NRでは、単一のニューメロロジーではなく、複数のニューメロロジーを導入することが検討されている。ここで、ニューメロロジーとは、あるRAT(Radio Access Technology)における信号のデザイン、RATのデザインなどを特徴付ける通信パラメータのセットを意味してもよい。
例えば、ニューメロロジーは、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier-Spacing)、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、サブフレーム長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)長などの、周波数方向及び/又は時間方向に関するパラメータであってもよい。例えば、NRでは、15kHz、30kHz、60kHz、120kHz、240kHzなどの複数のSCS間隔がサポートされてもよい。
また、NRでは、複数のニューメロロジーのサポートなどに伴い、既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8−13)と同一及び/又は異なる時間単位(例えば、サブフレーム、スロット、ミニスロット、サブスロット、TTI、ショートTTI、無線フレームなどともいう)を導入することが検討されている。
なお、TTIとは、送受信データのトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードなどを送受信する時間単位のことを表してもよい。TTIが与えられたとき、実際にデータのトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
例えば、TTIが所定数のシンボル(例えば、14シンボル)で構成される場合、送受信データのトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワード、などは、その中の1から所定数のシンボル区間で送受信されるものとすることができる。送受信データのトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードを送受信するシンボル数がTTIを構成するシンボル数よりも小さい場合、TTI内でデータをマッピングしないシンボルには、参照信号、制御信号などをマッピングすることができる。
サブフレームは、ユーザ端末(例えば、UE:User Equipment)が利用する(及び/又は設定された)ニューメロロジーに関係なく、所定の時間長(例えば、1ms)を有する時間単位としてもよい。
一方、スロットは、UEが利用するニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。例えば、サブキャリア間隔が15kHz又は30kHzである場合、1スロットあたりのシンボル数は、7又は14シンボルであってもよい。サブキャリア間隔が60kHz以上の場合、1スロットあたりのシンボル数は、14シンボルであってもよい。また、スロットには、複数のミニ(サブ)スロットが含まれてもよい。
一般に、サブキャリア間隔とシンボル長とは逆数の関係にある。このため、スロット(又はミニ(サブ)スロット)あたりのシンボル数が同一であれば、サブキャリア間隔が高く(広く)なるほどスロット長は短くなるし、サブキャリア間隔が低く(狭く)なるほどスロット長が長くなる。なお、「サブキャリア間隔が高い」は、「サブキャリア間隔が広い」と言い換えられてもよく、「サブキャリア間隔が低い」は、「サブキャリア間隔が狭い」と言い換えられてもよい。
ところで、既存のLTEシステムにおいて、基地局(例えば、BS(Base Station)、eNBなどと呼ばれてもよい)は、UEに対して下り制御チャネル(例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、拡張PDCCH(EPDCCH:Enhanced PDCCH)など)を用いて下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)を送信する。「下り制御情報を送信(受信)する」という文言は、「下り制御チャネルを送信(受信)する」と読み替えられてもよい。
DCIは、例えばスケジュールされるデータのリソース(時間及び/又は周波数リソース)、トランスポートブロック情報、データ変調方式情報、送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACKなどともいう)、復調用参照信号に関する情報、などの少なくとも1つを含むスケジューリング情報であってもよい。
DLデータ受信及び/又はDL参照信号の測定をスケジューリングするDCIは、DLアサインメント(又はDLグラント)と呼ばれてもよい。ULデータ送信及び/又はULサウンディング(測定用)信号の送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
NRでは、対になったスペクトル(paired spectrum)での周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)動作、対になっていないスペクトル(unpaired spectrum)での時分割複信(TDD:Time Division Duplex)動作が検討されている。例えば、FDD及び/又はTDD動作の1つ又は複数のスペクトルにおいて、所定の時間リソース(例えば、スロット、シンボル)で信号の伝送方向(transmission direction)を変更する制御が検討されている。伝送方向は、DL/UL伝送方向、送信方向などと呼ばれてもよい。
