JPWO2017203744A1 - 核酸検査装置 - Google Patents

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Abstract

前処理部(10)とチップ部(20)とを含む核酸検査装置(1)であって、前処理部(10)は、検体を注入するための検体注入口(11)と、検体注入口(11)から注入された検体に含まれる被測定物を捕捉するための捕捉部(12)と、捕捉部(12)で捕捉された被測定物から核酸を抽出するための核酸抽出試薬を注入するための試薬注入口(13)と、核酸抽出試薬によって被測定物から抽出された核酸が含まれる核酸抽出液を排出するための抽出液排出口(14)と、検体の廃液を排出するための廃液排出口(15)とを有し、核酸検査装置(1)は、抽出液排出口(14)から排出された核酸抽出液をチップ部(20)に送液するための送液流路(16)と、送液流路(16)を開栓又は閉栓するための開閉機構部とを備え、開閉機構部は、核酸抽出液をチップ部(20)に送液する場合、送液流路(16)を開栓する。

Description

本発明は、検体に含まれる核酸(デオキシリボ核酸、リボ核酸)を検査するための核酸検査装置に関する。
食品に含まれる細菌又は遺伝子等の核酸を検査する場合、まず、前処理装置を用いて所定の前処理を行うことで検体から核酸を抽出した核酸抽出液を取得し、その後、別途用意した検査チップに核酸抽出液を投入して核酸の検査を行う方法が知られている。
従来、前処理としては、検体(検体原液)をフィルタでろ過することで検体に含まれる細菌等の被測定物(検査対象物)を捕捉し、核酸抽出試薬によって被測定物から核酸を抽出する方法が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示された方法は、検体を入れたシリンジにフィルタを通して検査対象物をろ過濃縮した後、このフィルタを取り外して核酸抽出試薬を入れた別のシリンジに再度取り付けて検査対象物を溶出して核酸を抽出するものである。
核酸を抽出した核酸抽出液は検査チップに投入されて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)等によって核酸を増幅させた後、所定の方法で核酸の検査が行われる。
特開平4−36197号公報
しかしながら、従来の核酸検査方法では、前処理によって得られた核酸抽出液を、人手により(通常はピペットなどの手作業により)検査チップに投入するものである。また、特許文献1に開示された前処理方法では、ろ過処理及び核酸抽出処理等を各処理ごとに別々の容器を準備し、各処理ごとに液体を移し替えるという作業を伴うものである。つまり、各処理工程に移行する際に別の容器に移し替えるという作業が必要になる。
このため、従来の核酸検査方法では、作業が煩雑な上に、作業中に検査対象物とは異なる菌等の不純物が核酸抽出液に混入して汚染されるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、検体の前処理工程から核酸の検査工程までの一連の処理工程において、作業性が簡便で、核酸抽出液が汚染されることを抑制できる核酸検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る核酸検査装置の一態様は、検体の前処理を行うための前処理部と、前記検体に含まれる被測定物の核酸を検査するためのチップ部とを含む核酸検査装置であって、前記前処理部は、前記検体を注入するための検体注入口と、前記検体注入口から注入された前記検体に含まれる前記被測定物を捕捉するための捕捉部と、前記捕捉部で捕捉された前記被測定物から核酸を抽出するための核酸抽出試薬を注入するための試薬注入口と、前記核酸抽出試薬によって前記被測定物から抽出された核酸が含まれる核酸抽出液を排出するための抽出液排出口と、前記検体の廃液を排出するための廃液排出口とを有し、前記核酸検査装置は、前記抽出液排出口から排出された前記核酸抽出液を前記チップ部に送液するための送液流路と、前記送液流路を開栓又は閉栓するための開閉機構部とを備え、前記開閉機構部は、前記核酸抽出液を前記チップ部に送液する場合、前記送液流路を開栓する。
本発明によれば、検体の前処理工程から核酸の検査工程までの一連の処理工程において、簡便に作業を行うことができ、かつ、核酸抽出液が汚染されることを抑制することができる。
図1は、実施の形態に係る核酸検査装置の外観を模式的に示す斜視図である。 図2は、実施の形態に係る核酸検査装置における核酸検査ユニットの周辺構造を前方から見たときの斜視図である。 図3は、実施の形態に係る核酸検査装置における核酸検査ユニットの周辺構造を後方から見たときの斜視図である。 図4は、実施の形態に係る核酸検査ユニットの分解斜視図である。 図5は、実施の形態に係る核酸検査ユニットの断面図である。 図6は、実施の形態に係る核酸検査装置の要部拡大斜視図である。 図7は、実施の形態に係る核酸検査装置におけるチップ部と開閉部材と第1〜第3可動部材との位置関係を示す図である。 図8Aは、実施の形態に係る核酸検査方法における前処理工程の濃縮工程(ろ過工程)を示す模式断面図である。 図8Bは、実施の形態に係る核酸検査方法における前処理工程の核酸抽出工程を示す模式断面図である。 図8Cは、実施の形態に係る核酸検査方法における核酸抽出液の貯留工程を示す模式断面図である。 図8Dは、実施の形態に係る核酸検査方法における混合溶液の送液工程を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[核酸検査装置]
