JPWO2020017141A1 - 反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、及び化合物の製造方法 - Google Patents

反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、及び化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020017141A1
JPWO2020017141A1 JP2020530910A JP2020530910A JPWO2020017141A1 JP WO2020017141 A1 JPWO2020017141 A1 JP WO2020017141A1 JP 2020530910 A JP2020530910 A JP 2020530910A JP 2020530910 A JP2020530910 A JP 2020530910A JP WO2020017141 A1 JPWO2020017141 A1 JP WO2020017141A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
component
present
epoxy
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020530910A
Other languages
English (en)
Inventor
務 高嶋
務 高嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Eneos Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eneos Corp filed Critical Eneos Corp
Publication of JPWO2020017141A1 publication Critical patent/JPWO2020017141A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/20Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the epoxy compounds used
    • C08G59/32Epoxy compounds containing three or more epoxy groups
    • C08G59/36Epoxy compounds containing three or more epoxy groups together with mono-epoxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/12Compounds containing oxirane rings with hydrocarbon radicals, substituted by singly or doubly bound oxygen atoms
    • C07D303/18Compounds containing oxirane rings with hydrocarbon radicals, substituted by singly or doubly bound oxygen atoms by etherified hydroxyl radicals
    • C07D303/20Ethers with hydroxy compounds containing no oxirane rings
    • C07D303/22Ethers with hydroxy compounds containing no oxirane rings with monohydroxy compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/15Heterocyclic compounds having oxygen in the ring
    • C08K5/151Heterocyclic compounds having oxygen in the ring having one oxygen atom in the ring
    • C08K5/1515Three-membered rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L63/00Compositions of epoxy resins; Compositions of derivatives of epoxy resins

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

下記一般式(1)で表される化合物を含む反応性希釈剤(式(1)中、nは0又は1である)。[化1]

