JPWO2019198238A1 - 微細藻類の培養方法 - Google Patents

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Abstract

横型の閉鎖式の生育容器を用いる場合にも、液体培地の撹拌及び酸素の除去を行うことができる微細藻類の培養方法を提供する。生育期間において、微細藻類を閉鎖式のバッグリアクター1に収容された液体培地2中で光独立栄養的に生育させる。調整期間において、微細藻類を生育させた液体培地2を該微細藻類ごとバッグリアクター1から調整槽4に移送し、調整槽4内で脱ガス処理した後、調整槽4からバッグリアクター1に移送する。前記生育期間と前記調整期間とを繰り返す。

Description

本発明は、微細藻類の培養方法に関する。
近年、発電所、工場等で発生する二酸化炭素の吸収、生活排水、下水等の汚水処理等のために微細藻類を培養することが検討されている。前記微細藻類は増殖速度が速いため、バイオ燃料、肥料、飼料等の原料に用いられる他、薬品、栄養食品、化粧品原料等に用いられる付加価値の高いものも知られている。
付加価値の高い微細藻類は汚染に弱く、従来、外気から隔離されるように構成された閉鎖式の生育容器を用い、該生育容器に収容された液体培地中で培養されている。
前記閉鎖式の生育容器を用いて前記微細藻類を培養する場合、該微細藻類を効率良く増殖させるためには、前記液体培地を撹拌する必要がある。一方、前記微細藻類は光合成により空中の炭素を固定し、酸素を発生するので、増殖が盛んになると前記生育容器内の酸素濃度が高くなる。前記微細藻類は、前記生育容器内の酸素濃度が高くなると、光合成の逆反応として呼吸を行うようになり、酸素を吸収して炭素を放出するようになるので、該生育容器内の酸素を除去することが好ましい。
そこで、前記閉鎖式の生育容器として、縦型の生育容器を用い、該生育容器の底部からエアレーションを行うことにより、前記液体培地を撹拌すると同時に前記微細藻類の光合成により発生する酸素を除去することが行われている。ところが、縦型の生育容器は、1基当たりで培養できる微細藻類に限度があり、大量に培養することが難しいという問題がある。多数の縦型の生育容器を用いれば微細藻類を大量に培養することはできるが、この場合には、微細藻類の収量の単位重量当たりに対し、撹拌、曝気、脱気等に要するエネルギーが過大になるという問題がある。
前記問題を解決するために、より少ないエネルギーで微細藻類を大量に培養することができる横型の閉鎖式の生育容器を用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−173139号公報
しかしながら、横型の閉鎖式の生育容器を用いる微細藻類の培養方法では、光の透過性から液体培地の深さに制限があり、エアレーションによる液体培地の撹拌及び酸素の除去が難しいという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、横型の閉鎖式の生育容器を用いる場合にも、液体培地の撹拌及び酸素の除去を行うことができる微細藻類の培養方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の微細藻類の培養方法は、下記の工程(1)〜工程(4)を備え、所定の生育期間には工程(1)を行い、且つ、工程(2)〜工程(4)は行なわず、工程(1)を行った後に所定の調整期間には少なくとも工程(2)〜工程(4)を行い、前記生育期間と前記調整期間とを繰り返すことを特徴とする。
工程(1):微細藻類を外気から隔離されるように構成された閉鎖式の生育容器に入れ、該生育容器に収容された液体培地中で光独立栄養的に生育させる。
工程(2):前記工程(1)において前記微細藻類を生育させた前記液体培地の少なくとも一部又は全部を該微細藻類ごと前記生育容器から調整槽に移送する。
工程(3):前記工程(2)において前記調整槽に移送した前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を該調整槽内で脱ガス処理する。
工程(4):前記工程(3)において脱ガス処理した前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を前記調整槽から前記生育容器に移送する。
本発明の微細藻類の培養方法では、まず、前記生育期間としての前記工程(1)で、前記生育容器に収容された液体培地中で前記微細藻類を光独立栄養的に生育させる。このようにすると、前記生育容器内では前記微細藻類の光独立栄養的生育(光合成)により炭素が固定されると同時に酸素が発生し、該酸素は前記液体培地中に溶存している。