実施の形態に係る核酸検査装置1の構成について、図1〜図7を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る核酸検査装置1の外観を模式的に示す斜視図である。図2及び図3は、同核酸検査装置1における核酸検査ユニット100の周辺構造の斜視図である。図2は、前方から見たときの斜視図であり、図3は後方から見たときの斜視図である。図4は、同核酸検査装置1における核酸検査ユニット100の分解斜視図である。図5は、同核酸検査ユニット100の断面図である。図6は、同核酸検査装置1の要部拡大斜視図である。図7は、同核酸検査装置1におけるチップ部20と開閉部材30と第1〜第3可動部材41〜43との位置関係を示す図である。なお、図7において、チップ部20に重なった破線は、開閉部材30と第1〜第3可動部材41〜43の位置を示している。また、図7において、第2基板20bは省略している。
図1〜図3に示すように、核酸検査装置1は、検体の前処理を行うための前処理部10と、検体に含まれる被測定物の核酸を検査するためのチップ部20(検査チップ)とを含む。検体には、核酸を検査するための被測定物(検査対象物)として、例えば、細菌、ウイルス又は組織細胞等の微生物が含まれている。
図2及び図3に示すように、核酸検査装置1は、さらに、開閉部材30、第1可動部材41、第2可動部材42、第3可動部材43、及び、第4可動部材44を備えている。
図5及び図7に示すように、開閉部材30は、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b、第3開閉部材30cを有する。本実施の形態において、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b及び第3開閉部材30cは、同一の共用部材によって構成されている。つまり、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b及び第3開閉部材30cは、1つの開閉部材30として構成されている。
図2〜図5に示すように、前処理部10とチップ部20とは、核酸検査ユニット100として一体化されている。本実施の形態において、核酸検査ユニット100は、前処理部10とチップ部20と開閉部材30とを有しており、これらが1つのユニットとして一体化されている。
また、前処理部10、チップ部20及び開閉部材30は、核酸検査ユニット100として一体化された状態で核酸検査装置1に着脱可能となっている。例えば、核酸検査ユニット100は、交換可能なカートリッジであり、1回の処理ごとに交換される。1回の処理とは、例えば、検体の前処理工程から核酸の検査工程までの一連の処理工程のことである。
図2〜図7に示される前処理部10は、核酸の検査を行う前の前処理のために用いられる処理装置である。前処理部10では、検体から核酸の抽出を行う前処理工程が行われる。前処理部10で抽出された核酸は核酸抽出液として回収され、回収された核酸抽出液は、前処理部10からチップ部20へと連続して送液される。
前処理部10に注入される検体は、液状の検体サンプル(検体原液)である。したがって、被測定物の細菌等が含まれる検体が液体である場合は、この液体をそのまま検体サンプルとして用い、被測定物の細菌等が含まれる検体が固体である場合は、滅菌希釈水等に懸濁して液状の検体サンプルを作製する。
前処理部10は、検体から核酸の抽出処理を行うための処理容器である。前処理部10の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン(PP)又はポリカーボネート(PC)等の耐熱性の高い樹脂材料、アルミニウム又はステンレス等の金属材料、あるいは、ガラス又はセラミック等の無機材料である。
図4〜図6に示すように、前処理部10は、検体注入口11と、捕捉部12と、試薬注入口13と、抽出液排出口14と、廃液排出口15とを有する。前処理部10は、さらに、挿通孔17と、検査試薬注入孔18と、取り付けネジ19とを有する。
検体注入口11は、前処理部10に検体を注入するための第1注入口である。検体注入口11は、例えば、前処理部10の上部に設けられている。
捕捉部12は、検体注入口11から注入された検体に含まれる被測定物を捕捉するための歩属部材であり、少なくとも一部が前処理部10の内部に配置されている。
図5に示すように、捕捉部12は、被測定物を捕捉して保持するための本体部12aと、本体部12aを支持する支持部12bとを有する。本体部12aは、板状の支持部12bの上に載置されている。
本体部12aは、前処理部10に注入された検体をろ過することで検体に含まれる被測定物(微生物)を捕捉するためのろ過フィルタである。つまり、本体部12aは、検体に含まれる被測定物の大きさよりも小さい微細な目(孔)を複数有しており、検体を本体部12aに通すことで被測定物を捕捉することができる。つまり、検体を本体部12aでろ過することで、検体に含まれる被測定物を濃縮することができる。
また、本実施の形態では、本体部12aに被測定物が捕捉された状態で核酸抽出試薬を注入することで被測定物から核酸を抽出する。このとき、核酸を含む核酸抽出試薬は本体部12aを通過させる。このため、本体部12aの孔の大きさは、抽出した核酸の大きさよりも大きくしておくとよい。なお、検体から抽出された核酸を含む核酸抽出試薬は、核酸抽出液となって前処理部10から排出される。
本体部12aとしては、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF:polyvinylidene difluoride)、ポリエーテルサルフォン(PES:polyethersulfone)等の材質で作られたメンブレンフィルタ等を用いることができる。また、本体部12aとして、検体に含まれる被測定物を吸着させる機能を有する捕捉フィルタを用いてもよい。このような捕捉フィルタを用いることにより、検体から被測定物を捕捉する速度を向上させることができる。なお、本実施の形態において、本体部12aは、平面状のフィルタであるが、これに限るものではなく、円筒状等のその他の形状のフィルタであってもよい。