Description

本発明は、反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、前記エポキシ化合物製造における中間体、前記中間体の製造方法、及び前記エポキシ化合物の製造方法に関する。
本願は、2018年7月17日に日本に出願された特願2018−134435及び特願2018−134436に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
エポキシ樹脂組成物は、優れた電気的性能と接着力を有するため、電気電子機器のプリント基板等の層間絶縁材料や、封止材、各種構造部材のマトリックス材料、接着材等に広く使用されている。
特に、現在の電子機器においては、高速且つ大容量の情報を送受信可能とすることが求められている。しかし、機器の小型化により、配線の微細化が進行するにつれ、従来の層間絶縁材料では配線間容量が大きいために、電気信号の伝達の遅延が大きくなり、高速且つ大容量の情報の送受信の妨げとなっていた。
この遅延時間は、配線間容量に比例するので、層間絶縁材料を低誘電化することによって、配線間容量を低減すれば、電気信号の伝達の高速化が図れる。
誘電特性としては、誘電正接と比誘電率の2つの特性が重要である。エポキシ樹脂をより低誘電化する方法として、シリカフィラーを増量する方法が知られている。しかし、シリカフィラーを増量すると、誘電正接を低減することはできるものの、誘電率が上昇するなどの問題がある。
エポキシ樹脂組成物は、その優れた接着性や電気機械特性から、各用途に広く使用されている。エポキシ樹脂組成物は、通常、様々な添加剤を加えるなどして用途に応じた好ましい特性の付与が行われている。例えば、エポキシ樹脂組成物を半導体の封止材として用いる場合、近年の電子機器の小型化に伴い、微細な隙間に封止材を充填する必要があるために、樹脂組成物の低粘度化が求められている。高粘度の樹脂組成物を低粘度化する手段として、希釈剤が利用されている。希釈剤は、非反応性のものと反応性のものとに分けられる。反応性希釈剤は、樹脂組成物の樹脂成分と反応し、樹脂組成物とともに硬化して硬化物の一部となるため、希釈剤成分がブリードアウトし難いなどの利点がある。
樹脂組成物を低粘度化し、優れた誘電特性を発揮させるための反応性希釈剤として、例えば、非特許文献1に記載の、イソステアリン酸原料にエステル結合を介してグリシジル基を結合させた化合物(商品名:FOLDI)が開示されている。
日産化学工業株式会社 化学品事業部 企画開発部、″低誘電率反応性希釈剤 FOLDI″[online]、平成28年10月5日、〔平成30年6月13日検索〕、インターネット〈URL:http://www.nissanchem.co.jp/products/chemicals/pdf/FOLDI.pdf〉
エポキシ樹脂組成物を硬化物としたとき、硬化物はその弾性率の高さから剛直なものとなり、熱膨張や硬化収縮が生じて周辺部材に応力が加わりやすい。このことにより、寸法ずれやクラックが発生すると誤作動の原因となり得る。そのため、硬化物としたときに可撓性のある素材が求められる。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、樹脂組成物の低粘度化を実現し、該樹脂組成物の硬化物においては低誘電性の実現と可撓性の付与とをかなえる、新規な反応性希釈剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記反応性希釈剤を含む組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記組成物を含む封止材を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記組成物の硬化物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記硬化物を備える基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記硬化物を備える電子部品を提供することを目的とする。
また、本発明は、樹脂組成物の低粘度化を実現し、該樹脂組成物の硬化物においては低誘電性の実現と可撓性の付与とをかなえる、新規なエポキシ化合物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記エポキシ化合物の製造における中間体を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記中間体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記エポキシ化合物の製造方法を提供することを目的とする。
〔1〕以下の成分Aを含む反応性希釈剤、
成分A:下記一般式(1)で表される化合物。
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
〔2〕以下の成分A、及び成分Bを含む組成物、
成分A:下記一般式(1)で表される化合物、
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
成分B:エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物。
〔3〕さらに、以下の成分Cを含む前記〔2〕に記載の組成物、
成分C:硬化剤。
〔4〕さらに、以下の成分Dを含む前記〔3〕に記載の組成物、
成分D:硬化促進剤。
〔5〕前記〔3〕又は〔4〕に記載の組成物を含む封止材。
〔6〕前記〔3〕又は〔4〕に記載の組成物の硬化物。
〔7〕前記〔6〕に記載の硬化物を備える基板。
〔8〕前記〔6〕に記載の硬化物を備える電子部品。
〔9〕下記一般式(1)で表される化合物。
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
〔10〕下記一般式(2)で表される化合物。
Figure 2020017141
(式(2)中、nは0又は1である。)
〔11〕下記一般式(3)で表される化合物をヒドロキシル化して、下記一般式(2)で表される化合物を得ることを含む、下記一般式(2)で表される化合物の製造方法。
Figure 2020017141
(式(3)中、nは0又は1である。)
Figure 2020017141
(式(2)中、nは0又は1である。)
〔12〕下記一般式(2)で表される化合物をエポキシ化して、下記一般式(1)で表される化合物を得ることを含む、下記一般式(1)で表される化合物の製造方法。
Figure 2020017141
(式(2)中、nは0又は1である。)
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
本発明によれば、樹脂組成物の低粘度化を実現し、該樹脂組成物の硬化物においては低誘電性の実現と可撓性の付与とをかなえる、新規な反応性希釈剤を提供できる。
また、本発明によれば、前記反応性希釈剤を含む組成物を提供できる。
また、本発明によれば、前記組成物を含む封止材を提供できる。
また、本発明によれば、前記組成物の硬化物を提供できる。
また、本発明によれば、前記硬化物を備える基板を提供できる。
また、本発明によれば、前記硬化物を備える電子部品を提供できる。
また、本発明によれば、樹脂組成物の低粘度化を実現し、該樹脂組成物の硬化物においては低誘電性の実現と可撓性の付与とをかなえる、新規なエポキシ化合物を提供できる。
また、本発明によれば、前記エポキシ化合物の製造における中間体を提供できる。
また、本発明によれば、前記中間体の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、前記エポキシ化合物の製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
≪化合物(1)≫
本発明の実施形態に係る化合物は、下記一般式(1)で表される化合物(「化合物(1)」と略記することがある。)である。
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
化合物(1)によれば、樹脂組成物に配合させたときに、樹脂組成物の低粘度化を実現し、樹脂組成物の硬化物においては低誘電性の実現と可撓性の付与とを達成可能である。
化合物(1)は、分子内に飽和炭化水素の構造を有している。そのため、樹脂組成物に配合させたときに、その硬化物の低誘電性の発揮に寄与すると考えられる。
化合物(1)は、分子内に分岐鎖状の飽和炭化水素の構造を有している。そのため、樹脂組成物に配合させたときに樹脂組成物の低粘度化に寄与すると考えられる。また、当該構造により、樹脂組成物に配合させたときに、その硬化物の可撓性付与に寄与すると考えられる。
本明細書中において、「可撓性の付与」とは、本発明に係る化合物を配合した樹脂組成物と、本発明に係る化合物を配合していない樹脂組成物とを比較し、本発明に係る化合物を配合した樹脂組成物のほうが、変形しやすく破断し難い状態となっていることをいう。
また、化合物(1)は、無色透明とすることができる。そのため、化合物(1)を樹脂組成物に配合させたときに、化合物(1)が樹脂組成物の着色の原因となることも防止される。
≪化合物(2)≫
本発明の実施形態に係る化合物は、下記一般式(2)で表される化合物(「化合物(2)」と略記することがある。)である。
Figure 2020017141
(式(2)中、nは0又は1である。)
化合物(2)は、前記化合物(1)の製造における中間体として使用可能である。
≪化合物(1)の製造方法・化合物(2)の製造方法≫
化合物(1)は、例えば、以下の方法で製造することができる。なお、化合物(1)は、以下の方法で製造されたものに限定されない。
化合物(1)は、下記一般式(3)で表される化合物(「化合物(3)」と略記することがある。)を、ヒドロキシル化した後にエポキシ化することで製造できる。
なお、本明細書において、「エポキシ化」とは、特に断りのない限り、エポキシ環又はエポキシ環を含む基を導入することを意味する。
Figure 2020017141
(式(3)中、nは0又は1である。)
化合物(1)の製造方法は、以下の工程1〜工程2を含んでいてもよい。
工程1:化合物(3)をヒドロキシル化して、化合物(2)を得る工程。
工程2:前記工程1で得られた化合物(2)をエポキシ化して、化合物(1)を得る工程。
<工程1>
実施形態の化合物(1)の製造方法は、化合物(3)をヒドロキシル化して、化合物(2)を得る工程(工程1)を含む。
すなわち、化合物(3)をヒドロキシル化して、化合物(2)を得ることを含む、化合物(2)の製造方法を提供する。
実施形態の化合物(1)の製造方法は、化合物(3)をヒドロホウ素化した後に、ヒドロキシル化し、化合物(2)を得る工程を含むものであってよい。
前記工程1は、
