4は、図1の空気調和装置の中間運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。図5は、図1の空気調和装置の冷却運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。図6は、図1の空気調和装置の除霜運転時における冷媒回路の状態を示す説明図である。図3〜図6では、開状態の開閉弁を白抜きで示し、閉状態の開閉弁を黒塗りで示す。また、図3〜図6では、冷媒の流れを矢印つきの破線で示す。図3〜図6を参照して、各運転モードにおける弁制御及び冷媒の流れについて説明する。
[除湿運転]
図3に示すように、除湿運転時は、冷却開閉弁6及び除霜開閉弁10が閉状態にあり、再熱開閉弁2が開状態にある。つまり、制御装置50は、除湿運転モードに設定されている場合、再熱開閉弁2を開状態とし、冷却開閉弁6及び除霜開閉弁10を閉状態とする。
したがって、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、吐出配管を経て再熱器3に流入する。ここで、室内送風機11によって送風され、室内熱交換器5を通過した室内空気は、再熱器3を通過するようになっている。よって、再熱器3に流入した高温高圧のガス冷媒は、再熱器3を通過する室内空気と熱交換して放熱し、凝縮して液化する。そして、再熱器3から流出した冷媒は、液配管を経て第1膨張弁4で減圧され、気液二相冷媒となって室内熱交換器5に流入する。室内熱交換器5に流入した気液二相冷媒は、室内送風機11によって送風される室内空気との熱交換により吸熱してガス化し、低温低圧のガス冷媒となって圧縮機1に戻る。
ここで、室内送風機11により室内機70を循環する空気は、室内熱交換器5を流れる低温低圧の気液二相冷媒によって冷却され、その温度が露点以下まで低下する。これにより、室内熱交換器5の表面で室内空気中の水分が結露し、室内空気が除湿される。その後、室内熱交換器5を通過した空気は、再熱器3で高温高圧のガス冷媒により加熱されて昇温し、相対湿度が低下する。
このように、空気調和装置100は、除湿運転時に、冷却開閉弁6を閉状態にすることで、冷凍サイクル内の放熱をすべて室内で行う。つまり、空気調和装置100は、圧縮機1により冷媒に加わる熱量、及び空気中の水蒸気の凝縮潜熱の分だけ室内空気を加熱する運転を行う。したがって、除湿運転時の空気調和装置100に吸い込まれた室内空気は、加熱されると同時に除湿される。
[中間運転]
図4に示すように、空調空間の空気の除湿と冷却とを同時に行う中間運転時は、再熱開閉弁2及び冷却開閉弁6が開状態にあり、除霜開閉弁10が閉状態にある。つまり、制御装置50は、中間運転モードに設定されている場合、再熱開閉弁2及び冷却開閉弁6を開状態とし、除霜開閉弁10を閉状態とする。
したがって、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、吐出配管を経て、室外熱交換器7に流入すると共に、再熱器3に流入する。そして、室外熱交換器7および再熱器3で放熱して液化した冷媒は、液配管の下流に設置された第1膨張弁4及び第2膨張弁9で減圧されて気液二相冷媒となり、室内熱交換器5に流入する。室内熱交換器5に流入した気液二相冷媒は、室内熱交換器5で吸熱してガス化し、吸入配管を経て圧縮機1に吸入される。制御装置50は、中間運転において、室外送風機12に対し、外気温度及び高圧圧力に応じたオンオフ制御を行うと共に、室内送風機11に対し、常時オンにする制御を行う。
[冷却運転]
図5に示すように、空調空間の空気を冷却する冷却運転時は、冷却開閉弁6が開状態にあり、再熱開閉弁2及び除霜開閉弁10が閉状態にある。つまり、制御装置50は、冷却運転モードに設定されている場合、再熱開閉弁2及び除霜開閉弁10を閉状態とし、除霜開閉弁10を閉状態とする。
したがって、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、吐出配管を経て室外熱交換器7に流入し、室外送風機12によって送風される室外空気と熱交換して放熱し、凝縮して液化する。そして、室外熱交換器7から流出した冷媒は、液配管を経て第1膨張弁4で減圧されて気液二相冷媒となり、室内熱交換器5に流入する。室内熱交換器5に流入した気液二相冷媒は、室内送風機11により送風される室内空気と熱交換して吸熱してガス化し、低温低圧のガス冷媒となって圧縮機1に戻る。つまり、室内送風機11により循環する空気は、室内熱交換器5において低温低圧の気液二相冷媒により冷却される。なお、冷却運転時の余剰冷媒は、適宜、液溜め8に貯留される。
ここで、冷却運転は、室内の絶対湿度が低いとき、又は室内の温度を下げる優先度が高いときに実行するとよい。なぜなら、冷却運転により空気の温度が低下すると、相対湿度が高くなる。そして、相対湿度が高くなると、快適性が低下すると共に、室内が結露しやすくなるといった不都合が生じるためである。また、例えば、冷却運転により、空気の温度が低下して露点以下になると、室内熱交換器5の表面で室内空気中の水分が結露して通風抵抗が増大し、熱交換能力が低下するためである。
[除霜運転]
除霜運転は、室内熱交換器5に霜が着き、熱交換器としての性能が低下した際に行う霜取り運転のことである。図6に示すように、除霜運転時は、再熱開閉弁2及び冷却開閉弁6が閉状態にあり、除霜開閉弁10が開状態にある。つまり、制御装置50は、除霜運転モードに設定されている場合、再熱開閉弁2及び冷却開閉弁6を閉状態とし、除霜開閉弁10を開状態とする。したがって、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、吐出配管及びバイパス回路33を経て、第1膨張弁4で減圧され、室内熱交換器5に流入する。
ここで、室内熱交換器5は、冷媒により加熱され、着氷した霜と熱交換して霜を溶かす。室内熱交換器5に流入した冷媒は、霜との熱交換により温度が低下して低温になった後、吸入管と熱交換して吸熱してガス化し、低温低圧のガス冷媒となって圧縮機1に戻る。このとき、制御装置50は、第1膨張弁4を最小開度にすることで、室内熱交換器5を通過する冷媒の量を調整し、液化した冷媒が圧縮機1に入ることを防ぐ。また、制御装置50は、室内送風機11をオフにする。よって、除霜運転時は、単純に、室内熱交換器5を通過する冷媒と、室内熱交換器5に付着した霜との間の熱交換のみが行われる。
上記の各運転のうち、中間運転は、再熱器3及び室外熱交換器7に冷媒を流すため、必要とする冷媒量が相対的に多くなる。一方、除湿運転は、中間運転と比較して、必要とする冷媒の量が少ない。除湿運転では、再熱器3に冷媒が流れるが、室外熱交換器7には冷媒が流れないためである。したがって、除湿運転を行っているときは、余剰冷媒が発生することがある。そして、余剰冷媒が発生すると、高圧圧力が上昇する等の異常が発生するおそれがある。また、外気温度と室内の温度との温度差が大きくなっているときは、冷媒の偏りが生じやすいため、特に冷却運転及び除湿運転において余剰冷媒が発生するおそれがある。
こうした事情を勘案して、本実施の形態1の空気調和装置100は、圧縮機1の起動時、及び運転モードの切り替え時に、冷媒回路30における冷媒の平準化、つまり冷媒分布の適正化を目的とした運転切替制御を実施する。また、空気調和装置100は、各運転モードに移行した後、運転中の状態値を用いた冷媒分布制御により、再熱器3及び室外熱交換器7に分布する冷媒量の適正化を図る。
[運転切替制御]
まずは、各種の運転モードへ移行する前に動作制御部51bが行う運転切替制御について説明する。図7は、図1の制御装置が運転切替制御を実施するタイミングを示す説明図である。図7に示すように、動作制御部51bは、冷却運転、中間運転、又は除湿運転が指示されて圧縮機1を起動する際、運転切替制御を実施した後に、指示された運転を開始する。また、動作制御部51bは、冷却運転から中間運転もしくは除湿運転に切り替える際、中間運転から冷却運転もしくは除湿運転に切り替える際、除湿運転から中間運転もしくは冷却運転に切り替える際、運転切替制御を実施した後に、指示された運転、つまり切り替え後の運転を開始する。
ユーザは、リモートコントローラなどのコントロール装置を介して、ある運転モードによる運転開始を指示する操作、及び運転モードの切り替えを指示する操作を行うことができる。コントロール装置は、運転開始を指示する操作を受け付けると、制御装置50の設定処理部51aへ運転指示を送信する。コントロール装置は、運転モードの切り替えを指示する操作を受け付けると、制御装置50の設定処理部51aへ運転切替指示を送信する。設定処理部51aは、コントロール装置から運転指示又は運転切替指示を受信したとき、運転切替制御を実行する。
運転切替制御時において、動作制御部51bは、中間運転のときと同様、再熱開閉弁2と冷却開閉弁6との双方を開状態とし、除霜開閉弁10を閉状態とする。そして、動作制御部51bは、再熱器3の下流に設けられた第1膨張弁4と、室外熱交換器7の下流に設けられた第2膨張弁9とを用いて、冷媒回路30内の冷媒を平準化するための冷媒平準化処理を実行する。
冷媒平準化処理において、動作制御部51bは、第2膨張弁9を用いたSC制御(サブクール制御)により冷凍サイクルを構成することで、室外熱交換器7に分布する冷媒量を適正な状態とする。つまり、動作制御部51bは、例えば、室外熱交換器7の出口の冷媒の温度を利用して、室外熱交換器7による過冷却度が凝縮器適正範囲内に収まるように、第2膨張弁9の開度を制御する。本実施の形態1の凝縮器適正範囲は、判定値Xを基準として定まり、室外熱交換器7の冷媒量が適正であることを示す範囲である。判定値Xは、例えば5[K]に設定され、冷媒回路30の構成などに応じて適宜変更することができる。以降では、室外熱交換器7による過冷却度、つまり凝縮器による過冷却度のことを「外液SC」ともいう。
より具体的に、凝縮器適正範囲は、判定値Xを係数αで減算した値から、判定値Xに係数βを加算した値までの範囲である。判定値X、係数α、及び係数βは、外液SCが凝縮器適正範囲内であれば、室外熱交換器7に分布する冷媒が適正量となるように設定される。係数α及び係数βは、それぞれ、0又は正の値であり、冷媒回路30の構成などに応じて設定され、適宜変更することができる。係数αと係数βとは同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。係数α及び係数βは、1[K]〜2[K]程度の値に設定するとよい。
動作制御部51bは、冷媒温度センサ69において計測された外液温を用いて外液SCを求める。動作制御部51bは、外液SCを求める際、圧力センサ62から高圧圧力を取得すると共に、冷媒温度センサ67から内液温を取得する。動作制御部51bは、高圧圧力を飽和換算して凝縮温度CTを求め、求めた凝縮温度CTから外液温を減算することにより外液SCを求める。そして、動作制御部51bは、求めた外液SCに応じて第2膨張弁9を制御することにより、室外熱交換器7に分布する冷媒量を調整する。動作制御部51bは、圧力センサ62から取得する高圧圧力の代わりに、圧力センサ64から取得する凝縮器出口圧力を用いて凝縮温度CTを求めてもよい。