支持部12bの本体部12aに対応する中央部分には複数の貫通孔が形成されている。支持部12bの少なくとも一部は、金属材料又は高熱伝導性樹脂によって構成されているとよい。これにより、ヒータ等によって支持部12bを介して核酸抽出試薬を加熱することができる。
試薬注入口13は、核酸抽出試薬を注入するための第2注入口である。試薬注入口13は、例えば、前処理部10における捕捉部12の上方部分に設けられている。核酸抽出試薬は、捕捉部12で捕捉された被測定物から核酸を抽出するための液体試薬であり、例えば被測定物(細菌等)の細胞膜を溶出することで被測定物の核酸を取り出す作用を有する。
試薬注入口13は、前処理部10に設けられた貫通孔である。試薬注入口13には、核酸抽出試薬を格納するための核酸抽出試薬格納部の一例として核酸抽出試薬容器50が設置されている。つまり、前処理部10は、核酸抽出試薬容器50を有する。核酸抽出試薬容器50には例えばゴム製の袋が設けられており、このゴム製の袋を押すことで、核酸抽出試薬容器50に格納された核酸抽出試薬を押し出することができる。核酸抽出試薬容器50に格納された核酸抽出試薬は、所定のタイミングで試薬注入口13を介して前処理部10内に注入される。
抽出液排出口14は、核酸抽出試薬によって被測定物から抽出された核酸が含まれる核酸抽出液を排出するための第1排出口である。抽出液排出口14は、例えば、前処理部10の下部に設けられている。本実施の形態において、抽出液排出口14は、廃液排出口15よりもチップ部20側に位置している。
抽出液排出口14は、送液流路16に接続されており、抽出液排出口14から排出される核酸抽出液は、送液流路16に送液される。
廃液排出口15は、前処理部10から検体の廃液を排出するための第2排出口である。廃液排出口15からは、前処理部10に注入された検体の廃液が排出される。つまり、検体注入口11から注入されて捕捉部12を通過した後の検体は、廃液として廃液排出口15から排出される。廃液排出口15は、例えば、前処理部10の側部に設けられている。
なお、図示しないが、廃液排出口15は、配管等によって廃液を回収するための回収容器に接続されており、廃液排出口15から排出された廃液(検体)は、廃液排出口15に接続された配管を通じて回収容器に回収される。例えば、廃液は、核酸検査装置に設置された真空ポンプによって前処理部10から排出される。
送液流路16は、抽出液排出口14から排出された核酸抽出液をチップ部20に送液するための流路である。送液流路16は、例えば、前処理部10の底面に形成された溝部と開閉部材30とで囲まれる空間である。抽出液排出口14から送液流路16に送液された核酸抽出液は、開閉部材30に形成された第1貫通孔31を介してチップ部20の貯留部23に送液される。
挿通孔17は、図2及び図3に示される攪拌用スポイト60を挿通するための貫通孔である。挿通孔17は、例えば、前処理部10における捕捉部12の上方部分に設けられている。前処理部10に核酸抽出試薬が注入された場合、挿通孔17に挿通された攪拌用スポイト60の先端は核酸抽出試薬内に位置する。この状態で攪拌用スポイト60によって核酸抽出試薬を吸ったり吐き出したりすることで、前処理部10内の核酸抽出液を攪拌することができる。核酸抽出液を攪拌することで、捕捉部12で捕捉された被測定物の細胞膜の溶出を促すことができる。これにより、被測定物から核酸を抽出するのに要する時間を短縮することができ、核酸抽出処理を効率良く行うことができる。
検査試薬注入孔18は、核酸検査試薬をチップ部20の核酸検査試薬格納部24に注入するための貫通孔である。検査試薬注入孔18は、前処理部10の外部と核酸検査試薬格納部24とを連通している。
図6に示すように、取り付けネジ19は、前処理部10とチップ部20と開閉部材30とを連結固定している。具体的には、前処理部10とチップ部20との間に開閉部材30を挟んだ状態で4本の取り付けネジ19を締め付けることで前処理部10とチップ部20と開閉部材30とを固定している。なお、本実施の形態では、前処理部10が捕捉部12を境界として2つの部材に分割されており、取り付けネジ19は、この2つの部材及び捕捉部12も連結固定している。
図2〜図7に示されるチップ部20は、核酸の検査を行うための検査装置である。チップ部20では、核酸抽出液に含まれる核酸の検査を行う検査工程が行われる。本実施の形態において、チップ部20は、前処理部10で得られた核酸抽出液が送液される流路を有するマイクロ流体デバイスであり、チップ部20では、核酸抽出液を流路に送液することで核酸を増幅させて核酸の検査が行われる。具体的には、フローPCRによって核酸の増幅を行う。
図4、図5及び図7に示すように、チップ部20は、第1基板20a及び第2基板20bと、検査流路21と、混合流路22と、貯留部23と、核酸検査試薬格納部24とを有する。
第1基板20aは、平板状の下基板である。第1基板20aには、検査流路21、混合流路22、貯留部23及び核酸検査試薬格納部24が設けられている。さらに、第1基板20aには、第1貫通孔25、第2貫通孔26、第3貫通孔27及び第4貫通孔28が設けられている。
第2基板20bは、平板状の上基板であり、第1基板20aを覆う蓋基板(封止基板)である。第2基板20bによって、第1基板20aの検査流路21及び混合流路22が封止される。つまり、流路は密閉系となっている。
第2基板20bには、第1貫通孔29a、第2貫通孔29b、第3貫通孔29c及び第4貫通孔29dが設けられている。さらに、第2基板20bには、第5貫通孔22e及び第6貫通孔20fが設けられている。