化合物(3)とヒドロホウ素化剤とを反応させてヒドロホウ素化した後に、過酸化物と反応させて酸化してヒドロキシル化し、化合物(2)を得る工程であってよい。
Figure 2020017141
(式中、nは0又は1である。)
ヒドロホウ素化剤としては、アルケンと反応してヒドロホウ素化反応を起こす物質を使用でき、ヒドロホウ素化可能な種々の物質から選択されてよい。ヒドロホウ素化剤としては、分子内にB−H結合を有する化合物が挙げられ、ボラン、ボラン誘導体及びそれらの錯体を例示できる。ボラン誘導体としては、モノアルキルボラン、ジアルキルボラン、下記一般式(3a)で表される化合物等を例示でき、収率および選択率の観点から、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)、又はNHBH〔下記一般式(3a)で表される化合物においてR〜Rが水素原子である〕が好ましい。当該錯体としては、テトラヒドロフラン(THF)錯体、ジメチルスルフィド錯体等を例示でき、収率および選択率の観点から、9−BBN・THF錯体、又はNHBH・THF錯体が好ましい。
Figure 2020017141
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基である。)
〜Rのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であってよい。炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を例示できる。
NHBHは市販のものを使用してもよく、工程1に先立ってNHBHを合成する工程を設けてもよい。
化合物(3)は、イソブチレンを多量体化して得ることができる。
なお、化合物(3)には、下記一般式(3’)で表される化合物(「化合物(3’)」と略記することがある。)である異性体が存在するが、後述する実施例に示すとおり、化合物(3’)よりも化合物(3)が反応してヒドロキシル化が進行する。
したがって、実施形態の化合物(1)の製造方法は、化合物(3)及び化合物(3’)を含む原料をヒドロホウ素化した後に、ヒドロキシル化し、化合物(2)を得る工程(工程1)を含むものであってよい。原料が化合物(3’)を含んでいたとしても、化合物(3’)は上記反応に関与せず、反応後に取り除くことが可能である。
Figure 2020017141
(式(3’)中、mは0又は1である。)
ヒドロホウ素化剤の使用量は、反応系中の化合物の種類に応じて適宜調節すればよいが、反応させる炭素−炭素不飽和結合1当量に対して、B−H結合が0.9〜3当量の範囲であることが好ましく、1〜3当量の範囲であることが好ましく、1.1〜1.5当量の範囲であることがより好ましい。上記下限以上である場合、収率がより良好となり、上記上限値以下である場合、精製がより良好となる傾向にある。
ヒドロホウ素化させる反応の温度(反応温度)は、反応系中の化合物の種類に応じて適宜調節すればよいが、一例として、−80〜120℃の範囲であることが好ましく、−80〜80℃の範囲であることが好ましく、−30〜50℃の範囲であることがより好ましく、−30〜40℃の範囲であることがさらに好ましい。或いは、−80〜120℃の範囲であることが好ましく、0〜100℃の範囲であることが好ましく、50〜90℃の範囲であることがより好ましい。
上記下限値以上である場合、反応速度が良好で反応効率がよく、上記上限値以下である場合、原料および生成物の分解が生じるおそれが低減される傾向にある。
ヒドロホウ素化させる反応の時間(反応時間)は、反応温度等、その他の条件に応じて適宜調節すればよいが、一例として0.5〜100時間であってよい。
過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過安息香酸、過酸化ベンゾイル等を例示でき、過酸化水素が好ましい。
過酸化水素は、市販のものを使用することができる。過酸化水素の使用量は特に制限されないが、ヒドロホウ素化剤との反応に供した炭素−炭素不飽和結合1当量に対して、1〜5当量の範囲であることが好ましく、1〜2当量の範囲であることがより好ましい。上記下限値以上の場合、反応を効率的に進行でき、上記上限値以下の場合、生成したヒドロキシ化合物の酸化などの副反応が進行して収率が低下するおそれが低減される傾向にある。
工程1における酸化は、塩基性条件下でおこなうことができる。塩基性条件下とは、過酸化物を塩基と併用している条件が挙げられ、過酸化物及び塩基を添加した液中が挙げられる。
塩基としては無機塩基が挙げられ、無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウムなどが挙げられる。これらの中でも、反応収率、反応温度、操作の簡便性、経済性などの観点からは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウムが好ましい。
ヒドロキシル化させる反応の温度(反応温度)は、反応系中の化合物の種類に応じて適宜調節すればよいが、一例として、−80〜80℃の範囲であることが好ましく、−30〜50℃の範囲であることがより好ましく、−30〜40℃の範囲であることがさらに好ましい。上記下限値以上である場合、反応速度が良好で反応効率がよく、上記上限値以下である場合、原料および生成物の分解が生じるおそれが少ない。
ヒドロキシル化させる反応の時間(反応時間)は、反応温度等、その他の条件に応じて適宜調節すればよいが、一例として0.5〜100時間であってよい。
前記工程1の反応は、溶媒の共存下で行ってよい。溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒としては特に制限されず、n−ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルフィド、トリメチルアミン等が挙げられ、収率の観点からは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフィド、トリメチルアミンが好ましく、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
<工程2>
実施形態の化合物(1)の製造方法は、前記工程1で得られた化合物(2)をエポキシ化して、化合物(1)を得る工程(工程2)を含む。
実施形態の化合物(1)の製造方法は、前記工程1で得られた化合物(2)をエポキシ化して、エポキシ環又はエポキシ環を含む基を導入して、化合物(1)を得る工程を含むものであってよい。
実施形態の化合物(1)の製造方法は、前記工程1で得られた化合物(2)をグリシジル化して、グリシジル基を導入して、化合物(1)を得る工程を含むものであってよい。
前記工程2は、
化合物(2)とエピハロヒドリンとを反応させてエポキシ化(グリシジル化)し、化合物(1)を得る工程であってよい。
Figure 2020017141
(式中、nは0又は1である。)
エピハロヒドリンは、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。エピハロヒドリンは、下記一般式(4)で表される化合物(「化合物(4)」と略記することがある。)であってよい。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
Figure 2020017141
(式(4)中、Xはハロゲン原子を示す。)
ハロゲン原子としては、フッ素原子(−F)、塩素原子(−Cl)、臭素原子(−Br)、ヨウ素原子(−I)等を例示できる。
なかでも、エピハロヒドリンとしては、工業的入手が容易なことなどからエピクロルヒドリンが好ましい。
エピハロヒドリンの使用量は、反応系中の化合物の種類に応じて適宜調節すればよいが、例えば、化合物(2)中の水酸基1当量に対し、エピハロヒドリンを2〜10当量の範囲で添加することが挙げられる。
エポキシ化反応は、塩基性条件下でおこなうことができる。塩基性条件下とは、塩基性触媒を添加した液中が挙げられる。
塩基性触媒としては、例えば、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ化の触媒活性に優れる点から、アルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用してもよい。
塩基性触媒の使用量は、反応系中の化合物の種類等に応じて適宜調節すればよいが、例えば、化合物(2)中の水酸基1当量に対し、0.9〜2当量の塩基性触媒を一括添加または徐々に添加して使用することが挙げられる。
化合物(2)とエピハロヒドリンとを反応させる温度(反応温度)は、反応系中の化合物の種類に応じて適宜調節すればよいが、一例として、20〜120℃であってよい。
化合物(2)とエピハロヒドリンとを反応させる時間(反応時間)は、反応温度等、その他の条件に応じて適宜調節すればよいが、一例として0.5〜10時間であってよい。
前記工程2の反応は、溶媒の共存下で行ってよい。溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒としては特に制限されず、n−ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルフィド、トリメチルアミン等が挙げられ、収率の観点からは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフィド、又はトリメチルアミンが好ましく、ジエチルエーテル、又はテトラヒドロフランがより好ましい。
エポキシ化反応終了後は、反応生成物を水洗した後、加熱減圧条件下で未反応のエピハロヒドリンや併用した有機溶媒を留去してよい。更に、反応生成物中の加水分解性ハロゲンを一層低減するために、反応生成物を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、反応生成物100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。エポキシ化反応の終了後は、生成した塩を濾過又は水洗などにより除去し、加熱減圧条件下で有機溶媒を留去することにより、得られた反応生成物中から化合物(1)を精製できる。
≪反応性希釈剤・組成物≫
化合物(1)は、樹脂成分に添加して、それを低粘度化するための反応性希釈剤として、好適に使用することができる。
すなわち、本発明に係る反応性希釈剤は、以下のものである。
以下の成分Aを含む反応性希釈剤、
成分A:下記一般式(1)で表される化合物。
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
本発明に係る反応性希釈剤は、以下のものであってもよい。
以下の成分Aからなる反応性希釈剤、
成分A:上記一般式(1)で表される化合物。