また、冷媒平準化処理において、動作制御部51bは、第1膨張弁4を用いたSH制御(スーパーヒート制御)により冷凍サイクルを構成することで、余剰冷媒による液バックの防止を図ると共に、再熱器3及び室外熱交換器7に冷媒を貯留させる処理を実行する。つまり、動作制御部51bは、室内熱交換器5による過熱度(SH)が冷媒調整範囲内に収まるように、第1膨張弁4のSH制御を実行する。これにより、余剰冷媒が液溜め8に貯留され、圧縮機1への液戻りを抑制することができる。以降では、室内熱交換器5による過熱度、つまり蒸発器による過熱度のことを「吸入SH」ともいう。本実施の形態1の冷媒調整範囲は、判定値Pを基準として定まり、冷媒回路30における冷媒分布が適正であることを示す範囲である。
より具体的に、冷媒調整範囲は、判定値Pを係数γで減算した値から、判定値Pに係数δを加算した値までの範囲である。判定値P、係数γ、及び係数δは、吸入SHが冷媒調整範囲内であれば、各凝縮器に冷媒が貯留され、余剰冷媒による液バックが防止できるように設定される。判定値Pは、例えば5[K]に設定され、冷媒回路30の構成などに応じて適宜変更することができる。係数γ及び係数δは、それぞれ、0又は正の値であり、冷媒回路30の構成などに応じて設定され、適宜変更することができる。係数γと係数δとは同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。係数γ及び係数δは、1[K]〜2[K]程度の値に設定するとよい。
動作制御部51bは、吸入SHを求める際、圧力センサ61から低圧圧力を取得すると共に、冷媒温度センサ65から吸入温度を取得する。そして、動作制御部51bは、低圧圧力を飽和換算して蒸発温度ETを求め、吸入温度から蒸発温度ETを減算することにより、吸入SHを求める。もっとも、室内熱交換器5に冷媒温度センサを設け、当該冷媒センサによる計測温度を、制御装置50が蒸発温度ETとして用いるようにしてもよい。
すなわち、動作制御部51bは、冷媒平準化処理において、「外液SC≒判定値X」かつ「吸入SH≒判定値P」という平準化条件を満たすか否かの判定を実行する。動作制御部51bは、予め決められた設定時間中に平準化条件を満たせば、指示された運転、つまり運転指示又は運転切替指示に示される運転を開始する。動作制御部51bは、設定時間中に平準化条件を満たさなくても、運転切替制御を開始してから設定時間が経過したときに、指示された運転を開始する。設定時間は、例えば5分に設定され、冷媒回路30の構成などに応じて適宜変更することができる。なお、平準化条件については、下記の動作説明において詳細に説明する。
[冷媒分布制御]
次に、各運転に移行した後、運転中の状態値をもとに動作制御部51bが行う冷媒分布制御について説明する。本実施の形態1において、動作制御部51bは、前述の運転切替制御を実行し、冷却運転又は除湿運転に切り替わった場合に、運転中の状態値に基づく冷媒分布制御を実行する。
(冷却運転時の冷媒分布制御)
冷却運転時において、動作制御部51bは、例えば、室外熱交換器7の出口の冷媒の温度を利用して、第2膨張弁9の開度を制御すると共に、再熱開閉弁2の開閉状態と第1膨張弁4の開度とを制御する。つまり、動作制御部51bは、冷媒温度センサ69において計測された外液温を用いて外液SCを求める。動作制御部51bは、外液SCを求める際、圧力センサ62から高圧圧力を取得すると共に、冷媒温度センサ69から外液温を取得する。そして、動作制御部51bは、高圧圧力を飽和換算して凝縮温度CTを求め、求めた凝縮温度CTから外液温を減算することにより外液SCを求める。動作制御部51bは、求めた外液SCに応じて、第2膨張弁9を制御すると共に、再熱開閉弁2及び第1膨張弁4を制御することで、室外熱交換器7に分布する冷媒量を調整する。動作制御部51bは、圧力センサ62から取得する高圧圧力の代わりに、圧力センサ64から取得する凝縮器出口圧力を用いて凝縮温度CTを求めてもよい。
動作制御部51bは、外液SCをもとに、冷却運転時における冷媒量の過不足を判断する。すなわち、動作制御部51bは、外液SCが冷媒量適正範囲内であるか否かを判定する。本実施の形態1の冷媒量適正範囲は、判定値Yを基準として定まり、室外熱交換器7に分布する冷媒量が適正であることを示す範囲である。判定値Yは、例えば5[K]に設定され、冷媒回路30の構成などに応じて適宜変更される。
より具体的に、冷却運転時における冷媒量適正範囲は、判定値Yを係数aで減算した値から判定値Yに係数bを加算した値までの範囲である。係数a及び係数bは、それぞれ、0又は正の値であり、冷媒回路30の構成などに応じて設定され、適宜変更される。判定値Y、係数a、及び係数bは、外液SCが冷媒量適正範囲内であれば、冷却運転時の室外熱交換器7に分布する冷媒が適正量となるように設定される。以降では、冷媒量適正範囲の下限値であって、判定値Yを係数aで減算した値のことを「冷却下限値」といい、冷媒量適正範囲の上限値であって、判定値Yに係数bを加算した値のことを「冷却上限値」ともいう。係数aと係数bとは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
したがって、外液SCが冷媒量適正範囲内であることは、室外熱交換器7に分布する冷媒が適正量であることに相当する。外液SCが冷却上限値よりも大きいことは、室外熱交換器7に分布する冷媒が過多であることに相当する。外液SCが冷却下限値よりも小さいことは、室外熱交換器7に分布する冷媒が不足していることに相当する。
動作制御部51bは、外液SCが冷却下限値よりも小さければ、凝縮温度CTが高圧異常を回避するための判定閾値よりも低いという室外高圧保護条件と、内液温が蒸発温度ETよりも高いという室内冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定する。
室外高圧保護条件は、冷媒の分布を室外側に多くした際に高圧異常とならないようにすることを意図した条件である。本実施の形態1において、冷却運転時の判定閾値は、保護凝縮温度CTmaxを判定値Yで減算した値である。保護凝縮温度CTmaxは、高圧保護が実施される閾値であり、平常時の凝縮温度CTよりも高く設定される。つまり、動作制御部51bは、凝縮温度CTが保護凝縮温度CTmaxに到達したときに高圧保護を実施するようになっている。室内冷媒排出条件は、室内側からの冷媒排出、つまり再熱器3から室内熱交換器5へ向けての冷媒補填を実施するにあたり、差圧による冷媒排出の可否を判定するための条件である。
動作制御部51bは、室外高圧保護条件及び室内冷媒排出条件を満たせば、第1膨張弁4を最小開度にして、再熱器3から室内熱交換器5に向けて冷媒が流れる状態とし、室内熱交換器5を通過する冷媒の量を調整する。そして、動作制御部51bは、第1膨張弁4を最小開度にしてから調整基準時間が経過するまでの間において、外液SCが貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、第1膨張弁4を全閉の状態にして冷媒分布制御を終了する。調整基準時間は、例えば5分に設定され、適宜変更することができる。
動作制御部51bは、外液SCが冷却上限値より大きければ、冷媒温度センサ67において計測された内液温が凝縮温度CT未満であるか否かを判定する。この判定は、室内側への冷媒排出を実施するにあたり、差圧による冷媒排出の可否を判断するためのものである。すなわち、動作制御部51bは、内液温が凝縮温度CT未満であれば、再熱開閉弁2を開状態にして、室外熱交換器7へ流れる冷媒を再熱器3に分散させることにより、再熱器3に冷媒を貯留する。
また、動作制御部51bは、再熱開閉弁2を開状態にしてから開閉基準時間が経過するまでの間において、外液SCが貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、再熱開閉弁2を閉状態にして、冷媒分布制御を終了する。開閉基準時間は、例えば5分に設定され、適宜変更することができる。冷却運転時の貯留基準範囲は、判定値Yを基準として定まり、再熱器3への適正な冷媒貯留量に対応する範囲である。より具体的に、貯留基準範囲は、判定値Yを係数cで減算した値から、判定値Yに係数dを加算した値までの範囲である。判定値Y、係数c、及び係数dは、外液SCが貯留基準範囲内であれば、再熱器3の冷媒貯留量が適正、つまり室外熱交換器7に分布する冷媒量が適正となるように設定される。係数c及び係数dは、それぞれ、0又は正の値であり、冷媒回路30の構成などに応じて設定され、適宜変更することができる。係数cと係数dとは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
(除湿運転の冷媒分布制御)
除湿運転時において、動作制御部51bは、例えば、再熱器3の出口の冷媒の温度を利用して、第1膨張弁4の開度を制御する。つまり、動作制御部51bは、冷媒温度センサ67において計測された内液温を用いて再熱器3による過冷却度を求める。以降では、再熱器3による過冷却度のことを「内液SC」ともいう。動作制御部51bは、内液SCを求める際、圧力センサ62から高圧圧力を取得すると共に、冷媒温度センサ67から内液温を取得する。そして、動作制御部51bは、高圧圧力を飽和換算して凝縮温度を求め、凝縮温度から内液温を減算することにより内液SCを求める。動作制御部51bは、求めた内液SCに応じて、第1膨張弁4を制御すると共に、冷却開閉弁6及び第2膨張弁9を制御することで、再熱器3に分布する冷媒量を調整する。動作制御部51bは、圧力センサ62から取得する高圧圧力の代わりに、圧力センサ63から取得する再熱器出口圧力を用いて凝縮温度を求めてもよい。
動作制御部51bは、内液SCをもとに、除湿運転時における冷媒量の過不足を判断する。すなわち、動作制御部51bは、内液SCが冷媒量適正範囲内であるか否かを判定する。冷媒量適正範囲は、設定された判定値Zを基準として定まり、再熱器3に分布する冷媒量が適正であることを示す範囲である。判定値Zは、例えば5[K]に設定され、冷媒回路30の構成などに応じて適宜変更される。
本実施の形態1において、除湿運転時における冷媒量適正範囲は、判定値Zを係数eで減算した値から判定値Zに係数fを加算した値までの範囲である。係数e及び係数fは、それぞれ、0又は正の値であり、冷媒回路30の構成などに応じて設定され、適宜変更される。係数eと係数fとは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。判定値Z、係数e、及び係数fは、内液SCが冷媒量適正範囲内であれば、除湿運転時の再熱器3に分布する冷媒が適正量となるように設定される。以降では、冷媒量適正範囲の下限値である判定値Zを係数eで減算した値のことを「除湿下限値」といい、冷媒量適正範囲の上限値である判定値Zに係数fを加算した値のことを「除湿上限値」ともいう。
したがって、内液SCが冷媒量適正範囲内であることは、再熱器3に分布する冷媒が適正量であることに相当する。内液SCが除湿上限値よりも大きいことは、再熱器3に分布する冷媒が過多であることに相当する。内液SCが除湿下限値よりも小さいことは、再熱器3に分布する冷媒が不足していることに相当する。