第1基板20a及び第2基板20bとしては、例えば、樹脂基板、ガラス基板又はシリコン基板等が用いられる。また、第1基板20a及び第2基板20bは、例えば透明基板であるが、これに限るものではない。
検査流路21は、核酸を検査するための流路である。検査流路21は、蛇行流路であり、ヒータ部70の高温領域(例えば95℃)と低温領域(例えば60℃)とを交互に複数回繰り返して通過するように構成されている。検査流路21には、核酸抽出液と核酸を検査するための核酸検査試薬との混合溶液が流れる。検査流路21に送液される混合溶液は、高温領域と低温領域とを繰り返し通過することで、混合溶液に含まれる核酸がPCRによって増幅される。つまり、検査流路は、送液される液体に含まれる核酸の増幅を行うための核酸増幅流路である。
混合流路22は、前処理部10の抽出液排出口14から排出された核酸抽出液と、核酸を検査するための核酸検査試薬とを混合させるための流路である。核酸検査試薬(PCR試薬)には、例えば、核酸の量を蛍光発光強度で検査するための核酸染色蛍光試薬及び核酸を増幅させるための反応試薬等が含まれている。反応試薬は、例えば、PCRプライマやポリメラーゼ酵素、バッファー等である。なお、混合流路22の側壁には、核酸抽出液と核酸検査試薬とが混合しやすいように凹凸構造等が形成されていてもよい。
貯留部23は、送液流路16と混合流路22との間に設けられ、送液流路16を通って送液される核酸抽出液を貯留するための凹部である。前処理部10の抽出液排出口14から排出された核酸抽出液は、送液流路16を通って開閉部材30の第1貫通孔31を通って送液されて貯留部23に貯留される。すなわち、貯留部23は、前処理部10で得られた核酸抽出液を回収するための回収部である。
核酸検査試薬格納部24は、核酸検査試薬を格納するための凹部である。核酸検査試薬格納部24には、チップ部20での核酸の検査を行う前に予め核酸検査試薬が注入されて貯留されている。核酸検査試薬は、スポイト等によって前処理部10の検査試薬注入孔18から注入される。
第1基板20aの第1貫通孔25及び第2基板20bの第1貫通孔29aは、第1可動部材41に対応して設けられている。第1可動部材41は、上方に移動したときに第1貫通孔25及び29aに挿通されて第1貫通孔25及び29aを突き抜けて第1開閉部材30a(開閉部材30)に押圧を付与する。
同様に、第2貫通孔26及び29bと第3貫通孔27及び29cとは、第1可動部材41と第2可動部材42とに対応して設けられている。第2可動部材42は、上方に移動したときに第2貫通孔26及び29bに挿通されて第2貫通孔26及び29bを突き抜けて第2開閉部材30b(開閉部材30)に押圧を付与する。また、第3可動部材43は、上方に移動したときに第3貫通孔27及び29cに挿通されて第3貫通孔27及び29dを突き抜けて第3開閉部材30c(開閉部材30)に押圧を付与する。
第1基板20aの第4貫通孔28及び第2基板20bの第4貫通孔29dは、取り付けネジ19に対応して設けられている。本実施の形態では、4本の取り付けネジ19が用いられているので、第4貫通孔28及び29dは、それぞれ4つずつ設けられている。第4貫通孔28及び29dには取り付けネジ19が挿通される。第4貫通孔28及び29dに取り付けネジ19が挿通されることで、前処理部10とチップ部20と開閉部材30とが連結して固定される。
なお、第2基板20bの第5貫通孔29eは、第1基板20aの貯留部23に対応して形成されており、貯留部23に連通している。また、第2基板20bの第6貫通孔20fは、第1基板20aの核酸検査試薬格納部24に対応して形成されており、核酸検査試薬格納部24に連通している。
このように構成されるチップ部20では、チップ部20の流路内を流れる液体は、気液界面に生じる毛管力によって送液される。具体的には、前処理部10から送液される核酸抽出液と核酸検査試薬格納部24に格納された核酸検査試薬との混合溶液である反応溶液は、毛管力によって検査流路21内を自送液(Self−propelled flow)して検査流路21内を自動搬送される。そして、混合溶液(反応溶液)は、検査流路21内を蛇行して送液されることでヒータ部70(図2参照)によって周期的な温度変化が与えられ、これにより混合溶液に含まれる核酸が増幅する。
図4〜図7に示される開閉部材30は、弾性変形可能な材料によって構成されている。開閉部材30は、例えば、エラストマー等の弾性を有する樹脂材料で構成されており、押圧が付与されると弾性変形し、押圧が付与されなくなると弾性復元力で復元して元の形状に戻る。本実施の形態において、開閉部材30は、平面薄板状で矩形状のゴム膜であり、例えば、シリコーンゴムによって構成されている。開閉部材30は、弾性変形することで、液体又は気体の流路を開栓又は閉栓する。
図7に示すように、開閉部材30は、膜状の第1開閉部材30aとして機能する第1開閉部と、膜状の第2開閉部材30bとして機能する第2開閉部と、膜状の第3開閉部材30cとして機能する第3開閉部とを有する。
第1開閉部材30aは、弾性変形することによって送液流路16を開栓又は閉栓する。
第2開閉部材30bは、弾性変形することによって検査流路21の末端21aと大気とを連通する第1空気孔を開栓又は閉栓する。図7に示すように、第1空気孔と検査流路21とは、溝によって空間的に繋がっている。
第3開閉部材30cは、弾性変形することによって核酸検査試薬格納部24と大気とを連通する第2空気孔を開栓又は閉栓する。図7に示すように、第2空気孔と核酸検査試薬格納部24とは、溝によって空間的に繋がっている。