反応性希釈剤は、25℃で液体であることが好ましく、25℃での粘度が0.01〜1000mPa・sであってもよく、1〜300mPa・sであってもよく、5〜35mPa・sであってもよく、5.5〜10mPa・sであってもよい。粘度は、実施例に記載の測定条件又はそれと同一の結果が得られる互換性のある条件で測定されたものとする。
上記一般式(1)で表される化合物は、25℃で液体であることが好ましく、25℃での粘度が0.01〜1000mPa・sであってもよく、1〜300mPa・sであってもよく、5〜35mPa・sであってもよく、5.5〜10mPa・sであってもよい。粘度は、実施例に記載の測定条件又はそれと同一の結果が得られる互換性のある条件で測定されたものとする。
上記で例示した粘度の数値範囲の上限値と下限値とは、自由に組み合わせることができる。
前記樹脂成分としては、特に制限されないが、モノマー又はプレポリマー等の、硬化前のエポキシ樹脂が好ましい。
すなわち、本発明に係る組成物は以下のものである。
以下の成分A、及び成分Bを含む組成物
成分A:下記一般式(1)で表される化合物、
Figure 2020017141
(式(1)中、nは0又は1である。)
成分B:エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物。
成分A及び成分Bを含む本発明に係る組成物は、必要に応じて、さらに硬化剤(成分C)を含有することができる。本発明に係る組成物は、必要に応じて、さらに硬化促進剤(成分D)、充填剤(成分E)等を含有することができる。以下、各成分について説明する。
<成分A>
成分Aは、前記一般式(1)で表される化合物(前記化合物(1))であり、上述の≪化合物(1)≫で説明したものと同一であるため、ここでの説明を省略する。
<成分B>
成分Bは、エポキシ環を含む基(例えば、エポキシ基、グリシジル基)を分子内に2つ以上有する化合物である。エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物として、2官能以上のエポキシ化合物又はエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物は、2〜10官能のエポキシ化合物であってよく、2〜6官能のエポキシ化合物であってよく、2〜4官能のエポキシ化合物であってよい。
エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物は、2〜10官能のエポキシ樹脂であってよく、2〜6官能のエポキシ樹脂であってよく、2〜4官能のエポキシ樹脂であってよい。
エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物は、重合して使用してエポキシ樹脂として使用してもよく、エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有するエポキシ化合物又はエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物;これらの水素添加物などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2官能以上のエポキシ化合物としては、3官能以上のエポキシ化合物又は4官能以上のエポキシ化合物が好ましい。2官能以上のエポキシ化合物は、2〜10官能のエポキシ化合物(エポキシ環を含む基を分子内に2〜10有する化合物)であってよく、2〜6官能のエポキシ化合物であってよく、2〜4官能のエポキシ化合物であってよい。
2官能以上のエポキシ樹脂としては、3官能以上のエポキシ樹脂又は4官能以上のエポキシ樹脂が好ましい。2官能以上のエポキシ樹脂は、2〜10官能のエポキシ樹脂(エポキシ環を含む基を分子内に2〜10有する化合物)であってよく、2〜6官能のエポキシ樹脂であってよく、2〜4官能のエポキシ樹脂であってよい。
エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物は、3官能のエポキシ化合物又は4官能のエポキシ化合物を使用することが好ましい。
本発明に使用できる典型的な3官能のエポキシ化合物は以下の構造式を有する化合物(製品名:TEPIC(登録商標))が挙げられる。
Figure 2020017141
本発明に使用できる典型的な4官能のエポキシ化合物は以下の構造式を有する化合物(製品名:jER(登録商標)1031S)が挙げられる。
Figure 2020017141
本発明に使用できる典型的な他の4官能のエポキシ化合物は以下の構造式を有するナフタレン型エポキシ化合物((製品名: EPICLON EXA-4700))が挙げられる。
Figure 2020017141
成分Aと成分Bとの配合割合(A:B)は、重量基準で、1〜80:20〜99であってよく、5〜70:30〜95であってよく、20〜60:40〜80であってよい。
組成物における、成分A及び成分Bの合計の配合割合は、組成物全体の総重量を100重量%とした場合に、1〜99重量%であってよく、5〜80重量%であってよく、10〜60重量%であってよい。
<成分C>
硬化剤(成分C)としては、エポキシ化合物やエポキシ樹脂用の硬化剤として用いられる各種硬化剤を例示できる。硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物、3フッ化ホウ素モノエチルアミン、イソシアネート、ジシアンジアミド等、ユリア樹脂などが挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であってよく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;ナフタレン型フェノール樹脂、ハイオルソ型ノボラックフェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、テルペンフェノール変性フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂などのフェノール樹脂が挙げられる。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、一部修飾されたアミノトリアジンノボラック樹脂が好ましい。
アミン系硬化剤としては、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミン;メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミンなどのアミン化合物が挙げられる。
酸無水物としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの酸無水物が挙げられる。
これらの硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤の使用量は、成分A及び成分Bのエポキシ当量1に対して、硬化剤の反応基当量比が0.3〜1.5当量となる量が好ましい。硬化剤の配合量が前記範囲内であると、硬化度の制御が容易であり、生産性が良好となる傾向にある。
<成分D>
硬化促進剤(成分D)としては、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
イミダゾール化合物は、イミダゾールの2級アミノ基をアクリロニトリル、イソシアネート、メラミン、アクリレートなどでマスク化して潜在性を持たしたイミダゾール化合物であってもよい。ここで用いられるイミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリンなどが挙げられる。
また、光分解によりラジカル、アニオン又はカチオンを生成し硬化開始する光開始剤を使用してもよい。
これらの硬化促進剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は成分A及び成分B100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。上記上限値以上であると、より良好な硬化促進効果が得られ、上記下限値以下であると、組成物の保存性及び硬化物の物性に優れ、経済性にも優れる傾向にある。
<成分E>
充填剤(成分E)としては、シリカ、酸化アルミニウム、ジルコニア、ムライト、マグネシア等の酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等の水酸化物;窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素等の窒化系セラミックス;タルク、モンモリロナイト、サポナイト等の天然鉱物;金属粒子、カーボン粒子などが挙げられる。無機充填剤の平均粒径は、25μm以下が好ましく、0.01μm以上25μm以下がより好ましく、0.1μm以上10μm以下がさらに好ましく、0.3μm以上7μm以下が特に好ましい。平均粒径が上記下限値以上であると、無機充填剤の凝集が抑制されやすくなり、無機充填剤が樹脂中に分散しやすい。平均粒径が上記上限値以下であると、封止成形時にワイヤが損傷することを抑制しやすい。平均粒径は、粒度分布計(レーザー回折散乱法)により測定された50%体積累積径(D50)を意味する。
充填剤の配合量は、組成物全体の総重量を100重量%とした場合に、5〜90重量%とすることが好ましく、10〜80重量%とすることがより好ましい。
<その他成分>
本発明に係る組成物は、さらに必要に応じて、前記成分A〜Eに該当しないその他成分を含有することができる。その他成分としては、その他の樹脂、溶媒、添加剤等が挙げられる。
その他の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられる。
≪組成物の用途≫
本発明に係る組成物は以下の用途に好適に用いることができる。本発明に係る組成物を硬化して使用する場合、該組成物は、前記成分A〜Cを含むことが好ましく、前記成分A〜Dを含むことがより好ましい。
(封止材)
本発明に係る組成物は、半導体部品等の部品の封止材として使用することができる。
本発明に係る封止材は、本発明に係る組成物を含む。
封止材としては、例えば半導体部品と基板との間、半導体部品子の周囲を封止材で封止する態様、及び半導体部品と基板との間を封止材で封止する態様(アンダーフィル)を例示できる。
封止材をアンダーフィルとして使用する場合、例えば、以下の手順で基板と半導体部品との間のギャップに封止材を充填できる。まず、基板を70〜130℃に加熱しながら、半導体部品の一端に封止材を塗布する。すると、毛細管現象によって、基板と半導体部品との間のギャップに封止材が充填される。この際、封止材の充填に要する時間を短くするため、基板を傾斜させたり、該ギャップ内外に圧力差を生じさせたりしてもよい。該ギャップに封止材を充填させた後、封止材を加熱硬化させることによって、該ギャップを封止できる。
(基板材料)
本発明に係る組成物は、基板材料として使用することができる。