動作制御部51bは、内液SCが除湿下限値よりも小さければ、凝縮温度CTが高圧異常を回避するための判定閾値よりも低いという室内高圧保護条件と、外液温が蒸発温度ETよりも高いという室外冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定する。室内高圧保護条件は、冷媒の分布を室内側に多くした際に高圧異常とならないようにすることを意図した条件である。本実施の形態1において、除湿運転時の判定閾値は、保護凝縮温度CTmaxを判定値Zで減算した値である。室外冷媒排出条件は、室外側からの冷媒排出、つまり室外熱交換器7から主回路31への冷媒補填を実施するにあたり、差圧による排出可否を判定するための条件である。
動作制御部51bは、室内高圧保護条件及び室外冷媒排出条件を満たせば、第2膨張弁9を最小開度にして、室外熱交換器7から室内熱交換器5に向けて冷媒が流れる状態とし、室内熱交換器5を通過する冷媒の量を調整する。そして、動作制御部51bは、第2膨張弁9を最小開度にしてから調整基準時間が経過するまでの間において、内液SCが貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、第2膨張弁9を全閉の状態にして冷媒分布制御を終了する。
動作制御部51bは、内液SCが除湿上限値よりも大きければ、冷媒温度センサ69において計測された外液温が凝縮温度CT未満であるか否かを判定する。この判定は、室外側への冷媒排出を実施するにあたり、差圧による冷媒排出の可否を判断するためのものである。すなわち、動作制御部51bは、外液温が凝縮温度CT未満であれば、冷却開閉弁6を開状態にし、再熱器3へ流れる冷媒を室外熱交換器7側へ分散させることにより、室外熱交換器7等に冷媒を貯留する。
また、制御装置50は、冷却開閉弁6を開状態にしてから開閉基準時間が経過するまでの間において、内液SCが貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、冷却開閉弁6を閉状態にして、冷媒分布制御を終了する。除湿運転時の貯留基準範囲は、判定値Zを基準として定まり、室外熱交換器7への適正な冷媒貯留量に対応する範囲である。本実施の形態1において、貯留基準範囲は、判定値Zを係数gで減算した値から、判定値Zに係数hを加算した値までの範囲である。判定値Z、係数g、及び係数hは、内液SCが貯留基準範囲内であれば、室外熱交換器7の冷媒貯留量が適正、つまり再熱器3に分布する冷媒量が適正となるように設定される。係数g及び係数hは、それぞれ、0又は正の値であり、冷媒回路30の構成などに応じて設定され、適宜変更することができる。係数gと係数hとは、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。なお、係数a〜係数hは、それぞれ、1[K]〜2[K]程度の値に設定するとよい。
[冷媒量調整運転]
ところで、上記の各運転のうち、中間運転は、再熱器3及び室外熱交換器7に冷媒を流すため、必要とする冷媒量が相対的に多くなる。一方、除湿運転は、中間運転と比較して、必要とする冷媒の量が少ない。除湿運転では、再熱器3に冷媒が流れるが、室外熱交換器7には冷媒が流れないためである。したがって、除湿運転を行っているときは、余剰冷媒が発生することがある。そして、余剰冷媒が発生すると、高圧圧力が上昇する等の異常が発生するおそれがある。
そこで、本実施の形態1の空気調和装置100は、除湿運転時において、余剰冷媒が発生したときに、冷媒量調整運転を実行するようになっている。以下、余剰冷媒が発生したときに動作制御部51bが行う冷媒量調整制御について説明する。
動作制御部51bは、除湿運転中に、余剰冷媒の発生を検出すると、中間運転のときと同様、再熱開閉弁2及び冷却開閉弁6を共に開状態とし、除霜開閉弁10を閉状態とする。そして、動作制御部51bは、再熱器3の下流に設けられた第1膨張弁4と、室外熱交換器7の下流に設けられた第2膨張弁9とを用いて、冷媒量調整制御を実行する。つまり、動作制御部51bは、SC制御により冷凍サイクルを構成することで、再熱器3の性能を確保しつつ、SH制御によって室外熱交換器7を通過した余剰冷媒を液溜め8に貯留させる。
本実施の形態1の動作制御部51bは、内液SCを再熱判定値以上に保つように、第1膨張弁4のSC制御を実行する。動作制御部51bによるSC制御により、除湿運転時に必要とする再熱器3の再熱量を確保して、必要十分な除湿能力を発揮することができる。
動作制御部51bは、例えば、再熱器3の出口の冷媒の温度を利用して、第1膨張弁4の開度を制御する。すなわち、動作制御部51bは、上記同様に内液SCを求め、求めた内液SCが設定値となるように第1膨張弁4を制御する。これにより、再熱器3による再熱の熱量を制御して、設定された除湿能力を発揮することができる。また、動作制御部51bは、上記同様に求める吸入SHが凝縮判定値以上で維持されるように、第2膨張弁9のSH制御を実行する。これにより、余剰冷媒が液溜め8に貯留される。
なお、動作制御部51bは、空気調和装置100の吹出し空気の温度、すなわち再熱器3を通過した空気の温度を利用して、第1膨張弁4の開度を制御してもよい。この場合、室内機70の吹出口に空気温度センサを設けておき、動作制御部51bは、当該空気温度センサによる計測温度が、設定された目標温度となるように、第1膨張弁4の開度を制御するとよい。ここで、空気調和装置100の吹出し空気の温度とは、室内機70から空調空間に吹き出される空気の温度のことであり、以降では、吹出し温度ともいう。
図8は、図1の制御装置による運転切替制御に関する動作を示すフローチャートである。図8を参照して、運転切替制御に関する動作の流れを説明する。
制御装置50は、コントロール装置から運転指令又は運転切替指令を受信するまで、現在の運転状態を維持する(ステップS101/No)。制御装置50は、コントロール装置から運転指令又は運転切替指令を受信すると(ステップS101/Yes)、運転切替制御を開始する。すなわち、制御装置50は、再熱開閉弁2及び冷却開閉弁6を開状態とし、除霜開閉弁10を閉状態とする(ステップS102)。そして、制御装置50は、第1膨張弁4と第2膨張弁9とを用いて冷媒平準化処理を実施する。つまり、制御装置50は、第2膨張弁9を用いたSC制御と、第1膨張弁4を用いたSH制御とを開始する(ステップS103)。
次に、制御装置50は、外液SCが凝縮器適正範囲内であり、かつ吸入SHが冷媒調整範囲内であるという平準化条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。制御装置50は、平準化条件を満たしていれば(ステップS104/Yes)、運転指令又は運転切替指令において指示された運転を開始する(ステップS106)。制御装置50は、平準化条件を満たしていなければ(ステップS104/No)、運転切替制御を開始してからの経過時間が設定時間に到達するまで、所定の間隔で平準化条件を満たすか否かの判定を行う。ここで、ステップS104の判定処理を行う間隔は、一定であってもよく、経過時間に応じて短くしてもよい(ステップS105/No、ステップS104)。
制御装置50は、平準化条件を満たしていなくても(ステップS104/No)、運転切替制御を開始してからの経過時間が設定時間に到達すれば、運転切替制御を終了し、運転指令又は運転切替指令において指示された運転を開始する(ステップS106)。
図9は、図1の制御装置による冷却運転時の冷媒分布制御を例示したフローチャートである。図9を参照して、冷却運転時の冷媒分布制御における動作の流れを説明する。
制御装置50は、冷却運転を開始して所定の時間が経過すると、外液SCが冷媒量適正範囲内であるか否かを判定する(ステップS201)。制御装置50は、外液SCが冷媒量適正範囲内であれば(ステップS201/Yes)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。
制御装置50は、外液SCが冷却上限値(Y+b)よりも大きければ(ステップS201/No、ステップS202/Yes)、冷媒温度センサ67において計測された内液温が凝縮温度CT未満であるか否かを判定する(ステップS203)。
制御装置50は、内液温が凝縮温度CT以上であれば(ステップS203/No)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。一方、制御装置50は、内液温が凝縮温度CT未満であれば(ステップS203/Yes)、差圧による再熱器3への冷媒貯留が可能なため、再熱開閉弁2を開放する。つまり、制御装置50は、再熱開閉弁2を閉状態から開状態にする(ステップS204)。
次に、制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲内であるか否かを判定する(ステップS205)。制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲内であれば、再熱開閉弁2を閉状態にして、再熱器3へ流れる冷媒を遮断し(ステップS207)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲外であれば(ステップS205/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が開閉基準時間に到達するまで、所定の間隔でステップS205の判定処理を繰り返し実行する。ここで、ステップS205の判定処理を行う間隔は、一定であってもよく、経過時間に応じて短くしてもよい(ステップS206/No、ステップS205)。
制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲外であっても(ステップS205/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が開閉基準時間に到達すれば、再熱開閉弁2を閉状態にし(ステップS207)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。
また、制御装置50は、外液SCが冷却下限値(Y−a)よりも小さければ(ステップS201/No、ステップS202/No)、室外高圧保護条件と室内冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定する(ステップS208)。制御装置50は、室外高圧保護条件を満たし、かつ室内冷媒排出条件を満たすと判定した場合(ステップS208/Yes)、第1膨張弁4を最小開度に調整する(ステップS209)。
次に、制御装置50は、ステップS205と同様に、外液SCが貯留基準範囲内であるか否かを判定する(ステップS210)。制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲内であれば、第1膨張弁4を全閉の状態にし(ステップS212)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。
制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲外であれば(ステップS210/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が調整基準時間に到達するまで、所定の間隔でステップS210の判定処理を繰り返し実行する(ステップS210/No、ステップS211)。
