JPWO2019035437A1 - 固体炭素含有材料加工体およびその製造方法 - Google Patents

固体炭素含有材料加工体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

固体炭素含有材料加工体の製造方法は、少なくとも表面が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料を準備する工程と、固体炭素含有材料を加工する工程と、を含む。固体炭素含有材料を加工する工程は、固体炭素含有材料の表面の固体炭素を熱処理することにより、非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程と、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去するサブ工程と、を含む。

Description

本開示は、固体炭素含有材料加工体およびその製造方法に関する。本出願は、2017年8月15日に出願した日本特許出願である特願2017−156850号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
ダイヤモンドなどの固体炭素含有材料を加工する方法としては、切削、研削および/または研磨などによる機械的加工方法、プラズマ、イオンおよび/またはラジカルなどの励起種などによる化学的加工方法、金属固体または金属膜に固体炭素を固溶または反応させるなどによる熱化学的加工方法が挙げられる。
機械的加工方法として、砥粒加工学会誌,第53巻,第4号,2009年4月,第242−247頁(非特許文献1)は、紫外線援用研磨によるPCD(ダイヤモンド焼結体)の超精密加工を開示する。また、化学的加工方法として、応用物理,第77巻,第4号,2008年4月,第383−389頁(非特許文献2)は、低周波大気圧マイクロプラズマジェットによる固体材料の加工を開示し、New Diamond and Frontier Carbon Technology,Vol.13,No.1,2003 January,pp.19-30(非特許文献3)は、RIE(反応性イオンエッチング)による単結晶ダイヤモンドの加工を開示する。また、熱化学的加工方法として、特表昭56−500371号公報(特許文献1)は、ダイヤモンドを金属もしくは合金で形成された型と接触させることによる加工を開示し、特開2006−335591号公報(特許文献2)は、炭素材料の処理面に単結晶金属薄膜を形成して熱処理することにより、炭素材料中の炭素が単結晶金属薄膜と反応して金属炭化物として単結晶金属薄膜中に拡散することによる加工を開示する。
特表昭56−500371号公報 特開2006−335591号公報
砥粒加工学会誌,第53巻,第4号,2009年4月,第242−247頁 応用物理,第77巻,第4号,2008年4月,第383−389頁 New Diamond and Frontier Carbon Technology,Vol.13,No.1,2003 January,pp.19-30
本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、少なくとも表面が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料を準備する工程と、固体炭素含有材料を加工する工程と、を含み、固体炭素含有材料を加工する工程は、固体炭素含有材料の表面の固体炭素を熱処理することにより、非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程と、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去するサブ工程と、を含む。
本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体は、表面の少なくとも一部が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料加工体であって、固体炭素含有材料加工体の表面の形状は、加工表面に形成されている小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状または加工表面に形成されている凹凸の最小高さが30μm以上の滑らかな面で凹凸を有する形状であり、加工表面の大きさが1mm角以上であり、加工表面における研磨損傷点の密度が10個/mm2以下である。
図1は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の例を示すフローチャートである。 図2は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図3は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図4は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図5は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図6は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図7は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図8は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図9は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図10は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図11は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図12は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図13は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図14は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図15は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図16は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、炭素易固溶性金属元素を含む金属層と炭素易固溶性金属元素を含まない金属層との配置の一例を示す拡大概略立体図である。 図17は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、炭素易固溶性金属元素を含む金属層と炭素易固溶性金属元素を含まない金属層との配置の一例を示す拡大概略立体図である。 図18は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法の一例を示す概略立体図である。 図19Aは、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法の一例を示す概略図である。 図19Bは、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法における固体炭素含有材料の表面の内接円の一例を示す概略図である。 図20Aは、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法の一例を示す概略図である。 図20Bは、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法に利用されるマスクの開口部の外接円の一例を示す概略図である。 図20Cは、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法における固体炭素含有材料の表面の内接円の一例を示す概略図である。 図21は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法の一例を示す概略図である。 図22は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の加工表面に形成されている小凹凸の一例を示す概略断面図である。 図23は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の加工表面に形成されている小凹凸の最大高さを走査型白色干渉計で測定する範囲の一例を示す概略平面図である。 図24は、本開示の一態様にかかる固体炭素含有材料加工体の加工表面に形成されている凹凸の一例を示す概略断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
砥粒加工学会誌,第53巻,第4号,2009年4月,第242−247頁(非特許文献1)に開示するような機械的加工方法では、加工面が平滑で精密な加工が可能であるが、ダイヤモンドなどの固体炭素含有材料はその面方位によって硬さが異なり、硬度が高い面方位の固体炭素含有材料の加工に長時間(1μmの厚さを削るのに1時間以上かかることを意味する)を有するという問題点がある。
また、応用物理,第77巻,第4号,2008年4月,第383−389頁(非特許文献2)およびNew Diamond and Frontier Carbon Technology,Vol.13,No.1,2003 January,pp.19-30(非特許文献3)に開示するような化学的加工方法では、ダイヤモンドなどの固体炭素含有材料の面方位による硬度の高低にかかわらず10μmの厚さを削るのに2時間程度の比較的短時間の加工が可能であるが、加工面に急峻な段差および/または細かい突起が残存し、平滑な加工ができないという問題点がある。
また、特表昭56−500371号公報(特許文献1)に開示するような熱化学的加工方法では、精密な加工ができないという問題点がある。その理由として、(1)金型を形成する金属または合金は一般に多結晶体であるため、部分的にエッチング速度が異なる、(2)金型が高温処理で不均一に膨張する、(3)金型が高温処理で融点以下ではあるものの精度が大きく落ちるほど軟化する、などが挙げられる。
また、特開2006−335591号公報(特許文献2)に開示するような熱化学的加工方法では、(1)金属エッジ部分が移動しパターン形状が変形する、(2)そのため、ダイヤモンドが異方性エッチングする、(3)金属エッジ部がパターンのないダイヤモンドの方に拡散し、パターンの幅よりも広くなり制御できない、(4)平面的なエッチング(エッチングの有る無し)は可能だが、立体的な曲面加工(エッチング量の調整)は困難である、などの問題点がある。
そこで、上記の問題点を解決して、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらず滑らかにかつ短時間で加工できる固体炭素含有材料加工体の製造方法およびそれにより製造される表面が滑らかな固体炭素含有材料加工体を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