このとき、前記液体培地中の溶存酸素濃度が限度を超えて高くなると、前記微細藻類は光合成の逆反応として呼吸を行うようになり、酸素を吸収して炭素を放出するようになる。そこで、前述のように前記微細藻類を生育させた後、前記調整期間としての前記工程(2)で、前記液体培地の少なくとも一部又は全部を該微細藻類ごと該生育容器から前記調整槽に移送する。
前記調整期間では、次いで、前記工程(3)で、前記調整槽に移送された前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を、該調整槽内で脱ガス処理することにより該液体培地中の溶存酸素濃度を低下させる。そして、前記工程(4)で、前記微細藻類と、前記脱ガス処理により溶存酸素濃度が低下した前記液体培地との混合物を前記調整槽から前記生育容器に移送する。そして、再び前記生育期間としての前記工程(1)を行う。
この結果、前記調整期間後の前記生育期間において、前記生育容器内では再び前記微細藻類を光独立栄養的に生育させることができる。
また、前記生育期間と前記調整期間とを繰り返すことにより、前記生育容器と前記調整槽との間で前記微細藻類及び前記液体培地の混合物の移送が間欠的に繰り返されることとなり、該液体培地を撹拌することができる。
従って、本発明の微細藻類の培養方法によれば、閉鎖式の生育容器を用いる場合にも、前記液体培地の撹拌及び酸素の除去を行うことができる。
本発明の微細藻類の培養方法は、前記生育容器が縦型である場合にも適用することができるが、該生育容器が水平方向に配置される横型の容器である場合に特に好ましく適用することができる。
また、本発明の微細藻類の培養方法において、前記生育期間から前記調整期間への移行時期は、該生育期間を所定時間行った後としてもよいが、前記微細藻類を生育させている前記液体培地の溶存酸素濃度に基づいて決定することが好ましい。
前述のように、前記液体培地中の溶存酸素濃度が限度を超えて高くなると、前記微細藻類は光合成の逆反応として呼吸を行うようになり、酸素を吸収して炭素を放出するようになる。従って、前記液体培地の溶存酸素濃度に基づいて、前記生育期間から前記調整期間への移行時期を決定することにより、適切な時期に該生育期間から該調整期間へ移行することができる。
また、本発明の微細藻類の培養方法では、前記生育容器を湖沼、河川等の水面下又は海面下に浮遊させて、前記微細藻類を光独立栄養的に生育させることが好ましい。このようにするときには、前記生育容器を設置するために広い面積を容易に確保することができる一方、該生育容器が熱容量の大きな水中にあるため、該生育容器内の前記微細藻類及び前記液体培地の混合物の温度が過度に上昇することを防止することができる。また、水面又は海面の波動により、前記生育容器内の前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を混合するという効果も得ることができる。
また、前記生育容器を水面下又は海面下に浮遊させるときには、前記生育容器は、一端に開口を有し、一部が伸縮性素材からなり、該開口に接続された移送管を介して前記調整槽に連通しており、該調整槽を該調整槽の底が該開口より低い位置になるように沈降させることにより、前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を自重により前記調整槽に移送し、該調整槽を該調整槽の底が該開口より高い位置になるように上昇させることにより、前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を自重により前記生育容器に移送することが好ましい。
このようにするときには、前記調整槽を前記開口に対して昇降させるだけで、前記微細藻類及び前記液体培地の混合物の移送を行うことができ、該移送に要するエネルギーを低減することができる。
また、本発明の微細藻類の培養方法では、前記生育容器に収容された前記液体培地の上方に空間を設け、該空間にキャリア気体を流通させて、前記微細藻類の生育により該空間内に溜まった酸素を排出することが好ましい。
このようにするときには、前記微細藻類の生育により前記液体培地の上方の空間に酸素が溜まるが、該酸素を前記キャリア気体により排出することができるので、前記生育期間をより長くすることができ、前記生育容器から前記調整槽への前記微細藻類及び前記液体培地の混合物の移送回数を低減することができる。
また、本発明の微細藻類の培養方法では、前記生育容器は1つでもよいが、複数設けるようにしてもよい。