制御装置50は、外液SCが貯留基準範囲外であっても(ステップS210/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が調整基準時間に到達すれば、第1膨張弁4を全閉の状態にし(ステップS212)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。また、制御装置50は、室外高圧保護条件及び室内冷媒排出条件のうちの少なくとも一方を満たさないと判定した場合(ステップS208/No)、冷媒分布制御を終了する(ステップS213)。
制御装置50は、一定期間が経過するまで通常の冷却運転を行い(ステップS214/No)、一定期間が経過すると(ステップS214/Yes)、ステップS201の処理を開始する。すなわち、制御装置50は、一定期間ごとに、ステップS201〜S213の一連の処理を繰り返し実行する。このように、空気調和装置100は、冷却運転時において、ステップS201〜S213の一連の処理である冷媒分布制御を一度実施すると、一定期間が経過するまでは実施しないようになっている。よって、第1膨張弁4及び再熱開閉弁2の頻繁な開閉動作を回避することができるため、第1膨張弁4及び再熱開閉弁2の劣化を防ぎ、信頼性の向上を図ることができる。なお、ステップS205及びS210の判定値Yとして、ステップS201の判定値Yとは異なる値を用いてもよい。
図10は、図1の制御装置による除湿運転時の冷媒分布制御を例示したフローチャートである。図10を参照して、除湿運転時の冷媒分布制御における動作の流れを説明する。
制御装置50は、除湿運転を開始して所定の時間が経過すると、内液SCが冷媒量適正範囲内であるか否かを判定する(ステップS301)。制御装置50は、外液SCが冷媒量適正範囲内であれば(ステップS301/Yes)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。
制御装置50は、内液SCが除湿上限値(Z+f)よりも大きければ(ステップS301/No、ステップS302/Yes)、冷媒温度センサ69において計測された外液温が凝縮温度CT未満であるか否かを判定する(ステップS303)。
制御装置50bは、外液温が凝縮温度CT以上であれば(ステップS303/No)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。一方、制御装置50は、外液温が凝縮温度CT未満であれば(ステップS303/Yes)、冷却開閉弁6を開放する。つまり、制御装置50は、冷却開閉弁6を閉状態から開状態にする(ステップS304)。
次に、制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲内であるか否かを判定する。もっとも、ステップS305の判定値Zは、ステップS301の判定値Zとは異なる値であってもよい(ステップS305)。
制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲内であれば、冷却開閉弁6を閉状態にして、室外熱交換器7へ流れる冷媒を遮断し(ステップS307)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲外であれば(ステップS305/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が開閉基準時間に到達するまで、所定の間隔でステップS305の判定処理を繰り返し実行する。ここで、ステップS305の判定処理を行う間隔は、一定であってもよく、経過時間に応じて短くしてもよい(ステップS306/No、ステップS305)。
制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲外であっても(ステップS305/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が開閉基準時間に到達すれば、冷却開閉弁6を閉状態にし(ステップS307)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。
また、制御装置50は、内液SCが除湿下限値(Z−e)よりも小さければ(ステップS301/No、ステップS302/No)、室内高圧保護条件と室外冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定する(ステップS308)。制御装置50は、室内高圧保護条件を満たし、かつ室外冷媒排出条件を満たすと判定した場合(ステップS308/Yes)、第2膨張弁9を最小開度に調整する(ステップS309)。
次に、制御装置50は、ステップS305と同様、内液SCが貯留基準範囲内であるか否かを判定する(ステップS310)。制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲内であれば、第2膨張弁9を全閉の状態にし(ステップS312)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。
制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲外であれば(ステップS310/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が調整基準時間に到達するまで、所定の間隔でステップS310の判定処理を繰り返し実行する(ステップS310/No、ステップS311)。
制御装置50は、内液SCが貯留基準範囲外であっても(ステップS310/No)、冷媒分布制御を開始してからの経過時間が調整基準時間に到達すれば、第2膨張弁9を全閉の状態にし(ステップS312)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。また、制御装置50は、室内高圧保護条件及び室外冷媒排出条件のうちの少なくとも一方を満たさないと判定した場合(ステップS308/No)、冷媒分布制御を終了する(ステップS313)。
制御装置50は、一定期間が経過するまで通常の冷却運転を行い(ステップS314/No)、一定期間が経過すると(ステップS314/Yes)、ステップS301の処理を開始する。すなわち、制御装置50は、一定期間ごとに、ステップS301〜S313の一連の処理を繰り返し実行する。このように、空気調和装置100は、除湿運転時において、ステップS301〜S313の一連の処理である冷媒分布制御を一度実施すると、一定期間が経過するまでは実施しないようになっている。よって、第2膨張弁9及び冷却開閉弁6の頻繁な開閉動作を回避することができるため、第2膨張弁9及び冷却開閉弁6の劣化を防ぎ、信頼性の向上を図ることができる。なお、ステップS305及びS310の判定値Zとして、ステップS301の判定値Zとは異なる値を用いてもよい。
[冷媒漏洩時の処理及び動作]
次に、冷媒漏洩が発生した場合の制御装置50による処理内容、及び各開閉弁及び各膨張弁の動作内容の一例について説明する。
(室内冷媒漏洩センサ41が冷媒漏洩を検知した場合)
室内冷媒漏洩センサ41が冷媒漏洩を検知した際、制御装置50は、再熱開閉弁2を閉状態にし、除霜開閉弁10を閉状態にし、冷却開閉弁6を開状態にし、第2膨張弁9を全閉とし、圧縮機1を運転させてポンプダウン運転を実行する。ポンプダウン運転を実行する際、制御装置50は、室内送風機11及び室外送風機12の回転数を、通常運転時の回転数よりも大きくするとよい。上記のような弁制御とポンプダウン運転により、室内で冷媒漏れが発生したとき、冷媒を、冷却開閉弁6から室外熱交換器7までの配管、室外熱交換器7、室外熱交換器7から液溜め8までの配管、液溜め8、及び液溜め8から第2膨張弁9までの配管に溜めることができる。
また、制御装置50は、吸入側の圧力が設定値よりも低くなったとき、又は吐出側の圧力が設定値よりも高くなったときに、圧縮機1の運転を停止させる。そして、制御装置50は、圧縮機1の運転を停止させた後に、冷却開閉弁6を閉状態にする。このように、圧縮機1の停止後に冷却開閉弁6を閉状態にすることで、冷媒の逆流を抑制することができる。そして、上記のように、空気調和装置100の運転を段階的に停止することで、安全性の向上を図ることができる。
なお、ポンプダウン運転を実行した後に、圧縮機1と室外熱交換器7と第2膨張弁9と室内熱交換器5とに冷媒を循環させでも支障がないときは、冷却開閉弁6を開にして冷却運転を実行することができる。冷却運転を実行することで、空調空間の温度上昇を防ぐことができるため、快適性の低下を抑制することができる。ここで、圧縮機1と室外熱交換器7と第2膨張弁9と室内熱交換器5とに冷媒を循環させでも支障がない状況としては、冷媒の漏洩箇所が、再熱開閉弁2と第1膨張弁4との間、又は除霜開閉弁10と第1膨張弁4との間などで特定されている場合が想定される。
(室外冷媒漏洩センサ42が冷媒漏洩を検知した場合)
室外冷媒漏洩センサ42が冷媒漏洩を検知した際、制御装置50は、再熱開閉弁2を開状態にし、除霜開閉弁10を閉状態にし、冷却開閉弁6を閉状態にし、第1膨張弁4を全閉とし、圧縮機1を運転させてポンプダウン運転を実行する。ポンプダウン運転を実行する際、制御装置50は、室内送風機11及び室外送風機12の回転数を、通常運転時の回転数よりも大きくするとよい。上記のような弁制御とポンプダウン運転により、室外で冷媒漏れが発生したとき、冷媒を、再熱器3及び再熱器3から第1膨張弁4までの配管などに溜めることができる。
また、制御装置50は、吸入側の圧力が設定値よりも低くなったとき、又は吐出側の圧力が設定値よりも高くなったときに、圧縮機1の運転を停止させる。そして、制御装置50は、圧縮機1の運転を停止させた後に、再熱開閉弁2を閉状態にする。このように、圧縮機1の停止後に再熱開閉弁2を閉状態にすることで、冷媒の逆流を抑制することができる。そして、上記のように、空気調和装置100の運転を段階的に停止することで、安全性を高めることができる。
なお、ポンプダウン運転を実行した後に、圧縮機1と再熱器3と第1膨張弁4と室内熱交換器5とに冷媒を循環させても支障がないときは、再熱開閉弁2を開にして、除湿運転を実行することができる。除湿運転を継続することで、空調空間の湿度上昇を防ぐことができるため、快適性の低下を抑制することができる。なお、圧縮機1と再熱器3と第1膨張弁4と室内熱交換器5とに冷媒を循環させても支障がない状況としては、冷媒の漏洩箇所が、冷却開閉弁6と第2膨張弁9との間などで特定されている場合が想定される。
以上のように、本実施の形態1の空気調和装置100は、除湿運転時における内液SCが冷媒量適正範囲外であれば、制御装置50が、外液温を用いた判定の結果に応じて冷却開閉弁6又は第2膨張弁9を制御する。よって、再熱器3の冷媒量を外液温に応じて調整することができるため、冷媒回路30に分布する冷媒の偏りを抑制し、運転効率の向上を図ることができる。