上記によれば、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらず滑らかにかつ短時間で加工できる固体炭素含有材料加工体の製造方法およびそれにより製造される表面が滑らかな固体炭素含有材料加工体を提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示のある実施形態にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、少なくとも表面が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料を準備する工程と、固体炭素含有材料を加工する工程と、を含む。固体炭素含有材料を加工する工程は、固体炭素含有材料の表面の固体炭素を熱処理することにより、非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程と、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去するサブ工程と、を含む。本実施形態の固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間(本開示の実施態様においては、100μm厚さを削るのに3時間以下という短時間を意味する、以下同じ)で加工することができる。単純な高さエッチング加工時間は34μm/h以上であることが好ましく、50μm/h以上であることがより好ましく、80μm/h以上であることがさらに好ましく、100μm/h以上であることが特に好ましい。単純な高さエッチング加工時間がより短ければ、平坦化するために走査する全体の加工時間は短縮することができる。ここで、単純な高さエッチング加工速度とは、プラズマやイオンの気流やビームを走査せず、同じ部分を処理し続けた時の単位時間当たりのエッチング加工厚さ(減少厚さ)である。
[2]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、固体炭素を熱処理する雰囲気の酸素分圧を0.133Pa以下とすることができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で高精度に加工することができる。
[3]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、固体炭素含有材料を加工する工程は、非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程の前に、表面の少なくとも一部上に金属層を形成するサブ工程をさらに含むことができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。
[4]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、金属層は、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、イリジウム、およびマンガンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含むことができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。
[5]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、金属層は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含むことができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。
[6]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法は、非ダイヤモンド炭素を、酸素分子、水素分子および水分子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分子を含むガスを含む気相流体で処理する方法、非ダイヤモンド炭素を、酸素原子、水素原子、ヘリウム原子およびアルゴン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の原子を含むプラズマを含む気相流体で処理する方法、非ダイヤモンド炭素を、酸素イオン、水素イオン、水酸化物イオン、ヘリウムイオンおよびアルゴンイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンを含むイオンビームで処理する方法、ならびに非ダイヤモンド炭素を、機械的および物理的の少なくともいずれかにより除去する方法、の少なくとも1種類の方法とすることができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。
[7]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素を除去する部分を、表面の一部とすることができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工することができる。
[8]上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法は、固体炭素含有材料の表面の内接円の半径よりも小さい直径を有する気相流体で処理する方法、固体炭素含有材料の表面の内接円の半径よりも小さい直径を有するイオンビームで処理する方法、固体炭素含有材料の内接円の半径よりも小さい外接円を有する開口部を有するマスクを利用する方法、の少なくとも1種類の方法とすることができる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ高精度で加工することができる。
[9]本開示の別の実施形態にかかる固体炭素含有材料加工体は、加工表面の少なくとも一部が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料加工体であって、固体炭素含有材料加工体の加工表面の形状は、加工表面に形成されている小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状または加工表面に滑らかな面で形成されている最小高さが30μm以上の凹凸を有する形状であり、加工表面の大きさが1mm角(一辺が1mmの正方形をいう、以下同じ)以上であり、加工表面における研磨損傷点の密度が10個/mm2以下である。ここで、平滑な加工表面に形成されている小凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図せずに形成される最大高さが20μm以下の小さな凹凸をいう。小凹凸の最大高さとは、加工表面の最小二乗平面に平行でかつ加工表面の最大の小凹部の頂点を通るベース平面から加工表面の最大の小凸部の頂点までの距離をいう。また、加工表面に滑らかな面で形成されている凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図して形成される最小高さが30μm以上の凹凸をいう。凹凸の最小高さとは、加工表面の最小二乗平面に平行でかつ加工表面の最小の凹部の頂点を通るベース平面から加工表面の最小の凸部の頂点までの距離をいう。また、凹凸を形成する滑らかな面には、小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状が含まれる。本実施形態の固体炭素含有材料加工体は、加工表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)であるとともに、加工表面の結晶品質が高い。
[10]上記固体炭素含有材料加工体において、加工表面における金属原子の密度を1ppb以上とすることができる。かかる固体炭素含有材料加工体は、金属層の形成を経て加工されている場合には、加工表面に一定以上の密度の金属原子を含む。
[11]上記固体炭素含有材料加工体において、加工表面は周期的な小凹凸曲面を有することができる。かかる固体炭素含有材料加工体は、加工表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)である。
[12]上記固体炭素含有材料加工体において、加工表面は、内側に凸の曲面を有する小凹部と、外側に凸の曲面を有する小凸部と、を含み、加工表面をその最小二乗平面に垂直な方向から見たときに、小凹部の全面積を加工表面の全面積の60%以上とすることができる。本実施形態の固体炭素含有材料加工体は、加工表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)である。
[13]上記固体炭素含有材料加工体において、固体炭素は、単結晶ダイヤモンドおよび多結晶ダイヤモンドの少なくとも1種類を含むことができる。かかる固体炭素含有材料加工体も、加工表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)である。
[本開示の実施形態の詳細]
<実施形態1:固体炭素含有材料加工体の製造方法>
図1〜図18を参照して、本開示のある実施形態にかかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、少なくとも表面が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料10を準備する工程S10と、固体炭素含有材料10を加工する工程S20と、を含む。固体炭素含有材料10を加工する工程S20は、固体炭素含有材料10の表面の固体炭素を熱処理することにより、非ダイヤモンド炭素10ndを形成するサブ工程S22と、非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去するサブ工程S23と、を含む。本実施形態の固体炭素含有材料加工体の製造方法は、炭素の強固な結合を化学的に切断した後に、表面の炭素を除去する方法であるので、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらず滑らかにかつ短時間で加工することができる。すなわち、本実施形態の固体炭素含有材料加工体の製造方法によれば、表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)に加工された固体炭素含有材料加工体20が短時間で得られる。
(固体炭素含有材料を準備する工程)
図1ならびに図2〜図9の(A)を参照して、固体炭素含有材料を準備する工程S10において準備される固体炭素含有材料10は、少なくとも表面が固体炭素で構成されている。ここで、固体炭素とは、固体として存在している炭素をいい、炭素がSP3混成軌道により結合しているSP3結合炭素、炭素がSP2混成軌道により結合しているSP2結合炭素などが含まれる。固体炭素には、ダイヤモンド炭素(SP3結合炭素)および非ダイヤモンド炭素(SP3結合炭素以外の炭素)が含まれる。ダイヤモンド炭素としては、ダイヤモンド(SP3結合炭素)が挙げられる。非ダイヤモンド炭素としては、ダイヤモンド状炭素(DLC:SP3結合炭素とSP2結合炭素の混合体)、グラッシーカーボン(SP3結合炭素とSP2結合炭素の混合体)、グラファイト(SP2結合炭素)、グラフェン(SP2結合炭素)、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバーなどが挙げられる。準備される固体炭素含有材料としては、バルク状や薄膜状を含んだ板状のものであったり、不定形の形であったりしても構わない。それらの表面の凹凸の最小高さが30μm以上の凹凸を有する面であっても構わない。また、表面の小さな凹凸の最大高さが20μm以下の平坦面であっても、曲面であっても構わない。それらの表面をその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)に加工された固体炭素含有材料加工体とするための固体炭素含有材料の準備工程である。