例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維に本発明に係る組成物を含浸させてシート状に成型してプリプレグ(prepreg)を得て、それを加熱硬化させることによって、基板を製造することができる。プリプレグは2枚以上積層されてもよい。
≪硬化物≫
本発明に係る硬化物は、本発明に係る組成物の硬化物である。
本発明に係る硬化物は、例えば、本発明に係る組成物を、80〜200℃で0.2〜6時間加熱することで、加熱硬化させて得ることができる。
本発明に係る組成物を硬化物とする場合、該組成物は、前記成分A〜Cを含むことが好ましく、前記成分A〜Dを含むことがより好ましい。
また、本発明の一実施形態として、本発明に係る組成物の硬化物を備える基板を提供できる。
基板としては、本発明に係る組成物の硬化物を備えるものであって、後述するように、プリプレグの硬化物、樹脂シートの硬化物、銅張積層板、印刷回路基板及び多層印刷回路基板からなる群から選ばれる少なくとも一種を備えるものであってよい。
本発明の一実施形態として、本発明に係る組成物及び繊維を備えるプリプレグを提供できる。
また、本発明の一実施形態として、本発明に係る組成物を備える樹脂シートを提供できる。
前記樹脂シートは、本発明に係る組成物がシート状に成型されたものであり、成型性を高めるため、当該組成物は半硬化状態であってもよい。樹脂シートは、層間絶縁材料として好適に用いられる。
前記基板は、本発明に係る組成物及び繊維を有するプリプレグの硬化物を備えるものであってよい。前述したプリプレグは、2枚以上積層されていてもよい。
前記基板は、例えば、前述したプリプレグを加熱硬化及び加圧して製造することができる。
また、本発明の一実施形態として、基板と銅箔とが積層された銅張積層板を提供できる。銅張積層板の銅箔は、加工されて回路を形成することができる。
したがって、本発明の一実施形態として、基板上に回路が形成された印刷回路基板又は多層印刷回路基板を提供できる。印刷回路基板又は多層印刷回路基板は、さらに前記樹脂シートの硬化物を備えることができる。樹脂シートは、前記基板に代えて備えられてもよい。
銅張積層板は、前記プリプレグ及び銅箔を積層し、加熱加圧成形して製造することができる。加熱加圧条件は、製造する銅張積層板の厚さ又は本発明に係る組成物の組成などに応じて適宜調節することができる。
印刷回路基板又は多層印刷回路基板は、めっきスルーホール法やビルドアップ法など常法によって作製でき、内層配線板に前述のプリプレグ又は絶縁樹脂シートを重ね合わせて加熱加圧成形を行うことで得ることができる。例えば、本発明に係るプリプレグの片面又は両面に銅箔を積層し、加熱加圧して銅張積層板を製作した後、銅張積層板に孔を開口してスルーホールめっきを行った後、めっき膜を含む銅箔をエッチング処理して回路を形成することで、印刷回路基板又は多層印刷回路基板を製造することができる。
プリプレグ、樹脂シート、基板、銅張積層板、印刷回路基板、及び多層印刷回路基板の厚みは、特に制限されるものではないが、一例として、0.1〜10mmであってよく、0.3〜5mmであってよい。
本発明に係る反応性希釈剤を配合する組成物の硬化物は、適度な可撓性が付与されたものとなる。本発明に係る硬化物は、曲げ弾性率の値が、3000MPa以下であってもよく、2500MPa以下であってもよい。曲げ弾性率の下限値は特に制限されるものではないが、曲げ弾性率の値が1500MPa以上であってもよく、2000MPa以上であってもよい。曲げ弾性率は、実施例に記載の測定条件又はそれと同一の結果が得られる互換性のある条件で測定されたものとする。
本発明に係る反応性希釈剤を配合する組成物の硬化物は、優れた誘電特性が付与されたものとなる。
本発明に係る硬化物は、1MHz又は1GHzにおける比誘電率の値が、2〜10であってもよく、2〜5であってもよく、3〜4であってもよい。比誘電は、実施例に記載の測定条件又はそれと同一の結果が得られる互換性のある条件で測定されたものとする。
本発明に係る硬化物は、1MHz又は1GHzにおける誘電正接の値が、0.005〜0.07であってもよく、0.006〜0.05であってもよく、0.007〜0.035であってもよく、0.008以上0.01未満であってもよい。誘電正接は、実施例に記載の測定条件又はそれと同一の結果が得られる互換性のある条件で測定されたものとする。なお、上記誘電特性を有する硬化物は、基板、銅張積層板、印刷回路基板、及び多層印刷回路基板に読みかえてもよい。
本発明に係る硬化物は、吸水率の値が4%以下であってよく、3%以下であってよく、1%以下であってよい。吸水率の下限値は特に限定されるものではないが、0.5%以上であってよい。吸水率が上記上限値以下であるということは、硬化物が優れた効果特性を有することを意味するとともに、耐水性又は撥水性に優れたものであることを意味する。吸水率は、実施例に記載の測定条件又はそれと同一の結果が得られる互換性のある条件で測定されたものとする。
また、本発明の一実施形態として、本発明に係る硬化物を備える電子部品を提供できる。より詳細には、半導体部品等の部品と基板とが本発明に係る封止材の硬化物で封止された電子部品を提供できる。
当該電子部品は、例えば、封止材をアンダーフィルとして使用し、部品と基板との間が封止材で封止されていてもよく、又は、部品と基板との間、及び部品の周囲が封止材で封止されていてもよい。
ここで封止対象である部品としては、半導体素子、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタおよびダイオード、コンデンサ等が挙げられ、これらに限定されるものではない。電子部品は、基板、部品、封止材の硬化物の他に、端子やワイヤ、リードフレーム、その他の構造物等を含んでいてもよい。
以上に述べたように、プリプレグ、樹脂シート、基板、銅張積層板、印刷回路基板、多層印刷回路基板及び電子部品は、本発明に係る組成物から製造することができる。これらは、低誘電性、可撓性、及び優れた耐熱性を有し、1GHz以上の高周波信号を取り扱うモバイル通信機器やその基地局装置、サーバー、ルーターなどのネットワーク向け電子機器及び大型コンピュータなどの各種の電子機器に使用されるネットワーク用印刷回路基板の部品用途などに好適に使用可能である。
以上、この発明の実施形態について詳述してきたが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の組み合わせ、付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<化合物の合成>
[合成例1]
1L反応容器中でアルゴン気流下、下記式(3−1)で表される化合物(「化合物(3−1)」と略記することがある。)及び下記式(3’−1)で表される化合物(「化合物(3’−1)」と略記することがある。)が含まれるトリイソブチレン原料(TCI社製)10g(59.4mmol)に、脱水THF60mlを加えて撹拌した。そこへ氷冷下で9−BBN(89.1mmol)を10℃以下で滴下し、30分後、35℃に昇温した。終夜撹拌後、ガスクロマトグラフィ(GC)で原料化合物(3−1)の消失を確認した。
Figure 2020017141
再び反応液を氷冷し、3M NaOHaq79ml(238mmol)を滴下した。続いて30質量%H溶液(80ml)を滴下した。17時間後、GCで原料化合物(3−1)の消失を確認した。
有機層と水層を分離した後、有機層にKCOを加え、有機溶媒中に残存した水を分離した。水層を分液後、同様の操作を更に2回行った。水層をあわせて、酢酸エチルで3回抽出した。最後に有機層をまとめ、MgSOで乾燥した。乾燥剤をろ過後、溶媒を減圧留去し18.22gの無色透明オイル状の粗体を得た。なお、減圧留去時に未反応の内部オレフィン構造が除去された。
粗体を減圧蒸留(バス温度:100℃,トップ温度:45℃,減圧度:1.3kPa)で粗精製した後、シリカゲルカラム(Silicagel:92.8g、eluent:Heptane/Ethyl acetate=7/1)で精製し、白色固体のOH体を得た。収量2.74g(14.7mmol)、収率24.8%、GC純度99.9%以上であった。また、H−NMRを用いて、下記式(2−1)で表される化合物(「化合物(2−1)」と略記することがある。)が合成されたことを確認した。
得られた化合物(2−1)のNMRデータを以下に示す。
1H-NMR(300.40 MHz, CDCl3, 内部基準TMS)
0.92 (s,18H), 1.15-1.41 (d,4H), 1.57 (m,1H), 3.53 (d,2H), 7.28 (s,OH).
Figure 2020017141
[合成例2]
次に、30mL反応容器に、前記合成例1で合成した化合物(2−1)1.0g(5.37mmol)、トルエン、Tetrabutylammonium Hydrogen
Sulfate73mg(0.215mmol)、50%NaOHaq(5.4mL)を加えてアルゴン置換した後に氷冷し、撹拌した。そこにエピクロヒドリン1.49g(16.1mmol)を滴下して30分撹拌し、室温に昇温した。2日後GCで原料化合物(2−1−1)の消失を確認した。
水でクエンチ後、酢酸エチルで希釈した。有機層と水層を分離した後、水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層をまとめ、sat.NaClaqで1回洗浄し、NaSOで乾燥した。乾燥剤をろ過後、溶媒を減圧留去し1.94gの淡黄色オイル状の粗体を得た。
粗体をクーゲルロール蒸留装置(加熱温度:160〜240℃,減圧度:0.1mmHg)で精製を行い、無色透明で液状の本発明に係る下記式(1−1)で表される化合物(「化合物(1−1)」と略記することがある。)を得た。収量770mg(3.18mmol)、収率59.2%、GC純度95.8%、粘度5.8mPa・s(25℃)、エポキシ当量242であった。また、H−NMRを用いて、化合物(1−1)が合成されたことを確認した。
以下のE型粘度計を用いて25℃E型粘度を測定した。
使用機器:東機産業株式会社製 TV20形粘度計
測定温度:25℃
化合物(1−1)約1.2mLをE型粘度計付属のカップに入れ、このカップを温度25℃に設定した。E型粘度計で上記化合物の回転粘度の計測を開始し、回転粘度の指示値が安定した点での回転粘度の数値を測定した。
得られた化合物(1−1)のNMRデータを以下に示す。
1H-NMR(300.40 MHz, CDCl3, 内部基準TMS)
0.92 (s,18H), 1.15-1.36 (d,4H), 1.74 (m,1H), 2.61-2.77 (d,2H), 3.14 (m,1H), 3.40-3.67 (d,18H), 3.38 (t,2H).
Figure 2020017141
[合成例3]