また、開閉部材30には、第1貫通孔31及び第2貫通孔32が設けられている。第1貫通孔31は、送液流路16とチップ部20の貯留部23との間に設けられており、前処理部10から排出されて送液流路16に送液された核酸抽出液は、第1貫通孔31を通って貯留部23に送液される。第2貫通孔32は、チップ部20の第4貫通孔28及び29dと取り付けネジ19とに対応して設けられており、本実施の形態では、4つ設けられている。第2貫通孔32には取り付けネジ19が挿通される。
図2及び図3に示すように、第1可動部材41、第2可動部材42、及び、第3可動部材43は、それぞれ、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b及び第3開閉部材30cを弾性変形させるために可動する。
第1可動部材41、第2可動部材42、及び、第3可動部材43は、例えば、ソレノイドであり、開閉部材30に近づく方向に移動したり、開閉部材30から遠ざかる方向に移動したりする。第1可動部材41、第2可動部材42、及び、第3可動部材43は、例えば、金属材料によって構成されている。
第1開閉部材30a及び第1可動部材41は、送液流路16を開栓又は閉栓するための第1開閉機構部として機能する。第1開閉機構部は、送液流路16において、廃液排出口15の近傍に設けられている。
第1開閉機構部(第1開閉部材30a及び第1可動部材41)は、前処理部10に検体を注入する場合は、送液流路16を閉栓し、核酸抽出液をチップ部20に送液する場合は、送液流路16を開栓する。
具体的には、前処理部10に検体を注入して捕捉部12で検体に含まれる被測定物を捕捉して廃液となる検体を排出するまでの間は、第1貫通孔25及び29aに第1可動部材41を挿入して第1可動部材41によって第1開閉部材30a(開閉部材30)に押圧を付与する。これにより、第1開閉部材30aを弾性変形させて抽出液排出口14を第1開閉部材30aで閉塞する。この結果、送液流路16が閉栓される状態となる。つまり、送液流路16は、第1開閉部材30aが第1可動部材41によって弾性変形することで閉栓される。
一方、前処理部10に核酸抽出試薬を注入することで得られた核酸抽出液を、前処理部10から排出してチップ部20の貯留部23に送液する場合、第1開閉部材30a(開閉部材30)には第1可動部材41による押圧が付与されない。これにより、第1開閉部材30aは弾性変形せずに、抽出液排出口14は第1開閉部材30aで閉塞されない。この結果、送液流路16が開栓される状態となる。つまり、送液流路16は、第1開閉部材30aが弾性変形しないことで開栓される。
第2開閉部材30b及び第2可動部材42は、検査流路21の末端21aと大気とを連通する第1空気孔を開栓又は閉栓するための第2開閉機構部として機能する。
第3開閉部材30c及び第3可動部材43は、核酸検査試薬格納部24と大気とを連通する第2空気孔を開栓又は閉栓するための第3開閉機構部として機能する。
本実施の形態では、第2可動部材42によって第2開閉部材30bを弾性変形させるとともに第3可動部材43によって第3開閉部材30cを弾性変形させて第1空気孔及び第2空気孔が開栓することで、酸抽出液と核酸検査試薬との混合溶液は、毛管力によって検査流路21に送液される。
第4可動部材44は、核酸抽出試薬容器50に格納された核酸抽出試薬を前処理部10内に注入する際に、核酸抽出試薬容器50を押すために可動する。第4可動部材44は、例えば、ソレノイドであり、核酸抽出試薬容器50に近づく方向に移動したり、核酸抽出試薬容器50から遠ざかる方向に移動したりする。第4可動部材44が移動して核酸抽出試薬容器50のゴム製の袋を押すことで、核酸抽出試薬容器50に格納された核酸抽出試薬が押し出される。
[核酸検査方法]
次に、核酸検査装置1を用いた核酸検査方法について、図1〜図7を参照しながら、図8A〜図8Dを用いて説明する。図8A〜図8Dは、実施の形態に係る核酸検査方法の各工程を示す模式断面図である。図8Aは前処理工程の濃縮工程(ろ過工程)、図8Bは前処理工程の核酸抽出工程、図8Cは核酸抽出液の貯留工程、図8Dは混合溶液の送液工程を示している。なお、図8A〜図8Dは、核酸検査装置1の要部拡大断面図である。
まず、図8Aに示すように、前処理部10に検体200を注入する。具体的には、被測定物201を含む検体200(検体原液)を検体注入口11から前処理部10内に注入する。前処理部10内に注入された検体200は、捕捉部12を通過する。
このとき、検体200は、捕捉部12によってろ過されて濃縮される。つまり、検体200を捕捉部12でろ過することで検体200が濃縮される。具体的には、検体200が捕捉部12を通過する際、検体200に含まれる被測定物201が捕捉部12に捕捉される。本実施の形態において、検体200に含まれる被測定物201は、捕捉部12の本体部12a(フィルタ)を通過する際に本体部12aに捕捉されて本体部12aの上に留まる。捕捉部12を通過した検体200は、廃液として廃液排出口15を介して前処理部10から排出される。
この工程では、真空ポンプ等によって前処理部10内を減圧するとよい。これにより、検体200を吸引ろ過することができるので、前処理部10に注入された検体200を、速やかに捕捉部12を通過させて前処理部10から排出させることができる。
また、この工程を行う際は、第1可動部材41を上方に移動させて第1開閉部材30a(開閉部材30)を弾性変形させることで抽出液排出口14を第1開閉部材30aで閉塞しておく。つまり、弾性変形させた第1開閉部材30aを抽出液排出口14に押しつけることで送液流路16を閉栓しておく。
次に、図8Bに示すように、前処理部10に核酸抽出試薬300を注入することで、捕捉部12で捕捉した被測定物201から核酸を抽出する。具体的には、図5に示すように、前処理部10に設置された核酸抽出試薬容器50から前処理部10に核酸抽出試薬300を注入する。この場合、第4可動部材44を可動させて核酸抽出試薬容器50を押すことで試薬注入口13を介して核酸抽出試薬300を前処理部10に注入する。