基地局(BS、gNBなどと呼ばれてもよい)は、UEに対して、当該UEに割り当てられる(当該UEが使用する)伝送方向に関する情報を通知(設定)してもよい。UEは、所定の時間インターバルに含まれるデータ領域に関して、伝送方向に関する情報に基づいて、当該データ領域で信号を送信するか受信するかを判断してもよい。
伝送方向に関する情報は、動的な物理レイヤシグナリング(例えば、DCI)で通知(指示)されてもよいし、準静的及び/又は静的な上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)で通知(設定)されてもよいし、その他の信号又はこれらの組み合わせで通知されてもよい。
なお、伝送方向に関する情報は、ULグラント及び/又はDLアサインメントに含まれてもよいし、別のDCIで通知されてもよい。
例えば、基地局は、UEに対して、伝送方向に関する情報として、スロットフォーマット関連情報を通知してもよい。スロットフォーマット関連情報は、所定のスロット内のどのシンボルがDL、UL、その他(例えば、ブランク(blank)、サイドリンクなど)のいずれに該当するかを特定するための情報を含んでもよい。
スロットフォーマット関連情報は、所定のUEグループ(1又は複数のUEのセット)に対するグループ共通PDCCH(group common PDCCH)を用いて通知されてもよいし、特定のUEに対するUE固有PDCCH(UE-specific PDCCH)を用いて通知されてもよい。
また、NRでは、DCIを用いた3つのデータスケジューリング方法が検討されている。これらの方法は、具体的には、(1)DCIが、同じスロットで送信されるデータのスケジューリングを指示するセルフスロットスケジューリング、(2)DCIが、異なるスロットで送信されるデータのスケジューリングを指示するクロススロットスケジューリング、(3)DCIが、複数のスロットで送信されるデータのスケジューリングを指示するマルチスロットスケジューリング(マルチスロットアグリゲーション)である。
以下の説明において、単に「データ」と記載する場合は、「DLデータ及び/又はULデータ」と読み替えられてもよい。また、「データをスケジューリングする」ことは、「DLデータ(DLデータ受信)及び/又はULデータ(ULデータ送信)をスケジューリングする」と読み替えられてもよい。また、「スロットをスケジューリングする」ことは、「スロットにおけるデータをスケジューリングする」と読み替えられてもよい。
なお、スロットで送信及び/又は受信されるデータのスケジューリングは、スロットのスケジューリングと呼ばれてもよい。
なお、クロススロットスケジューリングは、1つのスロットをスケジューリングするクロスシングルスロットスケジューリングと、複数のスロットをスケジューリングするクロスマルチスロットスケジューリングと、を含む。以下、本明細書においては、簡単のため、「クロススロットスケジューリング」はクロスシングルスロットスケジューリングを表すものとし、「マルチスロットスケジューリング」はクロスマルチスロットスケジューリングを表すものとする。
また、マルチスロットスケジューリングを指示するDCIは、当該DCIと同じスロットのスケジューリングの指示を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、マルチスロットスケジューリングされる複数のスロットは、時間的に連続するスロットであってもよいし、時間的に不連続のスロットであってもよい。
NRでは、スロット内の1つ又は複数のシンボルに関して、あるシグナリング(例えば、上位レイヤシグナリング)で通知された伝送方向と、別のシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)で通知された伝送方向と、が衝突する(つまり、一致しない)事象が生じると想定される。
図1は、マルチスロットスケジューリングが行われる場合の伝送方向の衝突の一例を示す図である。本例では、所定のスロット(例えば、スロット#n)で送信されるDCIにより、複数のスロット(ここでは、スロット#nから#n+3の4つのスロット)における下りデータ受信が、UEに対して指示される(4スロットスケジューリング)。
なお、本明細書では、以降の図でも同様に、DCIがUE固有PDCCHで送信される例を示すが、これに限られない。DCIは、グループ共通PDCCH、EPDCCH、その他の制御チャネルなどで送信されてもよい。また、各図中のスロットは左からスロット#n、#n+1、#n+2、#n+3、…であるものとして説明するが、スロット番号はこれに限られない。
また、本例では、スロット#n+1は同期信号(SS:Synchronization Signal)ブロックを含み、スロット#n+3はランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)を送信可能なリソースを含む。
SSブロック及びPRACHのリソースは、上位レイヤシグナリングで設定されたと想定するが、これに限られない。SSブロックとして設定されたリソースは、伝送方向としてDLが通知されたことに相当する。また、PRACHを送信可能に設定されたリソースは、伝送方向としてULが通知されたことに相当する。
ここで、SSブロックは、PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)の少なくとも1つ又はこれらの組み合わせを含むリソース(又はリソースセット)のことをいう。PSS、SSS及びPBCHは、それぞれNR用のPSS(NR−PSS)、NR用のSSS(NR−SSS)及びNR用のPBCH(NR−PBCH)と読み替えられてもよい。