また、制御装置50は、再熱器3による過冷却度が冷媒量適正範囲の下限値よりも小さければ、室内高圧保護条件と室外冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定し、室内高圧保護条件と室外冷媒排出条件との双方を満たせば、第2膨張弁9を所定の期間最小開度にする。したがって、室外熱交換器7等に貯留された冷媒を主回路31に補填することができるため、再熱器3の冷媒不足を解消することができる。
さらに、制御装置50は、第2膨張弁9を最小開度にしてから調整基準時間が経過するまでの間において、再熱器3による過冷却度が貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、第2膨張弁9を全閉の状態にする。よって、再熱器3の冷媒不足が解消されたタイミングで、迅速に、指示された運転を開始することができる。加えて、制御装置50は、第2膨張弁9を最小開度にした後、再熱器3による過冷却度が貯留基準範囲内に収まらないまま調整基準時間が経過したとき、第2膨張弁9を全閉の状態にする。よって、指示された運転が長期に亘って開始されないような事態を回避することができるため、ユーザの快適性の低下を防ぐことができる。
また、制御装置50は、再熱器3による過冷却度が冷媒量適正範囲の上限値よりも大きければ、外液温が凝縮温度未満であるか否かを判定する。そして、制御装置50は、外液温が凝縮温度未満であれば、冷却開閉弁6を開状態にする。よって、冷媒過多となっている再熱器3を含む主回路31から、室外熱交換器7に向けて冷媒を排出することができる。したがって、再熱器3に分布する冷媒を最適量に調整することができるため、除湿運転の効率を高めることができる。
さらに、制御装置50は、冷却開閉弁6を開状態にしてから開閉基準時間が経過するまでの間において、再熱器3による過冷却度が貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、冷却開閉弁6を閉状態にする。よって、再熱器3の冷媒過多が解消されたタイミングで、迅速に、指示された運転を開始することができる。加えて、制御装置50は、冷却開閉弁6を開状態にした後、再熱器3による過冷却度が貯留基準範囲内に収まらないまま開閉基準時間が経過したとき、冷却開閉弁6を閉状態にする。よって、指示された運転が長期に亘って開始されないような事態を回避することができるため、ユーザの快適性の低下を防ぐことができる。
本実施の形態1の空気調和装置100は、冷却運転時における外液SCが冷媒量適正範囲外であれば、制御装置50が、内液温を用いた判定の結果に応じて再熱開閉弁2又は第1膨張弁4を制御する。よって、室外熱交換器7の冷媒量を外液温に応じて調整することができるため、冷媒回路30に分布する冷媒の偏りを抑制し、運転効率の向上を図ることができる。
また、制御装置50は、凝縮器による過冷却度が冷媒量適正範囲の下限値よりも小さければ、室外高圧保護条件と室内冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定し、室外高圧保護条件と室内冷媒排出条件との双方を満たせば、第1膨張弁4を所定の期間最小開度にする。したがって、再熱器3に貯留された冷媒を循環させることができるため、室外熱交換器7の冷媒不足を解消することができる。
さらに、制御装置50は、第1膨張弁4を最小開度にしてから調整基準時間が経過するまでの間において、凝縮器による過冷却度が貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、第1膨張弁4を全閉の状態にする。よって、室外熱交換器7の冷媒不足が解消されたタイミングで、迅速に、運転を再開することができる。加えて、制御装置50は、第1膨張弁4を最小開度にした後、凝縮器による過冷却度が貯留基準範囲内に収まらないまま調整基準時間が経過したとき、第1膨張弁4を全閉の状態にする。よって、長期に亘って運転が再開されないような事態を回避することができるため、ユーザの快適性の低下を防ぐことができる。
また、制御装置50は、凝縮器による過冷却度が冷媒量適正範囲の上限値よりも大きければ、内液温が凝縮温度未満であるか否かを判定する。そして、制御装置50は、内液温が凝縮温度未満であれば、再熱開閉弁2を開状態にする。よって、冷媒過多となっている室外熱交換器7へ流入する冷媒を減らすことができることから、室外熱交換器7に分布する冷媒を最適量に調整することができるため、冷却運転の効率を高めることができる。
さらに、制御装置50は、再熱開閉弁2を開状態にしてから開閉基準時間が経過するまでの間において、凝縮器による過冷却度が貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、再熱開閉弁2を閉状態にする。よって、室外熱交換器7の冷媒過多が解消されたタイミングで、迅速に、運転を再開することができる。加えて、制御装置50は、再熱開閉弁2を開状態にした後、凝縮器による過冷却度が貯留基準範囲内に収まらないまま開閉基準時間が経過したとき、再熱開閉弁2を閉状態にする。よって、長期に亘って運転が再開されないような事態を回避することができるため、ユーザの快適性の低下を防ぐことができる。
すなわち、空気調和装置100は、上述した運転切替制御及び冷媒分布制御により冷媒量が適正に調整される。そのため、除湿運転では、除湿運転時に必要とする再熱器3の再熱量を確保して、必要十分な除湿能力を発揮することができる。また、冷却運転では、冷却運転時に必要とする室外熱交換器7の凝縮量を確保して、必要十分な冷却能力を発揮することができる。
制御装置50は、圧縮機1の起動時及び運転モードを切り替える際、冷却開閉弁6及び再熱開閉弁2を閉状態にしてから、冷媒平準化処理を所定の期間内に実施する機能を有している。そして、制御装置50は、冷媒平準化処理において、凝縮器による過冷却度が凝縮器適正範囲内に収まるように第2膨張弁9の開度を制御し、かつ、蒸発器による過熱度が冷媒調整範囲内に収まるように第1膨張弁4の開度を制御する。よって、冷媒回路30における冷媒分布の適正化を図ることができる。
また、制御装置50は、冷媒平準化処理において、冷却開閉弁6及び再熱開閉弁2を閉状態にしてから設定時間内において、凝縮器による過冷却度が凝縮器適正範囲内であり、かつ蒸発器による過熱度が冷媒調整範囲内であるという平準化条件を満たしたとき、指示された運転を開始する。よって、冷媒回路30における冷媒が平準化されたタイミングで、迅速に、指示された運転を開始することができる。加えて、制御装置50は、冷媒平準化処理において、設定時間内に平準化条件を満たさない場合は、設定時間が経過したときに、指示された運転を開始する。よって、指示された運転が長期に亘って開始されないような事態を回避することができるため、ユーザの快適性の低下を防ぐことができる。
ところで、凝縮器による過冷却度を凝縮器適正範囲内に保つように、第2膨張弁9だけを制御すると、液バックが発生するおそれがある。第2膨張弁9のみの制御では、余剰冷媒を低減することができないためである。この点、制御装置50は、上記の通り、第2膨張弁9のSC制御に加え、蒸発器による加熱度を冷媒調整範囲内に保つための第1膨張弁4のSH制御を実行する。これにより、余剰冷媒が液溜め8に貯留されると共に、循環する冷媒を室外熱交換器7に溜めることができるため、液バックの発生を抑制することができる。すなわち、本実施の形態1の空気調和装置100は、第2膨張弁9のSC制御と第1膨張弁4のSH制御との組み合わせにより、再熱能力の低下を抑止し、かつ液バックに起因した圧縮機1の損傷発生を回避することができる。
本実施の形態1の空気調和装置100では、除湿運転時に、制御装置50が冷却開閉弁6を閉状態にすることから、室外熱交換器7への冷媒の寝込みを防ぐことができるため、除湿能力の低下を防止し、除湿運転を効率よく行うことができる。また、制御装置50は、除湿運転時に、第2膨張弁9を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、冷却回路32から主回路31への冷媒の流入を防ぐことができるため、除湿運転の運転効率を高めることができる。
また、主回路31は、圧縮機1と再熱器3との間の主配管21と冷却配管22との接続部分と、再熱器3との間に、開閉動作を行う再熱開閉弁2を有している。そして、制御装置50は、冷却運転時に、再熱開閉弁2を閉状態にするようになっている。よって、再熱器3への冷媒の流入を防ぐことができるため、冷却運転時の冷媒循環の円滑化と共に、運転効率の向上を図ることができる。加えて、制御装置50は、冷却運転時に、第1膨張弁4を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、第1接続部Mから再熱器3及び第1膨張弁4を経て第2接続部Nまでの流路に滞留している冷媒の、室内熱交換器5への流入を防ぐことができるため、冷却運転時の運転効率をさらに高めることができる。
さらに、制御装置50は、室内冷媒漏洩センサ41において冷媒の漏洩が検知されたとき、再熱開閉弁2を閉状態にし、第2膨張弁9を全閉の状態にするようになっている。よって、室内に設けられた主回路31への冷媒の流入を防ぐことができ、室外熱交換器7及び液溜め8に冷媒を貯留することができるため、室内への冷媒の漏洩を抑制することができる。加えて、制御装置50は、室内冷媒漏洩センサ41において冷媒の漏洩が検知されたとき、第1膨張弁4を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、再熱器3などに滞留している冷媒の室内熱交換器5への流入を防ぐことができるため、冷媒の漏洩箇所が、再熱開閉弁2から再熱器3を経て第1膨張弁4までの流路上にない場合、室内への冷媒漏洩を低減することができる。また、再熱開閉弁2及び除霜開閉弁10を閉状態とし、第1膨張弁4を全閉の状態とすることで、再熱開閉弁2から第1膨張弁4までの冷媒回路を独立させることにより、冷媒漏洩箇所の特定を促進してもよい。
また、制御装置50は、室外冷媒漏洩センサ42において冷媒の漏洩が検知されたとき、冷却開閉弁6を閉状態にし、第1膨張弁4を全閉にするようになっている。これにより、室外への冷媒の流れを遮断することができると共に、室外の冷媒を室内熱交換器5に貯留することができるため、室外での冷媒の漏洩を抑制することができる。加えて、制御装置50は、室外冷媒漏洩センサ42において冷媒の漏洩が検知されたとき、第2膨張弁9を全閉の状態にしてもよい。このようにすれば、冷却開閉弁6から第2膨張弁9までの冷媒回路を独立させることができ、冷媒の漏洩箇所を迅速に特定させることができる。
ところで、運転切替制御及び冷媒分布制御を実施しない場合は、室内または室外の温度が低い方に冷媒が流れやすくなる。つまり、運転切替制御及び冷媒分布制御を行わなければ、室内の温度が室外の温度よりも低いときは、再熱器3に冷媒が流れやすくなるため、室内の温度が所望の温度よりも上昇し、相対湿度が所望の湿度よりも低下する。一方、室外の温度が室内の温度よりも低いときは、再熱器3に冷媒が流れにくくなるため、室内の温度が所望の目温度よりも低下し、相対湿度が所望の湿度よりも上昇する。この点、制御装置50は、上記の通り、冷媒分布を適正な量に調整することができる。そのため、再熱器3による加熱量を確保して、室内機70に除湿能力を発揮させることができる。
実施の形態2.