図8Bに示すように、この工程を行う際、第1可動部材41を下方に移動させて第1開閉部材30a(開閉部材30)を元に戻して抽出液排出口14を開放して送液流路16を開栓する。
この工程では、前処理部10内に核酸抽出試薬300を注入すると、捕捉部12に捕捉された被測定物201が核酸抽出試薬300に反応する。これにより、被測定物201から核酸を抽出することができる。具体的には、被測定物201から核酸抽出試薬300に核酸が溶出し、核酸が含まれる核酸抽出液400が生成される。
なお、被測定物201から核酸を抽出する場合、核酸抽出試薬300を捕捉部12の上に保持させて行ってもよい。これにより、核酸抽出試薬300が捕捉部12の上に滞留するので、被測定物201が核酸抽出試薬300に一定時間浸されることとなり、核酸の抽出(溶出)を効率良く行うことができる。このように、核酸抽出試薬300を捕捉部12の上に保持させる場合、例えば、真空ポンプによって前処理部10の捕捉部12の下方空間の圧力を上方空間の圧力よりも高くすればよい。核酸抽出処理が終わった後は、真空ポンプを停止させることで、核酸抽出液を自重によって捕捉部12を通過させることができる。
また、核酸抽出試薬300を前処理部10に注入したときに、攪拌用スポイト60(図3参照)によって核酸抽出試薬300を攪拌するとよい。これにより、核酸の抽出をさらに効率良く行うことができる。
さらに、第1可動部材41を加熱するヒータ部90によって、第1可動部材41を介して前処理部10内の核酸抽出液を加熱してもよい。したがって、ヒータ部90の熱を核酸抽出液に効率良く伝導させるために、第1可動部材41は、金属材料等の熱伝導率の高い材料によって構成されているとよい。
全ての核酸抽出試薬300が捕捉部12を通過すると、図8Cに示すように、核酸が含まれる核酸抽出液400は、送液流路16を通って開閉部材30の第1貫通孔31を介してチップ部20の貯留部23に貯留する。
このとき、検査流路21の末端21aと大気とを連通する第1空気孔(図7参照)、及び、チップ部20の核酸検査試薬格納部24と大気とを連通する第2空気孔(図7参照)は、閉栓されている。このため、貯留部23内の核酸抽出液400は、貯留部23から先には送液されず、貯留部23に留まる。
その後、第2可動部材42によって第2開閉部材30bを弾性変形させることで、検査流路21の末端21aと大気とを連通する第1空気孔を開栓する。また、図示しないが、第3可動部材43によって第3開閉部材30cを弾性変形させることで、チップ部20の核酸検査試薬格納部24と大気とを連通する第2空気孔を開栓する。
このように第1空気孔及び第2空気孔が開栓することで、貯留部23に貯留された核酸抽出液400と核酸検査試薬とが毛管力によって送液される。これにより、混合流路22において核酸抽出液400と核酸検査試薬とが混合し、核酸抽出液400と核酸検査試薬との混合溶液500は、図8Dに示すように、毛管力によって検査流路21に送液される。なお、混合溶液500は、検査流路21の末端21aまで送液される。
このとき、混合溶液500は、蛇行する検査流路21を送液することでヒータ部70の高温領域と低温領域との2つの温度領域を交互に繰り返して順次通する。これにより、混合溶液500には、加熱と冷却とが交互に繰り返して付与されることになる。この結果、PCRによって混合溶液500に含まれる核酸を増幅させることができる。つまり、混合溶液500に含まれる核酸は、高温領域での変性反応と低温領域でのアニール・伸長反応との繰り返しによって増幅する。
その後、図1に示される光学検出装置80を用いて、核酸の増幅量を測定する。具体的には、光学検出装置80を図1の矢印に示す方向に移動させることで、検査流路21内の混合溶液500にレーザ光をスキャンしながら照射するとともに反射光を受光する。そして、受光した反射光に基づいて検査流路21内の混合溶液500中における核酸の増幅量を算出する。一例として、青色光のレーザ光を混合溶液500に照射することによって混合溶液500内の核酸に含まれる蛍光体を緑色に蛍光発光させて、この緑色光(反射光)の蛍光量を測定することで核酸の増幅量を算出することができる。
以上のようにして、検体に含まれる被測定物(微生物)の核酸を検査することができる。
[まとめ]
以上、本実施の形態における核酸検査装置1は、検体の前処理を行うための前処理部10と、検体に含まれる被測定物の核酸を検査するためのチップ部20と、前処理部10の抽出液排出口14から排出された核酸抽出液をチップ部20に送液するための送液流路16と、送液流路16を開栓又は閉栓するための開閉機構部を備えており、この開閉機構部は、核酸抽出液をチップ部20に送液する場合、送液流路16を開栓している。
これにより、検体から被測定物を捕捉する処理及び捕捉した被測定物から核酸を溶出する処理等の前処理を、各処理ごとに容器に移し替える作業を伴うことなく実施することができるので、前処理を経て得られた核酸抽出液を前処理部10からチップ部20に送液できる。このとき、送液流路16を開栓又は閉栓するだけで、前処理部10での前処理とチップ部20への核酸抽出液の送液とを連続して行うことができる。したがって、検体の前処理工程から核酸の検査工程までの一連の処理工程において、簡便に作業を行うことができるとともに、核酸抽出液が汚染されることを抑制することができる。しかも、上記一連の処理工程において別の容器への移し替え作業が無いので、作業時間の短縮化を図ることもできる。
また、本実施の形態において、前処理部10とチップ部20とは一体化されており、前処理部10及びチップ部20は、一体化された状態で核酸検査装置1に着脱可能となっている。