本発明の微細藻類の培養方法の一実施形態において、移送の初期状態を示す説明図。 本発明の微細藻類の培養方法の一実施形態において、移送の途中の状態を示す説明図。 本発明の微細藻類の培養方法の一実施形態において、移送の終了状態を示す説明図。 本発明の微細藻類の培養方法の他の実施形態を示す説明図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本発明の微細藻類の培養方法は、薬品、栄養食品、化粧品原料等に用いられる付加価値の高い微細藻類を、外気から隔離されるように構成された閉鎖式の生育容器に入れ、該生育容器に収容された液体培地中で光独立栄養的に生育させる培養方法である。前記付加価値の高い微細藻類としては、例えば、Haematococcus pluvialis, Haematococcus lacustris等のHaematococcus属、 Chlorella vulgaris, Chlorella sorokiniana, Chlorella zofingiensis等のChlorella属、Nannochloropsis oculate等のNannochloropsis属、Dunaliella salina, Dunaliella bardawil, Dunaliella tertiolecta等のDunaliella属、Botryococcus braunii等のBotryococcus属、その他の緑藻類、Isochrysis galbana, Isochrysis litoralis等のIsochrysis属をはじめとするハプト藻類、 Chaetoceros gracilis, Chaetoceros calcitrans等のChaetoceros属をはじめとする珪藻類、 Arthrospira platensis, Arthrospira maxima等のArthrospira属をはじめとするラン藻類、Euglena gracilis等のEuglena属等を挙げることができる。
前記生育容器としては、前記微細藻類が光独立栄養的に生育するために、光透過性素材により構成されているものであればよく、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ガラス等の素材から構成されているものを用いることができる。また、前記液体培地としては、前記微細藻類が光独立栄養的に生育するための養分を含むものを用いることができ、例えば、BBM、BG-11などの淡水培地、F/2、Conwayなどの海水培地等の人工培地の他、窒素等の微細藻類の栄養を含む汚水等を挙げることができる。
本発明の微細藻類の培養方法は、例えば、図1Aに示すように、水面S下に浮遊させたバッグリアクター1を生育容器とするシステムにより実施することができる。バッグリアクター1は、軟質ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、フッ素樹脂等の伸縮性素材からなる袋状の容器であり、水面Sの直下に水平方向に横型に配置される。バッグリアクター1は、内部に液体培地2が収容されており、液体培地2中で、微細藻類の培養を行う。
また、バッグリアクター1は、一端に開口を有し、該開口に移送管3が接続されている。移送管3の他端は調整槽4の底部に接続されており、この結果、バッグリアクター1は、移送管3を介して調整槽4に接続されている。調整槽4は、円筒状の上部と、該上部に連接する円錐状の底部とからなり、水面Sに対して沈降又は上昇自在に構成されている。
図1Aに示すシステムでは、まず、バッグリアクター1内に収容された液体培地2中で前記微細藻類を光独立栄養的に生育させる。この工程が請求項1の生育期間における工程(1)に当たる。
前述のようにして前記微細藻類を生育させると、該微細藻類の光合成により、液体培地2中の二酸化炭素等の炭素が固定される一方、酸素が発生し、該酸素は液体培地2中に蓄積される。このとき、バッグリアクター1は熱容量の大きな真水中にあるため、バッグリアクター1内の前記微細藻類及び液体培地2の混合物の温度が過度に上昇することを防止することができ、例えば気温が30℃以上になるような地域又は季節での使用に有利である。
バッグリアクター1内では前記微細藻類が生育するに従って液体培地2中の溶存酸素濃度が上昇し、限度を超えて高くなると、前記微細藻類は光合成の逆反応として呼吸を行うようになり、酸素を吸収して炭素を放出するようになる。そこで、液体培地2中の溶存酸素濃度が所定の範囲を超えたならば、液体培地2の少なくとも一部又は全部、例えば2/3を前記微細藻類ごと、液体培地2及び微細藻類の混合物として、バッグリアクター1から調整槽4に移送する。この工程が請求項1の調整期間における工程(2)に当たる。
液体培地2及び微細藻類の混合物を、バッグリアクター1から調整槽4に移送する時期、換言すれば、前記生育期間から前記調整期間への移行時期は、バッグリアクター1において前記微細藻類を所定時間生育させた後としてもよいが、液体培地2の溶存酸素濃度に基づいて決定することが好ましく、より適切な時期を選択することができる。