本実施の形態2の空気調和装置は、吹出し温度のばらつきを低減するように構成されている。本実施の形態2の空気調和装置の構成は、図1及び図2に例示した構成と同様である。よって、実施の形態1と同等の構成部材については同一の符号を用いて説明は省略する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る室内熱交換器の具体的な構成を例示した説明図である。図11に示すように、室内熱交換器5は、複数本の伝熱管13と、複数枚のフィン14と、冷媒分配器15と、ヘッダ16と、により構成されたプレートフィンチューブ熱交換器である。また、本実施の形態2の再熱器3は、室内熱交換器5と同様に構成されたプレートフィンチューブ熱交換器である。すなわち、再熱器3は、複数本の伝熱管13と、複数枚のフィン14と、冷媒分配器15と、ヘッダ16と、により構成されている。なお、図11において、伝熱管13の本数、フィン14の枚数、段数、及び列数は一例である。すなわち、室内熱交換器5及び再熱器3のそれぞれについて、伝熱管13の本数、フィン14の枚数、段数、及び列数は、適宜変更することができる。
[非共沸混合冷媒の特徴]
空気調和装置には、冷媒回路を循環させる冷媒として、複数種類の冷媒を混合した非共沸混合冷媒が用いられることがある。非共沸混合冷媒は、同圧力下において相変化で温度が変化する。そのため、例えば、蒸発器を非共沸混合冷媒が通過する場合、蒸発過程において、上流側の方が下流側よりも温度が低くなる。また、凝縮器を非共沸混合冷媒が通過する場合、凝縮過程において、上流側の方が下流側よりも温度が高くなる。
図12は、非共沸混合冷媒のモリエル線図を例示した説明図である。図13は、非共沸混合冷媒の温度勾配の具体例を示すモリエル線図である。図12では、共沸混合冷媒の等温線を実線で示し、非共沸混合冷媒の等温線のうち、飽和液腺と飽和蒸気線との間の部分を破線で示す。つまり、非共沸混合冷媒を用いた場合、一定圧力で変化する蒸発工程及び凝縮工程において、熱交換器の入口−出口間に温度勾配が発生する。
図13では、非共沸混合冷媒の低温域での室内熱交換器5の入口−出口間の温度勾配が約5℃の場合を例示している。この例では、室内熱交換器5の入口側の冷媒温度が−12℃となり、出口側の冷媒温度が−7℃となっている。すなわち、室内熱交換器5では、入口側の冷媒温度が、出口側の冷媒温度よりも低くなっている。そのため、室内熱交換器5の入口と出口とでは、吹出し温度に差異が生じる。
非共沸混合冷媒のような温度勾配を有する冷媒を用いると、冷媒の温度が低い蒸発器の入口側では、空気の冷却が促進されて吹出し温度が低くなり、冷媒の温度が高い蒸発器の出口側では、吹出し温度が高くなる。つまり、熱交換器からの吹出し温度にばらつきが生じる。そして、ヒートポンプ式の再熱除湿が可能な空気調和装置では、吹出し温度のばらつきに起因して、空調空間の温湿度の安定性にむらが生じる。
特に、COを含む冷媒では、温度勾配が大きくなるため、吹出し温度のばらつきが顕著となる。COを含む非共沸混合冷媒は、例えばR32、R125、R134a、r1234yf、及びCOの混合冷媒である。この例の非共沸混合冷媒は、R32の組成が49wt%〜55wt%であり、R125の組成が16wt%〜22wt%であり、R134aの組成が7wt%〜13wt%であり、r1234yfの組成が6wt%〜12wt%であり、COの組成が7wt%〜13wt%である。そして、R32、R125、R134a、r1234yf、及びCOの組成比は、合計が100wt%となる。
ここで、室内熱交換器5内の冷媒の流れについて説明する。まず、第1膨張弁4で減圧膨張された低温低圧の液状態の冷媒は、冷媒分配器15の流入口より室内熱交換器5に流入する。冷媒分配器15の流入口より流入した冷媒は、冷媒分配器15で分配され、冷媒分配器15のそれぞれの流出口より複数の伝熱管13へと流れる。伝熱管13に流入した冷媒は、伝熱管13の軸方向に沿って流れる。伝熱管13及びフィン14の表面には、冷却対象である室内の空気が、室内送風機11によって送風されている。本実施の形態2の空気調和装置100は、室内送風機11により室内熱交換器5に送風される空気が、伝熱管13を流れる冷媒と対向方向に流れるようになっている。空気調和装置100は、室内熱交換器5に送風される空気と伝熱管13を流れる冷媒とを対向させる対向流化により、熱交換損失を低減し、室内熱交換器5の性能向上を図っている。伝熱管13を流れる冷媒は、伝熱管13及びフィン14に接する屋内の空気との間で熱交換を行い、室内の空気の熱を吸熱する。伝熱管13にて室内の空気と熱交換を行った冷媒は、ヘッダ16の流入口より流入し、ヘッダ16で合流して、ヘッダ16の流出口より圧縮機1へと流れる。
次に、再熱器3内の冷媒の流れについて説明する。まず、圧縮機1で加熱圧縮された高温高圧のガス状態の冷媒は、冷媒分配器15の流入口より流入する。冷媒分配器15の流入口より流入した冷媒は、冷媒分配器15で分配され、冷媒分配器15のそれぞれの流出口より複数の伝熱管13へと流れる。伝熱管13に流入した冷媒は、伝熱管13の軸方向に沿って流れる。伝熱管13及びフィン14の表面には、室内熱交換器5を通過して冷却された空気が送風されている。本実施の形態2の空気調和装置100は、再熱器3に送風される空気が、伝熱管13を流れる冷媒と対向方向に流れるようになっている。空気調和装置100は、再熱器3に送風される空気と伝熱管13を流れる冷媒とを対向させる対向流化により、熱交換損失を低減し、再熱器3の性能向上を図っている。伝熱管13を流れる冷媒は、室内熱交換器5で冷却され、伝熱管13及びフィン14に接する空気との間で熱交換を行い、空気へ熱を放熱する。伝熱管13にて空気と熱交換を行った冷媒は、ヘッダ16の流入口より流入し、ヘッダ16で合流して、ヘッダ16の流出口より第1膨張弁4へと流れる。
非共沸混合冷媒を用いる場合、室内熱交換器5において、冷媒分配器15の流入口側と、ヘッダ16の流出口側との間には、熱交換能力に差異が生じる。したがって、冷媒分配器15の流入口側を通過した空気と、ヘッダ16の流出口側を通過した空気との間には、温度差が生じる。再熱器3においても同様に、冷媒分配器15の流入口側と、ヘッダ16の流出口側との間には、熱交換能力に差異が生じる。ただし、再熱器3では、室内熱交換器5とは逆に、入口側の冷媒温度が、出口側の冷媒温度よりも高くなっている。
したがって、室内熱交換器5の入口側と再熱器3の出口側とが対向し、かつ蒸発器の出口側と再熱器3の入口側とが対向するように、再熱器3と室内熱交換器5とを配置すると、室内熱交換器5で生じた温度差が、再熱器3でさらに大きくなってしまう。つまり、上記のような配置を採ると、非共沸混合冷媒を用いた際に生じる、熱交換器の入口−出口間の温度差により、再熱除湿時の吹出し温度には、部位によって差異が発生することとなる。
そこで、本実施の形態2の空気調和装置100は、室内熱交換器5のうちで冷媒温度が最も低い部分を通過した空気が、再熱器3のうちで冷媒温度が最も高い部分を通過するように、室内熱交換器5と再熱器3とが配置されている。つまり、室内熱交換器5のうちで冷媒温度が最も高い部分を通過した空気が、再熱器3のうちで冷媒温度が最も低い部分を通過するように、室内熱交換器5と再熱器3とが配置されている。なお、本実施の形態2の空気調和装置100においても、実施の形態1と同様、室内熱交換器5と再熱器3とは、共通する風路上に設けられている。
図14は、本発明の実施の形態2の空気調和装置における蒸発器及び再熱器の配置例を示す説明図である。図14において、室内熱交換器5及び再熱器3の内部に示す波線同士の間隔は、冷媒温度の高低に対応している。すなわち、図14では、波線同士の間隔が狭くなれば冷媒温度が高くなり、波線同士の間隔が広くなれば冷媒温度が低くなるように、波線を例示している。
つまり、室内熱交換器5は、冷媒の入口側の温度が、冷媒の出口側の温度よりも低くなっている。再熱器3は、冷媒の入口側の温度が、冷媒の出口側の温度よりも高くなっている。そして、室内熱交換器5と再熱器3とは、室内熱交換器5における冷媒の入口側を通過した空気が、再熱器3における冷媒の出口側を通過し、かつ、室内熱交換器5における冷媒の出口側を通過した空気が、再熱器3における冷媒の入口側を通過するように配置されている。
例えば、図14に示すように、室内熱交換器5の冷媒温度が相対的に低い部分と、再熱器3の冷媒温度が相対的に高い部分とが対向し、かつ室内熱交換器5の冷媒温度が相対的に高い部分と、再熱器3の冷媒温度が相対的に低い部分とが対向するような配置を採ってもよい。室内熱交換器5及び再熱器3は、何れも、冷媒が上部から下部へ流れるように設けられている。室内熱交換器5と再熱器3との具体的な配置については、各機器の配置及びパスパターンによる各熱交換器からの吹出し温度をもとに、最適な配置を適宜選択すればよい。
ところで、図14では、各熱交換器の列数が1列の場合を例示しているが、これに限らず、各熱交換器の列数は、2列以上であってもよい。室内熱交換器5及び再熱器3のうちの少なくとも1つの列数を2列以上とした場合においても、各熱交換器の熱分布をもとに、室内熱交換器5及び再熱器3の配置を決定するとよい。
図15は、本発明の実施の形態2の空気調和装置における冷媒漏洩時の各開閉弁及び各膨張弁の状態を示す表である。本実施の形態2の制御装置50は、実施の形態1の場合と同様、室内冷媒漏洩センサ41及び室外冷媒漏洩センサ42のそれぞれから漏洩信号を取得するようになっている。
制御装置50は、室内側で冷媒漏洩を検知した際、室内側の再熱開閉弁2を閉状態にすると共に、再熱器3の下流側の第1膨張弁4を全開にする。これにより、第1接続部Mから再熱器3及び第1膨張弁4を経て第2接続部Nまでの流路に存在する冷媒を、室内熱交換器5側へ導くことができる。さらに、制御装置50は、室内側で冷媒漏洩を検知した際、室外側の冷却開閉弁6を開状態にし、室外熱交換器7の下流側の第2膨張弁9を全閉にする。これらの弁制御により、冷媒を室外側に溜めることができる。よって、室内で冷媒が漏れた場合に、室内での不活性ガスの充満を抑止することができるため、安全性を高めることができる。
制御装置50は、室外側で冷媒漏洩を検知した際、冷却開閉弁6を閉状態にし、第2膨張弁9を全開にする。これにより、冷却回路32に存在する冷媒を、室内熱交換器5側へ導くことができる。さらに、制御装置50は、室外側で冷媒漏洩を検知した際、再熱開閉弁2を開状態にすると共に、第1膨張弁4を全閉にする。これらの弁制御により、冷媒を室内側に溜めることができる。よって、室外で冷媒が漏れた場合に、室外での不活性ガスの充満を抑止することができるため、安全性を高めることができる。
また、本実施の形態2では、非共沸混合冷媒の特性を生かし、制御装置50が、乾き度を用いて冷媒回路30を制御するようになっている。ところで、従来の擬似共沸冷媒は、二層冷媒の温度勾配がないため、擬似共沸冷媒を用いた場合は、乾き度を算出することができない。よって、高圧と低圧の飽和温度と冷媒温度から算出した過熱度及び過冷却度を用いて冷媒回路を制御するのが一般的であり、冷媒の状態がわからないことから、従来は、算出した過熱度及び過冷却度に尤度を持たせて制御するという手法が採られている。