上記の固体炭素含有材料10の少なくとも表面を構成する固体炭素は、SP3結合固体炭素(たとえばダイヤモンド炭素10d)およびSP2結合固体炭素の少なくとも1つを含むことができる。上記固体炭素がSP3結合固体炭素およびSP2結合固体炭素の少なくとも1つを含むものであっても、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工することができる。
上記の固体炭素含有材料10は、ダイヤモンド炭素10dを含む、すなわち、単結晶ダイヤモンドおよび多結晶ダイヤモンドの少なくとも1つを含むことができる。固体炭素含有材料10が単結晶ダイヤモンドおよび多結晶ダイヤモンドの少なくとも1つを含むものであっても、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工することができる。
(固体炭素含有材料を加工する工程)
図1、図2の(B)および(C)、図3〜図9の(B)〜(D)、図10〜図15の(A)〜(D)、図16、図17、ならびに図18の(A)〜(D)を参照して、固体炭素含有材料10を加工する工程は、固体炭素含有材料10,10A,10B,10Cの表面の固体炭素を熱処理することにより、非ダイヤモンド炭素10ndを形成するサブ工程と、非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去するサブ工程と、を含む。かかるサブ工程により、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工することができる。
ここで、少なくとも一部を除去するサブ工程は、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)に加工するために必要である。なぜなら、平坦でない表面の全面を一様に加工していても平滑な加工表面にはなり難く、所望の形状でない表面の全面を一様に加工していても所望の形状の加工表面にはなり難いからである。すなわち、意図的に、平滑な形状または面が滑らかで所望の形状になるように加工することが必要であるからである。また、表面の一部でなく全体を加工しても、一様でない加工、すなわち、加工部の最中心が最も早い加工で、加工部の周辺が急激に遅い加工となるような不均質な加工を用いれば、これを所望の位置に所望の時間で走査させて、所望の形状に加工することは可能になる。
非ダイヤモンド炭素10ndを形成するサブ工程において、固体炭素を熱処理する雰囲気の酸素分圧は、特に制限はないが、均質な非ダイヤモンド炭素10ndを形成することにより平滑な形状または所望の形状に加工する精度を高くする観点から、0.133Pa以下が好ましく、0.0133Pa以下がより好ましく、0.000133Pa以下がさらに好ましい。ここで、固体炭素の熱処理をする雰囲気の酸素分圧が小さくする理由は、酸素分圧が大きければ、熱処理によって形成した非ダイヤモンド炭素が、一様に除去されてしまうからである。平滑な形状にまたは所望の形状に精度よく加工するためには、非ダイヤモンド炭素を一様に除去するのではなく、所望の位置の非ダイヤモンド炭素のみを除去しなければならないからである。酸素分圧が小さいほど、所望の位置と所望でない位置の除去率の差が大きくなるので好ましい。
また、熱処理する温度は、固体炭素含有材料を短時間で加工する観点から、300℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましく、800℃以上がさらに好ましい。熱処理の固体炭素の温度は高い方が、除去される速度が速くなるので好ましい。
さらに、処理に用いる気相流体の温度も、室温より大きい方が好ましく、300℃以上がより好ましく、600℃以上がより好ましく、800℃以上がさらに好ましい。処理に用いる気相流体の温度は高い方が、除去される速度が速くなるので好ましい。ただし、酸素分圧が0.0133Pa以上ある場合は、固体炭素の温度は600℃より大きくない範囲で、できるだけ高い温度の気相流体で処理されることがさらに好ましい。
図1、図5〜図8の(B)および(C)、図9の(B)、図12〜図14の(A)〜(C)、図15の(A)〜(C)、ならびに図18の(A)を参照して、固体炭素含有材料10を加工する工程は、上記の非ダイヤモンド炭素10ndを形成するサブ工程の前に、表面の少なくとも一部上に金属層10mb,10mcを形成するサブ工程をさらに含むことが好ましい。かかるサブ工程により、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。金属層10mb,10mcがあると、金属層がない場合に比べて、非ダイヤモンド炭素10ndを形成することが容易になるため、間接的にダイヤモンドを除去することが容易になるからである。
ここで、図5〜図7の(B)および(C)、ならびに図12、図13および図15の(A)〜(C)を参照して、金属層10mbは、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、およびMn(マンガン)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含むことが好ましく、Fe(鉄)、Co(コバルト)、およびNi(ニッケル)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含むことがより好ましい。かかる金属元素は、固体炭素が固溶しやすい金属元素(以下、炭素易固溶性金属元素ともいう)である。このため、表面の少なくとも一部上に炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbが形成された固体炭素含有材料10Bを熱処理すると、金属層10mbに接する固体炭素含有材料10中の固体炭素が金属層10mb中に固溶し、固溶した固体炭素が飽和すると、金属層10mbの露出している表面(固体炭素含有材料と接する表面と反対側の表面)上に非ダイヤモンド炭素10ndが析出する。このため、かかる非ダイヤモンド炭素10ndを除去することにより、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。ここで、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbを用いた熱処理の温度は、固体炭素含有材料を短時間で加工する観点から、600℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましく、1000℃以上がさらに好ましい。
また、図8の(B)および(C)、図9の(B)、図14の(A)および(C)、ならびに図16の(A)および(B)を参照して、金属層10mcは、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)およびW(タングステン)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含むことが好ましく、Ti、ZrおよびHfからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含むことがより好ましい。かかる金属元素は、固体炭素と反応して金属炭化物を形成しやすい金属元素(以下、易炭化性金属元素ともいう)である。このため、易炭化性金属元素を含む金属層10mcが表面の少なくとも一部上に形成された固体炭素含有材料10Bを熱処理すると、金属層10mbに接する固体炭素含有材料10中の固体炭素が上記易炭化性金属元素と反応して非ダイヤモンド炭素10ndである金属炭化物を形成する。このため、かかる非ダイヤモンド炭素10ndを除去することにより、固体炭素含有材料10の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。ここで、易炭化性金属元素を含む金属層10mcを用いた熱処理の温度は、固体炭素含有材料を短時間で加工する観点から、300℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましく、800℃以上がさらに好ましい。
さらに、図2の(B)および(C)、図3〜図9の(C)および(D)、図10〜図15の(B)〜(D)、ならびに図18の(C)および(D)に示す非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去するサブ工程において、非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去する方法は、非ダイヤモンド炭素10ndを、O2(酸素)分子)、H2(水素)分子およびH2O(水)分子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分子を含むガスを含む500℃以上の気相流体で処理する方法(図19A)、非ダイヤモンド炭素10ndを、O(酸素)原子、H(水素)原子、He(ヘリウム)原子およびAr(アルゴン)原子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の原子を含むプラズマを含む気相流体Fで処理する方法(図19A)、非ダイヤモンド炭素10ndを、O(酸素)イオン、H(水素)イオン、OH(水酸化物)イオン、He(ヘリウム)イオンおよびAr(アルゴン)イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンを含むイオンビームBで処理する方法(図20A)、ならびに非ダイヤモンド炭素10ndを、機械的および物理的の少なくともいずれかにより除去する方法(図21)の少なくとも1種類の方法が好ましい。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつより短時間で加工することができる。
図19Aを参照して、非ダイヤモンド炭素10ndを、O2分子、H2分子およびH2O分子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分子を含むガスを含む500℃以上の気相流体Fで処理する方法、あるいは、O原子、H原子、He原子およびAr原子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の原子を含むプラズマを含む気相流体Fで処理する方法とは、たとえば、上記気相流体Fを流体噴射部111から固体炭素含有材料10の表面に噴射することにより、表面に形成されている非ダイヤモンド炭素10ndを除去する方法である。ここで、固体炭素含有材料10に対して流体噴射部111を相対移動させることにより、気相流体Fを走査することができる。
図20Aを参照して、非ダイヤモンド炭素10ndを、Oイオン、Hイオン、OHイオン、HeイオンおよびArイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンを含むイオンビームBで処理する方法とは、たとえば、上記イオンビームBをビーム放射部121から固体炭素含有材料10の表面に放射することにより、表面に形成されている非ダイヤモンド炭素10ndを除去する方法である。ここで、イオンビームBの放射径を小さくして加工精度を高くする観点から、開口部を有するマスク122を用いることができる。また、固体炭素含有材料10に対してビーム放射部121および/またはマスク122を相対移動させることにより、イオンビームBを走査することができる。
図21を参照して、非ダイヤモンド炭素10ndを、機械的および物理的の少なくともいずれかにより除去する方法は、砥石などの除去具131を固体炭素含有材料10の表面に押し当てながら固体炭素含有材料10に対して往復運動および/または回転運動させることにより、表面に形成されている非ダイヤモンド炭素10ndを除去する方法である。ここで、固体炭素含有材料10に対して除去具131を相対移動させることにより、除去具131を走査することができる。