液体培地2の溶存酸素濃度は、例えば、移送管3の途中に溶存酸素計等を備える水質センサを配設することにより検知することができる。前記水質センサは、溶存酸素計の他、pHメーター、濁度計、圧力計、塩濃度計、温度計等を備えていてもよい。
図1Aに示すシステムでは、液体培地2及び微細藻類の混合物のバッグリアクター1から調整槽4への移送を、図1Bに示すように、調整槽4を沈降させることにより行う。調整槽4を沈降させ、調整槽4の底がバッグリアクター1の開口より低い位置になるようにすると、バッグリアクター1内の前記混合物が、その自重により移送管3を介して調整槽4内に移送される。このとき、バッグリアクター1はその一部が前記伸縮性素材からなるので、前記混合物が移送されるに従って収縮し、該混合物の移送による容積の減少を吸収することができる。
前記混合物のバッグリアクター1から調整槽4への移送は、図1Cに示すように、バッグリアクター1内の該混合物の大部分が調整槽4に移送されることにより終了する。
前記混合物の大部分が調整槽4に移送されたならば、次いで、該混合物を調整槽4内で脱ガス処理する。この工程が請求項1の調整期間における工程(3)に当たる。
前記脱ガス処理は、調整槽4内でエアレーション等による曝気により行ってもよく、調整槽4内で前記混合物の上部空間を負圧にすることより行ってもよい。この結果、液体培地2中の溶存酸素濃度を、例えば極限まで低減させることができる。
前記脱ガス処理により液体培地2中の溶存酸素濃度が低減されたならば、次に、前記混合物を、調整槽4からバッグリアクター1に移送する。この工程が請求項1の調整期間における工程(4)に当たる。
前記混合物の調整槽4からバッグリアクター1への移送は、図1Cに示す状態から調整槽4を上昇させることにより行うことができる。このようにすると、調整槽4内でバッグリアクター1の開口より高い位置になる前記混合物が、その自重により、移送管3を介してバッグリアクター1内に移送される。移送管3は、前記混合物をバッグリアクター1から調整槽4へ移送する際に用いた移送管3と同一である。前記混合物の調整槽4からバッグリアクター1への移送は、調整槽4の底がバッグリアクター1の開口より高い位置まで上昇され、調整槽4の該混合物の大部分がバッグリアクター1に移送されることにより終了する。
バッグリアクター1に移送された前記混合物に含まれる液体培地2は溶存酸素が低減されているので、前記微細藻類は再び光独立栄養的生育を開始する。また、前記混合物がバッグリアクター1から調整槽4へ移送され、調整槽4から再びバッグリアクター1へ移送されることにより、該混合物に含まれる液体培地2が十分に撹拌されることとなり、前記微細藻類を良好に生育させることができる。
従って、図1Aに示すシステムでは、前記生育期間と前記調整期間とを繰り返すことにより、液体培地2の撹拌及び酸素の除去を行うことができる。
尚、図1Aでは、バッグリアクター1を水面S下に浮遊させるものとして説明しているが、バッグリアクター1は海面下に浮遊させるようにしてもよい。バッグリアクター1を水面S下又は海面下に浮遊させることにより、バッグリアクター1を設置するために広い面積を容易に確保することができる。
また、本発明の微細藻類の培養方法は、図2に示すように、複数のバッグリアクター1を地上に配置するシステムにより実施することもできる。図2に示すバッグリアクター1は、前記伸縮性素材からなる袋状の容器であり、地上に水平方向に横型に配置される。図2では便宜的に複数のバッグリアクター1を垂直に配置するように示しているが、複数のバッグリアクター1は例えば調整槽4の周囲に放射状に配置することができる。
バッグリアクター1の大きさは調整槽4の容積に対応して適宜設定することができるが、内部に収容される液体培地2の深さは光の透過性から100mm以下とすることが好ましい。
各バッグリアクター1は、液体培地2を収容しており、移送管3を介して調整槽4の底部に接続されている。図2に示す調整槽4は密閉されており、上部に配設された真空ポンプ5を作動させて内部の気体を排出し、内部を負圧にすることにより、液体培地2の少なくとも一部又は全部、例えば2/3を前記微細藻類ごと、液体培地2及び微細藻類の混合物として、バッグリアクター1から調整槽4に移送することができる。
調整槽4では、エアレーション等による曝気を行うか、調整槽4内で前記混合物の上部空間を負圧にすることより、前記混合物の脱ガス処理を行う。また、調整槽4では、前記混合物に炭素源として二酸化炭素を添加してもよく、二酸化炭素の添加量は移送管3の途中に水質センサを配設し、該水質センサにより検知される該混合物中の二酸化炭素濃度に基づいて決定することができる。さらに、調整槽4では、前記水質センサにより検知される前記混合物の温度に基づき、投入式温調器により該混合物の温度調整を行ってもよい。