この点、非共沸混合冷媒では、圧力と温度とから乾き度を求めることができ、求めた乾き度から冷媒の状態がわかるため、尤度を持たせる設計をしなくても、信頼性の高い制御を構築することができる。すなわち、非共沸混合冷媒を用いれば、モリエル線図上の飽和線に沿った制御が可能となるため、熱交換器の容量を有用に活用した制御を構築することができる。非共沸混合冷媒は、二相冷媒の温度勾配があるためである。
本実施の形態2の空気調和装置100は、圧縮機1の吸入側の圧力を計測する低圧センサと、室内熱交換器5の乾き度(低圧側の乾き度)を取得する位置の温度を計測する蒸発器温度センサと、を設けて構成するとよい。すると、制御装置50は、低圧センサが検出した圧力と、蒸発器温度センサが検出した温度とから、低圧側の乾き度を求めることができる。非共沸冷媒では、圧力と冷媒の温度から低圧側の乾き度が一意に求まる。ここで、低圧センサは、図1の圧力センサ61に相当し、蒸発器温度センサは、図1の冷媒温度センサ68に相当する。また、圧縮機1の吐出側の圧力を計測する高圧センサと、再熱器3又は室外熱交換器7の乾き度(高圧側の乾き度)を取得する位置の温度を計測する凝縮器温度センサと、を設けて構成するとよい。すると、制御装置50は、高圧センサが検出した圧力と、凝縮器温度センサが検出した温度とから、高圧側の乾き度を求めることができる。非共沸冷媒では、圧力と冷媒の温度から高圧側の乾き度が一意に求まる。ここで、高圧センサは、図1の圧力センサ62、63、64に相当し、凝縮器温度センサは、図1の冷媒温度センサ67、69に相当する。再熱器3の乾き度は、圧力センサ62又は圧力センサ63の計測圧力と、冷媒温度センサ67の計測温度とから求める。室外熱交換器7の乾き度は、圧力センサ62又は圧力センサ64の計測圧力と、冷媒温度センサ69の計測温度とから求める。
以上のように、本実施の形態2の空気調和装置100によっても、除湿能力の低下を防止し、除湿運転を効率よく行うことができる。また、本実施の形態2において、室内熱交換器5と再熱器3とは、室内熱交換器5の吹出し温度が低くなる箇所と、再熱器3の吹出し温度が高くなる箇所とが、空気の流れにおいて重なるように配置されている。つまり、空気調和装置100は、室内熱交換器5及び再熱器3の各々の温度分布をもとに、室内熱交換器5の最も冷媒温度が低い部分と、再熱器3の最も冷媒温度が高い部分とが、共通する風路に対し重なるように構成されている。そのため、除湿運転時又は中間運転時において、温度のばらつきの少ない空気を室内に供給することができる。
より具体的に、本実施の形態2の冷媒回路30は、内部を循環する冷媒として、非共沸混合冷媒が用いられている。そのため、室内熱交換器5は、冷媒の入口側の温度が、冷媒の出口側の温度よりも低くなる。また、再熱器3は、冷媒の入口側の温度が、冷媒の出口側の温度よりも高くなる。そして、室内熱交換器5と再熱器3とは、室内熱交換器5における冷媒の入口側を通過した空気が、再熱器3における冷媒の入口側を通過し、かつ、室内熱交換器5における冷媒の出口側を通過した空気が、再熱器3における冷媒の出口側を通過するように配置されている。例えば、室内熱交換器5及び再熱器3のそれぞれに流れる冷媒の経路は、図14のように規定することができる。よって、吹出し温度のばらつきと、吹出し温度のばらつきに起因した湿度のむらとを低減することができるため、室内機70から空調空間に吹き出される空気の温度のばらつきを抑制すると共に、室内の空気の状態の安定化を図ることができる。他の効果等については、実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の全体的な構成図である。本実施の形態3の空気調和装置200は、冷媒回路30の構成の一部が、実施の形態1及び2の空気調和装置100とは異なっている。実施の形態1及び2と同様の構成部材については同一の符号を用いて説明は省略する。
図16に示すように、本実施の形態3の冷媒回路30は、液溜め8を搭載しておらず、アキュムレータ18を搭載している点で実施の形態1とは異なっており、他の構成については実施の形態1と同様である。空気調和装置200は、過渡的な液バック時にアキュムレータ18に冷媒を溜めることができ、圧縮機の損傷リスクをさらに低減可能とする。
本実施の形態3では、実施の形態1で述べた運転切替制御及び冷媒分布制御を実行することで、再熱器3及び室外熱交換器7のそれぞれでの最適な冷媒量による運転が可能となる。そのため、空気調和装置200の能力を適正に維持することができると共に、過渡的に発生する余剰冷媒を、安価なアキュムレータ18に溜めておくことができる。つまり、液バックにより圧縮機1に向けて冷媒が戻ってきたとしても、アキュムレータ18の作用により、圧縮機1での液圧縮を抑制することができるため、信頼性の高い空気調和装置200を提供することができる。
なお、再熱器3による過冷却度、すなわち内液SCは、上述したように、圧力センサ62から取得する高圧圧力と冷媒温度センサ67から取得する内液温から求めることができる。つまり、制御装置50は、高圧圧力を飽和換算して凝縮温度を求め、凝縮温度から内液温を減算することにより内液SCを求めることができる。また、室外熱交換器7による過冷却度、すなわち外液SCは、上述したように、圧力センサ64から取得する凝縮器出口圧力と冷媒温度センサ69から取得する室外熱交換器出口温度から求めることができる。つまり、制御装置50は、凝縮器出口圧力を飽和換算して凝縮温度CTを求め、凝縮温度CTから外液温を減算することにより、室外熱交換器7の出口の過冷却度である外液SCを求めることができる。制御装置50は、外液SCを求める際、圧力センサ64から取得する凝縮器出口圧力の代わりに、圧力センサ62から取得する高圧圧力を用いて凝縮温度CTを求めてもよい。
室内外での冷媒漏洩時の各開閉弁及び各膨張弁の制御は、上述した実施の形態1及び2と同様である。また、空気調和装置200は、前述した実施の形態2における再熱器3と室内熱交換器5との配置構成を適用してもよく、実施の形態2の場合と同様、乾き度を用いて冷媒回路30を制御してもよい。
以上のように、本実施の形態3の空気調和装置200によっても、除湿能力の低下を防止し、除湿運転を効率よく行うことができる。ところで、実施の形態1のように、液溜め8を備える冷媒回路30では、液バックに応じた保護のために、第2膨張弁9に対し、過熱度を確保する運転を実施する必要がある。したがって、余剰冷媒を貯留させるためには、容量の大きな液溜め8のような高価な高圧容器が必要となる。
この点、本実施の形態3の空気調和装置200では、液バックにより圧縮機1に向けて冷媒が戻ってきたとしても、アキュムレータ18の作用により、液溜めを用いることなく、圧縮機1での液圧縮を抑制することができる。そのため、空気調和装置としての信頼性を高めることができる。
そして、空気調和装置200は、非共沸混合冷媒を、アキュムレータ18により、気体と液体とに分離させ、高沸点の冷媒をアキュムレータ18に貯留させ、低沸点の冷媒を用いて除霜運転時の熱容量を増加させる。つまり、空気調和装置200は、除霜運転中において、非共沸混合冷媒に含まれる高沸点の冷媒をアキュムレータ18に貯留させ、非共沸混合冷媒に含まれる低沸点の冷媒を冷媒回路30に循環させる。そのため、霜取り時間の短縮を図ることができる。他の効果等については、実施の形態1及び2と同様である。
上述した各実施の形態は、空気調和装置における好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、上記においては、制御装置50が、運転切替制御と冷媒分布制御との双方を行う場合を例示したが、これに限らず、制御装置50は、運転切替制御を行う機能を有していなくてもよい。また、制御装置50は、除湿運転又は冷却運転の何れか一方だけで冷媒分布制御を行うように構成してもよい。
また、空気調和装置100は、冷却運転及び除霜運転を行う機能を有さなくてもよく、この場合は、再熱開閉弁2が不要となる。よって、主回路31は、圧縮機1、再熱器3、第1膨張弁4、及び室内熱交換器5が主配管21により順次連結されたものとなる。また、実施の形態1及び2では、冷媒回路30に液溜め8が設けられた例を示したが、これに限らず、実施の形態1及び2の冷媒回路30は、液溜め8を有しなくてもよい。さらに、上記各実施の形態では、主回路31が空調空間に配置されている場合を例示したが、これに限らず、主回路31の構成のうち、少なくとも再熱器3及び室内熱交換器5が空調空間に配置されていればよい。加えて、実施の形態1〜3の冷媒回路30は、バイパス回路33を有しなくてもよい。ただし、冷媒回路30にバイパス回路33を設けなければ、本実施の形態1のような流路での除霜運転は不可となる。
上記各実施の形態では、主回路31が空調空間に配置されている場合を例示したが、これに限らず、少なくとも再熱器3及び室内熱交換器5が空調空間に配置されていればよい。図1及び図16では、室内冷媒漏洩センサ41が室内機70の内部に設けられた例を示したが、これに限らず、室内冷媒漏洩センサ41は、空調空間の内部であって、室内機70の外部に設けられてもよい。同様に、図1及び図16では、室外冷媒漏洩センサ42が室外機80の内部に設けられた例を示したが、これに限らず、室外冷媒漏洩センサ42は、空調空間及び室外機80の外部に設けられてもよい。
図1及び図16では、制御装置50が室内機70の内部に設けられた例を示したが、これに限らず、制御装置50は、室外機80の内部に設けられてもよい。また、室外機80に、室外送風機12などの室外機80の各アクチュエータの動作を制御する室外制御装置を設け、制御装置50と室外制御装置とが連携して、空気調和装置100又は200を制御してもよい。加えて、図15に例示した冷媒漏洩時の各開閉弁及び各膨張弁の処理は、実施の形態1及び3の構成に適用することもできる。
1 圧縮機、1a 圧縮機モータ、2 再熱開閉弁、3 再熱器、4 第1膨張弁、5 室内熱交換器(蒸発器)、6 冷却開閉弁、7 室外熱交換器(凝縮器)、8 液溜め、9 第2膨張弁、10 除霜開閉弁、11 室内送風機、11a、12a ファンモータ、12 室外送風機、13 伝熱管、14 フィン、15 冷媒分配器、16 ヘッダ、18 アキュムレータ、20 冷媒配管、21 主配管、22 冷却配管、23 バイパス配管、30 冷媒回路、31 主回路、32 冷却回路、33 バイパス回路、41 室内冷媒漏洩センサ、42 室外冷媒漏洩センサ、45 異常報知器、50 制御装置、51 演算処理部、51a 設定処理部、51b 動作制御部、51c 余剰冷媒検出部、51d 漏洩処理部、52 記憶部、61〜64 圧力センサ、65〜69 冷媒温度センサ、70 室内機、80 室外機、91、92 空気温度センサ、100、200 空気調和装置、CT 凝縮温度、CTmax 保護凝縮温度、ET 蒸発温度、M 第1接続部、N 第2接続部、X、P、Y、Z 判定値、a〜h、α、β、γ、δ 係数。