前記トリイソブチレン原料に代えて、下記式(3−2)で表される化合物(「化合物(3−2)」と略記することがある。)及び下記式(3’−2)で表される化合物(「化合物(3’−2)」と略記することがある。)が含まれるテトライソブチレン原料(TCI社製)を用いた以外は、合成例1と同様に反応を行い、下記式(2−2)で表される化合物(「化合物(2−2)」と略記することがある。)を合成した。
Figure 2020017141
得られた化合物(2−2)のNMRデータを以下に示す。
1H-NMR(300.40 MHz, CDCl3, 内部基準TMS)
0.87 (s,6H), 0.92 (s,9H), 0.97 (s,9H), 1.02 (d,2H), 1.17-1.41 (d,4H), 1.60 (m,1H), 3.50 (m,2H), 7.21 (s,OH).
Figure 2020017141
[合成例4]
化合物(2−1)代えて、上記で得られた化合物(2−2)を用いた以外は、合成例2と同様に反応を行い、無色透明で液状の本発明に係る下記式(1−2)で表される化合物(「化合物(1−2)」と略記することがある。)を得た。化合物(1−2)の総合収率は17.2%、GC純度98.2%、粘度33mPa・s(25℃)、エポキシ当量298であった。また、H−NMRを用いて、化合物(1−2)が合成されたことを確認した。化合物(1−2)の粘度測定は前記合成例2と同様の方法にて行った。
得られた化合物(1−2)のNMRデータを以下に示す。
1H-NMR(300.40 MHz, CDCl3, 内部基準TMS)
0.87 (s,6H), 0.92 (s,9H), 0.97 (s,9H), 1.02 (d,2H), 1.15-1.36(d,4H), 1.74(m,1H), 2.64-2.79(d,2H), 3.17(m,1H), 3.42-3.69(d,2H), 3.36(t,2H).
Figure 2020017141
[合成例5]
前記9−BBNに代えてNHBHを用いた以外は、合成例1と同様に反応を行い、上記化合物(2−1)を合成した。詳細を以下に記載する。
(NHBH合成)
まず、NHBHを合成した。使用した試薬は以下である。
・NaBH 7.57g(200mmol)
・(NHSO 26.43g(200mmol)
・THF 300ml
・NH(液体比重 約0.6) 7.9g
事前準備として、氷冷下、THFにアンモニアガスを吹き込むことで、5%(v/v)NH/THF溶液(200ml)、及び1M NH/THF溶液(100ml)を作成した。
大気下、500mlフラスコに冷やした5%(v/v)NH/THF溶液(200ml)を仕込んだ。これに氷冷下で、水素化ホウ素ナトリウム、硫酸アンモニウムを加えて、0℃で2時間攪拌した後、室温で8時間攪拌を行った。
得られた白色懸濁液に、1MNH/THF溶液(100ml)を加えて、30min攪拌後、セライト濾過し、THFでかけ洗いを行った。得られたろ液を濃縮し、室温で減圧乾燥することで、白色固体としてNHBHを4.73g得た(収率:76.6%, 不純物ピーク無し)。B−NMRを用いて、NHBHが合成されたことを確認した。
200mL反応容器中で大気下、化合物(3−1)及び化合物(3’−1)が含まれるトリイソブチレン原料(TCI社製)25.20g(149.7mmol)に、脱水THF25ml、及びNHBH1.16g(37.43mmol)を加えて撹拌し、78℃加熱還流下で1時間反応を行い、その後反応液からTHF10mlを留去し、80℃加熱還流下で2時間反応後、ガスクロマトグラフィ(GC)で原料化合物(3−1)の消失を確認した。
反応液に、3M NaOHaq17ml(49.9mmol)を加えて、73℃で3時間加熱還流を行った。これを30℃に冷却した後、続いて30質量%H溶液17ml(154.2mmol)を10分かけて滴下した。45℃まで昇温後、そのまま室温で終夜攪拌した。
上記合成例1と同様に精製し、白色固体のOH体を得た。収量6.7g、収率24.0%、GC純度99.0%以上であった。また、H−NMRを用いて、化合物(2−1)が合成されたことを確認した。
<組成物の調製1>
表1に示す配合比(重量部)で下記材料を配合し、本発明に係る組成物を得た。
(反応性希釈剤)
・化合物(1−1)
・化合物(1−2)
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂I:フェノールノボラック型(液状、エポキシ当量175g/eq、粘度4500Pa・s)
・エポキシ樹脂II:ビスフェノールA液状型(新日鉄住金製、型番:YD−128、エポキシ当量190g/eq、粘度11,000mPa・s)(硬化剤)
・硬化剤A:2−エチル−4−メチルイミダゾール(アミン当量110g/eq)・硬化剤B:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−HF−6)・硬化剤C:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
(硬化促進剤)
・硬化促進剤A:トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、ホクコーTPP)・硬化促進剤B:2−エチル−4−メチルイミダゾール
(充填剤)
・充填剤A:二酸化ケイ素粉
・充填剤B:窒化ホウ素粉
<評価>
(粘度)
以下のE型粘度計を用いて25℃E型粘度を測定した。
使用機器:東機産業株式会社製 TV20形粘度計
測定温度:25℃
配合例で調整した各樹脂組成物約1.2mLをE型粘度計付属のカップに入れ、このカップを温度25℃に設定した。E型粘度計で上記化合物の回転粘度の計測を開始し、回転粘度の指示値が安定した点での回転粘度の数値を測定した。
(引張せん断接着強さ)
以下の条件にて引張せん断接着強さの測定を行った。
Cu板(長さ150mm×幅25mm×厚さ1.5mm)とAl板(長さ150mm×幅25mm×厚さ1.5mm)とをアセトンで脱脂後、配合例で調整した各樹脂組成物を薄く刷毛で塗布し、12.5mmのオーバーラップ距離でCu板とAl板とを重ね合わせた。その後、ハサミ具にて固定し、100℃1時間、180℃5時間にて硬化させる事で試験片を作製した。試験は、引張速度5mm/minにて試験を開始し、試験片が破断したときの荷重を引張せん断接着強さとした。
評価結果を表1に示す。
Figure 2020017141
<組成物の調製2>
表2に示す配合比(重量部)で下記材料を配合し、本発明に係る組成物を得た。
(反応性希釈剤)
・化合物(1−1)
(エポキシ化合物1)
・TEPIC−S(日産化学工業株式会社製、エポキシ当量100)
(エポキシ化合物2)
・jER1031S(三菱ケミカル株式会社製、エポキシ当量196)
(硬化剤)
・MH−700(MeHHPA、新日本理化株式会社製、酸無水物当量164)
(硬化促進剤)
・キュアゾール(2E4MZ、四国化成工業株式会社製)
<評価>
(試験片の作製)
反応性希釈剤、エポキシ化合物、及び硬化剤の各材料を、表2に示す所定の配合で混合した。次いで、表2に示す所定の配合で硬化促進剤を加えて混合した後、注型用のセルに流し込んだ。注型用セルを熱風循環式オーブンに入れ、100℃2時間の条件で加熱後、さらに150℃5時間の条件にて硬化させ、試験片を得た。
(曲げ試験)
以下の条件にて曲げ試験を行った。
・試験方法 :JIS K 7171準拠
・測定項目 :強さ、弾性率
・試験片形状:65mm×25mm×3mm
・測定条件 :試験速度;1.5mm/min
・支点間距離:48mm
・測定数 :n=3
・試験環境 :23℃±1℃・50%RH±5%RH
・測定装置 :万能材料試験機5582型(インストロン社製)
(比誘電率・誘電正接)
以下の条件にて比誘電率及び誘電正接の測定を行った。
・試験方法 :IEC 60250準拠(自動平衡ブリッジ法)・測定項目 :比誘電率・誘電正接
・試験片形状:60mm×60mm×3mm
・測定条件 :周波数;1MHz
・測定温度 :23℃
・電極寸法 :主電極径φ36mm、環状電極内径φ38mm・電極材質 :導電性銀ペイント
・測定数 :n=2(1枚を2回測定した)
・状態調節 :23℃±2℃・50%RH±5%RH,48時間・試験環境 :23℃±2℃・50%RH±5%RH
・測定装置 :プレシジョンLCRメータE4980A(アジレント・テクノロジー株式会社製)
(吸水率)
以下の条件にて吸水率の測定を行った。
・試験片形状:約30mm×40mm×3mm
・前処理 :50℃,24時間(熱風循環式オーブン)・試験条件 :沸騰水(100℃),100時間
・測定数 :n=2
評価結果を表2に示す。
Figure 2020017141
<組成物の調製3>
表3に示す配合比(重量部)で下記材料を配合し、本発明に係る組成物を得た。
(反応性希釈剤)
・化合物(1−1)
・化合物(1−2)
(エポキシ化合物)
・TEPIC−S(日産化学工業株式会社製、エポキシ当量100)
(硬化剤)
・MH−700(MeHHPA、新日本理化株式会社製、酸無水物当量164)
(硬化促進剤)
・キュアゾール(2E4MZ、四国化成工業株式会社製)
(充填剤)
・シリカ粉(平均粒径25μm)
<プリプレグ及び印刷回路基板の製造>
表3に示す配合で調製された各樹脂組成物を、ガラス繊維に含浸させた後、165℃で3〜10分間乾燥してプリプレグを製造した。前記プリプレグを2plyと、厚み18μm銅箔とを積層した後、プレスして0.2mm厚さの積層薄板を得た。
<評価>
(銅箔接着性(Peel Strength:P/S))
IPC−TM−650 2.4.8の評価規格に従い、前記積層薄板を銅エッチング液に含浸させて銅箔を除去して得られた印刷回路基板に形成された回路パターン(銅箔)を90°方向で引き上げ、回路パターンの剥離時点を測定して評価した(kgf/cm)。
(吸湿耐熱評価(PCT))
上記印刷回路基板に対し、プレッシャークッカー試験装置(ESPEC、EHS−411MD)を用いて、121℃、0.2MPaの条件まで4時間放置した後、solder288℃で印刷回路基板10秒間隔でディッピング(Dipping)し、絶縁層と銅箔、絶縁層と金属コア、又は絶縁層同士の層間剥離現象が起こる時点までの時間を測定して評価した。
2時間以上で合格とした。
(比誘電率及び誘電正接)
上記印刷回路基板に対し、比誘電率測定装置(RF Impedence/Material Analyzer:Agilent社製)で周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接の測定を行った。
評価結果を表3に示す。
Figure 2020017141
上記に示す結果から、本発明に係る化合物は、エポキシ樹脂と混合する反応性希釈剤として、好適に使用できることが分かる。本発明に係る化合物を配合した樹脂組成物は低粘度化され、当該樹脂組成物の硬化物は、優れた誘電特性を発揮するとともに、可撓性が良好であって、外部から力が加えられても破断し難いという、優れた性質を有することが明らかとなった。