これにより、検体の前処理工程から核酸の検査工程までの一連の処理工程を、より簡便に行うことができるとともに核酸抽出液の汚染を一層抑制できる。また、一体化された前処理部10とチップ部20とを着脱可能とすることで、前処理部10及びチップ部20を容易に交換することができる。これにより、作業性を一層向上させることができる。
また、本実施の形態において、抽出液排出口14は、廃液排出口15よりもチップ部20側に位置しており、送液流路16を開栓又は閉栓する開閉機構部は、送液流路16において、廃液排出口15の近傍に設けられている。
このように、送液流路16を開栓又は閉栓する開閉機構部を廃液排出口15の近傍に設けることによって、開閉機構部と廃液排出口15との間の空間を小さくすることができる。その結果として、検体の廃液の一部が当該空間に残溜してしまうことを抑制することができ、検体の廃液を廃液排出口15を介して確実に外部に排出することができる。
また、本実施の形態において、開閉機構部は、弾性変形することによって送液流路16を開栓又は閉栓する膜状の第1開閉部材30aと、第1開閉部材30aを弾性変形させるための第1可動部材41とを有する。この場合、送液流路16は、第1開閉部材30aが第1可動部材41によって弾性変形することで閉栓される。
これにより、簡単な構造によって送液流路16の開栓及び閉栓を行うことができる。このため、一体化された前処理部10及びチップ部20をより小型にすることができる。特に、開閉機構部の簡素化によって開閉機構部を廃液排出口15の近傍に設けやすくできる。その結果、開閉機構部と廃液排出口15との間の空間をより一層小さくすることができ、検体の廃液の一部が当該空間に残溜することを確実に防止することができる。
また、本実施の形態における核酸検査装置1は、第1可動部材41を加熱するヒータ部90を有しており、ヒータ部90は、第1可動部材41を介して核酸抽出液を加熱している。
核酸抽出液における核酸抽出試薬自体は核酸の増幅を阻害させるために、核酸抽出試薬の活性を失わせるとよい。このため、通常、捕捉部12を加熱する等して被測定物からの核酸の抽出を促進させるために核酸抽出試薬を所定の温度(例えば70℃)で加熱するが、その後、核酸抽出試薬の活性を失わせるために、さらに核酸を含む核酸抽出試薬(核酸抽出液)を所定の温度(例えば90℃)で加熱して核酸抽出試薬の温度を上昇させるとよい。そこで、ヒータ部90によって第1可動部材41を介して核酸抽出液を加熱することで、核酸抽出液の加熱処理を、膜状の第1開閉部材30a(開閉部材30)を介して行うことができるので、核酸抽出液を効率的に加熱することができる。また、第1可動部材41を利用することによって、特別な加熱機構を用いることなく核酸抽出液を加熱できるので、核酸検査装置1の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
また、本実施の形態において、チップ部20は、抽出液排出口14から排出された核酸抽出液と核酸を検査するための核酸検査試薬とを混合させるための混合流路22と、送液流路16と混合流路22との間に設けられ、送液流路16を通って送液される核酸抽出液を貯留するための貯留部23とを有する。
これにより、核酸抽出液を一旦貯留部23に貯留させた後、混合流路22に流し込むことができる。すなわち、核酸抽出液と核酸検査試薬とを適切なタイミングで混合流路22に送液することができる。この結果、核酸抽出液と核酸検査試薬とを十分混合させることができる。言い換えれば、仮に貯留部23を設けなかったとすると、例えば核酸抽出液及び核酸検査試薬の一方が他方よりも先行して混合流路22に送液されて核酸抽出核と核酸検査試薬とが十分に混合しないおそれがあるが、核酸抽出液を一旦貯留部23に貯留させることで、このようなことが生じるのを抑制できる。
また、本実施の形態において、チップ部20は、核酸検査試薬を格納するための核酸検査試薬格納部24を有する。
これにより、核酸検査試薬をチップ部20に注入する際に、核酸検査試薬が汚染されることを抑制できる。
また、本実施の形態において、チップ部20は、核酸を検査するための検査流路21を有している。また、核酸検査装置1は、検査流路21の末端21aと大気とを連通する第1空気孔と、核酸検査試薬格納部24と大気とを連通する第2空気孔と、弾性変形することによって第1空気孔を開栓又は閉栓する膜状の第2開閉部材30bと、第2開閉部材30bを弾性変形させるための第2可動部材42と、弾性変形することによって第2空気孔を開栓又は閉栓する膜状の第3開閉部材30cと、第3開閉部材30cを弾性変形させるための第3可動部材43とを有する。そして、第2可動部材42によって第2開閉部材30bを弾性変形させるとともに第3可動部材43によって第3開閉部材30cを弾性変形させて第1空気孔及び第2空気孔が開栓することで、核酸抽出液と核酸検査試薬との混合溶液は、毛管力によって検査流路21に送液される。
これにより、別途ポンプ等の送液機構を用いることなく、核酸抽出液と核酸検査試薬との混合溶液を、チップ部20の検査流路21に簡便に送液することができる。
また、本実施の形態において、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b及び第3開閉部材30cは、同一の共用部材によって構成されている。具体的には、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b及び第3開閉部材30cは、1つの開閉部材30によって構成されている。
これにより、第1開閉部材30a、第2開閉部材30b及び第3開閉部材30cの共用化を図ることができるので、核酸検査装置1の構造を簡素化することができ、かつ装置自体の小型化を図ることができる。