Claims (27)

  1. 圧縮機、再熱器、第1膨張弁、及び蒸発器が主配管により順次連結された主回路と、前記圧縮機と前記再熱器との間から前記第1膨張弁と前記蒸発器との間までをつなぐ冷却配管によって冷却開閉弁、凝縮器、及び第2膨張弁が連結された冷却回路とを含み、冷媒が循環する冷媒回路と、
    前記冷媒回路を制御する制御装置と、有し、
    前記再熱器及び前記蒸発器は、空調空間に配置され、
    前記凝縮器は、前記空調空間の外部に配置され、
    前記制御装置は、
    前記空調空間の空気の除湿を行う除湿運転時において、
    前記再熱器による過冷却度が、前記再熱器に分布する冷媒量が適正であることを示す冷媒量適正範囲外であれば、前記凝縮器から流出する冷媒の温度である外液温を用いた判定の結果に応じて前記冷却開閉弁又は前記第2膨張弁を制御する、空気調和装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記再熱器による過冷却度が前記冷媒量適正範囲の下限値よりも小さければ、
    高圧異常を回避するための判定閾値よりも凝縮温度が小さいという室内高圧保護条件と、前記外液温が蒸発温度よりも高いという室外冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定し、
    前記室内高圧保護条件と前記室外冷媒排出条件との双方を満たせば、前記第2膨張弁を所定の期間最小開度にする、請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記第2膨張弁を最小開度にしてから調整基準時間が経過するまでの間において、
    前記再熱器による過冷却度が前記再熱器への適正な冷媒貯留量に対応する貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、前記第2膨張弁を全閉の状態にする、請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記第2膨張弁を最小開度にした後、
    前記再熱器による過冷却度が前記貯留基準範囲内に収まらないまま前記調整基準時間が経過したとき、前記第2膨張弁を全閉の状態にする、請求項3に記載の空気調和装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記再熱器による過冷却度が前記冷媒量適正範囲の上限値よりも大きければ、前記外液温が凝縮温度未満であるか否かを判定し、
    前記外液温が凝縮温度未満であれば、前記冷却開閉弁を開状態にする、請求項1〜4の何れか一項に記載の空気調和装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記冷却開閉弁を開状態にしてから開閉基準時間が経過するまでの間において、
    前記再熱器による過冷却度が前記再熱器への適正な冷媒貯留量に対応する貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、前記冷却開閉弁を閉状態にする、請求項5に記載の空気調和装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記冷却開閉弁を開状態にした後、
    前記再熱器による過冷却度が前記貯留基準範囲内に収まらないまま前記開閉基準時間が経過したとき、前記冷却開閉弁を閉状態にする、請求項6に記載の空気調和装置。
  8. 圧縮機、再熱器、第1膨張弁、及び蒸発器が主配管により順次連結された主回路と、前記圧縮機と前記再熱器との間から前記第1膨張弁と前記蒸発器との間までをつなぐ冷却配管によって冷却開閉弁、凝縮器、及び第2膨張弁が連結された冷却回路とを含み、冷媒が循環する冷媒回路と、
    前記冷媒回路を制御する制御装置と、有し、
    前記主回路は、
    前記圧縮機と前記再熱器との間の前記主配管と前記冷却配管との接続部分と、前記再熱器との間に、開閉動作を行う再熱開閉弁を有し、
    前記再熱器及び前記蒸発器は、空調空間に配置され、
    前記凝縮器は、前記空調空間の外部に配置され、
    前記制御装置は、
    前記空調空間の空気の冷却を行う冷却運転時において、
    前記凝縮器による過冷却度が、前記凝縮器に分布する冷媒量が適正であることを示す冷媒量適正範囲外であれば、前記再熱器から流出する冷媒の温度である内液温を用いた判定の結果に応じて前記再熱開閉弁又は前記第1膨張弁を制御する、空気調和装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記凝縮器による過冷却度が前記冷媒量適正範囲の下限値よりも小さければ、
    高圧異常を回避するための判定閾値よりも凝縮温度が小さいという室外高圧保護条件と、前記内液温が蒸発温度よりも高いという室内冷媒排出条件との双方を満たすか否かを判定し、
    前記室外高圧保護条件と前記室内冷媒排出条件との双方を満たせば、前記第1膨張弁を所定の期間最小開度にする、請求項8に記載の空気調和装置。
  10. 前記制御装置は、
    前記第1膨張弁を最小開度にしてから調整基準時間が経過するまでの間において、
    前記凝縮器による過冷却度が前記再熱器への適正な冷媒貯留量に対応する貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、前記第1膨張弁を全閉の状態にする、請求項9に記載の空気調和装置。
  11. 前記制御装置は、
    前記第1膨張弁を最小開度にした後、
    前記凝縮器による過冷却度が前記貯留基準範囲内に収まらないまま前記調整基準時間が経過したとき、前記第1膨張弁を全閉の状態にする、請求項10に記載の空気調和装置。
  12. 前記制御装置は、
    前記凝縮器による過冷却度が前記冷媒量適正範囲の上限値よりも大きければ、前記内液温が凝縮温度未満であるか否かを判定し、
    前記内液温が凝縮温度未満であれば、前記再熱開閉弁を開状態にする、請求項8〜11の何れか一項に記載の空気調和装置。
  13. 前記制御装置は、
    前記再熱開閉弁を開状態にしてから開閉基準時間が経過するまでの間において、
    前記凝縮器による過冷却度が前記再熱器への適正な冷媒貯留量に対応する貯留基準範囲内であるという条件を満たしたとき、前記再熱開閉弁を閉状態にする、請求項12に記載の空気調和装置。
  14. 前記制御装置は、
    前記再熱開閉弁を開状態にした後、
    前記凝縮器による過冷却度が前記貯留基準範囲内に収まらないまま前記開閉基準時間が経過したとき、前記再熱開閉弁を閉状態にする、請求項13に記載の空気調和装置。
  15. 前記主回路は、
    前記圧縮機と前記再熱器との間の前記主配管と前記冷却配管との接続部分と、前記再熱器との間に、開閉動作を行う再熱開閉弁を有し、
    前記制御装置は、
    前記空調空間の空気の除湿を行う除湿運転、及び前記空調空間の空気の冷却を行う冷却運転を含む複数の運転モードを実施する機能と共に、前記圧縮機の起動時及び運転モードを切り替える際、前記冷却開閉弁及び前記再熱開閉弁を閉状態にしてから、前記冷媒回路内の冷媒を平準化する冷媒平準化処理を所定の期間内に実施する機能を有し、
    前記冷媒平準化処理において、
    前記凝縮器による過冷却度が、前記凝縮器の冷媒量が適正であることを示す凝縮器適正範囲内に収まるように前記第2膨張弁の開度を制御し、
    かつ、前記蒸発器による過熱度が、前記冷媒回路における冷媒分布が適正であることを示す冷媒調整範囲内に収まるように前記第1膨張弁の開度を制御する、請求項1〜14の何れか一項に記載の空気調和装置。
  16. 前記制御装置は、
    前記冷媒平準化処理において、
    前記冷却開閉弁及び前記再熱開閉弁を閉状態にしてから設定時間内において、
    前記凝縮器による過冷却度が前記凝縮器適正範囲内であり、かつ前記蒸発器による過熱度が前記冷媒調整範囲内であるという平準化条件を満たしたとき、指示された運転を開始する、請求項15に記載の空気調和装置。
  17. 前記制御装置は、
    前記冷媒平準化処理において、
    前記設定時間内に前記平準化条件を満たさない場合は、前記設定時間が経過したとき、指示された運転を開始する、請求項16に記載の空気調和装置。
  18. 前記制御装置は、
    前記空調空間の空気の除湿を行う除湿運転時に、前記冷却開閉弁を閉状態にするものである、請求項1〜17の何れか一項に記載の空気調和装置。
  19. 前記制御装置は、
    前記空調空間の空気の除湿を行う除湿運転時に、前記第2膨張弁を全閉の状態にするものである、請求項18に記載の空気調和装置。
  20. 前記主回路は、
    前記圧縮機と前記再熱器との間の前記主配管と前記冷却配管との接続部分と、前記再熱器との間に、開閉動作を行う再熱開閉弁を有し、
    前記制御装置は、
    前記空調空間の空気の冷却を行う冷却運転時に、前記再熱開閉弁を閉状態にするものである、請求項18又は19に記載の空気調和装置。
  21. 前記制御装置は、
    前記冷却運転時に、前記第1膨張弁を全閉の状態にするものである、請求項20に記載の空気調和装置。
  22. 前記空調空間に設けられ、冷媒の漏洩を検知する室内冷媒漏洩センサを有し、
    前記制御装置は、
    前記室内冷媒漏洩センサにおいて冷媒の漏洩が検知されたとき、前記再熱開閉弁を閉状態にし、前記第2膨張弁を全閉の状態にするものである、請求項20又は21に記載の空気調和装置。
  23. 前記空調空間の外部に設けられ、冷媒の漏洩を検知する室外冷媒漏洩センサを有し、
    前記制御装置は、
    前記室外冷媒漏洩センサにおいて冷媒の漏洩が検知されたとき、前記冷却開閉弁を閉状態にし、前記第1膨張弁を全閉の状態にするものである、請求項1〜22の何れか一項に記載の空気調和装置。
  24. 前記冷媒回路は、
    内部を循環する冷媒として、非共沸混合冷媒が用いられている、請求項1〜23の何れか一項に記載の空気調和装置。
  25. 前記蒸発器と前記再熱器とは、
    前記蒸発器における冷媒の入口側を通過した空気が、前記再熱器における冷媒の入口側を通過し、かつ、前記蒸発器における冷媒の出口側を通過した空気が、前記再熱器における冷媒の出口側を通過するように配置されている、請求項24に記載の空気調和装置。
  26. 前記蒸発器及び前記再熱器は、何れも、冷媒が上部から下部へ流れるように設けられている、請求項25に記載の空気調和装置。
  27. 前記冷媒回路は、
    前記圧縮機と前記蒸発器との間に設けられたアキュムレータと、
    前記圧縮機の吐出側から前記再熱器と前記第1膨張弁との間までをつなぐバイパス配管、及び前記バイパス配管を開閉する除霜開閉弁を備えたバイパス回路と、を有する、請求項24〜26の何れか一項に記載の空気調和装置。
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