また、非ダイヤモンド炭素10ndを除去する部分は、表面の一部であることが好ましい。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらず平滑にかつ短時間で所望の形状に加工することができる。平滑な面を形成する時には、その前の表面は平滑でなく、一部を除去することから始めるからであり、所望の形状を形成する時には、曲面形状のことを指しており、一部を除去することが前提になっているからである。
さらに、図22および図24を参照して、非ダイヤモンド炭素10ndを除去した後の固体炭素含有材料加工体20の加工表面の形状は、加工表面に形成されている小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状または加工表面に滑らかな面で形成されている最小高さが30μm以上の凹凸を有する形状であることが好ましい。ここで、図22に示すように、平滑な加工表面20psに形成されている小凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図せずに形成される最大高さが20μm以下の小さな凹凸をいう。小凹凸の最大高さとは、加工表面20psの最小二乗平面20lspに平行でかつ加工表面20psの最大の小凹部の頂点を通るベース平面20bpから加工表面の最大の小凸部の頂点までの距離をいう。また、図24に示すように、加工表面20psに滑らかな面で形成されている凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図して形成される最小高さが30μm以上の凹凸をいう。凹凸の最小高さとは、加工表面20psの最小二乗平面20lspに平行でかつ加工表面20psの最小の凹部の頂点を通るベース平面20bpから加工表面の最小の凸部の頂点までの距離をいう。また、凹凸を形成する滑らかな面には、小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状が含まれる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工することができる。
上記観点から、固体炭素含有材料加工体20の加工表面20psが平滑な形状の場合、平滑な加工表面20psに形成されている小凹凸の最大高さは、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。また、固体炭素含有材料加工体20の加工表面20psが滑らかな面で形成されている凹凸を有する形状の場合、加工表面20psの凹凸の最小高さは、30μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。また、加工表面において、平滑な部分は凹凸の最大高さを0.1μm以下とし、滑らかな凹凸を有する部分の凹凸の最小高さを100μm以上とすることも可能である。また、加工体の平行度は0.5°以下が好ましく、0.3°以下がより好ましく、0.25°以下がさらに好ましく、0.1°以下が特に好ましい。以上のような加工の精度は、非ダイヤモンド層形成の金属の種類によって異なり、金属中の炭素の固溶度や拡散度が大きいと平坦加工の精度が高くなる傾向がある。これらの加工精度は、研磨損傷点密度を10個/mm2以下に保って実現することは難しく、あるいは研磨損傷点密度を0個/mm2に保って実現することはさらに難しく、本実施形態の固体炭素含有材料加工体の製造方法によって実現されるものである。
平滑な加工表面20psに形成されている小凹凸の最大高さおよび加工表面20psに滑らかな面で形成されている凹凸の最小高さは、レーザ変位計(たとえば、神津精機社製表面形状測定システムDyvoce−3000またはその相当品)により測定できる。ただし、レーザ変位計の測定の精度は1μm程度であるため、1μm未満の小凹凸の高さの測定には走査型白色干渉計(たとえば、キャノン社製(Zygo)NewView200またはその相当品)が好適に用いられる。走査型白色干渉計による小凹凸の高さの測定は、広い領域の測定は困難であり、複数の狭い領域で測定を行う。たとえば、図23を参照して、走査型白色干渉計による小凹凸の最大高さとは、測定対象とする加工表面20psの重心点P1およびその重心点P1で直交する2直線L1,L2で分けられる4つの領域のそれぞれの4つの重心点P2,P3,P4,P5をそれぞれ中心とする5つの0.4mm角(一辺が0.4mmの正方形をいう、以下同じ)の範囲R1,R2,R3,R4,R5で測定して得られる最大高さとする。
さらに、非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法は、固体炭素含有材料10の表面の内接円10iの半径Riよりも小さい直径DFを有するプラズマジェット(気相流体F)により処理する方法(図19Aおよび図19Bを参照)、固体炭素含有材料10の表面の内接円10iの半径Riよりも小さい直径DBを有するイオンビームBにより処理する方法(図20Aおよび図20Cを参照)、固体炭素含有材料10の内接円10iの半径Riよりも小さい外接円122wcを有する開口部122wを有するマスク122を利用する方法(図20A、図20Bおよび図20Cを参照)、の少なくとも1種類の方法とすることが好ましい。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ高精度で加工することができる。
(実施形態1A)
図1、図2〜図4、図10および図11を参照して、より具体的な実施形態1Aは、少なくとも表面がダイヤモンド炭素10dを含む材料で構成されている固体炭素含有材料10を加工する工程S20において、固体炭素含有材料10の表面のダイヤモンド炭素10dを熱処理することにより非ダイヤモンド炭素10ndを形成するサブ工程(図2〜図4の(B)、図10および図11の(A))により、表面に非ダイヤモンド炭素10ndが形成された固体炭素含有材料10Aが得られる。かかる固体炭素含有材料10Aから非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去するサブ工程(図2の(C)、図3および図4の(C)および(D)、図10および図11の(B)および(D))により、固体炭素含有材料加工体20(図2の(C)、図3〜図4および図10〜図11の(D))が得られる。このようにして、固体炭素含有材料10の表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工された固体炭素含有材料加工体20が得られる。
図2〜図4、図10および図11に示される工程においては、ダイヤモンド炭素10dは、ダイヤモンドの結合の材料が100%であることが最も効果がある。非ダイヤモンド炭素の除去のサブ工程で、非ダイヤモンド炭素の除去の効率がダイヤモンド炭素の除去の効率よりも非常に大きいという特徴を利用することにより、所望の形状に加工することを容易にするからである。非ダイヤモンド炭素とダイヤモンド炭素の除去効率を変えることは非常に簡単である。同じ条件でも、一般的には非ダイヤモンド炭素の方が除去しやすい条件となるからである。同一時間内では、非ダイヤモンド炭素が容易に除去されて、ダイヤモンド炭素でほとんどストップした状態となる。
図2の(C)、図3および図4の(D)、ならびに図10および図11の(D)は、固体炭素含有材料10の表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの全部を除去する場合を示す。また、図3および図4の(C)、ならびに図10および図11の(B)は、固体炭素含有材料10の表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの一部を除去する場合を示す。ここで、非ダイヤモンド炭素10ndの一部を除去する方法は、特に制限はないが、加工精度を高くする観点から、また、制御された平坦面(意図した平坦面)や制御された曲面(意図した曲面)を作製するという観点から、小さい直径を有するプラズマジェットまたはイオンビームにより処理する方法、開口部の小さいマスクを用いる方法、機械的に除去する方法などが好ましい。機械的に除去する方法によっても加工が非常に容易である。なぜなら、非ダイヤモンド炭素10ndは非常に柔らかく、ダイヤモンド炭素10dの硬さとは大きく違うからである。ただし、加工くずがガス化して飛んでゆくということがないので、加工くずを吹き飛ばすなどの工夫をする必要がある。
図3および図4の(B)に示す固体炭素含有材料10の表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの一部がエッチングなどにより除去されてダイヤモンド炭素10dが露出している固体炭素含有材料10Aを、図3および図4の(C)に示すようにさらに熱処理することにより露出していたダイヤモンド炭素10dの表面に非ダイヤモンド炭素10ndが形成される。このようにして新たに形成された非ダイヤモンド炭素10ndを上記と同様の方法によりさらに除去する。このように、固体炭素含有材料10の表面の所望の部分において非ダイヤモンド炭素10ndの形成および除去を繰り返すことにより、表面を所望の形状に加工できる。
図10に示す例では同じ部分を加工していることで段差状の加工体が形成されているが、図11に示す例のように、1回目、2回目と違う部分を加工することで、細かい段差状となるものの一つの段差ではなく、何段階もの異なる段差の立体形状の(段差が起伏の等高線のようになった)加工体もできる。全体として滑らかな立体形状の加工体ができる。図2に示す例でも、小さい径のプラズマジェットのようなもので、何度も形を変えて加工すると、一つ一つの段差が急峻にはならないので、一つが滑らかな突起となり、全体としてより滑らかな凹凸を有する加工体を形成することができる。図4に示す例では、表面の凹凸が大きい固体炭素含有材料に対して、凸部分を多目に加工し、凹部分をほとんど加工しなければ、これを繰り返すと凹凸が減少し、平坦で平滑な面を形成することもできる。上記のプロセスを繰り返す代わりに、熱処理をし非ダイヤモンド炭素を形成する環境下で非ダイヤモンド炭素を除去することで、非ダイヤモンド炭素の形成のサブ工程と非ダイヤモンド炭素の除去のサブ工程を同時に進めることも可能である。
実施形態1Aの固体炭素含有材料10,10Aの熱処理においては、熱処理する雰囲気の酸素分圧は、固体炭素含有材料を高精度に加工する観点から、0.133Pa以下が好ましく、0.0133Pa以下がより好ましく、0.000133Pa以下が好ましい。また、熱処理する温度は、固体炭素含有材料を短時間で加工する観点から、300℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましく、800℃以上がさらに好ましい。
(実施形態1B)
図1、図5〜図7、図12、図13および図15を参照して、より具体的な実施形態1Bは、少なくとも表面がダイヤモンド炭素10dを含む材料で構成されている固体炭素含有材料10を加工する工程S20において、固体炭素含有材料10の表面の少なくとも一部上に、Fe、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、Ir、およびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素(炭素易固溶性金属元素)を含む金属層10mbを形成するサブ工程により、表面の少なくとも一部上に炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbが形成された固体炭素含有材料10Bが得られる(図5〜図7の(B)、図12〜図13および図15の(A))。