図1のSSブロックは、1つ又は複数のSSブロックの集合(SSバースト)であってもよい。また、SSブロックの位置(リソース)、PDCCHの位置などは図1に示す領域に限定されない。
スロット#n+1のDLデータは、伝送方向がSSブロックで送信される信号と同じ(DL)であるため、SSブロックに使用されるリソースを考慮してレートマッチングを適用されることにより、問題なく送信される。一方で、スロット#n+3のDLデータは、伝送方向がPRACHで送信される信号の伝送方向(UL)と異なる(DL)ため、PRACHと重複するリソースで送信される場合、干渉が生じる。
しかしながら、このような伝送方向が衝突する事象が生じる場合に、UEがどのように動作するかはまだ検討されていない。また、そもそも伝送方向の衝突が生じないことが好ましい。伝送方向の衝突の発生を抑制しなければ、通信スループットの劣化、受信品質の劣化などが生じる。
そこで、本発明者らは、伝送方向の衝突を抑制するための方法を検討し、本発明に至った。以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
なお、以下の実施形態では、データのスケジューリングをスロット単位で制御する場合を示すが、他の時間単位(例えば、サブフレーム、ミニスロット、サブスロット、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、ショートTTI、無線フレームなど)にも同様に適用することができる。
(無線通信方法)
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態では、UEは、所定のスロットにおいて、各シンボルについて伝送方向の衝突は生じないと想定する。仮にUEが所定のスロットの所定のシンボルについて伝送方向の衝突が生じる複数の情報を通知された場合、UEはいずれか1つの情報に基づいて当該シンボルの送信又は受信の処理を行ってもよいし、少なくとも1つの情報を無視してもよい。
ここで、上記所定のスロットは、任意のスロットであってもよいし、重要な信号が送信される(又は送信され得る)スロットであってもよい。重要な信号は、例えばセルサーチ、ランダムアクセスなどの重要な動作(essential operation)のための信号であって、例えば、PRACH、PBCH、SS(PSS/SSS/その他のSS)の少なくとも1つであってもよい。
当該重要な信号に関する情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、ブロードキャスト情報)、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI)又はこれらの組み合わせにより、通知(及び/設定)されてもよい。この場合、UEは、基地局から通知された重要な信号に関する情報に基づいて、当該重要な信号が送信されるスロットでは伝送方向の衝突は生じないと想定してもよい。
例えば、重要な信号がDL信号であって所定のスロットで当該重要な信号が送信されると設定された場合、UEは、当該所定のスロットのULデータ送信をスケジューリングするDCIは送信されない(受信しない)と想定してもよい。重要な信号がUL信号であって所定のスロットで当該重要な信号が送信されると設定された場合、UEは、当該所定のスロットのDLデータ受信をスケジューリングするDCIは送信されない(受信しない)と想定してもよい。
基地局は、所定のスロットにおいて、同一のシンボルについて伝送方向の衝突が生じないようにスケジューリングすることが好ましい。上述の重要な信号が送信されるスロットにおいて、当該重要な信号と伝送方向の衝突が生じない(伝送方向が同一の)データはスケジューリングされてもよい。
図2A−2Cは、第1の実施形態の一例を示す図である。図2A−2Cは、それぞれセルフスロットスケジューリング、クロススロットスケジューリング及びマルチスロットスケジューリングが行われる例を示す。
図2Aにおいて、UEは、スロット#nでは、受信したDCIに基づいて同じスロットでULデータを送信する。一方で、スロット#n+1はSSブロックが送信されるスロットである。基地局は、データをセルフスロットスケジューリングする情報を含まないようにスロット#n+1で送信するDCIを生成してもよい。UEは、スロット#n+1はSSブロックが送信されるスロットであると予め認識している場合、当該スロットをセルフスロットスケジューリングする情報を含むDCIは送信されない(又は無視する)と想定してもよい。
図2Bにおいて、UEは、所定のスロット(スロット#n)で受信したDCIに基づいて、別のスロット(スロット#n+1)でDLデータを受信する。一方で、スロット#n+2はSSブロックが送信されるスロットである。基地局は、スロット#n+2のデータをクロススロットスケジューリングする情報を含まないようにスロット#n+1(及び#n)で送信するDCIを生成してもよい。UEは、スロット#n+2はSSブロックが送信されるスロットであると予め認識している場合、当該スロットをクロススロットスケジューリングする情報を含むDCIは送信されない(又は無視する)と想定してもよい。