また、図2に示すシステムにおいて、調整槽4の底は、各バッグリアクター1よりも高い位置になるようにされている。この結果、前記脱ガス処理後、真空ポンプ5の作動を停止し、外気を調整槽4に導入することにより、調整槽4内の前記混合物をその自重により移送管3を介してバッグリアクター1に移送することができる。移送管3は、前記混合物をバッグリアクター1から調整槽4へ移送する際に用いた移送管3と同一である。
この結果、図2に示すシステムによれば、図1に示すシステムと同様にして前記微細藻類の培養を行うことができ、前記生育期間と前記調整期間とを繰り返すことにより、液体培地2の撹拌及び酸素の除去を行うことができる。
また、図2に示すシステムでは、バッグリアクター1内の液体培地2の上方に空間6を設け、空間6にキャリア気体として空気を導入する気体導入管7aと、空間6からキャリア気体を排出する気体排出管7bとを備えるようにすることもできる。このようにするときには、気体導入管7aから導入されるキャリア気体を空間6内に流通させ、気体排出管7bから排出することにより、前記微細藻類が発生する酸素を空間6に放出させ、該キャリア気体によりバッグリアクター1外に排出することができる。
従って、前記生育期間中にバッグリアクター1内で液体培地2中の溶存酸素濃度を低減することができ、該生育期間をより長くすることができる一方、バッグリアクター1から調整槽4への前記混合物の移送回数を低減することができる。
尚、本実施形態では、バッグリアクター1が水平方向に配置される横型の生育容器である場合について説明しているが、バッグリアクター1は垂直方向に配置される縦型の生育容器であってもよい。
1…バッグリアクター(生育容器)、 2…液体培地、 4…調整槽。

Claims (7)

  1. 下記の工程(1)〜工程(4)を備え、所定の生育期間には工程(1)を行い、且つ、工程(2)〜工程(4)は行なわず、工程(1)を行った後に所定の調整期間には少なくとも工程(2)〜工程(4)を行い、前記生育期間と前記調整期間とを繰り返すことを特徴とする微細藻類の培養方法。
    工程(1):微細藻類を外気から隔離されるように構成された閉鎖式の生育容器に入れ、該生育容器に収容された液体培地中で光独立栄養的に生育させる。
    工程(2):前記工程(1)において前記微細藻類を生育させた前記液体培地の少なくとも一部又は全部を該微細藻類ごと前記生育容器から調整槽に移送する。
    工程(3):前記工程(2)において前記調整槽に移送した前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を該調整槽内で脱ガス処理する。
    工程(4):前記工程(3)において脱ガス処理した前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を前記調整槽から前記生育容器に移送する。
  2. 請求項1記載の微細藻類の培養方法において、前記生育容器は水平方向に配置される横型の容器であることを特徴とする微細藻類の培養方法。
  3. 請求項1記載の微細藻類の培養方法において、前記微細藻類を生育させている前記液体培地の溶存酸素濃度に基づいて、前記生育期間から前記調整期間への移行時期を決定することを特徴とする微細藻類の培養方法。
  4. 請求項1記載の微細藻類の培養方法において、前記生育容器を水面下又は海面下に浮遊させて、前記微細藻類を光独立栄養的に生育させることを特徴とする微細藻類の培養方法。
  5. 請求項4記載の微細藻類の培養方法において、
    前記生育容器は、一端に開口を有し、一部が伸縮性素材からなり、該開口に接続された移送管を介して前記調整槽に連通しており、
    該調整槽を該調整槽の底が該開口より低い位置になるように沈降させることにより、前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を自重により前記調整槽に移送し、
    該調整槽を該調整槽の底が該開口より高い位置になるように上昇させることにより、前記微細藻類及び前記液体培地の混合物を自重により前記生育容器に移送することを特徴とする微細藻類の培養方法。
  6. 請求項1記載の微細藻類の培養方法において、前記生育容器に収容された前記液体培地の上方に空間を設け、該空間にキャリア気体を流通させて、前記微細藻類の生育により該空間内に溜まった酸素を排出することを特徴とする微細藻類の培養方法。
  7. 請求項1記載の微細藻類の培養方法において、前記生育容器を複数設けることを特徴とする微細藻類の培養方法。
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