ここで、図5〜図7の(B)および、図12〜図13の(A)は、固体炭素含有材料10の表面の全部上に金属層10mbを形成する場合を示す。また、図15の(A)は、固体炭素含有材料10の表面の一部上に金属層10mbを形成する場合を示す。この場合は炭素易固溶性金属元素を含む金属層を形成した以外の残りの部分は、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層を形成することが好ましい。炭素易固溶性金属元素を含む金属層の部分が、炭素が除去されるに従って、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層に拡がることを防ぐためである。図16および図17に示すように、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層10mnを形成しておくことで、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層10mn部分は炭素を固溶しないので、炭素が加工されず、万が一、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbが拡がったり、変形したりしても、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層10mnがそれを阻止するようにブロックするからである。
固体炭素含有材料10の表面はダイヤモンドが100%である表面である必要はない。炭素易固溶性金属元素を含む金属層に固溶する炭素は表面の硬さに依存しないので、必要量の炭素が同じ量固溶するから、同じように加工されてゆくからである。
かかる固体炭素含有材料10Bの表面のダイヤモンド炭素10dを熱処理することにより、金属層10mbに接する固体炭素含有材料10中の固体炭素が金属層10mb中に固溶し、固溶した固体炭素が飽和すると、金属層10mbの露出している表面(固体炭素含有材料と接する表面と反対側の表面)上に非ダイヤモンド炭素10ndが析出した固体炭素含有材料10Bが得られる(図5の(C)、図6および図7の(B)、図12〜図13および図15の(A))。炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mb上に非ダイヤモンド炭素10ndの層が形成されると金属層10mbへの固体炭素含有材料10からの固体炭素の固溶が止まる。金属層10mb上に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの層を除去すると金属層10mbへの固体炭素含有材料10からの固体炭素の固溶が再び始まる。炭素易固溶性金属元素を含む金属層の表面上に形成される非ダイヤモンド炭素10ndの層は、金属層の下部のダイヤモンド炭素を含む固体炭素含有材料10の種類には依存しない。一度、炭素易固溶性金属元素を含む金属層に固溶されると同じ条件では同じものが析出するからである。したがって、実施形態1Bでは下部に依存されずに、加工されてゆく利点がある。
かかる固体炭素含有材料10Bから非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去するサブ工程(図5の(D)、図6および図7の(B)および(D)、図12および図13の(B)および(D)、図15の(B)および(D))により、固体炭素含有材料加工体20(図5〜図7および図12〜図13および図15の(D))が得られる。このようにして、固体炭素含有材料10の表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)に高い品質でかつ短時間で加工された固体炭素含有材料加工体20が得られる。ここで、図5〜図7および図12〜図13の(D)ならびに図15の(B)および(D)は、固体炭素含有材料10の表面に形成された炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbおよび非ダイヤモンド炭素10ndの全部を除去する場合を示す。また、図6および図7の(C)ならびに図12および図13の(B)は、固体炭素含有材料10の表面に形成された炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbの表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの一部を除去する場合を示す。非ダイヤモンド炭素を除去する条件と炭素易固溶性金属元素を含む金属層を除去する条件は、一般的には異なるので、非ダイヤモンド炭素を除去する条件では、一旦除去が止まるので、一つ一つの工程を順に進めやすい。非ダイヤモンド炭素10ndの一部を除去する方法は、特に制限はないが、加工精度を高くする観点から、また、制御された平坦面(意図した平坦面)や制御された曲面(意図した曲面)を作製するという観点から、小さい直径を有するプラズマジェットまたはイオンビームにより処理する方法、開口部の小さいマスクを用いる方法、機械的に除去する方法などが好ましい。ここで、小さい直径から供給されるプラズマやイオンを含む気相流体が、固体炭素含有材料を加工するので、その直径が小さいほど、より近くから供給されるほど、加工精度が高くなる。
図12の(B)に示す固体炭素含有材料10Bの金属層10mbの表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの一部がエッチングなどのより除去されて金属層10mbが露出している固体炭素含有材料10Bを、さらに熱処理することにより、図12の(C)に示すように露出していた金属層10mbの表面に非ダイヤモンド炭素10ndが析出する。このようにして新たに形成された非ダイヤモンド炭素10ndの層を上記と同様の方法でさらに除去する。このように、固体炭素含有材料10の表面の所望の部分において、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbを用いた非ダイヤモンド炭素10ndの析出および非ダイヤモンド炭素10ndの除去を繰り返すことにより、表面を所望の形状に加工できる。図12に示す例では、同じ部分を加工していることで、段差状のものが形成されているが、図13に示す例のように、1回目、2回目と違う部分を加工することで、細かい段差状となるものの一つの段差ではなく、何段階もの異なる段差の立体形状の(段差が起伏の等高線のようになった)ものも加工できる。全体として滑らかな立体形状のものができる。
図5に示す例においても、小さい径のプラズマジェットのようなもので、何度も形を変えて加工すると、一つ一つの段差が急峻にはならないので、一つが滑らかな突起となり、全体としてより滑らかな起伏の形状を所望のものとして形成することができる。また、図7に示す例では、表面の凹凸が大きい固体炭素含有材料に対して、凸部分を多目に加工し、凹部分をほとんど加工しなければ、これを繰り返すと凹凸が減少し、平坦で平滑な面を形成することもできる。上記のプロセスを繰り返す代わりに、熱処理をして非ダイヤモンド炭素層を形成できる環境下で、同時に非ダイヤモンド炭素層を除去することで、非ダイヤモンド炭素の形成のサブ工程と非ダイヤモンド炭素の除去のサブ工程を同時に進めることも可能である。
図15の(A)に示すように、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbが表面の一部に形成された固体炭素含有材料10Bを熱処理することにより、金属層10mbの表面上に非ダイヤモンド炭素10ndが析出する。だたし、図16および図17に示すように、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbの形成されていない部分は、少なくとも炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbと接する部分において、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層10mnが形成されているようにする。次いで、図15の(B)に示すように、固体炭素含有材料の10Bの金属層10mbの表面上に析出した非ダイヤモンド炭素10ndの層をエッチングなどにより除去して炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbを露出させる。次いで、図15の(C)に示すように、表面の一部に炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbが露出している固体炭素含有材料の10Bをさらに熱処理することにより、露出していた炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbの表面に非ダイヤモンド炭素10ndが析出する。このようにして新たに形成された非ダイヤモンド炭素10ndの層をさらに除去して露出する炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbをさらに熱処理することにより、露出していた炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbの表面に非ダイヤモンド炭素10ndが析出する。このように、固体炭素含有材料10の表面の所望の部分において、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbを用いた非ダイヤモンド炭素10ndの析出および非ダイヤモンド炭素10ndの除去を繰り返すことにより、表面を所望の形状に加工できる。
ここで、図16および図17を参照して、一部に形成された炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mb以外の部分が、何もない状態であるならば、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbが何もない状態のエリアにも拡がったり、変形したりするので、精度の良い加工ができない。一部に形成された炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mb以外の部分が少なくともその接触部分において、炭素易固溶性金属元素を含まない金属層10mnが形成されている場合には、その金属層によってブロックされる効果によって、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbの拡がりや変形を阻止することができるので、精度の良い加工ができる。図8のような方法においては、プラズマジェットやイオンビームを走査させずに、炭素易固溶性金属元素を含む金属層10mbのパターニングで部分的に加工することができるが、起伏を付けることが困難であるので、プラズマジェットやイオンビームを走査することと併用することによって、起伏を付けることも可能である。
実施形態1Bの固体炭素含有材料10,10Bの熱処理においては、熱処理する雰囲気の酸素分圧は、固体炭素含有材料を高精度に加工する観点から、0.133Pa以下が好ましく、0.0133Pa以下がより好ましく、0.000133Pa以下がさらに好ましい。また、熱処理する温度は、固体炭素含有材料を短時間で加工する観点から、600℃以上が好ましく、800℃以上がより好ましく、1000℃以上がさらに好ましい。
(実施形態1C)