Claims (12)

  1. 以下の成分Aを含む反応性希釈剤、
    成分A:下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2020017141
    (式(1)中、nは0又は1である。)
  2. 以下の成分A、及び成分Bを含む組成物、
    成分A:下記一般式(1)で表される化合物、
    Figure 2020017141
    (式(1)中、nは0又は1である。)
    成分B:エポキシ環を含む基を分子内に2つ以上有する化合物。
  3. さらに、以下の成分Cを含む請求項2に記載の組成物、
    成分C:硬化剤。
  4. さらに、以下の成分Dを含む請求項3に記載の組成物、
    成分D:硬化促進剤。
  5. 請求項3又は4に記載の組成物を含む封止材。
  6. 請求項3又は4に記載の組成物の硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を備える基板。
  8. 請求項6に記載の硬化物を備える電子部品。
  9. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 2020017141
    (式(1)中、nは0又は1である。)
  10. 下記一般式(2)で表される化合物。
    Figure 2020017141
    (式(2)中、nは0又は1である。)
  11. 下記一般式(3)で表される化合物をヒドロキシル化して、下記一般式(2)で表される化合物を得ることを含む、下記一般式(2)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2020017141
    (式(3)中、nは0又は1である。)
    Figure 2020017141
    (式(2)中、nは0又は1である。)
  12. 下記一般式(2)で表される化合物をエポキシ化して、下記一般式(1)で表される化合物を得ることを含む、下記一般式(1)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2020017141
    (式(2)中、nは0又は1である。)
    Figure 2020017141
    (式(1)中、nは0又は1である。)
JP2020530910A 2018-07-17 2019-05-17 反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、及び化合物の製造方法 Pending JPWO2020017141A1 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018134436 2018-07-17
JP2018134435 2018-07-17
JP2018134435 2018-07-17
JP2018134436 2018-07-17
PCT/JP2019/019696 WO2020017141A1 (ja) 2018-07-17 2019-05-17 反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、及び化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020017141A1 true JPWO2020017141A1 (ja) 2021-09-24