図2Cにおいて、UEは、所定のスロット(スロット#n)で受信したDCIに基づいて、複数のスロット(スロット#n、#n+1、#n+2)でDLデータを受信する。一方で、スロット#n+3はPRACHが送信されるスロットである。基地局は、スロット#n+3のデータをマルチスロットスケジューリングする情報を含まないようにスロット#nで送信するDCI(スロット#n、#n+1、#n+2の3スロットスケジューリングを指示するDCI)を生成してもよい。UEは、スロット#n+3はPRACHが送信されるスロットであると予め認識している場合、当該スロットをマルチスロットスケジューリングする情報を含むDCIは送信されない(又は無視する)と想定してもよい。
以上説明した第1の実施形態によれば、スケジューリングを制限することで、容易に伝送方向の衝突の発生を低減できる。第1の実施形態は、特にセルフスロットスケジューリング及びクロススロットスケジューリングに適用すると好適である。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態では、UEは、所定のスロットにおいて、同一のシンボルについて伝送方向の衝突が生じないように送信及び/又は受信を制御する。具体的には、第2の実施形態では、スロット内の1つ又は複数のシンボルに関して、伝送方向を変更しない(又は優先する)ための制御が行われる。
例えば、スロット内の所定のシンボルが、重要な信号(例えば、PRACH、PBCH、SSの少なくとも1つ)のために予約されてもよい。当該シンボルは、「重要シンボル」と呼ばれてもよい。UEは、重要シンボルの情報を、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、ブロードキャスト情報)、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI)又はこれらの組み合わせにより、通知(及び/設定)されてもよい。
重要シンボルの情報は、重要シンボルに該当する1つ又は複数のシンボルインデックスを含んでもよいし、上書きを禁止する対象である重要な信号を特定する情報を含んでもよい。UEは、特定された重要な信号について、別途通知及び/又は規定されるリソース情報に基づいて、上書きが禁止されるシンボルを判断してもよい。
重要シンボルの情報は、重要シンボルの伝送方向の情報を含んでもよい。この場合、UEは、当該重要シンボルの伝送方向の情報に基づいて、重要シンボルの伝送方向を判断し、当該伝送方向を変更しないように送信及び/又は受信を制御してもよい。
UEは、重要シンボルの伝送方向が、最後に受信した(後発の)シグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)で上書き(オーバーライド)されないと想定してもよい。言い換えると、UEは、重要シンボルの伝送方向が一旦上位レイヤシグナリングなどにより設定されると、その後は当該上位レイヤシグナリングが再変更されない限り、変更できないと想定してもよい。
なお、UEは、重要シンボルを含まないスロットにおいて、重要でないシンボル(非重要シンボル(non-essential symbol)と呼ばれてもよい)の伝送方向は、最後に受信したシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)で上書きされると想定してもよい。
また、重要シンボルを含むスロットにおいて、非重要シンボルの伝送方向は、最後に受信したシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)で指示されてもよいし、重要シンボルと同じ伝送方向である(つまり、非重要シンボルの伝送方向は最後に受信したシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)では上書きされない)と想定されてもよい。前者の場合、重要シンボル及び/又は重要シンボルの近傍のシンボルにおけるデータは、レートマッチングされてもよいし、パンクチャされてもよい。
伝送方向の上書きは、特定のシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング以外のシグナリング)では可能であり、別の特定のシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)では不可能であるとして扱われてもよい。
また、伝送方向の上書きが可能か否か(有効か無効か)に関する情報がUEに対して通知されてもよい。例えば、UEは、非重要シンボルの伝送方向の上書きが可能か否かに関する情報を通知されてもよい。この場合、UEは、当該情報に基づいて非重要シンボルの伝送方向の上書きが有効と判断すると、非重要シンボルの伝送方向を最後に受信したシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)で上書きしてもよい。UEは、当該情報に基づいて非重要シンボルの伝送方向の上書きが無効と判断すると、非重要シンボルの伝送方向は最後に受信したシグナリング(例えば、物理レイヤシグナリング)で上書きできないと判断してもよい。
なお、伝送方向の上書きが可能か否か(有効か無効か)は、伝送方向を指示するシグナリングの種別に基づいて判断してもよい。例えばUE個別RRCシグナリングで伝送方向が指定されたスロット及び/又はシンボルについては物理レイヤシグナリング(例えばDCI)の指示に基づいて上書きできるが、UE共通RRCシグナリング(例えばシステム情報)で伝送方向が指定されたスロット及び/又はシンボルについては物理レイヤシグナリング(例えばDCI)の指示に基づいて上書きできない、などとしてもよい。
所定の種別のシグナリング(例えば、UE個別RRCシグナリング、UE共通RRCシグナリング)で伝送方向が指定されたスロット及び/又はシンボルについて物理レイヤシグナリング(例えばDCI)の指示に基づいて上書きできるか否かが、上位レイヤシグナリング(例えばRRCシグナリング)などで設定されるものとしてもよい。