図1、図8、図9、図14および図18を参照して、より具体的な実施形態1Cは、少なくとも表面がダイヤモンド炭素10dを含む材料で構成されている固体炭素含有材料10を加工する工程S20において、固体炭素含有材料10の表面の少なくとも一部上に、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素(易炭化性金属元素)を含む金属層10mcを形成するサブ工程により、表面の少なくとも一部上に易炭化性金属元素を含む金属層10mcが形成された固体炭素含有材料10Cが得られる(図8および図9の(B)、ならびに図14および図18の(A))。ここで、図8および図9の(B)ならびに図14の(A)は、固体炭素含有材料10の表面の全部上に易炭化性金属元素を含む金属層10mcを形成する場合を示す。また、図18の(A)は、固体炭素含有材料10の表面の一部上に易炭化性金属元素を含む金属層10mcを形成する場合を示す。
かかる固体炭素含有材料10Cの表面のダイヤモンド炭素10dを熱処理することにより、易炭化性金属元素を含む金属層10mcに接する固体炭素含有材料10中のダイヤモンド炭素10dが金属層10mcと反応し、表面の少なくとも一部上に非ダイヤモンド炭素10ndである金属炭化物が形成された固体炭素含有材料10Cが得られる(図8の(C)、図9の(B)、図14の(A)、および図18の(B))。
かかる固体炭素含有材料10Cから非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去するサブ工程(図8の(D)、図9の(C)および(D)、図14の(B)および(D)、ならびに図18の(C)および(D))により、固体炭素含有材料加工体20(図8、図9、図14および図18の(D))が得られる。このようにして、固体炭素含有材料10の表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)に高い品質でかつ短時間で加工された固体炭素含有材料加工体20が得られる。ここで、図8〜図9および図14の(D)ならびに図18の(C)および(D)は、固体炭素含有材料10の表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの全部を除去する場合を示す。また、図9の(C)および図14の(B)は、固体炭素含有材料10の表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの一部を除去する場合を示す。非ダイヤモンド炭素10ndの一部を除去する方法は、特に制限はないが、加工精度を高くする観点から、また、制御された平坦面(意図した平坦面)や制御された曲面(意図した曲面)を作製するという観点から、小さい直径を有するプラズマジェットまたはイオンビームにより処理する方法、開口部の小さいマスクを用いる方法、機械的に除去する方法などが好ましい。
ここで、小さい直径から供給されるプラズマやイオンを含む気相流体が、固体炭素含有材料を加工するので、その直径が小さいほど、より近くから供給されるほど、加工精度が高くなる。また、プラズマやイオンを含む気相流体の加工で、金属炭化物の加工とダイヤモンド炭素の加工速度の違うものを選ぶことが有効である。ここで一つの例として、フッ素を含むガスを選ぶことが、金属炭化物の加工を容易にし、ダイヤモンド炭素の加工を遅くすることに有効である。ダイヤモンド炭素では加工され難いが、金属炭化物は加工されやすいものを選び、ダイヤモンド炭素が金属炭化物に変化した部分の加工をすることで、ダイヤモンド炭素を加工する方法が本実施形態の工程である。
機械的に除去する方法では、ダイヤモンド炭素の加工速度と金属炭化物の加工速度の違う条件を選ぶ。これは、ダイヤモンドと金属炭化物の間の硬度のものを選べば、たとえば、BN、Si34、SiC、Al23などのセラミックスを適宜選ぶことで、これを実現することができる。
図14の(B)に示す固体炭素含有材料10の表面に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの一部がエッチングなどにより除去されてダイヤモンド炭素10dが露出している固体炭素含有材料10Cの露出しているダイヤモンド炭素10d上にさらに金属層10mcを形成した後、さらに熱処理することにより、図14の(C)に示すように、新たに形成した金属層10mcに接するダイヤモンド炭素10dが金属層10mcと反応して非ダイヤモンド炭素10ndである金属炭化物が形成される。このようにして新たに形成された非ダイヤモンド炭素10ndの層を図14の(B)および(D)に示すようにさらに除去する。このように、固体炭素含有材料10の表面の所望の部分において、易炭化性金属元素を含む金属層10mcを用いた非ダイヤモンド炭素10ndの形成および非ダイヤモンド炭素10ndの除去を繰り返すことにより、表面を所望の形状に加工できる。
図14に示す例では、同じ部分を加工していることで、段差状のものが形成されているが、1回目、2回目と違う部分を加工することで、細かい段差状となるものの一つの段差ではなく、何段階もの異なる段差の立体形状の(段差が起伏の等高線のようになった)ものも加工できる。全体として滑らかな立体形状のものができる。図8に示す例でも、小さい径のプラズマジェットのようなもので、何度も形を変えて加工すると、一つ一つの段差が急峻にはならないので、一つが滑らかな突起となり、全体としてより滑らかな起伏の形状を所望のものとして形成することができる。図9に示す例では、表面の凹凸が大きい固体炭素含有材料に対して、凸部分を多目に加工し、凹部分をほとんど加工しなければ、これを繰り返すと凹凸が減少し、平坦で平滑な面を形成することもできる。上記のプロセスを繰り返す代わりに、金属を形成し、熱処理をし、その環境下で金属炭化物も除去することで、形成のサブ工程と除去のサブ工程を同時に進めることも可能である。
図18の(A)に示す易炭化性金属元素を含む金属層10mcが表面の一部に形成された固体炭素含有材料10Cを熱処理することにより、金属層10mcに接する固体炭素含有材料10中のダイヤモンド炭素10dが金属層10mcと反応し、図18の(B)に示すように、表面の一部上に非ダイヤモンド炭素10ndである金属炭化物が形成される。次いで、図18の(C)および(D)に示すように、表面の一部上に形成された非ダイヤモンド炭素10ndの層をエッチングなどにより除去する。このように、固体炭素含有材料10の表面の所望の部分において、易炭化性金属元素を含む金属層10mcの形成とその熱処理を用いた非ダイヤモンド炭素10ndの形成および非ダイヤモンド炭素10ndの除去を繰り返すことにより、表面を所望の形状に加工できる。
実施形態1Cの固体炭素含有材料10,10Cの熱処理においては、熱処理する雰囲気の酸素分圧は、固体炭素含有材料を高精度に加工する観点から、0.133Pa以下が好ましく、0.0133Pa以下がより好ましく、0.000133Pa以下がさらに好ましい。また、熱処理する温度は、固体炭素含有材料を短時間で加工する観点から、300℃以上が好ましく、600℃以上がより好ましく、800℃以上がさらに好ましい。
<実施形態2:固体炭素含有材料加工体>
図22および図24を参照して、本開示の別の実施形態にかかる固体炭素含有材料加工体20は、加工表面の少なくとも一部が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料加工体であって、固体炭素含有材料加工体の加工表面の形状は、加工表面に形成されている小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状または加工表面に滑らかな面で形成されている最小高さが30μm以上の凹凸を有する形状であり、加工表面の大きさが1mm角以上であり、加工表面における研磨損傷点の密度が10個/mm2以下である。ここで、図22に示すように、平滑な加工表面20psに形成されている小凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図せずに形成される最大高さが20μm以下の小さな凹凸をいう。小凹凸の最大高さとは、加工表面20psの最小二乗平面20lspに平行でかつ加工表面20psの最大の小凹部の頂点を通るベース平面20bpから加工表面の最大の小凸部の頂点までの距離をいう。また、図24に示すように、加工表面20psに滑らかな面で形成されている凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図して形成される最小高さが30μm以上の凹凸をいう。凹凸の最小高さとは、加工表面20psの最小二乗平面20lspに平行でかつ加工表面20psの最小の凹部の頂点を通るベース平面20bpから加工表面の最小の凸部の頂点までの距離をいう。また、凹凸を形成する滑らかな面には、小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状が含まれる。本実施形態の固体炭素含有材料加工体は、加工表面がその面方位にかかわらず滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)であるとともに、加工表面の結晶品質が高い。
上記観点から、固体炭素含有材料加工体20の加工表面20psが平滑な形状の場合、平滑な加工表面20psに形成されている小凹凸の最大高さは、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。また、固体炭素含有材料加工体20の加工表面20psが滑らかな面で形成されている凹凸を有する形状の場合、加工表面20psの凹凸の最小高さは、30μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。また、加工表面において、平滑な部分は凹凸の最大高さを0.1μm以下とし、滑らかな凹凸を有する部分の凹凸の最小高さを100μm以上とすることも可能である。
平滑な加工表面20psに形成されている小凹凸の最大高さおよび加工表面20psに滑らかな面で形成されている凹凸の最小高さは、レーザ変位計(たとえば、神津精機社製表面形状測定システムDyvoce−3000またはその相当品)により測定できる。ただし、レーザ変位計の測定の精度は1μm程度であるため、1μm未満の小凹凸の高さの測定には走査型白色干渉計(たとえば、キャノン社製(Zygo)NewView200またはその相当品)が好適に用いられる。走査型白色干渉計による小凹凸の高さの測定は、広い領域の測定は困難であり、複数の狭い領域で測定を行う。たとえば、図23を参照して、走査型白色干渉計による小凹凸の最大高さとは、測定対象とする加工表面20psの重心点P1およびその重心点P1で直交する2直線L1,L2で分けられる4つの領域のそれぞれの4つの重心点P2,P3,P4,P5をそれぞれ中心とする5つの0.4mm角の範囲R1,R2,R3,R4,R5で測定して得られる最大高さとする。
また、表面における研磨損傷点の密度は、加工体表面上に、ダイヤモンドを5μmエピタキシャル成長することにより、確認される1μm以上の多結晶粒子(ミスマッチに積層された粒子)となって現れる。これをカウントすることで、研磨損傷の密度を評価できる。ダイヤモンドは典型的にはメタン濃度3%、圧力1.33×104Pa、マイクロ波パワー3kW以上、基板温度950℃で形成するのがよく、単結晶のダイヤモンドが形成できる条件であることが好ましい。これらは、単結晶ダイヤモンド基板上で確認される。50μm以上の粒径を有する多結晶ダイヤモンド基板上では、ダイヤモンドを5μm結晶成長することにより、確認される1μm以上10μm未満の多結晶粒子をカウントすることで、研磨損傷の密度を評価できる。この場合のダイヤモンドの成長条件は、典型的にはメタン濃度3%、圧力1.33×104Pa、マイクロ波パワー6kW以上、基板温度1000℃で形成するのがよく、ラマン分光分析でグラファイトの少ない多結晶ダイヤモンドを形成する条件(Gバンドがダイヤモンドのピークの1/100である条件)が好ましい。50μm未満の粒径を有する多結晶ダイヤモンドあるいはその他の固体炭素含有材料加工体では、表面に1mmを超える微分干渉顕微鏡で観察される研磨傷の密度で評価できる。その場合1本/mm2を1個/mm2として換算してよい。