また、本実施の形態において、前処理部10は、核酸抽出試薬を格納するための核酸抽出試薬格納部として核酸抽出試薬容器50を有する。
これにより、核酸抽出試薬を前処理部10に注入する際に、核酸抽出試薬が汚染されることを抑制できる。
(変形例)
以上、本発明に係る核酸検査装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、貯留部23は、チップ部20に設けたが、前処理部10に設けられていてもよい。つまり、貯留部23は、前処理部10及びチップ部20のいずれに設けられていてもよい。
また、上記実施の形態では、毛管力によって混合溶液500を送液したが、これに限るものではない。例えば、検査流路21にシリンジポンプをつないで混合溶液500を送液してもよいし、毛管力以外の方法で混合溶液500を自送液させてもよい。
その他、各実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 核酸検査装置
10 前処理部
11 検体注入口
12 捕捉部
13 試薬注入口
14 抽出液排出口
15 廃液排出口
16 送液流路
20 チップ部
21 検査流路
21a 末端
22 混合流路
23 貯留部
24 核酸検査試薬格納部
30a 第1開閉部材
30b 第2開閉部材
30c 第3開閉部材
41 第1可動部材
42 第2可動部材
43 第3可動部材
70 ヒータ部
200 検体
201 被測定物
300 核酸抽出試薬
400 核酸抽出液
500 混合溶液

Claims (11)

  1. 検体の前処理を行うための前処理部と、前記検体に含まれる被測定物の核酸を検査するためのチップ部とを含む核酸検査装置であって、
    前記前処理部は、前記検体を注入するための検体注入口と、前記検体注入口から注入された前記検体に含まれる前記被測定物を捕捉するための捕捉部と、前記捕捉部で捕捉された前記被測定物から核酸を抽出するための核酸抽出試薬を注入するための試薬注入口と、前記核酸抽出試薬によって前記被測定物から抽出された核酸が含まれる核酸抽出液を排出するための抽出液排出口と、前記検体の廃液を排出するための廃液排出口とを有し、
    前記核酸検査装置は、
    前記抽出液排出口から排出された前記核酸抽出液を前記チップ部に送液するための送液流路と、
    前記送液流路を開栓又は閉栓するための開閉機構部とを備え、
    前記開閉機構部は、前記核酸抽出液を前記チップ部に送液する場合、前記送液流路を開栓する
    核酸検査装置。
  2. 前記前処理部と前記チップ部とは一体化されており、
    前記前処理部及び前記チップ部は、一体化された状態で前記核酸検査装置に着脱可能である
    請求項1に記載の核酸検査装置。
  3. 前記抽出液排出口は、前記廃液排出口よりも前記チップ部側に位置しており、
    前記開閉機構部は、前記送液流路において、前記廃液排出口の近傍に設けられている
    請求項1又は2に記載の核酸検査装置。
  4. 前記開閉機構部は、
    弾性変形することによって前記送液流路を開栓又は閉栓する膜状の第1開閉部材と、
    前記第1開閉部材を弾性変形させるための第1可動部材とを有する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸検査装置。
  5. 前記送液流路は、前記第1開閉部材が前記第1可動部材によって弾性変形することで閉栓される
    請求項4に記載の核酸検査装置。
  6. 前記第1可動部材を加熱するヒータ部を有し、
    前記ヒータ部は、前記第1可動部材を介して前記核酸抽出液を加熱する
    請求項4又は5に記載の核酸検査装置。
  7. 前記チップ部は、
    前記抽出液排出口から排出された前記核酸抽出液と前記核酸を検査するための核酸検査試薬とを混合させるための混合流路と、
    前記送液流路と前記混合流路との間に設けられ、前記送液流路を通って送液される前記核酸抽出液を貯留するための貯留部とを有する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸検査装置。
  8. 前記チップ部は、前記核酸検査試薬を格納するための核酸検査試薬格納部を有する
    請求項7に記載の核酸検査装置。
  9. 前記チップ部は、前記核酸を検査するための検査流路を有し、
    前記核酸検査装置は、
    前記検査流路の末端と大気とを連通する第1空気孔と、
    前記核酸検査試薬格納部と大気とを連通する第2空気孔と、
    弾性変形することによって前記第1空気孔を開栓又は閉栓する膜状の第2開閉部材と、
    前記第2開閉部材を弾性変形させるための第2可動部材と、
    弾性変形することによって前記第2空気孔を開栓又は閉栓する膜状の第3開閉部材と、
    前記第3開閉部材を弾性変形させるための第3可動部材とを有し、
    前記第2可動部材によって前記第2開閉部材を弾性変形させるとともに前記第3可動部材によって前記第3開閉部材を弾性変形させて前記第1空気孔及び前記第2空気孔が開栓することで、前記核酸抽出液と前記核酸検査試薬との混合溶液は、毛管力によって前記検査流路に送液される
    請求項8に記載の核酸検査装置。
  10. 前記第1開閉部材、前記第2開閉部材及び前記第3開閉部材は、同一の共用部材によって構成されている
    請求項9に記載の核酸検査装置。
  11. 前記前処理部は、前記核酸抽出試薬を格納するための核酸抽出試薬格納部を有する
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の核酸検査装置。
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