図3は、非重要シンボルの伝送方向が最後に受信した物理レイヤシグナリングで指示される一例を示す図である。本例では、SSブロックが重要シンボルとして設定されており、SSブロックはスロット#n+2の#5−#8で送信されている。また、所定のスロット(スロット#n+1)で送信されたDCIにより、別のスロット(スロット#n+2)のULデータ送信がクロススロットスケジューリングされている。
本例の場合、UEは、スロット#n+2の非重要シンボルの伝送方向を、スロット#n+1で受信したDCIで判断する。UEは、SSブロックに対応するシンボル以外でULデータ送信を行うことができる。本例では、UEは、スロット#n+2の#2、#3、#10−#13でULデータを送信する。図3に示すように、重要シンボルに隣接するシンボルでは、データが送信されないように制御されてもよい。
[衝突スロットで送信されるデータの取り扱い]
重要シンボルの伝送方向が衝突する(又は衝突するようにスケジューリングされた)スロットは、「衝突スロット」などと呼ばれてもよい。
UE及び/又は基地局は、衝突スロットのデータは正常に受信されなかったものとして扱ってもよい。例えば、UEは、衝突スロットのDLデータに関しては、(1)スケジュールされたデータ(トランスポートブロック)の全てが正常に受信されなかったとして、当該データに対するNACKを送信してもよいし、(2)スケジュールされたデータの一部(例えば、1つ又は複数のコードブロック)が正常に受信されなかったとして、当該データの一部に対するNACKを送信してもよい。このときUEは、当該衝突スロットのDLデータの全て又は一部の復調/復号を行わない(スキップする)ことができ、この場合バッテリー消費を抑圧することができる。
また、基地局は、衝突スロットのULデータに関しては、(1)スケジュールされたデータ(トランスポートブロック)の全てが正常に受信されなかったとして、当該データをリスケジューリング(例えば、再送)してもよいし、(2)スケジュールされたデータの一部(例えば、1つ又は複数のコードブロック)が正常に受信されなかったとして、当該データの一部をリスケジューリング(例えば、再送)してもよい。このとき基地局は、当該衝突スロットのULデータの全て又は一部の復調/復号を行わない(スキップする)ことができ、この場合消費電力を抑圧することができる。
UE及び/又は基地局は、衝突スロットのデータを、当該衝突スロットの完了後に(例えば、衝突スロットの直後のスロット、衝突スロットの複数スロット後のスロットなどにおいて)再送してもよい。この場合、UE及び/又は基地局は、当該衝突スロットのデータに対するHARQ−ACKを受信せずに当該データの再送を行ってもよい。再送されるデータは、スケジュールされたデータ(トランスポートブロック)の全てでもよいし、当該データの一部(例えば、1つ又は複数のコードブロック)でもよい。
なお、再送されるデータの一部又は全部をマッピングするリソースは、衝突スロットで当該データの一部又は全部がマッピングされたリソースと、スロット内の相対的リソース位置(例えば、時間及び/又は周波数リソース位置)が同じリソースであってもよいし、異なるリソースであってもよい。
衝突スロットのデータに対するHARQ−ACKのフィードバックタイミングは、衝突しない場合と同じ(つまり、通常のフィードバックタイミング)であってもよいし、上記再送を考慮して遅延されてもよい。例えば、UEは、衝突スロットのDLデータが当該衝突スロット完了後に再送される場合、当該DLデータに対するHARQ−ACKのフィードバックタイミングは、衝突スロットではなく再送されたスロットを基準に判断してもよい。
図4A及び4Bは、衝突スロットのデータの再送の一例を示す図である。図4A及び4Bにおいて、スロット#0は衝突スロットであり、図3のスロット#2と同様のケースに対応する。UEは、スケジュールされたULデータのうち、衝突スロットにおける重要シンボル付近のデータを、パンクチャ又はレートマッチする。
UEは、衝突スロットの直後のスロット(スロット#n+1)で、スケジュールされたデータの全てを再送してもよいし(図4A)、スケジュールされたデータの一部(パンクチャ又はレートマッチされたリソースに対応するデータ)を再送してもよい(図4B)。
以上説明した第2の実施形態によれば、伝送方向の衝突時の制御をシンボル単位で決定できるため、スケジューリングの制限なしに、伝送方向の衝突の発生を低減できる。第2の実施形態は、特にマルチスロットスケジューリングに適用すると好適である。
<変形例>
上述した各実施形態は、組み合わせて用いられてもよい。例えば、UEは、受信したDCIが特定のスケジューリング(例えば、セルフスロットスケジューリング及び/又はクロススロットスケジューリング)を指示する場合、当該DCIによってスケジューリングされるスロットでは第1の実施形態に基づく処理を行ってもよい(例えば、伝送方向の衝突は生じないと想定してもよい)。
また、UEは、受信したDCIが上記特定のスケジューリングとは異なるスケジューリング(例えば、マルチスロットスケジューリング)を指示する場合、当該DCIによってスケジューリングされるスロットでは第2の実施形態に基づく処理を行ってもよい(例えば、伝送方向の上書きが有効か無効かを判断してもよい)。なお、スケジューリング方法と伝送方向の衝突発生低減方法(例えば、上記第1、第2の実施形態)との対応関係に関する情報が上位レイヤシグナリングなどで設定されてもよい。