本実施形態の固体炭素含有材料加工体20は、表面における金属原子の密度が1ppb以上となる場合があり、50ppb以上となる場合もある。かかる固体炭素含有材料加工体20であっても、表面は滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)であるとともに、表面の結晶品質が高い。固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素の形成のために、炭素易固溶性金属元素としてFe、Co、Ni、Rh、Pd、Pt、IrおよびMnからなる群から選ばれる1種類の金属元素を含む金属層、または、易炭化性金属元素としてTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含む金属層を用いる場合には、これらの金属元素の原子が固体炭素含有材料加工体の表面に取り込まれるため、表面における金属原子の密度が1ppb以上となる場合がある。
図22を参照して、本実施形態の固体炭素含有材料加工体20において、表面は周期的な凹凸曲面を有する場合がある。かかる固体炭素含有材料加工体20は、表面がその面方位にかかわらず平滑である。実施形態1の固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去する方法として、非ダイヤモンド炭素10ndを、O2分子、H2分子およびH2O分子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分子を含むガスを含む500℃以上の気相流体で処理する方法(図19A)、非ダイヤモンド炭素10ndを、O原子、H原子、He原子およびAr原子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の原子を含むプラズマ中で処理する方法(図19A)、非ダイヤモンド炭素10ndを、Oイオン、Hイオン、OHイオン、HeイオンおよびArイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンを含むイオンビームで処理する方法(図20A)、あるいは非ダイヤモンド炭素10ndを、機械的および物理的の少なくともいずれかにより除去する方法(図21)のいずれを用いる場合でも、表面が周期的な凹凸曲面を有する固体炭素含有材料加工体20が形成され得る。
図22を参照して、本実施形態の固体炭素含有材料加工体20において、加工表面20psは、内側に凸の曲面を有する小凹部と、外側に凸の曲面を有する小凸部と、を含み、加工表面20psをその最小二乗平面20lspに垂直な方向から見たときに、小凹部の全面積は表面の全面積の60%以上となる場合がある。かかる固体炭素含有材料加工体20は、加工表面20psがその面方位にかかわらず平滑である。実施形態1の固体炭素含有材料加工体の製造方法において、非ダイヤモンド炭素10ndの少なくとも一部を除去する方法として、非ダイヤモンド炭素10ndを、O2分子、H2分子およびH2O分子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分子を含むガスを含む室温(たとえば25℃)より高い温度の気相流体で処理する方法(図19A)、非ダイヤモンド炭素10ndを、O原子、H原子、He原子およびAr原子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の原子を含むプラズマ中で処理する方法(図19A)、非ダイヤモンド炭素10ndを、Oイオン、Hイオン、OHイオン、HeイオンおよびArイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンを含むイオンビームで処理する方法(図20A)、あるいは非ダイヤモンド炭素10ndを、機械的および物理的の少なくともいずれかにより除去する方法(図21)のいずれを用いる場合でも、加工表面20psが、内側に凸の曲面を有する小凹部と、外側に凸の曲面を有する小凸部と、を含み、加工表面20psをその最小二乗平面20lspに垂直な方向から見たときに、小凹部の全面積は表面の全面積の60%以上となる固体炭素含有材料加工体20が形成され得る。
本実施形態の固体炭素含有材料加工体20において、固体炭素は、単結晶ダイヤモンドおよび多結晶ダイヤモンドの少なくとも1種類を含むことができる。かかる固体炭素含有材料加工体20も、表面がその面方位にかかわらず平滑な形状または所望の形状を有する。かかる固体炭素含有材料加工体20は、単結晶ダイヤモンドおよび多結晶ダイヤモンドの少なくとも1種類(ダイヤモンド炭素10d)を含む固体炭素含有材料10を実施形態1の固体炭素含有材料加工体の製造方法で加工することにより得られる。
(実施例I)
固体炭素含有材料として、高圧合成法または気相合成法(具体的には、CVD(化学気相堆積)法)の単結晶ダイヤモンド(以下、高圧合成ダイヤモンドまたは気相合成ダイヤモンドともいう。)をレーザで切断して、4mm×4mmの大きさで表1に示す平均厚さの例I−1〜例I−9の試料を準備した。全ての試料は片面を通常の研磨盤で機械研磨し、例I−3〜例I−5の試料はさらにもう片面を研磨し、比較的平坦な両面研磨の基板を準備した。例I−1および例I−2の試料は残りの片面がレーザスライス面であり、例I−6〜例I−9の試料は残りの片面は気相成長の表面の凹凸のままにした。全ての試料の裏面と表面(おもてめん)の高さの情報をレーザ変位計で評価して、厚さの情報に変換し、表面の凹凸と平行度のデータを取得した。ここで、全ての試料について、機械研磨した面を裏面とし、もう一方の面を表面(おもてめん)と表現する。
ただし、レーザ変位計による表面(おもてめん)および裏面の高さの測定の精度は1μm程度であるため、1μm未満の高さの測定には走査型白色干渉計を用いた。走査型白色干渉計による高さの測定は、広い領域の測定は困難であり、複数の狭い領域で測定を行った。たとえば、図23を参照して、走査型白色干渉計による最大高さは、測定対象とする加工表面20psの重心点P1およびその重心点P1で直交する2直線L1,L2で分けられる4つの領域のそれぞれの4つの重心点P2,P3,P4,P5をそれぞれ中心とする5つの0.4mm角の範囲R1,R2,R3,R4,R5で測定して得られる最大高さとした。
固体炭素含有材料の加工は、固体炭素含有材料の表面上に、表1に示す炭素易固溶性金属元素からなる厚さ0.5μmの金属層を蒸着した場合と蒸着しなかった場合の試料を作製し、熱処理用チャンバーに入れた。熱処理用チャンバー内をまず1.33×10-4Pa未満の真空とした後、Arガスを満たして、表1に示す圧力、酸素分圧および温度(600℃以上の温度)で熱処理して、ダイヤモンド炭素の表面上または上記金属層の表面上に非ダイヤモンド炭素の層を形成した。
表1において、平均の厚さとは、基板上の5点の厚さをマイクロメーターで測定した値の単なる算術平均のことであり、基板の厚さの指標とするものである。5点とは基板の中央から0.25mmエリア内、基板の左右前後の端から0.5mmエリア内の5点である。小凹凸の最大の高さとは、加工表面の最小二乗平面に平行でかつ加工表面の最大の小凹部の頂点を通るベース平面から加工表面の最大の小凸部の頂点までの距離である。表面の最小二乗平面と裏面の最小二乗平面ベースの面との成す角が平行度である。
上記表面上に形成された非ダイヤモンド炭素の層を除去することにより、固体炭素含有材料の加工を行った。非ダイヤモンド炭素の層を除去するための処理方法は、O原子およびH原子を含むプラズマを含む気相流体を用いて固体炭素含有材料上を走査することにより非ダイヤモンド炭素の層を除去する「プラズマ気相流体」方法、または、Oイオンを含むイオンビームを用いて固体炭素含有材料上を走査することにより非ダイヤモンド炭素の層を除去する「イオンビーム」方法を用いた。すなわち、非ダイヤモンドの形成と非ダイヤモンド除去を繰り返し行うことによって、所望の仕様に近づいたものを形成した。
プラズマ気相流体またはイオンビームの走査の方法は、基板の凹凸情報を用いて、固体炭素含有材料の凸部のところは滞在時間を長めに、固体炭素含有材料の凹部のところは滞在時間を短めに「プラズマ気相流体」または「イオンビーム」を噴射または放射するように走査する。そうすると、固体炭素含有材料において、凸部のダイヤモンド炭素は多めにエッチングされ、凹部のダイヤモンド炭素は少なめにエッチングされた。合わせて、これに平行度の情報を用いて、基板厚さの大きいところは長めに基板厚さの小さいところは短めになるように走査を制御したところ、基板の厚い部分は多めに、薄い部分は少なめにエッチングされて、平行度の向上および凹凸の最大高さの低減ができた。処理後の基板の平行度や凹凸の評価は、基板の金属やグラファイトを酸や水素プラズマで処理して除去した後に、レーザ変位計または走査型白色干渉計によって計測した。加工速度は、単純な高さエッチング加工速度の数値を算出した。これはプラズマやイオンの気流やビームを走査せず、同じ部分を処理し続けた時の単位時間当たりの加工厚さ(減少厚さ)の値である。エッチングによって表面の高さが減少する数値である。いずれの例についても、加工速度は34μm/h以上であり、短時間での加工が可能となった。
また、加工表面の研磨損傷点密度は、固体炭素含有材料加工体上に気相合成法によってアンドープダイヤモンドをメタン濃度が3%程度で5μmエピタキシャル成長することによって、基板の表面に水素終端化処理された高純度のダイヤモンドを形成した表面を観察し、種基板とは異なる方位を向いた1μm以上の多結晶粒を数えた。これらの結果を、表1にまとめた。
Figure 2019035437
表1を参照して、全ての試料において、初期の凹凸の最大高さ、平行度および研磨損傷点密度に比べて、加工後の小凹凸の最大高さ、平行度および研磨損傷点密度はいずれも小さくなり、表面がより平滑で品質の高い固体炭素含有材料加工体が得られた。
(実施例II)
固体炭素含有材料として、高圧合成法または気相合成法(具体的には、CVD(化学気相堆積)法)の単結晶ダイヤモンド(以下、高圧合成ダイヤモンドまたは気相合成ダイヤモンドともいう。)をレーザで切断して、4mm×4mmの大きさで表2に示す平均厚さの例II−1〜例II−4の試料を準備した。例II−1および例II−2の試料は表裏両面を通常の研磨盤で機械研磨し、比較的平坦な両面研磨の基板を準備した。例II−3および例II−4の試料は片面がレーザスライス面種基板にイオン注入後にエピ成長して、電気化学的にグラファイト層をエッチングして種基板からエピ成長層を分離した面であり、残りの片面は気相成長の表面の凹凸のままにした。全ての試料の裏面と表面(おもてめん)の高さの情報をレーザ粗さ計または走査型白色干渉計で評価して、厚さの情報に変換し、表面の加工前の凹凸および加工後の小凹凸と平行度のデータを取得した。ここで、全ての試料について、機械研磨した面を裏面とし、もう一方の面を表面(おもてめん)と表現する。
固体炭素含有材料の加工は、固体炭素含有材料の表面上に、表2に示す易炭化性金属元素からなる厚さ0.5μmの金属層を蒸着した場合の試料を作製し、熱処理用チャンバーに入れた。熱処理用チャンバー内をまず1.33×10-4Pa以下の真空とした後、Arガスを満たして0.1気圧とした後、表2に示す圧力、酸素分圧および温度(300℃以上の温度)で熱処理して、ダイヤモンド炭素の表面上または上記金属層の表面上に非ダイヤモンド炭素の層を形成した。