Family

ID=69163514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020530910A Pending JPWO2020017141A1 (ja) 2018-07-17 2019-05-17 反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、及び化合物の製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JPWO2020017141A1 (ja)
KR (1) KR20210032383A (ja)
CN (1) CN112424255A (ja)
TW (1) TW202006038A (ja)
WO (1) WO2020017141A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7241389B2 (ja) * 2019-02-21 2023-03-17 ナミックス株式会社 液状エポキシ樹脂組成物及びそれを硬化させて得られる硬化物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4924026A (en) * 1989-08-11 1990-05-08 International Flavors & Fragrances Inc. Triisobutylene alcohols and esters, uses thereof in perfumery and halogenated intermediates useful for preparing same
JP2000198830A (ja) * 1998-12-30 2000-07-18 Yuka Shell Epoxy Kk ポリカルボン酸組成物の製造方法
JP2004537598A (ja) * 2001-08-06 2004-12-16 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 一定の置換ポリケチド、それらを含む医薬組成物および腫瘍処置におけるそれらの使用
JP2012102230A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Honda Motor Co Ltd 硬化性樹脂組成物及びこれを用いた電気電子部品

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9988349B2 (en) * 2014-01-03 2018-06-05 Daniel Halsell ESS Direct stereospecific synthesis of unprotected aziridines from olefins

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4924026A (en) * 1989-08-11 1990-05-08 International Flavors & Fragrances Inc. Triisobutylene alcohols and esters, uses thereof in perfumery and halogenated intermediates useful for preparing same
JP2000198830A (ja) * 1998-12-30 2000-07-18 Yuka Shell Epoxy Kk ポリカルボン酸組成物の製造方法
JP2004537598A (ja) * 2001-08-06 2004-12-16 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 一定の置換ポリケチド、それらを含む医薬組成物および腫瘍処置におけるそれらの使用
JP2012102230A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Honda Motor Co Ltd 硬化性樹脂組成物及びこれを用いた電気電子部品

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CRANDALL, JACK K. ET AL.: "Reactions of Ketenes with Peracids and Ozone", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 39, JPN6019030633, 1974, pages 2172 - 2175, ISSN: 0004988919 *
WHITMORE, FRANK C. ET AL.: "Grignard reductions. IX. Further Studies on the Reduction of Acid Halides", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 63, JPN6019030631, 1941, pages 643 - 654, ISSN: 0004988918 *

Also Published As

Publication number Publication date
TW202006038A (zh) 2020-02-01
CN112424255A (zh) 2021-02-26
KR20210032383A (ko) 2021-03-24
WO2020017141A1 (ja) 2020-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101758535B1 (ko) 에폭시 수지 조성물, 에폭시 수지 및 경화물
JPH0154347B2 (ja)
KR101143131B1 (ko) 에폭시 화합물, 이것의 제조 방법, 및 이것의 용도
JP5000053B2 (ja) 液状エポキシ樹脂組成物及びエポキシ樹脂硬化物
KR101408535B1 (ko) 변성 액상 에폭시 수지, 및 그것을 이용한 에폭시 수지 조성물 및 그 경화물
JP6963565B2 (ja) アルケニル基含有樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP6540188B2 (ja) エポキシ樹脂用希釈剤、及びエポキシ樹脂組成物
WO2020195733A1 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法
JP5319289B2 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法、並びにそれを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP5368707B2 (ja) 液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、および硬化物
JPWO2020017141A1 (ja) 反応性希釈剤、組成物、封止材、硬化物、基板、電子部品、エポキシ化合物、及び化合物の製造方法
JP4474891B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、その硬化物及びエポキシ樹脂
WO2022209642A1 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP7240989B2 (ja) 硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP4844796B2 (ja) 1液型エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2013056987A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JPWO2018199156A1 (ja) メタリル基含有樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物
JP5131961B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
JP2014162854A (ja) 樹脂組成物及び硬化物
JP6043602B2 (ja) 樹脂組成物
JP4656374B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
WO2022265060A1 (ja) エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の製造方法
JP4158137B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物。
JP2022147099A (ja) エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP2001163953A (ja) 積層板用エポキシ樹脂組成物およびこれを用いた積層板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220809

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230214