このように、DCIが指示するスケジューリングに基づいて伝送方向の変更の制御を行うか否かを判断する構成を用いることにより、スケジューリングの自由度と、当該制御に必要な通信オーバヘッドと、のトレードオフをとることができる。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
図5は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示すものに限られない。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、legacy carrierなどとも呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア−周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)及び/又はOFDMAが適用される。
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及び/又はPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。
なお、DCIによってスケジューリング情報が通知されてもよい。例えば、DLデータ受信をスケジューリングするDCIは、DLアサインメントと呼ばれてもよいし、ULデータ送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
(無線基地局)
図6は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、無線基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
送受信部103は、所定のスロットにおけるデータの送信及び/又は受信をスケジューリングする下り制御情報(DCI、例えばULグラント、DLアサインメント)を、ユーザ端末20に対して送信する。送受信部103は、DLデータを送信してもよいし、ULデータを受信してもよい。
また、送受信部103は、伝送方向に関する情報(例えば、スロットフォーマット関連情報)、重要な信号に関する情報、重要シンボルの情報、伝送方向の上書きが可能か否か(有効か無効か)に関する情報の少なくとも1つを、ユーザ端末20に対して送信してもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成、マッピング部303による信号の割り当てなどを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理、測定部305による信号の測定などを制御する。
制御部301は、システム情報、下りデータ信号(例えば、PDSCHで送信される信号)、下り制御信号(例えば、PDCCH及び/又はEPDCCHで送信される信号。送達確認情報など)のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号、下りデータ信号などの生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))、下り参照信号(例えば、CRS、CSI−RS、DMRS)などのスケジューリングの制御を行う。
また、制御部301は、上りデータ信号(例えば、PUSCHで送信される信号)、上り制御信号(例えば、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される信号。送達確認情報など)、ランダムアクセスプリアンブル(例えば、PRACHで送信される信号)、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
制御部301は、ユーザ端末20に対して、所定のスロットにおけるデータの送信及び/又は受信をスケジューリングする制御を行う。また、制御部301は、スケジューリングを指示する下り制御情報(例えば、DCI)を送信する制御を行う。
例えば、制御部301は、上記所定のスロットでは伝送方向の衝突がないようにスケジューリングを行ってもよい。制御部301は、上記所定のスロットの所定のシンボルについては、DCIによる伝送方向の上書きを禁止(制限)するための情報を送信する制御を行ってもよい。
制御部301は、上記所定のシンボル及び/又は上記記所定のシンボル近傍のシンボルに対応するデータに、パンクチャ又はレートマッチングを適用してもよい。
制御部301は、上記所定のスロットで伝送方向の衝突が生じた場合、上記所定のスロットにおけるデータの一部又は全部に対する送達確認情報(例えば、HARQ−ACK)を送信する制御を行ってもよい。
制御部301は、上記所定のスロットで伝送方向の衝突が生じた場合、上記所定のスロットにおけるデータの一部又は全部を、上記所定のスロットの後続のスロット(例えば、直後のスロット、複数スロット後のスロットなど)で再送(送信)する制御を行ってもよい。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下りデータの割り当て情報を通知するDLアサインメント及び/又は上りデータの割り当て情報を通知するULグラントを生成する。DLアサインメント及びULグラントは、いずれもDCIであり、DCIフォーマットに従う。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ−ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ−ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