上記表面上に形成された非ダイヤモンド炭素の層を除去することにより、固体炭素含有材料の加工を行った。非ダイヤモンド炭素の層を除去するための処理方法は、実施例Iと同様の「イオンビーム」方法を用いた。
プラズマ気相流体またはイオンビームの走査の方法は、実施例Iと同様の方法としたところ、基板の厚い部分は多めに、薄い部分は少なめにエッチングされて、平行度の向上および凹凸の最大高さの低減ができた。いずれの例についても、加工速度は34μm/h以上であり、短時間での加工が可能であった。処理後の基板の平行度や凹凸の評価は、実施例Iと同様に行った。また、表面の研磨損傷点密度は、実施例Iと同様にして測定および算出した。これらの結果を、表2にまとめた。
Figure 2019035437
表2を参照して、全ての試料において、初期の凹凸の最大高さ、平行度および研磨損傷点密度に比べて、加工後の凹凸の最大高さ、平行度および研磨損傷点密度はいずれも小さくなり、表面がより平滑で品質の高い固体炭素含有材料加工体が得られた。
(実施例III)
固体炭素含有材料として気相合成ダイヤモンドを準備し、非ダイヤモンドを形成するための金属の種類と処理方法と処理ガスを変えて、実施例Iと同様の実験を行なった。炭素易固溶性金属元素としてRh、Pd、Pt、Ir、またはMnを用いた。結果を表3にまとめた。表3の「非ダイヤモンド層除去」の「処理方法」における「気体中」とは、気流やビームにして表面の高い部位の滞在時間を長く、表面の低い部位の滞在時間を短くするというような一部を除去することではなく、その気体の雰囲気中で処理を行ったことのみを意味する。このとき、固体炭素含有材料の全体が一様に加工され、プラズマ気流やイオンビームを使った場合に比べると、平坦性や平行度が大きく改善されるわけではなく、加工速度も若干遅くなったため、比較例として検討した。また、表3の「非ダイヤモンド層除去」の「処理ガス」において、「Ar+HO」は大気圧で60℃の水中をArでバブリングすることにより得られたHOを含むArガスを用いたこと、「He+HO」は大気圧で60℃の水中をHeでバブリングすることにより得られたHOを含むHeガスを用いたことを意味する。表3を参照して、気体中で熱処理したものに比べて、炭素易固溶性金属元素を用いて非ダイヤモンド炭素を形成し、プラズマ気流やイオンビームを用いて、平坦化や平行度化に必要な一部の非ダイヤモンド炭素を除去したものが、気相合成ダイヤモンドの表面状態を加工して平坦化することができた。いずれの例についても、加工速度は34μm/h以上であり、短時間での加工が可能であった。
Figure 2019035437
(実施例IV)
固体炭素含有材料として気相合成ダイヤモンドを準備し、非ダイヤモンドを形成するための金属の種類と処理方法と処理ガスを変えて、実施例IIと同様の実験を行なった。易炭化性金属元素としてV、Nb、Ta、Cr、MoまたはWを用いた。結果を表4にまとめた。表4を参照して、易炭化性金属元素を用いて非ダイヤモンド炭素を形成し、プラズマ気流やイオンビームを用いて、平坦化や平行度化に必要な一部の非ダイヤモンド炭素を除去したものは、気相合成ダイヤモンドの表面状態を加工して平坦化することができた。いずれの例についても、加工速度は34μm/h以上であり、短時間での加工が可能であった。
Figure 2019035437
<付記>
上記固体炭素含有材料加工体の製造方法において、固体炭素含有材料加工体の表面の形状は、加工表面に形成されている小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状または加工表面に滑らかな面で形成されている最小高さが30μm以上の凹凸を有する形状であることが好ましい。ここで、平滑な加工表面に形成されている小凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図せずに形成される最大高さが20μm以下の小さな凹凸をいう。小凹凸の最大高さとは、加工表面の最小二乗平面に平行でかつ加工表面の最大の小凹部の頂点を通るベース平面から加工表面の最大の小凸部の頂点までの距離をいう。また、加工表面に滑らかな面で形成されている凹凸とは、上記固体炭素含有材料加工体の製造方法により意図して形成される最小高さが30μm以上の凹凸をいう。凹凸の最小高さとは、加工表面の最小二乗平面に平行でかつ加工表面の最小の凹部の頂点を通るベース平面から加工表面の最小の凸部の頂点までの距離をいう。また、凹凸を形成する滑らかな面には、小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状が含まれる。かかる固体炭素含有材料加工体の製造方法は、固体炭素含有材料の表面をその面方位にかかわらずより滑らか(たとえば、平滑な形状または滑らかな面で所望の凹凸を有する形状)にかつ短時間で加工することができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,10A,10B,10C 固体炭素含有材料、10d,20d ダイヤモンド炭素、10i 表面の内接円、10mb,10mc 金属層、10nd 非ダイヤモンド炭素、20 固体炭素含有材料加工体、20bp ベース平面、20lsp 最小二乗平面、20ps 加工表面、111 流体噴射部、121 ビーム放射部、122 マスク、122w 開口部、122wc 開口部の外接円、131 除去具、B イオンビーム、DB イオンビームの直径、DC マスクの開口部の外接円の直径、DF 気相流体の直径、Di 固体炭素含有材料の表面の内接円の直径、Ri 固体炭素含有材料の表面の内接円の半径、F 気相流体、S10 固体炭素含有材料を準備する工程、S20 固体炭素含有材料を加工する工程、S21 金属層を形成するサブ工程、S22 非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程、S23 非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去するサブ工程。

Claims (13)

  1. 少なくとも表面が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料を準備する工程と、前記固体炭素含有材料を加工する工程と、を含み、
    前記固体炭素含有材料を加工する工程は、前記固体炭素含有材料の前記表面の前記固体炭素を熱処理することにより、非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程と、前記非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去するサブ工程と、を含む固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  2. 前記固体炭素を熱処理する雰囲気の酸素分圧は0.133Pa以下である請求項1に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  3. 前記固体炭素含有材料を加工する工程は、前記非ダイヤモンド炭素を形成するサブ工程の前に、前記表面の少なくとも一部上に金属層を形成するサブ工程をさらに含む請求項1または請求項2に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  4. 前記金属層は、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、イリジウム、およびマンガンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含む請求項3に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  5. 前記金属層は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含む請求項3に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  6. 前記非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法は、
    前記非ダイヤモンド炭素を、酸素分子、水素分子および水分子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の分子を含むガスを含む気相流体で処理する方法、
    前記非ダイヤモンド炭素を、酸素原子、水素原子、ヘリウム原子およびアルゴン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種類の原子を含むプラズマを含む気相流体で処理する方法、
    前記非ダイヤモンド炭素を、酸素イオン、水素イオン、水酸化物イオン、ヘリウムイオンおよびアルゴンイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種類のイオンを含むイオンビームで処理する方法、ならびに
    前記非ダイヤモンド炭素を、機械的および物理的の少なくともいずれかにより除去する方法、の少なくとも1種類の方法である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  7. 前記非ダイヤモンド炭素を除去する部分は、前記表面の一部である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  8. 前記非ダイヤモンド炭素の少なくとも一部を除去する方法は、
    前記固体炭素含有材料の前記表面の内接円の半径よりも小さい直径を有する気相流体で処理する方法、
    前記固体炭素含有材料の前記表面の内接円の半径よりも小さい直径を有するイオンビームで処理する方法、
    前記固体炭素含有材料の内接円の半径よりも小さい外接円を有する開口部を有するマスクを利用する方法、の少なくとも1種類の方法である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の固体炭素含有材料加工体の製造方法。
  9. 加工表面の少なくとも一部が固体炭素で構成されている固体炭素含有材料加工体であって、
    前記固体炭素含有材料加工体の前記加工表面の形状は、前記加工表面に形成されている小凹凸の最大高さが20μm以下の平滑な形状または前記加工表面に滑らかな面で形成されている最小高さが30μm以上の凹凸を有する形状であり、
    前記加工表面の大きさが1mm角以上であり、前記加工表面における研磨損傷点の密度が10個/mm2以下である固体炭素含有材料加工体。
  10. 前記加工表面における金属原子の密度が1ppb以上である請求項9に記載の固体炭素含有材料加工体。
  11. 前記加工表面は周期的な小凹凸曲面を有する請求項9または請求項10に記載の固体炭素含有材料加工体。
  12. 前記加工表面は、内側に凸の曲面を有する小凹部と、外側に凸の曲面を有する小凸部と、を含み、
    前記加工表面をその最小二乗平面に垂直な方向から見たときに、前記小凹部の全面積は前記加工表面の全面積の60%以上である請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の固体炭素含有材料加工体。
  13. 前記固体炭素は、単結晶ダイヤモンドおよび多結晶ダイヤモンドの少なくとも1種類を含む請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の固体炭素含有材料加工体。
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