例えば、測定部305は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部305は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
(ユーザ端末)
図8は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送されてもよい。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
送受信部203は、所定のスロットにおけるデータの送信及び/又は受信をスケジューリングする下り制御情報(DCI、例えばULグラント、DLアサインメント)を受信する。送受信部203は、DCIに基づいてDLデータを受信してもよいし、ULデータを送信してもよい。
また、送受信部203は、伝送方向に関する情報(例えば、スロットフォーマット関連情報)、重要な信号に関する情報、重要シンボルの情報、伝送方向の上書きが可能か否か(有効か無効か)に関する情報の少なくとも1つを、無線基地局10から受信してもよい。
図9は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成、マッピング部403による信号の割り当てなどを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理、測定部405による信号の測定などを制御する。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号及び下りデータ信号を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号及び/又は下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号及び/又は上りデータ信号の生成を制御する。
制御部401は、受信信号処理部404から、所定のスロットにおけるデータの送信及び/又は受信をスケジューリングする下り制御情報(例えば、DCI)を取得すると、当該所定のスロットにおける伝送方向を判断し(当該所定のスロットに関する伝送方向の判断に基づいて)、送信及び/又は受信を制御してもよい。ここで、「所定のスロットにおける伝送方向」は、「所定のスロットに含まれる時間リソース(例えば、1つ又は複数のシンボル)の伝送方向」と読み替えられてもよい。
例えば、制御部401は、上記所定のスロットでは伝送方向の衝突はないと想定してもよい。制御部401は、上記所定のスロットの所定のシンボルについては、DCIにより伝送方向を上書きされることはないと想定してもよい。
制御部401は、上記所定のシンボル及び/又は上記記所定のシンボル近傍のシンボルに対応するデータに、パンクチャ又はレートマッチングを適用してもよい。
制御部401は、上記所定のスロットで伝送方向の衝突が生じた場合、上記所定のスロットにおけるデータの一部又は全部に対する送達確認情報(例えば、HARQ−ACK)を送信する制御を行ってもよい。
制御部401は、上記所定のスロットで伝送方向の衝突が生じた場合、上記所定のスロットにおけるデータの一部又は全部を、上記所定のスロットの後続のスロット(例えば、直後のスロット、複数スロット後のスロットなど)で再送(送信)する制御を行ってもよい。
また、制御部401は、無線基地局10から通知された各種情報を受信信号処理部404から取得した場合、当該情報に基づいて制御に用いるパラメータを更新してもよい。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報、チャネル状態情報(CSI)などに関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
例えば、測定部405は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部405は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御したりすることで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、キャリア、キャリア周波数、サイト、ビームなどと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジーに依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)で構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。また、スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルで構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及び/又はTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、及び/又はコードワードの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、及び/又はコードワードがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、又は、サブスロットなどと呼ばれてもよい。
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書又は請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。